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特許7301134調光フィルム、バックライトモジュール及び表示装置
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】調光フィルム、バックライトモジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230623BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20230623BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20230623BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20230623BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20230623BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230623BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230623BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V9/08 200
F21V9/32
G02B5/20
G02B5/22
G02F1/13357
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021534157
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2020091325
(87)【国際公開番号】W WO2021017587
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】201921209821.0
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517364824
【氏名又は名称】ラディアント オプト-エレクトロニクス(ナンキン)カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Radiant Opto-Electronics (Nanjing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 35, Hengtong Avenue, Xingang Developing Area, Nanjing City, Jiangsu Province, 210038, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ヤン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェイ-スアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジュイ リン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ピン スン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、リュイ リン
(72)【発明者】
【氏名】スー、イー ナン
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-003488(JP,A)
【文献】特開2015-106641(JP,A)
【文献】特開2013-012536(JP,A)
【文献】特表2014-530449(JP,A)
【文献】特開2009-158462(JP,A)
【文献】特開2018-166199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/08
F21V 9/32
G02B 5/20
G02B 5/22
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直下型バックライトモジュールの色変換層と表示パネルとの間に配置されている調光フィルムであって、
中心領域及び周辺領域が区画されている基板と、
色料を含有している少なくとも一つの調光層と、
を備え、
前記調光層は、前記基板上に配置されており、前記調光層における色料含有量は、前記周辺領域から前記中心領域への方向に沿って漸減されており、前記調光フィルムの色料は、前記バックライトモジュールの色変換層から射出される光線の色差の補正色である、
ことを特徴とする調光フィルム。
【請求項2】
前記調光層の厚さは、前記周辺領域の外縁から前記中心領域の中心への方向に沿って漸減されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項3】
前記基板には、第1方向と前記第1方向に垂直な第2方向とが区画されており、前記調光層には、複数の平行なリブ状構造が分布され、前記複数のリブ状構造は、前記第1方向に沿って延伸され、且つ、前記第2方向に沿って配列されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項4】
各前記リブ状構造は、リブ状中心領域を有し、前記リブ状中心領域は、平面である、
ことを特徴とする請求項3に記載の調光フィルム。
【請求項5】
前記調光層は、前記周辺領域で複数の微細構造が形成されており、前記複数の微細構造の分布密度は、前記周辺領域の外縁から前記中心領域の中心への方向に沿って漸減されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項6】
前記調光層は、色料を含有したゲルで前記基板上に成形されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項7】
前記調光層は、グラデーションカラー印刷方式で前記基板上に成形されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されている光源と、
前記ハウジング内に配置され、且つ、前記光源の前側に位置する色変換層と、
前記色変換層の前側に配置されている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の調光フィルムと、
を備え、
前記調光フィルムの色料は、バックライトモジュールから射出される光線の色差の補正色であり、
前記バックライトモジュールは、少なくとも一つの光学フィルムを備え、前記光学フィルムは、前記調光フィルムの前側に配置されている、
ことを特徴とするバックライトモジュール。
【請求項9】
請求項8に記載のバックライトモジュールと、
前記バックライトモジュールの前側に配置されている表示パネルと、
を備えることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光アセンブリに関し、特に、直下型のバックライトモジュール及び表示装置に適応される調光フィルム及びその適応に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置において、主にバックライトモジュールを利用して、表示パネルにバックライトを提供している。現在の表示装置のバックライトモジュールは、その入光方式に応じて、直下型とエッジライト型とに区別することができる。そのうち、直下型バックライトモジュールは、ハウジング内に光源が配置され、プリズムシートや拡散シートなどの光学フィルムの組み合わせを取り合わせることで、表示パネルに必要なバックライトを提供している。
【0003】
直下型バックライトモジュールの光源選択には、以下のような幾つかの方法を採用することができる。赤、緑、青の単色発光ダイオード(RGB LED)を光源とし、前記光学フィルムを通過する際に光線を拡散、反射又は屈折させることにより光混合を完成させて白色光が得られる。或いは、青色発光ダイオードを光源とし、前記青色発光ダイオードから射出される青色光は、量子ドット薄膜を励起して白色光を発光させる。しかしながら、バックライトモジュールの周縁付近には、光の反射や屈折の回数が少ないため、光混合の不均一が発生し、その結果、バックライトモジュールの周縁付近の光に色差が発生する場合がある。
【0004】
そのため、バックライトモジュールの周縁に光混合の不均一が発生して色差が発生するという問題を如何に回避するかが、現在のメーカーにとって早急に解決すべき課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、現在のバックライトモジュールの周縁の光混合の不均一による色差の問題を改善する調光フィルム、バックライトモジュール及び表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を解決するために、本発明に係る調光フィルムは、直下型バックライトモジュールの色変換層と表示パネルとの間に配置されており、当該調光フィルムは、
中心領域及び周辺領域が区画されている基板と、
色料を含有している少なくとも一つの調光層と、を備え、
前記調光層は、前記基板上に配置されており、前記調光層における色料含有量は、前記周辺領域から前記中心領域への方向に沿って漸減されている。
そのうち、前記調光フィルムは、二つの前記調光層を含み、二つの前記調光層は、それぞれ、当該基板の対向する二つの側面に配置されている。
そのうち、前記調光層の厚さは、当該周辺領域の外縁から当該中心領域への方向に沿って漸減されている。
そのうち、前記基板には、第1方向と前記第1方向に垂直な第2方向とが区画されており、前記調光層には、複数の平行なリブ状構造が分布され、前記複数のリブ状構造は、前記第1方向に沿って延伸され、且つ、前記第2方向に沿って配列されている。
そのうち、隣接する2つのリブ状構造の間隔は、前記調光層の対向する両側から中心領域の中心への方向に沿って漸増されている。
そのうち、各前記リブ状構造の厚さは、その対向する両側から中心への方向に沿って漸減されている。
そのうち、各前記リブ状構造は、リブ状中心領域を有し、前記リブ状中心領域は、平面である。
そのうち、各リブ状構造は、フィレットが設けられている上端縁を有する逆V型構造である。
そのうち、前記調光層は、前記周辺領域で複数の微細構造が形成されており、当該複数の微細構造の分布密度は、当該周辺領域の外縁から当該中心領域の中心への方向に沿って漸減されている。
そのうち、隣接する2つの微細構造のサイズは、当該周辺領域の外縁から当該中心領域の中心への方向に沿って漸減されている。
そのうち、隣接する2つの微細構造の間隔は、当該周辺領域の外縁から当該中心領域の中心への方向に沿って漸増されている。
そのうち、前記調光層は、色料を含有したゲルで前記基板上に成形されているか、或いは、前記調光層は、カラー印刷方式(pigment printing)で前記基板上に成形されている。
【0007】
上記目的を実現するために、本発明に係るバックライトモジュールは、
ハウジングと、
当該ハウジング内に配置されている光源と、
当該ハウジング内に配置され、且つ、当該光源の前側に位置する色変換層と、
当該色変換層の前側に配置されている前述の調光フィルムと、を備え、
前記調光フィルムの色料は、バックライトモジュールから射出される光線の色差の補正色である。
そのうち、当該バックライトモジュールは、少なくとも一つの光学フィルムを備え、前記光学フィルムは、当該調光フィルムの前側に配置されている。
【0008】
上記目的を実現するために、本発明に係るバックライトモジュールは、
前述のバックライトモジュールと、
当該バックライトモジュールの前側に配置されている表示パネルと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の調光フィルムは、主に、前記基板上に色料を含有した調光層を配置し、前記調光層の構造変化を利用して、前記調光層の色料含有量を前記周辺領域から前記中心領域に向かって漸減させることで、光源から射出される光線が前記調光フィルムの調光層を通過する際に、前記調光層内の色料を利用して調光の効果に達することができ、前記バックライトモジュールの周縁の光混合の均一性を向上でき、バックライトモジュールの全体的な光学的センスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の調光フィルムの第1の好ましい実施例の概略側面図である。
図2】本発明の調光フィルムの第2の好ましい実施例の概略側面図である。
図3】本発明の調光フィルムの第3の好ましい実施例の概略外観斜視図である。
図4図3のA-Aの概略断面図である。
図5】本発明の調光フィルムの第3の好ましい実施例のリブ状構造に平面を形成する概略外観斜視図である。
図6】本発明の調光フィルムの第4の好ましい実施例における半球形微細構造を用いた概略側面図である。
図7】本発明の調光フィルムの第4の好ましい実施例における角錐形微細構造を用いた概略側面図である。
図8】本発明の調光フィルムの第5の好ましい実施例の模式図である。
図9】本発明のバックライトモジュールの概略側面断面図である。
図10】本発明の表示装置の概略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図10を参照すると、本発明の調光フィルム10の幾つかの好ましい実施例であり、直下型バックライトモジュール20の色変換層23と表示パネル31との間に配置されており、当該調光フィルム10は、基板11、及び色料を含有している少なくとも一つの調光層12a~12eを備え、前記基板11には、中心領域13及び周辺領域14が区画されており、前記中心領域13は、前記周辺領域14で囲まれている。例えば、前記色料を含有している調光層12a~12dは、色料を含有しているゲル(例えば、UVゲル)を当該基板11上に塗布し、さらに、適切な金型で当該調光層12a~12dを当該基板11上に成形したもの選択してもよく、その以外に、図8に示すように、カラー印刷方式によって、当該調光層12eを色料グラデーション方式(color gradient manner)で当該基板11に印刷したものを選択してもよい。
【0012】
そのうち、前記基板11は、対向する二つの側面を有し、前記調光層12a~12eは、当該基板11の少なくとも一つの側面上に選択的に配置されてもよいし、対向する二つの側面の両方にいずれも前記調光層12a~12eが配置されてもよい。
【0013】
そのうち、前記調光層12a~12eの色料含有量は、前記周辺領域14から前記中心領域13に向かって漸減されている。より具体的に、前記調光層12a~12eの色料の濃度は、均質(homogeneous)であり、本発明の後述実施例で色料量を調整する手段は、調光層12a~12eの厚さ、リブ状構造の間隔、微細構造17a,17bのサイズや微細構造17a,17bの配列密度などを変えることにより行うことができる。単位面積当たりの色料量は、単位面積が周辺領域14又は中心領域13に近接の位置に応じて、周辺領域14から中心領域13に向かって漸減されている。
【0014】
前記調光層12a~12eの色料は、前記バックライトモジュールの色変換層23によって射出される光線の色差の補正色である。例えば、光線色が青色に偏っている場合、色料の選択的な補正色は黄色である。本発明の調光フィルム10の第1乃至第4の好ましい実施例において、前記調光層12a~12dは、その厚さや間隔などの構造変化によって、前記調光層12a~12dの色料含有量を前記周辺領域14から前記中心領域13に向かって漸減させ、この方式は、主に色料を含有しているゲル(例えば、UVゲル)を基板に塗布した後、当該調光層12a~12dを適当な金型で当該基板11に成形させる。UVゲルの硬化速度が速いため、乾燥させる時間を省くことができ、生産効率を向上させることができる。以下、各実施例をそれぞれ説明する。
【0015】
図1に示すように、本発明の調光フィルム10の第1の好ましい実施例において、前記調光層12aの厚さは、当該周辺領域14の外縁から中心領域13への方向に沿って漸減し、当該調光フィルム10の第1の好ましい実施例では、主に、前記調光層12aの厚さ変化によって、光線が前記周辺領域14を通過する際に接触する色料含有量を増加させて、中心領域13と周辺領域14との調光を微調整する効果を奏する。
【0016】
図2に示すように、本発明の調光フィルム10の第2の好ましい実施例において、前記調光層12bの厚さは、当該周辺領域14の外縁から中心領域13への方向に沿って漸減し、前記中心領域13は平坦な表面であってもよく、前記中心領域13は、色料含有量が均一に分布され、当該調光フィルム10の第2の好ましい実施例では、主に、前記調光層12bの厚さ変化によって、前記周辺領域14を通過する際に光線が接触する色料含有量を増加させ、本発明の第2の好ましい実施例は、前記中心領域13に対して、前記周辺領域14の調光を向上させる効果を有する。
【0017】
図3に示すように、本発明の調光フィルム10の第3の好ましい実施例において、前記基板10には、第1の方向D1と、該第1の方向D1に垂直な第2の方向D2とが区画され、前記調光層12c上には、複数の平行しているリブ状構造15が分布され、前記リブ状構造15は、第1の方向D1に沿って延伸し、且つ、第2の方向D2に沿って配列されている。
【0018】
図4に示すように、前記リブ状構造15の対向する両側の厚さは、周辺領域14の外縁から中心領域13の中心への方向に沿って漸減されている。また、図3に示すように、二つの隣接するリブ状構造15の間隔は、前記基板11が前記第2の方向D2で対向する両側から前記基板11の中心へ向かう方向に沿って漸増されており、当該調光フィルム10の第3の好ましい実施例では、主に、前記調光層12c上のリブ状構造15自体の厚さと隣接するリブ状構造15の間隔とを合わせて変えることにより、前記中心領域13と前記周辺領域14の色料含有量をさらに微調整することができ、さらに前記中心領域13と前記周辺領域14の調光効果を微調整することができる。
【0019】
また、光学的なセンスを損なうことなく、図5に示すように、各リブ状構造15は、リブ状中心領域151を有し、当該リブ状中心領域151は、平面152である。或いは、各リブ状構造15は、逆V型構造であってもよく、その上端縁にはフィレット処理が行っておりており、この平面152又はフィレット上端縁の設計により、前記リブ状構造15が他のフィルムを傷つけるのを防止することができる。
【0020】
図6図7に示すように、本発明の調光フィルム10の第4の好ましい実施例において、前記調光層12dは、前記周辺領域14に複数の微細構造17a,17bが形成されており、例えば、前記微細構造17a,17bは、半球状又は角錐状であってもよい。当該複数の微細構造17a,17bの分布密度は、当該周辺領域14の外縁から当該中心領域13の中心への方向に沿って漸減されており、本実施例において、二つの隣接する微細構造17a,17bの間隔は、当該周辺領域14の外縁から当該中心領域13の中心への方向に沿って漸増されており、各微細構造17のサイズ変化及び隣接する微細構造17の間隔変化によって、前記中心領域13と前記周辺領域14との色料含有量の差をさらに微調整することができ、さらに、前記中心領域13と前記周辺領域14との調光効果を微調整することができ、前記中心領域13と前記周辺領域14との色差の差を低減することができる。また、他の実施例において、間隔変化ではなく、二つの隣接する微細構造17a,17bのサイズを、当該周辺領域14の外縁から当該中心領域13の中心への方向に沿って漸減させても、同じく、前記中心領域13と前記周辺領域14との色料含有量の差をさらに微調整することができ、さらに、前記中心領域13と前記周辺領域14との調光効果を微調整することができ、前記中心領域13と前記周辺領域14との色差の差を低減することができる。
【0021】
図8に示すように、本発明の調光フィルム10の第5の好ましい実施例において、当該調光層12eは、カラー印刷方式によって、色料をグラデーション方式で前記光学フィルム24の底面に印刷し、ここで、前記調光層12eの色料含有量は、前記調光フィルム10の周囲から内側に向かって漸減されており、前記調光層12eは、中心領域13には色料が印刷されない。より詳細には、本実施例の調光層は、スクリーン印刷(screen printing)方式を利用することができ、メッシュ(mesh)の配列密度やメッシュのサイズを計画することで、単位面積当たりの色料量を周辺領域から中心領域に向かって漸減させることができ、このように、調光層の厚さの変化が無くても、同一濃度の色料の印刷ドットのグラデーション分布や印刷ドットサイズの変化によって、周辺での光混合の不均一による色差を改善することができ、バックライトモジュール全体の光学的センスを向上させることができる。この方式は主にスクリーン印刷方式で行われ、コストが低いだけでなく、改版の時効性や製造プロセス時間が短いというメリットがある。
【0022】
また、図9を参照すると、本発明のバックライトモジュール20の一つの好ましい実施例においては、ハウジング21、光源22、色変換層23、及び如前述の調光フィルム10を備える。
【0023】
当該光源22は、当該ハウジング21内に配置されている。例えば、前記光源22は、青色発光ダイオードを選択することができ、当該ハウジング21内にアレイ状(array)に配置されることが好ましい。
【0024】
当該色変換層23は、当該ハウジング21内に配置され、且つ、当該光源22の前側に位置し、当該色変換層23は、対向する両面を有し、当該光源22に面する一面が入光面であり、他の一面が発光面である。当該色変換層23は、前記光源22の光線を所望の色光に変換するのに用いられ、例えば、前記光源22として青色発光ダイオードを選択し、当該色変換層23は、量子ドットフィルムを選択してもよく、青色光に励起されて白色光線を射出することができる。
【0025】
当該調光フィルム10は、当該色変換層23の前側に配置され、当該調光フィルム10は、当該色変換層23の発光面上に配置され、ここで、前記調光フィルム10の色料は、バックライトモジュール20の色変換層12の発光面から射出される光線の色差の補正色である。例えば、前述のように、光源22として青色発光ダイオードが選択され、当該色変換層23を介して光線を所望の色光に変換した後、前記中心領域13と前記周辺領域14との色差には差があり、前述の色差の差は、一般的に、通常光混合効果が不足しているため、所望の色光が青色光に偏ったままであるため、このような場合、この調光フィルム10中の色料は、偏った光線の補正色、本実施例では黄色の色料を選択する必要があり、これにより色差を微調整して良好な光混合の均一性を達成し、バックライトモジュール全体の光学的センスを向上させることができる。
【0026】
さらに、当該バックライトモジュール20は、少なくとも一つの光学フィルム24を備え、前記光学フィルム24は、当該調光フィルム10の前側に配置され、前記光学フィルム24は、プリズムシートや拡散シートなどを備えてもよく、その数や配置順序は、必要に応じて決定することができる。より好ましくは、前記光学フィルム24の底面が前述の調光フィルム10含む構成、即ち、前記基板11は、光透過性に優れた光学フィルム、例えばプリズムシートや輝度向上フィルム(Brightness Enhancement Film)であってもよく、前記光学フィルムの底面に調光層12a~12eが配置され、図1~7を参照すると、当該調光層12a~12dは、前述の色料を含有しているゲル(例えば、UVゲル)をその上に塗布して適切な金型で成形したものを選択してもよく、或いは、図8を参照すると、当該調光層12eは、カラー印刷方式によって、色料をグラデーション方式で前記光学フィルム24の底面に印刷したものを選択してもよい。例えば、前記光源22が青色発光ダイオードである場合、前記色料として、黄色が選択され、黄色顔料が印刷される濃度は周辺領域14から中心領域13に向かって漸減されている。
【0027】
また、図10を参照すると、本発明の表示装置30の一つの好ましい実施例においては、前述のバックライトモジュール20と、当該バックライトモジュール20の前側に配置された表示パネル31と、を備えている。
【0028】
上記のように、本発明の調光フィルム10は、主に、前記基板11上に色料を含有している調光層12a~12eを配置し、前記調光層12a~12eの厚さ又は間隔の構造変化を利用するか、或いは、グラデーション印刷方式を利用して前記調光層12a~12eの色料含有量を前記周辺領域14から前記中心領域13に向かって漸減させ、周辺領域14と中心領域13との単位色料含有量の差により、光源22からの光線が前記調光フィルム10の調光層12a~12eを通過する際に、前記調光層12a~12e内の色料を利用して調光効果を得ることができ、さらに、前記バックライトモジュール20の周縁の光混合の均一性を向上させ、バックライトモジュール20全体の光学的センスを向上させることができる。
【符号の説明】
【0029】
10 調光フィルム
11 基板
12a~12e 調光層
13 中心領域
14 周辺領域
15 リブ状構造
17a,17b 微細構造
20 バックライトモジュール
21 ハウジング
22 光源
23 色変換層
24 光学フィルム
30 表示装置
31 表示パネル
D1 第1方向
D2 第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10