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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
H01L21/304 651B
H01L21/304 651L
H01L21/304 651M
H01L21/304 648H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019138966
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021022671
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 学
(72)【発明者】
【氏名】阿部 博史
(72)【発明者】
【氏名】石津 岳明
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-186971(JP,A)
【文献】特開2008-091364(JP,A)
【文献】特開2017-183634(JP,A)
【文献】特開2008-153452(JP,A)
【文献】特開2019-057625(JP,A)
【文献】特開2019-102698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に保持された基板の上面に、第1液体および前記第1液体の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する第2液体を供給して、前記第2液体を含む第2液膜と、前記第1液体を含みかつ前記第2液膜の側方を取り囲む第1液膜とを、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、
前記基板を加熱することによって、少なくとも前記基板の上面に接する前記第2液体を蒸発させて、前記第2液体の蒸気を含む第2蒸気層を前記第2液体と前記基板の上面との間に形成し、かつ前記第2液膜を前記第2蒸気層上に保持する蒸気層形成工程と、
前記第2蒸気層が形成された後、前記第2液膜に気体を吹き付けて前記第2液体を部分的に排除することによって前記第2液膜に穴を開け、さらに前記穴を前記基板の外周に向けて広げ、前記第2液膜を前記第2蒸気層上で移動させることにより、前記第1液体および前記第2液体を前記基板外に排除する気体吹き付け排除工程と、を含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記第2液体の表面張力は、前記第1液体の表面張力よりも低い、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記液膜形成工程が、
前記基板の上面に前記第1液体を供給する工程と、
前記基板の上面に前記第2液体を供給して、前記基板の上面上の前記第1液体のうち一部の前記第1液体だけを前記第2液体に置換する工程と、を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記液膜形成工程が、
第1液体ノズルから前記基板の上面の外周部に向けて前記第1液体を吐出する工程と、
前記第1液体ノズルとは異なる第2液体ノズルから、前記基板の上面の中央部に向けて前記第2液体を吐出する工程と、を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第2液体の比重が、前記第1液体の比重よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
基板を水平に保持する基板保持ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に第1液体を供給する第1液体供給ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に、前記第1液体の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する第2液体を供給する第2液体供給ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板を加熱するヒータと、
前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に気体を吹き付ける気体吹き付けユニットと、
前記第1液体供給ユニット、前記第2液体供給ユニット前記ヒータおよび前記気体吹き付けユニットを制御する制御装置と、
前記制御装置が、前記第1液体供給ユニットおよび前記第2液体供給ユニットによって、前記第1液体および前記2液体を前記基板の上面に供給して、前記第2液体を含む第2液膜と、前記第1液体を含みかつ前記第2液膜の側方を取り囲む第1液膜とを、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、前記ヒータによって前記基板を加熱することによって、少なくとも前記基板の上面に接する前記第2液体を蒸発させて、前記第2液体の蒸気を含む第2蒸気層を前記第2液体と前記基板の上面との間に形成し、かつ前記第2液膜を前記第2蒸気層上に保持する蒸気層形成工程と、前記第2蒸気層が形成された後、前記気体吹き付けユニットによって前記第2液膜に気体を吹き付けて前記第2液体を部分的に排除することによって前記第2液膜に穴を開け、さらに前記穴を前記基板の外周に向けて広げ、前記第2液膜を前記第2蒸気層上で移動させることにより、前記第1液膜に含まれる第1液体および前記第2液膜に含まれる第2液体を前記基板外に排除する気体吹き付け排除工程と、を実行する、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象になる基板の例には、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置やFPDなどの製造工程では、半導体ウエハやFPD用ガラス基板などの基板に対して必要に応じた処理が行われる。
従来から、パターン倒壊を抑制しながら基板を乾燥させる手法として、種々の手法が提案されている。下記特許文献1に記載の手法では、リンス液によるリンス処理の後、水平に保持された基板上のリンス液が有機溶剤に置換され、基板の上面の全域を覆う有機溶剤の液膜が形成される。そして、水平に保持されている基板の下面にヒータを接近させて基板を加熱する。これにより、基板に接触する有機溶剤が蒸発されて基板の上面上に蒸気層が形成され、この蒸気層の上に有機溶剤の液膜が保持される。その状態有機溶剤の液膜に気体を吹き付けて、有機溶剤の液膜から有機溶剤を部分的に排除することによって有機溶剤の液膜に穴を開ける。これにより、基板の上面内に気液界面が形成される。そして、その穴を広げることにより、有機溶剤の液膜が蒸気層上で移動し、気液界面が基板の外周に向けて移動する。気液界面が基板の外周端に到達することにより、パターンの倒壊を抑制しながら、基板の上面が乾燥される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-183634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、基板の表面に形成される凹凸状のパターンの微細化に伴い、パターン高さ(パターンの凸部の高さ)が大きくなる傾向になる。そして、パターン高さが、基板上に形成される蒸気層の厚みよりも大きくなると、図11Aに示すように、蒸気層上の有機溶剤の液膜がパターンの上部に接触する可能性がある。このような状態で、特許文献1に記載の乾燥手法が実行されると、パターン倒壊が発生するおそれがある。
【0005】
具体的には、図11Aに示す状態において、浮上している有機溶剤の液膜に気体が吹き付けられ、これにより、有機溶剤の液膜に穴が形成される。このとき、気液界面においてパターンが有機溶剤に接液している。次いで、穴が広げられる。このとき、図11Bに示すように、気液界面においてパターンが有機溶剤に接液した状態を保ちながら、気液界面が移動する。この状態で気液界面において有機溶剤の表面張力がパターン上部に働き、これにより、パターンの倒壊が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的の一つは、パターンの倒壊を抑制しながら、基板を乾燥させることができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施形態は、水平に保持された基板の上面に、第1液体および前記第1液体の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する第2液体を供給して、前記第2液体を含む第2液膜と、前記第1液体を含みかつ前記第2液膜の側方を取り囲む第1液膜とを、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、前記基板を加熱することによって、少なくとも前記基板の上面に接する前記第2液体を蒸発させて、前記第2液体の蒸気を含む第2蒸気層を前記第2液体と前記基板の上面との間形成し、かつ前記第2液膜を前記第2蒸気層上に保持する蒸気層形成工程と、前記第2蒸気層が形成された後、前記第2液膜に気体を吹き付けて前記第2液体を部分的に排除することによって前記第2液膜に穴を開け、さらに前記穴を前記基板の外周に向けて広げ、前記第2液膜を前記第2蒸気層上で移動させることにより、前記第1液体および前記第2液体を前記基板外に排除する気体吹き付け排除工程と、を含む、基板処理方法を提供する。
【0008】
この方法によれば、第2液体供給工程において、第2液膜と、第2液膜の側方を取り囲むリング状の第1液膜とが、基板の上面に形成される。そして、蒸気層形成工程において、基板が加熱されることにより、基板の上面に接する第2液体が蒸発してできる第2蒸気層が形成され、その第2蒸気層の上に第2液膜が保持される。すなわち、第2液膜は、基板の上面から浮上した状態で保持される。第2液膜に含まれる第2液体の蒸気圧が高いので、第2蒸気層の膜厚が大きい。そのため、浮上している第2液膜の下面の高さ位置を高く保つことができる。したがって、第2液膜の下面を、パターンの上端よりも上方に配置することが可能である。
【0009】
浮上している第2液膜に気体を吹き付けることにより、第2液膜に穴が形成される。これにより、穴の外縁、つまり、気液界面が形成される。そして、その穴を基板の外周に向けて広げることにより、第2液膜を浮上したまま移動させて、基板外へと排除される。基板上の第2液膜に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さいので、気体の流れによる押し付け力という小さな力によって、第2液膜を基板から排除できる。
【0010】
穴を広げている間、第2液膜は、第2液膜の側方が第1液膜によって取り囲まれる態様を維持しながら移動する。そのため、気液界面は、第2液膜に設けられ続ける。また、浮上している第2液膜の下面の高さ位置が第2蒸気層によって高く保たれているので、第2液膜に設けられた気液界面を、穴を広げている期間中、パターンの上端よりも上方に配置させ続けることが可能である。したがって、穴を広げている全期間にわたって、気液界面においてパターンが第2液体に接液することを阻止することが可能である。この場合、穴を広げている全期間にわたって、第2液体の表面張力がその気液界面においてパターンの上部に働くことを阻止できる。これにより、パターンの倒壊を抑制しながら、基板を乾燥させることができる。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記第2液体の表面張力が、前記第1液体の表面張力よりも低い。
この方法によれば、第2液体の表面張力が、第1液体の表面張力よりも低い。つまり、第2液膜の側方を取り囲むリング状の第1液膜に含まれる第1液体の表面張力が高い。第1液膜によって第2液膜の側方を取り囲むことにより、基板上からの第2液体の流出が第1液膜によって堰き止められる。第1液膜および第2液膜を併せた液膜全体において、液膜の外周部に含まれる液体の表面張力によって、膜の形体が保持される。液膜全体の外周部が表面張力の高い第1液体によって構成されているので、第1液膜および第2液膜を併せた液膜全体において、膜の形体を保持できる。
【0012】
仮に、第1液膜を設けることなく、基板上の液膜を第2液膜のみで構成する場合、第2液体の表面張力が低いから、十分な厚みを有する蒸気層を形成できるだけの十分な加熱時間を確保することができず、その結果、基板上の液膜を良好に浮上させることができないかもしれない。
これに対し、この方法のように、第1液膜によって第2液膜の側方を取り囲むことにより、第2液膜の膜厚を十分に厚くできる。第2液膜の膜厚が十分に厚いので、意図しない割れや穴を第2液膜に形成することなく、十分な時間をかけて第2液膜を加熱することができ、これにより、蒸気層の厚みを十分に厚くできる。ゆえに、第2液膜を良好に浮上させることができる。
【0013】
また、パターンの高さによっては、パターンの上端が、浮上している第2液膜の下面と同等の高さ位置か、あるいは当該下面よりも上方に位置する場合も想定される。この場合、穴を広げている期間中、気液界面においてパターンが第2液体に接液し続け、その気液界面において第2液体の表面張力がパターンの上部に働く。しかしながら、第2液体の表面張力が低いので、パターンに働く表面張力が低い。これにより、パターンの倒壊を抑制することが可能である。したがって、パターンが、浮上している第2液膜に接液する場合であっても、パターンの倒壊を抑制しながら、基板を乾燥させることができる。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記液膜形成工程が、前記基板の上面に前記第1液体を供給する工程と、前記基板の上面に前記第2液体を供給して、前記基板の上面上の前記第1液体のうち一部の前記第1液体だけを前記第2液体に置換する工程と、を含む。
この方法によれば、基板の上面上の一部の第1液体だけを第2液体に置換する。これにより、リング状の第1液膜が、少なくとも基板の上面の外周部に残り、第2液体が、第1液膜の内側に溜まる。これにより、第2液膜と、第2液膜の側方を取り囲む第1液膜と、を基板の上面に比較的容易に形成できる。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記液膜形成工程が、第1液体ノズルから前記基板の上面の外周部に向けて前記第1液体を吐出する工程と、前記第1液体ノズルとは異なる第2液体ノズルから、前記基板の上面の中央部に向けて前記第2液体を吐出する工程と、を含む。
この方法によれば、第1液膜の形成のための第1液体の供給と、第2液膜の形成のための第2液体の供給とを、互いに異なるノズルからの液吐出によって実現できる。これにより、第2液膜と、第2液膜の側方を取り囲む第1液膜と、を基板の上面に比較的容易に形成できる。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記第2液体の比重が、前記第1液体の比重よりも大きい。
この方法によれば、第2液体の比重が大きいので、第1液体と第2液体との界面では、比重差によって第2液体が第1液体と基板との間に入り込む。パターン間の溝の奥深くにある液体も、第2液体で置換できる。これにより、パターンの間にある液体を第2液体によって良好に置換できる。
【0017】
また、この発明の一実施形態は、基板を水平に保持する基板保持ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に第1液体を供給する第1液体供給ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板の上面に、前記第1液体の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する第2液体を供給する第2液体供給ユニットと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板を加熱するヒータと、前記基板保持ユニットに保持されている前記基板に気体を吹き付ける気体吹き付けユニットと、前記第1液体供給ユニット、前記第2液体供給ユニット前記ヒータおよび前記気体吹き付けユニットを制御する制御装置と、前記制御装置が、前記第1液体供給ユニットおよび前記第2液体供給ユニットによって、前記第1液体および前記2液体を前記基板の上面に供給して、前記第2液体を含む第2液膜と、前記第1液体を含みかつ前記第2液膜の側方を取り囲む第1液膜とを、前記基板の上面に形成する液膜形成工程と、前記ヒータによって前記基板を加熱することによって、少なくとも前記基板の上面に接する前記第2液体を蒸発させて、前記第2液体の蒸気を含む第2蒸気層を前記第2液体と前記基板の上面との間に形成し、かつ前記第2液膜を前記第2蒸気層上に保持する蒸気層形成工程と、前記第2蒸気層が形成された後、前記気体吹き付けユニットによって前記第2液膜に気体を吹き付けて前記第2液体を部分的に排除することによって前記第2液膜に穴を開け、さらに前記穴を前記基板の外周に向けて広げ、前記第2液膜を前記第2蒸気層上で移動させることにより、前記第1液膜に含まれる第1液体および前記第2液膜に含まれる第2液体を前記基板外に排除する気体吹き付け排除工程と、を実行する、基板処理装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、第2液体供給工程において、第2液膜と、第2液膜の側方を取り囲むリング状の第1液膜とが、基板の上面に形成される。そして、蒸気層形成工程において、基板が加熱されることにより、基板の上面に接する第2液体が蒸発してできる第2蒸気層が形成され、その第2蒸気層の上に第2液膜が保持される。すなわち、第2液膜は、基板の上面から浮上した状態で保持される。第2液膜に含まれる第2液体の蒸気圧が高いので、第2蒸気層の膜厚が大きい。そのため、浮上している第2液膜の下面の高さ位置を高く保つことができる。したがって、第2液膜の下面を、パターンの上端よりも上方に配置することが可能である。
【0019】
浮上している第2液膜に気体を吹き付けることにより、第2液膜に穴が形成される。これにより、穴の外縁、つまり、気液界面が形成される。そして、その穴を基板の外周に向けて広げることにより、第2液膜を浮上したまま移動させて、基板外へと排除される。基板上の第2液膜に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さいので、気体の流れによる押し付け力という小さな力によって、第2液膜を基板から排除できる。
【0020】
穴を広げている間、第2液膜は、第2液膜の側方が第1液膜によって取り囲まれる態様を維持しながら移動する。そのため、気液界面は、第2液膜に設けられ続ける。また、浮上している第2液膜の下面の高さ位置が第2蒸気層によって高く保たれているので、第2液膜に設けられた気液界面を、穴を広げている期間中、パターンの上端よりも上方に配置させ続けることが可能である。したがって、穴を広げている全期間にわたって、気液界面においてパターンが第2液体に接液することを阻止することが可能である。この場合、穴を広げている全期間にわたって、第2液体の表面張力がその気液界面においてパターンの上部に働くことを阻止できる。これにより、パターンの倒壊を抑制しながら、基板を乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、この発明の一実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。
図1B図1Bは、前記基板処理装置を側方から見た模式図である。
図2図2は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの内部を水平に見た模式図である。
図3図3は、図2に示すスピンチャックおよびホットプレートを上から見た模式図である。
図4図4は、図1Aに示す制御装置のハードウェアを示すブロック図である。
図5図5は、前記基板処理装置による処理対象の基板の表面を拡大して示す断面図である。
図6図6は、前記基板処理装置によって行われる基板処理例について説明するためのフローチャートである。
図7A図7Aは、前記基板処理例が行われているときの基板の状態を示す模式図である。
図7B図7Bは、図7Aの次の状態を示す模式図である。
図7C図7Cは、図7Bの次の状態を示す模式図である。
図7D図7Dは、図7Cの次の状態を示す模式図である。
図7E図7Eは、図7Dの次の状態を示す模式図である。
図7F図7Fは、図7Eの次の状態を示す模式図である。
図8A図8Aは、図7Bに示す状態の基板を上から見た模式図である。
図8B図8Bは、図7Dに示す状態の基板を上から見た模式図である。
図8C図8Cは、図7Eに示す状態の基板を上から見た模式図である。
図8D図8Dは、図7Fに示す状態の基板を上から見た模式図である。
図9図9は、第1の変形例を説明するための模式図である。
図10図10は、第2の変形例を説明するための模式図である。
図11A図11Aは、パターン倒壊のメカニズムを示す模式図である。
図11B図11Bは、パターン倒壊のメカニズムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、この発明の一実施形態に係る基板処理装置1を上から見た模式図である。図1Bは、基板処理装置1を側方から見た模式図である。
図1Aに示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板Wを収容するキャリアCAを保持するロードポートLPと、ロードポートLP上のキャリアCAから搬送された基板Wを処理液や処理ガスなどの処理流体で処理する複数の処理ユニット2と、ロードポートLP上のキャリアCAと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットと、基板処理装置1を制御する制御装置3と、を備えている。
【0023】
搬送ロボットは、ロードポートLP上のキャリアCAに対して基板Wの搬入および搬出を行うインデクサロボットIRと、複数の処理ユニット2に対して基板Wの搬入および搬出を行うセンターロボットCRと、を含む。インデクサロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送し、センターロボットCRは、インデクサロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、基板Wを支持するハンドH1を含み、インデクサロボットIRは、基板Wを支持するハンドH2を含む。
【0024】
複数の処理ユニット2は、平面視でセンターロボットCRのまわりに配置された複数のタワーTWを形成している。図1Aは、4つのタワーTWが形成されている例を示している。センターロボットCRは、いずれのタワーTWにもアクセス可能である。図1Bに示すように、各タワーTWは、上下に積層された複数(たとえば3つ)の処理ユニット2を含む。
【0025】
図2は、基板処理装置1に備えられた処理ユニット2の内部を水平に見た模式図である。図3は、スピンチャック5およびホットプレート21を上から見た模式図である。
図2に示すように、処理ユニット2は、基板Wに処理液を供給するウェット処理ユニットである。処理ユニット2は、内部空間を有する箱型のチャンバ4と、チャンバ4内で1枚の基板Wを水平に保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック(基板保持ユニット)5と、スピンチャック5に保持されている基板Wに向けて処理流体(処理液および処理ガス)を吐出する複数のノズルと、基板Wを下方から加熱するためのヒータ6と、回転軸線A1まわりにスピンチャック5を取り囲む筒状の処理カップ7と、を含む。
【0026】
図2に示すように、チャンバ4は、基板Wが通過する搬入搬出口11bが設けられた箱型の隔壁11と、搬入搬出口11bを開閉するシャッタ12と、を含む。FFU13(ファン・フィルター・ユニット)は、隔壁11の上部に設けられた送風口11aの上に配置されている。FFU13は、クリーンエア(フィルタによってろ過された空気)を送風口11aからチャンバ4の内部に常時供給する。チャンバ4内の気体は、処理カップ7の底部に接続された排気ダクト14を通じてチャンバ4から排除される。これにより、クリーンエアーのダウンフローがチャンバ4の内部に常時形成される。排気ダクト14に排除される排気の流量は、排気ダクト14内に配置された排気バルブ15の開度に応じて変更される。
【0027】
図2に示すように、スピンチャック5は、水平な姿勢で保持された円板状のスピンベース16と、スピンベース16の上方で基板Wを水平な姿勢で保持する複数のチャックピン17と、スピンベース16の中央部から回転軸線A1に沿って鉛直下方に延びるスピン軸18と、スピン軸18を回転させることによりスピンベース16および複数のチャックピン17を回転させるスピンモータ19と、を含む。複数のチャックピン17は、スピンベース16の上面16uの外周部に、周方向に間隔を空けて配置されている。複数のチャックピン17は、基板Wの周端に接触して基板Wを把持する閉状態と、基板Wの周端から退避した開状態との間で開閉可能である。複数のチャックピン17は、開状態において、基板Wの外周部の下面に接触して、基板Wを下方から支持する。
【0028】
図2に示すように、チャックピン17には、チャックピン17を開閉駆動するためのチャックピン駆動ユニット20が結合されている。チャックピン駆動ユニット20は、たとえば、スピンベース16の内部に収容されたリンク機構と、スピンベース16の外に配置された駆動源と、を含む。駆動源は、たとえば、ボールねじ機構と、それに駆動力を与える電動モータと、を含む。チャックピン駆動ユニット20の具体的な構成例は、特開2008-034553号公報などに記載されている。
【0029】
図2および図3に示すように、ヒータ6は、基板Wとスピンベース16との間に配置されたホットプレート21を含む。ホットプレート21は、通電によりジュール熱を発生する発熱体22と、発熱体22を収容するアウターケース23と、を含む。発熱体22およびアウターケース23は、基板Wの下方に配置される。発熱体22は、発熱体22に電力を供給する配線(図示せず)に接続されている。発熱体22の温度は、制御装置3によって変更される。ホットプレート21の中心線は、基板Wの回転軸線A1上に配置されている。スピンチャック5が回転しても、ホットプレート21は回転しない。
【0030】
図3に示すように、ホットプレート21のアウターケース23は、基板Wの下方に配置される円板状のベース部24と、ベース部24の上面から上方に突出する複数の半球状の突出部25と、を含む。ベース部24の上面は、基板Wの下面と平行(すなわち、水平)であり、基板Wの直径より小さい外径を有している。複数の突出部25は、ベース部24の上面から上方に離れた位置で基板Wの下面に接触する。複数の突出部25は、基板Wが水平に支持されるように、ベース部24の上面の面内の複数の位置に配置されている。基板Wは、基板Wの下面がベース部24の上面から微小間隔(たとえばコンマ数mm)上方に離れた状態で、水平に支持される。
【0031】
制御装置3が発熱体22を発熱させると、ホットプレート21の上面(すなわち、アウターケース23の上面)が所定の加熱温度まで均一に昇温させられる。これにより、基板Wを下方から均一に加熱できる。
図2に示すように、ホットプレート21は、ホットプレート21の中央部から下方に延びる支軸26によって水平に支持されている。ホットプレート21は、スピンベース16に対して上下に移動可能である。ホットプレート21は、支軸26を介してプレート昇降ユニット27に接続されている。プレート昇降ユニット27は、上位置(図7Cに示す位置)と下位置(図2に示す位置)との間でホットプレート21を鉛直に昇降させる。
【0032】
図2に示すように、複数のノズルは、基板Wの上面に向けて薬液を吐出する薬液ノズル31と、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル32と、基板Wの上面に向けて、第1液体、第2液体および気体を選択的に吐出する上面ノズル33と、を含む。
薬液ノズル31は、チャンバ4内で水平に移動可能なスキャンノズルであってもよいし、チャンバ4の隔壁11に対して固定された固定ノズルであってもよい。リンス液ノズル32および上面ノズル33についても同様である。図2では、薬液ノズル31、リンス液ノズル32および上面ノズル33は、スキャンノズルであり、これら3つのノズルにそれぞれ対応する3つのノズル移動ユニットが設けられている例を示している。
【0033】
薬液ノズル31は、薬液ノズル31に薬液を案内する薬液配管34に接続されている。薬液配管34に介装された薬液バルブ35が開かれると、薬液が、薬液ノズル31の吐出口から下方に連続的に吐出される。薬液ノズル31から吐出される薬液は、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸、リン酸、酢酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、および腐食防止剤の少なくとも1つを含む液であってもよいし、これ以外の液体であってもよい。
【0034】
図示はしないが、薬液バルブ35は、薬液が通過する環状の弁座が設けられたバルブボディと、弁座に対して移動可能な弁体と、弁体が弁座に接触する閉位置と弁体が弁座から離れた開位置との間で弁体を移動させるアクチュエータと、を含む。他のバルブについても同様である。アクチュエータは、空圧アクチュエータまたは電動アクチュエータであってもよいし、これら以外のアクチュエータであってもよい。制御装置3は、アクチュエータを制御することにより、薬液バルブ35を開閉させる。
【0035】
薬液ノズル31は、鉛直方向および水平方向の少なくとも一方に薬液ノズル31を移動させるノズル移動ユニット36に結合されている。ノズル移動ユニット36は、薬液ノズル31から吐出された薬液が基板Wの上面に供給される処理位置と、薬液ノズル31が平面視で処理カップ7のまわりに位置する待機位置と、の間で薬液ノズル31を水平に移動させる。ノズル移動ユニット36は、ボールねじ、モータ等を含む。他のノズル移動ユニットについても同様である。
【0036】
リンス液ノズル32は、リンス液ノズル32にリンス液を案内するリンス液配管37に接続されている。リンス液配管37に介装されたリンス液バルブ38が開かれると、リンス液が、リンス液ノズル32の吐出口から下方に連続的に吐出される。リンス液ノズル32から吐出されるリンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:DIW(Deionized Water))である。リンス液は、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、1~100ppm程度)の塩酸水、および希釈濃度(たとえば、1~100ppm程度)のアンモニア水のいずれかであってもよい。
【0037】
リンス液ノズル32は、鉛直方向および水平方向の少なくとも一方にリンス液ノズル32を移動させるノズル移動ユニット39に結合されている。ノズル移動ユニット39は、リンス液ノズル32から吐出されたリンス液が基板Wの上面に供給される処理位置と、リンス液ノズル32が平面視で処理カップ7のまわりに位置する待機位置と、の間でリンス液ノズル32を水平に移動させる。
【0038】
上面ノズル33は、フランジ部43aを下端に有する円筒状のノズル本体43と、ノズル本体43の内部において回転軸線A1に沿って上下に延びる3つの流体ノズルと、を含む。3つの流体ノズルは、第1液体ノズル40と、第2液体ノズル41と、気体ノズル42と、を含む。すなわち、上面ノズル33は、液体を吐出する液体ノズルとしての機能と、気体を吐出する気体ノズルとしての機能と、の双方を備えている。
【0039】
第1液体ノズル40は、第1液体ノズル40に第1液体を案内する第1液体配管44に接続されている。第1液体配管44に介装された第1液体バルブ45が開かれると、第1液体が、第1液体ノズル40から下方に連続的に吐出される。第1液体ノズル40、第1液体配管44および第1液体バルブ45によって、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に第1液体を供給するための第1液体供給ユニットが構成されている。
【0040】
第2液体ノズル41は、第2液体ノズル41に第2液体を案内する第2液体配管46に接続されている。第2液体配管46に介装された第2液体バルブ47が開かれると、第2液体が、第2液体ノズル41から下方に連続的に吐出される。第2液体ノズル41、第2液体配管46および第2液体バルブ47によって、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に第2液体を供給するための第2液体供給ユニットが構成されている。
【0041】
第2液体の蒸気圧は、第1液体の蒸気圧より高い。第2液体の表面張力は、第1液体の表面張力よりも低い。第2液体の比重は、第1液体の比重よりも大きい。第1液体の表面張力は、水の表面張力より低くてもよい。第2液体の沸点は、水の沸点より低くてもよい。同様に、第1液体の沸点は、水の沸点より低くてもよい。
以下では、第1液体がIPA(大気圧および室温下における蒸気圧:4.4KPa、室温下における表面張力:0.021N/m、比重:0.79)の液体(単にIPAともいう。)であり、第2液体がHFEの液体である例について説明する。
【0042】
HFEとして、たとえば住友スリーエム株式会社製の商品名ノベック(登録商標)シリーズのHFEを用いることができる。具体的には、HFEとして、例えばノベック7100/7100DL(化学式:COCH3)、ノベック7200(化学式:COC)、ノベック7300(化学式:C13OCH)、HFE71IPA(ハイドロフルオロエーテル共沸様混合物)、Novec(登録商標)7000等を例示できる。これらのHFEは、いずれの例示の場合においても蒸気圧がIPAよりも高く、表面張力はIPAよりも低い。そして、HFEの比重は、いずれの例示の場合においてもIPAや水よりも重い。
【0043】
気体ノズル42は、気体ノズル42に気体を案内する気体配管48に接続されている。気体配管48に介装された気体バルブ49が開かれると、気体の流量を変更する流量調整バルブ50の開度に対応する流量で、気体ノズル42の吐出口42aから下方に気体が連続的に吐出される。気体ノズル42から吐出される気体は、窒素ガス等の不活性ガスである。不活性ガスは、ヘリウムガスやアルゴンガスなどの窒素ガス以外の気体であってもよい。気体ノズル42、気体配管48、気体バルブ49および流量調整バルブ50によって、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に気体を吹き付けるための気体吹き付けユニットが構成されている。
【0044】
上面ノズル33は、鉛直方向および水平方向の少なくとも一方に上面ノズル33を移動させるノズル移動ユニット51に結合されている。ノズル移動ユニット51は、上面ノズル33に含まれる3つのノズルから吐出された流体(第1液体、第2液体または気体)が基板Wの上面に供給される処理位置と、上面ノズル33が平面視で処理カップ7のまわりに位置する待機位置と、の間で上面ノズル33を水平に移動させる。ノズル移動ユニット51による上面ノズル33の移動により、第1液体ノズル40、第2液体ノズル41および気体ノズル42が一体的に移動させられる。
【0045】
フランジ部43aの外周面には、気体吐出口96が、環状に外方に向けて開口している。
環状の気体吐出口96は、上下に間隔を空けて複数設けられていてもよい。
気体吐出口96は、気体吐出口96に気体を案内する気体配管97に接続されている。気体配管97に介装された気体バルブ98が開かれると、気体吐出口96から外方に連続的に気体が吐出される。気体吐出口96から吐出される気体は、窒素ガス等の不活性ガスである。不活性ガスは、ヘリウムガスやアルゴンガスなどの窒素ガス以外の気体であってもよい。
【0046】
処理カップ7は、基板Wから外方に排除された処理液を受け止める複数のガード54と、複数のガード54によって下方に案内された処理液を受け止める複数のカップ53と、複数のガード54および複数のカップ53を取り囲む円筒状の外壁部材52と、を含む。図2は、4つのガード54と3つのカップ53とが設けられており、最も外側のカップ53が上から3番目のガード54と一体である例を示している。
【0047】
ガード54は、スピンチャック5を取り囲む円筒部55と、円筒部55の上端部から回転軸線A1に向かって斜め上に延びる円環状の天井部56と、を含む。複数の天井部56は、上下に重なっており、複数の円筒部55は、同心円状に配置されている。天井部56の円環状の上端は、平面視で基板Wおよびスピンベース16を取り囲むガード54の上端54uに相当する。複数のカップ53は、それぞれ、複数の円筒部55の下方に配置されている。カップ53は、ガード54によって下方に案内された処理液を受け止める環状の受液溝を形成している。
【0048】
処理ユニット2は、複数のガード54を個別に昇降させるガード昇降ユニット57を含む。ガード昇降ユニット57は、上位置から下位置までの任意の位置にガード54を位置させる。図2は、2つのガード54が上位置に配置されており、残り2つのガード54が下位置に配置されている状態を示している。上位置は、ガード54の上端54uがスピンチャック5に保持されている基板Wが配置される保持位置よりも上方に配置される位置である。下位置は、ガード54の上端54uが保持位置よりも下方に配置される位置である。
【0049】
回転している基板Wに処理液を供給するときは、少なくとも一つのガード54が上位置に配置される。この状態で、処理液が基板Wに供給されると、処理液は、基板Wから外方に振り切られる。振り切られた処理液は、基板Wに水平に対向するガード54の内面に衝突し、このガード54に対応するカップ53に案内される。これにより、基板Wから排除された処理液がカップ53に集められる。
【0050】
図4は、制御装置3のハードウェアを示すブロック図である。
制御装置3は、コンピュータ本体3aと、コンピュータ本体3aに接続された周辺装置3dと、を含む、コンピュータである。コンピュータ本体3aは、各種の命令を実行するCPU3b(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置3cと、を含む。周辺装置3dは、プログラムP等の情報を記憶する補助記憶装置3eと、リムーバブルメディアRMから情報を読み取る読取装置3fと、ホストコンピュータHC等の他の装置と通信する通信装置3gと、を含む。
【0051】
制御装置3は、入力装置および表示装置に接続されている。入力装置は、ユーザーやメンテナンス担当者などの操作者が基板処理装置1に情報を入力するときに操作される。情報は、表示装置の画面に表示される。入力装置は、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネルのいずれかであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。入力装置および表示装置を兼ねるタッチパネルディスプレイが基板処理装置1に設けられてもよい。
【0052】
CPU3bは、補助記憶装置3eに記憶されたプログラムPを実行する。補助記憶装置3e内のプログラムPは、制御装置3に予めインストールされたものであってもよいし、読取装置3fを通じてリムーバブルメディアRMから補助記憶装置3eに送られたものであってもよいし、ホストコンピュータHCなどの外部装置から通信装置3gを通じて補助記憶装置3eに送られたものであってもよい。
【0053】
補助記憶装置3eおよびリムーバブルメディアRMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。補助記憶装置3eは、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。リムーバブルメディアRMは、たとえば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアRMは、プログラムPが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体の一例である。リムーバブルメディアRMは、一時的ではない有形の記録媒体である。
【0054】
補助記憶装置3eは、複数のレシピを記憶している。レシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順を規定する情報である。複数のレシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順の少なくとも一つにおいて互いに異なる。制御装置3は、ホストコンピュータHCによって指定されたレシピにしたがって基板Wが処理されるように基板処理装置1を制御する。制御装置3は、以降に述べる基板処理例を実行するようにプログラムされている。
【0055】
以下では、表面Waにパターンが形成された基板Wを処理する場合について説明する。
図5は、基板処理装置1による処理対象の基板Wの表面Waを拡大して示す断面図である。処理対象の基板Wは、たとえばシリコンウエハであり、基板Wの表面Waは、トランジスタやキャパシタ等のデバイスが形成されるデバイス形成面に相当する。パターン形成面である基板Wの表面Waに、パターンP1が形成されている。パターンP1は、たとえば微細パターンである。パターンP1は、図5に示すように、凸形状を有する構造体Sが行列状に配置されたものであってもよい。この場合、構造体Sの線幅W1はたとえば1nm~45nm程度に、パターンP1の隙間W2はたとえば1nm~数μm程度に、それぞれ設けられている。パターンP1の高さ(膜厚)は、たとえば、10nm~1μm程度である。また、パターンP1は、たとえば、アスペクト比(線幅W1に対する高さTの比)が、たとえば、5~100程度であってもよい(典型的には、5~30程度である)。また、パターンP1は、微細なトレンチにより形成されたライン状のパターンが、繰り返し並ぶものであってもよい。また、パターンP1は、薄膜に、複数の微細穴(ボイド(void)またはポア(pore))を設けることにより形成されていてもよい。
【0056】
次に、基板処理例について説明する。
図6は、基板処理装置1によって行われる基板Wの基板処理例について説明するための工程図である。図7A図7Fは、基板処理例が行われているときの基板Wの状態を示す模式図である。図8A~8Dは、各状態の基板Wを上から見た模式図である。以下では、図2図6を参照する。図7A図7Fおよび図8A図8Dについては適宜参照する。
【0057】
処理される基板Wは、たとえば、シリコンウエハなどの半導体ウエハである。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるときは、チャンバ4の内部に基板Wを搬入する基板搬入工程(図6のS1)が行われる。
具体的には、全てのガード54が下位置に位置しており、全てのスキャンノズルが待機位置に位置している状態で、センターロボットCR(図1A参照)が、基板WをハンドH1で支持しながら、ハンドH1をチャンバ4内に進入させる。そして、センターロボットCRは、基板Wの表面Waが上に向けられた状態でハンドH1上の基板Wを複数のチャックピン17の上に置く。その後、チャックピン駆動ユニット20の駆動によって複数のチャックピン17が基板Wの外周面に押し付けられ、複数のチャックピン17に基板Wが把持される。センターロボットCRは、基板Wをスピンチャック5の上に置いた後、ハンドH1をチャンバ4の内部から退避させる。
【0058】
次に、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転を開始させる(図6のS2)。これにより、基板Wが薬液供給速度(100rpm以上、1000rpm未満)で回転する。
次に、薬液を基板Wの上面に供給し、基板Wの上面全域を覆う薬液の液膜を形成する薬液供給工程(図6のS3)が行われる。
【0059】
具体的には、制御装置3は、ノズル移動ユニット36を制御して、薬液ノズル31を待機位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、薬液バルブ35開いて、薬液ノズル31からの薬液の吐出を開始する。薬液バルブ35が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ35を閉じる。これにより、薬液ノズル31からの薬液の吐出が停止される。その後、ノズル移動ユニット36が、薬液ノズル31を待機位置に移動させる。
【0060】
薬液ノズル31から吐出された薬液は、薬液供給速度で回転している基板Wの上面に衝突した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、薬液が基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域を覆う薬液の液膜が形成される。薬液ノズル31が薬液を吐出しているとき、制御装置3は、ノズル移動ユニット36を制御して、基板Wの上面に対する薬液の着液位置が中央部と外周部とを通るように着液位置を移動させてもよいし、基板Wの上面の中央部で着液位置を静止させてもよい。
【0061】
次に、リンス液を基板Wの上面に供給して、基板W上の薬液を洗い流すリンス液供給工程(図6のS4)が行われる。
具体的には、少なくとも一つのガード54が上位置に位置している状態で、制御装置3は、ノズル移動ユニット39を制御して、リンス液ノズル32を待機位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3がリンス液バルブ38を開いて、リンス液ノズル32からのリンス液の吐出を開始する。リンス液の吐出が開始される前に、基板Wから排除された液体を受け止めるガード54を切り換えるために、制御装置3はガード昇降ユニット57を制御して少なくとも一つのガード54を鉛直に移動させてもよい。リンス液バルブ38が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3はリンス液バルブ38を閉じ、リンス液ノズル32からのリンス液の吐出を停止する。その後、制御装置3は、ノズル移動ユニット39を制御して、リンス液ノズル32を待機位置に移動させる。
【0062】
リンス液ノズル32から吐出されたリンス液は、リンス液供給速度(100rpm以上、1000rpm未満)で回転している基板Wの上面に衝突した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。基板W上の薬液は、リンス液ノズル32から吐出されたリンス液に置換される。これにより、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜が形成される。リンス液ノズル32がリンス液を吐出しているとき、制御装置3は、ノズル移動ユニット39を制御して、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置が中央部と外周部とを通るように着液位置を移動させてもよいし、基板Wの上面の中央部で着液位置を静止させてもよい。
【0063】
次に、基板Wの上面上のリンス液を第1液体に置換するために、第1液体を基板Wの上面に供給する第1液体供給工程(図6のS5)が行われる。
具体的には、少なくとも一つのガード54が上位置に位置している状態で、制御装置3は、スピンチャック5を制御して、基板Wを置換速度で回転させる。置換速度は、リンス液供給速度と等しくてもよいし、異なっていてもよい。上面ノズル33が処理位置に配置されている状態で、制御装置3は、第1液体バルブ45を開いて、第1液体ノズル40からの第1液体の吐出を開始する。第1液体の吐出が開始される前に、制御装置3は、基板Wから排除された液体を受け止めるガード54を切り換えるために、ガード昇降ユニット57を制御して、少なくとも一つのガード54を鉛直に移動させてもよい。
【0064】
第1液体ノズル40から吐出された第1液体は、置換速度で回転している基板Wの上面に衝突した後、基板Wの上面に沿って外方に流れる。基板W上のリンス液は、第1液体ノズル40から吐出された第1液体に置換される。これにより、基板Wの上面全域を覆う第1液膜F1(第1液体の液膜。以下同様。)が形成される。そして、基板W上のパターンP1の間のリンス液が第1液体によって置換される。この例では、上面ノズル33を、第1液体ノズル40から吐出された第1液体が基板Wの上面の中央部に衝突する中央処理位置で静止させた状態で、第1液体の供給が行われる。しかしながら、ノズル移動ユニット51を制御して、基板Wの上面に対する第1液体の着液位置が中央部と外周部とを通るように着液位置を移動させてもよい。
【0065】
リンス液の液膜が第1液膜F1に置換された後は、第1液体の吐出を停止しながら、第1液膜F1を基板Wの上面上に保持する第1液体パドル工程(図6のS6)が行われる。
具体的には、第1液体ノズル40が中央処理位置で静止している状態で、制御装置3が、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転速度を置換速度から第1のパドル速度に低下させる。第1のパドル速度は、たとえば、0を超える50rpm以下の速度である。置換速度から第1のパドル速度までの減速は、段階的に行われる。基板Wの回転速度が第1のパドル速度に低下した後、制御装置3は、第1液体バルブ45を閉じて、第1液体の吐出を停止する。
【0066】
基板Wの回転速度が第1のパドル速度に低下すると、基板W上の第1液体に加わる遠心力が弱まる。そのため、第1液体は基板Wの上面から排除されない、もしくは、微量しか排除されない。したがって、第1液体の吐出が停止された後も、基板Wの上面全域を覆う第1液膜F1が基板W上に保持される。リンス液の液膜を第1液膜F1に置換した後に、微量のリンス液がパターンP1(図5参照)の間に残っていたとしても、このリンス液は、第1液体に溶け込み、第1液体中に拡散する。これにより、パターンP1の間に残留するリンス液を減らすことができる。
【0067】
次に、基板Wの上面上の第1液体のうち一部の第1液体を第2液体に置換する(すなわち、部分置換する)ために第2液体を基板Wの上面に供給する第2液体供給工程(図6のS7)が行われる。
具体的には、少なくとも一つのガード54が上位置に位置している状態で、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、第2のパドル速度で基板Wを回転させる。第2のパドル速度は、たとえば、0を超える10rpm以下の速度である。第2のパドル速度は、第1のパドル速度と等しくてもよいし、異なっていてもよい。第2のパドル速度は0rpmであってもよい。すなわち、第2液体供給工程(S7)において基板Wの回転が停止されていてもよい。
【0068】
制御装置3は、第2液体バルブ47を開いて、図7Aに示すように、第2液体ノズル41からの第2液体の吐出を開始する。第2液体の吐出が開始される前に、基板Wから排除された液体を受け止めるガード54を切り換えるために、制御装置3は、ガード昇降ユニット57を制御して、少なくとも一つのガード54を鉛直に移動させてもよい。
第2液体ノズル41から吐出された第2液体は、基板Wの上面の中央部で第1液膜F1に衝突する。第2液体は、第1液膜F1を貫通し、基板Wの上面の中央部に衝突する。基板Wの上面の中央部にあった第1液体は、第2液体の供給によって、基板Wの上面に沿って外方に押し流される。基板Wの上面の中央部に衝突した第2液体は、基板Wの上面の中央部から基板Wの上面に沿ってあらゆる方向に外方に流れる。これにより、図7Aに示すように、基板Wの上面の中央部に形成されるほぼ円形の第2液膜F2(第2液体の液膜。以下同様。)と、第2液膜F2の側方を取り囲むリング状の第1液膜F1とが、基板Wの上面に形成される。
【0069】
第2液体の比重は、第1液体の比重よりも大きい。そのため、第1液体と第2液体との界面では、第2液体が重力で基板Wの上面側に移動し、第1液体が第2液体の上に移動する。つまり、比重差によって第2液体が第1液体と基板Wとの間に入り込む(図7A参照)。これにより、基板W上の第2液膜F2が形成される領域では、パターンP1の間の第1液体が、表面張力のより低い第2液体によって置換される。
【0070】
第2液体ノズル41が第2液体を吐出しているとき、第2液体ノズル41は、第2液体ノズル41から吐出された第液体が基板Wの上面の中央部に衝突する中央処理位置(図7Aに示す位置)で静止させられている。第2液体の吐出が継続されると、第2液膜F2の外径が徐々に増加すると共に、リング状の第1液膜F1の幅が徐々に減少する。
前述のように、第1液体と第2液体との界面では、比重差によって第2液体が第1液体と基板Wとの間に入り込むのであるが、第2液体の吐出が継続されると、このような界面が基板Wの上面に沿って外方に移動する。したがって、第2液体によって、パターンP1(図5参照)の間の溝の奥深くまで置換できる。これにより、第2液体と基板Wとの間に残留する第1液体を減らすことができ、第1液体を確実に、表面張力のより低い第2液体に置換できる。
【0071】
図7Bおよび図8Aに示すように、第2液体バルブ47は、第1液膜F1が基板Wの上面からなくなる前に閉じられる。基板Wの回転速度が第2のパドル速度(たとえば、0を超える10rpm以下の速度または、0rpm(回転停止))であるので、基板Wの上面から第1液体は排除されない、もしくは微量しか排除されない。したがって、第2液体の吐出が停止された状態で、図8Aに示すように、基板Wの上面の中央部を覆うほぼ円形の第2液膜F2と、第2液膜F2の側方を取り囲むリング状の第1液膜F1とが、基板Wの上面に形成され、この第1液膜F1および第2液膜F2が、基板Wの上面に保持される(液膜形成工程)。
【0072】
図8Aに示す第1液膜F1および第2液膜F2について説明する。
第2液膜F2の側方を取り囲む第1液膜F1に含まれる第1液体の表面張力が高い。そして、第1液膜F1によって第2液膜F2の側方を取り囲むことにより、基板W上からの第2液体の流出が第1液膜F1によって堰き止められる。第1液膜F1および第2液膜F2を併せた液膜全体において、その外周部に含まれる液体の表面張力によって、膜の形体が保持される。液膜全体の外周部が表面張力の高い第1液体によって構成されているので、第1液膜F1および第2液膜F2を併せた液膜全体において、膜の形体を保持できる。
【0073】
基板Wの上面に存在する第2液体の量が少なくなり過ぎると、第2液膜F2の内径が基板Wの外径近くに広がった状態(図8D参照)で第2液膜F2がリング状を保つことができなくなる。一方、基板Wの上面に存在する第2液体の量が多くなり過ぎると、基板Wの上面に存在する第1液体の量が少なくなり過ぎ、第2液膜F2と第1液膜F1とを基板Wの上面上に保持した状態(図8A参照)で、第1液膜F1によって第2液膜F2を支持できなくなってしまう。そのため、基板Wの上面に保持される第2液膜F2の大きさは、第2液膜F2の内径が基板Wの外径近くに広がった状態(図8D参照)で第2液膜F2がリング状を保つことができるように、かつ第2液膜F2と第1液膜F1とを基板Wの上面上に保持した状態(図8A参照)で第1液膜F1によって第2液膜F2を支持できるように設定されている。この例では、図8Aに示すように、第1液膜F1の幅が、第2液膜F2の半径と同程度に設定されている。第1液膜F1の幅と、第2液膜F2の半径との比は、1:2~2:1であることが好ましい。
【0074】
第1液膜F1および第2液膜F2が基板Wの上面に形成された後は、ホットプレート21によって基板Wを加熱することにより、第1液体と基板Wの上面との間に第1蒸気層L1を形成し、かつ第2液体と基板Wの上面との間に第2蒸気層L2を形成する蒸気層形成工程(図6のS8)が行われる。蒸気層形成工程(S8)では、第1液膜F1が、主として第1蒸気層L1上に保持され、かつ、第2液膜F2が、主として第2蒸気層L2上に保持される。
【0075】
具体的には、第2のパドル速度で基板Wが回転している状態、または基板Wが回転停止している状態(すなわち、第2のパドル速度が0rpm)において、制御装置3は、少なくとも一つのガード54が上位置に位置している状態で、基板Wの回転を停止させる。そして、制御装置3は、チャックピン駆動ユニット20を制御して、基板Wの把持を解除する。把持解除後の基板Wは、複数のチャックピン17によって下方から支持される。
【0076】
また、制御装置3は、ホットプレート21への電力の供給を開始して、ホットプレート21の上面の全域またはほぼ全域を発熱させて、ホットプレート21の上面を、所定の加熱温度まで昇温させる。これにより、基板Wを均一に加熱できる。加熱温度は、第2液体の沸点以上である。また、加熱温度は、第1液体の沸点以上である。
そして、制御装置3は、プレート昇降ユニット27を制御して、それまで下位置に位置していたホットプレート21を上位置まで上昇させる。ホットプレート21が上位置に向けて上昇する過程で、ホットプレート21の複数の突出部25が基板Wに下面に接触する。ホットプレート21をさらに上昇させることにより、図7Cに示すように、ホットプレート21によって持ち上げられた基板Wは、複数のチャックピン17から上方に離れる。これにより、ホットプレート21から複数のチャックピン17に基板Wが受け渡され、ホットプレート21によって基板Wが支持される。この状態において、ホットプレート21が基板Wの下面に接しているので、基板Wは、ホットプレート21の上で静止しながらホットプレート21によって加熱される。
【0077】
ホットプレート21の発熱は、蒸気層形成工程(S8)の開始前から開始されていてもよい。具体的には、ホットプレート21の発熱は、第2液体が基板Wに供給される前または後に開始されてもよいし、第2液体が基板Wに供給されるのと同時に開始されてもよい。
基板Wの表面Waの温度(すなわち、表面Waに形成されているパターンP1の温度)が、第2液体の沸点以上であるので、第2液体が第2液膜F2と基板Wとの界面で蒸発し、多数の小さな気泡が第2液体と基板Wの上面との間に介在する。第2液体が第2液膜F2と基板Wとの界面のあらゆる場所で蒸発することにより、第2液体の蒸気を含む第2蒸気層L2(図7C参照)が第2液膜F2と基板Wとの間に形成される。これにより、第2液体が基板Wの上面から離れ、第2液膜F2が基板Wの上面から浮上する。そして、第2液膜F2が、主として第2蒸気層L2上に保持される。このとき、基板W上の第2液膜F2に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さい。
【0078】
また、基板Wの表面Waの温度(すなわち、表面Waに形成されているパターンP1の温度)が、第1液体の沸点以上である場合には、第1液体が第1液膜F1と基板Wとの界面で蒸発し、多数の小さな気泡が第1液体と基板Wの上面との間に介在する。第1液体が第1液膜F1と基板Wとの界面のあらゆる場所で蒸発することにより、第1液体の蒸気を含む第1蒸気層L1図7C参照)が第1液膜F1と基板Wとの間に形成される。これにより、第1液体が基板Wの上面から離れ、第1液膜F1が基板Wの上面から浮上する。そして、第1液膜F1が、主として第1蒸気層L1上に保持される。このとき、基板W上の第1液膜F1に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さい。
【0079】
第1液膜F1と第2液膜F2との間の界面には、図7Cに示すように、厳密には、第1液体と第2液体との混合液の液膜FMが形成されている。
第2液膜F2に含まれる第2液体の蒸気圧が第1液膜F1に含まれる第1液体の蒸気圧よりも高いので、第2蒸気層L2の膜厚が、第1蒸気層L1の膜厚よりも大きい。そのため、図7Cに示すように、浮上している第2液膜F2の下面は、浮上している第1液膜F1の下面よりも高い。また、第2液膜F2に含まれる第2液体の蒸気圧が第1液膜F1に含まれる第1液体の蒸気圧よりも高いので、第1蒸気層L1が、第2液膜F2の一部の下方まで張り出すこともあるかもしれない。
【0080】
パターンP1の高さT(図5参照)が、浮上している第1液膜F1の下面よりも高い場合には、図7Cに示すように、第1液膜F1とパターンP1とが接触することがある。この場合であっても、第2液体の蒸気圧が第1液体の蒸気圧よりも高いので、図7Cに示すように、第2液膜F2の下面を、パターンP1の上端よりも上方に配置することが可能である。
【0081】
第1液膜F1および第2液膜F2が浮上した後は、第1液体および第2液体を気体によって基板W外に排除する気体吹き付け排除工程(図6のS9および図6のS10)が実行される。気体吹き付け排除工程は、浮上している第2液膜F2に気体を吹き付けて第2液体を部分的に排除することによって第2液膜F2に穴Hを開ける穴形成工程(S9)と、第1液膜F1を第1蒸気層L1上で移動させかつ第2液膜F2を第2蒸気層L2上で移動させて、基板Wの上面の外周まで穴Hを広げる穴拡大工程(S10)と、を含む。
【0082】
具体的には、制御装置3は気体バルブ49を開いて、気体ノズル42の吐出口42aからの気体の吐出を開始する。気体ノズル42から吐出される気体の温度は、室温であってもよいし、室温より高くてもよい。気体ノズル42から吐出された気体は、基板Wの上面の中央部で第2液膜F2に衝突した後、第2液膜F2の表面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの上面の中央部から外方に流れる気流が形成される。
【0083】
第2液膜F2の中央部に気体が吹き付けられると、第2液膜F2に含まれる第2液体が気体の圧力で外方に押し退けられる。さらに、気体の供給によって第2液体の蒸発が促進される。これにより、第2液膜F2の中央部の厚みが減少し、図7Dおよび図8Bに示すように、第2液膜F2の中央部にほぼ円形の穴Hが形成される(穴形成工程(S9))。穴Hは、基板Wの上面を露出させる露出穴である。穴Hの形成のために、気体ノズル42から吐出される気体の流量は、たとえば5L/minである。
【0084】
その後、制御装置3は、流量調整バルブ50の開度を大きくして、気体ノズル42から吐出される気体の流量をたとえば15L/minに増大させる。これにより、第2液膜F2の表面に沿って外方に流れる気体から、第2液体を外方に移動させる力が基板W上の第2液体に加わり、第2液体が基板Wの上面に沿って外方に流れる。
第2液体が基板Wの上面に沿って外方に流れるにしたがって、図7Eおよび図8Cに示すように、リング状の第2液膜F2の内径および外径は増加する。すなわち、穴Hの外縁(すなわち、第2液膜F2の内周)が広がる(穴拡大工程(S10))。基板Wの上面の外周部上の第1液体は、第2液体によって外方に押され、基板Wから排除される。
【0085】
その後、穴Hの外縁をさらに広げることにより、図7Fおよび図8Dに示すように、第1液膜F1が基板Wから排除され、リング状の第2液膜F2のみが基板Wの上面上に残留する。その後、制御装置3は、流量調整バルブ50の開度を大きくして、気体ノズル42から吐出される気体の流量をさらに増大させる。この例では、気体の吐出流量が、たとえば50L/min→80L/minと段階的に増大する。これにより、穴Hの外縁(すなわち、第2液膜F2の内周)が、段階的に広がる。
【0086】
穴Hを広げている間、第2液膜F2は、第2液膜F2の側方が第1液膜F1によって取り囲まれる態様を維持しながら外方に移動する。このような第1液膜F1および第2液膜F2の移動は、下方にそれぞれ第1蒸気層L1および第2蒸気層L2を維持しながら行われる。そのため、穴Hとの気液界面IFは、第2液膜F2に設けられ続ける。浮上している第2液膜F2の下面の高さ位置が第2蒸気層L2によって高く保たれ続けている。そのため、穴Hを広げている期間中、気液界面IFを、パターンP1の上端よりも上方に配置させ続けることが可能である。したがって、穴Hを広げている全期間にわたって、気液界面IFにおいてパターンP1が第2液体に接液しない。
【0087】
基板Wの上面の全域まで穴Hが広げられることにより、第1液体および第2液体が基板Wの上面から排除される。前述のように、基板W上の第1液膜F1および第2液膜F2に働く摩擦抵抗は、いずれも零と見なせるほど小さいので、第1液膜F1および第2液膜F2を、小さな力(気体の流れによる押し付け力)で、基板Wの上面から排除できる。穴Hが全域に広がった後の基板Wの上面には、目視できる大きさの液滴が存在しない。
【0088】
ホットプレート21の上位置への配置開始から予め定める加熱期間が経過すると、制御装置3は、プレート昇降ユニット27を制御して、ホットプレート21下位置まで下降させる。ホットプレート21が下位置に向けて下降する過程で、ホットプレート21上の基板Wが複数のチャックピン17の上に置かれ、ホットプレート21が基板Wから下方に離れる。これにより、ホットプレート21から複数のチャックピン17に基板Wが受け渡される。その後、チャックピン駆動ユニット20の駆動によって、複数のチャックピン17に基板Wが把持される。
【0089】
次に、基板Wの高速回転によって基板Wを乾燥させる乾燥工程(図6のS11)が行われる。
具体的には、制御装置3は、気体バルブ98を開いて、上面ノズル33の気体吐出口96からの気体の吐出を開始させる。これにより、基板Wの中央部から基板Wの外周部へと向かう横向きの環状気流が基板Wの上方に形成される。この環状気流と、気体ノズル42から吐出され、基板Wの上面に沿って外方に流れる気体により形成する放射状気流と、を合わせた二層の気流によって、基板Wの上面が保護される。上面ノズル33の気体吐出口96からの気体の吐出は、乾燥工程(S11)開始前から開始されていてもよい。たとえば、気体吐出口96からの気体の吐出は、第1液体供給工程(S5)の開始から開始されてもよいし、第2液体供給工程(S7)の開始から開始されてもよい。
【0090】
そして、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、リンス液供給速度よりも大きい高回転速度(たとえば数千rpm)で基板Wを回転させる。仮に、基板Wの上面上に、第1液体の液滴および第2液体の液滴が残っている場合であっても、これらの液滴が基板Wの上面から除去され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ19を制御して、基板Wの回転を停止させる(図6のS12)。
【0091】
次に、チャンバ4から基板Wを搬出する搬出工程(図6のS13)が行われる。
具体的には、制御装置3は、ガード昇降ユニット57を制御して、全てのガード54を下位置まで下降させる。また、制御装置3は、気体バルブ49および気体バルブ98を閉じて、気体ノズル42および気体吐出口96からの気体の吐出を停止する。また、制御装置3は、ノズル移動ユニット51を制御して、上面ノズル33を待機位置まで退避させる。
【0092】
その後、センターロボットCRが、ハンドH1をチャンバ4内に進入させる。複数のチャックピン17による基板Wの把持が解除された後、センターロボットCRは、スピンチャック5上の基板WをハンドH1で支持する。その後、センターロボットCRは、基板WをハンドH1で支持しながら、ハンドH1をチャンバ4の内部から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバ4から搬出される。
【0093】
以上、この実施形態によれば、第2液体供給工程(S7)において、第2液膜F2と、第2液膜F2の側方を取り囲む第1液膜F1とが、基板Wの上面に形成される。そして、蒸気層形成工程(S8)において、基板Wが加熱されることにより、基板Wの上面に接する第2液体が蒸発してできる第2蒸気層L2が形成され、その第2蒸気層L2の上に第2液膜F2が保持される。すなわち、第2液膜F2は、基板Wの上面から浮上した状態で保持される。第2液膜F2に含まれる第2液体の蒸気圧が高いので、第2蒸気層L2の膜厚が大きい。そのため、浮上している第2液膜F2の下面の高さ位置を高く保つことができる。したがって、第2液膜F2の下面を、パターンP1の上端よりも上方に配置することが可能である。
【0094】
浮上している第2液膜F2に気体を吹き付けることにより、第2液膜F2に穴が形成される。これにより、第2液膜F2に穴Hとの気液界面IFが形成される。そして、その穴Hを基板Wの外周に向けて広げることにより、第2液膜F2を浮上したまま移動させて、基板W外へと排除される。基板W上の第2液膜F2に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さいので、気体の流れによる押し付け力という小さな力によって、第2液膜F2を基板Wから排除できる。
【0095】
穴Hを広げている間、第2液膜F2は、第2液膜F2の側方が第1液膜F1によって取り囲まれる態様を維持しながら移動する。そのため、穴Hとの気液界面IFは、第2液膜F2に設けられ続ける。また、浮上している第2液膜F2の下面の高さ位置が第2蒸気層L2によって高く保たれているので、第2液膜F2に設けられた気液界面IFを、穴Hを広げている期間中、パターンP1の上端よりも上方に配置させ続けることが可能である。したがって、穴Hを広げている全期間にわたって、気液界面IFにおいてパターンP1が第2液体に接液することを阻止することが可能である。この場合、穴Hを広げている全期間にわたって、第2液体の表面張力がその気液界面IFにおいてパターンP1の上部に働くことを阻止できる。これにより、パターンP1の倒壊を抑制しながら、基板Wを乾燥させることができる。
【0096】
また、第2液体の表面張力が、第1液体の表面張力よりも低い。つまり、第2液膜F2の側方を取り囲むリング状の第1液膜F1に含まれる第1液体の表面張力が高い。第1液膜F1によって第2液膜F2の側方を取り囲むことにより、基板W上からの第2液体の流出が第1液膜F1によって堰き止められる。第1液膜F1および第2液膜F2を併せた液膜全体において、その外周部に含まれる液体の表面張力によって、膜の形体が保持される。液膜全体の外周部が表面張力の高い第1液体によって構成されているので、第1液膜F1および第2液膜F2を併せた液膜全体において、膜の形体を保持できる。
【0097】
仮に、第1液膜F1を設けることなく、基板W上の液膜を第2液膜F2のみで構成する場合、第2液体の表面張力が低いから、十分な厚みを有する蒸気層を形成できるだけの十分な加熱時間を確保することができず、その結果、基板W上の液膜を良好に浮上させることができないかもしれない。
これに対し、この実施形態のように、第1液膜F1によって第2液膜F2の側方を取り囲むことにより、第2液膜F2の膜厚を十分に厚くできる。第2液膜F2の膜厚が十分に厚いので、十分な時間をかけて第2液膜F2を加熱することができ、これにより、第2蒸気層L2の厚みを十分に厚くできる。ゆえに、第2液膜F2を良好に浮上させることができる。
【0098】
また、パターンP1の高さT(図5参照)が高く、それ故に、パターンP1の上端が、浮上している第2液膜F2の下面と同等の高さ位置か、あるいは当該下面よりも上方に位置する場合も想定される。この場合、穴Hを広げている期間中、気液界面IFにおいてパターンP1が第2液体に接液し続け、その気液界面IFにおいて第2液体の表面張力がパターンP1の上部に働く。しかしながら、第2液体の表面張力が低いので、パターンP1に働く表面張力が低い。これにより、パターンP1の倒壊を抑制することが可能である。したがって、パターンP1が、浮上している第2液膜F2に接液する場合であっても、パターンP1の倒壊を抑制しながら、基板Wを乾燥させることができる。
【0099】
また、基板Wの上面上の一部の第1液体だけを第2液体に置換することにより、リング状の第1液膜F1が、少なくとも基板Wの上面の外周部に残り、第2液体が、第1液膜F1の内側に溜まる。これにより、第2液膜F2と、第2液膜F2の側方を取り囲む第1液膜F1とを基板Wの上面に形成する構成を、比較的容易に実現できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
【0100】
たとえば、液膜形成工程において、図9に示すように、第1液体ノズル101および第2液体ノズル102という2つのノズルから液体を吐出することにより、基板Wの上面に、第2液膜F2と、第2液膜F2の側方を取り囲むリング状の第1液膜F1と、を形成するようにしてもよい。
具体的には、基板Wを回転させながら、基板Wの上面の外周部に向けて第1液体ノズル101から第1液体を吐出することにより、基板Wの上面の外周部に第1液体が供給される。これにより、基板Wの上面の外周部にリング状の第1液膜F1が形成される。また、第1液体ノズル101とは異なる第2液体ノズル102から、基板Wの上面の中央部に向けて第2液体を吐出することにより、基板Wの上面に第2液体が供給される。これにより、基板Wの上面の外周部に円形の第2液膜F2が形成される。すなわち、第1液膜F1の形成のための第1液体の供給と、第2液膜F2の形成のための第2液体の供給とを、互いに異なるノズル(第1液体ノズル101および第2液体ノズル102)からの液吐出によって実現できる。第1液体ノズル101からの第1液体の供給と、第2液体ノズル102からの第2液体の供給とは、互いに同時に行うことが考えられるが、これらの供給が互いに前後して行われてもよい。
【0101】
また、液膜形成工程において、2種類の液体(第1液体および第2液体)からなる液膜ではなく、3種類以上の液体からなる液膜を形成するようにしてもよい。たとえば、図10に示すように、基板Wの上面に、第2液膜(たとえばHFEの液膜)F2と、第2液膜F2の側方を取り囲むリング状の第1液膜(たとえばIPAの液膜)F1と、第1液膜F1の側方を取り囲むリング状の第3液膜(第3の液体(たとえば水(純水))の液膜)F3と、が、形成されていてもよい。第3の液体は、第2の液体よりも表面張力が高い。表面張力の高さに関して言えば、第2の液体<第1の液体<第3の液体である。
【0102】
また、前述の実施形態において、第1液体をIPAとし、第2液体をHFEとして説明したが、第1液体および第2液体の他の組み合わせとして、第1液体を水(大気圧および室温下における蒸気圧:3.2KPa、表面張力:0.072N/m、比重:1)とし、第2液体をIPAとすることもできる。
また、前述の実施形態において、蒸気層形成工程が、ホットプレート21による基板Wの加熱を、基板Wにおける第2液膜F2の形成前から開始するものであってもよい。具体的には、第1液膜F1が基板Wの上面に形成された後、ホットプレート21による基板Wの加熱を開始する。その後、基板Wが加熱されている状態で、基板Wの上面に第2液膜F2が形成される。そして、基板Wの加熱が続行されることにより、第1液体と基板Wの上面との間に第1蒸気層L1が形成され、かつ第2液体と基板Wの上面との間に第2蒸気層L2が形成される。
【0103】
また、前述の実施形態において、ホットプレート21は、基板Wの下面に接した状態ではなく、基板Wの下面から離れた状態で基板Wを加熱するようにしてもよい。具体的には、プレート昇降ユニット27は、近接位置と下位置との間でホットプレート21を昇降させる。近接位置は、ホットプレート21の複数の突出部25が基板Wの下面に所定間隔を隔てて対向する位置である。近接位置に配置されたホットプレート21によって、基板Wが加熱される。基板Wの温度は、ホットプレート21の加熱温度を変更することにより変更されてもよいし、基板Wとホットプレート21との間隔を変更(すなわち、近接位置の高さ位置を変更)することにより変更されてもよい。
【0104】
この場合、穴拡大工程(S9)において、基板Wを回転させてもよい。このとき、基板Wの回転による遠心力と、気体ノズル42から吐出され、第2液膜F2の表面に沿って外方に流れる気体による押し付け力と、の双方によって穴Hを広げてもよいし、穴拡大工程(S9)において気体の吐出流量の増大を行わず、基板Wの回転による遠心力だけで穴Hを広げてもよい。
【0105】
また、穴拡大工程(S9)において、基板Wの上面における、気体ノズル42からの気体の吹き付け位置を、基板Wの上面から基板Wの外周部に向けて移動させることによって穴Hを広げてもよい。
また、穴拡大工程(S9)において、基板Wの中央部が高くなりかつ基板Wの外周部が低くなるような温度勾配を基板Wの上面に設け、基板Wの中央部と基板Wの外周部との温度差に起因して、基板Wの中央部から基板Wの外周部へと向かう流れを利用して、第1液膜F1および第2液膜F2を基板Wの外周へと移動させてもよい(穴Hを広げてもよい)。基板Wの上面の温度勾配は、たとえば、ホットプレート21の上面を複数のエリアに分け、これらのエリアの加熱温度を異ならせることにより実現できる。
【0106】
前述の実施形態において、ホットプレート21以外のヒータを基板Wの下方に配置してもよい。ヒータは、ランプであってもよいし、ホットプレート21およびランプ以外であってもよい。ランプは、赤外線(たとえば、近赤外線)を発する赤外線ランプ、または、発光ダイオードを含むLEDランプであってもよいし、これら以外であってもよい。
また、前述の実施形態において、基板処理装置1が半導体ウエハからなる基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置が、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板を処理する装置であってもよい。
【0107】
前述の全ての構成のうちの2つ以上が組み合わされてもよい。前述の全ての工程のうちの2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【符号の説明】
【0108】
1 :基板処理装置
5 :スピンチャック(基板保持ユニット)
6 :ヒータ
21 :ホットプレート
40 :第1液体ノズル(第1液体供給ユニット)
41 :第2液体ノズル(第2液体供給ユニット)
42 :気体ノズル(気体吹き付けユニット)
44 :第1液体配管(第1液体供給ユニット)
45 :第1液体バルブ(第1液体供給ユニット)
46 :第2液体配管(第2液体供給ユニット)
47 :第2液体バルブ(第2液体供給ユニット)
48 :気体配管(気体吹き付けユニット)
49 :気体バルブ(気体吹き付けユニット)
101 :第1液体ノズル
102 :第2液体ノズル
W :基板
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B