(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】行動監視システム及び行動監視方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20230623BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230623BHJP
G06Q 30/018 20230101ALI20230623BHJP
【FI】
G06Q50/34
G08B25/00 510M
G06Q30/018 342
(21)【出願番号】P 2020551063
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2018037448
(87)【国際公開番号】W WO2020070894
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504470004
【氏名又は名称】セガサミーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 真人
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/090630(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/174006(WO,A1)
【文献】特開2000-126160(JP,A)
【文献】特開2010-113662(JP,A)
【文献】特開2017-174264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技施設における遊技者の行動を監視する行動監視システムであって、
遊技施設の第1領域を撮像するように設置された第1撮像装置と、
前記遊技施設の第2領域を撮像するように設置された第2撮像装置と、
遊技装置が設置された第3領域を撮像するように設置された第3撮像装置と、
前記第1撮像装置から出力された第1映像及び前記第2撮像装置から出力された第2映像に基づき、前記遊技施設における遊技者の行動を管理する行動管理装置と、
備え、
前記行動管理装置は、
前記第1映像に含まれる遊技者の特徴情報を取得する機能と、
前記第2映像に前記特徴情報を有する遊技者が含まれている場合に、当該遊技者が前記第2領域に居るものとして記録する機能と、
所定の遊技者が前記第3領域に所定期間留まっている場合には、当該遊技者について高レベルの特徴情報を抽出して本人認証を実行する機能と、
を有する、行動監視システム。
【請求項2】
前記第1領域は前記遊技施設の入場ゲート周辺であり、
前記第1領域には入場する遊技者の本人認証をする本人認証装置を備え、
前記行動管理装置は、前記本人認証装置で本人認証された遊技者について前記特徴情報と対応づけて管理する、請求項1に記載の行動監視システム。
【請求項3】
前記第1領域と前記第2領域とは一部が重なるように設定されている、請求項1または請求項2に記載の行動監視システム。
【請求項4】
前記行動管理装置は、特定の遊技者が前記遊技施設内でどの領域に居たのかを時間の経過に対応させて記録した監視情報を出力する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の行動監視システム。
【請求項5】
前記行動管理装置は、特定の遊技者についての注意情報及び特典情報の少なくとも一方を前記監視情報に含めて出力する、請求項
4に記載の行動監視システム。
【請求項6】
遊技施設における遊技者の行動を監視する行動監視方法であって、
行動管理装置が入場ゲートで本人認証するステップと、
前記行動管理装置が入場ゲートカメラにより遊技者の特徴情報を抽出するステップと、
前記行動管理装置が抽出した前記特徴情報に基づいて遊技者の居場所を特定するステップと、
前記行動管理装置が特定した居場所の領域を時間に関連付けて記録するステップと、
前記行動管理装置が遊技装置への滞在時間が所定の閾値を超えた場合に、高レベルの特徴情報を抽出して本人認証するステップと、
を有する、行動監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動監視システム及び行動監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カジノなどの遊技施設では、暴力団や犯罪者の入場を阻止したり、依存症の疑いのある遊技者を監視する必要がある。このため、カジノへの入退場管理は元より、カジノ内での遊技者の振る舞いを監視する必要がある。
【0003】
例えば、遊技施設における遊技者の管理方法としては、会員カードを用いた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カメラを用いた管理システムとしては、駐車場における車両の動きを連続的に追跡する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-176531号公報
【文献】特開2008-152460号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、遊技施設における不正防止や依存症対策のためには、遊技者の入退場管理のみならず、遊技施設内でどのように遊んだか、どのような行動をとったかなど、遊技者の詳細な行動監視が必要である。特許文献1の技術では、会員カードの不正利用を阻止することができない。
【0006】
また、不正利用を防止するための会員カードを所有する者の本人認証を頻繁に行うものとすれば、煩雑であり雰囲気を壊してしまう。特許文献2の技術は、車両の管理に関するものあり、遊技施設内の人的管理に適用できない。
【0007】
そこで、本発明は、遊技者に負担をかけることなく、詳細に遊技者の行動監視をすることができる行動監視システム及び行動監視方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一態様に係る行動監視システムは、遊技施設における遊技者の行動を監視する行動監視システムであって、遊技施設の第1領域を撮像するように設置された第1撮像装置と、遊技施設の第2領域を撮像するように設置された第2撮像装置と、第1撮像装置から出力された第1映像及び第2撮像装置から出力された第2映像に基づき、遊技施設における遊技者の行動を管理する行動管理装置と、備え、行動管理装置は、第1映像に含まれる遊技者の特徴情報を取得する機能と、第2映像に特徴情報を有する遊技者が含まれている場合に、当該遊技者が第2領域に居るものとして記録する機能と、を有する。
【0009】
この態様によれば、第1撮像装置で撮像した第1映像から取得した特徴情報に基づいて、第2撮像装置の第2映像によって第2領域のどこに居たかを監視するので、遊技者に負担をかけることなく、詳細に遊技者の行動監視をすることが可能である。
【0010】
上記の態様の行動監視システムにおいて、第1領域は遊技施設の入場ゲート周辺であり、第1領域には入場する遊技者の本人認証をする本人認証装置を備え、行動管理装置は、本人認証装置で本人認証された遊技者について特徴情報と対応づけて管理することが好ましい。
【0011】
第1領域と第2領域とは一部が重なるように設定されていることが好ましい。
【0012】
遊技装置が設置された第3領域を撮像するように設置された第3撮像装置を備え、行動管理装置は、特定の遊技者が第3領域に所定期間留まっている場合には、当該遊技者について新たな本人認証を実行することが好ましい。
【0013】
行動管理装置は、特定の遊技者が遊技施設内でどの領域に居たのかを時間の経過に対応させて記録した監視情報を出力することが好ましい。
【0014】
行動管理装置は、特定の遊技者についての注意情報及び特典情報の少なくとも一方を監視情報に含めて出力することが好ましい。
【0015】
本発明の一態様に係る行動監視方法は、遊技施設における遊技者の行動を監視する行動監視方法であって、入場ゲートで本人認証するステップと、入場ゲートカメラにより遊技者の特徴情報を抽出するステップと、抽出した特徴情報に基づいて遊技者の居場所を特定するステップと、特定した居場所の領域を時間に関連付けて記録するステップと、遊技装置への滞在時間が所定の閾値を超えた場合に、高レベルの特徴情報を抽出して本人認証するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技者に負担をかけることなく、詳細に遊技者の行動監視を行うことができる行動監視システム及び行動監視方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る行動監視システムの全体構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る行動監視システムを適用する遊技施設の一例を示す模式図である。
【
図3】本実施形態の監視情報の一例を示す説明図である。
【
図4】本実施形態に係る行動監視方法を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る行動監視方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0019】
〔行動監視システムの構成〕
以下、本実施形態に係る行動監視システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る行動監視システムの全体構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、行動監視システム1は、カジノ等の遊技施設Cにおける遊技者の行動を監視するシステムであり、本人認証装置20、入場ゲートカメラ30、カメラ40、遊技装置カメラ50、非監視区域カメラ60及び行動管理装置70を備える。
【0020】
ここで、
図2は、本実施形態に係る遊技施設Cを例示した模式図である。
図2に示すように、遊技施設Cは入場ゲートIG及び退場ゲートOGを備えている。入場ゲートIGと退場ゲートOGとが共通であっても構わないが、分かれている構成であってもよい。
【0021】
遊技施設Cは、概ね、第1領域11、第2領域12、第3領域13及び非監視区域14に分けられる。第1領域11は、例えば、入場ゲートIGの周辺に設定されている。第2領域12は、例えば、遊技施設C内の通路に設定されている。第1領域11と第2領域12とは、領域の一部が重なるように設定されている。第3領域13は、例えば、カードゲームやルーレット等の遊技装置15の設置位置に設定されている。非監視区域14は、トイレなどのプライバシーの保持を要する領域に設定されている。なお、四角形の遊技装置15は、例えばスロットマシンである。
【0022】
〔行動監視システムの各構成要素〕
本人認証装置20は、遊技施設Cの入場ゲートIGへの入場前に、入場する遊技者Pの本人認証(例えば、IDやパスワードを用いた認証)をする機能を有する。本人認証装置20は、後述する記憶部に入場する遊技者PのID及び入場時刻を記録する。
【0023】
入場ゲートカメラ(第1撮像装置)30は、遊技施設Cの第1領域(入場ゲートIGの周辺)11を撮像するように設置されている(
図2参照)。入場ゲートカメラ30は、本人認証装置20により本人認証を終え、入場ゲートIGを入場する遊技者Pを撮像する。入場ゲートカメラ30としては、例えば、遊技者Pの特徴を撮像可能な画素数を有し、検知センサやWiFi等の通信機能、録画機能を備えた高性能監視カメラであることが好ましい。
【0024】
カメラ(第2撮像装置)40は、遊技施設Cの第2領域(遊技施設C内の通路)12を撮像するように設置されている(
図2参照)。本実施形態のカメラ40は、通路設置のカメラとして構成されている。本実施形態のカメラ40は、遊技施設C内の通路の複数箇所に設置されている。カメラ40は、例えば、遊技者Pの特徴を撮像可能な画素数を有し、検知センサやWiFi等の通信機能、録画機能を備えた高性能監視カメラであることが好ましい。
【0025】
遊技装置カメラ(第3撮像装置)50は、遊技施設Cの第3領域13(遊技装置15の設置位置)を撮像するように設置されている(
図2参照)。本実施形態の遊技装置カメラ50は、カードゲームやルーレット等の遊技装置15の各々の設置位置に複数設置されている。遊技装置カメラ50としては、例えば、遊技者Pの特徴を撮像可能な画素数を有し、検知センサやWiFi等の通信機能、録画機能を備えた高性能監視カメラであることが好ましい。
【0026】
非監視区域カメラ(非監視区域撮像装置)60は、遊技施設Cの非監視区域(トイレなどのプライバシーを保持する必要のある領域)14を撮像するように設置されている(
図2参照)。非監視区域カメラ60は、一般的な監視のみを行い、遊技者Pの特徴情報は抽出しない。非監視区域カメラ60は必ずしも高性能監視カメラである必要はなく、WiFi等の通信機能や録画機能を備えていれば、画素数の小さい一般監視カメラであっても構わない。
【0027】
行動管理装置70は、遊技者Pの行動を管理するための装置であり、遊技者管理部71、通信部72、遊技者情報保持部73及び記憶部74を備える。遊技者管理部71は、通信部72を介して、本人認証装置20、入場ゲートカメラ30、通路設置のカメラ40、遊技装置カメラ50及び非監視区域カメラ60とデータ通信する。
【0028】
遊技者管理部71は、本人認証装置20で本人認証された遊技者Pについて特徴情報と対応づけて管理する。ここで、「特徴情報」には、各カメラの撮像データを解析することで得られる、人物認証を行うために必要な顔の特徴量データなどが含まれる。また、遊技者管理部71は、入場ゲートIGを通過する第1映像に含まれる遊技者Pの特徴情報を取得する機能を有する。さらに、遊技者管理部71は、入場ゲートカメラ30から出力された第1映像及びカメラ40から出力された第2映像に基づき、遊技施設Cにおける遊技者Pの行動を管理する。そして、遊技者管理部71は、所定の遊技者が第3領域13に所定期間留まっている場合には、当該遊技者Pについて新たな本人認証を実行する。
【0029】
遊技者情報保持部73は、本人認証装置20で本人認証された遊技者Pについて特徴情報と対応づけて記憶部74に記録する。遊技者情報保持部73は、当該遊技者Pの全ての行動履歴(例えば、遊技履歴や位置情報履歴など)を記憶部74に記録する。また、遊技者情報保持部73は、入場ゲートIGを通過する第1映像に含まれる遊技者Pの特徴情報を記憶部74に記録する。さらに、遊技者情報保持部73は、入場ゲートカメラ30から出力された第1映像及びカメラ40から出力された第2映像に基づき、遊技施設Cにおける遊技者Pの行動の履歴を記憶部74に記録する。そして、遊技者情報保持部73は、所定の遊技者が第3領域13に所定期間留まっている場合には、遊技装置15への滞在時間、高レベルの特徴情報、本人認証情報、認証時刻、注意情報及び特典情報を記憶部74に記録する。加えて、遊技者情報保持部73は、通路を移動する第2映像に特徴情報を有する遊技者Pが含まれている場合に、当該遊技者Pが第2領域12に居るものとして、記憶部74に記録する。なお、「高レベルの特徴情報」には、より精度よく人物認証を行うために必要な人物の各パーツの特徴量データなどが含まれる。
【0030】
遊技者情報保持部73は、特定の遊技者が遊技施設C内でどの領域に居たのかを時間の経過に対応させて記憶部74に記録した監視情報を出力する。遊技者情報保持部73は、特定の遊技者Pについての注意情報及び特典情報の少なくとも一方を監視情報に含めて出力する。
【0031】
図3を参照して、記憶部に記録される監視情報の一例について説明する。
図3は、本実施形態の監視情報の一例を示す説明図である。
図3に示すように、監視情報90には、遊技者固有のID91、入場時刻92、退場時刻93、最新位置情報94、注意情報95、特典情報96及び履歴97等の情報が含まれている。注意情報95は、例えば、注意ランクとしてランク分けして監視情報に記録される。また、注意情報95は、例えば、要注意の遊技者PのIDを色分けして管理してもよい。特典情報96は、例えば、遊技装置15の獲得ポイント値が監視情報に記録される。
【0032】
退場ゲートカメラ80は、退場ゲートOGに配置された撮像装置である(
図2参照)。退場ゲートカメラ80の映像から遊技者Pが遊技施設Cから退場したことを検出することができ、本実施形態に係る行動監視システム1による行動監視は終了する。退場ゲートカメラ80としては、例えば、遊技者Pの特徴を撮像可能な画素数を有し、検知センサやWiFi等の通信機能、録画機能を備えた高性能監視カメラであることが好ましい。
【0033】
〔行動監視システムの作用、行動監視方法〕
次に、
図1から
図5を参照して、本実施形態に係る行動監視システム1の作用を説明しつつ、本実施形態に係る行動監視方法を説明する。
図4は、本実施形態に係る行動監視方法を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係る行動監視方法を示すシーケンス図である。
【0034】
本実施形態に係る行動監視方法は、カジノ等の遊技施設Cにおける遊技者Pの行動を監視する方法である。本実施形態に係る行動監視方法は、入場ゲートIGで本人認証するステップと、入場ゲートカメラ30により遊技者Pの特徴情報を抽出するステップと、抽出した特徴情報に基づいて当該遊技者Pの居場所を特定するステップと、特定した居場所の領域を時間に関連付けて記録するステップと、遊技装置への滞在時間が所定の閾値を超えた場合に、高レベルの特徴情報を抽出して本人認証するステップと、を有する。以下、具体的に説明する。
【0035】
図1、
図2及び
図4に示すように、まず、入場ゲートIGにおいて、本人認証装置20が遊技施設Cに入場しようとする遊技者Pの本人認証を行う。遊技者管理部71は、通信部72を介して本人認証情報を取得する(S1)。遊技者情報保持部73は監視情報にID及び入場時刻を付して、本人認証情報を記憶部74に記録する(S2)。
【0036】
次に、入場ゲートカメラ30が入場ゲートIGを通過する遊技者Pを撮像する。遊技者管理部71は、入場ゲートカメラ30が撮像した第1映像に含まれる遊技者Pの特徴情報を抽出する(S3)。その後、遊技者管理部71は、カメラ40が撮像した通路を移動する第2映像に、遊技者Pの特徴情報が含まれていることを検知すると、当該遊技者Pが第2領域12に居るものとして居場所を特定する(S4)。遊技者情報保持部73は、居場所として特定した領域を時間に関連づけて、記憶部74に記録する(S5)。
【0037】
遊技者管理部71は、第2映像もしくは非監視区域カメラ60の映像に基づいて、居場所がトイレ等の非監視区域14であるか否かを判断する(S6)。遊技者管理部71は、居場所がトイレ等の非監視区域14であると判断した場合(S6/YES)、遊技者監視を中断する(S7)。なお、非監視区域14においては、特徴情報に基づく遊技者監視は中断するが、不慮の事態(例えば、遊技者Pの体調不良等)に備えて、一般的な映像監視を継続してもよい。遊技者管理部71は、特徴情報に基づく遊技者監視を中断した後(S7)、ステップS4に戻って居場所の特定を続行する。したがって、監視対象の遊技者Pが非監視区域14から出てくると、通路設置のカメラ40が撮像する第2映像により検出することができる。
【0038】
一方、遊技者管理部71は、居場所がトイレ等の非監視区域14ではないと判断した場合(S6/NO)、居場所が第3領域(遊技装置15の設置位置)であるか否かを判断する(S8)。遊技者管理部71は、居場所が第3領域(遊技装置15の設置位置)ではないと判断した場合(S8/NO)、ステップS4に戻って居場所の特定を続行する。
【0039】
遊技者管理部71は、居場所が第3領域(遊技装置15の設置位置)であると判断した場合(S8/YES)、当該遊技者Pの遊技装置15への滞在時間を測定する(S9)。次に、遊技者管理部71は、当該遊技者Pの遊技装置15への滞在時間が所定時間の閾値を超えたか否かを判断する(S10)。遊技装置15への滞在時間が所定時間の閾値を超えていない場合(S10/NO)、以下に示すS10~S13の処理をスキップし、S14に進む。
【0040】
遊技者管理部71は、遊技装置15への滞在時間が所定時間の閾値を超えたと判断した場合(S10/YES)、高レベルの特徴情報の抽出を行う(S11)。所定時間の閾値は、例えば、システムの運営者が定めた滞在注意時間(1日あたり×〇時間、1週間に△〇時間など)が挙げられる。遊技者管理部71は、高レベルの特徴情報に基づき新たに本人認証を行う(S12)。遊技者情報保持部73は、遊技装置15への滞在時間、高レベルの特徴情報及び本人認証情報、注意情報もしくは特典情報を記憶部74に記録する(S13)。
【0041】
退場ゲートカメラ80は、退場ゲートOGの通過映像を撮像する。遊技者管理部71は、退場ゲートOGの映像から監視対象の遊技者Pが退場ゲートOGを通過したか否かを判断する(S14)。遊技者管理部71は、監視対象の遊技者Pが退場ゲートOGを通過するまで(S14/NO)、ステップS4に戻って居場所の特定を続行する。
【0042】
遊技者管理部71が監視対象の遊技者Pが退場ゲートOGを通過したと判断した場合(S14/YES)、遊技者情報保持部73は、当該遊技者の全ての行動履歴を記憶部74に記録して(S15)、監視処理を終了する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、入場ゲートカメラ30で撮像した第1映像から取得した特徴情報に基づいて、通路設置のカメラ40の第2映像によって第2領域12のどこに居たかを監視するので、遊技者に負担をかけることなく、詳細に遊技者Pの行動監視をすることが可能である。
【0044】
また、本実施形態に係る行動監視システム1において、第1領域(入場ゲートIGの周辺)11には、入場する遊技者の本人認証をする本人認証装置20を備える。行動管理装置70は、本人認証装置20で本人認証された遊技者Pについて特徴情報と対応づけて管理する。したがって、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、遊技者Pの本人認証情報と特徴情報とを対応づけて管理し、記録することができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係る行動監視システム1において、第1領域11と第2領域12とは一部が重なるように設定されている。したがって、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、入場ゲートカメラ30で遊技者Pの特徴の撮像に失敗しても、入場ゲートIG近くの通路設置のカメラ40で遊技者Pの特徴を補足することができる。
【0046】
そして、本実施形態に係る行動監視システム1は、第3領域(遊技装置15の設置位置)13を撮像するように設置された遊技装置カメラ50を備える。この遊技装置カメラ50の設置により、遊技装置15に着席していない遊技者Pによるベットを受け付けることができる。また、遊技装置カメラ50の設置により、ディーラーをも監視(トレース)することができる。これにより、遊技者Pのみならず、ディーラーの不正行為も防止することができる。
【0047】
加えて、行動管理装置70は、所定の遊技者Pが第3領域13に所定期間留まっている場合には、当該遊技者Pについて高レベルの特徴情報を抽出して、新たな本人認証(例えば生体認証など)を実行する。したがって、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、特定の遊技者Pについて、より正確な本人認証を行うことができる。これにより、滞在注意時間を超えて遊技を行う遊技者Pを監視したり、不審な行動を行う遊技者Pを監視して、退出を促すことができる。なお、設定される滞在注意時間は、注意ランクに応じて複数設定してもよい。例えば、第1滞在注意時間T1を超えた場合には(注意ランク:「1」)、より正確な本人認証を求める、第2滞在注意時間T2(>T1)を超えた場合には(注意ランク:「2」)、遊技内容に制限(例えば、ベット金額など)を設ける、さらに、第3滞在注意時間T3(>T2)を超えた場合には(注意ランク:「3」)、遊技を終了させ、強制退出を促すとともに、専門の医師等による依存症の診断を勧めるメッセージを出力してもよい。
【0048】
また、本実施形態に係る行動監視システム1において、行動管理装置70は、特定の遊技者Pが遊技施設C内でどの領域に居たのかを時間の経過に対応させて記録した監視情報を出力する。したがって、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、行動管理装置70は、監視情報を管理し、記録し、必要に応じて出力することができるので、遊技者Pの詳細な行動管理を行うことができる。
【0049】
さらに、本実施形態に係る行動監視システム1において、行動管理装置70は、特定の遊技者Pについての注意情報及び特典情報の少なくとも一方を監視情報に含めて出力する。したがって、本実施形態に係る行動監視システム1によれば、注意情報に基づいて、要注意の遊技者Pの行動を監視することができる。また、特典情報(コンプ情報)に基づいて、ポイントカードを用いずに獲得ポイント値を管理することができる。
【0050】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態の入場ゲートカメラ30、カメラ40及び遊技装置カメラ50には、必要に応じてマイクを内蔵していてもよい。マイクを内蔵している場合には、記憶部74に監視情報に関連づけて音声情報が保存される。
【符号の説明】
【0052】
1…行動監視システム、11…第1領域、12…第2領域、13…第3領域、14…非監視区域、15…遊技装置、20…本人認証装置、30…入場ゲートカメラ、40…カメラ、50…遊技装置カメラ、60…非監視区域カメラ、70…行動管理装置