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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20230626BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20230626BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230626BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/30 567
H01L21/68 N
C23C16/46
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021205651
(22)【出願日】2021-12-20
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390031037
【氏名又は名称】日本フェンオール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-204826(JP,A)
【文献】特開2009-111343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/027
H01L 21/67-21/683
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205
H01L 21/30
H01L 21/365
H01L 21/46
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを加熱処理する加熱装置であって、
前記ウェハを載置するフェイスプレートと、
前記フェイスプレートの下方に配置されるヒータと、
前記ヒータの下方に配置されて前記フェイスプレートに対して固定され、前記ヒータを前記フェイスプレートの下面との間に挟持するアンダープレートと、
複数のガス噴出口を上面に有し、前記アンダープレートから下方へ離間した位置に配置されて前記アンダープレートに下方から対向し、前記フェイスプレートを下方から支持するベースプレートと、
前記複数のガス噴出口へガスを供給するガス供給手段と、を備え、
前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記アンダープレートへ向かって開口し、
前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートの下面へ向かって噴出され、前記アンダープレートを介して前記フェイスプレートを冷却する
ことを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記ベースプレートの内部には、前記複数のガス噴出口へ連通するガス流通路が区画され、
前記ガス供給手段は、前記ベースプレートの前記ガス流通路を介して前記複数のガス噴出口へガスを供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記アンダープレートは、円形状に形成され、
前記ベースプレートは、前記アンダープレートの径方向内側の領域に対向する中央領域と、前記中央領域の径方向外側に位置して前記アンダープレートの径方向外側の領域に対向する外周領域とを有し、
前記ベースプレートの前記中央領域には、ガス排出口が形成され、
前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記ベースプレートの前記外周領域に配置される外側ガス噴出口を含み、
前記外側ガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートの径方向内側へ向かって噴出され、前記ガス排出口から前記ベースプレートよりも下方へ排出される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記ベースプレートの前記外側ガス噴出口は、前記中央領域を囲むように、周方向に互いに離間した状態で複数配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記ベースプレートの前記中央領域に配置される内側ガス噴出口を含み、
前記ベースプレートに対する前記内側ガス噴出口からのガスの噴出方向の角度は、前記ベースプレートに対する前記外側ガス噴出口からのガスの噴出方向の角度とは異なる角度に設定される
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記内側ガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートに直交する方向に噴出される
ことを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェハを加熱処理する加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」)という)に対して加熱処理を行うための熱処理装置が記載されている。熱処理装置の筐体内には、加熱モジュールが設置されている。加熱モジュールの加熱ユニットは、サポートリング、ボトムプレート、整流板、管状部材である降温パージリング、及び加熱板であるフェースプレートが下側からこの順番で積層された構成となっている。フェースプレートは、例えばアルミニウム、ステンレス、銅合金等の金属からなっている。ボトムプレートの中央部には、ガス排出口が形成されており、ガス排出口よりも外側には、円柱状の支持部材が設けられている。また、ボトムプレートの外周縁には、熱板支持部が設けられている。ボトムプレートの支持部材の上方には、整流板が設置されている。整流板の上面の外周縁には、管状の降温パージリングが設置されている。降温パージリングの内部には、周方向に亘って空洞のガス流路が形成されている。降温パージリングの内周側には、周方向に亘って多数個のガス吐出孔がガス流路に連通するように形成されている。ボトムプレートの熱板支持部上には、フェースプレートの周縁部が支持されており、固定部材によりこのフェースプレートがボトムプレートに固定されている。フェースプレートの下面には、ウェハを加熱するためのヒータが設けられている。
【0003】
ウェハを加熱した後の昇温したフェースプレートを降温させる際には、冷却ガスを降温パージリングに供給する。冷却ガスは、降温パージリング内のガス流路を周方向に通流していき、多数のガス吐出孔から降温パージリングの中心に向かって吹き出していく。冷却ガスは、フェースプレートの下面に衝突し、整流板に規制されながらフェースプレートの下面に沿って外周側から内周側に流れていき、ガス排出口から下側に通流していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-111343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フェイスプレートの温度を所望の温度へ昇降させるための時間は、半導体デバイスの製造効率の観点から、短い方が好ましい。フェイスプレートの昇降温の時間を短くするためには、フェイスプレートを薄肉化してフェイスプレートの熱容量を低くすることが考えられる。しかし、フェイスプレートの熱容量を低くするためにフェイスプレートを薄肉化すると、温度変化によってフェイスプレートが変形し易くなってしまうので、フェイスプレートの変形に伴ってヒータがフェイスプレートから剥がれてしまうおそれがある。
【0006】
また、フェイスプレートを早期に冷却するための構成をフェイスプレートの下方に設けると、加熱装置が高さ方向に大型化してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本開示は、フェイスプレートの昇降温の時間を短くすることができ、かつ高さ方向への大型化を抑えることが可能な加熱装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ウェハを加熱処理する加熱装置であって、前記ウェハを載置するフェイスプレートと、前記フェイスプレートの下方に配置されるヒータと、前記ヒータの下方に配置されて前記フェイスプレートに対して固定され、前記ヒータを前記フェイスプレートの下面との間に挟持するアンダープレートと、複数のガス噴出口を上面に有し、前記アンダープレートから下方へ離間した位置に配置されて前記アンダープレートに下方から対向し、前記フェイスプレートを下方から支持するベースプレートと、前記複数のガス噴出口へガスを供給するガス供給手段と、を備え、前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記アンダープレートへ向かって開口し、前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートの下面へ向かって噴出される。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の加熱装置であって、前記ベースプレートの内部には、前記複数のガス噴出口へ連通するガス流通路が区画され、前記ガス供給手段は、前記ベースプレートの前記ガス流通路を介して前記複数のガス噴出口へガスを供給する。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の加熱装置であって、前記アンダープレートは、円形状に形成され、前記ベースプレートは、前記アンダープレートの径方向内側の領域に対向する中央領域と、前記中央領域の径方向外側に位置して前記アンダープレートの径方向外側の領域に対向する外周領域とを有し、前記ベースプレートの前記中央領域には、ガス排出口が形成され、前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記ベースプレートの前記外周領域に配置される外側ガス噴出口を含み、前記外側ガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートの径方向内側へ向かって噴出され、前記ガス排出口から前記ベースプレートよりも下方へ排出される。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の加熱装置であって、前記ベースプレートの前記外側ガス噴出口は、前記中央領域を囲むように、周方向に互いに離間した状態で複数配置される。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第3の態様又は上記第4の態様の加熱装置であって、前記ベースプレートの前記複数のガス噴出口は、前記ベースプレートの前記中央領域に配置される内側ガス噴出口を含み、前記ベースプレートに対する前記内側ガス噴出口からのガスの噴出方向の角度は、前記ベースプレートに対する前記外側ガス噴出口からのガスの噴出方向の角度とは異なる角度に設定される。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様の加熱装置であって、前記内側ガス噴出口から噴出されるガスは、前記アンダープレートに直交する方向に噴出される。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、フェイスプレートの昇降温の時間を短くすることができ、かつ加熱装置の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る加熱装置の概略的な側面図である。
図2図1の加熱装置をII方向から視た平面図である。
図3図2のIII-III矢視断面図である。
図4】ベースプレートの上面図である。
図5】ベースプレートの下面図である。
図6図4のVI-VI矢視断面図である。
図7図4のVII-VII矢視断面図である。
図8図4のVIII-VIII矢視断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る加熱装置のベースプレートの上面図である。
図10図9のX-X矢視断面図である。
図11図9のXI-XI矢視断面図である。
図12図9のXII-XII矢視断面図である。
図13図9のXIII-XIII矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱装置10の概略的な側面図である。図2は、図1の加熱装置10をII方向から視た平面図である。図3は、図2のIII-III矢視断面図である。図4は、ベースプレート14の上面図である。図5は、ベースプレート14の下面図である。図6は、図4のVI-VI矢視断面図である。図7は、図4のVII-VII矢視断面図である。図8は、図4のVIII-VIII矢視断面図である。なお、図5図8の矢印は、ガスの流通方向を示す。
【0018】
本発明の第1実施形態に係る加熱装置10は、例えば、基板(半導体ウェハW(以下、単に「ウェハW」という。))の表面に酸化膜や窒化膜を形成する際に使用される装置であって、ウェハWを所望の温度に加熱可能に構成される。
【0019】
図1図5に示すように、加熱装置10は、ウェハWが載置されるフェイスプレート11と、フェイスプレート11の下方に配置されるヒータ12と、ヒータ12をフェイスプレート11の下面との間に挟持するアンダープレート13と、フェイスプレート11を下方から支持するベースプレート14と、ガス供給手段33とを備える。
【0020】
フェイスプレート11は、ウェハWを載置するための金属製(例えば、アルミニウム製など)のプレートであって、上下方向と交叉する板状に形成される。本実施形態では、フェイスプレート11は、円板状(円形状の板状)に形成される。フェイスプレート11の直径は、例えば、300Φ以上に設定され、フェイスプレート11の厚さは、例えば、3mm程度に設定される。フェイスプレート11の表面には、ニッケルめっき処理や硬質アルマイト処理等の加工が施されてもよく、本実施形態ではニッケルめっき処理が施される。
【0021】
ヒータ12は、フェイスプレート11を介してウェハWを加熱するためのヒータ12であって、薄いフィルム状に形成される。例えば、ヒータ12は、薄板状の金属で構成される回路を、ポリイミド樹脂製のフィルム間に挟み込んで形成される。ヒータ12は、フェイスプレート11の下面に沿って配置される。
【0022】
アンダープレート13は、ウェハWの下面との間にヒータ12を挟持するための金属製(例えば、アルミニウム製など)のプレートであって、上下方向と交叉する板状に形成され、ヒータ12の下方に配置される。本実施形態では、アンダープレート13は、フェイスプレート11よりも僅かに小径の円板状(円形状の板状)に形成される。アンダープレート13の厚さは、例えば、1mmに設定される。アンダープレート13の下面13aは、凹凸のない平面状に形成される。本実施形態では、アンダープレート13の下面13aは、特別な表面処理はされていないアルミ素地である。アンダープレート13は、ウェハWの下面との間にヒータ12を挟んだ状態で、フェイスプレート11に対して後述する複数の支持部材16等によって固定される。
【0023】
図4図8に示すように、ベースプレート14は、フェイスプレート11を下方から支持するための金属製の板状部材であって、上下方向と交叉する板状に形成される。ベースプレート14は、アンダープレート13から下方へ離間した位置に配置され、アンダープレート13に対して下方から対向する。ベースプレート14は、複数の支持部材16及び後述する複数の平面調節機構19によって、フェイスプレート11を下方から支持する。
【0024】
ベースプレート14は、アンダープレート13の径方向内側(中心側)の領域に対向する中央領域14aと、中央領域14aの径方向外側に位置してアンダープレート13の径方向外側の領域に対向する外周領域14bとを有する。本実施形態では、ベースプレート14の中央領域14aは、ベースプレート14の略半分の径を有する円形状の領域であり、外周領域14bは、中央領域14aの径方向外側のドーナツ形状の領域である。ベースプレート14の中央領域14aには、後述するガス噴出口20a,20bから噴出されるガスをベースプレート14よりも下方へ排出するためのガス排出口32(本実施形態では、2つのガス排出口32)が形成される。2つのガス排出口32は、ベースプレート14の周方向に並んで配置される。
【0025】
複数の支持部材16(図3には1つの支持部材16が図示されている。)は、フェイスプレート11をベースプレート14から支持するための部材であって、上下方向に延びる柱状に形成される。複数の支持部材16は、ベースプレート14の径方向の外側の外周縁部に、周方向に互いに離間して配置される。複数の支持部材16は、下端側がベースプレート14に固定され、上端側がフェイスプレート11に対して固定される。
【0026】
複数の支持部材16よりも径方向内側のベースプレート14には、フェイスプレート11の平面度を調節可能な複数の平面調節機構19(図3には1組の平面調節機構19が図示されている。)が設けられる。複数の平面調節機構19は、ベースプレート14とアンダープレート13との間に配置される。各平面調節機構19は、フェイスプレート11の所定の位置をベースプレート14側(下方)へ引き込み可能な引き込み部材19aと、フェイスプレート11の所定の位置を上方へ押し上げ可能な押上部19bとによって構成される。引き込み部材19aと押上部19bとは互いに近傍に配置される。
【0027】
図4図8に示すように、本実施形態のベースプレート14は、ベースプレート本体22と、ベースプレート本体22に固定される第1エアープレート23と、ベースプレート本体22に固定される第2エアープレート24とを有する。
【0028】
ベースプレート本体22は、ベースプレート14の形状を構成する。すなわち、ベースプレート本体22は、上下方向と交叉する円板状(円形状の板状)に形成され、アンダープレート13から下方へ離間した位置に配置され、アンダープレート13に対して下方から対向する。
【0029】
ベースプレート本体22には、上面から下方へ凹む凹部25が形成される。凹部25の内側には、ガス(本実施形態では、エアー)の流路26(以下、「ガス流通路26」という。)が区画される。凹部25は、ガス流通路26の下方及び上下方向と交叉する方向を区画する。ベースプレート本体22の凹部25は、ベースプレート本体22のうちベースプレート14の中央領域14aに形成される内側凹部25a(図6参照)と、ベースプレート本体22のうちベースプレート14の外周領域14bに形成される複数(本実施形態では、4つ)の外側凹部25bとを有する。内側凹部25aは、ベースプレート14の2つのガス排出口32に対してベースプレート14の周方向に並ぶ位置(図4において第1エアープレート23が固定されている位置)に形成される。すなわち、内側凹部25aと2つのガス排出口32とは、ベースプレート14の周方向に沿って並んで配置される。外側凹部25bは、ベースプレート本体22の上面から下方へ凹む状態で、上下方向と交叉する方向(主にベースプレート本体22の周方向)に延びる溝状に形成される。内側凹部25a及び各外側凹部25bの各々には、ベースプレート本体22の下面側からエアを供給するための連通孔27が設けられる。
【0030】
図4及び図6に示すように、第1エアープレート23は、ベースプレート本体22の内側凹部25a内のガス流通路26の上方を区画するプレートであって、内側凹部25aを上方から覆う状態で、ベースプレート本体22の上面に固定される。第1エアープレート23は、上下方向と交叉する板状(本実施形態では矩形板状)に形成される。第1エアープレート23は、その上面に形成される複数の内側ガス噴出口(ガス噴出口)20aと、複数の内側ガス噴出口20aから下方へ延びて第1エアープレート23を上下方向に貫通する複数の貫通孔21とを有する。すなわち、ベースプレート14は、複数の内側ガス噴出口(ガス噴出口)20aを、ベースプレート14の中央領域14aの第1エアープレート23の上面(ベースプレート14の上面)に有する。複数の内側ガス噴出口20aは、第1エアープレート23の上面から上方へ突出することなく、上方のアンダープレート13へ向かって開口する。本実施形態では、複数の内側ガス噴出口20aは、第1エアープレート23に同心円上に互いに離間して配置される。複数の内側ガス噴出口20aは、2つのガス排出口32の近傍に配置される。第1エアープレート23の複数の貫通孔21は、本実施形態では、その上方に位置するアンダープレート13に対して直交する方向に直線状に延びる。すなわち、ベースプレート14の上面に対する複数の貫通孔21の傾斜角度θ1(図6参照)は、90度に設定される。これにより、内側ガス噴出口20aから上方へ噴出されるガスは、アンダープレート13に直交する方向に噴出される(図6参照)。
【0031】
図4図7、及び図8に示すように、第2エアープレート24は、ベースプレート本体22の外側凹部25b内のガス流通路26の上方を区画するプレートであって、外側凹部25bを上方から覆う状態で、ベースプレート本体22に固定される。第2エアープレート24は、上下方向と交叉する板状(本実施形態ではドーナツ板状)に形成され、ベースプレート14の外周領域14bの全域に配置されて、ベースプレート本体22の上面に固定される。すなわち、ベースプレート14の外周領域14bは、第2エアープレート24が設けられている領域であり、ベースプレート14の中央領域14aは、第2エアープレート24よりも径方向内側の領域である。第2エアープレート24は、その上面に形成される複数の外側ガス噴出口(ガス噴出口)20bと、複数の外側ガス噴出口20bから下方へ延びて第2エアープレート24を上下方向に貫通する複数の貫通孔28とを有する。すなわち、ベースプレート14は、複数の外側ガス噴出口(ガス噴出口)20bを、ベースプレート14の外周領域14bの第2エアープレート24の上面(ベースプレート14の上面)に有する。複数の外側ガス噴出口20bは、第2エアープレート24の上面から上方へ突出することなく、上方のアンダープレート13へ向かって開口する。複数の外側ガス噴出口20bは、ベースプレート14の中央領域14aを囲むように、周方向に互いに離間した状態で配置される。本実施形態では、複数の外側ガス噴出口20bは、第2エアープレート24の内周側の領域と、第2エアープレート24の外周側の領域とに周方向に並んで設けられる。第2エアープレート24の複数の貫通孔28は、本実施形態では、下方から上方の径方向内側へ向かって直線状に延びる。ベースプレート14の上面に対する複数の貫通孔28の径方向内側への傾斜角度θ2(図8参照)は、例えば、45度に設定される。これにより、外側ガス噴出口20bから噴出されるガスは、アンダープレート13の径方向内側へ向かって噴出される(図8参照)。すなわち、ベースプレート14に対する外側ガス噴出口20bからのガスの噴出方向の角度(本実施形態では、45度)は、ベースプレート14に対する内側ガス噴出口20aからのガスの噴出方向の角度(本実施形態では、90度)とは異なる角度に設定される。
【0032】
第1エアープレート23及び第2エアープレート24によって、ベースプレート本体22の内側凹部25a及び外側凹部25bを上方から覆った状態で、ベースプレート14の内部には、複数のガス噴出口20a,20bへ連通するガス流通路26が区画される。
【0033】
図4及び図5に示すように、ガス供給手段33は、ベースプレート14の複数のガス噴出口20a,20bへガス(例えば圧縮エアー)を供給するための手段である。本実施形態では、ガス供給手段33は、ガス供給源29と、複数(本実施形態では6つ)のマニホールド30a~30fと、マニホールド30a~30f同士を接続する複数(本実施形態では5つ)のエアチューブ31a~31eとを有する。複数のマニホールド30a~30fは、ベースプレート本体22の下面にそれぞれ固定される。複数のマニホールド30a~30fは、ガス供給源29に対して接続されてガス供給源29からのガスを3つの方向へ分配する分配マニホールド30aと、ベースプレート本体22の内側凹部25aへ連通する連通孔27に接続される内側マニホールド30bと、ベースプレート本体22の4つの外側凹部25bへ連通する4つの連通孔27に接続される4つの外側マニホールド30c~30fとを有する。複数のエアチューブ31a~31eは、分配マニホールド30aと内側マニホールド30bとを接続する第1エアチューブ31aと、分配マニホールド30aと第1外側マニホールド30cとを接続する第2エアチューブ31bと、第1外側マニホールド30cと第2外側マニホールド30dとを接続する第3エアチューブ31cと、分配マニホールド30aと第3外側マニホールド30eとを接続する第4エアチューブ31dと、第3外側マニホールド30eと第4外側マニホールド30fとを接続する第5エアチューブ31eとを有する。ガス供給源29から供給されるガスは、分配マニホールド30aから分配されてベースプレート本体22の内側凹部25a内及び外側凹部25b内のガス流通路26に供給され、ガス流通路26から第1エアープレート23及び第2エアープレート24の貫通孔21,28を介して内側ガス噴出口20a及び外側ガス噴出口20bからアンダープレート13の下面13aへ噴出される。すなわち、ガス供給手段33は、ベースプレート14のガス流通路26を介して複数のガス噴出口20a,20bへガスを供給する。なお、本実施形態では、ガス供給手段33を、ガス供給源29と、複数のマニホールド30a~30fと、複数のエアチューブ31a~31eとによって構成したが、これに限定されるものではなく、ガス供給手段33は、ベースプレート14のガス流通路26を介して複数のガス噴出口20a,20bへガスを供給可能であれば、他の構成であってもよい。
【0034】
次に、フェイスプレート11を冷却する際の処理の一例を説明する。先ず、ウェハWに加熱処理を施す際には、ウェハWは、上昇したピン(図示省略)に支持され、ピンの下降によってフェイスプレート11に載置されて、加熱処理が施される。加熱処理が施されたあと、ピンが再度上昇してウェハWを上昇させ、ウェハWを搬出する。次のウェハWを加熱処理するための温度が、先のウェハWを加熱処理するための温度よりも低い場合には、ガス供給手段33によって、ベースプレート14の複数のガス噴出口20a,20bからアンダープレート13の下面13aへガスを噴出し、アンダープレート13を冷却することによってフェイスプレート11を冷却する。ベースプレート14の複数のガス噴出口20a,20bから噴出されるガスによってフェイスプレート11の温度を所望の温度まで降温させたあと、次のウェハWを入れてピンの下降によって次のウェハWをフェイスプレート11に載置し、加熱処理を施す。
【0035】
上記のように構成された加熱装置10では、アンダープレート13が、ヒータ12の下方に配置されてフェイスプレート11に対して固定され、ヒータ12をフェイスプレート11の下面との間に挟持する。このため、仮にフェイスプレート11の昇降温によってフェイスプレート11が変形するとしても、フェイスプレート11の下面からのヒータ12の剥がれをアンダープレート13によって防止することができる。したがって、フェイスプレート11を薄肉化(本実施形態では3mmに薄肉化)することができるので、フェイスプレート11の熱容量を低く抑えて、フェイスプレート11を昇降温する際の時間を短くすることができる。
【0036】
また、アンダープレート13が、ヒータ12をフェイスプレート11の下面との間に挟持するので、フェイスプレート11をアンダープレート13によって補強することができ、昇降温によるフェイスプレート11の変形を抑えることができる。このため、フェイスプレート11を薄肉化しても、フェイスプレート11の変形を抑えることができるので、フェイスプレート11の薄肉化によって熱容量を低く抑えて、フェイスプレート11を昇降温する際の時間を短くすることができる。
【0037】
また、ベースプレート14は、その上面に複数のガス噴出口20a,20bを有する。このように、ガス噴出口20a,20bをベースプレート14の上面に形成しているので、ベースプレート14の上面から上方へ突出するノズル等を設ける場合とは異なり、ベースプレート14とアンダープレート13との距離を短く抑えることができる。このため、加熱装置10の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0038】
また、複数のガス噴出口20a,20bへ連通するガス流通路26は、ベースプレート14の内部に区画される。このため、ベースプレート14とは別体のガス流通路26を区画する部材を、ベースプレート14の上方又は下方に配置する場合とは異なり、加熱装置10の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0039】
また、ベースプレート14の外周領域14bに配置される外側ガス噴出口20bから噴出されるガスは、アンダープレート13の径方向内側へ向かって噴出される。このため、外側ガス噴出口20bから噴出されるガスは、アンダープレート13の中心側へ向かうので、外側ガス噴出口20bから噴出されるガスによって、フェイスプレート11の外周側のみならず、フェイスプレート11の中心側(径方向内側)の領域も、アンダープレート13を介して冷却することができる。
【0040】
また、アンダープレート13の径方向内側の領域の下方には、ベースプレート14の中央領域14aが配置され、ベースプレート14の中央領域14aには、ガス排出口32が形成されるので、外側ガス噴出口20bから噴出されたガスをベースプレート14の中央領域14aのガス排出口32から、ベースプレート14よりも下方へ効率よく排出することができる。
【0041】
また、ベースプレート14の外側ガス噴出口20bは、中央領域14aを囲むように、周方向に互いに離間した状態で複数配置されるので、配置間隔、配置数等を適切に設定することにより、アンダープレート13を介してフェイスプレート11の外周側を好適に冷却することができる。
【0042】
また、ベースプレート14の内側ガス噴出口20aは、ベースプレート14の中央領域14aに配置され、ベースプレート14に対する内側ガス噴出口20aからのガスの噴出方向の角度(本実施形態では、90度)は、ベースプレート14に対する外側ガス噴出口20bからのガスの噴出方向の角度(本実施形態では、45度)とは異なる角度に設定される。このため、ガス排出口32に対する配置位置が互いに異なる内側ガス噴出口20a及び外側ガス噴出口20bからのガスの噴出方向の角度を、ガス排出口32から効率よくガスを排出可能な角度に適切に設定することができる。
【0043】
また、ベースプレート14の内側ガス噴出口20aから噴出されるガスは、アンダープレート13に直交する方向に噴出される。内側ガス噴出口20aから噴出されてアンダープレート13に当たったガスは、その部分を中心として外側へ広がる。このため、アンダープレート13の中央部分(ベースプレート14の中央領域14aに対向する領域)を、内側ガス噴出口20aから噴出されるガスによって冷却することができる。これにより、アンダープレート13を介してフェイスプレート11の中央部分を好適に冷却することができる。
【0044】
また、ベースプレート14の内側ガス噴出口20aから噴出されるガスは、アンダープレート13に直交する方向に噴出されるので、内側ガス噴出口20aから噴出されてアンダープレート13に当たって戻ってきたガスを、内側ガス噴出口20aの近傍に設けられるガス排出口32から効率よく排出することができる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、フェイスプレート11の昇降温の時間を短くすることができ、かつ加熱装置10の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の加熱装置40は、ベースプレート41及びガス供給手段42が第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図9は、本発明の第2実施形態に係る加熱装置40のベースプレート41の上面図である。図10は、図9のX-X矢視断面図である。図11は、図9のXI-XI矢視断面図である。図12は、図9のXII-XII矢視断面図である。図13は、図9のXIII-XIII矢視断面図である。なお、図10図13の矢印は、ガスの流通方向を示す。
【0048】
本実施形態に係る加熱装置40は、ウェハWが載置されるフェイスプレート11と、フェイスプレート11の下方に配置されるヒータ12と、ヒータ12をフェイスプレート11の下面との間に挟持するアンダープレート13と、フェイスプレート11を下方から支持するベースプレート41と、ガス供給手段42とを備える。
【0049】
図9図13に示すように、ベースプレート41は、フェイスプレート11を下方から支持するための金属製の板状部材であって、上下方向と交叉する板状に形成される。ベースプレート41は、アンダープレート13から下方へ離間した位置に配置され、アンダープレート13に対して下方から対向する。ベースプレート41は、複数の支持部材16及び複数の平面調節機構19によって、フェイスプレート11を下方から支持する。
【0050】
ベースプレート41は、アンダープレート13の径方向内側(中央側)の領域に対向する中央領域41aと、中央領域41aの径方向外側に位置してアンダープレート13の径方向外側の領域に対向する外周領域41bとを有する。本実施形態では、ベースプレート41の中央領域41aは、ベースプレート41の略半分の径を有する円形状の領域であり、外周領域41bは、中央領域41aの径方向外側のドーナツ形状の領域である。ベースプレート41の中央領域41aには、ガス噴出口20a,20bから噴出されるガスをベースプレート41よりも下方へ排出するためのガス排出口32(本実施形態では、2つのガス排出口32)が形成される。
【0051】
本実施形態のベースプレート41は、ベースプレート本体43と、ベースプレート本体43に固定される第1エアープレート44と、ベースプレート本体43に固定される第2エアープレート45と第3エアープレート46を有する。
【0052】
ベースプレート本体43は、ベースプレート41の形状を構成する。すなわち、ベースプレート本体43は、上下方向と交叉する円板状(円形状の板状)に形成され、アンダープレート13から下方へ離間した位置に配置され、アンダープレート13に対して下方から対向する。
【0053】
ベースプレート本体43には、上面から下方へ凹む又は下面から上方へ凹む凹部47が形成される。凹部47の内側には、ガス流通路26が区画される。凹部47は、ベースプレート本体43のうちベースプレート41の中央領域41aに位置する領域に形成される内側凹部47aと、ベースプレート本体43のうちベースプレート41の外周領域41bに位置する領域に形成される外側凹部47bとを有する。内側凹部47aは、ベースプレート41の中央領域41aの中央部分から中央領域41aの外周縁部まで径方向外側へ延びる。内側凹部47aの径方向内端部48は、ベースプレート41の2つのガス排出口32に対してベースプレート41の周方向に並ぶ位置に配置される。内側凹部47aには、ベースプレート本体43の下面側からエアを供給するための連通孔49が設けられる。外側凹部47bは、内側凹部47aの径方向外端部50から連続して径方向外側へ延びたあと、ベースプレート本体43の周方向の両側へ分岐して、上下方向と交叉する方向(主にベースプレート本体43の周方向)に延びる。外側凹部47bは、ベースプレート41の外周領域41bの略全周域に亘って延びる。
【0054】
図11及び図12に示すように、ベースプレート本体43の凹部47は、ベースプレート本体43の上面から下方へ凹む上部領域51と、ベースプレート本体43の下面から上方へ凹む下部領域52とを有する。上部領域51と下部領域52とは上下方向に延びる接続孔53によって互いに接続されて連通している。
【0055】
図9図11に示すように、第1エアープレート44は、ベースプレート本体43の内側凹部47a内のガス流通路26の上方を区画するプレートであって、内側凹部47aの上部領域51を上方から覆う状態で、ベースプレート本体43の上面に固定される。第1エアープレート44は、上下方向と交叉する板状に形成される。第1エアープレート44は、その上面に形成される複数の内側ガス噴出口(ガス噴出口)20aと、複数の内側ガス噴出口20aから下方へ延びて第1エアープレート44を上下方向に貫通する複数の貫通孔21とを有する。すなわち、ベースプレート41は、複数の内側ガス噴出口(ガス噴出口)20aを、ベースプレート41の中央領域41aの第1エアープレート44の上面(ベースプレート41の上面)に有する。複数の内側ガス噴出口20aは、第1エアープレート44の上面から上方へ突出することなく、上方のアンダープレート13へ向かって開口する。複数の内側ガス噴出口20aは、第1エアープレート44のうち内側凹部47aの径方向内端部48を覆う位置に配置される。本実施形態では、複数の内側ガス噴出口20aは、第1エアープレート44の径方向内端部に同心円上に互いに離間して配置される。内側ガス噴出口20aから上方へ噴出されるガスは、アンダープレート13に対して直交する方向に噴出される(図10参照)。
【0056】
図9図11図13に示すように、第2エアープレート45は、ベースプレート本体43の外側凹部47b内のガス流通路26の上方を区画するプレートであって、外側凹部25bの上部領域51を上方から覆う状態で、ベースプレート本体43に固定される。第2エアープレート45は、上下方向と交叉する板状(本実施形態ではドーナツ板状)に形成され、ベースプレート本体43のうちベースプレート41の外周領域41bに位置する領域の全域に配置されて、ベースプレート本体43の上面に固定される。すなわち、ベースプレート41の外周領域41bは、第2エアープレート45が設けられている領域であり、ベースプレート41の中央領域41aは、第2エアープレート45よりも径方向内側の領域である。第2エアープレート45は、その上面に形成される複数の外側ガス噴出口20bと、複数の外側ガス噴出口20bから下方へ延びて第2エアープレート45を上下方向に貫通する複数の貫通孔28とを有する。すなわち、ベースプレート41は、複数の外側ガス噴出口(ガス噴出口)20bを、ベースプレート41の外周領域41bの第2エアープレート45の上面(ベースプレート41の上面)に有する。複数の外側ガス噴出口20bは、第2エアープレート45の上面から上方へ突出することなく、上方のアンダープレート13へ向かって開口する。複数の外側ガス噴出口20bは、ベースプレート41の中央領域41aを囲むように、周方向に互いに離間した状態で配置される。本実施形態では、複数の外側ガス噴出口20bは、第2エアープレート45の内周側の領域と、第2エアープレート45の外周側の領域とに周方向に並んで設けられる。外側ガス噴出口20bから噴出されるガスは、アンダープレート13の径方向内側へ向かって噴出される。
【0057】
図11及び図12に示すように、第3エアープレート46は、ベースプレート本体43内のガス流通路26の下方を区画するプレートであって、上下方向と交叉する板状に形成され、凹部47の下部領域52を下方から覆う状態で、ベースプレート本体43の下面に固定される。
【0058】
第1エアープレート44、第2エアープレート45、及び第3エアープレート46によって、ベースプレート本体43の内側凹部47a及び外側凹部47bを上方又は下方から覆った状態で、ベースプレート41の内部には、複数のガス噴出口20a,20bへ連通するガス流通路26が区画される。本実施形態では、全てのガス噴出口20a,20bが1つのガス流通路26に連通している。
【0059】
図9及び図10に示すように、ガス供給手段42は、ベースプレート41の複数のガス噴出口20a,20bへガス(例えばエアー)を供給するための手段である。本実施形態では、ガス供給手段42は、ガス供給源29と、1つのマニホールド54とを有する。マニホールド54は、ベースプレート本体43の内側凹部47aへ連通する連通孔49に接続された状態で、ベースプレート本体43の下面に固定される。マニホールド54は、ガス供給源29に対して接続されている。ガス供給源29から供給されるガスは、マニホールド54からベースプレート41内のガス流通路26に供給され、ガス流通路26から第1エアープレート44及び第2エアープレート45の貫通孔21,28を介して内側ガス噴出口20a及び外側ガス噴出口20bからアンダープレート13の下面13aへ噴出される。すなわち、ガス供給手段42は、ベースプレート41のガス流通路26を介して複数のガス噴出口20a,20bへガスを供給する。
【0060】
上記のように構成された加熱装置40では、上記第1実施形態と同様に、アンダープレート13が、ヒータ12の下方に配置されてフェイスプレート11に対して固定され、ヒータ12をフェイスプレート11の下面との間に挟持するので、フェイスプレート11を薄肉化して、フェイスプレート11の熱容量を低く抑えて、フェイスプレート11を昇降温する際の時間を短くすることができる。
【0061】
また、ベースプレート41は、その上面に複数のガス噴出口20a,20bを有するので、上記第1実施形態と同様に、ベースプレート41の上面から上方へ突出するノズル等を設ける場合とは異なり、ベースプレート41とアンダープレート13との距離を短く抑えることができ、加熱装置40の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0062】
また、ベースプレート本体43の凹部47は、ベースプレート本体43の上面から下方へ凹む上部領域51と、ベースプレート本体43の下面から上方へ凹む下部領域52とを有する。このため、ベースプレート本体43の上面側に凹部(上部領域51)を形成することができない領域では、ベースプレート本体43の下面側に凹部(下部領域52)を形成し、上部領域51と下部領域52とを連通させることによって、連続するガス流通路26をベースプレート41の内部に形成することができる。
【0063】
また、各ガス噴出口20a,20bへガスを分配するためのガス流通路26をベースプレート41の内部に形成するので、複数のガス流通路26をベースプレート41の上方又は下方の外部でチューブ等によって接続する場合とは異なり、ベースプレート41の厚さを抑えることができ、加熱装置40の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、フェイスプレート11の昇降温の時間を短くすることができ、かつ加熱装置40の高さ方向への大型化を抑えることができる。
【0065】
なお、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、ガスを、ベースプレート14,41の内側ガス噴出口20aから、アンダープレート13に直交する方向に噴出させたが、内側ガス噴出口20aから噴出されるガスの方向はこれに限定されるものではなく、アンダープレート13の下面13aに対して斜交する方向に噴出させてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、ベースプレート14,41に対する内側ガス噴出口20aからのガスの噴出方向の角度を、ベースプレート14,41に対する外側ガス噴出口20bからのガスの噴出方向の角度とは異なる角度に設定したが、これに限定されるものではない。例えば、ベースプレート14,41に対する内側ガス噴出口20a及び外側ガス噴出口20bからのガスの噴出方向の角度を同じ角度に設定してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、複数の内側ガス噴出口20aを、第1エアープレート23,44の上面に同心円上に配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1エアープレート23,44の上面にランダムな位置に配置してもよい。
【0068】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
10,40:加熱装置
11:フェイスプレート
12:ヒータ
13:アンダープレート
14,41:ベースプレート
14a,41a:ベースプレートの中央領域
14b,41b:ベースプレートの外周領域
20a:内側ガス噴出口(ガス噴出口)
20b:外側ガス噴出口(ガス噴出口)
26:ガス流通路
32:ガス排出口
33,42:ガス供給手段
【要約】
【課題】フェイスプレートの昇降温の時間を短くし、かつ高さ方向への大型化を抑える。
【解決手段】本開示は、ウェハを加熱処理する加熱装置10であって、ウェハを載置するフェイスプレートと、フェイスプレートの下方に配置されるヒータと、ヒータをフェイスプレートの下面との間に挟持するアンダープレートと、複数のガス噴出口20a,20bを上面に有し、アンダープレートから下方へ離間した位置に配置されてアンダープレートに下方から対向し、フェイスプレートを下方から支持するベースプレート14と、複数のガス噴出口20a,20bへガスを供給するガス供給手段33と、を備え、ベースプレート14の複数のガス噴出口20a,20bは、アンダープレートへ向かって開口し、ベースプレート14の複数のガス噴出口20a,20bから噴出されるガスは、アンダープレートの下面へ向かって噴出される。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13