IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寶鉅(中國)兒童用品有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-バックル機構 図1
  • 特許-バックル機構 図2
  • 特許-バックル機構 図3
  • 特許-バックル機構 図4
  • 特許-バックル機構 図5
  • 特許-バックル機構 図6
  • 特許-バックル機構 図7
  • 特許-バックル機構 図8
  • 特許-バックル機構 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】バックル機構
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/26 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A44B11/26
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020189823
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2021079103
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】201921983478.5
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520447558
【氏名又は名称】寶鉅(中國)兒童用品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 英忠
(72)【発明者】
【氏名】韋 欽瑞
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-154402(JP,A)
【文献】実開平03-027709(JP,U)
【文献】特表平06-504701(JP,A)
【文献】特開平03-049702(JP,A)
【文献】特開昭59-168803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックル機構であって、
挿接端を有し、かつ前記挿接端に係合部が設けられている第一バックルと、
前記挿接端を収納する取付溝を有し、前記第一バックルと互いに挿接して係合する第二バックルと、
前記第二バックルに設けられ、かつ、押圧部及び前記押圧部の両端にそれぞれ一体連結されて立設された二つの伸張部を含み、かつ、前記二つの伸張部がそれぞれ前記押圧部に連結された連結端と、前記押圧部から離れた自由端とを有する操作部と、
前記二つの伸張部の前記自由端に固定され、前記二つの伸張部の間を横断して接続され、前記係合部とロックまたはアンロックすることができるロック部材と、
常に前記挿接端を前記取付溝から離脱させようとする弾性部とを含み、
前記操作部に外力が加えられると、前記操作部とロック部材が同じ動作方向に共に動作し、連動により前記ロック部材が前記係合部のロックから離脱し、前記弾性部の作用により、前記挿接端が前記取付溝から離脱して、前記第一バックルと前記第二バックルのアンロックを実現することを特徴とする、バックル機構。
【請求項2】
前記操作部の一端が前記第二バックルを通過し、前記取付溝の中に位置する前記ロック部材に固定接続されることを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【請求項3】
前記第二バックルに貫通孔が設けられ、前記二つの伸張部がそれぞれ前記貫通孔を通過して、前記ロック部材との接続を実現することを特徴とする、請求項2に記載のバックル機構。
【請求項4】
前記第二バックルには前記押圧部を取り付ける凹溝が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のバックル機構。
【請求項5】
前記押圧部と前記凹溝との間に復位部が設けられ、常に前記押圧部を前記凹溝から離脱させようとすることを特徴とする、請求項4に記載のバックル機構。
【請求項6】
前記凹溝内に前記復位部の位置を決める定位凹槽が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のバックル機構。
【請求項7】
前記第二バックルに回避部が設けられ、
前記挿接端が前記ロック部材と前記操作部との間に位置し、前記操作部に連動して前記ロック部材が前記回避部まで移動し、前記係合部のアンロックを実現することを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【請求項8】
前記挿接端内に鉤形溝を凹設することで前記係合部を形成することを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【請求項9】
前記第二バックルがバックル本体及び、前記バックル本体に係合する外蓋を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【請求項10】
前記バックル本体に嵌合位置が設けられ、前記外蓋には前記嵌合位置と嵌め合わせられる係止位置が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載のバックル機構。
【請求項11】
前記第一バックルは連結した左バックルと右バックルを含み、前記左バックルが第一上部と第一下部を含み、前記右バックルが第二上部と第二下部を含み、
前記第一上部と前記第二上部が左右方向に並列して設置され、前記第一下部と第二下部が前後方向に並列して設置され、前記第一下部と前記第二下部が前記挿接端を形成することを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【請求項12】
前記第一下部が湾曲延伸して第一突起部を形成し、前記第二下部が湾曲延伸して第二突起部を形成し、前記第二突起部が第一突起部の上に位置することを特徴とする、請求項11に記載のバックル機構。
【請求項13】
前記第一突起部が挿入タング部を有し、前記第二突起部が前記挿入タング部と当接して係合するための陥凹部を有することを特徴とする、請求項12に記載のバックル機構。
【請求項14】
前記挿接端の底部と前記弾性部との間に固定部が設けられ、前記弾性部が前記固定部を押して前記挿接端の方向に動作させることを特徴とする、請求項1に記載のバックル機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックル機構の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、乳幼児を乗せる装置、例えば、ベビーカー、チャイルドシート、子供用ブランコなどは、乳幼児のケガを防止するために、全てシートベルトバックルが装備されている。なお、シートベルトバックルは雌バックル、腰ベルトに連結する一対の雄バックル、及び肩ベルトに連結する一対の肩ベルトバックルを含み、雄バックル、肩ベルトバックルが雌バックルに嵌められると、乳幼児の体に付けられた腰ベルト及び肩ベルトにより、乳幼児がベビーカー、チャイルドシートまたは子供用ブランコの外に投げ出されることを防止できる。
【0003】
しかし、現在のシートベルトバックルは、肩ベルトバックルと雌バックルが弾性機構を有しないため、肩ベルトバックルと雌バックルのロックを解除する際に、大きな力を必要とし、スムーズに外せない。
【0004】
従って、前記従来技術の不足を補うために、操作が便利なバックル機構の提供が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造が簡単で、操作が便利なバックル機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を実現するために、本発明が提供するバックル機構は第一バックル、第二バックル、操作部、ロック部材及び弾性部を含み、第一バックルが挿接端を有し、挿接端に係合部が設けられ、第二バックルと第一バックルが互いに挿接して係合し、第二バックルが挿接端を収納する取付溝を有し、操作部が第二バックルに設けられ、ロック部材と操作部が固定接続され、ロック部材が係合部とロックまたはアンロックすることができ、弾性部が常に挿接端を取付溝から離脱させようとし、操作部に外力が加えられると、連動によりロック部材が係合部のロックから離脱し、弾性部の作用により、挿接端が取付溝から離脱し、第一バックルと第二バックルのアンロックを実現する。
【0007】
従来技術に比べると、本発明のバックル機構において、操作部に外力が加えられると、連動によりロック部材が係合部のロックから離脱し、そして、弾性部の押える作用により、挿接端が取付溝から離脱し、第一バックルと第二バックルのアンロックが実現され、この過程全体において操作が便利で、構造が簡単である。
【0008】
好ましくは、操作部の一端が第二バックルを通過し、取付溝中に位置するロック部材に固定接続される。
【0009】
好ましくは、操作部は連結した押圧部及び伸張部を含み、第二バックルに貫通孔が設けられ、伸張部が貫通孔を通過してロック部材との接続を実現する。
【0010】
好ましくは、第二バックルには押圧部を取り付ける凹溝が設けられている。
【0011】
好ましくは、押圧部と凹溝の間に復位部が設けられ、常に押圧部を凹溝から離脱させようとする。
【0012】
好ましくは、凹溝内に復位部の位置を決める定位凹槽が設けられている。
【0013】
好ましくは、第二バックルに回避部が設けられ、挿接端がロック部材と操作部との間に位置し、操作部に連動してロック部材が回避部まで移動し、係合部のアンロックを実現する。
【0014】
好ましくは、挿接端内に鉤形溝を凹設することで係合部を形成する。
【0015】
好ましくは、第二バックルがバックル本体、及びバックル本体に係合する外蓋を含む。
【0016】
好ましくは、バックル本体に嵌合位置が設けられ、外蓋には嵌合位置に嵌め合わせられる係止位置が設けられている。
【0017】
好ましくは、第一バックルは連結した左バックルと右バックルを含み、左バックルが第一上部と第一下部と含み、右バックルが第二上部と第二下部を含み、第一上部と第二上部が左右方向に並列して設置され、第一下部と第二下部が前後方向に並列して設置され、第一下部と第二下部が挿接端を形成する。
【0018】
好ましくは、第一下部が湾曲延伸して第一突起部を形成し、第二下部が湾曲延伸して第二突起部を形成し、第二突起部が第一突起部の上に位置する。
【0019】
好ましくは、第一突起部が挿入タング部を有し、第二突起部が挿入タング部と当接して係合する陥凹部を有する。
【0020】
好ましくは、挿接端の底部と弾性部との間に固定部が設けられ、弾性部が固定部を押して挿接端の方向へ動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のバックル機構の構造概略図。
図2図1が示すバックル機構の別の面からの構造概略図。
図3図1が示すバックル機構に第二バックルが隠されている構造概略図。
図4図1が示すバックル機構に外蓋が隠されている構造概略図。
図5図1が示すバックル機構における第一バックルの構造概略図。
図6図1が示すバックル機構の分解図。
図7図6が示すバックル機構の別の角度からの分解図。
図8図1が示すバックル機構の断面図であり、ロック部材と係合部の施ロック状態を示す。
図9図1が示すバックル機構の断面図であり、ロック部材と係合部のアンロック状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術内容、構造特徴、実現する目的及び効果を明確に示すために、以下は実施形態に基づいて、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0023】
図1図2は本発明のバックル機構100を示すものである。図3図4を参照すると、当該バックル機構100は第一バックル10、第二バックル20、操作部30、ロック部材40及び弾性部50を含み、第一バックル10が挿接端11を有し、挿接端11に係合部13が設けられ、第二バックル20と第一バックル10が互いに挿接して係合される。第二バックル20は挿接端11を収納する取付溝21を有し、操作部30が第二バックル20に設置され、ロック部材40と操作部30が固定接続され、ロック部材40が係合部13とロックまたはアンロックすることができる。弾性部50は常に挿接端11を取付溝21から離脱させようとし、操作部30に外力が加えられると、連動によりロック部材40が係合部13のロックから離脱し、弾性部50の作用により、挿接端11が取付溝21から離脱して、第一バックル10と第二バックル20のアンロックを実現する。ここで、第一バックル10と第二バックル20が互いに挿接して係合され、第一バックル10を肩ベルトバックルまたは雄バックルと呼び、第二バックル20を雌バックルと呼ぶこともあるが、本発明の範囲はこれに限定されない。弾性部50はバネであってもよいが、これに限定されない。操作部30に外力を加えることで、ロック部材40を係合部13のロックから離脱させることができ、そして、弾性部50の弾性力作用により、挿接端11が押されて、第一バックル10が第二バックル20との係合から離脱し、アンロックが実現され、その操作が便利で、構造が簡単であり、非常に実用的である。
【0024】
図3図4を参照すると、操作部30の一端が第二バックル20を通過して、取付溝21の中に位置するロック部材40に固定接続される。即ち、操作部30とロック部材40が共に動作し、かつ動作方向が同じである。具体的に言うと、操作部30は連結した押圧部31及び伸張部33を含み、第二バックル20に貫通孔23が設けられており、伸張部33が貫通孔23を通過してロック部材40との接続を実現する。本実施例において、伸張部33が二つ設置され、二つの伸張部33の一端がそれぞれ押圧部31に接続され、二つの伸張部33の他端がそれぞれ貫通孔23を通過して取付溝21の中まで伸びて、ロック部材40が二つの伸張部33の間に位置する。ここで、押圧部31及び伸張部33を一体成形に設計することで、操作部30の使用寿命を延ばすことができる。さらに、第二バックル20には押圧部31を取り付けるための凹溝25が設けられており、凹溝25を利用し、押圧部31の位置を決めて素早く取り付けることができる。好ましくは、押圧部31と凹溝25の間に復位部60が設置されており、復位部60は常に押圧部31を凹溝25から離脱させようと働くものである。ここで、復位部60はバネであってもよいが、これに限定されない。復位部60を簡単に取り付けるため、凹溝25内には復位部60の位置を決める定位凹槽27が設けられている。さらに、図8図9を参照すると、第二バックル20に回避部29が設けられており、挿接端11がロック部材40と操作部30との間に位置し、操作部30に連動してロック部材40が回避部29まで移動し、係合部13のアンロックを実現する。
【0025】
図5を参照すると、挿接端11内に鉤形溝111を凹設することで係合部13が形成されている。具体的には、本実施例において、第一バックル10は連結した左バックル15と右バックル17を含み、左バックル15が第一上部151と第一下部153を含み、右バックル17が第二上部171と第二下部173を含み、第一上部151と第二上部171が左右方向に並列して設置され、第一下部153と第二下部173が前後方向に並列して設置され、第一下部153と第二下部173が挿接端11を形成する。さらに、第一下部153が湾曲延伸して第一突起部152を形成し、第二下部173が湾曲延伸して第二突起部172を形成し、第二突起部172が第一突起部152の上に位置し、第一突起部152と第二突起部172が係合部13を形成する。さらに、第一突起部152は挿入タング部154を有し、第二突起部172は挿入タング部154と当接して係合する陥凹部174を有することで、固定点を増やし、係合不備を防止できる。
【0026】
図6図7を参照すると、第二バックル20はバックル本体22、及びバックル本体22に係合する外蓋24を含む。具体的に、バックル本体22に嵌合位置221が設けられ、外蓋24には嵌合位置221と嵌め合わせられる係止位置241が設けられ、嵌合位置221と係止位置241の係合を利用してバックル本体22と外蓋24の接続固定を実現する。
【0027】
図8図9を参照すると、挿接端11の底部と弾性部50の間に固定部70が設置され、固定部70が弾性部50に押されて挿接端11の方向へ動作し、弾性部50を利用して固定部70を押し動かして挿接端11を押し、押圧の安定性と順調度を高める。
【0028】
以下、図1図9を参照しながら本発明のバックル機構100の動作原理を説明する。
【0029】
押圧部31に対し外力が加えると、伸張部33に連動してロック部材40が回避部29へ移動し、係合部13がロック部材40の係合から離脱してアンロックを実現し、そして、弾性部50が挿接端11に対する押し上げ作用により、第一バックル10が外されて、第一バックル10と第二バックル20のアンロックを実現する。
【0030】
従来の技術に比べると、本発明のバックル機構100において、操作部30に外力が加えられると、連動によりロック部材40が係合部13のロックから離脱し、そして弾性部50の押し上げ作用により、挿接端11が取付溝21から離脱し、第一バックル10と第二バックル20のアンロックを実現し、この過程全体において操作が便利で、構造が簡単である。
【0031】
以上に記載したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、当然ながら本発明の権利範囲はこれに限定されることなく、本発明の請求の範囲における等価な変更も本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0032】
100バックル機構
10 第一バックル,
11 挿接端
111 鉤形溝,
13 係合部,
15 左バックル,
151 第一上部,
152 第一突起部,
153 第一下部,
154 挿入タング部,
17 右バックル,
171 第二上部,
172 第二突起部,
173 第二下部,
174 陥凹部,
20 第二バックル,
21 取付溝,
22 バックル本体,
221 嵌合位置,
23 貫通孔
24 外蓋
241 係止位置,
25 凹溝
27 定位凹槽,
29 回避部,
30 操作部,
31 押圧部,
33 伸張部,
40 ロック部材,
50 弾性部,
60 復位部,
70 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9