(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】移動支援システム、装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20230626BHJP
G06Q 10/08 20230101ALI20230626BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2023035446
(22)【出願日】2023-03-08
【審査請求日】2023-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523084972
【氏名又は名称】Ramps株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098899
【氏名又は名称】飯塚 信市
(74)【代理人】
【識別番号】100163865
【氏名又は名称】飯塚 健
(72)【発明者】
【氏名】成尾 太希
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039402(JP,A)
【文献】特開2016-206708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置され
、ユーザは各前記拠点において前記荷物を前記保管ユニットが前記保管体に保持された状態で使用する、移動支援システムであって、
ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定部と、
前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定部と、
前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定部と、
前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成部と、
を備える移動支援システム。
【請求項2】
前記保管体は、収納家具として機能する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項3】
前記収納家具は、ワードローブである、請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項4】
前記保管ユニットは、開閉可能な箱体である、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項5】
前記保管ユニットは、施錠可能に構成されている、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項6】
前記第2の保管体は、前記第2の拠点において前記ユーザが使用する部屋に配置されている、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項7】
前記第2の保管体は、前記部屋の外側から前記使用保管ユニットを着脱可能に配置されている、請求項6に記載の移動支援システム。
【請求項8】
前記使用保管ユニットは、その正面を前記部屋の内側に向けるように前記空き区画へと設置される、請求項7に記載の移動支援システム。
【請求項9】
前記使用保管ユニット特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記使用保管ユニットを特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項10】
前記使用保管ユニット特定部は、
前記第1の保管体に保持された前記保管ユニットのうち前記ユーザが使用中の保管ユニットを前記ユーザに対して提示する、使用保管ユニット提示部と、
使用中の前記保管ユニットの選択に関する入力を受け付ける、保管ユニット選択入力受付部と、を備え、
前記入力に応じて、前記使用保管ユニットを特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項11】
前記空き区画特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記空き区画を特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項12】
前記空き区画特定部は、
前記第2の保管体の空き区画を前記ユーザに対して提示する、空き状況提示部と、
前記空き区画の選択に関する入力を受け付ける、空き区画選択入力受付部と、を備え、
前記入力に応じて、前記空き区画を特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項13】
前記配送時期特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記配送時期を特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項14】
前記配送時期特定部は、前記ユーザの前記第1の拠点から前記第2の拠点への移動時期に応じて、前記配送時期を特定する、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項15】
各前記保管体は、各前記拠点となる施設の各部屋に対応して配置される、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項16】
前記配送指示情報は、前記第1の拠点から保管倉庫への配送に関する情報を含む、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項17】
前記保管体は、複数の異なるサイズの前記保管ユニットを保持可能に構成されている、請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項18】
前記配送時期に前記使用保管ユニットを前記空き区画へと設置するための配送が完了したことを前記ユーザへと通知する、配送完了通知部を、さらに備える請求項1に記載の移動支援システム。
【請求項19】
複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置され
、ユーザは各前記拠点において前記荷物を前記保管ユニットが前記保管体に保持された状態で使用する、移動支援装置であって、
ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定部と、
前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定部と、
前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定部と、
前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成部と、
を備える移動支援装置。
【請求項20】
複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置され
、ユーザは各前記拠点において前記荷物を前記保管ユニットが前記保管体に保持された状態で使用する、情報処理装置により実行される移動支援方法であって、
ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定ステップと、
前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定ステップと、
前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定ステップと、
前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成ステップと、
を備える移動支援方法。
【請求項21】
複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置され
、ユーザは各前記拠点において前記荷物を前記保管ユニットが前記保管体に保持された状態で使用する、移動支援プログラムであって、
情報処理装置に、
ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定ステップと、
前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定ステップと、
前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定ステップと、
前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成ステップと、
を実行させるための移動支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、システム、特に、複数の拠点を利用する多拠点生活者を支援するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の発展や社会の変化に伴い、複数の拠点間を移動し、移動先の拠点施設に一定期間滞在しながら生活や仕事を行う、所謂、多拠点生活が注目を集めている。
【0003】
ところで、拠点間を移動するにあたっては、自己の荷物を次の拠点へと移動させる必要がある。荷物の移動に関しては、従前より様々な方法が提案されているが(例えば、特許文献1)、一般的に、多拠点生活者は、荷物をスーツケース等に入れて自ら運ぶか、又は、荷物を梱包し配送手配を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの手段を選択する場合であっても、多拠点生活者は、少なくとも荷物の梱包、開梱等を行う必要があり、これらは大きな手間であった。このような移動に伴う手間は、所謂、移動疲れの要因となり得り、多拠点生活の継続の妨げとなり得るものであった。
【0006】
このような荷物の移動に伴う手間を最小化するため、荷物の量を極力減らし、身軽に移動することも考えられる。しかしながら、移動先の拠点に自己の荷物が少ない環境となると、自宅にいるような安心感が得られず落ち着かないといった現象が生じることがある。そのため、やはり、自己の荷物を一定程度伴って移動することが望ましい。
【0007】
本発明は上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、多拠点生活者が自己の荷物と共に拠点間を移動することを容易化し、それにより多拠点生活を支援すること等にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の技術的課題は、以下の構成を有するシステム等により解決することができる。
【0009】
すなわち、本発明に係るシステムは、複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置された、移動支援システムであって、ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定部と、前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定部と、前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定部と、前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成部と、を備えている。
【0010】
このような構成によれば、ユーザが拠点の移動を行うと、移動前の拠点に配置された保管体に保持されていた使用中の保管ユニットが移動先の保管体に保持された状態となっている。これにより、移動にあたって荷物の梱包・開梱等の手間が不要となるため、拠点間の移動が容易となる。これにより、多拠点生活における移動疲れ等を防止することができる。また、どの拠点へ移動しても保管ユニット内の自己の荷物をそのまま利用することができるので、拠点移動後も自宅にいるような安心感を得ることができる。
【0011】
前記保管体は、収納家具として機能する、ものであってもよい。
【0012】
このような構成によれば、保管体が収納家具として機能するので、ユーザは拠点の移動後、直ちに荷物を利用することができる。
【0013】
前記収納家具は、ワードローブである、ものであってもよい。
【0014】
このような構成によれば、保管体がワードローブとして機能するので、ユーザは拠点の移動後、直ちに洋服等の荷物を利用することができる。
【0015】
前記保管ユニットは、開閉可能な箱体である、ものであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、箱体という閉じた空間に自己の荷物を保管しつつ、開閉して荷物を利用することができる。
【0017】
前記保管ユニットは、施錠可能に構成されている、ものであってもよい。
【0018】
このような構成によれば、保管ユニットの内容物の盗難等を防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0019】
前記第2の保管体は、前記第2の拠点において前記ユーザが使用する部屋に配置されている、ものであってもよい。
【0020】
このような構成によれば、ユーザが第2の拠点において使用する部屋へと移動すると、保管体へと使用中の保管ユニットが配送されていることから、移動後直ちに荷物を利用することができる。
【0021】
前記第2の保管体は、前記部屋の外側から前記保管ユニットを着脱可能に配置されている、ものであってもよい。
【0022】
このような構成によれば、保管ユニットの設置等を行う配送業者等は、保管ユニットの着脱のために部屋の内部に入る必要がないため、保管ユニットの配送や着脱の効率を向上させることができる。
【0023】
前記使用保管ユニットは、その正面を前記部屋の内側に向けるように前記空き区画へと設置される、ものであってもよい。
【0024】
このような構成によれば、部屋を利用するユーザは、保管ユニットが設置された保管体を部屋の内側からそのまま利用することができるので、拠点移動後、直ちに荷物を利用することができる。
【0025】
前記使用保管ユニット特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記使用保管ユニットを特定する、ものであってもよい。
【0026】
このような構成によれば、ユーザが選択した保管ユニットについて配送指示することができる。
【0027】
前記使用保管ユニット特定部は、前記第1の保管体に保持された前記保管ユニットのうち前記ユーザが使用中の保管ユニットを前記ユーザに対して提示する、使用保管ユニット提示部と、使用中の前記保管ユニットの選択に関する入力を受け付ける、保管ユニット選択入力受付部と、を備え、前記入力に応じて、前記使用保管ユニットを特定する、ものであってもよい。
【0028】
このような構成によれば、ユーザは現在使用中の保管ユニットを確認しつつ、配送対象となる所望の保管ユニットを選択することができる。
【0029】
前記空き区画特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記空き区画を特定する、ものであってもよい。
【0030】
このような構成によれば、ユーザが選択した空き区画へと保管ユニットを配送することができる。
【0031】
前記空き区画特定部は、前記第2の保管体の空き区画を前記ユーザに対して提示する、空き状況提示部と、前記空き区画の選択に関する入力を受け付ける、空き区画選択入力受付部と、を備え、前記入力に応じて、前記空き区画を特定する、ものであってもよい。
【0032】
このような構成によれば、ユーザは移動先の拠点にある保管ユニットの空き区画を確認しつつ、保管ユニットを所望の空き区画へと配送することができる。
【0033】
前記配送時期特定部は、前記ユーザの選択に応じて、前記配送時期を特定する、ものであってもよい。
【0034】
このような構成によれば、ユーザが選択した配送時期に保管ユニットを配送することができる。
【0035】
前記配送時期特定部は、前記ユーザの前記第1の拠点から前記第2の拠点への移動時期に応じて、前記配送時期を特定する、ものであってもよい。
【0036】
このような構成によれば、ユーザの移動時期に合わせて配送時期が特定されるので、さらに手間が少なく保管ユニットの配送を行うことができる。
【0037】
各前記保管体は、各前記拠点となる施設の各部屋に対応して配置される、ものであってもよい。
【0038】
このような構成によれば、保管ユニットが各拠点施設の各部屋に対応して設けられているので、ユーザは例えば自分の利用する部屋へと保管ユニットを配送することができる。
【0039】
前記配送指示情報は、前記第1の拠点から保管倉庫への配送に関する情報を含む、ものであってもよい。
【0040】
このような構成によれば、第1の拠点から保管ユニットを一旦保管倉庫へと配送することから、その後に第2の拠点又は第2の拠点にある保管体へと配送する等、配送時期を調整することができる。
【0041】
前記保管体は、複数の異なるサイズの前記保管ユニットを保持可能に構成されている、ものであってもよい。
【0042】
このような構成によれば、ユーザは荷物の量等に応じて保管ユニットを選択して利用することができる。
【0043】
前記配送時期に前記使用保管ユニットを前記空き区画へと設置するための配送が完了したことを前記ユーザへと通知する、配送完了通知部を、さらに備えるものであってもよい。
【0044】
このような構成によれば、ユーザは自己の荷物について配送が完了したことを確認してから拠点の移動を行うことができる。
【0045】
別の角度から見た本発明は、複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置された、移動支援装置であって、ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定部と、前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定部と、前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定部と、前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成部と、を備えている。
【0046】
別の角度から見た本発明は、複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置された、移動支援方法であって、ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定ステップと、前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定ステップと、前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定ステップと、前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成ステップと、を備えている。
【0047】
別の角度から見た本発明は、複数の拠点を利用するユーザの前記拠点間の移動を支援し、各前記拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体が配置された、移動支援プログラムであって、ユーザの移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、前記ユーザが使用中の保管ユニットである、使用保管ユニットを特定する、使用保管ユニット特定ステップと、前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定する、空き区画特定ステップと、前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定する、配送時期特定ステップと、前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する、配送指示情報生成ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、多拠点生活者が自己の荷物と共に拠点間を移動することが容易となる。これにより、多拠点生活を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、移動支援システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、移動支援サーバに記憶されているユーザデータの概念図である。
【
図3】
図3は、移動支援サーバに記憶されている拠点データの概念図である。
【
図4】
図4は、保管ユニットの配送手配に関するフローチャートである。
【
図5】
図5は、保管体の使用状況に関する画面の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、配送対象となる保管ユニットの入力に関する画面の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、保管ユニットの配送先と移動日程の入力に関する画面の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、配送先となる保管体の区画の入力に関する画面の一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、保管ユニットの配送に関する概念図である。
【
図10】
図10は、配送完了を示す画面の一例を示す説明図である。
【
図11】
図11は、拠点施設内における保管体及び保管倉庫の配置例に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0051】
(1.第1の実施形態)
第1の実施形態として、本発明を、サーバ装置とクライアント装置とを備え、複数の拠点施設間を移動するユーザを支援するシステムに対して適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、所謂サーバ・クライアントシステムを例として説明するものの、他の構成を採用してもよいことは勿論である。例えば、各装置に備えられる機能を1つの装置上で実行してもよい。
【0052】
(1.1 システムの構成)
図1は、本実施形態に係るシステム、すなわち、移動支援システム100の全体構成図である。同図から明らかな通り、移動支援システム100は、クライアント装置10、移動支援サーバ30、及び配送処理サーバ50を含み、それらは互いに、インターネット、WAN等のネットワークを介して接続されている。なお、同図においては、例示的に各装置が1つずつ示されているものの、いずれの装置も複数設けられていてもよい。また、各装置に備えられる機能を複数の装置で分散して実行してもよい。
【0053】
本実施形態において、クライアント装置10は、移動支援システム100のユーザにより使用される。また、移動支援サーバ30は、拠点施設の運営者、配送処理サーバ50は、配送業者によりそれぞれ管理されている。本実施形態において、各拠点を利用するユーザは、クライアント装置10を通じて拠点運営者が管理する移動支援サーバ30へとアクセスすることができる。なお、各装置の使用者又は運営者は、例示であって、このような主体に限定されない。
【0054】
クライアント装置10は、スマートフォン、タブレット端末、PC等の情報処理装置である。クライアント装置10は、制御部、記憶部、入力部、オーディオ入力部、表示出力部、オーディオ出力部、通信部、撮像部等を備え、それらは互いにバスを介して接続されている。制御部は、CPU等の制御装置である。記憶部は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等から構成される。入力部は、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。オーディオ入力部は、マイク等のオーディオ入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。表示出力部は、制御部からディスプレイ等の表示手段への出力を処理する表示する処理を行う。オーディオ出力部は、制御部からスピーカ等のオーディオ出力手段への出力を処理する。通信部は、有線又は無線の通信を行うための通信ユニットで構成される。撮像部は、制御部と撮像手段との間の信号処理を行う。
【0055】
クライアント装置10の制御部はプログラムを実行し、後述の各処理を実行する。記憶部は、制御部へと供される種々のデータ、プログラムを記憶する。なお、入力手段、オーディオ入力手段、表示手段、オーディオ出力手段、撮像手段等は、装置自体に備えられていてもよいし、外部装置として構成されてもよい。
【0056】
移動支援サーバ30は、PC等の情報処理装置である。移動支援サーバ30は、制御部、記憶部、入力部、オーディオ入力部、表示出力部、オーディオ出力部、通信部等を備え、それらは互いにバスを介して接続されている。制御部は、CPU等の制御装置である。記憶部は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等から構成される。入力部は、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。オーディオ入力部は、マイク等のオーディオ入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。表示出力部は、制御部からディスプレイ等の表示手段への出力を処理する表示する処理を行う。オーディオ出力部は、制御部からスピーカ等のオーディオ出力手段への出力を処理する。通信部は、有線又は無線の通信を行うための通信ユニットで構成される。
【0057】
移動支援サーバ30の制御部はプログラムを実行し、後述の各処理を実行する。記憶部は、制御部へと供される種々のデータ、プログラムを記憶する。なお、入力手段、オーディオ入力手段、表示手段、オーディオ出力手段等は、装置自体に備えられていてもよいし、外部装置として構成されてもよい。
【0058】
配送処理サーバ50は、PC等の情報処理装置である。配送処理サーバ50は、制御部、記憶部、入力部、オーディオ入力部、表示出力部、オーディオ出力部、通信部等を備え、それらは互いにバスを介して接続されている。制御部は、CPU等の制御装置である。記憶部は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等から構成される。入力部は、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。オーディオ入力部は、マイク等のオーディオ入力手段による入力信号を処理して制御部へと提供する処理を行う。表示出力部は、制御部からディスプレイ等の表示手段への出力を処理する表示する処理を行う。オーディオ出力部は、制御部からスピーカ等のオーディオ出力手段への出力を処理する。通信部は、有線又は無線の通信を行うための通信ユニットで構成される。
【0059】
配送処理サーバ50の制御部はプログラムを実行し、後述の各処理を実行する。記憶部は、制御部へと供される種々のデータ、プログラムを記憶する。なお、入力手段、オーディオ入力手段、表示手段、オーディオ出力手段等は、装置自体に備えられていてもよいし、外部装置として構成されてもよい。
【0060】
移動支援サーバ30は、その記憶部に、種々のデータを記憶・管理している。より詳細には、データには、少なくともユーザデータと拠点データが含まれる。
【0061】
図2は、移動支援サーバ30に記憶されているユーザデータの概念図である。同図から明らかな通り、ユーザデータは、ユーザ1~ユーザLまでのL人分のデータを含んでいる。各ユーザデータには、認証情報、登録情報、拠点施設の利用情報、保管体の利用情報が含まれている。
【0062】
認証情報は、移動支援システム100のユーザを認証するための情報であり、例えば、ID情報、パスワード情報等を含んでいる。登録情報は、移動支援システム100の利用開始時等に登録されたユーザに関する情報であり、例えば、氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス等の情報を含む。
【0063】
拠点の利用情報とは、該当するユーザの拠点施設の利用に関する、過去、現在又は未来の情報であり、利用した/利用している/利用予定の拠点施設情報、各拠点施設の利用日程(利用開始日時及び利用終了日時等)に関する情報等を含む。保管体の利用情報とは、各拠点施設に配置されている保管体の利用に関する過去、現在又は未来の情報であり、利用した/利用している/利用予定の保管ユニット又は区画に関する情報等を含む。
【0064】
ユーザは、クライアント装置10、クライアント装置10上で動作するアプリケーションプログラム、又は、所定の仲介者等を介して、これらの情報について移動支援サーバ30へと登録又は情報の更新を行うことができる。なお、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、拠点施設や保管体に設けられたセンサ等を通じて検出された情報を基に、ネットワーク通信を用いて、移動支援サーバ30において、拠点の利用情報又は保管体の利用情報の自動登録や更新を行ってもよい。
【0065】
図3は、移動支援サーバ30に記憶されている拠点データの概念図である。同図から明らかな通り、拠点データは、拠点1~拠点KまでのK個の拠点データを含んでいる。各拠点データには、各拠点施設に配置されているM個の保管体の情報が含まれている。
【0066】
本実施形態において、各保管体は、N個の区画を有し、各区画は保管ユニットを保持することができるように構成されている。また、本実施形態において、保管体は、各拠点施設においてユーザが利用する部屋に少なくとも1つ配置されている。各保管体情報には、保管体が配置されている部屋(部屋1~部屋M)に関する情報、保管体が備えるN個の区画と、それらの区画に配置されている保管ユニットに関する情報が含まれる。
【0067】
より詳細には、本実施形態において、各部屋に配置された保管体は、大小複数(N個)の区画を有し、各区画には着脱可能な態様で保管ユニットが保持される(
図5~
図10の概略図参照)。保管体は、各部屋において収納家具として機能し、より詳細には、被服等を収納することが可能なワードローブとして機能する。
【0068】
このような構成によれば、保管体がそのまま収納家具、特にワードローブとして機能するので、移動先の部屋等で自己の荷物が収納された家具を直ちに利用することができる。
【0069】
また、このような構成によれば、保管ユニットが各拠点施設の各部屋に対応して設けられているので、ユーザは自分の利用する部屋へと保管ユニットを配送することができる。
【0070】
本実施形態において、保管ユニットは、ユーザの被服等を含む荷物を収容可能な閉空間を構成可能な箱体であり、例えば、開閉可能な扉付きの箱体である。この保管ユニットに対して、ユーザは自己の荷物を入れて保管することができる。後述するように、ユーザは、一の拠点の保管体から他の拠点の保管体へと、この保管ユニットの単位で配送手配を行うことができる。
【0071】
このような構成によれば、ユーザは、どの拠点に移動しても保管ユニットをそのまま利用することができるので、梱包、開梱等の手間が不要となる。従って、自己の荷物と共に拠点間を移動することが容易となる。また、どの拠点へ移動しても自己の荷物を含む保管ユニットをそのまま利用することができるので、拠点移動後も自宅にいるような安心感を得ることができる。
【0072】
なお、各保管ユニットは物理的手段又は電子的手段により施錠可能に構成されていてもよい。
【0073】
このような構成によれば、保管ユニットの内容物の盗難等を防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0074】
なお、同図の例にあっては、各拠点施設に同数の保管体、部屋が存在するものとして記載さしているものの、同構成は例示であって、異なる個数の保管体、部屋が存在するものとしてもよい。
【0075】
(1.2 システムの動作)
次に、移動支援システム100の動作について説明する。
【0076】
図4は、保管ユニットの配送手配に関するフローチャートである。同図において左列は、クライアント装置10の処理、右列は、移動支援サーバ30の処理を表している。なお、図示しないものの、配送処理サーバ50が、クライアント装置10、移動支援サーバ30の動作と関連して、以下の通り動作する。
【0077】
処理が開始すると、所定の認証処理(不図示)の後、クライアント装置10は、ユーザによる操作等に応じて、保管体使用状況リクエスト処理を実行する(S10)。保管体使用状況リクエスト処理とは、ユーザからの入力等に応じて、認証された特定のユーザが現在使用している保管体に関する情報のリクエストを、移動支援サーバ30に対して送信する処理である。
【0078】
同リクエストを受信すると、移動支援サーバ30は、ユーザデータと拠点データに基づいて、ユーザが使用中の拠点施設に存在する保管体の使用状況を読み出し、読出結果をクライアント装置10へと送信する処理を行う(S31)。この読出処理により、特定のユーザが使用している拠点施設、保管体、及び保管ユニット(又は区画)が特定される。
【0079】
読出結果を受信すると、クライアント装置10は、表示手段上に、保管体の使用状況を表示する(S11)。
【0080】
図5は、保管体の使用状況に関する画面の一例を示す説明図である。同図の例にあって、クライアント装置10は、薄板状であり、そのうちの1つの大面積面に、押下式のボタンで構成される入力手段11、タッチパネル機能を有するディスプレイで構成される表示手段12、カメラ等の撮像手段13、マイク等のオーディオ入力手段とスピーカ等のオーディオ出力手段を備えるオーディオ関連手段15、が備えられている(以下、
図6~
図8、
図10において同様)。
【0081】
表示手段12上には、表示処理(S11)の結果が表示されている。より詳細には、表示手段12上には、ユーザが使用中の拠点の保管体における保管ユニットの使用状況を示す図と、画面が保管体の使用状況の確認画面であることを示す文字列、すなわち「ワードローブ区画使用状況確認」が表示されている。
【0082】
同図の例にあっては、1つのワードローブが保管体として表示され、同保管体には複数の区画が備えられている。同図の例にあっては、大中小の3つのサイズの区画が示され、より詳細には、2つの「大」サイズの区画、2つの「中」サイズの区画、4つの「小」サイズの区画が示されている。各区画にはそれぞれのサイズに応じた保管ユニットが示されており、ユーザが使用中の保管ユニットはハイライト表示(同図の例にあっては×で表示)されている。同図の例にあっては、「大」サイズの保管ユニットが1つ、「小」サイズの保管ユニットが1つの合計2つのユニットをユーザが使用中であることが看取される。このような図により、ユーザは、自己が現在使用中の保管ユニットを一目で確認することができる。なお、保管体の構成は例示であって、区画又は保管ユニットのサイズ、個数等は任意に変更可能である。
【0083】
このような構成によれば、大小様々なサイズの保管ユニットを利用することができることから、ユーザは荷物の量等に応じて所望の保管ユニットを選択して利用することができる。
【0084】
なお、同図の例にあっては、1つの保管体のみが表示されているものの、複数の保管体が存在する場合には、複数の保管体を表示してもよい。
【0085】
図4に戻り、表示手段12上への表示処理の後、クライアント装置10は、移動させる保管ユニットの選択、移動先となる拠点、移動日程に関する入力を受け付ける処理を行い、入力結果を移動支援サーバ30へと送信する処理を行う(S12)。
【0086】
図6は、配送対象となる保管ユニットの入力に関する画面の一例を示す説明図である。同図から明らかな通り、表示手段12上には、保管体を示す図と、画面が配送対象となる保管ユニットを選択する画面であることを示す文字列、すなわち、「配送ユニット指定」が表示されている。
【0087】
同図の例にあっては、ユーザの選択処理に応じて、保管ユニットのうち、左から2列目の「大」サイズの保管ユニットがハイライト表示(黒色で塗りつぶして表示)され、選択された状態となっている。、クライアント装置10は、ハイライト表示された保管ユニットの選択を入力として受け付け、その情報を移動支援サーバ30へと送信する。
【0088】
このような構成によれば、ユーザは現在使用中の保管ユニットを確認しつつ、配送対象となる所望の保管ユニットを選択することができる。
【0089】
図7は、保管ユニットの配送先と移動日程の入力に関する画面の一例を示す説明図である。同図から明らかな通り、画面上段には、「配送先選択」の文字列と共に移動先となる拠点施設を指定するための拠点指定用選択ボタンが表示されている。また、画面下段には、「日程選択」の文字列と共に、移動先となる拠点施設への移動日程を選択するための日程選択ボタンが表示されている。
【0090】
同図の例にあっては、クライアント装置10は、拠点指定用選択ボタンに対するユーザの選択処理に応じて、ユーザの移動先となる拠点施設に関する情報を入力として受け付け、その情報を移動支援サーバ30へと送信する。このとき、適宜に移動支援サーバ30から拠点情報等を受信し選択可能な拠点施設を提示してもよい。また、クライアント装置10は、日程選択ボタンに対するユーザの選択処理に応じて、ユーザの移動日程に関する情報を入力として受け付け、その情報を移動支援サーバ30へと送信する。移動日程に関する情報とは、例えば、ユーザが移動先へと到着する予定の日時情報等である。
【0091】
このような構成によれば、ユーザの移動時期に応じて配送時期が特定されるので、さらに手間が少なく保管ユニットの配送を行うことができる。
【0092】
なお、本実施形態においては、ユーザの移動日程を取得するものとして記載したが、移動日程に代えて、ユーザの希望する保管ユニットの配送日程又は日時等を取得してもよい。
【0093】
このような構成によれば、ユーザが選択した配送時期に保管ユニットを配送することができる。
【0094】
図4に戻り、保管ユニットの選択、移動先となる拠点、及び移動日程に関する入力結果のクライアント装置10による送信処理の後、移動支援サーバ30は、それらの情報に基づいて、移動先となる拠点にある保管体の移動日時前後における使用状況に関する情報、すなわち、空き区画の状況に関する情報を読み出す処理を行い、読み出した結果をクライアント装置10へと送信する処理を行う(S32)。
【0095】
この情報を受信したクライアント装置10は、移動先となる拠点にある保管体の移動日時における使用状況を表示する処理を行う(S13)。この表示処理の後、クライアント装置10は、移動先の拠点にある保管体の有する区画の選択に関する入力の受付処理を行い、入力結果を移動支援サーバ30へと送信する処理を行う(S15)。
【0096】
図8は、配送先となる保管体の区画の入力に関する画面の一例を示す説明図である。同図から明らかな通り、画面中央には、「配送先区画指定」の文字列と共に、移動先の拠点施設にある保管体の区画使用状況が示されている。同図の例にあっては、一番左側の「大」サイズの区画がハイライト表示(黒色で塗りつぶして表示)され、同区画が空き状態にあることが示されている。
【0097】
この状態において、ユーザがハイライトされた区画をタッチする等して選択すると、クライアント装置10は、当該選択を入力として受け付けて、当該区画に関する情報を移動支援サーバ30へと送信する。
【0098】
このような構成によれば、ユーザは移動先の拠点にある保管ユニットの空き区画を確認しつつ、保管ユニットを所望の空き区画へと配送することができる。
【0099】
図4に戻り、区画の選択に関する情報を受信すると、移動支援サーバ30は、保管ユニットの配送指示情報を生成する処理を行う(S33)。すなわち、移動元となる拠点において選択された特定のユーザが使用中の保管ユニットを、選択された拠点にある保管体の選択された区画に、所望の日時に配送する指示を行う情報を生成する。この情報生成処理の後、移動支援サーバ30は、配送指示情報を配送処理サーバ50へと送信する。
【0100】
なお、所望の日時とは、例えば、ユーザが移動先の拠点施設に到着する日時より一定期間前の日時等である。
【0101】
図示しない配送処理サーバ50は、この配送指示情報に基づいて、移動元となる拠点において選択された保管ユニットを、選択された拠点にある保管体の選択された区画に、所望の日時に配送するための手配処理を行う。この配送手配処理が完了すると、配送処理サーバ50は、移動支援サーバ30に対して、配送手配完了通知を行う。
【0102】
この通知処理を受けて、移動支援サーバ30は、クライアント装置10に対して、配送手配が完了したことを通知する処理を行う(S35)。この通知を受けて、クライアント装置10は、配送手配が完了したことを示す画像を表示手段12上に表示する処理を行う(S16)。
【0103】
その後、配送処理サーバ50を利用する配送業者は、配送手配情報に基づいて実際に配送を行う。
【0104】
図9は、保管ユニットの配送に関する概念図である。同図においては、移動元となる第1の拠点60に存在する保管体61の一の区画611に保持されている保管ユニット80が、配送業者により、移動先となる第2の拠点70に存在する保管体71の空き区画712へと配送され、設置される様子が概念的に描かれている。
【0105】
なお、保管ユニット80は必ずしも直接に保管ユニット80へと配送しなくてもよい。従って、例えば、
図9の上段に描かれるように、一旦、保管ユニット80を保管倉庫90に格納する等し、その後に、適時に第2の拠点70の空き区画712へと配送し設置するようにしてもよい。このとき、保管倉庫90は、例えば、第1の拠点60又は第2の拠点70とは異なる場所に配置してもよいし、第1の拠点60又は第2の拠点70の施設に配置してもよい。
【0106】
このような構成によれば、移動元となる拠点から保管ユニットを一旦保管倉庫90へと配送することから、その後に第2の拠点又は第2の拠点にある保管体へと配送する等、配送時期を調整することができる。
【0107】
配送業者は、配送が完了した場合、配送処理サーバ50へと配送完了を登録する。この配送完了が登録されると、配送処理サーバ50は、配送完了を移動支援サーバ30に対して通知する処理を行う。
【0108】
図4に戻り、この通知を受信すると、移動支援サーバ30は、クライアント装置10に対して、配送が完了したことを通知する処理を行う(S36)。この通知を受けて、クライアント装置10は、配送が完了したことをユーザに対して示す画像を表示手段12上に表示する処理を行う(S17)。その後、処理は終了する。
【0109】
図10は、配送完了を示す画面の一例を示す説明図である。同図から明らかな通り、画面中央には、「ワードローブ区画使用状況確認」の文字列と共に保管体の状況を示す図が表示されている。同図において、保管体の一番左側の区画はハイライト表示(同図の例にあっては×で表示)されており、同区画に保管ユニットが保持又は格納された状態にあることが示されている。
【0110】
このような構成によれば、ユーザは自己の荷物について配送が完了したことを確認してから拠点の移動を行うことができる。
【0111】
以上の構成によれば、ユーザが拠点の移動を行うと、移動前の拠点に配置された保管体に保持されていた使用中の保管ユニットがそのまま移動先の保管体に保持された状態となっている。これにより、移動にあたって梱包・開梱等の手間が不要となるため、拠点間の移動を容易化することができる。これにより、多拠点生活における移動疲れ等を防止することができる。また、どの拠点へ移動しても保管ユニット内の自己の荷物をそのまま利用することができるので、拠点移動後も自宅にいるような安心感を得ることができる。
【0112】
(2.変形例)
本発明は、様々に変形して実施することができる。
【0113】
上述の実施形態においては、移動させる保管ユニット、移動先となる拠点、移動日程、移動先の保管体の空き区画等に関する情報をすべてユーザが入力するものとしたが、このような構成に限定されない。従って、一部の情報を自動的に特定してもよい。
【0114】
例えば、ユーザが移動する場合には、当該ユーザが使用するすべての保管ユニットを配送対象の保管ユニットとしてもよい。また、移動先となる拠点を指定することにより、移動支援サーバ30が適当な空き区画を特定し、当該空き区画に対して配送を行うものとしてもよい。
【0115】
このような構成によれば、入力の手間を省くことができ、より拠点間の移動が容易となる。
【0116】
上述の実施形態においては、移動先の拠点、又は、移動先の拠点にある保管体の空き区画を指定するものとして説明したが、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、これらの情報と共に、又は、これらの情報に代えて、移動先でユーザが使用する部屋を特定し、この部屋情報から対応する保管体を特定して当該保管体の適当な空き区画へと保管ユニットを配送指示する構成としてもよい。
【0117】
このような構成によれば、ユーザが移動先の拠点において使用する部屋へと移動すると、当該部屋に使用中の保管ユニットが配送されていることから、移動後直ちに荷物を利用することができる。
【0118】
上述の実施形態においては、保管体又は保管倉庫の物理的配置等について特段の特定は行われていない。しかしながら、施設内に保管体又は保管倉庫を特定の態様で配置してもよい。
【0119】
図11は、拠点施設内における保管体及び保管倉庫の配置例に関する説明図である。同図の例にあっては、多拠点生活を行うユーザが滞在する部屋200が互いに隣り合って複数配置されている(部屋1~部屋M)。また、ドアを挟んで各部屋200の外側には、廊下400が一直線状に配置されている。さらに、部屋200と廊下400との間には、保管体300が配置されている。各保管体300は、各部屋に対応して設けられ、保管ユニットを保持可能な3つの空き区画301を有している。
【0120】
廊下400側の扉351(同図の例にあっては、3枚の引き戸)のいずれかを開けると、保管体300の空き区画301に対して廊下400側からアクセスすることができる。そのため、廊下400側から空き区画301に対して保管ユニットを設置し、又は取り外すことができる。一方、部屋200側の扉352(同図の例にあっては、3枚の引き戸)のいずれかを開けると、保管体300の空き区画に設置された保管ユニットがその正面側を部屋側に向けて配置されている。そのため、部屋200に滞在しているユーザは、保管ユニットの正面扉を開ける等して、保管ユニットの内容物を部屋200側から利用することができる。
【0121】
このような構成によれば、配送業者等は廊下400側から保管体300へとアクセスし、一方、ユーザは部屋200側から保管体300へとアクセスすることができる。これにより、配送業者等にとっては、保管ユニットの着脱のために部屋200の内部に入る必要がないため、保管ユニットの配送や着脱の効率を向上させることができる。また、部屋200を利用するユーザは、保管ユニットが設置された保管体300を部屋200の内側からそのまま収納家具として利用することができるので、拠点移動後、直ちに荷物を利用することができる。
【0122】
廊下400の部屋200とは反対側の壁には、同壁に沿って複数の保管倉庫450が一列に配置されている。同図の例にあっては、各保管倉庫450には、2つの空き区画452が設けられている。そのため、各保管倉庫450は、2つの保管ユニットを保管することができるように構成されている。各保管倉庫450の空き区画452(又は保管ユニット)には、対応する扉451(同図の例にあっては、2枚の引き戸)のいずれかを開けることでアクセスすることができる。
【0123】
このような構成によれば、保管ユニットを、移動元となる拠点から一旦保管倉庫450へと配送して保管しておき、その後、適時に保管体300の空き区画301へと配送して設置すること等ができるので、配送・設置時期を調整することができる。
【0124】
上述の実施形態においては、拠点間の移動に伴う保管ユニットの移動について説明したものの、本発明はそのような構成に限定されない。従って、例えば、拠点内における他の部屋への移動に伴って、同様の手法により、保管ユニットを移動させてもよい。
【0125】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記の実施形態は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、ネットワークシステム等を生産、使用等する産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 クライアント装置
11 入力手段
12 表示手段
13 撮像手段
15 オーディオ関連手段(オーディオ入力手段及びオーディオ出力手段)
30 移動支援サーバ
50 配送処理サーバ
60 第1の拠点
61 保管体
611 第1の区画
612 第2の区画
70 第2の拠点
71 保管体
711 第1の区画
712 第2の区画
80 保管ユニット
90 保管倉庫
100 移動支援システム
200 部屋
300 保管体
301 空き区画(又は保管ユニット)
351 扉(廊下側)(3枚の引き戸)
352 扉(部屋側)(3枚の引き戸)
400 廊下
450 保管倉庫
451 扉(2枚の引き戸)
452 空き区画(又は保管ユニット)
【要約】 (修正有)
【課題】多拠点生活者が自己の荷物と共に拠点間を移動することを容易化し、それにより多拠点生活を支援する移動支援システムを提供する。
【解決手段】複数の拠点を利用するユーザの拠点間の移動を支援し、各拠点にはユーザの荷物を個別に保管可能に構成された保管ユニットを着脱可能に保持する保管体を配置した移動支援システムであって、移動支援サーバは、クライアント装置の移動元となる第1の拠点に配置された第1の保管体に保持され、ユーザが使用中の保管ユニットである使用保管ユニットを特定し、前記ユーザの移動先となる第2の拠点に配置された第2の保管体における空き区画を特定し、前記使用保管ユニットの所望の配送時期を特定し、前記配送時期に基づいて前記使用保管ユニットを前記空き区画へと適時に設置するための配送指示情報を生成する。
【選択図】
図4