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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】回折光学要素を使用した眼結像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20230623BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230623BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
G02B5/18
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2019551398
(86)(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2018023178
(87)【国際公開番号】W WO2018175343
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】62/474,419
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, チュンユ
(72)【発明者】
【氏名】オ, チュルウ
(72)【発明者】
【氏名】クルグ, マイケル アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーザー, エヴィヤター
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/054092(WO,A1)
【文献】特開2010-102215(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012280(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/036537(WO,A1)
【文献】特開2013-200467(JP,A)
【文献】特開2015-118273(JP,A)
【文献】特開2007-304227(JP,A)
【文献】特表2002-504239(JP,A)
【文献】特開2015-213226(JP,A)
【文献】特開2007-219106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実画像をユーザに提供するための頭部搭載型ディスプレイ(HMD)であって、前記頭部搭載型ディスプレイは、
カメラを備えるカメラアセンブリと、
前記ユーザの眼からの光を前記カメラアセンブリに向かって指向するように構成される光指向アセンブリと
を備え、前記光指向アセンブリは、
近位表面および遠位表面を有する基板であって、前記近位表面は、前記HMD前記ユーザの眼に最も近く、前記遠位表面は、前記HMDの前記ユーザの眼から最も遠い、基板と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第1の結合光学要素と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置され、前記第1の結合光学要素から前記近位表面または前記遠位表面と平行方向に沿って側方にオフセットされる第2の結合光学要素と
を備え、前記第1の結合光学要素は、前記ユーザの眼からの光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で前記第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の結合光学要素は、光を前記基板から外に前記カメラアセンブリに向かって指向させる角度で前記光を偏向させるように構成され、
前記カメラアセンブリは、前記基板内で全内部反射させられかつ前記第2の結合光学要素によって偏向させられた前記光を使用して、前記ユーザの眼の画像を捕捉するように構成され、
前記HMDは、異なる深度平面において、前記異なる深度平面に対応する異なる量の波面発散を伴う光を出力することによって画像を前記ユーザに表示するように構成される、HMD
【請求項2】
前記基板は、可視光に対して透過性である、請求項1に記載のHMD
【請求項3】
前記基板は、ポリマーを含む、請求項1に記載のHMD
【請求項4】
前記基板は、ポリカーボネートを含む、請求項1に記載のHMD
【請求項5】
前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の前記近位表面および遠位表面のうちの少なくとも1つの外部にあり、それに固定される、請求項1に記載のHMD
【請求項6】
前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の一部を含む、請求項1に記載のHMD
【請求項7】
前記第1および第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、複数の回折光学要素を備える、請求項1に記載のHMD
【請求項8】
前記複数の回折光学要素は、所定の波長範囲の光の実質的に全てを回折する、請求項7に記載のHMD
【請求項9】
前記複数の回折光学要素は、周期的構造を有し、前記周期的構造は、前記周期的構造の周期に部分的に基づいた少なくとも1つの方向に光を回折し、前記少なくとも1つの方向は、前記光を前記近位表面と遠位表面との間でTIRするように選択される、請求項7に記載のHMD
【請求項10】
前記第1または第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、または軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のHMD
【請求項11】
前記第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲の光を透過させるように構成される、請求項1に記載のHMD
【請求項12】
前記第1の波長の範囲は、赤外線(IR)または近IRスペクトルのうちの少なくとも1つにおける光を含み、前記第2の波長の範囲は、可視スペクトルにおける光を含む、請求項11に記載のHMD
【請求項13】
前記第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第1の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置され、前記第2の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置される、請求項1に記載のHMD
【請求項14】
前記第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第1の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置され、前記第2の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置される、請求項1に記載のHMD
【請求項15】
前記第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第2の結合光学要素は、前記ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置される、請求項1に記載のHMD
【請求項16】
前記第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第2の結合光学要素は、前記ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置される、請求項1に記載のHMD
【請求項17】
前記HMDは、前記ユーザの頭部上に装着されるように構成され前記HMDは、
フレームと、
一対の光学要素であって、前記一対の光学要素は、前記一対の光学要素の各光学要素が前記ユーザの眼の前方に配置されることが可能であるように、前記フレームによって支持される、一対の光学要素と、
請求項1に記載のHMDの前記カメラアセンブリを備える結像システムであって、前記カメラアセンブリ前記フレームに搭載される結像システムと
さらに備える、請求項1に記載のHMD。
【請求項18】
前記一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素は、前記基板を含む、請求項17に記載のHMD。
【請求項19】
前記基板は、前記一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素の表面上に配置される、請求項17に記載のHMD。
【請求項20】
前記フレームは、一対の耳掛け部を備え、前記カメラアセンブリは、前記一対の耳掛け部のうちの1つ上に搭載される、請求項17に記載のHMD。
【請求項21】
前記カメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される前方に面したカメラアセンブリである、請求項17に記載のHMD。
【請求項22】
前記カメラアセンブリは、前記ユーザに向かって面した方向に配置される後方に面したカメラアセンブリであり、前記後方に面したカメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される、請求項17に記載のHMD。
【請求項23】
第1の波長の範囲の光を前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つに向かって放出する光源をさらに備える、請求項17に記載のHMD。
【請求項24】
前記第1の波長の範囲の光は、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つによって、前記第1の結合光学要素に向かって反射される、請求項23に記載のHMD。
【請求項25】
前記一対の光学要素はそれぞれ、可視光に対して透過性である、請求項17に記載のHMD。
【請求項26】
前記一対の光学要素はそれぞれ、画像を前記ユーザに表示するように構成される、請求項17に記載のHMD。
【請求項27】
カメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光に部分的に基づいて、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを結像するように構成される、請求項17に記載のHMD。
【請求項28】
前記HMDは、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの前記少なくとも1つの画像に基づいて、前記ユーザの視線を追跡するように構成される、請求項27に記載のHMD。
【請求項29】
前記カメラアセンブリによって結像される画像は、前記ユーザの眼の正面に設置され、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの前記少なくとも1つを直接視認するカメラによって結像される画像と一致する、請求項27に記載のHMD。
【請求項30】
前記結像システムは、前記TIRさせられた光のストライド距離が前記第1の結合光学要素のサイズよりも大きいことにより前記カメラアセンブリによって受光される迷光を低減させるように、配列される、請求項17に記載のHMD。
【請求項31】
前記第1の結合光学要素のサイズは、前記基板の前記遠位表面と近位表面との間で反射された光のストライド距離未満であり、前記ストライド距離は、前記基板の厚さおよび前記第1の結合光学要素が前記光を偏向させる角度に基づく、請求項17に記載のHMD。
【請求項32】
前記カメラアセンブリによって結像される前記ユーザの眼の画像と、前記ユーザの眼の正面に設置されたカメラによって結像される前記ユーザの眼の画像とは、区別不能である、請求項17に記載のHMD。
【請求項33】
前記カメラアセンブリによって入手された画像を記憶するように構成される非一過性データ記憶装置と、
前記非一過性データ記憶装置と通信するハードウェアプロセッサであって、前記ハードウェアプロセッサは、前記画像を分析し、眼追跡、バイオメトリック識別、前記眼の形状の多視点再構築、前記眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、前記眼の他の際立ったパターンの結像、および前記ユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施するための実行可能命令でプログラムされる、ハードウェアプロセッサと
をさらに備える、請求項17に記載のHMD。
【請求項34】
拡張現実画像をユーザに提供するための頭部搭載型ディスプレイ(HMD)であって、
カメラを備えるカメラアセンブリと、
前記ユーザの眼からの光を前記カメラアセンブリに向かって指向するように構成される光指向アセンブリと
を備え、前記光指向アセンブリは、
近位表面および遠位表面を有する基板であって、前記近位表面は、前記HMD前記ユーザの眼に最も近く、前記遠位表面は、前記HMDの前記ユーザの眼から最も遠い、基板と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第1の回折光学要素と
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第2の回折光学要素であって、前記第2の回折光学要素は、前記第1の回折光学要素から前記近位表面または前記遠位表面と平行方向に沿ってオフセットされる、第2の回折光学要素
を備え、前記第1の回折光学要素は、前記ユーザの眼からの光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で前記第2の回折光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の回折光学要素は、その上に入射する光を前記基板から外に前記カメラアセンブリに向かって指向させる角度で前記光を偏向させるように構成され
前記カメラアセンブリは、前記基板内で全内部反射させられかつ前記第2の回折光学要素によって偏向させられた前記光を使用して、前記ユーザの眼の画像を捕捉するように構成され、
前記HMDは、異なる深度平面において、前記異なる深度平面に対応する異なる量の波面発散を伴う光を出力することによって画像を前記ユーザに表示するように構成される、HMD
【請求項35】
前記第1および第2の回折光学要素は、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)のうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のHMD
【請求項36】
拡張現実画像をユーザに提供し、仮想カメラを使用して前記ユーザの眼を結像する方法であって、前記方法は、
頭部搭載型ディスプレイ(HMD)を結像されることになる前記ユーザの眼の正面に提供することであって、前記HMDは、
カメラを備えるカメラアセンブリと、
それぞれが基板の、前記ユーザに近位の近位表面および前記ユーザから遠位の遠位表面のうちの1つ上に配置され、相互からオフセットされる、第1の結合光学要素および第2の結合光学要素を備える基板であって、前記第1の結合光学要素は、前記ユーザの眼からの光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で前記第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の結合光学要素は、前記光を前記基板から外に前記カメラアセンブリに向かって指向させる角度で前記光を偏向させるように構成される、基板
を備え、
前記HMDは、異なる深度平面において、前記異なる深度平面に対応する異なる量の波面発散を伴う光を出力することによって画像を前記ユーザに表示するように構成される、ことと、
記カメラアセンブリを用いて、前記ユーザの眼からのものでありかつ前記基板内で全内部反射させられかつ前記第2の結合光学要素によって偏向させられた前記光を捕捉することと、
前記捕捉された光に基づいて、前記ユーザの眼の画像を生成することと
を含む、方法。
【請求項37】
前記第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲における光を透過させる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
光源によって放出される第1の波長の範囲を用いて、前記ユーザの眼を照明することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記画像を分析することと、
前記分析された画像に部分的に基づいて、眼追跡、バイオメトリック識別、前記眼の形状の多視点再構築、前記眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、前記眼の他の際立ったパターンの結像、および前記ユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施することと
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2017年3月21日に出願され“EYE-IMAGING APPARATUS USING DIFFRACTIVE OPTICAL ELEMENTS”と題された米国仮特許出願第62/474,419号に対する優先権の利益を主張するものであり、該米国仮特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、仮想現実および拡張現実結像および可視化システムに関し、特に、結合光学要素を使用して、光をカメラアセンブリに指向する、眼の画像を入手するためのコンパクトな結像システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0004】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚するが、これらの要素40、50は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0005】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARおよびVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付の請求項の範囲内である方法および装置の種々の実装はそれぞれ、いくつかの側面を有し、そのうちの単一の1つが、本明細書に開示される望ましい属性に関与するわけではない。添付の請求項の範囲を限定することなく、いくつかの顕著な特徴が、本明細書に説明される。
【0007】
本開示の一側面は、オブジェクトを直接視認しない、カメラアセンブリを用いて、オブジェクトを結像するステップを提供する。故に、本明細書に説明される実施形態による、光学デバイスは、直接視認位置にあるかのように、オブジェクトの画像を捕捉するように、オブジェクトからの光を軸外カメラアセンブリに指向するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、軸外カメラアセンブリを使用して、オブジェクトの画像を入手するためのシステム、デバイス、および方法が、開示される。一実装では、近位表面および遠位表面を有する、基板と、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第1の結合光学要素と、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、第1の結合光学要素からオフセットされる、第2の結合光学要素とを含み得る、光学デバイスが、開示される。第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成されてもよい。第2の結合光学要素は、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、複数の回折特徴を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、軸外カメラアセンブリを使用して、オブジェクトの画像を入手するためのシステム、デバイス、および方法が、開示される。一実装では、フレームと、一対の光学要素の各光学要素がユーザの眼の前方に配置されることが可能であるように、フレームによって支持される、一対の光学要素と、結像システムとを含み得る、ユーザの頭部上に装着されるように構成される、頭部搭載型ディスプレイ(HMD)が、開示される。結像システムは、フレームに搭載される、カメラアセンブリと、光をカメラアセンブリに指向するための光学デバイスとを含んでもよい。光学デバイスは、近位表面および遠位表面を有する、基板と、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第1の結合光学要素と、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、第1の結合光学要素からオフセットされる、第2の結合光学要素とを含んでもよい。第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かってTIRするように構成されてもよい。第2の結合光学要素は、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、軸外カメラアセンブリを使用して、オブジェクトの画像を入手するためのシステム、デバイス、および方法が、開示される。一実装では、近位表面および遠位表面を有する、基板を含み得る、結像システムが、開示される。基板は、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第1の回折光学要素と、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、第1の結合光学要素からオフセットされる、第2の回折光学要素とを含んでもよい。第1の回折光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かってTIRするように構成されてもよい。第2の回折光学要素は、その上に入射する光を基板から外にある角度で偏向させるように構成されてもよい。結像システムはまた、カメラアセンブリを含み、第2の結合光学要素によって偏向される光を結像してもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の回折光学要素は、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外回折光学要素(DOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)、ホットミラー、プリズム、または装飾レンズの表面のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、軸外カメラアセンブリを使用して、オブジェクトの画像を入手するためのシステム、デバイス、および方法が、開示される。本方法は、結像システムを結像されることになるオブジェクトの正面に提供するステップを含んでもよい。結像システムは、それぞれ、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、相互からオフセットされる、第1の結合光学要素および第2の結合光学要素を含み得る、基板であってもよい。第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かってTIRするように構成されてもよい。第2の結合光学要素は、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成されてもよい。本方法はまた、第2の結合光学要素によって偏向される光を受光するように配向されるカメラアセンブリを用いて、光を捕捉するステップと、捕捉された光に基づいて、オブジェクトの軸外画像を生成するステップとを含んでもよい。
【0012】
実施形態のいずれかでは、基板の近位表面および遠位表面は、相互に平行であることができるが、その必要はない。例えば、基板は、楔を備えてもよい。
【0013】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実装の詳細は、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。本概要または以下の詳細な説明のいずれも、本発明の主題の範囲を定義または限定することを主張するものではない。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
光学デバイスであって、
近位表面および遠位表面を有する基板と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第1の結合光学要素と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置され、前記第1の結合光学要素から前記近位表面または前記遠位表面と平行方向に沿って側方にオフセットされる第2の結合光学要素と
を備え、前記第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で前記第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の結合光学要素は、光を前記基板から外にある角度で偏向させるように構成される、光学デバイス。
(項目2)
前記基板は、可視光に対して透過性である、項目1に記載の光学デバイス。
(項目3)
前記基板は、ポリマーを含む、項目1に記載の光学デバイス。
(項目4)
前記基板は、ポリカーボネートを含む、項目1に記載の光学デバイス。
(項目5)
前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の前記近位表面および遠位表面のうちの少なくとも1つの外部にあり、それに固定される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目6)
前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の一部を含む、項目1に記載の光学デバイス。
(項目7)
前記第1および第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、複数の回折特徴を備える、項目1に記載の光学デバイス。
(項目8)
前記複数の回折特徴は、ある波長の範囲の光の実質的に全てを回折するように、前記ある波長の範囲のための比較的に高回折効率を有する、項目7に記載の光学デバイス。
(項目9)
前記複数の回折特徴は、複数の回折要素の周期に部分的に基づいて、光を少なくとも1つの方向に回折し、前記少なくとも1つの方向は、前記光を前記近位表面と遠位表面との間でTIRするように選択される、項目7に記載の光学デバイス。
(項目10)
前記第1または第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外回折光学要素(DOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、または軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の光学デバイス。
(項目11)
前記第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲の光を透過させるように構成される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目12)
前記第1の波長の範囲は、赤外線(IR)または近IRスペクトルのうちの少なくとも1つにおける光を含み、前記第2の波長の範囲は、可視スペクトルにおける光を含む、項目11に記載の光学デバイス。
(項目13)
前記第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第1の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置され、前記第2の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目14)
前記第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第1の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置され、前記第2の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目15)
前記第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第2の結合光学要素は、前記ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の遠位表面上に配置される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目16)
前記第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、前記第2の結合光学要素は、前記ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、前記第1および第2の結合光学要素は、前記基板の近位表面上に配置される、項目1に記載の光学デバイス。
(項目17)
ユーザの頭部上に装着されるように構成される頭部搭載型ディスプレイ(HMD)であって、前記HMDは、
フレームと、
一対の光学要素であって、前記一対の光学要素は、前記一対の光学要素の各光学要素が前記ユーザの眼の前方に配置されることが可能であるように、前記フレームによって支持される、一対の光学要素と、
結像システムであって、前記結像システムは、
前記フレームに搭載されるカメラアセンブリと、
項目1に記載の光学デバイスと
を備える、結像システムと
を備える、HMD。
(項目18)
前記一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素は、前記基板を含む、項目17に記載のHMD。
(項目19)
前記基板は、前記一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素の表面上に配置される、項目17に記載のHMD。
(項目20)
前記フレームは、一対の耳掛け部を備え、前記カメラアセンブリは、前記一対の耳掛け部のうちの1つ上に搭載される、項目17に記載のHMD。
(項目21)
前記カメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される前方に面したカメラアセンブリである、項目17に記載のHMD。
(項目22)
前記カメラアセンブリは、前記ユーザに向かって面した方向に配置される後方に面したカメラアセンブリであり、前記後方に面したカメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される、項目17に記載のHMD。
(項目23)
第1の波長の範囲の光を前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つに向かって放出する光源をさらに備える、項目17に記載のHMD。
(項目24)
前記第1の波長の範囲の光は、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つによって、前記第1の結合光学要素に向かって反射される、項目23に記載のHMD。
(項目25)
前記一対の光学要素はそれぞれ、可視光に対して透過性である、項目17に記載のHMD。
(項目26)
前記一対の光学要素はそれぞれ、画像をユーザに表示するように構成される、項目17に記載のHMD。
(項目27)
カメラアセンブリは、前記第2の結合光学要素から受光された光に部分的に基づいて、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを結像するように構成される、項目17に記載のHMD。
(項目28)
前記HMDは、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つの画像に基づいて、前記ユーザの視線を追跡するように構成される、項目27に記載のHMD。
(項目29)
前記カメラアセンブリによって結像される画像は、前記ユーザの眼の正面に設置され、前記ユーザの眼、前記眼の一部、または前記眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを直接視認するカメラによって結像される画像と一致する、項目27に記載のHMD。
(項目30)
前記光学デバイスは、前記カメラアセンブリによって受光される迷光を低減させるように配列される、項目17に記載のHMD。
(項目31)
前記第1の結合光学要素のサイズは、前記基板の前記遠位表面と近位表面との間で反射された光のストライド距離未満であり、前記ストライド距離は、前記基板の厚さおよび前記第1の結合光学要素が前記光を偏向させる角度に基づく、項目17に記載のHMD。
(項目32)
前記第1の結合光学要素のサイズは、前記ユーザの眼の視野に基づく、項目31に記載のHMD。
(項目33)
前記カメラアセンブリによって結像される前記ユーザの眼の画像と、前記ユーザの眼の正面に設置されたカメラによって結像される前記ユーザの眼の画像とは、区別不能である、項目17に記載のHMD。
(項目34)
前記カメラアセンブリによって入手された画像を記憶するように構成される非一過性データ記憶装置と、
前記非一過性データ記憶装置と通信するハードウェアプロセッサであって、前記ハードウェアプロセッサは、前記画像を分析し、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、および前記ユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施するための実行可能命令でプログラムされる、ハードウェアプロセッサと
をさらに備える、項目17に記載のHMD。
(項目35)
結像システムであって、
近位表面および遠位表面を有する基板であって、前記基板は、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第1の回折光学要素と、
前記近位表面および前記遠位表面のうちの1つ上に配置される第2の回折光学要素であって、前記第2の回折光学要素は、前記第1の回折光学要素から前記近位表面または前記遠位表面と平行方向に沿ってオフセットされる、第2の回折光学要素と
を備え、前記第1の回折光学要素は、光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の回折光学要素は、その上に入射する光を前記基板から外にある角度で偏向させるように構成される、基板と、
前記第2の回折光学要素によって偏向される前記光を結像するためのカメラアセンブリと
を備える、結像システム。
(項目36)
前記第1および第2の回折光学要素は、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外回折光学要素(DOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)、ホットミラー、プリズム、または装飾レンズの表面のうちの少なくとも1つを含む、項目35に記載の結像システム。
(項目37)
仮想カメラを使用して、オブジェクトを結像する方法であって、前記方法は、
結像システムを結像されることになるオブジェクトの正面に提供することであって、前記結像システムは、
それぞれが基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、相互からオフセットされる、第1の結合光学要素および第2の結合光学要素を備える基板であって、前記第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、前記光を前記近位表面と遠位表面との間で前記第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、前記第2の結合光学要素は、前記光を前記基板から外にある角度で偏向させるように構成される、基板
を備える、ことと、
前記第2の結合光学要素によって偏向される光を受光するように配向されるカメラアセンブリを用いて、前記光を捕捉することと、
前記捕捉された光に基づいて、前記オブジェクトの軸外画像を生成することと
を含む、方法。
(項目38)
前記第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲における光を透過させる、項目37に記載の方法。
(項目39)
光源によって放出される第1の波長の範囲を用いて、前記オブジェクトを照明することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記軸外画像を分析することと、
前記分析される軸外画像に部分的に基づいて、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、および前記ユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施することと
をさらに含む、項目37に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0015】
図2図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0016】
図3図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0017】
図4図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0018】
図5図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0019】
図6図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0020】
図7図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0021】
図8図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0022】
図9A図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0023】
図9B図9Bは、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図を図示する。
【0024】
図9C図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0025】
図10A図10Aおよび10Bは、眼を追跡するための結合光学要素およびカメラアセンブリを備える、例示的結像システムを図式的に図示する。
図10B図10Aおよび10Bは、眼を追跡するための結合光学要素およびカメラアセンブリを備える、例示的結像システムを図式的に図示する。
【0026】
図11図11は、オブジェクトからの光を基板を通して全内部反射させ、オブジェクトをカメラアセンブリにおいて結像するための複数の結合光学要素を備える、別の例示的結像システムを図式的に図示する。
【0027】
図12A図12Aは、オブジェクトからの光を基板を通して全内部反射させ、オブジェクトをカメラアセンブリにおいて結像するための複数の結合光学要素を備える、別の例示的結像システムを図式的に図示する。
【0028】
図12B図12Bは、図12Aの結像システムを使用したオブジェクトの例示的画像である。
【0029】
図13図13Aおよび13Bは、オブジェクトからの光を基板を通して全内部反射させ、オブジェクトをカメラアセンブリにおいて結像するための複数の結合光学要素を備える、別の例示的結像システムを図式的に図示する。
【0030】
図14図14A-18は、オブジェクトを結像するための結像システムのいくつかの例示的配列を図式的に図示する。
図15図14A-18は、オブジェクトを結像するための結像システムのいくつかの例示的配列を図式的に図示する。
図16図14A-18は、オブジェクトを結像するための結像システムのいくつかの例示的配列を図式的に図示する。
図17図14A-18は、オブジェクトを結像するための結像システムのいくつかの例示的配列を図式的に図示する。
図18図14A-18は、オブジェクトを結像するための結像システムのいくつかの例示的配列を図式的に図示する。
【0031】
図19図19は、軸外カメラを使用してオブジェクトを結像するための方法の実施例のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
(概要)
【0033】
頭部搭載型ディスプレイ(HMD)は、種々の目的のために、装着者の眼の状態についての情報を使用し得る。例えば、本情報は、装着者の視線方向の推定、バイオメトリック識別、視覚研究、装着者の生理学的状態の評価等のために使用されることができる。しかしながら、眼を結像することは、困難であり得る。HMDと装着者の眼との間の距離は、短い。さらに、視線追跡は、広視野(FOV)を要求する一方、バイオメトリック識別は、比較的に高ピクセル数を虹彩上の標的上に要求する。これらの目的の両方を遂行することを模索する、結像システムに関して、これらの要件は、主として、競合する。さらに、両問題は、眼瞼および睫毛によるオクルージョンによって、さらに複雑となり得る。眼移動を追跡するためのいくつかの現在の実装は、HMD上に搭載されるカメラを使用して、直接、眼に向かって向けられ、眼の直接画像を捕捉する。しかしながら、所望のFOVおよびピクセル数を達成するために、カメラは、装着者のFOV内に搭載され、したがって、周囲世界を見るための装着者の能力を妨害し、それに干渉する傾向にある。他の実装は、カメラを装着者のビューを妨害しないように移動させながら、眼を直接結像するが、これは、眼を高角度から結像する結果をもたらし、画像の歪曲を生じさせ、眼を結像するために利用可能な視野を低減させる。
【0034】
本明細書に説明される結像システムの実施形態は、これらの問題の一部または全部に対処する。本明細書に説明される種々の実施形態は、眼を結像することが可能にしながら、装着者が周囲世界を視認することを可能にする、装置およびシステムを提供する。例えば、結像システムは、眼とカメラアセンブリとの間の通視線に沿って配置される、基板を備えることができる。基板は、眼からの光を基板の中に指向するように構成される、1つ以上の結合光学要素を含む。基板は、光をカメラアセンブリに向かって指向する、光導波路(時として、導波管とも称される)として作用し得る。光は、次いで、基板から出射し、1つ以上の結合光学要素を介して、カメラアセンブリに指向され得る。光を受光する、カメラアセンブリは、したがって、離れた位置(時として、本明細書では、「軸外」とも称される)からの直接視認位置にあるかのように、眼の画像(時として、以降、「直接視認画像」とも称される)を捕捉することが可能である。
【0035】
本明細書に説明される結像システムのいくつかの実施形態は、相互から側方にオフセットされる、第1および第2の結合光学要素を備える、基板を提供する。基板は、眼に最も近い表面(時として、本明細書では、近位表面とも称される)と、眼から最も遠い表面(時として、遠位表面とも称される)とを含む。本明細書に説明される第1および第2の結合光学要素は、近位表面上またはそれに隣接して、遠位表面上またはそれに隣接して、または基板内に配置されることができる。第1の結合光学要素(時として、本明細書では、内部結合光学要素とも称される)は、光が、全内部反射(TIR)によって、基板を通して伝搬するように、眼からの光を基板の中に偏向させるように構成されることができる。光は、光を抽出し、それをカメラアセンブリに向かって偏向させるように構成される、第2の結合光学要素上に入射し得る。本明細書で使用されるように、偏向は、何らかのものと相互作用後の光の方向の変化を指し得、例えば、光を偏向させる光学コンポーネントは、反射、回折、屈折、光学コンポーネントを通して透過させながらの方向の変化等を指し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される結像システムは、HMDのディスプレイ光学の一部(または一対の眼鏡内のレンズ)であってもよい。1つ以上の結合光学要素は、第1の波長の範囲を偏向させる一方、基板を通して第2の波長の範囲(例えば、第1の範囲と異なる波長の範囲)の非妨害伝搬を可能にするように選択されてもよい。第1の波長の範囲は、赤外線(IR)内であることができ、第2の波長の範囲は、可視内であることができる。例えば、基板は、反射結合光学要素を備えることができ、これは、IR光を反射させる一方、可視光を透過させる。事実上、結像システムは、装着者の眼に向かって逆指向される仮想カメラアセンブリが存在するかのように作用する。したがって、仮想カメラアセンブリは、装着者の眼から基板を通して伝搬される仮想IR光を結像することができる一方、外界からの可視光は、基板を通して透過されることができ、装着者によって知覚されることができる。
【0037】
カメラアセンブリは、装着者の眼を視認し、例えば、眼の画像を捕捉するように構成されてもよい。カメラアセンブリは、カメラアセンブリが、周囲世界の装着者のビューを妨害するように、または、HMDの動作を邪魔しないように、装着者の眼に近接して搭載されることができる。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリは、ウェアラブルディスプレイシステムのフレーム、例えば、耳掛け部上に位置付けられる、またはHMDの接眼レンズまたは眼の下方かつ頬の上方に内蔵されることができる。いくつかの実施形態では、第2のカメラアセンブリは、各眼が別個に結像され得るように、装着者の他方の眼のために使用されることができる。カメラアセンブリは、IR放射に敏感なIRデジタルカメラを含むことができる。
【0038】
カメラアセンブリは、前方(装着者の視覚の方向)に面してるように、または後方に面し、眼に向かって指向され得るように、搭載されることができる。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリを装着者の耳のより近くに配置することによって、カメラアセンブリの重量もまた、耳のより近くになり得、HMDは、カメラアセンブリがHMDの正面のより近くにまたは直接視認配列において配置される、HMDと比較して、装着がより容易であり得る。加えて、カメラアセンブリを装着者のこめかみの近傍に設置することによって、装着者の眼からカメラアセンブリまでの距離は、HMDの正面の近傍に配置されるカメラアセンブリと比較して、約2倍となる。画像の被写界深度は、本距離にほぼ比例するため、カメラアセンブリのための被写界深度は、直接視認カメラアセンブリと比較して、約2倍の大きさである。カメラアセンブリのための被写界深度が大きいほど、大きいまたは突出する鼻、眉弓等を有する装着者の眼領域を結像するために有利であり得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリの位置は、HMDのパッケージングまたは設計考慮点に基づいてもよい。例えば、いくつかの構成では、カメラアセンブリを後方または前方に面して配置することが有利であり得る。
【0039】
任意の特定の科学理論に賛同する訳ではないが、本明細書に説明される実施形態は、いくつかの非限定的利点を含み得る。いくつかの実施形態は、カメラアセンブリと眼との間の物理的距離を増加させることが可能であって、これは、カメラアセンブリを装着者の視野外に位置付けることを促進し、したがって、装着者のビューを妨害しない一方、眼の直接視認画像の捕捉を可能にし得る。本明細書に説明される実施形態のうちのいくつかはまた、従来のシステムより大きい視野を使用して、眼追跡を可能にし、したがって、広範囲の位置にわたって眼追跡を可能にするように構成され得る。IR結像の使用は、基板を通して見て、環境を視認する装着者の能力に干渉せずに、眼を結像することを促進し得る。
【0040】
ここで、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指す、図を参照する。
例示的HMDデバイス
【0041】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされてもよい。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等上)に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを取得するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0042】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(例えば、カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る)から捕捉されたデータ、および/またはb)場合によっては処理または読出後にディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0043】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に提供する、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュール内において実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0044】
「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。図3は、ユーザに関する3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。眼210、220毎に1つの2つの明確に異なる画像190、200が、ユーザに出力される。画像190、200は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って距離230だけ眼210、220から離間される。画像190、200は、平坦であって、眼210、220は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に合焦し得る。そのような3-Dディスプレイシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像190、200を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/または尺度の知覚を提供する。
【0045】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散(vergence)と遠近調節(accmmodation)との組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動の移動(例えば、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体および瞳孔の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」および散瞳または縮瞳として知られる関係下、輻輳・開散運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節における整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に対抗して機能するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより優れた整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し、装着持続時間の増加、ひいては、診断および療法プロトコルへのコンプライアンスに寄与し得る。
【0046】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。図4を参照すると、z-軸上の眼210、220からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼210、220によって遠近調節される。眼210、220は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面240のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼210、220毎に、画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼210、220の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0047】
オブジェクトと眼210または220との間の距離はまた、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量を変化させ得る。図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度もまた、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼210との間の距離の減少に伴って増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、図5A-5Cおよび本明細書の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得ることを理解されたい。
【0048】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ててもよい。
導波管スタックアセンブリの実施例
【0049】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、図2のシステム60であって、図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ260は、図2のディスプレイ70の一部であってもよい。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。
【0050】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、372、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、384、390、400はそれぞれ、それぞれが対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0054】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光モジュール540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のもの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(図2)の一部であってもよい。
【0055】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、TIRによって、光を各個別の導波管内で伝搬させるように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光を外部結合する光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0056】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0057】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0059】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、体積特徴または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)。
【0060】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0062】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光およびIR光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210、眼210の一部、または眼210を囲繞する組織の少なくとも一部の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、バイオメトリック情報を眼から抽出する、眼の視線方向を推定および追跡する、ユーザの生理学的状態を監視する等のために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、IRまたは近IR光)を眼に投影し、その光が、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源632とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源632は、発光ダイオード(「LED」)を含み、IRまたは近IRを放出する。光源632は、カメラアセンブリ630に取り付けられるように図示されるが、光源632は、光源(例えば、下記に説明される光源530)によって放出される光が装着者の眼に指向されるように、カメラアセンブリに対して他のエリア内に配置されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(図2)に取り付けられてもよく、本明細書に議論されるように、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し、例えば、ユーザの生理学的状態、装着者の視線方向、虹彩識別等に関する種々の決定を行い得る、処理モジュール140または150と電気通信してもよい。ユーザの生理学的状態に関する情報は、ユーザの挙動または感情状態を決定するために使用されてもよいことを理解されたい。そのような情報の実施例は、ユーザの移動またはユーザの顔の表情を含む。ユーザの挙動または感情状態は、次いで、挙動または感情状態と、生理学的状態と、環境または仮想コンテンツデータとの間の関係を決定するように、収集された環境または仮想コンテンツデータを用いて三角測量されてもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0063】
ここで図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得る。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0064】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、それと関連付けられた3つ以上の原色画像、すなわち、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る、または色収差を減少させ得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0066】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、加えて使用されてもよい、または赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに取って代わってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、および350は、視認者の眼への周囲環境からの光を遮断または選択的に透過させるように構成される、能動または受動光学フィルタであってもよい。
【0067】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色の光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色の光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色の光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、光源530(図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、IRまたは紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。IR光は、700nm~10μmの範囲内の波長を伴う光を含むことができる。いくつかの実施形態では、IR光は、700nm~1.5μmの範囲内の波長を伴う近IR光を含むことができる。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像またはユーザ刺激用途のために、この光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0069】
ここで図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0070】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0071】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、光が別の内部結合光学要素を通して通過することなしに、その光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0072】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0073】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率と比較して0.05以上または0.10またはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光のTIR(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面の間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0074】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0075】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0076】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光がTIRによって導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向する。
【0077】
例えば、内部結合光学要素700は、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を偏向させるように構成されてもよい。同様に、透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。同様に、光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0078】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0079】
ここで図9Bを参照すると、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0080】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散することと、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることの両方を行ってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである場合、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、いくつかの実施形態では、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する(例えば、直交する)軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。
【0081】
故に、図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受信する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色の光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色の光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色の光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合された光も受光する。
【0082】
図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
軸外結像のための例示的結像システム
【0083】
上記に説明されるように、HMD(例えば、図2に示されるウェアラブルディスプレイシステム200)の装着者の眼または眼の周囲の組織は、眼からの光を基板を通してカメラアセンブリの中に指向する、複数の結合光学要素を使用して、結像されることができる。結果として生じる画像は、片眼または両眼を追跡する、網膜を結像する、眼形状を3次元で再構築する、バイオメトリック情報を眼から抽出する(例えば、虹彩識別)等のために使用されることができる。
【0084】
上記に概略されたように、HMDが装着者の眼の状態についての情報を使用し得る、種々の理由が存在する。例えば、本情報は、装着者の視線方向の推定またはバイオメトリック識別のために使用されることができる。しかしながら、本問題は、HMDと装着者の眼との間の距離が短いため、困難である。視線追跡は、より大きい視野を要求する一方、バイオメトリック識別は、比較的に高ピクセル数を虹彩上の標的上に要求するという事実によって、さらに複雑になる。これらの目的の両方を遂行するように試みるであろう、結像システムに関して、2つのタスクの要件は、主として、競合する。最後に、両問題は、眼瞼および睫毛によるオクルージョンによってさらに複雑になる。本明細書に説明される結像システムの実施形態は、これらの問題のうちの少なくともいくつかに対処し得る。
【0085】
図10Aおよび10Bは、装着者90の片眼または両眼210、220を結像するように構成される、結像システム1000aの実施例を図式的に図示する。結像システム1000aは、基板1070と、眼220を視認するように配列される、カメラアセンブリ1030とを備える。図10Aおよび10Bを参照して本明細書に説明される結像システム1000aの実施形態は、本明細書に説明されるディスプレイデバイス(例えば、図2に示されるウェアラブルディスプレイシステム200、図6および7に示されるディスプレイシステム250、および図9A-9Cのスタック660)を含む、HMDと併用されることができる。例えば、結像システム1000aが図6のディスプレイシステム250の一部である、いくつかの実装では、基板1070は、導波管270、280、290、300、または310のうちの1つに取って代わってもよい、導波管スタック260と眼210との間に配置されてもよい、または導波管スタック260と世界510との間に配置されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ1030は、装着者の眼に近接して、例えば、図2のウェアラブルディスプレイシステム60のフレーム80(例えば、装着者のこめかみの近傍の耳掛け部82)上、図2のディスプレイ70の縁の周囲(図10Bに示されるように)に搭載される、または図2のディスプレイ70に内蔵されてもよい。カメラアセンブリ1030は、図6のカメラアセンブリ630に実質的に類似してもよい。他の実施形態では、第2のカメラアセンブリが、装着者の他方の眼210を別個に結像するために使用されることができる。カメラアセンブリ1030は、IR放射に敏感なIRデジタルカメラを含むことができる。カメラアセンブリ1030は、図10Aに図示されるように、前方に面しているように(例えば、装着者の視覚に向かう方向に)、搭載されることができる、またはカメラアセンブリ1030は、後方に面し、眼220に指向されるように搭載されることができる(例えば、図10B)。
【0087】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ1030は、画像捕捉デバイスと、次いで、眼220によって反射され、カメラアセンブリ1030によって検出され得る、光を眼220に投影する、光源1032とを含んでもよい。光源1032は、カメラアセンブリ1030に取り付けられるように図示されるが、光源1032は、光源によって放出される光が、装着者の眼に指向され、カメラアセンブリ1030に反射されるように、カメラアセンブリに対して他のエリア内に配置されてもよい。例えば、結像システム1000aが、ディスプレイシステム250(図6)の一部であって、基板1070が、導波管270、280、290、300、または310のうちの1つに取って代わる場合、光源1032は、光エミッタ360、370、380、390、または光源530のうちの1つであってもよい。
【0088】
図10Aに図示される実施形態では、カメラアセンブリ1030は、基板1070の近位表面1074を視認するように位置付けられる。基板1070は、例えば、図2のディスプレイ70の一部または一対の眼鏡内のレンズであることができる。基板1070は、基板1070上に入射する可視光の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、またはそれよりも多くのものに対して透過性であることができる。他の実施形態では、基板1070は、透明である必要はない(例えば、仮想現実ディスプレイにおいて)。基板1070は、1つ以上の結合光学要素1078を備えることができる。いくつかの実施形態では、結合光学要素1078は、第1の波長の範囲を反射させる一方、第1の波長の範囲と異なる第2の波長の範囲に対して実質的に透過性であるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の波長の範囲は、IR波長であることができ、第2の波長の範囲は、可視波長であることができる。基板1070は、ポリカーボネートまたは所望の光学性質を有する他の軽量材料等のポリマーまたはプラスチック材料を含んでもよい。特定の科学理論に賛同するわけではないが、プラスチック材料は、あまり剛性ではなく、したがって、使用の間、破損または欠陥を被りにくくあり得る。プラスチック材料はまた、軽量であり得、したがって、プラスチック材料の剛性と組み合わせられると、より薄い基板を可能にし、コンパクトかつ軽量の結像システムの製造を促進し得る。基板1070は、ポリカーボネートまたは所望の光学性質を有する他のプラスチック等のポリマーを含むように説明されるが、所望の光学性質を有するガラス、例えば、溶融シリカ等の他の材料も、可能性として考えられる。
【0089】
結合光学要素1078は、第1の波長の範囲の光(例えば、IR光)を反射または再指向する一方、第2の波長の範囲の光(例えば、可視光)を透過させるように構成される、反射光学要素を備えることができる。そのような実施形態では、眼220からのIR光1010a、1012a、および1014aは、結合光学要素1078に伝搬し、そこから反射し、反射されたIR光1010b、1012b、1014bをもたらし、これは、カメラアセンブリ1030によって結像されることができる。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ1030は、結合光学要素1078によって反射された第1の波長の範囲の少なくともサブセット(非空サブセットまたは全部未満のサブセット等)に敏感である、またはそれを捕捉することが可能であり得る。例えば、結合光学要素1078が、反射要素である場合、結合光学要素1078は、700nm~1.5μmの範囲内のIR光を反射させ得、カメラアセンブリ1030は、700nm~900nmの波長における近IR光に敏感である、またはそれを捕捉することが可能であり得る。別の実施例として、結合光学要素1078は、700nm~1.5μmの範囲内のIR光を反射させ得、カメラアセンブリ1030は、カメラアセンブリ1030が700nm~900nmの波長における近IR光を捕捉し得るように、900nm~1.5μmの範囲内のIR光をフィルタリング除去する、フィルタを含んでもよい。
【0090】
外界(例えば、図6の世界510)からの可視光は、基板1070を通して透過され、装着者によって知覚されることができる。事実上、結像システム1000aは、装着者の眼220に向かって逆指向され、眼220の直接視認画像を捕捉する、仮想カメラアセンブリ1030cが存在するかのように作用することができる。仮想カメラアセンブリ1030cは、装着者の眼220から基板1070を通して伝搬される、仮想IR光1010c、1012c、および1014c(点線として示される)を結像し得るため、「c」を参照して標識される。結合光学要素1078は、基板1070の近位表面1074上に配置されるように図示されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、結合光学要素1078は、基板1060の遠位表面1076上または基板1070内に配置されることができる。基板1070が図6のディスプレイシステム250の一部である、実装では、結合光学要素1078は、外部結合光学要素570、580、590、600、または610であってもよい。
【0091】
結像システム1000aの例示的配列が、図10Aに示されるが、他の配列も、可能性として考えられる。例えば、複数の結合光学要素が、使用され、例えば、図11-18に関連して説明されるであろうように、TIRを介して、光を基板1070の中に内部結合し、光をカメラアセンブリ1030に外部結合するように構成されてもよい。結合光学要素1078は、反射光学要素として説明されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、結合光学要素1078は、第1および第2の波長の範囲を実質的に透過させる、透過性結合光学要素であってもよい。透過性結合光学要素は、第1の波長をある角度で屈折させ、例えば、TIRを基板1070内に誘発する一方、第2の波長の範囲が実質的に妨害されずに通過することを可能にし得る。
複数の結合光学要素を使用した軸外結像のための例示的結像システム
【0092】
図11は、オブジェクトからの光を基板1070を通して全内部反射させ、オブジェクトをカメラアセンブリ1030において結像するための複数の結合光学要素を備える、別の例示的結像システム1000bを図式的に図示する。図11は、基板1070の1つ以上の表面上に配置される、少なくとも2つの結合光学要素1178a、1188aを備える、基板1070と、オブジェクト平面1120に位置付けられるオブジェクトを視認するように配列される、カメラアセンブリ1030とを備える、結像システム1000bの実施形態を図示する。具体的配列が、図11に描写されるが、これは、例証的目的のためだけのものであって、限定することを意図するものではない。他の光学要素(例えば、レンズ、導波管、偏光器、プリズム等)も、具体的用途のために、所望に応じて、光を合焦させる、収差を補正する、指向する等のように、オブジェクトからの光を操作するために使用されてもよい。
【0093】
図11の実施形態では、基板1070は、2つの結合光学要素1178a、1188aを含み、それぞれが、それぞれ、基板1070の遠位表面および近位表面1076、1074に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、結合光学要素1178a、1188aは、基板1070の表面に取り付けられる、または固定されてもよい。他の実施形態では、結合光学要素1178a、1188aのうちの1つ以上のものは、基板1070に内蔵される、または基板1070の表面上にエッチングされてもよい。さらに他の実施形態では、単独で、または組み合わせて、基板1070は、基板1070自体の一部として結合光学要素1178a、1188aを備える、領域を有するように製造されてもよい。結合光学要素1178a、1188aの例示的配列が、図11に示されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、結合光学要素1178a、1188aは両方とも、遠位表面1076または近位表面1074に隣接して位置付けられてもよい(図12A、13A、13B、および14Bに図示されるように)、または結合光学要素1178aは、近位表面1074上に位置付けられる一方、結合光学要素1188aは、遠位表面1076上に位置付けられてもよい(図14Aに図示されるように)。
【0094】
結合光学要素1178aおよび1188aは、図10Aおよび10Bの結合光学要素1078に類似してもよい。例えば、図11は、結像システム1000bを図示し、両結合光学要素1178a、1188aは、図10Aに関連して上記に説明されるように、1つ以上の波長の光を選択的に再指向する一方、他の波長の光を透過させるように、波長選択的である、反射結合光学要素である。いくつかの実施形態では、結合光学要素1178aおよび1188aは、第1の波長範囲の光(例えば、IR光、近IR光等)を偏向させる一方、第2の波長範囲(例えば、可視光)を透過させる。下記に説明されるように、結合光学要素1178a、1188aは、回折パターンを形成する回折特徴(例えば、DOE)を備えてもよい。
【0095】
図11を参照すると、カメラアセンブリ1030は、オブジェクト平面1120に向かって後方に面し、遠位表面1076を視認するように搭載される。種々の実施形態では、カメラアセンブリ1030は、装着者の眼に近接して(例えば、図2のフレーム80上に)搭載されてもよく、光源1032(図11には図示せず)を含んでもよい。カメラアセンブリ1030は、IR放射に敏感なIRデジタルカメラを含むことができる。図11のカメラアセンブリ1030は、後方に面するように示されるが、他の配列も、可能性として考えられる。例えば、カメラアセンブリ1030は、前方に面するように搭載されることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、オブジェクト平面1120におけるオブジェクト(例えば、眼220またはその一部)は、光源1032(図10Aおよび10B)によって照明されてもよい。例えば、瞳孔が、結像されることになる場合、光源1032は、そこに指向され、眼220の瞳孔を照明する。他の実施形態では、角膜の前方表面からの点源の反射によって形成される、仮想画像である、第1のプルキンエ画像が、結像されてもよい。一意に識別され得、眼位置、瞳孔位置、または視線方向を示すであろう、眼と関連付けられた任意の物理的または光学オブジェクトが、結像され得る。照明に応じて、オブジェクトは、光線1122a-e(集合的に、以降、「1122」と称される)として、光を基板1070に向かって反射させ得る。例えば、光線1122a-eは、瞳孔、虹彩、眼瞼、強膜、眼の周囲の他の組織等から反射された光の拡散の例証であり得る。別の実施例では、光線1122a-eは、閃光から鏡面反射された光の例証であり得る(例えば、プルキンエ画像)。科学理論に賛同するわけではないが、眼、眼の一部、または眼の周囲の組織からの反射は、照明の配向に応じて、入射光の偏光を回転させ得る。いくつかの実施形態では、光源1032(図10Aおよび10B)は、偏光器が光学経路内に実装されない限り、具体的偏光を有していない、LED光源であり得、これは、例えば、50%も光の強度を低減させ得る。光線1122のみが、図11に示されるが、これは、例証的目的のためだけのものであって、任意の数の反射された光線も、可能性として考えられる。光線1122はそれぞれ、オブジェクトから同一または異なる角度で反射され得る。例えば、図11は、光線1122aが、光線1122eがオブジェクトから反射される角度より大きくあり得る、第1の角度で反射されることを図示する。他の構成も、可能性として考えられる。
【0097】
上記の説明は、オブジェクトから反射された光線1122を参照するが、他の構成も、可能性として考えられる。いくつかの実施形態では、光線1122は、源1032(図10Aおよび10B)からの光を反射させる代わりに、オブジェクト平面1120に位置する光源によって放出される。したがって、光線1122は、基板1070に向かって指向され得る。光線1122は、オブジェクト平面1120から反射される、またはそれによって放出される光の全部または一部であってもよいことを理解されたい。
【0098】
図11に図示されるように、オブジェクト平面1120からの発出に応じて、光線1122は、入射点における近位表面1074と垂直な想像上の軸に対するある入射角で基板の近位表面1074上に入射する。光線1122は、次いで、基板1070に入射し、部分的に、近位表面1074における入射角および基板1070と近位表面1074に直接隣接する媒体の屈折率の比率に基づいて、屈折される。
【0099】
光線1122は、進行し、入射点における遠位表面1076と垂直な想像上の軸に対するある入射角で結合光学要素1178a上に衝突する。光線1122は、基板1070を通して伝搬するように、結合光学要素1178aによって偏向される。すなわち、結合光学要素1178aは、光を基板1070の中に反射させる、反射内部結合光学要素として機能する。光線1122は、内部結合された光線1122が、全内部反射によって、基板を通して結合光学要素1188aに向かって側方方向に伝搬するような角度で反射される。任意の科学理論に賛同するわけではないが、全内部反射条件は、入射光と垂直軸との間の回折角度θが基板1070の臨界角θを上回るとき、満たされることができる。いくつかの状況下では、全内部反射条件は、以下のように表され得る。
sin(θ)=n/n [1]
式中、nは、基板1070の屈折率であって、nは、表面基板1070に隣接する媒体の屈折率である。種々の実施形態によると、nは、約1~約2、約1.4~約1.8、約1.5~約1.7、または他の好適な範囲であってもよい。例えば、基板1070は、ポリカーボネート等のポリマーまたはガラス(例えば、溶融シリカ等)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板1070は、近位表面1074から遠位表面1076まで、1~2ミリメートル厚であってもよい。例えば、基板1070は、溶融シリカの2ミリメートル厚部分またはポリカーボネートの1ミリメートル厚部分であってもよい。所望の動作および画質をカメラアセンブリ1030において達成するための他の構成も、可能性として考えられる。
【0100】
いくつかの実施形態では、基板1070は、高屈折率材料(例えば、基板1070に直接隣接する媒体より高い屈折率を有する、材料)から形成されてもよい。例えば、基板1070に直接隣接する材料の屈折率は、0.05またはそれを上回って、または0.10またはそれを上回って、基板屈折率を下回り得る。特定の科学理論に賛同するわけではないが、より低い屈折率媒体は、基板1070を通した光のTIRを促進する(例えば、基板1070の近位表面および遠位表面1074、1076の間でTIRする)ように機能し得る。いくつかの実施形態では、直接隣接する媒体は、約1の屈折率nを伴う空気を含む。臨界角は、基板材料および囲繞する媒体に応じて、20度~50度の範囲内であることができる。他の実施形態では、単独で、または組み合わせて、直接隣接する媒体は、他の構造および層を備えてもよく、例えば、図6および9A-9Cに関連して説明される層のうちの1つ以上のものが、基板1070の近位表面または遠位表面1074、1076のいずれかに直接隣接してもよい。
【0101】
光は、次いで、基板1070を通して、基板1070の表面と略平行方向に、結合光学要素1188aに向かって伝搬する。概して、「~に向かって」は、光線1122が、基板1070の表面間で反射され、したがって、基板1070と正確に平行ではない場合もあるが、全体的進行方向が、基板の表面と略平行である、方向に進行する、状態を指し得る。光線1122は、結合光学要素1188a上に衝突するまで、TIRによって、基板1070を通して伝搬する。結合光学要素1188aに到達することに応じて、光線1122は、基板1070から外に伝搬するように偏向される。すなわち、結合光学要素1188aは、光を基板1070から外に反射させる、反射外部結合光学要素として機能する。光線1120は、TIR条件がもはや満たされない(例えば、回折角度θが臨界角θ未満である)ような角度で反射される。結合光学要素1188aはまた、光線1122をある角度でカメラアセンブリ1030に向かって反射させてもよい。例えば、光線1122は、基板1070から出射するように、ある角度で反射され、遠位表面1076における界面によって屈折され、カメラアセンブリ1030に伝搬してもよい。カメラアセンブリ1030は、次いで、光線1122を受光し、それに基づいて、オブジェクト平面1120を結像する。
【0102】
図11は、光が、全内部反射の2つのインスタンスを伴って、結合光学要素1178aから結合光学要素1188aに進行する、構成を図示するが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、光線1122は、光線1122が基板1070を通してカメラアセンブリ1030に向かって進行するように、任意の回数(例えば、1、2、3、4、5、6、7等)全内部反射されてもよい。カメラアセンブリ1030は、したがって、任意の場所に位置付けられ、オブジェクトからある距離において、直接視認画像を捕捉するように構成されてもよい。科学理論に賛同するわけではないが、TIRは、高度に効率的であって、実質的に損失のない反射を含み得、したがって、光線1122がTIRする回数は、カメラの所望の位置に基づいて選択されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ある程度の漏出が、最小限であるが、基板1070内の各反射時に生じ得る。したがって、基板1070内の反射の回数を最小限にすることは、光の漏出を低減させ、画像捕捉性能を改良し得る。さらに、科学理論に賛同するわけではないが、反射の回数を低減させることは、基板1070の不純度または非均一表面に起因する画像ぼけまたは明度低下を低減させることによって、画質を改良し得る(例えば、より少ない反射は、より明るいより強度のある画像を生成し得る)。したがって、説明される結像システムおよびそのコンポーネントの設計は、TIRイベントの数を最小限にし、カメラアセンブリ1030を所望に応じて位置付けるように、これらの考慮点を念頭において最適化され得る。
【0103】
基板1070の中への光の効率的内部および外部結合は、例えば、仮想/拡張/複合現実ディスプレイ用途のために、導波管ベースのシースルーディスプレイを設計する際の課題であり得る。これらおよび他の用途に関して、その構造が、回折性質を含む、種々の光学性質を最適化するように構成可能な材料から形成される、回折格子を含むことが望ましくあり得る。望ましい回折性質は、他の性質の中でもとりわけ、偏光選択性、スペクトル選択性、角度選択性、高スペクトル帯域幅、および高回折効率を含んでもよい。これらおよび他の必要性に対処するために、本明細書に開示される種々の実施形態では、結合光学要素1178a、1188aは、DOEまたは回折格子等の回折パターンを形成する、回折特徴を備えてもよい。
【0104】
概して、回折格子は、周期的構造を有し、これは、光を異なる方向に進行するいくつかのビームに分割および回折する。ビームの方向は、とりわけ、周期的構造の周期および光の波長に依存する。周期は、部分的に、回折特徴の格子空間周波数に基づき得る。ある光学性質、例えば、回折効率を最適化し、潜在的レインボー効果を低減させるために、基板1070からの光を内部および外部結合する等のある用途に関して、DOEの種々の材料性質は、所与の波長に関して最適化されることができる。例えば、IR光が使用される場合、DOE1178a、1188aの空間周波数は、ミリメートルあたり600~2000ラインであり得る。一実施形態では、空間周波数は、ミリメートルあたり約1013ラインであってもよい(例えば、図12Aおよび13A)。一実施形態では、図11の例示的DOE1178aは、ミリメートルあたり1013.95ラインを有してもよい。別の実施形態では、空間周波数は、図15に関連して説明されるように、ミリメートルあたり約1400ラインである。したがって、結合光学要素1178a、1188aの空間周波数は、本明細書に説明される結像システムを最適化するときの少なくとも1つの考慮点であり得る。例えば、空間周波数は、TIR条件を支援するように選択されてもよい。別の実施例として、単独で、または組み合わせて、空間周波数は、結像システムのコンポーネントの構成および寸法に応じて、最小アーチファクト(例えば、図12Bに説明されるような残影または重複画像)を伴って、光スループットを最大限にするように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、回折特徴は、任意の構成を有してもよい。しかしながら、第1の結合光学要素1178aは、第1の結合光学要素1178aがユーザの視野内に位置付けられ得るため、最小限のアーチファクトを有するかまたは視覚的アーチファクトが無い(例えば、レインボー効果)ように最適化されてもよい。
【0105】
いくつかの実装では、DOEは、軸外DOE、軸外ホログラフィック光学要素(HOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)であってもよい。いくつかの実施形態では、OAHMは、同様に、屈折力を有してもよく、その場合、軸外立体回折光学要素(OAVDOE)であることができる。いくつかの実施形態では、結合光学要素1178a、1188aのうちの1つ以上のものは、軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)であってもよく、これは、とりわけ、偏光選択性、帯域幅、位相プロファイル、回折性質の空間変動、スペクトル選択性、および高回折効率を最適化するように構成されることができる。例えば、2017年12月7日に出願され、「Diffractive Devices Based On Cholesteric Liquid Crystal」と題された米国特許出願第15/835,108号(それが開示する全てに関して、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、CLCまたはCLCGのいずれかは、本明細書に説明されるように、結合光学要素として実装されることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合光学要素1178a、1188aは、能動的に回折する、「オン」状態と、有意に回折しない、「オフ」状態との間で切り替えられ得る、切替可能なDOEであってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、結合光学要素1178a、1188aのうちの1つ以上のものは、任意の反射または透過性液晶格子であってもよい。上記に説明されるCLCまたはCLCGは、液晶格子の一実施例であり得る。他の液晶格子はまた、可視光の波長未満のサイズを有し、パンチャラトナムベリー位相効果(PBPE)構造、メタ表面、またはメタ材料と称されるものを備え得る、液晶特徴および/またはパターンを含んでもよい。例えば、「Display System With Optical Elements For In-Coupling Multiplexed Light Streams」と題された米国特許公開第2017/0010466号、2018年1月24日に出願され、「Antireflection Coatings For Metasurfaces」と題された米国特許出願第15/879,005号、または2017年12月13日に出願され、「Patterning Of Liquid Crystals Using Soft-Imprint Replication Of Surface Alignment Patterns」と題された米国特許出願第15/841,037号(それぞれ、それが開示する全てに関して、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるPBPE構造、メタ表面、またはメタ材料のいずれかが、本明細書に説明されるように、結合光学要素として実装されることができる。そのような構造は、ビーム操向、波面成形、波長の分離、および/または偏光等、光を操作するために構成されてもよく、異なる波長および/または偏光を組み合わせることは、別様に、メタ材料液晶格子またはPBPE構造を伴う液晶格子と称される、メタ表面を伴う液晶格子を含むことができる。PBPE構造を伴う液晶格子は、高回折効率および液晶格子の入射角に対する低感度とPBPE構造の高波長感度を組み合わせることができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、あるDOEは、本明細書に説明されるように、結合光学要素として利用されるとき、非限定的利点を提供し得る。例えば、科学理論に賛同するわけではないが、液晶格子、CLC、CLCG、体積位相格子、およびメタ表面格子は、上記および本明細書に説明されるレインボー効果等の視覚的アーチファクトの表出を低減または排除するように構成される、光学性質を備え得る。いくつかの実施形態では、これらのDOEを採用するとき、DOEを偏光で照明し(例えば、光線1122は、所望の偏光を含んでもよい)、基板1070の中への光のスループットを最大限にすることが望ましくあり得る。しかしながら、上記に説明されるように、眼は、配向に応じて、入射の偏光を回転させ得、したがって、いくつかの実施形態では、光源1030は、非偏光を放出し得る。反射された光線1122はまた、偏光され得ず、したがって、光の一部は、DOEの偏光性質に起因して、スループットされ得ない(例えば、光線1122の最大50%が、結合光学要素1178aにおいて喪失され得る)。いくつかの実施形態では、スループットを改良するために、二重層DOEが、結合光学要素1178aとして使用されてもよい。例えば、第1のDOE層は、1つの偏光状態において動作するように構成され、第2のDOE層は、第2の偏光状態において動作するように構成される。
【0108】
いくつかの実施形態に関して、光線1122の多くは、基板1070の中に内部結合され、カメラアセンブリに向かって外部結合されるように、十分に高回折効率を有する、DOEを使用することが望ましくあり得る。科学理論に賛同するわけではないが、比較的に高回折効率は、結合光学要素1178aにおいて受光された光の実質的に全てをカメラアセンブリ1030に指向し、それによって、画質および正確度を改良することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、回折効率は、部分的に、カメラアセンブリ1030の感度に基づき得る(例えば、より高い感度は、より低い回折効率を可能にし得る)。種々の実施形態では、DOEは、第1の波長の範囲(例えば、IR光)に対する高回折効率および第2の波長の範囲(例えば、可視光)内における低回折効率を有するように選択されてもよい。科学理論に賛同するわけではないが、可視光に対する低回折効率は、ユーザの視認経路内のレインボー効果を低減させ得る。
【0109】
いくつかの用途では、DOEは、ユーザが可視光を回折特徴を通して視認するとき、レインボー効果を生じさせ得る。特定の科学理論に賛同するわけではないが、レインボー効果は、回折特徴と相互作用し、それによって、異なる波長(例えば、色)を異なる方向に異なる回折角度で偏向させる、ある波長の範囲の結果であり得る。本明細書に説明されるいくつかの実施形態では、ユーザによって視認されるような結合光学要素1178a、1188bと相互作用する世界からのレインボー効果は、回折特徴を修正または制御し、本効果を低減させることによって、低減され得る。例えば、DOE上の光の回折角度は、格子の周期または空間周波数に基づくため、回折特徴の形状は、所与の波長の範囲に関して、回折される光の大部分を特定の場所に集中させるように選択されてもよい(例えば、三角形断面またはブレージング)。
【0110】
いくつかの実施形態では、基板1070は、図6の導波管270、280、290、300、または310のうちの1つであってもよい。本実施形態では、対応する外部結合光学要素570、580、590、600、または610は、眼によって反射された光のTIRを誘発するように構成される、内部結合光学要素1178aと置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、または610の一部は、対応する導波管270、280、290、300、または310が、図6に関連して説明されるように、反射された光をカメラアセンブリ630に指向するために使用され得るように、内部結合光学要素1178と置換されてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、基板1070は、図9A-9Cの1つの導波管670、680、または690であってもよい。これらの実施形態では、対応する光分散要素800、810、および830、またはその一部は、内部結合光学要素1178aと置換されてもよい一方、内部結合光学要素700、710、および720、またはその一部は、外部結合光学要素1188aと置換されてもよい。いくつかの実施形態では、OPE730、740、および750は、内部結合光学要素1178aから外部結合光学要素1188aに進行する光の光学経路内に留まってもよい。しかしながら、OPE730、740、および750は、光を外部結合光学要素1188aに分散させ、また、伝搬するにつれて、ビームスポットサイズを減少させるように構成されてもよい。
【0112】
種々の実施形態では、カメラアセンブリ1030の視野は、種々の視野位置全体を通して、オブジェクト平面1120全体(例えば、図10の眼220、その一部、または眼を囲繞する組織)を結像するために十分であるように構成される。例えば、図11に示される実施例では、結像されるオブジェクト平面1120のサイズは、30mm(水平)×16mm(垂直)であってもよい。いくつかの実施形態では、結合光学要素1178a、1188aは、少なくとも結像されることになるオブジェクトのサイズに合致するために十分な大きさであるように設計される、すなわち、結合光学要素1178a、1188aは、結像されるオブジェクトの全サイズからの光を受光するように構成される。例えば、結合光学要素1178aは、眼220から生じる光を受光する。結合光学要素1188は、基板1070を通してカメラアセンブリ1030に向かって伝搬する、光線1122の実質的に全てを反射させるように定寸されてもよい。
【0113】
種々の実施形態では、他の光学要素が、光線1122が進行する経路に沿って位置付けられてもよい。例えば、介在光学要素が、光線1122を基板1070に向かって所望の角度で指向するために、基板1070とオブジェクト平面1120との間に含まれてもよい。介在光学要素は、カメラアセンブリ1030を任意の所望の場所に設置するように、カメラアセンブリ1030と基板1070との間に含まれ、光線1122をカメラアセンブリ1030に向かって指向および集束させてもよい。いくつかの実施形態では、介在光学要素は、光線1122をフィルタリングする、偏光を変化させる、または収差を補正するために使用されてもよい。例えば、補正光学要素は、結像システムの光学コンポーネントによって導入される光学収差を低減または排除するように配列および構成される、光線1122の光学経路に沿って、または結像システムが、図6のディスプレイシステム250、他の導波管、または光学要素の一部である場合、位置付けられてもよい。
複数の結合光学要素を使用した軸外結像のための代替実施形態
【0114】
図11は、オブジェクト平面1120からの光を基板1070を通してTIRするように構成される、結合光学要素1178a、1188aを有する、基板1070を備える、例示的結像システム1000bを示すが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、図11は、両結合光学要素1178a、1188aを反射結合光学要素として図示する。しかしながら、一方または両方の結合光学要素は、第1の波長の範囲をTIR条件を満たすある角度で屈折させる一方、第2の波長の範囲を実質的に基板1070を通して透過させるように構成される、透過性結合光学要素であってもよい。図12A-18は、基板1070のいくつかの実施形態を図示するが、しかしながら、他の構成も、可能性として考えられる。
【0115】
図12Aは、例示的結像システム1000cを図式的に図示する。結像システム1000cは、複数の結合光学要素1178aおよび1188bを使用して、オブジェクト平面1220からの光1122を基板1070を通してTIRする。図11と同様に、図12Aは、結合光学要素1178aを、光線1122を基板1070の中に内部結合する、基板1070の遠位表面1076上に配置される反射結合光学要素として図示する。しかしながら、結合光学要素1188bは、図11の結合光学要素1188aに実質的に類似するが、図12Aは、基板1070の遠位表面1076上に配置される、透過性結合光学要素1188bを図示する。したがって、TIRを介して、基板1070を通して伝搬することに応じて、光線1122は、3回目として、近位表面1074上で透過性結合光学要素1188bに向かって反射される。透過性結合光学要素1188bは、TIR条件がもはや持続せず、光線1122が基板1070から出射するようなある角度で光線1122を屈折させる。例えば、透過性結合光学要素1188bが、DOEである場合、光は、DOEの空間周波数に基づいて屈折され、カメラアセンブリ1030に向かって実質的に偏向される。
【0116】
図12Aはまた、カメラアセンブリ1030によって捕捉される、迷光線1222を図示する。例えば、迷光線1222は、オブジェクト1120によって反射されるが、結合光学要素1178a、1188bを通して伝搬する代わりに、迷光線1222の一部または全部は、直接、カメラアセンブリ1030に向かって進行する。特定の理論に賛同するわけではないが、迷光線1222は、カメラアセンブリ1030によって捕捉され、それによって、上記に説明されるように、直接視認画像を生成する。したがって、カメラアセンブリ1030は、基板を通してTIRする光線1122に基づく所望の画像とともに、光線1222に基づく直接視認画像(例えば、本明細書に説明される狭FOVおよび欠陥を含む)を捕捉し得る。カメラアセンブリ1030は、異なる光学経路に沿って進行した光線を捕捉するため、最終画像は、種々の不完全性を含むであろう。1つのそのような不完全性が、図12Bに図示されるが、その他も、可能性として考えられる。
【0117】
図12Bは、図12Aのカメラアセンブリ1030を使用して捕捉されたオブジェクト1120の例示的画像1210を図示する。例証的画像1210では、カメラアセンブリ1030は、例えば、オブジェクトとして使用され、IR光源で照明されたレーザダイオードの正面の画像1210を捕捉した。レーザダイオードが、本実施例では図示されるが、他のオブジェクト、例えば、ユーザの眼210も、類似効果のために使用されてもよい。画像1210は、光線1222によって生成されたレーザダイオードの直接視認画像1205と、光線1122によって生成された画像1240のセットとを含む。画像1240のセットは、所望の軸外画像(例証的目的のために、画像1215として示される)と、異なる視点からの複数の重複画像(集合的に、画像1212として図示される)とを含む。そのような重複画像1212は、いくつかの実施形態では、所望に応じて、オブジェクトの単一視点画像を合成するための後処理を要求し得る。他の実施形態では、結像システムは、単一視点画像1215を捕捉するように、望ましくない重複画像1212および直接視認画像1205を低減または排除するように設計されてもよい。
【0118】
例えば、図13AおよびBは、結像システム1000cの別の図を図式的に図示する。図13Aおよび13Bは、重複画像1212を低減または排除するための例示的アプローチを図示する。特定の科学理論に賛同するわけではないが、重複画像1212は、基板1070の厚さ(t)、結合光学要素1178aのサイズ(d)、および光線1122のストライド距離(d)を変動させることに基づいて、低減または実質的に排除され得る。ストライド距離(d)は、光線が基板内で反射するにつれて進行する、基板1070と平行な距離、すなわち、例えば、全内部反射の単一インスタンスに起因して、基板1070の遠位表面1076上に入射する2つの隣接する点間の距離を指し得る。いくつかの実施形態では、直接視認画像1205もまた、例えば、コーティング(例えば、オブジェクト1220からのIR光を遮断または低減させるように構成される、IRコーティング)をオブジェクト1220に近接する近位表面または遠位表面1074、1076上に含むことによって、低減または除去され得る。
【0119】
例えば、残影画像は、ストライド距離(d)がdを上回るように、結合光学要素1178aのサイズ(d)を最小サイズまで低減させ、結像システム1000cのコンポーネントの物理的配列を変動させることによって、低減または排除されることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、ストライド距離(d)を制御し、大ストライド距離を達成しながら、結合光学要素1178aのサイズを最小限にすることが望ましくあり得る。特定の科学理論に賛同するわけではないが、大ストライド距離は、残影画像の強度を低減させる、または迷光線1030の外側へのカメラアセンブリ1030の設置を可能にし得る。したがって、いくつかの状況下では、ストライド距離は、以下のように表され得る。
=2*t*tan(θ) [2]
式中、θは、光線1122の回折角度であって、tは、基板1070の厚さである。ストライド距離を増加させることは、基板の厚さ(t)を増加させる、または回折角度(θ)を増加させることによって、行われてもよい。上記に説明されるように、回折角度(θ)は、回折特徴の空間周波数または周期に基づき得る。例えば、最低光線1122eは、最小回折角度(θ)を有し、したがって、ストライド距離を増加させるために、本回折角度を増加させることが好ましくあり得る。さらに、基板1070の厚さを増加させることもまた、ストライド距離を増加させ得る。しかしながら、基板1070の厚さと軽量およびコンパクト結像システムを生成することの平衡をとることが望ましくあり得る。一実施形態では、基板1070は、2.5ミリメートル厚のポリカーボネート片(他の材料も可能性として考えられる)であって、格子空間周波数は、ミリメートルあたり720ラインである。種々の実施形態は、異なる基板厚さまたは格子空間周波数を含んでもよい。
【0121】
図14Aおよび14Bは、図11の結像システム1000aと異なる配列を有する、複数の結合光学要素を伴う、結像システムの実施例を図式的に図示する。図11に説明されるように、結合光学要素は、TIRを誘発し、光線1122を基板1070を通してカメラアセンブリ1030に指向するために、内部または外部結合光学要素のいずれかとして構成される。図14Aおよび14Bは、結合光学要素のタイプおよび設置の変動において異なる。
【0122】
例えば、図14Aは、図11の結像システム1000bに実質的に類似する、結像システム1000dを描写する。しかしながら、結像システム1000dは、基板1070の近位表面1074上に配置される、透過性結合光学要素1178bと、基板1070の遠位表面1076上に配置される、透過性結合光学要素1188bとを備える。透過性結合光学要素1178bは、透過性であるが、図11の光1122をある回折角度で回折し、TIRを遠位表面1046に誘発する、内部結合光学要素として構成されてもよい。光1122は、次いで、図12Aに関連して上記に説明されるように、外部結合光学要素として構成される、透過性結合光学要素1188bに向かって指向され得る。
【0123】
図14Bの実施形態では、結像システム1000eは、図11の結像システム1000bに実質的に類似する。しかしながら、結像システム1000eは、基板1070の近位表面1074上に配置される、透過性結合光学要素1178bおよび反射結合光学要素1188aを備える。透過性結合光学要素1178bは、透過性であるが、図11の光1122をある回折角度で回折し、TIRを遠位表面1046に誘発する、内部結合光学要素として構成されてもよい。光1122は、次いで、図11に関連して上記に説明されるように、外部結合光学要素として構成される、反射結合光学要素1188aに向かって指向され得る。
【0124】
図15は、図12A-13Bの結像システム1000cに実質的に類似する、別の例示的結像システム1000fを図式的に図示する。上記の結像システムと同様に、図15は、基板1070の遠位表面1076上に配置される、反射結合光学要素1178aおよび透過性結合光学要素1188bを備える、結像システム1000fを図示する。しかしながら、結合光学要素1178aおよび1188bは、ミリメートルあたり1411.765ラインの空間周波数および708.33ナノメートルのピッチを備え、基板は、1ミリメートル厚のポリカーボネート片である。故に、図12A-13Bの結像システム1000cと比較して、光1122は、複数回、基板1070内でTIRし得、カメラアセンブリは、結合光学要素1178aからさらに離れるように偏移され得る。他の構成も、可能性として考えられる。
(軸外結像のための結像システムの代替実施形態)
【0125】
図11は、オブジェクト平面1120からの光を基板1070を通してTIRするように構成される、結合光学要素1178a、1188aを有する、基板1070を備える、例示的結像システム1000bを示すが、他の構成も、可能性として考えられる。
【0126】
例えば、図16は、光学コンポーネント1650に隣接して配置される、基板1070を備える、結像システム1000gを図示する。いくつかの実施形態では、光学コンポーネント1650は、図6の導波管スタック260または図9A-9Cの導波管スタック660であってもよい。基板1070は、オブジェクト1120と光学コンポーネント1650に隣接し、かつその間にあるように図示されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、光学コンポーネント1650は、基板1070とオブジェクト1120との間にあってもよい、または基板1070は、光学コンポーネント1650の一部であってもよい。基板1070は、複数の反射要素1678および1688を備えてもよい。図16に図示されるように、光1122は、オブジェクト1120から基板1070に向かって進行し、近位表面1074と相互作用し得る。光1122は、屈折され、反射要素1678に指向され得、これは、光が近位表面1074上でTIRするように、光1122をある角度で反射させる。したがって、光1122は、TIRを介して、反射要素1688に向かって進行する。光1122は、反射要素1688によって、カメラアセンブリ1030に向かって反射され得る。故に、カメラアセンブリ1030は、カメラアセンブリ1030がオブジェクト1120を直接視認しているかのように(例えば、仮想カメラアセンブリ1030c)、オブジェクト1120の軸外画像を捕捉し得る。いくつかの実施形態では、反射要素1678、1688のうちの1つ以上のものは、「ホットミラー」である、またはIR内では反射性である一方、可視スペクトル内では透過性である、反射コーティングを備えてもよい。
【0127】
図16の一実施形態では、基板1070は、2ミリメートル厚のポリカーボネート片であって、近位表面1074は、オブジェクト平面1120から15.7ミリメートル右(例えば、z-方向)に位置付けられる。オブジェクト平面1120は、垂直(例えば、y-方向)に12ミリメートルである。いくつかの実施形態では、反射要素1678は、実質的に全FOVを捕捉するように構成され、中心光線1122cは、法線から下方(例えば、負のy-方向)に25度で伝搬する。カメラアセンブリ1030は、光線1122cの原点から15.7ミリメートル下方に、18.79ミリメートル右に位置付けられてもよい。本配列では、結像システム1000gは、仮想カメラ1030cからのビューが、10.56ミリメートル下方に、22.65ミリメートル右に位置付けられているかのように、画像を捕捉する。
【0128】
図17は、光学コンポーネント1650(例えば、光学カバーガラスまたは処方箋ガラス)に隣接して配置される、基板1770と、基板1770に隣接して配置される、反射表面1778とを備える、結像システム1000hを図示する。いくつかの実施形態では、基板1770は、上記に説明される基板1070に実質的に類似してもよい。具体的配列が、図17に示されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、光学コンポーネント1650は、基板1650とオブジェクト1120との間にあってもよい、または基板1770は、光学コンポーネント1650の一部であってもよい。図17に図示されるように、光1122は、オブジェクト1120から光学コンポーネント1650に向かって進行し、それと相互作用し得る。光1122は、次いで、基板1770に向かって進行するにつれて、光学コンポーネント1650を通して屈折または通過され得る。基板1770を通して通過(屈折または通過)後、光1122は、反射表面1778上に入射する。反射表面1778は、光1122を反射させ、カメラアセンブリ1030に向かって指向するように構成される、光学性質を有してもよい。故に、カメラアセンブリ1030は、カメラアセンブリ1030がオブジェクト1120を直接視認しているかのように、オブジェクト1120の軸外画像を捕捉し得る。図17の一実施形態では、結像システム1000fは、16ミリメートル×24ミリメートルのオブジェクト平面1120を捕捉するように構成され、中心光線1122cは、法線(ライン1790として示される)から正の17度で伝搬する。
【0129】
いくつかの実施形態では、反射表面1778は、装飾または審美的レンズまたは光学コンポーネントの表面であってもよい。例えば、装飾レンズは、太陽光をフィルタリング除去するサングラスとしての使用のためのレンズであってもよい。別の実施形態では、装飾レンズは、ゴーグルにおいて使用するためのカラーフィルタリングレンズであってもよい。さらに他の実施形態では、装飾レンズは、レンズを装着していない他の人々によって視認可能な着色された視覚的外観を有してもよい(例えば、他の人々には、青色、赤色等で現れる、レンズ)。装飾レンズはまた、ユーザ以外の人々によって視認される、色層を含んでもよい。反射表面1778は、装飾レンズの内側表面上の反射コーティングであってもよい。反射コーティングは、装着者が世界を視認することが可能であるように、IR内では反射性である一方、可視スペクトル内では透過性であってもよい。図17に示されるように、反射表面1778は、光1122をカメラアセンブリ1030に向かって指向するように構成される、凹面形状を備えてもよい。しかしながら、他の構成も、可能性として考えられる。
【0130】
図18は、光学コンポーネント1850に隣接して配置される、基板1770と、基板1770に隣接して配置される、プリズム1878とを備える、結像システム1000iを図示する。いくつかの実施形態では、基板1770は、上記に説明される基板1070に実質的に類似してもよい。光学コンポーネント1850は、光学コンポーネント1650に実質的に類似してもよいが、図9A-9Cの射出瞳エクスパンダ800、810、820のうちの1つ以上のものを備えてもよい。具体的配列が、図18に示されるが、他の構成も、可能性として考えられる。例えば、光学コンポーネント1850は、基板1770とオブジェクト1120との間にあってもよい、または基板1770は、光学コンポーネント1850の一部であってもよい。図18に図示されるように、光1122は、オブジェクト1120から光学コンポーネント1850に向かって進行し、それと相互作用し得る。光1122は、光学コンポーネント1850に向かって進行するにつれて、屈折または通過され得る。光学コンポーネント1850を通して通過(屈折または通過)後、光1122は、プリズム1878に入射し、表面1878aによって、カメラアセンブリ1030に向かって反射される。故に、カメラアセンブリ1030は、カメラアセンブリ1030がオブジェクト1120を直接視認しているかのように、オブジェクト1120の軸外画像を捕捉し得る。いくつかの実施形態では、プリズムは、IRプリズム「ホットミラー」であってもよい、または表面1878aは、IR内では反射性である一方、可視スペクトル内では透過性である、反射コーティングを備えてもよい。図18の一実施形態では、結像システム1000iは、35度の垂直FOVおよび30.73ミリメートルの焦点距離を有する、カメラアセンブリ1030を備える。そのような結像システム1000iは、16ミリメートル×24ミリメートルのオブジェクト平面1120を捕捉するように構成されてもよく、中心光線1122cは、法線(ライン1790として示される)から負の25度で伝搬する。
(オブジェクトを結像するための例示的ルーチン)
【0131】
図19は、軸外カメラ(例えば、図6のカメラアセンブリ630または図10Aのカメラアセンブリ1030)を使用してオブジェクト(例えば、ユーザの眼)を結像するための例証的ルーチンのプロセスフロー図である。ルーチン1900は、オブジェクトからの光が、カメラアセンブリが、直接、オブジェクトに向かって向けられているかのように、オブジェクトを結像するためのオブジェクトから離れるように、またはそれに対して軸外に位置付けられる、カメラアセンブリに指向され得る方法を説明する。
【0132】
ブロック1910では、結像システムが、オブジェクトからの光を受光し、光をカメラアセンブリに指向するように構成されるように提供される。結像システムは、図10A-11、12A、および13A-18に関連して上記に説明されるような結像システム1000a-iのうちの1つ以上のものであってもよい。例えば、結像システムは、第1の結合光学要素(例えば、第1の結合光学要素1078、1178a、または1178b)と、第2の結合光学要素(例えば、第2の光学要素1188aまたは1188b)とを備える、基板(例えば、基板1070)を備えてもよい。第1および第2の光学要素は、上記および本開示全体を通して説明されるように、基板の遠位表面または近位表面上に配置されてもよい。第1および第2の光学要素は、基板1070に沿って相互から側方にオフセットされてもよい。上記および本開示全体を通して説明されるように、第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間でTIRするように構成されてもよい。第1の光学要素は、光を、ある角度で、概して、第2の結合光学要素に向かって偏向させるように構成されてもよい。第2の結合光学要素は、第1の結合光学要素からの光を受光し、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成されてもよい。
【0133】
ブロック1920では、光が、カメラアセンブリ(例えば、図6のカメラアセンブリ630または図10A-11、12A、および13A-18のカメラアセンブリ1030)で捕捉される。カメラアセンブリは、第2の結合光学要素に向かって配向され、第2の結合光学要素によって偏向される光を受光してもよい。カメラアセンブリは、前方に面したまたは後方に面した構成における、軸外カメラであってもよい。ブロック1930では、オブジェクトの軸外画像が、本明細書および本開示全体を通して説明されるように、捕捉された光に基づいて生成され得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、ルーチン1900は、オブジェクトを光源(例えば、図6の光源632または図10A-11、12A、および13A-18の光源1032)からの光で照明する随意のステップ(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光は、IR光を含む、波長の範囲を含んでもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、ブロック1930において生成された軸外画像は、例えば、画像処理技法を使用して、処理および分析されてもよい。分析された軸外画像は、上記および本開示全体を通して説明されるように、分析された軸外画像に部分的に基づいて、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、およびユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施するために使用されてもよい。
【0136】
種々の実施形態では、ルーチン1900は、メモリ内に記憶される命令を実行するように構成される、ハードウェアプロセッサ(例えば、図2のローカル処理およびデータモジュール140)によって実施されてもよい。他の実施形態では、コンピュータ実行可能命令を伴う、遠隔コンピューティングデバイス(ディスプレイ装置とネットワーク通信する)が、ディスプレイ装置に、ルーチン1900の側面を実施させることができる。
付加的側面
1 光学デバイスであって、近位表面および遠位表面を有する、基板と、近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第1の結合光学要素と、近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、第1の結合光学要素から近位表面または遠位表面と平行方向に沿って側方にオフセットされる、第2の結合光学要素とを備え、第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、第2の結合光学要素は、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成される、光学デバイス。
2 基板は、可視光に対して透過性である、側面1に記載の光学デバイス。
3 基板は、ポリマーを含む、側面1または2に記載の光学デバイス。
4 基板は、ポリカーボネートを含む、側面1-3のいずれか1項に記載の光学デバイス。
5 第1および第2の結合光学要素は、基板の近位表面および遠位表面のうちの少なくとも1つの外部にあって、それに固定される、側面1-4のいずれか1項に記載の光学デバイス。
6 第1および第2の結合光学要素は、基板の一部を含む、側面1-5のいずれか1項に記載の光学デバイス。
7 第1および第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、複数の回折特徴を備える、側面1-6のいずれか1項に記載の光学デバイス。
8 複数の回折特徴は、ある波長の範囲の光の実質的に全てを回折するように、該ある波長の範囲のための比較的に高回折効率を有する、側面7に記載の光学デバイス。
9 複数の回折特徴は、複数の回折要素の周期に部分的に基づいて、光を少なくとも1つの方向に回折し、少なくとも1つの方向は、光を近位表面と遠位表面との間でTIRするように選択される、側面7または8に記載の光学デバイス。
10 第1または第2の結合光学要素のうちの少なくとも1つは、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外回折光学要素(DOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、または軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)のうちの少なくとも1つを含む、側面1-7のいずれか1項に記載の光学デバイス。
11 第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲の光を透過させるように構成される、側面1-7および10のいずれか1項に記載の光学デバイス。
12 第1の波長の範囲は、赤外線(IR)または近IRスペクトルのうちの少なくとも1つにおける光を含み、第2の波長の範囲は、可視スペクトルにおける光を含む、側面11に記載の光学デバイス。
13 第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、第1の結合光学要素は、基板の遠位表面上に配置され、第2の結合光学要素は、基板の近位表面上に配置される、側面1、7、および11のいずれか1項に記載の光学デバイス。
14 第1および第2の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、第1の結合光学要素は、基板の近位表面上に配置され、第2の結合光学要素は、基板の遠位表面上に配置される、側面1、7、10、および11のいずれか1項に記載の光学デバイス。
15 第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、第2の結合光学要素は、該ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、第1および第2の結合光学要素は、基板の遠位表面上に配置される、側面1、7、10、および11のいずれか1項に記載の光学デバイス。
16 第1の結合光学要素は、ある波長の範囲の光を選択的に透過させ、第2の結合光学要素は、該ある波長の範囲の光を選択的に反射させ、第1および第2の結合光学要素は、基板の近位表面上に配置される、側面1、7、10、および11のいずれか1項に記載の光学デバイス。
17 ユーザの頭部上に装着されるように構成される、頭部搭載型ディスプレイ(HMD)であって、フレームと、一対の光学要素の各光学要素がユーザの眼の前方に配置されることが可能であるように、フレームによって支持される、一対の光学要素と、結像システムであって、フレームに搭載される、カメラアセンブリと、側面1-16のいずれか1項に記載の光学デバイスとを備える、結像システムと、を備える、HMD。
18 一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素は、基板を含む、側面17に記載のHMD。
19 基板は、一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素の表面上に配置される、側面17または18に記載のHMD。
20 フレームは、一対の耳掛け部を備え、カメラアセンブリは、一対の耳掛け部のうちの1つ上に搭載される、側面17-19のいずれか1項に記載のHMD。
21 カメラアセンブリは、第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される、前方に面したカメラアセンブリである、側面17-20のいずれか1項に記載のHMD。
22 カメラアセンブリは、ユーザに向かって面した方向に配置される、後方に面したカメラアセンブリであって、後方に面したカメラアセンブリは、第2の結合光学要素から受光された光を結像するように構成される、側面17-20のいずれか1項に記載のHMD。
23 第1の波長の範囲の光を、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つに向かって放出する、光源をさらに備える、側面17-22のいずれか1項に記載のHMD。
24 第1の波長の範囲の光は、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つによって、第1の結合光学要素に向かって反射される、側面23に記載のHMD。
25 一対の光学要素はそれぞれ、可視光に対して透過性である、側面17-23のいずれか1項に記載のHMD。
26 一対の光学要素はそれぞれ、画像をユーザに表示するように構成される、側面17-23および25のいずれか1項に記載のHMD。
27 カメラアセンブリは、第2の結合光学要素から受光された光に部分的に基づいて、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを結像するように構成される、側面17-23、25、および26のいずれか1項に記載のHMD。
28 HMDは、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つの画像に基づいて、ユーザの視線を追跡するように構成される、側面27に記載のHMD。
29 カメラアセンブリによって結像される画像は、ユーザの眼の正面に設置され、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを直接視認する、カメラによって結像される画像と一致する、側面27に記載のHMD。
30 光学デバイスは、カメラアセンブリによって受光される迷光を低減させるように配列される、側面17-23、25、および27のいずれか1項に記載のHMD。
31 第1の結合光学要素のサイズは、基板の遠位表面と近位表面との間で反射された光のストライド距離未満であって、ストライド距離は、基板の厚さおよび第1の結合光学要素が光を偏向させる角度に基づく、側面17-23、25、27、および30のいずれか1項に記載のHMD。
32 第1の結合光学要素のサイズは、ユーザの眼の視野に基づく、側面31に記載のHMD。
33 カメラアセンブリによって結像されるユーザの眼の画像と、ユーザの眼の正面に設置されたカメラによって結像されるユーザの眼の画像は、区別不能である,側面17-23、25、27、30、および31のいずれか1項に記載のHMD。
34 カメラアセンブリによって入手された画像を記憶するように構成される、非一過性データ記憶装置と、非一過性データ記憶装置と通信する、ハードウェアプロセッサであって、画像を分析し、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、およびユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施するための実行可能命令でプログラムされる、ハードウェアプロセッサとをさらに備える、側面17-23、25、27、30、31、および33のいずれか1項に記載のHMD。
35 結像システムであって、近位表面および遠位表面を有する、基板であって、近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第1の回折光学要素と、近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置される、第2の回折光学要素であって、第1の回折光学要素から近位表面または遠位表面と平行方向に沿ってオフセットされる、第2の回折光学要素とを備え、第1の回折光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、第2の回折光学要素は、その上に入射する光を基板から外にある角度で偏向させるように構成される、基板と、第2の回折光学要素によって偏向される光を結像するためのカメラアセンブリとを備える、結像システム。
36 第1および第2の回折光学要素は、軸外回折光学要素(DOE)、軸外回折格子、軸外回折光学要素(DOE)、軸外ホログラフィックミラー(OAHM)、または軸外立体回折光学要素(OAVDOE)、軸外コレステリック液晶回折格子(OACLCG)、ホットミラー、プリズム、または装飾レンズの表面のうちの少なくとも1つを含む、側面35に記載の結像システム。
37 仮想カメラを使用して、オブジェクトを結像する方法であって、結像システムを結像されることになるオブジェクトの正面に提供することであって、結像システムは、それぞれ、基板の近位表面および遠位表面のうちの1つ上に配置され、相互からオフセットされる、第1の結合光学要素および第2の結合光学要素を備える、基板であって、第1の結合光学要素は、光をある角度で偏向させ、光を近位表面と遠位表面との間で第2の結合光学要素に向かって全内部反射(TIR)させるように構成され、第2の結合光学要素は、光を基板から外にある角度で偏向させるように構成される、基板を備える、ことと、第2の結合光学要素によって偏向される光を受光するように配向されるカメラアセンブリを用いて、光を捕捉することと、捕捉された光に基づいて、オブジェクトの軸外画像を生成することとを含む、方法。
38 第1および第2の結合光学要素はそれぞれ、第1の波長の範囲の光を偏向させる一方、第2の波長の範囲における光を透過させる、側面37に記載の方法。
39光源によって放出される第1の波長の範囲を用いて、オブジェクトを照明することをさらに含む、側面37または38に記載の方法。
40 軸外画像を分析することと、分析される軸外画像に部分的に基づいて、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、およびユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施することとをさらに含む、側面37-39のいずれか1項に記載の方法。
41 結像システムであって、近位表面および遠位表面を有する、基板と、遠位表面に隣接する、反射光学要素であって、基板から外に通過した光を遠位表面においてある角度で反射させるように構成される、反射光学要素と、反射光学要素によって反射された光を結像するためのカメラアセンブリとを備える、結像システム。
42 反射光学要素は、装飾レンズの表面を備える、側面41に記載の結像システム。
43 反射光学要素は、反射コーティングを装飾レンズの表面上に備える、側面41または側面42に記載の結像システム。
44 反射光学要素は、反射プリズムを備える、側面41-43のいずれか1項に記載の結像システム。
45 反射光学要素は、赤外線光に対して反射性であって、可視光に対して透過性である、側面41-44のいずれか1項に記載の結像システム。
46 近位表面に隣接する回折光学要素をさらに備える、側面41-45のいずれか1項に記載の結像システム。
47 カメラアセンブリは、反射光学要素から受光された光を結像するように構成される、前方に面したカメラアセンブリである、側面41-46のいずれか1項に記載の結像システム。
48 ユーザの頭部上に装着されるように構成される、頭部搭載型ディスプレイ(HMD)であって、フレームと、一対の光学要素の各光学要素がユーザの眼の前方に配置されることが可能であるように、フレームによって支持される、一対の光学要素と、請求項41-47のいずれか1項に記載の結像システムとを備える、HMD。
49 一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素は、基板を含む、側面48に記載のHMD。
50 基板は、一対の光学要素の少なくとも1つの光学要素の表面上に配置される、側面48または49に記載のHMD。
51 フレームは、一対の耳掛け部を備え、カメラアセンブリは、一対の耳掛け部のうちの1つ上に搭載される、側面48-50のいずれか1項に記載のHMD。
52 第1の波長の範囲の光を、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つに向かって放出する、光源をさらに備える、側面48-51のいずれか1項に記載のHMD。
53 一対の光学要素はそれぞれ、可視光に対して透過性である、側面48-52のいずれか1項に記載のHMD。
54 一対の光学要素はそれぞれ、画像をユーザに表示するように構成される、側面48-53のいずれか1項に記載のHMD。
55 カメラアセンブリは、第2の結合光学要素から受光された光に部分的に基づいて、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを結像するように構成される、側面48-54のいずれか1項に記載のHMD。
56 HMDは、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つの画像に基づいて、ユーザの視線を追跡するように構成される、側面48-55のいずれか1項に記載のHMD。
57 カメラアセンブリによって結像される画像は、ユーザの眼の正面に設置され、ユーザの眼、眼の一部、または眼を囲繞する組織の一部のうちの少なくとも1つを直接視認する、カメラによって結像される画像と一致する、側面48-56のいずれか1項に記載のHMD。
58 光学デバイスは、カメラアセンブリによって受光される迷光を低減させるように配列される、側面48-57のいずれか1項に記載のHMD。
59 カメラアセンブリによって結像されるユーザの眼の画像と、ユーザの眼の正面に設置されたカメラによって結像されるユーザの眼の画像は、区別不能である、側面48-58のいずれか1項に記載のHMD。
60 カメラアセンブリによって入手された画像を記憶するように構成される、非一過性データ記憶装置と、非一過性データ記憶装置と通信する、ハードウェアプロセッサであって、画像を分析し、眼追跡、バイオメトリック識別、眼の形状の多視点再構築、眼の遠近調節状態の推定、または網膜、虹彩、眼の他の際立ったパターンの結像、およびユーザの生理学的状態の評価のうちの1つ以上のものを実施するための実行可能命令でプログラムされる、ハードウェアプロセッサとをさらに備える、側面48-59のいずれか1項に記載のHMD。
(付加的考慮点)
【0137】
上記に説明される実施形態では、光学配列は、眼結像ディスプレイシステム、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムに関連して説明される。しかしながら、光学的配列の原理および利点は、頭部搭載型ディスプレイ、光学システム、装置、または方法のために使用されることができることを理解されるであろう。前述では、実施形態のうちの任意の1つの任意の特徴は、実施形態のうちの任意の他の1つの任意の他の特徴と組み合わせられる、および/またはそれで代用されることができることを理解されたい。
【0138】
文脈によって別様に明確に要求されない限り、説明および請求項全体を通して、単語「~を備える(comprise)」、「~を備えている(comprising)」、「~を含む(include)」、「~を含んでいる(including)」、「~を有する(have)」、「~を有している(having)」、および同等物は、排他的または包括的意味とは対照的に、包含的意味、すなわち、「限定ではないが~を含む(including, but not limited to)」の意味で解釈されるべきである。単語「結合される」は、本明細書で概して使用されるように、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかであり得る、2つ以上の要素を指す。同様に、単語「接続される」は、本明細書で概して使用されるように、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかであり得る、2つ以上の要素を指す。文脈に応じて、「結合される」または「接続される」は、光が、1つの光学要素から別の光学要素に結合または接続されるような光学結合または光学接続を指し得る。加えて、単語「本明細書で(herein)」、「上記で(above)」、「下記で(below)」、「後述の(infra)」、「前述の(supra)」、および類似意味の単語は、本願で使用されるとき、全体として本願を指すものとし、本願の任意の特定の部分を指すものではない。文脈によって許容される場合、単数形または複数形を使用する上記の詳細な説明における単語はまた、それぞれ、複数形または単数形を含んでもよい。2つ以上のアイテムのリストを参照する、単語「または」は、包含的(排他的ではなく)「または」であって、「または」は、以下の単語の解釈の全て、すなわち、リスト内のアイテムのいずれか、リスト内のアイテムの全て、およびリスト内のアイテムの1つ以上のアイテムの任意の組み合わせを網羅し、リストに追加される他のアイテムを除外しない。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の(one or more)」または「少なくとも1つ(at least one)」を意味するように解釈されるべきである。
【0139】
本明細書で使用されるように、項目のリスト「~のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。ある実施例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、およびA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在するように要求することを示唆することを意図されない。
【0140】
さらに、とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「等(such as)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/または状態を含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/または状態が、1つまたはそれを上回る実施形態に対していかようにも要求されること、またはこれらの特徴、要素、および/または状態が任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを示唆することを意図されない。
【0141】
ある実施形態が、説明されたが、これらの実施形態は、一例としてのみ提示され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に説明される新規装置、方法、およびシステムは、種々の他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に説明される方法およびシステムの形態における種々の省略、代用、および変更が、本開示の精神から逸脱することなく成されてもよい。例えば、ブロックが、所与の配列で提示されるが、代替実施形態は、異なるコンポーネントおよび/または回路トポロジを用いて類似機能性を実施してもよく、いくつかのブロックは、削除される、移動される、追加される、細分割される、組み合わせられる、および/または修正されてもよい。これらのブロックはそれぞれ、種々の異なる方法で実装されてもよい。上記に説明される種々の実施形態の要素および作用の任意の好適な組み合わせが、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられることができる。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して実装されてもよい、または種々の方法で組み合わせられてもよい。いずれの要素または要素の組み合わせも、全ての実施形態に関して必要または不可欠なわけではない。本開示の特徴の全ての好適な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内であるように意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
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図9B
図9C
図10A
図10B
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図12A
図12B
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図13B
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