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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20230626BHJP
   A61M 1/16 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A61M1/36 185
A61M1/36 111
A61M1/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018167189
(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公開番号】P2020039429
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504077308
【氏名又は名称】安斎 聡
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安斎 聡
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-059295(JP,A)
【文献】特開昭51-006396(JP,A)
【文献】国際公開第2017/084683(WO,A1)
【文献】特開2011-224434(JP,A)
【文献】特表2010-512939(JP,A)
【文献】特開2017-052739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液に注入用気体を含む微細気泡を混合する微細気泡混合装置を備え、
前記微細気泡混合装置は、血液を送る通路の中途部に配置され、注入用気体を微細気泡として放出するインライン型ユニットを備え、
前記インライン型ユニットは、前記通路に連結された内部通路と、注入用気体を圧入するための圧入手段と、前記内部通路の壁面に配置され、圧入された注入用気体を微細気泡として放出する気泡発生媒体と、を備え
前記微細気泡発生媒体は、炭素系の多孔質素材で構成され、直径数μm~数十μmの細かな孔を有し、
前記通路の中途部に連結されている内部通路において、前記気泡発生媒体から、前記注入用気体が微細気泡となって血液内に注入される治療装置。
【請求項2】
前記注入用気体は、水素、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、または亜酸化窒素のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の治療装置。
【請求項3】
前記内部通路の中途部に、余剰気体を排出するための気体排出通路を設け、
前記気体排出通路の中途部に弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療装置の技術に関し、より詳しくは、患者の動脈側から採取された血液が血液透析装置に供給され、前記血液透析装置より透析された血液が静脈側に戻される血液回路を備える治療装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腎不全を患った患者は、血液中の老廃物や余分な水分の除去を目的として人工透析を行う。人工透析は、患者の動脈側から血液を採取し、ダイアライザーにより人工膜を介して血液中の老廃物や余分な水分を透析液へ移す透析を行った後に、血液が静脈側へ戻される。
【0003】
ところで、前述した人工透析において、気体をマイクロバブルとして含んだ輸液を混合器により血液に投与して、血液に混合させることで、微細気泡の濃度が高い状態で血液中に混合する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。従来の人工透析における微細気泡混合方法においては、ターボミキサーの内部で撹拌用のブレードが回転することにより負圧を発生させ、輸液と、混合用気体とを吸引し、ブレードにより撹拌し、水素ガスを微細化すると共に、水素ガスを酸性水素気泡水に溶解させる。そして、静脈側の血液通路から当該輸液を血液に混合することにより、患者の体内へ微細気泡が混合された輸液を血管内へ注入する。
しかし、従来の方法においては、ターボミキサーの内部で撹拌用のブレードが回転することにより負圧を発生させ、輸液と、混合用気体とを吸引し、ブレードにより撹拌し、水素ガスを微細化していたため、微細気泡を血液に混合させるときに赤血球、白血球等の血液細胞を破壊するおそれがあった。また、ターボミキサーを用いて微細気泡を作成するため装置が大型化し、人工透析を行うスペースが十分に確保できない場合が有った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6189562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、以上に示したかかる課題に鑑み、人工透析を行っている間に、輸液中に微細気泡を発生させることができ、省スペース化を図ることができる治療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明においては、血液に注入用気体を含む微細気泡を混合する微細気泡混合装置を備え、
前記微細気泡混合装置は、血液を送る通路の中途部に配置され、注入用気体を微細気泡として放出するインライン型ユニットを備え、
前記インライン型ユニットは、前記通路に連結された内部通路と、注入用気体を圧入するための圧入手段と、前記内部通路の壁面に配置され、圧入された注入用気体を微細気泡として放出する気泡発生媒体と、を備え、
前記微細気泡発生媒体は、炭素系の多孔質素材で構成され、直径数μm~数十μmの細かな孔を有し、
前記通路の中途部に連結されている内部通路において、前記気泡発生媒体から、前記注入用気体が微細気泡となって血液内に注入されるものである。
【0008】
また、本発明においては、前記注入用気体は、水素、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、または亜酸化窒素のいずれかを含むものであってもよい。
【0009】
また、本発明においては、前記内部通路の中途部に、余剰気体を排出するための気体排出通路を設け、
前記気体排出通路の中途部に弁を設けたものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
本発明においては、微細気泡を血液に混合させるときに赤血球、白血球等の血液細胞を破壊せず、ストレスをかけることなく混合させることができる。また、人工透析において血液に水素等の微細気泡を混合する場合であっても、別途微細気泡発生装置を置くスペースを設ける必要が無くなるため省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る治療装置を示す概略図。
図2】本発明の一実施形態に係る微細気泡混合装置を示す概略断面図。
図3】本発明の他の実施形態に係る治療装置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0014】
まず、本発明の一実施形態にかかる治療装置1について図1を用いて説明する。
治療装置1は、患者の血液を体外に取り出し、病因物質を除去し、または、薬剤を投与し、再び患者の体内に戻す治療装置である。例えば、治療装置1は、人工透析に用いられる装置であり、血液透析装置10と、動脈側回路20Aおよび静脈側回路20Bからなる血液回路20と、を備えている。
なお、本実施形態では、治療装置は、血液透析装置を備える人工透析に用いられる装置であるが、患者の血液を体外に取り出し、病因物質を除去し、または、薬剤を投与し、再び患者の体内に戻す治療装置であれば、これに限定するものではなく、例えば、血漿交換に用いられる治療装置または心疾患等に対応するための人工心臓を用いた血液循環装置であってもよい。
血液透析装置10は、患者の動脈側から採取された血液を透析し、不純物や余分な水分を除去して患者へ戻す装置である。血液回路20は、動静脈吻合部Aの動脈側から静脈側までを連結する回路であり、動脈側から流入する不純物や余分な水分を含む血液を、血液透析装置10へと導入し、血液透析装置10から流出する不純物や余分な水分を除去した血液を、静脈側へと流出させるものである。
【0015】
次に、血液透析装置10について、詳細に説明する。
血液透析装置10は、血液ポンプ11と、ダイアライザー12と、透析液供給装置13とを備える。血液ポンプ11とダイアライザー12との間には、動脈圧モニタ15が接続されている。ダイアライザー12と、動静脈吻合部Aの静脈側との間には、静脈圧モニタ16や気泡検知器17が接続されている。
【0016】
血液ポンプ11は、動静脈吻合部Aの動脈側から血液を採取するポンプであり、電力によって駆動する。血液ポンプ11は、負圧によって血液を連続的に吸引する。これにより、動脈側から血液が採取される。
ダイアライザー12は、血液透析液と血液との濃度差を利用して、血液から不純物や余分ない水分を濾過して除去する装置である。ダイアライザー12は、筒状のケース31と、ケース31内に設けられた細い管状の透析膜の束からなる血液通路32とを備える。透析膜の内側を血液が流れ、透析膜の外側を透析液が流れるように構成されている。透析膜には無数の小さな孔が設けられており、血液通路32を通る血液中に含まれる不純物や余分な水分が前記孔を通過して透析液側へ移動する。これにより血液が濾過されて透析が行われる。
透析液供給装置13は、ダイアライザー12のケース31内に透析液を供給する装置であり、供給手段としてポンプなどの圧送手段(図示せず)を備える。
透析液のうち、不純物および余分な水分が含まれるものは濾過されて、廃液として排出される。そして、濾過された透析液は透析液供給装置13へと戻り、再び透析液供給装置13からダイアライザー12へと供給される。
【0017】
動脈圧モニタ15は、動脈側回路20Aの中途部に配置されており、動脈圧を連続的に観測する装置である。静脈圧モニタ16は、静脈側回路20Bの中途部に配置されており、静脈圧を連続的に観測する装置である。動脈圧または静脈圧が所定の値の範囲を超えていた場合には、人工透析を停止する。気泡検知器17は、血液内の大きな径を有する気泡を検知する装置である。気泡検知器17が、所定の径以上の気泡を検知した場合には、人工透析を停止する。
【0018】
次に、微細気泡混合装置50について説明する。
微細気泡混合装置50は、血液に注入用気体を含む微細気泡を混合する装置であり、治療装置1の血液回路20に配置されている。より詳細には、微細気泡混合装置50のインライン型ユニット61が、静脈側回路20Bの中途部に配置されている。注入用気体は、体内へ微細気泡として注入される気体であり、水素、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、または亜酸化窒素のいずれかを含む。
【0019】
微細気泡混合装置50は、インライン型ユニット61と、圧送手段である圧力調整器73と、キャニスタ74とを備える。
インライン型ユニット61は、ダイアライザー12と、動静脈吻合部Aの静脈側との間に配置されるユニットであり、注入用気体を微細気泡として放出するためのユニットである。
【0020】
インライン型ユニット61は、内部に管状の内部通路71を設けた円筒状の本体70と、内部通路71の壁面71Aの一部を凹状にして、その部分に設けた気泡発生媒体72とから構成される。
【0021】
本体70は、例えば、PTFEなどのフッ素樹脂(フッ化炭素樹脂)で構成されている。なお、耐熱性の合成樹脂であればフッ素樹脂に限定するものではない。
内部通路71は、本体70内に設けられた血液の通る空間であり、静脈側回路20Bに連結されている。
【0022】
気泡発生媒体72は、内部通路71の壁面71Aに配置されている。気泡発生媒体72は、内部通路71の液体である血液が流れる方向に平行となるように配置されている。また、気泡発生媒体72は、炭素系の多孔質素材で構成されており、図2に示すように、直径数μm~数十μmの細かな孔72Aを多数有している。
【0023】
炭素系の多孔質素材とは、炭素のみ若しくは炭素およびセラミックを含む複合素材であり、無機質の素材である。また、炭素系の多孔質素材の表面には、厚さ数nmの膜が形成されている。前記膜はケイ素を含む無機質の膜で形成されている。内部通路71内を液体である血液が流れる際に、導電性があり表面に無機質の膜が形成された気泡発生媒体72の内部を血液が通過することにより、気泡発生媒体を粘性力と毛細管力の比を無次元数であるキャピラリ数が低くなるため、毛細管力が勝り、直径数μm~数十μmの細かな孔72Aから微細気泡が多数発生する。
【0024】
圧力調整器73は、気泡発生媒体72内へ気体を圧送するための手段であり、圧送する気体の圧力を調整する装置である。例えば、圧力調整器73は、調整弁で構成されており、調整弁の開度を調整するための操作部と、調整弁によって調整された圧入する気体の圧力を表示する表示部が設けられている。圧力調整器73は、調整弁の開度を調整することにより、圧入する気体の圧力を調整する。
【0025】
キャニスタ74は、圧縮された気体が貯蔵される容器であり、圧力調整器73を介して気泡発生媒体と連結されている。キャニスタ74内の気体には、予圧がされているため、圧力調整器73の開度を調整することで、最大でキャニスタ74内に予圧された圧力と同じ圧力で気泡発生媒体72へ気体を圧送することができる。
【0026】
また、図2に示すように、内部通路71の中途部に、余剰気体を排出するための気体排出通路76を設けることもできる。気体排出通路76の中途部に弁77を設けている。弁77を開閉することにより、余剰気体を排出することが可能となる。
【0027】
次に、血液中に気泡を発生させるときの微細気泡混合装置50について説明する。
【0028】
まず、人工透析を行っている場合、血液ポンプ11によって、動静脈吻合部Aの動脈側から血液が採取され、動脈側回路20Aを通って、ダイアライザー12へと血液が送られる。
ダイアライザー12において、透析液と血液との濃度差を利用して、血液から不純物や余分ない水分を濾過して除去される。より詳細には、血液通路32を通る血液中に含まれる不純物や余分な水分が前記孔を通過して透析液側へ移動することにより血液が濾過されて透析が行われる。
【0029】
透析によって不純物や余分な水分が除去された血液は静脈側回路20Bに流れる。そして静脈側回路20Bの中途部に連結されている内部通路71において、気泡発生媒体72の微細な孔72Aから、注入用気体が微細気泡となって血液内に注入される。微細気泡とは、常温常圧下においてサイズ(直径)が100μm未満の気泡である。血液内の気泡数密度は、10の8乗個/cc以上10の10乗個/cc以下となる。気泡数密度の指標として、レーザー光による光の散乱の確認方法がとられることがある。通常の生理食塩水を用いて対照実験を行った場合、通常の生理食塩水では光の散乱はほとんど見られないが、本実施形態における微細気泡発生方法により微細気泡を発生させた場合、光の散乱により、生理食塩水内のレーザー光を視認することが可能となる。
【0030】
このように構成することにより、微細気泡混合装置50を用いて容易に血液内に微細気泡を混入させることができる。血液中において、微細気泡は、中空カプセルの役割を果たしつつ、水素、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、または亜酸化窒素のいずれかを含む注入用気体を体内の患部へ送ることができる。
【0031】
また、施術者は、キャニスタ74の残量および輸液を移動させる時間を制御することで、微細気泡の発生量を概算で算出することができる。
また、微細気泡混合装置50を用いて発生させる微細気泡の量は、圧力調整器73によって圧力を調整することで容易に調整することができる。また、圧力調整器73によって注入用気体の圧力を高くすることにより、飽和量まで微細気泡を発生させることができる。
【0032】
また、別の実施形態として、図3に示すように、静脈側回路20Bに輸液を混合する場合において、輸液を送る輸液回路80の中途部に微細気泡混合装置50を配置することも可能である。
輸液回路80は、輸液容器81から静脈側回路20Bへと輸液を供給するための通路である。輸液は、栄養剤や薬剤等を体内へ輸送するための液体であり、例えば生理食塩水である。
【0033】
微細気泡混合装置50は、輸液に注入用気体を含む微細気泡を混合する装置であり、輸液回路80の中途部に配置されている。より詳細には、微細気泡混合装置50のインライン型ユニット61が、輸液回路80の中途部に配置されている。
なお、微細気泡混合装置50の構成は、第一の実施形態の微細気泡混合装置50の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0034】
次に、輸液中に気泡を発生させるときの微細気泡混合装置50について説明する。
【0035】
まず、人工透析を行っている場合、静脈側回路20Bに血液が流れる。同時に輸液容器81から輸液回路80へ輸液が供給される。輸液回路80の中途部に連結された内部通路71において、気泡発生媒体72から、注入用気体が微細気泡となって輸液内に注入される。微細気泡とは、常温常圧下においてサイズ(直径)が100μm未満の気泡である。輸液内の気泡数密度は、10の8乗個/cc以上10の10乗個/cc以下となる。気泡数密度の指標として、レーザー光による光の散乱の確認方法がとられることがある。通常の生理食塩水を用いて対照実験を行った場合、通常の液体では光の散乱はほとんど見られないが、本実施形態における微細気泡発生方法により微細気泡を発生させた場合、光の散乱により、輸液内のレーザー光を視認することが可能となる。
微細気泡を含む輸液は、輸液回路80を通って静脈側回路20Bを流れる血液と混合され患者の体内へと戻される。例えば注入用気体が水素分子(H2)である場合には、内部に水素ガスが取り込まれた微細気泡の膜の表面に、薬液が薬剤膜、栄養素が栄養膜となった状態で血液中を搬送される中空カプセルとして機能するので、免疫細胞が血液中の微細気泡を異物と誤感知することを防止することができるため、微細気泡が運ぶ薬剤や栄養液を、全身に行き渡らせることができる。
【0036】
このように構成することにより、微細気泡混合装置50を用いて容易に血液内に微細気泡を混入させることができる。施術者は、キャニスタ74の残量および輸液を移動させる時間を制御することで、微細気泡の発生量を概算で算出することができる。
また、微細気泡混合装置50を用いて発生させる微細気泡の量は、圧力調整器73によって圧力を調整することで容易に調整することができる。また、圧力調整器73によって注入用気体の圧力を高くすることにより、飽和量まで微細気泡を発生させることができる。
【0037】
以上のように、治療装置1は、血液に注入用気体を含む微細気泡を混合する微細気泡混合装置50を備え、微細気泡混合装置50は、血液を送る血液回路20の中途部に配置され、注入用気体を微細気泡として放出するインライン型ユニット61を備え、インライン型ユニット61は、血液回路20に連結された内部通路71と、注入用気体を圧入するための圧力調整器73と、内部通路71の壁面に配置され、圧入された注入用気体を微細気泡として放出する気泡発生媒体72と、を備えるものである。
【0038】
このように構成することにより、人工透析において血液に水素等の微細気泡を混合する場合であっても、微細気泡を血液に混合させるときに赤血球、白血球等の血液細胞を破壊せず、ストレスをかけることなく混合させることができる。また、別途微細気泡発生装置を置くスペースを設ける必要が無くなるため省スペース化を図ることができる。
【0039】
また、注入用気体は、水素、酸素、オゾン、窒素、二酸化炭素、または亜酸化窒素のいずれかを含むで構成されてもよい。
このように構成することにより、例えば、注入用気体が水素分子(H2)である場合には、内部に水素ガスが取り込まれた微細気泡の膜の表面に、薬液が薬剤膜、栄養素が栄養膜となった状態で血液中を搬送される中空カプセルとして機能するので、免疫細胞が血液中の微細気泡を異物と誤感知することを防止することができるため、水素分子を血液内に効率的に送り込むことができ、かつ、微細気泡が運ぶ薬剤や栄養液を、全身に行き渡らせることができる。
【0040】
また、内部通路71の中途部に、余剰気体を排出するための気体排出通路76を設け、気体排出通路76の中途部に弁77を設けたものである。
このように構成することにより、余剰気体を排出しつつ、飽和量まで微細気泡を発生させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 治療装置
20 血液回路
50 微細気泡混合装置
61 インライン型ユニット
71 内部通路
72 気泡発生媒体
73 圧力調整器
76 気体排出通路
77 弁
図1
図2
図3