(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】認証装置、認証方法、認証プログラムおよび導電性シート
(51)【国際特許分類】
G06F 21/44 20130101AFI20230626BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20230626BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
G06F21/44
G06F3/0488
G06F3/041
(21)【出願番号】P 2019169841
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162423(JP,A)
【文献】特開2019-153096(JP,A)
【文献】特開2003-150883(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002165(WO,A1)
【文献】特開2020-013513(JP,A)
【文献】国際公開第2018/141478(WO,A1)
【文献】特開2019-121402(JP,A)
【文献】特開2016-110666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
G06F 3/0488
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する検出部と、
前記第1のタッチイベントに関する第1情報と、前記第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、前記第1情報と、前記第2情報とが前記所定の条件情報を満たすと判定された場合に、前記第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する認証部と
を有
し、
前記判定部は、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証部は、前記判定部により、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定され、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定された場合には、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との関係性を認証する
ことを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記第1のタッチイベントとして、前記第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされる第1のタッチイベントと、前記第2のタッチイベントとして、前記第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされる第2のタッチイベントとを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記第1の端末装置に対して前記第1のタッチイベントを再現させ、前記第2の端末装置に対して前記第2のタッチイベントを再現させるような入力手段を用いることにより、前記第1の端末装置で発生させられた前記第1のタッチイベントと、前記第2の端末装置で発生させられた前記第2のタッチイベントとを検出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記入力手段として、前記第1のタッチイベントと、前記第2のタッチイベントとを同時期に再現させるような入力手段を用いることにより、前記第1の端末装置で発生させられた前記第1のタッチイベントと、前記第2の端末装置で発生させられた前記第2のタッチイベントとを検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記入力手段として、
前記第1のタッチイベントと、前記第2のタッチイベントとを同時期に発生させる1枚の導電性シートが、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置とに渡って載置された状態で、前記導電性シートに含まれる導電性パターンにユーザが触れた場合には、前記導電性パターンにユーザが触れたことに基づく通電により発生したタッチイベントであって、前記第1の端末装置で発生させられた前記第1のタッチイベントと、前記第2の端末装置で発生させられた前記第2のタッチイベントとを検出する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の認証装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1情報と、前記第2情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証部は、前記判定部により、前記比較結果が前記比較に関する条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記第1情報として、前記第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置それぞれの位置関係を示す第1の位置関係と、前記第2情報として、前記第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置それぞれの位置関係を示す第2の位置関係とを比較した比較結果が前記比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の認証装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記第1の検出位置のうち、所定の1つの検出位置を基準とした場合の他の検出位置の相対的な位置関係を示す前記第1の位置関係と、前記第2の検出位置のうち、所定の1つの検出位置を基準とした場合の他の検出位置の相対的な位置関係を示す前記第2の位置関係とを比較した比較結果が前記比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の認証装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記第1情報として、前記第1のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第1の時刻情報と、前記第2情報として、前記第2のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第2の時刻情報とを比較した比較結果が前記比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項10】
前記判定部は、前記第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での前記検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す前記第1の時刻情報と、前記第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での前記検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す前記第2の時刻情報とを比較した比較結果が前記比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項9に記載の認証装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定し、
前記認証部は、前記判定部により、前記比較結果が所定の範囲内であると判定された場合には、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する
ことを特徴とする請求項6~10のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証部は、前記判定部により、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定され、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定された場合には、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との関係性を認証する
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第1の位置関係であることを条件付ける前記第1の条件情報を前記第1情報が示す前記第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、前記第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第2の位置関係であることを条件付ける前記第2の条件情報を前記第2情報が示す前記第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項12に記載の認証装置。
【請求項14】
前記判定部は、前記第1の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第1のタッチ順であることを条件付ける前記第1の条件情報を前記第1情報が示す前記第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、前記第2の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第2のタッチ順であることを条件付ける前記第2の条件情報を前記第2情報が示す前記第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項13に記載の認証装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記第1の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第1の時間内であることを条件付ける前記第1の条件情報を前記第1情報が示す前記第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、前記第2の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第2の時間内であることを条件付ける前記第2の条件情報を前記第2情報が示す前記第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する
ことを特徴とする請求項13または14に記載の認証装置。
【請求項16】
前記第1の端末装置に対して前記第1のタッチイベントを再現させ、前記第2の端末装置に対して前記第2のタッチイベントを再現させるような入力手段に対する入力操作の態様を動的に制御する操作制御部と、
前記操作制御部により制御された後の態様に合わせて、前記第1の条件情報、および、前記第2の条件情報を変動させる条件制御部と
をさらに有することを特徴とする請求項12~15のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項17】
前記判定部は、前記第1の端末装置の周辺環境を示す第1の環境情報と、前記第2の端末装置の周辺環境を示す第2の環境情報とを比較した比較結果が環境比較に関する条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証部は、前記判定部により、前記比較結果が前記環境比較に関する条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項18】
前記認証部は、前記判定部により、前記第1情報と、前記第2情報とが前記条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置のうち、一方の端末装置をもう一方の他の端末装置に対する決済対象の端末装置であることを認証する
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか1つに記載の認証装置。
【請求項19】
認証装置が実行する認証方法であって、
第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する検出工程と、
前記第1のタッチイベントに関する第1情報と、前記第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により、前記第1情報と、前記第2情報とが前記所定の条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する認証工程と
を含
み、
前記判定工程は、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証工程は、前記判定工程により、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定され、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定された場合には、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との関係性を認証する
ことを特徴とする認証方法。
【請求項20】
第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する検出手順と、
前記第1のタッチイベントに関する第1情報と、前記第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により、前記第1情報と、前記第2情報とが前記所定の条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する認証手順と
をコンピュータに実行させ
、
前記判定手順は、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定し、
前記認証手順は、前記判定手順により、前記第1情報が前記第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定され、前記第2情報が前記第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定された場合には、前記第1の端末装置と前記第2の端末装置との関係性を認証する
ことを特徴とする認証プログラム。
【請求項21】
第1の端末装置と、前記第1の端末装置とは異なる第2の端末装置とに渡って、前記端末装置それぞれの表示画面に導電性パターンが接触するように載置される1枚のシートであって、前記導電性パターンに含まれる接続線にユーザがタッチしたことに基づく通電により、前記端末装置それぞれの表示画面に対して同時期にタッチイベントを再現させるタッチ発生部と、前記タッチ発生部のうち前記第1の端末装置の表示画面にタッチイベントを再現させるタッチ発生部、および、前記タッチ発生部のうち前記第2の端末装置の表示画面にタッチイベントを再現させるタッチ発生部の間を接続する前記接続線とで構成される前記導電性パターンが複数印字された導電性シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置、認証方法、認証プログラムおよび導電性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導電性材料が形成されたカード部材をタッチパネル上に載置し、カード部材上におけるタッチ位置とカード部材における情報の組合せにより情報入力を行う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、導電性インクにより印刷された導電手段を使用して、署名領域が容量性画面に対して押されると認証を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、認証におけるユーザビリティを向上させることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、プレートのタッチスクリーンを読み取るためのグリッド上に導電性フィギュアを動かすことによりグリッド認証を可能とするものであり、シチュエーションが限られているうえ、シートやフィギュアといった複数のオブジェクトが必要となる。このため上記の従来技術では、認証におけるユーザビリティを向上させることができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、認証におけるユーザビリティを向上させることができる認証装置、認証方法、認証プログラムおよび導電性シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願にかかる認証装置は、第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する検出部と、前記第1のタッチイベントに関する第1情報と、前記第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記第1情報と、前記第2情報とが前記所定の条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、前記第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する認証部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、認証におけるユーザビリティを向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる認証処理の全体的な流れの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる導電性シートの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる認証処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる認証処理のバリエーション(1)の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる認証処理のバリエーション(2)の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる導電性シートにおけるパターンのバリエーションの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる認証システムの構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる認証装置の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、シート情報記憶部の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態にかかる認証処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、認証装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願にかかる認証装置、認証方法、認証プログラムおよび導電性シートを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる認証装置、認証方法、認証プログラムおよび導電性シートが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.認証処理の概要〕
図1~
図6を用いて、実施形態にかかる認証処理の一例について説明する。
図1では、実施形態にかかる認証処理の全体的な流れを説明する。
図2では、実施形態にかかる認証処理で利用される導電性シートについて説明する。
図3では、実施形態にかかる認証処理の一例について説明する。
図4~
図6では、実施形態にかかる認証処理のバリエーションについて説明する。また、実施形態にかかる認証処理は、
図1に示す認証装置100によって行われる。認証装置100は、例えば、サーバ装置である。
【0011】
図1~
図6の説明に先立って、
図7を用いて、まず、実施形態にかかる認証システムについて説明する。
図7は、実施形態にかかる認証システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる認証システム1は、
図7に示すように、第1の端末装置10-xと、第2の端末装置20-nと、認証装置100とを含む。第1の端末装置10-x、第2の端末装置20-n、認証装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0012】
第1の端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nは、所定のイベントに関与するユーザによって利用される情報処理端末である。例えば、第1の端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nは、所定のイベントとして、所定の電子商取引に関与するユーザによって利用される情報処理端末である。例えば、第1の端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nは、所定の電子商取引として、決済イベントに関与するユーザによって利用される情報処理端末である。例えば、所定のイベントが、顧客とサービス提供者(例えば、店舗)との間での決済イベントであるとすると、本実施形態では、第1の端末装置10-xが顧客によって利用される情報処理端末であり、第2の端末装置20-nがサービス提供者によって利用される情報処理端末であるものとする。
【0013】
第1の端末装置10-xは、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末等である。すなわち、第1の端末装置10-xは、タッチパネル式の表示画面を有するものであればいかなる情報処理端末であってもよい。本実施形態では、第1の端末装置10-xは、スマートフォンであるものとする。また、第2の端末装置20-nは、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末等である。すなわち、同様に、第2の端末装置20-nは、タッチパネル式の表示画面を有するものであればいかなる情報処理端末であってもよい。本実施形態では、第2の端末装置20-nは、スマートフォンであるものとする。
【0014】
また、第1の端末装置10-xは、例えば、表示画面が顧客によってタッチ(タッチ入力)されることにより、表示画面上でタッチベントが発生した場合には、そのタッチイベントに関する情報を認証装置100に送信する。また、第2の端末装置20-nは、例えば、表示画面がサービス提供者によってタッチ(タッチ入力)されることにより、表示画面上でタッチベントが発生した場合には、そのタッチイベントに関する情報を認証装置100に送信する。なお、本実施形態では、表示画面上でタッチイベントを再現する専用の導電性シートを用いてタッチ入力が行われる。かかる導電性シートいついては後ほど
図2で説明する。
【0015】
また、第1の端末装置10-xの「x」には、顧客毎に第1の端末装置10-xを区別される数値が入力される。
図1でも同様の例を用いるが、例えば、顧客U1によって利用される第1の端末装置10-xは、第1の端末装置10-1として区別される。また、第2の端末装置20-nの「n」には、サービス提供者毎に第2の端末装置20-nを区別される数値が入力される。
図1でも同様の例を用いるが、例えば、店舗SH1(より詳細には、店舗SH1の店員CL1)によって利用される第2の端末装置20-nは、第2の端末装置20-1として区別される。なお、顧客やサービス提供者に応じて、これら端末装置を区別する必要がない場合には、第1の端末装置10-x、第2の端末装置20-n、といったそのままの表記を用いる。また、第1の端末装置10-x、および、第2の端末装置20-nの区別も不要な場合には、単に端末装置と表記する。
【0016】
ここで、実施形態にかかる認証処理が行われるにあたっての前提について説明する。本実施形態では、所定のイベント(例えば、決済イベント)に関与するユーザ(顧客やサービス提供者)間での認証にかかる操作の煩雑さを無くすことで、認証におけるユーザビリティを向上させることを前提および目的としている。また、認証にかかる操作の煩雑さを無くすとするとセキュリティ面での不安が残ることが懸念されるが、実施形態にかかる認証処理は、よりセキュアな認証を実現することをさらに前提および目的としている。また、サービス提供者が例えば店舗であるとすると、よりセキュアな認証を実現しようとした場合、店舗に対して専用のインフラ(例えば、認証カメラやカードリーダー等)を整える必要がありコストが掛かることが懸念されるが、実施形態にかかる認証処理は、インフラの整備を必要としない、すなわち低コストながらセキュアな認証を実現することをさらに前提および目的としている。
【0017】
また、決済イベントにおける最近の決済方式として、QRコード(登録商標)やバーコードを用いた電子決済が挙げられるが、このような電子決済では、専用のアプリケーションを開いてコードを表示させてからコードを読み取る(読み取らせる)という数段階の手順を踏む必要があるため、取引の現場(例えば、店舗におけるレジ周辺)の混雑を招く可能性がある。このため、決済完了までの手順を簡略化することが求められている。このようなことから、実施形態にかかる認証処理は、認証にかかる手順を簡略化することをさらに前提および目的としている。
【0018】
したがって、このような前提を踏まえて、実施形態にかかる認証装置100は、後に
図3~
図6で説明する実施形態にかかる認証処理を行う。ここからは、まずは
図1を用いて、実施形態にかかる認証処理の全体的な流れを説明する。
図1は、実施形態にかかる認証処理の全体的な流れの一例を示す図である。また、以下の実施形態では、所定のイベントとして決済イベント(電子決済)を例に挙げる。
図1では、顧客U1と店舗SH1との間で電子決済EV1が行わる際の様子が示されている。具体的には、
図1では、顧客U1が店舗SH1にて所定の商品を購入するために、店舗SH1の店員CL1に対して電子決済での決済を要求したことにより、電子決済EV1が発生している。また、
図1の例では、POS端末PT1に接続されたリーダーRD1によって商品のバーコードが読み取られることにより、POS端末PT1に搭載される表示画面に商品の値段「1,000円」が表示されている。したがって、顧客U1は、
図1の例で発生している電子決済EV1において、店舗SH1に対して「1,000円」を支払う。
【0019】
また、顧客U1と店員CL1との間での電子決済でもある電子決済EV1は、顧客U1が有する第1の端末装置10-1(以下、「端末装置10-1」と略す場合がある)、および、店員CL1が有する第2の端末装置20-1(以下、「端末装置20-1と略す場合がある」)との間で行われる。このような電子決済EV1では、例えば、店舗SH1とは無関係な第3者が店舗SH1となりすまして「1,000円」を受領しようという不正を働く恐れがある。このため、電子決済EV1は、顧客U1と店員CL1との間で行われる正当な電子決済であることを認証される必要がある。すなわち、電子決済EV1では、顧客U1と店員CL1との関係性の正当性の認証が得られる必要がある。言い換えれば、顧客U1が確かにその本人であるとの本人性の認証と、店舗SH1(店員CL1)が確かにその店舗であるとの本人性の認証とが得られる必要がある。したがって、
図1の例では、実施形態にかかる認証装置100は、電子決済EV1において、顧客U1と店舗SH1の双方の認証を行う。具体的には、認証装置100は、電子決済EV1において、顧客U1と店舗SH1が金銭授受の関係にあることの認証を行う。そして、認証装置100は、認証が得られた場合には、電子決済EV1を成立させる。
【0020】
例えば、認証装置100は、電子決済EV1において、端末装置10-1で発生したタッチイベントに関する情報と、端末装置20-1で発生したタッチイベントに関する情報とを比較し、比較結果が条件を満たす場合には、互いの関係性を認証する。ここで、端末装置10-1および端末装置20-1の双方でタッチイベントを発生させるためには、導電性シートSE1が用いられる。このようなことから、端末装置10-1および端末装置20-1には、導電性シートSE1への通電に対応する専用のアプリケーションが予め導入されている。以下では、かかるアプリケーションを「アプリAP」と表記する。
【0021】
このような状態において、認証装置100は、端末装置から認証処理の要求を希望する認証要求を受信する(ステップS11)。例えば、端末装置10-1は、アプリAPが起動されると、端末装置10-1を識別する端末ID「10-1」を含む認証要求を認証装置100に送信する。かかる場合、認証装置100は、端末装置10-1から認証要求を受信することで、端末装置10-1を認証処理の基準となる基準端末と見做す。なお、認証装置100は、端末装置20-1を識別する端末ID「20-1」を含む認証要求を受信した場合には、端末装置20-1を基準端末と見做してもよい。
図1の例では、認証装置100は、端末装置10-1を基準端末と定めているものとする。また、認証装置100は、タッチベントを検出できるまで待機する。
【0022】
ここで、店員CL1(顧客U1でもよい)は、端末装置10-1と端末装置20-1とを横一列に並べた状態で、各端末装置の表示画面に対して導電性シートSE1を重ねるように載置する。そして、このような状態で、顧客U1または店員CL1のいずれか一方が、導電性シートSE1に触れることで、端末装置10-1および端末装置20-1の双方にタッチイベントを発生させる(ステップS12)。例えば、顧客U1は、自身の支払金額「1,000円」をアプリAP内に入力したうえで、導電性シートSE1に触れる。かかる場合、認証装置100は、端末装置10-1および端末装置20-1からタッチイベントを示す情報を検出する(ステップS13)。例えば、認証装置100は、端末装置10-1の表示画面D1でのタッチイベントである第1のタッチイベントとして、第1タッチイベントTC11を検出する。例えば、端末装置10-1は、アプリAPの制御に従って、タッチイベントに関する情報を認証装置100に送信する。これにより、認証装置100は、第1タッチイベントTC11を検出することができる。また、認証装置100は、端末装置20-1の表示画面D2でのタッチイベントである第2のタッチイベントとして、第2タッチイベントTC21を検出する。例えば、端末装置20-1は、アプリAPの制御に従って、タッチイベントに関する情報を認証装置100に送信する。これにより、認証装置100は、第2タッチイベントTC21を検出することができる。
【0023】
次に、認証装置100は、第1タッチイベントTC11に関する第1情報と、第2タッチイベントTC21に関する第2情報とを比較し、比較した比較結果が所定の条件情報を満たすか否か判定する判定処理を行う(ステップS14)。例えば、認証装置100は、第1タッチイベントTC11を示す情報に基づいて、第1タッチイベントTC11に関する第1情報を算出する。また、認証装置100は、第2タッチイベントTC21を示す情報に基づいて、第2タッチイベントTC21に関する第2情報を算出する。そして、認証装置100は、算出した第1情報と第2情報とを比較し、比較した比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定する。例えば、認証装置100は、第1情報と第2情報との差異(比較結果)が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0024】
次に、認証装置100は、ステップS14での判定処理での判定結果に基づいて、かかる判定結果に基づく認証処理を行う(ステップS15)。例えば、認証装置100は、第1情報と第2情報とを比較した比較結果が所定の条件情報を満たすと判定した場合には、端末装置10-1と端末装置20-1との関係性を認証する。具体的には、認証装置100は、第1情報と第2情報とを比較した比較結果が所定の条件情報を満たすと判定した場合には、端末装置10-1と端末装置20-1は電子決済EV1において金銭授受の関係性にあることの認証を得る。また、認証装置100は、このように認証した場合、電子決済EV1での決済処理を成立させる。不図示であるが、認証システム1に決済処理を行う決済サーバSVが含まれる場合、認証装置100は、決済サーバSVに対して、顧客U1から店舗SH1への送金を決済させる。
【0025】
一方、認証装置100は、、第1情報と第2情報とを比較した比較結果が所定の条件情報を満たさないと判定した場合には、端末装置10-1と端末装置20-1との関係性を認証しない非認証とする。
【0026】
ここで、例えば、店舗SH1には、店員CL1以外にも店員がおり、電子決済EV1以外の決済イベントが電子決済EV1とほぼ同じタイミングで発生する可能性がある。また、店舗SH1の周辺の他店舗において、電子決済EV1以外の決済イベントが電子決済EV1とほぼ同じタイミングで発生する可能性がある。このようなことから、認証装置100は、例えば、基準端末である端末装置10-1を基準にして、タッチイベントが検出された全ての他の端末それぞれを対象に認証処理(特に、ステップS14およびS15で説明した認証処理)を行うことができる。このようなことから、認証装置100は、タッチイベントが検出された第1の端末装置10-x、および、第2の端末装置20-nのうち、基準端末と関係性の認証が得られた端末装置を、基準端末に対して正当な関係性を有する装置であるとの認証を得る。
【0027】
〔2.導電性シートについて〕
さて、ここからは、
図2を用いて実施形態にかかる導電性シートについて説明する。
図2は、実施形態にかかる導電性シートの一例を示す図である。実施形態にかかる導電性シートは、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような入力手段である。また、導電性シートは、第1のタッチイベントと、第2のタッチイベントとを同時期に再現させるような入力手段である。より詳細には、導電性シートは、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第1のタッチイベントとの比較結果に応じて認証を行うための第2のタッチイベントを再現させるための入力手段である。また、導電性シートは、導電性インク(例えば、銀ナノインク)を用いて、例えば、紙媒体に対して
図2に示すようなパターンが印刷された入力手段である。なお、導電性インクが印刷される媒体は、紙媒体でなくてもよい。また、
図2では、このような導電性シートの一例として、導電性シートSE1が例示されている。
【0028】
図2に示す導電性シートSE1の例では、パターンPT11、パターンPT12、パターンPT13、パターンPT14、といった4つの導電性パターンが導電性インクにより印刷されている。パターンPT11は、タッチパネル式の表示画面を実際に指でタッチしたときのタッチイベントを再現するタッチ発生部CL111と、タッチパネル式の表示画面を実際に指でタッチしたときのタッチイベントを再現するタッチ発生部CL112とを接続線LN1で接続することで構成される。パターンPT12、パターンPT13、パターンPT14についても、同様に、図示の通りであるため詳細な説明を省略する。
【0029】
また、
図2に示す導電性シートSE1の例では、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141は、第1の端末装置10-x側でタッチイベントを発生させるための部位であり。また、
図2の例では、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142は、第2の端末装置20-n側でタッチイベントを発生させるための部位である。そして、
図2に示す導電性シートSE1の例では、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141の位置関係と、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142の位置関係とは互いに対応(一致)している。また、ここでいう位置関係とは相対的な位置関係である。
【0030】
この点についてより詳細に説明する。例えば、第1の端末装置10-x側において、タッチ発生部CL111を基準(例えば、X軸座標0、Y軸座標0)とする。かかる場合、
図2の例では、タッチ発生部CL121は「X軸正方向3、Y軸負方向3」という相対位置にあり、タッチ発生部CL131は「X軸負方向1、Y軸負方向6」という相対位置にあり、タッチ発生部CL141は「X軸正方向6、Y軸負方向7」という相対位置にあるという相対的な位置関係A11が成立している。また、第2の端末装置20-n側において、タッチ発生部CL112を基準(例えば、X軸座標0、Y軸座標0)とする。かかる場合、
図2の例では、タッチ発生部CL122は「X軸正方向3、Y軸負方向3」という相対位置にあり、タッチ発生部CL132は「X軸負方向1、Y軸負方向6」という相対位置にあり、タッチ発生部CL142は「X軸正方向6、Y軸負方向7」という相対位置にあるという相対的な位置関係A21が成立している。そして、位置関係A11と位置関係A21とは互いに対応(一致)している。
【0031】
なお、第1の端末装置10-x側におけるタッチ発生部の位置関係と、第2の端末装置20-n側におけるタッチ発生部の位置関係とは、必ずしも対応していなくともよい。例えば、
図4に示す導電性シートSE2のように、互いの位置関係が不一致であってもよい。
【0032】
次に、導電性シートSE1を用いて端末装置の表示画面上でタッチイベントを再現させる手法について説明する。
図2の例によると、導電シートSE1に含まれる接続線LN1、LN2、LN3、LN4は、導電シートSE1の中央部辺りで縦一列に密集している密集箇所が得られている。ここで、一時的に
図3へ移行すると、例えば、店員CL1(顧客U1でもよい)は、第1の端末装置10-1側でタッチイベントを発生させるタッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141が、第1の端末装置10-1の表示画面D1に重なるよう、また、第2の端末装置20-1側でタッチイベントを発生させるタッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142が、第2の端末装置20-1の表示画面D2に重なるよう、導電性シートSE1を載置する。
図2に戻ると、このような状態において、顧客U1は、密集箇所を上から下方向へと一気になぞるという態様の入力操作を行う。そうすると、静電容量方式のメカニズムで、タッチパネル内部で常時流れている信号が、各タッチ発生部から顧客U1を介してグラウンドへ流出する。端末装置はこのときの電位差に基づきタッチイベントの有無を判定する。
【0033】
ここで、密集箇所を上から下方向へと一気になぞるという態様の入力操作が行われた場合、次のようなタッチイベントが発生することになる。具体的には、端末装置10-1では、表示画面D1上の位置であって、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141に対応する位置が順にタッチされるというタッチイベントが発生する。したがって、
図1のステップS13では、認証装置100は、表示画面D1上の位置であって、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141に対応する位置が順にタッチされるといタッチイベントとして第1タッチイベントTC11を検出する。また、端末装置20-1では、表示画面D2上の位置であって、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142に対応する位置が順にタッチされるというタッチイベントが発生する。したがって、
図1のステップS13では、認証装置100は、表示画面D2上の位置であって、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142に対応する位置が順にタッチされるといタッチイベントとして第2タッチイベントTC21を検出する。
【0034】
また、顧客U1は、密集箇所を上から下方向へと一気になぞるだけで、端末装置10-1および端末装置20-1の双方に対してほぼ同一タイミングで、表示画面状の4つのポイントを順にタッチするというタッチイベントを瞬時に発生させることができる。一方で、導電性シートSE1を利用しない単なる人の動作では、このようなタッチイベントを実現させるのはほぼ不可能といえる。このようなことから、導電性シートSE1を用いた端末装置同士の紐付け(関係づけ、ペアリング)が認証するうえで有効な手段となり得る。
【0035】
なお、実施形態にかかる導電性シートは、例えば、サービス提供者側毎に予め配布されればよい。また、この場合、サービス提供者毎に、導電性パターンの態様(例えば、タッチ発生部の位置関係)が異なっていることが望ましい。例えば、導電性シートSE1は、店舗SH1に配布されているものであり、例えば、店舗SH1を識別する識別情報(店舗ID)と紐付けられている。このため、顧客U1が導電性シートを用意する必要がない。
【0036】
〔3.認証処理の一例〕
さて、ここからは、
図3を用いて実施形態にかかる認証処理について説明する。
図3は、実施形態にかかる認証処理の一例を示す図である。実施形態にかかる認証装置100は、第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する。そして、認証装置100は、第1のタッチイベントに関する第1情報と、第2のタッチイベントに関する第2情報とを比較した比較結果が所定の条件情報を満たすか否かを判定する。そして、認証装置100は、比較結果が所定の条件情報を満たすと判定した場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。
【0037】
例えば、認証装置100は、第1情報として、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置それぞれの位置関係を示す第1の位置関係(相対的な位置関係)と、第2情報として、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置それぞれの位置関係を示す第2の位置関係(相対的な位置関係)とを比較した比較結果が条件情報を満たすか否かを判定する。
【0038】
また、例えば、認証装置100は、第1情報として、第1のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第1の時刻情報(相対時刻)と、第2情報として、第2のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第2の時刻情報(相対時刻)とを比較した比較結果が条件情報を満たすか否かを判定する。
【0039】
図3は、
図1に示したステップS14およびS15にかけての認証処理の一例をより詳細に説明するものである。まず、
図1のステップS12の詳細として、
図3では、顧客U1が導電性シートSE1の密集箇所を上から下方向へと一気になぞるという態様の入力操作を行っている。したがって、
図2で説明したように、認証装置100は、表示画面D1上の位置であって、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141に対応する位置が順にタッチされるというタッチイベントとして第1タッチイベントTC11を検出する(ステップS141)。また、認証装置100は、
図1のステップS13において、表示画面D2上の位置であって、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142に対応する位置が順にタッチされるというタッチイベントとして第2タッチイベントTC21を検出する(ステップS141)。ステップS141は、
図1のステップS13に対応する。また、認証装置100は、第1タッチイベントTC11と第2タッチイベントTC21とをほぼ同一タイミングで検出する。
【0040】
次に、認証装置100は、第1タッチイベントTC11に基づいて、タッチ発生部CL111によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)PT11、タッチ発生部CL121によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)PT21、タッチ発生部CL131によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)PT31、タッチ発生部CL141によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)PT41、という4つのタッチ位置の位置関係を示す第1の位置関係PL11を算出する(ステップS142)。
【0041】
図3に示すように、表示画面D1におけるタッチ位置PT11の位置座標(x1,y1)、表示画面D1におけるタッチ位置PT21の位置座標(x2,y2)、表示画面D1におけるタッチ位置PT31の位置座標(x3,y3)、表示画面D1におけるタッチ位置PT41の位置座標(x4,y4)、とする。そうすると、認証装置100は、タッチ位置PT11の位置座標(x1,y1)を基準とした場合の、他3つのタッチ位置の相対的な位置関係(相対位置)を算出する。具合的には、認証装置100は、位置座標(x1,y1)および位置座標(x2,y2)に基づいて、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT21の相対的な位置関係として、「X軸正方向3、Y軸負方向3」といった相対位置関係を算出する。また、認証装置100は、位置座標(x1,y1)および位置座標(x3,y3)に基づいて、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT31の相対的な位置関係として、「X軸負方向1、Y軸負方向6」といった相対位置関係を算出する。また、認証装置100は、位置座標(x1,y1)および位置座標(x4,y4)に基づいて、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT41の相対的な位置関係として、「X軸正方向6、Y軸負方向7」といった相対位置関係を算出する。したがって、
図3では、第1の位置関係PL11は、これら相対位置関係を概念的に示すものである。
【0042】
また、認証装置100は、第2タッチイベントTC21に基づいて、タッチ発生部CL112によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)PT12、タッチ発生部CL122によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)PT22、タッチ発生部CL132によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)PT32、タッチ発生部CL142によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)PT42、という4つのタッチ位置の位置関係を示す第2の位置関係PL21を算出する(ステップS142)。
【0043】
図3に示すように、表示画面D2におけるタッチ位置PT12の位置座標(x1´,y1´)、表示画面D2におけるタッチ位置PT22の位置座標(x2´,y2´)、表示画面D2におけるタッチ位置PT32の位置座標(x3´,y3´)、表示画面D2におけるタッチ位置PT42の位置座標(x4´,y4´)、とする。そうすると、認証装置100は、タッチ位置PT12の位置座標(x1´,y1´)を基準とした場合の、他3つのタッチ位置の相対的な位置関係(相対位置)を算出する。具合的には、認証装置100は、位置座標(x1´,y1´)および位置座標(x2´,y2´)に基づいて、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT22の相対的な位置関係として、「X軸正方向3、Y軸負方向3」といった相対位置関係を算出する。また、認証装置100は、位置座標(x1´,y1´)および位置座標(x3´,y3´)に基づいて、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT32の相対的な位置関係として、「X軸負方向1、Y軸負方向6」といった相対位置関係を算出する。また、認証装置100は、位置座標(x1´,y1´)および位置座標(x4´,y4´)に基づいて、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT42の相対的な位置関係として、「X軸正方向6、Y軸負方向7」といった相対位置関係を算出する。したがって、
図3では、第2の位置関係PL21は、これら相対位置関係を概念的に示すものである。
【0044】
なお、ステップS142の例では、認証装置100がタッチ位置の位置座標に基づきタッチ位置の位置関係を算出する例を示した。しかしながら、認証装置100は、位置座標以外の情報を用いて相対的な位置関係を算出してもよい。例えば、アプリAPが表示画面に対して、内部的にタッチ位置をラべリングする機能を備えている場合には、認証装置100は、ラべリングされたラベル情報に基づき位置関係を算出することができる。例えば、アプリAPは、表示画面をグリッドに分割することで、タッチ位置に対応するグリッドに対して番号をラべリングすることができるとする。かかる場合、認証装置は、ラべリングされたグリッドからタッチ位置の位置関係を算出することができる。
【0045】
次に、認証装置100は、第1タッチイベントTC11に基づいて、タッチ発生部CL111によって表示画面D1がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM11、タッチ発生部CL121によって表示画面D1がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM21、タッチ発生部CL131によって表示画面D1がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM31、タッチ発生部CL141によって表示画面D1がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM41、という4つのタッチ時刻の時刻関係を示す第1の時刻情報TM11を算出する(ステップS143)。
【0046】
例えば、認証装置100は、タッチ時刻CM11を基準とした場合の、他3つのタッチ時刻の相対的な時刻関係(相対時刻)を算出する。具合的には、認証装置100は、タッチ時刻CM11およびタッチ時刻CM21に基づいて、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM21の相対的な時間関係として、「CM11-21」といった相対時刻を算出する。ここで、例えば、タッチ時刻CM11の絶対時刻は「10時05分00秒01」、タッチ時刻CM21の絶対時刻は「10時05分00秒02」であるとする。そうすると、認証装置100は、絶対時刻「10時05分00秒01」を基準時刻「00時00分00秒00」と変換することで、タッチ時刻CM21の絶対時刻「10時05分00秒02」から相対時刻「00時00分00秒02」を算出する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM11およびタッチ時刻CM31に基づいて、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM31の相対的な時間関係として、「CM11-31」といった相対時刻を算出する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM11およびタッチ時刻CM41に基づいて、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM41の相対的な時間関係として、「CM11-41」といった相対時刻を算出する。したがって、
図3では、第1の時刻情報TM11は、これら相対時刻関係を概念的に示すものである。
【0047】
また、認証装置100は、第2タッチイベントTC21に基づいて、タッチ発生部CL112によって表示画面D2がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM12、タッチ発生部CL122によって表示画面D2がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM22、タッチ発生部CL132によって表示画面D2がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM32、タッチ発生部CL142によって表示画面D2がタッチされたタッチ時刻(検出時刻)CM42、という4つのタッチ時刻の時刻関係を示す第2の時刻情報TM21を算出する(ステップS143)。
【0048】
例えば、認証装置100は、タッチ時刻CM12を基準とした場合の、他3つのタッチ時刻の相対的な時刻関係(相対時刻)を算出する。具合的には、認証装置100は、タッチ時刻CM12およびタッチ時刻CM22に基づいて、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM22の相対的な時間関係として、「CM12-22」といった相対時刻を算出する。ここで、例えば、タッチ時刻CM12の絶対時刻は「10時05分00秒01」、タッチ時刻CM22の絶対時刻は「10時05分00秒02」であるとする。そうすると、認証装置100は、絶対時刻「10時05分00秒01」を基準時刻「00時00分00秒00」と変換することで、タッチ時刻CM22の絶対時刻「10時05分00秒02」から相対時刻「00時00分00秒02」を算出する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM12およびタッチ時刻CM32に基づいて、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM32の相対的な時間関係として、「CM12-32」といった相対時刻を算出する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM12およびタッチ時刻CM42に基づいて、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM42の相対的な時間関係として、「CM12-42」といった相対時刻を算出する。したがって、
図3では、第2の時刻情報TM21は、これら相対時刻関係を概念的に示すものである。
【0049】
次に、認証装置100は、第1の位置関係PL11および第2の位置関係PL21を比較し(ステップS144)、比較によって得られた比較結果PRE1が所定の範囲内か否かを判定する(ステップS145)。例えば、認証装置100は、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT21の相対位置関係(「X軸正方向3、Y軸負方向3」)と、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT22の相対位置関係(「X軸正方向3、Y軸負方向3」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対位置関係のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。また、認証装置100は、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT31の相対位置関係(「X軸負方向1、Y軸負方向6」)と、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT32の相対位置関係(「X軸負方向1、Y軸負方向6」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対位置関係のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。また、認証装置100は、タッチ位置PT11に対するタッチ位置PT41の相対位置関係(「X軸正方向6、Y軸負方向7」)と、タッチ位置PT12に対するタッチ位置PT42の相対位置関係(「X軸正方向6、Y軸負方向7」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対位置関係のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。そして、認証装置100は、上記各位置関係での比較結果のいずれもが所定の範囲内か否かを判定する。
【0050】
同様に、認証装置100は、第1の時刻情報TM11および第2の時刻情報TM21を比較し(ステップS144)、比較によって得られた比較結果TRE2が所定の範囲内か否かを判定する(ステップS145)。例えば、認証装置100は、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM21の相対時刻(「CM11-21」)と、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM22の相対時刻(「CM12-22」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対時刻のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM31の相対時刻(「CM11-31」)と、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM32の相対時刻(「CM12-32」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対時刻のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。また、認証装置100は、タッチ時刻CM11に対するタッチ時刻CM41の相対時刻(「CM11-41」)と、タッチ時刻CM12に対するタッチ時刻CM42の相対時刻(「CM12-42」)とを比較し、比較結果(すなわち、互いの相対時刻のずれ)が所定の範囲内か否かを判定する。そして、認証装置100は、上記各相対時刻での比較結果のいずれもが所定の範囲内か否かを判定する。
【0051】
このような状態において、認証装置100は、各位置関係での比較結果のいずれもが所定の範囲内であり、かつ、各相対時刻での比較結果のいずれもが所定の範囲内である場合(ステップS145;Yes)、端末装置10-1(顧客U1)と端末装置20-1(店舗SH1)が電子決済EV1において金銭授受の正当な関係にあることを認証する。一方、認証装置100は、各位置関係での比較結果のいずれもが所定の範囲内であり、かつ、各相対時刻での比較結果のいずれもが所定の範囲内であるとの条件が満たされない場合(ステップS145;No)、端末装置10-1(顧客U1)と端末装置20-1(店舗SH1)が電子決済EV1において金銭授受の正当な関係にないと定めて認証を拒絶する。
【0052】
また、
図3では付図示であるが、認証装置100は、各位置関係での比較結果のいずれもが所定の範囲内であり、かつ、各相対時刻での比較結果のいずれもが所定の範囲内である場合(ステップS145;Yes)には、決済サーバSVに対して、顧客U1から店舗SH1への送金を決済させる。例えば、認証装置100は、顧客U1により入力された支払い金額「1,000円」の決済を行わせる。
【0053】
さて、これまで
図1~
図3で説明してきたように、実施形態にかかる認証装置100は、第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する。具体的には、認証装置100は、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような態様で導電性パターンが印刷された導電性シートを用いることにより、第1の端末装置で発生させられた第1のタッチイベントと、第2の端末装置で発生させられた第2のタッチイベントとを検出する。そして、認証装置100は、第1のタッチイベントに関する第1情報と、第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する。そして、認証装置100は、第1情報と、第2情報とが前定の条件情報を満たすと判定した場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。
【0054】
これにより、実施形態にかかる認証装置100は、所定のイベント(例えば、決済イベント)に関与するユーザ(顧客やサービス提供者)間での認証にかかる操作の煩雑さを無くすことで、認証におけるユーザビリティを向上させることができる。また、導電性パターンが印刷された導電性シートが用いられることで、認証装置100は、手作業では不可能なタッチイベントを認証に利用することができるため、よりセキュアな認証を実現することができる。また、
図1~
図3で説明した通り、実施形態にかかる認証処理では、認証の際に導電性シートさえあればよく、店舗に対して専用のインフラ(例えば、認証カメラやカードリーダー等)を準備させる必要がない。このため、認証装置100は、低コストながらセキュアな認証を実現することができる。また、
図1~
図3で説明した通り、ユーザは導電性シートをなぞるだけでよく、決済までに何段階もの手順を踏む必要がない。このため、認証装置100は、認証にかかる手順を簡略化することができる。
【0055】
〔4.実施形態にかかる認証処理のバリエーション〕
ここからは、実施形態にかかる認証処理のバリエーション(変形例)について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態にかかる認証処理のバリエーション(1)の一例を示す図である。
【0056】
〔4-1.第1の端末装置、第2の端末装置それぞれに条件設定される〕
上記実施形態では、認証装置100が、第1のタッチイベントに関する第1情報と、第2のタッチイベントに関する第2情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定し、この条件情報を満たすと判定した場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する例を示した。しかし、認証装置100は、所定のイベントに関与している第1の端末装置、第2の端末装置それぞれに対して個別に条件情報を設定することにより、第1の端末装置、第2の端末装置それぞれがこの条件情報を満たすか否かをさらに判定してもよい。具体的には、認証装置100は、第1情報が第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、第2情報が第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定する。そして、認証装置100は、第1情報が第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定し、第2情報が第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定した場合には、第1の端末装置と第1の端末装置との関係性を認証する。
【0057】
例えば、認証装置100は、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第1の位置関係であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第2の位置関係であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示す第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0058】
また、認証装置100は、第1の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第1のタッチ順であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第2のタッチ順であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示記第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0059】
また、認証装置100は、第1の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第1の時間内であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第2の時間内であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示す第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0060】
かかる変形例では、認証装置100は、どのような態様のパターンが印刷された導電性シートが認証の際に用いられているかを把握しておく必要がある。サービス提供者毎に導電性シートが紐付けられる場合、認証装置100は、サービス提供者毎に、どのような態様のパターンが印刷された導電性シートが当該サービス提供者でのイベント(例えば、決イベント)に用いられているかを把握する必要がある。これまでの例に倣って、サービス提供者が店舗であるとすると、認証装置100は、店舗毎に、どのような態様のパターンが印刷された導電性シートが当該サービス提供者でのイベント(例えば、決イベント)に用いられているかを把握する必要がある。このため、認証装置100は、シート情報記憶部121において、店舗と導電性シートを予め紐付けておく。
【0061】
ここで、
図8に、シート情報記憶部121の一例を示す。シート情報記憶部121は、店舗毎に導電性シートに関する情報を記憶する。
図8の例では、シート情報記憶部121は、「店舗ID」、「シートID」、「パターン情報」といった項目を有する。また、「パターン情報」には、「第1の端末側」および「第2の端末側」といった項目がさらに含まれる。「店舗ID」は、店舗を識別する識別情報を示す。「シートID」は、店舗IDによって識別される店舗が有する導電性シートを識別する識別情報を示す。「パターン情報」に含まれる「第1の端末側」は、「シートID」によって識別される導電性シートにおいて、導電性パターンのうち第1の端末装置側に載置される用のパターン(例えば、タッチ発生部の位置関係)を示す。また、「パターン情報」に含まれる「第2の端末側」は、「シートID」によって識別される導電性シートにおいて、導電性パターンのうち第2の端末装置側に載置される用のパターン(例えば、タッチ発生部の位置関係)を示す。
【0062】
すなわち、
図8の例では、店舗ID「SH1」によって識別される店舗(店舗SH1)には、シートID「SE2」によって識別される導電性シート(導電性シートSE2)が配布されている例を示す。また、
図8の例では、導電性シートSE2におけるパターンのうち、第1の端末装置に載置されるパターンは、パターン情報PTDA11である例を示す。また、
図8の例では、導電性シートSE1におけるパターンのうち、第2の端末装置に載置されるパターンは、パターン情報PTDA12である例を示す。
【0063】
図4の説明に戻る。
図4でもこれまで通り、顧客U1と店舗SH1との間での電子決済EV1にかかる認証処理を例に挙げる。ただし、
図4の例では、使用される導電性シートが、導電性シートSE1ではなく導電性シートSE2である。導電性シートSE1では、タッチ発生部CL111、CL121、CL131、CL141の位置関係と、タッチ発生部CL112、CL122、CL132、CL142の位置関係とは互いに対応(一致)していた。しかしながら、導電性シートSE2では、端末装置10-1側のタッチ発生部の位置関係と、端末装置20-1側のタッチ発生部の位置関係とが互いに対応(一致)していない。具体的には、導電性シートSE2では、タッチ発生部CL151、CL161、CL171の位置関係(端末装置10-1側のタッチ発生部の位置関係)と、タッチ発生部CL152、CL162、CL172の位置関係(端末装置20-1側のタッチ発生部の位置関係)とは互いに対応(一致)していない。
【0064】
このような状態において、認証装置100は、端末装置10-1から認証要求を受信することで、端末装置10-1を認証処理の基準となる基準端末と定めたとする。そうすると、認証装置100は、シート情報記憶部121を参照し、電子決済EV1に関与する1つの第2の端末装置が、店舗SH1の端末装置20-1であることに基づいて、今回利用される導電性シートが導電性シートSE2であることを特定する。そして、認証装置100は、導電性シートSE2のパターンのうち、端末装置10-1側のパターンを示すパターン情報PTDA11に基づいて、端末装置10-1側の個別の条件情報を設定する。
【0065】
例えば、認証装置100は、端末装置10-1側の個別の情報として、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を設定する。より詳細には、認証装置100は、
図4に示すように、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報として、端末装置10-1の表示画面D1上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされるタッチ位置(検出位置)の位置関係が第1の位置関係であることを条件付ける「位置関係PLx1」を設定する。ここで、「位置関係PLx1」が示す位置関係は、パターン情報PTDA11で規定される位置関係に対応(一致)するものである。また、認証装置100は、
図4に示すように、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報として、「位置関係PLx1」が示す第1の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)がタッチされたタッチ順が第1のタッチ順であることを条件付ける「タッチ順TOx1」を設定する。ここで、「タッチ順TOx1」が示すタッチ順は、例えば、導電性シートSE2の密集箇所が上から下方向へとなぞられた場合のタッチ順である。また、認証装置100は、
図4に示すように、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報として、「位置関係PLx1」が示す第1の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)が全てタッチされるのに要した時間が第1の時間内であることを条件付ける「時間TMx1以内」を設定する。
【0066】
同様に、認証装置100は、導電性シートSE2のパターンのうち、端末装置10-2側のパターンを示すパターン情報PTDA12に基づいて、端末装置20-1側の個別の条件情報を設定する。例えば、認証装置100は、端末装置20-1側の個別の情報として、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を設定する。
【0067】
より詳細には、認証装置100は、
図4に示すように、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報として、端末装置20-1の表示画面D2上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされるタッチ位置(検出位置)の位置関係が第2の位置関係であることを条件付ける「位置関係PLx2」を設定する。ここで、「位置関係PLx2」が示す位置関係は、パターン情報PTDA12で規定される位置関係に対応(一致)するものである。また、認証装置100は、
図4に示すように、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報として、「位置関係PLx2」が示す第2の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)がタッチされたタッチ順が第2のタッチ順であることを条件付ける「タッチ順TOx2」を設定する。ここで、「タッチ順TOx2」が示すタッチ順は、例えば、導電性シートSE2の密集箇所が上から下方向へとなぞられた場合のタッチ順である。また、認証装置100は、
図4に示すように、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報として、「位置関係PLx2」が示す第2の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)が全てタッチされるのに要した時間が第2の時間内であることを条件付ける「時間TMx2以内」を設定する。
【0068】
また、認証装置100は、上位のように設定した第1の条件情報および第2の条件情報を条件情報記憶部122に記憶させておくことができる。
【0069】
ここで、顧客U1により導電性シートSE2の密集箇所がなぞられることにより、認証装置100は、表示画面D1上の位置であって、タッチ発生部CL151、CL161、CL171に対応する位置が順にタッチされる第1のタッチイベントとして第1タッチイベントTC111を検出したとする。また、認証装置100は、表示画面D2上の位置であって、タッチ発生部CL152、CL162、CL172に対応する位置が順にタッチされる第2のタッチイベントとして第2タッチイベントTC211を検出したとする。
【0070】
そうすると、認証装置100は、第1タッチイベントTC111に基づいて、タッチ発生部CL151によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL161によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL171によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)の位置関係を算出する。例えば、認証装置100は、タッチ発生部CL151に対応するタッチ位置を基準とした場合の、他2つのタッチ位置の相対的な位置関係(相対位置)を算出する。そして、認証装置100は、算出した位置関係が「位置関係PLx1」に一致するか否かを判定する。
【0071】
また、認証装置100は、タッチ発生部CL151によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL161によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL171によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、がタッチされたタッチ順が「タッチ順TOx1」に一致するか否かを判定する。
【0072】
また、認証装置100は、タッチ発生部CL151によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL161によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL171によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置(検出位置)、が全てタッチされるのに要した時間が「時間TMx1以内」か否かを判定する。
【0073】
また、認証装置100は、第2タッチイベントTC211に基づいて、タッチ発生部CL152によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL162によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL172によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)の位置関係を算出する。例えば、認証装置100は、タッチ発生部CL152に対応するタッチ位置を基準とした場合の、他2つのタッチ位置の相対的な位置関係(相対位置)を算出する。そして、認証装置100は、算出した位置関係が「位置関係PLx2」に一致するか否かを判定する。
【0074】
また、認証装置100は、タッチ発生部CL152によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL162によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL172によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、がタッチされたタッチ順が「タッチ順TOx2」に一致するか否かを判定する。
【0075】
また、認証装置100は、タッチ発生部CL152によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL162によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、タッチ発生部CL172によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置(検出位置)、が全てタッチされるのに要した時間が「時間TMx2以内」か否かを判定する。
【0076】
例えば、認証装置100は、
図3で説明した判定処理と、かかるバリエーションでの判定処理を組み合わせることができる。具体的には、認証装置100は、第1情報と第2情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定するとともに、第1情報が第1の条件情報を満たすか否か、第2情報が第2の条件情報を満たすか否かをそれぞれ判定する。そして、例えば、認証装置100は、第1情報と第2情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすと判定したとする。
【0077】
また、認証装置100は、第1タッチイベントTC111に基づく位置関係が「位置関係PLx1」に一致すると判定したとする。また、認証装置100は、第1タッチイベントTC111に基づくタッチ順が「タッチ順TOx1」に一致すると判定したとする。また、認証装置100は、第1タッチイベントTC111に基づく時間が「時間TMx1以内」であると判定したとする。
【0078】
また、認証装置100は、第2タッチイベントTC211に基づく位置関係が「位置関係PLx2」に一致すると判定したとする。また、認証装置100は、第2タッチイベントTC211に基づくタッチ順が「タッチ順TOx2」に一致すると判定したとする。また、認証装置100は、第2タッチイベントTC211に基づく時間が「時間TMx1以内」であると判定したとする。
【0079】
上記のように判定したとすると、認証装置100は、端末装置10-1(顧客U1)と端末装置20-1(店舗SH1とが)が電子決済EV1において金銭授受の正当な関係にあることを認証する。このように、認証装置100は、比較結果が条件情報を満たすか否かを判定する判定処理に加えて、端末装置毎に個別の条件情報を満たすか否かを判定する判定処理も行うことで、よりセキュアな認証処理を実現することができる。
【0080】
〔4-2.入力態様および条件情報を制御〕
上記バリエーションでは、認証装置100は、導電性シートSE2が密集箇所を上から下方向へとなぞられるという態様の入力操作が行われることを前提に第1の条件情報および第2の条件情報を設定する例を示した。しかし、認証装置100は、導電性シートSE2に対する入力操作の入力態様を動的に制御してよい。例えば、導電性シートSE2に対する入力操作のデフォルトの入力態様が「密集箇所を上から下方向へとなぞる」であれば、認証装置100は、このデフォルトの入力態様から他の入力態様へと入力操作の態様を動的に変更する。また、入力態様が変更された場合、表示画面がタッチされるタッチ順は、デフォルトの入力態様でのタッチ順から、変更後の入力態様に応じたタッチ順へと変わることになる。したがって、認証装置100は、制御された後の入力態様に合わせて、第1の条件情報、および、第2の条件情報も変動させる。
【0081】
すなわち、認証装置100は、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような入力手段に対する入力操作の入力態様を動的に制御する。そして、認証装置100は、制御された後の入力態様に合わせて、第1の条件情報、および、第2の条件情報を変動させる。この点について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施形態にかかる認証処理のバリエーション(2)の一例を示す図である。
【0082】
図5では、
図4で示した導電性シートSE2が例示されている。これまでの例では、デフォルトの入力態様として、「密集箇所を上から下方向へとなぞる」という入力態様AS1の入力操作が行われていた。すなわち、これまでの例では、認証装置100は、第1情報および第2情報が入力態様AS1での入力操作に応じた条件情報を満たすか否か判定する判定処理を行っていた。一方、かかる例では、認証装置100は、例えば、ユーザから入力態様の変更要求を受け付けることができる。例えば、認証装置100は、
図5に示すように、顧客U1(店員CL1でもよい)から「接続線L2から3番目の接続線L3へとなぞった後、接続線L1へとなぞる」というU字型の入力態様AS2への変更要求を受け付けたとする。かかる場合、認証装置100は、顧客U1(店員CL1でもよい)に対して行わせる入力操作の入力態様を入力態様AS1から入力態様AS2へと変更する。なお、認証装置100は、変更要求に応じて入力態様を変更するのではなく、装置側で動的に任意の入力態様へと変更してもよい。かかる場合、認証装置100は、変更後の入力態様をユーザに提示することで、その入力態様の入力操作を行うよう指示してもよい。
【0083】
また、認証装置100は、入力態様AS2に合わせて、第1の条件情報、および、第2の条件情報を変動させる。
【0084】
図4の例では、第1の条件情報の1つである「タッチ順TOx1」で条件付けられるタッチ順は、導電性シートSE2の密集箇所が上から下方向へとなぞられる入力態様AS1に対応するタッチ順であった。しかし、認証装置100は、今回、「接続線L2から3番目の接続線L3へとなぞった後、接続線L1へとなぞる」という入力態様AS2へと変更したことで、入力態様AS2に応じたタッチ順を条件付ける第1の条件情報へと変更する。また、
図4の例では、第2の条件情報の1つである「タッチ順TOx2」で条件付けられるタッチ順は、導電性シートSE2の密集箇所が上から下方向へとなぞられる入力態様AS1に対応するタッチ順であった。しかし、認証装置100は、今回、「接続線L2から3番目の接続線L3へとなぞった後、接続線L1へとなぞる」という入力態様AS2へと変更したことで、入力態様AS2に応じたタッチ順を条件付ける第2の条件情報へと変更する。
【0085】
このように、実施形態にかかる認証装置100は、入力態様や条件情報を動的に制御する。これにより、認証装置100は、例えば、所定のイベント(例えば、決済イベント)毎に入力態様や条件情報を変えることができるため、よりセキュアな認証処理を実現することができる。
【0086】
〔4-3.周辺環境の情報をさらに利用〕
上記実施形態では、認証装置100が、基準端末の第1のタッチイベントに関する第1情報と、各第2の端末装置の第2のタッチイベントに関する第2情報とを比較し、第2の端末装置のうち、比較結果が比較に関する条件情報を満たす第2の端末装置と、基準端末としての第1の端末装置との関係性を認証する例を示した。そこで、認証装置100は、タッチイベントに関する情報の比較に加えて、例えば、端末装置が有するセンサによって取得された情報であって、端末装置の周辺環境の状況を示す情報である環境情報を比較してもよい。
【0087】
具体的には、認証装置100は、第1の端末装置の周辺環境を示す第1の環境情報と、第2の端末装置の周辺環境を示す第2の環境情報とを比較した比較結果が環境比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。そして、認証装置100は、比較結果が環境比較に関する条件情報を満たすと判定した場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。第1の環境情報の一例としては、第1の端末装置の位置情報、第1の端末装置周辺の環境音を示す音声情報、第1の端末装置周辺の気圧を示す気圧情報、第1の端末装置周辺の地磁気を示す磁気情報等が挙げられる。また、第2の環境情報の一例としても同様に、第2の端末装置の位置情報、第2の端末装置周辺の環境音を示す音声情報、第2の端末装置周辺の気圧を示す気圧情報、第2の端末装置周辺の地磁気を示す磁気情報等が挙げられる。
【0088】
これまでの例を用いると、認証装置100は、端末装置10-1の第1位情報と、端末装置20-1の第2位情報とを比較した比較結果が所定の範囲内であり、かつ、端末装置10-1が取得した位置情報と、端末装置20-1が取得した位置情報とを比較した比較結果が所定の範囲内である場合には、端末装置10-1と端末装置20-1との関係性を認証する。これにより、実施形態にかかる認証装置100は、よりセキュアな認証処理を実現することができる。
【0089】
〔4-4.ハッシュ関数の活用〕
例えば、近い時間帯に発生する大量のイベント(例えば、決済イベント)が発生することが想定される場合、イベント毎に当該イベントに関与する第1の端末装置と第2の端末装置とを紐付けることが好ましい。例えば、認証装置100は、電子決済EV1に関与する端末装置が端末装置10-1と端末装置20-1である場合、端末装置10-1と端末装置20-1とを紐付けることが望ましい。したがって、認証装置100は、所定のハッシュ関数を用いて端末装置毎にハッシュ値を算出し、共通する発出が算出された端末装置同士を紐付けることができる。これにより、認証装置100は、近い時間帯に大量のイベントが発生するという状況下においても、各イベントに無関係な端末装置を除外することができるため、誤った決済が起こるリスクを無くすことができる。
【0090】
〔4-5.導電性シートについて〕
上記例では、実施形態にかかる導電性シートにおいて、第1の端末装置10-x側のタッチ発生部と、第2の端末装置20-n側のタッチ発生部とは、
図2に示されるように、1本の接続線で接続(直結)される例を示した。しかしながら、第1の端末装置10-x側のタッチ発生部と、第2の端末装置20-n側のタッチ発生部とは、必ずしも接続線で接続(直結)されいなくてもよく、例えば、接続線は、密集箇所(もしくは、入力操作が行われる箇所)においてわずかに(例えば、数ミリメートル)分断されていてもよい。接続線が分断される例について、
図6を用いて説明する。
図6は、実施形態にかかる導電性シートにおけるパターンのバリエーションの一例を示す図である。
【0091】
図6の例によると、第1の端末装置10-x側のタッチ発生部311からは、中央付近の密集箇所に向けて導線LN11が伸びており、第2の端末装置20-n側のタッチ発生部312からは、中央付近の密集箇所に向けて導線LN12が伸びている。しかしながら、導線LN11および導線LN12は、密集箇所で接続されておらず、分断されている。すなわち、タッチ発生部311と、タッチ発生部312とは、
図2のように、1本の接続線で接続されておらず、密集箇所に向けて導線は伸びているものの密集箇所で分断されている。さらに詳細に説明すると、密集箇所において導線LN11および導線N12の端は櫛形に変形されているが、接続されている箇所は一切存在しない。タッチ発生部321に対応する導線LN21およびタッチ発生部322に対応する導線LN22についても同様のことがいえる。また、タッチ発生部331に対応する導線LN31およびタッチ発生部332に対応する導線LN32についても同様のことがいえる。
【0092】
また、第1の端末装置10-x側のタッチ発生部と、第2の端末装置20-n側のタッチ発生部とが接続線で接続されるのではなく、
図6に示すように、密集箇所で分断されている場合、ユーザは、分断箇所、すなわち、第1の端末装置10-x側の導線の端(右端)と、第2の端末装置20-n側の導線の端(左端)とを同一指で同時に触れるような入力操作を行う。
図6のように、第1の端末装置10-x側の導線の端(右端)、第12端末装置20-n側の導線の端(左端)ともに櫛形になっている場合には、ユーザは、同一指で双方の櫛形の部分を同時に触れるようにして、例えば、上から下へとなぞる態様の入力操作を行う。
【0093】
ここで、
図2に示すように、第1の端末装置10-x側のタッチ発生部と、第2の端末装置20-n側のタッチ発生部とが1本の接続線で接続(直結)されている場合、以下の問題が生じる可能性がある。具体的には、第1の端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nを並べて導電性シートを載置した段階で、例えば、端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nが相互に静電結合してしまい、ユーザが触れていないにも拘わらず、タッチイベントが発生してしまう可能性がある。そうすると、認証装置100が誤作動してしまう恐れがる。
【0094】
一方で、
図6のように導線と導線が分断されている場合、端末装置10-xおよび第2の端末装置20-nが相互に静電結合してしまうことがなくなるため、ユーザは安定的にタッチイベントを発生させることができるようになる。すなわち、導線と導線が分断されているようなパターンが示された導電性シートを用いることで、認証装置100の誤作動を抑制することができるため、認証精度を高めることができるようになる。
【0095】
〔5.認証装置の構成〕
次に、
図8を用いて、実施形態にかかる認証装置100について説明する。
図8は、実施形態にかかる認証装置100の構成例を示す図である。
図8に示すように、認証装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、認証装置100は、
図1~
図6で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0096】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、第1の端末装置10-x、第2の端末装置20-nとの間で情報の送受信を行う。
【0097】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、シート情報記憶部121と、条件情報記憶部122とを有する。シート情報記憶部121は、
図4で説明したように、店舗毎に導電性シートに関する情報を記憶する。また、条件情報記憶部122は、
図4で説明したように、第1の条件情報および第2の条件情報を記憶する。
【0098】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、認証装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0099】
図8に示すように、制御部130は、取得部131と、検出部132と、判定部133と、認証部134と、操作制御部135と、条件制御部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図8に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図8に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0100】
(取得部131について)
取得部131は、端末装置から認証処理の要求を希望する認証要求を取得(受)信する。また、取得部131は、認証要求を取得した場合に、認証要求送信元の端末装置に基づいて、認証処理の基準となる基準端末を定める。
図1の例では、取得部131は、端末装置10-1から認証要求を受信することで、端末装置10-1を認証処理の基準端末と定めている。
【0101】
(検出部132について)
検出部132は、第1の端末装置でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する。例えば、検出部132は、第1のタッチイベントとして、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされる第1のタッチイベントと、第2のタッチイベントとして、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされる第2のタッチイベントとを検出する。
【0102】
具体的には、検出部132は、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような入力手段を用いることにより、第1の端末装置で発生させられた第1のタッチイベントと、第2の端末装置で発生させられた第2のタッチイベントとを検出する。例えば、検出部132は、入力手段として、第1のタッチイベントと、第2のタッチイベントとを同時期に再現させるような入力手段を用いることにより、第1の端末装置で発生させられた第1のタッチイベントと、第2の端末装置で発生させられた第2のタッチイベントとを検出する。
【0103】
また、例えば、検出部132は、入力手段として、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような態様で導電性パターンが印刷された導電性シートを用いることにより、第1の端末装置で発生させられた第1のタッチイベントと、第2の端末装置で発生させられた第2のタッチイベントとを検出する。
【0104】
図1~
図3の例では、検出部132は、導電性シートSE1を用いることにより、端末装置10-1で発生させられた第1のタッチイベントと、端末装置20-1で発生させられた第2のタッチイベントとを検出している。具体的には、検出部132は、端末装置10-1の表示画面D1でのタッチイベントである第1のタッチイベントとして、第1タッチイベントTC11を検出している。また、検出部132は、端末装置20-1の表示画面D2でのタッチイベントである第2のタッチイベントとして、第2タッチイベントTC21を検出している。
【0105】
(判定部133について)
判定部133は、第1のタッチイベントに関する第1情報と、第2のタッチイベントに関する第2情報とが所定の条件情報を満たすか否かを判定する。具体的には、判定部133は、第1情報と、第2情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。例えば、判定部133は、比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0106】
例えば、判定部133は、第1情報として、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置それぞれの位置関係を示す第1の位置関係と、第2情報として、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置それぞれの位置関係を示す第2の位置関係とを比較する。一例として、判定部133は、第1の検出位置のうち、所定の1つの検出位置を基準とした場合の他の検出位置の相対的な位置関係を示す第1の位置関係を算出する。また、判定部133は、第2の検出位置のうち、所定の1つの検出位置を基準とした場合の他の検出位置の相対的な位置関係を示す第2の位置関係を算出する。そして、判定部133は、第1の位置関係と、第2の位置関係とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。
【0107】
図3の例では、判定部133は、第1の位置関係PL11を算出し、また、第2の位置関係PL21を算出し、第1の位置関係PL11と、第2の位置関係PL21とを比較した比較結果PRE1が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0108】
また、判定部133は、第1情報として、第1のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第1の時刻情報と、第2情報として、第2のタッチイベントが検出された検出時刻に関する第2の時刻情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。一例として、判定部133は、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す第1の時刻情報と、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での前記検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す第2の時刻情報とを比較した比較結果が比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。
【0109】
図3の例では、判定部133は、第1の時刻情報TM11を算出し、また、第2の時刻情報TM21を算出し、第1の時刻情報TM11と、第2の時刻情報TM21とを比較した比較結果TRE2が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0110】
また、判定部133は、第1情報が第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすか否かを判定し、第2情報が第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすか否かを判定する。
【0111】
例えば、判定部133は、第1の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第1の位置関係であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置の位置関係が第2の位置関係であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示す第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0112】
図4の例では、判定部133は、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報として、端末装置10-1の表示画面D1上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされるタッチ位置(検出位置)の位置関係が第1の位置関係であることを条件付ける「位置関係PLx1」を設定する。このような状態において、顧客U1により導電性シートSE2の密集箇所がなぞられることにより、検出部132が第1タッチイベントTC111を検出したとする。かかる場合、判定部133は、第1タッチイベントTC111に基づいて、相対位置関係を算出し、算出した位置関係が「位置関係PLx1」に一致するか否かを判定する。また、
図4の例では、判定部133は、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報として、端末装置20-1の表示画面D2上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされるタッチ位置(検出位置)の位置関係が第2の位置関係であることを条件付ける「位置関係PLx2」を設定する。このような状態において、顧客U1により導電性シートSE2の密集箇所がなぞられることにより、検出部132が第2タッチイベントTC211を検出したとする。かかる場合、判定部133は、第2タッチイベントTC211に基づいて、相対位置関係を算出し、算出した位置関係が「位置関係PLx2」に一致するか否かを判定する。
【0113】
また、例えば、判定部133は、第1の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第1のタッチ順であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の位置関係にある検出位置がタッチされたタッチ順が第2のタッチ順であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示す第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0114】
図4の例では、判定部133は、「位置関係PLx1」が示す第1の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)がタッチされたタッチ順が第1のタッチ順であることを条件付ける「タッチ順TOx1」を設定する。このような状態において、顧客U1により導電性シートSE2の密集箇所がなぞられることにより、検出部132が第1タッチイベントTC111を検出したとする。かかる場合、判定部133は、第1タッチイベントTC111に基づいて、タッチ発生部CL151によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、タッチ発生部CL161によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、タッチ発生部CL171によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、が順位にタッチされたタッチ順が「タッチ順TOx1」に一致するか否かを判定する。また、
図4の例では、判定部133は、「位置関係PLx2」が示す第2の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)がタッチされたタッチ順が第2のタッチ順であることを条件付ける「タッチ順TOx2」を設定する。このような状態において、顧客U1により導電性シートSE2の密集箇所がなぞられることにより、検出部132が第2タッチイベントTC211を検出したとする。かかる場合、判定部133は、第2タッチイベントTC211に基づいて、タッチ発生部CL152によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置、タッチ発生部CL162によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置、タッチ発生部CL172によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置、が順にタッチされたタッチ順が「タッチ順TOx2」に一致するか否かを判定する。
【0115】
また、例えば、判定部133は、第1の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第1の時間内であることを条件付ける第1の条件情報を第1情報が示す第1のタッチイベントが満たすか否かを判定し、第2の位置関係にある検出位置が全てタッチされるのに要した時間が第2の時間内であることを条件付ける第2の条件情報を第2情報が示す第2のタッチイベントが満たすか否かを判定する。
【0116】
図4の例では、判定部133は、第1のタッチイベントに関する第1の条件情報として、「位置関係PLx1」が示す第1の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)が全てタッチされるのに要した時間が第1の時間内であることを条件付ける「時間TMx1以内」を設定する。そうすると、判定部133は、第1タッチイベントTC111に基づいて、タッチ発生部CL151によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、タッチ発生部CL161によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、タッチ発生部CL171によって表示画面D1がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、が全てタッチされるのに要した時間が「時間TMx1以内」か否かを判定する。また、
図4の例では、判定部133は、第2のタッチイベントに関する第2の条件情報として、「位置関係PLx2」が示す第2の位置関係にあるタッチ位置(検出位置)が全てタッチされるのに要した時間が第2の時間内であることを条件付ける「時間TMx2以内」を設定する。そうすると、判定部133は、第2タッチイベントTC211に基づいて、タッチ発生部CL152によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置、タッチ発生部CL162によって表示画面D2がタッチされた表示画面D2上でのタッチ位置、タッチ発生部CL172によって表示画面D2がタッチされた表示画面D1上でのタッチ位置、が全てタッチされるのに要した時間が「時間TMx2以内」か否かを判定する。
【0117】
また、判定部133は、第1の端末装置の周辺環境を示す第1の環境情報と、第2の端末装置の周辺環境を示す第2の環境情報とを比較した比較結果が環境比較に関する条件情報を満たすか否かを判定する。例えば、判定部133は、端末装置10-1が取得した位置情報と、端末装置20-1が取得した位置情報とを比較した比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0118】
(認証部134について)
認証部134は、判定部133により、第1情報と、第2情報とが所定の条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。例えば、認証部134は、判定部133により、比較結果が比較に関する条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。また、認証部134は、判定部133により、第1情報が第1のタッチイベントに関する第1の条件情報を満たすと判定され、第2情報が第2のタッチイベントに関する第2の条件情報を満たすと判定された場合には、第1の端末装置と第2の端末装置との関係性を認証する。また、認証部134は、判定部133により、比較結果が環境比較に関する条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置の少なくともいずれか一方を認証する。
【0119】
図1の例によると、認証部134は、判定部133により、第1情報と、第2情報とが条件情報を満たすと判定された場合に、第1の端末装置、または、第2の端末装置のうち、一方の端末装置をもう一方の他の端末装置に対する決済対象の端末装置であることを認証する。
【0120】
(操作制御部135について)
操作制御部135は、第1の端末装置に対して第1のタッチイベントを再現させ、第2の端末装置に対して第2のタッチイベントを再現させるような入力手段に対する入力操作の態様を動的に制御する。例えば、操作制御部135は、
図5に示すように、顧客U1(店員CL1でもよい)から「接続線L2から3番目の接続線L3へとなぞった後、接続線L1へとなぞる」というU字型の入力態様AS2への変更要求を受け付けたとする。かかる場合、操作制御部135は、顧客U1(店員CL1でもよい)に対して行わせる入力操作の入力態様を入力態様AS1から入力態様AS2へと変更する。
【0121】
(条件制御部136について)
条件制御部136は、操作制御部135により制御された後の入力態様に合わせて、第1の条件情報、および、第2の条件情報を変動させる。
【0122】
〔6.処理手順〕
次に、
図10を用いて、実施形態にかかる認証処理の手順について説明する。
図10は、実施形態にかかる認証処理手順を示すフローチャートである。
【0123】
まず、取得部131は、第1の端末装置または第2の端末装置から認証要求を取得できたか否かを判定する(ステップS101)。取得部131は、認証要求を取得できていない場合には(ステップS101;No)、認証要求を取得できるまで待機する。一方、取得部131は、認証要求を取得できた場合には(ステップS101;Yes)、第1の端末装置または第2の端末装置のいずれか一方を基準端末と定める(ステップS102)。
【0124】
このような状態において、検出部132は、第1の端末装置の1つである基準端末であって、取得部131により定められた基準端末でのタッチイベントである第1のタッチイベントと、各第2の端末装置でのタッチイベントである第2のタッチイベントとを検出する(ステップS103)。例えば、検出部132は、導電性シートを用いることにより、基準端末で発生させられた第1のタッチイベントと、第2の端末装置で発生させられた第2のタッチイベントとを検出する。
【0125】
次に、判定部133は、基準端末の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置それぞれの位置関係を示す第1の位置関係を算出するとともに、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置それぞれの位置関係を示す第2の位置関係を算出する(ステップS104)。また、判定部133は、基準端末の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第1の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す第1の時刻情報を算出するとともに、第2の端末装置の表示画面上の位置であって、複数の異なる位置が順にタッチされることにより検出された複数の検出位置である第2の検出位置のうち、所定の1つの検出位置での検出時刻を基準とした場合の他の検出位置での検出時刻を示す第2の時刻情報を算出する(ステップS105)。
【0126】
次に、判定部133は、ステップS104で算出した第1の位置関係と、第2の位置関係とを比較し、また、ステップS105で算出した第1の時刻情報と、第2の時刻情報とを比較する(ステップS106)。そして、判定部133は、第1の位置関係と、第2の位置関係とを比較した比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定する判定処理を第2の端末装置毎に行う(ステップS107)。また、判定部133は、第1の時刻情報と、第2の時刻情報とを比較した比較結果が所定の範囲内であるか否かを判定する判定処理を第2の端末装置毎に行う(ステップS107)。
【0127】
そして、認証部134は、第2の端末装置のうち、第1の位置関係との比較結果が所定の範囲内であり、第1の時刻情報との比較結果が所定の範囲内である端末装置に対して、基準端末と正当な関係性にある端末装置であることを認証し、これ以外の第2の端末装置を非認証とする認証処理を行う(ステップS108)。
【0128】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる認証装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、認証装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0129】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0130】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0131】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0132】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0133】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる認証装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0134】
〔8.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0135】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0136】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0137】
1 認証システム
10-x 第1の端末装置
20-n 第2の端末装置
100 認証装置
120 記憶部
121 シート情報記憶部
122 条件情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 検出部
133 判定部
134 認証部
135 操作制御部
136 条件制御部