IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニバーシティ オブ マサチューセッツの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】アンテナハードウェア及び制御
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/24 20060101AFI20230623BHJP
   H01Q 3/46 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H01Q3/24
H01Q3/46
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2020544247
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2019018521
(87)【国際公開番号】W WO2019164813
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】62/633,671
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507088266
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
【住所又は居所原語表記】One Beacon Street,31st Floor,Boston,Massachusetts 02108
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】フアリアン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ボーウェン チェン
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/00- 3/46
H01Q 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
入力信号を受信するための入力フィードと、
前記受信された入力信号に基づいて無線信号を発射するソースと、
前記ソースから発射される前記無線信号を受信するように動作し、無線出力を生成するチューナデバイスと、
を含み、
前記チューナデバイスが、前記チューナデバイスから送信される前記無線出力の放射パターンを制御するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域を含み、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各々が、実質的に平面であり、前記無線信号の対応する部分を生成するために、前記無線信号のそれぞれの受信される部分の属性を修正する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を制御するためのコントローラを含み、前記コントローラが、前記無線出力を所望の方向に向けるために、前記設定を変更するように動作する、
装置。
【請求項3】
請求項に記載の装置であって、前記コントローラによって生成される設定が、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域に関連する共振周波数を制御する、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各それぞれのウィンドー領域が、前記それぞれのウィンドーによって受信される前記発射される無線信号の対応する入射部分の放射を制御する、
装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、多数の個別に制御される表面領域の各々が多数のウィンドーを含み、前記多数のウィンドーの各々が、前記ソースから受信される前記発射される無線信号の入射部分の放射を制御する、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域が、第1のウィンドー領域及び第2のウィンドー領域を含む、装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置であって、
前記第1のウィンドー領域が、前記ソースから発射される前記無線信号の第1の部分を受信し、
前記第2のウィンドー領域が、前記ソースから発射される前記無線信号の第2の部分を受信する、
装置。
【請求項8】
請求項に記載の装置であって、
前記チューナデバイスの前記第1のウィンドー領域が、前記第1のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第1の部分を生成するために、前記無線信号の前記受信された第1の部分の位相及び振幅を制御し、
前記チューナデバイスの前記第2のウィンドー領域が、前記第2のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第2の部分を生成するために、前記無線信号の前記受信された第2の部分の位相及び振幅を制御する、
装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置であって、さらに、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を制御するためのコントローラ
を含み、前記コントローラが、前記無線出力を所望の方向に向けるために、前記設定を変更するように動作する、
装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記ウィンドー領域の各対応するウィンドー領域のそれぞれの静電容量を個別に制御するように動作するコントローラ、
を含み、
前記それぞれの静電容量の制御が、前記対応するウィンドー領域において受信される前記無線信号の一部の位相を修正する、
装置。
【請求項11】
方法であって、
ソースにおいて入力フィードからの入力信号を受信することと、
前記ソースから、前記受信された入力信号に基づいて無線信号を発射することと、
チューナデバイスにおいて、i)前記ソースから発射される前記無線信号を受信すること、及び、ii)前記チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御するために、前記チューナデバイスのウィンドー領域を個別に制御することと、
前記ウィンドー領域の各々に関連する静電容量の設定を個別に制御すること、
を含み、
前記設定の制御が、前記チューナデバイスから送信される前記無線出力の送信される前記放射パターンを修正する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を変更すること
を含み、
前記設定の変更が、前記チューナデバイスの前記無線出力を異なる所望の方向に向ける、
方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記チューナデバイスのウィンドー領域を個別に制御することが、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各々に関連する共振周波数設定を制御すること
を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各それぞれのウィンドー領域が、前記それぞれのウィンドーによって受信される前記発射される無線信号の対応する入射部分の放射を制御する、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、多数の個別に制御される表面領域の各々が多数のウィンドーを含み、前記多数のウィンドーの各々が、前記ソースから受信される前記発射される無線信号の入射部分の放射を制御する、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域が、第1のウィンドー領域及び第2のウィンドー領域を含み、前記第2のウィンドー領域が、前記第1のウィンドー領域に対して個別に制御される、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記第1のウィンドー領域において、前記ソースから発射される前記無線信号の第1の部分を受信することと、
前記第2のウィンドー領域において、前記ソースから発射される前記無線信号の第2の部分を受信すること
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、さらに、
前記第1のウィンドー領域に対する入力制御を介して、前記無線信号の前記受信された第1の部分の位相及び振幅を制御することであって、前記第1のウィンドー領域の前記制御が、前記第1のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第1の部分を生成する、前記制御することと、
前記第2のウィンドー領域に対する入力制御を介して、前記第2のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第2の部分を姿勢するために、前記無線信号の前記受信された第2の部分の位相及び振幅を制御すること、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
前記第1のウィンドー領域及び前記第2のウィンドー領域を個別に制御することを介して、前記無線出力を、前記チューナデバイスから所望の方向に向けること、
を含む、方法。
【請求項20】
そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読のストレージハードウェアであって、前記命令が、コンピュータプロセッサコントローラハードウェアによって実施されるとき、前記コンピュータプロセッサコントローラハードウェアに、
ソースから発射される無線信号を受信するように動作するチューナデバイスのウィンドー領域を個別に制御させ、
前記ウィンドー領域の制御が、前記チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御し、さらに
前記ウィンドー領域の各々に関連する静電容量の設定を個別に制御させることを含み、
前記設定の制御が、前記チューナデバイスから送信される前記無線出力の送信される前記放射パターンを修正する、コンピュータ可読のストレージハードウェア。
【請求項21】
請求項1に記載の装置であって、前記チューナデバイスが、
i)前記ソースから発射される前記無線信号からエネルギーの第1の部分を受信するように動作する、整合されたウィンドー領域の第1のスタックと、
ii)前記ソースから発射される前記無線信号からエネルギーの第2の部分を受信するように動作する、整合されたウィンドー領域の第2のスタックと、
を含む、装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、前記第1のスタックにおける前記整合されたウィンドー領域の各々が、前記第1のスタックを通過するエネルギーの前記第1の部分に関連する位相を調節するように調整可能であり、
前記第2のスタックにおける前記整合されたウィンドー領域の各々が、前記第2のスタックを通過するエネルギーの前記第2の部分に関連する位相を調節するように調整可能である、
装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、
前記第1のスタックが、材料の第1のパッシブ金属化層を含み、
前記第2のスタックが、材料の第2のパッシブ金属化層を含む、
装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置であって、
前記第1のスタックが、多数のパッシブ金属化材料層の第1のセットを含み、
前記第2のスタックが、多数のパッシブ金属化材料層の第2のセットを含む、
装置。
【請求項25】
請求項22に記載の装置であって、
前記第1のスタックの第1のパッシブ金属化材料層が、前記第1のスタックの第1の軸端部に配置され、
前記第1のスタックの第2のパッシブ金属化材料層が、前記第1のスタックの前記第1の軸端部と反対の、前記第1のスタックの第2の軸端部に配置され、
前記第2のスタックの第1のパッシブ金属化材料層が、前記第2のスタックの第1の軸端部に配置され、
前記第2のスタックの第2のパッシブ金属化材料層が、前記第2のスタックの前記第1の軸端部と反対の、前記第2のスタックの第2の軸端部に配置される、
装置。
【請求項26】
装置であって、
コントローラと、
前記コントローラによって制御されるチューナデバイスと、
を含み、
前記チューナデバイスが、受信された無線信号の異なるそれぞれの部分が通過する多数のウィンドー領域を含み、前記コントローラが、前記受信された無線信号から無線出力を生成するために、前記多数のウィンドー領域を調整するように動作し、前記調整されたウィンドー領域が、そこを通過する前記それぞれの無線信号の異なるそれぞれの部分を修正し、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各々が、実質的に平面であり、前記無線出力の対応する部分を生成するために、前記無線信号のそれぞれの受信される部分の属性を修正する、装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置であって、前記コントローラが、前記無線出力を所望の方向に向けるために変更するように、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整するように動作する、装置。
【請求項28】
請求項26に記載の装置であって、前記コントローラが、前記無線信号を特定の方向から受信するために、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整するように動作する、装置。
【請求項29】
請求項26に記載の装置であって、前記多数の個別に制御されるウィンドー領域の各それぞれのウィンドー領域が、前記それぞれのウィンドーによって受信される前記無線信号の対応する入射部分の放射を制御する、装置。
【請求項30】
請求項26に記載の装置であって、
前記多数の個別に制御されるウィンドー領域が、第1のウィンドー領域及び第2のウィンドー領域を含み、
前記第1のウィンドー領域が、前記受信された無線信号の第1の部分を受信し、
前記第2のウィンドー領域が、前記受信された無線信号の第2の部分を受信する、
装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置であって、
前記チューナデバイスの前記第1のウィンドー領域が、前記無線信号の前記受信された第1の部分の位相及び/又は振幅を制御するように、及び、前記第1のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第1の部分を生成するように動作し、
前記チューナデバイスの前記第2のウィンドー領域が、前記無線信号の前記受信された第2の部分の位相及び/又は振幅を制御するように、及び、前記第2のウィンドー領域から送信される前記無線出力の対応する第2の部分を生成するように動作する、
装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、前記コントローラが、前記ウィンドー領域の各々の調整の設定を変更するように動作して、前記無線出力を所望の方向に向ける、装置。
【請求項33】
方法であって、
無線信号を受信することであって、前記受信された無線信号の異なるそれぞれの部分が、多数のウィンドー領域を通過する、前記受信することと、
前記受信された無線信号から出力信号を生成するために、前記多数のウィンドー領域の各々を個別に調整すること、
を含み、
前記調整されたウィンドー領域が、そこを通過する前記それぞれの無線信号の前記異なるそれぞれの部分を修正し、
個別に調整することが、
前記無線信号を特定の方向から受信するために、前記多数のウィンドー領域の設定を可変的に調整すること、
を含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、個別に調整することが、
前記出力信号の向きを所望の方向に変更するために、前記多数のウィンドー領域の設定を可変的に調整すること、
を含む、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、前記多数のウィンドー領域の各々を個別に調整することが、
前記受信された無線信号の第1の部分を受信する第1のウィンドー領域を調整することと、
前記無線信号の第2の部分を受信する第2のウィンドー領域を調整すること、
を含み、
前記第1のウィンドー領域が、前記第2のウィンドー領域とは異なる設定に調整される、
方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、前記第1のウィンドー領域が、前記受信された無線信号の前記第1の部分の位相を制御し、及び、前記第1のウィンドー領域から送信される前記出力信号の対応する第1の部分を生成し、
前記第2のウィンドー領域が、前記受信された無線信号の前記第2の部分の位相を制御し、前記第2のウィンドー領域から送信される前記出力信号の対応する第2の部分を生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海軍研究所によって認可された認可番号N00014-17-1-2008の下、政府のサポートをもって成されたものである。アメリカ合衆国政府が、本発明に一定の権利を有し得る。
【0002】
従来のビームステアリングアンテナシステム(フェーズドアレイアンテナ又はフェーズドアレイとしても知られている)は、典型的に、個別に制御されたアンテナアレイに関連したビーム形成ネットワークを用いて構成される。動作の間、アレイにおける各アンテナが、それぞれの電磁信号を生成する。
【発明の概要】
【0003】
従来のビームステアリングアンテナシステムには欠陥がある。例えば、従来のビーム形成ネットワークは、非常に複雑な無線周波数(RF)回路、アナログ回路、デジタル回路等を必要とする。その結果、そのような回路及びシステムは、典型的にサイズが大きく、高電力を消費し、コストがかかる。
【0004】
本願における実施形態は、ビームステアリングアンテナシステムのための新規性のあるアーキテクチャを含む。具体的には、本願において説明されるシステムは、(集積されたフィーディング/集積されたランチャを備える調整可能なメタサーフェスに基づく)放射開口を含み、この放射開口は、(トランスミッタ及びレシーバのための)ビーム形成ネットワーク及び放射アンテナアレイの両方又はそのどちらかとして機能するように採用される。その結果、本願における実施形態は、従来の/既存のビーム形成/ビームステアリング技法に対して、システム複雑性の著しい低減及びコスト削減を達成し、信号を送信および受信するための、新規性のあるロープロファイル及び低コストのビームステアリングアンテナシステムを提供する。
【0005】
提案される技法が、通信(例えば5G通信システム)、センシング、イメージング、RADAR(無線探知及び測距)等のためのフェーズドアレイシステムなど、任意の適切な1つ又は複数の応用例に適用され得、全ての関連の技術セクタに影響を及ぼすことに留意されたい。
【0006】
より具体的には、従来のアンテナデバイスと対比して、本願における実施形態は、入力信号を受信するための入力フィードと、外部入力信号に基づいて無線信号をそこから発射するためのソースと、ソースの近隣に配置されるチューナとを含む、装置/システムを含む。チューナは、無線出力を生成するために、ソースから発射される無線信号を受信するように動作する。一実施形態において、チューナデバイスは、チューナデバイスから送信される対応する無線出力の放射パターンを制御するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域を含む。
【0007】
一実施形態において、多数の個別に制御されるウィンドー領域(すなわち、調整可能なメタサーフェスに基づく、調整可能な放射開口)は、少なくとも、第1のウィンドー領域(例えば、第1のメタサーフェスユニットセル)、第2のウィンドー領域(例えば、第2のメタサーフェスユニットセル)、第3のウィンドー領域(例えば、第3のメタサーフェスユニットセル)等を含む。そのような実施形態において、第1のウィンドー領域は、ソースから発射される無線信号(例えば、1つ又は複数の電磁信号)の第1の部分を受信し、第2のウィンドー領域は、ソースから発射される無線信号の第2の部分を受信し、第3のウィンドー領域は、ソースから発射される無線信号の第3の部分を受信する。
【0008】
本願で説明されるシステムは、さらに、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を制御するためのコントローラを含む。
【0009】
一実施形態において、コントローラは、無線出力の異なる部分の振幅及び/又は位相を制御するため、及び、無線出力を所望の方向に向ける(ステアリングする)ために、ウィンドー領域の設定を(例えば、静電容量の調整を介して)制御または変更する。この目的のため、第1のウィンドー領域の静電容量の調整(又は任意の他の適切なタイプの調整)を介して、チューナデバイスの第1のウィンドー領域は、第1のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第1の部分を生成するために、(ソースから受信される)無線信号の受信された第1の部分の位相及び/又は振幅を制御し、第2のウィンドー領域の静電容量の調整を介して、チューナデバイスの第2のウィンドー領域は、第2のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第2の部分を生成するために、(ソースから受信される)無線信号の受信された第2の部分の位相及び振幅を制御する。
【0010】
さらなる実施形態によれば、多数の個別に制御されるウィンドー領域の各々は、実質的に平面(或いは代替的に、凹状、凸状等などの別の適切な形態)であり、出力信号の対応する部分を生成するために、ソース(例えば、1つ又は複数の電磁信号を生成するランチャ)からの無線信号のそれぞれの受信される部分の属性を修正する。
【0011】
さらなる例示の実施形態によれば、本願において説明されるシステムは、コントローラを含む。コントローラは、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を制御する。コントローラは、無線出力を所望の方向に向けるために、設定を変更するように動作する。代替的に、1つ又は複数のウィンドー領域の設定は、固定されてもよい。
【0012】
一実施形態において、コントローラによって生成される設定は、多数の個別に制御されるウィンドー領域に関連する対応する共振周波数を制御する。
【0013】
さらなる実施形態によれば、多数の個別に制御されるウィンドー領域の各それぞれのウィンドー領域は、それぞれのウィンドーによって受信される発射される無線信号の対応する入射部分の放射を制御する。
【0014】
さらなる実施形態において、多数の個別に制御される表面領域の各々が多数のウィンドーを含み、(制御信号に基づく)多数のウィンドーの各々は、ソースから受信される発射される無線信号の入射部分の放射を制御する。
【0015】
さらに別の実施形態において、前述したように、多数の個別に制御されるウィンドー領域は、第1のウィンドー領域、第2のウィンドー領域、第3のウィンドー領域、第4のウィンドー領域等など、任意の数のウィンドー領域を含み得る。
【0016】
さらなる実施形態によれば、チューナデバイスの第1のウィンドー領域は、ソースから発射される無線信号の第1の部分を受信し、チューナデバイスの第2のウィンドー領域は、ソースから発射される無線信号の第2の部分を受信する。
【0017】
本願におけるさらなる実施形態は、コントローラを介して、無線信号の受信された第1の部分の位相及び/又は振幅を変化させて、第1のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第1の部分を生成するために、チューナデバイスの第1のウィンドー領域を制御すること、及び、無線信号の受信された第2の部分の位相及び/又は振幅を制御して、第2のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第2の部分を生成するために、チューナデバイスの第2のウィンドー領域を制御することを含む。
【0018】
さらなる例示の実施形態によれば、コントローラは、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を制御し、コントローラは、設定を変更するように動作し、その結果、無線出力を所望の方向に向ける。
【0019】
さらなる実施形態において、チューナデバイスは、i)(異なる層において)整合されたウィンドー領域の第1のスタック、及び、ii)(異なる層において)整合されたウィンドー領域の第2のスタックを含み、ウィンドー領域の第1のスタックは、ソースから発射される無線信号から、エネルギーの第1の部分を受信するように動作し、ウィンドー領域の第2のスタックは、ソースから発射される無線信号から、エネルギーの第2の部分を受信するように動作する。一実施形態において、第1のスタックにおけるウィンドー領域の1つ又は複数は、第1のスタックを通過するエネルギーの第1の部分に関連する位相及び/又は大きさを調節するように調整可能であり、第2のスタックにおける整合されたウィンドー領域の1つ又は複数は、第2のスタックを通過するエネルギーの第2の部分に関連する位相及び/又は大きさ調節するように調整可能である。
【0020】
さらに別の実施形態において、スタックの各々は、場合によっては、パッシブ金属化パッチ又はパッドの1つ又は複数の層を含む。例えば、一実施形態において、第1のスタックは、それぞれの基板(例えば、誘電体材料、空気(air)等)上に配置される材料の領域の第1のパッシブ金属化層を含むように構成され得、第2のスタックは、基板(例えば、誘電体材料、空気等)上に配置される材料の領域の第2のパッシブ金属化層を含むように構成され得る。
【0021】
代替的に、前述したように、第1のスタックは、本願において説明される1つ又は複数のアクティブ層に加えて、多数のパッシブ金属化材料層の第1のセットを含み、第2のスタックは、本願において説明される1つ又は複数のアクティブ層に加えて、多数のパッシブ金属化材料層の第2のセットを含む。さらなる例示の実施形態として、第1のスタックの第1のパッシブ金属化材料層(領域)が、基板上の第1のスタックの第1の軸端部に配置され、第1のスタックの第2のパッシブ金属化材料層が、基板上の、第1のスタックの第1の軸端部と反対の、第1のスタックの第2の軸端部に配置される。第1のスタックの第1のパッシブ金属化材料層が、適当な基板上の第2のスタックの第1の軸端部に配置され、第2のスタックの第2のパッシブ金属化材料層が、適当な基板上の、第2のスタックの第1の軸端部と反対の、第2のスタックの第2の軸端部に配置される。
【0022】
本願におけるさらなる実施形態が、コントローラと、コントローラによって制御されるチューナデバイスとを含む装置を含むことに留意されたい。チューナデバイスは多数のウィンドー領域を含み、この多数のウィンドー領域を、受信された無線信号の異なるそれぞれの部分が通過する。コントローラは、(集積されたランチャ/集積されたフィーディングからの)受信された無線信号から無線出力信号を生成するために、多数のウィンドー領域を調整するように動作し、調整されたウィンドー領域は、そこを通過するそれぞれの受信された無線信号の異なるそれぞれの部分を修正する。
【0023】
さらなる実施形態によれば、多数の個別に制御されるウィンドー領域の各々は、実質的に平面であり、出力信号の対応する部分を生成するために、無線信号のそれぞれの受信される部分の1つ又は複数の属性を修正する。
【0024】
本願におけるさらなる実施形態は、無線出力のステアリングを所望の方向に変更するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整するように動作する、コントローラを含む。
【0025】
さらなる実施形態において、コントローラは、異なる方向から無線信号を受信するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整するように動作する。
【0026】
さらに別の実施形態において、多数の個別に制御されるウィンドー領域の各それぞれのウィンドー領域は、それぞれのウィンドーによって受信される受信された無線信号の対応する入射部分の放射を制御する。
【0027】
さらなる実施形態によれば、(異なるスタックにおける)多数の制御されたウィンドー領域は、第1のウィンドー領域及び第2のウィンドー領域を含む。第1のウィンドー領域は、受信された無線信号の第1の部分を受信し、第2のウィンドー領域は、受信された無線信号の第2の部分を受信する。チューナデバイスの第1のウィンドー領域は、無線信号の受信された第1の部分の位相及び/又は振幅を制御するように、及び、第1のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第1の部分を生成するように動作し、チューナデバイスの第2のウィンドー領域は、無線信号の受信された第2の部分の位相及び/又は振幅を制御するように、及び、第2のウィンドー領域から送信される無線出力の対応する第2の部分を生成するように動作する。さらなる実施形態によれば、コントローラは、ウィンドー領域の各々の調整の設定を変更ように動作し、異なる時間フレームにおいて、無線出力(1つ又は複数の無線信号)を異なる所望の方向に向ける。
【0028】
本願で説明されるリソースの任意のものには、本願において開示される方法動作の任意のものまたは全てを実施及び/又はサポートするために、1つ又は複数のコンピュータ化されたデバイス、コントローラ、無線通信デバイス、ゲートウェイリソース、モバイル通信デバイス、センサ、サーバ、基地局、無線通信機器、通信管理システム、コントローラ、ワークステーション、ユーザ機器、ハンドヘルド又はラップトップコンピュータなどが含まれ得ることにさらに留意されたい。言い換えると、1つ又は複数のコンピュータ化されたデバイス又はプロセッサが、本願において説明されるような異なる実施形態を実施するために、本願において説明されるように動作するようにプログラム及び/又は構成され得る。
【0029】
本願における他の実施形態は、上記で概説され、下記で詳細に開示されるステップ及び動作を行うためのソフトウェアプログラムを含む。1つのそのような実施形態は、非一時的コンピュータ可読のストレージ媒体(すなわち任意のコンピュータ可読のハードウェアストレージ媒体)を含むコンピュータプログラム製品を含み、そのストレージ媒体上で、ソフトウェア命令が、後続の実行のために符号化されている。命令は、プロセッサを有するコンピュータ化されたデバイス(ハードウェア)において実行されるとき、本願において開示される動作をプログラムし、及び/又は、プロセッサ(ハードウェア)に、本願において開示される動作を行わせる。そのような構成は、光学媒体(例えば、CD-ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、メモリスティック、メモリデバイス等などの非一時的コンピュータ可読のストレージ媒体上、又は、1つ又は複数のROM、RAM、PROM等におけるファームウェアなどの他の媒体上、又は、特定用途向け集積回路(ASIC)上等で構成又は符号化される、ソフトウェア、コード、命令、及び/又は他のデータ(例えば、データ構造)として典型的に提供される。ソフトウェア或いはファームウェア又は他のそのような構成は、コンピュータ化されたデバイス上にインストールされて、コンピュータ化されたデバイスに、本願において説明される技法を行わせ得る。
【0030】
従って、本願における実施形態は、本願で説明される動作をサポートする方法、システム、コンピュータプログラム製品等に向けられる。
【0031】
一実施形態は、本願における実施形態に従って制御をサポートするために、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読のストレージ媒体及び/又はシステムを含む。命令は、コンピュータプロセッサハードウェアによって実行されるとき、コンピュータプロセッサハードウェア(例えば、1つ又は複数の、同じ場所に位置された又は別々のプロセッサデバイス又はハードウェア)に、ソースから発射される無線信号を受信するように動作するチューナデバイスのウィンドー領域を個別に制御させる。ウィンドー領域の制御は、チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御することである。
【0032】
上記のステップの順番は、理解しやすいように付されている。本願で説明される如何なる処理ステップも、任意の適切な順番で行われてよいことに留意されたい。
【0033】
本開示の他の実施形態は、上記で概説され、下記で詳細に開示される方法の実施形態のステップ及び動作の任意のものを行うために、ソフトウェアプログラム及び/又はそれぞれのハードウェアを含む。
【0034】
本願で説明されるような、コンピュータ可読のストレージ媒体上のシステム、方法、装置、命令等が、ソフトウェアプログラム、ファームウェアとして、ソフトウェア、ハードウェア及び/或いはファームウェアのハイブリッドとして、又は、例えばプロセッサ(ハードウェア又はソフトウェア)内、オペレーティングシステム内、或いはソフトウェアアプリケーション内のハードウェア単体として、厳密に具現化されてもよいことを理解すべきである。
【0035】
本願で説明されるように、本願における技法は、無線ネットワーク環境において無線通信を伝達し、送信し、ステアリングし、分析し、受信するといった分野における使用に良好に適している。しかし、本願における実施形態が、そのような応用例における使用に限定されないこと、及び、本願において説明される技法が他の応用例にも良好に適していることに留意すべきである。
【0036】
また、本願における異なる特徴、技法、構成等の各々が、本開示の異なる場所で説明されることがあるが、適切であれば、概念の各々が、互いに独立して又は互いと組み合わせて任意選択で実行され得ることが意図されることに留意されたい。従って、本願において説明される1つ又は複数の本発明は、多くの異なるやり方で具現化及び考察され得る。
【0037】
また、本願における実施形態のこの予備的な説明(発明の概要)が、本開示又は特許請求の範囲の発明の個々の実施形態及び/又は漸増的な新規性のある態様を意図的に特定するものではないことに留意されたい。そうではなく、この簡単な説明は、一般的な実施形態と、従来の技法と比べた対応する新規性のポイントとを表すに過ぎない。本発明の付加的な詳細及び/又は可能な観点(置換)について、読者は、下記でさらに説明される本開示の詳細な説明(これは、実施形態の概要である)及び対応する図面に向けられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本願における実施形態に従った無線システムを図示する例示の図である。
図2】本願における実施形態に従った無線システムの異なる属性を図示する例示の図である。
図3】本願における実施形態に従った、受信された入力信号に基づく無線出力信号の生成を図示する例示の図である。
図4】本願における実施形態に従った、無線信号を生成するように動作するソースを図示する例示の図である。
図5】本願における実施形態に従った、ソース(すなわち、集積されたフィーディング/集積されたランチャ)からの出力される放射パターンを図示する例示の図である。
図6】本願における実施形態に従った、チューナデバイスのそれぞれの多数の層における多数のウィンドー領域を含む調整可能な放射開口を図示する例示の図である。
図7】本願における実施形態に従った、ウィンドー領域(すなわち、調整可能な放射開口)の表側及び多数のウィンドー領域のスタックの詳細を図示する例示の図である。
図8】本願における実施形態に従った、メタサーフェス層上のウィンドー領域(すなわち、調整可能な放射開口)の裏側を図示する例示の図である。
図9】本願における実施形態に従った、対応するウィンドー領域に関連する制御回路実装を図示する例示の図である。
図10】本願における実施形態に従った、2次元の電気的にステアリングされるビームを備える、測定される放射パターンを図示する例示の図である。
図11A】本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化層を含むスタックを図示する例示の側面図である。
図11B】本願における実施形態に従った、レイアウトされたウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化パッシブ領域(パッドなど)を図示する例示の上面図である。
図12】本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及び(パッド領域の)マッチング金属化層のスタックのアレイを図示する例示の図である。
図13】本願における実施形態に従った、1つ又は複数の動作を実行するように動作する例示のコンピュータアーキテクチャを図示する例示の図である。
図14】本願における実施形態に従った方法を図示する例示の図である。
図15】本願における実施形態に従った、第1の基板上のレイアウトされたアクティブウィンドー領域、及び、第2の基板上の対応する多数のマッチング金属化層パッド(領域)を図示する例示の上面図である。
図16】本願における実施形態に従った、(アクティブ)ウィンドー領域及び対応する多数のマッチング(パッシブ)金属化領域を含むスタックを図示する例示の側面図である。
図17】本願における実施形態に従った、ソース及びチューナデバイスから異なる通信デバイスにデータを通信するように動作する、ウィンドー領域とパッドのマッチング金属化層とのスタックのアレイを図示する例示の図である。
図18】本願における実施形態に従った、ソースに通信される多数の通信デバイスから無線信号を受信するように動作する、ウィンドー領域とパッドのマッチング金属化層とのスタックのアレイを図示する例示の図である。
図19】本願における実施形態に従った方法を図示する例示の図である。
【0039】
本発明の前述及びその他の対象、特徴、及び利点が、添付の図面に図示されるように、本願における好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかとなろう。図面において、同様の参照数字は、異なる図を通して同じ部分を指す。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、むしろ、実施形態、原理、概念等を図示することに重きが置かれている。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本願において説明される通信システムは、入力フィード、ソース、及びチューナデバイスを含む。入力フィードは、入力信号を受信する。ソースは、受信された入力信号に基づいて無線信号を発射する。チューナデバイスは、無線信号を発射するソースの近隣に(サブ波長距離に)配置される。チューナデバイスは、ソースから発射される無線信号を受信し、無線出力を生成する。一実施形態において、チューナデバイスは、チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域を含む。さらなる実施形態によれば、チューナデバイスは、ネットワーク環境において動作される1つ又は複数の通信デバイスから無線信号を受信するように動作する。
【0041】
従って、本願における実施形態は、1つ又は複数のメタサーフェス層、及び/又は、電磁波ソース/集積されたランチャ/レシーバを含む。本願において説明されるメタサーフェスは、1つ又は複数の調整可能な放射開口(ウィンドー領域とも呼ばれる)と、場合によっては、1つ又は複数のパッシブ金属化領域とを含む。そのようなシステムは、既存のアンテナを取り換えるために、異なる無線システムにおいて広く用いられ得る。例えば、そのようなシステムは、既存のアンテナを取り換えるために、レーダーシステムにおいて容易に用いられ得る。そうすることで、従来のレーダーのスタティックな調整不可能なビームが、2次元に向きを変えられる(ステアラブルな)高効率ビームによって置き換えられ得、こうした高効率ビームは、レーダーシステムに、一層広い有効範囲及び一層高い解像度を提供し、また、フェーズドアレイのような高コスト回路/構成要素又は複雑なシステム統合を導入することなく、既存のレーダーシステムに新たな応用例(例えば、画像化、追跡等)を導入する。
【0042】
次に、より具体的には、図1は、本願における実施形態に従った無線システムを図示する例示の図である。
【0043】
この例示の実施形態において、無線システム100はソース110を含む。ソース110(例えば、集積された(一体化された)ランチャ)は、リソース102から入力105を受信し、ソース110の表面から直交に送信される、高指向性の1つ又は複数の電磁(すなわちEM)波などの無線信号112を生成する。システム100はさらに、無線信号112に基づいて無線出力122を導出するために、チューナデバイス120を含む。
【0044】
動作の間、本願においてさらに説明されるように、チューナデバイス120(メタサーフェス又は調整可能な放射開口とも呼ばれる)は、チューナデバイス120から発射される無線出力122(EM信号又はEM波)を構成する構成要素の位相、振幅等などの1つ又は複数の属性を制御する。本願においてさらに説明されるように、コントローラ140は、ビーム形成、ビーム走査、ビーム成形等を提供するように無線出力122の属性を制御するために、制御信号145を介して、チューナデバイス120を制御する。無線信号112及び/又は無線出力122が、任意の適切なデータ又はデータペイロードを含むために、符号化、変調等をされ得ることに留意されたい。
【0045】
本願においてさらに説明されるように、チューナデバイス120(例えば、1つ又は複数のメタサーフェス層)が、無線信号(例えば、電磁波)を受信するためのデバイス、装置等として機能するように構成されてもよいことに留意されたい。本願において説明される原理を介して、コントローラ140は、更なる分析(復号化、復調等など)のための、任意の異なる選択された方向からの1つ又は複数の無線信号を受信するために、チューナデバイス120を調整するように構成され得る。
【0046】
図2は、本願における実施形態に従った無線システムの異なる属性を図示する例示の図である。
【0047】
図2に示すように、ソース110(集積されたフィード/集積されたランチャ/レシーバ)は、それぞれのソース102(SMAコネクタ及び同軸ケーブル又はプリント回路板(PCB)トレースによって接続される外部RF信号ソース)に接続され、チューナデバイス120(アクティブメタサーフェス部)は、ビーム形成機能を制御するために、コントローラ140(外部制御システム)によって制御される。
【0048】
一実施形態において、システム100は、最大5GHzで、5GHz近辺で、又は5GHzで(2~10GHz、又は任意の他の適切な周波数)で動作する。1つの非限定的な例示の実施形態において、チューナデバイス120と、102を含む集積されたランチャとにおける全ての層の合計の厚さは、33mm(ミリメートル)又は層の組み合わせのための任意の他の適切な値である。この例示の実施形態では、合計8層あり、4層は集積されたランチャのためのものであり、4層はメタサーフェスのためのものである。層の数は、実施形態に応じて変更され得る。例えば、ソース110は、単一層又は多数の層を用いて構成され得、メタサーフェス層は、2つ、3つ、4つ、5つ、又は任意の適切な数の層を用いて構成され得る。
【0049】
非限定的な例示の実施形態として、それぞれのアクティブ領域(下記でさら説明されるウィンドー領域)のサイズは、108mm×108mm(1.64λ×1.64λ)であり、14dBiの利得(62%開口効率)を有するが、これらの寸法及び設定は、実施形態に応じて変更され得る。
【0050】
ソース110のリフレクタ210は、その上に配置される銅はくを備える、一枚の金属シート又はプリント回路板であり得る。
【0051】
一実施形態において、設計における1つ又は複数の間隙は空気(air)で充填される。代替的に、システム100のそれぞれの層の間の間隙は、誘電体としての材料、又は、電磁波を通過させるその他の適切な材料で充填され得る。一実施形態において、ソース110に関連する基板の各々(リフレクタ210、フィーディングネットワーク220、パッチ230、導波器240)は、それぞれの誘電体シートの全部又は一部上に銅はくを置くことによって製造される低損失RFラミネートである。
【0052】
一実施形態において、層210、220、230、及び240の各々は、異なる目的を果たす。例えば、一実施形態において、リフレクタ210は、特にビーム形成の幾つかの場合において、メタサーフェス250が生成するバックローブを低減するように動作する。
【0053】
フィーディングネットワーク220は、入力ポートからの電力を分割し、その電力を上側層に結合するように動作する。
【0054】
パッチ層230(パッチのフィールド又はアレイ)は、導波器240に対する放射を生成するように動作する。
【0055】
導波器240は、ソース110の集積されたフィーディング/ランチャセクションとメタサーフェス層250との間のバッファとして用いられる。一実施形態において、導波器240は、メタサーフェス層250の利得を増加させ、ニアフィールドにおいて一層均一の放射を生成する。導波器240が、動作周波数(working frequency)を制限及び補正(correct)するためのフィルタとして用いられ得ることに留意されたい。
【0056】
1つの非限定的な例示の実施形態において、ソース110(集積されたフィード/集積されたランチャ)の仕様は、次のとおりである。
アクティブ領域サイズ:108mm×108mm
利得:15.8dBi
開口効率:>95%
層:4
厚さ:11mm
【0057】
繰り返すが、これらの値の設定は、実施形態に応じて変更してよい。
【0058】
本願における実施形態は、100メガヘルツ(MHz)より大きい、及び100ギガヘルツ(GHz)又はそれ以上など、任意の適切な周波数で動作するようにシステムを操作することを含む。
【0059】
一実施形態において、図2においてそれぞれのソース102は、無線信号(1つ又は複数の電磁波)の生成を約5GHzであるように制御する。そのような応用例に関して、一実施形態において、1つ又は複数のメタサーフェス層250上に配置されるアクティブチューニングウィンドー領域の寸法は、約24mm×24mm(0.4λx0.4λ、ここでλは発射される(launched)無線信号112の波長を表す))であるが、本願において説明されるウィンドー領域は、実施形態に応じて任意の適切なサイズであり得る。
【0060】
一般に、ウィンドー領域サイズのための0.5λより小さい任意の寸法X-Y寸法が、本願における実施形態をサポートするように働く。しかし、低コスト応用例のための望ましい範囲は、0.25λ~0.5λであり得る。ウィンドー領域のサイズが小さすぎると、同じエリアをカバーするために、本願において説明される一層多くのウィンドー領域が必要とされ、それゆえ、製造/組み立てコストが増加する。
【0061】
一実施形態において、導波器240(ランチャなど)とメタサーフェス層250-1(層4)との間の距離又は間隙262は、4mm(λ/15など)であるが、間隙262のための典型的な範囲は、例えばλ/20~λ/2の間で、又は任意の他の適切な値に変更され得る。幾つかの例において、λ/20~λ/10の間の間隙262のサイズに関し、コンパクトさと性能にはトレードオフがあり、λ/10より大きい距離が、同様の性能を有し得る。
【0062】
層250-1と層250-4との間の離隔など、距離263が、15mm(又はλ/4)などの任意の適切な値であり得、ランチャ(261)の合計の厚さが12mm(λ/5)であることにさらに留意されたい。一実施形態において、全体のデバイス(距離261、間隙262、及び距離263を含む)の合計の厚さは、約λ/2である。そのような例において、距離261、間隙262、及び距離263の合計の厚さは、サブ波長である(すなわち、合計の厚さは、対応する無線信号112又は無線出力122の波長より小さい)。しかし、前述したように、261、262、及び263の合計の厚さは、任意の適切な値であり得、実施形態に応じて変更され得る。
【0063】
一実施形態において、それぞれのソース102は、無線信号(1つ又は複数の電磁波)の生成を、(例えば、約5GHzではなく)約24GHzであるように制御する。
【0064】
さらなる実施形態によれば、それぞれのウィンドー領域のウィンドーサイズは、X-Y面において6mm×6mm(0.48λx0.48λ)などの設定であり得る。0.5λより小さいウィンドー領域が、或る応用例において適切であり得るが、それぞれの寸法が0.25λ~0.5λの範囲に収まる低コスト応用例を提供するために、更なる熟考が成され得る。ウィンドー領域サイズが小さすぎると、同じエリアをカバーするために、一層多くのウィンドーの必要性を生じさせ得、それゆえ、製造及び組み立てのコストを増加させる。前述したものと同様の方式において、ウィンドー領域の各々のサイズは、実施形態に応じて任意の適切な値であり得る。
【0065】
さらなる実施形態によれば、前述したように、ランチャ(ソース110)とチューナデバイス120との間の距離262は、任意の適切な値であり得る。一実施形態において、間隙は0.8mm(λ/15.625)であるが、λ/20~λ/2の範囲から選ばれてもよい。
【0066】
1つの非限定的な例示の実施形態において、層250-1と250-4との間の合計の厚さ(距離263など)は、6mm(ミリメートル)(又はλ/2.5)として選ばれ、これは、基板及び余分の層の厚さが原因で一層厚い。一実施形態において、ソース110(電磁波ランチャなど)の合計の厚さは0.3mm(λ/42)であり、そのため、合計の厚さは約λ/2である。前述したものと同様の方式において、合計の厚さは、実施形態に応じて任意の適切な値であり得る。
【0067】
例えば、図11A及び図11Bにおいて説明される、本願におけるさらなる実施形態において、各マッチング層パッチは、X-Y面において2.5mm×2.5mm(0.2λ×0.2λ、又は他の適切な値など)のサイズにされ、アクティブ及びパッシブ層両方に対して、6mm×6mm(0.48λ×0.48λ、又は他の適切な値など)のウィンドー領域サイズを有する。前述したものと同様の方式において、合計の厚さは、実施形態に応じて任意の適切な値であり得る。
【0068】
図3は、本願における実施形態に従った無線信号の生成を図示する例示の図である。
【0069】
図示されるように、システム100は、ソース110に関連するフィーディングネットワーク220を駆動するために、リソース102(ドライバなど)を含む。前述及び図示したように、ソース110は、望まれない電力(バックローブ)が、誤った方向に発射されるのを防ぐために、リフレクタ210を含む。
【0070】
さらに図示されるように、フィーディングネットワーク220は、それぞれの基板上に配置される個々のパッチ230の層にRFエネルギーを出力する。やはり図示されるように、パッチ230の層からのRFエネルギー(1つ又は複数の電磁波など)の出力は、必ずしも均一ではない。
【0071】
フィーディングネットワーク220及び対応するパッチ230の例が、「平面形成のアンテナデバイス及びアンテナアレイ」という表題の、2017年4月17日に出願された、関連出願である米国仮特許出願番号62/486、133(代理人参照番号UML17-02(2017-033-01)p)に示されており、その全体の教示が参照により本願に組み込まれることに留意されたい。
【0072】
さらに図示されるように、パッチ230は、それぞれのRFエネルギーを導波器240に出力する。導波器240は、受信されたRFエネルギーを、全体的な無線信号112に変換するために、金属形状のフィールドを含み、全体的な無線信号112は、パッチ230からの直接のRFエネルギーより、ニアフィールドにおいて一層均一となる。
【0073】
さらに図示されるように、チューナデバイス120は、受信された無線信号112から無線出力122を導出するために、多数の調整可能な層250を含む。
【0074】
図4は、本願における実施形態に従った、無線信号を生成するように動作するソースを図示する例示の側面図である。
【0075】
図示されるように、ソース110は、リフレクタ210、フィーディングネットワーク220、パッチ230、及び導波器240のスタックを含む。前述したように、ソース110のこれらの層にされた構成要素の組み合わせが、無線信号112を生成する。
【0076】
一実施形態において、集積されたフィーディング/ランチャ(ソース110)の厚さ(距離)261は、サブ波長である(すなわち、無線出力122に関連する搬送周波数又は動作周波数の波長よりはるかに薄い)。
【0077】
再び図2を参照して、チューナデバイス120の厚さ(距離263)が、サブ波長であり(すなわち、無線出力122の波長よりはるかに薄い)、集積されたフィーディング/ランチャとチューナデバイス263との間の離隔の距離262が、サブ波長である(無線出力122の波長よりはるかに薄い)ことに留意されたい。
【0078】
一実施形態において、前述したように、システム100の全体的な厚さ(厚さ261、厚さ262、及び厚さ263)は、サブ波長である(例えば、一実施形態において、ソース110及びチューナデバイス120の全体的な外形又は組み合わせの厚さは、送信される無線出力122の波長の3分の1より小さい)。
【0079】
図5は、本願における実施形態に従った、出力される放射パターンを図示する例示の図である。
【0080】
グラフ500は、5GHzでの無線信号112に関連する例示の放射パターンを図示する。前述したように、この出力は実施形態に応じて変更される。
【0081】
図6は、本願における実施形態に従った、基板の層にされたスタックにおいて多数の整合されたウィンドー領域を含むチューナリソースを図示する例示の図である。
【0082】
前述したように、チューナデバイス120は、ソース110の近隣に、例えばソース110と平行に配置される(例えば、この距離は、波長の10分の1より小さい、又は波長の10分の1に等しい)。
【0083】
さらに、一実施形態において、多数の調整可能なウィンドー領域のチューナデバイス120における1つ又は複数の間隙又は層が、空気(air)で、又は、誘電体材料或いは(電磁波を通す)他の適切な材料などの材料で充填されることに留意されたい。
【0084】
一実施形態において、(例えば、低損失RFラミネートから製造される)基板250の各々は、それぞれの誘電体シート(誘電体材料)の一部分(例えば、縁部領域、センタートレース等)上に銅はくを置くことによって製造される。誘電体(又は誘電体材料)は、電磁波を通す電気絶縁体である。
【0085】
さらに図示されるように、図6におけるウィンドー領域の各々の(金属材料又は金属層がない)内側部分は、概して、電磁波の対応する入射部分を自由に通すことができる。本願において説明されるように、各ウィンドー領域のチューニングが、通過する電磁波の属性を、適切な出力される電磁波部分に制御する。
【0086】
動作の間、チューナデバイス120は、無線出力122を生成するために、ソース110から発射される無線信号112を受信する。図示されるように、チューナデバイス120は、チューナデバイス120から送信される無線出力122の放射パターンを制御するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域610(チューナデバイス120の各異なる層における、ウィンドー領域610-1、ウィンドー領域610-2等など)を含む。
【0087】
一実施形態において、チューナデバイス120は、ウィンドー領域(例えば、Z軸に沿って異なる層において整合される、X-Y面におけるメタサーフェスベースの調整可能な放射開口など)のアレイを含むように構成される。
【0088】
この例示の実施形態において、チューナデバイス120の各ウィンドー領域は、それぞれの出力を制御するために、4つのメタサーフェス層(層250-1、250-2、250-3、及び250-4など)を含む。各層は、受信された無線信号112(出力された電磁信号)に基づいて、無線出力122(入力電磁信号)の生成の制御を提供するように動作するウィンドー領域610の(例えば、X-Y面における)多次元アレイを含む。
【0089】
さらにこの例示の実施形態において、第1のウィンドー領域610-1は、ソース110から発射される無線信号112の対応する第1の部分を受信し、第2のウィンドー領域610-2は、ソース110から発射される無線信号112の第2の部分を受信する。
【0090】
動作の間、コントローラ140は、層250の各々上の多数の個別に制御されるウィンドー領域(すなわち、メタサーフェスユニットセル)を制御するために、制御設定を生成する。
【0091】
一実施形態において、コントローラ140は、無線出力122を所望の方向に向けるために、ウィンドー領域(すなわち、ウィンドー領域のユニットセル又はスタック)に印加される電圧の設定を制御又は変更する。そのような例において、チューナデバイス120の第1のウィンドー領域610-1は、第1のウィンドー領域610-1から送信される無線出力122の対応する第1の部分を生成するために、無線信号112の受信された第1の部分の位相及び振幅などの1つ又は複数の属性を制御し、チューナデバイス120の第2のウィンドー領域610-2は、第2のウィンドー領域610-2から送信される無線出力122の対応する第2の部分を生成するために、無線信号112の受信された第2の部分の位相及び振幅を制御する。対応するスタックにおける各後続のウィンドー領域は、無線信号112(電磁信号)の受信部分の修正に寄与する。
【0092】
本願においてさらに説明されるように、異なるウィンドー領域(例えば、異なるメタサーフェスセル)の位相及び振幅を制御することによって、異なる方向における無線出力122の制御が可能になる。言い換えると、それぞれのウィンドー領域(その各々が制御可能なRFソースとして機能する)から出力されるエネルギーの個々の部分の位相を制御することによって、チューナデバイス120は、無線出力を、任意の適切な角度方向(例えば、z軸に対して上/下及び/又は左/右)に方位付けることができる。一実施形態において、チューナデバイス120は、Z軸に対して-70~+70℃の範囲において無線出力の角度ステアリングをサポートするが、異なる実施形態は、任意の適切な角度制御をサポートするように構成され得る。
【0093】
ウィンドー領域610を制御する一例が、さらに図7に示される。
【0094】
図7は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域の表側の詳細を図示する例示の図である。
【0095】
この例示の実施形態において、ウィンドー領域610-1は、チューナデバイス120のそれぞれの層上に、多数の整合されたウィンドー領域750(ウィンドー領域750-1、ウィンドー領域750-2等など)を含む。各ウィンドー領域層(基板)は、低損失誘電体材料からつくられ、その低損失誘電体材料上に銅などの金属材料790が置かれて、図示されるようにそれぞれのウィンドー領域層の縁辺近辺に導電経路を生成する。バラクタダイオードと、ウィンドー領域の縁辺まで延在するトレース710となどの構成要素を含むそれぞれの回路経路を除いて、各ウィンドー領域の中央には金属層がない。一実施形態において、それぞれのウィンドー領域層の縁辺(金属化層の細片)は、DC接地に接続される。回路経路又はトレース710の中心は、バイアスとして、コントローラ140によって提供される制御電圧によって駆動される。
【0096】
図9を参照すると、DC回路経路(ウィンドー領域におけるトレース710など)からコントローラ140へのRFエネルギーの漏れを防ぐために、本願における実施形態は、(ウィンドー領域の反対の面上のトレース710に結合される)貫通孔ビア910と、コントローラ140まで延在するトレース925との間に置かれる、それぞれのRFチョーク回路935(又は代替的に、インダクタ及び/又はレジスタなどの1つ又は複数の構成要素)を含む。対応するウィンドー領域610-1のためのトレース925に対する、コントローラ140によって生成される制御信号(印加電圧)を介して、コントローラ140は、ウィンドー領域610-1のチューニングを制御する。すなわち、コントローラ140は、トレース925を越え、チョーク935及び貫通孔ビア910を介し、ウィンドー領域の反対の面上のバラクタ(又は他の適切な構成要素)に結合されるトレース710まで伝達される制御信号905を生成する。前述したような方式において、制御信号905に関連する印加電圧は、無線信号112からのエネルギーの入力される部分の位相及び/又は振幅を修正するために、ウィンドー領域610-1を調整する。同様の方式において、異なる印加電圧の生成を介して、コントローラ140は、チューナデバイス120におけるウィンドー領域の各々を制御する。
【0097】
図7を再び参照すると、さらに図示されるように、各ウィンドー領域層750(750-1、750-2、750-3等など)は、バラクタダイオード721及び722などのそれぞれの1つ又は複数のチューニング構成要素を含む。ウィンドー領域750-1における構成要素721及び722(ダイオード721及び722など)は並列接続され、コントローラは、駆動信号によってトレース710を駆動する。前述したように、他のウィンドー領域750-2、750-3、750-4等の各々は、ウィンドー領域750-1と同様の方式において製造及びパターニングされる。
【0098】
このように、動作の間、コントローラ140は、それぞれの駆動信号を生成し、そうした駆動信号を、それぞれのウィンドー領域750-1の表面(面770)上に配置されるトレース710(回路経路の一部)に印加する。コントローラ140は、適切な電圧(DC電圧又はAC電圧など)によりトレース710を駆動して、ダイオード構成要素721及び722並びに対応するウィンドー領域750-1に関連するそれぞれの静電容量を制御し、その結果、それぞれのウィンドー領域750-1に関連する共振周波数を制御する。コントローラ140は、多数のウィンドー領域の共振周波数を制御するために、同様の方式においてチューナデバイス120の各ウィンドー領域を駆動する。
【0099】
一実施形態において、(所与のウィンドー領域のための)ウィンドー領域750の各々に関連する、(例えば、DC電圧の印加を介した)共振周波数の制御によって、コントローラ140が、ウィンドー領域を通過する無線出力122の対応する部分に関連するそれぞれの振幅及び位相を制御することができる。このように、各ウィンドー領域(例えば各メタサーフェスユニットセル)は個別に制御可能である。前述したように、チューナデバイス120における層間の整合されたウィンドー領域のスタックは、ウィンドー領域を通過する電磁エネルギーの全体的な制御を提供する。電磁信号が、スタックにおけるウィンドー領域を通過する際(as)、それぞれのウィンドー領域は、通過する電磁信号の属性を修正する。
【0100】
ウィンドー領域の異なるスタックの個々の制御によって、当初の受信された無線信号112のビーム形成が可能となる。
【0101】
言い換えると、各それぞれのウィンドー領域(及び対応するウィンドー領域層)を通過する電磁信号の属性を制御することによって、コントローラ140は、無線出力122の異なる部分の振幅及び/又は位相を制御して、振幅を制御し、それぞれの無線出力122(電磁信号)を、z-軸(例えば、ウィンドー領域750が整合される軸)に対して任意の角度方向に向けることができる。
【0102】
チューナデバイス120が、動作において双方向/相互的(reciprocal)であることに留意されたい。例えば、逆方向において、チューナデバイス120は、所望の方向から信号を受信するように調整され得、このような場合、ウィンドー領域のスタックは、それぞれのウィンドー領域における電磁エネルギーの受信される部分の属性を修正する。ソース102(又は他の適切なリソース)は、受信される信号の更なる処理を行うように(例えば、任意のデータを取り出したり、その他の処理を適用したりするように)構成され得る。
【0103】
図8は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域の裏側を図示する例示の図である。
【0104】
図示されるように、層250-4(ウィンドー領域の層)の面660上に配置されるトレース720によって、コントローラ140は、適切な電圧(DC制御信号など)を各それぞれのウィンドー領域(ウィンドー領域610-1、610-2、610-3等など)に搬送することができる。各それぞれの層において、異なる層の各ウィンドー領域における対応するバラクタダイオードを駆動する。
【0105】
面660(例示の層250-4の裏側)はさらに、チューナデバイス120に関連する各それぞれのウィンドー領域の縁辺金属材料へのDC接地経路を形成するために、トレース726を含む。チューナデバイス120における(電磁信号の一部が通過する)ウィンドー領域の調整可能な層の各々は、同様の方式において製造および動作される。
【0106】
図10は、本願における実施形態に従った、異なる可能な放射パターンを図示する例示の図である。
【0107】
この例示の実施形態において、グラフ1011及びグラフ1012は、E面におけるチューナデバイス120のビームステアリングを示す。グラフ1021及びグラフ1022は、H面におけるチューナデバイス120のビームステアリングを示す。このように、本願における実施形態は、2次元のビームステアリング、ビーム形成等をサポートする。
【0108】
前述したように、チューナデバイス120に関連するウィンドー領域のアレイによって、コントローラ140は、無線信号112の各受信される部分に関連する振幅及び位相を制御して、無線出力122を任意の所望の方向に向けることができる。
【0109】
非限定的な例示として、チューナデバイス120、E面及びH面の1つの例示の実施形態に関連する例示の性能は次のとおりである。
E面性能:
利得=12dBi~14dBi
平均サイドローブレベル=-8dB
走査有効範囲:-40~40度
平均前後比:-13dB
H面性能:
利得=12.5dBi~14dBi
平均サイドローブレベル=-8dB
走査有効範囲:-40to40度
平均前後比:-15dB
【0110】
これらの値は、実施形態に応じて変更され得ることに留意されたい。
【0111】
図11Aは、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化層(パッド、パッチ等など)を含むスタックを図示する例示の側面図である。
【0112】
この例示の実施形態において、チューナデバイス120における整合されたウィンドー領域750のスタック1101は、やはり、材料の層1150-1(パッド、パッチ等など)、材料の層1150-2(パッド、パッチ等など)などの材料の1つ又は複数のパッシブ金属化層を含む。
【0113】
動作の間、ソース110は、エネルギー112-1の部分を、整合されたウィンドー領域750の及び金属化層1150スタック1101に向かって出力する。前述したように、コントローラ140は、ウィンドー領域750(ウィンドー領域750-1、ウィンドー領域750-2、ウィンドー領域750-3等)をアクティブに制御する。
【0114】
この例示の実施形態において、スタック1101はさらに、材料の金属化層1150-1及び材料の金属化層1150-2を含む。ウィンドー領域750の制御及び材料の金属化層1150の存在に基づいて、スタック1101は、入力信号112-1(電磁エネルギー)のそれぞれの部分の属性(位相、利得等など)を制御して、出力信号122-1を生成する。
【0115】
1つ又は複数のパッシブ層1150(材料のパッド、パッチ等など)の存在は、スタックにおいて必要とされるアクティブウィンドー領域750の数を低減して、入力信号112-1の受信される部分の、同レベル又は良好なレベルの属性(位相、振幅等など)の制御を実現する。入力信号112-1の受信される部分とは、スタック1101を通過し、無線出力122-1の対応する部分として出力されるものである。従って、1つ又は複数のパッシブ層1150の存在が、チューナデバイス120に関連する制御及び製造の複雑さを低減する。
【0116】
この例示の実施形態が、入力信号112の一部(無線出力122-1を生成するための部分112-1など)のみの修正を図示することに留意されたい。前述したように、チューナデバイス120は、適切な全体的な出力信号122を提供するために個別に調整される任意の数のスタックを含み得る。
【0117】
一実施形態において、材料の1つ又は複数の金属化層1150(パッド、パッチ等など)の存在は、低周波数で動作する金属化層1150を備えない従来の実施形態と比較して、24GHz(又は他の適切な値)の周波数において、調整可能な層の数を4つから3つに減少させる。
【0118】
また、それぞれのパッシブ金属化領域間に挟まれたアクティブ層を含む例示のチューナデバイス120によって、2PIの全位相変化(すなわち、360度位相有効範囲)が可能になる。また、任意選択のパッシブマッチング層がチューナデバイス120の全体的な性能及び安定性を高める。性能に関して、1つの非限定的な例示の実施形態では、本願において説明されるチューナデバイス120によって、‐60度から+60度のビーム走査をすることが可能となる。前述したものと同様の方式において、チューナデバイス120のロープロファイル及びコンパクトさは、チューナデバイス120を、多くの異なるタイプの応用例に搭載するのに望ましいものにする。
【0119】
図11Bは、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化層を図示する例示の上面図である。
【0120】
説明目的のため、スタック1101における構成要素のこの非稼働中の図は、アクティブ領域750-1、750-2等と、材料の層1150-1(パッド、パッチ等など)、材料の層1150-2(パッド、パッチ等など)などの材料のパッシブ動作金属化層との前方又は上面図を示す。材料の層1150のサイズ、厚さ、寸法が、実施形態及び所望の信号チューニングに応じて変更されることに留意されたい。
【0121】
図12は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及びマッチング金属化層のスタックのアレイを図示する例示の図である。
【0122】
前述したように、チューナデバイス120における構成要素の各スタック(例えば、1つ又は複数のウィンドー領域750、材料の1つ又は複数の金属化層1150を含む)は、受信された無線信号112に関連する通過するエネルギーの異なる部分を制御する。
【0123】
この例示の実施形態において、チューナデバイス120は、i)ソース110から発射される無線信号112からエネルギーの第1の部分を受信するように動作する、整合されたウィンドー領域750-1、750-2、及び750-3の第1のスタック1101、ii)ソース110から発射される無線信号112からエネルギーの第2の部分を受信するように動作する、整合されたウィンドー領域751-1、751-2、及び751-3の第2のスタック1102、iii)ソース110から発射される無線信号112からエネルギーの第3の部分を受信するように動作する、整合されたウィンドー領域の第3のスタック1103等を含む。
【0124】
前述したように、第1のスタック1101における整合されたウィンドー領域750の各々は、第1のスタック1101を通過するエネルギーの第1の部分に関連する位相/振幅を調節するように調整可能であり、第2のスタック1102における整合されたウィンドー領域751の各々は、第2のスタック1102を通過するエネルギーの第2の部分に関連する位相/振幅を調節するように調整可能である。
【0125】
前述したように、スタック1101は、第1のスタック1101の第1の軸端部に配置される第1のパッシブ金属化材料層1150-1を含むように構成され得、第1のスタック1101の第2のパッシブ金属化材料層1150-2は、第1のスタック1101の第1の軸端部と反対の、第1のスタック1101の第2の軸端部に配置される。さらに図示されるように、スタック1102は、第2のスタック1102の第1の軸端部に配置される第2のパッシブ金属化材料層1151-1を含むように構成され得、第2のスタック1102の第2のパッシブ金属化材料層1151-2は、第2のスタック1101の第1の軸端部と反対の、第2のスタック1102の第2の軸端部に配置される。
【0126】
第1のパッシブ金属化領域1150-1、1151-1等が第1の基板(チューナデバイス120の層250-1など)上にあり、ウィンドー領域750-1、751-1等が第2の基板(チューナデバイス120の層250-2など)上にあり、ウィンドー領域750-2、751-2等が第3の基板(チューナデバイス120の層250-3など)上にあり、ウィンドー領域750-3、751-3等が第4の基板(チューナデバイス120の層250-4など)上にあり、第2のパッシブ金属化領域1150-2、1151-2等が第5の基板(チューナデバイス120の層250-5など)上にあることに再び留意されたい。
【0127】
前述したように、任意選択の1つ又は複数のパッシブ金属化領域1150の各々の寸法もまた、エネルギーの通過を制御するように設計され得る。
【0128】
図13は、本願における実施形態に従った、前述したような動作の任意のものを実装するためのコンピュータシステムの例示のブロック図である。
【0129】
本願で説明されるようなリソースの任意のもの(コントローラ140等など)は、本願で説明されるような異なる動作を実施するために、コンピュータプロセッサハードウェア及び/又は対応する実行可能な(ソフトウェア)命令を含むように構成され得る。
【0130】
図示されるように、本例のコンピュータシステム1350は相互接続1311を含み、相互接続1311が、非一時的なタイプの媒体などのコンピュータ可読のストレージ媒体1312(これは、デジタル情報をストア及び読出しし得る、任意の適切なタイプのハードウェアストレージ媒体であり得る)、プロセッサ1313(コンピュータプロセッサハードウェア)、I/Oインターフェース1314、及び通信インターフェース1317を結合する。
【0131】
I/Oインターフェース1314は、リポジトリ1380及び入力リソース1392への接続性をサポートする。
【0132】
コンピュータ可読のストレージ媒体1312は、メモリ、光学ストレージ、ハードドライブ、フロッピーディスク等などの任意のハードウェアストレージデバイスであり得る。一実施形態において、コンピュータ可読のストレージ媒体1312は、命令及び/又はデータをストアする。
【0133】
図示されるように、コンピュータ可読のストレージ媒体1312は、本願で説明されるような動作の任意のものを実施するために、(例えば、命令を含む)管理アプリケーション140-1によって符号化され得る。
【0134】
一実施形態の動作の間、プロセッサ1313は、コンピュータ可読のストレージ媒体1312上にストアされる管理アプリケーション140-1における命令を始動、起動、実行、解釈、又はその他の様式で行うために、相互接続1311の使用を介してコンピュータ可読のストレージ媒体1312にアクセスする。制御アプリケーション140-1の実行が、本願で説明されるような動作及び/又はプロセスの任意のものを実施させるために、制御プロセス140-2を生成する。
【0135】
当業者であれば、コンピュータシステム1350が、管理アプリケーション140-1を実行するためにハードウェアリソースの割当て及び使用を制御するオペレーティングシステムなど、他のプロセス並びに/又はソフトウェア及びハードウェア構成要素を含んでもよいことを理解するであろう。
【0136】
異なる実施形態に応じて、コンピュータシステムが、任意の種々のタイプのデバイス内にあってもよいことに留意されたい。このような任意の種々のタイプのデバイスには、モバイルコンピュータ、無線通信デバイス、ゲートウェイリソース、通信管理リソース、パーソナルコンピュータシステム、無線デバイス、無線アクセスポイント、基地局、電話機、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、ネットブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、アプリケーションサーバ、ストレージデバイス、カメラやカムコーダ、セットトップボックス、モバイルデバイス、ビデオゲーム機、ハンドヘルドビデオゲームデバイスなどの家庭用電子機器、スイッチや、モデム、ルータ、セットトップボックス、コンテンツ管理デバイス、ハンドヘルドリモートコントロールデバイスなどの周辺機器デバイス、任意のタイプのコンピューティング又は電子デイバス等が含まれるが、これらに限定されない。コンピュータシステム1350は、本願で説明されるような機能性を実装するために、任意のロケーションにあってよく、又は、任意のネットワーク環境における任意の適切なリソースに含まれてもよい。
【0137】
次に、図14におけるフローチャートを介して、異なるリソースによってサポートされる機能性が説明される。以下のフローチャートにおけるステップが任意の適切な順で実行され得ることに留意されたい。
【0138】
図14は、本願における実施形態に従った例示の方法を図示するフローチャート1400である。上述の概念に対していくつかの重複があることに留意されたい。
【0139】
処理動作1410において、ソース110がリソース102から入力信号105を受信する。
【0140】
処理動作1420において、ソース110が、無線信号112をチューナデバイス120に発射する。
【0141】
処理動作1430において、チューナデバイス120が、i)ソース110から発射される無線信号112を受信し、ii)コントローラ140が、チューナデバイス120のウィンドー領域を個別に制御して、チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御する。
【0142】
図15は、本願における実施形態に従った、基板上の、レイアウトされたウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化層パッド又はパッチを図示する例示の上面図である。
【0143】
この例示の実施形態において、例示の層250-1(アクティブウィンドー領域)は、ウィンドー領域750-1を含む。領域1532(接地基準に結合される、濃色の網掛けの領域)は、基板250-1上に配置される金属層を表す。領域1533(電圧信号などの制御信号によって駆動される金属パッド)は、電磁透過(electromagnetic transmissive)ウィンドー領域750-1の中央にある。構成要素1521(第1のバラクタ又は他の適切なリソースなど)は、領域1533から領域1532への結合を提供する。同様に、構成要素1522(第2のバラクタ又は他の適切なリソースなど)は、領域1533から領域1532までの結合を提供する。このように、構成要素1521及び1522は、接地に並列接続される。コントローラ140は、対応するウィンドー領域750-1に対するそれぞれの電圧信号によって領域1533を駆動する。
【0144】
層250-1上の各ウィンドー領域は、同様の方式において構成及び制御される。
【0145】
例示の層1150-1(パッド又は金属領域のパッシブ層)は、金属化領域1511(濃色の領域)と電磁透明領域(electromagnetic transparent region)1512とを含む。
【0146】
図16は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域及び対応する多数のマッチング金属化パッドを含むスタックを図示する例示の側面図である。
【0147】
この例示の実施形態において、スタック1601は、領域1511(基板層1150-1上の金属パッドなど)、ウィンドー領域750-1、ウィンドー領域750-2、ウィンドー領域750-3、及び領域1519(基板層1150-2上の金属パッドなど)を含む。
【0148】
前述したように、コントローラ140は、それぞれのウィンドー750の中心領域(領域1533等など)の各々に対するそれぞれの電圧の印加を介して、アクティブ層750の設定を制御する。
【0149】
スタック1601は、無線信号112-1の一部を受信する。スタック1601における異なる構成要素の組み合わせは、無線出力122-1を生成するために、受信された無線信号112-1に関連する1つ又は複数の属性を修正するように動作する。
【0150】
各スタックは、本願において説明されるものと同様の方式において無線出力を生成するために、それぞれの受信された無線信号を修正するように動作する。
【0151】
図17は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域とパッドのマッチング金属化層とのスタックのアレイを図示する例示の図である。
【0152】
この例示の実施形態において、ソース102は、前述したような任意の適切な方式においてチューナデバイス120に入力される無線信号の生成を開始する。チューナデバイス120は無線信号112を受信する。
【0153】
時間フレームT1において、コントローラ140は、スタック1601、1602、1603等の各々を個別に調整して、時間フレームT1において、無線出力122-Aを(例えば、無線出力122を、第1のデータを含む角度Aで)通信デバイス1651に伝える。時間フレームT2において、コントローラ140は、スタック1601、1602、1603等の各々を個別に調整して、時間フレームT2において、無線出力122-Bを(例えば、第2のデータを含む角度Bで)通信デバイス1652に伝える。
【0154】
さらに、この例示の実施形態において、チューナデバイス120のスタック1601は、コントローラ140によって駆動されるスタック1601における対応するアクティブウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、無線信号112-1(無線信号112の部分)に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。通過する無線(電磁)信号の入力される無線信号112-1(すなわち、無線出力部分112-1)の修正(位相又は他の属性修正など)を介して、スタック1601は、対応する出力信号122-1を生成する。このように、スタック1601及び対応する第1のウィンドー領域は、無線出力122-1の対応する第1の部分を生成するために、受信された無線信号112-1の第1の部分の位相を制御する。
【0155】
チューナデバイス120のスタック1602は、コントローラ140によって駆動されるスタック1602における対応するアクティブウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、受信された無線信号112-2に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。通過する無線信号の入力される無線信号112-2(無線信号112-2の部分)の修正(位相修正など)を介して、スタック1602は、出力信号122-2(無線出力122の部分)を生成する。このように、スタック1602及び対応する第2のウィンドー領域は、無線出力122-2の対応する第2の部分を生成するために、受信された無線信号112-2の第2の部分の位相を制御する。
【0156】
チューナデバイス120のスタック1603は、コントローラ140によって駆動されるスタック1603における対応するウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、無線信号112-3に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。通過する無線信号の入力される無線信号112-3(無線信号112-3の部分)の修正(位相修正など)を介して、スタック1603は出力信号122-3を生成する。このように、スタック1603及び対応する第3のウィンドー領域は、無線出力122-3の対応する第3の部分を生成するために、受信された無線信号112-3の第3の部分の位相を制御する。
【0157】
従って、コントローラ140は、異なる時間において、受信された無線信号112から無線出力(122-A、122-B等)を生成するために、多数のウィンドー領域の各々を個別に調整する。調整されたウィンドー領域は、そこを通過するそれぞれの無線信号(112-1、112-2、112-3等)の異なるそれぞれの部分を修正する。
【0158】
集合的に、チューナデバイス120及びウィンドー領域の対応するスタックを介する入力される無線信号112の修正は、時間フレームT1において、(z軸に対して角度Aで)無線信号122(無線出力122-A及び対応するデータペイロード)を通信デバイス1651に向け、チューナデバイス120を介する入力される無線信号112の修正は、時間フレームT2において、(z軸に対して角度Bで)無線信号(出力信号122-B及び対応するデータペイロード)を通信デバイス1652に向ける。
【0159】
このように、この例示の実施形態において、コントローラ140は、異なる時間において、チューナデバイス120のそれぞれのウィンドー領域のチューニングに基づいて無線信号122-A及び122-Bのステアリングを制御して、データRFパワーを、異なる空間位置におけるデバイスに伝達する。
【0160】
従って、本願における実施形態は、コントローラ140を実装すること、及び、これに応じて、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整して、無線出力122(無線出力122-A、122-B等など)を、異なる時間において、異なる所望の方向に可変的に向ける(又は所望の形状にビーム形成する)ことを含む。
【0161】
図18は、本願における実施形態に従った、ウィンドー領域とパッドのマッチング金属化層とのスタックのアレイを図示する例示の図である。
【0162】
この例示の実施形態において、ソース102は、多数の通信デバイス1651及び1652からデータを受信する。
【0163】
時間フレームT11において、通信デバイス1651は、無線信号122-C(電磁信号)を、(z軸に対して)角度Aで、チューナデバイス120に伝える。時間フレームT12において、ビームステアリング又はビーム形成を介して、コントローラ140は、スタック1601、1602、1603等の各々を個別に調整して、通信デバイス1652から、(例えば、第4のデータを含む)無線信号122-Dを、(Z軸に対して)角度Bから受信する。
【0164】
さらに、この例示の実施形態において、チューナデバイス120のスタック1601は、コントローラ140によって駆動されるスタック1601における対応するウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、受信された無線信号122-C(無線信号122-1の部分)に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。入力される無線信号122-1の修正(位相修正など)を介して、スタック1601は出力信号112-1を生成する。このように、スタック1601及び対応する第1のウィンドー領域は、無線出力112-1の対応する第1の部分を生成するために、受信された無線信号122-1の第1の部分の位相を制御する。
【0165】
チューナデバイス120のスタック1602は、コントローラ140によって駆動されるスタック1602における対応するウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、受信された無線信号122-C(無線信号122-2の部分)に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。入力される無線信号122-2の修正(位相修正など)を介して、スタック1602は出力信号112-2を生成する。このように、スタック1602及び対応する第2のウィンドー領域は、無線出力112-2の対応する第2の部分を生成するために、受信された無線信号122-2の第2の部分の位相を制御する。
【0166】
チューナデバイス120のスタック1603は、コントローラ140によって駆動されるスタック1603における対応するウィンドー領域のそれぞれの設定に応じて、受信された無線信号122-C(無線信号122-3の部分)に関連する1つ又は複数の属性を受信及び修正する。入力される無線信号122-3の修正(位相修正など)を介して、スタック1603は出力信号112-3を生成する。このように、スタック1603及び対応する第3のウィンドー領域は、無線出力112-3の対応する第3の部分を生成するために、受信された無線信号122-3の第3の部分の位相を制御する。
【0167】
一実施形態において、無線信号112-1、112-2、112-3等の各々は、z軸に沿って又はz軸と平行に、ソース102に向かう方向に再び方向付けられる。
【0168】
従って、コントローラ140は、異なる時間及び異なる角度で、受信された無線信号122から無線信号(122-C、122-D等)を受信するために、多数のウィンドー領域の各々を個別に調整し、調整されたウィンドー領域は、そこを通過するそれぞれの無線信号(122-1、122-2、122-3等)の異なるそれぞれの部分を修正する。
【0169】
従って、コントローラ140は、異なる角度から、異なる時間で、無線信号122-C及び122-Dを受信するために、多数の個別に制御されるウィンドー領域の設定を可変的に調整する。
【0170】
図19は、本願における実施形態に従った例示の方法を図示するフローチャート1900である。上述の概念に対していくつかの重複があることに留意されたい。
【0171】
処理動作1910において、システム100は、ソースにおいて、入力フィードから入力信号を受信する。
【0172】
処理動作1920において、ソースは、受信された入力信号に基づいて無線信号を発射する。
【0173】
処理動作1920において、チューナデバイスは、i)ソースから発射される無線信号を受信し、ii)チューナデバイスから送信される無線出力の放射パターンを制御するために、チューナデバイスのウィンドー領域を個別に制御する。
【0174】
本願で説明される技法が、放射パターンの動的制御をサポートする応用例における使用に良好に適していることに再び留意されたい。しかし、本願における実施形態がそのような応用例における使用に限定されず、本願で説明される技法が、その他の応用例にも良好に適していることに留意すべきである。
【0175】
本願において述べられた説明に基づいて、多数の具体的な詳細が、特許請求の範囲の対象事項の完全な理解を提供するために述べられてきた。しかし、特許請求の範囲の対象事項が、これらの具体的な詳細を用いずに行われ得ることが、当業者に理解される。他の例では、特許請求の範囲の対象事項を不明瞭にしないように、当業者に知られた方法、装置、システム等は詳細に述べられていない。詳細な説明の幾つかの部分が、コンピュータメモリなどのコンピューティングシステムメモリ内にストアされるデータビット又はバイナリデジタル信号上の動作のアルゴリズム又は象徴的表現で表されている。これらのアルゴリズム的な記載又は表現は、それらの作業の内容を他の当業者に伝達するための、データ処理分野における当業者に用いられる技法の例である。本願において説明されるアルゴリズムは、一般に、動作の自己矛盾のないシーケンス又は所望の結果をもたらす同様の処理であると考えられる。この文脈において、動作又は処理には物理量の物理的操作が含まれる。典型的に、必須ではないが、そのような量は、ストアされ、伝送され、結合され、比較され、又は操作されることが可能な、電気又は磁気信号の形を取り得る。主に一般的な使用の理由で、そのような信号を、ビット、データ、値、要素、記号、文字、数、用語、数字等として参照することが時として好都合であった。しかし、これら及び同様の用語の全てが、適切な物理的量及に関連してよく、単に便宜上の標示であったことを理解すべきである。
【0176】
本発明がその好ましい実施形態を参照して詳細に図示および説明されたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本願の精神及び範囲から逸脱することなく、形状および詳細の種々の変更がなされてもよいことが当業者に理解されよう。そのような変形は、本願の範囲に含まれることが意図される。このように、本願の実施形態の前述の説明は、限定的であることを意図しない。むしろ、本発明に対する如何なる限定も、以下の特許請求の範囲に表される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19