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特許7301826パーソナルケア及び化粧品用途に適した化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】パーソナルケア及び化粧品用途に適した化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 43/10 20060101AFI20230626BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20230626BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20230626BHJP
   C08G 65/48 20060101ALI20230626BHJP
   C07C 69/708 20060101ALI20230626BHJP
   C07C 41/09 20060101ALI20230626BHJP
   C07C 67/08 20060101ALI20230626BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20230626BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20230626BHJP
【FI】
C07C43/10 CSP
A61K8/39
A61Q17/04
A61Q19/00
A61Q5/06
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q15/00
A61Q5/10
A61Q1/06
A61Q1/14
C08G65/48
C07C69/708 Z
C07C41/09
C07C67/08
C09K3/00 103H
C07B61/00 300
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020524023
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 US2018055178
(87)【国際公開番号】W WO2019089202
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】62/579,991
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508276992
【氏名又は名称】クローダ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】エリク ガンダーマン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジョセフ サポリト
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ニコラス マット
(72)【発明者】
【氏名】アベル ゴンカルベス ペレイラ
【審査官】坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094899(JP,A)
【文献】特表2005-506347(JP,A)
【文献】特開昭53-034709(JP,A)
【文献】特開平08-040869(JP,A)
【文献】特開2002-196496(JP,A)
【文献】特表2013-515709(JP,A)
【文献】国際公開第2016/040956(WO,A1)
【文献】仏国特許発明第02955769(FR,A)
【文献】特開昭57-128636(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024639(WO,A1)
【文献】特開2011-195551(JP,A)
【文献】Mahon, Kerry P.; Love, Kevin T.; Whitehead, Kathryn A.; Qin, June; Akinc, Akin; Leshchiner, Elizaveta; Leshchiner, Ignaty; Langer, Robert; Anderson, Daniel G,A Combinatorial Approach to Determine Functional Group Effects on Lipidoid-Mediated siRNA Delivery,Bioconjugate Chemistry,2010年,21(8),,1448-1454
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07B
A61K
A61Q
C08G
C09K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式1の化合物:
C(O)-(OCH2CH2CH2n-OR (1
(式中:
nは、2~15の整数であり、
Rは、C6~C36のアルキル基であり、かつ
1は、C2~C36のアルキル基である)。
【請求項2】
前記R基が、C10~C20のアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R1基が、C10~C22のアルキル基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
nの値が、3~7の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
カプリレート(caprylate)/カプレート(caprate)--(OCH2CH2CH25--イソステアリル
である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物であって、
式(1)中、R1はC7-10であり、nは5であり、かつRはイソステアリル基である、化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の一種の化合物(1a);及び
以下の式1bの一種の化合物:
R-(OCH CH CH -OR (1b)
(式中:
nは、2~15の整数であり、かつ
Rは、C 6 ~C 36 のアルキル基である);
の混合物を含有する組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の組成物であって、前記混合物が、少なくとも以下:
(i)化合物(複数可): 1 C(O)-(OCH 2 CH 2 CH 2 n -OR (1a);及び
(ii)化合物(複数可):R-(OCH 2 CH 2 CH 2 n -OR (1b)、
を含む、組成物。
【請求項8】
組成物の総重量に基づいた、式(1a)の化合物(複数可)と式(1b)の化合物(複数可)との重量比が、2:1よりも大きい、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも一種の式(1c)の化合物:
C(O)-(OCH CH CH -OC(O)R (1c)、
(式中:
mは、2~15の整数であり、
2は、C2~C36ヒドロカルビル基である)
をさらに含有する、請求項6から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記R1及びR2基が、C10~C22のアルキル基である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記R1及びR2は、同一の基である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
mの値が、3~7の範囲である、請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
n及びmの値が、同一である、請求項9から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
混合組成物の総重量に対して、30重量%未満の式(1c)の化合物(複数可)を含有する、請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項6から14のいずれか一項に記載の組成物であって、以下:
(i)50重量%超の式(1a)の化合物(複数可):
1-(OCH2CH2CH2n-OR、及び
(ii)30重量%未満の式(1b)の化合物(複数可):
R-(OCH2CH2CH2n-OR、
を含有し、
全ての重量%は組成物の総重量に基づく、組成物。
【請求項16】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6から15のいずれか一項に記載の組成物を含む、パーソナルケア製品。
【請求項17】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6から15のいずれか一項に記載の組成物を、レオロジー改変剤(rheology modifier)として含む、請求項16に記載のパーソナルケア製品。
【請求項18】
パーソナルケア成分及び/又は化粧品有効成分をさらに含む、請求項16又は請求項17に記載のパーソナルケア製品であって、前記成分が、日焼け止め剤、制汗剤、老化防止剤、保湿剤、毛髪又は頭皮ケア剤、及び着色剤又は顔料剤から選択される活性剤を含む、パーソナルケア製品。
【請求項19】
化粧品又はパーソナルケア製品における感覚剤(sensory agent)及び/又は顔料湿潤剤(pigment wetting agent)としての、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物の、又は請求項6から15のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項20】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6から15のいずれか一項に記載の組成物の製造方法であって、以下:
・強酸触媒の存在下でポリトリメチレンエーテルグリコールと式R-OHを有するアルコールとを反応させることによって、エーテル化ポリトリメチレンエーテルグリコール混合物を調製する、第1ステップ;並びに
・強酸触媒の存在下で、第1ステップで得られた反応生成物を式R1-COOHの脂肪カルボン酸でエステル化する、第2ステップ、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年11月1日に出願された「パーソナルケア及び化粧品用途に適した化合物」と題される米国仮出願第62/579,991に関し、その優先権の利益を主張する。米国仮出願第62/579,991の内容は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、新規化合物、ポリトリメチレンエーテルグリコールのエーテル及びエステル誘導体、それらを含むパーソナルケア製品、その製造方法、並びに、パーソナルケア及び/又は化粧品配合物用の成分として、特に感覚特性及び顔料湿潤特性を提供する薬剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
既知のポリアルキレンエーテルグリコールは、ポリエチレングリコール、ポリ-1,2-プロピレンエーテルグリコール、1,3-プロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール及びこれらのコポリマーを含む。商業的に重要なポリエーテルグリコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2-プロピレングリコール)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリオール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
【0004】
その低コストのために、最も広く使用されているポリエーテルグリコールは、ポリ(1,2-プロピレングリコール)(PPG)である。このポリマーは、非結晶性であり、室温で液体であり、扱いやすい。しかしながら、PPGは、再生不可能な反応性エポキシドに由来し、二級(secondary)ヒドロキシル末端基を有する。
【0005】
ポリトリメチレンエーテルグリコール又はポリ(1,3-プロピレングリコール)(PPDn)は、非エポキシド1,3-プロパンジオールから製造することができ、これは、有利なことに、再生可能な資源に由来することができる。ポリトリメチレンエーテルグリコールは一級ヒドロキシル基を有し、低い融点を有し、高度に柔軟性である。
【0006】
ポリトリメチレンエーテルグリコールは、脂肪酸モノ又はジ-エステル誘導体と同様に、何年も前から知られている。これらは、異なる技術分野で、特に機能性流体として使用されている。
【0007】
パーソナルケア及び化粧品分野において、ステアリン酸ポリプロパンジオール-5が界面活性剤又は乳化配合剤として使用されている。
【0008】
本発明の目的は、特にパーソナルケア製品の分野のために、ポリトリメチレンエーテルグリコールの新規化合物誘導体を提案することである。
【0009】
従来の化粧品用顔料は、乾燥粉末を製造するために溶液からの熱分解、抽出及び他の濾過プロセスから、異なる方法で作製される。しかしながら、これら乾燥顔料粉末は、評価の際に色特性に困難をもたらす強凝集体(aggregates)/弱凝集体(agglomerates)の複数の形態で提供される。従って、これらはしばしば、化粧品の化学者にとって、エマルション、無水スティック又は粉末配合物のような様々な製品形態で配合/安定化することが困難である。これら乾燥粉末は、完全に分散される必要があり、完全な発色を確認するためにはその粒子サイズはできる限り小さいことが必要である。顔料分散は、乾燥粉末をそれぞれの配合物に導入/組み込む有益な方法として、化粧品の科学者によって使用されてきた。
【0010】
分散は、媒体中に顔料粒子を湿潤、分離及び分配するプロセスである。それは、液体の高せん断又は粉末の粉砕による強いエネルギー入力を必要とする。それはまた、高せん断ミキサー、3ロールミル等のような特殊な装置を必要とする場合もある。
【0011】
分散を用いることのいくつかの利点は以下の通りである:完全な発色、色強度の増強、凝集又は再凝集の防止、製品配合物における顔料の縞の防止、コスト効率、様々な製品形態への組み込みやすさ。
【発明の概要】
【0012】
発明の概要
本発明の目的は、先行技術に関連するこれら及び他の欠点に対処することである。本発明の特定の目的は、無機顔料/染料の分散に興味深い特性を有する化合物又は組成物を提案することである。
【0013】
従って、本発明の第1の態様は、式1の化合物:
X-(OCH2CH2CH2n-OR (1)
(式中:
nは、2~15の整数であり、
Rは、C6~C36のヒドロカルビル基であり、
Xは、R又はR1C(O)であり、かつ
1は、C2~C35のヒドロカルビル基である)
を提供する。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、2つ以上の第1の態様に記載の化合物の混合物を含有する組成物が提供される。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様の化合物又は本発明の第2の態様の組成物の製造方法が提供される。
【0016】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様の化合物又は本発明の第2の態様の組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。
【0017】
本発明の第5の態様は、パーソナルケア製品における本発明の第1の態様に記載の化合物、又は本発明の第2の態様に記載の組成物の使用を提供する。
【0018】
本明細書に記載の特徴の全ては、任意の組み合わせで上記態様のいずれかと組み合わせることができる。
【0019】
本発明は、本発明の第1又は第2の態様の化合物又は組成物がそれぞれ、その成分の特定の組み合わせにより有利な特性を有するという本発明者らの認識に部分的に基づいている。
【0020】
驚くべきことに、ポリトリメチレンエーテルグリコールを脂肪アルコール基により少なくとも一端でキャッピング(capping)し、もう一端をエステル基によりキャッピングすることにより、新規なエーテル誘導体化合物がもたらされ、これは「エステル-PPDn-エーテル」又は「エーテル-PPDn-エーテル」と名付けられ、配合目的での所望のレオロジー特性、特に顔料湿潤特性、及び/又は感覚特性を有することが発見された。このような特性は以下の例で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
本明細書で使用される任意の上限又は下限量又は範囲限定は、独立して組み合わせることができることが理解されよう。
【0022】
置換基における炭素原子の数を記載する場合(例えば「C1~C6」)、その数字は、置換基に存在する炭素原子の総数を意味し、その総数には、任意の分岐鎖基に存在する任意のものが含まれることが理解されるであろう。さらに、例えば脂肪酸において、炭素原子の数を記載する場合、これは、カルボン酸の炭素原子、及び任意の分岐鎖基に存在する任意の炭素原子を含む炭素原子の総数を意味する。
【0023】
本発明の組成物を製造するために使用され得る化学物質の多くは、天然の供給源から得られる。そのような化学物質は典型的には、その天然起源に起因して化学種の混合物を含む。そのような混合物の存在のために、本明細書に定義された様々なパラメータは、平均値である可能性があり、非整数であり得る。
【0024】
本明細書における用語「ヒドロカルビル」の使用は、一般構造-Cm2m+1、又はそれに基づく構造(例えば-Cm2m)を有する任意の部分を意味し、ここで、mは2~36の整数である。特に明記しない限り、ヒドロカルビル部分は、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、非置換又は置換であってもよく、例えばヘテロ基(heterogroups)、例えば窒素、酸素又は硫黄原子を含む有機官能基で置換されてもよく、及び/又は1つ又は複数の酸素、硫黄、シリコン原子により、又はシラノ又はジアルキルシリコン基、又はそれらの混合物により中断(interrupted)されてもよい。
【0025】
本明細書における用語「アルキル」の使用は、非置換及び飽和である上述したヒドロカルビル基を意味する。
【0026】
本明細書における用語「残基」の使用は、反応が起こった後に反応生成化合物に残る反応分子の部分を意味する。
【0027】
化合物
式(1)の化合物において、nの値は、好ましくは2~10の範囲、より好ましくは3~7の範囲、具体的には3、4又は5、特に5である。
【0028】
R基は、好ましくはC8~C24、より好ましくはC10~C20、具体的にはC12~C16、特にC12~C14のヒドロカルビル、好ましくはアルキル基である。Rは直鎖又は分岐鎖であってもよいが、好ましくは分岐鎖である。その鎖が分岐している場合、それは好ましくは、2つ以下の、より好ましくは1つ以下の分岐を有する。
【0029】
1基は、好ましくはC6~C24、より好ましくはC10~C22、具体的にはC14~C20、特にC16~C18のヒドロカルビル、好ましくはアルキル基である。R1は直鎖又は分岐鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。
【0030】
一実施形態では、R1は分岐している。R1が分岐している場合、それは好ましくは2つ以下の分岐を有し、より好ましくは1つ以下の分岐を有する。R1が分岐している場合、その分岐は好ましくはアルキル分岐、より好ましくはメチル、エチル又はプロピル分岐、より好ましくはメチル分岐である。R1は、分岐基の混合物を含んでもよい。この場合、主な分岐基は好ましくはメチルである。
【0031】
R及び/又はR1は、材料の混合物に由来してもよく、この場合、前述の炭素鎖長及び/又は分岐の数は、モル又は数による平均値を意味する。
【0032】
好ましくは、本発明の化合物は、エステル-PPDn-エーテル化合物(さもなければエステル-(OCH2CH2CH2n-エーテル化合物と称される)であり、式(1)中、XはR1C(O)である。
【0033】
式(1)におけるR及びR1は、互いに同じでも異なってもよい。好ましくは、式(1)中のR及びR1は、互いに異なっている。この実施形態では、Rは、R1よりも多くの炭素原子、又はR1よりも少ない炭素原子を含んでもよい。好ましくは、Rは、式(1)のR1よりも少ない炭素原子を含む。
【0034】
より好ましくは、本発明の化合物は、カプリレート(caprylate)/カプレート(caprate)-(OCH2CH2CH2n-イソステアリルであり、ここで、式(1)中、XはR1C(O)であり、R1はC7-10であり、n=5、かつRはイソステアリル基である。この実施形態では、Rはイソステアリルアルコールの残基であり、かつR1はカプリル酸/カプリン酸の残基である。
【0035】
化合物は、異なるnの値を有する分子を含んでもよく、この場合、前述のnの値は、モル又は数による平均値を意味し、かつnは非整数であってもよい。
【0036】
本発明の第1の態様の化合物は、好ましくは、ポリトリメチレンエーテルグリコール、一価アルコール及びモノカルボン酸の反応生成物である。
【0037】
好ましくは、式(1)中の-(OCH2CH2CH2n-は、ポリトリメチレンエーテルグリコールの残基である。好ましくは、ポリトリメチレンエーテルグリコールは、2~15の反復残留モノマー1,3-プロパンジオール反復単位を有する。好ましくは、1,3-プロパンジオールモノマー残基反復単位は、エーテル結合によって一緒に結合される。エーテル結合は、隣接する1,3-プロパンジオールモノマー間の脱水反応によって適切に形成される。
【0038】
好ましくは、式(1)中のRは、一価アルコールの残基である。一価アルコールは好ましくは、長鎖第一級アルコールであり、好ましくは16~26個の炭素原子の鎖長を有する長鎖第一級アルコールであり、これは天然源、例えば脂肪及び油に由来し得る。好ましくは、アルコールは、植物源に由来するが、動物源又は石油化学源からアルコールを誘導することも可能である。本発明で使用されるアルコールは通常、水素化によって天然に発生するエステルから得られるであろう。
【0039】
本発明で使用される一価アルコールは、異なる鎖長のアルコールの混合物であり得る。この場合、混合物は、市販の混合物であってもよく、又は異なる鎖長のアルコールの組み合わせから作製されてもよい。
【0040】
本発明で使用されるアルコールは好ましくは、6~36個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、より好ましくは10~20個の炭素原子を含む。アルコールは、カプリルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグセリルアルコール、セロチニルアルコール、モンタニルアルコール及びメリシルアルコールを含む群から選択されてもよい。好ましくは、本発明で使用されるアルコールは、ラウリルアルコール、ミリスチル(mysrityl)アルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、リグセリルアルコール及びセロチニルアルコールから選択される。好ましくは、式(1)中のR1は、モノカルボン酸の残基である。好ましくは、モノカルボン酸は長鎖モノカルボン酸、好ましくは8~18個の炭素原子の鎖長を有する長鎖モノカルボン酸であり、これは天然源、例えば脂肪及び油に由来し得る。好ましくは、この酸は植物源に由来するが、動物源又は石油化学源から酸を誘導することも可能である。本発明で使用される酸は通常、天然に存在するトリグリセリドから得られることになる。
【0041】
本発明で使用されるモノカルボン酸は、異なる鎖長のモノカルボン酸の混合物であり得る。この場合、混合物は、市販の混合物であってもよく、又は異なる鎖長の組み合わせから作製されてもよい。
【0042】
本発明で使用されるモノカルボン酸は好ましくは、2~36個の炭素原子、好ましくは4~24個の炭素原子、より好ましくは6~22個の炭素原子、望ましくは8~16個の炭素原子を含む。この酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプリン酸/カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、イソベヘン酸、エルカ酸、リンゲル酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸及びダイマー酸を含む群から選択されてもよい。好ましくは、本発明で使用される酸は、カプリル酸、カプリン酸、カプリン酸/カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びイソステアリン酸を含む群から選択される。
【0043】
組成物
本発明は、上記の本発明の化合物の混合物を含有する組成物も提供し、これは例えばあわせて製造することができる。
【0044】
好ましくは、組成物は、少なくとも以下の混合物を含む:
(i)化合物(複数可):R1C(O)-(OCH2CH2CH2n-OR (1a)、
すなわち、本発明のエステル-PPDn-エーテル化合物(複数可)、及び
(ii)化合物(複数可):R-(OCH2CH2CH2n-OR (1b)、
すなわち、本発明のエーテル-PPDn-エーテル化合物(複数可)、ここで、
n、R及びR1は上記の通りである。
【0045】
本発明に係る組成物は好適には、以下を含む:
(i)50重量%超、好ましくは60重量%超、より好ましくは65~98%、具体的には70~95%、特に80~90重量%の範囲での式(1a)の化合物(複数可)(エステル-PPDn-エーテル化合物)、
(ii)30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは1~20%、具体的には3~15%、特に5~10重量%の範囲での式(1b)の化合物(エーテル-PPDn-エーテル化合物)、
全ての%は、組成物の総重量に基づいた重量によって与えられる。
【0046】
Rが分岐アルコール、例えばイソステアリルアルコールの残基である場合、式(1b)の化合物はアルキルエーテル-PPDn-アルキルエーテル化合物となることが当業者には容易に明らかであろう。
【0047】
組成物中の式(1a)の化合物(複数可)と式(1b)の化合物(複数可)との重量比は好適には、2:1よりも大きく、好ましくは5~50:1、より好ましくは7~25:1、具体的には8~15:1、特に9~11:1の範囲である。
組成物は、式(1c)のジエステル化合物をさらに含有してもよい:
2C(O)-(OCH2CH2CH2m-OC(O)R2 (1c)、
(式中:
mは、2~15の整数であり、かつ
2は、C2~C36のヒドロカルビル基である)。
【0048】
mの値は、好ましくは2~10の範囲、より好ましくは3~7、具体的には3~5の範囲、特に5である。好ましくはmはnと同じである。
【0049】
2基は好ましくはC6~C24、より好ましくはC10~C22、具体的にはC14~C20、特にC16~C18のヒドロカルビル、好ましくはアルキル基である。R2は直鎖又は分岐鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。その鎖が分岐している場合、それは好ましくは2つ以下の、より好ましくは1つ以下の分岐を有する。
【0050】
好ましくはR2はR1と同じである。好ましくはR2はR1であり、これはモノカルボン酸の残基である。
【0051】
本発明に係る組成物は好適には、混合組成物の総重量に基づいて30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは0.1~15%、具体的には0.5~10%、特に1~7重量%の範囲での式(1c)の化合物(複数可)(エステル-PPDn-エステル化合物)を含有する。
【0052】
R、R1及び/又はR2は、材料の混合物に由来してもよく、その場合前述の炭素鎖長及び/又は分岐の数は、モル又は数による平均値を意味する。
【0053】
組成物は未反応のポリトリメチレンエーテルグリコール(PPDn)をさらに含有してもよいが、好適には、混合物は、混合組成物の総重量に基づいて、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは0.1~15%、具体的には0.5~10%、特に1~7重量%の範囲でのポリトリメチレンエーテルグリコール(PPDn)を含む。
【0054】
組成物は異なるn及び/又はmの値を有する分子を有する化合物を含むことができ、その場合前述のn及び/又はmの値は、モル又は数による平均値を意味し、n及び/又はmは非整数であってもよい。
【0055】
好ましくは、組成物は、同じn及び/又はmの値を有する化合物を含んでもよく、2~10の範囲、より好ましくは3~7、具体的には3~5の範囲、特に5である。
【0056】
好ましくは、組成物は無水である。本明細書における無水という用語の使用は、組成物が好ましくは最大で10重量%の水を含有することを意味する。より好ましくは、組成物は、最大で7重量%の水、最も好ましくは5%、望ましくは2重量%の水を含有する。好ましくは、組成物は、0.01%~10重量%の水、好ましくは0.05%~5%、最も好ましくは0.1%~2重量%の水を含有する。
【0057】
従って、本発明はさらに、以下から本質的になる組成物を提供する:
(i)化合物(複数可):R1C(O)-(OCH2CH2CH2n-OR (1a);
(ii)化合物(複数可):R-(OCH2CH2CH2n-OR (1b);
(iii)化合物(複数可)R2C(O)-(OCH2CH2CH2m-OC(O)R2 (1c);及び
(iv)ポリトリメチレンエーテルグリコール;
(式中、n、R、R1及びR2は上記の通りである)。
【0058】
好ましくは、組成物は、ポリトリメチレンエーテルグリコール、一価アルコール及びモノカルボン酸の反応生成物である化合物の混合物を含む。
【0059】
方法
本発明はまた、本発明の化合物又は本発明の組成物の製造方法を提供し、当該方法は、以下を含む:
・強酸触媒の存在下でポリトリメチレンエーテルグリコールと式R-OHを有するアルコールとを反応させることによって、エーテル化ポリトリメチレンエーテルグリコール混合物を調製する、第1ステップ;並びに
・強酸触媒の存在下で、第1ステップで得られた反応生成物を式R1-COOHの脂肪カルボン酸でエステル化する、第2ステップ、
(式中、R及びR1は上記の通りである)。
【0060】
本発明によれば、使用され得る強酸触媒は、硫酸、塩酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫酸-五フッ化アンチモン1:1から選択されてもよく、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸であってもよい。
【0061】
より正確には、第1ステップは、150℃~220℃の範囲の温度で6~24時間行われ得る。
【0062】
より正確には、第2ステップは、120℃~180℃の範囲の温度で2~12時間行われ得る。
【0063】
パーソナルケア製品
本発明はまた、上記の本発明の化合物又は本発明の組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。
【0064】
本発明の化合物及び組成物は、パーソナルケア製品における使用に適している可能性があり、パーソナルケア製品にはこれらに限定されるものではないが、シャンプー、コンディショナー、コンディショニングシャンプー、ボディウォッシュ、クレンザー、ヘアカラー製品及び染毛剤、ヘアリラクサー(hair relaxers)、化粧品、スキンケア製品、有機日焼け止め、無機日焼け止め、デオドラント、制汗剤、脱毛剤、スキンブロンザー(skin bronzers)、化粧品リムーバー又は同様のもの、口紅、ファンデーション、ヘアムース、スタイリングジェル、老化防止クリーム及びローション、並びにニキビ対策製品が挙げられる。本発明の化合物及び組成物は、カラー化粧品、日焼け止め、制汗剤、老化防止及び保湿製品における使用に特に適している。
【0065】
本発明は、パーソナルケア製品におけるレオロジー改変剤(rheology modifier)としての、本発明の化合物又は本発明に係る組成物の使用を提供する。好ましくは、本発明の化合物又は組成物は、パーソナルケア製品の粘度を増大し得る。これは、含まれる本発明の化合物又は組成物の濃度に応じて、よりクリーミーな質感の又は固化/半固化したパーソナルケア製品を提供することができる。
【0066】
本発明は、パーソナルケア製品における感覚剤(sensory agent)としての、本発明の化合物又は本発明に係る組成物の使用を提供する。好ましくは、本発明の化合物又は組成物は、パーソナルケア製品の皮膚感触を改善又は変更することができる。これは例えば、パーソナルケア製品の性質に応じて、べたつかない又は絹のような(silkier)感触の製品を提供することができる。
【0067】
本発明は、パーソナルケア製品における顔料分散剤及び/又は顔料湿潤剤(pigment wetter)としての本発明の化合物又は本発明に係る組成物の使用を提供する。好ましくは、本発明の化合物又は組成物は、パーソナルケア製品の安定性を増大することができ、及び/又は、顔料の湿潤を改善し、固体顔料粒子を製品中に均一に分散させて凝結(flocculation)を防ぐことによって、その製造を容易にする。
【0068】
本発明の化合物又は組成物は好ましくは、全組成物の重量で0.1~50%、好ましくは0.5~40%、より好ましくは1~30%、具体的には2~20%、特に3~10%の範囲の濃度で、パーソナルケア製品において使用される。具体的なパーソナルケア製品に最も適した濃度は、特定の製品及びそれに含まれる他の成分に依存するであろう。
【0069】
パーソナルケア製品は、追加の成分、例えば、追加のエモリエント剤、担体、界面活性剤などを含むことができる。
【0070】
本発明のパーソナルケア製品における任意の追加のエモリエント剤は、好ましくは主に、パーソナルケア製品又は化粧品で使用されるタイプのエモリエントオイルであろう。エモリエント剤は、周囲温度で液体である油性物質であってもよく、通常は油性物質であろう。あるいは、エモリエント剤は周囲温度で固体であり得、その場合、塊状で、通常ワックス状の固体となるが、これは、エモリエント剤が製品に含まれ、乳化される高温で液体であることを条件とする。製品の製造には、好ましくは100℃までの温度、より好ましくは約80℃の温度が使用され、従って、そのような固体エモリエント剤は、好ましくは、100℃未満、より好ましくは70℃未満の融解温度を有するであろう。
【0071】
好適な通常液体のエモリエントオイルとしては、非極性油、例えばミネラル又はパラフィン、特にイソパラフィン、油、例えばArlamol(商標)HDとしてCrodaから販売されている油;又は中極性油、例えば植物エステル油、例えばホホバ油、植物グリセリド油、動物グリセリド油、例えばCrodamol(商標)GTCCとしてCrodaから販売されているもの(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、合成油、例えば合成エステル油、例えばパルミチン酸イソプロピル、並びにCrodamol IPM及びCrodamol DOAとしてCrodaから販売されているもの、エーテル油、具体的には2つの脂肪、例えばC8~C18アルキル残基のエーテル油、例えばCetiol OEとしてCognisから販売されているもの(ジカプリルエーテル)、ゲルべアルコール(guerbet alcohols)、例えばEutanol GとしてCognisから販売されているもの(オクチルドデカノール)、又はシリコン油、例えばジメチシオン油、例えばDC200としてDow Corningから販売されているもの、シクロメチコン油、又はその親水性を改善するためにポリオキシアルキレン側鎖を有するシリコン;又は高極性油、これは、アルコキシレートエモリエント剤、例えば脂肪アルコールプロポキシレート、例えばArlamol PS15としてCrodaから販売されているもの(プロポキシル化ステアリルアルコール)が挙げられる。本発明の組成物を作製するために典型的に使用される周囲温度で固体であるが、室温で液体であり得る好適なエモリエント材料は、ホホバワックス、獣脂及びココナッツワックス/油を含む。
【0072】
エモリエント剤の混合物を使用することができ、場合によっては、固体エモリエント剤は、液体エモリエント剤に全体又は一部が溶解してもよく、又は組み合わせで、混合物の凝固点が適切に低くなる場合がある。周囲温度でエモリエント剤組成物が固体(例えば脂肪アルコール)である場合、得られる分散体は技術的にはエマルションではない可能性がある(ただし、ほとんどの場合、油分散相の正確な相を容易に決定することはできない)、しかしながら、そのような分散体はそれらが真のエマルションであるかのように挙動し、エマルションという用語は、本明細書において、そのような組成物を含むように使用される。
【0073】
水を含むパーソナルケア製品では、存在する水の量は、全組成物の重量で、好適には5%超、好ましくは30~90%、より好ましくは50~90%、具体的には70~85%、特に75~80重量%の範囲である。
【0074】
水相は、ポリオール、例えばグリセリンを含み得る。この場合、パーソナルケア配合物に存在するポリオールを含む総水相は、全組成物の重量で、好適には5%超、好ましくは30~90%、より好ましくは50~90%、具体的には70~85%、特に75~80%の範囲である。
【0075】
パーソナルケア製品はさらに、追加の保湿成分としてコレステロールを含んでもよい。存在する場合、コレステロールは、全パーソナルケア製品の重量で0.1~5%の量で存在する。
【0076】
本発明に係るパーソナルケア製品はまた、乳化システムの一部を成す他の追加の界面活性剤材料を含んでもよい。他の好適な界面活性剤は、比較的親水性の界面活性剤、例えば10超、好ましくは12超のHLB値を有する界面活性剤、並びに比較的疎水性の界面活性剤、例えば10未満、好ましくは8未満のHLB値を有する界面活性剤を含む。比較的親水性の界面活性剤は、平均して約10~約100アルキレンオキシド、具体的にはエチレンオキシド残基の範囲のアルコキシレート界面活性剤を含み;比較的疎水性の界面活性剤は、好ましくは平均して約3~約10アルキレンオキシド、具体的にはエチレンオキシド残基のアルコキシレート界面活性剤を含む。
【0077】
パーソナルケア製品又は化粧品は、粘度によってミルクとローションに分けることができる、これは好ましくは最大で10,000mPa.sの低せん断粘度を有し(典型的にはBrookfield粘度計で使用されるように、約0.1~10s-1のせん断速度で測定される)、そのクリームは好ましくは10,000mPa.s超の低せん断粘度を有する。
【0078】
ミルク及びローションは好ましくは、100~10,000、より好ましくは200~5,000、及び具体的には300~1,000mPa.sの範囲の低せん断粘度を有する。ミルク又はローションに存在する本発明に係る化合物又は組成物の量は好ましくは、全組成物の重量で2~3%の範囲である。
【0079】
クリームは好ましくは、少なくとも20,000、より好ましくは30,000~80,000、及び具体的には40,000~70,000mPa.sの範囲の低せん断粘度を有するが、さらに高い粘度、例えば最大で約106mPa.sが使用されてもよい。クリームに存在する本発明に係る化合物又は組成物の量は好ましくは、全組成物の重量で、4~5.5%の範囲である。
【0080】
本発明のパーソナルケア製品は、従来の乳化及び混合方法によって作製することができる。例えば、本発明に係る化合物又は組成物は、(i)油相に添加され、これが次に水相に添加される、又は(ii)合わせた油相及び水相の両方に添加される、又は(iii)水相に添加され、これが次に油相に添加される。方法(iii)が好ましい。これら全ての方法において、得られた混合物は、次に標準的な技法を用いて乳化され得る。水相及び油相を通常は約60℃超、例えば約80~85℃に加熱すること、あるいは水相をより低い温度、例えばほぼ周囲温度で高強度の混合に供することが好ましい。所望であれば、激しい混合及び適度に高い温度の使用を組み合わせることができる。加熱及び/又は高強度混合は、油相の添加前、添加中又は添加後に行うことができるが、一度乳化したら、過剰な混合又は攪拌によって液晶系を破壊しないように注意すべきである。
【0081】
パーソナルケア製品はまた、逆乳化法によっても作製することができ、それによって本発明に係る化合物又は組成物が油相又は水相のいずれかに添加され、並びに水相を油相に混合して油中水型エマルションを最初に形成する。系が反転して水中油型エマルションを形成するまで、水相の添加が続けられる。一般に、反転を生じるにはかなりの量の水相が必要とされるため、この方法は高油相含有エマルションには使用されない可能性がある。所望であれば、激しい混合及び適度に高い温度の使用を組み合わせることができる。加熱は、水相の添加中又は添加後、並びに反転前、反転中又は反転後に行うことができる。高強度の混合は、水相の添加中又は添加後、並びに反転前又は反転中に行うことができる。
【0082】
パーソナルケア製品は例えば、広い範囲、好ましくは10~10,000nmの範囲にわたる平均液滴サイズを有するマイクロエマルション又はナノエマルションであり得る。一実施形態では、エマルションの液滴サイズは、例えば高圧均質化によって、好ましくは100~1,000nm、より好ましくは300~600nmの範囲の値に減少させることができる。
【0083】
本発明に係るパーソナルケア製品は好ましくは、周囲温度(23℃)で、また、好ましくは40℃で、1ヶ月を超えて、より好ましくは2ヶ月を超えて、具体的には3ヶ月を超えて、特に4ヶ月を超えて、安定である。さらに高い温度での安定性は特に重要であり得、従ってパーソナルケア配合物は好ましくは、50℃で、1週間、好ましくは2週間を超えて、より好ましくは3週間超、具体的には1ヶ月を超えて、特に2ヶ月を超えて安定である。
【0084】
他の多くの成分がパーソナルケア製品に含まれてもよい。これらの成分は、油溶性、水溶性又は不溶性であり得る。そのような材料の例としては、以下のものが挙げられる:
(i)保存剤、例えばパラベンに基づくもの(4-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル)、フェノキシエタノール、置換尿素及びヒダントイン誘導体、例えばGermaben II Nipaguard BPX及びNipaguard DMDMHの商品名で市販されているもの、好ましくは、全組成物の重量で0.5~2%の範囲の濃度で使用される場合;
(ii)香料、好ましくは、全組成物の重量で、0.1~10%の範囲、より好ましくは最大で約5%、及び具体的には最大で約2%の濃度で使用される場合;
(iii)保湿剤又は溶媒、例えばアルコール、ポリオール、例えばグリセロール及びポリエチレングリコール、好ましくは、全組成物の重量で1~10%の範囲の濃度で使用される場合;
(iv)サンフィルター(sunfilter)又は日焼け止め材料、これは、二酸化チタン又は酸化亜鉛に基づくものを含む有機日焼け止め及び/又は無機日焼け止めを含む;好ましくは、全組成物の重量で、0.1%~20%、より好ましくは1~15%、及び具体的には2~10%の範囲の濃度で使用される場合;
(v)アルファヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びそれらのエステル;セルフタンニング(self-tanning)剤、例えばジヒドロキシアセトン、及びベータヒドロキシル酸、例えばサリチル酸とそのエステル;
(vi)老化防止、細胞ターンオーバー改善、及び抗菌、具体的には抗ニキビ成分、例えばサリチル酸;
(vii)ビタミン及びその前駆体、これは以下のものを含む:(a)ビタミンA、例えばパルミチン酸レチニル及び他のトレチノイン前駆体分子として、(b)ビタミンB、例えばパンテノール及びその誘導体として、(c)ビタミンC、例えばアスコルビン酸及びその誘導体として、(d)ビタミンE、例えば酢酸トコフェリルとして、(e)ビタミンF、例えばポリ不飽和脂肪酸エステル、例えばガンマ-リノレン酸エステルとして;
(viii)スキンケア剤、例えば天然物質又は天然セラミドの機能的模倣物としてのいずれかのセラミド;
(ix)リン脂質、例えば合成リン脂質又は天然リン脂質、例えばレシチン;
(x)小胞含有製剤(vesicle-containing formulations);
(xi)有益なスキンケア特性を有する植物抽出物;
(xii)皮膚美白剤、例えばCroda International Plc kojic acidのメンバーであるSedermaから販売されているODA White、Mediatone(商標)、アルブチン及び類似の物質;
(xiii)皮膚修復化合物活性剤、例えばアラントイン及び同様のシリーズ;
(xiv)カフェイン及び類似の化合物;
(xv)清涼添加剤、例えばメントール又はショウノウ;
(xvi)昆虫忌避剤、例えばN,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド(DEET)及び柑橘又はユーカリ油;
(xvii)精油;
(xviii)エタノール;及び
(xix)顔料、これは微細顔料、特に酸化物及びケイ酸塩、例えば酸化鉄、具体的には被覆酸化鉄、及び/又はに酸化チタン、及びセラミック材料、例えば窒化ホウ素、又は他の固体成分を含み、例えばメイクアップ及び化粧品に使用されて、サスポエマルションを与え、好ましくは1~15%の範囲の量で、より好ましくは少なくとも5%及び具体的には約10%の量で使用される。
【0085】
本発明に係る化合物、組成物及びパーソナルケア製品は、幅広い組成物及び最終用途における使用に適しており、例えば保湿剤、日焼け止め、日焼け後用製品(after sun products)、ボディバター、ゲルクリーム、高香料含有製品、香水クリーム、ベビーケア製品、ヘアコンディショナー、スキントーニング及びスキンホワイトニング製品、無水製品、制汗剤及びデオドラント製品、日焼け製品、クレンザー、ツー・イン・ワン発泡エマルジョン、マルチエマルジョン、防腐剤フリー製品、乳化剤フリー製品、マイルド製剤(mild formulations)、スクラブ配合物(例:固体ビーズを含む)、水中シリコン配合物、顔料含有製品、スプレー可能なエマルション、カラー化粧品、コンディショナー、シャワー製品、発泡エマルション、メイクアップリムーバー、アイメイクアップリムーバー、及びワイプ(wipes)に適している。
【0086】
本発明に係る化合物又は組成物を含むパーソナルケア製品は、好ましくは3~13、より好ましくは4~9、特に5~6の範囲の広範囲にわたるpH値を有し得る。
【0087】
上記特徴のいずれかが、本発明の態様のいずれかと任意の組み合わせで採用され得る。
【実施例
【0088】
実施例
本発明は以下の非限定的な例により例示される。全ての部及びパーセンテージは、特に明記しない限り重量により与えられる。
【0089】
列挙された全ての試験及び物理的特性は、本明細書に特に明記されない限り、あるいは参照される試験方法及び手順で別段の定めがない限り、大気圧及び周囲温度(すなわち約23℃)で測定されたことが理解されよう。
【0090】
試験方法
本明細書では、以下の試験方法が使用された:
(i)エマルション安定性を、周囲温度(23℃)、5℃の低温、又は40℃、45℃及び50℃の高温保存下で3ヶ月保存後にエマルションを観察することによって評価した。50℃での保存安定性の測定は苛酷試験である。エマルションはまた、サイクリングオーブン(cycling oven)を用いて凍結融解安定性についても評価した(-10℃~40℃で24時間)。目に見えるエマルションの分離が起こらなければ、組成物は安定であった。エマルションの安定性は、3ヶ月の期間にわたって分散相の水粒子のサイズをモニタリングすることによっても評価された。レーザー回折を用いて分散相粒子のサイズを測定するMalvern Mastersizer 2000を使用して、粒子サイズを測定した。
【0091】
(ii)エマルション粘度を、エマルションの粘度に応じて適切なスピンドル(LV1、LV2、LV3、又はLV4)を使用してBrookfield LVT粘度計を用いて、23℃で測定した。エマルションを、10rpm(0.1Hz)でエマルションを作製した1日後に試験し、結果をmPa.sで示した。
【0092】
(iii)ヒドロキシル価は、1gの試料のヒドロキシル含有量に相当する水酸化カリウムのmg数として定義され、アセチル化に続く過剰な無水酢酸の加水分解によって測定された。その後、形成した酢酸をエタノール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
【0093】
(iv)酸価は、1gの試料中の遊離酸を中和するのに必要とされる水酸化カリウムのmg数として定義され、標準水酸化カリウム溶液を用いた直接滴定によって測定された。
【0094】
(v)粒子サイズは、ASTM法D1210-05(2014)Hegman-Type Guageによる顔料-ビヒクル系の分散液の微細度の標準試験方法(Standard Test Method for Fineness of Dispersion of Pigment-Vehicle Systems)に従って決定した。
【0095】
本明細書に記述される場合、濃度は、化合物/組成物/配合物の総重量に基づく重量によって与えられる。
【0096】
調製例
実施例1:R1C(O)-(OCH2CH2CH2n-OR本発明の化合物を含有する本発明の混合組成物の一般的な調製方法。
【0097】
R-(OCH2CH2CH2n-OH化合物を含有する前駆体混合組成物の調製の第1ステップ。
【0098】
3~10モルの植物由来1,3-プロパンジオール、1モルの式R-OHの脂肪アルコール及び濃硫酸触媒を、窒素注入口、メカニカルスターラー及び蒸留ヘッドを備えた反応フラスコに添加した。混合物を、窒素スパージ(sparge)しながら150~170℃に加熱し、2.5時間保持した。次に、温度を175~250℃に上昇させ、24時間まで保持した。この時点で、温度を75℃に下げ、45%のKOH溶液及び脱イオン水を添加した。得られた水性混合物を75℃で保持し、窒素下で2~4時間攪拌して、酸触媒重縮合中に形成した酸エステルを加水分解し、残留酸を中和した。次に、反応混合物を相分離のために放置し、下層を水相とし、上層を有機相とした。水相を除去した後、有機相を真空下で乾燥し、濾過した。
【0099】
このステップは、主にモノキャップ化(monocapped)エーテル化合物H-(OCH2CH2CH2n-ORを含有する混合組成物の調製をもたらした(組成物の総重量に対して重量で)。
【0100】
得られた組成物はまた、少量のジキャップ化(dicapped)化合物R-(OCH2CH2CH2n-ORを含有する。
【0101】
前駆体混合組成物のエステル化の第2ステップ
1モルの第1ステップで調製した生成混合物、1モルの式R1COOHの脂肪酸、及び0.1w/w%のスズIIシュウ酸塩触媒を、窒素注入口、メカニカルスターラー及び蒸留ヘッドを備えたクリーンな乾燥フラスコに添加した。反応混合物を、酸価の低下を追跡しながら、180~220℃に加熱して保持した。酸価が2未満に達したら、バッチを90℃に冷却し、乾燥及び濾過した。
【0102】
このステップは、主にモノキャップ化された本発明の化合物R1C(O)-(OCH2CH2CH2n-ORを含有し、並びに、少量で第1ステップで形成したジキャップ化された本発明の化合物 R-(OCH2CH2CH2n-OR、及びジエステル化合物 R1C(O)-(OCH2CH2CH2n-O(CO)R1を含有する組成物の調製をもたらした。
【0103】
残留ポリプロパンジオール又は遊離アルコールは検出されなかった。
【0104】
本方法によるイソステアレート-PPD5-イステアリル(istearyl)の調製
第1ステップ:894gの植物由来1,3-プロパンジオール、657gのイソステアリルアルコール、及び4.7gの濃硫酸を用いて手順を行い、3Lの四つ口丸底フラスコに添加した。反応後、4.4gの45%KOH溶液及び320gの脱イオン水を添加し、得られた水性混合物を75℃で保持し、窒素下で4時間攪拌した。
【0105】
第2ステップ:439gの第1ステップで調製した生成物PPD-5イソステアリルアルコール、237gのイソステアリン酸、及び0.8gのスズIIシュウ酸塩触媒を、窒素注入口、メカニカルスターラー及び蒸留ヘッドを備えたクリーンな乾燥した1Lの四つ口丸底フラスコに添加した。反応混合物を、酸価の低下を追跡しながら、180~220℃に加熱し、保持した。
【0106】
実施例2:分布(Distribution)
以下の表1は、NMRデータの結果の概要であり、斯かるデータは、セテアリルアルコール(Crodacol 1618の商品名でCroda Inc.から販売されており、セチル(C16)及びステアリル(C18)アルコールの分布を含む)並びにミリスチルアルコール(Crodacol M95の商品名でCroda Inc.から販売されており、C14アルコールからなる)から選択されたキャッピング(capping)に使用された異なる長さのPPD鎖及び脂肪アルコールを用いる方法の上述した第1ステップに従って調製した異なる生成物についての分布を決定するために使用された。
【0107】
【表1】
【0108】
実施例1の方法を適用して、本発明のセテアリル-PPD5-カプリレート/カプレート化合物を含有する混合組成物を調製し(上述のPPD5-セテアリルアルコール混合物と反応したカプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)との混合物から)、混合物の異なる化合物の分布をNMR分析(標準1H及び13C NMR実験)によって決定し、以下の表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】
適用例
以下の実施例では、エステル-PPDn-エーテル化合物を主成分として含有する本発明の混合組成物を使用する。しかしながら、簡略化のために、本文では名称「エステル-PPDn-エーテル」を使用して、混合物を示す。
【0111】
実施例3:無機固体顔料/染料の分散特性のカラー化粧品におけるカプレート/カプリレート-PPD5-イソステアリルの評価。
【0112】
本目的は、以下のカラー化粧品中に最も一般的に使用されている分散エモリエント媒体と比較して、本発明のカプレート/カプリレート-PPD5-イソステアリルの顔料湿潤能を評価することである:
-Cromollient(商標) DP3A、プロポキシル化ミリスチルアルコールとアジピン酸とのジエステル、Crodaにより市販されている(INCI名:DI-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート);
-Crodamol(商標) GTCC、カプレート/カプリレートトリグリセリド(INCI名:カプリリル/カプリントリグリセリド);及び
-ヒマシ油(INCI名:トウゴマ(Ricinus Communis)(ヒマシ)種子油)。
【0113】
55:45の媒体/顔料比で赤色顔料(Red 7 Calcium Lake - INCI名:Cl 15850)を試験した。それぞれのエモリエント剤/媒体をこの顔料と混合し、形成した分散体を1/2時間オーバーヘッドスターラーで混合し、次いで3本ロールミルに3回通した。
【0114】
粘度試験:
分散体の安定化後(24時間後)の粘度の測定をBrookfield粘度計で行い、以下の表3に報告する。
【0115】
【表3】
【0116】
粒子サイズ試験:
Hegman Gauge及び磨砕度(Fineness of Grind)の標準試験を使用して粒子サイズを概算した。この試験は、深い端に少量の生成物を置き、ストレートスクレーパー(straight scraper)で浅い端に向かって引き出すことで構成される。大きすぎる粒子及びその飛跡が現れるスケール上の位置が、分散の決定のために評価される。結果を以下の表4に報告する。
【0117】
【表4】
【0118】
より低い粘度は、より良い顔料分散に直接比例しない。これは、分散体において最も低い粘度(5,000cps)を示すが、最も大きな粒子サイズ(11.00μm)を示すCrodamol GTCCについての上記結果によって示されている。
【0119】
実際に、分散混合物は、最適である必要があり、凝集又は再凝集を防ぐために顔料の粒子サイズを大幅に小さくする必要がある。典型的な顔料分散粒子サイズは5μmである。5μm未満は分散の優位性を示している。低粒子サイズの分散と十分な粘度との間の相乗効果は、低粘度の評価単独よりも好ましい。
【0120】
本発明のカプレート/カプリレート-PPD5-イソステアリルは、Cromollient(商標)DP3Aのような従来使用されているエモリエント剤に匹敵する十分な粘度レベルと併せて、5μm未満の粒子サイズを示す。
【0121】
測色による色強度
各分散のL*及びa*値を評価することによって色強度を実施した。
【0122】
「Commission Internationale de l’Eclairage」(CIE)によって定義された、L*a*b*色空間は、2つの色が同時に赤と緑、又は同時に黄色と青にはなり得ないことを述べた反対色理論に基づいてモデル化された。
L*は、試料の明/暗を示す。
a*は、赤/緑の座標である。
b*は、黄/青の座標である。
【0123】
以下の表6に結果を示す。
【0124】
【表5】
【0125】
Cromollient DP3A及びCrodamol GTCCは、最も明るい試験試料を示し、最も高い赤座標はヒマシ油に属する。全体として、本発明の化合物の明度結果(32.35)は、その対応物であるCromollient DP3A及びCrodamol GTCC(32.45)と0.10%異なるだけであり、本発明のカプレート/カプリレート-PPD5-イソステアリルの赤み/赤色強度(33.60)は、最も高い色の鮮やかさ(vibrancy)を示すエモリエント剤と8.00%異なる。それゆえ、本発明の化合物を含む顔料分散体の色強度は、従来使用されているエモリエント剤に匹敵すると結論づけることができる。
【0126】
実施例4:本発明に係るパーソナルケア製品又は化粧品
本発明の化合物は、スティック、ワックス、顔料、ローション、日焼け止めにわたる多くの異なるタイプのスキンケアシステムと良好な適合性を有し、例えば以下の試験によって示されるような優れた安定性を有する。
【0127】
安定性試験:
ワックスシステムをシンプルなリップバームシャシー(chassis)のために作製した。このシステムはワックス及びスーパーステロールエステルからなる。2つのシステムが作製され、1つはCromollient(商標) DP3Aで、もう1つは本発明のカプレート/カプリレート-PPD5-イソステアリルで、それぞれ12%使用した。いずれも50℃のオーブンに24時間入れた。Cromollient(商標) DP3Aを含むリップバームはかなりの水滴を生じたが、本発明の化合物を含むシステムは、完全に無傷であり変化しなかった。
【0128】
本発明に係る他のパーソナルケア製品及び化粧品の例を以下に示す。
【0129】
以下の表7~15に示されるように、重量は全てのパートに対してまとめられている。例えば、表7に示されるように、パートA~Cの重量の合計は100%である。
【0130】
これら配合物で言及されているエステル-PPDn-エーテル本発明の化合物は、単独で存在するか、あるいは対応するエーテル-PPDn-エーテル及びエステル-PPDn-エステル成分と比較して指定された化合物を主成分(w/w)として含有する混合本発明に係る組成物の一部として存在する。
【0131】
【表6】
【0132】
脱イオン水を約75℃~約80℃の温度に加熱し、次にキサンタンガムを添加し、キサンタンガムを完全に水和させることによって、表7に開示されたスプレー可能な日焼け止めを形成した。表7のパートAの残りの成分を一度に1つずつ加え、各成分を次の成分を添加する前に完全に溶解させた。個別に、表7のパートBの成分を合わせて、約75℃に加熱することによって、パートBを調製した。パートA及びパートBを調製したら、パートAとBとを合わせて、約75℃~約80℃の温度に約15分間維持した。次に、パートAとBとの混合物を約45℃に冷却した。冷却されたら、パートCをパートAとBとの混合物に添加した。次に合わせた混合物を冷却し、パッケージングした。
【0133】
【表7】
【0134】
表8に開示された酸クリームを、パートAの成分を合わせて約80℃に加熱することによって形成した。パートBをパートAに添加し、酸結晶を溶解させた。個別に、パートCの成分を合わせて、約80℃に加熱した。次に、パートCを既存のパートAとBとの混合物に混合しながら添加した。パートA、B及びCの合わせた混合物を約80℃で約20分間維持し、次に水浴を使用することなく室温に冷却した。
【0135】
【表8】
【0136】
表9に開示されたスタイリングゲルを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約90℃~約95℃の温度で加熱することによって形成した。個別に、パートBの成分を混合しながら合わせて、約90℃~約95℃の温度に加熱した。次に、パートBをパートAに急速に混合しながら添加し、約15分間温度を維持した。次に、パートAとBとの混合物を約60℃に冷却し、混合物が約50~約55℃、pH:6.00±0.50の設定点に達する前に、金型に注いだ。
【0137】
【表9】
【0138】
表10に開示された保湿ローションを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約75℃~約80℃の温度に加熱することによって形成した。パートAの加熱温度を約15分間維持し、次に、パートAの混合物を約50℃に冷却した。次に、パートBの成分を個別にパートAに混合しながら添加した。次に、ローションを冷却し、パッケージングした。
【0139】
【表10】
【0140】
表11に開示されたコンディショニングシャンプーを、パートAの最初の3つの成分を合わせて、固体が溶解するまで混合することによって形成した。次に、残りの成分であるPEG 7Mを添加し、水和するまで混合した。次に、パートBの成分をパートAの混合物に約75℃までの温度で添加し、固体が溶解するまで混合した。パートA/パートB混合物を約40℃に冷却し、次に、パートCの成分を添加した。パートCの成分がパートA/パートB混合物に溶解したら、合わせたパートA/パートB/パートC混合物のpHを測定した。pHが約5.5~約7.0の範囲外である場合、pHをその範囲内に調整した。次に、パートDの成分を、約100~約300回転毎分(rpm)でゆっくりと混合しながら添加した。
【0141】
【表11】
【0142】
表12に開示されたヘアコンディショニングリンスを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約80℃~約85℃の温度に加熱することによって形成した。個別に、パートBの成分を約80℃~約85℃の温度に加熱した。次に、パートBをパートAに混合しながらに添加して、約15分間温度を維持した。次に、パートAとBとの混合物を約50℃に冷却した。冷却後、パートCの成分を混合しながら添加し、続いてパートDの成分を添加した。
【0143】
【表12】
【0144】
表13に開示された制汗剤を、パートAの成分を混合しながら合わせて、一定温度で加熱することにより形成し、次に、混合物に添加した。パートAの最初の2つの成分が溶解したら、次に、パートBの残りの成分を添加した。パートBの残りの成分をそれぞれ個別に添加した。パートAとBとの混合物を均質になるまで混合した。次に、混合物を約60℃~約65℃の温度に冷却する。温度を維持しながら、パートCの成分を混合しながら添加し、混合物を均質になるまで混合した。次に、混合物を約50℃の温度に冷却し、金型に注いで、固体の制汗剤を形成する。
【0145】
【表13】
【0146】
表14に開示されたヘアカラークリームを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約70℃までの温度に、成分が溶解するまで加熱することによって形成した。個別に、パートBの成分を約70℃まで加熱した。次に、パートBをパートAに混合しながら添加し、約15分間温度を維持した。次に、パートAとBとの混合物を約45℃の温度に冷却した。冷却後、パートCの成分を混合しながら添加した。さらなる冷却後又は約35℃の温度で、パートDの成分をパートA/B/Cに添加し、混合物を約1時間混合した。次に、混合物は、毛髪への適用時に、過酸化水素デベロッパー(developer)と約1:1の重量比で混合することができる。
【0147】
【表14】
【0148】
表15に開示されたリップスティックを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約85℃~約90℃の温度に混合物が透明になるまで加熱することによって形成した。個別に、パートBの成分を、粒子サイズが約25ミクロン未満になるまで混合した。いくつかの実施形態では、3ロールミルを利用して、所望の粒子サイズを達成した。次に、パートBをパートAに添加しながら、パートAとBとの混合物が均質になるまで混合し続けた。次に、パートAとBとの混合物を約75℃に冷却した。冷却後、パートCの成分を混合しながら添加し、次に、混合物を約70℃の温度で金型に注いだ。
【0149】
【表15】
【0150】
表16に開示されたメイクアップリムーバーを、パートAの成分を混合しながら合わせて、約80℃の温度に加熱することによって形成した。個別に、パートBの成分を混合し、約80℃の温度に加熱した。次に、パートBをパートAに添加しながら、混合及び約80Cで10分間加熱を維持し続けた。パートAとBとの混合物を約40℃に冷却し、次に、パートCを添加して、得られた配合物を室温に冷却した。
【0151】
本本明細書中の発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これら実施形態は本発明の原理及び用途の単なる例示であることが理解されたい。それゆえ、例示的な実施形態に対して多くの改変を行うことができ、並びに添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の構成を考案できることを理解されたい。