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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】モバイルユニット
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/325 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
B60P3/325
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020051484
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021146997
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】大谷 宗之
(72)【発明者】
【氏名】松井 完太郎
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132289(JP,A)
【文献】特開昭51-102816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/325
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部で人間が滞在可能なモバイルユニットであって、
前面が開口した箱型のユニット本体と、
前記ユニット本体の前面開口を開閉する開閉部と、を備え、
前記開閉部は、前記ユニット本体の下面部に回動自在に支持されており、
前記ユニット本体の上面部は、前記前面開口に向けて下り傾斜していることを特徴とするモバイルユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のモバイルユニットにおいて、
前記上面部の前端面は、前記下面部の前端面よりも前側に位置することを特徴とするモバイルユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモバイルユニットにおいて、
閉鎖状態の前記開閉部が、前記上面部の下方に収まるように構成されていることを特徴とするモバイルユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のモバイルユニットにおいて、
前記下面部と前記ユニット本体の左面部、後面部及び右面部との接合部と、前記上面部と前記ユニット本体の左面部、後面部及び右面部との接合部と、にはシール部材がそれぞれ設けられていることを特徴とするモバイルユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のモバイルユニットにおいて、
前記下面部に取り付けられた桟材を備え、
前記桟材は、前記下面部よりも外方に突出していることを特徴とするモバイルユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のモバイルユニットにおいて、
前記開閉部の外面に、複数の突出部が設けられていることを特徴とするモバイルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部で人間が滞在可能なモバイルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牽引車に牽引されて移動することにより設置場所を変更できるトレーラーハウスが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5002781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレーラーハウスには窓部が設けられているため、トレーラーハウス内から外の風景を眺めることはできる。しかしながら、トレーラーハウスは、別荘、仮設住宅、仮設事務所などとして利用するための構成となっており、風景を楽しむための構成となっていない。
【0005】
本発明は、内部で人間が滞在可能なモバイルユニットであって、風景を楽しむことに適したモバイルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1図2図22に示すように、
内部で人間が滞在可能なモバイルユニット1であって、
前面が開口した箱型のユニット本体2と、
前記ユニット本体2の前面開口2aを開閉する開閉部3と、を備え、
前記開閉部3は、前記ユニット本体2の下面部10に回動自在に支持されており、
前記ユニット本体2の上面部20は、前記前面開口2aに向けて下り傾斜していることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ユニット本体2が前面開口2aを有する箱型をなしており、ユニット本体2の上面部20、右面部30、下面部10及び左面部50のそれぞれの前端部によって前面開口2aが囲まれているので、前面開口2aを通じて見る風景が額縁に入った絵画や写真のように見える。すなわち、前面開口2aによって風景の一部を絵画や写真のように切り取ることができるので、風景を楽しむことができる。
また、天井(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、モバイルユニット1の内部で立っているときだけでなく座っているときにも上面部20の前端部が視界に入る。したがって、座った状態で風景を切り取って楽しむことができる。
また、天井(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、ユニットがコンパクトであっても上面部20の前端部が視界に入る。すなわち、前面開口から遠ざかるほど上面部の前端部が視界に入りやすくなるが、本発明のユニットはモバイルユニットでありサイズに制限があるので、奥行き寸法を自由に設定することができない。その弱点を、上面部20を前面開口2aに向けて下り傾斜させることで補っている。つまり、上面部20を前面開口2aに向けて下り傾斜させることで、前面開口2aから遠ざかることなく上面部20の前端部を視界に入れることが可能となるので、風景を切り取って楽しむためのモバイルユニットに適した構成となっている。
また、ユニット本体2は前面開口2aを有する箱型をなしているので、モバイルユニット1の内部では周囲の騒音が聞こえにくい。したがって、心地よい空間で風景を楽しむことができる。
また、ユニット本体2は前面だけが大きく開口しているので、モバイルユニット1の前方以外からの音が聞こえにくい。したがって、前方からの音が際立って聞こえるので、前面開口2aによって、風景だけでなく、環境音も切り取ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図5に示すように、
請求項1に記載のモバイルユニット1において、
前記上面部20の前端面は、前記下面部10の前端面よりも前側に位置することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、上面部20の前端面が下面部10の前端面よりも前側に位置しているので、上面部20が庇として機能する。すなわち、モバイルユニット1の内部が雨にぬれるのを抑制することができる。また、屋根(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、上面部20に降った雨は前面開口2aに向けて流れるが、上面部20が庇として機能するので、その流れてきた雨は、開閉部3が開放している場合には、モバイルユニット1の内部ではなく、開閉部3上に落ちることになる。したがって、上面部20から滴る雨でモバイルユニット1の内部がぬれることも抑制することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図20(b)に示すように、
請求項1又は2に記載のモバイルユニット1において、
閉鎖状態の前記開閉部3が前記上面部20の下方に収まるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、閉鎖状態の開閉部3が上面部20の下方に収まるので、開閉部3を閉鎖している場合、具体的には例えばモバイルユニット1の運搬中や保管中である場合に、開閉部3と上面部20との隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図14に示すように、
請求項1から3のいずれか一項に記載のモバイルユニット1において、
前記下面部10と前記ユニット本体2の左面部50、後面部40及び右面部30との接合部と、前記上面部20と前記ユニット本体2の左面部50、後面部40及び右面部30との接合部と、にはシール部材83がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、下面部10と、左面部50、後面部40及び右面部30と、の接合部にシール部材83が設けられているので、これらの隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止できる。また、上面部20と、左面部50、後面部40及び右面部30と、の接合部にシール部材83が設けられているので、これらの隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図1図22に示すように、
請求項1から4のいずれか一項に記載のモバイルユニット1において、
前記下面部10に取り付けられた桟材(第五桟材65、第六桟材66)を備え、
前記桟材は、前記下面部10よりも外方に突出していることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、下面部10に取り付けられた桟材(第五桟材65、第六桟材66)が下面部10よりも外方に突出しているので、この桟材を持って、モバイルユニット1を貨物自動車Tに積んだり貨物自動車Tから降ろしたりすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図19に示すように、
請求項1から5のいずれか一項に記載のモバイルユニット1において、
前記開閉部3の外面に、複数の突出部(第八桟材68、第九桟材69)が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、開閉部3の外面に複数の突出部(第八桟材68、第九桟材69)が設けられているので、開閉部3に立て掛けて使用するストッパーSを用いて、開閉部3の半開状態(全開状態と閉鎖状態との間の状態)を安定的に維持することが可能となる。
また、突出部(第八桟材68、第九桟材69)が複数設けられているので、半開の程度を変更することができる。
また、開閉部3を半開状態にすることで、前面開口2aの上部のみを通じて風景を眺めることができるので、風景の一部として、例えば、山腹及び山頂(山のうちの麓を除く部分)だけを切り取ったり、空だけを切り取ったりして楽しむことが可能となる。また、開閉部3を半開状態にすることで、モバイルユニット1の内部を目隠ししつつ、風景を切り取って楽しむことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、風景を楽しむことに適したモバイルユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態におけるモバイルユニットを前面側から見た斜視図であって、開閉部が閉鎖状態である場合を示す図である。
図2】実施形態におけるモバイルユニットを前面側から見た斜視図であって、開閉部が全開状態である場合を示す図である。
図3】実施形態におけるモバイルユニットを後面側から見た斜視図である。
図4】実施形態におけるモバイルユニット内から外の風景を眺めた様子の一例を示す図である。
図5】実施形態におけるモバイルユニットの縦断面図であって、(a)は開閉部が閉鎖状態である場合を示す図であり、(b)は開閉部が全開状態である場合を示す図である。
図6】下面部の一例を示す図であって、(a)は上面側から見た図であり、(b)は分解した状態を示す図である。
図7】下面部の一例を示す図であって、(a)は桟材が取り付けられた状態を上面側から見た図であり、(b)は桟材及び開閉部が取り付けられた状態を上面側から見た図である。
図8】上面部の一例を示す図であって、(a)は屋根梁が取り付けられた状態を上面側から見た図であり、(b)は分解した状態を示す図である。
図9】右面部の一例を示す図であって、(a)は左面側から見た図であり、(b)は分解した状態を示す図である。
図10】左面部の一例を示す図であって、(a)は左面側から見た図であり、(b)は分解した状態を示す図である。
図11】後面部の一例を示す図であって、(a)は前面側から見た図であり、(b)は分解した状態を示す図である。
図12】後面部の一例を示す図であって、(a)は後内壁と後外壁との幅寸法の違いを説明する図であり、(b)は後面側から見た斜視図である。
図13】後面部に扉部を取り付けた状態の一例を示す図である。
図14】(a)は後面部(右面部、左面部)と下面部との接合部の一例を示す図であり、(b)は後面部と上面部との接合部の一例を示す図である。
図15】下面部及び左面部と後面部との接合部の一例を示す図であって、前面側から見た斜視図である。
図16】左面部と後面部との接合部の一例を示す図であって、後面側から見た斜視図である。
図17】上面部と左面部との接合部の一例を示す図である。
図18】下面部と開閉部との接合部の一例を示す図である。
図19】開閉部の回動角度の調節の仕方の一例を示す図である。
図20】上面部と開閉部との関係の一例を示す図である。
図21】モバイルユニットの使用例を示す図である。
図22】モバイルユニットの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0021】
図1図2及び図3において符号1は、モバイルユニットを示す。このモバイルユニット1は、2tトラックなどの所定の貨物自動車に積載可能なサイズに形成されており、当該所定の貨物自動車で所望の場所まで運んで、当該所望の場所の風景をモバイルユニット1の内部空間に居ながら楽しむためのものである。
【0022】
モバイルユニット1は、前面全体が開口した箱型のユニット本体2と、ユニット本体2の前面開口2aを開閉する開閉部3と、を備えており、例えば図4に示すように、前面開口2aを通じてモバイルユニット1内(ユニット本体2内)から外の風景を眺めることができるようになっている。前面開口2aは、例えば横長の開口であり、そのアスペクト比は、例えば映画館のスクリーンのアスペクト比と略同一に設定されている。
【0023】
〔ユニット本体〕
ユニット本体2は、下面部(床部)10と、下面部10の上方に設けられた上面部(天井部、屋根部)20と、下面部10と上面部20との間に設けられた右面部(右壁部)30、後面部(後壁部)40及び左面部(左壁部)50と、を備えて構成されている。
【0024】
図5及び図6に示すように、下面部10は、略矩形状の板状部材である。下面部10は、第一床板11と、第一床板11に左側で隣接する第二床板12と、第一床板11及び第二床板12に前側で隣接する第三床板13と、を組み合わせてなる。
なお、床板11,12,13は、本実施形態においては厚さ21mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も床板11,12,13の間で同一であれば21mmに限定されるものではない。
【0025】
図5及び図7(a)に示すように、モバイルユニット1は、下面部10を補強するために、左右方向に沿って配置される第一桟材61、第二桟材62、第三桟材63及び第四桟材64と、前後方向に沿って配置される第五桟材65及び第六桟材66と、を備えている。
【0026】
第一桟材61及び第二桟材62は、第一床板11と第二床板12とに跨るように所定間隔をあけて配置されており、これら2枚の床板の下面に図示しないビスで固定されている。また、第三桟材63は、第一床板11と第二床板12と第三床板13とに跨るように配置されており、これら3枚の床板の下面に図示しないビスで固定されている。これにより、第一床板11、第二床板12及び第三床板13を一体的に組み合わせた状態が維持されている。すなわち、桟材61,62,63は、下面部10を補強する機能だけでなく、床板11,12,13を連結する機能も有している。
【0027】
第五桟材65及び第六桟材66は対になって、第三床板13の下面左部及び下面右部のそれぞれに、図示しないビスで固定されている。第五桟材65及び第六桟材66の一端面は、第三桟材63の前面に接しており、第五桟材65及び第六桟材66の他端面は、第三床板13の前端面よりも前側に位置している。
第四桟材64は、左側の第六桟材66及び右側の第六桟材66との間に配置されており、第三床板13の下面前端部に図示しないビスで固定されている。
【0028】
図5及び図8に示すように、上面部20は、略矩形状の板状部材である。上面部20は、第一屋根板21と、第一屋根板21に左側で隣接する第二屋根板22と、第一屋根板21及び第二屋根板22に前側で隣接する第三屋根板23と、を組み合わせてなる。
なお、屋根板21,22,23は、本実施形態においては厚さ15mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も屋根板21,22,23の間で同一であれば15mmに限定されるものではない。
【0029】
図5及び図8(a)に示すように、モバイルユニット1は、上面部20を補強するために、左右方向に沿って配置される第一屋根梁71及び第二屋根梁72を備えている。
第一屋根梁71は、第一屋根板21と第二屋根板22とに跨るように配置されており、これら2枚の屋根板の下面に図示しないビスで固定されている。また、第二屋根梁72は、第一屋根板21と第二屋根板22と第三屋根板23とに跨るように配置されており、これら3枚の屋根板の下面に図示しないビスで固定されている。これにより、第一屋根板21、第二屋根板22及び第三屋根板23を一体的に組み合わせた状態が維持されている。すなわち、屋根梁71,72は、上面部20を補強する機能だけでなく、屋根板21,22,23を連結する機能も有している。
【0030】
右面部30、後面部40及び左面部50は、平面視において略コ字状に配置されている。すなわち、右面部30と左面部50は、平面視において平行かつ対向して配置され、後面部40は、平面視において右面部30の後端部と左面部50の後端部との間に配置されている。すなわち、右面部30及び左面部50は、後面部40に対し、平面視において直交して配置されている。
【0031】
図5及び図9に示すように、右面部30は、四角形状の板状部材である。具体的には、右面部30は、左面側(内面側)から見た形状が、下辺と後辺は直交しており、上辺は前端が後端よりも下側に位置しており、前辺は上端が下端よりも前側に位置する四角形状を呈している。右面部30は、右外壁31と、右外壁31と略同一形状で略同一寸法を有し、右外壁31よりも左側(内側)に配置される右内壁32と、により構成されている。
右外壁31は、第一壁板31aと、第一壁板31aに下側で隣接する第二壁板31bと、第二壁板31bに前側で隣接する第三壁板31cと、第三壁板31cに上側で隣接するとともに第一壁板31aに前側で隣接する第四壁板31dと、を組み合わせてなる。
なお、壁板31a,31b,31c,31dは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板31a,31b,31c,31dの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0032】
また、右内壁32は、第一壁板32aと、第一壁板32aに前側で隣接する第二壁板32bと、第二壁板32bに前側で隣接する第三壁板32cと、を組み合わせてなる。
なお、壁板32a,32b,32cは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板32a,32b,32cの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0033】
右外壁31と右内壁32とは、図示しないビスで互いに固定されている。右外壁31の継ぎ目(壁板31a,31b,31c,31dの境界)と右内壁32の継ぎ目(壁板32a,32b,32cの境界)とが一致しないように設けられているため、右外壁31と右内壁32とを面で接合することによって、右外壁31においては、第一壁板31a、第二壁板31b、第三壁板31c及び第四壁板31dを一体的に組み合わせた状態が維持されるとともに、右内壁32においては、第一壁板32a、第二壁板32b及び第三壁板32cを一体的に組み合わせた状態が維持される。
すなわち、右外壁31は、右面部30を構成する機能だけでなく、右内壁32の壁板32a,32b,32cを連結する機能も有しており、右内壁32は、右面部30を構成する機能だけでなく、右外壁31の壁板31a,31b,31c,31dを連結する機能も有している。
【0034】
左面部50の構成は、右面部30の構成と略同一となっている。すなわち、図10に示すように、左面部50は、板状部材であり、左面側(外面側)から見た形状が、下辺と後辺は直交しており、上辺は前端が後端よりも下側に位置しており、前辺は上端が下端よりも前側に位置する四角形状を呈している。左面部50は、左外壁51と、左外壁51と略同一形状で略同一寸法を有し、左外壁51よりも右側(内側)に配置される左内壁52と、により構成されている。
左外壁51は、第一壁板51aと、第一壁板51aに下側で隣接する第二壁板51bと、第二壁板51bに前側で隣接する第三壁板51cと、第三壁板51cに上側で隣接するとともに第一壁板51aに前側で隣接する第四壁板51dと、を組み合わせてなる。
なお、壁板51a,51b,51c,51dは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板51a,51b,51c,51dの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0035】
また、左内壁52は、第一壁板52aと、第一壁板52aに前側で隣接する第二壁板52bと、第二壁板52bに前側で隣接する第三壁板52cと、を組み合わせてなる。
なお、壁板52a,52b,52cは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板52a,52b,52cの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0036】
左外壁51と左内壁52とは、図示しないビスで互いに固定されている。左外壁51の継ぎ目(壁板51a,51b,51c,51dの境界)と左内壁52の継ぎ目(壁板52a,52b,52cの境界)とが一致しないように設けられているため、左外壁51と左内壁52とを面で接合することによって、左外壁51においては、第一壁板51a、第二壁板51b、第三壁板51c及び第四壁板51dを一体的に組み合わせた状態が維持されるとともに、左内壁52においては、第一壁板52a、第二壁板52b及び第三壁板52cを一体的に組み合わせた状態が維持される。
すなわち、左外壁51は、左面部50を構成する機能だけでなく、左内壁52の壁板52a,52b,52cを連結する機能も有しており、左内壁52は、左面部50を構成する機能だけでなく、左外壁51の壁板51a,51b,51c,51dを連結する機能も有している。
【0037】
図5及び図11に示すように、後面部40は、板状部材であり、前後方向から見た形状が、矩形の上側2つの角部を切り欠いた形状を呈している。すなわち、後面部40の上部には左右2つの切欠部が設けられている。後面部40は、後外壁41と、後外壁41と略同一形状で略同一寸法(幅寸法は除く)を有し、後外壁41よりも前側(内側)に配置される後内壁42と、により構成されている。
後外壁41は、第一壁板41aと、第一壁板41aに下側で隣接する第二壁板41bと、を組み合わせてなる。
なお、壁板41a,41bは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板41a,41bの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0038】
また、後内壁42は、第一壁板42aと、第一壁板42aに右側で隣接する第二壁板42bと、を組み合わせてなる。
なお、壁板42a,42bは、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も壁板42a,42bの間で同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0039】
後外壁41と後内壁42とは、図示しないビスで互いに固定されている。後外壁41の継ぎ目(壁板41a,41bの境界)と後内壁42の継ぎ目(壁板42a,42bの境界)とが一致しないように設けられているため、後外壁41と後内壁42とを面で接合することによって、後外壁41においては、第一壁板41a及び第二壁板41bを一体的に組み合わせた状態が維持されるとともに、後内壁42においては、第一壁板42a及び第二壁板42bを一体的に組み合わせた状態が維持される。
すなわち、後外壁41は、後面部40を構成する機能だけでなく、後内壁42の壁板42a,42bを連結する連結部材としても機能しており、後内壁42は、後面部40を構成する機能だけでなく、後外壁41の壁板41a,41bを連結する連結部材としても機能している。
【0040】
図12(a)に示すように、後外壁41の上部の長さ寸法L11は、後内壁42の上部の長さ寸法L21よりも短く設定されており、後外壁41の下部の長さ寸法L12は、後内壁42の下部の長さ寸法L22よりも長く設定されている。また、後外壁41と後内壁42とは、後外壁41の左右方向中央と後内壁42の左右方向中央とが一致するように接合される。したがって、後面部40においては、図12(b)に示すように、後内壁42の上部の左右両端部が後外壁41の上部よりも外方に突出しているとともに、後外壁41の下部の左右両端部が後内壁42の下部よりも外方に突出している。
【0041】
図3に示すように、ユニット本体2は、後面に開口部2b(後面部40の上部に設けられた左右の2つの切欠部)を有しており、その開口部2bを開閉する扉部76を備えている。扉部76は、左右の開口部2bそれぞれに設けられており、ユニット本体2には、扉部76を開放したり施錠したりする鍵部(図示省略)が設けられている。
図13に示すように、扉部76は、後外壁41の上部に、複数(本実施形態では2つ)の蝶番77を用いて取り付けられている。後面部40の上部では、後内壁42が後外壁41よりも外方に突出しているため、後内壁42によって、扉部76の内側(前側)に向かう方向への回動を規制することができる。
なお、扉部76は、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も後外壁41(壁板41a,41b)の厚さ寸法と略同一であれば9mmに限定されるものではない。
【0042】
後面部40は、複数個(例えば2個)のジョイントブロック81を用いて下面部10の後端部上に固定されている。ジョイントブロック81は、例えば角材を略台形柱状に切り出してなる部材であり、第一平面81aと当該第一平面81aに直交する第二平面81bとを有している。ジョイントブロック81は、図14(a)に示すように、第一平面81aが下面部10に接した状態で下面部10に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、第二平面81bが後面部40に接した状態で後面部40に1本又は複数本のビス82で固定されている。
また、後面部40と下面部10との間には、エプトシーラーなどのシール部材83が貼設されている。これにより、後面部40と下面部10との隙間から水等が浸入することを防止できる。
【0043】
図14(a)に示すように、右面部30も、後面部40と同様にして下面部10に固定されている。具体的には、右面部30は、複数(例えば4個)のジョイントブロック81を用いて下面部10の右端部上に固定されている。これらのジョイントブロック81は、第一平面81aが下面部10に接した状態で下面部10に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、当該第一平面81aに直交する第二平面81bが右面部30に接した状態で右面部30に1本又は複数本のビス82で固定されている。
また、右面部30と下面部10との間には、シール部材83が貼設されている。これにより、右面部30と下面部10との隙間から水が浸入することを防止している。
【0044】
図14(a)に示すように、左面部50も、後面部40と同様にして下面部10に固定されている。具体的には、左面部50は、複数(例えば4個)のジョイントブロック81を用いて下面部10の左端部上に固定されている。これらのジョイントブロック81は、第一平面81aが下面部10に接した状態で下面部10に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、当該第一平面81aに直交する第二平面81bが左面部50に接した状態で左面部50に1本又は複数本のビス82で固定されている。
また、左面部50と下面部10との間には、シール部材83が貼設されている。これにより、左面部50と下面部10との隙間から水が浸入することを防止している。
【0045】
図15に示すように、左面部50は、複数個(例えば2個)のジョイントブロック81を用いて後面部40にも固定されている。
図12(b)に示すように、後面部40の下部では、後外壁41が後内壁42よりも外方に突出している。そして、この突出長さは、左内壁52及び右内壁32の厚さと略同一(例えば9mm)に設定されている。すなわち、後面部40の下部の左右両端部には段差が形成されており、左面部50は、例えば図16に示すように、左側の段差に係合した状態で後面部40に固定されている。
【0046】
また、右面部30も、左面部50と同様にして後面部40に固定されている。具体的には、右面部30は、後面部40の下部の左右両端部に設けられた段差のうちの右側の段差に係合した状態で、複数個(例えば2個)のジョイントブロック81を用いて後面部40に固定されている。
このように、後面部40の右面部30との接合部及び後面部40の左面部50との接合部に段差を設けることで、右面部30及び左面部50の前後方向の位置決めを容易に行うことが可能となるので、右面部30や左面部50を固定する作業の作業効率が向上する。
【0047】
上面部20は、図4に示すように、複数個(例えば4個)のジョイントブロック81を用いて右面部30の上端面上に固定されている。これらのジョイントブロック81は、第一平面81aが上面部20に接した状態で上面部20に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、当該第一平面81aに直交する第二平面81bが右面部30に接した状態で右面部30に1本又は複数本のビス82で固定されている。
また、上面部20と右面部30との間には、シール部材83が貼設されている。これにより、上面部20と右面部30との隙間から水等が浸入することを防止できる。
【0048】
また、上面部20は、図4に示すように、複数個(例えば4個)のジョイントブロック81を用いて左面部50の上端面上に固定されている。これらのジョイントブロック81は、第一平面81aが上面部20に接した状態で上面部20に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、当該第一平面81aに直交する第二平面81bが左面部50に接した状態で左面部50に1本又は複数本のビス82で固定されている。
また、上面部20と左面部50との間には、シール部材83が貼設されている。これにより、上面部20と左面部50との隙間から水等が浸入することを防止できる。
【0049】
さらに、図9に示すように、右面部30の右内壁32には、上面部20に取り付けられた屋根梁71,72が嵌る切欠部32dが設けられている。また、図10に示すように、左面部50の左内壁52にも、上面部20に取り付けられた屋根梁71,72が嵌る切欠部52dが設けられている。したがって、図17に示すように、上面部20は屋根梁71,72を介して左右の内壁に支持されている。
このように、右面部30及び左面部50の内壁に切欠部32d,52dを設けることで、上面部20の前後方向の位置決めを容易に行うことが可能となるので、上面部20を固定する作業の作業効率が向上する。
【0050】
また、上面部20は、複数個(例えば3個)のジョイントブロック84を用いて後面部40の上端面上に固定されている。ジョイントブロック84は、ジョイントブロック81と同様、例えば角材を略台形柱状に切り出してなる部材である。ジョイントブロック84は、図14(b)に示すように、第一平面84aが上面部20に接した状態で上面部20に1本又は複数本のビス82で固定されているとともに、第二平面84bが後面部40に接した状態で後面部40に1本又は複数本のビス82で固定されている。ジョイントブロック84の第一平面84aと第二平面84bとのなす角度は、右面部30の上端面と後端面とのなす角度(すなわち左面部50の上端面と後端面とのなす角度)と略同一に設定されている。
また、上面部20と後面部40との間には、シール部材83が貼設されている。これにより、上面部20と後面部40との隙間から水等が浸入することを防止できる。
【0051】
〔開閉部〕
図5及び図7(b)に示すように、開閉部3は、略矩形状の板状部材である。なお、開閉部3は、本実施形態においては厚さ21mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も21mmに限定されるものではない。
モバイルユニット1は、開閉部3を補強するために、左右方向に沿って配置される第七桟材67、第八桟材68及び第九桟材69を備えている。第七桟材67、第八桟材68及び第九桟材69の長さ寸法は、開閉部3の全開状態において左側の第六桟材66及び右側の第六桟材66との間に配置可能な寸法に設定されている。
【0052】
第七桟材67は、開閉部3の所定位置、具体的には全開状態において下面後端部となる位置に、図示しないビスで固定されている。
開閉部3は、下面部10の第三床板13に、複数(本実施形態では2つ)の蝶番91を用いて取り付けられている。図18に示すように、蝶番91は、開閉部3に取り付けられている第七桟材67と、下面部10の第三床板13に取り付けられている第四桟材64と、にビス92で固定されている。
【0053】
開閉部3の回動軸を中心とする略同心円上に、開閉部3を支持する支持部材(下面部10)に取り付けられた第一突出部(第四桟材64)と、開閉部3に取り付けられた第二突出部(第七桟材67)と、の2つの突出部が設けられており、第一突出部に蝶番91の一方のプレートが固定されており、第二突出部に蝶番91の他方のプレートが固定されている。そして、第一突出部及び第二突出部は、図18(b)に示すように、開閉部3と下面部10とのなす角度が略180度となった状態(全開状態)で蝶番91の一方のプレートと他方のプレートとが接触するように配置されている。したがって、これら2つの突出部によって、開閉部3と下面部10とのなす角度が略180度を超えないように、開閉部3の回動を規制することができる。すなわち、第四桟材64及び第七桟材67は、下面部10や開閉部3を補強する機能だけでなく、開閉部3の回動を規制する機能も有している。
開閉部3は、開放することで、デッキとして使用することができる。したがって、開閉部3の全開状態においては、図18(b)に示すように、開閉部3の上面と下面部10の上面とが略面一であることが好ましい。
【0054】
第八桟材68及び第九桟材69は、開閉部3の外面(全開状態において下面となる面)に図示しないビスで固定されている。図5(a)に示すように、開閉部3の閉鎖状態においては、第八桟材68は、第七桟材67よりも上側に位置するように配置されており、第九桟材69は、第八桟材68よりも上側に位置するように配置されている。
【0055】
開閉部3は、開閉部3の回動角度をユーザ所望の角度に合わせた状態で、板材や棒材などのストッパーSを用いて開閉部3を支えることで、その角度を維持することができる。すなわち、ストッパーSを用いることで開閉部3の半開状態(全開状態と閉鎖状態との間の状態)を維持することができる。
その際に、例えば図19に示すように、ストッパーSの一端部(開閉部3と接する側の端部)を、第八桟材68(あるいは第九桟材69)と開閉部3とにより形成される角部に差し込むことで、ストッパーSが開閉部3の表面で滑って回動角度がユーザ所望の角度からずれることを防止することができる。すなわち、第八桟材68及び第九桟材69は、開閉部3を補強する機能だけでなく、ストッパーSの滑り止め機能も有しているので、開閉部3の半開状態を安定的に維持することができる。
【0056】
ここで、図20(a)に示すように、上面部20の前端面は、左面部50の前端面(及び右面部30の前端面)よりも前方に突出している。そして、図20(b)に示すように、開閉部3の閉鎖状態において、開閉部3の先端面(閉鎖状態において上端面となる面)は、上面部20の前端部の下方に位置する。すなわち、閉鎖状態の開閉部3が上面部20の下方に収まるように設定されている。したがって、開閉部3の閉鎖状態において、開閉部3と上面部20との隙間から水等が浸入しにくくなっている。
【0057】
また、図20に示すように、左面部50の前端部には、外方(左方)に突出するように、頭部を有する第一突起部86(ビス等)が設けられている。同様に、右面部30の前端部にも、外方(右方)に突出するように、頭部を有する第一突起部86を設けられている。また、開閉部3の先端部(閉鎖状態において上端部となる部分)の左右両側にも、外方に突出するように、頭部を有する第二突起部87(ビス等)がそれぞれ設けられている。したがって、例えば図20(b)に示すように、開閉部3の閉鎖状態において、第一突起部86と第二突起部87との間を紐で縛ったり、第一突起部86と第二突起部87との間にフックを取り付けたりすることによって、開閉部3の閉鎖状態を維持することができる。
【0058】
〔モバイルユニットの使用例〕
次に、モバイルユニット1の使用方法の一例について説明する。
まず、開閉部3が閉鎖状態であるモバイルユニット1を、2tトラックなどの所定の貨物自動車Tに積んで所望の場所まで運び、所望の場所に着いたら、貨物自動車Tから降ろす。その際、第五桟材65及び第六桟材66がユニット本体2よりも外方に突出しているので、第五桟材65及び第六桟材66を持って貨物自動車Tに積んだり貨物自動車Tから降ろしたりすることができる。これにより、モバイルユニット1の積み降ろし作業を楽に行うことができる。
そして、開閉部3を開放して、前面開口2a(あるいは開口部2b)からモバイルユニット1の内部に入って、前面開口2aを通じて風景を眺める。
【0059】
貨物自動車Tから降ろしたモバイルユニット1を、例えば図1図2及び図3に示すように、束石やブロックなどの支持台Aに載せることで、モバイルユニット1を湿気から守ることができる。また、その際、例えば図21に示すように、桟材61~69の下に支持台Aを配置することで、モバイルユニット1を安定して設置することが可能となる。
また、ユニット本体2に複数の固定金具B(リングボルト等)を予め取り付けておけば、例えば図1及び図2に示すように、モバイルユニット1を地面に直接固定することができるので、モバイルユニット1を安定して設置することが可能となる。
【0060】
また、モバイルユニット1の内部で使用する家具(ソファやテーブルなど)をモバイルユニット1内に収納した状態でモバイルユニット1を運搬することも可能である。これにより、家具を運ぶための別途の貨物自動車も必要なくなるし、家具を貨物自動車から降ろしてモバイルユニット1に設置したり、家具をモバイルユニット1から降ろして貨物自動車に積んだりする作業も必要なくなる。
【0061】
また、モバイルユニット1内にプロジェクターを設置して、後面部40(あるいは、右面部30や左面部50であってもよい)の内面に映像を映写するようにしてもよい。これにより、モバイルユニット1内で前を向いているときには、前面開口2aを通じて外の風景を楽しむことができ、モバイルユニット1内で後を向いているときには、後面部40に映し出された映像を楽しむことができる。
【0062】
また、モバイルユニット1を、貨物自動車Tの荷台とモバイルユニット1の後面側とが近接するように設置すれば、開口部2bを通って貨物自動車Tの荷台とモバイルユニット1の内部との間を往来することが可能となるので、荷台をあたかもロフトのように使用できる。その際、例えば図21に示すように、幌などのカバー部材Cを、貨物自動車Tの荷台とモバイルユニット1の後面側とに跨って被せることで、貨物自動車Tとモバイルユニット1との一体性が高く見える。また、開口部2bは床(下面部10)から離れた位置に設けられているので、例えば図21に示すように、階段Dを設置することで、開口部2bが使用しやすくなる。
【0063】
本実施形態によれば、ユニット本体2が前面開口2aを有する箱型をなしており、ユニット本体2の上面部20、右面部30、下面部10及び左面部50のそれぞれの前端部によって前面開口2aが囲まれているので、前面開口2aを通じて見る風景が額縁に入った絵画や写真のように見える。すなわち、前面開口2aによって風景の一部を絵画や写真のように切り取ることができるので、風景を楽しむことができる。
また、天井(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、モバイルユニット1の内部で立っているときだけでなく座っているときにも上面部20の前端部が視界に入る。したがって、座った状態で風景を切り取って楽しむことができる。
また、天井(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、ユニットがコンパクトであっても上面部20の前端部が視界に入る。すなわち、前面開口から遠ざかるほど上面部の前端部が視界に入りやすくなるが、本発明のユニットはモバイルユニットでありサイズに制限があるので、奥行き寸法を自由に設定することができない。その弱点を、上面部20を前面開口2aに向けて下り傾斜させることで補っている。つまり、上面部20を前面開口2aに向けて下り傾斜させることで、前面開口2aから遠ざかることなく上面部20の前端部を視界に入れることが可能となるので、風景を切り取って楽しむためのモバイルユニットに適した構成となっている。
また、ユニット本体2は前面開口2aを有する箱型をなしているので、モバイルユニット1の内部では周囲の騒音が聞こえにくい。したがって、心地よい空間で風景を楽しむことができる。
また、ユニット本体2は前面だけが大きく開口しているので、モバイルユニット1の前方以外からの音が聞こえにくい。したがって、前方からの音が際立って聞こえるので、前面開口2aによって、風景だけでなく、環境音も切り取ることができる。
【0064】
また、上面部20の前端面が下面部10の前端面よりも前側に位置しているので、上面部20が庇として機能する。すなわち、モバイルユニット1の内部が雨にぬれるのを抑制することができる。また、屋根(上面部20)が前面開口2aに向けて下り傾斜しているので、上面部20に降った雨は前面開口2aに向けて流れるが、上面部20が庇として機能するので、その流れてきた雨は、開閉部3が開放している場合には、モバイルユニット1の内部ではなく、開閉部3上に落ちることになる。したがって、上面部20から滴る雨でモバイルユニット1の内部がぬれることも抑制することができる。
【0065】
また、閉鎖状態の開閉部3が上面部20の下方に収まるので、開閉部3を閉鎖している場合、具体的には例えばモバイルユニット1の運搬中や保管中である場合に、開閉部3と上面部20との隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止することができる。
【0066】
また、下面部10と、左面部50、後面部40及び右面部30と、の接合部にシール部材83が設けられているので、これらの隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止できる。また、上面部20と、左面部50、後面部40及び右面部30と、の接合部にシール部材83が設けられているので、これらの隙間からモバイルユニット1内に水等が浸入することを防止できる。
【0067】
また、下面部10に取り付けられた桟材(第五桟材65、第六桟材66)が下面部10よりも外方に突出しているので、この桟材を持って、モバイルユニット1を貨物自動車Tに積んだり貨物自動車Tから降ろしたりすることができる。
【0068】
また、開閉部3の外面に複数の突出部(第八桟材68、第九桟材69)が設けられているので、開閉部3に立て掛けて使用するストッパーSを用いて、開閉部3の半開状態(全開状態と閉鎖状態との間の状態)を安定的に維持することが可能となる。
また、突出部(第八桟材68、第九桟材69)が複数設けられているので、半開の程度を変更することができる。
また、開閉部3を半開状態にすることで、前面開口2aの上部のみを通じて風景を眺めることができるので、風景の一部として、例えば、山腹及び山頂(山のうちの麓を除く部分)だけを切り取ったり、空だけを切り取ったりして楽しむことが可能となる。また、開閉部3を半開状態にすることで、モバイルユニット1の内部を目隠ししつつ、風景を切り取って楽しむことができる。
【0069】
また、モバイルユニット1はビスのみで組立可能であるので、組立及び解体を容易に行うことができる。
なお、モバイルユニット1を、ビス以外のもので組み立てるようにしてもよい。具体的には、例えば、ビスと接着剤とで組み立てるようにしてもよいし、接着剤のみで組み立てるようにしてもよい。
【0070】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0071】
例えば図22に示すように、左面部50(あるいは右面部30であってもよい)に開口部2cを設けて、この開口部2cを開閉する扉部78を設けるようにしてもよい。この場合、後面部40に開口部2b(及び扉部76)を設けなくてもよい。
また、ユニット本体2が有する開口部は前面開口2aだけであってもよい。すなわち、開口部2b,2cを設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 モバイルユニット
2 ユニット本体
2a 前面開口
3 開閉部
10 下面部
20 上面部
30 右面部
40 後面部
50 左面部
83 シール部材
65 第五桟材
66 第六桟材
68 第八桟材(突出部)
69 第九桟材(突出部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22