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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/18 601G
E04H6/18 606A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020022268
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021127596
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000227043
【氏名又は名称】日精株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100208672
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 愼一
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝幸
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-094629(JP,A)
【文献】特開平04-097078(JP,A)
【文献】特開2015-117470(JP,A)
【文献】特開2019-044332(JP,A)
【文献】特開2014-080735(JP,A)
【文献】特開2019-116745(JP,A)
【文献】特開2018-178521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
E04H 6/00
E04H 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降室の入口近傍に配置され、駐車車両の運転者である操作者による入出庫の操作が行われる主操作盤と、
前記主操作盤から離れた位置に設置され、前記主操作盤と同じ構成を有し、前記乗降室内の映像が表示される表示装置と、前記乗降室の入口扉の閉操作を可能にする操作信号処理部と、前記乗降室内に人がいないとの確認を前記操作者が行ったときに操作される無人確認済操作部と、を含んで構成され、出庫された前記駐車車両の前記操作者が前記駐車車両に乗ったままの状態で、前記乗降室内の安全確認と前記入口扉の閉操作とを含む出庫操作を行う副操作盤と、
前記副操作盤の近傍に設けられ、前記操作者に対して前記副操作盤での前記出庫操作を行うよう促す注意喚起が行われる表示灯と、を有し、
前記操作盤及び副操作盤は、前記操作者の視線を操作の都度撮影する操作者確認用カメラを備え、前記操作者確認用カメラが取得した前記操作者の視線の画像データが視線検知部に送信され、前記視線検知部で行われる視覚判定処理に基づいて、前記操作者が前記表示装置を見て安全確認を行うように前記表示装置にメッセージを表示して、前記副操作盤での前記操作者の確実な前記出庫操作を行わせ、
前記操作信号処理部は、前記無人確認済操作部の操作後に前記操作者が行った扉閉操作を検出して前記入口扉の閉操作を許可する構成とされる、
機械式駐車装置。
【請求項2】
前記乗降室に前記乗降室内を撮影する庫内カメラを設置し、前記庫内カメラによる画像データを用いて前記乗降室内に人がいるかどうかを判定する人検知部を設け、前記人検知部による検知があったとき前記主操作盤および前記副操作盤の各表示装置に検知した前記乗降室内の人を強調した画像表示を行う画像表示処理部を設けた、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記人検知部での画像処理によって前記乗降室内に人が検知されたときに作動して前記主操作盤および前記副操作盤からの前記入口扉に関連する操作を無効にし、かつ検知された人がいなくなれば無効状態を解除して通常操作が可能となるようにする入口扉停止処理部を設けた、請求項2に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
前記人検知部での画像処理によって前記乗降室内に人が検知されたとき、少なくとも前記乗降室内にいる人に安全上の影響を及ぼす可能性のある機械式駐車装置の乗込室内設備を停止状態に保持させ、かつ検知された人がいなくなれば停止状態保持を解除する動作停止処理部を設けた、請求項2又は3に記載の機械式駐車装置。
【請求項5】
前記乗降室の外部に設けられ、前記乗降室の外部を撮影する庫外カメラと、前記乗降室の内部に設けられ、前記乗降室の外部の状態を表示する副表示装置と、を備え、
前記主操作盤で出庫操作を行った前記操作者が駐車車両を出庫させる際、前記副表示装置に表示される画像に基づいて前記乗降室の外部の安全を確認しながら出庫して前記副操作盤に前記駐車車両を移動させる、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗込室内の所定位置に駐車車両を停止させる構成の機械式駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の機械式駐車装置として、特開2019-94629号公報(特許文献1)が知られている。
【0003】
特許文献1には、車両を格納する機械式駐車場であって、車両の出入口が設けられた乗降室と、前記出入口の扉の開閉動作を制御する制御部と、前記乗降室内を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像した映像を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記乗降室の外側であって、前記出入口を挟んで前記乗降室と対向する側に設けられる表示装置を含むことを特徴とする機械式駐車場が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-94629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の機械式駐車装置は、効率的なサービスや安全性向上のために種々の検知設備が導入されているが、いずれにしても入庫時および出庫時には駐車車両の運転手が下車して操作盤の所まで移動して必要な操作を行わなければならず、利用者によっては煩わしい作業が求められ、利便性の向上が期待されている。
【0006】
そこで本発明の目的は、出庫時に、駐車車両を運転して乗降室内から出たときに、駐車車両から降りることなく、運転手が乗車したままで求められる操作を行うことができる機械式駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る機械式駐車装置は、乗降室近傍に配置された主操作盤から入庫操作を行った後、入口扉が開かれた入口から運転手が運転して前記乗降室内の所定位置に駐車車両を乗り入れ、前記駐車車両の出庫時に前記主操作盤から出庫操作を行った後、前記入口扉が開かれた前記入口から運転手が前記乗降室内の前記駐車車両を運転して出庫させる構成の機械式駐車装置において、前記乗降室外に配置され、かつ前記主操作盤から離れた位置に他の副操作盤を設け、出庫時に前記乗降室内の前記駐車車両を運転して前記副操作盤の近傍に停車させて運転手が乗車したままで前記副操作盤を操作可能な構成とし、駐車装置制御部に、出庫時に前記主操作盤または前記副操作盤から前記入口扉の閉操作を可能にする操作信号処理部を設けたことを特徴とする。
【0008】
第1態様に係る機械式駐車装置によれば、出庫時に、駐車車両を運転して乗降室内から出たときに、駐車車両から降りて主操作盤からの操作を行うことなく、運転手が乗車したままで副操作盤を操作できるようになり、求められる操作を行い易くなって利便性が向上し、機械式駐車装置の効率的な運用を行うことができる。
【0009】
第2態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記副操作盤には、前記乗降室内に人がいないとの確認を運転手が行ったときに操作される無人確認済操作部を設け、前記操作信号処理部は、前記無人確認済操作部の操作後に運転手が行った扉閉操作を検出して前記入口扉の閉操作を許可することを特徴とする。
【0010】
第2態様に係る機械式駐車装置によれば、副操作盤が別置されていても、操作を行う利用者に安全確認の重要性を印象づけることができると共に、乗降室内に人が閉じ込められるような事態を確実に回避することができ、安全性を高めた機械式駐車装置とすることができる。
【0011】
第3態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記副操作盤に近傍に、出庫する前記駐車車両の運転手が前記副操作盤での要求される操作を行うよう注意喚起を行う表示灯を設けたことを特徴とする。
【0012】
第3態様に係る機械式駐車装置によれば、従来と操作方法が異なっているために戸惑うかも知れない運転手を表示灯によって的確に副操作盤へと導くことができる。
【0013】
第4態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記乗降室に前記乗降室内を撮影する庫内カメラを設置し、前記庫内カメラによる画像データを用いて前記乗降室内に人がいるかどうかを判定する人検知部を設け、前記人検知部による検知があったとき前記主操作盤および前記副操作盤の各表示装置に検知した前記乗降室内の人を強調した画像表示を行う画像表示処理部を設けたことを特徴とする。
【0014】
第4態様に係る機械式駐車装置によれば、庫内カメラによる画像データを種々の面で活用することができるようになり、主操作盤および副操作盤から入口扉を閉じる操作を行う前に、表示装置の強調された表示の支援を受けて操作を行っている運転手が確実、かつ容易に安全確認を行うことができる。
【0015】
第5態様に係る機械式駐車装置は、第4態様に係る機械式駐車装置において、前記人検知部での画像処理によって前記乗降室内に人が検知されたときに作動して前記主操作盤および前記副操作盤からの前記入口扉に関連する操作を無効にし、かつ検知された人がいなくなれば無効状態を解除して通常操作が可能となるようにする入口扉停止処理部を設けたことを特徴とする。
【0016】
第5態様に係る機械式駐車装置によれば、主操作盤または副操作盤から安全確認を行ったとする機械的な判断や操作があったとしても、入口扉停止処理部によって人検知部の判定結果を優先することができるので、乗降室内にいる人の安全を確実に保つことができる。
【0017】
第6態様に係る機械式駐車装置は、第4態様に係る機械式駐車装置において、前記人検知部での画像処理によって前記乗降室内に人が検知されたとき、少なくとも前記乗降室内にいる人に安全上の影響を及ぼす可能性のある機械式駐車装置の乗込室内設備を停止状態に保持させ、かつ検知された人がいなくなれば停止状態保持を解除する動作停止処理部を設けたことを特徴とする。
【0018】
第6態様に係る機械式駐車装置によれば、主操作盤または副操作盤から安全確認を行ったとする機械的な判断や操作があったとしても、動作停止処理部によって人検知部の判定結果を優先することができるので、乗降室内にいる人の安全を確実に保つことができる。
【0019】
第7態様に係る機械式駐車装置は、第1態様に係る機械式駐車装置において、前記主操作盤および前記副操作盤に現在の操作者の視線を撮影するカメラをそれぞれ取り付け、前記カメラの画像データを用いて現在操作している操作者の視線解析処理によって適切な処理と判定する視線検知部を設けたことを特徴とする。
【0020】
第7態様に係る機械式駐車装置によれば、主操作盤および副操作盤の操作者が機械的な操作ではなく目視判別した正しい安全確認であることを知ることができ、安全確認の大切さや安全性に対する意識を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による機械式駐車装置によれば、出庫時に、駐車車両を運転して乗降室内から出たときに、駐車車両から降りて主操作盤からの操作を行うことなく、運転手が乗車したままで副操作盤を操作できるようになり、求められる操作を行い易くなって利便性が向上し、機械式駐車装置の効率的な運用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例による機械式駐車装置を示すブロック構成図である。
図2図1に示したブロック構成に基づいて構成した機械式駐車装置の乗降室付近を示す平面図である。
図3図2に示した乗降室の側面図である。
図4図2に示した乗降室近傍の出庫終期状態を示す平面図である。
図5図2に示した副操作盤に駐車車両が接近している状態を拡大して示す側面図である。
図6図5に示した表示灯の安全確認前の状態を示す正面図である。
図7図5に示した表示灯の安全確認後の状態を示す正面図である。
図8図5に示した副操作盤が乗降室内の無人状態を示す正面図である。
図9図5に示した副操作盤が乗降室内に人がいる状態を示す正面図である。
図10図2に示した副表示装置に庫外カメラから取得した画像データを用いて表示を行った状態を示す正面図である。
図11】本発明による他の実施例を示す機械式駐車装置の平面図である。
図12】本発明によるさらに他の実施例を示す機械式駐車装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の一実施例による機械式駐車装置を示すブロック構成図である。
【0025】
本機械式駐車装置は、乗降室外の入口近傍を撮影する庫外カメラ1と、乗降室内を撮影する庫内カメラ2と、両カメラ1,2からの画像データを使用して種々のサービス提供を行う画像処理装置3を有している。この画像処理装置3は、画像データを処理する画像処理部3Aと、画像表示処理部3Bを備えている。
【0026】
画像処理部3Aは、庫外カメラ1や他の検出装置によって入庫車両の進入を検知する車両検知部4と、庫内カメラ2からの画像データを用いて現在の乗降室内に人がいないかどうかを判定する人検知部5と、後述するカメラ11,15からの画像データを用いて主操作盤8または副操作盤12の操作者が主操作盤8または副操作盤12から提供される情報に注意を払っているか否かを判定する視線検知部6を有している。
【0027】
画像表示処理部3Bは、画像処理部3Aの画像データを用いて駐車車両を円滑に案内するために報知データを作成し、乗降室内に設置された報知装置7や主操作盤8および副操作盤12を通して利用者に画像や画像に関連する補足報知情報を提供している。
【0028】
主操作盤8には、通常構成の表示装置9や操作釦10の他に操作者確認用カメラ11が設置されている。この主操作盤8の主たる機能は、乗降室内に駐車車両を乗り込ませるときに駐車車両の運転手が車から降りて主操作盤8から入出庫のための操作を行って入口扉を開閉したり、入口扉の閉操作時に乗降室内に人がいないかの安全確認を行うように促したり、安全確認後に入口扉の閉操作を行うよう促す情報を提供したりするものである。
【0029】
操作者確認用カメラ11は、主操作盤8の操作者がいる場合に、操作者に関する画像データを取得して画像処理装置3の視線検知部6に送り、視線検知部6での視覚判定処理に基づいて画像表示処理部3Bを通して操作者に安全確認を確実に行うように表示装置9からメッセージを与えて、その操作者に対する注意喚起を行うために設置されたものである。
【0030】
この主操作盤8とは別に設置された副操作盤12も主操作盤8と類似の構成であり、表示装置13や操作釦14の他に操作者確認用カメラ15が設置されている。この副操作盤12の主たる機能は、主操作盤8から行っていることの一部を副操作盤12からも行えるようにすることである。ここで、主操作盤8から行っていた一部の操作とは、例えば、出庫時に駐車車両を運転して乗降室から出た運転手が、出庫車両から降りて主操作盤8の前に移動することなく副操作盤12から、しかも出庫車両に乗車したままの状態で、入口扉の閉操作を含む操作を行えるようにすることである。
【0031】
駐車装置制御部16には、主操作盤8および副操作盤12からの操作信号を取り込んで対応する処理を行わせる操作信号処理部17と、主操作盤8および副操作盤12を操作している利用者に駐車装置側の関連情報を提供する操作者通知処理部18と、人検知部5での画像処理によって乗降室内に人が検知されたときに作動して主操作盤8および副操作盤12からの入口扉に関連する操作を無効にする入口扉停止処理部19と、人検知部5での画像処理によって乗降室内に人が検知されたとき、乗降室内にいる人に安全上の影響を及ばす可能性のある機械式駐車装置の少なくとも乗込室内設備を停止状態に保持させる動作停止処理部20と、駐車車両を乗降室内に入れるタイミングや駐車車両を乗降室内から出すタイミングを判定する入出庫判定部21などが構成されている。駐車装置制御部16におけるその他の通常構成については、図示を省略している。
【0032】
また副操作盤12の近傍には、副操作盤12の操作者に副操作盤12から行うべき操作に注目させるための警告または注意喚起を与える表示灯22が配置されている。この表示灯22は、主操作盤8と副操作盤12が分散配置されているために、副操作盤12の利用時に利用者に求められる操作をせずに、通過してしまうことがないように注意を喚起している。
【0033】
上述した操作者通知処理部18は、人検知部5の画像処理によって乗降室内に人が検知されたとき、主操作盤8または副操作盤12を操作しようとしている利用者に例えば強調を加えた人検知関連情報を提供するものであり、検知された人がいなくなれば人検知関連情報の提供は解除される。
【0034】
この人検知関連情報としては、乗降室内にいる人を主操作盤8の表示装置9または副操作盤12の表示装置13に映像として映し出すこと、主操作盤8の表示装置9または副操作盤12の表示装置13に乗降室内に人がいることまたは操作をしばらく待つよう促す旨の文字表示、主操作盤8または副操作盤12のスピーカからの乗降室内に人がいることまたは操作をしばらく待つよう促す音声出力、これらの組合せなどである。
上述した入口扉停止処理部19は、人検知部5での画像処理によって乗降室内に人が検知されたときに作動して主操作盤8および副操作盤12からの入口扉に関連する操作を無効にし、かつ検知された人がいなくなれば無効状態を解除して通常操作が可能となるようにする。
【0035】
上述した動作停止処理部20は、人検知部5での画像処理によって乗降室内に人が検知されたとき、乗降室内にいる人に安全上の影響を及ぼす可能性のある機械式駐車装置の乗込室内設備を停止状態に保持させるものであり、検知された人がいなくなれば停止状態保持は解除される。
【0036】
図2は、図1に示したブロック構成に基づいて構成した機械式駐車装置の乗降室付近を示す平面図である。
【0037】
機械式駐車装置の乗降室23への入口24には、奥側に形成されている乗降室23に入るタイミングとなったときに開放される入口扉25(図3参照)が設けられている。停車された駐車車両27がトレー26上に載せられた乗降室23内には、駐車車両27の前方に配置されて図1に示した報知装置7を構成する表示装置7Aと、適当な位置の壁面に報知装置7を構成するスピーカ7Bと、後述する副表示装置7Cが取り付けられている。
【0038】
本実施例では、乗降室23に至る入口24の手前側にはターンテーブル28が配置されており、特に、出庫時の駐車車両27をバック運転で乗降室23から出した後、このターンテーブル28で方向転換し、その後は前進運転で乗り進む構成となっている。
【0039】
また入口24の近傍の外壁面には、入出庫時に駐車車両27から降りた運転手によって操作される図1に示した主操作盤8が配置されている。一方、乗降室23から出庫された駐車車両27が一旦停止される停止線29の手前近傍には、図1に示した副操作盤12と表示灯22が近接して配置されている。ここでは、駐車車両27が右ハンドルタイプを想定しているため、停止線29で停車したときの駐車車両27における右側に副操作盤12と表示灯22が配置されている。こうして、主操作盤8とは離れた位置に、新たな副操作盤12が追加されている。
【0040】
図3は、図2に示した乗降室23の側面図である。
【0041】
乗降室23の天井部には、図1に示した庫内カメラ2が設置されている。上述したように乗降室23の入口24の近傍には庫外カメラ1が配置され、乗降室23の入口24は、通常、入口扉25によって閉じられている。また乗降室23内の駐車車両27の前方には、報知装置7を構成する表示装置7Aと、トレー26上のふさわしい位置に駐車車両27を停止させるときに運転者が見て確認するために通常使用される鏡30が配置されている。
【0042】
次に、駐車車両の入庫または出庫時に関連して、図1に示した各部の連係について説明する。
【0043】
ここでは、上述した図2は出庫前の状態を示す平面図とし、図3は、出庫初期状態を示す平面図とし、図4は、出庫終期状態を示す平面図として、駐車車両27を出庫させる場合について説明する。
【0044】
運転手は図2に示した主操作盤8の前に立ち、出庫操作を行う。図1に示したように主操作盤8からの出庫操作信号は、駐車装置制御部16の操作信号処理部17を経て入出庫判定部21に取り込まれて、ふさわしいタイミングか否かが判定される。入出庫判定部21がふさわしいタイミングと判定した場合、図示しない入口扉開閉処理部によって入口扉25が開放される。
【0045】
そこで、運転手は入口24から乗降室23内に入り、図3に示すように既に準備されている自分の駐車車両27に乗り込む。その後、図2に示すように運転手は自分の駐車車両27を、ここではバック運転で乗降室23から出ることになる。このとき駐車車両27の運転手は、バック運転を開始する前の時点で乗降室23内に配置されている表示装置7Aやスピーカ7Bからの情報提供によって支援を受けることもできる。この情報提供の中には、駐車車両27の移動や、主操作盤8と副操作盤12の関連情報を含めることもできる。
【0046】
駐車車両27がターンテーブル28上に載せられた位置に達すると、ターンテーブル28が旋回されて方向転換が行われる。その後、運転手は前進運転で乗り進めることになり、駐車車両27を停止線29の直前で一旦停止させる。このとき、図4に示すように運転手は駐車車両27から降りることなく、窓を開けて手を伸ばして副操作盤12の操作を行うことができる状態となる。
【0047】
この副操作盤12がもし設置されていないなら、その後、運転手は駐車車両27を降りて、入庫時に操作した主操作盤8の位置まで再度移動して、乗降室23内の安全確認を行った後に、入口24の入口扉25を閉操作することになる。
【0048】
しかし、今回の運転手は自分が運転する駐車車両27に乗ったままの状態で、乗降室23内の安全確認を行った後に、入口24の入口扉25を閉操作することができる。
【0049】
図5は、図2に示した副操作盤12に駐車車両27が接近している状態を拡大して示す側面図である。
【0050】
出庫時の運転手は、表示灯22によって副操作盤12の位置や副操作盤12からの操作を行うように注意喚起される。そこで運転手は、図2および図4に示しされた停止線29を意識しながら副操作盤12の横に駐車車両27を停止させることになる。次に、乗降室23内の安全確認について説明する。
【0051】
図6および図7は、図5に示した表示灯22の安全確認前の状態および安全確認後の状態をそれぞれ示す正面図である。
【0052】
上述したように副操作盤12の操作について報知装置7を通して情報を得ることも可能であるが、報知装置7を通して表示灯22からも支援を受けることもできる。ここでの表示灯22は、安全確認を促す安全確認表示部30と、入口扉25を閉める操作を促す扉閉操作表示部31と、一連の操作を完了したので出庫を促す出庫表示部32を有している。
【0053】
安全確認前の表示灯22は、図6に示すように安全確認表示部30と扉閉操作表示部31の操作を先ず行うように促すために照明が点灯されている。しかし、出庫表示部32はまだ消灯状態である。運転手は、この点灯状態を見て何を行うべきか判別することができる。
【0054】
後述するように副操作盤12からの安全確認と扉閉操作が完了すると、表示灯22は、図7に示すように安全確認表示部30と扉閉操作表示部31が消灯状態となり、出庫表示部32が点灯状態となる。運転手は、この点灯の切替状態を見て出庫することができる。このときの表示灯22の切り替えは、副操作盤12の操作を図1に示した操作信号処理部17が判定して行われる。次に、このときの副操作盤12からのより具体的な操作について説明する。
【0055】
図8は、図5に示した副操作盤12が乗降室23内の無人状態を示す正面図である。
【0056】
副操作盤12は、図1に示したように主操作盤8とほぼ同じ構成であり、表示装置13や操作釦14の他に操作者確認用カメラ15が設置されている。
【0057】
出庫操作によって入口扉25が開動作された後であるため、次の安全確認に備えて庫内カメラ2から取得した画像データを使用して図1に示した画像表示処理部3Bは、現在の乗降室23内の映像を表示装置13のタッチ式画面に映し出している。また画像表示処理部3Bは、操作者が表示装置13の画面を見て実際に安全確認を行った場合、タッチ操作してもらう無人確認済操作部33を表示している。
【0058】
一方、図1に示した人検知部5は、庫内カメラ2から取得した現在の画像データを使用して人検出処理を行っているが、人がいないと判定しているため人の強調表示はない。
【0059】
この状態で、駐車車両27に乗ったままの運転手は、表示装置13の画面を実際に見て指定された安全確認を行い、人がいないので表示装置13の画面における無人確認済操作部33をタッチすると、安全確認が完了した通知となる。
【0060】
このとき人検知部5の判定結果と運転手の操作が合致するので、操作者通知処理部18によって表示装置13の画面に入口扉25の操作を促す表示が行われる。入口扉25の操作が完了すると、図7に示したように表示灯22の状態が切り替えられ、出庫可能状態となる。これを目視した運転手は副操作盤12からの要求される操作を完了したことを知る。
【0061】
図9は、図5に示した副操作盤が乗降室内に人がいる状態を示す正面図である。
【0062】
庫内カメラ2から取得した画像データを使用して図1に示した画像表示処理部3Bは、現在の乗降室23内の映像を表示装置13のタッチ式画面に映し出している。一方、図1に示した人検知部5は、庫内カメラ2から取得した現在の画像データを使用して人検出を行っており、人がいると判定し、人部分を囲って強調した強調表示34と、「人が残っている」とかの表示35を強調のために追加している。この状態で、駐車車両27に乗ったままの運転手は、表示装置13の画面を実際に見て人がいることを知り、または画像表示処理部3Bによって補足された情報によって待機するように促され、次の操作を行わずにそのまま待機するとになる。
【0063】
しかし、このとき運転手が表示装置13の画面を確認することなく機械的に安全確認の完了や入口扉25の閉操作を行う可能性もある。その場合、操作者確認用カメラ15から取り込んだ画像視覚情報に基づいて図1に示した視線検知部6は、視線解析処理によって現在操作している操作者による不適切な処理と判定する。
【0064】
この判定結果は、図1に示した画像表示処理部3Bを通して表示装置13に通知され、その旨の表示が行われる。
【0065】
一方、人検知部5による人検知信号が入口扉停止処理部19にも与えられているので、運転手による今回の操作は無効にされる。また動作停止処理部20にも人検知信号が与えられているので、機械式駐車装置の動作も停止されており、乗降室23内にいる人に危害が及ぶことはない。図1に示した操作者通知処理部18は、これに関連する補足関連情報を表示装置13から運転手に与えても良い。
【0066】
やがて乗降室23内に人がいなくなると、上述した図8の状態となり、入口扉停止処理部19による無効処理および動作停止処理部20による停止処理は解除される。そこで、表示装置13の画面における無人確認済操作部33を操作者がタッチ操作すると、安全確認が完了したことになる。
【0067】
このようにして図8の場合と同様に、入口扉25の閉操作が完了するため、図7に示したように表示灯22の状態が切り替えられ、出庫可能状態となり、これを目視した運転手は副操作盤12からの要求される操作を完了したことを知ることになる。
【0068】
尚、図8に示した乗降室23内が無人状態では、操作者確認用カメラ15からの画像データを用いて視線検知部6で行う視線解析処理には言及していないが、無人状態でも同様に操作中の運転手に対する視線解析処理を適用することができる。そのようにすると、操作中の運転手に対して次回の利用時の教育にもなるし、安全確認の重要性に関する啓蒙を行うことにもなる。
【0069】
上述した図2から図9に示した実施例では、乗降室23内から駐車車両27をバック運転で出庫させる方式の機械式駐車装置について説明したが、本発明はこの種の構成に限定するものではない。出庫する駐車車両27を駐車スペースから乗降室23内に搬送する時点で、乗降室23から前進運転で出庫できるように向きを調整したり、乗降室23内にターンテーブルを配置して前進運転で出庫できるようにしたり、様々な構成の機械式駐車装置に本発明を適用することができる。
【0070】
出庫する駐車車両27を前進運転で乗降室23から移動させる場合、図2に示した報知装置7の表示装置7Aは運転手から見えにくくなってしまう。そこで例えば、図2を兼用して示したように入口24近傍の乗降室23内壁における運転手から見える位置に、表示装置7Aと同様の副表示装置7Cを配置すると良い。このような構成とすると、表示装置7Aと同様に副表示装置7Cから出庫時に関する補足情報を駐車車両27の運転手に提供することができる。
【0071】
また出庫時において、本システムに不慣れな利用者が乗降室23内から駐車車両27を乗り出した後、一旦、下車して主操作盤8から安全確認や入口扉25の閉操作を行ったとしても、主操作盤8は全操作を行うことができる通常構成であるから、問題なく同様の処理を行うことができる。
【0072】
また、先の説明においては乗降室23内に庫内カメラ2を設置し、この庫内カメラ2により取得した画像データを用いて主操作盤8の表示装置9や副操作盤12の表示装置13に安全確認関連情報としても提供したが、上述した副表示装置7Cに、庫外カメラ1により取得した画像データを用いて安全確認関連情報を提供することもできる。
【0073】
図10は、図2に示した副表示装置7Cに庫外カメラ1から取得した画像データを用いて表示を行った状態を示す正面図である。
【0074】
機械式駐車装置の構成によっては、乗降室23の入口24近傍を入庫するための車両と出庫する車両が通過する場合もあり得る。庫外カメラ1は、機械式駐車装置を利用した駐車車両27だけでなく入庫するためにすぐ近くを通過する車36も撮影できように設置されている。そのような庫外カメラ1によって取得した画像データを用いて、図10に示すように副表示装置7Cの画面に、乗降室23の入口24近傍と、副操作盤12、表示灯22および移動中の他の車36が表示されるようにしている。
【0075】
乗降室23から副操作盤12側へと駐車車両27を移動するとき、この副表示装置7Cの画面を確認することによって、運転手は近傍の状況を把握することができる。従って、出庫が完了するまで慎重に運転するよう助けられ、一層、安全性を高めることができる。
【実施例2】
【0076】
図11は、本発明による他の実施例を示す機械式駐車装置の平面図である。
【0077】
先の実施例で入口24は、乗降室23内に駐車車両27を乗り込ませるために通過する入口であると共に、乗降室23内から出庫させるときに通過する出口としても使用している。しかし、本実施例では乗降室23内に駐車車両27を乗り込ませるために通過する入口24の他に、乗降室23内から出庫させるときに通過する出口38を形成している。その他の構成は、先の実施例と同じであれから同等物に同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0078】
このような構成によれば、駐車車両27の入庫は入口24からであり、入口24の近傍に配置されている主操作盤8を使用して入口24の扉を開操作することは明確である。一方、駐車車両27の出庫は出口38からであり、出口38の近傍に配置されている副操作盤12を使用して出口38の扉を閉操作することは一層明確になる。乗降室23内に設置された表示装置7Aは、このような使用形態に関する情報を運転手に提供することもできる。
【実施例3】
【0079】
図12は、本発明によるさらに他の実施例を示す機械式駐車装置の平面図である。
【0080】
先の実施例で副操作盤12は、駐車車両27が右ハンドルタイプと仮定してふさわしい位置に設置していたが、本実施例では駐車車両27が右ハンドルタイプでも左ハンドルタイプでも対応できるように、停止線29の少し手前で駐車車両27の一側方に副操作盤12Aと表示灯22Aを配置し、他側に副操作盤12Bと表示灯22Bをそれぞれ設置している。副操作盤12Aと副操作盤12Bは、先の実施例における副操作盤12とそれぞれ同一構成であり、表示灯22Aと表示灯22Bも先の実施例における表示灯22とそれぞれ同一構成である。他の構成は、先の実施例と同一であるから同等物に同一符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0081】
尚、上述した実施例において副操作盤12および表示灯22は、図5に示したように地面側に付設したが、これに限定されない。例えば、壁側に取り付けたり、上部から吊り下げたりしても良い。
【0082】
以上説明したように本発明は、乗降室23近傍に配置された主操作盤8から入庫操作を行った後、入口扉25が開かれた入口24から運転手が運転して乗降室23内の所定位置に駐車車両27を乗り入れ、駐車車両27の出庫時に主操作盤8から出庫操作を行った後、入口扉25が開かれた入口24から運転手が乗降室23内の駐車車両27を運転して出庫させる構成の機械式駐車装置において、乗降室23外に配置され、かつ主操作盤8から離れた位置に他の副操作盤12を設け、出庫時に乗降室23内の駐車車両27を運転して副操作盤12の近傍に停車させて運転手が乗車したままで副操作盤12を操作可能な構成とし、駐車装置制御部16に、出庫時に主操作盤8または副操作盤12から入口扉25の閉操作を可能にする操作信号処理部17を設けたことを特徴とする。
【0083】
このような構成によれば、出庫時に、駐車車両27を運転して乗降室23内から出たときに、駐車車両27から降りて主操作盤8からの操作を行うことなく、運転手が乗車したままで副操作盤12を操作できるようになり、求められる操作を行い易くなって利便性が向上し、機械式駐車装置の効率的な運用を行うことができる。
【0084】
本発明は上述の構成に加えて、副操作盤12には、乗降室23内に人がいないとの確認を運転手が行ったときに操作される無人確認済操作部33を設け、操作信号処理部17は、無人確認済操作部33の操作後に運転手が行った扉閉操作を検出して入口扉25の閉操作を許可することを特徴とする。
【0085】
このような構成によれば、副操作盤12が別置されていても、操作を行う利用者に安全確認の重要性を印象づけることができると共に、乗降室23内に人が閉じ込められるような事態を確実に回避することができ、安全性を高めた機械式駐車装置とすることができる。
【0086】
本発明は上述の構成に加えて、副操作盤12に近傍に、出庫する駐車車両の運転手が副操作盤12での要求される操作を行うよう注意喚起を行う表示灯22を設けたことを特徴とする。
【0087】
このような構成によれば、従来と操作方法が異なっているために戸惑うかも知れない運転手を表示灯22によって的確に副操作盤12へと導くことができる。
【0088】
本発明は上述の構成に加えて、乗降室23に乗降室23内を撮影する庫内カメラ2を設置し、庫内カメラ2による画像データを用いて乗降室23内に人がいるかどうかを判定する人検知部5を設け、人検知部5による検知があったとき主操作盤8および副操作盤12の表示装置9,13に検知した乗降室23内の人を強調した画像表示を行う画像表示処理部3Bを設けたことを特徴とする。
【0089】
このような構成によれば、庫内カメラ2による画像データを種々の面で活用することができるようになり、主操作盤8および副操作盤12から入口扉25を閉じる操作を行う前に、表示装置9,13の強調された表示の支援を受けて操作を行っている運転手が確実、かつ容易に安全確認を行うことができる。
【0090】
本発明は上述の構成に加えて、人検知部5での画像処理によって乗降室内に人が検知されたときに作動して主操作盤8および副操作盤12からの入口扉25に関連する操作を無効にし、かつ検知された人がいなくなれば無効状態を解除して通常操作が可能となるようにする入口扉停止処理部19を設けたことを特徴とする。
【0091】
このような構成によれば、主操作盤8または副操作盤12から安全確認を行ったとする機械的な判断や操作があったとしても、入口扉停止処理部19によって人検知部5の判定結果を優先することができるので、乗降室23内にいる人の安全を確実に保つことができる。
【0092】
本発明は上述の構成に加えて、人検知部5での画像処理によって乗降室23内に人が検知されたとき、少なくとも乗降室23内にいる人に安全上の影響を及ばす可能性のある機械式駐車装置の乗込室内設備を停止状態に保持させ、かつ検知された人がいなくなれば停止状態保持を解除する動作停止処理部20を設けたことを特徴とする。
【0093】
このような構成によれば、主操作盤8または副操作盤12から安全確認を行ったとする機械的な判断や操作があったとしても、動作停止処理部20によって人検知部5の判定結果を優先することができるので、乗降室23内にいる人の安全を確実に保つことができる。
【0094】
本発明は上述の構成に加えて、主操作盤8および副操作盤12に現在の操作者の視線を撮影する操作者確認用カメラ11,15をそれぞれ取り付け、操作者確認用カメラ11,15画像データを用いて現在操作している操作者の視線解析処理によって適切な処理と判定する視線検知部6を設けたことを特徴とする。
【0095】
このような構成によれば、主操作盤8および副操作盤12の操作者が機械的な操作ではなく目視判別した正しい安全確認であることを知ることができ、安全確認の大切さや安全性に対する意識を向上させることができる。
【符号の説明】
【0096】
5 人検知部
6 視線検知部
8 主操作盤
11、15 操作者確認用カメラ
12 副操作盤
16 駐車装置制御部
17 操作信号処理部
19 入口扉停止処理部
20 動作停止処理部
23 乗降室
24 入口
25 入口扉
27 駐車車両
33 無人確認済操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12