(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】マルチプレーン光変換デバイスを含む光放射を処理するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/09 20060101AFI20230623BHJP
G02B 6/14 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G02B27/09
G02B6/14
(21)【出願番号】P 2021528002
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 FR2019051830
(87)【国際公開番号】W WO2020021196
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521036241
【氏名又は名称】カイラボズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレマン ジャカール
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム ラブロイユ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ ピネル
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-117791(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106200207(CN,A)
【文献】米国特許第06377726(US,B1)
【文献】特開2015-207001(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03061964(FR,A1)
【文献】Liu Dun et al.,Dynamic laser beam shaping for material processing using hybrid holograms,Optics & Laser Technology,Vol.102,2018年,p.68-73,https://livrepository.liverpool.ac.uk/3016387/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/09
B23K 26/06
G02B 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射を処理するデバイス(1)であって、
光源から入力ビーム(3)を受信し、前記デバイス(1)において入力放射を伝搬する光入力(2)と、
出力ビームを発する光出力(4)と、
前記光入力(2)と前記光出力(4)との間に配列され、ターゲットモードにおいて前記光出力(4)へおよび干渉放射の中へ伝搬される前記入力放射を有用な放射に、分離面(7)において空間的に分離するように構成されるMPLC変換デバイス(5)
であって、前記入力ビーム(3)の空間パラメーターの少なくとも1つにおいて変動がないと、光パワーのすべてを前記ターゲットモードに転送し、前記空間パラメーターにおいて変動があると、有用パワーを、前記有用な放射として前記ターゲットモードに転送し、非有用パワーを、前記干渉放射として前記ターゲットモードに直交する出力モードに転送する、MPLC変換デバイス(5)と、
前記干渉放射が前記出力ビームに寄与しないように前記分離面(7)において配列される、前記干渉放射を遮断する少なくとも1つのデバイス(8)と
を備え
たことを特徴とする処理するデバイス
(1)。
【請求項2】
前記有用な放射を形作り、前記出力ビームを形作る送信デバイス(6)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項3】
前記干渉放射の一部が空間的に孤立している複数の分離面(7)において、それぞれ配列された複数のブロッキングデバイス(8)を備えたことを特徴とする請求項
2に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項4】
前記ブロッキングデバイス(8)が、吸収する、拡散する、または反射する光学素子を含むことを特徴とする請求項
3に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項5】
前記ブロッキングデバイス(8)が、少なくとも部分的に前記MPLC変換デバイス(5)に統合されることを特徴とする請求項
3または4に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項6】
前記ブロッキングデバイス(8)が、前記干渉放射の少なくとも一部を収集するための検出素子を含むことを特徴とする請求項
3、4、または5のいずれか一項に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項7】
前記送信デバイス(6)が、前記
MPLC変換デバイス(5)の下流に配列され、回折光学素子と、空間位相変調器と、少なくとも1つのレンズ、アキシコン、ビームスプリッターおよび/または第2のMPLC変換デバイスを含む光学系とを含むことを特徴とする請求項2、3、4、5、または6のいずれか一項に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項8】
前記送信デバイス(6)が、少なくとも部分的に前記MPLC変換デバイス(5)に統合されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、または7のいずれか一項に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項9】
前記送信デバイス(6)が、少なくとも1つの非球面かつ非平面光学素子、およびできれば1個から3個までの非球面かつ非平面の光学素子を含むことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、または7のいずれか一項に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項10】
前記非球面かつ非平面の光学素子が、反射光学素子であることを特徴とする請求項9に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項11】
前記光入力(2)と前記MPLC変換デバイス(5)との間に制御デバイス(9)をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のいずれか一項に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項12】
前記制御デバイス(9)が、非アクティブな光学素子であることを特徴とする請求項11に記載の処理するデバイス(1)。
【請求項13】
光放射を処理するデバイス(1)であって、
光源から入力ビーム(3)を受信し、前記デバイス(1)において入力放射を伝搬する光入力(2)と、
出力ビームを発する光出力(4)と、
前記光入力(2)と前記光出力(4)との間に配列され、入力モードの基底を出力モードの基底に変換するように構成され、前記入力
モードおよび出力モードの基底が分離可能な空間変数を有する
MPLC変換デバイス(5)であって、前記入力ビームの空間パラメーターの少なくとも1つにおいて変動がないと、光パワーのすべてをターゲットモードに転送し、前記空間パラメーターにおいて変動があると、有用パワーを、有用な放射として前記ターゲットモードに転送し、非有用パワーを、干渉放射として前記ターゲットモードに直交する出力モードに転送する、MPLC変換デバイス(5)と、
前記干渉放射が前記出力ビームに寄与しないように分離面(7)において配列される、前記干渉放射を遮断する少なくとも1つのデバイス(8)と
を備えたことを特徴とす
る処理するデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーダルフィルタリング(modal filtering)のためのおよび/または光ビームを形作るための例に対して、マルチプレーンの光を変換するためのデバイスを含む、光放射(light radiation)を処理するための光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自由空間のビームシェイピングが関連のあることが可能である多くの適用がある。今述べた適用は、次を含む。
・レーザーによる材料の機械加工、穴あけ、精密加工、および表面処理、
・結像、および特に顕微鏡法、
・LIDAR検出、
・自由空間光通信。
【0003】
光ビームについて空間的に形作るためのどんなデバイスでも、このビームの空間パラメーターにセンシティブであることが可能である。実際、光ビームについて空間的に形作ることの品質は、ビームの空間パラメーターが、形作るデバイスの設計の間に予知されたものでないならば、低められることがある。
【0004】
光ビームの空間パラメーターがクリティカルであるとき、1つまたは複数のダイヤフラムと、可能性として結像光学系とを使用して、入射ビーム上に振幅のフィルタリングを実行することは、よくあることである。今述べた方法は、入射光ビームの位置および/または方向および/または大きさの変動を、光パワー(optical power)の損失およびこのビームのひずみへと変換する。今述べた方法は、実装するのが簡単であるという利点があるが、デバイスが設計されたときに仮定されたビームのパラメーターに関して、入射光ビームの位置および/または方向および/または大きさの変動の影響を部分的に限定することができるだけである。その上、振幅のフィルタリングの性質でさえ、光パワーにおける初期費用を含む。
【0005】
頭字語MPLC(Multi Plane Light Conversion)によって指定される、光放射のどんなユニタリ空間変換(unitary spatial transformation)でも実行することができる、US9250454およびUS2017010463から知られるマルチプレーンの光を変換するための光デバイスがある。
【0006】
理論的な観点から、および「Programmable unitary spatial mode manipulation」、Morizur et Al、J. Opt. Soc. Am. A/Vol. 27、No.11/2010年11月において確立されたように、ユニタリ空間変換は、各第1次の変換が光放射の横断的な位相プロファイルに変化をもたらす第1次の変換の連続に、効果的に分解されることが可能である。実際には、および今述べた技術のどんな限定でも形成することなしに、通常、MPLCコンポーネントは、3個から25個の第1次の変換に適用する。
【0007】
本発明は、例示的なモーダルフィルタリング(modal filtering)を可能にすることおよび/または光放射を形作ることに対して、光放射(light radiation)を処理するための光デバイスを公開する。MPLCデバイスを実装する今述べたデバイスは、光パワーの損失を制限している間に入力ビームをより完全に処理することができることにおいて、ダイヤフラムに基づく既知の方法と異なる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、次を含む、光放射を処理するためのデバイスを提案する。
-光源から入力ビームを受信し、デバイスにおいて入力放射(input radiation)を伝搬するための光入力、
-予め決められた空間パラメーターを有する出力ビームを発する光出力、
-光入力と光出力との間に配列され、ターゲットモードにおいて光出力へおよび干渉放射の中へ伝搬される入力放射を有用な放射に、分離面(separation plane)において空間的に分離するように構成されるMPLC変換デバイス、
-干渉放射が出力ビームに寄与しないように分離面において配列される、干渉放射を遮断するための少なくとも1つのデバイス。
【0009】
本発明についての他の有利なおよび非限定の特徴に従って、次が、単独にて、または専門的には実現可能などんな組み合わせでも受け入れられる。
-処理デバイスは、有用な放射を形作り、出力ビームを形作るための送信デバイスを含み、
-処理デバイスが、干渉放射の一部が空間的に孤立している複数の分離面において、それぞれ配列された複数のブロッキングデバイスを含み、
-ブロッキングデバイスが、吸収する、拡散する、または反射する光学素子を含み、
-ブロッキングデバイスが、少なくとも部分的にMPLC変換デバイスに統合され、
-ブロッキングデバイスが、干渉放射の少なくとも一部を収集するための検出素子を含み、
-送信デバイスが、変換デバイスの下流に配列され、回折光学素子と、空間位相変調器と、少なくとも1つのレンズ、アキシコン、ビームスプリッターおよび/または第2のMPLC変換デバイスを含む光学系とを含む。
-送信デバイスが、少なくとも部分的にMPLC変換デバイスに統合される。
-送信デバイスが、少なくとも1つの非球面かつ非平面光学素子、ならびにできれば1つから3つまでの非球面かつ非平面の光学素子を含む。
-非球面かつ非平面の光学素子が、反射光学素子である。
-さらに、処理デバイスは、光入力とMPLC変換デバイスとの間に制御デバイスを含む。
-制御デバイスが、非アクティブな光学素子であり、
-MPLC変換デバイスが、入力モードの基底を出力モードの基底へと変換するように構成され、入力および出力モードの基底が分離可能な空間変数を有する。
【0010】
本発明の他の利点および特殊性は、添付される図面に関して、決して限定されていない実装および態様の詳細な説明を読むと明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る処理デバイスの第1の態様を示す。
【
図2】入力ビームの方向の関数として出力ビームのモードとターゲットモードとの間のオーバーラップについてのおよび出力ビームにおける光パワーについての変動を示すグラフである。
【
図3】本発明に係る処理デバイスの第2の態様を示す。
【
図4】本発明に係る入力ビームのモーダル分解の例を例示する。
【
図5】本発明に係るモーダルフィルタリングデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示にて、「モード」は、電磁場のベクトルの横断モード、つまり、振幅についての、モードの2つの横断的な空間成分に関連付けられた位相についての空間-周波数(space-frequency)の分布のデータを意味する。
【0013】
モードの基底は、電磁場の正規直交モードの集合である。その結果、モードの基底の変更または変換は、モードの基底のうちの少なくとも1つのモードの変更または空間-周波数の変換を意味する。
【0014】
2つのモード間のオーバーラップは、2つのモード間のスカラー積についての横断面における積分の2乗の絶対値として定義される。
【0015】
光ビームは、1つのモードから、またはいくつかのモードの重ね合わせからなる電磁場を意味する。
【0016】
用語「光ビームの空間パラメーター」は、電磁場に関連付けられた振幅および位相分布を定義するスカラーパラメーターを意味する。
【0017】
光ビームの空間パラメーターの例として、次のパラメーターを上げることが可能である。
関連する電磁場についての平均の線形位相によって定義される、光ビームの伝搬の方向、
ビームの伝搬の方向に垂直な面におけるビーム強度分布の重心の位置として定義される、光ビームの位置、
水平または垂直の限界強度の分布についての標準偏差として定義される(国際的なISO規格によって定義されるとして)、光ビームの水平または垂直のサイズ、ビームの楕円率、
ことによると異方的であり得る、ビームの発散。
【0018】
本開示にて、光ビームは、単一の方向に偏光されていることが考えられるだろう。しかしながら、始められる原理は、複数の方向の偏光を有する光ビームに完全に適用可能である。ゆえに、本開示の文脈において、位相マスクによって光ビームに適用される空間位相シフトは、空間-周波数の位相シフト、すなわち、横断面における空間変数に従って、および光の周波数に従って、位相シフトを変更することとして、より一般的に表されることが可能である。
【0019】
完全であるために、動作の原理は、MPLC(Multi-Plane Light Conversion;マルチプレーン光変換)デバイスが呼び出される。上記のデバイスにて、入射光ビームは、反射および/または送信の連続を受け、各反射および/または送信は、ビームの自由空間伝搬が続く。概して別個の連続した場所において反射および/または送信が行われ、入射ビームの伝搬を誘導する光学部品の少なくともいくつかは、予め決められた光学機能を与えるために、入射光ビームの位相を変更する微細構造表面を有する。ゆえに、一般的に、例えば、少なくとも4つの反射および/または送信が、例えば、8、10、12、14、またはさらに少なくとも20の反射および/または送信が提供される。好都合に、入射される光放射および変更された光放射の形状は、互いに異なる。
【0020】
用語「微細構造表面」は、光学部品の表面が、例えば、寸法が数ミクロンから数百ミクロンまでの間にある「画素」のかたちにおいて、浮き彫り細工(relief)を有することが可能であることを意味する。各画素は、話題にしている表面を定義する平均面に関して、最大数ミクロンまたは少なくとも数千ミクロンの可変の標高を有する。上記の微細構造表面を有する光学部品は、その上で反射される、またはその中に送信される光ビームの断面内に局所的な位相シフトを導入する位相マスクを形成する。
【0021】
【0022】
上記のデバイス1は、光源3からの入力の光ビームを受信し、デバイス1において入力放射を伝搬する光入力2と、出力の光ビームを発する光出力4とを有する。
図1の例証として、光入力2および光出力4は、ビームの自由空間伝搬を可能にする単一の通路からなるが、例えば、デバイス1を少なくとも1つの入力のおよび/または1つの出力の光ファイバーに結合することができることによって、コネクターまたは光学ステージによって形成される入力および出力のうちの一方および/または他方に対して、供給がされることができるだろう。
【0023】
処理デバイス1は、入力ビームのモーダルフィルタリングを確実にすること、つまり、入力ビームから不要なモーダルコンポーネント(modal component)を分離するおよび/または抽出することができるMPLCマルチプレーン光変換デバイス(multiplane light conversion device)5を含む。それゆえ、出力ビームは、少なくとも、望ましくないモーダルコンポーネントに対してフィルタリングされた入力ビームに対応する。出力ビームは、前もって選択された(予め決められた)パラメーターを有し、これらは、入力ビームのパラメーターと異なる可能性が高い。オプションとして、MPLCデバイス5は、フィルタリングが実行されれば、送信デバイス6とも呼ばれる、ビーム6を形作るためのどんな素子によってでも補われることがある。
【0024】
一般的に言って、MPLCは、入力モードの基底を出力モードの基底に変換することができる。それゆえ、MPLCを設計するために、今述べた2つの基底を定義する必要がある。モーダルフィルタリングを実装するために、入力基底(input base)は、仮定された(またはノミナルな)入力の光ビームから決定される。MPLCの出力モードの基底は、デバイスの出力において望まれた光ビームによって、および不要なモーダルコンポーネントから光パワーを抽出する手段の性質によって、決定される。MPLCデバイス5の出力において望まれた(または「有用な」)光放射のモードは、ターゲットモードとして指定されるであろう。
【0025】
例として、仮定された入力ビームがシングルモードであるとき、MPLCの入力モードの基底を決定するために、次の手順に従うことが可能である。
・仮定される入力モード、実際に使用される入力ビームのモードに最も近い可能なモードを定義し、
・空間パラメーターのうちの少なくとも1つが変えられ、仮定された入力モードからモードの族を構築し、
・特異値分解を使用して、モードの族からモードの基底を構築し、
・例えば、仮定される入力モードとの最大のオーバーラップを有する基底のモードのような、基底の第1のモードを決定し、
・特異値への分解の間に取得されたモードを有する第1のモードを完成し、次に、これらのモードについての正規直交化の処理を適用して入力基底を形成する。
【0026】
入力ビームが、例えば、マルチモードファイバーを通じて、マルチモードの光源3によって生成されるが、MPLC5の入力基底は、上に述べた方法によるよりもむしろソースのモードから構成されることが可能である。そして、仮定された入力モードは、最大の光パワーを含む仮定された入力ビームのモーダルコンポーネントである。
【0027】
すべての場合において、入力モードの基底は、完全に空間的にばらばらではないモードから構成される。
【0028】
関心(例えば、排他的ではないが、光ビームの方向および/または位置)についての物理パラメーターの小さな変動の限界内において、光ビームのエネルギーの一部が、高次モード(複数可)に転送されることは、文書「Quantum measurements of spatial conjugate variables: displacement and tilt of a Gaussian beam」、V. Delaubert、Optics Letters、Vol. 31、10号、1537-1539頁、(2006年)(https://www.osapublishing.org/ol/abstract.cfm?uri=ol-31-10-1537)から知られている。ゆえに、想定されるガウス入力モードの場合、第1のモードが、仮定されるガウス入力モードであるエルミートガウス入力基底を使用することは、決定されることが可能だろう。
【0029】
MPLC5の出力モードの基底を決定するために、本開示にて分離面と呼ばれる面がある基底に対して、例えば、吸収するまたは拡散する光学素子によってブロックされる、または反射光学素子によって偏向されることが可能であるように、ターゲットモード以外の出力モードがターゲットモードから十分に空間的にばらばらにされて、基底は、選択され、ターゲットモードが、任意の低いエネルギー損失を受けることが理解される。例えば、ガウス出力モードは、オーバーラップが零であるように十分に空間的に分離されて、2つずつで、分離面において、三角形または長方形において、線形に分布されて、使用されることが可能だろう。
【0030】
本開示に係るデバイス1のMPLC5は、入力モードの基底を出力モードの基底に変換するように構成され、特に、仮定される入力モードがターゲットモードに変換されることを確実にする。
【0031】
光遮断素子、光拡散素子、もしくは光反射素子(または、より一般的に、ブロッキングデバイス8)は、本発明のデバイス1に統合されることが可能である。特に、それは、MPLC5に統合される、または
図1の概略的な例証としての場合であるように後者から物理的に分離することが可能である。特に、MPLC5は、全検出または部分検出の目的で、入射光ビームの干渉モードに関連付けられたMPLC5の出力モードを収集することができる検出素子と組み合わせることが可能である。
【0032】
空間パラメーターの少なくとも1つが変更された、仮定された入力ビームに対応する特定の入力ビームの場合、MPLC5は、入力モードに基づいてこの特定のビームの、用語の数学的な意味における射影を行う。MPLC5の各入力モードにおける光パワーは、関連する出力モードに転送される。空間パラメーターの少なくとも1つにおいて変動がないと、(仮定される入力ビームに次に対応する)特定の入力の光ビームについての光パワーのすべてが、ターゲットモードにMPLCによって転送される。空間パラメーターにおける変動の場合には、仮定される入力モードにおける特定の入力の光ビームについての、有用パワー(useful power)と呼ばれる光パワー部分は、仮定される入力モードから、有用な放射のかたちにおけるターゲットモードにMPLC5によって転送される。基底のその他のモードにおける特定の入力の光ビームについての、非有用パワー(non-useful power)と呼ばれる光パワー部分は、干渉放射のかたちにおいてターゲットモードに直交する出力モードにMPLC5によって転送される。言い換えれば、MPLCは、ターゲットモードにおいて光出力4に向かっておよび干渉放射の中へ伝搬する有用な放射の中へ入力放射を、分離面7において空間的に分離するように構成される。
【0033】
次に、ターゲットモードに直交するMPLC5の出力モードにおける光パワー部分、つまり、干渉放射は、例えば、吸収するまたは拡散する光学素子によって形成される、または全検出または部分検出のためのどんな光収集素子によってでも形成されるブロッキングデバイス8によって遮断されることが可能である。
【0034】
ゆえに、MPLC5は、空間パラメーターの小さな変動の限界内において、仮定された入力モードの外にある光ビームの光パワーが、完全に抽出される受動のモーダルフィルター(modal filter)を構成する。ゆえに、デバイス1は、干渉放射がデバイスの光出力4に向かって伝搬しないように、出力ビームに寄与しないように分離面において配列されるデバイス8を、干渉放射を遮断することに対して提供する。明らかなように、今述べたブロッキングデバイス8は、光遮断素子、光拡散素子、および/または反射素子を含むことが可能である。
【0035】
ある特定の態様にて、MPLC5の出力におけるターゲットモードの光パワー、つまり、有用な放射は、処理デバイス1内において、光ビームシェイピングを生成する、本開示にて送信デバイス6と呼ばれる、別の光学素子6に向けられることが可能である。今述べた光学素子6は、例えば、排他的ではないが、次であることが可能である。
・別のMPLCデバイス、
・DOE(回折光学素子)、
・空間位相変調器(または空間光変調器ためのSLM)、
・少なくとも1つのレンズを含む結像光学系または結像光学システム、
・アキシコン、
・例えば、非球面光学素子または自由形状光学素子(表現「自由形状光学」から)のような、少なくとも1つの光学素子、透過素子または反射素子、非球面かつ非平面の素子。
【0036】
特に、ある有利な態様にて、送信デバイス6によって生成されるビームのシェイピングは、少なくとも部分的に別のMPLCによって実装されることが可能である。この場合、光ビームのモーダルフィルタリングの機能と、この同一の光ビームを形作ることの機能と、または今述べたシェイピングの一部を、連続的または同時に実装するMPLCを設計することが可能である。
【0037】
ターゲットモード(有用な放射を構成する)およびその他のモード(干渉放射を構成する)は、単一の分離面において、すべて分離可能であるとは限らないことがある。このような状況において、干渉放射に提供するその他のモードのうちのいくつかを連続的に孤立させることが可能である伝搬空間によって、互いから遠い複数の分離面を提供することが可能である。この場合、各面において空間的に孤立した干渉放射の一部をブロックするために、分離面においてそれぞれ設置されるだろう複数のブロッキングデバイス8が、提供されるだろう。
【0038】
本発明の関心は、光ビームのモーダルフィルタリングについての、およびオプションとして空間的に形作ることについての具体的な実装を詳述することによって、後に続く段落において明らかに示される。
【0039】
例1
横断的な空間プロファイルが直径1mmを有するガウシアンであり、その伝搬の方向に変動を経験しやすい入力の光ビームを安定化することが望まれる。今述べた光ビームのモードは、伝搬の方向の変動なしに、MPLC5の仮定される入力モードを定義する。
【0040】
ここに、入力基底として3つのモードのみを有するエルミートガウスの基底を使用することが決定される。ビームの伝搬に対して横断する面の各直交方向に1つ、入力ビームの方向における変化に関連付けられた2つの高次モードがある。
【0041】
MPLC5の出力モードは、デバイス1の出力2における望まれた光ビームによって決定される。簡単にする理由のために、しかし、デバイスの一般性を制限することなく、ここに、入力モードと同一のターゲットモード、すなわち、横断的な空間プロファイルが直径1mmを有するガウシアンである光ビームからなる出力の光ビームが選択される。言い換えれば、今述べた例のデバイス1は、出力ビームを形作るための送信デバイス6を含まない。
【0042】
ターゲットモードに相補的な2つの出力モード、つまり、入力基底の高次モードに関連付けられたMPLCの出力基底(output base)のモードに対して、ターゲットモードと同一であるが、1.5mm(すなわち、ターゲットモードの直径の150%)によって空間的に分離された2つのモードが選択され、3つの出力モードが、二等辺三角形の角に配列される。今述べた任意の、しかし共通の値は、MPLCの出力モード間のオーバーラップが、それらのエネルギーのうちの0.02%未満であることを確実にする。
【0043】
MPLC5の入力基底および出力基底が決定されれば、MPLCの位相マスクは、例えば、US9250454に説明された方法によってデジタルに生成されることが可能である。ここに、5つの位相マスクを使用することが選択される。今述べた位相マスクを実装する位相板は、例えば、フォトリソグラフィの技法から製造されることが可能である。位相板が製造されれば、それは、MPLCの他の光学部品により、例えば、入射の放射が、選択された変換をもたらすために伝搬する多通路のキャビティを形成するために、それに面する鏡により組み立てられる。ここに、位相板と鏡との間の選択される距離は、ほぼ20cm程度の距離であり得る。
【0044】
MPLC5の出力モードが空間的に分離されている分離面において、直径1.5mm(すなわち、ターゲットモードの直径の150%)を有するダイヤフラムによって形成されるブロッキングデバイス8は、ターゲットモードの中心に置かれ、設置される。ダイヤフラムの直径に対して選択される値は、およそ98.9%よりも多い、ターゲットモードのエネルギーが送信され、一方、MPLCのその他の出力モードのエネルギーのうちのおよそ0.1%未満が送信されることを確実にする。
【0045】
デバイス1の性能を評価するために、デバイスについての入力の光ビームの方向における変動は、今述べたデバイスのデジタルシミュレーションへ導入され、次の関心の2つの物理量がダイヤフラムの後に評価される。
・出力の光ビームのモードとターゲットモードとの間のオーバーラップ、
・出力の光ビームにおける光パワー。
【0046】
結果が
図2に示される。次の観測がされる。
・出力の光ビームのモードとターゲットモードとの間のオーバーラップが、零でない特定の入力ビームについての角度の範囲にわたって、一定のままである。
・出力の光ビームにおける光パワーが、角度偏差が増加するにつれて落ちる。
【0047】
今述べた2つの観測は、本発明に係るデバイスが、出力ビームにおける光パワーの損失を犠牲にして、入力の光ビームについてのパラメーターの広い変動範囲にわたって、出力の光ビームのモードとターゲットモードとの間の一定のオーバーラップを維持することができることを明らかに示す。今述べた光パワーの損失は、干渉モードが存在しているために安定化されるモードが残っている光パワーに正確に対応し、アクティブデバイスなしに克服することが可能でない根本的な限界を構成する。
【0048】
出力の光ビームのモードの不変性を受動的に維持する本発明に係るデバイスの能力は、モーダル光ビームフィルタリングの分野における重要な革新を構成する。
【0049】
たった今、公開した例にて、ガウシアンのターゲットモードが選択されたが、自由空間伝搬または非自由空間伝搬の後に、例えば、強度が次のように対応するターゲットモードを予想することがかなり可能である。
-正方形または長方形の「フラットトップ」ビーム、
-円形の「フラットトップ」ビーム、
-ベッセルビーム、
-線状のトップビーム(第1の方向におけるフラットトップと、第1の方向に垂直な方向におけるガウシアンとによって生成される)、
-リング状のビーム。
【0050】
MPLCデバイス5から来る有用な放射のシェイピングを容易にし、上に例として与えられた形状のうちの1つに従うビームを形作るために、MPLCデバイス5は、少なくとも1つの非球面かつ非平面の光学素子、できれば1つから3つまでのこれらの素子を含む送信デバイス6により完成されることが可能である。用語「非球面かつ非平面の光学素子」は、表面が球形でも平坦でもない光学素子、透過素子または反射素子を意味する。例えば、それは、(一般的に、その平均面に垂直な軸についての回転の対称性を有する)非球面光学素子または(その平均面に垂直な軸についての回転または平行移動の対称性を示さない)自由形状光学素子であることが可能である。
【0051】
非常に一般的に、1つから3つまでの、少数の上記の非球面かつ非平面の光学素子は、上に例として与えられた特定のそれらにおいて、レーザーによる材料の機械加工、穴あけ、精密切断、および表面処理のための適用に特定の関心がある多種多様なビーム形状へ、有用な放射を形作ることができる。
【0052】
上記の光学素子により構成された送信デバイス6とMPLCデバイス5を組み合わせることによって、MPLCデバイス5の設計、特に位相マスクの数は、より従来の光学系による有用な放射の「シェイピング」部分を生成することよって簡略化される。
【0053】
好都合に、今述べた光学素子は、透過光学素子よりも、より低い色分散(chromatic dispersion)と、より高いパワーハンドリングとを有するので、反射するだろうし、このことは、デュレーションが約10フェムト秒であるパワーまたはパルスレーザーを使用する適用において特に重要である。
【0054】
本発明に係るデバイスの第1の使用事例は、空間パラメーターのうちの少なくとも1つが経時的に一定ではないビームの安定化である。そして、本発明に係るデバイスは、空間パラメーターが経時的に安定であり、光パワーが、これらのパラメーターにおける変動によって、変動するビームを生成することができる。
【0055】
本発明に係るデバイスの第2の使用事例は、厳密に、空間パラメーターが、仮定された入力ビームの空間パラメーターである入力ビームがない、つまり、デバイスの設計の間に使用された入力ビームがない場合のことである。今述べたことは、空間パラメーターが、設計の間に固定され、入力ビームの完璧な知識に依存しないビームを生成することができる。言い換えれば、デバイスは、ある実装から別の実装に、またはある光源3から別の光源に変えることがある入力ビームの統計的ばらつきに関して、ロバストであることができる。
【0056】
デバイスは、非有用パワーから有用パワーを、つまり、干渉放射から有用な放射を分離することができる。有用パワーおよび/または非有用パワーを、それぞれ最大化するおよび/または最小化することによって、入力の光ビームの空間パラメーターを最適化することは、特に有利であり得る。MPLCデバイスの上流に配列されたアクティブ(例えば、電力化された鏡、または音響光学デバイス)の、または非アクティブ(オプトメカニクスマウントを有する鏡)の制御デバイス9を使用することが可能である。アクティブの整列のデバイスが使用されるならば、入力パラメーターのうちの少なくとも1つが、有用パワーおよび/または非有用パワーの全測定値のまたは部分測定値であるだろう、それらのパラメーターは、フィードバックループによって調整される。上記の構成が
図3に示され、制御デバイス9を介して、例えば、ブロッキングデバイス8において収集される干渉放射のエネルギーを減少させようとするために、入力ビームを変更することができる。
【0057】
例2
適用の第2の例にて、モーダルフィルタリングは、ビームスプリッターデバイスを実装するために、送信デバイス6による有用な放射についての特定のシェイピングと組み合わされることが可能である。上記のデバイスは,振幅ローブが、空間の平面において、ばらばらにされているシングルモードの光ビームのコヒーレントな重ね合わせからなる出力ビームを生成する。特に有利な構成にて、今述べたシングルモードの光ビームは、各々、リファレンス光ビーム(reference light beam)のコピーに対応し、位置、およびことによると伝搬方向においてのみ異なる。リファレンス光ビームは、ことによると、モードが、新しい空間の平面における自由空間において、伝搬されていれば,横断的な強度分布が、正方形もしくは円形のフラットトップビーム、またはベッセルビームもしくはガウスビームのであり得るターゲットモードからなる。それゆえ、送信デバイス6がビームスプリッターを含む本発明に係る今述べたデバイス1は、入力ビームの空間パラメーターの変動に関して、ロバストである光ビーム分離機能を実装する。
【0058】
例3
光ビームは、非常に高い精度を有して部品を機械で造るのに使用されることが可能である。今述べた非常に高い精度を有する空間においてビームを機械的に置くことは、必ずしも可能ではない。機械加工装置を構成する素子の製造公差、装置が受けることが可能であるドリフトおよび寄生運動(振動)は、レーザー源によって占められる位置にシフトを導入することが可能であり、それゆえ、ワークピースを襲うビームの形状に変化をもたらすことが可能である。
【0059】
本発明に係る処理デバイス1は、今述べた問題を解決することを可能にする。今述べたデバイス1のMPLC5は、分離可能な空間変数を有する入出力モードの基底を選択することによって設計されることが可能である。上記の分解は、「Fabrication and Characterization of a Mode-selective45-Mode Spatial Multiplexer based on Multi-Plane Light Conversion」、Bade et al、Optical Fiber Communication Conference Postdeadline Papers、OSA Technical Digest、Optical Society of America、2018、paper Th4B.3、1-3頁、およびフランス特許出願FR1851664において説明されている。今述べた文献は、上記の分解が、MPLC変換デバイスを構成する位相マスクの数における減少を認めることを明らかに示す。
【0060】
今述べた例にて、光源3は、形状が、入力ビームに対して横断する第1の面P1の直交座標系の点(0,0)において中心に置かれる、ガウシアンである入力の光ビームを発すると想定されることが考えられる。具体的に述べたように、今述べた第1の面における入力ビームの正確な位置は、不完全でありやすい、または平面の座標系の中心に置かれる、予期される位置に関して、経時的に変わりやすい。決定されるとすぐに今述べたビームのどの正確な位置でも、
図4に示されるように、第1の面P1におけるビームの形状E(x,y)は、次の限定された展開のかたちにおいてモーダルに分解されることが可能である。
E(x,y)=k
0E
00(x,y)+k
1E
01(x,y)+k
2E
02(x,y)+k
3E
10(x,y)+k
4E
11(x,y)+k
5E
12(x,y)+k
6E
20(x,y)+k
7E
21(x,y)+k
8E
22(x,y)
ここで、E
00が、(0,0)において中心に置かれたガウスモード、E
01~E
22が、第1の8つのエルミートガウスモード、HG
01からHG
22も(0,0)において中心に置かれ、k0~k8が、限定された展開についてのモーダル分解の係数である。
【0061】
モードE00~E22は、分離可能な変数を持つモードの第1の族を形成する。それらは、すべて空間的に重ね合わされる。
【0062】
さらに、変換の下流に配列され、直交座標系(x,y)も提供される分離面7を形成する第2の横断面P2において、モードの第2の族が定義される。今述べた第2の族は、「トップハット」のメインモードE’
00(x,y)と、8つの干渉モードE’
01(x,y)~E’
22(x,y)とからなる。今述べた9つのモードは、空間的にばらばらにされ、第2の面にて正方形のかたちにおいて配置される。実際、それらは、
図5に示されるような、分離可能な変数を有する族を形成する。
【0063】
もたらされた問題を解決するために、MPLC変換デバイス5は、入力放射のモーダル変換が、第1の面の各モードE
ij(x,y)を第2の面のモードE’
ij(x,y)へと変換すること、つまり、第1の族の各モードを第2の族の同一のインデックスについてのモードへと変換することを導くように構成される。このようにして、入力の光ビームのどの正確な位置でも、第1のガウスモードE
00(x,y)に対応する部分は、「トップハット」モードE’
00(x,y)に変換される。第1の族のその他のモードへと射影される入力放射のその他の部分は、第1のモードE
00(x,y)からすべて空間的に分離された第2の族のその他のモードへと変換される。ゆえに、変換が位相マスクによって実行された後、変換された放射の今述べた部分の伝搬を遮断することを目標にした分離面7において、MPLC変換デバイスの出力にて(ブロッキングデバイス8を形成する)マスクMを設置することが可能であり、
図5にはっきりと見えるように、マスクMの下流の第3の面P3についての横断的な例証として、第1のモードE’
00(x,y)に対応する部分だけが伝搬される。
【0064】
先に説明したように、分離可能な変数への分解の使用は、たった今、説明したモーダル変換を実装するために、MPLC変換デバイスの限定された数の位相マスクを提供することができる。例えば、MPLCは、5つの位相マスク、つまり、放射の空間位相シフトを課す入力放射の5つの反射または送信を含むように構成されることが可能である。そして、数値探索は、モードの第1の族をモードの第2の族の同一のペアのインデックスについてのモードへと正確に変換することを導く位相マスクの各々のプロファイルに対して、行われる。今述べた探索は、数値最適化の問題としてもたらされることが可能であり(詳細な説明が、引用された技術の状態にて見つけられるだろう)、モードの第1および第2の族についての変数の分離可能なことは、選択された例における5つの、位相マスクの数が減少するときでさえ、良い程度の最適性を示す解に向けて今述べた問題を効果的に収束させることができる。
【0065】
容易に理解されるように、本発明は、説明された態様に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変形を加えることが可能である。
【0066】
特に、有用な放射および干渉放射が空間的に分離されている多数の横断面が存在することがある。この場合、ブロッキングデバイス8をこれらの面のうちの少なくとも1つに設置すること、またはブロッキングデバイス8を構成する光学素子を複数の上記の面に分配することが可能である。
【0067】
入力ビームがフェムト秒のパルス(10から900fsまで)からなる場合、処理デバイス1は、次のために、特に関連のあるようになる。
-広い光スペクトルの光ビームとのコンパチビリティ、
-パルスあたりのエネルギーが重要であるビームとのコンパチビリティ、
-入力ビームの空間パラメーターにおける変化に関して提供するロバストネス、
-デバイスを構成する少数の光学素子が、生成されたビームの空間パラメーターの安定性を確実にする。