(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】血小板の病原体不活性化のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/19 20150101AFI20230626BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20230626BHJP
A61K 31/37 20060101ALI20230626BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A61K35/19
A61P7/00
A61K31/37
A61P31/00
(21)【出願番号】P 2020516447
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(86)【国際出願番号】 US2018052046
(87)【国際公開番号】W WO2019060610
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-17
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500031766
【氏名又は名称】シーラス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グリーンマン, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スタッシノポウロス, アドニス
(72)【発明者】
【氏名】ワイナー, エラン
(72)【発明者】
【氏名】ブリングマン, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】サンタ マリア, フェリシア
【審査官】鶴 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-514680(JP,A)
【文献】国際公開第2017/120545(WO,A2)
【文献】TRANSFUSION,2005年,Vol. 45,pp. 580-590
【文献】TRANSFUSION,2004年,Vol. 44,pp. 1496-1504
【文献】TRANSFUSION,2007年,Vol. 47,pp. 1062-1070
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
A61P 7/00- 7/12
A61K 31/37
A61P 31/00-31/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血小板組成物を調製する方法であって、
(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップであって、前記PICは、
アモトサレンである、ステップと、
(b)ステップ(a)の前記溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、
(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、前記血小板組成物を生じさせるステップと
(d)(c)の後、前記血小板組成物を第3のコンテナに移送するステップであって、前記第3のコンテナは、前記血小板組成物の貯蔵のために好適である、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(b)の前記混合するステップは、前記第1のコンテナ内で起こり、またはステップ(b)の前記混合するステップは、第2のコンテナ内で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(c)の前記混和剤に光を受けさせるステップは、前記第1のコンテナ内で起こり、またはステップ(c)の前記混和剤に光を受けさせるステップは、第2のコンテナ内で起こる、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製される、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法はさらに、ステップ(b)に先立って、前記第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血小板の調製剤は、軟膜方法または多血小板血漿(PRP)方法によって、1つ以上の全血献血から調製される、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(a)の前記溶液は、約15μM~約1,500μMの濃度における前記PICを含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記血小板の調製剤は、血漿を含み、前記血漿は、ステップ(b)の前記混和剤の体積比で約32~47%を含み、血小板添加溶液は、残りの体積を含み、随意に、ステップ(b)の前記混和剤内のPAS対血漿の体積比は、約65:35である、請求項1-
8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(b)の前記混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度における前記PICを含む、請求項1-
9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(b)の前記混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logの不活性化をもたらすために十分な濃度における前記PICを含む、請求項1-
10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(b)の前記混和剤は、約5μM~約500μMの濃度における前記PICを含み、随意に、ステップ(b)の前記混和剤は、約145μM~約155μMの濃度における前記PICを含み、またはステップ(b)の前記混和剤は、約30μM~約90μMの濃度における前記PICを含む、請求項1-
11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(c)に先立って、(b1)30分~24時間の周期にわたってステップ(b)の前記混和剤をインキュベートするステップをさらに含む、請求項1-
12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記血小板組成物は、少なくとも2×10
11個の血小板を含む、請求項1-
13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の前記血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である、請求項1-
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の前記血小板組成物は、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるコンテナに前記血小板組成物を移送することなく、対象の中に注入するために好適である、請求項1-
15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む、請求項1-
16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、存在する場合、前記病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、2μMまたはそれ未満のPICを含み、前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との前記混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMである、請求項1-
17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(c)の前記光は、315nmと400nmとの間の波長のものである、請求項1-
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
血小板組成物を調製する方法であって、前記方法は、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップであって、前記PICは、
アモトサレンである、ステップと、
(b)ステップ(a)の前記溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、
(c)約30分~約24時間の周期にわたって血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤をインキュベートするステップと、
(d)ステップ(c)の前記インキュベートされた混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップであって、
(i)前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、
(ii)前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との前記混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMであり、
(iii)前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との前記混和剤に光を受けさせた後の前記血小板組成物は、5μM未満のPICを含む、ステップと、
(e)(d)の後、前記血小板組成物をコンテナに移送するステップであって、前記コンテナは、前記血小板組成物の貯蔵のために好適である、ステップと
を含む方法。
【請求項21】
ステップ(d)の前記光は、315nmと400nmとの間の波長のものである、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナであって、前記PICは、
アモトサレンである、第1のコンテナと、
(b)前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナと
を備え、
前記第1のコンテナは、前記第2のコンテナに結合されない、キット。
【請求項23】
前記第1のコンテナは、前記血小板の調製剤を、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合するために好適であり、および/または、
前記第2のコンテナは、前記血小板の調製剤を、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合するために好適である、請求項
22に記載のキット。
【請求項24】
前記第2のコンテナは、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適であり、および/または、
前記第1のコンテナは、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、請求項
22-23のいずれか1項に記載のキット。
【請求項25】
前記第2のコンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適である、請求項
22-24のいずれか1項に記載のキット。
【請求項26】
少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適であり、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、前記第2のコンテナに、または第3のコンテナに結合される、請求項
22-25のいずれか1項に記載のキット。
【請求項27】
前記PASおよび前記PICを含む前記溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する、請求項
22-26のいずれか1項に記載のキット。
【請求項28】
前記PICは、約15μM~約1,500μMの濃度にある、請求項
22-27のいずれか1項に記載のキット。
【請求項29】
前記第1のコンテナ、前記第2のコンテナ、または前記第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、請求項
22-28のいずれか1項に記載のキット。
【請求項30】
血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)を備える第1のコンテナと、
(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える第2のコンテナであって、前記PICは、
アモトサレンである、第2のコンテナと、
(c)前記PASおよび前記PICと混合する血小板の調製剤を含有するため
の第3のコンテナと
を備え、
前記第1および第2のコンテナは、相互に結合され、前記第1および第2のコンテナのいずれも、前記第3のコンテナに結合されない、キット。
【請求項31】
前記第2のコンテナは、前記PASを前記PICと組み合わせるために好適であり、または前記第1のコンテナは、前記PASを前記PICと組み合わせるために好適である、請求項
30に記載のキット。
【請求項32】
前記第2のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適であり、または
前記第1のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適であり、または
前記第3のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適である、請求項
30-31のいずれか1項に記載のキット。
【請求項33】
前記第3のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適であり、または
前記第2のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適であり、または
前記第1のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、請求項
30-32のいずれか1項に記載のキット。
【請求項34】
前記第3のコンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適である、請求項
30-33のいずれか1項に記載のキット。
【請求項35】
少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適であり、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、前記第3のコンテナに、または第4のコンテナに結合される、請求項
30-34のいずれか1項に記載のキット。
【請求項36】
前記第1のコンテナ、前記第2のコンテナ、または前記第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、請求項
30-35のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それぞれの開示が、それらの全体として参照することによって本明細書に組み込まれる、2018年1月11日に出願された米国仮特許出願第62/616,338号、2017年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/586,739号、および2017年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/561,157号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、注入のために好適な血小板組成物を調製するための方法、キット、および組成物を提供する。いくつかの側面では、本開示は、血小板のアフェレーシス由来の調製剤を含む、血小板の調製剤の病原体不活性化のための改良された方法、キット、および組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
血液成分収集および処理は、世界中の医療で重要な役割を果たし、何百もの単位の献血された血液成分が、毎年血液バンクによって収集される。いくつかの単位の全血が、ドナーから収集され、輸血に直接使用されるが、殆どの献血は、概して、より具体的な治療的使用のために、血液成分(赤血球、血小板、および血漿)に分離される。分離は、アフェレーシス収集デバイス等の好適な分離デバイスシステムを使用する場合、全血献血の収集に続いて、または収集の時点のいずれかにあってもよい。個々の血液成分が、次いで、治療必要性に基づいて、異なる医学的必要性および症状を治療する際に使用される。
【0004】
血小板は、止血、凝血塊の安定性および後退、ならびに血管修復および抗菌宿主防衛で主要な役割を果たす。種々の方法が、臨床使用のための血小板血液製剤を収集および貯蔵するために使用される。全血献血からの血小板の収集は、概して、軟膜または多血小板血漿方法等の処理方法を使用して取得される、濃縮血小板(PC)の形態である。血小板はまた、献血プロセス中に、ドナー血液からドナー血小板を分離し、残りの血液成分(例えば、赤血球および血漿)をドナーに戻す、自動デバイスを利用する、アフェレーシス収集から取得される。
【0005】
血液製剤を受容する個人に感染させる危険性を最小限にするために、血小板等の血液製剤が病原体を含まないことを確実にすることが重要である。血中病原体の存在に関する検査は、検査される病原体および検定感度によって限定される。病原体に関する検査の代替または補完として、方法が、種々の化合物(例えば、化学、光化学)ベースの不活性化方法を使用して病原体を不活性化するために当技術分野で公知である(例えば、Schlenke et al.,Transfus Med Hemother,2014,41,309-325、およびProwse,Vox Sanguinis,2013,104,183-199に開示されるように)。そのような不活性化方法は、病原体不活性化のための所望の化合物濃度を達成するために、入力血小板容積および血小板数の具体的保護帯域範囲を要求し得る。例えば、最小濃度は、あるレベルの病原体不活性化を達成するために必要な濃度によって定義され得、最大濃度は、処理が処理された血液製剤の機能に影響を及ぼし得る濃度によって定義され得る。献血体積および血小板数は、ドナー間または献血間で有意に変動し得、血液成分献血のための病原体不活性化システムの使用を最大限にするために、処理の改良されたレベルの融通性が、望ましいままである。処理の増加された融通性および改良された生産性を達成するための方法、キット、および組成物が、本明細書に説明される。
【0006】
特許出願および公開を含む、本明細書に引用される全ての参考文献が、それらの全体で参照することによって組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面では、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、血小板組成物(例えば、病原体が不活性化された血小板組成物)を調製する方法が、提供される。いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、血小板組成物(例えば、病原体が不活性化された血小板組成物)を調製する方法が、提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のコンテナ内に、PASおよびPICを含む溶液を提供するステップは、最初に、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ(a)に先立って、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップを含む。いくつかの実施形態では、PASの溶液は、PASコンテナ(例えば、PAS貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PICの溶液は、PICコンテナ(例えば、PIC貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(a)の第1のコンテナ内で組み合わせられる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、PASコンテナである。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、PICコンテナである。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合する24時間未満前に(例えば、24時間以内に)組み合わせられる。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混合は、第1のコンテナ内で起こる。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混合は、第2のコンテナ内で起こる。いくつかの実施形態では、混合は、2つ以上の第2のコンテナ内で起こる。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(b)に先立って、第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップを含む。いくつかの実施形態では、PASコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、PICコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、2つ以上の第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、軟膜方法または多血小板血漿(PRP)方法によって、1つ以上の全血献血から調製される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)の後に、(d)血小板組成物を第3のコンテナに移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)の後に、(d)血小板組成物を2つ以上の第3のコンテナに移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物の貯蔵のために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第3のコンテナから1つ以上の第4のコンテナに血小板組成物を移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第4のコンテナは、血小板組成物の貯蔵のために好適である。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)の溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の溶液は、約15μM~約1,500μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の溶液は、約15μM~約235μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の溶液は、約225μM~約235μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。いくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、血漿を含み、血漿は、ステップ(b)の混和剤の体積比で約32~47%を含み、血小板添加溶液(例えば、PICを伴う血小板添加溶液)は、残りの体積を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤内のPAS対血漿の体積比は、約65:35である。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤の全体積は、約100mL~約1,000mLである。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも3 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約5μM~約500μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約15μM~約150μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約15μM~約30μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約30μM~約150μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約30μM~約90μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約75μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤は、約145μM~約155μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に先立って、30分~24時間の周期にわたってステップ(b)の混和剤をインキュベートするステップを含む。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、少なくとも2×1011個の血小板を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるコンテナに血小板組成物を移送することなく、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるコンテナに血小板組成物を移送することなく、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、2μMまたはそれ未満(例えば、2μM未満)のPICを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、E型肝炎ウイルスの少なくとも4 logを不活性化するために十分である。いくつかの実施形態では、対象の中に注入するために好適な血小板組成物は、約5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、対象の中に注入するために好適な血小板組成物は、約2μMまたはそれ未満(例えば、2μM未満)のPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤内のPICの濃度は、少なくとも10μMである。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤内のPICの濃度は、少なくとも30μMである。
【0011】
別の側面では、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない、血小板組成物を調製するためのキットが、提供される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第3のコンテナを備える。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第3のコンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、少なくとも1つの貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、第2のコンテナに、または第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、キットは、化合物吸着デバイス(CAD)を備えない。
【0013】
いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PICは、約15μM~約1,500μMの濃度にある。いくつかの実施形態では、PICは、約225μM~約235μMの濃度にある。いくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。いくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のコンテナ、第2のコンテナ、または第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0015】
別の側面では、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない、血小板組成物を調製するためのキットが、提供される。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナは、相互に結合されるように構成され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない、キットである。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナは、相互に結合され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない、キットである。いくつかの実施形態では、第1および第2のコンテナは、密閉されているが開放可能な流路(例えば、易壊性部材、易壊性コネクタ)によって相互に結合される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第4のコンテナを備える。いくつかの実施形態では、第4のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第4のコンテナは、第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、少なくとも1つの貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、第3のコンテナに、または第4のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。いくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。いくつかの実施形態では、第1のコンテナ、第2のコンテナ、または第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。いくつかの実施形態では、キットは、化合物吸着デバイス(CAD)を備えない。
【0017】
別の側面では、病原体不活性化化合物(PIC)および血小板添加溶液(PAS)を含む、組成物が、提供され、組成物は、血小板を含まない。いくつかの実施形態では、PICの濃度は、約15μM~約1,500μMである。いくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。いくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、無菌である。
【0018】
別の側面では、本明細書に提供される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物が、提供される。
【0019】
本開示のこれらおよび他の側面ならびに利点が、後続の詳細な説明および添付の請求項から明白となるであろう。本明細書に説明される種々の実施形態の性質のうちの1つ、いくつか、または全ては、本開示の他の実施形態を形成するように組み合わせられ得ることを理解されたい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
血小板組成物を調製する方法であって、
(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、
(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、
(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、前記血小板組成物を生じさせるステップと
を含む、方法。
(項目2)
ステップ(b)の混合は、前記第1のコンテナ内で起こる、項目1に記載の方法。
(項目3)
ステップ(b)の混合は、第2のコンテナ内で起こる、項目1に記載の方法。
(項目4)
ステップ(c)の前記混和剤に光を受けさせるステップは、前記第1のコンテナ内で起こる、項目1または項目2に記載の方法。
(項目5)
ステップ(c)の前記混和剤に光を受けさせるステップは、第2のコンテナ内で起こる、項目1-3のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製される、項目1-5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記方法はさらに、ステップ(b)に先立って、前記第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される、項目6または項目7に記載の方法。
(項目9)
前記血小板の調製剤は、軟膜方法または多血小板血漿(PRP)方法によって、1つ以上の全血献血から調製される、項目1-5のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
ステップ(c)の後に、(d)前記血小板組成物を第3のコンテナに移送するステップをさらに含む、項目1-9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第3のコンテナは、前記血小板組成物の貯蔵のために好適である、項目10または項目11に記載の方法。
(項目13)
ステップ(a)の溶液は、約15μM~約1,500μMの濃度における前記PICを含む、項目1-12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記PICは、ソラレンである、項目1-13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記PICは、アモトサレンである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記血小板の調製剤は、血漿を含み、前記血漿は、ステップ(b)の混和剤の体積比で約32~47%を含み、血小板添加溶液は、残りの体積を含む、項目1-15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
ステップ(b)の混和剤内のPAS対血漿の体積比は、約65:35である、項目16に記載の方法。
(項目18)
ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度における前記PICを含む、項目1-17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logの不活性化をもたらすために十分な濃度における前記PICを含む、項目1-18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
ステップ(b)の混和剤は、約5μM~約500μMの濃度における前記PICを含む、項目1-19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
ステップ(b)の混和剤は、約145μM~約155μMの濃度における前記PICを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
ステップ(b)の混和剤は、約30μM~約90μMの濃度における前記PICを含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む、項目1-22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
ステップ(c)に先立って、(b1)30分~24時間の周期にわたってステップ(b)の混和剤をインキュベートするステップをさらに含む、項目1-23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記血小板組成物は、少なくとも2×10
11
個の血小板を含む、項目1-24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である、項目1-25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるコンテナに前記血小板組成物を移送することなく、対象の中に注入するために好適である、項目1-26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む、項目1-27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の前記血小板組成物は、2μMまたはそれ未満のPICを含み、前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMである、項目1-28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
血小板組成物を調製する方法であって、前記方法は、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)約30分~約24時間の周期にわたって血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤をインキュベートするステップと、(d)ステップ(c)のインキュベートされた混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含み、
(i)前記方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、
(ii)前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMであり、
(iii)前記血小板の調製剤とPASおよびPICを含む前記溶液との混和剤に光を受けさせた後の前記血小板組成物は、5μM未満のPICを含む、方法。
(項目31)
血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、
(b)前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナと
を備え、
前記第1のコンテナは、前記第2のコンテナに結合されない、キット。
(項目32)
前記第1のコンテナは、前記血小板の調製剤を、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合するために好適である、項目31に記載のキット。
(項目33)
前記第2のコンテナは、前記血小板の調製剤を、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合するために好適である、項目31または項目32に記載のキット。
(項目34)
前記第2のコンテナは、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、項目31-33のいずれか1項に記載のキット。
(項目35)
前記第1のコンテナは、前記PASおよび前記PICを含む前記溶液と混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、項目31-34のいずれか1項に記載のキット。
(項目36)
前記第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、項目31-35のいずれか1項に記載のキット。
(項目37)
前記第2のコンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適である、項目31-36のいずれか1項に記載のキット。
(項目38)
第3のコンテナをさらに備え、前記第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、前記第3のコンテナは、前記第2のコンテナに結合される、項目31-37のいずれか1項に記載のキット。
(項目39)
少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適であり、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、前記第2のコンテナに、または前記第3のコンテナに結合される、項目31-38のいずれか1項に記載のキット。
(項目40)
前記PASおよび前記PICを含む前記溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する、項目31-39のいずれか1項に記載のキット。
(項目41)
前記PICは、約15μM~約1,500μMの濃度にある、項目31-40のいずれか1項に記載のキット。
(項目42)
前記PICは、ソラレンである、項目31-41のいずれか1項に記載のキット。
(項目43)
前記PICは、アモトサレンである、項目42に記載のキット。
(項目44)
前記第1のコンテナ、前記第2のコンテナ、または前記第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、項目31-43のいずれか1項に記載のキット。
(項目45)
血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)を備える第1のコンテナと、
(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える第2のコンテナと、
(c)前記PASおよび前記PICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナと
を備え、
前記第1および第2のコンテナは、相互に結合され、前記第1および第2のコンテナのいずれも、前記第3のコンテナに結合されない、キット。
(項目46)
前記第2のコンテナは、前記PASを前記PICと組み合わせるために好適である、項目45に記載のキット。
(項目47)
前記第1のコンテナは、前記PASを前記PICと組み合わせるために好適である、項目45に記載のキット。
(項目48)
前記第2のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適である、項目45-47のいずれか1項に記載のキット。
(項目49)
前記第1のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適である、項目45-47のいずれか1項に記載のキット。
(項目50)
前記第3のコンテナは、前記血小板の調製剤を前記PASおよび前記PICと混合するために好適である、項目45-47のいずれか1項に記載のキット。
(項目51)
前記第3のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、項目45-50のいずれか1項に記載のキット。
(項目52)
前記第2のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、項目45-50のいずれか1項に記載のキット。
(項目53)
前記第1のコンテナは、前記PASおよび前記PICと混合する前記血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、項目45-50のいずれか1項に記載のキット。
(項目54)
前記第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、項目45-53のいずれか1項に記載のキット。
(項目55)
前記第3のコンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適である、項目45-54のいずれか1項に記載のキット。
(項目56)
第4のコンテナをさらに備え、前記第4のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、前記第4のコンテナは、前記第3のコンテナに結合される、項目45-55のいずれか1項に記載のキット。
(項目57)
少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、前記血小板組成物を貯蔵するために好適であり、前記少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、前記第3のコンテナに、または前記第4のコンテナに結合される、項目45-56のいずれか1項に記載のキット。
(項目58)
前記PICは、ソラレンである、項目45-57のいずれか1項に記載のキット。
(項目59)
前記PICは、アモトサレンである、項目58に記載のキット。
(項目60)
前記第1のコンテナ、前記第2のコンテナ、または前記第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、項目45-59のいずれか1項に記載のキット。
(項目61)
病原体不活性化化合物(PIC)および血小板添加溶液(PAS)を含む組成物であって、前記組成物は、血小板を含まない、組成物。
(項目62)
前記PICの濃度は、約15μM~約1,500μMである、項目61に記載の組成物。
(項目63)
前記PICは、ソラレンである、項目61または項目62に記載の組成物。
(項目64)
前記PICは、アモトサレンである、項目63に記載の組成物。
(項目65)
前記PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む、項目61-64のいずれか1項に記載の組成物。
(項目66)
前記組成物は、無菌である、項目61-65のいずれか1項に記載の組成物。
(項目67)
項目1-30のいずれか1項に記載の方法によって調製される、血小板組成物。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0021】
【
図1B】
図1Bは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0022】
【
図1C】
図1Cは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0023】
【
図1D】
図1Dは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0024】
【
図1E】
図1Eは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する添加点を示す。
【0025】
【
図2A】
図2Aは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0026】
【
図2B】
図2Bは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0027】
【
図2C】
図2Cは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0028】
【
図2D】
図2Dは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する代替添加点を示す。
【0029】
【
図2E】
図2Eは、血小板組成物を調製するための例示的キットを示す。点線は、血小板の調製剤に関する添加点を示す。
【0030】
【
図3】
図3は、例示的アフェレーシスデバイスに接続される、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、コンテナを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、いくつかの側面では、注入のために好適な血小板組成物を調整するための、血小板のアフェレーシス由来の調製剤を含む血小板の調製剤の病原体不活性化のための改良された方法、キット、および組成物を提供する。
【0032】
本明細書に開示される方法、キット、および組成物は、病原体不活性化のために、光化学化合物、例えば、アモトサレン等の病原体不活性化化合物(PIC)をPICの固定濃度における血小板の調製剤の中に投薬するステップに関する。例えば、本開示は、PICを所望の(例えば、標準化された)濃度における血小板添加溶液(PAS)と予混合し、次いで、PIC/PAS溶液を血小板調製剤の中に投薬し、したがって、例えば、(i)改良された処理融通性および制御、(ii)例えば、病原体不活性化に使用されるPICの低減された量を可能にするステップを含む、改良された病原体不活性化、(iii)個人への投与に先立った残留PICまたはその光分解生成物を除去するための化合物吸収デバイス(CAD)を用いたさらなる処理の要求がないこと等の低減された処理ステップ、および/または(iv)改良された血小板品質を可能にするステップを提供する。1倍、2倍、および3倍体積の倍数、すなわち、1x、2x、および3xである標準体積における予混合PIC/PAS溶液の添加は、例えば、65/35PAS/血漿内の血小板の全ての治療的な病原体が不活性化された用量が、1倍、2倍、および3倍献血に由来したかどうかにかかわらず、同じであり、常に、同一濃度のPICで処理され得るように、例えば、血小板のアフェレーシス収集との併用を介した収集、および治療プロセスの両方を効率化することに役立ち得る。
【0033】
より一貫したPIC濃度を伴う病原体不活性化を提供する、処理条件の標準化を増加させること、血小板容積および/または血小板濃度入力のための制限的保護帯域のうちのいくつかを排除すること、血小板の調製剤の病原体不活性化のために利用可能な治療オプションに関して、さらなる融通性を提供すること、ならびに/もしくは病原体不活性化のために必要とされるPICの量を低減させること等のいくつかの利益が、本明細書に開示される改良された方法、キット、および組成物を通して、取得され得る。本開示は、したがって、処理される献血体積にさらに多くの変動を可能にし得る。これはまた、ひいては、下流処理ステップ(例えば、化合物吸着デバイス(CAD)を用いた処理)の低減した変動、最終的に、最終的な血小板製剤(えば、血小板組成物)内の残留PICのより少ない変動も提供し得る。
【0034】
加えて、予混合PIC/PASを利用することは、使い捨て処理セットの他の構成要素から、または処理セットを供給された非統合型構成要素として(例えば、キットとして)、PIC構成要素を別個に製造および/または供給する機会を提供し、それによって、製造プロセスと関連付けられる使い捨てセットの商品原価を大いに単純化し、削減し得る。例えば、本明細書に開示される方法、キット、および組成物は、別個の/接続されていない「湿潤」側構成要素(例えば、PICおよびPASを伴う)および「乾燥」側構成要素(例えば、照明、CAD、および/または貯蔵コンテナ)を伴う処理セットを提供し、したがって、その製造および滅菌危険性を単純化し得る。
【0035】
また、本明細書に開示される方法、キット、および組成物は、例えば、不活性化される種々のタイプまたは種の病原体における改良された(例えば、増加された)病原体不活性化、および/または単一のタイプもしくは種の病原体の病原体不活性化の程度、ならびに/もしくは、例えば、血小板の調製剤を用いたPICの予備インキュベートを介した、低減された濃度のPICを用いた病原体不活性化を可能にし得る。
【0036】
定義
本明細書で使用されるような「血小板の調製剤」は、病原体不活性化プロセスを受けていない血小板を含む、組成物を意味する。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、血小板献血である。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、アフェレーシス献血から取得される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、(例えば、軟膜方法による、多血小板血漿(PRP)方法による)全血献血から取得される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、1人を上回るドナーから取得される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、血漿を含む。
【0037】
本明細書で使用されるような「病原体不活性化プロセス」は、血小板献血等の血小板の調製剤内に存在し得る、病原体を不活性化するために有用なプロセスを意味し、本プロセスは、存在し得る完全に全ての病原体を必ずしも不活性化しないが、病原体の量を実質的に低減させ、輸血関連疾患の危険性を有意に低減させることを理解されたい。病原体の不活性化は、例えば、ある体積内の感染性病原体(例えば、ウイルスまたは細菌)の数を測定することによって、検定され得、不活性化のレベルは、典型的には、病原体の感染性の対数低減、または力価の対数低減によって表される。力価の対数低減を検定する方法および病原体不活性化に関するその測定が、当技術分野で公知である。力価の対数低減を検定する方法および病原体不活性化に関するその測定は、病原体不活性化に関する検定に関するため、例えば、米国特許第7,655,392号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。したがって、任意の所与の病原体に関して、既知の量が、本プロセスに起因する不活性化の量を査定するように、血小板の検査単位(例えば、血小板の調製剤)に添加されることができ、典型的には、病原体不活性化プロセスは、力価の少なくとも約1 log低減、または力価の約2 log、約3 log、約4 log、もしくは約5 log以上の低減をもたらす。本明細書に説明されるような方法は、任意の病原体不活性化プロセスに適用可能であるが、病原体不活性化プロセスは、HIV-1、HBV、HCV、HTLV-1、HTLV-2、ウェストナイルウイルス、E型肝炎ウイルス、大腸菌、肺炎桿菌、エルシニア・エンテロコリチカ、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、梅毒トレポネーマ、ボレリア・ブルグドルフェリ、熱帯熱マラリア原虫、トリパノソーマ・クルージ、およびバベシア・マイクロッティから成る群から選択される病原体を含む、種々の病原体を力価の少なくとも1 log低減まで不活性化することが可能であることが望ましい。ある実施形態では、病原体不活性化プロセスは、病原体不活性化化合物(PIC)で処理するステップを含んでもよい。
【0038】
本明細書で使用されるような「病原体不活性化化合物」または「PIC」は、病原体を不活性化するために使用され得、血小板含有血液製剤内に存在し得る、小有機化合物等の任意の好適な化合物を意味する。「光活性化された病原体不活性化化合物」は、病原体を十分に不活性化する(例えば、光化学的に不活性化する)ためにあるレベルの光を要求する、好適な化合物である。そのような化合物は、不活性化プロセスに対する制御を提供するため、血小板または他の血液製剤内の病原体の不活性化に有用である。本明細書に説明されるそのような光活性化された病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、およびポルフィリンを含み、これらの用語は、一般部類の化合物、すなわち、コア化合物およびそれらの好適な誘導体を包含すると理解される。例えば、1つもしくは複数のソラレンは、概して、ソラレンコア化合物およびその任意の誘導体(例えば、アモトサレン)を説明する、または1つもしくは複数のイソアロキサジンは、概して、イソアロキサジンコアおよびその任意の誘導体(例えば、リボフラビン)を説明する等である。そのような誘導体は、コア化合物構造ならびにコア上の付加的置換基を含む。そのような化合物の説明は、その任意の塩を含む。
【0039】
本明細書で使用されるような用語「アモトサレン」は、化合物3-(2-アミノエトキシメチル)-2,5,9-トリメチルフロ[3,2-g]クロメン-7-オンおよびその任意の塩を意味する。アモトサレン化合物はまた、3-[(2-アミノエトキシ)メチル]-2,5,9-トリメチル-7H-フロ[3,2-G][1]ベンゾピラン-7-オン-塩酸塩とも称され得る。アモトサレン化合物はまた、4′-(4-アミノ-2-オキサ)ブチル-4,5′,8-トリメチルソラレンとも称され得る。血小板の調製剤等の血液製剤の不活性化が、アモトサレンHCl(アモトサレンのHCl塩)を血液製剤に添加することを含む場合、アモトサレンが他の塩として、または遊離塩基として溶液内に存在し得るため、血液製剤からの本化合物の除去は、アモトサレンHClの除去に限定されない。
【0040】
本明細書で使用されるような「血小板組成物」は、血小板を含む、病原体が不活性化された組成物を意味する。
【0041】
本明細書で使用されるような「病原体が不活性化された」は、(例えば、本明細書に説明される方法による)病原体不活性化プロセスを受け、存在し得る病原体を不活性化した、血液製剤(例えば、血小板組成物)を説明する。病原体不活性化プロセスは、存在し得る完全に全ての病原体を必ずしも不活性化しないが、1つ以上の病原体の量を実質的に低減させ、輸血関連疾患の危険性を有意に低減させることを理解されたい。
【0042】
用語「注入のために好適な」は、医学的判断に従って、対象(例えば、ヒト患者)の中に注入(例えば、輸血)するために使用されることが可能な任意の血液製剤(例えば、血小板組成物、病原体が不活性化された血小板組成物)を指す。いくつかの実施形態では、好適性は、その意図された使用のために、すなわち、限定ではないが、フィブリノゲン欠乏症と関連付けられる出血の制御、第XIII因子欠乏症を治療すること、第VIII因子欠乏症を治療すること、フォン・ヴィレブランド病を治療すること、止血の維持、播種性血管内凝固症候群(DIC)もしくは大量出血を治療すること、および/またはフィブリンシーラントを作製することを含む、ヒト凝固因子の輸液が指示される使用のために、十分な生物学的活性を有することを指す。いくつかの実施形態では、好適性は、例えば、製剤が、製剤安全性(例えば、病原体不活性化)を改良する、および/または1つ以上の安全関連測定(ウイルスまたは細菌力価等)に関して満足できる性能を実証する処理を受けたという、十分な安全性を有することを指す。本明細書に説明されるようにアモトサレンおよび紫外線Aを使用する、血液製剤単位内の病原体の光化学不活性化は、ヒトの中に注入するために好適であるそのような血液製剤(例えば、血小板組成物)を提供することが確立されている。いくつかの実施形態では、好適性は、AABB等の注入実践を統制する認定機関または規制機関によって確立される、1つ以上の規格(例えば、あるレベルの生物学的活性または生物学的成分を有すること、安全基準、および同等物)を満たすことを指す。いくつかの実施形態では、病原体不活性化(例えば、アモトサレン/紫外線Aを用いた光化学病原体不活性化)を受けた血小板組成物の好適性は、病原体不活性化プロセス後にあるレベルを下回るPIC(例えば、残留PIC)の濃度を伴う血小板組成物を指す。
【0043】
本明細書で使用されるような用語「無菌条件下で」または「無菌で」は、例えば、血液処理セットからの2つのバッグの接続によってシステムの無菌状態を維持することを指す、またはプロセスが汚染を導入しない手段を指す。例えば、本明細書に説明される方法で使用されるように、類似管類を備える、病原体不活性化化合物の処理セットまたはコンテナへの接続のための管類を備える、(例えば、好適なコンテナ内の)血小板の調製剤等の血液製剤のソースユニットが、例えば、管類をともに溶融または溶接し、2つのコンテナの間に無菌流路を提供するように作用する、無菌接続デバイスを使用して、当技術分野で公知である方法によって、無菌条件下で継合されてもよい。同様に、本明細書に説明される方法が、そのような管類を密閉するステップを説明する場合、密閉は、例えば、管類溶接機を使用して、無菌条件下で行われる。
【0044】
血小板組成物を調製する方法
本開示は、いくつかの側面では、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を(例えば、第1のコンテナ内で)提供するステップと、(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、血小板組成物(例えば、病原体が不活性化された血小板組成物)を調製する方法を提供する。
【0045】
本明細書に開示される血小板組成物(例えば、病原体が不活性化された血小板組成物)を調製する方法は、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップを含み、PASおよびPICを含む溶液は、任意の数の血小板組成物(例えば、血小板単位または治療用量)を調製するために十分な体積である。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、1つの血小板組成物(例えば、血小板単位、治療用量)を調製するために、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有する。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、2つ以上の(例えば、3つの)血小板組成物を調製するために、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有する。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、1人の血小板ドナーから血小板組成物を調製するために、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有する。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、2人以上の血小板ドナーから血小板組成物を調製するために、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナおよび第2のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナおよび第2のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、CADを備えるコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。いくつかの実施形態では、CADを備えるコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)第1のコンテナおよび第2のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(b)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第1のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第1のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、(a)第1のコンテナ内で、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を組み合わせる(例えば、混合する)ステップと、(b)第1のコンテナおよび第2のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップと、(c)第2のコンテナ内で、ステップ(a)の混和剤を血小板の調製剤と混合するステップと、(d)ステップ(c)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、方法が、提供され、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するための、化合物吸着デバイス(CAD)への暴露がないことを含む、さらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 log(例えば、病原体の少なくとも4 log)を不活性化するために十分であり、ステップ(d)の後の血小板組成物は、5μM未満のPIC(例えば、2μM未満のPIC)を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において組み合わせられるPASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(c)の混合において血小板の調製剤と組み合わせられ、ステップ(d)の混和剤に光を受けさせるステップの前に、30分~24時間の周期にわたってインキュベートされる。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに無菌で接続される。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスの流体流路またはチャネルに接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製され、ステップ(c)の混和剤は、第2のコンテナ内で光を受ける。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(d)に続いて、血小板組成物を貯蔵するために好適な少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)のコンテナに血小板組成物を(例えば、無菌で)移送するステップを含む。
【0066】
前述の実施形態のうちのいずれかまたは全てでは、第1のコンテナ内に、PASおよびPICを含む溶液を提供するステップは、最初に、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップを含む。前述の実施形態のうちのいずれかまたは全てでは、本方法は、ステップ(a)に先立って、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップを含む。いくつかの実施形態では、PASの溶液は、PASコンテナ(例えば、PAS貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PICの溶液は、PICコンテナ(例えば、PIC貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(a)の第1のコンテナ内で組み合わせられる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、PASコンテナである。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、ステップ(b)の混合する24時間未満前に(例えば、24時間以内に)組み合わせられる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1のコンテナは、PICコンテナである。いくつかの実施形態では、PASコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、PICコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される。
【0067】
前述の実施形態のうちのいずれかまたは全てでは、血小板添加溶液(PAS)、病原体不活性化化合物(PIC)、および血小板の調製剤の混和剤を含有する、コンテナは、混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせることに先立って、アフェレーシスデバイスから接続解除(例えば、無菌で接続解除)されてもよい。
【0068】
本開示は、いくつかの側面では、血小板の調製剤から個人の中に注入するために好適な血小板組成物を調製する方法を提供する。本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのそれぞれのいくつかの実施形態では、血小板の1つ以上の調製剤は、本明細書に開示される方法で処理され、それによって、1つ以上の血小板組成物を生じさせる。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤内のPICの濃度は、少なくとも10μMである。
【0069】
血小板の調製剤
いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10回等の1つ以上のアフェレーシス由来の血小板献血から調製される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回等の1つ以上のアフェレーシス由来の血小板献血から調製される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10回等の1つ以上の全血由来の(例えば、PRP、軟膜)血小板献血から調製される。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回等の1つ以上の全血由来の(例えば、PRP、軟膜)血小板献血から調製される。
【0070】
アフェレーシス収集血小板
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製される。
【0071】
アフェレーシス方法は、概して、遠心または濾過分離を使用し、自動的にドナーから全血を採血し、全血を血液成分に分離し、成分のうちのあるもの(例えば、血小板)を収集し、残りの全血および/または残りの未収集血液成分のうちのいくつかもしくは全てをドナーに戻す、自動血液収集デバイス(例えば、アフェレーシスデバイス)を使用する、方法を指す。血小板フェレーシスは、そのような自動血液細胞セパレータデバイスを使用し、単一のドナーから血小板(例えば、アフェレーシス血小板)の高収率を取得することをもたらす、血小板の収集である。いくつかの実施形態では、所望量の血漿が、収集された血小板を伴って維持される。いくつかのアフェレーシスデバイスは、単一血小板単位だけではなくて2倍および3倍血小板単位のための収集手技も可能である。アフェレーシスデバイスはまた、そこから抗凝固剤が流路の中に計量され、流入する全血と混合される、抗凝固剤のコンテナを含んでもよい。抗凝固剤は、凝固し、それが接触するプラスチック表面の壁に付着する血液の傾向により、要求される。例示的抗凝固剤は、当技術分野で周知であり、限定ではないが、抗凝固性クエン酸リン酸デキストロース(CPD)溶液、抗凝固性クエン酸リン酸2倍デキストロース(CP2D)溶液、抗凝固性クエン酸リン酸デキストロースアデニン(CPDA)溶液(例えば、CPDA-1)、クエン酸デキストロース(ACD)溶液(例えば、ACD-A)、および抗凝固性クエン酸ナトリウム4%w/v溶液を含んでもよい。アフェレーシス収集デバイスは、当技術分野で周知であり、例えば、Amicus(R)システム(Fenwal, Inc.)、Trima Accel(R)システム(Terumo BCT)、およびMCS(R)+9000モバイルシステム(Haemonetics, Inc.)を含む、いくつかのそのようなデバイスが、市販されている。
【0072】
アフェレーシス血小板献血は、部分的に、安全な量の血小板のみが収集されることを確実にするように、例えば、性別、身体的サイズ(例えば、体重)、ヘモグロビンレベル、献血日の血小板数、以前の献血履歴および献血頻度等のあるドナーパラメータに基づく。これらのパラメータのうちのいずれかまたは全ては、コンピュータシステムおよび/またはアフェレーシス収集デバイスに入力されてもよい。これらのパラメータから、アフェレーシス血小板献血は、概して、単位あたりの規定最小数(例えば、少なくとも規定最小数)の血小板をそれぞれ含有する、1つ、2つ、または3つの血小板単位(例えば、治療投薬単位)を生じさせ、治療用量要件を満たすための体積として、個人ドナーから収集され、そのような単位または治療用量あたりの基準は、概して、政府、規制、または認定団体(例えば、業界)規格によって判定される。そのような規格の非限定的実施例は、例えば、FDA、EDQM、AABB、PMDA、TGA、およびSFDAによって記載されるものを含む。規定最小値は、例えば、国によって変動し得る。概して、血小板数が、例えば、献血前の血小板数および収集される体積についての情報に基づいて、または代替として、単位の収集後検査によって、血小板の調製剤の単位毎に判定されてもよい。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤の各単位は、最小血小板数を含むであろうが、しかしながら、単位毎の血小板数の判定は、絶対要件ではなくてもよく、複数の血小板単位内のいくつかの血小板単位は、規定数未満であり得る。
【0073】
全血収集および血小板の処理
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、軟膜方法または多血小板血漿(PRP)方法によって、1つ以上の全血献血から調製される。
【0074】
いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、軟膜方法によって1つ以上の全血献血から調製される。
【0075】
いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、多血小板血漿(PRP)方法によって1つ以上の全血献血から調製される。
【0076】
本明細書に説明されるような血小板の調製剤で使用するための全血は、当技術分野で公知である種々の手技によって収集されてもよい。最も一般的な血液収集技法のうちの1つは、ドナーからの全血の「手動」収集である。一般的に理解され、本明細書で使用されるように、手動収集は、外部ポンプまたは類似デバイスを使用することなく、全血がドナーから収集コンテナの中に流れ出ることを可能にされる、収集方法を指す。これは、血液がドナーから採血され、典型的には、処理または分離デバイスと、デバイスの中および外に血液または血液成分を移動させるためのおよびポンプとを含む、器具によって、さらに処理される、いわゆる自動手技と対照的である。
【0077】
ドナーから血液を採血するステップは、典型的には、針等の静脈アクセスデバイスをドナーの腕(より具体的には、ドナーの静脈)の中に挿入し、針を通してドナーから血液を採血するステップを含む。「静脈穿刺」針は、典型的には、血液のための流路を提供するプラスチック管の一方の端部に取り付けられている。プラスチック管の他方の端部は、血液を収集するための1つ以上の事前に取り付けられたプラスチック血液コンテナもしくはバッグ内で終端する。針、管類、およびコンテナは、事前滅菌され、単回使用後に廃棄される、血液収集セットを構成する。無菌血液収集コンテナは、典型的には、血液成分の初期分離(例えば、赤血球および血小板からの血漿の分離)のための一次コンテナとしての役割を果たす。
【0078】
血液収集コンテナおよびプラスチック管類はまた、ある体積の液体抗凝固剤を含んでもよい一方で、自動技法では、そこから抗凝固剤が流路の中に計量され、流入する全血と混合される、抗凝固剤の別個のコンテナが、提供されてもよい。抗凝固剤は、凝固し、それが接触するプラスチック表面の壁に付着する血液の傾向により、要求される。例示的抗凝固剤は、当技術分野で周知であり、限定ではないが、抗凝固性クエン酸リン酸デキストロース(CPD)溶液、抗凝固性クエン酸リン酸2倍デキストロース(CP2D)溶液、抗凝固性クエン酸リン酸デキストロースアデニン(CPDA)溶液(例えば、CPDA-1)、クエン酸デキストロース(ACD)溶液(例えば、ACD-A)、および抗凝固性クエン酸ナトリウム4%w/v溶液を含んでもよい。
【0079】
血液は、例えば、ヘマトクリット等の1つ以上のパラメータに関して、識別または特性評価されてもよい。そのような識別または特性評価は、典型的には、血液収集に先立つ、またはその直後であるが、本明細書に提供される方法に従ったもの等の収集された全血にさらなる処理を受けさせるステップに先立つ。加えて、収集時に、またはその近傍で、かつ患者への輸血に先立って、検査が、血液型、ならびにドナーの血液内のウイルス、細菌、および/または他の異物等の病原体の存在を判定するために実施されてもよい。そのような検査は、概して、ドナーの血液のサンプルを取得することを要求する。概して、採血は、献血の前、間、または後であってもよいが、システムおよび/または収集された血液製剤の無菌状態を侵害することがない。例えば、サンプルは、一般的に、指先穿刺、踵穿刺、または静脈穿刺によって取得されてもよい。ヘモグロビン検査用の血液が毛細血管穿刺を用いて収集される場合において、単回使用滅菌ランセットが、使用されてもよい。別の周知の技法は、単純に、献血後に収集セットの流路内に残留する血液を採血または収集することである。これは、ドナーから針を除去するステップ、針を真空密閉サンプル採取バイアルまたは管の中に挿入するステップ、および流路からの血液がバイアルの中に流出することを可能にするステップを伴う。別の代替物は、収集コンテナの近傍の流路を締め付け、ドナーから収集(サンプル採取)バイアルまたは管に採血されている血液を迂回させることである。本手技は、主要流路上に事前に取り付けられたサンプル採取部位を有する、特定のタイプの使い捨て管類セットを採用してもよい。サンプル採取部位またはその近傍の血液は、別個に提供される針または他の穿刺デバイスを用いてサンプル採取部位を穿刺し、サンプル採取バイアルをそれに取り付けることによって、取得されてもよい。流入する血液が外部環境に暴露されるである危険性を最小限にするために、サンプルは、典型的には、献血の完了後に収集される。代替として、いくつかの収集バッグまたは収集セットは、収集される血液の一部(例えば、最初の20ml)を隔離するための迂回パウチを含む。血液サンプル採取システムの別の実施例は、流路内に含まれる拡大サンプル収集部分を伴う血液収集セットを説明する、米国特許第5,167,656号(その全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。サンプル採取用の血液は、収集コンテナの近傍の流路を締め付け、拡大管類部分が血液で充填することを可能にすることによって、拡大部分内で収集される。
【0080】
軟膜方法が、当技術分野で公知である。軟膜方法は、遠心分離を介して凝固していない血液サンプルの血液成分を分離し、血漿を含む層、赤血球を含む層、および血小板ならびに白血球を含む層(すなわち、軟膜)を取得するステップを含む。遠心分離に続いて、軟膜は、血小板の調製剤を取得するように他の血液成分から単離されてもよい。
【0081】
多血小板血漿(PRP)方法が、当技術分野で公知である。PRP方法は、遠心分離を介して凝固していない血液サンプルの血液成分を分離し、赤血球を含む層、および血漿ならびに血小板を含む層を取得するステップを含む。遠心分離に続いて、血漿および血小板の層は、血小板の調製剤を取得するように他の血液成分から単離され(随意に、血小板を濃縮するようにさらに遠心分離され)てもよい。
【0082】
病原体不活性化化合物(PIC)
本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、病原体不活性化は、(例えば、血小板の調製剤への)ある量の病原体不活性化化合物の添加を要求する。例えば、病原体不活性化は、種々の病原体を不活性化する低分子量化合物の添加を伴ってもよく、特定の方法は、好適な波長の光を使用する照明によって活性化されたときに、存在し得る種々の病原体を不活性化するであろう、光増感剤の添加を伴う。市販されている2つの方法は、紫外線を用いた後続の照明を伴う、血小板へのアモトサレンまたはリボフラビンの添加を含む。他の方法は、アモトサレン以外のソラレン誘導体、リボフラビン以外のイソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン等の染料、フェノチアジン染料(例えば、メチレンブルー、アズールB、アズールC、チオニン、トルイジンブルー)、ポルフィリン誘導体(例えば、ジヘマトポルフィリンエーテル、ヘマトポルフィリン誘導体、ベンゾポルフィリン誘導体、アルキル置換サフィリン)、およびメロシアニン540(Prodouz et al., Blood Cells 1992, 18 (1): 101-14; Sofer, Gail, BioPharm, August 2002)を含む、他の光活性化合物を用いた照明を含む。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、光活性病原体不活性化である。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物(PIC)は、ソラレンである。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物(PIC)は、アモトサレンである。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物(PIC)は、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、メロシアニン540、およびそれらの塩または遊離塩基から成る群から選択される。
【0083】
血小板添加溶液(PAS)
血小板添加溶液は、例えば、Alhumaidan et al.およびRingwald et al.(Alhumaidan, H. and Sweeney, J., J Clin Apheresis, 27: 93-98(2012)、Ringwald et al., Transfusion Medicine Reviews, 20: 158-64(2006))(それらの全体として本明細書に組み込まれる)によって説明されるように、当技術分野で公知である。本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板添加溶液(PAS)は、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む。本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板添加溶液(PAS)は、当分野で概して容認されている、規制機関または認定団体によって承認されたPASである。
【0084】
本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板添加溶液(PAS)は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムのうちの1つ以上のものを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、およびカリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、および酢酸塩を含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、および酢酸塩を含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、およびカリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコースを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびグルコン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、および塩化カリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびリン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびグルコン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Iである。いくつかの実施形態では、PASは、PlasmaLyteである。いくつかの実施形態では、PASは、Pas-IIである。いくつかの実施形態では、PASは、T-Solである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-IIIである。いくつかの実施形態では、PASは、Intersolである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-III MSSPである。いくつかの実施形態では、PASは、ComposolPAS-Gである。いくつかの実施形態では、PASは、M-Solである。いくつかの実施形態では、PASは、Isoplateである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Aである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Bである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Cである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Dである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Eである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Fである。いくつかの実施形態では、PASは、PAS-Gである。
【0088】
PASおよびPICの溶液
概して、PASおよびPICを含む溶液は、本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかで使用するために十分な任意の体積であり得る。本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約200mL~約900mL、約300mL~約800mL、約400mL~約700mL、または約500mL~約600mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、または約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約1,000mL未満、約800mL未満、約600mL未満、約500mL未満、約400mL未満、約300mL未満、または約200mL未満の体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約800mLを上回る、約700mLを上回る、約600mLを上回る、約500mLを上回る、約400mLを上回る、約300mLを上回る、約200mLを上回る、または約100mLを上回る体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約1,000mL~約5,000mLの体積を有する。
【0089】
概して、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、例えば、PASおよびPICを含む溶液ならびに血小板の調製剤を混合するときに組み合わせられるべき体積を考慮すること等の本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかで使用するために、PASおよびPICを含む溶液を血小板の調製剤と混合することに応じて、PICの「最終的な」所望の濃度を提供する、PICの任意の好適な濃度であり得る。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約25μM~約1,200μM、約50μM~約1,000μM、約50μM~約750μM、約50μM~約500μM、約75μM~約500μM、約100μM~約400μM、約150μM~約350μM、約200μM~約300μM、または約225μM~約250μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約25μM、約50μM、約75μM、約100μM、約125μM、約150μM、約175μM、約200μM、約250μM、約275μM、約300μM、約325μM、約350μM、約375μM、約400μM、約450μM、約500μM、約550μM、約600μM、約650μM、約700μM、約750μM、約800μM、約850μM、約900μM、約1,000μM、約1,100μM、約1,200μM、約1,300μM、約1,400μM、または約1,500μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約225μM~約235μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約225μM、約226μM、約227μM、約228μM、約229μM、約230μM、約231μM、約232μM、約233μM、約234μM、または約235μMである。
【0090】
いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップに由来する。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ(a)に先立って、PASの溶液およびPICの溶液を組み合わせ、PASおよびPICを含む溶液を生じさせるステップを含む。いくつかの実施形態では、PASの溶液は、PASコンテナ(例えば、PAS貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PICの溶液は、PICコンテナ(例えば、PIC貯蔵コンテナ)に由来する。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、PASおよびPICを含む溶液を血小板の調製剤と混合する約6ヶ月未満、約4ヶ月未満、約3ヶ月未満、約2ヶ月未満、約1ヶ月未満、約3週間未満、約2週間未満、約1週間未満、約5日未満、約4日未満、約3日未満、約48時間未満、約36時間未満、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約4時間未満、約2時間未満、または約1時間未満前に(例えば、以内に)、組み合わせられる。いくつかの実施形態では、PASの溶液およびPICの溶液は、PASおよびPICを含む溶液を血小板の調製剤と混合する約5分~約72時間、約5分~約48時間、約5分~約36時間、約5分~約24時間、約5分~約18時間、約5分~約12時間、約5分~約8時間、約5分~約6時間、約5分~約4時間、約5分~約2時間、または約5分~約1時間前に、組み合わせられる。
【0091】
PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の体積は、約100mL~約1,000mLである。いくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の体積は、約200mL~約800mL、約200mL~約775mL、約250mL~約775mL、約225mL~約525mL、約500mL~約775mL、約200mL~約300mL、約300mL~約400mL、約400mL~約500mL、約500mL~約600mL、約600mL~約700mL、または約700mL~約800mLである。いくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の体積は、約255mL、510mL、または約765mLである。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤が血漿を含む、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤は、約65:35のPAS対血漿の比を有する。
【0092】
いくつかの実施形態では、血小板の調製剤が血漿を含む、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の全体積は、体積比で約32~約47%血漿を含む。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤が血漿を含む、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の全体積は、体積比で約53%~約63%PASを含む。いくつかの実施形態では、血漿は、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の体積比で約32~47%を含み、血小板添加溶液(例えば、PICを伴う血小板添加溶液)は、残りの体積(すなわち、53~68%PAS、%血漿+%PAS=100)を含む。血漿体積はまた、例えば、血小板と関連付けられる任意の体積および/または処理中に使用される抗凝固剤と関連付けられる任意の体積等のPAS(例えば、PICを伴うPAS)ではない任意の体積を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤の体積比で約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、または約47%の血漿を含む。いくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤内のPAS対血漿の体積比は、約68:32、約67:33、約66:34、約65:35、約64:36、約63:37、約62:38、約61:39、約60:40、約59:41、約58:42、約57:43、約56:44、約55:45、約54:46、または約53:47である。
【0093】
病原体不活性化
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤は、混和剤が病原体を光化学的に不活性化するために十分な光に暴露された後に、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、PICの濃度は、(例えば、混和剤が病原体を光化学的に不活性化するために十分な光に暴露された後に)存在する場合、病原体の少なくとも1 log、少なくとも約2 log、少なくとも約3 log、少なくとも約4 log、少なくとも約5 log、少なくとも約6 log、または少なくとも約7 log、少なくとも約8 log、少なくとも約9 log、もしくは少なくとも約10 logの不活性化をもたらすために十分である。
【0094】
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤は、約5μM~約500μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、約150μM未満の濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、約15μM~約400μM、約25μM~約300μM、約50μM~約250μM、約75μM~約225μM、約100μM~約200μM、約125μM~約175μM、約25μM~約250μM、約25μM~約200μM、約25μM~約150μM、約25μM~約100μM、約25μM~約50μM、約25μM~約35μM、約30μM~約150μM、約30μM~約90μM、約50μM~約150μM、約50μM~約100μM、約50μM~約75μM、約75μM~約150μM、約75μM~約100μM、約10μM~約400μM、約10μM~約250μM、約10μM~約200μM、約10μM~約150μM、約10μM~約100μM、約10μM~約50μM、約10μM~約25μM、約15μM~約250μM、約15μM~約200μM、約15μM~約150μM、約15μM~約90μM、約15μM~約50μM、約15μM~約30μM、または約15μM~約25μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、約145μM~約155μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、約145μM、約146μM、約147μM、約148μM、約149μM、約150μM、約151μM、約152μM、約153μM、約154μM、または約155μMの濃度におけるPICを含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、約10μM、約15μM、約20μM、約25μM、約30μM、約35μM、約40μM、約45μM、約50μM、約55μM、約60μM、約65μM、約70μM、約75μM、約80μM、約85μM、約90μM、約95μM、約100μM、約110μM、約120μM、約130μM、または約140μMの濃度におけるPICを含む。
【0095】
本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤は、約2.0×1011個の血小板~約14.0×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、混和剤は、少なくとも約2.0×1011個の血小板、少なくとも約3.0×1011個の血小板、少なくとも約4.0×1011個の血小板、少なくとも約5.0×1011個の血小板、少なくとも約6.0×1011個の血小板、少なくとも約7.0×1011個の血小板、少なくとも約8.0×1011個の血小板、少なくとも約9.0×1011個の血小板、少なくとも約10.0×1011個の血小板、少なくとも約11.0×1011個の血小板、または少なくとも約12.0×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板の調製剤は、少なくとも約2.0×1011個の血小板、少なくとも約2.2×1011個の血小板、少なくとも約2.4×1011個の血小板、少なくとも約2.5×1011個の血小板、少なくとも約2.6×1011個の血小板、少なくとも約2.7×1011個の血小板、少なくとも約2.8×1011個の血小板、少なくとも約2.9×1011個の血小板、または少なくとも約3.0×1011個の血小板を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製する方法はさらに、約30分~約24時間の周期にわたって、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤をインキュベートするステップを含み、インキュベートは、混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップに先立つ。混和剤に光を受けさせるステップに先立ったインキュベートは、予備インキュベートと称され得る。いくつかの実施形態では、混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップに先立って、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤をインキュベートするステップは、約24時間未満、約22時間未満、約20時間未満、約18時間未満、約16時間未満、約14時間未満、約12時間未満、約10時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、または約1時間未満の周期にわたる。いくつかの実施形態では、混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップに先立って、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤をインキュベートするステップは、約22時間を上回る、約20時間を上回る、約18時間を上回る、約16時間を上回る、約14時間を上回る、約12時間を上回る、約10時間を上回る、約8時間を上回る、約6時間を上回る、約5時間を上回る、約4時間を上回る、約3時間を上回る、約2時間を上回る、または約1時間を上回る、または約30分を上回る周期にわたる。いくつかの実施形態では、混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップに先立って、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤をインキュベートするステップは、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、または約24時間の周期にわたる。混和剤に病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップに先立って、約30分~約24時間の周期にわたって、PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤をインキュベートするステップは、病原体不活性化の改良をもたらし得る。いくつかの実施形態では、そのような予備インキュベートは、予備インキュベートステップを伴わないが、血小板組成物を調製する同一の方法に起因する、その病原体(すなわち、同一の病原体)の不活性化の程度と比較して、血小板の調製剤内に存在する病原体の不活性化の程度の増加をもたらし得る。病原体の不活性化の程度の増加は、病原体の不活性化の少なくとも1 log、少なくとも2 log、少なくとも3 log、少なくとも4 log、少なくとも5 log、少なくとも6 log、少なくとも7 log、少なくとも8 log、少なくとも9 log、または少なくとも10 logの増加であってもよい。いくつかの実施形態では、予備インキュベートは、予備インキュベートステップを伴わないが、血小板組成物を調製する同一の方法の結果として、血小板の調製剤内に存在する場合、不活性化されることが可能である病原体の数と比較して、(例えば、少なくとも1、2、3、4、または5 logによる)血小板の調製剤内に存在する場合、不活性化されることが可能である病原体の数の増加をもたらし得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される病原体不活性化の改良は、1つ以上の細菌もしくはウイルス(例えば、エンベロープウイルス、非エンベロープウイルス)または寄生虫に対して呈される。
【0097】
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PAS、PIC、および血小板の調製剤が受ける光の波長は、約200nm~約400nmである。いくつかの実施形態では、光の波長は、紫外線Aスペクトル(例えば、約315~400nm)内である。いくつかの実施形態では、光の持続時間は、約1秒~約30分である。いくつかの実施形態では、光の強度は、約1~約30mW/cm2である。いくつかの実施形態では、光の線量は、約1J/cm2~約20J/cm2である。
【0098】
本明細書に説明される方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤(例えば、ステップ(b)の混和剤)に光を受けさせた後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも2 log、少なくとも3 log、または少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤(例えば、ステップ(b)の混和剤)に光を受けさせた後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である。いくつかの実施形態では、対象の中に注入するために好適な血小板組成物は、約5μMまたはそれ未満、約4μMまたはそれ未満、約3μMまたはそれ未満、約2μMまたはそれ未満、約1μMまたはそれ未満、もしくは約0.5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、対象の中に注入するために好適な血小板組成物は、約5μM未満、約4μM未満、約3μM未満、約2μM未満、約1μM未満、または約0.5μM未満、もしくはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法のうちのいずれかでは、本方法は、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後(例えば、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後)の血小板組成物は、約5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも2 log、少なくとも3 log、または少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後(例えば、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後)の血小板組成物は、約4μMまたはそれ未満、約3μMまたはそれ未満、約2μMまたはそれ未満、約1μMまたはそれ未満、もしくは約0.5μMまたはそれ未満のPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の後(例えば、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後)の血小板組成物は、約5μM未満、約4μM未満、約3μM未満、約2μM未満、約1μM未満、または約0.5μM未満のPICを含む。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後(例えば、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後)の血小板組成物は、約4μMまたはそれ未満、約3μMまたはそれ未満、約2μMまたはそれ未満、約1μMまたはそれ未満、もしくは約0.5μMまたはそれ未満(例えば、5μM未満、4μM未満、3μM未満、2μM未満、1μM未満、0.5μM未満)のPICを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の混和剤内のPICの濃度は、少なくとも10μM、少なくとも15μM、少なくとも20μM、少なくとも25μM、少なくとも30μM、少なくとも40μM、少なくとも50μM、少なくとも60μM、少なくとも70μM、少なくとも80μM、少なくとも90μM、少なくとも100μM、少なくとも110μM、少なくとも120μM、少なくとも130μM、少なくとも140μM、または少なくとも150μMである。
【0099】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製する方法は、混和剤に光を受けさせるステップに先立って、約30分~約24時間の周期にわたって、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤をインキュベートするステップを含み、(a)本方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 log、少なくとも2 log、少なくとも3 log、少なくとも4 log、もしくは少なくとも5 log以上のものを不活性化するために十分であり、(b)PAS、PIC、および血小板の調製剤の混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMであり、(c)血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後の血小板組成物は、5μM未満、4μM未満、3μM未満、2μM未満、約1μM未満、0.5μM未満のPICを含む。
【0100】
血小板品質
本開示はまた、注入(例えば、病原体不活性化後のヒト対象の中への注入)のために好適な改良された血小板品質を伴う血小板組成物も提供し、血小板組成物は、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される。例えば、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物は、既存の方法および処理セットを用いて提供される(例えば、本明細書に説明されるような)病原体不活性化を受けた後の貯蔵中に、より長い持続時間にわたって、および/または未処理の(例えば、病原体が不活性化されていない)血小板組成物により近いレベルで、有利な特性(特に、好適なpHであるが、溶解酸素、二酸化炭素、グルコース、乳酸塩、ATP、LDH、p-選択発現(例えば、CD62P)、細胞形態(例えば、形態スコア)、形状変化の程度またはESC、および低張ショック応答またはHSRのうちのいずれかも含み、それに限定されない)を留保する。そのような血小板組成物特性は、例えば、当技術分野で公知の検定を使用すること等の当技術分野で公知であり、一般的に測定されているものであってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物は、(例えば、最大7日にわたる)病原体不活性化および貯蔵を受けた後でさえも、未処理の(例えば、病原体が不活性化されていない)血小板組成物または病原体不活性化に続いて貯蔵を受けていない血小板組成物のpHにより近いpHを留保する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物のpHは、>6.2であり、血小板組成物は、血小板不活性化に続いて、約2日、3日、4日、5日、6日、および7日のうちの少なくともいずれか等の少なくとも約1日にわたって室温で貯蔵されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物のpHは、>6.4であり、血小板組成物は、血小板不活性化に続いて、約2日、3日、4日、5日、6日、および7日のうちの少なくともいずれか等の少なくとも約1日にわたって室温で貯蔵されている。
【0102】
血小板単位
本開示はまた、注入(例えば、ヒト対象の中への注入)のために好適な血小板組成物、例えば、最小数の血小板を含む、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって調製される血小板組成物も提供する。
【0103】
本明細書に提供される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板組成物は、少なくとも約2.0×1011個の血小板、少なくとも約3.0×1011個の血小板、少なくとも約4.0×1011個の血小板、少なくとも約5.0×1011個の血小板、少なくとも約6.0×1011個の血小板、少なくとも約7.0×1011個の血小板、少なくとも約8.0×1011個の血小板、少なくとも約9.0×1011個の血小板、少なくとも約10.0×1011個の血小板、少なくとも約11.0×1011個の血小板、または少なくとも約12.0×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、少なくとも約2.0×1011個の血小板、少なくとも約2.2×1011個の血小板、少なくとも約2.4×1011個の血小板、少なくとも約2.5×1011個の血小板、少なくとも約2.6×1011個の血小板、少なくとも約2.7×1011個の血小板、少なくとも約2.8×1011個の血小板、少なくとも約2.9×1011個の血小板、または少なくとも約3.0×1011個の血小板を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、血小板組成物は、ヒト対象(例えば、血小板注入を必要としている対象)の中に注入するために好適な血小板の治療用量(例えば、治療投薬単位)を含む。いくつかの実施形態では、治療用量は、政府機関、規制機関、施設、および/または認定団体(例えば、献血血液製剤(例えば、献血血小板)に関する政府機関、規制機関、施設および/または認定団体)の基準(例えば、合格基準)によって定義されるような最小数(例えば、少なくとも最小数)の血小板を含む。いくつかの実施形態では、規制機関は、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration;FDA)、欧州医薬品庁(European Medicines Agency;EMA)、オーストラリア治療製品管理局(Australian Therapeutic Goods Administration;TGA)、中国食品医薬品管理局(China Food and Drug Administration;CFDA)、または日本厚生労働省(Japan Ministry of Health, Labour, and Welfare;MHLW)である。いくつかの実施形態では、認定団体は、AABBまたは欧州医薬品品質管理局(European Directorate for the Quality of Medicines & HealthCare;EDQM)である。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、血小板の治療用量の基準を定義する、政府機関、規制機関、施設、および/または認定団体の国内で調製される。いくつかの実施形態では、血小板の治療投薬単位は、少なくとも約2.0×1011個の血小板、少なくとも約2.2×1011個の血小板、少なくとも約2.4×1011個の血小板、少なくとも約2.5×1011個の血小板、少なくとも約2.6×1011個の血小板、少なくとも約2.7×1011個の血小板、少なくとも約2.8×1011血小板、少なくとも約2.9×1011個の血小板、または少なくとも約3.0×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板の治療投薬単位は、少なくとも約2.4×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板の治療投薬単位は、少なくとも約2.6×1011個の血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板の治療投薬単位は、少なくとも約3.0×1011個の血小板を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、血小板組成物は、複数の血小板組成物または血小板の調製剤からの血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、2人以上のドナーからの貯留されたアフェレーシス由来の血小板を含み、貯留されたアフェレーシス由来の血小板は、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって処理されている。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、2人以上のドナーからの貯留された全血由来の血小板(例えば、軟膜血小板、PRP血小板)を含み、貯留された全血由来の血小板は、本明細書に開示される方法のうちのいずれかによって処理されている。いくつかの実施形態では、複数の血小板組成物または血小板の調製剤は、貯留に先立って、本明細書に開示される方法に従って処理されている。いくつかの実施形態では、複数の血小板組成物または血小板の調製剤は、貯留後に、本明細書に開示される方法に従って処理されている。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、同一のABO血液型のドナーからの血小板を含む。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、同一のABOおよびRh型からの血小板を含む。
【0106】
貯蔵
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、血小板組成物は、例えば、22±2℃において、例えば、温度制御されたキャビネット内の平台攪拌器(例えば、1分に60サイクル、モデルLPR-3(Melco, Glendale, CA, USA))上で、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、または少なくとも7日にわたって貯蔵されてもよい。いくつかの実施形態では、血小板組成物は、例えば、22±2℃において、例えば、温度制御されたキャビネット内の平台攪拌器(例えば、1分に60サイクル、モデルLPR-3(Melco, Glendale, CA, USA))上で、最大5、最大6、または最大7日にわたって貯蔵されてもよい。
【0107】
血小板処理
本開示に説明されるような血小板処理は、当技術分野で周知である、血液製剤コンテナまたは血液製剤バッグシステムの使用を伴ってもよい。一般に、そのようなシステムは、1つを上回るプラスチックコンテナ、典型的には、プラスチックバッグを含んでもよく、バッグは、プラスチック管類と一体的に接続されてもよい。本明細書に説明されるコンテナのうちのいくつかは、血小板製剤を含む血液製剤の貯蔵および取扱において公知であるようなプラスチックバッグを含む。血液バッグは、典型的には、例えば、最大350mL容量、450mL容量、500mL容量、1リットル容量、最大1.5リットル容量、または最大2リットル容量を有する、限定ではないが、50mL~2リットルに及ぶ体積を含む、流体の種々の体積を保持するように設計されることができる。方法がバッグを指すとき、これは、血液製剤取扱で使用される任意のそのようなプラスチックバッグを含むことを理解されたい。そのようなバッグが「貯留バッグ」、「混合バッグ」、「除去バッグ」、「製剤バッグ」、「貯蔵バッグ」、または「照明バッグ」と称される場合、これらのバッグは、典型的血液製剤取扱バッグである、または本質的にそのようなバッグに類似することを理解されたい。本開示による、使用のために好適なプラスチックバッグは、例えば、PL2410を含むもの、または当技術分野で公知である他の好適なプラスチックを含む。プラスチックバッグ材料は、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、他のプラスチックと混合されたエチレン酢酸ビニル、および同等物を含む。
【0108】
本明細書に説明されるように、管類が、例えば、貯留用および/または処理セットのバッグ等の2つのバッグを接続するものとして説明される場合、管類は、2つのバッグの間の接続のための別の構成要素によって、その間のある点において継合され得ることを理解されたい。例えば、管類によって製剤バッグに接続される除去バッグは、管類が2つのバッグの間にフィルタを備える、すなわち、流体が管類およびフィルタを通して一方のバッグから他方のバッグまで流動するように、管類がフィルタによって分割される場合を含む。一実施例では、除去バッグおよび製剤バッグを接続する管類は、除去デバイスから製剤バッグまで流動する流体から、任意の遊離粒子を除去するためのフィルタを含むことができ、すなわち、管類は、バッグの間のフィルタによって分割または中断される。そのようなフィルタは、血小板がフィルタを通過することを可能にしながら、除去デバイスから落下し得る任意の小粒子を除去するように設計される。バッグの間の管類は、流体が1つのバッグから別のバッグまで流動することを可能にし、これは、例えば、1つのバッグ内の流体の処理の一部が、プロセス内の次のステップのために要求されるまで次のバッグまで流動しないように防止され得るため、必要になるまで流動を防止するように遮断され得る。したがって、クランプ、栓、弁、または同等物等の開放可能なシールが、バッグを接続する管類内または上に含まれ、クランプ、栓、弁、または同等物は、例えば、1つのバッグから次のバッグに流体を移送するために、要求に応じて選択的に開放されることができる。ある実施形態では、バッグの間の管類は、易破性弁等の易破性シールを備え、それに応じて、易破性シールを破ることは、血液製剤溶液が管類を通してバッグの間で流動することを可能にする。易破性シールは、システムの無菌状態が維持されるように、コンテナの間の接続内に含有されることを理解されたい。また、フィルタまたは易破性シールを備える管類は、管類がフィルタまたはシールによって中断され得る、例えば、管類が1つのバッグから延設され、フィルタまたはシール(管類の流入部分)に接続され、管類がフィルタまたはシールの別の部分から別のバッグ(管類の流出部分)まで継続する場合を含むことも理解されたい。そのような構成では、流体は、第1のバッグから、管類の流入部分を通して、フィルタまたはシールを通して、管類の流出部分を通して、他方のバッグの中に流動する。
【0109】
血液製剤処理システム内の異なるコンテナ(例えば、バッグ)が、プロセスの異なるステップに使用されることができる。例えば、血小板の調製剤の病原体不活性化に使用されるべきバッグのシステムは、病原体不活性化化合物(PIC)が内側に含有されたコンテナ、血小板添加溶液(PAS)が内側に含有されたコンテナ、PICおよびPASが内側に含有されたコンテナ、血小板(例えば、血小板献血)の調製剤およびPICならびにPASを受容するためのコンテナ(例えば、照明バッグ)、血小板の処理された単位からの病原体不活性化化合物および/またはその副産物の除去のためのバッグ(例えば、除去バッグ、化合物吸着デバイス、CADと称される)、および最終血小板組成物、例えば、使用の準備ができている、または後で使用するために貯蔵され得る、所望の濃度まで低減された不活性化化合物ならびに/もしくはその副産物の濃度を有する、病原体が不活性化された血小板単位(例えば、治療投薬単位)を含有するための1つ以上のバッグ(例えば、製剤バッグ、貯蔵バッグと称される)のうちの1つ以上のものを含むことができる。システム内の各バッグは、典型的には、プラスチック材料で構成される。例えば、病原体不活性化化合物の溶液を含有するためのコンテナは、PL2411(Baxter Healthcare)等の好適なプラスチック、またはポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、他のプラスチックと混合されたエチレン酢酸ビニル、および同等物等の他のプラスチックから作製されることができる。本コンテナはまた、光活性病原体不活性化化合物を活性化するであろう波長の光に対して不透過性である材料(例えば、PL2420(Baxter Healthcare)等の好適なプラスチック)で包装される。光活性化された病原体活性化化合物用の照明バッグは、選択された波長の光に対して半透過性である、透明な耐久性のある熱可塑性材料を要求する。紫外線A波長範囲内の光に対して半透過性である好適なプラスチックは、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、他のプラスチックと混合されたエチレン酢酸ビニル、または熱可塑性ポリマーの他の混合物を含む。そのような好適なプラスチックは、PL2410(Baxter Healthcare)およびPL732(Baxter Healthcare)を含む。類似材料が、除去バッグおよび製剤バッグを作製するために使用されてもよい。製剤バッグは、例えば、PL2410から作製されるものを含む。好適なバッグ材料は、そのようなバッグ材料および関連材料に関するため、例えば、PCT公開第WO2003078023号および米国特許第7025877号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に議論されている。あらゆる場合において、処理セットを調製する際に使用される材料は、処理セットの無菌状態を確実にするために使用される蒸気およびガンマまたは電子ビーム放射等の既知の方法によって、滅菌可能である必要がある。これらは、バッグを作製するための例示的材料であるが、本明細書に説明される方法、キット、および組成物は、当業者に容易に利用可能であろうような任意の好適なバッグ材料を使用するプロセスに適用可能であり、また、バッグ以外のコンテナと併用されることもできる。照明、除去、および貯蔵に使用されるバッグはまた、その中の血小板が処理および貯蔵中に十分な酸素供給および二酸化炭素レベルを有するように、酸素および二酸化炭素等のガスが血液バッグの中および外に進むことを可能にするように設計される。
【0110】
本開示のある側面は、処理セットに関する。本開示の処理セットは、とりわけ、例えば、本明細書に説明されるように、注入のために好適な複数の血小板組成物(例えば、血小板単位)を調製する際に、用途を見出し得る。上記に説明されるバッグおよび管類等の例示的構成要素のうちのいずれかは、本開示の処理セットで用途を見出し得る。
【0111】
病原体不活性化
血小板含有血液製剤を含む、血液製剤は、病原体を含有し得る、または処理中に病原体で汚染され得る。したがって、輸血感染症の危険性を低減させるために、そのような血液製剤に病原体不活性化プロセスを受けさせることが望ましい。種々のプロセスおよび方法が、血小板含有血液製剤内の輸血関連疾患の伝染の危険性を軽減するように査定されている。病原体のスクリーニングおよび検出、ならびに汚染された血液製剤の後続の排除を除いて、存在し得る病原体を不活性化するための処理(すなわち、病原体不活性化)を組み込むプロセスが、利用可能である。理想的には、そのようなプロセスは、血液製剤内に存在し得る、ウイルス、細菌、および寄生虫等の広範囲の病原体の不活性化をもたらす。ある実施形態では、病原体不活性化の方法は、血小板の調製剤へのある量の病原体不活性化化合物の添加(例えば、血小板調製剤を処理すること)を要求する。例えば、病原体不活性化は、種々の病原体を不活性化する低分子量化合物の添加を伴ってもよく、特定の方法は、好適な波長の光を使用する照明によって活性化されたときに、存在し得る種々の病原体を不活性化するであろう、光増感剤の添加を伴う。市販されている2つの方法は、紫外線を用いた後続の照明を伴う、血小板へのアモトサレンまたはリボフラビンの添加を含む。他の方法は、光増感剤の添加を伴わない紫外線を用いた照明、ならびにアモトサレン以外のソラレン誘導体、リボフラビン以外のイソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン等の染料、フェノチアジン染料(例えば、メチレンブルー、アズールB、アズールC、チオニン、トルイジンブルー)、ポルフィリン誘導体(例えば、ジヘマトポルフィリンエーテル、ヘマトポルフィリン誘導体、ベンゾポルフィリン誘導体、アルキル置換サフィリン)、およびメロシアニン540(Prodouz et al., Blood Cells 1992, 18(1): 101-14; Sofer, Gail, BioPharm, August 2002)を含む、他の光活性化合物を用いた照明を含む。他の病原体不活性化システムは、例えば、血液製剤内の病原体不活性化に関するため、PCT公開第WO2012071135号、第WO2012018484号、第WO2003090794号、第WO2003049784号、第WO1998018908号、第WO1998030327号、第WO1996008965号、第WO1996039815号、第WO1996039820号、第WO1996040857号、第WO1993000005号、米国特許出願第US20050202395号、および米国特許第8296071号、ならびに第6548242号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものを含む。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540から成る群から選択される、光活性病原体不活性化化合物である。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレンである。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、アモトサレンである。血小板への化合物の添加が病原体不活性化に使用される場合、方法が照明を要求するかどうかにかかわらず、いくつかの事例では、任意の残留病原体不活性化化合物またはその副産物(例えば、光分解生成物)を除去することが望ましい。
【0112】
本明細書に説明されるような病原体不活性化および病原体不活性化化合物の除去のための方法は、血小板調製剤が個々の血小板献血(例えば、アフェレーシス収集血小板)または貯留された血小板調製剤を含むかどうかにかかわらず、任意の血小板調製剤に適用可能である。
【0113】
本明細書に開示されるいくつかの病原体不活性化方法は、血小板の所望の生物学的活性を実質的に維持しながら、除去デバイス(すなわち、血小板の調製剤内の小有機化合物およびその副産物等の病原体不活性化化合物の濃度を低減させるためのデバイス)の使用を要求しなくてもよい。
【0114】
いくつかの病原体不活性化方法は、血小板の所望の生物学的活性を実質的に維持しながら、除去デバイス(すなわち、血小板の調製剤内の小有機化合物およびその副産物等の病原体不活性化化合物の濃度を低減させるためのデバイス)の使用を要求し得る。いくつかの実施形態では、除去デバイスは、化合物吸着デバイス(CAD)と称され、例えば、吸着粒子等の1つ以上の材料を含有し、また、そこから病原体不活性化化合物およびその副産物の濃度が低減されるものである、血小板の調製剤を含有するためにも好適である、コンテナ(例えば、CADコンテナ、CADバッグ)を備えてもよい。そのような除去デバイスは、概して、バッチモードで使用されることを意図しており、すなわち、本デバイスは、血小板と接触し、かつ除去デバイスと継続的に接触して設置され、例えば、血小板の溶液の本質的に全体が接触時間にわたって除去デバイスと接触することを可能にするための振動が、病原体不活性化化合物のレベルの低減をもたらす。そのようなバッチデバイスは、病原体不活性化化合物を結合する吸着粒子の使用を伴い、照明に続いて吸着粒子を血小板コンテナ(例えば、バッグ)に直接添加すること、または照明に続いて吸着粒子を含有するバッグに血小板を移送することのいずれかによって、使用されることができ、血小板は、次いで、血小板調製剤が除去デバイスに接触している状態で規定時間周期にわたって攪拌される。遊離吸着粒子が除去デバイスとして使用されてもよいが、そのような粒子は、粒子をパウチと接触させながら、吸着粒子との血小板溶液の接触を可能にする、ポリエステルまたはナイロンメッシュパウチ等のメッシュパウチ内に含有されてもよい。代替として、吸着粒子は、固定化された基質がバッチ除去に使用される血液バッグ内に直接存在し得る、基質内で固定化されてもよい、または同様に、メッシュパウチ内に含有されてもよい。いくつかの事例では、除去デバイスは、病原体不活性化化合物を所望の濃度まで低減させるために十分な量で多孔質吸着粒子を備え、吸着粒子は、病原体不活性化化合物に関して親和性を有し、そのような吸着粒子は、吸着粒子との接触によって除去または損傷されるべきではない成分に最小限の影響を及ぼして、除去されるべき1つまたは複数の化合物を最良に吸着するように選択され得ることを理解されたい。活性炭、シリカ、珪藻土、およびセルロース等の天然材料、ならびに疎水性樹脂、親水性樹脂、またはイオン交換樹脂等の合成材料から作製される粒子状物質を含む、除去されるべき化合物と相互作用することが可能な任意の天然または合成材料から作製される粒子を概して含む、種々の吸着粒子が、公知である。そのような合成樹脂は、例えば、炭素質材料、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、カチオン交換樹脂、およびポリスチレン-ジビニルベンゼンを含む。本明細書に説明されるような方法で使用するために好適なそのような除去デバイスの詳細な説明は、そのような除去デバイスおよびそのようなデバイスを調製するために使用される吸着粒子ならびに他の材料の議論に関して、PCT公開第WO1996040857号、第WO1998030327号、第WO1999034914号、および第WO2003078023号(その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)で見出されることができる。例示的吸着粒子は、限定ではないが、Amberlite(Rohm and Haas)XAD-2、XAD-4、XAD-7、XAD-16、XAD-18、XAD-1180、XAD-1600、XAD-2000、XAD-2010;Amberchrom(Toso Haas)CG-71m、CG-71c、CG-161m、CG161c;Diaion Sepabeads(Mitsubishi Chemicals)HP20、SP206、SP207、SP850、HP2MG、HP20SS、SP20MS;Dowex(Dow Chemical)XUS-40285、XUS-40323、XUS-43493(Optipore V493(乾燥形態)またはOptipore L493(水和形態)とも称される)、Optipore V503、Optipore SD-2;Hypersol Macronet(Purolite)MN-100、MN-102、MN-150、MN-152、MN-170、MN-200、MN-202、MN-250、MN-252、MN-270、MN-300、MN-400、MN-500、MN-502、Purosorb(Purolite)PAD350、PAD400、PAD428、PAD500、PAD550、PAD600、PAD700、PAD900、およびPAD950を含む。固定化された基質を形成するために使用される材料は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、またはポリスルホン等の低融点ポリマーを含む。一実施例では、基質内で固定化される吸着粒子は、焼結媒体の形態である。本明細書に説明される方法、キット、および組成物は、当技術分野で公知であるような除去デバイスを包含し得ることが理解されるが、そのような方法およびデバイスは、市販されているようなアモトサレン不活性化血小板の除去デバイスを使用して例示され得る。そのような除去デバイスは、焼結基質内に含有されるHypersol Macronet MN-200吸着剤を備え、焼結基質は、結合剤としてPL2410プラスチックを含む。一事例では、除去デバイスは、PL2410を含む焼結基質内にHypersol Macronet MN-200吸着剤を備え、Hypersol Macronet MN-200は、約5~50グラム、約5~10グラム、約10~15グラム、約15~20グラム、約20~25グラム、約25~30グラム、約30~35グラム、約35~40グラム、約40~45グラム、または約45-50グラムの乾燥当量の量である。
【0115】
種々の樹脂が、除去デバイスを本明細書に説明されるような方法、キット、および組成物で有用にするために使用されるときに、異なる処理を要求し得るため、本明細書に説明される吸着樹脂の量の比較は、別様に示されない限り、樹脂の乾燥重量の比較である。例えば、樹脂は、処理に先立って<5%水分まで乾燥され、吸着剤の乾燥重量の当量が、使用時の樹脂の量を比較する際に使用される。例えば、Hypersol Macronet MN-200は、血小板単位との接触に応じて直接使用可能で有るように、吸着剤または典型的には吸着剤の湿潤と称されるものを安定させるために処理される。そのような湿潤サンプルは、例えば、約50%グリセロールまたは他の好適な湿潤剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、吸着樹脂は、ポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂である。いくつかの実施形態では、ポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂は、Hypersol Macronet MN-200である。いくつかの実施形態では、吸着剤は、焼結基質内に含有され、焼結基質は、PL2410結合剤を含む。いくつかの実施形態では、Hypersol Macronet MN-200吸着剤は、除去デバイスを提供するように焼結基質内に含有される。
【0116】
本明細書に説明される方法、キット、および組成物のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素(例えば、コンテナ、CAD、PIC)は、例えば、INTERCEPT(R)血液システム(Cerus)等の市販の病原体不活性化システムに由来する、または実質的に類似し得る。INTERCEPT(R)血液システムは、欧州血液センター内の幅広い採用および米国内のFDA承認を伴って、病原体不活性化のためのシステムとして当技術分野で周知である。INTERCEPT(R)血液システムおよびそれに関する病原体不活性化方法ならびに組成物のさらなる説明に関して、例えば、血液製剤内の病原体不活性化に関するため、米国特許第5399719号、第5556993号、第5578736号、第5585503号、第5593823号、第5625079号、第5654443号、第5712085号、第5871900号、第5972593号、第6004741号、第6004742号、第6017691号、第6194139号、第6218100号、第6503699号、第6544727号、第6951713号、第7037642号、および第7611831号、ならびにPCT公開第WO1995000141号、第WO1996014739号、第WO1997021346号、第WO1998030327号、第WO1999034914号、および第WO1999034915号(それぞれの開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0117】
血小板組成物を調製するためのキット
本開示は、いくつかの側面では、本明細書に開示される方法のうちのいずれかに従って血小板組成物を調製するためのキット、例えば、処理セットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、使い捨て処理セットである。
【0118】
いくつかの実施形態では、キットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)血小板組成物を調製することの使用説明書とを備える。
【0119】
本明細書に開示される血小板組成物(例えば、病原体が不活性化された血小板組成物)を調製するためのキットは、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備え、PASおよびPICを含む溶液は、任意の数の血小板組成物(例えば、血小板単位または治療用量)を調製するために十分な体積である。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上の第1のコンテナを備え、2つ以上の第1のコンテナはそれぞれ、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の異なる体積を含有し、2つ以上の第1のコンテナのうちの1つは、調製されるべき血小板組成物の数または体積の量に基づいて、使用するために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、キットは、3つの第1のコンテナを備え、1つの第1のコンテナは、1つの血小板組成物(例えば、血小板単位、治療用量)を調製するために血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有し、別の第1のコンテナは、2つの血小板組成物を調製するために血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有し、さらに別の第1のコンテナは、3つの血小板組成物を調製するために血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液の十分な体積を含有する。本明細書に提供される方法のうちのいずれかで本キットを使用するとき、3つの第1のコンテナのうちの1つが、調製されるべき血小板組成物の数に基づいて、使用するために選択されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第2のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0121】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第2のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0122】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、第3のコンテナを備え、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第3のコンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、密閉されるが、第2のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第3のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0123】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第2のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第2のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0124】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナとを備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、第3のコンテナを備え、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第3のコンテナは、第2のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第2のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、密閉されるが、第2のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、第2のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第3のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに無菌で結合される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である。
【0125】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナは、相互に結合され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナおよび第2のコンテナは、相互の間に密閉されているが開放可能な経路を有するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第2のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、血小板の調製剤をPASおよびPICを含む溶液と混合するために好適であり得る。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第3のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに無菌で結合される。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適であり得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナは、相互に結合され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナおよび第2のコンテナは、相互の間に密閉されているが開放可能な経路を有するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第2のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、血小板の調製剤をPASおよびPICを含む溶液と混合するために好適であり得る。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、第4のコンテナを備え、第4のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第4のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、第4のコンテナは、第3のコンテナへの開放可能な経路を有するように構成される。いくつかの実施形態では、第4のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第4のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第4のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第4のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第4のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第4のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第4のコンテナに結合される。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットは、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナとを備え、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない。いくつかの実施形態では、第1のコンテナおよび第2のコンテナは、相互に結合される(例えば、無菌で結合される)ように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第2のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第1のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、第3のコンテナに無菌で結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、第2のコンテナを第3のコンテナに接続するための1つ以上の構成要素(例えば、管類、可撓性プラスチック管類)を備える。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、血小板の調製剤をPASおよびPICを含む溶液と混合するために好適であり得る。いくつかの実施形態では、第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、光化学不活性化波長範囲内の光(例えば、約200nm~約400nm、紫外線Aスペクトル)に対して実質的に半透過性である材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える。いくつかの実施形態では、第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である。いくつかの実施形態では、血小板組成物を調製するためのキットはさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、または3つ)の貯蔵コンテナを備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、(例えば、可撓性プラスチック管によって)第3のコンテナに一体的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、密閉されるが、第3のコンテナへの開放可能な経路を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、第3のコンテナに無菌で結合される。第1、第2、および第3のコンテナのうちのいずれか1つ以上のものは、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適であり得る。
【0128】
本明細書に説明されるキットのうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液は、約10mL~約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液は、約200mL~約900mL、約300mL~約800mL、約400mL~約700mL、または約500mL~約600mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液は、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、または約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液は、約1,000mL未満、約800mL未満、約600mL未満、約500mL未満、約400mL未満、約300mL未満、約200mL未満、約100mL未満、または約50mL未満の体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液は、約800mLを上回る、約600mLを上回る、約500mLを上回る、約400mLを上回る、約300mLを上回る、約200mLを上回る、約100mLを上回る、約50mLを上回る、または約10mLを上回る体積を有する。
【0129】
本明細書に説明されるキットのうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PASおよびPICの溶液内のPICの濃度は、約25μM~約1,200μM、約50μM~約1,000μM、約50μM~約750μM、約50μM~約500μM、約75μM~約500μM、約100μM~約400μM、約150μM~約350μM、約200μM~約300μM、または約225μM~約250μMである。いくつかの実施形態では、PICの濃度は、約25μM、約50μM、約75μM、約100μM、約125μM、約150μM、約175μM、約200μM、約250μM、約275μM、約300μM、約325μM、約350μM、約375μM、約400μM、約450μM、約500μM、約550μM、約600μM、約650μM、約700μM、約750μM、約800μM、約850μM、約900μM、約1,000μM、約1,100μM、約1,200μM、約1,300μM、約1,400μM、または約1,500μMである。いくつかの実施形態では、PICの濃度は、約225μM~約235μMである。いくつかの実施形態では、PICの濃度は、約225μM、約226μM、約227μM、約228μM、約229μM、約230μM、約231μM、約232μM、約233μM、約234μM、または約235μMである。
【0130】
本明細書に説明されるキットのうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。本明細書に説明されるキットのうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。本明細書に説明されるキットのうちのいずれかのいくつかの実施形態では、PICは、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、メロシアニン540、およびそれらの塩または遊離塩基から成る群から選択される。
【0131】
本明細書に開示される方法に従って血小板組成物を調製するためのキットの非限定的実施例が、
図1A-1Eおよび2A-2Eに図示される。
【0132】
図1Aに示される例示的キット100は、(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナ105と、(b)第2のコンテナ(例えば、血小板コンテナ)110とを含み、第1のコンテナ105は、第2のコンテナ110に結合されない。鎖線115、120は、血小板の調製剤が、PASおよびPICを含む溶液を備える、第1のコンテナ105に添加され得る、または血小板の調製剤が、第2のコンテナ110に添加され得ることを示す。
図1Aに示される第1のコンテナ105は、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適であり、随意に、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。
図1Aに描写される第2のコンテナ110は、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適であり、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適である。さらに、第2のコンテナ110は、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップ、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるステップ、および血小板組成物を貯蔵するステップのうちの1つ以上のもののために好適である。いくつかの実施形態では、
図1Aに示される例示的キットは、CADを含まない。
【0133】
本開示の例示的キット101のための代替構成が、
図1Bに示される。本構成は、随意に、(例えば、無菌管類135を介して)第2のコンテナ110に結合される第3のコンテナ125をさらに含み、第3のコンテナ125は、化合物吸着デバイス(CAD)130を備える。
図1Bに描写されるように、第2のコンテナ110は、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。さらに、第3のコンテナ125は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である。
【0134】
本開示の例示的キット102のための別の代替構成が、
図1Cに示される。本構成は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である第4のコンテナ140をさらに含み、化合物吸着デバイス(CAD)130を備える、第3のコンテナ125は、(例えば、無菌管類145を介して)第4のコンテナ140に結合される。
【0135】
本開示の例示的キット103のための別の代替構成が、
図1Dに示される。本構成は、随意に、少なくとも1つの貯蔵コンテナ140、150、155をさらに含み、少なくとも1つの貯蔵コンテナ140、150、155は、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナ140、150、155は、(例えば、無菌管類146を介して)化合物吸着デバイス(CAD)130を備える第3のコンテナ125に結合される。
【0136】
開示の例示的キット104のための別の代替構成が、
図1Eに示される。
図1Eに描写されるように、第1のコンテナ105は、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合し、さらに、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適であり、第2のコンテナ110は、化合物吸着デバイス(CAD)130を備える。本構成はさらに、(例えば、無菌管類135を介して)第2のコンテナ110に結合される第3のコンテナ125を含み、第3のコンテナ125は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である。
【0137】
図2Aに示される例示的キット200、201は、(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナ215、225と、(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナ205、235と、(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナ(例えば、血小板コンテナ220、240)とを含み、第1および第2のコンテナは、(例えば、密閉されているが開放可能な流路210、230によって)相互に結合され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない。鎖線250、251、252、253、254、255は、血小板の調製剤が、PASを備える第1のコンテナに添加され得る、血小板の調製剤が、PICを備える第2のコンテナに添加され得る、または血小板の調製剤が、第3のコンテナに添加され得ることを示す。
図2A(200ページの左側)に示される第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせ、血小板の調製剤をさらに混合するために好適である。代替として、
図2A(201ページの右側)に示される第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせ、血小板の調製剤をさらに混合するために好適であり、随意に、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。さらに、いずれか一方の構成200または201では、第3のコンテナ220、240は、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるステップ、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるステップ、および血小板組成物を貯蔵するステップのうちの1つ以上のもののために好適である。いくつかの実施形態では、
図2Aに示される例示的キットは、CADを含まない。
【0138】
本開示の例示的キットのための別の代替構成202が、
図2Bに示される。本構成は、随意に、(例えば、無菌管類270を介して)第3のコンテナ220に結合される第4のコンテナ265をさらに含み、第4のコンテナ265は、化合物吸着デバイス(CAD)265を備える。
図2Bに描写されるように、第3のコンテナ220は、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である。さらに、第4のコンテナ260は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である。
【0139】
本開示の例示的キットのための別の代替構成203が、
図2Cに示される。本構成は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である第5のコンテナ275をさらに含み、化合物吸着デバイス(CAD)265を備える、第4のコンテナ260は、(例えば、無菌管類280を介して)第5のコンテナ275に結合される。
【0140】
本開示の例示的キットのための別の代替構成204が、
図2Dに示される。本構成は、随意に、少なくとも1つの貯蔵コンテナ275、285、290をさらに含み、少なくとも1つの貯蔵コンテナ275、285、290は、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナ275、285、290は、(例えば、無菌管類281を介して)化合物吸着デバイス(CAD)265を備える第4のコンテナ260に結合される。
【0141】
開示の例示的キットのための別の代替構成206が、
図2Eに示される。
図2Eに描写されるように、第1のコンテナ205は、PASをPICと組み合わせ、血小板の調製剤をさらに混合するために好適である。第3のコンテナ220は、化合物吸着デバイス(CAD)265を備える。本構成はさらに、(例えば、無菌管類270を介して)第3のコンテナ220に結合される第4のコンテナ260を含み、第4のコンテナ260は、随意に、血小板組成物を貯蔵するために好適である。
【0142】
本明細書に開示されるように、血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製されてもよい。
図3に図示されるように、アフェレーシスデバイスが、血小板の調製剤(例えば、アフェレーシスデバイスを用いてドナーから収集される血小板)の源として本明細書に開示される任意のキットに接続されてもよく、アフェレーシスデバイス内の接続のための点の非限定的実施例が、描写される。本明細書に開示されるキットは、米国特許第5,868,696号に開示されるものを含む、任意のアフェレーシスデバイスと併用されてもよい。例えば、
図1A-1Eに図示されるように、アフェレーシスデバイスは、PASおよびPICを含む溶液を備える第1のコンテナおよび/または第2のコンテナに接続されてもよい。他の例示的実施形態では、
図2A-2Eに図示されるように、アフェレーシスデバイスは、PASを備える第1のコンテナ、PICを備える第2のコンテナ、および第3のコンテナのうちの1つ以上のものに接続されてもよい。
【0143】
組成物
本開示は、いくつかの側面では、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む、組成物を提供し、組成物は、血小板を含まない。
【0144】
組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む。
【0145】
組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PICは、ソラレンである。組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PICは、アモトサレンである。組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PICは、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、メロシアニン540、およびそれらの塩または遊離塩基から成る群から選択される。
【0146】
組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約200mL~約900mL、約300mL~約800mL、約400mL~約700mL、または約500mL~約600mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、または約1,000mLの体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約1,000mL未満、約800mL未満、約600mL未満、約500mL未満、約400mL未満、約300mL未満、または約200mL未満の体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約800mLを上回る、約700mLを上回る、約600mLを上回る、約500mLを上回る、約400mLを上回る、約300mLを上回る、約200mLを上回る、または約100mLを上回る体積を有する。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液は、約1,000mL~約5,000mLの体積を有する。
【0147】
組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物のいくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約25μM~約1200μM、約50μM~約1000μM、約50μM~約750μM、約50μM~約500μM、約75μM~約500μM、約100μM~約400μM、約150μM~約350μM、約200μM~約300μM、または約225μM~約250μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約25μM、約50μM、約75μM、約100μM、約125μM、約150μM、約175μM、約200μM、約250μM、約275μM、約300μM、約325μM、約350μM、約375μM、約400μM、約450μM、約500μM、約550μM、約600μM、約650μM、約700μM、約750μM、約800μM、約850μM、約900μM、約1,000μM、約1,100μM、約1,200μM、約1,300μM、約1,400μM、または約1,500μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約225μM~約235μMである。いくつかの実施形態では、PASおよびPICを含む溶液内のPICの濃度は、約225μM、約226μM、約227μM、約228μM、約229μM、約230μM、約231μM、約232μM、約233μM、約234μM、または約235μMである。
【0148】
いくつかの実施形態では、組成物が、血小板を含まない、PASおよびPICを含む組成物は、原液である。
【0149】
いくつかの実施形態では、組成物が、血小板を含まない、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む、組成物は、無菌である。
【0150】
本開示はまた、いくつかの側面では、本明細書に説明される方法のうちのいずれかによって調製される、血小板組成物も提供する。
【0151】
本明細書に開示される、開示される実施例および実施形態はさらに、個人に注入するために好適な血小板組成物を調製するための方法、キット、および組成物を説明する。図示される構成要素およびステップは、示される例示的実施形態を解説されるように立案され、継続中の技術的開発は、特定の機能が果たされる様式を変更するであろうことを予想されたい。これらの実施例は、限定ではなくて例証の目的のために、本明細書に提示される。さらに、機能構築ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では恣意的に定義されている。代替境界が、規定機能およびそれらの関係が適切に果たされる限り、定義されることができる。代替物(本明細書に説明されるものの均等物、延長、変形例、偏差等を含む)が、本明細書に含有される教示に基づいて、当業者に明白であろう。そのような代替物は、開示される実施形態の範囲および精神内に入る。
【0152】
本明細書で使用される、「comprising(~を備える)」、「having(~を有する)」、「containing(~を含有する)」、および「including(~を含む)」、ならびに他の類似形態は、意味が同等であり、これらの用語のうちのいずれか1つに続く1つまたは複数の項目が、そのような1つまたは複数の項目の包括的一覧であるように意図されていない、もしくは1つまたは複数の列挙された項目のみに限定されるように意図されていないという点で、非制約的であることを意図している。例えば、構成要素A、B、およびC「を備える(comprising)」物品は、構成要素A、B、およびCから成る(例えば、それらのみを含有する)ことができる、または構成要素A、B、およびCだけではなくて、1つ以上の他の構成要素も含有することができる。「comprises(~を備える)」およびその文法的均等物は、「consisting of(~から成る)」または「consisting essentially of(本質的に~から成る)」を含むことを理解されたい。
【0153】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別様に決定付けない限り、その範囲の上限および下限と、その規定範囲内の任意の他の規定または介在値との間で、下限の単位の10分の1までの各介在値が、規定範囲内の任意の具体的に除外された限界を受けて、本開示内に包含されることを理解されたい。規定範囲が、限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界のいずれか一方または両方を除外する範囲もまた、本開示内に含まれる。
【0154】
本明細書の「約」値またはパラメータの言及は、それ自体がその値またはパラメータを対象とする変動を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」を指す説明は、「X」の説明を含む。
【0155】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「or」、および「the」は、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数の指示対象を含む。
【0156】
また、本明細書に説明される実装の形態および詳細の変更は、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。加えて、種々の利点、側面、および目的が、種々の実装を参照して説明されたが、本開示の範囲は、そのような利点、側面、および目的を参照することによって限定されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、添付の請求項を参照して判定されるべきである。
【0157】
本開示は、本開示の範囲および精神をそれらに説明される具体的手技に限定するものとして解釈されるものではない、以下の実施例によって、さらに図示される。
【0158】
(実施例)
(実施例1)
血小板添加溶液内のアモトサレンの安定性
初期研究が、血小板添加溶液(PAS)内で調合された病原体不活性化化合物アモトサレン(S-59)の安定性を評価した。ソラレン化合物S-59の230μM溶液(Irsch et al., Transfus Med Hemother, 38: 19-31 (2011))が、市販のPAS溶液InterSol
(R)(Fenwal Inc.)内で調製され、周囲光条件下で室温において維持された。HPLC分析が、S-59および光分解生成物の両方に関して表1に列挙される時間においてサンプルに実施された。表1に示される結果は、78時間においてS-59の<6%損失を伴って、周囲光内で78時間周期にわたるInterSol PAS内のS-59の安定性を実証する。S-59データが、HPLCを用いた検出される任意の光分解生成物の相対比較のために、濃度(μM)ならびにピーク面積(S-59 UV)の両方として示される(表1)。ピークDおよびピークE光分解生成物もまた、それぞれ、22時間および72時間によって観察され、プロセス不純物分解産物4′-HMT(表1)も、示されるピーク面積値を伴って観察された。
【表1】
【0159】
付加的研究が、血小板添加溶液(PAS)内で調合されたS-59(アモトサレン)病原体不活性化化合物の安定性を評価したが、周囲光暴露から保護した。S-59の230μM溶液が、市販のPAS溶液InterSol
(R)(Fenwal Inc.)内で調製され、周囲光条件から保護されて室温において維持された。HPLC分析が、S-59および光分解生成物の両方に関して表2に列挙される時間においてサンプルに実施された。表2に示される結果は、濃度(μM)およびピーク面積(UV)の両方として示される、77時間においてS-59のいかなる損失も伴わない、周囲光から保護されたときの77時間周期にわたるInterSol PAS内のS-59の安定性を実証する。ピークDおよびピークE光分解生成物は、77時間を通して検出されなかったが、プロセス不純物分解産物4′-HMTが、示されるピーク面積値を伴って観察された(表2)。
【表2】
【0160】
(実施例2)
35%血漿および血小板を伴う65%PAS内のアモトサレンの安定性
さらなる研究が、添加された血漿を伴い、血小板も含有する、PAS内のアモトサレン(S-59)の安定性および光変換を評価した。S-59が、150μMの濃度において、65%InterSol
(R)PASおよび35%血漿ならびに血小板の懸濁調製剤に添加され、混和剤が、研究時間経過中に血小板インキュベータ内で維持された。サンプルが、0、5、21、29、および48時間においてHPLC分析のために除去され、混合物が、次いで、55時間において約3Jの紫外線Aで処理され、紫外線A後のサンプルもまた、S-59および光分解生成物の両方に関してHPLCによって分析された。表3に示される結果は、濃度(μM)およびピーク面積(UV)の両方として示される、55時間において紫外線A処理に先立ったS-59のいかなる損失も伴わない、PAS/血漿/血小板混和剤内のS-59の安定性を実証する。ピークDおよびピークE光分解生成物は、検出されなかった(表3)。55時間サンプルを用いた紫外線A処理は、S-59の光変換がPAS/血漿内のS-59のインキュベート後に効率的であり、15.3%のみが紫外線A後のサンプルに残留することを実証した(表3)。
【表3】
【0161】
(実施例3)
血小板および細菌を伴うPAS/血漿内のアモトサレンの安定性
別の研究が、細菌の存在下で、血漿および血小板を伴うPAS内のアモトサレン(S-59)の24時間安定性および光変換を評価した。100%血漿内の2つのABO合致血小板単位が、貯留され、2つの単位に分割され、InterSol(R)PASが添加された(例えば、65/35)。S-59が、150μMの濃度において検査単位に添加されたが、最初に対照単位に添加されなかった。肺炎桿菌の対数培養(約8 logcfu/mL)が、約60CFU/単位の標的において単位に添加され、単位が、約24時間にわたって22℃において血小板攪拌器内でインキュベートされた。インキュベートの終了時に、S-59もまた、同一の濃度において対照単位に添加され、対照および検査単位の両方が、紫外線Aを受けた。サンプルが、両方の単位の細菌力価検定およびHPLCのために紫外線A照明前および後に採取された。照明後の両方の単位が、残留アモトサレンおよび光分解生成物を除去するようにCAD処理ステップを受け、細菌の成長がないことを確認するように7日にわたって血小板攪拌器内上に貯蔵された。
【0162】
表4に示されるように、S-59濃度は、対照および検査単位の両方内で、24時間において紫外線A処理後の効率的な光変換を伴って、24時間インキュベート周期にわたって安定していた。したがって、肺炎桿菌の存在は、S-59安定性または光変換に悪影響を及ぼさなかった。
【表4】
【0163】
肺炎桿菌の光化学不活性化もまた、以下の表に示される力価(対数cfu/mL)結果を伴って、紫外線A暴露後に測定された。高レベル不活性化が、対照および検査単位の両方に関して観察され、肺炎桿菌を伴うPAS/血漿および血小板の混和剤内の24時間の貯蔵後に、S-59の光化学不活性化に悪影響がないことを示した(表5)。
【表5-1】
【表5-2】
【0164】
(実施例4)
PAS/血漿内のアモトサレンを用いたカリシウイルスの不活性化
E型肝炎ウイルスのモデルとして使用されているネコカリシウイルス(FCV)等のカリシウイルスが、力価のわずか約1.7~2.4 log
10低減を伴って、アモトサレン(S-59)を用いた光化学不活性化に対して極めて耐性を持つことが以前に示されている(Irsch et al., Transfus Med Hemother, 38: 19-31(2011))。アモトサレンがPASおよびPAS/血漿内で安定していることを示す、実施例1および2の結果から、PAS/血漿内の長期インキュベート後のS-59を用いたカリシウイルスFCVの不活性化のレベルを評価した、付加的研究が実施された。本研究では、PAS/血漿(65%/35%)内の血小板が、約16×10
11個の全血小板を伴って約1,320mLまで貯留され、1:100希釈におけるカリシウイルスFCVの原液を混入された。サンプルが、初期力価を判定するようにFCV混入血小板から採取された。FCV混入血小板は、次いで、単位あたり約3.2×10
11個の血小板を伴って、それぞれ約260mLにおける5単位に分割された。各単位が、病原体不活性化処理のためにINTERCEPT(R)血液システム内で商業的に使用される濃度である、約150μM濃度におけるS-59を投与された。S-59の添加に続いて、血小板単位が、0、2、4、8、または24時間にわたってインキュベートされた。対照サンプルが、紫外線A処理前のS-59濃度のウイルス力価判定およびHPLC分析のために各時点で採取され、その後に、約3J/cm
2における紫外線A暴露が続き、全ての検査サンプルのための光化学治療プロセスを完了した。紫外線A処理に続いて、対照および検査サンプルが、標準ウイルス学的プラーク検査を使用して、FCVの不活性化に関して評価された。表6に示されるように、紫外線A暴露に先立った2時間以上のS-59/PAS/血漿のインキュベートは、時間0サンプル(紫外線A処置前の予備インキュベートなし)と比較して、検出の限界を下回るまでFCV不活性化のレベルの劇的な増加をもたらした。データは、予混合された病原体不活性化化合物および添加溶液(例えば、S-59/PAS)内の血小板の収集および光化学治療プロセス内の次の紫外線暴露ステップに先立った「予備インキュベート」を可能にする、本開示のさらなる利点を示唆する(表6)。
【表6】
【0165】
FCV貯留力価に正規化された、上記の不活性化データの再計算が、表7に示される。
【表7】
【0166】
付加的研究が、PAS/血漿内の長期インキュベート(例えば、予備インキュベート)後に減少する量のS-59を伴って、FCV不活性化のレベルを評価するように実施された。本研究では、PAS/血漿(65%/35%)内の血小板が、1:100希釈におけるFCVの原液を混入された。FCV混入血小板が、次いで、16の別個の検査単位に分割された。各単位が、約150μM、90μM、30μM、または15μM濃度におけるS-59を投与された。4つの投与群のうちの1つの中のS-59の添加に続いて、各投与群内の血小板単位が、照明に先立って0、4、8、または24時間にわたってインキュベートされた。対照サンプルが、紫外線A処理前のS-59濃度のウイルス力価判定およびHPLC分析のために各単位から採取され、その後に、検査サンプルの光化学処理のために約3J/cm
2における紫外線A暴露が続いた。紫外線A処理に続いて、対照および検査サンプルが、標準ウイルス学的プラーク検査を使用して、FCVの不活性化に関して評価された。表8は、サンプル毎にFCV力価(対数PFU/mL)を示し、表9は、サンプル毎に対数不活性化を示す。
【表8】
【表9】
0時間貯留における対照力価が全ての対数不活性化計算に使用された(5.84 log/mL)。
【0167】
これらのデータによって示されるように、紫外線A照明に先立ったS-59/PAS/血漿内のFCV含有血小板の予備インキュベートは、S-59病原体不活性化化合物のより低い入力濃度を用いてさえも、高レベルのFCV不活性化をもたらした。特に、150μMおよび90μMのS-59濃度の両方の場合は4、8、または24時間、30μMのS-59濃度の場合は8または24時間、もしくは15μMのS-59濃度の場合は24時間にわたる予備インキュベートが、4 logを上回るFCV不活性化をもたらした。また、30μMのS-59濃度の場合は4時間にわたる予備インキュベートが、殆ど4 logのFCV不活性化をもたらし、15μMのS-59濃度の場合は8時間にわたる予備インキュベートが、3.5 logを上回るFCV不活性化をもたらした。HPLC分析もまた、紫外線A照明および光変換後にサンプル内に残留するS-59の量(例えば、濃度)を判定するように実施された(表10)。
【表10-1】
【表10-2】
【0168】
表10に示されるように、処理後の残留S-59濃度は、5μM未満(例えば、2μM)のレベルまでを含み、予備インキュベートを伴う全てのS-59投薬群に関して低減された。これらのデータは、病原体不活性化処理条件が、本明細書に提供される方法に基づいて達成され得、高レベルの不活性化(例えば、>4 log)、また、わずか2μMの残留S-59濃度を伴うS-59光変換をもたらすことを示す。
【0169】
(実施例5)
予混合アモトサレン/PASを用いて調製される、病原体が不活性化された血小板
病原体が不活性化された血小板が、本開示のキットおよび方法を使用して調製された。より具体的には、単一の単位の調製剤に関する一実施例では、3.9×10
11個の血小板が、約89.2mLのドナー血漿(例えば、任意の抗凝固剤を含む)の体積でドナーから収集され、無菌で接続された管類を介して、約231μM濃度におけるアモトサレンを含有する約165.8mLのInterSol
(R)PAS溶液のコンテナの中に移送される(例えば、
図1C、2C参照)。約150μMの希釈(例えば、最終)アモトサレン濃度を伴う血小板およびアモトサレン/PAS/血漿の混和剤を伴うコンテナが、次いで、処理セットの残りの「乾燥側」部分に無菌で接続され(例えば、
図1C、2C参照)、混和剤が、重力流によって照明コンテナの中に移送される。市販のINTERCEPT
(R)血液システム照明器(Cerus Corp.)を使用する、約3J/cm
2の紫外線Aを用いた処理に続いて、光化学的に処理された血小板は、残留アモトサレンおよび光分解生成物の除去のためにCADコンテナに移送され、次いで、単一の貯蔵コンテナに移送される。別の実施例では、病原体が不活性化された血小板は、(例えば、約75μMの希釈(例えば、最終)アモトサレン濃度を伴う血小板およびアモトサレン/PAS/血漿の混和剤を生じさせるように)50%低いアモトサレン濃度を用いるが、同様に調製される。
【0170】
(実施例6)
予混合アモトサレン/PASを用いて調製される、病原体が不活性化された血小板
病原体が不活性化された血小板が、それによってアモトサレン/PASコンテナがAmicus
(R)アフェレーシスデバイス(Fenwal Inc.)に直接に接続される、本開示のキットおよび方法を使用して調製される。より具体的には、2つの血小板単位(例えば、2倍)の調製剤に関する一実施例では、アモトサレンが約231μMの濃度まで添加された、InterSol
(R)PAS溶液の500mLコンテナ(例えば、
図1C参照)が、
図3に描写されるようにアフェレーシスデバイスに無菌で接続される。約7.6×10
11個の血小板が、アフェレーシスによって、約178.5mLのドナー血漿(例えば、任意の抗凝固剤を含む)の体積でドナーから収集され、アモトサレンを含有する約331.5mLのInterSol
(R)PAS溶液が、約150μMの希釈(例えば、最終)アモトサレン濃度を伴う血小板およびアモトサレン/PAS/血漿の混和剤を生じさせるように、デバイスによって自動的に添加される。血小板混和剤は、次いで、Amicus
(R)デバイスの2つの収集バッグの中に移送され、血小板は、2つのバッグの間でほぼ均等に分配される。次に、2つのバッグは、アフェレーシスデバイスから接続解除され、それぞれ、無菌接続によって2つの別個の処理セットの残りの「乾燥側」部分に別個に結合され(例えば、
図1C参照)、混和剤は、重力流によって照明コンテナの中に移送される。市販のINTERCEPT
(R)血液システム照明器(Cerus Corp.)を使用する、約3J/cm
2の紫外線Aを用いた処理に続いて、光化学的に処理された血小板は、残留アモトサレンおよび光分解生成物の除去のためにCADコンテナに移送され、次いで、ぞれぞれ、単一の貯蔵コンテナに移送され、2つの原体が不活性化された血小板単位を生じさせる。代替として、アフェレーシスデバイスから除去される収集バッグは、処理セットの残りの「乾燥側」部分への無菌接続によって単一の照明コンテナに組み合わせられる(例えば、
図1D参照)が、2つの最終貯蔵バッグを用いて、上記で説明されるように処理され、2つの病原体が不活性化された血小板単位を生じさせる。別の実施例では、病原体が不活性化された血小板は、(例えば、約75μMの希釈(例えば、最終)アモトサレン濃度を伴う血小板およびアモトサレン/PAS/血漿の混和剤を生じさせるように)50%低いアモトサレン濃度を用いるが、同様に調製される。
(例示的実施形態)
(実施形態1)血小板組成物を調製する方法であって、
(a)第1のコンテナ内に、血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、
(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、
(c)ステップ(b)の混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップと、
を含む、方法。
(実施形態2)ステップ(b)の混合は、第1のコンテナ内で起こる、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3)ステップ(b)の混合は、第2のコンテナ内で起こる、実施形態1に記載の方法。
(実施形態4)ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップは、第1のコンテナ内で起こる、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
(実施形態5)ステップ(c)の混和剤に光を受けさせるステップは、第2のコンテナ内で起こる、実施形態1-3のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態6)血小板の調製剤は、アフェレーシス方法によって調製される、実施形態1-5のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態7)方法はさらに、ステップ(b)に先立って、第1のコンテナをアフェレーシスデバイスに接続するステップを含む、実施形態6に記載の方法。
(実施形態8)第2のコンテナは、アフェレーシスデバイスに接続される、実施形態6または実施形態7に記載の方法。
(実施形態9)血小板の調製剤は、軟膜方法または多血小板血漿(PRP)方法によって、1つ以上の全血献血から調製される、実施形態1-5のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態10)ステップ(c)の後に、(d)血小板組成物を第3のコンテナに移送するステップをさらに含む、実施形態1-9のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態11)第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、実施形態10に記載の方法。
(実施形態12)第3のコンテナは、血小板組成物の貯蔵のために好適である、実施形態10または実施形態11に記載の方法。
(実施形態13)ステップ(a)の溶液は、約15μM~約1,500μMの濃度におけるPICを含む、実施形態1-12のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態14)PICは、ソラレンである、実施形態1-13のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態15)PICは、アモトサレンである、実施形態14に記載の方法。
(実施形態16)血小板の調製剤は、血漿を含み、血漿は、ステップ(b)の混和剤の体積比で約32~47%を含み、血小板添加溶液は、残りの体積を含む、実施形態1-15のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態17)ステップ(b)の混和剤内のPAS対血漿の体積比は、約65:35である、実施形態16に記載の方法。
(実施形態18)ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む、実施形態1-17のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態19)ステップ(b)の混和剤は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logの不活性化をもたらすために十分な濃度におけるPICを含む、実施形態1-18のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態20)ステップ(b)の混和剤は、約5μM~約500μMの濃度におけるPICを含む、実施形態1-19のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態21)ステップ(b)の混和剤は、約145μM~約155μMの濃度におけるPICを含む、実施形態20に記載の方法。
(実施形態22)ステップ(b)の混和剤は、約30μM~約90μMの濃度におけるPICを含む、実施形態20に記載の方法。
(実施形態23)PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む、実施形態1-22のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態24)ステップ(c)に先立って、(b1)30分~24時間の周期にわたってステップ(b)の混和剤をインキュベートするステップをさらに含む、実施形態1-23のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態25)血小板組成物は、少なくとも2×10
11個の血小板を含む、実施形態1-24のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態26)方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、残留PICまたはその光分解生成物を除去するためのさらなる処理を伴わずに、対象の中に注入するために好適である、実施形態1-25のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態27)方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、化合物吸着デバイス(CAD)を備えるコンテナに血小板組成物を移送することなく、対象の中に注入するために好適である、実施形態1-26のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態28)方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、5μMまたはそれ未満のPICを含む、実施形態1-27のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態29)方法は、存在する場合、病原体の少なくとも4 logを不活性化するために十分であり、ステップ(c)の後の血小板組成物は、2μMまたはそれ未満のPICを含み、血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMである、実施形態1-28のいずれか1つに記載の方法。
(実施形態30)(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を提供するステップと、(b)ステップ(a)の溶液を血小板の調製剤と混合するステップと、(c)約30分~約24時間の周期にわたって血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤をインキュベートするステップと、(d)ステップ(c)のインキュベートされた混和剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせ、それによって、血小板組成物を生じさせるステップとを含む、血小板組成物を調製する方法であって、
(i)方法は、存在する場合、病原体の少なくとも1 logを不活性化するために十分であり、
(ii)血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤内のPICの濃度は、約15μM~約150μMであり、
(iii)血小板の調製剤とPASおよびPICを含む溶液との混和剤に光を受けさせた後の血小板組成物は、5μM未満のPICを含む、方法。
(実施形態31)血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)および病原体不活性化化合物(PIC)を含む溶液を備える、第1のコンテナと、
(b)PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第2のコンテナと、
を備え、第1のコンテナは、第2のコンテナに結合されない、キット。
(実施形態32)第1のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である、実施形態31に記載のキット。
(実施形態33)第2のコンテナは、血小板の調製剤を、PASおよびPICを含む溶液と混合するために好適である、実施形態31または実施形態32に記載のキット。
(実施形態34)第2のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、実施形態31-33のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態35)第1のコンテナは、PASおよびPICを含む溶液と混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、実施形態31-34のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態36)第2のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、実施形態31-35のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態37)第2のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である、実施形態31-36のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態38)第3のコンテナをさらに備え、第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第3のコンテナは、第2のコンテナに結合される、実施形態31-37のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態39)少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、第2のコンテナに、または第3のコンテナに結合される、実施形態31-38のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態40)PASおよびPICを含む溶液は、約100mL~約1,000mLの体積を有する、実施形態31-39のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態41)PICは、約15μM~約1,500μMの濃度にある、実施形態31-40のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態42)PICは、ソラレンである、実施形態31-41のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態43)PICは、アモトサレンである、実施形態42に記載のキット。
(実施形態44)第1のコンテナ、第2のコンテナ、または第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、実施形態31-43のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態45)血小板組成物を調製するためのキットであって、
(a)血小板添加溶液(PAS)を備える、第1のコンテナと、
(b)病原体不活性化化合物(PIC)を備える、第2のコンテナと、
(c)PASおよびPICと混合する血小板の調製剤を含有するために好適な第3のコンテナと、
を備え、第1および第2のコンテナは、相互に結合され、第1および第2のコンテナのいずれも、第3のコンテナに結合されない、キット。
(実施形態46)第2のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である、実施形態45に記載のキット。
(実施形態47)第1のコンテナは、PASをPICと組み合わせるために好適である、実施形態45に記載のキット。
(実施形態48)第2のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である、実施形態45-47のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態49)第1のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である、実施形態45-47のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態50)第3のコンテナは、血小板の調製剤をPASおよびPICと混合するために好適である、実施形態45-47のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態51)第3のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、実施形態45-50のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態52)第2のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、実施形態45-50のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態53)第1のコンテナは、PASおよびPICと混合する血小板の調製剤に、存在する場合、病原体を光化学的に不活性化するために十分な光を受けさせるために好適である、実施形態45-50のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態54)第3のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備える、実施形態45-53のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態55)第3のコンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適である、実施形態45-54のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態56)第4のコンテナをさらに備え、第4のコンテナは、化合物吸着デバイス(CAD)を備え、第4のコンテナは、第3のコンテナに結合される、実施形態45-55のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態57)少なくとも1つの貯蔵コンテナをさらに備え、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、血小板組成物を貯蔵するために好適であり、少なくとも1つの貯蔵コンテナは、存在する場合、第3のコンテナに、または第4のコンテナに結合される、実施形態45-56のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態58)PICは、ソラレンである、実施形態45-57のいずれか1つに記載のキット。
(実施形態59)PICは、アモトサレンである、実施形態58に記載のキット。
(実施形態60)第1のコンテナ、第2のコンテナ、または第1のコンテナおよび第2のコンテナの両方は、アフェレーシスデバイスに、または血小板の調製剤を含有するコンテナに接続するために好適である、実施形態45-59のいずれか1つ記載のキット。
(実施形態61)病原体不活性化化合物(PIC)および血小板添加溶液(PAS)を含む、組成物であって、組成物は、血小板を含まない、組成物。
(実施形態62)PICの濃度は、約15μM~約1,500μMである、実施形態61に記載の組成物。
(実施形態63)PICは、ソラレンである、実施形態61または実施形態62に記載の組成物。
(実施形態64)PICは、アモトサレンである、実施形態63に記載の組成物。
(実施形態65)PASは、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つ以上のものを含む、実施形態61-64のいずれか1つに記載の組成物。
(実施形態66)組成物は、無菌である、実施形態61-65のいずれか1つに記載の組成物。
(実施形態67)実施形態1-30のいずれか1つに記載の方法によって調製される、血小板組成物。