(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】剪断ベンチ及び関連する剪断ベンチを最適化する方法
(51)【国際特許分類】
B26D 1/24 20060101AFI20230623BHJP
B26D 7/20 20060101ALI20230623BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20230623BHJP
B26D 5/26 20060101ALI20230623BHJP
B26D 5/34 20060101ALI20230623BHJP
B26D 7/22 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B26D1/24 E
B26D1/24 A
B26D7/20
B26D3/00 601B
B26D5/26 A
B26D5/34 Z
B26D7/22 A
(21)【出願番号】P 2020567089
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2019064166
(87)【国際公開番号】W WO2019229226
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515170791
【氏名又は名称】アルモール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジルダ・ユベール
(72)【発明者】
【氏名】ポール・カルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・テポー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ドゥレンヌ
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-040096(JP,A)
【文献】特開2004-276146(JP,A)
【文献】特開2007-257695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/24
B26D 7/20
B26D 3/00
B26D 5/26
B26D 5/34
B26D 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
10ミクロン以下の厚さを有するフィルム(2)を剪断するための剪断ベンチ(1)を最適化するための最適化方法であって、前記剪断ベンチ(1)は、複数の要素を備え、各要素は複数のパラメータによって特徴付けられ、前記パラメータのセットは、前記剪断ベンチ(1)のパレメータから成り、前記複数の要素は、ブレード(20)及びブレード(20)と協働するカウンターブレード(21)を備える少なくとも1つのブレードアセンブリ(10)、前記フィルム(2)を進行させるためフィルム進行システム(12)、並びに、前記ブレード(20)及び前記カウンターブレード(21)を互い対して動かして前記フィルム(2)を剪断するためのブレード/カウンターブレード推進システム(14)を備え、当該最適化方法は:
- 前記剪断ベンチ(1)のパラメータを選択するためのパラメータ選択ステップ;
- 前記剪断ベンチ(1)を評価するための評価基準に対応する前記剪断ベンチ(1)の測定値を取得するために、選択されたパラメータを提示する前記剪断ベンチ(1)の性能を測定するための性能測定ステップ;及び、
- 所望の値と測定値とを比較するための値比較ステップ;
を含み、
前記測定値が前記所望の値よりも厳密に低い場合、前記パラメータ選択ステップ、前記性能測定ステップ、及び、前記値比較ステップは、少なくとも1つの選択されたパラメータを変更することによって測定された値が前記所望の値以上になる時まで反復され、前記少なくとも1つの変更されたパラメータは、前記ブレードアセンブリ(10)それぞれ、前記フィルム進行システム(12)、及び、前記ブレード/カウンターブレード推進システム(14)のパラメータの一部であり、次いで、当該最適化方法は、前記選択されたパラメータを選択するためのパラメータ選択ステップを含
み、
前記反復ごとに変化するパラメータは:
-前記ブレード(20)それぞれの回転速度;
-前記カウンターブレード(21)それぞれの回転速度;
-前記フィルム(2)の進行速度;
並びに、
-前記ブレード(20)それぞれの厚さ;
-前記ブレード(20)それぞれの材質;
-前記カウンターブレード(21)それぞれの厚さ;及び
-前記カウンターブレード(21)それぞれの材質;
または
-前記ブレード(20)それぞれと前記フィルム(2)との間に形成される剪断角度;及び
-前記ブレード(20)それぞれと前記ブレード(20)と連携するカウンターブレード(21)との間の重なり;
であることを特徴とする最適化方法。
【請求項2】
前記フィルム(2)は、第1の表面及び前記第1の表面の反対側の第2の表面を有し、前記第1の表面は、少なくとも1つのインク層でコーティングされることを特徴とする、請求項1に記載の最適化方法。
【請求項3】
前記ブレードアセンブリ(10)それぞれについて、パラメータは:
-前記ブレード(20)の厚さ;
-前記ブレード(20)の材質;
-前記ブレード(20)の直径;
-前記ブレード(20)の形状;
-前記カウンターブレード(21)の厚
さ;
-前記カウンターブレード(21)の材質;
-前記カウンターブレード(21)の直径;及び
-前記カウンターブレード(21)の形状;
であることを特徴とする請求項1または2に記載の最適化方法。
【請求項4】
前記フィルム進行システム(12)及び前記ブレード/カウンターブレード推進システム(14)に関連するパラメータは:
-前記ブレード(20)それぞれの回転速度;
-前記カウンターブレード(21)それぞれの回転速度;
-前記ブレード(20)それぞれにかけられる圧力;
-前記カウンターブレード(21)それぞれにかけられる圧力;
-前記フィルム(2)の進行速度;
-前記フィルム(2)の張力;
-前記ブレード(20)それぞれの回転速度と、前記ブレード(20)と連携する前記カウンターブレード(21)の回転速度との比率;及び
-前記ブレード(20)それぞれと、前記ブレード(20)と連携する前記カウンターブレード(21)との重なり;
であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の最適化方法。
【請求項5】
前記ブレード(20)それぞれの回転速度(20)、前記カウンターブレード(21)それぞれの回転速度及び前記フィルム(2)の進行速度は、反復ごとに一定に保たれ、従って、前記反復ごとに変化するパラメータは:
-前記ブレード(20)それぞれの厚さ;
-前記ブレード(20)それぞれの材質;
-前記カウンターブレード(21)それぞれの厚さ;及び
-前記カウンターブレード(21)それぞれの材質;
または
-前記ブレード(20)それぞれと前記フィルム(2)の間に形成される剪断角度;及び
-前記ブレード(20)それぞれと前記ブレード(20)と連携するカウンターブレード(21)との間の重なり;
であることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の最適化方法。
【請求項6】
評価基準が:
-スループット率;
-速度;
-ファウリング;
-前記フィルム(2)の品質;及び
-前記ブレード(20)及び前記カウンターブレード(21)の耐用年数;
副基準の重み付けであることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の最適化方法。
【請求項7】
前記重み付けは、前記速度及び前記ファウリングの副基準のみが使用されるようになされることを特徴とする請求項
6に記載の最適化方法。
【請求項8】
前記フィルム(2)を進行させるための前記フィルム進行システム(12)が、第1のローラー(25)及び第2のローラー(26)を含み、速度の副基準が、前記第1及び第2のローラー(25、26)の回転速度を測定することによって決定され、ここで、前記ファウリングの副基準は、少なくともイメージセンサーによって測定されることを特徴とする請求項
6または
7に記載の最適化方法。
【請求項9】
前記フィルム(2)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)でできていることを特徴とする請求項1~
8のいずれか一項に記載の最適化方法。
【請求項10】
前記ブレード(20)ぞれぞれは、刃先を備えるカッター(22)を備え、前記カッター(22)は放物線形状を有することを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の最適化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、10ミクロン以下の厚さを有するフィルムを剪断するための剪断ベンチを最適化するための最適化方法、及び、関連する剪断ベンチに関する。
【背景技術】
【0002】
剪断ベンチは既知であり、これは、フィルムを剪断するように構成されたブレード及びカウンターブレードを備える少なくとも1つのブレードアセンブリを備える。ブレード及びカウンターブレードは、通常、それぞれのローラーに取り付けられた円形のブレードである。フィルムはローラー間の剪断ベンチを通過することができる。
【0003】
ただし、さまざまな点で剪断ベンチの性能は完全に満足のいくものではない。例えば、剪断ベンチの生産性やフィルムの製品品質は最適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、改善された特性を示す剪断ベンチの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本願は、10ミクロン以下の厚さを有するフィルムを剪断するための剪断ベンチを最適化するための最適化方法に関する。剪断ベンチは、複数の要素を備え、各要素は複数のパラメータによって特徴付けられている。パラメータのセットは、剪断ベンチのパラメータから成り、複数の要素は、ブレード及びブレードと協働するカウンターブレードを備える少なくとも1つのブレードアセンブリ、フィルムを進行させるためフィルム進行システム、並びに、ブレード及びカウンターブレードを互い対して動かしてフィルムを剪断するためのブレード/カウンター-ブレード推進システムを備える。本方法は、剪断ベンチのパラメータを選択するためのパラメータ選択ステップ、剪断ベンチを評価するための評価基準に対応する剪断ベンチの測定値を取得するために、選択されたパラメータを提示する剪断ベンチの性能を測定するための性能測定ステップ、及び、所望の値と測定値とを比較するための値比較ステップを含む。測定値が所望の値よりも厳密に低い場合、パラメータ選択、性能測定、及び、値比較のステップは、少なくとも1つの選択されたパラメータを変更することによって測定された値が所望の値以上になる時まで反復され、少なくとも1つの変更されたパラメータは、各ブレードアセンブリ、フィルム進行システム、及び、ブレード/カウンターブレード推進システムのパラメータの一部である。次いで、本方法は、選択されたパラメータを選択するためのパラメータ選択ステップを含む。
【0006】
特定の実施形態によれば、最適化方法は、単独で、または技術的に可能なすべての組み合わせに従って考慮された、以下の特徴的な特徴のうちの1つまたは複数を含む:
-フィルムは、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有し、第1の表面は、少なくとも1つのインク層でコーティングされている;
-各ブレードアセンブリのパラメータは、ブレードの厚さ、ブレードの材質、ブレードの直径、ブレードの形状、カウンターブレードの厚さ、カウンターブレードの材料、カウンターブレードの直径、及び、カウンターブレードの形状である;
-システムに関連するパラメータは、各ブレードの回転速度、各カウンターブレードの回転速度、各ブレードに適用される圧力、各カウンターブレードに適用される圧力、フィルムの進行速度、フィルムの張力、カウンターブレードの回転速度に対するブレードの回転速度の比、及び、カウンターブレードとのブレードの重なりである;
-反復ごとに異なる唯一のパラメータは、各ブレードの厚さ、各ブレードの材料、各カウンターブレードの厚さ、各カウンターブレードの材料、各ブレードの回転速度、各カウンターブレードの回転速度、及び、フィルムの進行速度である;
-反復ごとに異なる唯一のパラメータは、各ブレードの回転速度、各カウンターブレードの回転速度、及び、フィルムの進行速度である;
-反復ごとに異なる唯一のパラメータは、各ブレードとフィルムの間に形成される剪断角度、各ブレードとカウンターの間の重なりブレードと連携するブレード、各ブレードの回転速度、各カウンターの回転速度-ブレード、及びフィルムの進行速度である;
-反復ごとに異なる唯一のパラメータは、各ブレードとフィルムとの間に形成される剪断角度、及び、各ブレードと、ブレードと協働するカウンターブレードと、の間の重なり;である;
-評価基準は、スループット率、速度、ファウリング、フィルムの品質、及び、ブレードの耐用年数の副基準の重み付けである;
-重み付けは、速度とファウリングとの下位基準のみが使用されるようになっている;
-フィルムを進行させるためのフィルム進行システムは、第1のローラー及び第2のローラーを含み、速度の下位基準は、第1及び第2のローラーの回転速度を測定することによって決定され、ファウリングの下位基準は、少なくともイメージセンサー;
-フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)で作られる;
-各ブレードは、刃先を含むカッターで構成され、カッターは放物線形状を有する。
【0007】
また、本特許明細書は、10ミクロン以下の厚さを有するフィルムを剪断するための剪断ベンチに関する。剪断ベンチは、複数の要素を含み、各要素は、複数のパラメータによって特徴付けられ、パラメータのセットは、剪断ベンチのパレメータから成り、複数の要素は、ブレード及びブレードと協働するカウンターブレードを備える少なくとも1つのブレードアセンブリ、フィルムを進行させるためのフィルム進行システム、及び、ブレードとカウンターブレードを互いに対して押し付けてフィルムを剪断するためのブレード/カウンターブレード推進システムを備え、剪断ベンチは、上述の最適化方法を実施することによって選択されたパラメータを有する。
【0008】
本発明の他の特徴的な特徴及び利点は、以下を含む図面を参照して例としてのみ提供される本発明の実施形態の以下の説明を読むと明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1による例示的な剪断ベンチの一部の概略断面図である。
【
図3】
図1に従って剪断ベンチを最適化するための最適化方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
フィルムを剪断するための剪断ベンチ1を
図1に示す。剪断ベンチ1は、フィルム2を剪断するように構成される(特に、
図2に示す)。
【0011】
特に、剪断ベンチ1は、以下の特性のうちの1つ以上を有するフィルム2を剪断するように構成される。
【0012】
フィルム2は、4ミクロン~10ミクロンの間、好ましくは6ミクロン以下の厚さを有する。
【0013】
フィルム2は、例えば、ポリアミドまたはポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、またはPETなどのタイプのポリマーでできている。
【0014】
フィルム2は、特に二軸配向されている。「二軸配向」という用語は、フィルム2が第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有することを示すと理解される。第1の表面は、特にホットメルトインクであるインクの少なくとも1つの層でコーティングされている。第1の表面のインク層は、印刷中に受容媒体に転写されることを意図している。受容媒体は、例えば、フィルム2のインク層を保護するための接着剤層及び/または保護層と組み合わされる/結合される。フィルム2の第2の表面は、意図された裏打ちと呼ばれる少なくとも1つの層でコーティングされる。フィルム2を保護するため。第2の表面は、特にスライド可能な表面を提示する。特に、スライド可能な表面により、プリントヘッドの下でのフィルムの進行が可能になる。
【0015】
提供された例では、フィルム2は、ワックス、樹脂、及びカーボンブラックなどの少なくとも1つの顔料からなるインクの層でコーティングされたPETで作られた第1の表面を有する。第2の表面は、シリコーン誘導体からなる層でコーティングされている。
【0016】
剪断ベンチ1は、特に、剪断ベンチ1を通って進行方向D1に沿って進行するようにスライドするように設計されたテープの形態で供給されるフィルム2を剪断するように構成される。特に、剪断ベンチ1は、以下のように構成される。フィルムを剪断します。進行方向D1に沿った長さが300メートルから1200メートルの間である2。
【0017】
剪断ベンチ1については、進行方向D1に実質的に直交する第2の方向D2が定義されている。特に、2番目の方向は水平です。進行方向D1に直交し、第2の方向D2に直交する第3の方向D3がさらに定義される。
【0018】
剪断ベンチ1は、複数の要素を含む。各要素は、複数のパラメータによって特徴付けられ、パラメータのセット全体が剪断ベンチ1のパラメータを構成する。
【0019】
特に、剪断ベンチ1は、少なくとも1つのブレードアセンブリ10、フィルム2を進行させるためのフィルム進行システム12、及び、ブレードアセンブリ10のためのブレード/カウンターブレード推進システム14を備える。
【0020】
図1の例では、9つのブレードアセンブリ10が示されている。
【0021】
各ブレードアセンブリ10は、ブレード20及びブレード20と協働するカウンターブレード21を備える(特に
図2に示される)。
【0022】
各ブレード20は、刃先を備えるカッター22と、カッター22をカウンターブレード21に対して押し付けるように構成されたサスペンション23と、を備える。
【0023】
各ブレード20は円形ブレードである。「円形ブレード」という用語は、第3の方向D3に垂直な平面内において円形のブレードを指す。特に、刃先は円形である。
【0024】
各カウンターブレード21は、例えば、刃先を含むブレード20の一部を受容するように構成された空洞24を備えるリングである。カウンターブレード21は円形ブレードである。
【0025】
各ブレードアセンブリ10は、複数の技術的パラメータを含む。パラメータは、ブレード20及びカウンターブレード21の技術的特性である。
【0026】
各ブレードアセンブリ10について、パラメータは以下の通りである:
-ブレード20の厚さ;
-ブレード20の材質;
-ブレード20の直径;
-ブレード20の形状;
-カウンターブレード21の厚さ;
-カウンターブレード21の材質;
-カウンターブレード21の直径;及び
-カウンターブレード21の形状。
【0027】
ブレード20の厚さは、第3の方向D3に沿って定義される。厚さは、特に、フィルム2と接触することが意図されているブレード20の刃先の厚さである。例えば、ブレード20の厚さは、0.5ミリメートル(mm)に等しい。
【0028】
カウンターブレード21の厚さは、第3の方向D3に沿って定義される。カウンターブレード21の厚さは、第3の方向D3に沿った最大の厚さである。
【0029】
ブレード20またはカウンターブレード21の直径は、進行方向D1に沿って、または第2の方向D2に沿って定義される。
【0030】
ブレード20及びカウンターブレード21の材料は、例えば、セラミックまたは鋼を含む。ブレード20のカッター22は、例えば、本質的に炭化タングステンを含み、これは、好ましくはセラミックでコーティングされている。
【0031】
ブレード20の形状は、特に、ブレード20とフィルム2との間に形成される剪断角によって定義される。示される例では、剪断角は、実質的に90度に等しい。
【0032】
ブレード20の形状は、さらに、カッター22の形状を含む。示されている例では、カッター22は、刃先を形成するために点で終端する長方形のベースを備える。
【0033】
変形または追加として、カウンターブレード21に対するブレード20の横方向の動きも考慮に入れられる。
【0034】
出願人は、試験により、驚くべき方法で、放物線形状を有するカッター22がフィルム2を切断するのに特に有利であることを観察した。特に、放物線形状を有するカッターの刃先の厚さは、直線形状のカッターの刃先の厚さよりもより薄い。
【0035】
ブレード20の他の形状を考慮することができる。
【0036】
フィルム2進行システム12は、第1の回転軸を有する第1のローラー25と、第1の回転軸に実質的に平行である第2の回転軸を有する第2のローラー26とを少なくとも含む。さらに、フィルム進行システム12は、第1及び第2のローラー25、26を支持することができる支持基板28を備える。特に、第1及び第2のローラー25、26は、支持基板28に対してそれぞれ第1及び第2の軸の周りを回転して移動可能である。
【0037】
第1のローラー25はブレード20を備えており、第2のローラー26はカウンターブレード21を備えている。
【0038】
さらに、フィルム進行システム12は、第1及び第2のローラー25、26を駆動するためのモーターを備える。
【0039】
フィルム2を進行させるためのフィルム進行システム12に関して、パラメータは以下の通りである:
-フィルム2の進行速度;及び
-フィルム2の張力。
【0040】
フィルム2の進行速度は、剪断ベンチ1に対して定義される。フィルム進行速度は、例えば、毎分400メートルに等しい。
【0041】
フィルム2の張力は、進行方向D1に沿って、または第3の方向D3に沿ってフィルム2に加えられる物理的力である。例えば、力は実質的に10ニュートンに等しい。
【0042】
ブレード/カウンターブレード推進システム14は、フィルム2を剪断するために、ブレード20及びカウンターブレード21の適用を互いに押し付けるように構成される。
【0043】
ブレード/カウンターブレード推進システム14は、第1のローラー25及び/または第2のローラー26を移動させるための少なくとも1つのローラー移動装置40と、少なくとも1つのコントローラ42と、を備える。
【0044】
ローラー移動装置40は、例えば、第1及び/または第2のローラー25、26の一端を並進運動で移動可能に取り付けられた垂直レールを備える。ローラー移動装置40は、第2の方向D2に沿って第1のローラー25及び/または第2のローラー26を移動するように構成される。また、ローラー移動装置40は、第3の方向D3に沿って第1のローラー25及び/または第2のローラー26を移動させるように構成されている。
【0045】
コントローラ42は、例えば、コンピュータである。
【0046】
コントローラ42は、特に、ローラー移動装置40にコマンドを送信し、ローラー移動装置40の動作を制御するように構成される。
【0047】
ブレード/カウンターブレード推進システム14は、例えば、以下の技術的パラメータを有する:
-各ブレード20の回転速度;
-各カウンターブレード21の回転速度;
-各ブレード20にかけられる圧力:
-各カウンターブレード21にかけられる圧力;
-ブレード20の回転速度とカウンターブレード21の回転速度との比;及び
-ブレード20とカウンターブレード21との重なり。
【0048】
好ましくは、各ブレード20の回転速度は、第1のローラー25の回転速度であり、各カウンターブレード21の回転速度は、第2のローラー26の回転速度である。
【0049】
各ブレード20または各カウンターブレード21にかけられる圧力は、各ブレード20またはカウンターブレード21に加えられる力である。
【0050】
かけられる圧力は、複数の要因に依存する。例えば、かけられる圧力は、ブレード20またはカウンターブレード21の回転速度及びフィルム2の厚さに依存する。かけられる圧力は、例えば、50ニュートンに等しい。
【0051】
ブレード20の回転速度とカウンターブレード21の回転速度との比は、ブレードの摩耗に影響を与える技術的パラメータである。特に、速度が非常に異なる場合、ブレード20、21はより大きな摩耗を受ける。例えば、比は5%に等しい。
【0052】
ブレード20とカウンターブレード21との重なりは、進行方向D1に垂直な平面で観察される。例えば、
図2において見られるように、ブレード部分20は、空洞24に含まれている、すなわち、ブレード20は、カウンターブレード21と重なっている。
【0053】
剪断ベンチ1を最適化するための最適化方法に使用されるパラメータのみを説明してきた。他のパラメータが考慮され得る。
【0054】
このような剪断ベンチ1の前述のパラメータを最適化するために、最適化方法100が操作上実施され、実施例が、下記の段落で説明される。
【0055】
この方法は、1つのパラメータ選択ステップ110、1つの性能測定ステップ120、及び、1つの値比較ステップ130を少なくとも備える。
【0056】
パラメータ選択ステップ110の間に、剪断ベンチ1のパラメータが選択される。特に、選択されたパラメータは、ブレードアセンブリ10、フィルム進行システム12、及び、ブレード/カウンターブレード推進システム14のためのものである。
【0057】
最初の例では、パラメータは、各パラメータの事前定義された値の範囲からランダムに選択される。
【0058】
別の例では、各パラメータは、市場で入手可能な剪断ベンチに基づいて選択される。
【0059】
別の例によれば、互換性のあるパラメータのテーブルが事前に定義されている。1つのパラメータは、例えばランダムに選択され、他のパラメータはテーブルを使用して定義される。
【0060】
好ましくは、コントローラ42は、パラメータの組み合わせを決定する。特に、パラメータの組み合わせは、コントローラ42によるパラメータの自動定義を伴う多数の変形を含む。
【0061】
性能測定ステップ120の間に、選択されたパラメータを有する剪断ベンチ1の性能が測定される。
【0062】
この性能は、剪断ベンチ1に関連する複数の物理量を評価することによって評価される。
【0063】
物理量のセットが測定値を構成する。測定値は評価基準に対応する。評価基準は、1つまたは複数の副基準に対応するし。副基準は、例えば、次のとおりである:
-スループット率;
-速度;
-ファウリング;
-フィルム2の品質、及び
-ブレードの耐用年数。
【0064】
スループット率の副基準は、事前定義された期間中に剪断ベンチ1を通過したフィルム2の長さを決定することによって測定される。例えば、24時間にわたって通過したフィルム2の長さが測定される。例として、例えばメンテナンスの理由で剪断ベンチが頻繁にシャットダウンされる場合、剪断ベンチ1を通過したフィルム2はより短い長さであることが見出され、他の副基準は一定に保たれる。
【0065】
速度の副基準は、例えばタコメータを用いて、ローラー25、26の回転速度を測定することによって評価される。
【0066】
ファウリングの副基準は、例えば、特にブレード20及び/またはカウンターブレード21上の残留物を判断することができる、カメラなどの少なくとも1つの画像センサによって測定される。
【0067】
フィルム2の品質の副基準は、フィルム2の厚さの均一性または不均一性、フィルム2の幅の均一性または不均一性、フィルム2のカットエッジの真直度または非真直度、及び、カットエッジのほつれまたは非ほつれの中から1つまたは複数の要因を考慮に入れることによって評価される。例えば、フィルム2の品質の副基準は、剪断ベンチ1の使用者によって、または光学制御センサを備えた制御機械によって評価される。
【0068】
ブレードの耐用年数の副基準は、ブレード20及びカウンターブレード21の適切な動作の時間を測定することによって評価される。「適切な動作」という用語は、ブレードアセンブリ10が事前定義された要件、特に刃先に関する要件に従ってフィルム2を剪断することを示すと理解される。特に、出願人は、例えば、ブレード20、21の高速回転で動作するために、ブレード20、21が加熱されると、ブレード20、21の耐用年数が減少することに留意した。
【0069】
測定された副基準に基づいて、剪断ベンチ1を評価するための評価基準に対応する剪断ベンチ1の測定値が決定される。
【0070】
特に、副基準は、性能測定ステップ120の間に重み付けを適用することによって組み合わされる。
【0071】
重み付けは、例えば、少なくとも1つの多次元関数を含む。例えば、考慮される各下位基準について、関数には関数変数が含まれる。例として、2つの下位基準が考慮される場合、関数には2つの関数変数が含まれる。
【0072】
好ましくは、重み付けは、速度及びファウリングの副基準のみが使用されるようなものである。この例では、測定された速度が最初の機能変数であり、測定されたファウリングが2番目の機能変数である。関数の結果が測定値である。測定ステップ120の終わりに、測定値が得られる。
【0073】
値比較ステップ130の間に、測定値は、所望の値と比較される。
【0074】
所望の値は、最適化方法を実施する前に事前に定義されることが好ましい。所望の値は、例えば、剪断ベンチ1の要件に基づいて定義される。
【0075】
測定値が所望の値よりも厳密に低い場合、矢印150による反復を示す
図3に示されるように、パラメータ選択110、性能測定120、及び値比較130のステップが反復される。反復中、各ブレードアセンブリ10、フィルム進行システム12、及び、ブレード/カウンターブレード推進システム14それぞれのパラメータの中から選択されたパラメータの少なくとも1つが変更される。
【0076】
好ましくは、反復ごとに変化するのは以下のパラメータのみである:
-各ブレード20の厚さ;
-各ブレード20の材質;
-各カウンターブレード21の厚さ;
-各カウンターブレード21の材質;
-各ブレード20の回転速度;
-各カウンターブレード21の回転速度;及び
-フィルム2の進行速度。
【0077】
これらのパラメータのみをパラメータとして選択することは予測不可能であり、出願人が行った作業の結果である。特に、この選択は、変更されるパラメータの数を減らすことを可能にするのと同時に、剪断ベンチ1において様々な性能の改善を得ることが可能にする。
【0078】
好ましくは、ある反復から別の反復まで変化するのは以下のパラメータのみである:
-各ブレード20の回転速度;
-各カウンターブレード21の回転速度;
-フィルム2の進行速度;及び
-ブレード20とフィルム2との間に形成される剪断角度。
【0079】
定義により、ブレード20とフィルム2との間の剪断角は、フィルム2の法線とブレード20の位置との間の角度である。
【0080】
上記のパラメータを、以下のセクションではメインパラメータと称する。
【0081】
メインパラメータの変更により、最適化方法100をさらに単純化することが可能になる。
【0082】
メインパラメータは、ブレードアセンブリ10、フィルム進行システム12、及びブレード/カウンターブレード推進システム14のパラメータのうち、剪断ベンチ1の性能に最大の影響を与えるパラメータであることに留意されたい。
【0083】
特に、メインパラメータは、ブレードアセンブリ10、フィルム進行システム12、及びブレード/カウンターブレード推進システム14のパラメータのセットの中から他のパラメータの変更を伴うことに留意されたい。結果として、メインパラメータの変更は、同時に、他のパラメータの変更を可能にする。
【0084】
例えば、フィルム2の進行速度は、特に、ブレードアセンブリ10は、フィルム進行速度2が増加した場合、フィルム2をより長い長さ一定期間に亘ってカットするという事実のために、各ブレード20にかけられる圧力、及び、各カウンターブレード21にかけられる圧力に関連している。
【0085】
ステップ110、120、及び130は、好ましくは、測定値が所望の値以上になるまで反復される。
【0086】
測定値が所望の値以上である場合、パラメータ選択ステップ140が実施される。
【0087】
選択ステップ140の間に、最適化方法100の最後の先行する反復Iの間に選択されたパラメータが、剪断ベンチ1の動作のために選択される。
【0088】
剪断ベンチ1を最適化するための最適化方法100には、複数の利点がある。
【0089】
例えばメインパラメータに亘って、パラメータを削減することは、剪断ベンチ1の操作に関して満足のいく結果を達成することを可能にし、同時に、最適化の複雑さを制限することを可能にする。
【0090】
このようなパラメータの削減は、インクリボンの場合に明確である。
【0091】
実際、ブレード20及びカウンターブレード21の接触を制御するパラメータのみが含まれる。
【0092】
さらに、剪断されるフィルム2の性質のために、速度及びファウリングのみが使用されるので、副基準は好ましくは明確である。
【0093】
特に、得られるフィルム2の形状は考慮されない。
【0094】
従って、最適化方法100は、剪断ベンチ1において所望の性能レベルを得ることが可能である。最適化方法100のおかげで、よりよい特性を示す剪断ベンチ1がこうして得られる。
【0095】
特に、手動使用では、剪断ベンチ1の最高速度は毎分500メートル(速度は制限されている)であり、ブレード20/カウンターブレード21の耐用年数は500万から800万リニアメートルであり、1時間当たり4000リニアメートルを得ることが可能である。
【0096】
自動使用の場合、値はさらに高くなる。剪断ベンチ1の最高速度は毎分800メートルから毎分900メートルであり、ブレード20/カウンターブレード21の耐用年数は1000万リニアメートル以上であり、1時間当たり10,000リニアメーターを得ることが可能である。
【0097】
どちらの場合も、ファウリングはない。シンプルなトレースのみが観察され、これにより、剪断に影響を与えずに継続できる。
【0098】
さらに、剪断ベンチ1で生成されるメーターの数と、剪断ベンチ1で生成できる理論上のメーターの数と、の比率として定義される、OEEとも呼ばれる総合設備効率は、85%に等しい。
【0099】
技術的に可能な場合、前述の実施形態の組み合わせも想定され得る。
【符号の説明】
【0100】
1 剪断ベンチ
2 フィルム
10 ブレードアセンブリ
12 フィルム進行システム
14 ブレード/カウンターブレード推進システム
20 ブレード
21 カウンターブレード
22 カッター
23 サスペンション
24 空洞
25 第1のローラー
26 第2のローラー
28 支持基板
40 ローラー移動装置
42 コントローラ