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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】フレームラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/14 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
A47B77/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018225686
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020081749
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000156307
【氏名又は名称】株式会社TJMデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】田阪 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 進
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3012559(JP,U)
【文献】特開平06-105724(JP,A)
【文献】特開2008-049046(JP,A)
【文献】独国実用新案第20017828(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/14
A47G 29/00-29/093
A47J 46/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンスペースにおける天板上に設置して用いるフレームラックであって、
前後方向に対向配置された一対のフレーム部を備え、
前記一対のフレーム部はそれぞれ、一対の縦フレームと、前記一対の縦フレームの間に架設された横フレームとを有し、
前記一対のフレーム部におけるそれぞれの前記横フレームは、長尺板状のフレーム本体部と、フレーム本体部の内側面から突出する支持板部とを有することを特徴とするフレームラック。
【請求項2】
前記横フレームは、前記支持板部の先端部から垂下し、前記フレーム本体部に対向するカバー部を有する、請求項に記載のフレームラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンスペースにおける天板上に設置して用いるフレームラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンスペースにおけるカウンタ部等の天板上の空間を有効に利用するために、各種の調理道具、調味料等を置くラック等の収納器具が用いられている。例えば、特許文献1には、カウンタ部の天板上に立設された縦桟と、両縦桟の上端部に架設された横桟とからなる吊下体が開示されている。
【0003】
上記特許文献1の吊下体は、衝立としての仕切板を横桟に沿ってスライド可能に吊支して、シンクからの水滴もしくはコンロからの油滴の飛散を防止することができる。また、吊下体にトレー等を取り付けることにより、まな板や調味料等を載置することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-49046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の吊下体は、キッチン周りの道具や材料を吊下体の横桟に吊下げて保持するのみであるため、吊下体で保持することができる物品の量(保持能力)は十分ではなく、改善の余地があった。
【0006】
それゆえ本発明は、簡易な構成で、優れた保持能力を有するフレームラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のフレームラックは、キッチンスペースにおける天板上に設置して用いるフレームラックであって、
前後方向に対向配置された一対のフレーム部を備え、
前記一対のフレーム部はそれぞれ、一対の縦フレームと、前記一対の縦フレームの間に架設された横フレームとを有し、
前記一対のフレーム部におけるそれぞれの前記横フレームは、長尺板状のフレーム本体部と、フレーム本体部の内側面から突出する支持板部とを有することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のフレームラックにあっては、前記横フレームは、前記支持板部の先端部から垂下し、前記フレーム本体部に対向するカバー部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で、優れた保持能力を有するフレームラックを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るフレームラックをキッチンのカウンタ部の天板上に設置した状態を示す斜視図である。
図2図1のフレームラックの一部を示す側面視での断面図である。
図3図1のフレームラックに保持パーツとしてのフックパーツを取り付けた状態を示す側面図である。
図4図1のフレームラックにプレートパーツと吊下ラックパーツを取り付けた状態を示す側面図である。
図5図4に示すプレートパーツを単独で示す斜視図である。
図6】プレートパーツの変形例を示す側面図である。
図7図4に示す吊下ラックパーツを単独で示す斜視図である。
図8】保持パーツとしてのフックパーツを示す斜視図である。
図9図1のフレームラックに図8に示すフックパーツを取り付けた状態を示す側面図である。
図10】保持パーツとしての本・タブレットラックパーツを示す斜視図である。
図11】本発明に係るフレームラックの変形例を示す側面図である。
図12】発明に係るフレームラックの他の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について例示説明する。図1は本発明の一実施形態であるフレームラック1を、キッチンスペースにおけるカウンタ部2の天板上に設置(固定)した状態を示す。カウンタ部2は、例えばシンク3、調理台4、コンロ5等を備える。なお、本実施形態のフレームラック1は、キッチンスペース内であれば図示のようなカウンタ部2に限られず、例えば、カウンタ部2に対向する食器棚等に設けられた台の天板上に設置することも可能である。
【0013】
フレームラック1は、前後方向(奥行方向)に間隔をあけて対向配置された一対のフレーム部10、20を備える。図1に示すように、一対のフレーム部10、20は、カウンタ部2の手前側(フレームラック1の前方側)に配置される第1フレーム部10と、奥側(フレームラック1の後方側)に配置される第2フレーム部20とで構成される。なお、フレームラック1における「前後方向」とは、各フレーム部10、20を構成する縦フレーム11、21と横フレーム12、22とで構成される平面に対して垂直な方向とすることができる。また、フレームラック1は、フレームラック1の前後方向がカウンタ部2の奥行方向と平行になるように設置されることが好ましいが、これに限られるものではない。
【0014】
第1フレーム部10は、フレームラック1の左右方向の両端部に位置する一対の縦フレーム11と、当該一対の縦フレーム11の間に架設される横フレーム12とを有する。一対の縦フレーム11は、カウンタ部2の天板に対して垂直に、すなわち鉛直方向に延在しており、横フレーム12は、カウンタ部2の天板に対して平行に、すなわち水平方向に延在している。なお、本例では、一対の縦フレーム11の上端部に横フレーム12が連結されているが、一対の縦フレーム11の上端部よりも下側に横フレーム12が連結された構成としてもよい。
【0015】
第2フレーム部20は、第1フレーム部10と同様に、一対の縦フレーム21と、一対の縦フレーム21の間に架設される横フレーム22とを有する。なお、本例では、第1フレーム部10と第2フレーム部20とが相互に前後対称の形状となっているが、これに限られず、第1フレーム部10と第2フレーム部20の形状はそれぞれ適宜変更可能である。
【0016】
図2は、フレームラック1の上側部分を示す側面視での断面図である。図1、2に示すように、それぞれの横フレーム12、22は、長尺板状のフレーム本体部13、23と、フレーム本体部13、23の内側面13a、23aから内側に突出する支持板部14、24とを有する。なお、支持板部14、24は必須の構成ではない。
【0017】
第1フレーム部10の横フレーム12は、フレーム本体部13と、支持板部14とを有する。フレーム本体部13は、長尺板状の鉄等の金属製の部材とすることができる。本例のフレーム本体部13は、その厚さ方向が、フレームラック1の前後方向と平行になるように配置されている。本例では、支持板部14を当該L字状の長尺部材の水平フランジで構成し、当該水平フランジの基端部に連なる鉛直板部15は、フレーム本体部13の内側面13aに当てつけた状態でフレーム本体部13に固定されている。なお、鉛直板部15の固定方法は、例えば、ねじ等による締結、溶接等とすることができるが、特に限定されない。また、支持板部14は、フレーム本体部13の内側面13aに溶接等で一体的に連結された構成としてもよい。
【0018】
第1フレーム部10と同様に、第2フレーム部20の横フレーム22は、フレーム本体部23と、支持板部24とを有する。支持板部24は、断面がL字状の長尺部材における水平フランジで構成されており、支持板部24に連なる鉛直板部25は、フレーム本体部23の内側面23aに当てつけた状態でフレーム本体部23に固定されている。
【0019】
図1、2に示すように、本例のフレームラック1は、第1フレーム部10と第2フレーム部20とを連結する連結部31を有する。このような連結部31を設けることで、フレームラック1の安定性を高めることができ、また、振動や接触等による揺れを抑制することができる。なお、連結部31は必須の構成ではない。
【0020】
本例では、第1フレーム部10の横フレーム12と、第2フレーム部20の横フレーム22を連結する6本の連結部31が左右方向に相互に間隔をあけて設けられている。各連結部31は、横フレーム12、22の延在方向(フレームラック1の左右方向)に対して垂直に、すなわちフレームラック1の前後方向に延在している。なお、連結部31の本数、位置、角度は適宜変更可能であり、例えば、対向する縦フレーム11、21同士を連結するようにしてもよい。
【0021】
また、本例のフレームラック1は、第1フレーム部10の縦フレーム11の下端部と、それに対向する第2フレーム部20の縦フレーム11の下端部とを連結するベース板部32を有する。ベース板部32は、フレームラック1における左右の縦フレーム11、12間それぞれに設けられている。本例では、ベース板部32をカウンタ部2の天板に固定することで、フレームラック1をカウンタ部2に固定している。ベース板部32をカウンタ部2の天板に固定する方法は、ねじ等による締結、溶接等とすることができるが、特に限定されない。
【0022】
また、本例のフレームラック1は、左右方向の中間領域に設けられた柱部40を有する。柱部40は、鉛直方向に延在し、その下端部がカウンタ部2の天板に取付けられるとともに、その上端部が横フレーム12、22に取り付けられている。柱部40は、フレームラック1に対して固定してもよいし、着脱可能としてもよいし、左右方向にスライド可能としてもよい。なお、柱部40は必須の構成ではない。
【0023】
柱部40は、フレームラック1の安定性を高めるとともに、内部に空洞を設けることで、配線等の部材を配置することもできる。本例では、柱部40の前面に電力を供給可能なコンセント接続部41を設けている。このようなコンセント接続部41は、柱部40における何れの向きの側面に設けてもよいし、高さ方向の位置も限定されず、適宜変更可能である。また、柱部40の側面または内部には、例えば照明装置L等の他の器具を設けてもよいし、柱部40の側面に当該照明装置Lのスイッチを設けてもよい。
【0024】
フレームラック1を構成する縦フレーム11、21、横フレーム12、22、支持板部14、24、連結部31、ベース板部32等の各部は、金属製の板材で構成されていることが好ましい。これによれば、適度な剛性を有し、且つ、成形、加工、組立て等が容易となる。なお、フレームラック1を構成する各部材は適度な剛性を有していれば、プラスチック(樹脂)製としてもよい。また、例えば、第1フレーム部10を構成する縦フレーム11と一対の横フレーム12とを、連続した一体部材として形成してもよいし、複数の分割された板材を接続することにより形成してもよい。
【0025】
フレームラック1は、少なくとも横フレーム12、22等の一部が、磁石(マグネット)を吸着可能な鉄等の材料で構成されていることが好ましい。これによれば、後述する各種保持パーツに磁石を設けることで、フレームラック1の表面に容易に装着することができ、着脱も容易となる。また、振動または衝撃等によりフレームラック1に取り付けた保持パーツの位置がずれたり、脱落したりすることを防止することも可能となる。なお、フレームラック1自体に磁石を設けてもよい。
【0026】
また、図11に示すように、支持板部14、24の下面には照明装置Lを磁石又は接着等により取付けることができる。また、照明装置Lはフレームラック1の何れの位置に対しても着脱可能であることが好ましい。これによれば、必要に応じてフレームラック1の周囲の所望の位置を明るく照らすことができる。
【0027】
以下に、フレームラック1に取付け可能な各種の保持パーツ、及び当該保持パーツの取付け方法について説明する。フレームラック1は、後述する保持パーツを横フレーム12、22の一方に取り付けたり、両方の横フレーム12、22間に架け渡す(懸架)ようにして取り付けたりすることができる。
【0028】
図3は、保持パーツとしてのフックパーツ50をフレームラック1の横フレーム22に取り付けた状態を示している。図3に示すフックパーツ50は、横フレーム12、22に係合保持されるベース部51と、調理道具A等を吊下げ保持するフック部52とを有する。
【0029】
ベース部51は、各横フレーム12、22に対して着脱可能、且つ、当該横フレーム12、22の延在方向に沿ってスライドさせることができる。本例のベース部51には、横フレーム12、22の上端部に係合可能な上側係合部51aと、横フレーム12、22の下端部に係合可能な下側係合部51bとが設けられており、横フレーム12、22から脱落し難くなっている。
【0030】
フック部52には、例えばオタマやフライ返し、鍋、フライパン等の調理道具Aを引っ掛けて吊下げ保持することができる。調理道具Aの取っ手には孔A1もしくは切欠きが設けられており、フック部52を当該孔A1等に通して引っ掛けることができる。
【0031】
ここで、フック部52は、ベース部51に対して着脱可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、非使用時にフック部52のみを取り外すことができる。さらに、ベース部51に対してフック部52とは異なる種類のパーツを着脱可能としてもよく、これによれば、ベース部51を取り外すことなく別の機能を有するパーツに切り替えることができるので、利便性が高まる。なお、フックパーツ50の各部の形状は適宜変更可能である。また、本例では、フック部52が横フレーム12、22に対して外向きとなるように、取り付けられているが、横フレーム12、22に対して内向きに取り付け可能な構成としてもよい。
【0032】
図4は、フレームラック1の第1フレーム部10と第2フレーム部20間に架け渡すように配置された保持パーツとしてのプレートパーツ60と吊下ラックパーツ70を示している。
【0033】
プレートパーツ60は、図5にも示すように、矩形板状の載置板部61と、載置板部61の両縁部から垂下する一対の脚部62とを有する。載置板部61には開口63が設けられている。図4に示すように、フレームラック1の一対の支持板部14、24の上にそれぞれ脚部62を載せることで、前後一対の横フレーム12、22の間(内側)にプレートパーツ60を配置することができる。なお、プレートパーツ60は、フレームラック1の左右方向の何れの位置に配置してもよく、また、横フレーム12、22の延在方向に沿ってスライドさせることも可能である。プレートパーツ60の上には、食器、調味料、調理道具等を載せることができる。本例では、載置板部61の上面61aよりも横フレーム12、22(フレーム本体部13、23)の上端が上方に位置する(高くなる)ように設定しているため、載置板部61に載せた物品が前後方向に脱落するのを横フレーム12、22で防止することができる。また、本例では、プレートパーツ60全体が一対の横フレーム12、22の内側に嵌り込む構成としているため、プレートパーツ60をフレームラック1に固定しなくても、プレートパーツ60の脱落及び位置ずれを抑制することができる。
【0034】
なお、プレートパーツ60の形状は適宜変更可能であり、脚部62の上下方向長さ(高さ)を大きくして横フレーム12、22よりも上方に載置板部61の上面61aが位置するようにしてもよいし、脚部62を設けずに載置板部61のみとしてもよい。あるいは、図6に示すプレートパーツ65のように、載置板部61の奥行き長さを大きくして、横フレーム12、22よりも前後方向に突出するようにしてもよい。この場合、脚部62によって、プレートパーツ65の位置ずれを抑制することができる。また脚部62の上下方向長さは図示例より小さくても大きくてもよいし、脚部62がない構成としてもよい。
【0035】
吊下ラックパーツ70は、図4、7に示すように、矩形板状の載置板部71と、載置板部71の左右両端部からそれぞれ上方に延びる柱部72と、柱部72の上端部に連なり、それぞれ外側に延びるフランジ部73とを有する。載置板部71における前後両端部には、上方に延びる柵部74が設けられている。また載置板部71には開口75が設けられている。
【0036】
図4に示すように、フレームラック1の一対の支持板部14、24の上に架け渡すように一対のフランジ部73を載せることで、前後一対の横フレーム12、22の間に吊下ラックパーツ70を配置することができる。なお、吊下ラックパーツ70は、連結部31が設けられていない範囲で、フレームラック1の左右方向の何れの位置に配置してもよく、また、横フレーム12、22の延在方向に沿ってスライドさせることも可能である。図4に示すように、載置板部71は、前後の横フレーム12、22の内側で、且つ、横フレーム12、22の下方に吊下げ保持される。これにより、吊下ラックパーツ70の載置板部71には、食器、調味料、調理道具等の物品を載せることができる。本例の吊下ラックパーツ70は、横フレーム12、22の上方からでも下方からでも載置板部71に物品を載せたり、物品を取出したりすることができるように構成されている。
【0037】
上述のように、プレートパーツ60、吊下ラックパーツ70等の保持パーツを利用することにより、前後のフレーム部10、20間の空間を有効に利用することができる。
【0038】
また、図4に示すように、プレートパーツ60の脚部62の間隔D1を、吊下ラックパーツ70のフランジ部73の奥行D2よりも大きくすれば、安定した状態で、プレートパーツ60と吊下ラックパーツ70をフレームラック1の左右方向の同じ位置に配置することができる。なお、吊下ラックパーツ70のフランジ部73の奥行D2を大きく設定して、フランジ部73の上方にプレートパーツ60の脚部62を載せるようにしてもよい。
【0039】
さらに、各横フレーム12、22の外側にフックパーツ50を外向きに取り付けることができ、よりフレームラック1の保持能力を高めることができる。すなわち、本実施形態のフレームラック1では、第1フレーム部10と第2フレーム部20それぞれの外側の空間と、第1フレーム部10と第2フレーム部20の間の空間とを有効に利用して保持能力(収納力)を高めることができる。また、フレームラック1の前方からも後方からも物品を載せたり取出したりすることができるので、利便性が高い。また、フレームラック1の前方(手前側)から物品を載せたり取出したりする場合には、第1フレーム部10に保持パーツを取り付け、後方(奥側)から物品を載せたり取出したりする場合には、第2フレーム部20に保持パーツを取り付けることができるので、物品を載せたり取出したりする作業が容易となる。
【0040】
図8は、保持パーツとしてのフックパーツ80を示している。フックパーツ80は、円環板状の環状部81と、環状部81の内側に連なる支持板部82と、支持板部から垂下する軸部83と、軸部83の下端部から外側に延びる一対のフック部84とを有する。
【0041】
図9に示すように、フックパーツ80は、環状部81をフレームラック1の一対の支持板部14、24の上に架け渡すように載せることで、前後一対の横フレーム12、22の間にフック部84を配置することができる。なお、フックパーツ80は、連結部31が設けられていない範囲で、フレームラック1の左右方向の何れの位置に配置してもよく、また、横フレーム12、22の延在方向に沿ってスライドさせることも可能である。各フック部84には、フライパン等の調理道具Aを引っ掛けて吊下げ保持することができる。
【0042】
本例では、環状部81が円環状となっており、フレームラック1に対してフック部84の向きが所望の向きとなるように、フックパーツ80の角度を用途に応じて変更することができる。その結果、例えばフック部84を前後方向に向けたり、左右方向に向けたりすることができ、調理道具A等を引っ掛け易くすることができる。なお、環状部81の形状は円環状に限られず、例えば、四角形の枠状としてもよい。
【0043】
また、本例では、支持板部82及びフック部84が環状部81の中心からずれた位置に配置されている。これにより、図9に実線及び二点鎖線で示すように、フック部84を、用途に応じてフレームラック1の前方側及び後方側の何れか一方側に寄せて配置することができ、利便性をさらに高めることができる。
【0044】
なお、フックパーツ80の上方に上記プレートパーツ60を配置してもよい。また、その場合、環状部81の直径(外径)が、図4に示す脚部62の間隔Dよりも小さいことが好ましく、これによれば、プレートパーツ60が一対の支持板部14、24上で安定し易く、また、フックパーツ80のスライド移動及び角度の変更が容易となる。
【0045】
図10は、保持パーツとしての本・タブレットラックパーツ90を示している。本・タブレットラックパーツ90は、横フレーム12、22に取り付けるための一対の係合部91と、一対の係合部91の間に設けられた平坦部92と、平坦部92の下端から前方に延びる底板部93と、底板部93の前端部から上方に延びる脱落防止部94とを有する。
【0046】
本・タブレットラックパーツ90は、一対の係合部91を何れかの横フレーム12、22に対して外向きに取り付けることにより、例えば料理のレシピ等が書かれた本またはタブレット等を平坦部92と底板部93に立て掛けて置くことができる。
【0047】
また、図示は省略するが、フレームラック1には、例えば、ワイングラスを吊下げ保持可能なワイングラスホルダー、上部の開口部から物品を取り出し可能な箱型のラック、板状の水跳ね防止及び目隠し機能を有するプレートパーツ、または、キッチンペーパーホルダー等を取り付けることができる。これらの保持パーツは、第1フレーム部10と第2フレーム部20の間に架け渡すように配置してもよいし、何れかのフレーム部10、20が単独で支持するようにして外向き又は内向きに取り付けてもよい。
【0048】
本実施形態のフレームラック1は、前後方向に対向配置された一対のフレーム部10、20を備え、各フレーム部10がそれぞれ一対の縦フレーム11、11、21、21と横フレーム12、22とを有している。これによれば、各フレーム部10、20の横フレーム12、22に対してそれぞれフックパーツ50等の保持パーツを吊下げられることに加えて、前後の横フレーム12、22間に架け渡すように他の保持パーツを取り付けることができるので、優れた保持能力(収納力)を発揮することができる。また、保持パーツを取り付ける位置を選択できるので、各保持パーツに吊下げたり収納したりする物品の用途に応じて、使い易い位置に保持パーツを取り付けることができる。具体的には、例えば、フレームラック1の前方側からレシピの本を見るために、本・タブレットラックパーツ90を前方側の横フレーム12に取り付けたり、フレームラック1の後方側のダイニングスペースで使用するマグカップを吊下げるために、フックパーツ50を後方側の横フレーム22に取り付けたりすることができる。また、本実施形態のフレームラック1は、一対のフレーム部10、20を前後に対向配置した簡易な構造であるため、製造や設置にかかるコストも抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態のフレームラック1においては、縦フレーム11、21及び横フレーム12、22を、基本的に金属製の板材のみで形成しているため、特に、組立てや加工が容易であり、材料費も抑えることができる。
【0050】
また、本実施形態のフレームラック1においては、フレームラック1の左右方向における同一箇所に、複数種類の保持パーツを取り付けることができるので、保持能力を格段に高めることができる。具体的には、例えば、一方の横フレーム12にフックパーツ50を取り付けるとともに他方の横フレーム22には別のフックパーツ50を取り付け、また、対向する支持板部14、24間に吊下ラックパーツ70を架け渡して配置し、さらに、吊下ラックパーツ70の上方にプレートパーツ60を配置することができる。
【0051】
また、本実施形態では、図2に示すフレームラック1の全体としての奥行D3(最大奥行)が、70mm以上、150mm以下であることが好ましく、これによれば、フレームラック1の保持能力を高めつつ、カウンタ部2等の天板上での作業を阻害しないようにすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、各支持板部14、24の奥行D4が、10mm以上、35mm以下であることが好ましく、これによれば、保持パーツを安定した状態で支持板部14、24に載せることができ、照明装置L等も支持板部14、24の下面側に取り付け易くなる。なお、支持板部14と支持板部24の奥行D4は相互に同一でなくてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、各支持板部14、24の間隔D5が、40mm以上、80mm以下であることが好ましく、これによれば、支持板部14、24間に配置される吊下ラックパーツ70等の収納量を十分に確保することができるとともに、フレームラック1の全体の奥行D3が大きくなり過ぎることを防止することができる。
【0054】
ここで、図11、12は、変形例としてのフレームラック100、200をそれぞれ示している。なお、上述した実施形態と基本的な機能が同一である部分は、図中、同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
図11に示すフレームラック100において、各横フレーム12、22は、各支持板部14、24の先端部から垂下し、フレーム本体部13、23に対向するカバー部16、26を有する構成としている。このようなカバー部16、26を設けることにより、例えば、支持板部14、24の下面に照明装置L等を取付けた場合に、当該照明装置L等をカバー部16、26で保護することができる。また、カバー部16、26を設けることで、横フレーム12、22の強度を高めることができ、変形を抑制することができる。また、横フレーム12、22の強度が高くなるため、フレームラック1及び各種保持パーツの安定性も高めることもできる。
【0056】
また、図12に側面図で示すフレームラック200のように、前後に対向する縦フレーム11、21の間隔が下方に向けて大きくなるように構成してもよい。このような構成とすることで、フレームラック200の安定性を高めることができる。また、前後に対向する横フレーム12、22の間隔が上方に向けて大きくなるようにしてもよい。すなわち、縦フレーム11、21及び横フレーム12、22はそれぞれ、鉛直方向に対して傾いていてもよい。なお、図12に示すフレームラック200は、上記のフレームラック1における連結部31及びベース板部32を有しておらず、第1フレーム部10と第2フレーム部20とが独立した構成となっているが、これに限られず、連結部31及びベース板部32の何れか、または両方を設けてもよい。
【0057】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、横フレーム12、22は、全体が水平方向に一直線状に延びている形態に限らず、少なくとも部分的に傾斜していたり、屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。
【0058】
また、縦フレーム11、21も全体が鉛直方向に一直線状に延びている形態に限らず、少なくとも部分的に傾斜していたり、屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。また、縦フレーム11、21及び横フレーム12、22の幅及び厚さも適宜変更可能であり、部分的に幅及び厚さが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、100、200:フレームラック
2:カウンタ部
3:シンク
4:調理台
5:コンロ
10:第1フレーム部(フレーム部)
11:縦フレーム
12:横フレーム
13:フレーム本体部
14:支持板部
15:鉛直板部
20:第2フレーム部(フレーム部)
21:縦フレーム
22:横フレーム
23:フレーム本体部
24:支持板部
25:鉛直板部
31:連結部
32:ベース板部
40:柱部
41:コンセント接続部
50:フックパーツ
51:ベース部
51a:上側係合部
51b:下側係合部
52:フック部
60、65:プレートパーツ
61:載置板部
62:脚部
63:開口
70:吊下ラックパーツ
71:載置板部
72:柱部
73:フランジ部
74:柵部
75:開口
80:フックパーツ
81:環状部
82:支持板部
83:軸部
84:フック部
90:本・タブレットラックパーツ
91:係合部
92:平坦部
93:底板部
94:脱落防止部
A:調理道具
A1:孔
図1
図2
図3
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図10
図11
図12