(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】圧入ナット-ボルトアセンブリー
(51)【国際特許分類】
F16B 37/04 20060101AFI20230626BHJP
F16B 23/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
F16B37/04 Q
F16B23/00 J
(21)【出願番号】P 2022514754
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 KR2020012570
(87)【国際公開番号】W WO2021054744
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0113932
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0113933
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520098280
【氏名又は名称】ガウリアン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GAURIAN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】(Rodeo Top Plaza,Janghang-dong)707,20-38,Mugunghwa-ro,Ilsandong-gu,Goyang-si,Gyeonggi-do 10401 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク,クヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ジュホ
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヒソン
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121800(JP,A)
【文献】実開平04-032309(JP,U)
【文献】実開昭63-089414(JP,U)
【文献】実開平02-036613(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00 - 43/02
E04B 1/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧入ナットとスタッドボルトと対向ナットとワッシャーを具備する圧入ナット-ボルトアセンブリーにおいて、
前記圧入ナットは通常のナット形態で形成されるヘッド部と、ヘッド部の両面のうちである一面でヘッド部の外径
よりも小径となる形態で形成されて締結が要求される物体である母材(M)に圧
入される圧入部を含み、前記ヘッド部と前記圧入部にはねじ山を有する中空が連続的に形成され、
前記スタッドボルトは前記圧入ナットに貫通される形態で結合される胴体部と、前記胴体部の端部に延長される形態で形成されて前記胴体部を回転させるための器具が結合されるピンテールを含み、前記胴体部は前記胴体部の長さ方向に沿って前記胴体部の外面に形成されるが、お互いに離隔されるように形成されるねじ山である第1ねじ山部と第2ねじ山部を含み、
前記対向ナットは前記スタッドボルトが貫通する物体である母材を間に置いて前記圧入ナットの反対側に配置されて前記スタッドボルトに貫通される形態で結合され、
前記ワッシャーは前記母材と前記対向ナットとの間に配置されて前記スタッドボルトが中心を貫通し、
前記ピンテールは前記胴体部の両端のうちで前記第2ねじ山部の端部に形成されることで、前記圧入ナットが前記第1ねじ山部と結合されて前記対向ナットが前記第2ねじ山部と結合され、
前記第1ねじ山部と前記第2ねじ山部はねじ山の方向がお互いに反対であること、
リング形状の部材として、母材の厚さ方向のうちで圧入部が挿入される方向の反対側から母材に圧入される圧入リングをさらに含み、
前記圧入リングは前記母材の一面が前記圧入部の圧入で変形される程度に前記母材の他面に同一な変形量を生成させ、前記母材が一面の過度な変形で捻れながらし
なることを防止させてくれることを特徴とする圧入ナット-ボルトアセンブリー。
【請求項2】
前記第1ねじ山部と前記第2ねじ山部はお互いに直径が異なることを特徴とする請求項1に記載の圧入ナット-ボルトアセンブリー。
【請求項3】
前記胴体部は両端間に外径が減少される段差が形成され、前記第1ねじ山部と前記第2ねじ山部のうちで外径が大きい方が外径が大きい部位に形成されることを特徴とする請求項2に記載の圧入ナット-ボルトアセンブリー。
【請求項4】
前記圧入ナットに形成された前記中空の内面のうちで前記ヘッド部の側にはねじ山が形成され、前記圧入部側にはねじ山がないことを特徴とする請求項1に記載の圧入ナット-ボルトアセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセンブリー用圧入ナット、圧入ナット-ボルトアセンブリー、及びこれを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法に関するものであり、工程が簡便でありながらも母材に設置過程で変形を与えないアセンブリー用圧入ナット、圧入ナット-ボルトアセンブリー、及びこれを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧入ナットは一名ペムナット(Pem nut)、クリンチングナットまたはワン-ウェイナットと称することもある。圧入ナットが使用される場合はボルトとナットの締結過程が同時になされ難い場合、すなわち、ナットが締結される位置が作業者が近付き難い所の場合である。特に、板形態の部材が母材である場合にボルトとナットの設置が必要であるが、母材の一面だけに接近可能で反対面は既に接合されたか、または作業者が近付くことが不可能な支点に向ける場合である。この場合前記母材が設置された位置に設置される前やまたは母材に接近可能な状況で母材にあらかじめ圧入で打ち込む用途で使用されるものが正に圧入ナットである。
【0003】
一般ナットを溶接接合であらかじめ母材(M)に設置することもできるが、溶接接合は溶接熱による材質の変化で脆性破壊(地震、振動)発生可能性があって、作業者の熟練度によって品質が大きく左右される。また、溶接接合には負傷及び安全性の問題があり、環境による施工上の制約とCO2発生及び火事の危険もある。
【0004】
したがって、母材が金属あるいは金属のような塑性変形が可能な部材の場合、塑性変形を利用して圧入の方法でナットが設置されることができるように
図1に示されたように圧入部2が形成されたナットが開発されたし、このようなナットを圧入ナット1または圧入ナットまたはワン-ウェイナットと称する(以下で、‘圧入ナット1’と称することにする)。
【0005】
圧入ナットは先ず、鋼板内側に圧入ナットが圧入で設置される。次に、ワンウェイボルト、高張力ワッシャー、高張力ナットが仮組立される。ところで、シャーレンチで内部ソケットはピンテールを固定させ、外部ソケットは高張力ナットを回転させる時に拗じれることによってピンテールが破断されることがある。
【0006】
通常に、圧入ナットと高張力ナットは締結過程ですべてねじ山が同一方向に形成されるので、先ず、圧入ナットを固定させた後高張力ナットを強く締めながら締結するしかなくて作業の不便さがある。したがって、一回の絞り動作で圧入ナットと高張力ナットをすべて締結させることができる構造に対する技術開発が要請される。
【0007】
圧入ナットは、
図1に示されたように一度圧入設置がなされた状態で追後にボルトが締結される時力強く固定された状態が維持されるように圧入部側面に沿って圧入方向と同一な方向にぎっしりと刃形態のスプラインが形成されたことを見られる。スプラインは回転方向の可変に対しては力強く抵抗する作用をするが、圧入ナットが抜かれる方向に対しては抵抗する作用を全然することができない。
【0008】
圧入ナットは母材に打ち込まれる瞬間力強い衝撃によって急激な塑性変形と併せて母材に脆性破壊を起こすことがある問題がある。圧入ナットは便利さと革新的な概念によって広く使用されているが、設置後堅固な設置状態の維持及び設置過程の前記問題点によってまだ技術的に補完が必要であり、施設物の安全などを考慮する時このような技術的補完はさらに切実に要請される状況である。
【0009】
圧入ナットはまた
図12に示されたように母材の厚さ方向のうちで圧入された面側の母材が圧入された部位の面積程度拡張変形が起きるが、圧入されない面側は拡張がないので、圧入された側の面は膨張される形態で変形されて圧入されない側の面は湾曲される形態で母材が撓う変形が発生されることがある問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】大韓民国登録実用新案公報第20-0250950号(公告日付け:2001.11.17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これに本発明は、圧入ナット-ボルトアセンブリーを現場で設置する工程を遂行することにおいて、従来よりさらに工程が簡便でありながらも母材に設置過程で変形を与えなくて、鋼材-コンクリート複合構造物の安全性を高めることができる圧入ナット-ボルトアセンブリーとこれを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法及び前記アセンブリー用圧入ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するための本発明は、圧入ナットとスタッドボルトと対向ナットとワッシャーを具備する圧入ナット-ボルトアセンブリーにおいて、前記圧入ナットは通常のナット形態で形成されるヘッド部と、ヘッド部の両面のうちである一面でヘッド部の外径が縮まりながら延長される形態で形成されて締結が要求される物体である母材(M)に圧入で挿入される圧入部を含み、前記ヘッド部と前記圧入部にはねじ山を有する中空が連続的に形成され、前記スタッドボルトは前記圧入ナットに貫通される形態で結合される胴体部と、前記胴体部の端部に延長される形態で形成されて前記胴体部を回転させるための器具が結合されるピンテールを含み、前記胴体部は前記胴体部の長さ方向に沿って前記胴体部の外面に形成されるがお互いに離隔されるように形成されるねじ山である第1ねじ山部と第2ねじ山部を含み、前記対向ナットは前記スタッドボルトが貫通する物体である母材を間に置いて前記圧入ナットの反対側に配置されて前記スタッドボルトに貫通される形態で結合され、前記ワッシャーは前記母材と前記対向ナットとの間に配置されて前記スタッドボルトが中心を貫通し、前記ピンテールは前記胴体部の両端のうちで前記第2ねじ山部の端部に形成されることで、前記圧入ナットが前記第1ねじ山部と結合されて前記対向ナットが前記第2ねじ山部と結合され、前記第1ねじ山部と前記第2ねじ山部はねじ山の方向がお互いに反対であることを一特徴とする。
【0013】
また本発明は、圧入ナット-ボルトアセンブリーを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法として、前記鋼材に前記スタッドボルト挿入のための穿孔をする段階と、前記鋼材の両面のうちでコンクリートが接合される面で前記穿孔がなされた部位に前記穿孔で形成されたホールと同心円を成すように前記圧入ナットを圧入する段階と、前記圧入ナットに前記スタッドボルトと前記対向ナット及び前記ワッシャーを設置する段階と、前記接合される面に前記コンクリートを打設する段階と、及び、前記コンクリートの養生前に前記スタッドボルトの設置位置を調節することで、前記第1余剰区間または前記第2余剰区間のうちで前記コンクリートに埋設された側の長さが最大になるように調節する段階と、で構成され、前記コンクリートを打設する段階と前記長さが最大になるように調節する段階の間には時間的先後がないことを異なる特徴とする。
【0014】
また本発明は、圧入ナットにおいて、多角形柱または円形柱形態の通常のナット形態で形成され、両面を貫通する中空の内面にねじ山が形成されてなされるヘッド部と、前記両面のうちである一面から前記ヘッド部が直径が減少されながら延長される形態の圧入部を含み、前記圧入部の中心には前記中空と連続される中空が形成され、前記圧入部の側面には前記圧入部の突き出方向に長く形成される板形態のスプラインが一定間隔で周りに沿って形成され、前記圧入部は端部から一定支点までの区間である先端セクターと前記一定支点から前記ヘッド部と接する支点までの区間である後端セクターでなされて、前記スプラインは前記先端セクターで前記後端セクターにかけて長さ方向に連続的に形成され、前記先端セクターは前記後端セクターとの境界から端部に行くほど直径が漸進的に減少されながら中心を向けて収斂される形態で形成されることをまた他の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に敍述された実施例による圧入ナット-ボルトアセンブリーとこれを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法及び前記アセンブリー用圧入ナットはボルトの挿入がずっと容易でありながら、スタッドボルトの場合にもヘッドが設置されたことと同一な締結強化効果があって、また、板形態の母材に圧入ナットを複数個で設置しても母材の撓め現象が防止され、スタッドボルトの中心ではなく末端を把持して回転させてもスタッドボルトの両端間に結合された複数個のナットが同時に反対方向で締められることができて、設置工程がより迅速になることによって圧入ナット-ボルトの長所が最大限目立って、鋼材とコンクリートの付着力を著しく向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書の実施例による圧入ナット-ボルトアセンブリーの分解斜視図である。
【
図3】本発明による圧入ナット-ボルトの一実施例による使用状態を示す概念図である。
【
図4】従来のピンテールを通常の工具で回転させる正面図である。
【
図5】コネクター部材の二つの実施例の正面図である。
【
図6】同じく、コネクター部材の二つの実施例の正面図である。
【
図7】(a)及び(c)は、スタッドボルトの段差21cに対する概念図である。
【
図8】(a)及び(b)は、
図7に対する補充実施例の概念図である。
【
図9】(a)及び(b)は、
図7に対する補充実施例の概念図である。
【
図10】(a)及び(b)は、通常の圧入ナットの斜視図である。
【
図11】(a)及び(b)は、
図10でねじ山一部が削除された実施例の斜視図である。
【
図12】従来の圧入ナットが設置された母材で発生される変形の概念図である。
【
図13】(a)乃至(c)は、変形防止用圧入リングの施工状態図と拡大断面図及び斜視図である。
【
図14】(a)と(b)は、従来の圧入ナットの正面図と斜視図である。
【
図15】圧入ナットの第1実施例による斜視図である。
【
図16】圧入ナットの第1実施例による正面図である。
【
図17】圧入ナットの第2実施例による斜視図である。
【
図18】(a)と(b)は、圧入ナットの第2実施例による正面図と拡大図である。
【
図19】
図17に示された第2実施例による圧入ナットの概念図である。
【
図21】同じく、
図19の状態から時間が経過した後の拡大図である。
【
図22】(a)乃至(c)は、従来のボルト溶接固定方式の施工写真と概念図である。
【
図23】(a)と(b)は、
図7の圧入ナット-ボルトアセンブリーを利用した鋼材-コンクリート構造物施工の一実施例である。
【
図25】(a)と(b)は、
図23のまた他の変形実施例に対する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付された図面を参照して本発明に対して詳しく説明する。
本実施例による締結機具セットは、
図1に示されたように、圧入ナット10と、スタッドボルト20と、対向ナット30及びワッシャー40で構成される。
【0018】
スタッドボルト20は、
図1と
図2に示されたように長く形成されて圧入ナット10に貫通される形態で結合される胴体部21と、胴体部21の長さ方向に沿って胴体部21の外面に形成されるが、お互いに離隔されるように形成されるねじ山である第1ねじ山部22と第2ねじ山部23及び、胴体部21の端部に延長される形態で形成されて胴体部21を回転させるための器具が結合されるピンテール24でなされる。
ピンテールに対する実施例は
図4乃至
図6に示されている。
【0019】
対向ナット30は
図1に示されたように通常のナットと等しい形態としてスタッドボルト20が貫通する物体である母材(M)を間に置いて圧入ナット10の反対側に配置されてスタッドボルト20に貫通される形態で結合される。
【0020】
ワッシャー40は
図1に示されたように母材(M)と対向ナット30との間に配置されてスタッドボルト20が中心を貫通する形態で結合される。ワッシャー40も通常のワッシャー40と等しい形態である。ワッシャー40は母材(M)と対向ナット30との間の相対的な可変を最大限抑制させることで、スタッドボルト20と母材(M)の結合をより堅固にさせる作用をする。
【0021】
ピンテール24は通常的にボルト回転のためのスパナのような道具がスタッドボルト20を回転させるためにスタッドボルト20を把持することができるようにスタッドボルトの端部に形成された部位である。
【0022】
図1乃至
図8による実施例で、スタッドボルト20に形成された第1ねじ山部22と第2ねじ山部23はねじ山の形態がお互いに反対方向に形成される。この場合、
図3に示されたように母材(M)に本発明による締結機具セットを結合及び組み立てさせる時スタッドボルト20をある一方向だけに回転させても母材(M)を間に置いて設置された圧入ナット10と対向ナット30はそれぞれ母材(M)に向けて近付く方向に力を受けるようになる。
【0023】
圧入ナット10は母材(M)に圧入されて固定された状態であるので、最終的にぎゅっと締める時ピンテール24を工具で把持して回転させれば、微細に対向ナット30が母材(M)に潜り込む方向に締められながら対向ナット30とワッシャー40と母材(M)の手順に圧着される。
【0024】
したがって、
図4乃至
図6による実施例ではスタッドボルト20の中心を取って回さなくてもスタッドボルト20の一側に設けられたピンテール24を回転させれば、圧入ナット10と対向ナット30が同時にお互いに向けて共に可変されて二つのナット締結が同時になされることができる。
【0025】
ところで、ピンテール24を直接工具で把持して強い力で回転させる時にはピンテール24の外面に損傷が加えられることがあるだけでなく、ピンテール24の長さに限界があって周辺施設との干渉によって施工性が低下される問題が発生されることがある。
【0026】
したがって、このような施工性低下問題改善のためにコネクター50部材がさらに設けられることができるし、コネクター50部材形態は
図5に示された形態と及び
図6に示された形態があり得る。
【0027】
図5に示されたコネクター50の一番目の実施例ではピンテール24は端部面中心に多角形のピン溝241が形成され、ピン溝241の形態に対応される突起である組み立てピン511が形成されたコネクター50部材がさらに具備され、ピン溝241に結合されたコネクター50部材の外周面を道具で把持して回転させることができる。
【0028】
図6に示されたコネクター50の二番目の実施例ではピンテール24は端部面中心に多角形の突き出ピン242が形成され、突き出ピン242の形態に対応される溝である組み立て溝521が形成されたコネクター50部材がさらに具備され、突き出ピン242に結合されたコネクター50部材の外周面を道具で把持して回転させることができる。
【0029】
図5と
図6の実施例ではすべて従来のようにスタッドボルト20の中央である胴体部21を把持して回すものではなく、側端に形成されたコネクター50を回転させることで、二つのナットが一つのスタッドボルト20に同時に締結される効果がある。したがって、周り設備によって設置に制約がある状況でも容易に設置作業が可能である。
【0030】
一方、本発明による圧入ナット-ボルトアセンブリーは、
図7乃至
図9に示されたように第1ねじ山部22と第2ねじ山部23はお互いに直径が異なるように製作されることができる。
【0031】
胴体部21は特に、両端間に直径が減少される形態の段差21cが形成され、第1ねじ山部22と第2ねじ山部23のうちで外径が大きい方のねじ山が前記段差21cを中心に直径が大きい方の胴体部21に形成されることができる。
【0032】
圧入ナット-ボルトアセンブリーは上述した構造で形成されることで、二つの効果を発揮することができる。第一は、二つの母材(M)が接合された状態でスタッドボルト20を挿入させる時二つの母材(M)との間で端部がかかって挿入が易しくない場合、直径が小さな方を挿入させれば容易に挿入が可能な効果である。
二番目は、スタッドボルト20はボルトヘッドがないにもかかわらずボルトヘッドがある場合と等しい性能を有することができる効果である。
【0033】
図7乃至
図9に示されたように段差21cを中心に胴体部の両側が区分されるとする時、第1ねじ山部22側の胴体部を第1胴体部21aと称して第2ねじ山部側23の胴体部を第2胴体部21bと称することにする。
【0034】
母材(M)が二重で重なる場合、スタッドボルト20を挿入させる時に重なった母材(M)に形成されたホールが少しだけ行き異なりもスタッドボルト20が挿入過程で母材(M)の境界面にぶつかって挿入が易しくなされることができない問題が発生されることがある。この時、
図8に示されたようにスタッドボルト20の両端の中で先に挿入される側の外径が小さい場合、すなわち、
図8を基準とする場合第1ねじ山部22より直径がさらに小さな第2ねじ山部23から母材(M)に挿入されたら易しく挿入されることができる。参照に、
図7では第2ねじ山部23の直径がさらに大きくて
図8及び
図9では第1ねじ山部22の直径がさらに大きく示されている。
【0035】
段差21cが挿入を容易にする作用とは別途で、第1胴体部21aと第2胴体部21bの境界では段差21cが形成され、段差21cがボルトヘッドと類似な作用をすることで、スタッドボルト20が設置された後端差21cが挿入される方向ではそれ以上挿入が許容されることができなくなることで、両方向可変による緩くなることが防止されることができる。
【0036】
一方、
図11の(a)及び(b)に示されたように圧入ナット10に形成された中空の内面はヘッド部の内側に対応される部位にはねじ山が形成され、圧入部120に対応される部位にはねじ山がない平らな形態の内面を有するように製作されることができる。
【0037】
従来圧入ナット1にはヘッド部3だけでなく、圧入部2の中空にも
図10の(a)及び(b)に示されたようにねじ山が連続的に形成される。この場合、圧入部2が母材(M)に圧入される過程で圧入部2が周辺に押し出した母材(M)の残留応力が再び圧入部2中心方向を向けるようになって圧入部2の中空に形成されたねじ山の変形が発生されることがある。
【0038】
したがって、
図11の(a)及び(b)に示されたように圧入部2中空の内面は、ねじ山が除去された平らに形成されることでねじ山の変形によるボルトの挿入不可能現象が防止されることがある。
図13の(a)乃至(c)には圧入リング60という追加構成が示されている。
【0039】
図12に示されたように母材(M)には圧入ナット1が一つではなくいくつかが設置されることが通常的である。ところが、
図12に示されたように圧入ナット1がいくつかが設置される場合圧入部2は母材(M)を完全に通過するものではなく、圧入部2の厚さ程度の長さだけ打ち込まれるようになる。したがって、母材(M)の厚さのうちで圧入部2が打ち込まれた部位と打ち込まれない部位の間には撓めることが発生されるしかない。何故ならば、圧入部2が打ち込まれた面側には圧入部2の面積程度拡張されて圧入されない面が湾曲される形態で変形が発生され、
図12で矢印方向と先端方向に応力が発生されるためである。
【0040】
このような現象を防止させるために
図13の(a)乃至(c)の実施例による圧入ナット-ボルトアセンブリーでは圧入部120と等しい外径を有する圧入リング60が設けられる。
【0041】
圧入リング60はリング形状の部材として、母材(M)の厚さ方向のうちで圧入部が挿入される方向の反対面に圧入され、母材(M)の一面が圧入部120の圧入で変形される程度母材(M)の他面に同一な変形量を生成させ、母材(M)の両面に同一な変形が発生され、したがって、圧入部120が圧入されながら一側面の過度な変形で捻れながら撓うことを防止させてくれて、母材(M)の全厚さにかけて応力が均一に作用される。したがって、
図13の(a)に示されたように母材(M)が圧入ナット10の反対側に撓うことが抑制され、撓め現象や捻れることが防止されることができる。
【0042】
図14乃至
図21には圧入ナット10に対する追加実施例が示される。
【0043】
圧入ナット10は
図14に示されたようにヘッド部130と圧入部120で構成される。
【0044】
ヘッド部130は多角形柱または円形柱形態の通常のナット形態で形成され、両面を貫通する中空123の内面にねじ山が形成されてなされる部材である。すなわち、ヘッド部130は
図14の(a)と(b)に示された通常の一般ナットと同一である。
【0045】
圧入部120はヘッド部130の両面のうちである一面からヘッド部130が直径が減少されながら延長される形態で突き出される突出部として、突出部の中心にはヘッド部130の中空123と連続される中空123が形成され、側面には突出部の突き出方向に長く形成される板形態のスプライン124が一定間隔でぎっしりと突出部の周りに沿って形成され、ナットとボルトの締結が要求される物体である母材(M)に圧入で挿入される。
【0046】
図15の実施例による圧入部120は端部から一定支点までの区間である先端セクター1221と前記一定支点からヘッド部130と接する支点までの区間である後端セクター1222、1223でなされる。圧入部120はその自体で一つの一体でなされた構成であるが、本発明では圧入部120の先端セクター1221と後端セクター1222、1223がお互いに異なる作用をしながら相互作用するので、先端セクター1221と後端セクター1222、1223を独立的な作用をする構成であることで定義することにする。
【0047】
圧入ナット10では特に、先端セクター1221は後端セクター1222、1223との境界から先端セクター1221の端部に行くほど直径が漸進的に減少されながら中心を向けて収斂される形態で形成される。
【0048】
先端セクター1221の形態が
図16に示されたように形成されることで、圧入部120が母材(M)に圧入される時母材(M)の抵抗が最小化されることと同時に母材(M)の塑性変形が側面に発生されることによって、圧入部120の圧入が終わる瞬間母材(M)の復元力(RF)が圧入部120の側面を圧迫し、圧入部120が従来の圧入ナット10よりさらに堅固に母材(M)に結合されることができる。
【0049】
これはクリンチングナットが圧入方向に巨視的な流線形の構造を有して、圧入方向と垂直な方向に微視的な溝が繰り返し的に現われる構造を有するようになることを意味する。このような構造のクリンチングナットを母材に圧入すれば、圧入過程で圧入方向の流線形の構造が母材に加える変形力を垂直方向に繰り返し的に形成された微視的な溝が吸収されることができる。
【0050】
すなわち、先端セクター1221の形態が
図16と
図17に示されたように端部に行くほど中心に收斂する形態で形成されることで、圧入部120が母材(M)に容易に挿入されるので、母材(M)の脆性破壊が最小化にならなければならないという要請と、母材(M)に圧入部120が挿入された後には挿入された状態が堅固に維持されなければならないという同時に達成され難いお互いに矛盾したように見える二つの要請が同時に達成されることができる。
【0051】
また、この場合先端セクター1221の直径が漸進的に減少される減少率は、後端セクター1222、1223との境界から先端セクター1221の端部に行くほど徐徐に大きくなることで、先端セクター1221の表面は
図16の形状のように長さ方向が曲面で形成される。
【0052】
したがって、前記のような形状は母材(M)に圧入される過程で圧入が容易いだけでなく、塑性変形が容易で脆性破壊が防止されながらも母材(M)に堅固に挿入されて引き出し方向に強い抵抗力を有する効果を発揮する。
【0053】
また、先端セクター1221と後端セクター1222、1223の境界は、曲面で連結されることで、結果的に母材(M)に圧入される全体区間で段差がない連続的な形態を有する。このような構成的特徴は、クリンチングナットを母材(M)に圧入する時の物理的抵抗を減らしてくれる効果がある。
【0054】
そして、
図18の(a)と(b)に示されたように先端セクター1221の水平方向幅である直径の減少が直線的に減少されるよりは曲線を描く形態で減少される場合、圧入部120が母材(M)に圧入される過程で押し出された母材(M)の部位が圧入後に圧入部120に復元力(RF)を加える時、圧入部120の先端が曲線形態で形成されることで、圧入部120の先端は復元力(RF)を均一に受ける。したがって、圧入部120のある一部位に復元力(RF)が集中されることによる変形損傷が防止されることができる。
【0055】
圧入部120のこのような変形損傷は、圧入部120中心の中空123に形成されたねじ山を捻れるようにすることができて、追後にねじ山にスタッドボルト20が結合される時に障害で作用されることができる。
【0056】
前記のような問題点が先端セクター1221が曲線形態で直径が減少される形状で形成されることで解決されるものである。
【0057】
また、先端セクター1221が端部に行くほど漸進的に直径が小くなるために母材(M)に形成された圧入穴の公差(tolerance)に易しく適応することができる。このような長所は非常に堅い建築用構造物に使用される時大きい威力を発揮する。
【0058】
後端セクター1222、1223の形態に対しては二つの実施例が提示されることができる。
【0059】
後端セクター1222、1223の形態に対する一番目の実施例は、
図15と
図16に示されたように後端セクター1222が先端セクター1221との境界からヘッド部130との境界に至るまで、すなわち、後端セクター1222の全体長さにかけて後端セクター1222の幅が一定に維持される形態である。
【0060】
この場合、後端セクター1222の幅が一定に維持されても従来の圧入ナット10と異なる点は前に説明されたように本発明では先端セクター1221の形態が一種の鐘形状と類似に中心に収斂される形態であるので、従来圧入ナット10が圧入過程で母材(M)を圧入方向を向けて押し入れることと異なり母材(M)を側面に押し出しながら圧入部120が圧入され、復元力(RF)が側面で作用するようになって、後端セクター1222の外周面を母材(M)が堅く取ってくれることで、本発明による圧入ナット10の圧入状態は堅固に維持されることができる。
【0061】
後端セクターの形態に対する二番目の実施例は、
図17及び
図18の(a)と(b)に示されたように後端セクター1223が先端セクター1221との境界からヘッド部130に行くほど徐徐に直径が減少される形態を帯びる場合である。
【0062】
この二番目の実施例での後端セクター1223の形態は、先端セクター1221の形態が引っ繰り返ったものと類似な形態である。
【0063】
後端セクター1223がこのように先端セクター1221の反対形状で形成される場合、
図18で見られるように母材(M)に後端セクター1223が挿入されれば、
図18に表示された復元領域(BA)が発生される。復元領域は圧入部120が母材(M)に挿入された後、挿入過程で瞬間的に側面で押し出された母材(M)の部位が圧入部120の圧入終了瞬間に直ちに一定程度元の位置に復元されようとする力が発生されて形成される。一度発生された復元領域(BA)は圧入された圧入ナット10が易しく抜かれないで堅固に母材(M)に圧入された状態が維持されるように抜かれる方向に対する障害物で作用される。
【0064】
より詳しい原理が
図19乃至
図21に示される。
図19は、圧入ナット10が母材(M)に圧入される過程の一瞬間が示されたものであり、
図20は
図19に表現された状況で
図19の左側部位の拡大図であり、
図21は
図20の部位が母材(M)に圧入された後の状況を示したものである。
【0065】
先端セクター1221は圧入される状況で
図20に示されたように主に母材(M)を正面と側面に押して入って行く。この時、側面に押し出される母材(M)によって母材(M)には局所的な塑性変形領域(PDA)(plastic deformation area)が発生される。塑性変形領域(PDA)の大きさは
図20に示されたよりさらに大きいか、または小さいことがある。
【0066】
但し、塑性変形領域(PDA)が形成される過程でも瞬間的な変形であるので、先端セクター1221が母材(M)を押して入って行く瞬間に発生される母材(M)の変形は一部だけ塑性変形を起こして永久変形になって、一部は完全な塑性変形を起こさないで再び元々の位置に回復しようとする復元力(RF)を有するようになる。
【0067】
完全な塑性変形を起こさない部位は、
図21のように圧入部120が完全に母材(M)に圧入された状態になった時元の位置に復帰しようとする復元力(RF)を有するようになるので、後端セクター1223形状がヘッド部130に行くほど中心に収斂される形状なら、母材(M)の立場では圧入部120が先端セクター1221と後端セクター1223の境界からますます後退される形態で入って来たものであるので、後端セクター1223の表面と圧入部120の最大直径が過ぎ去った軌跡の間空間に押し出された母材(M)が再び押し出されるようになる。
【0068】
図18と
図21で復元領域(BA)がちょうど母材(M)が再び押し出されて形成された部位である。
このように母材(M)が再び押し出されて形成された部位は、前述したように圧入部120が母材(M)から抜かれようとする力を受ける時抵抗力に作用されることができる復元領域(BA)になる。
【0069】
また、圧入が完了しながら復元領域(BA)まで形成された後には先端セクター1221と後端セクター1223との間に密着された母材(M)部位には残留応力が残って先端セクター1221と後端セクター1223の表面を圧迫させる。しかし、先端セクター1221と後端セクター1223は曲面で連結されて残留応力を均一に受けるので、圧入部120は局所的に変形が発生される可能性は最小化になるだけでなくむしろ圧入部120が母材(M)により堅固に結合される効果が発揮される。
【0070】
また、
図21に示された塑性変形領域(PDA)は圧入過程で収縮されてから圧入終了後少しの回復を経った部位であるので、激しい冷間加工を経った後現われる加工硬化現象が等しく現われる。
【0071】
加工硬化現象は金属の変形加工後に変形が発生された部位で変形の原動力になった微細電位らが絡まれるか、または集中されて電位密度が増加されることによって金属の強度が増加される金属強化器具中の一つである。
【0072】
したがって、加工硬化が発生されれば加工性は低くなるが、強度は増加されるので、圧入された圧入ナット10周りの母材(M)に要求される一番望ましい物性が現われるようになる。したがって、先端セクター1221と後端セクター1223がお互いに一体で丸い形態で形成されれば、残留応力に対する抵抗力も増加されるだけでなく、後端セクター1223とヘッド部130との間で押されて入って来て復元された変形領域の母材(M)部位は圧入過程で加えた力よりずっと大きい力で圧入ナット10を抜けばこそ変形が発生されるであろう。したがって、圧入ナット10と母材(M)の結合は極めて効果的に強化される。
【0073】
それで、圧入部120の形態を敢えてくさび形やホック形態で作らなくても圧入部120の位置は堅固に維持され、むしろ圧入部120が本発明のような先端セクター1221と後端セクター1223の形状ではなくくさび形態やホック形態で製作される場合には残留応力に脆弱な形状になって内部中空123のねじ山に捻れることが発生される恐れがある。
【0074】
そして、後端セクター1223の直径が漸進的に減少される減少率が先端セクター1221の直径が漸進的に減少される減少率より同じであるか、またはさらに大きく形成されることがある。
【0075】
特に、後端セクター1223の直径が漸進的に減少される減少率が先端セクター1221の直径が漸進的に減少される減少率よりさらに大きい場合には
図21に示されたように復元領域(BA)が後端セクター1223とヘッド部130との間の空間をすべて満たすことができないことがある。この場合、後端セクター1223とヘッド部130との間に作用される残留応力は減少されながらも復元領域(BA)によって圧入部120の位置が堅固に維持される効果がある。
【0076】
一方、
図23の(a)及び
図24の(a)に示されたようにスタッドボルト20の長さはスタッドボルト20と結合される一重以上の母材(M)の全体厚さであるグリップ領域(G)と、圧入ナット厚さ(T10)及び対向ナット厚さ(T30)と、ワッシャー厚さ(T40)をすべて合わせたものに追加的に所定長さ程度の第1余剰区間(S1)と第2余剰区間(S2)を合わせた長さで製作されることができる。
【0077】
従来には鋼材とコンクリートが接合される構造物の施工において、鋼材とコンクリートの接合力を高めるために
図22の(a)と(b)に表現されたようにスタッドボルトを溶接で鋼材に付着させた後にコンクリートを打設することで、スタッドボルトがコンクリートとの接触面積を広げることと同時に一種の鉄骨と類似な作用をする。
【0078】
ところが、
図22の(b)と(c)に示された概念図のように溶接でスタッドボルトを固定させる場合にはコンクリートの打設過程で圧力に押されて溶接部位が破損されることもあって残留応力によって養生後不時に破断されることもある。特に、養生後に破断される場合には突然の構造物の健全性低下が現われて深刻な安全事故危険が高くなることがある。
【0079】
これに対して
図23の(b)と
図24の(b)に示された実施例には第1余剰区間(S1)と第2余剰区間(S2)を置くことで、第1及び第2余剰区間(S1、S2)のうちで何れか一つは従来の溶接で設置されたボルトが遂行していたコンクリートとの付着力向上作用を遂行し、残り一つは反対側に結合された対向ナット30が易しく解けないように余裕長さで作用する。
【0080】
このようなスタッドボルトによるコンクリート付着力増大作用は、
図22の(a)の写真に現われたH形鋼やビルトアップ角形鋼管だけではなく、ERWやSAW形式の角形鋼管にも適用が可能で、各種コンクリート充電柱(CFT)でも適用されることができる。
【0081】
この時、第1余剰区間(S1)と第2余剰区間(S2)の決定、すなわち、スタッドボルト20を角形鋼管内部に、または鋼材板向こうにどの程度の長さまで挿入させるかの決定はコンクリートが養生される前なら可能であることができる。
【0082】
または、
図25に示されたような変形実施例で構成されることもできる。
図25に示されたように第1または第2余剰区間(S1、S2)の端部、すなわち、スタッドボルト20の端部にはボルトヘッド25が形成されることができるし、ボルトヘッド25はコンクリートに埋立される所に配置されることで、コンクリートとスタッドボルト20及び鋼材との接合力をさらに向上させることができる。
【0083】
圧入ナット10と対向ナット30は、
図24の(b)でのように鋼材を間に置いて設置されるものではなく、
図25に示されたようにお互いに緊密に密着されるように設置されることができる。この時、対向ナット30はスタッドボルト20がコンクリートから伝わる応力で撓う現象を防止させ、圧入ナット10は対向ナット30が傾くことを防止させてくれることで、全体的に圧入ナット-ボルトアセンブリーの設置形態が維持されるようにお互いに相互作用をするようになる。
【0084】
第1余剰区間(S1)と第2余剰区間(S2)は、
図24の(a)に示されたもののようにスタッドボルト20の両端のうちで何れか一つに形成されてお互いに対蹠点をなす。
【0085】
一方、前述された圧入ナット-ボルトアセンブリーを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法に対しては先立って記載された説明と大部分重複されるので手短に説明することにする。
【0086】
前記圧入ナット-ボルトアセンブリーを利用した鋼材-コンクリート複合構造物施工方法は、鋼材に前記スタッドボルト20挿入のための穿孔をする段階と、鋼材の両面のうちでコンクリートが接合される面で前記穿孔がなされた部位に穿孔で形成されたホールと同心円を成すように圧入ナット10を圧入する段階と、圧入ナット10にスタッドボルト20と対向ナット30及びワッシャー40を設置する段階と、前記接合される面にコンクリートを打設する段階及び、コンクリートの養生前にスタッドボルト20の設置位置を調節することで、第1余剰区間(S1)または第2余剰区間(S2)のうちでコンクリートに埋設された側の長さが最大になるように調節する段階で構成され、コンクリートを打設する段階と長さが最大になるように調節する段階の間には時間的先後はない。
【0087】
ここで、スタッドボルト20と対向ナット30及びワッシャー40を設置する段階では望ましくは、端部にボルトヘッド25が形成されたスタッドボルト20を使って、鋼材の両面のうちでコンクリートが接合される面側にボルトヘッド25が配置されるようにスタッドボルト20を設置し、対向ナット30は圧入ナット10の外面に密着されるように設置する。
【0088】
以上で表現された技術的思想は、実施例及び添付された図面によって限定されるものではなくて、前記技術的思想を脱しない範囲内でさまざまな置き換え、変形及び変更が可能であることは本技術的思想が属する技術分野で通常の知識を有した者に明白であろう。
【符号の説明】
【0089】
10 圧入ナット
20 スタッドボルト
21 胴体部
22 第1ねじ山部
23 第2ねじ山部
24 ピンテール
30 対向ナット
40 ワッシャー