(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】飲料容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/12 20060101AFI20230626BHJP
B65D 8/04 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B65D47/12 200
B65D8/04 Z
(21)【出願番号】P 2022123144
(22)【出願日】2022-08-02
【審査請求日】2022-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年7月6日~令和4年7月8日東京ビッグサイトにおいて開催された第17回国際雑貨EXPO夏で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515043956
【氏名又は名称】株式会社アトラス
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】中澤 駿
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02876113(US,A)
【文献】実開昭59-055031(JP,U)
【文献】登録実用新案第3218297(JP,U)
【文献】実開昭53-151855(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 8/04
B65D 47/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の筒状をなし、開口部と、前記開口部の内側に第1の
螺合部を有し、外側に第2の
螺合部を有する容器本体と、
前記開口部に連通する飲み口と、前記第1の
螺合部に
螺合する第3の
螺合部と、被係合部とを有する第1の部材と、
前記第2の
螺合部に
螺合する第4の
螺合部と、前記被係合部に係合して前記第1の部材が前記容器本体から離脱する方向への移動を規制する係合部とを有する第2の部材と、
を有し、
前記第1の螺合部に前記第3の螺合部が螺合し、前記第2の螺合部に前記第4の螺合部が螺合しているとき、前記係合部が前記被係合部に当接し、前記係合部と前記被係合部との当接位置が、前記第1の螺合部と前記第3の螺合部の上部に位置することを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
前記第1の部材と前記第2の部材は前記容器本体に着脱可能である請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記第1の螺合部と前記第2の螺合部が対向する請求項1に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記被係合部は、前記開口部の開口面と平行な面を備える段差部を有し、前記係合部は、前記段差部の底面および側面に当接する当接部を備える請求項1に記載の飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料容器に炭酸水を充填する装置が知られている。例えば、ベース、本体、本体支持体、トップキャップ、出口ガス駆動装置、ガス出口装置、ガス移送装置を特徴とし、さらにそれらを含む、飲料ボトルを含む、取り外し可能なフィズ注入器を備えた飲料ディスペンサーが知られている。ガス入口装置、CO2シリンダー、本体には上部開口部と下部開口部があり、片側にはドリンクボトルの切り欠きがあり、反対側にはCO2シリンダー用のコンパートメントがある。トップキャップは本体上部開口部とピンジョイントされ、本体下端はベースに固定接続されており、本体サポートは本体上部、ガス排出装置に配置されている。本体サポート上に配置され、コンパートメントの反対側にあり、CO2シリンダーと一致している。出口ガス駆動装置は上部キャップに配置され、ガス出口装置と一致している。ガス移送装置は本体サポート上に配置され、ノッチの反対側にある。ガス入口装置は本体支持体上に配置され、飲料ボトルのボトルネックはガス入口装置と取り外し可能に接続され、ガス入口装置はガス移送装置と連絡され、取り外し可能に適合され、ガス移送装置はガス排出装置と通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
環境に配慮して、洗って繰り返し使用できる飲料容器が知られている。飲料容器を繰り返し使用する場合、飲料容器の内部を洗えることが好ましい。このため、開口部を広くするために飲み口を備える部材と容器本体を別部材として着脱できるようにすることが考えられる。
【0005】
特許文献1に記載したような装置を使用して飲料容器に炭酸ガスを充填する場合、飲料容器内部に圧力がかかる。飲み口と容器本体を別部材として着脱できるようにした飲料容器に炭酸ガスを充填する場合、圧力に耐えられないと、飲み口を備える部材が炭酸ガスの充填中に変形したり、装置から外れてしまったりするという問題がある。
1つの側面では、本発明は、炭酸ガス充填中の変形や外れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示の飲料容器が提供される。この飲料容器は、有底の筒状をなし、開口部と、開口部の内側に第1の嵌合部を有し、外側に第2の嵌合部を有する容器本体と、開口部に連通する飲み口と、第1の嵌合部に嵌合する第3の嵌合部と、被係合部とを有する第1の部材と、第2の嵌合部に嵌合する第4の嵌合部と、被係合部に係合して第1の部材が容器本体から離脱する方向への移動を規制する係合部とを有する第2の部材と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
1態様では、炭酸ガス充填中の変形や外れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】実施の形態の第2の部材を説明する図である。
【
図7】炭酸ガスの排出中に飲料容器にかかる圧力を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の飲料容器を、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
以下の図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
実施の形態において単数形で表される要素は、文面で明らかに示されている場合を除き、複数形を含むものとする。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の飲料容器を示す斜視図である。
図2は、実施の形態の飲料容器の断面図である。
図3は、実施の形態の飲料容器の分解図である。
実施の形態の飲料容器10は、装置に装着して内部に炭酸ガスを充填することができる。
【0011】
図3に示すように、実施の形態の飲料容器10は、容器本体1と、第1の部材2と、第2の部材3と、キャップ4と、第1のパッキン5と、第2のパッキン6とを有している。第1の部材2および第2の部材3は、容器本体1から取外し可能である。キャップ4は、第1の部材2から取外し可能である。
容器本体1は、例えば有底の筒状をなし、保冷機能を備える真空二重壁構造である。容器本体1の構成材料としては例えばステンレス鋼等が挙げられる。
【0012】
容器本体1は、飲料を貯留する貯留部11と、貯留部11の飲料が流出する開口部12とを備えている。貯留部11の内部は鏡面構造をなし、摩擦が小さいものが好ましい。これにより、貯留部11に充填した炭酸ガスが抜けにくい。開口部12の直径は貯留部11が洗浄し易い大きさであるのが好ましく、例えば60mmである。開口部12近傍の内周(内壁)部には、第1の部材2と螺合する被螺合部13が設けられている。また、開口部12近傍の外周(外壁)部には、第2の部材3と螺合する被螺合部14が設けられている。被螺合部13は、第1の嵌合部の一例であり、被螺合部14は、第2の嵌合部の一例である。
実施の形態の螺合は、嵌合の1手段である。ここでいう嵌合は、形状が合ったもの同士をはめ合わせることにより,一方を他方の所定位置に固定することを意味する。
また、
図2に示すように、貯留部11の内部には、利用者に水位を報知する水位線15が周方向に形成されている。
第1の部材2は、開口部12に連通する開口部20と、螺合部21と、飲み口22と、段差部(被係合部)23と、当接面24と、螺合部25とを有している。
【0013】
螺合部21は、開口部20近傍の外周部に配置されている。螺合部21は、被螺合部13に螺合する。飲み口22は、螺合部21が被螺合部13に螺合したとき、開口部12に連通する。飲み口22の直径は、例えば35mmである。段差部23は、第2の部材3と係合する。当接面24は、段差部23の上方の側面に配置され、段差部23が第2の部材3と係合しているとき、第2の部材3が当接する。螺合部25は、飲み口22近傍の外周部に配置されている。螺合部25は、キャップ4と螺合する。
【0014】
第1の部材2の構成材料としては、特に限定されないが、PCT-G樹脂(グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)のような衝撃に対する強度を持ち、良好な透明性を持つものが挙げられる。
図4は、実施の形態の第2の部材を説明する図である。
第2の部材3は、第1の開口部31と、第2の開口部32と、螺合部33と、係合部34とを有している。
第1の開口部31および第2の開口部32は、第1の部材2の飲み口22が挿通する。
【0015】
螺合部33は、第2の部材3の内周部に配置されている。螺合部33は、被螺合部14に螺合する。係合部34は、螺合部33が被螺合部14に螺合したとき、段差部23に係合する。
【0016】
図3に示すように、第2の部材3は、テーパー部35を有している。テーパー部35が形成されることにより、第2の開口部32の直径よりも第1の開口部31の直径が小さくなっている。
図1に示すように、第2の部材3を第1の部材2に被せることにより、第1の部材2から第2の部材3のテーパー部35へと続く斜面が形成される。
第2の部材3は、3つの部材で形成することができる。
図5は、実施の形態の第2の部材の分解図である。
第2の部材3は、本体部3aと、抑え部3bと、リング3cとを有している。
本体部3aは、前述した第1の開口部31と第2の開口部32と螺合部33と係合部34とを有している。
【0017】
抑え部3bは、本体部3aを覆いリング3cにより抑えられて本体部3aに取り付けられている。抑え部3bが本体部3aの表面を覆うことで、第1の部材2が第2の部材3を押す力に対して第2の部材3の剛性(変形のしにくさ)を増すことができる。
リング3cは、本体部3aに固着されている。
【0018】
本体部3aの構成材料としては特に限定されないが、例えばポリプロピレン等の樹脂が挙げられる。抑え部3bの構成材料としては特に限定されないが、例えばステンレス鋼等の金属が挙げられる。リング3cの構成材料としては特に限定されないが、例えばABS樹脂等が挙げられる。なお、本実施の形態ではリング3cと抑え部3bを別個の部材としたが、これに限らずリング3cと抑え部3bを一体的に形成してもよい。
【0019】
ここで、
図2に示すように、第1の部材2が容器本体1に取り付けられているとき、段差部23は、開口部12のやや上部に位置し、開口部12の開口面と平行な面を備える。また、本体部3aは、段差部23の底面および当接面24に当接する当接部3a1(
図4参照)を備えている。
【0020】
キャップ4は、螺合部25に螺合する被螺合部41を有している。第1のパッキン5は、キャップ4の内部に配置される。第1のパッキン5は、螺合部25が被螺合部41に螺合しているとき、飲料が飲料容器10の外部に漏れ出ることを抑制する。
【0021】
第2のパッキン6は、第1の部材2の開口部20の周りを取り囲むように装着される。第2のパッキン6は、開口部20から取り外すことができる。第2のパッキン6は、螺合部21が被螺合部13に螺合しているとき、飲料が飲料容器10の外部に漏れ出ることを抑制する。
【0022】
第1のパッキン5および第2のパッキン6の構成材料としては特に限定されないが、例えばシリコーンゴム(Silicone rubber)や、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer)が挙げられる。
次に、飲料容器10の使用方法の一例を説明する。
まず、利用者は、容器本体1の水位線15まで水を入れる。
【0023】
次に、利用者は第1の部材2を容器本体1に取り付ける。そして、第2の部材3を容器本体1および第1の部材2に取り付ける。以下、キャップ4が付いていない飲料容器10を、「キャップなし飲料容器」と言う。
次に、利用者は、キャップなし飲料容器を炭酸ガス注入装置に装着する。
図6は、実施の形態の飲料注入を説明する図である。
炭酸ガス注入装置50は、取り付け部51と、パッキン52と、ガスノズル53と、スイッチボタン54とを有している。
取り付け部51は、螺合部25を支持する。
パッキン52は、取り付け部51が螺合部25を支持しているとき、容器本体1内を気密に保つ。
ガスノズル53は、炭酸ガスを容器本体1内に充填する。
スイッチボタン54は、ガスノズル53からの炭酸ガスの排出の開始および停止を切り替える。
【0024】
利用者が、キャップなし飲料容器の飲み口22を取り付け部51に取り付けスイッチボタン54をONにすることにより、ガスノズル53は、炭酸ガスを容器本体1内に排出する。
【0025】
利用者が、スイッチボタン54をOFFにすることにより、ガスノズル53からの炭酸ガスの排出が停止する。炭酸ガスの排出が停止した後に、利用者は、炭酸ガス注入装置50からキャップなし飲料容器10を取り外す。
【0026】
利用者は、キャップなし飲料容器10の飲み口22の螺合部25にキャップ4を螺合させる。これにより、容器本体1に炭酸水が充填された飲料容器10が得られる。
図7は、炭酸ガスの排出中に飲料容器にかかる圧力を説明する模式図である。
図7中、圧力の一例を矢印で示している。
【0027】
ガスノズル53が容器本体1内に炭酸ガスを排出しているとき、第1の部材2の筒状部分に対し、内部から外部方向への負荷がかかり続けている(
図7中の矢印A1~A4参照)。この負荷に対する対抗手段として下記(1)、(2)が挙げられる。
【0028】
(1)本実施の形態の飲料容器10は、容器本体1の開口部12の(外側ではなく)内側に被螺合部13と螺合する螺合部21を配置した。これにより、第1の部材2の筒状部分を容器本体1の開口部12近傍の筒状部分で抑える構造となり、第1の部材2の筒状部分の変形を抑制している。
【0029】
(2)開口部12の外側に第2の部材3を配置し、第1の開口部31近傍の内周面を、当接面24に当接するようにした。これにより、矢印A1、A2の負荷に対して対抗する強度を補強している。
【0030】
(3)螺合部21と螺合部33が対向するようにした。これにより、容器本体1の開口部12近傍の壁部を外側からも抑える構造となり、矢印A3、A4の負荷に対して対抗する強度を補強している。
【0031】
また、ガスノズル53が炭酸ガスを排出しているとき、第1の部材2の開口部20に対し、
図7中、下側から上方向への負荷がかかり続けている(
図7中の矢印A5、A6参照)。この負荷に対する対抗手段として下記(3)が挙げられる。
【0032】
(3)開口部12の外側に第2の部材3を配置し、段差部23を本体部3aで支持するようにした。これにより、開口部12の変形を抑制し、また、第1の部材2の上方向への離脱を抑制することができる。また、第2の部材3において、テーパー部35を含む本体部3aの表面を覆う抑え部3bを配置することにより、内部から外部方向への負荷に対抗する強度を補強している。従って、第1の部材2の離脱を抑制することができる。
【0033】
以上述べたように、実施の形態の飲料容器10によれば、有底の筒状をなし、開口部12と、開口部12の内側に被螺合部13を有し、外側に被螺合部14を有する容器本体1と、開口部12に連通する飲み口22と、被螺合部13に螺合する螺合部21と、段差部23とを有する第1の部材2と、被螺合部14に螺合する螺合部33と、段差部23を支持して第1の部材2が容器本体1から離脱する方向への移動を規制する係合部34とを有する第2の部材3と、を有する。従って、炭酸ガスの充填中の第1の部材2の変形や、第1の部材2が容器本体1から外れることを抑制することができる。
【0034】
また、容器本体1、第1の部材2、第2の部材3を互いに別個の部品とした。飲み口22の直径より容器本体1の開口部12の直径が大きいため、容器本体1の内部を洗いやすくなる。
【0035】
また、第1の部材2を透明な部材で形成した。これにより、ガスノズル53が炭酸ガスを排出しているときに、容器本体1の内部を視認することができるため、炭酸ガスの注入量の調整が容易である。
また、飲料容器10は、洗って繰り返し使用できるので、一度使用すると廃棄するペットボトル等に比べて、環境に配慮した容器である。
【0036】
なお、本実施の形態では、螺合により容器本体1に第1の部材2を固定した。しかし、固定方法は螺合に限定されない。また、本実施の形態では螺合により第1の部材2に第2の部材3を固定した。しかし、固定方法は螺合に限定されない。
【0037】
また、本実施の形態では第1の部材2と第2の部材3を別個の部材とした。しかし、これに限らず、第1の部材2と第2の部材3が一体的に形成されていてもよい。
【0038】
以上、本発明の飲料容器を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 容器本体
11 貯留部
12 開口部
13 被螺合部
14 被螺合部
15 水位線
2 第1の部材
20 開口部
21 螺合部
22 飲み口
23 段差部(被係合部)
24 当接面
25 螺合部
3 第2の部材
3a 本体部
3b 抑え部
3c リング
31 第1の開口部
32 第2の開口部
33 螺合部
34 係合部
35 テーパー部
36 内周面
4 キャップ
5 第1のパッキン
6 第2のパッキン
【要約】
【課題】炭酸ガス充填中の変形や外れを抑制すること。
【解決手段】有底の筒状をなし、開口部12と、開口部12の内側に被螺合部13を有し、外側に被螺合部14を有する容器本体1と、開口部12に連通する飲み口22と、被螺合部13に螺合する螺合部21と、段差部23とを有する第1の部材2と、被螺合部14に螺合する螺合部と、段差部23を支持して第1の部材2が容器本体1から離脱する方向への移動を規制する係合部34とを有する第2の部材3と、を有する。
【選択図】
図3