(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信装置、および無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20230623BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20230623BHJP
H04W 88/10 20090101ALI20230623BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20230623BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230623BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230623BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W88/06
H04W88/10
H04W4/00 110
H04W84/12
H04W84/10 110
(21)【出願番号】P 2021565252
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2019049769
(87)【国際公開番号】W WO2021124503
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 和行
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136704(JP,A)
【文献】特開2005-260286(JP,A)
【文献】特開2001-308850(JP,A)
【文献】特開2017-169158(JP,A)
【文献】特開2017-112551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線通信装置および第2無線通信装置を備え、
前記第1無線通信装置は、
無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する第1通信機と、
前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第4通信機と通信を実施する第2通信機と、
を備え、
前記第2無線通信装置は、
前記第1通信プロトコルに従って前記第1通信機と無線通信を実施し、かつ前記接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する前記第3通信機と、
前記第2通信プロトコルに従って前記第2通信機と通信を実施する前記第4通信機と、
を備え、
前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置の一方は、
前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶するメモリと、
第1プロセッサと、
を備え、
前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶し、
前記第2無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信し、かつ前記第2通信機は前記第1設定関連情報を受信し、
前記第1無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第2通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、かつ前記第4通信機は前記第1設定関連情報を受信し、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第1プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機または前記第2通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶し、
前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機および前記第3通信機は、送信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って互いに接続し、
前記第1通信機および前記第3通信機が互いに接続した後、前記第1プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する
無線通信システム。
【請求項2】
前記第2無線通信装置は、
前記メモリと、
前記第1プロセッサと、
を備え、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第4通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、
前記第1通信機は、前記第2通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続し、
前記第3通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続する
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第1無線通信装置は、第2プロセッサをさらに備え、
前記第1プロセッサは、前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定するか否かを判断し、
前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定すると前記第1プロセッサが判断した場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持し、
前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定しないと前記第1プロセッサが判断した場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持せず、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信せず、
前記第2通信機が前記第1設定関連情報を受信しなかった場合、前記第2プロセッサは前記第1設定関連情報を生成し、
前記第1通信機は、前記第2プロセッサによって生成された前記第1設定関連情報を前記第2プロセッサから取得し、
前記第2通信機は、前記第2プロセッサによって生成された前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、
前記第4通信機は、前記第1設定関連情報を受信し、
前記第1通信機は、前記第2プロセッサから取得された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続し、
前記第3通信機は、前記第4通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続する
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第1無線通信装置は、第2プロセッサをさらに備え、
前記第3通信機が前記第1通信機と接続する前、前記第4通信機は、前記第2無線通信装置の識別情報を前記第2通信機に送信し、
前記第2通信機は前記識別情報を受信し、
前記第3通信機は、前記第1通信機と接続するときに前記識別情報を前記第1通信機に送信し、
前記第1通信機は前記識別情報を受信し、
前記第2プロセッサは、前記第2通信機によって受信された前記識別情報を、前記第1通信機が接続を受け入れる機器の前記識別情報として前記第1通信機に設定し、
前記第1通信機によって受信された前記識別情報と、前記第1通信機に設定された前記識別情報とが同じである場合、前記第1通信機は、前記第3通信機との接続を受け入れる
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第1無線通信装置は、
前記メモリと、
前記第1プロセッサと、
を備え、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第2通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、
前記第3通信機は、前記第4通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続し、
前記第1通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続する
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第3通信機が前記第1通信機と接続する前、前記第4通信機は、前記第2無線通信装置の識別情報を前記第2通信機に送信し、
前記第2通信機は前記識別情報を受信し、
前記第3通信機は、前記第1通信機と接続するときに前記識別情報を前記第1通信機に送信し、
前記第1通信機は前記識別情報を受信し、
前記第1プロセッサは、前記第2通信機によって受信された前記識別情報を、前記第1通信機が接続を受け入れる機器の前記識別情報として前記第1通信機に設定し、
前記第1通信機によって受信された前記識別情報と、前記第1通信機に設定された前記識別情報とが同じである場合、前記第1通信機は、前記第3通信機との接続を受け入れる
請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第2通信プロトコルは、無線通信プロトコルであり、
第1距離は第2距離よりも長く、
前記第1距離は、前記第1通信機および前記第3通信機が互いに無線通信を実施することができる最大距離であり、
前記第2距離は、前記第2通信機および前記第4通信機が互いに無線通信を実施することができる最大距離である
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って他の無線通信装置のアクセスポイントである第1通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する第3通信機と、
前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記他の無線通信装置の第2通信機と通信を実施する第4通信機と、
前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、
を備え、
前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶し、
前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信し、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機は、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶し、
前記第1設定関連情報が送信された後、前記第3通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続し、
前記第3通信機が前記第1通信機と接続した後、前記プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する
無線通信装置。
【請求項9】
無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って他の無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する第1通信機と、
前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記他の無線通信装置の第4通信機と通信を実施する第2通信機と、
前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、
を備え、
前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶し、
前記第2通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第2通信機は、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶し、
前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続し、
前記第1通信機が前記第3通信機と接続した後、前記プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する
無線通信装置。
【請求項10】
第1無線通信装置および第2無線通信装置が実行する無線通信方法であって、
前記第1無線通信装置は、
無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する第1通信機と、
前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第4通信機と通信を実施する第2通信機と、
を備え、
前記第2無線通信装置は、
前記第1通信プロトコルに従って前記第1通信機と無線通信を実施し、かつ前記接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する前記第3通信機と、
前記第2通信プロトコルに従って前記第2通信機と通信を実施する前記第4通信機と、
を備え、
前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置の一方は、
前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶するメモリと、
第1プロセッサと、
を備え、
前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶し、
前記無線通信方法は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、第5ステップ、第6ステップ、第7ステップ、および第8ステップを備え、
前記第2無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第4通信機は前記第1ステップにおいて前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第2ステップにおいて前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信し、かつ前記第2通信機は前記第3ステップにおいて前記第1設定関連情報を受信し、
前記第1無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第2通信機は、前記第1ステップにおいて前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第2ステップにおいて前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、かつ前記第4通信機は前記第3ステップにおいて前記第1設定関連情報を受信し、
前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第1プロセッサは、前記第4ステップにおいて前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機または前記第2通信機は、前記第5ステップにおいて、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記第6ステップにおいて、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶し、
前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機および前記第3通信機は、前記第7ステップにおいて、送信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って互いに接続し、
前記第1通信機および前記第3通信機が互いに接続した後、前記第1プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、前記第8ステップにおいて、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信装置、および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)において、子機(ステーション)である通信装置は、親機であるアクセスポイントと接続する。以下では、アクセスポイントはAPと略記される。以下では、ステーションはSTAと略記される。通信装置は、AP機能を有するAP装置を経由して他の通信装置とデータ通信を実施する。例えば、他の通信装置は、無線LANまたは有線LANを経由してAP装置と接続する。あるいは、他の通信装置は、有線か無線かにかかわらずWAN(Wide Area Network)を経由してAP装置と接続する。
【0003】
近年では、AP機能はAP装置と異なる様々な機器に搭載されてきている。通信装置と他の通信装置とのどちらか一方にAP機能が搭載された場合、通信装置と他の通信装置とは、AP装置を経由してデータ通信を実施する代わりに、互いに直接、データ通信を実施することができる。そのため、通信帯域の負荷を軽減できる。
【0004】
用途が限定される状況では通信装置と他の通信装置とが直接的なデータ通信を実施することが増えてきている。例えば、ある状況では、カメラなどの映像記録通信装置が映像を記録または撮影し、その映像をテレビまたはスマートフォンなどの映像再生通信装置へ送信し、かつ映像再生通信装置がその映像を保存または再生する。映像記録通信装置と映像再生通信装置とのどちらか一方にAP機能が搭載され、映像記録通信装置と映像再生通信装置とが直接的なデータ通信を実施することがある。このような直接的なデータ通信では、1台の通信装置と1台の通信装置とが1:1の接続を実施することを想定していることが多い。すなわち、映像記録通信装置と映像再生通信装置とが直接的なデータ通信を実施する例では、高品質の映像をリアルタイムにあるいは高速に伝送するために、1台の映像記録通信装置と1台の映像再生通信装置とのみが互いに接続する。
【0005】
例えば、APは、IEEE802.11に従って無線LANとしてのネットワーク(インフラストラクチャネットワーク)を提供する。通信装置がそのネットワークに参加するためには、通信装置において様々な情報(接続設定情報)を設定する必要がある。例えば、接続設定情報は、ネットワーク識別子(SSID(Service Set Identifier))、認証方式の情報、暗号化方式の情報、および暗号キーを含む。接続設定情報が設定されるとき、通信装置上で様々な情報の入力が必要である。この情報の入力は複雑であるため、特に無線LAN技術に不慣れなユーザが設定を行うのは困難である。
【0006】
この問題に対処するために、無線LANの接続設定情報の入力をユーザに行わせることなく設定を完了する技術が提供されている。具体的には、無線LANに加えて、無線LANとは異なる通信技術が通信装置およびAPに適用され、接続設定情報が、無線LANとは異なる通信技術を用いてAPから通信装置に送信される。例えば、無線LANとは異なる通信技術として、近距離無線通信技術あるいは有線通信技術が利用できる。近距離無線通信技術は、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency IDentification)、IEEE802.15.4、赤外線通信、およびBluetooth(登録商標)などを含む。有線通信技術は、USB(Universal Serial Bus)およびIEEE802.3などを含む。
【0007】
APは、接続設定情報を各通信装置に送信する処理を繰り返す。これにより、APは、接続設定情報を複数の通信装置に渡すことができる。ユーザは、APのユーザインタフェースまたは接続設定情報を受け取った通信装置のユーザインタフェースを通じて接続設定情報を見て、その接続設定情報を他の通信装置へ入力してもよい。その結果、複数の通信装置がAPに接続できる。1台の通信装置が自身のみとAPとの間で1:1の接続を実施することを希望し、APに接続したとき、他の通信装置がそのAPに既に接続している場合がある。その場合、1:1の接続は実現されない。
【0008】
特許文献1に開示された技術では、APとなるプリンタと、子機となるスマートフォンとが通信を実施する。スマートフォンは、APに設定される無線LANの接続設定情報を生成し、かつプリンタのNFCタグ部に書き込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示された技術では、プリンタのNFCタグ部に接続設定情報が書き込まれている場合、プリンタからスマートフォンへNFC経由で接続設定情報が渡される可能性がある。複数のスマートフォンがNFCを使用してプリンタと接触した場合、各スマートフォンがプリンタの接続設定情報を取得できる。複数のスマートフォンがプリンタに接続できるため、1:1の接続が可能にならない。
【0011】
本発明は、1台のアクセスポイントと1台のステーションとを互いに接続させ、かつそのアクセスポイントと他のステーションとの接続を回避することができる無線通信システム、無線通信装置、および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1態様によれば、無線通信システムは、第1無線通信装置および第2無線通信装置を備える。前記第1無線通信装置は、第1通信機および第2通信機を備える。前記第1通信機は、無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する。前記第2通信機は、前記第1通信プロトコルと異なる無線通信プロトコルである第2通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第4通信機と通信を実施する。前記第2無線通信装置は、第3通信機および第4通信機を備える。前記第3通信機は、前記第1通信プロトコルに従って前記第1通信機と無線通信を実施し、かつ前記接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する。前記第4通信機は、前記第2通信プロトコルに従って前記第2通信機と通信を実施する。前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置の一方は、メモリおよび第1プロセッサを備える。前記メモリは、前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶する。前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶する。前記第2無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信し、かつ前記第2通信機は前記第1設定関連情報を受信する。前記第1無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第2通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、かつ前記第4通信機は前記第1設定関連情報を受信する。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第1プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機または前記第2通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機および前記第3通信機は、送信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って互いに接続する。前記第1通信機および前記第3通信機が互いに接続した後、前記第1プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、第1態様において、前記第2無線通信装置は、前記メモリおよび前記第1プロセッサを備えてもよい。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第4通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持してもよい。前記第1通信機は、前記第2通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続してもよい。前記第3通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続してもよい。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、第2態様において、前記第1無線通信装置は、第2プロセッサをさらに備えてもよい。前記第1プロセッサは、前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定するか否かを判断してもよい。前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定すると前記第1プロセッサが判断した場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持してもよい。前記第1設定関連情報を前記第4通信機に設定しないと前記第1プロセッサが判断した場合、前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持せず、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信しなくてもよい。前記第2通信機が前記第1設定関連情報を受信しなかった場合、前記第2プロセッサは前記第1設定関連情報を生成してもよい。前記第1通信機は、前記第2プロセッサによって生成された前記第1設定関連情報を前記第2プロセッサから取得してもよい。前記第2通信機は、前記第2プロセッサによって生成された前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信してもよい。前記第4通信機は、前記第1設定関連情報を受信してもよい。前記第1通信機は、前記第2プロセッサから取得された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続してもよい。前記第3通信機は、前記第4通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続してもよい。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、第2態様において、前記第1無線通信装置は、第2プロセッサをさらに備えてもよい。前記第3通信機が前記第1通信機と接続する前、前記第4通信機は、前記第2無線通信装置の識別情報を前記第2通信機に送信してもよい。前記第2通信機は前記識別情報を受信してもよい。前記第3通信機は、前記第1通信機と接続するときに前記識別情報を前記第1通信機に送信してもよい。前記第1通信機は前記識別情報を受信してもよい。前記第2プロセッサは、前記第2通信機によって受信された前記識別情報を、前記第1通信機が接続を受け入れる機器の前記識別情報として前記第1通信機に設定してもよい。前記第1通信機によって受信された前記識別情報と、前記第1通信機に設定された前記識別情報とが同じである場合、前記第1通信機は、前記第3通信機との接続を受け入れてもよい。
【0016】
本発明の第5の態様によれば、第1態様において、前記第1無線通信装置は、前記メモリおよび前記第1プロセッサを備えてもよい。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第2通信機は、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持してもよい。前記第3通信機は、前記第4通信機によって受信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続してもよい。前記第1通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続してもよい。
【0017】
本発明の第6の態様によれば、第5態様において、前記第3通信機が前記第1通信機と接続する前、前記第4通信機は、前記第2無線通信装置の識別情報を前記第2通信機に送信してもよい。前記第2通信機は前記識別情報を受信してもよい。前記第3通信機は、前記第1通信機と接続するときに前記識別情報を前記第1通信機に送信してもよい。前記第1通信機は前記識別情報を受信してもよい。前記第1プロセッサは、前記第2通信機によって受信された前記識別情報を、前記第1通信機が接続を受け入れる機器の前記識別情報として前記第1通信機に設定してもよい。前記第1通信機によって受信された前記識別情報と、前記第1通信機に設定された前記識別情報とが同じである場合、前記第1通信機は、前記第3通信機との接続を受け入れてもよい。
【0018】
本発明の第7の態様によれば、第1から第6の態様のいずれか1つにおいて、前記第2通信プロトコルは、無線通信プロトコルであってもよい。第1距離は第2距離よりも長くてもよい。前記第1距離は、前記第1通信機および前記第3通信機が互いに無線通信を実施することができる最大距離であってもよい。前記第2距離は、前記第2通信機および前記第4通信機が互いに無線通信を実施することができる最大距離であってもよい。
【0019】
本発明の第8の態様によれば、無線通信装置は、第3通信機、第4通信機、メモリ、およびプロセッサを備える。前記第3通信機は、無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って他の無線通信装置のアクセスポイントである第1通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する。前記第4通信機は、前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記他の無線通信装置の第2通信機と通信を実施する。前記メモリは、前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶する。前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶する。前記第4通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信する。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機は、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。前記第1設定関連情報が送信された後、前記第3通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第1通信機と接続する。前記第3通信機が前記第1通信機と接続した後、前記プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する。
【0020】
本発明の第9の態様によれば、無線通信装置は、第1通信機、第2通信機、メモリ、およびプロセッサを備える。前記第1通信機は、無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って他の無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する。前記第2通信機は、前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記他の無線通信装置の第4通信機と通信を実施する。前記メモリは、前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶する。前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶する。前記第2通信機は前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信する。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記プロセッサは、前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第2通信機は、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機は、前記メモリに記憶された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って前記第3通信機と接続する。前記第1通信機が前記第3通信機と接続した後、前記プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する。
【0021】
本発明の第10の態様によれば、第1無線通信装置および第2無線通信装置が実行する無線通信方法が提供される。前記第1無線通信装置は、第1通信機および第2通信機を備える。前記第1通信機は、無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第3通信機と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイントとして動作する。前記第2通信機は、前記第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って前記第2無線通信装置の第4通信機と通信を実施する。前記第2無線通信装置は、第3通信機および第4通信機を備える。前記第3通信機は、前記第1通信プロトコルに従って前記第1通信機と無線通信を実施し、かつ前記接続設定情報に従ってステーションとして前記アクセスポイントと接続する。前記第4通信機は、前記第2通信プロトコルに従って前記第2通信機と通信を実施する。前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置の一方は、メモリおよび第1プロセッサを備える。前記メモリは、前記接続設定情報と前記接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶する。前記メモリは、前記設定関連情報である第1設定関連情報を記憶する。前記無線通信方法は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、第5ステップ、第6ステップ、第7ステップ、および第8ステップを備える。前記第2無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第4通信機は前記第1ステップにおいて前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第2ステップにおいて前記第1設定関連情報を前記第2通信機に送信し、かつ前記第2通信機は前記第3ステップにおいて前記第1設定関連情報を受信する。前記第1無線通信装置が前記メモリおよび前記第1プロセッサを備える場合、前記第2通信機は、前記第1ステップにおいて前記第1設定関連情報を保持し、かつ前記第2ステップにおいて前記第1設定関連情報を前記第4通信機に送信し、かつ前記第4通信機は前記第3ステップにおいて前記第1設定関連情報を受信する。前記第1設定関連情報が送信される度に、前記第1プロセッサは、前記第4ステップにおいて前記第1設定関連情報と異なる前記設定関連情報を生成し、かつ前記第4通信機または前記第2通信機は、前記第5ステップにおいて、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第1設定関連情報として保持し、かつ前記メモリは、前記第6ステップにおいて、前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。前記第1設定関連情報が送信された後、前記第1通信機および前記第3通信機は、前記第7ステップにおいて、送信された前記第1設定関連情報に基づく前記接続設定情報に従って互いに接続する。前記第1通信機および前記第3通信機が互いに接続した後、前記第1プロセッサが前記設定関連情報を生成する度に、前記メモリは、前記第8ステップにおいて、既に記憶されている前記第2設定関連情報を前記第1設定関連情報として記憶し、かつ前記第1プロセッサによって生成された前記設定関連情報を前記第2設定関連情報として記憶する。
【発明の効果】
【0022】
上記の各態様によれば、無線通信システム、無線通信装置、および無線通信方法は、1台のアクセスポイントと1台のステーションとを互いに接続させ、かつそのアクセスポイントと他のステーションとの接続を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態の第1無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の第2無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1実施形態の第2無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第1実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図7】本発明の第1実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の第2実施形態の第1無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第2実施形態の第2無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第2実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2実施形態の第2無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第2実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の第3実施形態の第1無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図14】本発明の第3実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の第3実施形態の第2無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の第3実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図17】本発明の第3実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図18】本発明の第4実施形態の第1無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図19】本発明の第4実施形態の第2無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図20】本発明の第4実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の第4実施形態の第2無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図22】本発明の第4実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図23】本発明の第4実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図24】本発明の第5実施形態の第1無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図25】本発明の第5実施形態の第2無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図26】本発明の第5実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図27】本発明の第5実施形態の第1無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図28】本発明の第5実施形態の第2無線通信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図29】本発明の第5実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【
図30】本発明の第5実施形態における通信の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の第1無線通信装置101の構成を示す。
図1に示す第1無線通信装置101は、第1通信機121および第2通信機131を有する。
図2は、第1実施形態の第2無線通信装置201の構成を示す。
図2に示す第2無線通信装置201は、プロセッサ211(第1プロセッサ)、第3通信機221、第4通信機231、およびメモリ241を有する。
【0026】
第1無線通信装置101および第2無線通信装置201の概略構成について説明する。第1通信機121は、無線通信プロトコルである第1通信プロトコルに従って第3通信機221と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってアクセスポイント(AP)として動作する。第2通信機131は、第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに従って第4通信機231と通信を実施する。第3通信機221は、第1通信プロトコルに従って第1通信機121と無線通信を実施し、かつ接続設定情報に従ってステーション(STA)としてAPと接続する。第4通信機231は、第2通信プロトコルに従って第2通信機131と通信を実施する。メモリ241は、接続設定情報と接続設定情報の元となる情報との一方である設定関連情報を記憶する。
【0027】
メモリ241は、第1設定関連情報を記憶する。第4通信機231は第1設定関連情報を保持し、かつ第1設定関連情報を第2通信機131に送信する。第2通信機131は第1設定関連情報を受信する。第1設定関連情報が送信される度に、プロセッサ211は、第1設定関連情報と異なる設定関連情報を生成し、かつ第4通信機231は、プロセッサ211によって生成された設定関連情報を第1設定関連情報として保持する。第1設定関連情報が送信される度に、メモリ241は、プロセッサ211によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。第1設定関連情報が送信された後、第1通信機121および第3通信機221は、送信された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って互いに接続する。第1通信機121および第3通信機221が互いに接続した後、プロセッサ211が設定関連情報を生成する度に、メモリ241は、既に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶し、かつプロセッサ211によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0028】
第1無線通信装置101の詳細な構成について説明する。第1通信機121は、第1通信プロトコルに従って動作する無線モジュールである。例えば、第1通信プロトコルはIEEE802.11であり、第1通信機121はIEEE802.11のAPとして動作する。第1通信機121は、ベースバンド回路122、RF回路123、およびアンテナ124を有する。
【0029】
ベースバンド回路122は、デジタル信号をD/A変換によりアナログ信号に変換する。ベースバンド回路122によって生成されたアナログ信号はRF回路123に出力される。また、ベースバンド回路122は、RF回路123から出力されたアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、かつデジタル信号を処理する。第1無線通信装置101は、プロセッサを有してもよい。第1無線通信装置101がプロセッサを有する場合、プロセッサは、ベースバンド回路122によってデジタル信号に対して実行される処理のうち、MAC(Media Access Control)層の処理の一部を制御してもよい。MAC層は、データリンク層に含まれる。
【0030】
RF回路123は、ベースバンド回路122から出力されたアナログ信号を搬送波の周波数帯のアナログ信号に変調する。RF回路123によって変調されたアナログ信号は、アンテナ124に出力される。また、RF回路123は、アンテナ124から出力された搬送波の周波数帯のアナログ信号を復調する。RF回路123によって復調されたアナログ信号は、ベースバンド回路122に出力される。アンテナ124は、RF回路123から出力されたアナログ信号を電波に変換し、かつ電波を第2無線通信装置201に送信する。また、アンテナ124は、第2無線通信装置201から送信された電波を受信し、かつ受信された電波をアナログ信号に変換する。アンテナ124によって処理されたアナログ信号は、RF回路123に出力される。
【0031】
図1に示す例では、アンテナ124は、第1通信機121内に配置されている。アンテナ124は、第1通信機121外に配置されてもよい。
【0032】
第2通信機131は、第2通信プロトコルに従って動作する無線または有線のモジュールである。例えば、第2通信プロトコルは、ISO/IEC14443またはISO/IEC15693で提供されるNFCである。第2通信プロトコルは、NFCとは異なるプロトコルであってもよい。例えば、第2通信プロトコルが近距離無線通信技術である場合、第2通信プロトコルは、NFC、RFID、IEEE802.15.4、赤外線通信、またはBluetooth(登録商標)などであってもよい。第2通信プロトコルが有線通信技術である場合、第2通信プロトコルは、USBまたはIEEE802.3などであってもよい。
【0033】
第2通信プロトコルが近距離無線通信プロトコルである場合、第1距離は第2距離よりも長い。第1距離は、第1通信機121および第3通信機221が互いに無線通信を実施することができる最大距離である。第2距離は、第2通信機131および第4通信機231が互いに無線通信を実施することができる最大距離である。第1通信プロトコルの通信可能距離は、第2通信プロトコルの通信可能距離よりも長い。
【0034】
第2通信機131は、ベースバンド回路132、RF回路133、およびアンテナ134を有する。ベースバンド回路132は、デジタル信号をD/A変換によりアナログ信号に変換する。ベースバンド回路132によって生成されたアナログ信号はRF回路133に出力される。また、ベースバンド回路132は、RF回路133から出力されたアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、かつデジタル信号を処理する。第1無線通信装置101がプロセッサを有する場合、プロセッサは、ベースバンド回路132によってデジタル信号に対して実行される処理のうち、MAC層の処理の一部を制御してもよい。
【0035】
RF回路133は、ベースバンド回路132から出力されたアナログ信号を搬送波の周波数帯のアナログ信号に変調する。RF回路133によって変調されたアナログ信号は、アンテナ134に出力される。また、RF回路133は、アンテナ134から出力された搬送波の周波数帯のアナログ信号を復調する。RF回路133によって復調されたアナログ信号は、ベースバンド回路132に出力される。アンテナ134は、RF回路133から出力されたアナログ信号を電波に変換し、かつ電波を第2無線通信装置201に送信する。また、アンテナ134は、第2無線通信装置201から送信された電波を受信し、かつ受信された電波をアナログ信号に変換する。アンテナ134によって処理されたアナログ信号は、RF回路133に出力される。
【0036】
図1に示す例では、アンテナ134は、第2通信機131内に配置されている。アンテナ134は、第2通信機131外に配置されてもよい。第1無線通信装置101がプロセッサを有する場合、第1通信機121および第2通信機131は、プロセッサを経由して互いに接続されてもよい。
【0037】
第2無線通信装置201の詳細な構成について説明する。例えば、プロセッサ211は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。第2無線通信装置201は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ211は、専用IC、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つであってもよい。
【0038】
プロセッサ211が、プログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。プログラムは、プロセッサ211の動作を規定する命令を含む。つまり、プロセッサ211の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。そのプログラムは、そのプログラムを保持するコンピュータから、伝送媒体を経由して、あるいは伝送媒体中の伝送波により第2無線通信装置201に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、情報を伝送する機能を有する媒体である。情報を伝送する機能を有する媒体は、インターネット等のネットワーク(通信網)および電話回線等の通信回線(通信線)を含む。上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組合せが、前述した機能を実現してもよい。
【0039】
第3通信機221は、第1通信プロトコルに従って動作する無線モジュールである。例えば、第1通信プロトコルはIEEE802.11であり、第3通信機221はIEEE802.11のSTAとして動作する。第3通信機221は、ベースバンド回路222、RF回路223、およびアンテナ224を有する。
【0040】
ベースバンド回路222は、デジタル信号をD/A変換によりアナログ信号に変換する。ベースバンド回路222によって生成されたアナログ信号はRF回路223に出力される。また、ベースバンド回路222は、RF回路223から出力されたアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、かつデジタル信号を処理する。プロセッサ211は、ベースバンド回路222によってデジタル信号に対して実行される処理のうち、MAC層の処理の一部を制御する。
【0041】
RF回路223は、ベースバンド回路222から出力されたアナログ信号を搬送波の周波数帯のアナログ信号に変調する。RF回路223によって変調されたアナログ信号は、アンテナ224に出力される。また、RF回路223は、アンテナ224から出力された搬送波の周波数帯のアナログ信号を復調する。RF回路223によって復調されたアナログ信号は、ベースバンド回路222に出力される。アンテナ224は、RF回路223から出力されたアナログ信号を電波に変換し、かつ電波を第1無線通信装置101に送信する。また、アンテナ224は、第1無線通信装置101から送信された電波を受信し、かつ受信された電波をアナログ信号に変換する。アンテナ224によって処理されたアナログ信号は、RF回路223に出力される。
【0042】
図2に示す例では、アンテナ224は、第3通信機221内に配置されている。アンテナ224は、第3通信機221外に配置されてもよい。
【0043】
第4通信機231は、第2通信プロトコルに従って動作する無線または有線のモジュールである。第4通信機231は、書き換え可能な記録媒体を内蔵してもよい。第4通信機231は、ベースバンド回路232、RF回路233、およびアンテナ234を有する。
【0044】
ベースバンド回路232は、デジタル信号をD/A変換によりアナログ信号に変換する。ベースバンド回路232によって生成されたアナログ信号はRF回路233に出力される。また、ベースバンド回路232は、RF回路233から出力されたアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、かつデジタル信号を処理する。プロセッサ211は、ベースバンド回路232によってデジタル信号に対して実行される処理のうち、MAC層の処理の一部を制御する。
【0045】
RF回路233は、ベースバンド回路232から出力されたアナログ信号を搬送波の周波数帯のアナログ信号に変調する。RF回路233によって変調されたアナログ信号は、アンテナ234に出力される。また、RF回路233は、アンテナ234から出力された搬送波の周波数帯のアナログ信号を復調する。RF回路233によって復調されたアナログ信号は、ベースバンド回路232に出力される。アンテナ234は、RF回路233から出力されたアナログ信号を電波に変換し、かつ電波を第1無線通信装置101に送信する。また、アンテナ234は、第1無線通信装置101から送信された電波を受信し、かつ受信された電波をアナログ信号に変換する。アンテナ234によって処理されたアナログ信号は、RF回路233に出力される。
【0046】
図2に示す例では、アンテナ234は、第4通信機231内に配置されている。アンテナ234は、第4通信機231外に配置されてもよい。
【0047】
プロセッサ211は、第3通信機221外かつ第4通信機231外に配置され、かつ第2無線通信装置201の全体の動作を制御する。プロセッサ211は、ベースバンド回路222、ベースバンド回路232、およびメモリ241を制御する。第2無線通信装置201が、
図2に示されていない表示部または操作部などを有する場合、プロセッサ211は、表示部または操作部などを制御する。第3通信機221内に配置されたプロセッサがプロセッサ211の代わりにベースバンド回路222を制御してもよい。その場合、プロセッサ211は第3通信機221内のプロセッサを制御する。第4通信機231内に配置されたプロセッサがプロセッサ211の代わりにベースバンド回路232を制御してもよい。その場合、プロセッサ211は第4通信機231内のプロセッサを制御する。
【0048】
プロセッサ211は、第3通信機221または第4通信機231を使用することにより、データまたは情報を第1無線通信装置101に送信する。具体的には、プロセッサ211は、データまたは情報が第1無線通信装置101に送信されるように第3通信機221または第4通信機231を制御する。つまり、プロセッサ211は、第1無線通信装置101に対するデータまたは情報を第3通信機221または第4通信機231に送信させる。これによって、第3通信機221または第4通信機231は、データまたは情報を第1無線通信装置101に送信する。プロセッサ211は、第3通信機221または第4通信機231を使用することにより、データまたは情報を第1無線通信装置101から受信する。具体的には、プロセッサ211は、データまたは情報が第1無線通信装置101から受信されるように第3通信機221または第4通信機231を制御する。つまり、プロセッサ211は、第1無線通信装置101からのデータまたは情報を第3通信機221または第4通信機231に受信させる。これによって、第3通信機221または第4通信機231は、データまたは情報を第1無線通信装置101から受信する。
【0049】
メモリ241は、揮発性または不揮発性の記憶媒体である。例えば、メモリ241は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(DynamicRandom Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、FRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、およびフラッシュメモリの少なくとも1つである。
【0050】
図3は、第1無線通信装置101および第2無線通信装置201を有する無線通信システム11の構成を示す。第1無線通信装置101の第1通信機121(AP)および第2無線通信装置201の第3通信機221(STA)は、第1通信プロトコルに従って無線通信を実施する。第1無線通信装置101の第2通信機131および第2無線通信装置201の第4通信機231は、第2通信プロトコルに従って無線または有線の通信を実施する。
【0051】
第1通信プロトコルの親機および子機の関係と同様な第2通信プロトコルの親機および子機の関係が定義されていてもよい。あるいは、第2通信プロトコルの親機および子機の関係が定義されていなくてもよい。第2通信プロトコルの親機および子機の関係が定義されている場合、第2通信機131および第4通信機231のどちらが親機であってもよく、第2通信機131および第4通信機231のどちらが子機であってもよい。
【0052】
接続設定情報および設定関連情報について説明する。設定関連情報は、APに設定される接続設定情報そのものであってもよいし、接続設定情報を生成するための元となる情報であってもよい。接続設定情報は、ネットワーク識別子(SSID)を含み、かつパスフレーズおよびPSK(Pre Shared Key)の一方を含む。SSIDは接続に使用される。パスフレーズおよびPSKは認証に使用される。パスフレーズが使用される場合、SSIDは接続および認証に使用される。APおよびSTAは、接続および認証において接続設定情報を使用する。設定関連情報が接続設定情報そのものである場合、設定関連情報は、少なくともSSIDを含み、かつパスフレーズおよびPSKの一方を含む。認証が必須ではない場合、設定関連情報はSSIDのみを含んでもよい。
【0053】
設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第1無線通信装置101および第2無線通信装置201は、設定関連情報から接続設定情報を生成するための情報生成部を有する。情報生成部は、例えば設定関連情報に対して所定の計算を実行する。第1無線通信装置101が有する情報生成部と、第2無線通信装置201が有する情報生成部とは、同じである。2つの同じ情報生成部は、同じ設定関連情報に基づいて同じSSIDを生成し、かつ同じパスフレーズまたはPSKを生成する。
【0054】
接続設定情報を生成する手段は、あらかじめプログラムとして第1無線通信装置101および第2無線通信装置201に記憶されていてもよい。図示しない操作部をユーザが操作することにより、そのプログラムが第1無線通信装置101および第2無線通信装置201に入力されてもよい。第1無線通信装置101は、第1通信機121または第2通信機131を使用してそのプログラムを第2無線通信装置201またはその他の通信装置から受信してもよい。第2無線通信装置201は、第3通信機221または第4通信機231を使用してそのプログラムを第1無線通信装置101またはその他の通信装置から受信してもよい。
【0055】
第1無線通信装置101および第2無線通信装置201は、図示しない他の通信機を使用する通信を実施することによりそのプログラムを他の通信装置から受信してもよい。そのプログラムが記録された記録媒体が第1無線通信装置101に接続され、かつ第1無線通信装置101はその記録媒体からそのプログラムを読み出してもよい。そのプログラムが記録された記録媒体が第2無線通信装置201に接続され、かつ第2無線通信装置201はその記録媒体からそのプログラムを読み出してもよい。
【0056】
第1無線通信装置101の動作を説明する。
図4は、第1無線通信装置101の動作の手順を示す。
【0057】
(ステップS101)
第2通信機131は、第4通信機231と通信できるか否かを判断する。例えば、第2通信機131がスキャンを実行し、かつ第4通信機231から応答を得た場合、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する。あるいは、第4通信機231がスキャンを実行した場合、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する。あるいは、第2通信機131が第4通信機231の存在を示す信号を第4通信機231から受信した場合、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する。
【0058】
スキャンが実行されないプロトコル、または装置の存在を示す信号が送信されないプロトコルが使用される場合、第2通信機131は次のように判断してもよい。第2通信機131が何らかのデータを第4通信機231に送ることができた場合、または何らかのデータを第4通信機231から受信することできた場合、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断してもよい。スキャンが実行されないプロトコル、または装置の存在を示す信号が送信されないプロトコルが使用される場合、ステップS101が省かれてもよい。
【0059】
第4通信機231と通信できないと第2通信機131が判断した場合、ステップS101が実行される。つまり、第2通信機131が第4通信機231と通信できるまで、第2通信機131は判断を繰り返す。第4通信機231と通信できると第2通信機131が判断した場合、ステップS102が実行される。
【0060】
(ステップS102)
第2通信機131は取得命令を第4通信機231に送信する。取得命令は、設定関連情報を取得するための命令であってもよい。取得命令は、第4通信機231に設定されている送信データを送信させるための命令であってもよい。取得命令は、メモリ241に記憶されている設定関連情報を、第4通信機231を経由して取得するための命令であってもよい。第2通信機131は、設定関連情報を第4通信機231から受信する。第2通信機131は、受信された設定関連情報を第1通信機121に通知する。
【0061】
第1通信機121が第3通信機221と既に接続および認証を実施した場合、ステップS102において第1通信機121が切断を実施してもよい。例えば、第1通信機121は、DeauthenticationまたはDisassociationを第3通信機221に送信することにより、第3通信機221との接続を切断してもよい。
【0062】
(ステップS103)
ステップS102の後、第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、第2通信機131から通知された設定関連情報に基づいて更新する。これにより、第1通信機121は、設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。
【0063】
第1無線通信装置101がプロセッサを有する場合、第2通信機131は、受信された設定関連情報をプロセッサに通知し、プロセッサは設定関連情報を第1通信機121に出力してもよい。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第1通信機121は、ステップS103において、情報生成部によって生成された接続設定情報を保持する。
【0064】
ステップS103において第1通信機121がAPの動作を既に開始している場合、第1通信機121はAPの動作を継続したまま接続設定情報を更新し、かつその設定を即時適用してもよい。この場合、第1通信機121は、接続設定情報を更新する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。第1通信機121はAPの動作を終了した後、接続設定情報を更新してもよい。この場合、第1通信機121は、APの動作を終了する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。
【0065】
(ステップS104)
ステップS103の後、第1通信機121の状態が判断される。第1通信機121がAPとして動作中でない場合、ステップS105が実行される。第1通信機121がAPとして動作中である場合、ステップS106が実行される。
【0066】
(ステップS105)
第1通信機121は、接続設定情報に基づいてAPの動作を開始する。ステップS105の後、ステップS106が実行される。
【0067】
第1無線通信装置101がプロセッサを有する場合、プロセッサは、ステップS104において第1通信機121がAPとして動作中であるか否かを判断してもよい。第1通信機121がAPとして動作中でない場合、プロセッサは、APの動作を開始させるためのAP動作開始指示を第1通信機121に出力してもよい。
【0068】
プロセッサは、ステップS104において、第1通信機121のAP動作の状態を第1通信機121に問い合わせることにより、第1通信機121のAP動作の状態を確認してもよい。第1通信機121の電源がオンになった後に、AP動作の開始が第1通信機121からプロセッサに通知されてもよい。AP動作の開始がプロセッサに通知された後、AP動作の停止が第1通信機121からプロセッサに通知されていない場合に、プロセッサは、第1通信機121がAPとして動作中であると判断してもよい。
【0069】
図4に示す一連の処理は繰り返し実行される。ステップS104において第1通信機121がAPとして動作中であると判断された場合、あるいはステップS105において第1通信機121がAPの動作を開始した場合、第1通信機121は、APとして動作している。この場合、第1通信機121がAPの動作を終了するまで、ステップS104において第1通信機121の実際のAP動作の状態を確認せずに、ステップS106が実行されてもよい。
【0070】
(ステップS106)
第1通信機121は、接続要求の受信を待つ。第3通信機221から第1通信機121に設定されている接続設定情報内のSSIDを含む接続要求が送信された場合、第1通信機121は、接続要求を受信する。例えば、接続要求はAssociation Requestである。
【0071】
(ステップS107)
接続要求が受信された場合、第1通信機121は接続応答としてAssociation Responseを第3通信機221に送信する。これにより、データ通信のための接続が完了し、第1通信機121および第3通信機221は互いに接続される。第1通信機121は、第1通信機121に設定されたパスフレーズまたはPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいて第3通信機221と認証処理を実行する。認証が完了した後、第1通信機121および第3通信機221は、データ通信を実行してもよい。ステップS107の後、ステップS101が実行される。
【0072】
認証が必須ではない場合、第1通信機121はステップS107において認証処理を実行しなくてもよい。第1通信機121は、ステップS105においてAPの動作を開始する前の任意のタイミングでAPの動作を開始してもよい。ステップS103が最初に実行される前、何らかの接続設定情報が第1通信機121に適用されていてもよい。
【0073】
第2無線通信装置201の動作を説明する。
図5は、第2無線通信装置201の動作の手順を示す。
【0074】
(ステップS201)
プロセッサ211は、設定関連情報を生成する。図示しない操作部をユーザが操作することにより、設定関連情報が第2無線通信装置201に入力されてもよい。第2無線通信装置201は、第3通信機221または第4通信機231を使用して設定関連情報を第1無線通信装置101以外の通信装置から受信してもよい。第2無線通信装置201は、図示しない他の通信機を使用する通信を実施することにより設定関連情報を第1無線通信装置101以外の通信装置から受信してもよい。設定関連情報が記録された記録媒体が第2無線通信装置201に接続され、かつ第2無線通信装置201はその記録媒体から設定関連情報を読み出してもよい。
【0075】
設定関連情報が接続設定情報である場合、プロセッサ211は、接続設定情報を直接生成してもよい。あるいは、プロセッサ211は、接続設定情報を生成するための元となる情報を生成し、その情報に基づいて接続設定情報を生成してもよい。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ211は、その情報を直接生成してもよい。
【0076】
設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ211は、接続設定情報を生成し、かつ接続設定情報に基づいて設定関連情報を生成してもよい。例えば、プロセッサ211は、接続設定情報に対して所定の計算を実行することにより設定関連情報を生成する。プロセッサ211が設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成する場合、プロセッサ211は上記の計算と逆の計算を実行することにより接続設定情報を生成する。
【0077】
(ステップS202)
ステップS201の後、プロセッサ211は、ステップS201において生成された設定関連情報を送信データとして第4通信機231に設定する。第4通信機231は、設定関連情報を保持する。
【0078】
(ステップS203)
ステップS202の後、プロセッサ211は、ステップS201において生成された設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ241に記憶する。
【0079】
ステップS202およびステップS203が実行される順番は、
図5に示す順番と異なってもよい。ステップS201が実行された後、ステップS203が実行され、さらにステップS202が実行されてもよい。
【0080】
(ステップS204)
第2通信機131から取得命令が送信された場合、第4通信機231は、取得命令を受信する。プロセッサ211は、第4通信機231を監視し、かつ取得命令が受信されたか否かを判断する。取得命令が受信されていないとプロセッサ211が判断した場合、ステップS204が実行される。つまり、取得命令が受信されるまで、プロセッサ211は判断を繰り返す。取得命令が受信されたとプロセッサ211が判断した場合、ステップS205が実行される。
【0081】
(ステップS205)
第4通信機231は、送信データとして設定された設定関連情報を第2通信機131に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ211に通知する。プロセッサ211は、第4通信機231に、送信データを送信させてもよい。
【0082】
取得命令が、メモリ241に記憶されている設定関連情報を、第4通信機231を経由して取得するための命令である場合、プロセッサ211は、第1設定関連情報をメモリ241から取得し、かつ第1設定関連情報を第4通信機231に出力する。第4通信機231は、メモリ241から取得された設定関連情報を第2通信機131に送信する。
【0083】
(ステップS206)
ステップS205の後、プロセッサ211は、ステップS201において生成された設定関連情報と異なる設定関連情報を生成する。生成された設定関連情報は、メモリ241に記憶されている第1設定関連情報および第4通信機231に設定された設定関連情報のいずれとも異なる。
【0084】
(ステップS207)
ステップS206の後、プロセッサ211は、ステップS206において生成された設定関連情報を送信データとして第4通信機231に設定する。第4通信機231は、設定関連情報を保持する。例えば、ステップS207が実行される前に第4通信機231に設定された設定関連情報は削除される。
【0085】
(ステップS208)
ステップS207の後、プロセッサ211は、第2設定関連情報がメモリ241に記憶されているか否かを判断する。第2設定関連情報がメモリ241に記憶されているとプロセッサ211が判断した場合、ステップS209が実行される。第2設定関連情報がメモリ241に記憶されていないとプロセッサ211が判断した場合、ステップS210が実行される。
【0086】
(ステップS209)
プロセッサ211は、メモリ241内の第2設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ241に記憶させるための指示をメモリ241に出力する。メモリ241は、メモリ241に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する。
【0087】
ステップS209において第2設定関連情報が新しい第1設定関連情報としてメモリ241に記憶される前に古い第1設定関連情報がメモリ241に記憶されている。その古い第1設定関連情報は、メモリ241から削除されてもよい。あるいは、その古い第1設定関連情報は削除されず、最も新しい第1設定関連情報のみが第1設定関連情報として使用されてもよい。
【0088】
(ステップS210)
ステップS209の後、プロセッサ211は、ステップS206において生成された設定関連情報を第2設定関連情報としてメモリ241に記憶する。
【0089】
ステップS210において第2設定関連情報がメモリ241に記憶される前に古い第2設定関連情報がメモリ241に記憶されている場合がある。その古い第2設定関連情報は、メモリ241から削除されてもよい。あるいは、その古い第2設定関連情報は削除されず、最も新しい第2設定関連情報のみが第2設定関連情報として使用されてもよい。
【0090】
(ステップS211)
ステップS210の後、プロセッサ211は、第1設定関連情報をメモリ241から取得し、第1設定関連情報を第3通信機221に設定する。第3通信機221は、第1設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。第3通信機221は、接続設定情報に基づいて第1通信機121と接続する。具体的には、第3通信機221は、第3通信機221に保持されている接続設定情報内のSSIDを含む接続要求を第1通信機121に送信し、かつ接続応答としてAssociation Responseを第1通信機121から受信する。これにより、データ通信のための接続が完了し、第1通信機121および第3通信機221は互いに接続される。第3通信機221は、第3通信機221に設定されたパスフレーズまたはPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいて第1通信機121と認証処理を実行する。認証が完了した後、第1通信機121および第3通信機221は、データ通信を実行してもよい。ステップS211の後、ステップS204が実行される。
【0091】
第1設定関連情報が接続設定情報である場合、第3通信機221は、接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。第1設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第3通信機221は、情報生成部によって第1設定関連情報に基づいて生成された接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。
【0092】
第3通信機221は、第1設定関連情報をメモリ241から取得するための取得要求をプロセッサ211に出力してもよい。取得要求が第3通信機221から出力されたとき、プロセッサ211は第1設定関連情報をメモリ241から取得し、かつ第1設定関連情報を第3通信機221に出力してもよい。あるいは、ステップS210に続けて、プロセッサ211が第1設定関連情報をメモリ241から取得し、第1設定関連情報を第3通信機221に出力してもよい。
【0093】
第3通信機221が第1通信機121と既に接続している状態でステップS211が実行される場合、第3通信機221は、第1通信機121との接続を切断する。第1通信機121との接続が切断された後、第3通信機221は第1通信機121と接続する。第3通信機221は、第1通信機121との間で複数の接続を同時には維持しない。
【0094】
認証が必須ではない場合、第3通信機221はステップS211において認証処理を実行しなくてもよい。
【0095】
ステップS211が実行された後、第3通信機221は、次の取得命令の受信を待つ。第3通信機221が取得命令を受信した場合、ステップS205からステップS211が再度実行される。プロセッサ211がステップS206において設定関連情報を生成した後、メモリ241は、既に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する。プロセッサ211がステップS206において設定関連情報を生成した後、メモリ241は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0096】
ステップS202、ステップS207、およびステップS205に関して、以下の処理が実行されてもよい。ステップS202およびステップS207において、送信データは第4通信機231に設定されず、プロセッサ211は送信データをメモリ241に記憶してもよい。ステップS204において取得命令が受信された場合、第4通信機231は、ステップS205において取得命令の受信をプロセッサ211に通知し、プロセッサ211は、メモリ241に記憶されている送信データを取得し、かつ第4通信機231を使用して送信データを第2通信機131に送信してもよい。
【0097】
ステップS202およびステップS207が実行されるタイミングは、
図5に示すタイミングに限らない。ステップS205が実行される前にステップS202が実行される限り、ステップS202は任意のタイミングで実行されてもよい。ステップS205が実行された後、次にステップS205が実行される前にステップS207が実行される限り、ステップS207は任意のタイミングで実行されてもよい。
【0098】
第3通信機221が第1通信機121と既に接続および認証を実施した場合、第3通信機221は切断を実施してもよい。具体的には、第3通信機221は、ステップS204において取得命令が受信されるタイミングと、ステップS211が実行されるタイミングとの間の任意のタイミングで切断を実施してもよい。
【0099】
第1設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、ステップS211において、情報生成部は第1設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、第3通信機221は接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。これに代えて、以下の処理が実行されてもよい。情報生成部は、ステップS201において生成された設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成してもよい。プロセッサ211は、ステップS202においてその接続設定情報を第4通信機231に設定し、かつステップS203においてその接続設定情報をメモリ241に記憶してもよい。情報生成部は、ステップS206において生成された設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、かつプロセッサ211は、ステップS210においてその接続設定情報をメモリ241に記憶してもよい。
【0100】
メモリ241内の第2設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、情報生成部は、第2設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、メモリ241は、その接続設定情報を第1設定関連情報として記憶してもよい。
【0101】
取得命令の送信は必須ではない。例えば、第4通信機231は、あらかじめ設定されたタイミングで設定関連情報を第2通信機131に送信してもよい。第4通信機231は、設定関連情報を定期的に第2通信機131に送信してもよい。
【0102】
図6および
図7は、第1無線通信装置101および第2無線通信装置201の間の通信の手順を示す。
図6および
図7を参照し、各装置の動作を説明する。
図6に示す動作が実行された後、
図7に示す動作が実行される。
【0103】
以下の例では、設定関連情報は接続設定情報と同じである。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合も、以下の例の主要な部分は変更されない。
【0104】
図6に示す動作が開始されたとき、第1無線通信装置101の第1通信機121は設定関連情報すなわち接続設定情報を保持していない。第2無線通信装置201において、プロセッサ211は、接続設定情報(SSID=vwxyz、パスフレーズ=09876)に対応する設定関連情報を生成する(ステップS201)。プロセッサ211は、生成された設定関連情報を送信データとして第4通信機231に設定する(ステップS202)。プロセッサ211は、生成された設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ241に記憶させる(ステップS203)。
【0105】
第1無線通信装置101において、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する(ステップS101)。第2通信機131は取得命令を第4通信機231に送信する。取得命令が送信された後、第2通信機131は設定関連情報を第4通信機231から受信し、かつ受信された設定関連情報を第1通信機121に通知する(ステップS102)。
【0106】
第2無線通信装置201において、第4通信機231は取得命令を受信する(ステップS204)。第4通信機231は、送信データとして設定された設定関連情報を第2通信機131に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ211に通知する(ステップS205)。
【0107】
第1無線通信装置101において、第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、第2通信機131から通知された設定関連情報に基づいて更新する(ステップS103)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzとなり、かつ接続設定情報のパスフレーズは09876となる。第1通信機121は、APとして動作中ではない(ステップS104)。第1通信機121は、接続設定情報に基づいてAPの動作を開始する(ステップS105)。
【0108】
第2無線通信装置201において設定関連情報の送信がプロセッサ211に通知された後、プロセッサ211は、接続設定情報(SSID=pqr123、パスフレーズ=654fgh)に対応する設定関連情報を生成する(ステップS206)。プロセッサ211は、生成された設定関連情報を、送信データとして第4通信機231に設定する(ステップS207)。
【0109】
プロセッサ211は、第2設定関連情報がメモリ241に記憶されているか否かを確認し、第2設定関連情報がメモリ241に記憶されていないと判断する(ステップS208)。そのため、プロセッサ211は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報としてメモリ241に記憶する(ステップS210)。
【0110】
プロセッサ211は第1設定関連情報をメモリ241から取得し、かつ第1設定関連情報を第3通信機221に出力する。第1設定関連情報は接続設定情報であるため、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS211)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzであり、接続設定情報のパスフレーズは09876である。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0111】
第1無線通信装置101において、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0112】
第1無線通信装置101において、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると再び判断する(ステップS101)。第2通信機131は取得命令を第4通信機231に送信する。取得命令が送信された後、第2通信機131は設定関連情報を第4通信機231から受信し、かつ受信された設定関連情報を第1通信機121に通知する(ステップS102)。
【0113】
第2無線通信装置201において、第4通信機231は取得命令を受信する(ステップS204)。第4通信機231は、送信データとして設定された設定関連情報を第2通信機131に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ211に通知する(ステップS205)。
【0114】
第1無線通信装置101において、第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、第2通信機131から通知された設定関連情報に基づいて更新する(ステップS103)。このとき、接続設定情報のSSIDはpqr123となり、かつ接続設定情報のパスフレーズは654fghとなる。第1通信機121は、APとして動作中である(ステップS104)。
【0115】
第2無線通信装置201において設定関連情報の送信がプロセッサ211に通知された後、プロセッサ211は、接続設定情報(SSID=abcde、パスフレーズ=12345)に対応する設定関連情報を生成する(ステップS206)。プロセッサ211は、生成された設定関連情報を、送信データとして第4通信機231に設定する(ステップS207)。
【0116】
プロセッサ211は、第2設定関連情報がメモリ241に記憶されているか否かを確認し、第2設定関連情報がメモリ241に記憶されていると判断する(ステップS208)。プロセッサ211は、メモリ241内の第2設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ241に記憶させるための指示をメモリ241に出力する。メモリ241は、メモリ241に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する(ステップS209)。メモリ241は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する(ステップS210)。
【0117】
プロセッサ211は第1設定関連情報をメモリ241から取得し、かつ第1設定関連情報を第3通信機221に出力する。第1設定関連情報は接続設定情報であるため、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS211)。このとき、接続設定情報のSSIDはpqr123であり、接続設定情報のパスフレーズは654fghである。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0118】
この接続が実施される前に第1通信機121の接続設定情報は既に変更されている。そのため、第1通信機121と第3通信機221との間の接続は切断されている可能性が高い。もし、切断が実施されていなければ、接続が実施される前に切断が実施される。
【0119】
第1無線通信装置101において、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0120】
本発明の各態様の無線通信方法は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、第5ステップ、第6ステップ、第7ステップ、および第8ステップを備える。第4通信機231は、第1ステップ(ステップS202)において第1設定関連情報を保持し、かつ第2ステップ(ステップS205)において第1設定関連情報を第2通信機131に送信する。第2通信機131は第3ステップ(ステップS102)において第1設定関連情報を受信する。第1設定関連情報が送信される度に、プロセッサ211は、第4ステップ(ステップS206)において第1設定関連情報と異なる設定関連情報を生成する。第4通信機231は、第5ステップ(ステップS207)において、プロセッサ211によって生成された設定関連情報を第1設定関連情報として保持する。メモリ241は、第6ステップ(ステップS210)において、プロセッサ211によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0121】
第1設定関連情報が送信された後、第1通信機121および第3通信機221は、第7ステップ(ステップS107およびステップS211)において、送信された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って互いに接続する。第1通信機121および第3通信機221が互いに接続した後、プロセッサ211が設定関連情報を生成する度に、メモリ241は、第8ステップ(ステップS209およびステップS210)において、既に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶し、かつプロセッサ211によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0122】
第1通信機121は、第2通信機131によって受信された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第3通信機221と接続する。第3通信機221は、メモリ241に記憶された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第1通信機121と接続する。
【0123】
本発明の各態様の無線通信方法は、上記の第1ステップから第8ステップに対応する処理以外の処理を有していなくてもよい。
【0124】
第2無線通信装置201の第4通信機231が設定関連情報を送信する度に、新たな設定関連情報が第4通信機231に設定される。第1無線通信装置101の第2通信機131は、以前に受信された設定関連情報と異なる設定関連情報を受信する。すなわち、第1無線通信装置101の第2通信機131が設定関連情報を受信するたびに、第1通信機121のAPの動作に必要な接続設定情報は変化する。そのため、第2無線通信装置201の第3通信機221(STA)は、第1無線通信装置101の第1通信機121(AP)と毎回、1:1の接続を実施することができる。無線通信システム11は、1台のAPと1台のSTAとを互いに接続させ、かつAPと他のSTAとの接続を回避することができる。
【0125】
第1通信プロトコルの通信可能距離は、第2通信プロトコルの通信可能距離よりも長い。第1通信プロトコルの通信が可能な範囲にいる第三者の通信装置が、第2通信プロトコルで使用される設定関連情報を盗聴し、かつその設定関連情報を使用する可能性は低減する。そのため、第三者の通信装置を含む複数台のSTAが1台のAPと接続する可能性を低減させることができる。
【0126】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態の第1無線通信装置101aの構成を示す。
図1に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
図9は、第2実施形態の第2無線通信装置201aの構成を示す。
図2に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0127】
第1無線通信装置101aは、
図1に示す構成に加えて、プロセッサ111(第2プロセッサ)を有する。例えば、プロセッサ111は、CPU、DSP、およびGPUの少なくとも1つである。第1無線通信装置101aは、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ111は、専用IC、ASIC、およびFPGAの少なくとも1つであってもよい。
【0128】
プロセッサ111が、プログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。プログラムは、プロセッサ111の動作を規定する命令を含む。つまり、プロセッサ111の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、プロセッサ211の機能を実現するプログラムと同様に実現される。
【0129】
図2に示すプロセッサ211は、プロセッサ211aに変更される。プロセッサ211aは、プロセッサ211の機能と同様の機能を有する。また、プロセッサ211aは、第1設定関連情報を第4通信機231に設定するか否かを判断する設定判断部212の機能を有する。メモリ241は、第4通信機231に内蔵された、書き換え可能な記録媒体と異なる。
【0130】
第1設定関連情報を第4通信機231に設定するとプロセッサ211aが判断した場合、第4通信機231は第1設定関連情報を保持する。第1設定関連情報を第4通信機231に設定しないとプロセッサ211aが判断した場合、第4通信機231は第1設定関連情報を保持せず、かつ第1設定関連情報を第2通信機131に送信しない。第2通信機131が第1設定関連情報を受信しなかった場合、プロセッサ111は第1設定関連情報を生成する。第1通信機121は、プロセッサ111によって生成された第1設定関連情報をプロセッサ111から取得する。第2通信機131は、プロセッサ111によって生成された第1設定関連情報を第4通信機231に送信する。
【0131】
第4通信機231は、第1設定関連情報を受信する。第1通信機121は、プロセッサ111から取得された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第3通信機221と接続する。第3通信機221は、第4通信機231によって受信された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第1通信機121と接続する。
【0132】
プロセッサ111は、第1通信機121外かつ第2通信機131外に配置され、かつ第1無線通信装置101aの全体の動作を制御する。プロセッサ111は、ベースバンド回路122およびベースバンド回路132を制御する。第1無線通信装置101aが、
図8に示されていない表示部または操作部などを有する場合、プロセッサ111は、表示部または操作部などを制御する。
【0133】
プロセッサ111は、ベースバンド回路122およびベースバンド回路132によってデジタル信号に対して実行される処理のうち、MAC層の処理の一部を制御する。第1通信機121内に配置されたプロセッサがプロセッサ111の代わりにベースバンド回路122を制御してもよい。その場合、プロセッサ111は第1通信機121内のプロセッサを制御する。第2通信機131内に配置されたプロセッサがプロセッサ111の代わりにベースバンド回路132を制御してもよい。その場合、プロセッサ111は第2通信機131内のプロセッサを制御する。
【0134】
プロセッサ111は、第1通信機121または第2通信機131を使用することにより、データまたは情報を第2無線通信装置201aに送信する。具体的には、プロセッサ111は、データまたは情報が第2無線通信装置201aに送信されるように第1通信機121または第2通信機131を制御する。つまり、プロセッサ111は、第2無線通信装置201aに対するデータまたは情報を第1通信機121または第2通信機131に送信させる。これによって、第1通信機121または第2通信機131は、データまたは情報を第2無線通信装置201aに送信する。プロセッサ111は、第1通信機121または第2通信機131を使用することにより、データまたは情報を第2無線通信装置201aから受信する。具体的には、プロセッサ111は、データまたは情報が第2無線通信装置201aから受信されるように第1通信機121または第2通信機131を制御する。つまり、プロセッサ111は、第2無線通信装置201aからのデータまたは情報を第1通信機121または第2通信機131に受信させる。これによって、第1通信機121または第2通信機131は、データまたは情報を第2無線通信装置201aから受信する。
【0135】
第1無線通信装置101aの動作を説明する。
図10は、第1無線通信装置101aの動作の手順を示す。
図4に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0136】
(ステップS121)
ステップS101において第4通信機231と通信できると第2通信機131が判断した場合、第2通信機131は取得命令を第4通信機231に送信する。取得命令が送信された後、第2通信機131は接続設定情報の受信を待つ。
【0137】
(ステップS122)
ステップS121の後、第2通信機131は、第4通信機231との通信の内容をプロセッサ111に通知する。プロセッサ111は、第2通信機131によって通知された内容に基づいて、設定関連情報が取得されたか否かを判断する。例えば、第4通信機231がデータを受信し、かつそのデータに設定関連情報が含まれない場合、プロセッサ111は設定関連情報が取得されなかったと判断する。第2通信機131がエラー応答を第4通信機231から受信した場合、プロセッサ111は設定関連情報が取得されなかったと判断する。取得命令が送信されたタイミングから所定の期間が経過しても第2通信機131が応答を第4通信機231から受信しない場合、プロセッサ111は設定関連情報が取得されなかったと判断する。第2通信機131が設定関連情報を第4通信機231から受信した場合、プロセッサ111は設定関連情報が取得されたと判断する。設定関連情報が取得されたとプロセッサ111が判断した場合、ステップS103が実行される。設定関連情報が取得されなかったとプロセッサ111が判断した場合、ステップS123が実行される。
【0138】
(ステップS123)
プロセッサ111は、設定関連情報を生成する。設定関連情報が接続設定情報である場合、プロセッサ111は、接続設定情報を直接生成してもよい。あるいは、プロセッサ111は、接続設定情報を生成するための元となる情報を生成し、その情報に基づいて接続設定情報を生成してもよい。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ111は、その情報を直接生成してもよい。
【0139】
設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ111は、接続設定情報を生成し、かつ接続設定情報に基づいて設定関連情報を生成してもよい。例えば、プロセッサ111は、接続設定情報に対して所定の計算を実行することにより設定関連情報を生成する。プロセッサ111が設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成する場合、プロセッサ111は上記の計算と逆の計算を実行することにより接続設定情報を生成する。
【0140】
(ステップS124)
ステップS123の後、プロセッサ111は、ステップS123において生成された設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、プロセッサ111から出力された設定関連情報に基づいて更新する。これにより、第1通信機121は、設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第1通信機121は、情報生成部によって生成された接続設定情報を保持する。
【0141】
ステップS124において第1通信機121がAPの動作を既に開始している場合、第1通信機121はAPの動作を継続したまま接続設定情報を更新し、かつその設定を即時適用してもよい。この場合、第1通信機121は、接続設定情報を更新する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。第1通信機121はAPの動作を終了した後、接続設定情報を更新してもよい。この場合、第1通信機121は、APの動作を終了する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。
【0142】
(ステップS125)
ステップS124の後、プロセッサ111は、ステップS124において生成された設定関連情報を送信データとして第2通信機131に設定する。第2通信機131は、設定関連情報を保持する。
【0143】
(ステップS126)
ステップS125の後、第2通信機131は、送信データとして設定された設定関連情報を第4通信機231に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ111に通知する。ステップS126の後、ステップS104が実行される。プロセッサ111は、第2通信機131に、送信データを送信させてもよい。
【0144】
ステップS122において設定関連情報が取得されなかったとプロセッサ111が判断した場合、処理の実行タイミングは以下のように変更されてもよい。ステップS104およびステップS105は、ステップS124が実行されるタイミングと、ステップS106が実行されるタイミングとの間の任意のタイミングで実行されてもよい。
【0145】
第2無線通信装置201aの動作を説明する。
図11は、第2無線通信装置201aの動作の手順を示す。
図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0146】
(ステップS221)
プロセッサ211aは、設定判断部212の機能を実行する。プロセッサ211aは、設定関連情報を第4通信機231に設定するか否かを判断する。例えば、プロセッサ211aは、メモリ241に記憶されている情報に基づいて、設定関連情報を第4通信機231に設定するか否かを判断する。図示しない操作部をユーザが操作することにより、判断のための情報が第2無線通信装置201aに入力されてもよい。第2無線通信装置201aは、第3通信機221または第4通信機231を使用して判断のための情報を第1無線通信装置101aまたはその他の通信装置から受信してもよい。
【0147】
第2無線通信装置201aは、図示しない他の通信機を使用する通信を実施することにより、判断のための情報を第1無線通信装置101aまたはその他の通信装置から受信してもよい。判断のための情報が記録された記録媒体が第2無線通信装置201aに接続され、かつ第2無線通信装置201aはその記録媒体から判断のための情報を読み出してもよい。設定関連情報を第4通信機231に設定するとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS201が実行される。設定関連情報を第4通信機231に設定しないとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS222が実行される。
【0148】
(ステップS222)
第2通信機131から取得命令が送信された場合、第4通信機231は、取得命令を受信する。プロセッサ211aは、第4通信機231を監視し、かつ取得命令が受信されたか否かを判断する。取得命令が受信されていないとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS222が実行される。つまり、取得命令が受信されるまで、プロセッサ211aは判断を繰り返す。取得命令が受信されたとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS223が実行される。
【0149】
第4通信機231が取得命令を受信した場合、第4通信機231は、設定関連情報を含まない応答を第2通信機131に送信してもよい。第4通信機231は、エラー応答を第2通信機131に送信してもよい。第4通信機231は、応答を第2通信機131に送信しなくてもよい。
【0150】
(ステップS223)
第2通信機131から設定関連情報が送信された場合、第4通信機231は、設定関連情報を受信する。プロセッサ211aは、第4通信機231を監視し、かつ設定関連情報が受信されたか否かを判断する。設定関連情報が受信されていないとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS222が実行される。設定関連情報が受信されたとプロセッサ211aが判断した場合、ステップS224が実行される。
【0151】
(ステップS224)
第4通信機231は、受信された設定関連情報をプロセッサ211aに通知する。プロセッサ211aは、設定関連情報を第3通信機221に出力する。第3通信機221は、設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。第3通信機221は、接続設定情報に基づいて第1通信機121と接続する。具体的には、第3通信機221は接続要求を第1通信機121に送信し、かつ接続応答としてAssociation Responseを第1通信機121から受信する。これにより、データ通信のための接続が完了し、第1通信機121および第3通信機221は互いに接続される。第3通信機221は、第3通信機221に設定されたパスフレーズまたはPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいて第1通信機121と認証処理を実行する。認証が完了した後、第1通信機121および第3通信機221は、データ通信を実行してもよい。ステップS224の後、ステップS222が実行される。
【0152】
設定関連情報が接続設定情報である場合、第3通信機221は、接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第3通信機221は、情報生成部によって設定関連情報に基づいて生成された接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。
【0153】
第3通信機221が第1通信機121と既に接続している状態でステップS224が実行される場合、第3通信機221は、第1通信機121との接続を切断する。第1通信機121との接続が切断された後、第3通信機221は第1通信機121と接続する。第3通信機221は、第1通信機121との間で複数の接続を同時には維持しない。
【0154】
認証が必須ではない場合、第3通信機221はステップS224において認証処理を実行しなくてもよい。
【0155】
図12は、第1無線通信装置101aおよび第2無線通信装置201aの間の通信の手順を示す。
図12を参照し、各装置の動作を説明する。
【0156】
以下の例では、設定関連情報は接続設定情報と同じである。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合も、以下の例の主要な部分は変更されない。
【0157】
第2無線通信装置201aにおいて、プロセッサ211aは、設定関連情報を第4通信機231に設定しないと判断する(ステップS221)。第1無線通信装置101aにおいて、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する(ステップS101)。第2通信機131は取得命令を第4通信機231に送信する(ステップS121)。
【0158】
第2無線通信装置201aにおいて、第4通信機231は取得命令を受信する。送信データが第4通信機231に設定されていないため、第4通信機231は、設定関連情報を含まない空のデータを第2通信機131に送信する(ステップS222)。
【0159】
第1無線通信装置101aにおいて、第2通信機131は、設定関連情報を含まないデータを受信する。第2通信機131は、受信されたデータをプロセッサ111に通知する。プロセッサ111は、設定関連情報が取得されなかったと判断する(ステップS122)。
【0160】
プロセッサ111は、接続設定情報(SSID=vwxyz、パスフレーズ=09876)に対応する設定関連情報を生成する(ステップS123)。プロセッサ111は、生成された設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、プロセッサ111から出力された設定関連情報に基づいて更新する(ステップS124)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzとなり、かつ接続設定情報のパスフレーズは09876となる。
【0161】
プロセッサ111は、生成された設定関連情報を、送信データとして第2通信機131に設定する(ステップS125)。第2通信機131は、送信データとして設定された設定関連情報を第4通信機231に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ111に通知する(ステップS126)。
【0162】
プロセッサ111は、第1通信機121のAP動作の状態を確認する。第1通信機121は、APとして動作していないことをプロセッサ111に応答する。プロセッサ111は、第1通信機121がAPとして動作中でないと判断する(ステップS104)。プロセッサ111は、APの動作を開始させるための指示を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、接続設定情報に基づいてAPの動作を開始する(ステップS105)。
【0163】
第2無線通信装置201aにおいて、第4通信機231は設定関連情報を受信し、かつ受信された設定関連情報をプロセッサ211aに通知する。プロセッサ211aは、設定関連情報を第3通信機221に出力する(ステップS223)。
【0164】
設定関連情報は接続設定情報であるため、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS224)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzであり、接続設定情報のパスフレーズは09876である。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0165】
第1無線通信装置101aにおいて、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0166】
第2無線通信装置201aが設定関連情報を生成していない場合、第1無線通信装置101aの第2通信機131は、プロセッサ111によって新たに生成された設定関連情報を第2無線通信装置201aの第4通信機231に送信する。第2無線通信装置201aの第3通信機221は、第4通信機231によって受信された設定関連情報を取得する。そのため、第2無線通信装置201aの第3通信機221(STA)は、第1無線通信装置101aの第1通信機121(AP)と毎回、1:1の接続を実施することができる。
【0167】
(第3実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態の第1無線通信装置101bの構成を示す。
図8に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0168】
第3通信機221が第1通信機121と接続する前、第4通信機231は、第2無線通信装置201の識別情報を第2通信機131に送信する。例えば、第4通信機231によって送信される第1設定関連情報は、第2無線通信装置201の識別情報を含む。例えば、識別情報は、MACアドレスである。第2通信機131は識別情報を受信する。第3通信機221は、第1通信機121と接続するときに識別情報を第1通信機121に送信する。第1通信機121は識別情報を受信する。
【0169】
図8に示すプロセッサ111は、プロセッサ111b(第2プロセッサ)に変更される。プロセッサ111bは、第2通信機131によって受信された識別情報を、第1通信機121が接続を受け入れる機器の識別情報として第1通信機121に設定する識別情報設定部112の機能を有する。第1通信機121によって受信された識別情報と、第1通信機121に設定された識別情報とが同じである場合、第1通信機121は、第3通信機221との接続を受け入れる。
【0170】
第1無線通信装置101bの動作を説明する。
図14は、第1無線通信装置101bの動作の手順を示す。
図4に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0171】
(ステップS141)
ステップS102の後、第2通信機131は、第4通信機231との通信の内容をプロセッサ111bに通知する。プロセッサ111bは、第2通信機131によって通知された内容に基づいて、第2通信機131によって受信された設定関連情報に識別情報が含まれるか否かを判断する。識別情報が設定関連情報に含まれるとプロセッサ111bが判断した場合、ステップS142が実行される。識別情報が設定関連情報に含まれないとプロセッサ111bが判断した場合、ステップS103が実行される。
【0172】
(ステップS142)
プロセッサ111bは、設定関連情報に含まれる識別情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、識別情報を保持することにより、APが接続を受け入れる対象に識別情報が示すSTAを追加する。ステップS142の後、ステップS103が実行される。
【0173】
(ステップS143)
ステップS106において接続要求が受信された場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象であるか否かを確認する。例えば、第1通信機121は、接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS142において設定された識別情報とが一致するか否かを確認する。IEEE802.11が使用される場合、送信元のMACアドレスは、接続要求であるAssociation Requestに含まれている。
【0174】
接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS142において設定された識別情報とが一致しない場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象ではないと判断する。この場合、ステップS106が実行される。接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS142において設定された識別情報とが一致した場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象であると判断する。この場合、ステップS107が実行される。
【0175】
識別情報は設定関連情報に含まれなくてもよい。第4通信機231は、設定関連情報とは独立して識別情報を第2通信機131に送信し、第2通信機131はその識別情報を受信してもよい。ステップS142はステップS103に含まれてもよい。すなわち、ステップS103の処理の一部としてステップS142が実行されてもよい。
【0176】
第2無線通信装置201の動作を説明する。
図15は、第2無線通信装置201の動作の手順を示す。
図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0177】
(ステップS241)
プロセッサ211は、第3通信機221から識別情報を取得する。プロセッサ211は識別情報の取得を第3通信機221に要求し、かつ第3通信機221はプロセッサ211に識別情報を出力してもよい。第3通信機221は、所定のタイミングで識別情報をプロセッサ211に出力してもよい。例えば、所定のタイミングは、第3通信機221が動作可能となったタイミングである。プロセッサ211は、取得された識別情報をメモリ241に記憶してもよい。
【0178】
(ステップS242)
ステップS241の後、プロセッサ211は、ステップS241において取得された識別情報を含む設定関連情報を生成する。例えば、プロセッサ211は、
図5に示すステップS201で生成される設定関連情報と同様の情報を生成する。プロセッサ211は、その情報に識別情報を付加することにより、設定関連情報を生成する。ステップS242の後、ステップS202が実行される。
【0179】
(ステップS243)
ステップS205の後、プロセッサ211は、第3通信機221から識別情報を取得する。プロセッサ211は識別情報の取得を第3通信機221に要求し、かつ第3通信機221はプロセッサ211に識別情報を出力してもよい。ステップS241において取得された識別情報がメモリ241に記憶されている場合、プロセッサ211は、識別情報をメモリ241から取得してもよい。
【0180】
(ステップS244)
ステップS243の後、プロセッサ211は、ステップS243において取得された識別情報を含む設定関連情報を生成する。例えば、プロセッサ211は、
図5に示すステップS206で生成される設定関連情報と同様の情報を生成する。プロセッサ211は、その情報に識別情報を付加することにより、設定関連情報を生成する。ステップS244の後、ステップS207が実行される。
【0181】
ステップS242において生成された設定関連情報は、識別情報を含む。その設定関連情報は、ステップS202において送信データとして第4通信機231に設定される。第4通信機231は、ステップS205において、識別情報を含む設定関連情報を第2通信機131に送信する。
【0182】
ステップS244において生成された設定関連情報は、識別情報を含む。その設定関連情報は、ステップS207において送信データとして第4通信機231に設定される。第4通信機231は、ステップS205において、識別情報を含む設定関連情報を第2通信機131に送信する。
【0183】
図16および
図17は、第1無線通信装置101bおよび第2無線通信装置201の間の通信の手順を示す。
図16および
図17を参照し、各装置の動作を説明する。
図16に示す動作が実行された後、
図17に示す動作が実行される。
図6および
図7に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0184】
以下の例では、設定関連情報は接続設定情報と同じである。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合も、以下の例の主要な部分は変更されない。
【0185】
第2無線通信装置201において、プロセッサ211は、識別情報を取得するための指示を第3通信機221に出力する。第3通信機221は、第3通信機221のMACアドレス(001122334455)を識別情報としてプロセッサ211に出力する(ステップS241)。プロセッサ211は、接続設定情報(SSID=vwxyz、パスフレーズ=09876)および識別情報に基づいて設定関連情報を生成する(ステップS242)。
【0186】
第1無線通信装置101bの第2通信機131が取得命令を第4通信機231に送信した後、第2通信機131は設定関連情報を第4通信機231から受信する。第2通信機131は、受信された設定関連情報をプロセッサ111bに通知する。プロセッサ111bは、識別情報が設定関連情報に含まれていると判断する(ステップS141)。
【0187】
プロセッサ111bは、識別情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、APが接続を受け入れる対象に、識別情報であるMACアドレス(001122334455)が示すSTAを追加する(ステップS142)。プロセッサ111bは、設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、第2通信機131から通知された設定関連情報に基づいて更新する(ステップS103)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzとなり、かつ接続設定情報のパスフレーズは09876となる。
【0188】
プロセッサ111bは、第1通信機121のAP動作の状態を確認する。第1通信機121は、APとして動作していないことをプロセッサ111bに応答する。プロセッサ111bは、第1通信機121がAPとして動作中でないと判断する(ステップS104)。プロセッサ111bは、APの動作を開始させるための指示を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、接続設定情報に基づいてAPの動作を開始する(ステップS105)。
【0189】
第2無線通信装置201において、第4通信機231は、送信データとして設定された設定関連情報を第2通信機131に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ211に通知する(ステップS205)。設定関連情報の送信がプロセッサ211に通知された後、プロセッサ211は、識別情報を取得するための指示を第3通信機221に出力する。第3通信機221は、第3通信機221のMACアドレス(001122334455)を識別情報としてプロセッサ211に出力する(ステップS243)。プロセッサ211は、接続設定情報(SSID=pqr123、パスフレーズ=654fgh)および識別情報に基づいて設定関連情報を生成する(ステップS244)。
【0190】
他の通信機器301が接続要求を第1通信機121に送信する。第1無線通信装置101bにおいて、第1通信機121は、通信機器301から送信された接続要求を受信する(ステップS106)。接続要求の送信元のMACアドレスは66778899AABBである。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と一致しない(ステップS143)。そのため、第1通信機121は、通信機器301との接続を受け入れず、接続を拒否する。
【0191】
第2無線通信装置201において、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS211)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzであり、接続設定情報のパスフレーズは09876である。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じである。さらに、接続要求の送信元である第3通信機221のMACアドレスは001122334455である。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と同じである。そのため、接続および認証は成功する。
【0192】
第1無線通信装置101bにおいて、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。接続要求の送信元である第3通信機221のMACアドレスは001122334455である。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と同じである(ステップS143)。そのため、第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0193】
第1無線通信装置101bの第1通信機121は、APとして動作する。第1通信機121は、第2通信機131を経由して取得された識別情報と一致する識別情報を持つSTAのみから接続を受け入れる。第2無線通信装置201によって生成された設定関連情報と同じ設定関連情報を偶然保持している他のSTAが、第1無線通信装置101bの第1通信機121(AP)に接続を要求する場合がある。第2無線通信装置201の第3通信機221(STA)が第1通信機121(AP)に接続する前に、他のSTAが第1通信機121に接続することを回避することができる。第1無線通信装置101bの第1通信機121(AP)および第2無線通信装置201の第3通信機221(STA)が接続している間に何らかの理由により切断が発生する場合がある。その場合も、他のSTAが第1通信機121に接続することを回避することができる。
【0194】
そのため、第2無線通信装置201の第3通信機221(STA)は、第1無線通信装置101bの第1通信機121(AP)と毎回、1:1の接続を実施することができる。無線通信システム11は、1台のAPと1台のSTAとを互いに接続させ、かつAPと他のSTAとの接続を回避することができる。
【0195】
(第4実施形態)
図18は、本発明の第4実施形態の第1無線通信装置101cの構成を示す。
図8に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
図19は、第4実施形態の第2無線通信装置201cの構成を示す。
図2に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0196】
第1無線通信装置101cは、
図8に示す構成に加えて、メモリ141を有する。メモリ141は、
図2に示すメモリ241と同様のメモリである。メモリ141は、設定関連情報である第1設定関連情報を記憶する。
【0197】
第2無線通信装置201cは、
図2に示すプロセッサ211を有していない。第2無線通信装置201cは、
図2に示すプロセッサ211を有してもよい。第2通信機131は第1設定関連情報を保持し、かつ第1設定関連情報を第4通信機231に送信する。第4通信機231は第1設定関連情報を受信する。第1設定関連情報が送信される度に、プロセッサ111は、第1設定関連情報と異なる設定関連情報を生成し、かつ第2通信機131は、プロセッサ111によって生成された設定関連情報を第1設定関連情報として保持する。第1設定関連情報が送信される度に、メモリ141は、プロセッサ111によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0198】
第3通信機221は、第4通信機231によって受信された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第1通信機121と接続する。第1設定関連情報が送信された後、第1通信機121は、メモリ141に記憶された第1設定関連情報に基づく接続設定情報に従って第3通信機221と接続する。第1通信機121が第3通信機221と接続した後、プロセッサ111が設定関連情報を生成する度に、メモリ141は、既に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶し、かつプロセッサ111によって生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0199】
第1無線通信装置101cの動作を説明する。
図20は、第1無線通信装置101cの動作の手順を示す。
図4に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0200】
(ステップS301)
プロセッサ111は、設定関連情報を生成する。図示しない操作部をユーザが操作することにより、設定関連情報が第1無線通信装置101cに入力されてもよい。第1無線通信装置101cは、第1通信機121または第2通信機131を使用して設定関連情報を第2無線通信装置201c以外の通信装置から受信してもよい。第1無線通信装置101cは、図示しない他の通信機を使用する通信を実施することにより設定関連情報を第2無線通信装置201c以外の通信装置から受信してもよい。設定関連情報が記録された記録媒体が第1無線通信装置101cに接続され、かつ第1無線通信装置101cはその記録媒体から設定関連情報を読み出してもよい。
【0201】
設定関連情報が接続設定情報である場合、プロセッサ111は、接続設定情報を直接生成してもよい。あるいは、プロセッサ111は、接続設定情報を生成するための元となる情報を生成し、その情報に基づいて接続設定情報を生成してもよい。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ111は、その情報を直接生成してもよい。
【0202】
設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、プロセッサ111は、接続設定情報を生成し、かつ接続設定情報に基づいて設定関連情報を生成してもよい。例えば、プロセッサ111は、接続設定情報に対して所定の計算を実行することにより設定関連情報を生成する。プロセッサ111が設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成する場合、プロセッサ111は上記の計算と逆の計算を実行することにより接続設定情報を生成する。
【0203】
(ステップS302)
ステップS301の後、プロセッサ111は、ステップS301において生成された設定関連情報を送信データとして第2通信機131に設定する。第2通信機131は、設定関連情報を保持する。
【0204】
(ステップS303)
ステップS302の後、プロセッサ111は、ステップS301において生成された設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ141に記憶する。ステップS303が実行された後、ステップS101が実行される。
【0205】
ステップS302およびステップS303が実行される順番は、
図20に示す順番と異なってもよい。ステップS301が実行された後、ステップS303が実行され、さらにステップS302が実行されてもよい。
【0206】
(ステップS304)
ステップS101において、第4通信機231と通信できると第2通信機131が判断した場合、第2通信機131は、送信データとして設定された設定関連情報を第4通信機231に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ111に通知する。プロセッサ111は、第2通信機131に、送信データを送信させてもよい。
【0207】
(ステップS305)
ステップS304の後、プロセッサ111は、ステップS301において生成された設定関連情報と異なる設定関連情報を生成する。生成された設定関連情報は、メモリ141に記憶されている第1設定関連情報および第2通信機131に設定された設定関連情報のいずれとも異なる。
【0208】
(ステップS306)
ステップS305の後、プロセッサ111は、ステップS305において生成された設定関連情報を送信データとして第2通信機131に設定する。第2通信機131は、設定関連情報を保持する。例えば、ステップS306が実行される前に第2通信機131に設定された設定関連情報は削除される。
【0209】
(ステップS307)
ステップS306の後、プロセッサ111は、第2設定関連情報がメモリ141に記憶されているか否かを判断する。第2設定関連情報がメモリ141に記憶されているとプロセッサ111が判断した場合、ステップS308が実行される。第2設定関連情報がメモリ141に記憶されていないとプロセッサ111が判断した場合、ステップS309が実行される。
【0210】
(ステップS308)
プロセッサ111は、メモリ141内の第2設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ141に記憶させるための指示をメモリ141に出力する。メモリ141は、メモリ141に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する。
【0211】
ステップS308において第2設定関連情報が新しい第1設定関連情報としてメモリ141に記憶される前に古い第1設定関連情報がメモリ141に記憶されている。その古い第1設定関連情報は、メモリ141から削除されてもよい。あるいは、その古い第1設定関連情報は削除されず、最も新しい第1設定関連情報のみが第1設定関連情報として使用されてもよい。
【0212】
(ステップS309)
ステップS308の後、プロセッサ111は、ステップS305において生成された設定関連情報を第2設定関連情報としてメモリ141に記憶する。
【0213】
ステップS309において第2設定関連情報がメモリ141に記憶される前に古い第2設定関連情報がメモリ141に記憶されている場合がある。その古い第2設定関連情報は、メモリ141から削除されてもよい。あるいは、その古い第2設定関連情報は削除されず、最も新しい第2設定関連情報のみが第2設定関連情報として使用されてもよい。
【0214】
(ステップS310)
ステップS309の後、プロセッサ111は、第1設定関連情報をメモリ141から取得し、第1設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、プロセッサ111から出力された第1設定関連情報に基づいて更新する。これにより、第1通信機121は、第1設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。ステップS310の後、ステップS104が実行される。
【0215】
ステップS107が実行された後、ステップS101が実行される。第2通信機131が第4通信機231と通信できる場合、ステップS304からの処理が再度実行される。プロセッサ111がステップS305において設定関連情報を生成した後、メモリ141は、既に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する。プロセッサ111がステップS305において設定関連情報を生成した後、メモリ141は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する。
【0216】
ステップS310において第1通信機121がAPの動作を既に開始している場合、第1通信機121はAPの動作を継続したまま接続設定情報を更新し、かつその設定を即時適用してもよい。この場合、第1通信機121は、接続設定情報を更新する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。第1通信機121はAPの動作を終了した後、接続設定情報を更新してもよい。この場合、第1通信機121は、APの動作を終了する前に、接続および認証が実施された通信装置との接続を切断してもよい。
【0217】
ステップS302、ステップS306、およびステップS304に関して、以下の処理が実行されてもよい。ステップS302およびステップS306において、送信データは第2通信機131に設定されず、プロセッサ111は送信データをメモリ141に記憶してもよい。ステップS101において第4通信機231と通信できると第2通信機131が判断した場合、第2通信機131は、ステップS304において第4通信機231と通信できることをプロセッサ111に通知し、プロセッサ111は、メモリ141に記憶されている送信データを取得し、かつ第2通信機131を使用して送信データを第4通信機231に送信してもよい。
【0218】
ステップS302およびステップS306が実行されるタイミングは、
図20に示すタイミングに限らない。ステップS304が実行される前にステップS302が実行される限り、ステップS302は任意のタイミングで実行されてもよい。ステップS304が実行された後、次にステップS304が実行される前にステップS306が実行される限り、ステップS306は任意のタイミングで実行されてもよい。
【0219】
第1通信機121が第3通信機221と既に接続および認証を実施した場合、第1通信機121は切断を実施してもよい。具体的には、第1通信機121は、ステップS101が実行されるタイミングと、ステップS106が実行されるタイミングとの間の任意のタイミングで切断を実施してもよい。
【0220】
第1設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、ステップS107において、情報生成部は第1設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、第1通信機121は接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。これに代えて、以下の処理が実行されてもよい。情報生成部は、ステップS301において生成された設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成してもよい。プロセッサ111は、ステップS302においてその接続設定情報を第4通信機231に設定し、かつステップS303においてその接続設定情報をメモリ141に記憶してもよい。情報生成部は、ステップS305において生成された設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、かつプロセッサ111は、ステップS309においてその接続設定情報をメモリ141に記憶してもよい。
【0221】
メモリ141内の第2設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、情報生成部は、第2設定関連情報に基づいて接続設定情報を生成し、メモリ141は、その接続設定情報を第1設定関連情報として記憶してもよい。
【0222】
第2無線通信装置201cの動作を説明する。
図21は、第2無線通信装置201cの動作の手順を示す。
【0223】
(ステップS401)
第2通信機131から設定関連情報が送信された場合、第4通信機231は、設定関連情報を受信する。第4通信機231は、設定関連情報が受信されたか否かを判断する。設定関連情報が受信されていないと第4通信機231が判断した場合、ステップS401が実行される。つまり、設定関連情報が受信されるまで、第4通信機231は判断を繰り返す。設定関連情報が受信されたと第4通信機231が判断した場合、ステップS402が実行される。
【0224】
(ステップS402)
第4通信機231は、受信された設定関連情報を第3通信機221に通知する。第3通信機221は、設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。第3通信機221は、接続設定情報に基づいて第1通信機121と接続する。具体的には、第3通信機221は接続要求を第1通信機121に送信し、かつ接続応答としてAssociation Responseを第1通信機121から受信する。これにより、データ通信のための接続が完了し、第1通信機121および第3通信機221は互いに接続される。第3通信機221は、第3通信機221に設定されたパスフレーズまたはPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいて第1通信機121と認証処理を実行する。認証が完了した後、第1通信機121および第3通信機221は、データ通信を実行してもよい。ステップS402の後、ステップS401が実行される。
【0225】
設定関連情報が接続設定情報である場合、第3通信機221は、接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合、第3通信機221は、情報生成部によって設定関連情報に基づいて生成された接続設定情報を使用して接続および認証を実施する。
【0226】
第3通信機221が第1通信機121と既に接続している状態でステップS402が実行される場合、第3通信機221は、第1通信機121との接続を切断する。第1通信機121との接続が切断された後、第3通信機221は第1通信機121と接続する。第3通信機221は、第1通信機121との間で複数の接続を同時には維持しない。
【0227】
第2無線通信装置201cが
図19に示していないメモリを有する場合、メモリは、第4通信機231によって受信された設定関連情報を記憶してもよい。第3通信機221が第1通信機121と接続するとき、第3通信機221は設定関連情報をメモリから取得してもよい。
【0228】
認証が必須ではない場合、第3通信機221はステップS402において認証処理を実行しなくてもよい。
【0229】
図22および
図23は、第1無線通信装置101cおよび第2無線通信装置201cの間の通信の手順を示す。
図22および
図23を参照し、各装置の動作を説明する。
図22に示す動作が実行された後、
図23に示す動作が実行される。
【0230】
以下の例では、設定関連情報は接続設定情報と同じである。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合も、以下の例の主要な部分は変更されない。
【0231】
図22および
図23に示す動作が開始されたとき、第1無線通信装置101cの第1通信機121は設定関連情報すなわち接続設定情報を保持していない。第1無線通信装置101cにおいて、プロセッサ111は、接続設定情報(SSID=vwxyz、パスフレーズ=09876)に対応する設定関連情報を生成する(ステップS301)。プロセッサ111は、生成された設定関連情報を送信データとして第2通信機131に設定する(ステップS302)。プロセッサ111は、生成された設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ141に記憶させる(ステップS303)。
【0232】
第2通信機131は、第4通信機231と通信できると判断する(ステップS101)。第2通信機131は、送信データとして設定された設定関連情報を第4通信機231に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ111に通知する(ステップS304)。
【0233】
第2無線通信装置201cにおいて、第4通信機231は設定関連情報を第2通信機131から受信する(ステップS401)。第4通信機231は、受信された設定関連情報を第3通信機221に通知する。第3通信機221は、設定関連情報を第1通信機121との接続および認証に使用するために設定関連情報を保持する。このとき、第3通信機221は第1通信機121と接続および認証を実施してもよい。このタイミングにおける接続および認証は
図22に示されていない。まだ第1通信機121がAPの動作を開始していないため、接続は成功しない。そのため、第3通信機221は任意のタイミングで接続を繰り返し試みてもよい(ステップS402)。
【0234】
第1無線通信装置101cにおいて設定関連情報の送信がプロセッサ111に通知された後、プロセッサ111は、接続設定情報(SSID=pqr123、パスフレーズ=654fgh)に対応する設定関連情報を生成する(ステップ305)。プロセッサ111は、生成された設定関連情報を、送信データとして第2通信機131に設定する(ステップS306)。
【0235】
プロセッサ111は、第2設定関連情報がメモリ141に記憶されているか否かを確認し、第2設定関連情報がメモリ141に記憶されていないと判断する(ステップS307)。そのため、プロセッサ111は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報としてメモリ141に記憶する(ステップS309)。
【0236】
プロセッサ111は第1設定関連情報をメモリ141から取得し、かつ第1設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、プロセッサ111から出力された第1設定関連情報に基づいて更新する(ステップS310)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzとなり、かつ接続設定情報のパスフレーズは09876となる。
【0237】
プロセッサ111は、第1通信機121のAP動作の状態を確認する。第1通信機121は、APとして動作していないことをプロセッサ111に応答する。プロセッサ111は、第1通信機121がAPとして動作中でないと判断する(ステップS104)。プロセッサ111は、APの動作を開始させるための指示を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、接続設定情報に基づいてAPの動作を開始する(ステップS105)。
【0238】
第2無線通信装置201cにおいて、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS402)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzであり、接続設定情報のパスフレーズは09876である。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0239】
第1無線通信装置101cにおいて、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0240】
第1無線通信装置101cにおいて、第2通信機131は、第4通信機231と通信できると再び判断する(ステップS101)。第2通信機131は、送信データとして設定された設定関連情報を第4通信機231に送信し、かつ設定関連情報の送信をプロセッサ111に通知する(ステップS304)。
【0241】
第2無線通信装置201cにおいて、第4通信機231は設定関連情報を第2通信機131から受信する(ステップS401)。第4通信機231は、受信された設定関連情報を第3通信機221に通知する。第3通信機221は、設定関連情報を第1通信機121との接続および認証に使用するために設定関連情報を保持する。このとき、第3通信機221は第1通信機121と接続および認証を実施してもよい。このタイミングにおける接続および認証は
図23に示されていない。まだ第1通信機121の設定関連情報が更新されていないため、接続は成功しない。そのため、第3通信機221は任意のタイミングで接続を繰り返し試みてもよい(ステップS402)。
【0242】
第1無線通信装置101cにおいて設定関連情報の送信がプロセッサ111に通知された後、プロセッサ111は、接続設定情報(SSID=abcde、パスフレーズ=12345)に対応する設定関連情報を生成する(ステップ305)。プロセッサ111は、生成された設定関連情報を、送信データとして第2通信機131に設定する(ステップS306)。
【0243】
プロセッサ111は、第2設定関連情報がメモリ141に記憶されているか否かを確認し、第2設定関連情報がメモリ141に記憶されていると判断する(ステップS307)。プロセッサ111は、メモリ141内の第2設定関連情報を第1設定関連情報としてメモリ141に記憶させるための指示をメモリ141に出力する。メモリ141は、メモリ141に記憶されている第2設定関連情報を第1設定関連情報として記憶する(ステップS308)。メモリ141は、生成された設定関連情報を第2設定関連情報として記憶する(ステップS309)。
【0244】
プロセッサ111は第1設定関連情報をメモリ141から取得し、かつ第1設定関連情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、第1通信機121に設定されている接続設定情報を、プロセッサ111から出力された第1設定関連情報に基づいて更新する(ステップS310)。このとき、接続設定情報のSSIDはpqr123となり、かつ接続設定情報のパスフレーズは654fghとなる。第1通信機121は、APとして動作中である(ステップS104)。
【0245】
第2無線通信装置201cにおいて、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS402)。このとき、接続設定情報のSSIDはpqr123であり、接続設定情報のパスフレーズは654fghである。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0246】
この接続が実施される前に第1通信機121の接続設定情報は既に変更されている。そのため、第1通信機121と第3通信機221との間の接続は切断されている可能性が高い。もし、切断が実施されていなければ、接続が実施される前に切断が実施される。
【0247】
第1無線通信装置101cにおいて、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0248】
第1無線通信装置101cの第2通信機131が設定関連情報を送信する度に、新たな設定関連情報が第2通信機131に設定される。第2無線通信装置201cの第4通信機231は、以前に受信された設定関連情報と異なる設定関連情報を受信する。すなわち、第1無線通信装置101cの第2通信機131が設定関連情報を送信するたびに、第1通信機121のAPの動作に必要な接続設定情報は変化する。そのため、第2無線通信装置201cの第3通信機221(STA)は、第1無線通信装置101cの第1通信機121(AP)と毎回、1:1の接続を実施することができる。無線通信システム11は、1台のAPと1台のSTAとを互いに接続させ、かつAPと他のSTAとの接続を回避することができる。
【0249】
(第5実施形態)
図24は、本発明の第5実施形態の第1無線通信装置101dの構成を示す。
図13および
図18に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
図25は、第5実施形態の第2無線通信装置201dの構成を示す。
図2に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0250】
第1無線通信装置101dは、
図13に示すプロセッサ111bと、
図18に示すメモリ141とを有する。第2無線通信装置201dは、
図2に示すメモリ241を有していない。
【0251】
第3通信機221が第1通信機121と接続する前、第4通信機231は、第2無線通信装置201dの識別情報を第2通信機131に送信する。例えば、第4通信機231によって送信される第1設定関連情報は、第2無線通信装置201dの識別情報を含む。例えば、識別情報は、MACアドレスである。第2通信機131は識別情報を受信する。第3通信機221は、第1通信機121と接続するときに識別情報を第1通信機121に送信する。第1通信機121は識別情報を受信する。
【0252】
プロセッサ111bは、第2通信機131によって受信された識別情報を、第1通信機121が接続を受け入れる機器の識別情報として第1通信機121に設定する識別情報設定部112の機能を有する。第1通信機121によって受信された識別情報と、第1通信機121に設定された識別情報とが同じである場合、第1通信機121は、第3通信機221との接続を受け入れる。
【0253】
第1無線通信装置101dの動作を説明する。
図26および
図27は、第1無線通信装置101dの動作の手順を示す。
図20に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0254】
(ステップS321)
第4通信機231から識別情報が送信された場合、第2通信機131は、識別情報を受信する。ステップS304の後、プロセッサ111bは、識別情報設定部112の機能を実行する。プロセッサ111bは、第2通信機131を監視し、かつ識別情報が受信されたか否かを判断する。識別情報が受信されていないとプロセッサ111bが判断した場合、ステップS305が実行される。識別情報が受信されたとプロセッサ111bが判断した場合、ステップS322が実行される。
【0255】
(ステップS322)
プロセッサ111bは、設定関連情報に含まれる識別情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、識別情報を保持することにより、APが接続を受け入れる対象に識別情報が示すSTAを追加する。ステップS322の後、ステップS305が実行される。
【0256】
(ステップS323)
ステップS106において接続要求が受信された場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象であるか否かを確認する。例えば、第1通信機121は、接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS322において設定された識別情報とが一致するか否かを確認する。IEEE802.11が使用される場合、送信元のMACアドレスは、接続要求であるAssociation Requestに含まれている。
【0257】
接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS322において設定された識別情報とが一致しない場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象ではないと判断する。この場合、ステップS106が実行される。接続要求の送信元のMACアドレスと、ステップS322において設定された識別情報とが一致した場合、第1通信機121は、接続要求の送信元が、APが接続を受け入れる対象であると判断する。この場合、ステップS107が実行される。
【0258】
ステップS322はステップS310に含まれてもよい。すなわち、ステップS310の処理の一部としてステップS322が実行されてもよい。
【0259】
第2無線通信装置201dの動作を説明する。
図28は、第2無線通信装置201dの動作の手順を示す。
図21に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0260】
(ステップS421)
ステップS401において第4通信機231が設定関連情報を第2通信機131から受信した場合、第4通信機231は、受信された設定関連情報をプロセッサ211に出力する。プロセッサ211は、設定関連情報を第3通信機221に出力する。第3通信機221は、設定関連情報に基づく接続設定情報を保持する。プロセッサ211は、第3通信機221から識別情報を取得する。プロセッサ211は識別情報の取得を第3通信機221に要求し、かつ第3通信機221はプロセッサ211に識別情報を出力してもよい。第3通信機221は、所定のタイミングで識別情報をプロセッサ211に出力してもよい。例えば、所定のタイミングは、第3通信機221が動作可能となったタイミングである。プロセッサ211は、取得された識別情報を、
図25に示していないメモリに記憶してもよい。
【0261】
(ステップS422)
ステップS421の後、プロセッサ211は、識別情報を第4通信機231に出力する。第4通信機231は、識別情報を第2通信機131に送信する。ステップS422の後、ステップS402が実行される。
【0262】
図29および
図30は、第1無線通信装置101dおよび第2無線通信装置201dの間の通信の手順を示す。
図29および
図30を参照し、各装置の動作を説明する。
図29に示す動作が実行された後、
図30に示す動作が実行される。
図22および
図23に示す動作と同じ動作の説明を省略する。
【0263】
以下の例では、設定関連情報は接続設定情報と同じである。設定関連情報が、接続設定情報を生成するための元となる情報である場合も、以下の例の主要な部分は変更されない。
【0264】
第2無線通信装置201dにおいて、第4通信機231は設定関連情報を受信する(ステップS401)。第4通信機231は、設定関連情報の受信をプロセッサ211に通知し、プロセッサ211は、識別情報を取得するための指示を第3通信機221に出力する。第3通信機221は、第3通信機221のMACアドレス(001122334455)を識別情報としてプロセッサ211に出力する(ステップS421)。プロセッサ211は、識別情報を第4通信機231に出力する。第4通信機231は、識別情報を第2通信機131に送信する(ステップS422)。
【0265】
第1無線通信装置101dにおいて、第2通信機131は識別情報を第4通信機231から受信する。第2通信機131は、受信された識別情報をプロセッサ111bに通知する。プロセッサ111bは、識別情報が受信されたと判断する(ステップS321)。プロセッサ111bは、識別情報を第1通信機121に出力する。第1通信機121は、APが接続を受け入れる対象に、識別情報であるMACアドレス(001122334455)が示すSTAを追加する(ステップS322)。
【0266】
他の通信機器301が接続要求を第1通信機121に送信する。第1無線通信装置101dにおいて、第1通信機121は、通信機器301から送信された接続要求を受信する(ステップS106)。接続要求の送信元のMACアドレスは66778899AABBである。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と一致しない(ステップS323)。そのため、第1通信機121は、通信機器301との接続を受け入れず、接続を拒否する。
【0267】
第2無線通信装置201dにおいて、第3通信機221は、接続設定情報を使用してSTAとして第1通信機121に接続し、かつ接続設定情報を使用して第1通信機121と認証を実施する(ステップS402)。このとき、接続設定情報のSSIDはvwxyzであり、接続設定情報のパスフレーズは09876である。第3通信機221が使用する接続設定情報は、第1通信機121に設定された接続設定情報と同じである。さらに、接続要求の送信元である第3通信機221のMACアドレスは001122334455である。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と同じである。そのため、接続および認証は成功する。
【0268】
第1無線通信装置101dにおいて、第1通信機121は接続要求を受信する(ステップS106)。接続要求の送信元である第3通信機221のMACアドレスは001122334455である。このMACアドレスは、第1通信機121が接続を受け入れる対象である001122334455と同じである(ステップS323)。そのため、第1通信機121は、接続および認証を実施する(ステップS107)。このとき、第1通信機121に設定された接続設定情報は、第3通信機221が使用する接続設定情報と同じであるため、接続および認証は成功する。
【0269】
第1無線通信装置101dの第1通信機121は、APとして動作する。第1通信機121は、第2通信機131を経由して取得された識別情報と一致する識別情報を持つSTAのみから接続を受け入れる。第1無線通信装置101dによって生成された設定関連情報と同じ設定関連情報を偶然保持している他のSTAが、第1無線通信装置101dの第1通信機121(AP)に接続を要求する場合がある。第2無線通信装置201dの第3通信機221(STA)が第1通信機121(AP)に接続する前に、他のSTAが第1通信機121に接続することを回避することができる。第1無線通信装置101dの第1通信機121(AP)および第2無線通信装置201dの第3通信機221(STA)が接続している間に何らかの理由により切断が発生する場合がある。その場合も、他のSTAが第1通信機121に接続することを回避することができる。
【0270】
そのため、第2無線通信装置201dの第3通信機221(STA)は、第1無線通信装置101dの第1通信機121(AP)と毎回、1:1の接続を実施することができる。無線通信システム11は、1台のAPと1台のSTAとを互いに接続させ、かつAPと他のSTAとの接続を回避することができる。
【0271】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0272】
本発明の各実施形態によれば、無線通信システム、無線通信装置、および無線通信方法は、1台のアクセスポイントと1台のステーションとを互いに接続させ、かつそのアクセスポイントと他のステーションとの接続を回避することができる。
【符号の説明】
【0273】
11 無線通信システム
101,101a,101b,101c,101d 第1無線通信装置
111,111b,211,211a プロセッサ
112 識別情報設定部
121 第1通信機
122,132,222,232 ベースバンド回路
123,133,223,233 RF回路
124,134,224,234 アンテナ
131 第2通信機
141,241 メモリ
201,201a,201c,201d 第2無線通信装置
212 設定判断部
221 第3通信機
231 第4通信機