(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】板状品の搬送用ボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20230626BHJP
B65D 21/08 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B65D85/68 D
B65D21/08
(21)【出願番号】P 2019095765
(22)【出願日】2019-05-22
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】508124394
【氏名又は名称】株式会社ヤマコー
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】北川 一登
(72)【発明者】
【氏名】山崎 惠弘
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-008559(JP,A)
【文献】特開2010-208642(JP,A)
【文献】実開昭55-024249(JP,U)
【文献】特開2012-188121(JP,A)
【文献】特開2007-230612(JP,A)
【文献】特開2008-222263(JP,A)
【文献】特開2009-067421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/62-85/68
B65D 21/08
B65D 81/00-81/17
B65D 5/355
B65D 85/30-85/48
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、左側壁および前後壁を有し、上側および右側が開口した左側底部材と、底壁、右側壁および前後壁を有し、上側および左側が開口した右側底部材と、右側底部材の左側開口と左側底部材の右側開口を対向させて両底部材が重ね合わされた状態で、これら底部材上に立設され、左右方向の幅が調整自在な一または複数の周壁部材と、上壁、左側壁および前後壁を有し、下側および右側が開口した左側蓋部材と、上壁、右側壁および前後壁を有し、下側および左側が開口した右側蓋部材とを備え、右側蓋部材の左側開口と左側蓋部材の右側開口を対向させて両蓋部材が重ね合わされた状態で、これら蓋部材が前記周壁部材上に被せられ、左右方向および前後方向に掛け渡たされる外ベルトによって、全体が締め付けられるようになされており、
前記底部材の底壁上に底板が敷設され、該底板に立てて収容された板状品に掛け渡されて、板状品を底板上に固定する内ベルトを更に有する、板状品の搬送用ボックス。
【請求項2】
左右底部材および/または左右蓋部材に、それらのスライド範囲を規制するストッパ機構が設けられている、請求項1記載の板状品の搬送用ボックス。
【請求項3】
それぞれ重ね合わされた左右底部材および左右蓋部材の各前後壁内方にこれら壁と並行する保持壁が立設されて、該保持壁と前後壁との間に前記周壁部材の上下縁部分が嵌め入れられる底側溝部および蓋側溝部が形成されている、請求項1
または請求項2記載の板状品の搬送用ボックス。
【請求項4】
周壁部材が折り畳み自在な左右二部材構成であって、左側周壁部材および右側周壁部材の内部側面にそれぞれ緩衝材が取り付けられている、請求項1~
請求項3のうちのいずれか一項記載の板状品の搬送用ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型テレビや画材等の板状品その他のものの梱包搬送に用いられるボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
薄型テレビは、通常、映像を映すディスプレイと放送を受信する受信機等が一体となった板状品であって、前記ディスプレイのサイズは、通常、16インチ型程度の小型サイズから80インチを超える大型サイズのものまであり、また縦横の比率も9:16を標準として種々の比率のものが市販されている。
【0003】
そして、このような多様なサイズの薄型テレビを搬送するためのボックスには、前述した種々のサイズに対応するための構造が要求される。
【0004】
従来、薄型テレビを搬送するボックスとしては、テレビを梱包するための梱包体において、梱包対象のテレビを収納する柔軟かつ耐久性に優れた素材からなる全体がバッグ形状の外装体と、外装体の内側底部に配設され、当該外装体内に収納された梱包対象のテレビを支える底板とを有し、外装体の外面には、ベルト等の締結具および外装体部分を作業者が把持するための複数の取っ手を所定の配置で取り付けてなるものが知られている。
【0005】
また、他のテレビ搬送用ボックスとしては、底壁と、底壁周縁から立ち上がる周壁と、底壁と周壁とで囲まれる収納空間の開口を閉塞可能な頂壁とからなる収納箱本体と、該収納箱本体の収納空間内に配置され、収納物を挟み込んで固定する複数の挟持体と、挟持体間の距離を調節可能な調節手段とを有する収納箱であって、 前記調節手段が長さ調節機能を有するベルトであり、該ベルトを、前記一対の挟持体並びに該挟持体間の収納物外面等に掛け渡し、ベルトの長さを調整することで、収納物を安定的に拘束するようにしたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-175418号公報
【文献】特開2007-230612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来例のうち、前者のものは、外装体の内側底部にテレビを固定するための支持体や緩衝材が多数組み込まれる構造であったため、これら付属品の製作および組み込みに多大な手間と時間およびコストが必要となり、また前記組み込み位置の選択によって、僅かな位置調整ができるものの、前記外装体自体のサイズは変更できないため、梱包するテレビのサイズが大きく異なる場合には、一種類のものでは対応できず、複数種類のサイズが異なる外装体を準備する必要があった。
【0008】
前述した従来例のうち、後者のものは、前述した一対の挟持体の間隔を調整することによって、テレビのサイズにある程度、対応可能であるが、一対の挟持体が収容されている収納箱本体の大きさは変更できないため、前記と同様、テレビのサイズが大きく異なる場合には、対応できないという不都合があった。
【0009】
本発明の目的は、前述した種々の問題を一挙に解消することができる薄型テレビ等、板状品その他の搬送用ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、底壁、左側壁および前後壁を有し、上側および右側が開口した左側底部材と、底壁、右側壁および前後壁を有し、上側および左側が開口した右側底部材と、右側底部材の左側開口と左側底部材の右側開口を対向させて両底部材が重ね合わされた状態で、これら底部材上に立設され、左右方向の幅が調整自在な一または複数の周壁部材と、上壁、左側壁および前後壁を有し、下側および右側が開口した左側蓋部材と、上壁、右側壁および前後壁を有し、下側および左側が開口した右側蓋部材とを備え、右側蓋部材の左側開口と左側蓋部材の右側開口を対向させて両蓋部材が重ね合わされた状態で、これら蓋部材が前記周壁部材上に被せられ、左右方向および前後方向に掛け渡たされる外ベルトによって、全体が締め付けられるようになされており、前記底部材の底壁上に底板が敷設され、該底板に立てて収容された板状品に掛け渡されて、板状品を底板上に固定する内ベルトを更に有する板状品の搬送用ボックスである。
【0011】
本発明の搬送用ボックスが使用される板状品としては、種々のものが対象となり、前述した薄型テレビやパソコンのモニター、或はガラス扉、絵画といった広範囲のものが含まれ、また更に、このような板状品以外の物品を収納することもできる。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の板状品の搬送用ボックスについて、左右底部材および/または左右蓋部材に、それらのスライド範囲を規制するストッパ機構が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載の板状品の搬送用ボックスについて、それぞれ重ね合わされた左右底部材および左右蓋部材の各前後壁内方にこれら壁と並行する保持壁が立設されて、該保持壁と前後壁との間に前記周壁部材の上下縁部分が嵌め入れられる底側溝部および蓋側溝部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載の板状品の搬送用ボックスについて、周壁部材が折り畳み自在な左右二部材構成であって、左側周壁部材および右側周壁部材の内部側面にそれぞれ緩衝材が取り付けられているものである。
【0015】
なお、前述したいずれの搬送用ボックスも、プラスチック製段ボールやプラスチック製シート、或いは紙製段ボール等、種々の材料で構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る板状品の搬送用ボックスは、前述した通り、底壁、左側壁および前後壁を有し、上側および右側が開口した左側底部材と、底壁、右側壁および前後壁を有し、上側および左側が開口した右側底部材とで底部が構成され、また上壁、左側壁および前後壁を有し、下側および右側が開口した左側蓋部材と、上壁、右側壁および前後壁を有し、下側および左側が開口した右側蓋部材とで蓋部が構成されているため、蓋部および底部のいずれについても、左右部材の嵌め合わせ状態で、これら部材同士をスライド調整することで、左右方向の長さを収容する板状品のサイズに容易に対応させることができ、また前述した通り、周壁部材についても同様であるため、従来のように、収容する薄型テレビ等のサイズが種々大きく異なる場合でも、一つの当該ボックスですべて対応し得るという実用的利点を有する。
【0017】
しかも本発明の搬送用ボックスは、前述した通り、左右の底部材と左右の蓋部材および周壁部材だけでボックス本体が形成され、これらと外ベルトのみで全体が構成されるため、従来に比べて組立てし易い。
【0018】
また、左右の底部材上に立てて収容されたテレビ等の板状品に掛け渡されて、該板状品を両底部材上に固定する内ベルトを更に有する本発明の搬送用ボックスによれば、板状品の搬送時における該板状品の揺れ等の発生を簡単且つ確実に防止して搬送の安定性を更に高めることができる。
【0019】
また、本発明の搬送用ボックスについて、それぞれ重ね合わされた左右底部材および左右蓋部材における前後壁の内方に底側溝部および蓋側溝部が形成されたものは、これらに前記周壁部材の上下縁が嵌め入れられるため、周壁部材の安定性が更に高められ、周壁の水平方向の移動が強固に阻止される。
【0020】
また、底部材の底壁上に底板が敷設されている本発明の搬送用ボックスによれば、搬送作業者が当該ボックスを持ち上げた際の板状品の重量による底部の撓みが抑止され、搬送作業の効率がいっそう高められる。
【0021】
更に、周壁部材が折り畳み自在な左右二部材構成であって、左側周壁部材および右側周壁部材の内部側面に緩衝材が取り付けられている本発明の搬送用ボックスによれば、折り畳み自在な周壁部材によって、板状品が囲まれ、またその両縁部に前記緩衝材が当接することで板状品の安定性と形態保持性がいっそう高められる。
【0022】
また、前記各周壁部材は全て折り畳んで、底部と蓋部との間に収容して保管・移動できるため、当該ボックスの不使用時における取り扱い性や保管スペースの削減も可能となる等、種々の実用的利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る搬送用ボックスの斜視図である。
【
図2】同実施形態のボックスにおける両側底部材の最短状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2の両側底部材を若干伸ばした状態の斜視図である。
【
図4】同実施形態における底板とその上側の底側保持部材の斜視図である。
【
図5】
図4の底板と底側保持部材を底部材上に載置した状態の斜視図である。
【
図6】同実施形態のボックスにおける両側蓋部材の最短状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6の両側蓋部材を若干伸ばした状態の斜視図である。
【
図8】同実施形態のボックスにおける周壁部材の斜視図である。
【
図9】前記底板の上側の底側保持部材上に薄型テレビを固定した状態の斜視図である。
【
図10】
図9と同様の状態でのボックス側部を示す斜視図である。
【
図11】
図10の薄型テレビの一側半部を一枚の周壁部材で囲んだ状態の斜視図である。
【
図12】薄型テレビの周囲を二枚の周壁部材で完全に囲んだ状態の斜視図である。
【
図13】薄型テレビを囲んだ周壁部材上に両側蓋部材を嵌め被せた状態の斜視図である。
【
図14】不使用時に底板上の底側保持部材上に、折り畳んで状態の周壁部材を収容して内ベルトで周壁部材を固定した状態の平面図である。
【
図15】
図14の状態から両側蓋部材を装着して外ベルトで縦横方向から締め付けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を板状品としての薄型テレビの搬送用ボックスに適用した場合の実施形態について図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図1~
図8に示すように、本実施形態に係る搬送用ボックス1は、全体が横長のプラスチック製段ボールで構成され、左右一対の底部材2・3からなる底部BTと、該底部BT上に立設される左右一対の周壁部材4A・4Bからなる周壁部SWと、該周壁部SW上に嵌め被せられる左右一対の蓋部材5・6からなる蓋部CPを有する。また、搬送用ボックス1は、その全体を外方から締め付ける外ベルト7・8および当該搬送用ボックス1内に収容されるテレビTを前記底部BT上に敷設される底板15の上側に固定するための内ベルト24等を有する。
【0026】
より詳細には、
図2および
図3に示すように、搬送用ボックス1は、底壁2a、左側壁2bおよび前後壁2c・2dを有し、上側および右側が開口した左側底部材2と、底壁3a、右側壁3bおよび前後壁3c・3dを有し、上側および左側が開口した右側底部材3と、右側底部材3の左側開口と左側底部材2の右側開口を対向させて、左側底部材2上に右側底部材3が重ね合わされた状態で、これら底部材2・3上に立設される左右二枚の板状の周壁部材4A・4Bと、上壁5a、左側壁5bおよび前後壁5c・5dを有し、下側および右側が開口した左側蓋部材5と、上壁6a、右側壁6bおよび前後壁6c・6dを有し、下側および左側が開口した右側蓋部材6とを備え、右側蓋部材6の左側開口と左側蓋部材5の右側開口を対向させて、右側蓋部材6の下面に左側蓋部材5が重ね合わされた状態で、これら蓋部材5・6が前記周壁部材4A・4B上に被せられ、左右方向および前後方向に架け渡たされた外ベルト7・8によって、当該搬送用ボックス1全体が締め付けられるようになされている。
【0027】
右側底部材3の前後壁3c・3dには、左側底部材2の前後壁2c・2d内面に対向して設けられた方形板状のストッパ11に係止される凹形切欠き12がそれぞれ形成されることで、左側底部材2上を摺動する右側底部材3のスライド範囲が規制される。具体的には、右側底部材3が左側底部材2の真上に完全に重ね合わさった状態でストッパ11の一端11aに前記凹形切欠き12の一端縁12aが当接し、ストッパ11の他端11bに凹形切欠き12の他端縁12bが当接することで、左側底部材2上を摺動する右側底部材3の最大伸長が規制されるようになされている。
【0028】
また、
図4および
図5に示すように、右側底部材3の底壁3aの上面には、そのほぼ全長にわたって断面ハニカム強化構造の底板15が載置され、更に該底板15上には、断面凹形であって左右方向に伸びる底側保持部材16が固着されており、その前後の保持壁17と当該右側底部材3の前後壁3c・3dとの間に前記周壁部材4A・4Bの下縁部分を保持する底側溝部14が形成されている。
【0029】
この他、
図1~
図3に示すように、左側底部材2の左側壁2bおよび右側底部材3の右側壁3bにはそれぞれ前後方向に間隔をあけて一対の手挿入用取っ手21が設けられ、また左側底部材2の左側壁2bおよび右側底部材3の右側壁3bの中央下部には左右方向の前記外ベルト7が挿通されるベルトホルダー22がリベットRで固定され、また、左側底部材2の前後壁2c・2dの外面先端寄り部分には前後方向の前記外ベルト8が挿通されるベルトホルダー23がリベットRで固定されている。
【0030】
更に、
図4および
図5に示すように。右側底部材3の底壁3a上に載置された底板15の両端寄り部分には該底板15上の底側保持部材16上に載置されるテレビTを固定するための二本の内ベルト24が挿通状に取り付けられ、内ベルト24にはテレビTの上縁に当接される板状のパット状の緩衝材25が挿通されている。
【0031】
図6および
図7に示すように、左側蓋部材5の前後壁5c・5dには、右側蓋部材6の前後壁6c・6dの内面に対向して設けられた方形板状のストッパ31に係止される凹形切欠き32がそれぞれ形成されて、右側蓋部材6上を摺動する左側蓋部材5のスライド範囲が規制される。具体的には、左側蓋部材5が右側蓋部材5の真上に完全に重ね合わさった状態でストッパ31の一端31aに凹形切欠き32の一端縁32aが当接し、またストッパ31の他端31bに凹形切欠き32の他端縁32bが当接することで、右側蓋部材6上を摺動する左側蓋部材5の最大伸長が規制されるようになされている。
【0032】
また、左側蓋部材5の上壁5aの上面における先端寄り部分には、断面凹形であって左右方向に伸びる蓋側保持部材33が固着されており、その前後の保持壁34と当該左側蓋部材5の前後壁5c・5dとの間に前記周壁部材4A・4Bの上縁部分が嵌め入れられる蓋側溝部35が形成されている。
【0033】
図8に示すように、板状の周壁部材4A・4Bは、左右一対のものであって、いずれも側壁部4aと前後壁部4bとで構成され、所定の折曲線4cによって、折り畳み自在となされており、また前記側壁部4aの内面にはテレビTの側部に当接する板状の緩衝材36が固着されている。そして、これら周壁部材4A・4Bの上下縁部分は、前述した通り、対応する底側溝部14と蓋側溝部35内に嵌め入れられて当該周壁部材4A・4Bの立設状態が維持されるようになされている。
【0034】
次に、
図1、
図9~
図13に示すように、本実施形態に係る搬送用ボックス1の使用方法について説明すると、底部BTを構成する右側底部材3の底壁3a上の底板15上面に固着された底側保持部材16上にテレビTを立てた状態で入れ、該テレビTに二本の内ベルト24を掛けて締め付けることで、テレビTを右側底部材3上に固定する(
図9、
図10)。また、この際、前記各内ベルト24に挿通されているパット状の緩衝材25をテレビTの上縁に当接させることで、テレビTの安定性が高められる。
【0035】
次に、該テレビTの左右長に対応するように、左側底部材2に対する右側底部材3のスライド位置を調整する。
【0036】
その後、
図11および
図12に示すように、前述した左右二枚の周壁部材4A・4Bを、それらの開口が対向した状態で各下縁部分を、前記底側溝部14に嵌め入れて、テレビTの周囲を二枚の周壁部材4A・4Bで囲むことにより、周壁部SWを構築する。
【0037】
次に、
図13に示すように、前記周壁部材4A・4Bの上方から蓋部CPとなる前記蓋部材5・6を被せると共に、これら蓋部材5・6の蓋側溝部35に前記周壁部材4A・4Bの各上縁部分を嵌め入れることで該周壁部材4A・4B上に蓋部材5・6を装着する。
【0038】
その後、
図1に示すように、前記外ベルト7・8を当該搬送ボックス1の前後左右に掛け渡して左右底部材2・3からなる底部BT、周壁部材4A・4Bからなる周壁部SWおよび左右蓋部材5・6で構成される蓋部CPを締め付けることで、最終的にテレビTが当該搬送用ボックス1内に安定的に梱包・収容された状態となる。
【0039】
また、
図14および
図15に示すように、当該搬送ボックス1を使用しないときには、右側底部材3内に敷設されている底板15上の底側保持部材16上に、折曲線4cで折り畳み状態とした二枚の周壁部材4A・4Bを積み重ねて内ベルト24で底側保持部材16上に固定した後、蓋部材5・6からなる蓋部CPを被せた上、前後方向の外ベルト7・8を掛けて締め付けることで、全体が収縮状態の当該搬送ボックス1を小さく纏めておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る搬送用ボックスは、前述した通り、薄型テレビやパーソナルコンピュータのモニター等の板状品について、それらの種々のサイズに広範囲に対応して収容可能であり、また組立も保管も容易であるため、幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0041】
1 搬送用ボックス
BT 底部
SW 周壁部
CP 蓋部
2 左側底部材
2a 左側底部材の底壁
2b 左側底部材の左側壁
2c 左側底部材の前壁
2d 左側底部材の後壁
3 右側底部材
3a 右側底部材の底壁
3b 右側底部材の右側壁
3c 右側底部材の前壁
3d 右側底部材の後壁
4A・4B 周壁部材
5 左側蓋部材
5a 左側蓋部材の底壁
5b 左側蓋部材の左側壁
5c 左側蓋部材の前壁
5d 左側蓋部材の後壁
6 右側蓋部材
6a 右側蓋部材の底壁
6b 右側蓋部材の左側壁
6c 右側蓋部材の前壁
6d 右側蓋部材の後壁
7・8 外ベルト