(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】ニューラジオにおける差別化されたランダムアクセス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20230626BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20230626BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20230626BHJP
H04W 72/543 20230101ALI20230626BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W74/08
H04W48/10
H04W72/543
(21)【出願番号】P 2019568154
(86)(22)【出願日】2018-06-16
(86)【国際出願番号】 US2018037959
(87)【国際公開番号】W WO2018232381
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-02
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】リンハイ・ホー
(72)【発明者】
【氏名】ギャヴィン・バーナード・ホーン
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0077507(US,A1)
【文献】特表2014-501071(JP,A)
【文献】特表2016-532391(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061167(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0112254(US,A1)
【文献】InterDigital Inc.,PRACH Resources for NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #98 R2-1704909,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_98/Docs/R2-1704909.zip>,2017年05月06日
【文献】Intel Corporation,NR Random Access Enhancements[online],3GPP TSG RAN WG2 #98 R2-1704782,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_98/Docs/R2-1704782.zip>,2017年05月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって行われるワイヤレス通信のための方法であって、
所定のイベントのためのトリガを検出するステップと、
前記トリガに対応する前記所定のイベントに基づいて、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの値の複数のセットから、PRACH手順において使用する前記PRACHパラメータの値のセットを選択するステップと、
前記PRACHパラメータの値の前記選択されたセットを使用して前記PRACH手順を行うステップと
を含み、
データ無線ベアラ確立手順中に前記PRACHパラメータの値の前記セットを受信するステップをさらに含
み、前記PRACHパラメータの値の前記セットがサービス品質フローインジケータに含まれる、方法。
【請求項2】
前記PRACHパラメータの値の前記セットが、初期受信電力値、電力ランピングステップ値、およびバックオフパラメータ値のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
システム情報ブロックにおいて前記PRACHパラメータの値の前記セットを受信するステップをさらに含み、
前記方法はさらに、
データ無線ベアラ、サービス品質フローインジケータデータ、またはネットワークスライスのうちの少なくとも1つが前記PRACHパラメータの値の前記セットに関連付けられているという指示を受信するステップ を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基地局からPRACHパラメータの前記複数のセットを受信するステップであって、各セットが、サービス品質フローインジケータ、ネットワークスライス、プロトコルデータユニットセッション、およびデータ無線ベアラのうちの少なくとも1つに関連付けられている、受信するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線リソース制御専用シグナリングを介して前記PRACHパラメータの値の前記セットを受信するステップをさらに含み、
前記方法はさらに、
データ無線ベアラ、サービス品質フローインジケータデータ、またはネットワークスライスのうちの少なくとも1つが前記PRACHパラメータの値の前記セットに関連付けられているという指示を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基地局(BS)によるワイヤレス通信のための方法であって、
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの値の複数のセットを取得するステップであって、各セットが、PRACH手順のための1つまたは複数の所定のイベントのためのトリガに対応する、取得するステップと、
前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの1つを示す指示および前記セットのための所定のイベントに対応するトリガを送信するステップと
を含み、
データ無線ベアラ確立手順中に前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの少なくとも1つを送信するステップをさら含
み、前記PRACHパラメータの値の前記少なくとも1つのセットがサービス品質フローインジケータに含まれる、方法。
【請求項7】
前記PRACHパラメータの値の各セットが、初期受信電力値、電力ランピングステップ値、およびバックオフパラメータ値のうちの1つまたは複数を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
システム情報ブロックにおいて前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの少なくとも1つを送信するステップをさらに含み、
前記方法はさらに、
データ無線ベアラ、サービス品質フローインジケータデータ、またはネットワークスライスのうちの少なくとも1つが前記PRACHパラメータの値の前記セットに関連付けられているという指示を送信するステップを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記PRACHパラメータの前記複数のセットをユーザ機器(UE)に送信するステップであって、各セットがサービス品質フローインジケータ(QFI)に関連付けられている、送信するステップと、
BSとの通信において使用するネットワークスライスの指示を前記UEに送信するステップとをさらに含み、
前記トリガが、前記UEと前記ネットワークスライスでPDUセッションをセットアップすることを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
無線リソース制御専用シグナリングを介して前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの少なくとも1つを送信するステップをさらに含み、
前記方法はさらに、
データ無線ベアラ、サービス品質フローインジケータデータ、またはネットワークスライスのうちの少なくとも1つが前記PRACHパラメータの値の前記セットに関連付けられているという指示を送信するステップを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための装置であって、
所定のイベントのためのトリガを検出するための手段と、
前記トリガに対応する前記所定のイベントに基づいて、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの値の複数のセットから、PRACH手順において使用する前記PRACHパラメータの値のセットを選択するための手段と、
前記PRACHパラメータの値の前記選択されたセットを使用して前記PRACH手順を行うための手段と
を備え、
データ無線ベアラ確立手順中に前記PRACHパラメータの値の前記セットを受信するための手段をさらに備え
、前記PRACHパラメータの値の前記セットがサービス品質フローインジケータに含まれる、装置。
【請求項12】
ワイヤレス通信のための装置であって、
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの値の複数のセットを取得するための手段であって、各セットが、PRACH手順のための1つまたは複数の所定のイベントのためのトリガに対応する、取得する手段と、
前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの1つを示す指示および前記セットのための所定のイベントに対応するトリガを送信するための手段と
を備え、
データ無線ベアラ確立手順中に前記PRACHパラメータの値の前記セットのうちの少なくとも1つを送信するための手段をさらに備え
、前記PRACHパラメータの値の前記少なくとも1つのセットがサービス品質フローインジケータに含まれる、装置。
【請求項13】
コンピュータ上で実行されると、請求項1~1
0のいずれか一項に記載の方法を実行するための命令を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
本出願は、それらのすべてが本出願の譲受人に譲渡され、その全体が参照により明白に本明細書に組み込まれる、2017年6月16日に出願された米国仮出願第62/521,273号、2018年年1月11日に出願された米国仮出願第62/616,415号、および2018年1月29日に出願された米国仮出願第62/623,547号の優先権を主張する、2018年6月15日に出願された米国出願第16/009,302号の優先権を主張する。
【0002】
本開示のいくつかの態様は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を差別化することに関する。
【背景技術】
【0003】
音声、データなどの様々なタイプの通信コンテンツを提供するために、ワイヤレス通信システムが広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅および送信電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムであり得る。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、LTEアドバンストを含む第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。
【0004】
一般に、ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレス端末のための通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向および逆方向のリンク上の送信を介して1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(または、ダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(または、アップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力、多入力単出力、または多入力多出力(MIMO)システムを介して確立され得る。
【0005】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのワイヤレスデバイスのための通信をサポートすることができるいくつかの基地局を含み得る。ワイヤレスデバイスは、ユーザ機器(UE)を含み得る。いくつかのUEは、マシンタイプ通信(MTC)UEと見なされる場合があり、MTC UEは、基地局、別のリモートデバイス、または何らかの他のエンティティと通信し得るリモートデバイスを含み得る。マシンタイプ通信(MTC)は、通信の少なくとも一端上の少なくとも1つのリモートデバイスを伴う通信を指すことがあり、必ずしも人間の対話を必要とするとは限らない1つまたは複数のエンティティを伴うデータ通信の形態を含み得る。MTC UEは、たとえば、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)を通じてMTCサーバおよび/または他のMTCデバイスとのMTC通信が可能なUEを含み得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの態様を有し、それらのうちの単一の態様だけが、その望ましい属性を担うわけではない。以下の特許請求の範囲によって表される本開示の範囲を限定することなく、いくつかの特徴についてここで簡潔に論じる。この説明を考慮した後、また特に「発明を実施するための形態」と題するセクションを読んだ後、本開示の特徴が、ワイヤレスネットワークにおけるアクセスポイントと局との間の改善された通信を含む利点をどのようにもたらすかが理解されよう。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのトリガを検出するステップと、トリガに基づいて、PRACHパラメータの複数のセットから、PRACH手順で使用するためのPRACHパラメータの値のセットを選択するステップと、PRACHパラメータの値の選択されたセットを使用してPRACH手順を行うステップとを含む。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、基地局(BS)によるワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの複数のセットを取得するステップであって、各セットが、PRACH手順の1つまたは複数のトリガに対応する、取得するステップと、PRACHパラメータの値のセットの1つの指示およびセットの対応するトリガを送信するステップとを含む。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、基地局(BS)によるワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、一般に、ユーザ機器(UE)によってより優先度の高いPRACH信号を送信するための、システム帯域幅内の、送信リソースのセットを含む、より優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)領域の指示を提供するステップと、送信リソースのセットを介してPRACH信号を受信することに基づいて、受信したPRACH信号のための応答ウィンドウを決定するステップとを含む。
【0011】
本開示のいくつかの態様は、ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法を提供する。方法は、一般に、基地局からより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号のためのランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウの指示を取得するステップと、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であることおよび指示に基づいて、BSに送信されるPRACH信号のためのRARウィンドウを決定するステップとを含む。
【0012】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのトリガを検出することと、トリガに基づいて、PRACHパラメータの複数のセットから、PRACH手順で使用するためのPRACHパラメータの値のセットを選択することと、PRACHパラメータの値の選択されたセットを使用して装置にPRACH手順を行わせることとを行うように構成されたプロセッサと、プロセッサと結合されたメモリとを含む。
【0013】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの複数のセットを取得することであって、各セットがPRACH手順の1つまたは複数のトリガに対応する、取得することと、PRACHパラメータの値のセットの1つの指示、およびセットの対応するトリガを装置に送信させることとを行うように構成されたプロセッサと、プロセッサと結合されたメモリとを含む。
【0014】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、ユーザ機器(UE)によってより優先度の高いPRACH信号を送信するための、システム帯域幅内の、送信リソースのセットを含む、より優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)領域の指示を装置に提供させることと、送信リソースのセットを介してPRACH信号を装置が受信することに基づいて、受信したPRACH信号のための応答ウィンドウを決定することとを行うように構成されたプロセッサと、プロセッサと結合されたメモリとを含む。
【0015】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、基地局からより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号のためのランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウの指示を取得することと、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であることおよび指示に基づいて、BSに送信されるPRACH信号のためのRARウィンドウを決定することとを行うように構成されたプロセッサと、プロセッサと結合されたメモリとを含む。
【0016】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのトリガを検出するための手段と、トリガに基づいて、PRACHパラメータの複数のセットから、PRACH手順で使用するためのPRACHパラメータの値のセットを選択するための手段と、PRACHパラメータの値の選択されたセットを使用してPRACH手順を行うための手段とを含む。
【0017】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの複数のセットを取得するための手段であって、各セットがPRACH手順の1つまたは複数のトリガに対応する、取得するための手段と、PRACHパラメータの値のセットの1つの指示、およびセットの対応するトリガを送信するための手段とを含む。
【0018】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、ユーザ機器(UE)によってより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号を送信するための、システム帯域幅内の、送信リソースのセットを含む、より優先度の高いPRACH領域の指示を提供するための手段と、送信リソースのセットを介してPRACH信号を受信することに基づいて、受信したPRACH信号のための応答ウィンドウを決定するための手段とを含む。
【0019】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、一般に、基地局からより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号のためのランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウの指示を取得するための手段と、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であることおよび指示に基づいて、BSに送信されるPRACH信号のためのRARウィンドウを決定するための手段とを含む。
【0020】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を行わせる命令を含み、動作は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのトリガを検出することと、トリガに基づいて、PRACHパラメータの複数のセットから、PRACH手順で使用するためのPRACHパラメータの値のセットを選択することと、PRACHパラメータの値の選択されたセットを使用してPRACH手順を装置に行わせることとを含む。
【0021】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を行わせる命令を含み、動作は、一般に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)パラメータの複数のセットを取得することであって、各セットがPRACH手順の1つまたは複数のトリガに対応する、取得することと、PRACHパラメータの値のセットの1つの指示、およびセットの対応するトリガを装置に送信させることとを含む。
【0022】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を行わせる命令を含み、動作は、一般に、ユーザ機器(UE)によってより優先度の高いPRACH信号を送信するための、システム帯域幅内の、送信リソースのセットを含む、より優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)領域の指示を提供することと、送信リソースのセットを介してPRACH信号を受信することに基づいて、受信したPRACH信号のための応答ウィンドウを決定することとを含む。
【0023】
本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を行わせる命令を含み、動作は、一般に、基地局からより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号のためのランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウの指示を取得することと、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であることおよび指示に基づいて、BSに送信されるPRACH信号のためのRARウィンドウを決定することとを含む。
【0024】
方法、装置、システム、コンピュータプログラム製品、および処理システムを含む多数の他の態様が提供される。
【0025】
本開示の上述の特徴が詳細に理解され得るように、添付の図面にその一部が示される態様を参照することによって、上記で簡単に要約した内容について、より具体的な説明を行う場合がある。しかしながら、この説明は他の等しく効果的な態様に通じ得るので、添付の図面は、本開示のいくつかの典型的な態様のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示のいくつかの態様による、例示的なワイヤレス通信ネットワークを概念的に示すブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)と通信している発展型ノードB(eNB)の一例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて使用するための特定の無線アクセス技術(RAT)の例示的なフレーム構造を概念的に示すブロック図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、ノーマルサイクリックプレフィックスを有するダウンリンクのための例示的なサブフレームフォーマットを示す図である。
【
図5A】本開示のいくつかの態様による、LTEなどの広帯域システム内でのMTC共存の一例を示す図である。
【
図5B】本開示のいくつかの態様による、LTEなどの広帯域システム内でのMTC共存の一例を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの態様による、UL狭帯域領域へのDL狭帯域領域の例示的なマッピングを示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、例示的な物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号を概略的に示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの態様による、UEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す図である。
【
図9】本開示のいくつかの態様による、BSによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す図である。
【
図10A】本開示のいくつかの態様による、PRACH信号のために確保されたリソースのセットを概略的に示す図である。
【
図10B】本開示のいくつかの態様による、PRACH信号のために確保されたリソースのセットを概略的に示す図である。
【
図11】本開示のいくつかの態様による、BSによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す図である。
【
図12】本開示のいくつかの態様による、UEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の態様は、携帯電話、低コスト(LC)マシンタイプ通信(MTC)デバイス、およびLC拡張MTC(eMTC)デバイスなど、ネットワークによってサービスされるユーザ機器(UE)のための物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を差別化するための技法および装置を提供する。本開示の態様によれば、ネットワーク(たとえば、ネットワークの基地局)が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためにパラメータのセットを用いてUEを構成し、UEによるPRACH手順が、たとえば、他のUEによる、または他の時間での同じUEによる、他のPRACH手順と差別化されることを可能にしてもよい。UEが、PRACH手順(たとえば、ランダムアクセス手順)を行うようにトリガされてもよく、トリガに基づいてPRACH手順を行う際に使用するパラメータの値のセットを選択してもよい。
【0028】
本明細書で説明する技法は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワークなどの様々なワイヤレス通信ネットワークに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA(登録商標))、時分割同期CDMA(TD-SCDMA)、およびCDMAの他の変形態を含む。cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格、およびIS-856規格をカバーする。TDMAネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDM(登録商標)などの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。周波数分割複信(FDD)と時分割複信(TDD)の両方における3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE-A)は、ダウンリンク上ではOFDMAを用い、アップリンク上ではSC-FDMAを用いるE-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体による文書に記載されている。cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体による文書に記載されている。新生の電気通信規格の一例は、ニューラジオ(NR)、たとえば、5G無線アクセスである。NRは、3GPPによって公表されたLTEモバイル規格に対する拡張のセットである。NRは、スペクトル効率を改善し、コストを下げ、サービスを改善し、新たなスペクトルを利用し、ダウンリンク(DL)上およびアップリンク(UL)上でサイクリックプレフィックス(CP:cyclic prefix)とともにOFDMAを使用する他のオープン規格とより良く統合することによって、モバイルブロードバンドインターネットアクセスをより良くサポートするとともに、ビームフォーミング、MIMOアンテナ技術、およびキャリアアグリゲーションをサポートするように、設計されている。いくつかの次世代のNRまたは5Gネットワークは、UEなどの複数の通信デバイスのための通信を各々が同時にサポートする、いくつかの基地局を含み得る。LTEまたはLTE-Aネットワークでは、1つまたは複数の基地局のセットはeノードB(eNB)を定義してもよい。他の例では(たとえば、次世代または5Gネットワークでは)、ワイヤレス多元接続通信システムは、いくつかの中央ユニット(たとえば、中央ノード(CN)、アクセスノードコントローラ(ANC)など)と通信しているいくつかの分散ユニット(たとえば、エッジユニット(EU)、エッジノード(EN)、ラジオヘッド(RH)、スマートラジオヘッド(SRH)、送信受信ポイント(TRP)など)を含んでもよく、中央ユニットと通信している1つまたは複数の分散ユニットのセットは、アクセスノード(たとえば、ニューラジオ基地局(NR BS)、ニューラジオノードB(NR NB)、ネットワークノード、gNBなど)を定義してもよい。基地局またはDUは、(たとえば、基地局から、またはUEへの送信のための)ダウンリンクチャネルおよび(たとえば、UEから基地局または分散ユニットへの送信のための)アップリンクチャネル上でUEのセットと通信し得る。本明細書で説明する技法は、上述のワイヤレスネットワークおよび無線技術、ならびに他のワイヤレスネットワークおよび無線技術に使用され得る。明快のために、本技法のいくつかの態様について、以下ではLTE/LTE-Aに関して説明し、以下の説明の大部分において、LTE/LTE-A用語が使用される。LTEおよびLTE-Aは、一般にLTEと呼ばれる。
【0029】
図1は、本開示の態様が実践され得る、基地局(BS)およびユーザ機器(UE)を有する例示的なワイヤレス通信ネットワーク100を示す。
【0030】
たとえば、ワイヤレス通信ネットワーク100内の特定のUE(たとえば、LC MTC UE、LC eMTC UEなど)のための1つまたは複数のページング手順拡張がサポートされ得る。本明細書で提示する技法によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100内のBSおよびLC UEは、ワイヤレス通信ネットワーク100によってサポートされる利用可能なシステム帯域幅から、LC UEがワイヤレス通信ネットワーク100内のBSから送信されたバンドルされたページングメッセージについてどの狭帯域領域を監視すべきかを決定することが可能であり得る。また、本明細書で提示する技法によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100内のBSおよび/またはLC UEは、ワイヤレス通信ネットワーク100内の1つまたは複数のトリガに基づいてページングメッセージのバンドリングサイズを決定するおよび/または適合させることが可能であり得る。
【0031】
ワイヤレス通信ネットワーク100は、LTEネットワークまたは何らかの他のワイヤレスネットワークであり得る。ワイヤレス通信ネットワーク100は、いくつかの発展型ノードB(eNB)110と他のネットワークエンティティとを含み得る。eNBは、ユーザ機器(UE)と通信するエンティティであり、基地局、ノードB、アクセスポイント(AP)などと呼ばれることもある。各eNBは、特定の地理的エリアに通信カバレージを提供し得る。3GPPでは、「セル」という用語は、その用語が使用される文脈に応じて、eNBのカバレージエリアおよび/またはこのカバレージエリアをサービスするeNBサブシステムを指すことができる。
【0032】
eNBは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他のタイプのセルのための通信カバレージを提供し得る。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし得、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーし得、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーし得、フェムトセルとの関連付けを有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG:Closed Subscriber Group)の中のUE)による制限付きアクセスを可能にし得る。マクロセル用のeNBは、マクロeNBと呼ばれることがある。ピコセル用のeNBは、ピコeNBと呼ばれることがある。フェムトセル用のeNBは、フェムトeNBまたはホームeNB(HeNB)と呼ばれることがある。
図1に示す例では、eNB110aはマクロセル102a用のマクロeNBであってよく、eNB110bはピコセル102b用のピコeNBであってよく、eNB110cはフェムトセル102c用のフェムトeNBであってよい。eNBは、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセルをサポートし得る。「eNB」、「基地局」、および「セル」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0033】
ワイヤレス通信ネットワーク100はまた、中継局を含み得る。中継局は、上流局(たとえば、eNBまたはUE)からデータの送信を受信し、データの送信を下流局(たとえば、UEまたはeNB)に送ることができるエンティティである。中継局はまた、他のUEに対する送信を中継することができるUEであり得る。
図1に示す例では、中継(局)eNB110dは、eNB110aとUE120dとの間の通信を容易にするために、マクロeNB110aおよびUE120dと通信し得る。中継局は、中継eNB、中継基地局、リレーなどと呼ばれることもある。
【0034】
ワイヤレス通信ネットワーク100は、異なるタイプのeNB、たとえば、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、中継eNBなどを含む異種ネットワークであり得る。これらの異なるタイプのeNBは、ワイヤレス通信ネットワーク100において、異なる送信電力レベル、異なるカバレージエリア、および干渉に対する異なる影響を有し得る。たとえば、マクロeNBは、高い送信電力レベル(たとえば、5~40W)を有し得るが、ピコeNB、フェムトeNB、および中継eNBは、より低い送信電力レベル(たとえば、0.1~2W)を有し得る。
【0035】
ネットワークコントローラ130は、eNBのセットに結合することができ、これらのeNBの協調および制御を行うことができる。ネットワークコントローラ130はバックホールを介してeNBと通信し得る。eNBはまた、たとえば、ワイヤレスバックホールまたはワイヤラインバックホールを介して直接または間接的に互いに通信し得る。
【0036】
UE120(たとえば、120a、120b、120c)は、ワイヤレス通信ネットワーク100全体にわたって分散されてもよく、各UEは、固定またはモバイルであり得る。UEは、アクセス端末、端末、移動局(MS)、加入者ユニット、局(STA)などと呼ばれることもある。UEは、セルラーフォン、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、タブレット、スマートフォン、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、ナビゲーションデバイス、ゲームデバイス、カメラ、車両デバイス、ドローン、ロボット/ロボティックデバイス、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートリストバンド、スマートリング、スマートブレスレット、スマートグラス、仮想現実ゴーグル)などであり得る。MTC UEは、センサ、メーター、モニタ、ロケーションタグ、ドローン、トラッカー、ロボット/ロボティックデバイスなどのデバイスを含む。UEは、あらゆるモノのインターネット(IoE)またはモノのインターネット(IoT)(たとえば、狭帯域IoT(NB-IoT))デバイスとして実装され得る。
【0037】
ワイヤレス通信ネットワーク100(たとえば、LTEネットワーク)内の1つまたは複数のUE120はまた、たとえば、LC MTC UE、LC eMTC UEなどの低コスト(LC)、低データレートデバイスであり得る。LC UEは、LTEネットワーク内のレガシーUEおよび/またはアドバンストUEと共存することができ、ワイヤレスネットワーク内のその他のUE(たとえば、非LC UE)と比較すると制限されている1つまたは複数の能力を有し得る。たとえば、LTEネットワーク内のレガシーUEおよび/またはアドバンストUEと比較すると、LC UEは、以下のうちの1つまたは複数、すなわち、(レガシーUEに対する)最大帯域幅の低減、単一の受信無線周波数(RF)チェーン、ピークレートの低減、送信電力の低減、ランク1送信、半二重動作などとともに動作し得る。本明細書で使用する、MTCデバイス、eMTCデバイスなどの、制限された通信リソースを有するデバイスは、一般にLC UEと呼ばれる。同様に、(たとえば、LTEにおける)レガシーUEおよび/またはアドバンストUEなどのレガシーデバイスは、一般に非LC UEと呼ばれる。
【0038】
図2は、BS/eNB110およびUE120の設計のブロック図であり、BS/eNB110およびUE120は、
図1のそれぞれBS/eNB110のうちの1つおよびUE120のうちの1つであり得る。BS110はT個のアンテナ234a~234tを備えてもよく、UE120はR個のアンテナ252a~252rを備えてもよく、ただし、一般にT≧1およびR≧1である。
【0039】
BS110において、送信プロセッサ220は、データソース212から1つまたは複数のUEのためのデータを受信し、UEから受信されたチャネル品質インジケータ(CQI)に基づいて各UE用の1つまたは複数の変調およびコーディング方式(MCS)を選択し、UE用に選択されたMCSに基づいて各UE用のデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、データシンボルをすべてのUEに与え得る。送信プロセッサ220はまた、(たとえば、半静的リソース区分情報(SRPI:semi-static resource partitioning information)などについての)システム情報および制御情報(たとえば、CQI要求、許可、上位レイヤシグナリングなど)を処理し、オーバーヘッドシンボルおよび制御シンボルを与え得る。送信プロセッサ220はまた、基準信号(たとえば、共通基準信号(CRS))および同期信号(たとえば、1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS))用の基準シンボルを生成し得る。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、該当する場合はデータシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実行し得、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)232a~232tに与え得る。各MOD232は、(たとえば、OFDM用などに)それぞれの出力シンボルストリームを処理して、出力サンプルストリームを取得し得る。各MOD232は、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を取得し得る。変調器232a~232tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれT個のアンテナ234a~234tを介して送信され得る。
【0040】
UE120において、アンテナ252a~252rは、BS110および/または他のBSからダウンリンク信号を受信し得、受信信号をそれぞれ復調器(DEMOD)254a~254rに与え得る。各DEMOD254は、その受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得し得る。各DEMOD254は、(たとえば、OFDM用などに)入力サンプルをさらに処理して、受信シンボルを取得し得る。MIMO検出器256は、すべてのR個の復調器254a~254rから受信シンボルを取得し、該当する場合は受信シンボルに対してMIMO検出を実行し、検出されたシンボルを与え得る。受信プロセッサ258は、検出されたシンボルを処理(たとえば、復調および復号)し、UE120のための復号されたデータをデータシンク260に与え、復号された制御情報およびシステム情報をコントローラ/プロセッサ280に与え得る。チャネルプロセッサは、基準信号受信電力(RSRP)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信品質(RSRQ)、CQIなどを決定し得る。
【0041】
アップリンク上では、UE120において、送信プロセッサ264は、データソース262からのデータ、およびコントローラ/プロセッサ280からの(たとえば、RSRP、RSSI、RSRQ、CQIなどを備える報告用の)制御情報を、受信および処理し得る。プロセッサ264はまた、1つまたは複数の基準信号用の基準シンボルを生成し得る。送信プロセッサ264からのシンボルは、該当する場合はTX MIMOプロセッサ266によってプリコーディングされ、(たとえば、SC-FDM、OFDM用などに)MOD254a~254rによってさらに処理され、BS110に送信され得る。BS110において、UE120および他のUEからのアップリンク信号は、アンテナ234によって受信され、DEMOD232によって処理され、該当する場合はMIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理されて、UE120によって送られた復号されたデータおよび制御情報を取得し得る。受信プロセッサ238は、復号されたデータをデータシンク239に与え、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に与え得る。BS110は、通信ユニット244を含み、通信ユニット244を介してネットワークコントローラ130と通信し得る。ネットワークコントローラ130は、通信ユニット294と、コントローラ/プロセッサ290と、メモリ292とを含み得る。
【0042】
コントローラ/プロセッサ240および280は、それぞれBS110およびUE120における動作を指示し得る。たとえば、BS110におけるコントローラ/プロセッサ240ならびに/または他のプロセッサおよびモジュールは、
図9に示す動作および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示し得る。同様に、UE120におけるコントローラ/プロセッサ280ならび/または他のプロセッサおよびモジュールは、
図8に示す動作および/または本明細書で説明する技法のためのプロセスを実行または指示し得る。メモリ242および282は、それぞれBS110およびUE120のためのデータおよびプログラムコードを記憶し得る。スケジューラ246は、ダウンリンク上および/またはアップリンク上のデータ送信に対してUEをスケジュールしてもよい。
【0043】
図3は、LTEにおけるFDD用の例示的なフレーム構造300を示す。ダウンリンクおよびアップリンクの各々に対する送信タイムラインは、無線フレームの単位に区分されてもよい。各無線フレームは、所定の持続時間(たとえば、10ミリ秒(ms))を有してよく、0~9というインデックスを有する10個のサブフレームに区分され得る。各サブフレームは、2つのスロットを含んでよい。したがって、各無線フレームは、0~19というインデックスを有する20個のスロットを含んでよい。各スロットは、L個のシンボル期間、たとえば、(
図2に示すように)ノーマルサイクリックプレフィックスの場合は7つのシンボル期間、または拡張サイクリックプレフィックスの場合は6つのシンボル期間を含み得る。各サブフレームの中の2L個のシンボル期間は、0~2L-1というインデックスを割り当てられ得る。
【0044】
LTEでは、eNBは、eNBによってサポートされるセルごとのシステム帯域幅の中心1.08MHzにおいて、ダウンリンク上で1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS)を送信することができる。PSSおよびSSSは、
図3に示すように、それぞれ、ノーマルサイクリックプレフィックスを有する各無線フレームのサブフレーム0および5中のシンボル期間6および5において送信され得る。PSSおよびSSSは、セル探索およびセル捕捉のためにUEによって使用され得る。eNBは、eNBによってサポートされるセルごとのシステム帯域幅にわたって、セル固有基準信号(CRS:cell-specific reference signal)を送信し得る。CRSは、各サブフレームのいくつかのシンボル期間において送信されてよく、チャネル推定、チャネル品質測定、および/または他の機能を実行するためにUEによって使用され得る。eNBはまた、いくつかの無線フレームのスロット1の中で、シンボル期間0~3において物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)を送信し得る。PBCHは、いくつかのシステム情報を搬送し得る。eNBは、いくつかのサブフレーム中で、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)上でシステム情報ブロック(SIB:system information block)などの他のシステム情報を送信し得る。eNBは、サブフレームの最初のB個のシンボル期間において物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で制御情報/データを送信し得、ここで、Bはサブフレームごとに構成可能であり得る。eNBは、各サブフレームの残りのシンボル期間において、PDSCH上でトラフィックデータおよび/または他のデータを送信し得る。eNBは、サブフレームの任意のシンボル期間において拡張物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)上で制御情報/データを送信し得る。
【0045】
LTEにおけるPSS、SSS、CRS、およびPBCHは、公開されている「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation」と題する3GPP TS 36.211に記載されている。
【0046】
図4は、ノーマルサイクリックプレフィックスを有するダウンリンクのための2つの例示的なサブフレームフォーマット410および420を示す。ダウンリンクに利用可能な時間周波数リソースは、リソースブロックに区分され得る。各リソースブロックは、1つのスロットにおいて12個のサブキャリアをカバーすることができ、いくつかのリソース要素を含み得る。各リソース要素は、1つのシンボル期間において1つのサブキャリアをカバーすることができ、実数値または複素数値であり得る1つの変調シンボルを送るために使用され得る。
【0047】
サブフレームフォーマット410は、2つのアンテナを備えたeNBに使用され得る。CRSは、シンボル期間0、4、7、および11においてアンテナ0および1から送信され得る。基準信号とは、送信機および受信機によって事前に知られている信号であり、パイロットと呼ばれることもある。CRSは、たとえば、セル識別情報(ID)に基づいて生成される、セルに固有の基準信号である。
図4では、ラベルRaを有する所与のリソース要素に対して、そのリソース要素上でアンテナaから変調シンボルが送信されてよく、そのリソース要素上で他のアンテナから変調シンボルが送信されないことがある。サブフレームフォーマット420は、4つのアンテナを備えたeNBに使用され得る。CRSは、シンボル期間0、4、7および11においてアンテナ0および1から送信され、シンボル期間1および8においてアンテナ2および3から送信され得る。サブフレームフォーマット410と420の両方について、CRSは、セルIDに基づいて決定され得る均等に離間したサブキャリア上で送信され得る。異なるeNBは、そのCRSを、そのセルIDに応じて、同じまたは異なるサブキャリア上で送信し得る。サブフレームフォーマット410と420の両方について、CRSに使用されないリソース要素は、データ(たとえば、トラフィックデータ、制御データ、および/または他のデータ)を送信するために使用され得る。
【0048】
LTEにおけるFDD用のダウンリンクおよびアップリンクの各々に対して、インターレース構造が使用され得る。たとえば、0~Q-1のインデックスを有するQ個のインターレースが定義されてもよく、ここで、Qは、4、6、8、10、または何らかの他の値に等しくてもよい。各インターレースは、Q個のフレームだけ離間したサブフレームを含み得る。詳細には、インターレースqは、サブフレームq、q+Q、q+2Qなどを含んでよく、ここで、q∈{0、…,Q-1}である。
【0049】
ワイヤレスネットワークは、ダウンリンク上およびアップリンク上でのデータ送信のために、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)をサポートし得る。HARQの場合、送信機(たとえば、eNB110)は、パケットが受信機(たとえば、UE120)によって正確に復号されるか、または何らかの他の終了条件に遭遇するまで、パケットの1つまたは複数の送信を送ることができる。同期HARQの場合、パケットのすべての送信は、単一のインターレースのサブフレーム中で送られ得る。非同期HARQの場合、パケットの各送信は、任意のサブフレーム中で送られ得る。
【0050】
UEは、複数のeNBのカバレージ内に位置することがある。これらのeNBのうちの1つが、UEにサービスするために選択され得る。サービングeNBは、受信信号強度、受信信号品質、経路損失などの様々な基準に基づいて選択され得る。受信信号品質は、信号対干渉雑音比(SINR)、もしくは基準信号受信品質(RSRQ)、または何らかの他のメトリックによって定量化され得る。UEは、UEが1つまたは複数の干渉eNBからの高い干渉を観測し得る支配的干渉シナリオにおいて動作し得る。
【0051】
上述のように、ワイヤレス通信ネットワーク(たとえば、ワイヤレス通信ネットワーク100)内の1つまたは複数のUEは、ワイヤレス通信ネットワーク内の他の(非LC)デバイスと比較して制限された通信リソースを有する、LC UEなどのデバイスであり得る。
【0052】
たとえば、LTE Rel-13におけるいくつかのシステムでは、LC UEは、利用可能なシステム帯域幅内の(たとえば、わずか6つのリソースブロック(RB)の)特定の狭帯域割り当てに制限され得る。しかしながら、LC UEは、たとえば、LTEシステム内で共存するために、LTEシステムの利用可能なシステム帯域幅内の異なる狭帯域領域に再同調(たとえば、動作および/またはキャンプ)することが可能であり得る。
【0053】
LTEシステム内の共存の別の例として、LC UEは、レガシー物理ブロードキャストチャネル(PBCH)(たとえば、一般にセルへの初期アクセスに使用され得るパラメータを搬送するLTE物理チャネル)を(繰り返し)受信し、1つまたは複数のレガシー物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)フォーマットをサポートすることが可能であり得る。たとえば、LC UEは、複数のサブフレームにわたるPBCHの1つまたは複数の追加の繰返しを伴うレガシーPBCHを受信することが可能であり得る。別の例として、LC UEは、(たとえば、サポートされた1つまたは複数のPRACHフォーマットを有する)PRACHの1つまたは複数の繰返しをLTEシステムにおけるeNBに送信することが可能であり得る。PRACHは、LC UEを識別するために使用され得る。また、繰り返されるPRACH試行の数はeNBによって構成され得る。
【0054】
LC UEはまた、リンクバジェットが制限されたデバイスであってもよく、そのリンクバジェット制限に基づいて異なる動作モード(たとえば、LC UEとの間で送信される異なる量の繰り返されるメッセージを伴う)で動作してもよい。たとえば、場合によっては、LC UEは、繰返しがほとんどまたはまったくない(たとえば、UEがメッセージの受信および/または送信に成功するために必要とされる繰返しの量は少なくてもよいか、または繰返しは必要ですらないことがある)通常カバレージモードで動作してもよい。代替的に、場合によっては、LC UEは、大量の繰返しがあり得るカバレージ拡張(CE)モードで動作してもよい。たとえば、328ビットペイロードの場合、CEモードのLC UEは、ペイロードの受信に成功するために、ペイロードの150回以上の繰返しを必要とし得る。
【0055】
場合によっては、たとえば、LTE Rel-13の場合も、LC UEは、そのブロードキャスト送信およびユニキャスト送信の受信に関して制限された能力を有し得る。たとえば、LC UEによって受信されるブロードキャスト送信の最大トランスポートブロック(TB)サイズは、1000ビットに制限され得る。加えて、場合によっては、LC UEは、サブフレーム中で2つ以上のユニキャストTBを受信することが可能ではないことがある。場合によっては(たとえば、上記で説明したCEモードと通常モードの両方の場合)、LC UEは、サブフレーム中で2つ以上のブロードキャストTBを受信することが可能ではないことがある。さらに、場合によっては、LC UEは、サブフレーム中でユニキャストTBとブロードキャストTBの両方を受信することが可能ではないことがある。
【0056】
MTCの場合、LTEシステム内で共存するLC UEはまた、ページング、ランダムアクセス手順などのいくつかの手順のための新しいメッセージを(たとえば、これらの手順のためにLTE内で使用される従来のメッセージとは対照的に)サポートし得る。言い換えれば、ページング、ランダムアクセス手順などのためのこれらの新しいメッセージは、非LC UEに関連付けられた同様の手順に使用されるメッセージとは別個のものであり得る。たとえば、LTE内で使用される従来のページングメッセージと比較して、LC UEは、非LC UEが監視および/または受信することができない場合があるページングメッセージを監視および/または受信することができる場合がある。同様に、従来のランダムアクセス手順において使用される従来のランダムアクセス応答(RAR)メッセージと比較して、LC UEは、やはり非LC UEによって受信できない場合があるRARメッセージを受信することができる場合がある。LC UEに関連付けられた新しいページングメッセージおよびRARメッセージはまた、1回または複数回繰り返される(たとえば、「バンドルされる」)ことがある。加えて、新しいメッセージの異なる数の繰返し(たとえば、異なるバンドリングサイズ)がサポートされ得る。
【0057】
上述のように、MTC動作および/またはeMTC動作は、(たとえば、LTEまたは何らかの他のRATと共存して)ワイヤレス通信ネットワークにおいてサポートされ得る。
図5Aおよび
図5Bは、たとえば、MTC動作中のLC UEがLTEなどの広帯域システム内でどのように共存し得るかの一例を示す。
【0058】
図5Aの例示的なフレーム構造に示すように、MTC動作および/またはeMTC動作に関連付けられたサブフレーム510は、LTE(または、何らかの他のRAT)に関連付けられた通常のサブフレーム520と時分割多重化(TDM)され得る。
【0059】
追加または代替として、
図5Bの例示的なフレーム構造に示すように、MTCにおけるLC UEによって使用される1つまたは複数の狭帯域領域560、562は、LTEによってサポートされるより広い帯域幅550内で周波数分割多重化され得る。各狭帯域領域が合計で6つのRB以下である帯域幅にわたる、複数の狭帯域領域は、MTC動作および/またはeMTC動作についてサポートされ得る。場合によっては、MTC動作における各LC UEは、一度に1つの狭帯域領域内で(たとえば、1.4MHzまたは6つのRBにおいて)動作し得る。しかしながら、MTC動作におけるLC UEは、任意の所与の時間に、より広いシステム帯域幅内の他の狭帯域領域に再同調することができる。いくつかの例では、複数のLC UEは、同じ狭帯域領域によってサービスされ得る。他の例では、複数のLC UEは、(たとえば、各狭帯域領域が6つのRBにわたる)異なる狭帯域領域によってサービスされ得る。さらに他の例では、LC UEの異なる組合せは、1つもしくは複数の同じ狭帯域領域および/または1つもしくは複数の異なる狭帯域領域によってサービスされ得る。
【0060】
LC UEは、様々な異なる動作のために狭帯域領域内で動作(たとえば、監視/受信/送信)し得る。たとえば、
図5Bに示すように、サブフレーム552の(たとえば、広帯域データのわずか6つのRBにわたる)第1の狭帯域領域560は、ワイヤレス通信ネットワーク内のBSからのPSS、SSS、PBCH、MTCシグナリング、またはページング送信のいずれかについて、1つまたは複数のLC UEによって監視され得る。領域556および558は、データを他のUE(たとえば、非LC UE)に送信するためにBSによって使用され得る。同じく
図5Bに示すように、サブフレーム554の(たとえば、同じく広帯域データのわずか6つのRBにわたる)第2の狭帯域領域562は、BSによるシグナリングにおいて以前に構成されたRACHメッセージまたはデータをLC UEおよび/または他のLC UEのうちの1つまたは複数に送信するためにBSによって使用され得る。LC UEは、第1の狭帯域領域を監視した後で受信するために第2の狭帯域領域に再同調していることがある。領域559は、データを他のUE(たとえば、非LC UE)に送信するためにBSによって使用され得る。
【0061】
本明細書で説明する例は6つのRBの狭帯域を想定しているが、当業者であれば、本明細書で提示する技法は異なるサイズの狭帯域領域にも適用され得ることを認識されよう。
【0062】
上述のように、たとえば、LTE Rel-12などのいくつかのシステムでは、MTC(たとえば、eMTC)用の狭帯域動作がサポートされ得る。MTC用の狭帯域動作をサポートするセルは、ダウンリンク(DL)動作およびアップリンク(UL)動作用の異なるシステム帯域幅を有し得る。異なるDLシステム帯域幅(SB)およびULシステム帯域幅(SB)を有するセルは、ULシステム帯域幅を狭帯域領域に編成するために使用されるやり方とは異なるやり方で、DLシステム帯域幅を狭帯域領域に編成し得る。したがって、本開示の態様は、DLシステム帯域幅およびULシステム帯域幅を狭帯域領域に編成するための技法を提供する。
【0063】
MTC UEおよびレガシーUE用の狭帯域動作をサポートするセルは、レガシーUEからレガシーPUCCH送信を受信し得る。レガシーPUCCH送信は、セルのULシステム帯域幅のいずれかまたは両方のエッジにおいて送信され得る。したがって、本開示の態様は、レガシーPUCCH送信が使用するためのUL狭帯域領域中に含まれる送信リソースを確保する技法を提供する。同様の確保は、他のレガシーDL信号またはチャネルが使用するためのDL狭帯域領域にも適用され得る。
【0064】
MTC用の狭帯域動作をサポートするセルは、サウンディング基準信号(SRS)の送信もサポートし得る。SRSを送信するための定義された現行の最小帯域幅は4つのRBである。しかしながら、上述のように、狭帯域領域の帯域幅は6つのRBである。6つのRBは4つのRBで割り切れないという事実は、6RBベースの狭帯域動作において4つのRBを使用してSRS送信を管理するうえでの課題を提示する。したがって、本開示の態様は、(たとえば、MTC用の)狭帯域動作をサポートするセルにおいてSRSを送信するための送信リソースを割り当てるための技法を提供する。
【0065】
FDDで動作するセルは、そのセルのULシステム帯域幅とは異なるサイズであるDLシステム帯域幅を有し得る。たとえば、セルは、10MHzのシステム帯域幅においてDL動作を実行し、5MHzシステム帯域幅においてUL動作を実行し得る。MTC動作およびMTC UEをサポートするために、セルは、DLシステム帯域幅およびULシステム帯域幅を狭帯域領域または狭帯域領域に編成し得る。セルを制御するeNBまたは他のBSは、MTC UEがeNBからの信号を監視するために、DL狭帯域領域をそのMTC UEに割り当て得る。同様に、eNB(または他のBS)は、MTC UEがUL信号を送信するときに使用するために、UL狭帯域領域をそのMTC UEに割り当て得る。本例では、セルは、ULシステム帯域幅を4つのUL狭帯域領域に編成する一方で、DLシステム帯域幅を8つのDL狭帯域領域に編成し得る。
【0066】
BS(たとえば、eNBまたはセル)が狭帯域領域に編成されたセルのDLシステム帯域幅およびULシステム帯域幅でMTC UEをサポートするとき、BSは、DL狭帯域領域をMTC UEに割り当てることがそのMTC UEへのUL狭帯域領域の割り当てを暗示するように、DL狭帯域領域とUL狭帯域領域との間のマッピングを確立し得る。マッピングを有することで、BSがセル内のリソースのスケジューリングを簡略化することが可能になり、たとえば、BSは、DL狭帯域領域上のMTC UEへの対応するUL狭帯域領域上での送信のACK/NAKを予想することができる。同様に、MTC UEは、そのMTC UEに対する割り当てられたDL狭帯域領域上でのDL送信を監視し、対応するUL狭帯域領域上での送信で応答する。
【0067】
本開示の態様によれば、BSによってUL狭帯域領域およびDL狭帯域領域をマッピングするための技法が提供される。BSは、BSによってサポートされるULシステム帯域幅およびDLシステム帯域幅の最小サイズを決定し、決定されたサイズに編成され得る狭帯域領域の数を決定し、次いで、DLシステム帯域幅とULシステム帯域幅の両方をその数の狭帯域領域に編成し得る。次いで、BSは、各DL狭帯域領域を1つのUL狭帯域領域にマッピングし得る。たとえば、セルは、10MHzのシステム帯域幅においてDL動作を実行し、5MHzシステム帯域幅においてUL動作を実行し得る。本例では、BSは、ULシステム帯域幅およびDLシステム帯域幅の最小サイズが5MHzであると決定し、次いで、BSが5MHzシステム帯域幅において4つの狭帯域領域を編成することができると決定し得る。依然として本例では、BSは、次いで、DLシステム帯域幅において4つのDL狭帯域領域を、ULシステム帯域幅において4つのUL狭帯域領域を編成し、各DL狭帯域領域を1つのUL狭帯域領域にマッピングし得る。
【0068】
図6は、上記で説明したように、UL狭帯域領域へのDL狭帯域領域の例示的なマッピング600を示す。そのようなマッピングは、
図1のeNB110aによって用いられ得る。
図6は、一見したところ同じ周波数範囲内にあるDLシステム帯域幅610およびULシステム帯域幅650を示しているが、DLシステム帯域幅およびULシステム帯域幅は、FDDを使用するセルでは異なる周波数範囲にある。DLシステム帯域幅610は10MHzまたは50個のRB幅であり、ULシステム帯域幅650は5MHzまたは25個のRB幅である。DLシステム帯域幅610およびULシステム帯域幅650を動作させる一方でMTC UEをサポートするBSは、ULシステム帯域幅650がDLシステム帯域幅610よりも小さいと決定し得る(ULシステム帯域幅650の5MHzサイズは、ULシステム帯域幅650およびDLシステム帯域幅610の最小サイズである)。次いで、BSは、BSがULシステム帯域幅650から4つの狭帯域領域652、654、656、および658を編成することができると決定し得る。次いで、BSは、DLシステム帯域幅から4つの狭帯域領域を編成することを決定し、DLシステム帯域幅からDL狭帯域領域612、614、616、および618を編成し得る。次いで、BSは、DL狭帯域領域612をUL狭帯域領域652に、DL狭帯域領域614をUL狭帯域領域654に、DL狭帯域領域616をUL狭帯域領域656に、DL狭帯域領域618をUL狭帯域領域658にマッピングし得る。
【0069】
ニューラジオにおける例示的な差別化されたランダムアクセス
本開示の態様によれば、ネットワーク(たとえば、ネットワークの基地局)が、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのパラメータのセットを用いてUEを構成し、UEによるPRACH手順が、たとえば、他のUEによる、または他の時間での同じUEによる、他のPRACH手順と差別化されることを可能にしてもよい。UEが、PRACH手順(たとえば、ランダムアクセス手順)を行うようにトリガされてもよく、トリガに基づいてPRACH手順を行う際に使用するパラメータのセットを選択してもよい。
【0070】
本開示の態様によれば、少なくとも以下のイベントに対して、NRにおけるランダムアクセス手順がトリガされる場合がある。
(1) RRC_IDLEからの初期アクセス
(2) RRC接続再確立手順
(3) ハンドオーバ
(4) たとえば、UL同期ステータスが「非同期」であるとき、ランダムアクセス手順を要求してRRC_CONNECTED中にDLデータが到着する
(5) たとえば、UL同期ステータスが「非同期」である、または利用可能なスケジューリング要求(SR)用のPUCCHリソースがないとき、ランダムアクセス手順を要求してRRC_CONNECTED中にULデータが到着する
(6) RRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDへの移行
(7) セル上で失敗した(failed)サービングビームを回復する
【0071】
本開示の態様では、NRにおける、セカンダリセル(SCell)でのランダムアクセス手順は、LTEなどで、複数のトラッキングエリアTAがネットワークによってサポートされる場合、サポートされ得る。
【0072】
本開示の態様によれば、NRにおけるランダムアクセス手順は、指示される場合、セカンダリセルグループ(SCG)追加および/もしくは変更時に、またはUEがRRC_CONNECTED状態であって、たとえば、UEが非同期である場合、ランダムアクセス手順を行う必要があるとき、DLおよび/もしくはULデータ到着時に、少なくともプライマリ(PCell)で行われる。UEにより開始されるランダムアクセス手順は、LETなどでは、SCGのためにPSCellで行われるにすぎない。
【0073】
本開示の態様では、媒体アクセス制御(MAC)エンティティ、たとえば、UEのMACエンティティにおいて、任意の時点で多くても1つのランダムアクセス手順が進行し得る。
【0074】
UEが、現在UEが接続されていないセルと接続する必要があるとき、UEおよびセルは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順と呼ばれるメッセージの交換に関与する。例示的なPRACH手順では、UEは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号(PRACH手順のプリアンブルまたはメッセージ1(Msg1)と呼ばれることがある)をPRACH信号のために確保された送信リソースのセット(PRACH領域と呼ばれることがある)において送信し、次いで、セルは、ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH)上で搬送されるランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(PRACH手順のメッセージ2(Msg2)と呼ばれることがある)でPRACH信号に応答する。UEは、RRC接続要求メッセージ(PRACH手順のメッセージ3(Msg3)と呼ばれることがある)でRARメッセージに応答し、セルは、競合解消メッセージ(PRACH手順のメッセージ4(Msg4)と呼ばれることがある)でMsg3に応答する。UEは、次いで、セルと接続され得る。
【0075】
現行(たとえば、LTE Rel-12)のワイヤレス技術では、MTCデバイスによって送信されるPRACH信号は、第1のホッピングパターンを使用する4つのシンボルの第1のグループと、第1のホッピングパターンを使用するが、ランダムグループホッピング値だけ第1のグループからオフセットされる4つのシンボルの第2のグループとを含む。
【0076】
図7は、本開示の態様による、例示的なPRACH信号700を概略的に示す。第1のグループ704a内の4つのシンボル702a~702dが(たとえば、UEによって)送信され、次いで、ランダムグループホッピングが適用され、第1のグループの場合と同じホッピングパターンを有するシンボル702e~702hの第2のグループ704bが(たとえば、UEによって)送信される。曲線706は、グループ704a内のシンボル702aとグループ704b内のシンボル702eとの間の対応を示す。同様に、シンボル702bはシンボル702fに対応し、シンボル702cはシンボル702gに対応し、シンボル702dはシンボル702hに対応する。
【0077】
PRACH信号(たとえば、
図7に示すPRACH信号700)のトーン間隔は、3.75kHzであり得る。PRACH信号内のシンボルは、両方ともLTEシステムにおけるデータ送信に使用されるサイクリックプレフィックス(CP)長とは異なる、66.7マイクロ秒(μs)または266.7μsのCP長を使用し得る。
【0078】
UEがランダムアクセス手順を開始するとき、UEは、PRACH信号送信のためにセル内で確保されたリソースから1つのリソース(たとえば、トーン)をランダムに選択し、そのリソースを使用してPRACH信号を送信する。UEは、セルによって送信された1つまたは複数のシステム情報ブロック(SIB)を受信および復号することによって、セル内のどのリソースがPRACH信号のために確保されるかを決定し得る。
【0079】
LTEベースラインでは、すべてのUEが、構成されたパラメータの同じセットを用いて同じランダムアクセス手順を行う。差別化または優先度付けは利用できない。しかしながら、本開示の態様によれば、NRが差別化されたアクセスを実現することを示す、NRでのいくつかの使用事例がある。
【0080】
本開示の態様によれば、NRが、異なるタイプのサービスをサポートすることになり、サービスのいくつかは、それらのアクセスの異なる目的を有し得る。たとえば、ネットワークは、他のサービスよりも、超高信頼および低遅延通信(URLLC:ultra-reliable and low-latency communications)サービス高速アクセスを与える方が好ましく、eMTCサービスは、eMTC UEによるアクセス中のeMTC UEによって消費されるエネルギーの量を最小限にすることを目標とする場合がある。
【0081】
本開示の態様では、NRにおいてネットワークスライシングがサポートされ得る。ネットワークスライシング(単に「スライシング」と呼ばれることがある)の主要な特徴は、同じ物理ネットワークを通じた差別化されたトランスポートサービスである。差別化されたサービスの一態様は、ネットワークへのアクセス中に差別化された処理を含んでもよい。たとえば、プレミアムユーザグループが、一般ユーザよりも、高速アクセスおよび低ブロック率を必要とする場合がある。
【0082】
本開示の態様によれば、異なるタイプのランダムアクセスイベントが、異なるアクセス遅延を必要とする場合がある。たとえば、(たとえば、非同期状態となった後に)再び同期させるためにランダムアクセスを使用しようとしているRCC_CONNECTED状態のUEが、最初のアクセスを得ようとしているRRC_IDLE状態のUEよりも、高い優先度を与えられてもよい。
【0083】
本開示の態様によれば、たとえ差別化が必要とされる場合でも、手続きの観点から、ランダムアクセス手順が行われる方法に基本的な違いはない。さらに、ランダムアクセスが、接続モードで使用されるものと同じニューメロロジーで行われるように求める使用事例は、定義されていない。たとえば、UEによるURLLCのサービス品質(QoS)要求は、UEが接続されるまで始まらないことが合意されている。実装形態を簡略化するために、NRにおいてすべてのタイプのサービスまたはランダムアクセスイベントに対して共通のランダムアクセス手順を有することが望ましい場合がある。LTEベースラインで指定されるランダムアクセス手順は、成熟した、柔軟なものであり、したがって、NRにベースラインとしてLTEランダムアクセス手順を使用することは良い選択であり得る。
【0084】
本開示の態様によれば、PRACHリソース(たとえば、プリアンブル、時間/周波数)の区分は、差別化されたランダムアクセスを実装するには良い手法ではない場合がある。その理由は、PRACHリソースの区分が、スケーラブルな手法ではない場合があるからである。満たすべきサービス要件が多くなるほど、より細いPRACHリソースが区分される。PRACHリソースが小さい断片に区分される場合、アクセス競合が、急速に増える可能性がある。
【0085】
本開示の態様では、差別化をサポートするためのベースラインPRACH手順のパラメータ化は、PRACH手順またはPRACHリソースの区分の設計にいかなる変更も必要とせず、PRACHリソース区分よりも、より効率的かつスケーラブルな、差別化をサポートする手法であり得る。
【0086】
図8は、本開示の態様による、UE(たとえば、
図1のUE120a)によって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作800を示す。動作800は、他のPRACH手順(たとえば、他のUEによるまたは別の時間のUEによる)と差別化されたPRACH手順を行うためにUEによって行われてもよい。
【0087】
動作800は、ブロック802において始まり、UEは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)手順を行うためのトリガを検出する。たとえば、UE120aが、UEはRRC切断状態に入っているが、BS110aによってサービスされるセルにおいて、UEは、RRC接続を再確立するためにPRACH手順を行うようトリガされることを検出する場合がある。
【0088】
動作800は、ブロック804において継続し、UEは、トリガに基づいて、PRACHパラメータの複数のセットから、PRACH手順で使用するPRACHパラメータの値のセットを選択する。上記の例を続けると、UE120aが、PRACHパラメータの複数のセット(たとえば、UEがBSによって送信されたSIBで受信した、より優先度の高いPRACH手順のための第1のセット、およびより優先度の低いPRACH手順のための第2のセット)から、RRC接続を再確立するためのトリガに基づいて、PRACH手順で使用するPRACHパラメータのセット(たとえば、より優先度の高いPRACH手順のための第1のセット)を選択する。
【0089】
ブロック806において、動作800が継続し、UEは、PRACHパラメータの値の選択されたセットを使用してPRACH手順を行う。上記の例を続けると、UEは、PRACHパラメータの値の選択されたセット(たとえば、より優先度の高いPRACH手順のための第1のセット)を使用して、PRACH手順(たとえば、本明細書で説明するようにランダムアクセスプリアンブルを送信することから始める)を行う。
【0090】
本開示の態様によれば、UEが、たとえば、基地局から送信されるシステム情報ブロック(SIB)において、PRACHパラメータの値の1つまたは複数のセットを受信してもよい。
【0091】
本開示の態様では、UEが、たとえば、基地局から送信される無線リソース制御(RRC)専用シグナリングを介して、PRACHパラメータの値の1つまたは複数のセットを受信してもよい。
【0092】
本開示の態様によれば、UEが、データ無線ベアラ(DRB)、サービス品質フローインジケータデータ(QFI)、またはネットワークスライスのうちの少なくとも1つがPRACHパラメータの値のセットに関連付けられているという指示を(たとえば、基地局から)受信してもよい。ネットワークは、1つもしくは複数のDRB、QFI、またはネットワークスライスとのPRACHパラメータの値のセットの関連付けを確立してもよい。
【0093】
本開示の態様では、UEが、PRACHパラメータの値のセット(たとえば、ブロック804で選択された値のセット)が、データ無線ベアラ(DRB)、サービス品質フローインジケータ(QFI)、またはネットワークスライスのセットに関連付けられているという指示を(たとえば、基地局から)受信してもよい。
【0094】
図9は、本開示の態様による、BS(たとえば、
図1のeNodeB110a)によって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作900を示す。動作900は、たとえば、PRACH手順を他のPRACH手順(たとえば、他のUEによるまたは別の時間のUEによる)と差別化する際にUEが使用するパラメータをUEに提供するために、BSによって行われてもよい。動作900は、上記で説明した
図8の動作800を補完するものと見なされ得る。
【0095】
動作900は、ブロック904において継続し、BSは、PRACHパラメータの値のセットの1つの指示およびそのセットのための対応するトリガを送信する。上記の例を続けると、eNodeBは、PRACHパラメータのセットの1つ(たとえば、より優先度の高いPRACH手順のための第1のセット) を示すSIBおよびそのセットのための対応するトリガ(たとえば、RRC接続再確立が行われるべきである)を送信する。
【0096】
動作900は、ブロック904において継続し、BSは、PRACHパラメータの値のセットの1つおよびそのセットのための対応するトリガの指示を送信する。上記の例を続けると、eNodeBは、PRACHパラメータのセットの1つ(たとえば、より優先度の高いPRACH手順のための第1のセット)およびそのセットのための対応するトリガ(たとえば、RRC接続再確立が行われるべきである)を示すSIBを送信する。
【0097】
本開示の態様によれば、ベースラインランダムアクセス手順で使用される以下のパラメータ、すなわち、初期受信電力値(たとえば、preambleInitialReceivedTargetPower)、電力ランピングステップ値(たとえば、powerRampingStep)、バックオフパラメータ値、および/またはバックオフ乗数値を含む、プリアンブル送信のためのパラメータは、差別化を実現するために、異なるサービス/スライス/イベントに対して異なるように構成することができる。
【0098】
本開示の態様では、サービス、スライス、および/またはイベント(たとえば、トリガ)がUEによるネットワークへのより高速のアクセスを必要とする場合、UEは、UEおよび他のUEが他のPRACH手順で使用するよりも、PRACH手順の初期受信電力値(たとえば、powerRampingStep)および電力ランピングステップ値(powerRampingStep)のより大きい値を使用することができる。より大きい値を使用すると、UEがPRACH手順に対するより高い成功確率(たとえば、アクセス要求に対するより高い成功確率)を実現することが可能になる。アクセス要求が、より優先度の低いものと見なされる場合、UEのPRACH手順がより優先度の高いPRACH手順とのアクセス競合を起こしにくいように、UEはより大きいバックオフパラメータ値を使用してもよい。
【0099】
本開示の態様によれば、サービスが多くのUEで展開されると予想される場合、UEは、過度の干渉または競合を回避するために、電力ランピングステップ値(たとえば、powerRampingStep)の小さい値で構成されてもよい。さらに、ネットワーク上のそれらのアクセス負荷を軽減するために、大きいバックオフパラメータ値が、UEによるPRACH手順によって使用されてもよい。
【0100】
本開示の態様では、サービスおよび/またはスライスが電力消費量に敏感である場合、初期受信電力値(たとえば、preambleInitialReceivedTargetPower)および電力ランピングステップ値(たとえば、powerRampingStep)の改善された組合せが、ネットワークアクセスを実行するUEによって消費されるエネルギーの総量を最小限にするように構成されてもよい。この改善された組合せは、電力とアクセス遅延とのトレードオフである場合がある。たとえば、電力消費量を削減するために、より低い初期受信電力値が使用されてもよい。しかしながら、極めて低い値は、アクセス成功を低下させ、場合によってはより多くの再送信を生じる場合があるので、初期受信電力値は低すぎてはならない。
【0101】
本開示の態様によれば、競合が発生するとき、ネットワークは、UEが再びネットワークにアクセスしようとする試みを行う(たとえば、新たなPRACH手順を開始する)前に待つべき時間をUEに示すために、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージでバックオフインジケータを返送することができる。同じ4ビットのバックオフインジケータが、関係するすべてのUEに送られてもよいが、このインジケータは、異なるサービス、スライス、および/またはイベントに対してバックオフ値の異なるテーブルを提示することができ、すなわち、同じインジケータは、より優先度の低い要求に対するよりも、より優先度の高い要求に対してより短いバックオフ持続時間を意味する。
【0102】
本開示の態様では、UEが、RARメッセージでバックオフインジケータを受信した後に、初期バックオフパラメータ値およびバックオフ乗数に基づいてバックオフ期間を決定してもよい。UEが、要求の優先度(たとえば、より高いまたはより低い)に基づいてバックオフ乗数を決定し、次いで、決定したバックオフ乗数を初期バックオフパラメータ値に掛けることによってバックオフ期間を決定してもよい。より優先度の高いアクセス要求が、より優先度の低いアクセス要求よりも小さいバックオフ乗数を使用してもよい。
【0103】
本開示の態様では、上述の差別化されたランダムアクセス手順を実装するために、ネットワークが、ランダムアクセス要求のトリガとランダムアクセスパラメータのセットとの間のマッピングを構成および/または指定する(たとえば、UEに構成を作成し、送信する)ことがある。そのようなトリガは、データ到着がある論理チャネルの優先度、ランダムアクセスイベントのタイプ(たとえば、再同期)、またはネットワークスライスへのインデックスを含んでもよい。
【0104】
本開示の態様によれば、ネットワーク(たとえば、ネットワークの基地局)が、RACH関係のシステム情報ブロック(SIB)でアクセスパラメータの複数のセットを提供することができる。さらに、ネットワークは、要求のトリガに基づいて、アクセス要求がどのパラメータのセットを使用すべきかを指定することができる。
【0105】
本開示の態様によれば、ネットワーク(たとえば、ネットワークの基地局)が、RRCシグナリングを介してUEにアクセスパラメータの1つまたは複数のセットを提供することができる。ネットワークは、RRCシグナリングを介してUEにアクセスパラメータのセットを供給することによって、接続されたUEを差別化する際により柔軟であるように使用可能であってもよい。
【0106】
本開示の態様では、アクセスパラメータのセットとトリガとの間のマッピングは、データ無線ベアラ(DRB)確立の一部として、またはプロトコルデータユニット(PDU)セッション確立の一部として、指定され得る。たとえば、DRB確立手順中に、UEが、サービス品質フローインジケータ(QFI)の一部として(前に述べたように)ランダムアクセスパラメータのセットを得る。
【0107】
本開示の態様によれば、異なるタイプの競合ベースのアクセスイベントの優先度は、次のように定義される。
【0108】
本開示の態様によれば、UEによる初期アクセス、ならびにRRCアイドルおよび非アクティブ状態で新しいデータを送信する必要があるUEによってトリガされたアクセスの場合(すなわち、アクセス制御が適用される)、UEによる競合ベースのランダムアクセス手順のアクセス優先度は、アクセス手順をトリガした新しいデータのアクセスカテゴリに基づく。
【0109】
本開示の態様では、アクセス優先度と上述のアクセスカテゴリとの間のマッピングは、システム情報で広告され、および/または専用RRCシグナリングを介してネットワークによってUE上に構成されてもよい。
【0110】
本開示の態様によれば、RRC接続されたUEの場合、制御プレーンイベントに対して、競合ベースのアクセスを使用するハンドオーバおよびRRC接続再確立が、より高いアクセス優先度を割り当てられてもよく、他の制御プレーンイベントは、より低いアクセス優先度を割り当てられてもよい。
【0111】
本開示の態様では、RRC接続されたUEの場合、コンテンツベースのランダムアクセスイベントが、低いアクセス優先度を割り当てられてもよい(たとえば、SRが高いアクセス優先度のトラフィックのために構成されると仮定される、新しいデータによってトリガされるアクセスの場合)。
【0112】
本開示の態様によれば、アクセス優先度のさらなる構成が、専用RRCシグナリングを介してネットワークによって(たとえば、UEにおいて)構成されてもよい。
【0113】
優先されるランダムアクセスのためのランダムアクセスウィンドウの例示的な構成
上述のように、UEが、ネットワークに接続するためにランダムアクセス手順を行ってもよい。この手順は、少なくとも以下のステップを含む。
1. UEが、時間および周波数領域の選択された機会において、ランダムに選択されたプリアンブルシーケンス(たとえば、Msg1)を送信する。
2. プリアンブルの送信後に、UEは、タイマー(応答ウィンドウとして知られる)を開始し、ネットワークからの返信(ランダムアクセス応答、RAR、またはMsg2として知られる)をリッスンする。
3. UEの応答ウィンドウが期限切れになる前に(すなわち、タイマーが切れる前に)UEがRARの受信に成功する場合、UEはランダムアクセス手順の第2の部分へ進む(たとえば、ランダムアクセス手順のMsg3を送信する)。応答ウィンドウが期限切れになる前にUEがRARの受信に成功しない場合、UEはプリアンブルを再送信する。
【0114】
このランダムアクセス手順の間、一般にネットワークは、どのUEがプリアンブルを送信しているかを知らないので、ネットワークは、すべてのUEに対して同じ持続時間のRARウィンドウを構成しなければならない。しかしながら、異なるタイプのUE、または異なるタイプのイベント(たとえば、緊急データ対耐遅延データ)によってトリガされたアクセス要求が、異なる優先度で扱われることが望ましい場合がある。たとえば、ネットワークが、異なるタイプの要求に対して異なる持続時間の応答ウィンドウを構成することができる。異なるタイプの要求に対して異なる持続時間の応答ウィンドウを構成すると、より優先度の高いアクセス要求を送信するUEは、UEが再送信する必要がある場合、より速く決定することが可能になり(たとえば、より優先度の高いアクセス要求がより短い応答ウィンドウを有する)、したがって、UEがランダムアクセス手順を完了する際の全体的な待ち時間をより短くすることが可能になり得る。
【0115】
本開示の態様によれば、異なる優先度のアクセス要求が、時間および/または周波数領域の異なるPRACH機会でプリアンブルシーケンスを送信するように構成されてもよい(たとえば、BSまたは他のネットワークエンティティによってシステム情報において指定される)。
【0116】
本開示の態様によれば、ネットワークエンティティ(たとえば、BS)が、受信したプリアンブルシーケンスの優先度を、プリアンブルシーケンスを送信する際に使用された時間および/または周波数リソースのセットに基づいて、決定してもよい。すなわち、BSが、送信リソースのセット内のプリアンブルシーケンスを受信し、受信したプリアンブルシーケンスの優先度(したがって、プリアンブルシーケンスを送信したUEによって行われているRACH手順の優先度)を、送信リソースのセットに基づいて決定してもよい。
【0117】
本開示の態様によれば、異なる優先度のアクセス要求(すなわち、本明細書で説明するランダムアクセス要求)は、異なる持続時間の応答ウィンドウを使用するように構成され(たとえば、BSまたは他のネットワークエンティティによってシステム情報で指定され)てもよい。
【0118】
本開示の態様では、ネットワークエンティティ(たとえば、BS)が、より優先度の高いPRACH送信用の送信リソースで送信されたプリアンブルを検出および処理することにより高い優先度を与え、より優先度の高いPRACHの応答ウィンドウが期限切れになる前に、より優先度の高いPRACHを送信するUEにRARを返送してもよい。
【0119】
図10Aは、本開示の態様による、PRACH信号(たとえば、PRACH領域)のために(たとえば、BSによってサービスされるセルで使用するためにBSによって)確保された送信リソースのセット1000の概略図である。周波数領域1002は、より優先度の高いPRACHを送信するUEによって使用されるべきトーンのセットである。たとえば、UEは、UEが超高信頼低遅延通信(URLLC)送信を送信することができるように、RACH手順のMsg1を送信するときに周波数領域1002からリソースを選択してもよい。周波数領域1004は、より優先度の低いPRACHを送信するUEによって使用されるべきトーンのセットである。セルは、PRACH信号のために確保されたリソースをより広いシステム帯域幅から選択してもよく、セルは、PRACH信号のために確保されたリソースの指示を1つまたは複数のSIBにおいておよび/またはRRCシグナリングを介して送信してもよい。
【0120】
図10Bは、本開示の態様による、PRACH信号(たとえば、PRACH領域)のために(たとえば、BSによって、セルによって)確保された送信リソースのセット1050の概略図である。時間領域1052は、より優先度の高いPRACHを送信するUEによって使用されるべき期間である。たとえば、UEは、UEが超高信頼低遅延通信(URLLC)送信を送信することができるように、RACH手順のMsg1を送信するときに時間領域1052からリソースを選択してもよい。時間領域1054は、より優先度の低いPRACHを送信するUEによって使用されるべき期間である。セルは、PRACH信号のために確保されたリソースをより広いシステム帯域幅から選択してもよく、セルは、PRACH信号のために確保されたリソースの指示を1つまたは複数のSIBにおいておよび/またはRRCシグナリングを介して送信してもよい。
【0121】
図10Aは周波数領域のPRACHリソースの分割を示し、
図10Bは時間領域のPRACHリソースの分割を示すが、本開示はそのように限定されない。PRACHリソースが、時間および周波数分割の組合せで分割されてもよい。さらに、PRACHリソースを分割する他の方法(たとえば、符号分割)が、RACH手順の優先度を示すために使用されてもよい。
【0122】
図11は、本開示の態様による、BS(たとえば、
図1のeNodeB110a)によって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作1100を示す。
【0123】
動作1100はブロック1102において始まり、BSは、ユーザ機器(UE)によってより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号を送信するための、システム帯域幅内の送信リソースのセットを含む、より優先度の高いPRACH領域の指示を提供する。たとえば、eNodeB110aが、UE120aによってより優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号を送信するための、システム帯域幅内の送信リソースのセットを含む、より優先度の高いPRACH領域の指示を提供する。指示は、たとえば、eNodeBがSIBで送信するより優先度の高いPRACH信号を送信するために使用する周波数リソースのリストであってもよい。
【0124】
動作1100は、ブロック1104において継続し、BSは、送信リソースのセットを介してPRACH信号を受信することに基づいて、受信したPRACH信号のための応答ウィンドウを決定する。上記の例を続けると、eNodeBは、eNodeBがブロック1102において示した周波数リソースのセットを介してPRACHを受信することに基づいて、受信したPRACH信号(たとえば、プリアンブルシーケンス)のための応答ウィンドウを決定する。
【0125】
図12は、本開示の態様による、UE(たとえば、
図1のUE120a)によって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作1200を示す。動作1200は、上記で説明した
図11の動作1100を補完するものと見なされ得る。
【0126】
動作1200は、ブロック1202において始まり、UEは、基地局(BS)から、より優先度の高い物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)信号のためのランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウの指示を取得する。たとえば、UE120aが、eNodeB110aによって送信されるSIBから、より優先度の高いPRACH信号のためのRARウィンドウの指示を取得してもよい。
【0127】
ブロック1204において、UEは、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であることおよび指示に基づいて、BSに送信されるPRACH信号のためのRARウィンドウを決定する。上記の例を続けると、UE120aが、PRACH信号がより優先度の高いPRACH信号であること、およびブロック1202においてUEによって取得された指示(たとえば、SIB)に基づいて、eNodeB110aに送信されるPRACH信号(たとえば、UEによって送信されるランダムアクセスプリアンブル)のためのRARウィンドウを決定する。
【0128】
本明細書の本開示に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサもしくは処理システムによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはそれらの組合せにおいて具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、PCM(相変化メモリ)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMまたは当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体の中に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、および/または記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体化してもよい。プロセッサ、処理システム、および/または記憶媒体は、ASICの中に存在し得る。ASICは、ユーザ端末の中に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、個別の構成要素としてユーザ端末の中に存在し得る。一般に、図に示す動作がある場合、それらの動作は、同様の番号を付された対応する同等のミーンズプラスファンクション構成要素を有し得る。たとえば、決定するための手段、実行するための手段、送信するための手段、受信するための手段、送るための手段、適用するための手段、提供するための手段、選択するための手段、使用するための手段、更新するための手段、取得するための手段、スケジュールするための手段、評価するための手段、および/または測定するための手段は、
図2に示すユーザ機器120の送信プロセッサ264、コントローラ/プロセッサ280、受信プロセッサ258、および/もしくはアンテナ252、ならびに/または、
図2に示す基地局110の送信プロセッサ220、受信プロセッサ238、コントローラ/プロセッサ240、および/もしくはアンテナ234などの、1つもしくは複数のプロセッサまたは他の要素を含み得る。
【0129】
1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せにおいて実装され得る。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは所望のプログラムコード手段を命令またはデータ構造の形態で搬送または記憶するために使用することができ、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータ、または汎用プロセッサもしくは専用プロセッサによってアクセスすることができる任意の他の媒体を備えることができる。また、あらゆる接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用するとき、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生する一方で、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せはまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ファームウェア、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するように広く解釈されるべきである。
【0130】
さらに、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段に規定されていない限り、または、文脈から明らかでない限り、たとえば、「XはAまたはBを採用する」という句は、自然包括的並べ替えのいずれかを意味するものとする。すなわち、たとえば、「XはAまたはBを採用する」という句は、以下の例のいずれかによって満たされる。XはAを使用する、XはBを使用する、または、XはAとBの両方を使用する。本明細書で使用する単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものとする。たとえば、本出願および添付の特許請求の範囲で使用する冠詞「a」および「an」は、別段に規定されていない限り、または、単数形を対象とすることが文脈から明らかでない限り、概して「1つまたは複数の」を意味するものと解釈されるべきである。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を指す。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素を有する任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または、a、b、およびcの任意の他の順序)を包含するものとする。特許請求の範囲を含めて本明細書で使用する「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、列挙された項目のうちのいずれか1つが単独で用いられてもよく、または列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組合せが用いられてもよいことを意味する。たとえば、組成物が構成要素A、B、および/またはCを含むものとして説明される場合、組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、またはAとBとCの組合せを含むことができる。
【0131】
本開示の以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することが可能となるように提供される。本開示の様々な変更が当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義する一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用されてもよい。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものでなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0132】
100 ワイヤレス通信ネットワーク
110 BS/eNB
120 UE
130 ネットワークコントローラ
212 データソース
220 送信プロセッサ
230 送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ
232 変調器(MOD)
234 アンテナ
236 MIMO検出器
238 受信プロセッサ
239 データシンク
240 コントローラ/プロセッサ
242 メモリ
244 通信ユニット
246 スケジューラ
252 アンテナ
254 復調器(DEMOD)
256 MIMO検出器
258 受信プロセッサ
260 データシンク
262 データソース
264 送信プロセッサ
266 TX MIMOプロセッサ
280 コントローラ/プロセッサ
282 メモリ
290 コントローラ/プロセッサ
292 メモリ
294 通信ユニット