IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロイヴィオス リミテッドの特許一覧

特許7301115腎灌流を増加させるために負圧を誘発させるための尿管および膀胱カテーテルおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】腎灌流を増加させるために負圧を誘発させるための尿管および膀胱カテーテルおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20230623BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61M25/00 530
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021192870
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2018230660の分割
【原出願日】2016-07-20
(65)【公開番号】P2022016687
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】62/194,585
(32)【優先日】2015-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/260,966
(32)【優先日】2015-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/278,721
(32)【優先日】2016-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/300,025
(32)【優先日】2016-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521462440
【氏名又は名称】ロイヴィオス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール. アービー ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ エル. アッパーコー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アレン フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ウィリアム ストレイン
(72)【発明者】
【氏名】ランス マイケル ブラック
【審査官】中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0060806(US,A1)
【文献】米国特許第05599291(US,A)
【文献】特開2010-230618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の排尿を促進するための負圧療法システムであって、前記システムは、
(a)遠位端および近位端を備える近位部分を備える排出管腔部分と、前記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分とを備える尿管カテーテルであって、前記尿管カテーテルは、前記患者の尿路内に位置付けられるように構成され、前記保定部分は、前記患者の腎盂内に位置付けられるように構成され、前記保定部分は、第1の直径および第2の直径を備え、前記第1の直径は、前記第2の直径よりも小さく、前記第1の直径は、前記保定部分の近位端にあり、前記第2の直径は、前記保定部分の遠位端にあり、前記第2の直径は、前記排出管腔部分の直径よりも大きい、尿管カテーテルと、
(b)前記患者の前記尿路内に産生された尿についての情報を判定するように構成される1つ以上のセンサと、
(c)前記尿管カテーテルを通って前記患者の前記尿路の中へと負圧を誘発するためのポンプと、
(d)前記1つ以上のセンサによって判定された前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記ポンプの1つ以上の動作パラメータを調節することにより、前記患者の尿産生を増加させるように構成されるコントローラと
を備え
前記情報は、前記尿の電気伝導率、前記尿の流率、または前記尿の温度を含む、負圧療法システム。
【請求項2】
膀胱カテーテルをさらに備え、前記ポンプは、前記膀胱カテーテルおよび前記尿管カテーテルの両方を通って負圧を誘発する、請求項1に記載の負圧療法システム。
【請求項3】
前記ポンプは、前記患者の腎臓内での間質圧を改変する、請求項1に記載の負圧療法システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記負圧を治療上適切なレベルへと調節する、請求項1に記載の負圧療法システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ポンプが負圧を誘発する頻度を調節する、請求項1に記載の負圧療法システム。
【請求項6】
前記コントローラは、2つ以上の異なる圧力レベルで負圧を誘発する、請求項1に記載の負圧療法システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2015年7月20日に出願された米国仮出願第62/194,585号、2015年11月30日に出願された米国仮出願第62/260,966号、2016年1月14日に出願された米国仮出願第62/278,721号、2016年2月25日に出願された米国仮出願第62/300,025号の利益を主張するものであり、これらの各々の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、種々の疾患状態に及ぶ腎機能障害を治療するための方法およびデバイスに関し、特に、尿の収集および/または尿管および/または腎臓内での負圧の誘発のためのカテーテルデバイス、アセンブリおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腎臓または泌尿系は、一対の腎臓を含み、各腎臓は、尿管によって膀胱に接続され、そこから腎臓によって膀胱から産生される尿を排出するための尿道に接続される。腎臓は、例えば、血液を濾過し、尿の形態で廃棄物を排除することを含め、人体にとっていくつかの重要な機能を行う。腎臓はまた、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、およびカルシウム)および代謝物、血液量、血圧、血液pH、体液量、赤血球の産生、および骨代謝を調整する。腎臓の生体構造および生理学の適正な理解は、改変された血行動態である他の体液量過剰状態がその機能に及ぼす影響を理解するために有用である。
【0004】
正常な生体構造では、2つの腎臓は、腹腔内の腹膜後に位置する。腎臓は、豆形状の被包された器官である。尿は、腎臓の機能単位である腎単位によって形成され、次いで、集合管と呼ばれる収束尿細管系を通して流動する。集合管は、ともに継合し、小腎杯、次いで、大腎杯を形成し、最終的には、腎臓の凹状部分(腎盂)の近傍で継合する。腎盂の主要機能は、尿流動を尿管に指向することである。尿は、腎盂から、尿を腎臓から膀胱の中に搬送する管状構造である、尿管の中に流動する。腎臓の外側層は、外皮と呼ばれ、剛性線維状被包である。腎臓の内部は、髄質と呼ばれる。髄質構造は、錐体状に配列される。
【0005】
各腎臓は、約百万腎単位から成る。各腎単位は、糸球体と、ボーマン嚢と、尿細管とを含む。尿細管は、近位曲尿細管と、ヘンレのループと、遠位曲尿細管と、集合管とを含む。腎臓の外皮層内に含有される腎単位は、髄質内に含有されるものの生体構造と明確に異なる。主な差異は、ヘンレのループの長さである。髄質腎単位は、より長いヘンレのループを含有し、これは、正常状況下、外皮腎単位より優れた水分およびナトリウム再吸収の調整を可能にする。
【0006】
糸球体は、腎単位の起始部であって、血液の初期濾過に責任がある。輸入細動脈は、血液を糸球体毛細血管の中に通過させ、そこで静水圧が、水および溶質をボーマン嚢の中に押動させる。正味濾過圧力は、輸入細動脈内の静水圧から、ボーマン隙内の静水圧を差し引き、そこから輸出細動脈内の浸透圧を差し引いたものとして表される。
正味濾過圧力=静水圧(輸入細動脈)-静水圧(ボーマン隙)-浸透圧(輸出細動脈)(方程式1)
【0007】
方程式1によって定義された本正味濾過圧力の大きさは、ボーマン隙内に形成され、尿細管に送達される限外濾過液の量を判定する。残りの血液は、輸出細動脈を介して、糸球体から退出する。正常糸球体濾過、すなわち、限外濾過液の尿細管の中への送達は、約90ml/分/1.73mである。
【0008】
糸球体は、3層濾過構造を有し、血管内皮と、糸球体基底膜と、有足細胞とを含む。通常、アルブミンおよび赤血球等の巨大タンパク質は、ボーマン隙の中に濾過されない。しかしながら、上昇糸球体圧力および糸球体間質拡張が、表面積変化を基底膜上にもたらし、有足細胞間のより大きい開窓が、より巨大なタンパク質がボーマン隙の中に通過することを可能にする。
【0009】
ボーマン隙内に収集される限外濾過液は、最初に、近位曲尿細管に送達される。尿細管内での水分および溶質の再吸収および分泌が、能動輸送チャネルおよび受動圧力勾配の混合によって行われる。近位曲尿細管は、通常、塩化ナトリウムおよび水分の大部分と、糸球体によって濾過されたほぼ全てのグルコースおよびアミノ酸とを再吸収する。ヘンレのループは、尿中の廃棄物を濃縮するように設計される、2つの構成要素を有する。下行脚は、高度に水浸透性であって、残りの水分の大部分を再吸収する。上行脚は、残りの塩化ナトリウムの25%を再吸収し、例えば、尿素およびクレアチニンの観点から、濃縮された尿を生成する。遠位曲尿細管は、通常、小割合の塩化ナトリウムを再吸収し、浸透勾配が、水分が追従する状態をもたらす。
【0010】
正常状態下では、正味濾過は、約14mmHgである。静脈鬱滞の影響は、約4mmHgまでの正味濾過の有意な減少であり得る。Jessup M.,Thecardiorenal syndrome:Do we need a change of strategy or a change of tactics?,JACC53(7):597-600,2009(以降、「Jessup」)を参照されたい。第2の濾過段階は、近位尿細管で生じる。尿からの分泌および吸収の大部分は、髄質腎単位内の尿細管で生じる。尿細管から間質空間の中へのナトリウムの能動輸送が、本プロセスを開始する。しかしながら、静水力が、溶質および水分の正味交換を左右する。正常状況下では、ナトリウムの75%がリンパまたは静脈循環の中に再吸収されると考えられる。しかしながら、腎臓は、被包されているため、静脈およびリンパ鬱滞の両方からの静水圧の変化に敏感である。静脈鬱滞の間、ナトリウムおよび水分の貯留は、85%を超え、腎鬱滞をさらに長引かせ得る。Verbrugge et al.,The kidney in congestive heart failure:Are natriuresis, sodium, and diruetucs really the good,the bad and the ugly?European Journal of Heart Failure 2014:16,133-42(以降、「Verbrugge」)を参照されたい。
【0011】
静脈鬱滞は、急性腎傷害(AKI)の腎前性形態につながり得る。腎前性AKIは、腎臓を通した潅流の損失(または血流の損失)に起因する。多くの臨床医は、急性循環不全状態に起因する腎臓の中への流動の欠如に焦点を当てる。しかしながら、また、静脈鬱滞に起因する器官からの血流の欠如も、臨床上重要な持続的傷害であり得るという証拠が存在する。Damman K,Importance of venous congestion for worsening renal function in advanced decompensated heart failure,JACC17:589-96,2009(以降、「Damman」)を参照されたい。
【0012】
腎前性AKIは、様々な診断を横断して生じ、救命救急入院を要求する。最も顕著な入院は、敗血症および急性非代償性心不全(ADHF)に関するものである。付加的入院は、心血管外科、一般外科、肝硬変、外傷、熱傷、および膵炎を含む。これらの疾患状態の症状には、広範な臨床上のばらつきがあるが、共通点は、中心静脈圧の上昇である。ADHFの場合、心不全によって生じる中心静脈圧の上昇は、肺浮腫、続いて、呼吸困難につながり、順に、入院が促される。敗血症の場合、中心静脈圧の上昇は、主に、大量の急速輸液の結果である。一次侵襲が、血液量減少またはナトリウムおよび流体貯留に起因する低潅流であるかどうかにかかわらず、持続的傷害は、静脈鬱滞であって、不適正な潅流をもたらす。
【0013】
高血圧症は、腎臓の能動および受動輸送系内に摂動をもたらす、別の広く認識される状態である。高血圧症は、直接、輸入細動脈圧に影響を及ぼし、糸球体内の正味濾過圧の比例増加をもたらす。増加される濾過割合はまた、尿細管周囲毛細血管圧を上昇させ、これは、ナトリウムおよび水分再吸収を刺激する。Verbruggeを参照されたい。
【0014】
腎臓は、被包された器官であるため、髄質錐体内の圧力変化に敏感である。腎静脈圧の上昇は、間質圧の上昇につながる鬱滞をもたらす。間質圧の上昇は、糸球体および尿細管の両方に力を付与する。Verburggeを参照されたい。糸球体では、間質圧の上昇は、直接、濾過に対抗する。圧力の増加は、間質流体を増加させ、それによって、腎臓の髄質内の間質流体および尿細管周囲毛細血管中の静水圧を増加させる。両事例において、低酸素は、細胞傷害および潅流のさらなる損失につながることを確実にし得る。正味結果は、ナトリウムおよび水分再吸収のさらなる悪化であって、負のフィードバックをもたらす。Verbrugge(133-42)を参照されたい。特に、腹腔内の体液量過剰は、腹腔内圧上昇、腹部コンパートメント症候群、および急性腎不全を含む、多くの疾患および状態と関連付けられる。体液量過剰は、腎置換療法を通して対処されることができる。Peters, C.D., Short and Long-Term Effects of the Angiotensin II Receptor Blocker Irbesartanon Intradialytic Central Hemodynamics:A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled One-Year Intervention Trial(the SAFIR Study),PLoSONE(2015)10(6):e0126882.doi:10.1371/journal.pone.0126882(以降、「Peters」)を参照されたい。しかしながら、そのような臨床方略は、心腎症候群を伴う患者の腎機能に改善を提供しない。Bart B,Ultrafiltration in decompensated heart failure with cardiorenal syndrome,NEJM2012;367:2296-2304(以降、「Bart」)を参照されたい。
【0015】
流体貯留のそのような問題となる影響に照らして、尿路からの尿の除去を改良するための、具体的には、腎臓からの排尿の量および品質を増加させるためのデバイスおよび方法が、必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【文献】Jessup M.,Thecardiorenal syndrome:Do we need a change of strategy or a change of tactics?,JACC53(7):597-600,2009
【文献】Verbrugge et al.,The kidney in congestive heart failure:Are natriuresis, sodium, and diruetucs really the good,the bad and the ugly?European Journal of Heart Failure 2014:16,133-42
【文献】Damman K,Importance of venous congestion for worsening renal function in advanced decompensated heart failure,JACC17:589-96,2009
【文献】Peters, C.D., Short and Long-Term Effects of the Angiotensin II Receptor Blocker Irbesartanon Intradialytic Central Hemodynamics:A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled One-Year Intervention Trial(the SAFIR Study),PLoSONE(2015)10(6):e0126882.doi:10.1371/journal.pone.0126882
【文献】Bart B,Ultrafiltration in decompensated heart failure with cardiorenal syndrome,NEJM2012;367:2296-2304
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
いくつかの実施例では、尿管カテーテルが、提供され、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満である。
【0018】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリが、提供され、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満である、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部を本質的または完全にシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える。
【0019】
いくつかの実施例では、尿管カテーテルが、提供され、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、第2の直径が第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分とを備える。
【0020】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリが、提供され、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、第2の直径が第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える。
【0021】
いくつかの実施例では、尿管カテーテルが、提供され、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、展開位置において、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、保定部分の近位端と保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備える、保定部分とを備え、各管は、排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える。
【0022】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリが、提供され、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、展開位置において、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、保定部分の近位端と保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備える、保定部分とを備え、各管は、排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える。
【0023】
いくつかの実施例では、コネクタが、患者の尿管および/または腎臓に位置付けられるように構成される尿管カテーテルを負圧を尿管および/または腎臓内で誘発するための真空源に接続し、かつ膀胱カテーテルを重力排出による膀胱からの尿の流体収集のための流体収集容器に接続するために提供され、コネクタは、コネクタ本体と、コネクタ本体から延在する第1および第2の尿管カテーテル流入ポートであって、それぞれ、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる尿管カテーテルに接続されるように構成される、流入ポートと、各流入ポートと流体連通し、負圧を個別の尿管カテーテル内で誘発するためにポンプに接続されるように構成される、尿管カテーテル流出ポートと、膀胱カテーテルに接続されるように構成される、重力排出流入ポートと、膀胱カテーテル流入ポートと流体連通し、流体収集容器に接続されるように構成される、重力排出流出ポートとを備える。
【0024】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリが、提供され、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第1の尿管カテーテルおよび患者の他の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第2の尿管カテーテルであって、それぞれ、排出管腔を画定し、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分とを備え、排出管腔部分または保定部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える。
【0025】
いくつかの実施例では、膀胱カテーテルが、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる展開された尿管カテーテルによって収集されない過剰尿を収集するために患者の膀胱内での展開のために提供され、膀胱カテーテルは、排出管腔を画定し、近位端部分、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端部分、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、尿道開口部をシールするように構成される、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分のうちの少なくとも1つは、尿を膀胱から放出するための排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える。
【0026】
いくつかの実施例では、システムが、負圧を患者の尿路の一部分内で誘発するために提供され、本システムは、尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分を備え、排出管腔部分または保定部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、尿管カテーテルの排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通するポンプであって、負圧を患者の尿路の一部分内で誘発し、流体を尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すように構成される、ポンプとを備える。
【0027】
前述のカテーテルおよびアセンブリを使用する方法もまた、提供される。
【0028】
いくつかの実施例では、腎臓内に間質圧をもたらすために尿を患者の尿管および/または腎臓から抽出するための方法が、提供され、本方法は、カテーテルの遠位端を患者の尿管および/または腎臓内の流体収集位置に位置付けるステップであって、カテーテルは、排出管腔を画定する管を備え、かつ螺旋保定部分および複数の排出ポートを備える、ステップと、負圧をカテーテルの排出管腔内で誘発するステップと、尿を排出ポートを通して排出管腔の中に引き出すことによって尿を抽出し、それによって、患者の腎臓内の間質圧を改変するステップとを含む。
【0029】
いくつかの実施例では、髄質領域の尿細管内の間質圧を減少させ、排尿を促進し、腎臓の髄質内における静脈鬱滞誘発腎単位酸素欠乏症を防止するための負圧の印加による腎臓損傷を阻止するための方法が、提供され、本方法は、尿管および/または腎臓からの尿の流動が展開されたカテーテルによる尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、腎臓からの排尿を促進するための所定の時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、静脈鬱滞に起因する急性腎傷害の治療のための方法が、提供され、本方法は、尿管および/または腎臓が展開されたカテーテルによって閉塞されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内の流体収集位置に展開するステップと、所定の時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加し、それによって、腎臓内の静脈鬱滞を低減させ、急性腎傷害を治療するステップとを含む。
【0031】
いくつかの実施例では、腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNew York Heart Association(NYHA)分類III度および/または分類IV度心不全の治療のための方法が、提供され、本方法は、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、所定の時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加し、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全における体液量過剰を治療するステップとを含む。
【0032】
いくつかの実施例では、腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した第4期および/または第5期慢性腎臓疾患の治療のための方法が、提供され、本方法は、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、所定の時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加し、第4期および/または第5期慢性腎臓疾患を治療するステップとを含む。
【0033】
本発明の非限定的実施例、側面、または実施形態が、ここで、以下の番号が付与された付記に説明されるであろう。
【0034】
付記1:尿管カテーテルであって、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満である、尿管カテーテル。
【0035】
付記2:第1のコイルは、第2のコイルの近位にある、付記1に記載の尿管カテーテル。
【0036】
付記3:患者の尿路の中への挿入に先立って、保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、少なくとも部分的に排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の軸を中心として延在する、付記1または付記2のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0037】
付記4:患者の尿路への挿入に先立って、保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、本質的に排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の軸を中心として延在する、付記1または付記2に記載の尿管カテーテル。
【0038】
付記5:保定部分の軸は、排出管腔の中心軸に対して湾曲される、付記3または付記4に記載の尿管カテーテル。
【0039】
付記6:保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、保定部分の軸を中心として延在し、保定部分の軸は、約15度~約75度に及ぶ中心軸からの角度に位置付けられる、付記1から5のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0040】
付記7:カテーテルは、患者の尿管の中への挿入のための収縮構成と尿管内での展開のための展開構成との間で遷移可能である、付記1から6のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0041】
付記8:保定部分はさらに、第3のコイルを備え、第3のコイルは、第1の直径または第2の直径のいずれかを上回るまたはそれと等しい直径を有する、付記1から7のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0042】
付記9:保定部分は、流体が管の管腔内に受容されることを可能にするための穿孔を備える管を備える、付記1から8のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0043】
付記10:保定部分では、管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、半径方向内向きに面する側上の穿孔の総表面積は、半径方向外向きに面する側上の穿孔の総表面積を上回る、付記9に記載の尿管カテーテル。
【0044】
付記11:保定部分では、管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、穿孔は、半径方向内向きに面する側上に配置され、管の半径方向外向きに面する側は、本質的に穿孔がない、付記9に記載の尿管カテーテル。
【0045】
付記12:管の半径方向外向きに面する側は、穿孔がない、付記11に記載の尿管カテーテル。
【0046】
付記13:管は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、付記1から12のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0047】
付記14:尿収集アセンブリであって、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満である、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部を本質的または完全にシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える、尿収集アセンブリ。
【0048】
付記15:少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、付記14に記載のアセンブリ。
【0049】
付記16:膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、付記14または15のいずれかに記載のアセンブリ。
【0050】
付記17:少なくとも1つの排出ポートは、展開可能アンカ部分の近位の位置において膀胱カテーテルの側壁上に配置される、付記14から16のいずれかに記載のアセンブリ。
【0051】
付記18:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、付記14から17のいずれかに記載のアセンブリ。
【0052】
付記19:展開可能アンカ部分は、展開位置において、膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、付記14から18のいずれかに記載のアセンブリ。
【0053】
付記20:展開可能アンカはさらに、ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、付記18に記載のアセンブリ。
【0054】
付記21:カバーは、ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、付記20に記載のアセンブリ。
【0055】
付記22:少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔は、カテーテルの全長に沿って膀胱の排出管腔と別個である、付記14から21のいずれかに記載のアセンブリ。
【0056】
付記23:尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、第2の直径が第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分とを備える、尿管カテーテル。
【0057】
付記24:保定部分は、排出管腔部分に沿って延在する膨張管腔と流体連通する拡張可能要素またはバルーンを備える、付記23に記載の尿管カテーテル。
【0058】
付記25:保定部分は、排出管腔部分の遠位端から延在するコイル状管を備え、管は、排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定する、付記23または付記24に記載の尿管カテーテル。
【0059】
付記26:コイル状管は、流体が管腔内に受容されることを可能にするための管の側壁を通して延在する穿孔を備える、付記23から25のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0060】
付記27:穿孔は、管の半径方向内向きに面する部分上に配置され、管の対向する半径方向外向きに面する部分は、本質的に穿孔がない、付記26に記載の尿管カテーテル。
【0061】
付記28:管の対向する半径方向外向きに面する部分は、穿孔がない、付記27に記載の尿管カテーテル。
【0062】
付記29:排出管腔部分および保定部分は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、付記23から28のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0063】
付記30:保定部分は、圧縮性および/または多孔性材料から形成される楔または漏斗形状の延在部を備える、付記23に記載の尿管カテーテル。
【0064】
付記31:保定部分は、排出管腔部分と一体的に形成される、付記23から30のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0065】
付記32:保定部分はさらに、流体を排出管腔部分によって画定された排出管腔に向かって指向するように構成されるテーパ状内側表面を備える、付記23から31のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0066】
付記33:カテーテルの排出管腔は、尿管および/または腎臓からの流体収集のために負圧に加圧されるように構成される、付記23から32のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0067】
付記34:尿収集アセンブリであって、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、第2の直径が第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える、アセンブリ。
【0068】
付記35:少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、付記34に記載のアセンブリ。
【0069】
付記36:膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、付記34または付記35に記載のアセンブリ。
【0070】
付記37:少なくとも1つの排出ポートは、展開可能アンカ部分の近位の位置において膀胱カテーテルの側壁上に配置される、付記34から36のいずれかに記載のアセンブリ。
【0071】
付記38:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、付記34に記載のアセンブリ。
【0072】
付記39:展開可能アンカ部分は、展開位置において、膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、付記34に記載のアセンブリ。
【0073】
付記40:展開可能アンカはさらに、ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、付記38または付記39に記載のアセンブリ。
【0074】
付記41:カバーは、ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、付記40に記載のアセンブリ。
【0075】
付記42:尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、展開位置において、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、保定部分の近位端と保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備える、保定部分とを備え、各管は、排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える、尿管カテーテル。
【0076】
付記43:各管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、排出ポートは、各管の半径方向内向きに面する側上に配置される、付記42に記載の尿管カテーテル。
【0077】
付記44:各管の半径方向外向きに面する側は、本質的に排出ポートがない、付記43に記載の尿管カテーテル。
【0078】
付記45:各管の半径方向外向きに面する側は、排出ポートがない、付記43に記載の尿管カテーテル。
【0079】
付記46:保定部分は、複数の管がそれぞれ排出管腔部分の縦軸と略平行な収縮位置から、管の一部分が排出管腔部分から半径方向外向きに延在する展開位置に遷移可能である、付記42から45のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0080】
付記47:展開位置において、管は、球体または楕円体空洞を画定し、、排出管腔部分は、少なくとも部分的に空洞の中に延在する、付記42から46のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0081】
付記48:排出管腔部分および保定部分は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、付記42から47のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0082】
付記49:保定部分は、排出管腔部分と一体的に形成される、付記42から48のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0083】
付記50:カテーテルの排出管腔は、尿管および/または腎臓からの流体収集のために負圧に加圧されるように構成される、付記42から49のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0084】
付記51:尿収集アセンブリであって、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、展開位置において、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、保定部分の近位端と保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備える、保定部分とを備え、各管は、排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分は、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える、アセンブリ。
【0085】
付記52:少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、付記51に記載のアセンブリ。
【0086】
付記53:膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、付記51または付記52に記載のアセンブリ。
【0087】
付記54:少なくとも1つの排出ポートは、展開可能アンカ部分の近位の位置において膀胱カテーテルの側壁上に配置される、付記51から53のいずれかに記載のアセンブリ。
【0088】
付記55:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、付記51または付記52に記載のアセンブリ。
【0089】
付記56:展開可能アンカ部分は、展開位置において、膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、付記51または付記52に記載のアセンブリ。
【0090】
付記57:展開可能アンカはさらに、ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、付記55または付記56に記載のアセンブリ。
【0091】
付記58:カバーは、ケージの少なくとも上側約半分または上側約2/3にわたって延在する、付記57に記載のアセンブリ。
【0092】
付記59:患者の尿管および/または腎臓に位置付けられるように構成される尿管カテーテルを負圧を尿管および/または腎臓内で誘発するための真空源に接続し、膀胱カテーテルを重力排出による膀胱からの尿の流体収集のための流体収集容器に接続するためのコネクタであって、コネクタ本体と、コネクタ本体から延在する第1および第2の尿管カテーテル流入ポートであって、それぞれ、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる尿管カテーテルに接続されるように構成される、流入ポートと、各流入ポートと流体連通し、負圧を個別の尿管カテーテル内で誘発するためにポンプに接続されるように構成される、尿管カテーテル流出ポートと、膀胱カテーテルに接続されるように構成される、重力排出流入ポートと、膀胱カテーテル流入ポートと流体連通し、流体収集容器に接続されるように構成される、重力排出流出ポートとを備える、コネクタ。
【0093】
付記60:コネクタ本体は、少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートから単一尿管カテーテル流出ポートまで延在する流体導管を画定する、付記59に記載のコネクタ。
【0094】
付記61:流入ポートは、個別のカテーテルの端部を除去可能に受容するように構成される、付記59または付記60に記載のコネクタ。
【0095】
付記62:真空流出ポートおよび重力排出流出ポートは、ポンプおよび流体接続容器との流体接続を確立するための単一ソケットへの接続のために位置付けられる、付記59から61のいずれかに記載のコネクタ。
【0096】
付記63:尿収集アセンブリであって、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第1の尿管カテーテルおよび患者の他の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第2の尿管カテーテルであって、それぞれ、排出管腔を画定し、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分を備え、排出管腔部分または保定部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分を備え、排出管腔部分またはアンカ部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルとを備える、アセンブリ。
【0097】
付記64:尿管カテーテルの近位端を真空源に接続し、膀胱カテーテルの近位端を重力排出による流体収集のための流体収集容器に接続するためのコネクタをさらに備える、付記63に記載のアセンブリ。
【0098】
付記65:コネクタは、第1の尿管カテーテルおよび第2の尿管カテーテルの個別の近位端への接続のための少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートと、各流入ポートと流体連通し、負圧を個別の尿管カテーテル内で誘発するためにポンプに接続されるように構成される、尿管カテーテル流出ポートと、膀胱カテーテルの近位端に接続されるように構成される、重力排出流入ポートと、膀胱カテーテル流入ポートと流体連通し、流体収集容器に接続されるように構成される、流出ポートとを備える、付記64に記載のアセンブリ。
【0099】
付記66:コネクタはさらに、少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートから単一尿管カテーテル流出ポートまで延在する導管を備える、付記65に記載のアセンブリ。
【0100】
付記67:個別のカテーテルの近位端は、その個別の流入ポートに除去可能に接続される、付記65または付記66に記載のアセンブリ。
【0101】
付記68:膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、付記63から67のいずれかに記載のアセンブリ。
【0102】
付記69:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージと、ケージの少なくとも一部分を封入するカバーとを備える、付記63に記載のアセンブリ。
【0103】
付記70:展開可能アンカはさらに、ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、付記68または付記69に記載のアセンブリ。
【0104】
付記71:カバーは、ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、付記70に記載のアセンブリ。
【0105】
付記72:患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる展開された尿管カテーテルによって収集されなかった過剰尿を収集するための患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端部分、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端部分、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、尿道開口部をシールするように構成される、展開可能アンカ部分を備え、排出管腔部分またはアンカ部分のうちの少なくとも1つは、尿を膀胱から放出するための排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテル。
【0106】
付記73:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、付記72に記載の膀胱カテーテル。
【0107】
付記74:膨張可能要素またはバルーンは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される上側部分および患者の尿道内に位置付けられるように構成される下側部分を備える、付記73に記載の膀胱カテーテル。
【0108】
付記75:少なくとも1つの排出ポートは、アンカ部分の近位の位置において膀胱カテーテルの側壁上に配置される、付記62から74のいずれかに記載の膀胱カテーテル。
【0109】
付記76:展開可能アンカ部分は、膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージと、ケージの少なくとも一部分を封入するカバーとを備える、付記72に記載の膀胱カテーテル。
【0110】
付記77:展開可能アンカ部分はさらに、ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、付記76に記載の膀胱カテーテル。
【0111】
付記78:カバーは、ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、付記77に記載の膀胱カテーテル。
【0112】
付記79:負圧を患者の尿路の一部分内で誘発するためのシステムであって、尿管カテーテルであって、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分を備え、排出管腔部分または保定部分のうちの少なくとも1つは、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、尿管カテーテルの排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通するポンプであって、負圧を患者の尿路の一部分内で誘発し、流体を尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すように構成される、ポンプとを備える、システム。
【0113】
付記80:患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、排出管腔を画定し、近位端、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、膀胱壁の近位部分に接触し、尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分とを備え、排出管腔部分またはアンカ部分のうちの少なくとも1つは、尿を膀胱から放出するために、排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルをさらに備える、付記79に記載のシステム。
【0114】
付記81:膀胱カテーテルを通した流体の重力排出のために膀胱カテーテルの排出管腔と流体連通する、外部流体収集容器をさらに備える、付記80に記載のシステム。
【0115】
付記82:排出管腔と流体連通する1つまたはそれを上回るセンサであって、個別の排出管腔内の静電容量、検体濃度、および尿の温度のうちの少なくとも1つを備える情報を判定するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読メモリを備えるプロセッサであって、前記プログラミング命令は、実行されると、プロセッサに、情報を1つまたはそれを上回るセンサから受信させ、少なくとも部分的に、1つまたはそれを上回るセンサから受信された情報に基づいて、ポンプの動作パラメータを調節させ、少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔内の真空圧力を増加または減少させ、排出管腔を通した尿の流動を調節させる、プロセッサと、をさらに備える、付記79から81のいずれかに記載のシステム。
【0116】
付記83:プロセッサと通信するデータ送信機をさらに備え、データ送信機は、1つまたはそれを上回るセンサからの情報を外部源に提供するように構成される、付記82に記載のシステム。
【0117】
付記84:ポンプは、10mmHgまたはそれ未満の感度を提供する、付記80から83のいずれかに記載のシステム。
【0118】
付記85:ポンプは、約8~約24時間/日に及ぶ時間期間にわたって連続動作可能である、付記80から84のいずれかに記載のシステム。
【0119】
付記86:ポンプは、断続負圧を提供するように構成される、付記80から85のいずれかに記載のシステム。
【0120】
付記87:ポンプは、各カテーテル内の圧力が他のカテーテルと同一または異なり得るように、負圧を独立して各カテーテルに印加するように構成される、付記80から86のいずれかに記載のシステム。
【0121】
付記88:ポンプは、負圧の提供と正圧の提供との間を交互するように構成される、付記80から86のいずれかに記載のシステム。
【0122】
付記89:ポンプは、負圧の提供と大気への均圧との間を交互するように構成される、付記80から86のいずれかに記載のシステム。
【0123】
付記90:負圧は、5mmHg~50mmHgの範囲内で提供され、および/または正圧は、5mmHg~20mmHgの範囲内で提供される、付記88に記載のシステム。
【0124】
付記91:ポンプは、2つまたはそれを上回る異なる圧力レベル間で交互するように構成される、付記80から90のいずれかに記載のシステム。
【0125】
付記92:ポンプは、少なくとも部分的に、所定のアルゴリズムに基づいて、規則的または不規則的頻度で圧力レベルを調節するように構成される、付記91に記載のシステム。
【0126】
付記93:所定のアルゴリズムは、部分的に、人口統計データおよび/または患者特有の変数に基づく、付記92に記載のシステム。
【0127】
付記94:人口統計データおよび/または患者特有の変数は、解剖学的、遺伝的、生理学的、および病態生理学的要因のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記93に記載のシステム。
【0128】
付記95:所定のアルゴリズムは、部分的に、持続的または非持続的に変化する患者値に基づき、患者値は、排尿量、腎臓および/または尿路系の蠕動運動、心拍数、心臓出力、血圧、呼吸数、腎血流、腎血漿流、およびバイオマーカのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記92に記載のシステム。
【0129】
付記96:間質圧を腎臓内にもたらすために、患者の尿管および/または腎臓から尿を抽出するための方法であって、カテーテルの遠位端を患者の尿管および/または腎臓内の流体収集位置に位置付けるステップであって、カテーテルは、排出管腔を画定する管を備え、かつ螺旋保定部分および複数の排出ポートを備える、ステップと、負圧をカテーテルの排出管腔内で誘発するステップと、尿を排出ポートを通して排出管腔の中に引き出すことによって尿を抽出し、それによって、患者の腎臓内の間質圧を改変するステップとを含む、方法。
【0130】
付記97:カテーテルを位置付けるステップは、螺旋保定部分を流体収集位置で拡張することによって、カテーテルを展開するステップを含む、付記96に記載の方法。
【0131】
付記98:アンカが膀胱の尿道括約筋を本質的または完全にシールするように、膀胱カテーテルの遠位端を患者の膀胱内に位置付け、アンカを膀胱内で展開するステップをさらに含む、付記96または付記97に記載の方法。
【0132】
付記99:膀胱カテーテルを膀胱内に位置付けるステップは、膀胱カテーテルを尿管カテーテルの位置付けのために使用されるガイドワイヤにわたって前進させるステップを含む、付記98に記載の方法。
【0133】
付記100:髄質領域の尿細管内の間質圧を減少させ、排尿を促進し、腎臓の髄質内の静脈鬱滞誘発腎単位酸素欠乏症を防止するための負圧の印加による腎臓損傷を阻止する方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が展開されたカテーテルによる尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、腎臓からの排尿を促進するために十分な時間期間にわたって、負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含む、方法。
【0134】
付記101:膀胱カテーテルのアンカが膀胱の尿道括約筋を本質的または完全にシールするように、膀胱カテーテルを患者の膀胱内に位置付けるステップをさらに含む、付記100に記載の方法。
【0135】
付記102:ある時間期間にわたって膀胱からの尿の排出を膀胱カテーテルを通して生じさせるステップをさらに含む、付記101に記載の方法。
【0136】
付記103:カテーテルを展開するステップは、尿道口以外の切開または口を通して尿管および/または腎臓にアクセスするステップを含む、付記100に記載の方法。
【0137】
付記104:静脈鬱滞に起因する急性腎傷害の治療のための方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、静脈鬱滞に起因する急性腎傷害を治療するために十分な時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含む、方法。
【0138】
付記105:腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNYHA分類III度および/または分類IV度心不全の治療のための方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を治療するために十分な時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含む、方法。
【0139】
付記106:腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNYHA分類II度、分類III度、および/または分類IV度心不全の治療のための方法であって、尿管および/または腎臓から膀胱の中への尿の流動が閉塞によって妨害されないように、カテーテルを患者の膀胱内で展開するステップと、NYHA分類II度、分類III度、および/または分類IV度心不全を治療するために十分な時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して膀胱に印加するステップとを含む、方法。
【0140】
付記107:腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した第4期および/または第5期慢性腎臓疾患の治療のための方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、第4期および/または第5期慢性腎臓疾患を治療するために十分な時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含む、方法。
【0141】
付記108:腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した第3期、第4期、および/または第5期慢性腎臓疾患の治療のための方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が閉塞によって妨害されないように、カテーテルを患者の膀胱内で展開するステップと、第3期、第4期、および/または第5期慢性腎臓疾患を治療するために十分な時間期間にわたって負圧をカテーテルを通して膀胱に印加するステップとを含む、方法。
【0142】
付記109:尿管カテーテルであって、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、コイル状保定部分は、第1の直径を有する少なくとも第1のコイル、第2の直径を有する少なくとも第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満であって、1つまたはそれを上回る穿孔が、排出管腔の中への流体流動を可能にするために排出管腔の側壁上にあって、患者の尿路の中への挿入に先立って、保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、展開されると、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、少なくとも部分的に排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の保定部分の軸を中心として延在する、尿管カテーテル。
【0143】
付記110:保定部分の軸は、排出管腔の中心軸に対して湾曲される、付記109に記載の尿管カテーテル。
【0144】
付記111:保定部分の軸の少なくとも一部分は、約15度~約75度に及ぶ中心軸からの角度で延在する、付記109または付記110に記載の尿管カテーテル。
【0145】
付記112:カテーテルは、患者の尿管の中への挿入のための収縮構成と尿管内での展開のための展開構成との間で遷移可能である、付記109から111のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0146】
付記113:保定部分はさらに、保定部分の軸を中心として延在する第3のコイルを備え、第3のコイルは、第1の直径または第2の直径のいずれかを上回るまたはそれと等しい直径を有する、付記109から112のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0147】
付記114:排出管腔の保定部分は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備える、側壁を備え、半径方向内向きに面する側上の穿孔の総表面積は、半径方向外向きに面する側上の穿孔の総表面積を上回る、付記109から113のいずれかに記載の尿管カテーテル
【0148】
付記115:排出管腔の保定部分は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備える、側壁を備え、1つまたはそれを上回る穿孔は、半径方向内向きに面する側上に配置され、半径方向外向きに面する側は、本質的に穿孔がない、付記109から114のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0149】
付記116:排出管腔は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、付記109から116のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0150】
付記117:排出管腔の保定部分はさらに、排出管腔の中への流体流動を可能にするための開放遠位端を備える、付記109から116のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0151】
付記118:1つまたはそれを上回る穿孔はそれぞれ、約0.7~0.9mmの直径を有する、付記109から117のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0152】
付記119:第1の直径は、約8mm~10mmであって、第2の直径は、約16mm~20mmである、付記109から118のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0153】
付記120:負圧を患者の尿路の一部分内で誘発するためのシステムであって、少なくとも1つの尿収集カテーテルであって、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、コイル状保定部分は、少なくとも第1の直径を有する第1のコイル、少なくとも第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満であって、1つまたはそれを上回る穿孔が、排出管腔の中への流体流動を可能にするために排出管腔の側壁上にあって、患者の尿路の中への挿入に先立って、保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、展開されると、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、少なくとも部分的に排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の保定部分の軸を中心として延在する、少なくとも1つの尿収集カテーテルと、少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔と流体連通するポンプであって、負圧を患者の尿路の一部分内で誘発し、流体を尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプとを備える、システム。
【0154】
付記121:排出管腔と流体連通する1つまたはそれを上回るセンサであって、個別の排出管腔内の静電容量、検体濃度、および尿の温度のうちの少なくとも1つを備える情報を判定するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサと、プログラミング命令を含むコンピュータ可読メモリを備えるコントローラであって、前記プログラミング命令は、実行されると、コントローラに、情報を1つまたはそれを上回るセンサから受信させ、少なくとも部分的に、1つまたはそれを上回るセンサから受信された情報に基づいて、ポンプの動作パラメータを調節させ、少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔内の真空圧力を増加または減少させ、排出管腔を通した尿の流動を調節させる、コントローラと、をさらに備える、付記120に記載のシステム。
【0155】
付記122:コントローラと通信するデータ送信機をさらに備え、データ送信機は、1つまたはそれを上回るセンサからの情報を外部源に提供するように構成される、付記120または付記121に記載のシステム。
【0156】
付記123:ポンプは、10mmHgまたはそれ未満の感度を提供する、付記120から122のいずれかに記載のシステム。
【0157】
付記124:ポンプは、負圧の提供と正圧の提供との間を交互するように構成される、付記120から122のいずれかに記載のシステム。
【0158】
付記125:負圧は、5mmHg~50mmHgの範囲内で提供され、正圧は、5mmHg~20mmHgの範囲内で提供される、付記124に記載のシステム。
【0159】
付記126:髄質領域の尿細管内の間質圧を減少させ、排尿を促進し、腎臓の髄質内の静脈鬱滞誘発腎単位酸素欠乏症を防止するための負圧の印加による腎臓損傷を阻止する方法であって、尿管および/または腎臓からの尿の流動が展開されたカテーテルによる尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、腎臓からの排尿を促進するために十分な時間期間にわたって、負圧をカテーテルを通して尿管および/または腎臓に印加するステップとを含み、尿管カテーテルは、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔を備え、遠位部分は、コイル状保定部分を備え、コイル状保定部分は、少なくとも第1の直径を有する第1のコイル、少なくとも第2の直径を有する第2のコイルを備え、第1の直径は、第2の直径未満であって、1つまたはそれを上回る穿孔が、排出管腔の中への流体流動を可能にするために排出管腔の側壁上にあって、展開に先立って、保定部分の近位の排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、展開に応じて、保定部分の第1のコイルおよび第2のコイルは、少なくとも部分的に排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の保定部分の軸を中心として延在する、方法。
【0160】
付記127:尿管および/または腎臓への負圧の印加に応じて、尿を1つまたはそれを上回る穿孔を通して排出管腔の中に引き出することによって尿を抽出し、それによって、患者の腎臓内の間質圧を改変するステップをさらに含む、付記126に記載の方法。
【0161】
付記128:カテーテルを通した尿管および/または腎臓への負圧の印加は、静脈鬱滞に起因する急性腎傷害を治療するために十分な時間期間にわたって提供される、付記126または付記127に記載の方法。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
尿管カテーテルであって、
患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備える、排出管腔であって、上記遠位部分は、コイル状保定部分を備える、排出管腔
を備え、
上記保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、上記第1の直径は、上記第2の直径未満である、尿管カテーテル。
(項目2)
上記第1のコイルは、上記第2のコイルの近位にある、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目3)
患者の尿路の中への挿入に先立って、上記保定部分の近位の上記排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、上記保定部分の上記第1のコイルおよび上記第2のコイルは、少なくとも部分的に上記排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の軸を中心として延在する、項目1または項目2のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目4)
上記患者の尿路への挿入に先立って、上記保定部分の近位の上記排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、上記保定部分の上記第1のコイルおよび上記第2のコイルは、本質的に上記排出管腔の一部分の直線または曲線中心軸と同延の軸を中心として延在する、項目1または項目2に記載の尿管カテーテル。
(項目5)
上記保定部分の軸は、上記排出管腔の中心軸に対して湾曲される、項目3または項目4に記載の尿管カテーテル。
(項目6)
上記保定部分の近位の上記排出管腔の一部分は、直線または曲線中心軸を画定し、上記保定部分の上記第1のコイルおよび上記第2のコイルは、上記保定部分の軸を中心として延在し、上記保定部分の軸は、約15度~約75度に及ぶ上記中心軸からの角度に位置付けられる、項目1から5のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目7)
上記カテーテルは、上記患者の尿管の中への挿入のための収縮構成と上記尿管内での展開のための展開構成との間で遷移可能である、項目1から6のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目8)
上記保定部分はさらに、第3のコイルを備え、上記第3のコイルは、上記第1の直径または上記第2の直径のいずれかを上回るまたはそれと等しい直径を有する、項目1から7のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目9)
上記保定部分は、流体が上記管の管腔内に受容されることを可能にするための穿孔を備える管を備える、項目1から8のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目10)
上記保定部分では、上記管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、上記半径方向内向きに面する側上の穿孔の総表面積は、上記半径方向外向きに面する側上の穿孔の総表面積を上回る、項目9に記載の尿管カテーテル。
(項目11)
上記保定部分では、上記管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、上記穿孔は、上記半径方向内向きに面する側上に配置され、上記管の半径方向外向きに面する側は、本質的に穿孔がない、項目9に記載の尿管カテーテル。
(項目12)
上記管の半径方向外向きに面する側は、穿孔がない、項目11に記載の尿管カテーテル。
(項目13)
上記管は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、項目1から12のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目14)
尿収集アセンブリであって、
排出管腔を備える少なくとも1つの尿管カテーテルであって、上記排出管腔は、患者の尿道の少なくとも一部分内に位置付けられるように構成される近位部分および患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位部分を備え、上記遠位部分は、コイル状保定部分を備える、少なくとも1つの尿管カテーテルであって、上記保定部分は、少なくとも、第1の直径を有する第1のコイルおよび第2の直径を有する第2のコイルを備え、上記第1の直径は、上記第2の直径未満である、少なくとも1つの尿管カテーテルと、
上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、
排出管腔を画定し、近位端、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記膀胱の尿道開口部を本質的または完全にシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分と、
を備え、
上記排出管腔部分または上記アンカ部分は、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルと、
を備える、尿収集アセンブリ。
(項目15)
上記少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、上記少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が上記膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、上記膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、項目14に記載のアセンブリ。
(項目16)
上記膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、項目14または15のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目17)
上記少なくとも1つの排出ポートは、上記展開可能アンカ部分の近位の位置において上記膀胱カテーテルの側壁上に配置される、項目14から16のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目18)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、項目14から17のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目19)
上記展開可能アンカ部分は、展開位置において、上記膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、項目14から18のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目20)
上記展開可能アンカはさらに、上記ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、項目18に記載のアセンブリ。
(項目21)
上記カバーは、上記ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、項目20に記載のアセンブリ。
(項目22)
上記少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔は、上記カテーテルの全長に沿って上記膀胱の排出管腔と別個である、項目14から21のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目23)
尿管カテーテルであって、
近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、上記保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、上記第2の直径が上記第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分と、
を備える、尿管カテーテル。
(項目24)
上記保定部分は、上記排出管腔部分に沿って延在する膨張管腔と流体連通する拡張可能要素またはバルーンを備える、項目23に記載の尿管カテーテル。
(項目25)
上記保定部分は、上記排出管腔部分の遠位端から延在するコイル状管を備え、上記管は、上記排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定する、項目23または項目24に記載の尿管カテーテル。
(項目26)
上記コイル状管は、流体が上記管腔内に受容されることを可能にするための上記管の側壁を通して延在する穿孔を備える、項目23から25のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目27)
上記穿孔は、上記管の半径方向内向きに面する部分上に配置され、上記管の対向する半径方向外向きに面する部分は、本質的に穿孔がない、項目26に記載の尿管カテーテル。
(項目28)
上記管の対向する半径方向外向きに面する部分は、穿孔がない、項目27に記載の尿管カテーテル。
(項目29)
上記排出管腔部分および上記保定部分は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、項目23から28のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目30)
上記保定部分は、圧縮性および/または多孔性材料から形成される楔または漏斗形状の延在部を備える、項目23に記載の尿管カテーテル。
(項目31)
上記保定部分は、上記排出管腔部分と一体的に形成される、項目23から30のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目32)
上記保定部分はさらに、流体を上記排出管腔部分によって画定された排出管腔に向かって指向するように構成されるテーパ状内側表面を備える、項目23から31のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目33)
上記カテーテルの排出管腔は、上記尿管および/または腎臓からの流体収集のために負圧に加圧されるように構成される、項目23から32のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目34)
尿収集アセンブリであって、
少なくとも1つの尿管カテーテルであって、
近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する保定部分であって、上記保定部分は、第1の直径を有する近位端、第2の直径を有する遠位端、およびその間に延在する壁および/または表面を備え、上記第2の直径が上記第1の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分と、
を備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、
上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、
排出管腔を画定し、近位端、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分と、
を備え、上記排出管腔部分または上記アンカ部分は、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルと、
を備える、アセンブリ。
(項目35)
上記少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、上記少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が上記膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、上記膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、項目34に記載のアセンブリ。
(項目36)
上記膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、項目34または項目35に記載のアセンブリ。
(項目37)
上記少なくとも1つの排出ポートは、上記展開可能アンカ部分の近位の位置において上記膀胱カテーテルの側壁上に配置される、項目34から36のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目38)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、項目34に記載のアセンブリ。
(項目39)
上記展開可能アンカ部分は、展開位置において、上記膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、項目34に記載のアセンブリ。
(項目40)
上記展開可能アンカはさらに、上記ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、項目38または項目39に記載のアセンブリ。
(項目41)
上記カバーは、上記ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、項目40に記載のアセンブリ。
(項目42)
尿管カテーテルであって、
近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、
展開位置において、上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、上記保定部分の近位端と上記保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備える、保定部分と、
を備え、
各管は、上記排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が上記管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える、尿管カテーテル。
(項目43)
各管は、半径方向内向きに面する側および半径方向外向きに面する側を備え、上記排出ポートは、各管の上記半径方向内向きに面する側上に配置される、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目44)
各管の半径方向外向きに面する側は、本質的に排出ポートがない、項目43に記載の尿管カテーテル。
(項目45)
各管の半径方向外向きに面する側は、排出ポートがない、項目43に記載の尿管カテーテル。
(項目46)
上記保定部分は、上記複数の管がそれぞれ上記排出管腔部分の縦軸と略平行な収縮位置から、上記管の一部分が上記排出管腔部分から半径方向外向きに延在する展開位置に遷移可能である、項目42から45のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目47)
上記展開位置において、上記管は、球体または楕円体空洞を画定し、上記排出管腔部分は、少なくとも部分的に上記空洞の中に延在する、項目42から46のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目48)
上記排出管腔部分および上記保定部分は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、およびシリコーンのうちの1つまたはそれを上回るものから形成される、項目42から47のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目49)
上記保定部分は、上記排出管腔部分と一体的に形成される、項目42から48のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目50)
上記カテーテルの排出管腔は、上記尿管および/または腎臓からの流体収集のために負圧に加圧されるように構成される、項目42から49のいずれかに記載の尿管カテーテル。
(項目51)
尿収集アセンブリであって、
少なくとも1つの尿管カテーテルであって、
近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分であって、排出管腔を画定する、排出管腔部分と、
展開位置において、上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在する、保定部分であって、上記保定部分は、上記保定部分の近位端と上記保定部分の遠位端との間に延在する複数の管を備え、各管は、上記排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通する管腔を画定し、各管は、流体が上記管腔に進入することを可能にするための複数の排出ポートを備える、保定部分と
を備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、
上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、
排出管腔を画定し、近位端、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記膀胱の尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分と、
を備え、
上記排出管腔部分または上記アンカ部分は、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテル
とを備える、尿収集アセンブリ。
(項目52)
上記少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔部分は、上記少なくとも1つの尿管カテーテルの近位端が上記膀胱カテーテルの排出管腔内に配置されるように、上記膀胱カテーテルの排出ポートを通して除去可能に受容される、項目51に記載のアセンブリ。
(項目53)
上記膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、項目51または項目52に記載のアセンブリ。
(項目54)
上記少なくとも1つの排出ポートは、上記展開可能アンカ部分の近位の位置において上記膀胱カテーテルの側壁上に配置される、項目51から53のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目55)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージを備える、項目51または項目52に記載のアセンブリ。
(項目56)
上記展開可能アンカ部分は、展開位置において、上記膀胱カテーテルの遠位端の一部分から半径方向および縦方向外向きに延在し、それによって、ケージを形成する、複数の縦方向に延在する部材を備える、項目51または項目52に記載のアセンブリ。
(項目57)
上記展開可能アンカはさらに、上記ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、項目55または項目56に記載のアセンブリ。
(項目58)
上記カバーは、上記ケージの少なくとも上側約半分または上側約2/3にわたって延在する、項目57に記載のアセンブリ。
(項目59)
患者の尿管および/または腎臓に位置付けられるように構成される尿管カテーテルを負圧を上記尿管および/または腎臓内で誘発するための真空源に接続し、膀胱カテーテルを重力排出による上記膀胱からの尿の流体収集のための流体収集容器に接続するためのコネクタであって、
コネクタ本体と、
上記コネクタ本体から延在する第1および第2の尿管カテーテル流入ポートであって、それぞれ、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる尿管カテーテルに接続されるように構成される、流入ポートと、
各流入ポートと流体連通し、負圧を上記個別の尿管カテーテル内で誘発するためにポンプに接続されるように構成される、尿管カテーテル流出ポートと、
上記膀胱カテーテルに接続されるように構成される、重力排出流入ポートと、
上記膀胱カテーテル流入ポートと流体連通し、流体収集容器に接続されるように構成される、重力排出流出ポートと、
を備える、コネクタ。
(項目60)
上記コネクタ本体は、上記少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートから上記単一尿管カテーテル流出ポートまで延在する流体導管を画定する、項目59に記載のコネクタ。(項目61)
上記流入ポートは、上記個別のカテーテルの端部を除去可能に受容するように構成される、項目59または項目60に記載のコネクタ。
(項目62)
上記真空流出ポートおよび上記重力排出流出ポートは、上記ポンプおよび流体接続容器との流体接続を確立するための単一ソケットへの接続のために位置付けられる、項目59から61のいずれかに記載のコネクタ。
(項目63)
尿収集アセンブリであって、
患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第1の尿管カテーテルおよび上記患者の他の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される第2の尿管カテーテルであって、上記尿管カテーテルのそれぞれは、
排出管腔を画定し、近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、上記保定部分の直径が上記排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分と、
を備え、上記排出管腔部分または上記保定部分のうちの少なくとも1つは、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、
上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、
排出管腔を画定し、近位端、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分と、
を備え、上記排出管腔部分または上記アンカ部分のうちの少なくとも1つは、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテルと、
を備える、アセンブリ。
(項目64)
上記尿管カテーテルの近位端を真空源に接続し、上記膀胱カテーテルの近位端を重力排出による流体収集のための流体収集容器に接続するためのコネクタをさらに備える、項目63に記載のアセンブリ。
(項目65)
上記コネクタは、
上記第1の尿管カテーテルおよび上記第2の尿管カテーテルの個別の近位端への接続のための少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートと、
各流入ポートと流体連通し、負圧を上記個別の尿管カテーテル内で誘発するためにポンプに接続されるように構成される、尿管カテーテル流出ポートと、
上記膀胱カテーテルの近位端に接続されるように構成される、重力排出流入ポートと、
上記膀胱カテーテル流入ポートと流体連通し、流体収集容器に接続されるように構成される、流出ポートと、
を備える、項目64に記載のアセンブリ。
(項目66)
上記コネクタはさらに、上記少なくとも2つの尿管カテーテル流入ポートから上記単一尿管カテーテル流出ポートまで延在する導管を備える、項目65に記載のアセンブリ。
(項目67)
上記個別のカテーテルの近位端は、その個別の流入ポートに除去可能に接続される、項目65または項目66に記載のアセンブリ。
(項目68)
上記膀胱カテーテルの展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、項目63から67のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目69)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージと、上記ケージの少なくとも一部分を封入する、カバーとを備える、項目63に記載のアセンブリ。
(項目70)
上記展開可能アンカはさらに、上記ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、項目68または項目69に記載のアセンブリ。
(項目71)
上記カバーは、上記ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、項目70に記載のアセンブリ。
(項目72)
上記患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられる展開された尿管カテーテルによって収集されなかった過剰尿を収集するための上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルであって、
排出管腔を画定し、近位端部分、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端部分、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記尿道開口部をシールするように構成される、展開可能アンカ部分と、
を備え、
上記排出管腔部分または上記アンカ部分のうちの少なくとも1つは、尿を上記膀胱から放出するための上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、膀胱カテーテル。
(項目73)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分によって画定された膨張管腔と流体連通する膨張可能要素またはバルーンを備える、項目72に記載の膀胱カテーテル。
(項目74)
上記膨張可能要素またはバルーンは、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される上側部分および上記患者の尿道内に位置付けられるように構成される下側部分を備える、項目73に記載の膀胱カテーテル。
(項目75)
上記少なくとも1つの排出ポートは、上記アンカ部分の近位の位置において上記膀胱カテーテルの側壁上に配置される、項目72から74のいずれかにに記載の膀胱カテーテル。
(項目76)
上記展開可能アンカ部分は、上記膀胱カテーテルの排出管腔部分から半径方向および縦方向に延在する複数の可撓性部材を備える、拡張可能ケージと、上記ケージの少なくとも一部分を封入するカバーとを備える、項目72に記載の膀胱カテーテル。
(項目77)
上記展開可能アンカ部分はさらに、上記ケージの上側部分を中心として延在する可撓性カバーを備える、項目76に記載の膀胱カテーテル。
(項目78)
上記カバーは、上記ケージの少なくとも上側約半分または少なくとも上側約2/3にわたって延在する、項目77に記載の膀胱カテーテル。
(項目79)
負圧を患者の尿路の一部分内で誘発するためのシステムであって、
尿管カテーテルであって、
近位端、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記排出管腔部分の遠位端の一部分から半径方向外向きに延在し、上記保定部分の直径が上記排出管腔部分の直径を上回る展開位置に延在されるように構成される、保定部分と、
を備え、上記排出管腔部分または上記保定部分のうちの少なくとも1つは、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、尿管カテーテルと、
上記尿管カテーテルの排出管腔部分によって画定された排出管腔と流体連通するポンプであって、負圧を上記患者の尿路の一部分内で誘発し、流体を上記尿管カテーテルの上記排出管腔を通して引き出すように構成される、ポンプと、
を備える、システム。
(項目80)
上記患者の膀胱内での展開のための膀胱カテーテルをさらに備え、上記膀胱カテーテルは、
排出管腔を画定し、近位端、上記患者の膀胱内に位置付けられるように構成される遠位端、およびその間に延在する側壁を備える、排出管腔部分と、
上記膀胱壁の近位部分に接触し、上記尿道開口部をシールするように構成される、シールを備える、展開可能アンカ部分と、
を備え、
上記排出管腔部分または上記アンカ部分のうちの少なくとも1つは、尿を上記膀胱から放出するために、上記排出管腔の中への流体流動を可能にするための少なくとも1つの排出ポートを備える、項目79に記載のシステム、。
(項目81)
上記膀胱カテーテルを通した流体の重力排出のために上記膀胱カテーテルの排出管腔と流体連通する、外部流体収集容器をさらに備える、項目80に記載のシステム。
(項目82)
上記排出管腔と流体連通する1つまたはそれを上回るセンサであって、上記個別の排出管腔内の静電容量、検体濃度、および尿の温度のうちの少なくとも1つを備える情報を判定するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサと、
プログラミング命令を含むコンピュータ可読メモリを備えるコントローラであって、上記プログラミング命令は、実行されると、上記コントローラに、
上記情報を上記1つまたはそれを上回るセンサから受信させ、少なくとも部分的に、上記1つまたはそれを上回るセンサから受信された情報に基づいて、上記ポンプの動作パラメータを調節させ、上記少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔内の真空圧力を増加または減少させ、上記排出管腔を通した尿の流動を調節させる、コントローラと、
をさらに備える、項目79から81のいずれかに記載のシステム。
(項目83)
上記コントローラと通信するデータ送信機をさらに備え、上記データ送信機は、上記1つまたはそれを上回るセンサからの情報を外部源に提供するように構成される、項目82に記載のシステム。
(項目84)
上記ポンプは、10mmHgまたはそれ未満の感度を提供する、項目80から83のいずれかに記載のシステム。
(項目85)
上記ポンプは、約8~約24時間/日に及ぶ時間期間にわたって連続動作可能である、項目80から84のいずれかに記載のシステム。
(項目86)
上記ポンプは、断続負圧を提供するように構成される、項目80から85のいずれかに記載のシステム。
(項目87)
上記ポンプは、各カテーテル内の圧力が上記他のカテーテルと同一または異なり得るように、負圧を独立して各カテーテルに印加するように構成される、項目80から86のいずれかに記載のシステム。
(項目88)
上記ポンプは、負圧の提供と正圧の提供との間を交互するように構成される、項目80から86のいずれかに記載のシステム。
(項目89)
上記ポンプは、負圧の提供と大気への均圧との間を交互するように構成される、項目80から86のいずれかに記載のシステム。
(項目90)
上記負圧は、5mmHg~50mmHgの範囲内で提供され、上記正圧は、5mmHg~20mmHgの範囲内で提供される、項目88に記載のシステム。
(項目91)
上記ポンプは、2つまたはそれを上回る異なる圧力レベル間で交互するように構成される、項目80から90のいずれかに記載のシステム。
(項目92)
上記ポンプは、少なくとも部分的に、所定のアルゴリズムに基づいて、規則的または不規則的頻度で上記圧力レベルを調節するように構成される、項目91に記載のシステム。(項目93)
上記所定のアルゴリズムは、部分的に、人口統計データおよび/または患者特有の変数に基づく、項目92に記載のシステム。
(項目94)
上記人口統計データおよび/または患者特有の変数は、解剖学的、遺伝的、生理学的、および病態生理学的要因のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目93に記載のシステム。
(項目95)
上記所定のアルゴリズムは、部分的に、持続的または非持続的に変化する患者値に基づき、上記患者値は、排尿量、腎臓および/または尿路系の蠕動運動、心拍数、心臓出力、血圧、呼吸数、腎血流、腎血漿流、およびバイオマーカのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目92に記載のシステム。
(項目96)
間質圧を腎臓内にもたらすために、患者の尿管および/または腎臓から尿を抽出するための方法であって、
カテーテルの遠位端を患者の尿管および/または腎臓内の流体収集位置に位置付けるステップであって、上記カテーテルは、排出管腔を画定する管を備え、かつ螺旋保定部分および複数の排出ポートを備える、ステップと、
負圧を上記カテーテルの排出管腔内で誘発するステップと、
尿を上記排出ポートを通して上記排出管腔の中に引き出すことによって尿を抽出し、それによって、上記患者の腎臓内の間質圧を改変するステップと、
を含む、方法。
(項目97)
上記カテーテルを位置付けるステップは、上記螺旋保定部分を上記流体収集位置で拡張することによって、上記カテーテルを展開するステップを含む、項目96に記載の方法。(項目98)
アンカが上記膀胱の尿道括約筋を本質的または完全にシールするように、上記膀胱カテーテルの遠位端を上記患者の膀胱内に位置付け、アンカを上記膀胱内で展開するステップをさらに含む、項目96または項目97に記載の方法。
(項目99)
上記膀胱カテーテルを上記膀胱内に位置付けるステップは、上記膀胱カテーテルを上記尿管カテーテルの位置付けのために使用されるガイドワイヤにわたって前進させるステップを含む、項目98に記載の方法。
(項目100)
髄質領域の尿細管内の間質圧を減少させ、排尿を促進し、腎臓の髄質内の静脈鬱滞誘発腎単位酸素欠乏症を防止するための負圧の印加による腎臓損傷を阻止する方法であって、
上記尿管および/または腎臓からの尿の流動が展開されたカテーテルによる上記尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを上記患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、
上記腎臓からの排尿を促進するために十分な時間期間にわたって、負圧を上記カテーテルを通して上記尿管および/または腎臓に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目101)
上記膀胱カテーテルのアンカが上記膀胱の尿道括約筋を本質的または完全にシールするように、膀胱カテーテルを上記患者の膀胱内に位置付けるステップをさらに含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
ある時間期間にわたって上記膀胱からの尿の排出を上記膀胱カテーテルを通して生じさせるステップをさらに含む、項目101に記載の方法。
(項目103)
上記カテーテルを展開するステップは、上記尿道口以外の切開または口を通して上記尿管および/または腎臓にアクセスするステップを含む、項目100に記載の方法。
(項目104)
静脈鬱滞に起因する急性腎傷害の治療のための方法であって、
上記尿管および/または腎臓からの尿の流動が上記尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを上記患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、
静脈鬱滞に起因する急性腎傷害を治療するために十分な時間期間にわたって負圧を上記カテーテルを通して上記尿管および/または腎臓に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目105)
腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNYHA分類III度および/または分類IV度心不全の治療のための方法であって、
上記尿管および/または腎臓からの尿の流動が上記尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを上記患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、
NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を治療するために十分な時間期間にわたって負圧を上記カテーテルを通して上記尿管および/または腎臓に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目106)
腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNYHA分類II度、分類III度、および/または分類IV度心不全の治療のための方法であって、
尿管および/または腎臓から上記膀胱の中への尿の流動が閉塞によって妨害されないように、カテーテルを患者の膀胱内で展開するステップと、
NYHA分類II度、分類III度、および/または分類IV度心不全を治療するために十分な時間期間にわたって負圧を上記カテーテルを通して上記膀胱に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目107)
腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した第4期および/または第5期慢性腎臓疾患の治療のための方法であって、
上記尿管および/または腎臓からの尿の流動が上記尿管および/または腎臓の閉塞によって妨害されないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップと、
第4期および/または第5期慢性腎臓疾患を治療するために十分な時間期間にわたって負圧を上記カテーテルを通して上記尿管および/または腎臓に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目108)
腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した第3期、第4期、および/または第5期慢性腎臓疾患の治療のための方法であって、
尿管および/または腎臓からの尿の流動が閉塞によって妨害されないように、カテーテルを患者の膀胱内で展開するステップと、
第3期、第4期、および/または第5期慢性腎臓疾患を治療するために十分な時間期間にわたって負圧を上記カテーテルを通して上記膀胱に印加するステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0162】
本開示のこれらおよび他の特徴および特性だけではなく、構造の関連要素の動作および機能方法および部品および製造の経済性の組み合わせが、その全てが本明細書の一部分を形成し、同様の参照番号は、種々の図における対応する部品を指定する、付随の図面を参照して、以下の説明および添付の請求項の検討からより明白となるであろう。しかしながら、図面は、例証および説明の目的のためだけのものであって、本発明の限定の定義として意図されるものではないことを明示的に理解されたい。
【0163】
さらなる特徴および他の実施例および利点も、図面を参照して検討される以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。
【0164】
図1図1は、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿収集アセンブリの留置部分の概略図である。
【0165】
図2A図2Aは、本開示の実施例による、例示的尿管カテーテルの斜視図である。
【0166】
図2B図2Bは、図2Aの尿管カテーテルの正面図である。
【0167】
図3A図3Aは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の実施例の概略図である。
【0168】
図3B図3Bは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0169】
図3C図3Cは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0170】
図3D図3Dは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0171】
図3E図3Eは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0172】
図4A図4Aは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0173】
図4B図4Bは、図4Aの線B-Bに沿って得られた図4Aの保定部分の一部分の断面図の概略図である。
【0174】
図5A図5Aは、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0175】
図5B図5Bは、図5Aの線B-Bに沿って得られた図5Aの保定部分の断面図の一部分の概略図である。
【0176】
図6図6は、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0177】
図7図7は、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面の概略図である。
【0178】
図8図8は、本開示の実施例による、尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
【0179】
図9A図9Aは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの別の実施例の概略図である。
【0180】
図9B図9Bは、図9Aのアセンブリの膀胱アンカ部分の断面9B-9Bに沿って得られた部分的概略図である。
【0181】
図10A図10Aは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの別の実施例の概略図である。
【0182】
図10B図10Bは、図10Aのアセンブリの膀胱アンカ部分の断面10B-10Bに沿って得られた概略図である。
【0183】
図11A図11Aは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの概略図である。
【0184】
図11B図11Bは、図11Aのアセンブリの膀胱アンカ部分の断面11B-11Bに沿って得られた概略図である。
【0185】
図12A図12Aは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの別の膀胱アンカ部分の概略図である。
【0186】
図12B図12Bは、図12Aの線C-Cに沿って得られた尿収集アセンブリの膀胱カテーテルの断面の概略図である。
【0187】
図12C図12Cは、尿収集アセンブリの膀胱カテーテルの別の実施例の断面の概略図である。
【0188】
図13図13は、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの膀胱アンカ部分の別の実施例の概略図である。
【0189】
図14図14は、本開示の実施例による、尿収集アセンブリの膀胱アンカ部分の別の実施例の概略図である。
【0190】
図15図15は、本発明の実施例による、患者の膀胱および尿道内に展開されるように構成される尿収集アセンブリの膀胱アンカ部分の別の実施例の概略図である。
【0191】
図16図16は、本発明の実施例による、尿収集アセンブリの膀胱アンカ部分の別の実施例の概略図である。
【0192】
図17A図17Aは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリのためのコネクタの分解斜視図である。
【0193】
図17B図17Bは、図17Aのコネクタの一部分の断面図である。
【0194】
図17C図17Cは、本開示の実施例による、尿収集アセンブリのためのコネクタの概略図である。
【0195】
図18A図18Aは、本発明の実施例による、尿管カテーテルまたは尿収集アセンブリの挿入および展開のためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0196】
図18B図18Bは、本発明の実施例による、尿管カテーテルまたは尿収集アセンブリを使用して負圧を印加するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0197】
図19図19は、本発明の実施例による、負圧を患者の尿路に誘発するためのシステムの概略図である。
【0198】
図20A図20Aは、本発明の実施例による、図19のシステムと併用するためのポンプの平面図である。
【0199】
図20B図20Bは、図20Aのポンプの側面立面図である。
【0200】
図21図21は、ブタモデルにおける負圧療法を評価するための実験設定の概略図である。
【0201】
図22図22は、図21に示される実験設定を使用して実施された試験に関するクレアチニンクリアランス率のグラフである。
【0202】
図23A図23Aは、負圧療法で治療された鬱滞腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
【0203】
図23B図23Bは、図23Aに示される腎臓組織の高拡大率光顕微鏡写真である。
【0204】
図23C図23Cは、鬱滞および未治療(例えば、対照)腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
【0205】
図23D図23Dは、図23Cに示される腎臓組織の高拡大率光顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0206】
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照も含む。
【0207】
本明細書で使用されるように、用語「右」、「左」、「上部」、およびその派生形は、図面において配向されるように本発明に関連するものとする。用語「近位」は、ユーザおよび/または尿路アクセス部位の最近傍の留置カテーテルの一部分によって操作または接触される、カテーテルデバイスの部分を指す。用語「遠位」は、患者の中に挿入されるように構成されるカテーテルデバイスの反対端および/または患者の尿路の最遠位に挿入されるデバイスの一部分を指す。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとることができ、故に、そのような用語は、限定として見なされるものではないことを理解されたい。また、本発明は、反対のことが明示的に規定されない限り、種々の代替変形例および段階シーケンスをとることができることを理解されたい。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に説明される、具体的デバイスおよびプロセスは、実施例であることを理解されたい。故に、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的寸法および他の物理的特性は、限定として見なされるものではない。
【0208】
本明細書の目的のために、別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される成分、反応状態、寸法、物理的特性等の数量を表す全ての数字は、全事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されたい。反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが模索される所望の特性に応じて変動し得る、近似である。
【0209】
本発明の広義の範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるが、具体的実施例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に、その個別の試験測定に見出される標準偏差から必然的に生じる、ある誤差を含有する。
【0210】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に含められる全ての下位範囲を含むことが意図されることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、1の列挙された最小値と10の列挙された最大値を含む、その間のあらゆる範囲、すなわち、1に等しいまたはそれを上回る最小値から開始し、10に等しいまたはそれ未満の最大値で終了する全ての下位範囲と、その間の全ての下位範囲、例えば、1~6.3、または5.5~10、または2.7~6.1とを含むものと意図される。
【0211】
本明細書で使用されるように、用語「通信」および「通信する」は、1つまたはそれを上回る信号、メッセージ、コマンド、または他のタイプのデータの受信または転送を指す。1つのユニットまたは構成要素が別のユニットまたは構成要素と通信するとは、1つのユニットまたは構成要素が、直接または間接的に、データを他のユニットまたは構成要素から受信し、および/またはそこにデータを伝送することが可能であることを意味する。これは、性質上、有線および/または無線であり得る、直接または間接接続を指し得る。加えて、2つのユニットまたは構成要素は、伝送されるデータが、第1および第2のユニットまたは構成要素間で修正される、処理される、ルーティングされる、および同等物である場合でも、相互に通信することができる。例えば、第1のユニットは、第1のユニットがデータを受動的に受信し、データを第2のユニットに能動的に伝送しない場合でも、第2のユニットと通信することができる。別の実施例として、第1のユニットは、中間ユニットが、1つのユニットからのデータを処理し、処理されたデータを第2のユニットに伝送する場合も、第2のユニットと通信することができる。多数の他の配列も可能性として考えられることを理解されたい。
【0212】
流体貯留および静脈鬱滞は、進行性腎疾患の進行における主要な問題である。排泄における相対的減少と結び付けられる過剰ナトリウム摂取は、等張体積膨張および二次コンパートメント症候群併発につながる。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓からの尿または廃棄物の排出を促進するためのデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓内で負圧を誘発するためのデバイスおよび方法を対象とする。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓に印加することは、いくつかの状況において、ナトリウムおよび水分の髄質腎単位尿細管再吸収を補償し得ると考えられる。ナトリウムおよび水分の再吸収の補償は、尿産生を増加させ、総体内ナトリウムを減少させ、赤血球産生を改善することができる。髄質内圧が、ナトリウム、したがって、体液量過剰によって促されるため、過剰ナトリウムの標的除去は、体液量損失の維持を可能にする。体液量の除去は、髄質鬱血を回復させる。正常尿産生は、1.48~1.96L/日(または1~1.4ml/分)である。
【0213】
流体貯留および静脈鬱滞はまた、腎前性急性腎傷害(AKI)の進行における主要な問題である。具体的には、AKIは、腎臓を通した潅流または血流の損失に関連し得る。故に、いくつかの実施例では、本発明は、静脈鬱滞を緩和または低減させる目的のために、改良された腎血行動態を促進し、排尿を増加させる。さらに、AKIの治療および/または阻止は、他の状態の発生にも良い影響を及ぼし、および/またはそれを低減させることが予期され、例えば、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を伴う患者における腎機能の悪化の低減または阻止が挙げられる。異なるレベルの心不全の分類は、The Criteria Committee of the New York Heart Association, (1994),Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels, (9th ed.), Boston:Little, Brown & Co. pp.253-256(本開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。AKIおよび/または慢性的潅流減少のエピソードの低減または阻止はまた、第4期および/または第5期慢性腎臓疾患のための治療であり得る。慢性腎臓疾患の進行は、National Kidney Foundation, K/DOQI Clinical Practice Guidelines for Chronic Kidney Disease: Evaluation, Classification and Stratification. Am. J. Kidney Dis. 39:S1-S266,2002(Suppl. 1)(本開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0214】
図1を参照すると、尿路は、患者の右腎2および左腎4を備える。前述のように、腎臓2、4は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄物化合物の一掃に責任がある。右腎2および左腎4によって産生された尿は、尿細管、すなわち、右尿管6および左尿管8を通して患者の膀胱10の中に排出される。例えば、尿は、尿管壁の蠕動および重力によって尿管6、8を通して伝導されてもよい。尿管6、8は、尿管口または開口部16を通して膀胱10に進入する。膀胱10は、尿が身体から排泄されるまで尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)に遷移可能である。通常、膀胱10が実質的に満杯状態に到達すると、尿は、膀胱10から膀胱10の下側部分に位置する尿道括約筋または開口部18を通して尿道12に排出することが可能にされる。膀胱10の収縮は、尿管開口部16と尿道開口部18との間に延在する三角形領域である、膀胱10の三角領域14上に付与される応力および圧力に応答し得る。三角領域14は、膀胱10が充填され始めるにつれて、三角領域14上の圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角領域14上の閾値圧力を超えると、膀胱10は、収縮し、収集された尿を尿道12を通して放出し始める。
【0215】
例示的尿管カテーテル:
図1に示されるように、患者の尿路内に位置付けられるように構成される尿管カテーテル112、114を含む、尿収集アセンブリ100が、図示される。例えば、尿管カテーテル112、114の遠位端120、121は、患者の尿管2、4、特に、腎臓6、8の腎盂20、21面積内に展開されるように構成されることができる。
【0216】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリ100は、右腎2の腎盂20内またはそれに隣接して配置される第1のカテーテル112と、左腎4の腎盂21内またはそれに隣接して配置される第2のカテーテル114と等の2つの別個の尿管カテーテルを備えることができる。カテーテル112、114は、その全長に対して別個であることができる、またはクリップ、リング、クランプ、または他のタイプの接続機構(例えば、コネクタ150)によって相互に近接して保持され、カテーテル112、114の配置または除去を促進することができる。いくつかの実施例では、カテーテル112、114は、融合される、またはともに接続され、単一排出管腔を形成することができる。他の実施例では、カテーテル112、114は、その一部分または区画に沿って別のカテーテル、管、またはシースを通して挿入される、またはその中に封入され、カテーテル112、114の身体への挿入およびそこからの後退を促進することができる。例えば、膀胱カテーテル116は、尿管カテーテル112、114と同一ガイドワイヤにわたって、および/またはそれに沿って挿入され、それによって、尿管カテーテル112、114を膀胱カテーテル116の遠位端から延在させることができる。
【0217】
図1、2A、および2Bを参照すると、例示的尿管カテーテル112は、少なくとも1つの伸長本体または管122を備えることができ、その内部は、排出管腔124等の1つまたはそれを上回る排出チャネルまたは管腔を画定または構成する。管122サイズは、約1フレンチ~約9フレンチ(フレンチカテーテルスケール)に及ぶことができる。いくつかの実施例では、管122は、約0.33~約3mmに及ぶ外径と、約0.165~約2.39mmに及ぶ内径とを有することができる。1つの好ましい実施例では、管122は、6フレンチであって、2.0±0.1mmの外径を有する。管122の長さは、患者の年齢(例えば、小児または成人)および性別に応じて、約30cm~約120cmに及ぶことができる。
【0218】
管122は、可撓性および/または変形可能材料から形成され、膀胱10および尿管6、8(図1に示される)内での管122の前進および/または位置付けを促進することができる。カテーテル材料は、腎盂および尿管の炎症を回避または低減させるために十分に可撓性かつ軟質であるべきであるが、腎盂または尿路の他の部分が圧力を管122の外部に付与するとき、または腎盂および/または尿管が負圧の誘発の間に管122に対して牽引されるとき、管122が圧潰しないように十分に剛性であるべきである。例えば、管122は、生体適合性ポリマー、ポリ塩化ビニル、Teflon(R)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコンコーティングされたラテックス、またはシリコンを含む、材料から形成されることができる。1つの好ましい実施例では、管122は、熱可塑性ポリウレタンから形成される。管122等のカテーテル112の少なくとも一部分または全部は、親水性コーティングでコーティングされ、挿入および/または除去を促進し、および/または快適性を向上させることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、疎水性および/または潤滑性コーテ.ィングである。例えば、好適なコーティングは、Koninklijke DSM N.V.から利用可能なComfortCoat(R)親水性コーティングまたは米国特許第No.8,512,795号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるような高分子電解質を含む親水性コーティングを含むことができる。
【0219】
いくつかの実施例では、管122は、遠位部分118(例えば、尿管6、8および腎盂20、21内に位置付けられるように構成される管122の一部分)と、中央部分126(例えば、遠位部分から尿管開口部16を通して患者の膀胱10および尿道12の中に延在するように構成される、管122の一部分)と、近位部分128(例えば、尿道12から外部流体収集容器および/またはポンプアセンブリに延在する管122の一部分)とを備えることができる。1つの好ましい実施例では、管122の近位部分128および中央部分126の組み合わせられた長さは、約54±2cmである。いくつかの実施例では、管122は、膀胱カテーテル116の排出管腔内等の別の留置カテーテルおよび/または排出管腔内で終端する。その場合、流体は、尿管カテーテル112、114の近位端から排出され、身体から付加的留置カテーテルおよび/または排出管腔を通して指向される。
【0220】
例示的尿管保定部分:
図1、2A、および2Bを継続して参照すると、尿管カテーテル112の遠位部分118は、カテーテル112の遠位端120を腎臓2、4の腎盂20、21に近接して、またはその中の所望の流体収集位置に維持するための保定部分130を備える。いくつかの実施例では、保定部分130は、保定部分130を尿管および/または腎盂内に位置付けることを可能にするために可撓性かつ屈曲可能であるように構成される。保定部分130は、望ましくは、カテーテル112上に付与される力を吸収し、そのような力が尿管に伝達されることを防止するために十分に屈曲可能である。例えば、保定部分130が近位方向P(図3Aに示される)に患者の膀胱に向かって引動される場合、保定部分130は、尿管を通して牽引され得るように、解巻または直線化され始めるために十分に可撓性であることができる。同様に、保定部分130が腎盂または尿管内の他の好適な領域中に再挿入され得るとき、その展開構成に戻るように付勢されることができる。
【0221】
いくつかの実施例では、保定部分130は、管122と一体型である。その場合、保定部分130は、カテーテルを所望の流体収集場所に保定するように定寸および成形される、屈曲または変曲をカテーテル本体122に付与することによって形成されることができる。好適な屈曲またはコイルは、ピグテールコイル、コルクスクリュコイル、および/または螺旋コイルを含むことができる。例えば、保定部分130は、尿管6、8内のカテーテル112を腎盂20、21に近接して、またはその中に接触させ、受動的に保定するように構成される、1つまたはそれを上回る半径方向および縦方向に延在する螺旋コイルを備えることができる。他の実施例では、保定部分130は、カテーテル本体122の半径方向にフレア状またはテーパ状部分から形成される。例えば、保定部分130はさらに、テーパ状または漏斗形状の内側表面186等の図4Aおよび4Bに示されるような流体収集部分を備えることができる。他の実施例では、保定部分130は、カテーテル本体または管122に接続され、そこから延在する、別個の要素を備えることができる。
【0222】
保定部分130はさらに、排出孔またはポート132(図3A-3Eに示される)等の1つまたはそれを上回る穿孔区分を備えることができる。排出ポートは、例えば、管122の開放遠位端120、121に位置することができる。他の実施例では、穿孔区分および/または排出ポート132は、カテーテル管122の遠位部分118の側壁に沿って配置される。排出ポートまたは孔は、流体収集を補助するために使用されることができる。他の実施例では、保定部分130は、貯留構造および流体収集専用であって、および/または負圧の付与は、カテーテル管122上の他の場所における構造によって提供される。
【0223】
ここで図2A、2B、および3A-3Eを参照すると、1つまたはそれを上回る完全コイル184および1つまたはそれを上回る半または部分コイル183等の複数の螺旋コイルを備える、例示的保定部分130が、図示される。保定部分130は、複数の螺旋コイルとともに、収縮位置と展開位置との間で移動可能である。例えば、略直線ガイドワイヤが、保定部分130を通して挿入され、保定部分130を略直線収縮位置に維持することができる。ガイドワイヤが除去されると、保定部分130は、そのコイル状構成に遷移することができる。いくつかの実施例では、コイル183、184は、管122の遠位部分118から半径方向および縦方向に延在する。図2Aおよび2Bを具体的に参照すると、好ましい例示的実施形態では、保定部分130は、2つの完全コイル184と、1つの半コイル183とを備える。線D1によって示される完全コイル184の外径は、約18±2mmであることができる。直径D2の半コイル183は、約14mmであることができる。コイル状保定部分130は、約16±2mmの高さHを有する。保定部分130はさらに、流体をカテーテル管122の内部の中に引き出すように構成される1つまたはそれを上回る排出孔132(図3A-3Eに示される)を備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130は、6つの排出孔に加え、付加的孔を保定部分の遠位先端120に備えることができる。排出孔132(図3A-3Eに示される)のそれぞれの直径は、約0.7mm~0.9mmに及ぶことができ、好ましくは、約0.83±0.01mmである。隣接する排出孔132間の距離、具体的には、コイルが直線化されたときの排出孔132間の線形距離は、約22.5±2.5mmであることができる。
【0224】
図3A-3Eに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130の近位の排出管腔の遠位部分118は、直線または曲線中心軸Lを画定する。いくつかの実施例では、保定部分130の少なくとも半または第1のコイル183および完全または第2のコイル184は、保定部分130の軸Aを中心として延在する。第1のコイル183は、管122が、角度αによって示されるように、中心軸Lから約15度~約75度に及ぶ、好ましくは、約45度の角度αで屈曲する点から開始または起始する。図3Aおよび3Bに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、縦方向中心軸Lと同延であることができる。他の実施例では、図3C-3Eに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、中心縦軸Lから延在し、例えば、それに対して角度βで湾曲または角度付けられる。
【0225】
いくつかの実施例では、複数のコイル184は、同一内径および/または外径Dおよび高さH2を有することができる。その場合、コイル184の外径D1は、10mm~30mmに及んでもよい。コイル184間の高さH2は、約3mm~10mmであってもよい。
【0226】
他の実施例では、保定部分130は、腎盂のテーパ状部分内に挿入されるように構成される。例えば、コイル184の外径D1は、管122の遠位端120に向かって増加し、テーパ状または部分的テーパ状構成を有する螺旋構造をもたらすことができる。例えば、テーパ状螺旋部分の遠位または最大外径D1は、約10mm~約30mmに及び、腎盂の寸法に対応する。保定部分130の高さH2は、約10mm~約30mmに及ぶ。
【0227】
いくつかの実施例では、コイル184の外径D1および/または高さH2は、規則的または不規則的方式で変動することができる。例えば、コイルの外径D1またはコイル間の高さH2は、規則的量(例えば、隣接するコイル184間で約10%~約25%)ずつ増加または減少することができる。例えば、3つのコイルを有する保定部分130(例えば、図3Aおよび3Bに示されるように)に関して、最近位コイルまたは第1のコイル183の外径D3は、約6mm~18mmであることができ、中央コイルまたは第2のコイル185の外径D2は、約8mm~約24mmであることができ、最遠位または第3のコイル187の外径D1は、約10mm~約30mmであることができる。
【0228】
保定部分130はさらに、保定部分130上またはそれに隣接して、カテーテル管122の側壁上またはそれを通して配置される、排出ポート132または孔を備え、尿廃棄物がカテーテル管122の外側からカテーテル管122の内側に流動することを可能にすることができる。排出ポート132の位置およびサイズは、保定部分の所望の流率および構成に応じて変動することができる。排出ポート132の直径は、約0.005mm~約1.0mmに及ぶことができる。排出ポート132間の間隔は、約1.5mm~約5mmに及ぶことができる。排出ポート132は、任意の配列で、例えば、線形にまたはオフセットされて離間されることができる。いくつかの実施例では、排出ポート132は、非円形であることができ、約0.00002~0.79mmの表面積を有することができる。
【0229】
いくつかの実施例では、図3Aに示されるように、排出ポート132は、カテーテル管122の側壁の周縁全体の周囲に位置し、排出管腔124の中に引き出され得る流体の量を増加させる(図1、2A、および2Bに示される)。他の実施例では、図3B-3Eに示されるように、排出ポート132は、本質的にコイル184の半径方向内向きに面する側のみにまたはその側のみに配置され、排出ポート132の閉塞または妨害を防止することができ、コイルの外向きに面する側は、本質的に排出ポート132がない、または排出ポート132がなくてもよい。例えば、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されるとき、尿管および/または腎臓の粘膜組織は、保定部分130に対して牽引され得、保定部分130の外側周縁上のいくつかの排出ポート132を閉塞し得る。貯留構造の半径方向内向き側上に位置する排出ポート132は、そのような組織が保定部分130の外側周縁に接触するとき、著しく閉塞されないであろう。さらに、排出ポート132との噛込または接触からの組織への傷害のリスクは、低減または改善されることができる。
【0230】
図3Cおよび3Dを参照すると、複数のコイルを備える保定部分130を有する、尿管カテーテル112の他の実施例が、図示される。図3Cに示されるように、保定部分130は、軸Aを中心として延在する3つのコイル184を備える。軸Aは、湾曲弧であって、保定部分130の近位の排出管腔181の一部分の中心縦軸Lから延在する。保定部分130に付与される曲率は、豊穣の角形状の空洞を備える、腎盂の曲率に対応するように選択されることができる。
【0231】
図3Dに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130は、角度付けられた軸Aを中心として延在する2つのコイル184を備えることができる。角度付けられた軸Aは、中心縦軸Lからある角度で延在し、角度βによって示されるように、排出管腔の一部分の中心軸Lと略垂直な軸に対して角度付けられる。角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112の排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
【0232】
図3Eは、尿管カテーテル112の別の実施例を示す。保定部分は、軸Aを中心として延在する3つの螺旋コイル184を備える。軸Aは、角度βによって示されるように、水平に対して角度付けられる。前述の実施例におけるように、角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112の排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
【0233】
図4Aおよび4Bを参照すると、別の実施例では、尿管カテーテル112の保定部分130は、いくつかの実施例では、患者の腎盂および/または腎臓内に位置付けられるように構成される拡開および/またはテーパ状遠位端部分を有する、カテーテル管122を備える。例えば、保定部分130は、尿管および/または腎臓壁に対して位置付けられるように構成される外側表面185を備え、流体をカテーテル112の排出管腔124に向かって指向するように構成される内側表面186を備える、漏斗形状の構造であることができる。保定部分130は、排出管腔124の遠位端に隣接し、第1の直径D1を有する、近位端188と、保定部分130がその展開位置にあるとき、第1の直径D1を上回る第2の直径D2を有する、遠位端190とを備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130は、圧潰または圧縮位置から展開位置に遷移可能である。例えば、保定部分130は、保定部分130がその流体収集位置に前進されると、保定部分130(例えば、漏斗部分)が半径方向外向きに展開状態に拡張するように、半径方向外向きに付勢されることができる。
【0234】
尿管カテーテル112の保定部分130は、圧潰状態から展開状態に遷移可能な種々の好適な材料から作製されることができる。一実施例では、保定部分130は、ニチノール等の温度敏感形状記憶材料から形成される、尖叉または伸長部材のフレームワークを備える。いくつかの実施例では、ニチノールフレームは、シリコン等の好適な防水材料で被覆され、テーパ状部分または漏斗を形成することができる。その場合、流体は、保定部分130の内側表面186を辿って排出管腔124の中に流動することが可能にされる。他の実施例では、保定部分130は、図4Aおよび4Bに図示されるように、漏斗形状の保定部分を形成するように屈曲または成形される、種々の剛性または部分的剛性シートまたは材料から形成される。
【0235】
いくつかの実施例では、尿管カテーテル112の保定部分は、刺激を尿管および腎盂の隣接する組織内の神経および筋線維に提供するための1つまたはそれを上回る機械的刺激デバイス191を含むことができる。例えば、機械的刺激デバイス191は、カテーテル管122の側壁の一部分内に埋設される、またはそれに隣接して搭載され、低レベルの振動を発するように構成される、線形または環状アクチュエータを含むことができる。いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部分に提供され、負圧の印加によって得られる治療上の効果を補完または修正することができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられた神経を刺激し、および/または蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織および器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。
【0236】
図5Aおよび5Bを参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル312の保定部分330は、螺旋構造332および螺旋構造332の近位に位置付けられる膨張可能要素またはバルーン350内に形成され、腎盂および/または流体収集場所内に付加的保定度を提供するための遠位部分318を有する、カテーテル管322を備える。バルーン350は、バルーンを腎盂または尿管内に保定するために十分であるが、これらの構造の膨張または損傷を回避するために十分に低い圧力まで膨張されることができる。好適な膨張圧力は、当業者に公知であって、試行錯誤によって容易に判別可能である。前述の実施例におけるように、螺旋構造332は、カテーテル管322を屈曲させ、1つまたはそれを上回るコイル334を形成することによって付与されることができる。コイル334は、前述のように、一定または可変直径および高さを有することができる。カテーテル管322はさらに、カテーテル管322の側壁上に配置され、尿がカテーテル管322の排出管腔324の中に引き出され、例えば、コイル334の内向きに面する側および/または外向きに面する側上の排出管腔324を通して身体から指向されることを可能にする、複数の排出ポート336を備える。
【0237】
図5Bに示されるように、膨張可能要素またはバルーン350は、例えば、略ハート形状の断面を有し、空洞353を画定する表面またはカバー352を備える、環状バルーン状構造を備えることができる。空洞353は、カテーテル管322によって画定された排出管腔324と平行に延在する膨張管腔354と流体連通する。バルーン350は、腎盂のテーパ状部分内に挿入され、その外側表面356が尿管および/または腎盂の内側表面に対して接触および静置するように、膨張されるように構成されることができる。膨張可能要素またはバルーン350は、縦方向および半径方向内向きにカテーテル管322に向かって延在するテーパ状内側表面358を備えることができる。内側表面358は、尿をカテーテル管322に向かって排出管腔の324中に引き出されるように指向するように構成されることができる。内側表面358はまた、膨張可能要素またはバルーン350の周縁の周囲等、流体が尿管内に滞留することを防止するように位置付けられることができる。膨張可能保定部分またはバルーン350は、望ましくは、腎盂内に嵌合するように定寸され、約10mm~約30mmに及ぶ直径を有することができる。
【0238】
図6および7を参照すると、いくつかの実施例では、保定部分410を備える尿管カテーテル412を含む、アセンブリ400が、図示される。保定部分410は、カテーテル管422の遠位端421に取り付けられる、多孔性および/またはスポンジ状材料から形成される。多孔性材料は、尿を運び、および/または吸収し、尿をカテーテル管422の排出管腔424に向かって指向するように構成される。図7に示されるように、保定部分410は、患者の腎盂内への挿入および保定のために構成される、多孔性楔形状の構造であることができる。多孔性材料は、複数の孔および/またはチャネルを含む。流体は、例えば、重力によって、またはカテーテル412を通した負圧の誘発に応じて、チャネルおよび孔を通して引き出されることができる。例えば、流体は、孔および/またはチャネルを通して楔形状の保定部分410に進入することができ、例えば、毛細管作用、蠕動によって、または孔および/またはチャネル内での負圧の誘発の結果として、排出管腔424の遠位開口部420に向かって引き出される。他の実施例では、図7に示されるように、保定部分410は、多孔性スポンジ状材料から形成される中空漏斗構造を備える。矢印Aによって示されるように、流体は、漏斗構造の内側表面426を辿ってカテーテル管422によって画定された排出管腔424の中に指向される。また、流体は、側壁428の多孔性スポンジ状材料内の孔およびチャネルを通して保定部分410の漏斗構造に進入することができる。例えば、好適な多孔性材料は、ポリウレタンエーテル等の連続気泡ポリウレタン発泡体を含むことができる。好適な多孔性材料はまた、銀等の抗菌性添加剤を伴って、または伴わずに、かつヒドロゲル、親水コロイド、アクリル、またはシリコーン等の材料特性を修正するための添加剤を伴って、または伴わずに、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリビニルアルコール、綿、またはポリエステルを含む、織布または不織布の層の積層を含むことができる。
【0239】
図8を参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル512の保定部分500は、拡張可能ケージ530を備える。拡張可能ケージ530は、1つまたはそれを上回る縦方向および半径方向に延在する中空管522を備える。例えば、管522は、ニチノール等の弾性形状記憶材料から形成されることができる。ケージ530は、患者の尿路を通した挿入のための収縮状態から、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けるための展開状態に遷移するように構成される。中空管522は、管、例えば、その半径方向内向きに面する側上に位置付けられ得る、複数の排出ポート534を備える。ポート534は、流体がポート534を通して個別の管522の中に流動する、または引き出されることを可能にするように構成される。流体は、中空管522を通して尿管カテーテル512のカテーテル本体526によって画定された排出管腔524の中に排出される。例えば、流体は、図8における矢印532によって示される経路に沿って流動することができる。いくつかの実施例では、負圧が腎盂、腎臓、および/または尿管内で誘発されると、尿管壁および/または腎盂の一部分は、中空管522の外向きに面する表面に対して牽引され得る。排出ポート534は、尿管および/または腎臓への負圧の印加に応じて、尿管構造によって著しく閉塞されないように位置付けられ、構成される。
【0240】
例示的尿収集アセンブリ:
ここで図1、9A、および11Aを参照すると、尿収集アセンブリ100はさらに、膀胱カテーテル116を備える。尿管カテーテル112、114の遠位端120、121は、膀胱カテーテル116に接続され、尿のための単一排出管腔を提供することができる、または尿管カテーテルは、別個の管を介して、膀胱カテーテル116から排出することができる。
【0241】
例示的膀胱カテーテル
膀胱カテーテル116は、尿収集アセンブリ100の留置部分を係留、保定、および/またはそのための受動固定を提供し、いくつかの実施例では、使用の間、アセンブリ構成要素の早期および/または意図されない除去を防止するための展開可能シールおよび/またはアンカ136を備える。アンカ136は、患者の膀胱10(図1に示される)の下壁に隣接して位置し、患者運動および/または留置カテーテル112、114、116に印加される力が尿管に伝達されることを防止するように構成される。膀胱カテーテル116は、尿を膀胱10から外部尿収集容器712(図19に示される)に伝導させるように構成される排出管腔140を画定する、内部を備える。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116サイズは、約8フレンチ~約24フレンチに及ぶことができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116は、約2.7~約8mmに及ぶ外径を有することができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116は、約2.16~約6.2mmに及ぶ内径を有することができる。膀胱カテーテル116は、性別および/または患者サイズのための解剖学的差異に適応するために異なる長さで利用可能であり得る。例えば、平均女性尿道長は、わずか数インチであって、したがって、管138の長さは、かなり短くあり得る。男性の平均尿道長は、陰茎に起因してより長く、ばらつきがあり得る。女性が、過剰管類がカテーテル116の操作および/またはその滅菌部分の汚染の防止における困難を増加させないことを前提として、より長い長さの管138を伴う膀胱カテーテル116を使用し得ることも可能性として考えられる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116の滅菌および留置部分は、約1インチ~3インチ(女性)~約20インチ(男性)に及ぶことができる。滅菌および非滅菌部分を含む、膀胱カテーテル116の全長は、1~数フィートであることができる。
【0242】
カテーテル管138は、尿を排出管腔140の中に引き出すために膀胱10内に位置付けられるように構成される、1つまたはそれを上回る排出ポート142を備えることができる。例えば、尿管カテーテル112、114の設置の間、患者の膀胱10内に残された過剰尿は、膀胱10からポート142および排出管腔140を通して放出される。加えて、尿管カテーテル112、114によって収集されない任意の尿は、膀胱10内に蓄積し、尿路から排出管腔140を通して伝導されることができる。排出管腔140は、負圧に加圧され、流体収集を補助してもよい、または流体が重力によって、および/または膀胱10の部分的収縮の結果として収集されるように、大気圧で維持されてもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテル112、114は、膀胱カテーテル116の排出管腔140から延在し、尿管カテーテル112、114の挿入および設置を促進および/または簡略化してもよい。
【0243】
図1を具体的に参照すると、展開可能シールおよび/またはアンカ136が、膀胱カテーテル116の遠位端148またはそれに隣接して配置される。展開可能アンカ136は、膀胱10の中への尿道12および尿道開口部18を通した挿入のための収縮状態と、展開状態との間を遷移するように構成される。アンカ136は、膀胱10の下側部分内またはそれに隣接して、および/または尿道開口部18に対して、展開および着座されるように構成される。例えば、アンカ136は、尿道開口部18に隣接して位置付けられ、膀胱10に印加される負圧の吸引を向上させる、または負圧の不在下、膀胱10を部分的に、実質的に、または完全にシールし、膀胱10内の尿が排出管腔140を通して指向されることを確実にし、尿道12への漏出を防止することができる。8フレンチ~24フレンチの伸長管138を含む、膀胱カテーテル116に関して、アンカ136は、展開状態では、約12フレンチ~32フレンチ(例えば、約4mm~約10.7mmの直径を有する)、好ましくは、約24フレンチ~30フレンチであることができる。24フレンチアンカは、約8mmの直径を有する。24フレンチアンカ136は、全てまたは大部分の患者にとって好適な単一サイズとなるであろうと考えられる。24フレンチアンカ136を伴うカテーテル116に関して、アンカ136の好適な長さは、約1.0cm~2.3cm、好ましくは、約1.9cm(約0.75インチ)である。
【0244】
例示的膀胱アンカ構造:
図1、12A、および13を具体的に参照すると、拡張可能バルーン144の形態における例示的膀胱アンカ136が、図示される。拡張可能(例えば、膨張可能)バルーン144は、例えば、Foleyカテーテルの球体バルーンであることができる。バルーン144は、約1.0cm~2.3cmの直径、好ましくは、約1.9cm(0.75インチ)の直径であることができる。バルーン144は、好ましくは、例えば、生体適合性ポリマー、ポリ塩化ビニル、Teflon(R)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコンコーティングされたラテックス、またはシリコンを含む、可撓性材料から形成される。
【0245】
バルーン144は、膨張管腔146と流体接続し、流体をバルーン144の中に導入することによって膨張される。展開状態では、バルーン144は、膀胱カテーテル116のカテーテル管138に搭載され、そこから半径方向外向きに延在し、カテーテル管138が通過するための中心空洞またはチャネルを備える、略球体構造であることができる。いくつかの実施例では、カテーテル管138は、カテーテル管138の開放遠位端148が、バルーン144を越えて、膀胱10(図1に示される)の中心に向かって遠位に延在するように、バルーン144によって画定された空洞を通して延在する。膀胱10内に収集される過剰尿は、排出管腔140の中にその遠位開放端148を通して引き出されることができる。
【0246】
図1および12Aに示されるように、一実施例では、尿管カテーテル112、114は、排出管腔140の開放遠位端148から延在する。別の実施例では、図14に示されるように、尿管カテーテル112、114は、バルーン144の遠位の位置において、カテーテル管138の側壁上に配置されるポート172または開口部を通して延在する。ポート172は、円形または卵形形状であることができる。ポート172は、尿管カテーテル112、114を受容するように定寸され、故に、約0.33mm~約3mmに及ぶ直径を有することができる。図13に示されるように、別の実施例では、膀胱カテーテル116は、バルーン144によって画定された中心空洞を通して延在するのではなく、バルーン144の隣に位置付けられる。他の実施例におけるように、尿管カテーテル112、114は、膀胱カテーテル116の側壁内のポート172を通して膀胱10の中に延在する。
【0247】
図12Bを参照すると、膀胱カテーテル116および尿管カテーテル112、114の断面図が、示される。図12Bに示されるように、一実施例では、膀胱カテーテル116は、その中心領域における排出管腔140と、カテーテル管138の周縁に沿って延在するより小さい膨張管腔146とを伴う、二重管腔カテーテルを備える。尿管カテーテル112、114は、中心排出管腔140内に挿入または封入される。尿管カテーテル112、114は、排出管腔140内に嵌合するために十分に狭い断面を有する、単一管腔カテーテルである。いくつかの実施例では、前述のように、尿管カテーテル112、114は、膀胱カテーテル116全体を通して延在する。他の実施例では、尿管カテーテル112、114は、患者の尿管12内のある位置または排出管腔140の外部部分内のいずれかにおいて、膀胱カテーテル116の排出管腔140内で終端する。図12Cに示されるように、別の実施例では、膀胱カテーテル116aは、少なくとも4つの管腔、すなわち、第1の尿管カテーテル112(図1に示される)からの流体を伝導させるための第1の管腔112aと、第2の尿管カテーテル114(図1に示される)からの流体を伝導させるための第2の管腔114aと、膀胱10(図1に示される)からの尿の排出のための第3の管腔140aと、その膨張および後退のために、バルーン144(図12Aに示される)へおよびそこから流動を伝導させるための膨張管腔146aとを画定する、多腔型カテーテルである。
【0248】
図15に示されるように、尿収集アセンブリ100と併用するためのカテーテルバルーン144の別の実施例が、図示される。図15の実施例では、バルーン144は、部分的に患者の膀胱10および部分的に尿道12内に位置付けられ、向上した膀胱シールを提供するように構成される。バルーン144の中心部分145は、尿道開口部18によって半径方向に収縮され、それによって、膀胱10の下側部分内に位置付けられるように構成される球根状上側体積と、尿道12の遠位部分に位置付けられるように構成される球根状下側体積とを画定するように構成される。前述の実施例におけるように、膀胱カテーテル116は、バルーン144によって画定された中心空洞を通して膀胱10の中心部分に向かって延在し、尿を膀胱10からカテーテル116の排出管腔140を通して伝導させるための排出ポート142を含む。排出ポート142は、略円形または卵形形状であることができ、約0.005mm~約0.5mmの直径を有することができる。
【0249】
再び図9Aおよび9Bを参照すると、膀胱アンカデバイス134を含む、尿収集アセンブリ100の別の実施例が、図示される。膀胱アンカデバイス134は、排出管腔140、膨張管腔146、およびアンカ136を画定する、膀胱カテーテル116、すなわち、膀胱10の下側部分内に着座されるように構成される、拡張可能バルーン144の別の実施例を備える。前述の実施例と異なり、尿管カテーテル112、114を受容するように構成されるポート142は、バルーン144の近位および/またはその下方に配置される。尿管カテーテル112、114は、ポート142から延在し、前述の実施例におけるように、膀胱の尿管口または開口部を通して尿管の中に延在する。アンカ136が膀胱内で展開されると、ポート142は、尿道開口部に隣接する膀胱の下側部分に配置される。尿管カテーテル112、114は、ポート172から、バルーン144の下側部分と膀胱壁との間に延在する。いくつかの実施例では、カテーテル112、114は、膀胱内に収集される過剰尿が、ポート142の中に引き出され、身体から除去され得るように、バルーン144および/または膀胱壁がポート142を閉塞することを防止するように位置付けられてもよい。
【0250】
再び図10Aおよび10Bを参照すると、尿収集アセンブリ200の別の実施例では、拡張可能ケージ210は、アセンブリ200を膀胱内に係留する。拡張可能ケージ210は、膀胱カテーテル216のカテーテル本体238から縦方向および半径方向外向きに延在する複数の可撓性部材212または尖叉を備え、これは、いくつかの実施例では、図8の尿管カテーテルの保定部分に関して前述のモノに類似することができる。部材212は、ニチノール等の好適な弾性かつ形状記憶材料から形成されることができる。展開位置において、部材212または尖叉は、球体または楕円体中心空洞242を画定するように十分な曲率が付与される。ケージ210は、カテーテル管または本体238の開放遠位開放端248に取り付けられ、管または本体238によって画定された排出管腔240へのアクセスを可能にする。ケージ210は、膀胱の下側部分内に位置付けるために定寸され、1.0cm~2.3cm、好ましくは、約1.9cm(0.75インチ)に及ぶ直径および長さを画定することができる。
【0251】
いくつかの実施例では、ケージ210はさらに、ケージ210の遠位部分にわたって遮蔽体またはカバー214を備え、組織、すなわち、膀胱の遠位壁が、ケージ210または部材212との接触の結果として捕捉または噛込されるであろう可能性を防止または低減させる。より具体的には、膀胱が収縮するにつれて、膀胱の内側遠位壁は、ケージ210の遠位側と接触する。カバー214は、組織が噛込または捕捉されることを防止し、使用の間、患者不快感を低減させ、デバイスを保護し得る。カバー214は、少なくとも部分的に、織布ポリマーメッシュ等の多孔性および/または浸透性生体適合性材料から形成されることができる。いくつかの実施例では、カバー214は、空洞242の全てまたは実質的に全てを封入する。その場合、カバー214は、尿管カテーテル112、114を受容するために好適な開口部を画定する。いくつかの実施例では、カバー214は、ケージ210の遠位約2/3、遠位約半分、または遠位約1/3部分、または任意の量のみを被覆する。その場合、尿管カテーテル112、114は、ケージ210の被覆されていない部分を通して通過する。
【0252】
ケージ210およびカバー214は、部材212が中心部分の周囲および/または膀胱カテーテル116の周囲でともに緊密に収縮され、カテーテルまたはシースを通した挿入を可能にする、収縮位置から、展開位置に遷移可能である。例えば、形状記憶材料から構築されるケージ210の場合、ケージ210は、体温(例えば、37℃)等の十分な温度まで加温されると、展開位置に遷移するように構成されることができる。展開位置において、ケージ210は、好ましくは、ケージ210が、尿管カテーテル112、114のための支持を提供し、患者運動が尿管カテーテル112、114を通して尿管に伝達することを防止するように、尿道開口部より広い、直径Dを有する。アセンブリ200が尿路内で展開されると、尿管カテーテル112、114は、膀胱カテーテル216の開放遠位端248から、ケージ210の縦方向に延在する部材212を過ぎて、膀胱の中に延在する。有利には、部材212または尖叉の開放(例えば、薄型)配列は、膀胱カテーテル116から膀胱を通した尿管カテーテル112、114の操作を促進する。特に、部材212または尖叉の開放配列は、膀胱カテーテル216の遠位開口部248および/または排出ポートを妨害または閉塞させず、カテーテル112、114の操作を行うことをより容易にする。
【0253】
図16を参照すると、尿収集アセンブリ100bの別の実施例の一部分が、図示される。尿収集アセンブリ100bは、第1の尿管カテーテル112bと、第2の尿管カテーテル114bとを備える。アセンブリ100bは、前述の実施例において提供されるような別個の膀胱排出カテーテルを備えない。代わりに、尿管カテーテル112bの一方は、カテーテル112bの中央部分(例えば、患者の膀胱の下側部分内に位置付けられるように構成されるカテーテルの部分)に形成される螺旋部分127bを備える。螺旋部分127bは、少なくとも1つ、好ましくは、2つまたはそれを上回るコイル176bを含む。コイル176bは、カテーテル管138bを屈曲させ、所望のコイル構成を付与することによって形成されることができる。螺旋部分127bの下側コイル178bは、尿道開口部に対して、および/またはそれに隣接して着座されるように構成される。望ましくは、螺旋部分127bは、尿道開口部より大きく、螺旋部分127bが尿道の中に牽引されることを防止する、直径Dを有する。いくつかの実施例では、ポート142bまたは開口部が、第1の尿管カテーテル112bを第2の尿管カテーテル114bに接続するために、カテーテル管138bの側壁内に配置される。例えば、第2のカテーテル114bは、ポート142b内に挿入され、第1の尿管カテーテル112bと第2の尿管カテーテル114bとの間の流体接続を形成することができる。いくつかの実施例では、第2のカテーテル114bは、第1のカテーテル112bの排出管腔140bのすぐ内側の位置で終端する。他の実施例では、第2の尿管カテーテル114bは、第1のカテーテル112bの排出管腔140bの長さを通して螺入される、および/またはそれに沿って延在するが、排出管腔140bと流体連通しない。
【0254】
再び図11Aおよび11Bを参照すると、膀胱アンカデバイス134を備える、別の例示的尿収集アセンブリ100が、図示される。アセンブリ100は、尿管カテーテル112、114と、別個の膀胱カテーテル116とを含む。より具体的には、前述の実施例におけるように、アセンブリ100は、尿管カテーテル112、114を含み、それぞれ、右腎および左腎内またはそれに隣接して位置付けられる、それぞれ、遠位部分118を備える。尿管カテーテル112、114は、尿管、膀胱、および尿道を通して延在する、留置部分118、126、128を備える。尿管カテーテル112、114はさらに、患者の尿道12から負圧を腎盂および/または腎臓に付与するためのポンプアセンブリまで延在する、外部部分170を備える。アセンブリ100はまた、膀胱内に展開され、患者運動の影響が尿管カテーテル112、114および/または尿管に伝達されることを防止または低減させる、膀胱カテーテル116およびアンカ136(例えば、Foleyカテーテル)を備える、膀胱アンカデバイス134を含む。膀胱カテーテル116は、膀胱10から、尿道を通して、重力または負圧排出による流体収集のための流体収集容器まで延在する。いくつかの実施例では、収集脈管712とポンプ710(図19に示される)との間に延在する管類の外部部分は、尿および/または粒子状物がポンプに進入することを防止するための1つまたはそれを上回るフィルタを備えることができる。前述の実施例におけるように、膀胱カテーテル116は、カテーテル設置の間に患者の膀胱内に残った過剰尿を排出するために提供される。
【0255】
例示的コネクタおよびクランプ:
図1、11A、および17A-17Cを参照すると、アセンブリ100はさらに、患者の身体の外側の位置においてカテーテル112、114、116の2つまたはそれを上回るものを継合するためのマニホールドまたはコネクタ150を備える。いくつかの実施例では、コネクタ150は、当技術分野において公知のように、カテーテルを外部可撓性管類に継合するためのクランプ、マニホールド、弁、締結具、または流体路セットの他の要素であることができる。図17Aおよび17Bに示されるように、マニホールドまたはコネクタ150は、外側筐体153の内側に搭載される内側部分151を備える、2部品から成る本体を備える。内側部分151は、流体を流入ポート154、155と流出ポート158との間で伝導させるためのチャネルを画定する。流入ポート154、155は、カテーテル112、114の近位部分を受容するように構成される、ねじ山付きソケット157を備えることができる。望ましくは、ソケット157は、1フレンチ~9フレンチに定寸される可撓性管類をしっかりと受容および保持するために好適なサイズである。概して、ユーザは、ソケット157をポート154、155の中に矢印A1(図17Bに示される)の方向にスピンさせることによって、ソケット157を個別のカテーテル管122に周囲に締め付ける。
【0256】
いったんカテーテル112、114がコネクタ150に搭載されると、真空流入ポート154、155を通してコネクタ150に進入する尿は、流体導管を通して矢印A2(図17Bに示される)の方向に真空流出ポート158に指向される。真空流出ポート158は、例えば、流体流路を画定する可撓性管類166によって、流体収集容器712および/またはポンプアセンブリ710(図19に示される)に接続されることができる。
【0257】
図17Cを具体的に参照すると、別の例示的コネクタ150は、3つまたはそれを上回るカテーテル112、114、116を流出ポート158、162に接続するように構成されることができる。コネクタ150は、尿管カテーテル112、114の近位端に接続されるように構成される2つまたはそれを上回る真空流入ポート154、155と、膀胱カテーテル116の近位端に接続するように構成される別個の重力排出ポート156とを備える遠位側152を有する、構造または本体を備えることができる。真空ポート154、155および/または尿管カテーテル112、114の近位端は、尿管カテーテル112、114が、真空源に接続され、ある他の流体収集アセンブリに接続されないことを確実にするための具体的構成を備えることができる。同様に、重力排出ポート156および/または膀胱カテーテル116の近位端は、膀胱カテーテル116(尿管カテーテル112、114のうちの1つではない)が、重力排出によって排出することを可能にされることを確実にするための別のコネクタ構成を備えることができる。他の実施例では、ポート154、155、156および/またはカテーテル112、114、116の近位端は、流体収集システムを正しく設定することを補助するための視覚的印を含むことができる。
【0258】
いくつかの実施例では、真空ポート154、155内に受容された尿は、Y形状の導管を通してコネクタ150の近位側160上に位置する単一真空流出ポート158に指向されることができる。前述の実施例におけるように、真空流出ポート158は、尿を身体から引き出し、負圧を尿管および/または腎臓内で誘発するための好適な可撓性管類または他の導管によって、流体収集容器712および/またはポンプ710に接続されることができる。いくつかの実施例では、流出ポート156および/またはコネクタ150は、所定の圧力範囲または電力レベル内で動作し、尿管カテーテル112、114を高レベルまたは強度の負圧に暴露することを防止する、真空源またはポンプにのみ取り付けられるように構成されることができる。コネクタ150の近位側160はまた、流入ポート156と流体連通する重力流出ポート162を備えることができる。重力流出ポート162は、重力排出によって尿収集のために直接尿収集容器712に接続されるように構成されることができる。
【0259】
図17Cを継続して参照すると、いくつかの実施例では、システム設定および実装を促進するために、真空流出ポート158および重力流出ポート162は、単一ソケット164、ブラケット、またはコネクタが、コネクタ150に結合され、各ポート158、162との流体連通を確立し得るように、近接近して配置される。単一ソケットまたはコネクタは、ポンプ710と流体連通する第1の導管と、収集容器712と流体連通する第2の導管とを有する、多導管ホースまたは管(例えば、可撓性管類166)に結合されることができる。故に、ユーザは、単一ソケット164をコネクタ150内に挿入し、個別の導管を流体収集容器712およびポンプ710(図19に示される)のうちの1つに接続することによって、外部流体収集システムを容易に設定することができる。他の実施例では、ある長さの可撓性管類166が、尿収集容器712と重力流出ポート162との間に接続され、別個の長さの可撓性管類が、ポンプ710と真空流出ポート158との間に接続される。
【0260】
例示的流体センサ:
再び図1を参照すると、いくつかの実施例では、アセンブリ100はさらに、尿管6、8および/または膀胱10から収集されている尿の流体特性を監視するためのセンサ174を備える。図19に関連して本明細書に議論されるように、センサ174から得られる情報は、中央データ収集モジュールまたはプロセッサに伝送され、例えば、ポンプ710(図19に示される)等の外部デバイスの動作を制御するために使用されることができる。センサ174は、例えば、カテーテル本体または管の壁内に埋設され、排出管腔124、140と流体連通する等、カテーテル112、114、116のうちの1つまたはそれを上回るものと一体的に形成されることができる。他の実施例では、センサ174のうちの1つまたはそれを上回るものは、流体収集容器712(図19に示される)またはポンプ710等の外部デバイスの内部回路内に位置付けられることができる。
【0261】
尿収集アセンブリ100と併用され得る例示的センサ174は、以下のセンサタイプのうちの1つまたはそれを上回るものを備えることができる。例えば、カテーテルアセンブリ100は、尿の伝導性をサンプリングする、伝導率センサまたは電極を備えることができる。人尿の正常伝導率は、約5~10mS/mである。予期される範囲外の伝導率を有する尿は、患者が生理学的問題を被っており、さらなる治療または分析を要求することを示し得る。カテーテルアセンブリ100はまた、カテーテル112、114、116を通る尿の流率を測定するための流量計を含むことができる。流率は、身体から排泄される流体の総体積を判定するために使用されることができる。カテーテル112、114、116はまた、尿温度を測定するための温度計を備えることができる。尿温度は、伝導率センサと協働するために使用されることができる。尿温度はまた、生理学的正常範囲外の尿温度がある生理学的状態を示し得るため、監視目的のために使用されることができる。
【0262】
尿収集アセンブリの挿入方法
尿管カテーテル保定部分および膀胱アンカデバイス(例えば、標準的または修正されたFoleyタイプカテーテル)を含む、尿収集アセンブリ100が説明されてきたが、ここで、アセンブリの挿入および展開のための方法が、詳細に議論されるであろう。
【0263】
図18Aを参照すると、流体収集アセンブリを患者の身体内に位置付け、随意に、負圧を患者の尿管および/または腎臓内で誘発するためのステップが、図示される。ボックス610に示されるように、医療従事者または介護者が、可撓性または剛性膀胱鏡を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入し、尿管口または開口部の可視化を得る。いったん好適な可視化が得られると、ボックス612に示されるように、ガイドワイヤが、尿道、膀胱、尿管開口部、尿管を通して、腎臓の腎盂等の所望の流体収集位置に前進される。いったんガイドワイヤが所望の流体収集位置に前進されると、本発明の尿管カテーテル(その実施例は、上記に詳細に議論される)は、ボックス614に示されるように、ガイドワイヤにわたって流体収集位置に挿入される。いくつかの実施例では、尿管カテーテルの場所は、ボックス616に示されるように、蛍光透視法によって確認されることができる。いったんカテーテルの遠位端の位置が確認されると、ボックス618に示されるように、尿管カテーテルの保定部分が、展開されることができる。例えば、ガイドワイヤは、カテーテルから除去され、それによって、遠位端および/または保定部分が展開位置に遷移することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、カテーテルの展開された遠位端部分は、尿がカテーテルの外側から尿管を通して膀胱の中に通過することを可能にされるように、尿管および/または腎盂を完全に閉塞しない。カテーテルを移動させることは、尿路組織に対して力を付与し得るため、尿管の完全妨害を回避し、傷害を生じさせ得る、尿管側壁への力の印加を回避する。
【0264】
尿管カテーテルが定位置に来て展開されると、同一ガイドワイヤが、本明細書に説明される同一挿入および位置付け方法を使用して、第2の尿管カテーテルを他の尿管および/または腎臓内に位置付けるために使用されることができる。例えば、膀胱鏡が、膀胱内の他の尿管開口部の可視化を得るために使用されることができ、ガイドワイヤは、可視化された尿管開口部を通して他の尿管内の流体収集位置に前進されることができる。カテーテルは、ガイドワイヤとともに牽引され、本明細書に説明される様式で展開されることができる。代替として、膀胱鏡およびガイドワイヤは、身体から除去されることができる。膀胱鏡は、第1の尿管カテーテルにわたって膀胱の中に再挿入されることができる。膀胱鏡は、第2の尿管カテーテルを位置付けるために、尿管開口部の可視化を得て、第2のガイドワイヤを第2の尿管および/または腎臓に前進させることを補助するように、前述の様式で使用される。いったん尿管カテーテルが定位置に来ると、いくつかの実施例では、ガイドワイヤおよび膀胱鏡は、除去される。他の実施例では、膀胱鏡および/またはガイドワイヤは、膀胱内に留まり、膀胱カテーテルの設置を補助することができる。
【0265】
随意に、膀胱カテーテルもまた、使用されることができる。いったん尿管カテーテルが定位置に来ると、ボックス620に示されるように、医療従事者または介護者は、圧潰または収縮状態における膀胱カテーテルの遠位端を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入することができる。膀胱カテーテルは、従来のFoley膀胱カテーテルまたは上記で詳細に議論されるような本発明の膀胱カテーテルであることができる。いったん膀胱内に挿入されると、ボックス622に示されるように、膀胱カテーテルに接続され、および/またはそれと関連付けられたアンカは、展開位置に拡張される。例えば、拡張可能または膨張可能カテーテルが使用されるとき、流体が、膀胱カテーテルの膨張管腔を通して指向され、患者の膀胱内に位置するバルーン構造を拡張してもよい。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、ガイドワイヤおよび/または膀胱鏡を使用せずに、尿道を通して膀胱の中に挿入される。他の実施例では、膀胱カテーテルは、尿管カテーテルを位置付けるために使用される同一ガイドワイヤにわたって挿入される。故に、このように挿入されるとき、尿管カテーテルは、膀胱カテーテルの遠位端から延在するように配列されることができ、随意に、尿管カテーテルの近位端は、膀胱カテーテルの排出管腔内で終端するように配列されることができる。
【0266】
いくつかの実施例では、尿は、尿道からの重力によって排出することが可能にされる。他の実施例では、負圧が、尿管カテーテルおよび/または膀胱カテーテル内で誘発され、尿の排出を促進する。
【0267】
図18Bを参照すると、尿管および/または腎臓内での負圧の誘発のために尿収集アセンブリを使用するためのステップが、図示される。ボックス624に示されるように、膀胱および/または尿管カテーテルの留置部分が正しく位置付けられ、係留/保定構造が展開された後、カテーテルの外部近位端は、流体収集またはポンプアセンブリに接続される。例えば、尿管カテーテルは、患者の腎盂および/または腎臓において負圧を誘発するためにポンプに接続されることができる。同様に、膀胱カテーテルは、膀胱からの尿の重力排出のために、直接尿収集容器に接続される、または膀胱において負圧を誘発するためにポンプに接続されることができる。
【0268】
いったんカテーテルおよびポンプアセンブリが接続されると、負圧が、ボックス626に示されるように、尿管カテーテルおよび/または膀胱カテーテルの排出管腔を通して、腎盂および/または腎臓および/または膀胱に印加される。負圧は、腹腔内圧上昇および結果として生じるまたは上昇した腎静脈圧または腎リンパ圧に起因する、鬱滞媒介間質静水圧に対抗するように意図される。印加される負圧は、したがって、髄質尿細管を通した濾過液の流動を増加させ、水分およびナトリウム再吸収を減少させることが可能である。
【0269】
いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部分に提供に提供され、負圧の印加によって得られる治療上の効果を補完または修正することができる。例えば、尿管カテーテルの遠位部分に配置される、例えば、振動波を提供するための線形アクチュエータおよび他の公知のデバイス等の機械的刺激デバイスが、作動されることができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられた神経を刺激し、および/または蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織および器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。いくつかの実施例では、機械的刺激は、パルス状刺激を含むことができる。他の実施例では、低レベルの機械的刺激が、負圧が尿管カテーテルを通して提供されるにつれて、持続的に提供されることができる。他の実施例では、尿管カテーテルの膨張可能部分が、パルス状様式において膨張および収縮され、本明細書に説明される機械的刺激デバイスの作動と類似様式において、隣接する神経および筋肉組織を刺激し得る。
【0270】
印加される負圧の結果、ボックス628に示されるように、尿が、その遠位端の複数の排出ポートにおけるカテーテルの中に、そこからカテーテルの排出管腔を通して、廃棄のための流体収集容器に引き出される。尿が収集容器に引き出されるにつれて、ボックス630において、流体収集システム内に配置されるセンサは、収集される尿の体積を査定するために使用され得る尿についてのいくつかの測定および患者の物理的状態および形成される尿の組成物についての情報を提供する。いくつかの実施例では、センサによって得られる情報は、ボックス632に示されるように、ポンプおよび/または別の患者監視デバイスと関連付けられたプロセッサによって処理され、ボックス634において、関連付けられたフィードバックデバイスの視覚的ディスプレイを介してユーザに表示される。
【0271】
例示的流体収集システム:
そのようなアセンブリを患者の身体内に位置付ける例示的尿収集アセンブリおよび方法が説明されてきたが、ここで、図19を参照して、負圧を患者の尿管および/または腎臓に誘発するためのシステム700が、説明されるであろう。システム700は、本明細書に上記で説明される、尿管カテーテル、膀胱カテーテル、または尿収集アセンブリ100を備えることができる。図19に示されるように、アセンブリ100の尿管カテーテル112、114および/または膀胱カテーテル116は、腎盂および/または膀胱から引き出される尿を収集するために1つまたはそれを上回る流体収集容器712に接続される。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116および尿管カテーテル112、114は、異なる流体収集容器712に接続される。尿管カテーテル112、114に接続される流体収集容器712は、負圧を尿管カテーテル112、114を通して尿管および腎臓内に発生させるために外部流体ポンプ710と流体連通することができる。本明細書に議論されるように、そのような負圧は、間質圧を克服し、尿を腎臓または腎単位内で形成するために提供されることができる。いくつかの実施例では、流体収集容器712とポンプ710との間の接続は、流体ロックまたは流体障壁を備え、偶発的治療用または非治療用圧力変化の場合、空気が腎盂または腎臓に進入することを防止することができる。例えば、流体容器の流入および流出ポートは、容器内に流体レベルを下回って位置付けられることができる。故に、空気は、流体容器712の流入または流出ポートのいずれかを通して医療管類またはカテーテルに進入することを防止される。前述のように、流体収集容器712とポンプ710との間に延在する管類の外部部分は、1つまたはそれを上回るフィルタを含み、尿および/または粒子状物質がポンプ710に進入することを防止することができる。
【0272】
図19に示されるように、システム700はさらに、ポンプ710に電子的に結合され、コンピュータ可読メモリ716を有する、またはそれと関連付けられたマイクロプロセッサ等のコントローラ714を備える。いくつかの実施例では、メモリ716は、実行されると、コントローラ714に、情報をアセンブリ100の一部分上に位置する、またはそれと関連付けられたセンサ174から受信させる命令を備える。患者の状態についての情報は、センサ174からの情報に基づいて判定されることができる。センサ174からの情報はまた、ポンプ710のための動作パラメータを判定および実装するために使用されることができる。
【0273】
いくつかの実施例では、コントローラ714は、専用電子デバイス、コンピュータ、タブレットPC、またはスマートフォン等のポンプ710と通信する別個かつ遠隔の電子デバイス内に組み込まれる。代替として、コントローラ714は、ポンプ710内に含まれることができ、例えば、ポンプ710を手動で動作させるためのユーザインターフェースと、情報をセンサ174から受信し、処理する等のシステム機能の両方を制御することができる。
【0274】
コントローラ714は、情報を1つまたはそれを上回るセンサ174から受信し、情報を関連付けられたコンピュータ可読メモリ716内に記憶するように構成される。例えば、コントローラ714は、1秒に1回等の所定の率でセンサ174から情報を受信し、受信された情報に基づいて、伝導率を判定するように構成されることができる。いくつかの実施例では、伝導率を計算するためのアルゴリズムはまた、尿温度等の他のセンサ測定を含み、伝導率のよりロバストな判定を得ることができる。
【0275】
コントローラ714はまた、患者状態の変化を経時的に例証する、患者物理統計または診断インジケータを計算するように構成されることができる。例えば、システム700は、排泄される総ナトリウム量を識別するように構成されることができる。排泄される総ナトリウム量は、例えば、ある時間期間にわたる流率および伝導率の組み合わせに基づき得る。
【0276】
図19を継続して参照すると、システム700はさらに、情報をユーザに提供するために、視覚的ディスプレイまたはオーディオシステム等のフィードバックデバイス720を備えることができる。いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720は、ポンプ710と一体的に形成されることができる。代替として、フィードバックデバイス720は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン、または他のハンドヘルド電子デバイス等の別個の専用または多目的電子デバイスであることができる。フィードバックデバイス720は、計算または判定された測定をコントローラ714から受信し、受信された情報をフィードバックデバイス720を介してユーザに提示するように構成される。例えば、フィードバックデバイス720は、尿路に印加されている現在の負圧(mmHg単位)を表示するように構成されることができる。他の実施例では、フィードバックデバイス720は、尿の現在の流率、温度、尿のmS/m単位における現在の伝導率、セッションの間に産生された総尿量、セッションの間に排泄される総ナトリウム量、他の物理的パラメータ、または任意のそれらの組み合わせを表示する。
【0277】
いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720はさらに、ユーザがポンプ710の動作を制御することを可能にする、ユーザインターフェースモジュールまたは構成要素を備える。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、ポンプ710をオンまたはオフにすることができる。ユーザはまた、ポンプ710によって印加される圧力を調節し、より大きな大きさまたは率のナトリウム排泄および流体除去を達成することができる。
【0278】
随意に、フィードバックデバイス720および/またはポンプ710はさらに、情報をデバイス720および/またはポンプ710から他の電子デバイスまたはコンピュータネットワークに送信するためのデータ送信機722を備える。データ送信機722は、短距離または長距離データ通信プロトコルを利用することができる。短距離データ伝送プロトコルの実施例は、Bluetooth(登録商標)である。長距離データ伝送ネットワークは、例えば、Wi-Fiまたはセルラーネットワークを含む。データ送信機722は、情報を患者の医師または介護者に送信し、医師または介護者に患者の電流状態について知らせることができる。代替として、または加えて、情報は、例えば、患者の電子医療記録(EHR)内に記録される情報を含むように、データ送信機722から既存のデータベースまたは情報記憶場所に送信されることができる。
【0279】
図20Aおよび20Bを参照すると、システムと併用するための例示的ポンプ710が、図示される。いくつかの実施例では、ポンプ710は、流体をカテーテル112、114(例えば、図1に示される)から引き出すように構成され、約10mmHgまたはそれ未満の感度または正確度を有する、マイクロポンプである。望ましくは、ポンプ710は、長期間、例えば、約8時間~約24時間/日、1~約30日、またはより長い期間にわたって0.05ml/分~3ml/分の尿の流動範囲を提供可能である。0.2ml/分では、約300mLの尿/日がシステム700によって収集されることが予期される。ポンプ710は、負圧を患者の膀胱に提供するように構成されることができ、負圧は、約0.1mmHg~50mmHg、および約5mmHg~20mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧)に及ぶ。例えば、Langer Inc.(モデルBT100-2J)によって製造されたマイクロポンプが、本開示のシステム700と併用されることができる。ダイヤフラム吸引器ポンプおよび他のタイプの市販のポンプもまた、本目的のために使用されることができる。蠕動ポンプもまた、システム700と併用されることができる。他の実施例では、ピストンポンプ、真空ボトル、または手動真空源が、負圧を提供するために使用されることができる。他の実施例では、システムは、負圧を治療上適切なレベルまで低減させるための真空調整器を通して、病院において利用可能であるような壁吸引源に接続されることができる。
【0280】
いくつかの実施例では、ポンプ710は、長期使用のために構成されることができ、したがって、例えば、8~24時間、1~約30日、またはより長い期間にわたって、精密な吸引を維持することが可能である。さらに、いくつかの実施例では、ポンプ710は、手動で動作され、その場合、ユーザが所望の吸引値を設定することを可能にする、制御パネル718を含む。ポンプ710はまた、システム700を動作させる同一コントローラであり得る、またはポンプ710の動作のための専用の別個のプロセッサであり得る、コントローラまたはプロセッサを含むことができる。いずれの場合も、プロセッサは、ポンプの手動動作のためと、所定の動作パラメータに従ってポンプ710を自動的に動作させるためとの命令の両方を受信するために構成される。代替として、または加えて、ポンプ710の動作は、カテーテルと関連付けられた複数のセンサから受信されたフィードバックに基づいて、プロセッサによって制御されることができる。
【0281】
いくつかの実施例では、プロセッサは、ポンプ710を断続的に動作させるように構成される。例えば、ポンプ710は、負圧のパルスを発し、負圧が提供されない期間が続くように構成されてもよい。他の実施例では、ポンプ710は、負圧および正圧の提供間を交互し、交互フラッシュおよびポンプ効果をもたらすように構成されることができる。例えば、約0.1mmHg~20mmHg、好ましくは、約5mmHg~20mmHgの正圧が、提供された後、約0.1mmHg~50mmHgに及ぶ負圧が続くことができる。
【実施例
【0282】
実験実施例:
家畜用ブタの腎盂内における負圧の誘発が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために行われた。これらの研究の目的は、腎盂の中に送達される負圧が腎鬱滞のブタモデルにおいて排尿を有意に増加させるかどうかを実証するものであった。実施例1では、通常、塞栓除去術または気管支鏡検査法用途において使用される、小児用Fogartyカテーテルが、腎盂における負圧の誘発の原理の証拠のためだけにブタモデルにおいて使用された。Fogartyカテーテルが、尿路組織の傷害を回避するために、臨床設定においてヒトに使用されることは示唆されない。実施例2では、図2Aおよび2Bに示され、カテーテルの遠位部分を腎盂または腎臓内に搭載または維持するための螺旋保定部分を含む、尿管カテーテル112が、使用された。
【0283】
(実施例1)
方法
4匹の家畜用ブタ800が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために使用された。図21に示されるように、小児用Fogartyカテーテル812、814が、4匹のブタ800の各腎臓802、804の腎盂領域820、821に挿入された。カテーテル812、814が、拡張可能バルーンを、腎盂をシールし、バルーンの位置を腎盂内に維持するために十分なサイズに膨張させることによって、腎盂領域内に展開された。カテーテル812、814は、腎盂802、804から、膀胱810および尿道816を通して、ブタの外部の流体収集容器に延在する。
【0284】
2匹の動物の排尿が、排尿体積および率に関するベースラインを確立するために15分期間にわたって収集された。右腎802および左腎804の排尿が、個々に測定され、著しく変動することが見出された。クレアチニンクリアランス値もまた、判定された。
【0285】
腎鬱滞(例えば、腎臓の静脈内の鬱滞または血流低減)が、下大静脈(IVC)を腎静脈流出口の直上の膨張可能バルーンカテーテル850で部分的に閉塞することによって、動物800の右腎802および左腎804内で誘発された。圧力センサが、IVC圧力を測定するために使用された。正常IVC圧力は、1~4mmHgであった。カテーテル850のバルーンをIVC直径の約3/4まで膨張させることによって、IVC圧力は、15~25mmHgまで上昇された。IVC直径の約3/4までのバルーンの膨張は、排尿における50~85%低減をもたらした。完全閉塞は、28mmHgを上回るIVC圧力を発生させ、排尿における少なくとも95%低減と関連付けられた。
【0286】
各動物800の一方の腎臓が、治療されず、対照(「対照腎臓802」)として供与された。対照腎臓から延在する尿管カテーテル812は、流体レベルを判定するために流体収集容器819に接続された。各動物の一方の腎臓(「治療腎臓804」)が、尿管カテーテル814に接続される負圧源(例えば、小さい大きさの負圧をより正確に制御するように設計される調整器と組み合わせた療法ポンプ818)からの負圧で治療された。ポンプ818は、Cole-Parmer Instrumen Company(モデル番号EW-07530-85)製Air Cadet Vacuum Pumpであった。ポンプ818は、調整器に直列に接続された。調整器は、Airtrol Components Inc.製V-800 Series Miniature Precision Vacuum Regulator-1/8 NPT Ports(モデル番号V-800-10-W/K)であった。
【0287】
ポンプ818は、以下のプロトコルに従って、負圧を治療腎臓の腎盂820、821内で誘発するように作動された。最初に、負圧の効果が、正常状態で(例えば、IVCバルーンを膨張させずに)調査された。4つの異なる圧力レベル(-2、-10、-15、および-20mmHg)が、15分ずつ印加され、産生された尿およびクレアチニンクリアランスの率が、判定された。圧力レベルは、調整器において制御および判定された。-20mmHg療法に続いて、IVCバルーンが、膨張され、圧力を15~20mmHg増加させた。同一の4つの負圧レベルが、印加された。鬱滞対照腎臓802および治療腎臓804に関する排尿量およびクレアチニンクリアランス率が、得られた。動物800は、90分にわたるIVCの部分的閉塞によって鬱滞させられた。治療が、90分鬱滞期間のうち60分にわたって提供された。
【0288】
排尿およびクレアチニンクリアランスデータの収集に続いて、1匹の動物からの腎臓が、肉眼的検査を受け、次いで、10%中性緩衝ホルマリン内に固定された。肉眼的検査に続いて、組織切片が、得られ、検査され、切片の拡大画像が、捕捉された。切片は、直立型Olympus BX41光顕微鏡を使用して検査され、画像が、Olympus DP25デジタルカメラを使用して捕捉された。具体的には、サンプリングされた組織の光顕微鏡写真画像は、低拡大率(20倍オリジナル拡大率)および高拡大率(100倍オリジナル拡大率)で得られた。得られた画像は、組織学的評価を受けた。評価の目的は、組織を組織学的に検査し、得られたサンプルに関する鬱滞および尿細管変性を定質的に特性評価することであった。
【0289】
表面マッピング分析もまた、得られた腎臓組織の両側で行われた。具体的には、サンプルは、染色および分析され、治療および未治療腎臓に関する尿細管のサイズの差異を評価した。画像処理技法によって、染色された画像内の異なる着色を伴うピクセルの数および/または相対的パーセンテージを計算した。計算された測定データは、異なる解剖学的構造の体積を判定するために使用された。
【0290】
結果
排尿およびクレアチニンクリアランス
排尿量は、著しくばらつきがあった。排尿量における3つの変動の原因が、研究の間に観察された。個体間および血行動態の変動が、当技術分野において公知の変動の予期される原因であった。排尿における変動の第3の原因は、以前は未知であったと考えられる情報および考えに基づいて、本明細書で議論される実験において識別された、すなわち、排尿における対側性個体内変動である。
【0291】
ベースライン排尿量は、一方の腎臓に関しては0.79ml/分であって、他方の腎臓に関しては1.07ml/分であった(例えば、26%差異)。排尿量は、動物毎の排尿量から計算された平均率である。
【0292】
鬱滞がIVCバルーンを膨張させることによって提供されたとき、治療腎臓排尿は、0.79ml/分から0.12ml/分(ベースラインの15.2%)まで降下した。比較では、鬱滞の間の対照腎臓排尿量は、1.07ml/分から0.09ml/分(ベースラインの8.4%)まで降下した。排尿量に基づいて、対照腎臓排尿と比較した治療腎臓排尿における相対的増加が、以下の方程式に従って計算された。
(療法治療/ベースライン治療)/(療法対照/ベースライン対照)=相対的増加
(0.12ml/分/0.79ml/分)/(0.09ml/分/1.07ml/分)=180.6%
【0293】
したがって、治療腎臓排尿量における相対的増加は、対照と比較して180.6%であった。本結果は、治療側と比較して、対照側における鬱滞によって生じた尿産生のより大きい減少を示す。排尿における相対的パーセンテージ差として結果を提示することは、腎臓間の排尿における差異を調節する。
【0294】
動物のうちの1匹に対するベースライン、鬱滞、および治療部分に関するクレアチニンクリアランス測定が、図22に示される。
【0295】
肉眼的検査および組織学的評価
対照腎臓(右腎)および治療腎臓(左腎)の肉眼的検査に基づいて、対照腎臓が均一に暗褐色を有することが判定され、これは、治療腎臓と比較した対照腎臓におけるより多くの鬱滞に対応する。拡大切片画像の定質的評価もまた、治療腎臓と比較した対照腎臓における鬱滞増加に着目した。具体的には、表1に示されるように、治療腎臓は、対照腎臓と比較してより低いレベルの鬱滞および尿細管変性を呈した。以下の定質的スケールが、得られたスライドの評価のために使用された。
【化1】

【表1】
【0296】
表1に示されるように、治療腎臓(左腎)は、低度の鬱滞および尿細管変性のみを呈した。対照的に、対照腎臓(右腎)は、中程度の鬱滞および尿細管変性を呈した。これらの結果は、以下に議論されるスライドの分析によって得られた。
【0297】
図23Aおよび23Bは、動物の左腎(負圧で治療された)の低および高拡大率光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の低度の鬱滞が、矢印によって示されるように識別された。図23Bに示されるように、硝子様円柱を伴う単一尿細管(アスタリスクによって識別されるように)が、識別された。
【0298】
図23Cおよび23Dは、対照腎臓(右腎)の低および高分解能光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の中程度の鬱滞が、図23Cにおける矢印によって示されるように識別された。図23Dに示されるように、硝子様円柱を伴ういくつかの尿細管が、組織サンプル中に存在した(画像内のアスタリスクによって識別されるように)。硝子様円柱の実質的数の存在は、低酸素の証拠である。
【0299】
表面マッピング分析は、以下の結果を提供した。治療腎臓は、ボーマン隙内において1.5倍上回る流体体積を有し、尿細管管腔内において2倍上回る流体体積を有することが判定された。ボーマン隙および尿細管管腔内の増加された流体体積は、増加された排尿に対応する。加えて、治療腎臓は、対照腎臓と比較して、毛細管内に5倍少ない血液体積を有することが判定された。治療腎臓内の増加された体積は、(1)対照と比較した個々の毛細管サイズの減少と、(2)対照腎臓と比較した治療腎臓内に可視赤血球を伴わない毛細管の数の増加、すなわち、治療器官におけるより少ない鬱滞のインジケータの結果となって現れる。
【0300】
まとめ
これらの結果は、対照腎臓が、治療腎臓と比較してタンパク質が豊富な管腔内物質を表す、より多くの鬱滞および管腔内硝子様円柱を伴うより多くの尿細管を有していたことを示す。故に、治療腎臓は、より低い腎機能の損失の程度を呈する。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、重度の鬱滞が腎臓内に発症するにつれて、器官の低酸素血症が続くと考えられる。低酸素血症は、器官内の酸化的リン酸化(例えば、ATP産生)に干渉する。ATPの損失および/またはATP産生の減少は、タンパク質の能動的輸送を阻止し、管腔内タンパク質含有量を増加させ、これは、硝子様円柱として発現する。管腔内硝子様円柱を伴う腎尿細管の数は、腎機能の損失の程度と相関する。故に、治療された左腎内の尿細管の低減された数は、生理学的に有意であると考えられる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、これらの結果は、腎臓への損傷が、負圧を腎盂の中に挿入されるカテーテルに印加し、排尿を促進することによって防止または阻止され得ることを示すと考えられる。
【0301】
(実施例2)
方法
4匹の家畜用ブタ(A、B、C、D)が、鎮静および麻酔された。ブタ毎のバイタルが、実験全体を通して監視され、心拍出量が、研究の各30分相の終了時に測定された。図2Aおよび2Bに示される尿管カテーテル112等の尿管カテーテルが、ブタのそれぞれの腎臓の腎盂領域内で展開された。展開されるカテーテルは、2.0±0.1mmの外径を有する6フレンチカテーテルであった。カテーテルは、54±2cmの長さであって、遠位保定部分を含まない。保定部分は、16±2mmの長さであった。図2Aおよび2Bにおけるカテーテル112に示されるように、保定部分は、2つの完全コイルと、1つの近位半コイルとを含んだ。図2Aおよび2Bにおける線D1によって示される完全コイルの外径は、18±2mmであった。半コイル直径D2は、約14mmであった。展開された尿管カテーテルの保定部分は、6つの排出孔に加え、カテーテル管の遠位端における付加的孔を含んだ。排出孔のそれぞれの直径は、0.83±0.01mmであった。隣接する排出孔132間の距離、具体的には、コイルが直線化されたときの排出孔間の線形距離は、22.5±2.5mmであった。
【0302】
尿管カテーテルは、ブタの腎盂から、膀胱、および尿道を通して、各ブタの外部の流体収集容器に延在するように位置付けられた。尿管カテーテルの設置に続いて、IVC圧力を測定するための圧力センサが、腎静脈の遠位の位置においてIVC内に設置された。膨張可能バルーンカテーテル、具体的には、NuMED Inc.(Hopkinton, NY)製PTS(R)経皮的バルーンカテーテル(30mm直径×5cm長さ)が、腎静脈の近位の位置においてIVC内で拡張された。熱希釈カテーテル、具体的には、Edwards Lifesciences Corp.(Irvine, CA)製Swan-Ganz熱希釈肺動脈カテーテルが、次いで、心拍出量を測定する目的のために肺動脈内に設置された。
【0303】
最初に、ベースライン排尿が、30分にわたって測定され、血液および尿サンプルが、生化学分析のために収集された。30分のベースライン期間に続いて、バルーンカテーテルが、IVC圧力を1~4mmHgのベースライン圧力から約20mmHg(+/-5mmHg)の上昇鬱滞圧力に増加させるために膨張された。鬱滞ベースラインが、次いで、30分にわたって対応する血液および尿分析とともに収集された。
【0304】
鬱滞期間の終了時、上昇鬱滞IVC圧力が、維持され、負圧利尿治療が、ブタAおよびブタCに対して提供された。具体的には、ブタ(A、C)は、ポンプを用いて尿管カテーテルを通して-25mmHgの負圧を印加することによって治療された。前述の実施例におけるように、ポンプは、Cole-Parmer Instrument Company(モデル番号EW-07530-85)製Air Cadet Vacuum Pumpであった。ポンプは、調整器に直列に接続された。調整器は、Airtrol Components Inc.製V-800 Series Miniature Precision Vacuum Regulator-1/8 NPT Ports(モデル番号V-800-10-W/K)であった。ブタは、120分にわたって、治療が提供されるにつれて観察された。血液および尿収集が、治療期間の間、30分毎に行われた。ブタのうちの2匹(B、D)が、鬱滞対照として治療され(例えば、負圧が尿管カテーテルを通して腎盂に印加されなかった)、2匹のブタ(B、D)が負圧利尿療法を受けなかったことを意味する。
【0305】
120分の治療期間にわたる排尿およびクレアチニンクリアランスデータの収集に続いて、動物は、屠殺され、各動物からの腎臓は、肉眼的検査を受けた。肉眼的検査に続いて、組織切片が、得られ、検査され、切片の拡大画像が、捕捉された。
【0306】
結果
ベースライン、鬱滞、および治療期間の間に収集された測定は、表2に提供される。具体的には、排尿、血清中クレアチニン、および尿中クレアチニン測定が、時間期間毎に得られた。これらの値は、以下のように、測定されたクレアチニンクリアランスの計算を可能にする。
【化2】

加えて、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)値が、時間期間毎に得られた血清サンプルから測定され、腎臓傷害分子1(KIM-1)値が、時間期間毎に得られた尿サンプルから測定された。得られた組織切片の精査から判定された定質的組織学的見解もまた、表2に含まれる。
【表2】
【0307】
動物A:動物は、重さ50.6kgであって、3.01ml/分のベースライン排尿量、0.8mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、261ml/分のCrClが測定された。これらの測定は、血清中クレアチニンに加えて、研究された他の動物と比較して非特徴的に高かったことに留意されたい。鬱滞は、排尿量における98%低減(0.06ml/分)およびCrClにおける>99%低減(1.0ml/分)と関連付けられた。尿管カテーテルを通して印加される負圧を用いた治療は、それぞれ、ベースライン値の17%および12%の排尿およびCrClと、それぞれ、鬱滞値の9倍および>10倍と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞中のベースラインの68%から90分の療法後のベースラインの258%まで及んだ。最終値は、ベースラインの130%であった。KIM-1のレベルは、ベースライン査定後、最初の2回の30分の時間枠にわたってベースラインの6倍および4倍であって、それぞれ、最後の3回の収集期間にわたって、ベースライン値の68倍、52倍、および63倍まで増加した。2時間の血清中クレアチニンは、1.3mg/dlであった。組織学的検査は、毛細管空間内の血液体積によって測定された2.4%の全体的鬱滞レベルを明らかにした。組織学的検査はまた、管腔内硝子様円柱およびある程度の尿細管上皮性変性を伴ういくつかの尿細管に着目し、細胞損傷と一貫することを見出した。
【0308】
動物B:動物は、重さ50.2kgであって、2.62ml/分のベースライン排尿量を有し、172ml/分(これはまた、予想よりも高い)のCrClが測定された。鬱滞は、排尿量における80%低減(0.5ml/分)およびCrClにおける83%低減(30ml/分)と関連付けられた。鬱滞状態になってから50分時点において(鬱滞ベースライン期間から20分後)、動物は、平均動脈圧および呼吸数に急降下を被り、頻脈が続いた。麻酔科医が、ある用量のフェニレフリン(75mg)を投与し、心原性ショックを防いだ。フェニレフリンは、血圧が麻酔の間に安全レベルを下回って降下するときの静脈内投与のために適応される。しかしながら、実験は、腎生理学に及ぼす鬱滞の影響を試験しているため、フェニレフリンの投与は、実験の残りを判別不能なものにした。
【0309】
動物C:動物は、重さ39.8kgであって、0.47ml/分のベースライン排尿量、3.2mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、5.4ml/分のCrClが測定された。鬱滞は、排尿における75%低減(0.12ml/分)およびCrClにおける79%低減(1.6ml/分)と関連付けられた。ベースラインNGALレベルは、正常値上限(ULN)の>5倍であったことが判定された。尿管カテーテルを通して腎盂に印加された負圧を用いた治療は、排尿の正常化(ベースラインの101%)およびCrClにおける341%改良(18.2ml/分)と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞中のベースラインの84%から30と90分との間のベースラインの47%~84%まで及んだ。最終値は、ベースラインの115%であった。KIM-1のレベルは、鬱滞の最初の30分以内にベースラインから40%減少し、それぞれ、残りの30分時間枠にわたって、ベースライン値の8.7倍、6.7倍、6.6倍、および8倍まで増加した。2時間の時点における血清中クレアチニンレベルは、3.1mg/dlであった。組織学的検査は、毛細管空間内の血液体積によって測定された0.9%の全体的鬱滞レベルを明らかにした。尿細管は、組織学的に正常であることが着目された。
【0310】
動物D:動物は、重さ38.2kgであって、0.98ml/分のベースライン排尿、1.0mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、46.8ml/分のCrClが測定された。鬱滞は、排尿量における75%低減(0.24ml/分)およびCrClにおける65%低減(16.2ml/分)と関連付けられた。持続的鬱滞は、排尿の66%~91%低減およびCrClにおける89%~71%低減と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞中のベースラインの127%からベースラインの209%の最終値まで及んだ。KIM-1のレベルは、ベースライン査定後の最初の2回の30分の時間枠にわたってベースラインの1倍~2倍のままであって、最後の3回の30分期間にわたってベースライン値の190倍、219倍、および201倍まで増加した。2時間血清中クレアチニンレベルは、1.7mg/dlであった。組織学的検査は、全体的鬱滞レベルが治療された動物(A、C)に関して組織サンプル内で観察されたものを2.44倍上回り、平均毛細管サイズが治療された動物のいずれかにおいて観察されたものを2.33倍上回ることを明らかにした。組織学的評価はまた、実質的細胞損傷を示す、管腔内硝子様円柱および尿細管上皮性変性を伴ういくつかの尿細管に着目した。
【0311】
まとめ
理論によって拘束されることを意図するわけではないが、収集されたデータは、静脈鬱滞が生理学的に有意な影響を腎機能に及ぼすという仮説を支持すると考えられる。特に、腎静脈圧の上昇は、排尿を数秒以内に75%~98%低減させることが観察された。尿細管傷害および組織学的損傷のバイオマーカ内の上昇間の関連付けは、傷害の大きさおよび持続時間の両方の観点から、静脈鬱滞が発生する程度と一貫する。
【0312】
データはまた、間質圧を改変することによって、静脈鬱滞が髄質腎単位内の濾過勾配を減少させるという仮説を支持することが分かる。変化は、髄質腎単位内の低酸素および細胞傷害に直接寄与することが分かる。本モデルは、AKIの臨床状態を模倣していないが、機械的持続傷害に対する洞察を確実に提供する。
【0313】
データはまた、負圧を尿管カテーテルを通して腎盂に印加することが、静脈鬱滞モデルにおける排尿を増加させ得るという仮説を支持することが分かる。特に、負圧治療は、臨床上有意となるであろう、排尿およびクレアチニンクリアランスの増加と関連付けられた。髄質毛細管体積における生理学的に有意義な減少および尿細管傷害のバイオマーカにおけるよりわずかな上昇もまた、観察された。したがって、排尿量を増加させ、髄質腎単位内の間質圧を減少させることによって、負圧療法は、鬱滞を直接減少させ得ることが分かる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、鬱滞を減少させることによって、負圧療法は、静脈鬱滞媒介AKIにおいて腎臓内の低酸素およびその下流影響を低減させると結論付けられ得る。
【0314】
実験結果は、鬱滞の程度が、圧力の大きさおよび持続時間の両方の観点から、観察される細胞傷害の程度と関連付けられるという仮説を支持することが分かる。具体的には、排尿低減および組織学的損傷の程度間の関連付けが、観察された。例えば、排尿における98%低減を有した治療されたブタAは、排尿における75%低減を有した治療されたブタCより多く損傷を被った。予期されるであろうように、2時間半にわたる療法の利点を伴わない、排尿における75%低減を被った対照ブタDは、最も組織学的損傷を呈した。これらの見解は、より多くの静脈鬱滞に伴うAKI発症のリスク増加を実証するヒトデータと広く一貫する。例えば、Legrand, M. et al., Association between systemic hemodynamics and septic acute kidney injury in critically ill patients:a retrospective observational study.Critical Care 17:R278-86,2013を参照されたい。
【0315】
本発明の前述の実施例および実施形態が、種々の実施例を参照して説明された。修正および改変が、前述の実施例の熟読および理解に応じて当業者に想起されるであろう。故に、前述の実施例は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D