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特許7301553液化ガス気化装置及びこれを備えた浮体設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】液化ガス気化装置及びこれを備えた浮体設備
(51)【国際特許分類】
   F17C 9/04 20060101AFI20230626BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20230626BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
F17C9/04
B63B25/16 D
F02C6/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019032911
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020132126
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】518131296
【氏名又は名称】三菱重工マリンマシナリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 英司
(72)【発明者】
【氏名】金星 隆之
(72)【発明者】
【氏名】川波 晃
(72)【発明者】
【氏名】中村 龍太
(72)【発明者】
【氏名】松下 浩市
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508899(JP,A)
【文献】特表2008-539384(JP,A)
【文献】特開昭55-069378(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100485(WO,A1)
【文献】特開2005-324789(JP,A)
【文献】特開昭59-100083(JP,A)
【文献】特開平2-283803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/16
F17C 1/00-13/12
F02C 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電用エンジンの排ガスが導かれる排ガスエコノマイザによって生成された蒸気が導かれる蒸気タービンと、
前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させる復水器と、
液化ガスを加熱して気化する気化器と、
前記気化器に接続されるとともに不凍液が循環する不凍液循環経路と、
前記復水器から前記不凍液循環経路を循環する不凍液へ熱を供給する不凍液加熱手段と、
前記不凍液循環経路に設けられ、前記気化器を通過した後の不凍液と海水とを熱交換する海水熱交換器と、
を備え、
前記不凍液加熱手段は、前記復水器にて熱交換して加熱された水を前記海水熱交換器に送る加熱水供給経路を備えている液化ガス気化装置。
【請求項2】
発電用エンジンの排ガスが導かれる排ガスエコノマイザによって生成された蒸気が導かれる蒸気タービンと、
前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させる復水器と、
液化ガスを加熱して気化する気化器と、
前記気化器に接続されるとともに不凍液が循環する不凍液循環経路と、
前記復水器から前記不凍液循環経路を循環する不凍液へ熱を供給する不凍液加熱手段と、
蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラで生成された蒸気と前記不凍液循環経路を循環する不凍液とを熱交換する蒸気熱交換器と、
前記ボイラで生成された蒸気が前記蒸気タービンに導かれるタービン用蒸気供給系統と、
前記タービン用蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンへ導かれる蒸気量と前記蒸気熱交換器へ導かれる蒸気量とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記気化器で気化される液化ガス量が所定値を超えた場合に、前記蒸気タービンへ導かれる蒸気量を減じるとともに、前記蒸気熱交換器へ導かれる蒸気量を増大する液化ガス気化装置。
【請求項3】
前記不凍液加熱手段は、前記不凍液循環経路を循環する不凍液と熱交換する前記復水器を備えている請求項に記載の液化ガス気化装置。
【請求項4】
前記蒸気タービンによって駆動される蒸気タービン発電機と、
前記不凍液循環経路に設けられた循環ポンプと、
前記気化器へ液化ガスを送る液化ガスポンプと、
を備え、
前記蒸気タービン発電機で発電した電力によって、前記循環ポンプ及び/又は前記液化ガスポンプを駆動する請求項1又は2に記載の液化ガス気化装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の液化ガス気化装置と、
液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
を備え、
前記発電用エンジンは、前記液化ガスタンクで発生したボイルオフガスによって動作し、
前記気化器は、前記液化ガスタンクから導かれた液化ガスを気化する浮体設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスを気化する液化ガス気化装置及びこれを備えた浮体設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNGガスを輸送するLNG船では、LNGタンク内で侵入熱等によって不可避的に発生するボイルオフガスをボイラにて燃焼させ、ボイラで発生した蒸気を有効利用することが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等の浮体設備では、LNGタンク内に貯留したLNG(液化ガス)を再ガス化して外部へと供給する液化ガス気化装置を備えている。液化ガス気化装置で液化ガスを気化する際の熱源として海水を用いることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4119725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FSRUの液化ガス気化装置で液化ガスを気化する気化器に低温の海水を流すと、液化ガスに海水が冷却されることによって凍結するおそれがある。
【0006】
特許文献1のようにLNGタンクで発生したボイルオフガスを燃焼させて発生した蒸気を、液化ガスを気化する気化器の熱源として用いることも考えられる。しかし、更なる省エネ効果が期待できる気化方式が望まれている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気化器にて凍結のおそれがなく省エネ効果に優れた液化ガス気化装置及びこれを備えた浮体設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る液化ガス気化装置は、発電用エンジンの排ガスが導かれる排ガスエコノマイザによって生成された蒸気が導かれる蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮させる復水器と、液化ガスを加熱して気化する気化器と、前記気化器に接続されるとともに不凍液が循環する不凍液循環経路と、記復水器から前記不凍液循環経路を循環する不凍液へ熱を供給する不凍液加熱手段と、を備えている。
【0009】
発電用エンジンの排熱を回収して動作する蒸気タービンに接続された復水器によって、不凍液循環経路を循環する不凍液を加熱することとした。そして、不凍液循環経路に接続された気化器によって液化ガスを気化する。これにより、復水器の排熱を有効に液化ガスの気化に用いることができ、省エネを実現することができる。
気化器に接続された循環経路に流す流体として不凍液を用いることとしたので、海水や清水を用いた場合に比べて気化器にて凍結するおそれがない。
不凍液としては、例えば、エチレングリコール等のグリコールが用いられる。
【0010】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記不凍液加熱手段は、前記不凍液循環経路を循環する不凍液と熱交換する前記復水器を備えている。
【0011】
不凍液と復水器内の流体(蒸気や復水)とを熱交換させることとした。これにより、不凍液と復水器内の流体とを他の媒体を介さずに熱交換できるので、熱交換損失を可及的に抑えることができる。
【0012】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記不凍液加熱手段は、水が循環するとともに、前記復水器から前記不凍液循環経路へと熱を供給する水循環経路を備えている。
【0013】
復水器から不凍液循環経路へ熱を供給する水循環経路を設けることとした。これにより、不凍液循環経路の長さを減じることができる。一般に、不凍液は水よりも粘度が高いので、水循環経路を採用することによって、不凍液循環経路のポンプ動力を削減することができる。
水循環経路に用いる水としては、例えば、海水や清水が用いられる。
【0014】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記不凍液循環経路に設けられ、前記気化器を通過した後の不凍液と海水とを熱交換する海水熱交換器を備えている。
【0015】
不凍液循環経路に海水熱交換器を設けることによって、気化器を通過して温度低下した不凍液を海水によって加熱することができる。これにより、海水を用いて液化ガスを気化し、気化させた後の海水を海洋に放出するオープンループを構成することができる。
不凍液は、復水器によって加熱されるので、海水による加熱量を低減することができる。これにより、海水熱交換器にて冷却された海水を海洋に放出しても、環境に対して大きな影響を及ぼすことを回避することができる。
【0016】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記不凍液加熱手段は、前記復水器にて熱交換して加熱された水を前記海水熱交換器に送る加熱水供給経路を備えている。
【0017】
復水器から海水熱交換器へ熱を供給する加熱水供給経路を設けることとした。これにより、不凍液循環経路の長さを減じることができる。一般に、不凍液は水よりも粘度が高いので、水循環経路を採用することによって、不凍液循環経路のポンプ動力を削減することができる。
また、海水熱交換器に加熱水を供給することができるので、海水熱交換器に用いる海水を減じることができるので、環境負荷を低減することができる。
水循環経路に用いる水としては、例えば、海水や清水が用いられる。
【0018】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、蒸気を生成するボイラと、前記ボイラで生成された蒸気と前記不凍液循環経路を循環する不凍液とを熱交換する蒸気熱交換器と、を備えている。
【0019】
蒸気熱交換器にて、ボイラで生成した蒸気によって不凍液を加熱することができる。海水熱交換器を用いない場合には、いわゆるクローズループ又はコンバインドループを構成することができる。
【0020】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記ボイラで生成された蒸気が前記蒸気タービンに導かれるタービン用蒸気供給系統と、前記タービン用蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンへ導かれる蒸気量と前記蒸気熱交換器へ導かれる蒸気量とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記気化器で気化される液化ガス量が所定値を超えた場合に、前記蒸気タービンへ導かれる蒸気量を減じるとともに、前記蒸気熱交換器へ導かれる蒸気量を増大する。
【0021】
ボイラの容量には所定の制限があるので、気化器で気化される液化ガス量が大きくなった場合に、蒸気熱交換器と蒸気タービンの両方に蒸気を供給できなくなる場合がある。そこで、気化器で気化される液化ガス量が所定値を超えた場合に、蒸気タービンへ導かれる蒸気量を減じるとともに、蒸気熱交換器へ導かれる蒸気量を増大することした。これにより、液化ガスを気化するために必要な熱量を確保することができる。
例えば、ボイラサイズを可及的に小さくするために、最大量の液化ガスを気化するために必要な蒸気量にボイラ容量を制限した場合に特に有効である。
【0022】
さらに、本発明の一態様に係る液化ガス気化装置では、前記蒸気タービンによって駆動される蒸気タービン発電機と、前記不凍液循環経路に設けられた循環ポンプと、前記気化器へ液化ガスを送る液化ガスポンプと、を備え、前記蒸気タービン発電機で発電した電力によって、前記循環ポンプ及び/又は前記液化ガスポンプを駆動する。
【0023】
蒸気タービン発電機によって発電した電力を、不凍液を循環させる循環ポンプ及び/又は液化ガスポンプに用いることができるので、発電用エンジンの負荷を減らすことができる。
なお、本態様の発明は、上記した各態様の発明と組み合わせることができる。
【0024】
また、本発明の一態様に係る浮体設備は、上記のいずれかに記載の液化ガス気化装置と、液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、前記発電用エンジンは、前記液化ガスタンクで発生したボイルオフガスによって動作し、前記気化器は、前記液化ガスタンクから導かれた液化ガスを気化する。
【0025】
上記の液化ガス気化装置を備えることで、省エネ効果に優れた浮体設備を提供することができる。浮体設備としては、例えば、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)が挙げられる。
なお、本態様の発明は、上記した各態様の発明と組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0026】
不凍液を用いることとしたので気化器において凍結を回避することができる。また、蒸気タービンの復水器の排熱を用いることとしたので省エネに資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係るFSRU(コンバインドループ)に適用されたLNG気化設備であり、オープンループとして使用された場合の概略構成図である。
図2図1のLNG気化設備であり、クローズループとして使用された場合の概略構成図である。
図3】LNGガス送出量に対する熱量を示したグラフである。
図4図3の右上部分を拡大して示したグラフである。
図5】本発明の第2実施形態に係るFSRUに適用されたLNG気化設備を示した概略構成図である。
図6図5の変形例を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、液化天然ガスであるLNG(液化ガス)を気化して外部へ供給するLNG気化装置(液化ガス気化装置)1Aの概略構成が示されている。LNG気化装置1Aは、浮体設備であるFSRU(Floating Storage and Regasification Unit)に設けられている。
【0029】
FSRUは、LNG気化装置1Aに加えて、LNGタンク3と、ディーゼルエンジン(発電用エンジン)5とを備えている。
【0030】
LNGタンク3内には、LNGが貯留されている。LNGタンク3の上方には、侵入熱等によって不可避的に発生したBOG(ボイルオフガス)が滞留している。BOGは、BOG供給配管7を介してディーゼルエンジン5へと導かれる。BOG供給配管7には、BOG圧縮機9とBOG冷却熱交換器10とが設けられている。BOG圧縮機9によってディーゼルエンジン5が要求する圧力までBOGを昇圧した後に、BOG冷却熱交換器10によってBOGが冷却される。BOG冷却熱交換器10によって冷却されたBOGがディーゼルエンジン5へと導かれる。
【0031】
ディーゼルエンジン5は、図示しない発電機を駆動する。ディーゼルエンジン5によって駆動された発電機は、FSRU内で必要とされる電力を発電する。
【0032】
ディーゼルエンジン5には、過給機12が設けられている。過給機12は、図示しない排気タービン及び空気圧縮機が設けられている。排気タービンと空気圧縮機は共通の軸で連結されており共に回転するようになっている。
【0033】
過給機12の排気タービンを通過した排ガスは、排ガスエコノマイザ14へと導かれる。排ガスエコノマイザ14をバイパスするように排ガスバイパス配管15が設けられている。排ガスエコノマイザ14を使用する場合には、バイパス弁15aが閉とされている。なお、本実施形態において、黒塗りで示された弁は閉を意味し、白抜きで示された弁は開を意味する。したがって、排ガスエコノマイザ14を使用する場合には、排ガスエコノマイザ14の上流側に設けられた排ガスエコノマイザ弁14aは開とされている。
【0034】
過給機12の空気圧縮機によって圧縮された空気は、空気冷却器16にて冷却された後にディーゼルエンジン5へと導かれる。
【0035】
LNGタンク3内のLNGは、LNGタンク3内に設けたLNGポンプ18によって、LNGタンク3の外部に設けた気液分離器20へと導かれる。気液分離器20にて気相と分離されたLNGは、送液ポンプ(液化ガスポンプ)22によってLNG配管23を通って気化器25へと導かれる。LNGポンプ18及び送液ポンプ22は、電動ポンプとされている。気化器25にて気化されたLNGは、送ガス配管26を介して外部へと供給される。LNGポンプ18及び送液ポンプ22の発停や回転数の制御は、図示しない制御部によって行われる。
【0036】
LNG気化装置1Aは、気化器25に加えて、リガス(Regas)ボイラ30と、蒸気タービン32と、蒸気タービン発電機34と、復水器36と、復水器36と気化器25とを熱的に接続するグリコール循環経路(不凍液循環経路)38とを備えている。
【0037】
リガスボイラ(ボイラ)30には、BOG供給配管7から分岐されたボイラ用BOG供給配管40が接続されている。ボイラ用BOG供給配管40によって導かれたBOGを燃料として、リガスボイラ30は動作する。なお、リガスボイラ30は、燃料油によって動作するようにしても良い。なお、図1ではボイラ用BOG供給配管40が破線で示されているが、これは使用していないことを意味する。
【0038】
リガスボイラ30の水ドラム30aは、ドラム水ポンプ42を介して排ガスエコノマイザ14内の蒸発器44に接続されている。蒸発器44で加熱された水は、リガスボイラ30の蒸気ドラム30bへと導かれるようになっている。蒸気ドラム30bには、給水タンク46から給水配管47を介して給水ポンプ48によって給水されるようになっている。
【0039】
リガスボイラ30の蒸気ドラム30bから、FSRU内(船内)の蒸気需要部50へと船内蒸気供給弁51を介して蒸気が供給されるようになっている。
【0040】
リガスボイラ30の蒸気ドラム30bと蒸気タービン32との間には、蒸気タービン用蒸気配管52が設けられている。蒸気タービン用蒸気配管52の途中位置には、過熱器53が設けられている。過熱器53は、排ガスエコノマイザ14内に設けられている。蒸気タービン用蒸気配管52には、過熱器53と蒸気タービン32との間に、蒸気止め弁54と蒸気加減弁55とが設けられている。蒸気止め弁54と蒸気加減弁55は、図示しない制御部によって制御される。
【0041】
蒸気タービン用蒸気配管52には、過熱器53の上流側に分岐点Pが設けられている。分岐点Pと復水器36との間には、蒸気タービン32をバイパスして蒸気ドラム30b内の蒸気を復水器36へと排気する蒸気ダンプ配管57が設けられている。蒸気ダンプ配管57には、蒸気ダンプ弁58が設けられている。蒸気ダンプ弁58は、図示しない制御部によって制御され、通常運転時は閉とされている。
【0042】
リガスボイラ30の蒸気ドラム30bとグリコール循環経路38に設けられた蒸気熱交換器60との間には、蒸気供給配管62が設けられている。蒸気供給配管62には、蒸気供給弁63が設けられている。蒸気供給弁63は、図示しない制御部によって制御される。蒸気熱交換器60でグリコールを加熱した後の蒸気はドレン水となり、ドレン水配管65を介して給水タンク46へと導かれる。なお、グリコールとしては、例えばエチレングリコールが用いられる。また、図1に示した状態では、破線で示したように、蒸気供給配管62から蒸気熱交換器60に蒸気が導かれていないので、ドレン水配管65は使用されていない。
【0043】
蒸気タービン32は、蒸気によって回転させられるとともに回転軸33を回転する。回転軸33は、蒸気タービン発電機34に接続されており、蒸気タービン発電機34を駆動する。蒸気タービン発電機34によって発電された電力は、船内の必要電力として用いられ、例えば、LNGを送る送液ポンプ22や、グリコールを循環させるための循環ポンプ67に用いられる。
【0044】
復水器36には、蒸気タービン32で仕事を終えた蒸気が導かれる。復水器36にて凝縮された復水は、復水ポンプ69を介して給水タンク46へと導かれる。復水器36内には、グリコール循環経路38が接続されている。これにより、復水器36では、蒸気タービン32から導かれた蒸気とグリコール循環経路38を循環するグリコールとが熱交換する。
【0045】
グリコール循環経路38には、海水熱交換器72が設けられている。海水熱交換器72では、海水ポンプ70によって海水取水配管71を介して導かれた海水とグリコールとが熱交換する。海水熱交換器72にて熱交換を終えた海水は、排水配管73を介して海洋へと放出される。海水ポンプ70は、図示しない制御部によって制御される。
【0046】
グリコール循環経路38は、海水熱交換器72の上流側に、循環ポンプ67を備えている。循環ポンプによって、グリコールは、海水熱交換器72、復水器36、蒸気熱交換器60及び気化器25を順に循環する。循環ポンプ67は、電動ポンプとされ、図示しない制御部によって制御される。
【0047】
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0048】
<オープンループ>
次に、上記構成のLNG気化装置1Aの動作について説明する。先ず、蒸気熱交換器60を用いずに、海水熱交換器72を用いるオープンループについて説明する。オープンループの場合、海水熱交換器72にてグリコールを加熱することによって冷却された海水は、海洋へと放水される。このため、水温が高い海域や夏季にオープンループが用いられる。
【0049】
オープンループでは、リガスボイラ30は動作しない。したがって、ボイラ用BOG供給配管40を介してBOGが導かれることはない。リガスボイラ30の蒸気ドラム30bは、気液分離器として用いられる。制御部は、ドラム水ポンプ42を起動し、水ドラム30a内の水を蒸発器44へと導き、排ガスエコノマイザ14を流れる排ガスと熱交換させる。蒸発器44へと導かれた水は、加熱された後に蒸気ドラム30bへと導かれて気液分離される。蒸気ドラム30bで分離された蒸気は、蒸気需要部50及び蒸気タービン32へと導かれる。蒸気タービン32へ導かれる蒸気は、排ガスエコノマイザ14の過熱器53によって過熱される。排ガスエコノマイザ14へは、ディーゼルエンジン5で発生した排ガスが導かれる。
【0050】
制御部は、蒸気供給弁63を閉として、蒸気熱交換器60へ蒸気を流さないようにする。また、制御部は、送液ポンプ22や、循環ポンプ67、海水ポンプ70等の運転を制御する。
【0051】
LNGタンク3から導かれたLNGは、LNG配管23を介して送液ポンプ22によって気化器25へと供給される。気化器25では、グリコール循環経路38を流れるグリコールによって加熱されて気化される。気化されたLNGは、送ガス配管26を介して外部の需要先へと導かれる。
【0052】
気化器25にてLNGを気化することによって冷却されたグリコールは、海水熱交換器72にて海水によって加熱される。海水によって加熱されたグリコールは、グリコール循環経路38を通り復水器36へと導かれる。復水器36では、蒸気タービン32から導かれた蒸気から凝縮熱を奪うことによってグリコールが加熱される。このように復水器36にて加熱されたグリコールは、グリコール循環経路38を通り蒸気熱交換器60へ導かれる。海水のみを熱源としてLNGを気化させる場合と比較し、蒸気タービンの排気蒸気も熱源として利用することで、海水から得るべき熱量を減らすことができる。つまり、必要な海水の量が減り、海水ポンプを駆動する電力消費も低減できる。
蒸気熱交換器60には、リガスボイラ30から蒸気が導かれないので、蒸気熱交換器60にて加熱されることなくグリコールは気化器25へと導かれる。
【0053】
<コンバインド(クローズ)ループ>
次に、図2を参照して、蒸気熱交換器60を用いるコンバインドループ又はクローズループについて説明する。コンバインドループ及びクローズループでは、いずれも蒸気熱交換器60を用いることで共通する。ただし、クローズループでは、海水熱交換器72を用いず、コンバインドループでは海水熱交換器72を部分的に用いる。
【0054】
LNGタンク3からBOGがボイラ用BOG供給配管40を介してBOGがリガスボイラ30に導かれる。リガスボイラ30では、BOGを燃料としてバーナ(図示せず)にて火炎が形成されることによって、給水配管47を介して供給された給水が加熱されて蒸気が生成される。生成された蒸気は、蒸気ドラム30bから蒸気需要部50へ導かれるとともに、蒸気タービン32へと導かれる。蒸気タービン32へ導かれる蒸気は、排ガスエコノマイザ14の過熱器53によって過熱される。排ガスエコノマイザ14へは、ディーゼルエンジン5で発生した排ガスが導かれる。
【0055】
制御部は、蒸気供給弁63を開とするとともに、海水ポンプ70を停止する。これにより、グリコール循環経路38を流れるグリコールは、蒸気熱交換器60によって加熱されることになる。また、グリコールは、オープンループの場合と同様に、復水器36でも加熱される。
【0056】
このように、クローズループでは、海水熱交換器72を使用しないので、冷却された海水を海洋に放出することがない。したがって、環境負荷を低減することができる。
なお、必要な場合は、コンバインドループとして、必要量だけ海水を海水熱交換器72に供給してグリコールを補助的に加熱するようにしても良い。
【0057】
<効率についての検討>
図2で示したように、リガスボイラ30で発生させた蒸気の一部を蒸気タービン32に導き蒸気タービン発電機34にて電力を得るとともに、蒸気タービン32の排熱を復水器36にてグリコール循環経路38にて回収することとした。これにより、復水器36での熱回収を行わずにリガスボイラ30でLNGの気化熱量を賄う場合(以下「全量蒸気加熱」という。)に比べて、LNGを気化するために用いられるリガスボイラ30の生成蒸気量を低減することができる。
【0058】
全量蒸気加熱にて加熱する方が、蒸気タービン32を通過した後の排熱を用いて加熱するよりも熱変換効率は高い。しかし、全量蒸気加熱では、別系統となるディーゼルエンジンのみで必要電力を賄わなければならないが、本実施形態では、ディーゼルエンジンからの排熱回収による発生電力分が加勢されるため、ディーゼルエンジンにて消費される燃料を削減する事ができる。
【0059】
本実施形態では、グリコール加熱を、リガスボイラ30から導かれた蒸気を用いた蒸気熱交換器60と、蒸気タービン32を経た後の蒸気を用いる復水器36の排熱回収とで賄うことになるため、リガスボイラ30の蒸発量は、全量蒸気加熱に比べて多くなる。しかし、LNG気化のための必要電力(循環ポンプ67や送液ポンプ22の動力)とLNG気化熱源を1つのプラントと見做した場合、本実施形態は、復水器36の排熱をLNGの加熱に用いることができるので、ほぼ「(ボイラ効率)×(タービン内部効率)」で表される熱効率が得られることになる。これにより、ディーゼルエンジン5における必要電力低減、すなわち燃料消費低減が可能となる。
【0060】
<蒸気量分配制御>
次に、制御部によって行う蒸気量分配制御について説明する。蒸気量分配制御とは、蒸気熱交換器60と蒸気タービン32に分配する蒸気量の制御を意味する。具体的には、蒸気供給弁63及び/又は蒸気加減弁55の開度制御によって行う。
【0061】
図3には、蒸気分配制御の考え方が示されている。同図において、横軸は気化器25で気化したLNGを送ガス配管26から外部に排出するLNG送出量を示し、縦軸は熱量を示す。
【0062】
実線は、横軸のLNG送出量に対応した気化器25で必要な熱量を示す。破線は、復水器36での回収熱量、すなわち、制御部によって分配された蒸気で駆動された蒸気タービン32が排気した蒸気から復水器36でグリコール循環経路38に回収される熱量を示す。一点鎖線は、蒸気熱交換器60への投入熱量、すなわち、制御部によって分配された蒸気から蒸気熱交換器60にてグリコールへ与えられる熱量を示す。二点鎖線は、リガスボイラ30で発生する蒸気の熱量を示す。
【0063】
したがって、破線で示した復水器36での回収熱量と、一点鎖線で示した蒸気熱交換器60への投入熱量との和が、実線で示したLNG送出に必要な熱量となる。二点鎖線で示したリガスボイラ30での発生蒸気熱量は、実線で示したLNG送出に示した必要な熱量よりも少し大きくなっている。これは、蒸気需要部50へ供給される蒸気熱量等が加算されるためである。
【0064】
所定のLNG送出量である閾値F1までは、破線で示す復水器36での回収熱量は一定とされている。この回収熱量は、例えば、蒸気タービン発電機34で最大の出力を得ることができる蒸気量に相当する熱量に設定される。
【0065】
LNG送出量の閾値F1までは、実線で示すように、LNG送出量に比例して必要熱量は単調に増加する。これに対応するように、制御部は、リガスボイラ30での発生蒸気量を増大させるとともに(二点鎖線参照)、蒸気熱交換器60へ分配する蒸気流量を増大させる(一点鎖線参照)。
【0066】
LNG送出量の閾値F1を超えると、制御部は、LNG送出量が増大するに伴い蒸気タービン32へ供給する蒸気量を減少させていく(破線参照)。この蒸気量の減少に対応させて、蒸気熱交換器60へと供給する蒸気量を増大させていく(一点鎖線参照)。好ましくは、蒸気タービン32への蒸気量の減少分と、蒸気熱交換器60への蒸気量の増大分とを一致させる。これにより、実線で示すLNG送出に必要な熱量を確保することができる。
【0067】
上記のように制御する理由は以下の通りである。
図4は、図3の右上を拡大して示している。同図に示すように、リガスボイラ30の容量は、必要十分な大きさとするため、LNG送出量の最大値Fmaxに対応する熱量(線L1参照)で設定されている。すなわち、最大負荷時のリガスボイラ30おける全ての発生蒸気を蒸気熱交換器60に投入したときにグリコール循環経路38を介して気化器25が得られる熱量が、LNG送出量が最大値FmaxとされたLNGの気化熱に相当するように、リガスボイラ30の容量が設定されている。
【0068】
したがって、蒸気熱交換器60へ全ての蒸気を供給せずに蒸気タービン32へ一部の蒸気を分配したままでは、線L2に示すように、限界値F2でLNG送出量の上限となってしまう。そこで、図3に示したように、閾値F1を超えた場合には、蒸気タービン32へ分配する蒸気量を減少させることとしている。
【0069】
<本実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
ディーゼルエンジン5の排熱を排ガスエコノマイザ14で回収して動作する蒸気タービン32に接続された復水器36によって、グリコール循環経路38を循環するグリコールを加熱することとした。そして、グリコール循環経路38に接続された気化器25によってLNGを気化する。これにより、復水器36の排熱を有効にLNGの気化に用いることができ、省エネを実現することができる。
気化器25に接続されたグリコール循環経路38に流す流体として不凍液であるグリコールを用いることとしたので、海水や清水を用いた場合に比べて気化器25にて凍結するおそれがない。
【0070】
グリコールを復水器36に導き、グリコールと復水器36内の蒸気とを熱交換させることとした。これにより、グリコールと蒸気とを他の媒体を介さずに熱交換できるので、熱交換損失を可及的に抑えることができる。
【0071】
グリコール循環経路38に海水熱交換器72を設けることによって、気化器25を通過して温度低下したグリコールを海水によって加熱することができる。これにより、海水を用いてLNGを気化し、気化させた後の海水を海洋に放出するオープンループ(図1参照)を構成することができる。
グリコールは、復水器36によって加熱されるので、海水による加熱量を低減することができる。これにより、海水熱交換器72にて冷却された海水を海洋に放出しても、環境に対して大きな影響を及ぼすことを回避することができる。
【0072】
蒸気熱交換器60にて、リガスボイラ30で生成した蒸気によってグリコールを加熱することができる。海水熱交換器72を用いない場合には、いわゆるクローズループ又はコンバインドループを構成することができる(図2参照)。
【0073】
リガスボイラ30の容量には所定の制限があるので、気化器25で気化されて送出するLNG送出量が大きくなった場合に、蒸気熱交換器60と蒸気タービン32の両方にリガスボイラ30から蒸気を供給できなくなる場合がある。そこで、気化器25で気化されるLNG量が所定値を超えた場合に、蒸気タービン32へ導かれる蒸気量を減じるとともに、蒸気熱交換器60へ導かれる蒸気量を増大することした。これにより、LNGを気化するために必要な熱量を確保することができる。
本実施形態のように、リガスボイラ30のサイズを可及的に小さくするために、最大のLNG送出量を気化するために必要な蒸気量にボイラ容量を制限した場合に特に有効である。
【0074】
蒸気タービン発電機34によって発電した電力を、グリコールを循環させる循環ポンプ67及び/又は送液ポンプ22に用いることができるので、ディーゼルエンジン5の負荷を減らすことができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、復水器36とグリコール循環経路38との間における熱の授受の方式が異なり、その他の事項については同様である。したがって、以下の説明では、第1実施形態に対する相違点について説明し、その他については同一符号を付しその説明を省略する。
【0076】
図5に示すように、本実施形態のLNG気化装置1Bは、復水器36とグリコール循環経路38との間に、水循環経路80を備えている。水循環経路80に用いる水としては、例えば海水や清水を用いることができる。水循環経路80を介して、復水器36の排熱をグリコール循環経路38のグリコールに与えるようになっている。
水循環経路80を流れる水は、復水器36内の蒸気と熱交換する。水循環経路80とグリコール循環経路38との間には、水熱交換器82が設けられている。水熱交換器82にて、水循環経路80の水によってグリコール循環経路38のグリコールが加熱される。
【0077】
このように、復水器36とグリコール循環経路38との間に水循環経路80を設けることで、グリコール循環経路38の長さを減じることができる。例えば、第1実施形態のようにグリコール循環経路38を復水器36に接続する構成では、復水器36と気化器25との距離が離れている場合、グリコール循環経路38の距離を長く取らざるを得ない。これに対して、本実施形態では、復水器36とグリコール循環経路38との間に水循環経路80を介在させるので、グリコール循環経路38を短くすることができる。
一般に、グリコールは水よりも粘度が高いので、水循環経路80を採用することによって、グリコール循環経路38に設けた循環ポンプ67のポンプ動力を削減することができる。
【0078】
なお、本実施形態は、図6に示すように変形することができる。すなわち、図5の水循環経路80に代えて、復水器36とグリコール循環経路38との間に、加熱水供給経路85を設ける。加熱水供給経路85は、復水器36に海水を供給して海水にて復水器36から排熱を回収した後に、海水熱交換器72に海水を供給する海水取水配管71の上流側に海水を合流させる。このようにして復水器36の排熱をグリコール循環経路38に供給するようにしても良い。
【符号の説明】
【0079】
1A,1B LNG気化装置(液化ガス気化装置)
3 LNGタンク(液化ガスタンク)
5 ディーゼルエンジン(発電用エンジン)
7 BOG供給配管
9 BOG圧縮機
10 BOG冷却熱交換器
12 過給機
14 排ガスエコノマイザ
14a 排ガスエコノマイザ弁
15 排ガスバイパス配管
15a バイパス弁
16 空気冷却器
18 LNGポンプ
20 気液分離器
22 送液ポンプ(液化ガスポンプ)
23 LNG配管
25 気化器
26 送ガス配管
30 リガスボイラ(ボイラ)
30a 水ドラム
30b 蒸気ドラム
32 蒸気タービン
33 回転軸
34 蒸気タービン発電機
36 復水器
38 グリコール循環経路(不凍液循環経路)
40 ボイラ用BOG供給配管
42 ドラム水ポンプ
44 蒸発器
46 給水タンク
47 給水配管
48 給水ポンプ
50 蒸気需要部
51 船内蒸気供給弁
52 蒸気タービン用蒸気配管
53 過熱器
54 蒸気止め弁
55 蒸気加減弁
57 蒸気ダンプ配管
58 蒸気ダンプ弁
60 蒸気熱交換器
62 蒸気供給配管
63 蒸気供給弁
65 ドレン水配管
67 循環ポンプ
69 復水ポンプ
70 海水ポンプ
71 海水取水配管
72 海水熱交換器
73 排水配管
80 水循環経路
82 水熱交換器
85 加熱水供給経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6