(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】飲料分配システム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2020532880
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 US2018066135
(87)【国際公開番号】W WO2019126102
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-16
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】サム・キャロル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ダブリュー・バルスタッド
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・ロマノ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・プラヴァート
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ・ロンカート
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0230436(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0230436(US,A1)
【文献】特開平10-017089(JP,A)
【文献】国際公開第2002/070396(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0220136(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサ用の検知装置であって、
ガス排気口を介してポンプに流体接続された内部領域を有するセンサハウジングと、
前記内部領域内に配置されたセンサとを備え、
前記ポンプが圧縮ガス駆動式容積型のポンプで、
前記センサが前記ポンプの前記ガス排気口から流出する排気ガスの特性を検出し、
前記特性は、排ガス流量、排ガス音及び排ガス圧力振動からなる群から選択され、
前記センサは、
検出された前記特性が、前記ポンプに液体が充填された第1の供給状態を表す場合、検出された前記特性に基づいて第1の信号を生成し、
検出された前記特性が、前記ポンプに液体が充填されていない第2の供給状態を表す場合、検出された前記特性に基づいて第2の信号を生成する
検知装置。
【請求項2】
チャネル内に配置されたセンサ作動装置を更に備え、前記チャネルが前記内部領域を前記ポンプの前記ガス排気口に接続し、前記センサ作動装置が前記センサと相互作用して、前記第1の信号及び前記第2の信号のうちの1つを生成する
請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記センサが、マイクロフォン、流量計、及び電気機械装置からなる群から選択される
請求項1に記載の検知装置。
【請求項4】
前記ポンプが飲料濃縮物を供給する
請求項1に記載の検知装置。
【請求項5】
飲料ディスペンサの品切れ状態を判定する方法であって、前記方法が、
飲料ディスペンサであって、
ガス排気口を有する圧縮ガス駆動式容積型のポンプと、
分配弁と、
前記ポンプの前記ガス排気口に接続されたハウジングの内部に配置されたセンサと
を含む、飲料ディスペンサを提供することと、
前記飲料ディスペンサを作動させて、前記分配弁を介して飲料を分配することと、
前記作動中、前記ポンプのガス排気パターンを検知することと、
前記検知されたガス排気パターンに基づいて信号を生成することを含み、
前記信号は、濃縮物容器に濃縮液が充填された充填状態を表す第1のガス排気パターンに基づく第1の信号、又は前記濃縮物容器に濃縮液が充填されていない空状態を表す第2のガス排気パターンに基づく第2の信号で、
前記第1の信号は前記第2の信号よりも高い周波数を有し、
前記方法はさらに、前記飲料ディスペンサが品切れ状態にあるか否かを判定することを含む、方法。
【請求項6】
制御モジュールが、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信するように構成され、
前記制御モジュールが、受信した前記第1の信号又は前記第2の信号に基づいて前記濃縮物容器の状態を判定する
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記飲料ディスペンサの前記状態を判定することが、アルゴリズムを使用して、前記信号を記憶された信号と比較することを含む
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記飲料ディスペンサのユーザインタフェースに前記品切れ状態に関するフィードバックを提供することを更に含む
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記センサが、マイクロフォン、流量計、及び電気機械装置からなる群から選択される
請求項5に記載の方法。
【請求項10】
飲料分配システムであって、
圧縮ガス駆動式容積型のポンプを含む飲料ディスペンサと、
前記ポンプのガス排気口に接続されて、前記ポンプの第1の供給状態を表す第1の信号と、前記ポンプの第2の供給状態を表す第2の信号とを生成するセンサとを備え、
前記第1の供給状態は前記ポンプに濃縮液が充填された充填状態であり、前記第2の供給状態は前記ポンプに濃縮液が充填されていない空状態であり、
前記センサは前記ポンプの前記ガス排気口から流出する排気ガスの特性を検出し、
前記特性は、排ガス流量、排ガス音及び排ガス圧力振動からなる群から選択され、
前記飲料分配システムはさらに、
前記センサと通信するように構成された制御モジュールと、
ユーザにフィードバックを提供するように構成された前記制御モジュールと通信するユーザインタフェースとを備え、
前記フィードバックが、前記飲料ディスペンサの品切れ状態を含む
飲料分配システム。
【請求項11】
前記制御モジュールが、アルゴリズムを使用して、前記第1の信号又は前記第2の信号に基づいて、前記飲料ディスペンサが前記
充填状態にあるか又は前記
空状態にあるかを判定するように構成されている
請求項10に記載の飲料分配システム。
【請求項12】
前記センサが、センサハウジングの内部領域内に収容され、前記センサハウジングが、前記ポンプの前記ガス排気口に流体接続された内部領域を有する
請求項10に記載の飲料分配システム。
【請求項13】
前記センサが、前記センサを作動して前記第1の信号及び前記第2の信号のうちの1つを生成する作動部分を含む
請求項10に記載の飲料分配システム。
【請求項14】
圧力供給源と、希釈液供給源と、前記飲料ディスペンサに接続された飲料濃縮物源と、を更に備える
請求項10に記載の飲料分配システム。
【請求項15】
前記センサが、マイクロフォン、流量計、又は電気機械装置である
請求項10に記載の飲料分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、飲料を分配するためのポストミックスディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ポストミックスディスペンサは、典型的には、成分の混合物から要求に応じて飲料を作ることを可能にする。この形態で飲料を分配することの利点は、濃縮物容器及び水の供給が、典型的には、個々の容器に同じ量の飲料を貯蔵するために、さもなければ必要とされるスペースよりも著しく少ないスペースを占めることである。更に、この分配機器は、個々の空容器によって形成される廃棄物並びに追加の輸送コストを低減する。これらの技術的進歩及び他の技術的進歩により、食品及び飲料ベンダーは、ポストミックス分配システムを通じてより多様な選択肢を消費者に提供することが可能となっている。
【0003】
典型的には、ポストミックスディスペンサでは流体又は飲料濃縮物が供給源、例えばバッグインボックス(BIB)容器から供給される。飲料濃縮物は、希釈液、例えば水又は炭酸水と混合して、最終飲料を形成する。BIB容器は、飲料濃縮物の所定の体積を貯蔵し、必要に応じて補充又は交換しなければならない。
【0004】
従来のポストミックス飲料分配システムは、流体又は飲料濃縮物源が空であるとき、すなわち、飲料分配システム内の飲料の「品切れ」状態を判定することができる。例えば、飲料分配システムは、流体又は飲料濃縮物源が品切れであるときを判定するために、流体の供給ライン内の圧力スイッチを飲料ディスペンサに利用することができる。信頼性があるが、圧力スイッチ及び関連する構成部品は、設置及び維持が高価であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ポンプの挙動に基づいて、飲料分配システム内の1つ以上の飲料の品切れ状態を判定する費用効率の高い方法を提供する。例えば、ポンプ挙動は、ポンプが流体を変位させているか、又は空気を変位させようと試みているか、又はこれらの組み合わせに基づいて変化し得る。ポンプは、飲料、飲料濃縮物、又は希釈液を供給するように構成され得る。ポンプ挙動を監視する検知装置は、ポンプ挙動に基づいて信号を生成し、アルゴリズムは、生成された信号を分析してポンプの供給状態を識別することができる。供給状態は、飲料濃縮物源、したがって供給ラインが「充填された」又は「空」であるか否かに対応する。充填された供給ラインは、通常の注ぎ状態に対応し、すなわち、飲料は選択され、分配されることができ、一方、空の供給ラインは飲料の品切れ状態に対応し、すなわち、飲料は販売及び/又は分配のために利用できない。制御モジュールは、飲料分配システム内の飲料の状態を、飲料ディスペンサのユーザインタフェースに通信することができ、ユーザインタフェースは、ユーザが「品切れ」飲料を選択することを防止することができる。
【0006】
本発明の別の態様は、ポンプのガス排気挙動に基づいて、飲料分配システム内の1つ以上の飲料の品切れ状態を判定する費用効率の高い方法を提供する。例えば、ポンプのガス排気挙動は、ポンプが流体を変位させているか、又は空気を変位させようと試みているか、又はこれらの組み合わせに基づいて変化し得る。ポンプは、飲料、飲料濃縮物、又は希釈液を供給するように構成され得る。ポンプガス排気挙動を監視する検知装置は、ポンプガス排気挙動に基づいて信号を生成し、アルゴリズムは、生成された信号を比較してポンプの供給状態を識別することができる。供給状態は、飲料濃縮物源、したがって供給ラインが「充填された」又は「空」であるか否かに対応する。充填された供給ラインは、通常の注ぎ状態に対応し、一方、空の供給ラインは飲料分配システム内の飲料の品切れ状態に対応する。制御モジュールは、飲料分配システム内の飲料の利用可能性の状態を、飲料ディスペンサのユーザインタフェースに通信することができ、ユーザインタフェースは、ユーザが「品切れ」飲料を選択することを防止することができる。
【0007】
本発明の一態様では、検知装置は、ポンプガス排気口に流体接続された内部領域と、内部領域内に配置されたセンサと、を有するセンサハウジングを含むことができる。センサは、ポンプの第1の供給状態を表す第1の信号と、ポンプの第2の供給状態を表す第2の信号とを生成することができる。第1の供給状態は、ポンプの「充填された」供給状態を表し、第2の供給状態はポンプの「空の」供給状態を表す。本発明の更なる態様では、検知装置はまた、チャネル内に配置されたセンサ作動装置を含むことができ、チャネルは、ポンプガス排気口に内部領域を接続する。センサ作動装置は、センサと相互作用して、第1の信号及び第2の信号のうちの1つを生成することができる。
【0008】
本発明の別の態様では、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を判定する方法は、ガス排気口を有するポンプと、分配弁と、ポンプガス排気口上に配置されたセンサとを含む飲料ディスペンサを提供することを含み得る。この方法は、飲料ディスペンサを作動させて、分配弁を介して飲料を分配することと、作動中、ポンプのガス排気パターンを検知することとを含み得る。本方法はまた、検知されたガス排気パターンに基づいて信号を生成することと、飲料ディスペンサが通常の注ぎ状態又は品切れ状態にあるか否かを判定することと、を含むことができる。
【0009】
本発明の更なる態様では、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を判定する方法はまた、飲料ディスペンサのユーザインタフェースに、品切れ状態に関するフィードバックを提供することを含み得る。
【0010】
本発明の一態様では、本方法は、ポンプの動作パターンに基づいて信号を生成するセンサを含み得る。例えば、センサは、通常の注ぎ状態を表すポンプの第1の動作パターンに基づいて第1の信号を生成することができ、第2の信号は、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を表すポンプの第2の動作パターンに基づいて第2の信号を生成することができる。本発明の更なる態様では、本方法はまた、第1の信号及び第2の信号を受信するように構成された制御モジュールを含むことができ、制御モジュールは、受信した信号に基づいて、飲料分配システム内の飲料の状態を判定することができる。本発明の更なる態様では、飲料分配システム内の飲料の利用可能性の状態を判定することは、ポンプの第1の動作パターンと第2の動作パターンとを比較することを含み得る。本発明の更なる態様では、アルゴリズム又はソフトウェアプログラムを使用して、飲料分配システムにおける飲料の利用可能性の状態を判定することができる。
【0011】
本発明の別の態様では、本方法は、ポンプのガス排気パターンに基づいて信号を生成するセンサを含むことができる。例えば、センサは、通常の注ぎ状態を表すポンプの第1のガス排気パターンに基づいて第1の信号を生成することができ、第2の信号は、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を表すポンプの第2のガス排気パターンに基づいて第2の信号を生成することができる。本発明の更なる態様では、本方法はまた、第1の信号及び第2の信号を受信するように構成された制御モジュールを含むことができ、制御モジュールは、受信した信号に基づいて、飲料分配システム内の飲料の利用可能性の状態を判定することができる。本発明の更なる態様では、飲料分配システム内の飲料の利用可能性の状態を判定することは、ポンプの第1のガス排気パターンと第2のガス排気パターンとを比較することを含み得る。本発明の更なる態様では、アルゴリズム又はソフトウェアプログラムを使用して、飲料分配システムにおける飲料の利用可能性の状態を判定することができる。
【0012】
本発明の別の態様では、飲料分配システムは、ポンプと、ポンプに接続された検知装置と、を含む飲料ディスペンサを含むことができ、検知装置はセンサを含み、センサは、ポンプの動作状態を表す信号を生成し、ポンプの動作状態は、供給ライン内の飲料濃縮物の供給に依存する。センサは、ポンプの第1の動作状態を表す第1の信号を生成することができ、センサは、ポンプの第2の動作状態を表す第2の信号とを生成することができる。飲料分配システムはまた、センサと通信するように構成された制御モジュールと、ユーザにフィードバックを提供するように構成された制御モジュールと通信するユーザインタフェースとを含むことができる。フィードバックは、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を含むことができる。
【0013】
本発明の別の態様では、飲料分配システムは、ポンプと、ポンプのガス排気口に接続された検知装置と、を含む飲料ディスペンサを含むことができ、検知装置はセンサを含み、センサは、ポンプの動作状態を表す信号を生成し、ポンプの動作状態は、供給ライン内の飲料濃縮物の供給に依存する。センサは、ポンプの第1の動作状態を表す第1の信号を生成することができ、センサは、ポンプの第2の動作状態を表す第2の信号とを生成することができる。飲料分配システムはまた、センサと通信するように構成された制御モジュールと、ユーザにフィードバックを提供するように構成された制御モジュールと通信するユーザインタフェースとを含むことができる。フィードバックは、飲料分配システム内の飲料の品切れ状態を含むことができる。
【0014】
本発明の実施例に関する更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施例の構造及び作動について、添付図面を参照しながら、以下で詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載される特定の実施例に限定されないことに注意されたい。そのような実施例は、例示目的だけのために本明細書に提示されている。追加の実施例は、本明細書に含まれた様々な教示に基づけば、当業者にとって明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は、本発明の中に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、本発明の実施例を例示し、本説明と共に、更に本発明の諸原理を説明し、かつ当業者が本発明を作り上げ、そして使用することを可能にする役割を果たす。
【0016】
【
図1】本発明の様々な態様に基づいた飲料分配システム10の概略である。
【0017】
【
図2】本発明の様々な態様に基づいた飲料分配システム10の概略である。
【0018】
【
図3】本発明の様々な態様に基づいた飲料分配システム10の概略である。
【0019】
【
図4】本発明の様々な態様に基づいた飲料ディスペンサ100の斜視図である。
【0020】
【
図5】本発明の様々な態様に基づいた表示画面120の正面図である。
【0021】
【
図6】本発明の様々な態様に基づいた検知装置300の概略である。
【0022】
【
図7A】本発明の様々な態様に基づいた検知装置300によって生成される信号の概略図である。
【
図7B】本発明の様々な態様に基づいた検知装置300によって生成される信号の概略図である。
【0023】
【
図8】本発明の様々な態様に基づいた品切れアセンブリ700の概略である。
【0024】
【
図9】本発明の様々な態様に基づいた飲料濃縮物源の供給状態を判定する例示的な方法のプロセス流れ図である。
【0025】
【
図10】本発明の様々な態様に基づいた飲料濃縮物源の供給状態を判定する例示的な方法のプロセス流れ図である。
【0026】
【
図11】本発明の様々な態様に基づいた飲料濃縮物源の供給状態を判定する例示的な方法のブロック図である。
【0027】
【
図12】本発明の様々な態様に基づいた例示的なハードウェアプラットフォームを例示する。
【0028】
【
図13】本発明の様々な態様に基づいた例示的な通信ネットワークのブロック図である。
【0029】
実施形態の特徴及び利点は、図面と併せて以下に述べる詳細な説明から明らかになり、図面では、同様の参照符号は、全体をとおして対応する要素を特定する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以降、添付図面に図示されるような本発明の実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an exemplary embodiment)」等の言及は、記載された実施例が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施例が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような句は、必ずしも同一の実施例に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施例に関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかにかかわりなく、他の実施例に関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0031】
以下に記述される実施形態は、限定するものではないが、冷たい及び温かい飲料を含む、及び限定するものではないが、ペプシコーラ(Pepsi-Cola)(登録商標)などあらゆるペプシコ(PepsiCo)というブランド名の下で知られる飲料を含む、飲料など多種多様な製品を形成するために使用され得る。
【0032】
ここで、本発明の態様を、
図1~
図11を参照しながら説明する。本システム全体を通じて、従来の飲料配管(食品製品との使用に対してFDA認可済)が、本システムの部品を接続するために使用されている。飲料配管用導管のいずれも、熱損失や熱利得を防ぐように断熱されてもよい。
【0033】
図1は、飲料分配システム10の概略を示す。飲料分配システム10は、飲料ディスペンサ100、濃縮物源180、ポンプ200、検知装置300、ガス源400、制御モジュール500、カーボネータ600、及び希釈液源650のうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。本発明の一態様では、圧縮ガス源400は、ガス入口ライン204を通じてポンプ200に圧縮ガスを供給し、濃縮物源180は流体入口ライン234を通じてポンプ200に流体を供給する。ポンプ200は流体供給ライン244を通じて飲料ディスペンサ100に流体を供給し、ポンプ200は、ガス排出ライン224を通じて圧縮ガスを排出する。
【0034】
飲料分配システム10は、飲料、飲料濃縮物、シロップ、又は香料を、濃縮物源180から飲料ディスペンサ100に供給するように構成された1つ以上のポンプ200を含むことができる。ポンプ200は、機械式ポンプ、電気式ポンプ、油圧式ポンプ、空気圧ポンプ、又は他の好適なポンプ装置を含むことができる。本発明のいくつかの態様では、ポンプ200は、圧縮ガスで駆動するBIBポンプであり得る。BIBポンプは、内蔵型濃縮物源180を含むことができ、ポストミックス飲料ディスペンサに飲料、シロップ、飲料濃縮物、及び/又は香料を供給することができる。
【0035】
図2に示すように、ポンプ200は、ガス導入口210、ガス排気口220、流体導入口230、及び流体供給口240を含むことができる。BIBポンプが使用される本発明の一態様では、
図3に示されるように、ポンプ200内に収容された容器内に流入する流体を収容することができる。圧縮ガス源400は、ガス入口ライン204を通じてガス導入口210でポンプ200に圧縮ガスを供給することができ、濃縮物源180は、入口ライン234を通って流体導入口230でポンプ200に流体を供給することができ、ポンプ200は、供給ライン244を通じて飲料ディスペンサ100に流体を供給することができる。検知装置300は、排気ライン224を通じてガス排気口220に接続することができる。本発明のいくつかの態様では、圧縮ガス源400は、圧縮空気、CO
2、N
2、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0036】
一態様では、ポンプ200は、空気作動複式ダイヤフラムポンプであり得る。空気作動複式ダイヤフラムポンプは、圧縮空気を電源として使用する容積型ポンプの種類である。圧縮空気は、チャンバが同時に移動することを可能にする連結シャフトによって、1つのチャンバから他方に移動される。この往復運動は、流体を1つのチャンバから出口へと押し出す一方で、他方のチャンバは同時に流体で充填される。これらのポンプは、往復動型弾性ダイヤフラム及び逆止弁を使用して流体を汲み上げる。流体チャンバは、共通の入口を通って引き込まれ、単一の出口、例えばガス排出ライン224を通って排出される流体によって充填され、空にされる。単一のダイヤフラムへの圧縮空気のこの供給及びその後の排気は、以下に
図9及び
図10に対して論じるように、ポンプ作動と見なされる。流体は、ポンプの動作中に各ポンプ作動に対して分配され続ける。ポンプは、定容量源、例えば濃縮物源180から流体を引き込むため、圧力の増加により、定容量源内の流体量が減少するにつれて、動作中のポンプ作動間の時間量が増加する。ポンプ作動間の時間量は、全濃縮物源180、すなわち、通常の注ぎ状態の約2秒から、空の濃縮物源180、すなわち品切れ状態の約50秒までの範囲であり得る。
【0037】
本発明の一態様では、圧縮ガス源400は、ガスライン404を通じてカーボネータ600に圧縮ガスを供給することができる。圧縮ガスの流れは、流量調節器402を使用して調節することができる。流量調節器402はまた、ガスライン204及び404の一方又は両方に圧縮ガスの流れを分配するための流量弁を含むことができる。飲料分配システム10は、1つ以上の圧縮ガス源400を含み得る。圧力スイッチ406は、流量調節器402とカーボネータ600との間のガスライン404に設置され得る。
【0038】
本発明の更なる態様では、飲料分配システム10は、1つ以上の希釈液源650を含み、飲料ディスペンサ100に希釈液、例えば水又は炭酸水を供給することができる。一態様では、希釈液は、通常の家庭用水圧、例えばおおよそ50~300ポンド毎平方インチ(psi)とすることができる。希釈液源650は、水源から直接接続され、かつ希釈液源650に希釈液、例えば水道水又は濾過水道水を供給する水ライン654を含むことができる。本発明の別の態様では、希釈液は、直接接続された飲料ディスペンサ100(
図1には図示せず)であり得る。あるいは、希釈液源650は、水入口ライン654からの水がライン656を通じて飲料ディスペンサ100に供給されるように設置された水ブースター又は水ポンプを含み得る。本発明のいくつかの態様では、希釈液源650はまた、ライン658を通じてカーボネータ600に希釈液を供給してもよい。
【0039】
本発明の一態様では、カーボネータ600はまた、ライン604を通じて飲料ディスペンサ100に炭酸水を供給するポンプを含むことができる。カーボネータ600は、ライン658を通じて供給される希釈液及びガスライン404を通じる圧縮ガスを処理することによって、炭酸水を形成することができる。
【0040】
本発明のいくつかの態様では、飲料ディスペンサ100は、飲料分配弁140を含むことができる。飲料濃縮物は、飲料ディスペンサ100に供給されることができ、飲料分配弁140において希釈液と混合することができる。飲料分配弁140において濃縮物及び希釈液を直接混合するポストミックスシステムを使用することにより、複数の濃縮物源の相互汚染を回避でき、飲料ディスペンサ100内の好ましくない細菌の繁殖を減らすことができる。
【0041】
飲料分配システム10は、検知装置300を利用して、飲料の品切れ状態を判定することができる。検知装置300が
図6に示されている。一態様では、検知装置300は、ポンプ200の供給状態を判定することができる。例えば、検知装置300は、ポンプ200が、例えば、通常の注ぎ状態で、希釈液を汲み上げているか否か、又は、例えば品切れ状態で、空の濃縮物源180からの汲み上げを試みているか否かを判定することができる。検知装置300は、内部領域360を有するセンサハウジング350を含むことができる。センサハウジング350内の内部領域360は、例えば排気ライン244を通じてポンプ200のガス排気口220に流体接続することができる。検知装置はまた、センサ330、センサアクチュエータ340、及びセンサハウジング350のチャネル310内に配置されたセンサ作動装置320を含むことができる。ポンプ200の排気ガスの流れは、センサ作動装置320をセンサアクチュエータ340に押し込んでセンサ330を作動させることができる。一態様では、センサ330は圧力スイッチであってもよく、センサアクチュエータ340はレバーであってもよく、センサ作動装置320は、ポンプ200の供給状態に応じて移動する可動ピストンであってもよい。
【0042】
センサハウジング350は、ねじ接続、接着、熱接着、溶接、圧力封止を介して、又は他の好適な手段を使用することによって、ポンプ200のガス排気口220に取り外し可能に接続することができる。センサハウジング350とポンプ200のガス排気口220との間の漏れのない封止が、ポンプガス排気の確実な検知及び安全性のために好ましい。検知装置はまた、周囲雰囲気又は排気ガスフィルタにガスを排気するように構成された排気チャネル370を含むことができる。本発明の更なる態様では、検知装置300はまた、飲料分配システム10の他の構成要素にセンサ330を電気的に接続する1つ以上の導電ケーブル380を含むことができる。
【0043】
本発明の一態様では、センサ330はマイクロフォンを含むことができる。この態様では、センサ330は、空気圧振動の形態の生成された音波に基づいてポンプ200の供給状態を判定することができる。例えば、検知装置300は、ポンプ200が、例えば、通常の注ぎ状態で、希釈液を汲み上げているか否か、又は、例えば品切れ状態で、空の濃縮物源180からの汲み上げを試みているか否かを判定することができる。空気圧振動は、ポンプ200の供給状態を表すことができ、濃縮物源180からの流体濃縮物の有無に基づいて異なるパターンで生成することができる。ポンプガス排気からの空気圧振動は、センサ330を介して電気信号に変換されることができ、電気信号は制御モジュールによって受信及び処理され得る。
【0044】
本発明の別の態様では、センサ330は、流量計を含むことができる。この態様では、センサ330は、ポンプ200を出る排気ガスの流れに基づいてポンプ200の供給状態を判定することができる。例えば、検知装置300は、ポンプ200が、例えば、通常の注ぎ状態で、希釈液を汲み上げているか否か、又は、例えば品切れ状態で、空の濃縮物源180からの汲み上げを試みているか否かを判定することができる。排気ガスの流れは、ポンプ200の供給状態を表すことができ、濃縮物源180からの流体濃縮物の有無に基づいて異なるパターンで生成することができる。ポンプからの排気ガスの流れは、センサ330を介して電気信号に変換されることができ、電気信号は制御モジュールによって受信及び処理され得る。
【0045】
本発明の別の態様では、センサ330は、電気機械装置、
図5に示すように、例えばマイクロスイッチを含むことができる。マイクロスイッチは、センサ作動装置320によって作動されるように構成され得る。センサアクチュエータ340の表面がチャネル310に直接露出され、センサ作動装置320がセンサアクチュエータ340と相互作用してセンサ330を作動させることができるように、センサ330は、内部領域360内に配置され得る。センサ作動装置320は、例えば、入口チャネル310内で自由に移動可能なピストン又はボールを含み得る。
図5に示すように、センサアクチュエータ340は、例えば、レバー、ステム、ストリップ、又はカンチレバーを含んでもよい。排気ガスの流れは、ポンプ200の供給状態を表すことができ、濃縮物源180からの流体濃縮物の有無に基づいて異なるパターンで含まれ得る。排気ガスの流れは、センサ作動装置320をセンサアクチュエータ340に押し込んで、電気信号を生成するセンサ330を作動させることができる。電気信号は、制御モジュールによって受信及び処理され得る。
【0046】
本発明の一態様では、検知装置300は、ポンプ200のガス排気口220に接続することができ、ポンプ動作中にポンプ200を出る排気ガスのパターンに基づいてポンプ200の供給状態を検出することができる。ポンプ200を出る排気ガスのパターンは、流体源の「充填比」に基づいて変化し得る。充填比は、本明細書に記載されるように、流体源容器及び供給ライン内の流体を含む流体源に収容される流体の実際の体積の、流体源容器及び供給ライン内の流体を含む流体源の合計可能容積に対する比率である。例えば、完全な全流体源及び流体供給ラインは、1の充填比を有する。充填比は、濃縮物源180、飲料源BIBポンプ200、供給ライン244、又は供給ライン244を含む飲料源BIBポンプ200の供給状態を判定することができる。本発明の一態様では、「充填された」流体源は、0.35以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、又は1.0の範囲の充填比を有し得る。他の態様では、「空の」又は「低レベルの」飲料源は、0.35未満、0.25未満、0.1未満及び/又は0.05未満の充填比を有し得る。
【0047】
飲料ディスペンサ100が作動されて分配弁140を介して飲料を分配するとき、ポンプ200は、供給ライン244を通じて飲料ディスペンサ100に、飲料、飲料濃縮物、シロップ、及び/又は香料を供給することができる。ポンプ200は、ポンプ200の第1の供給状態を表す第1のガス排気パターン内のガス排気口220を通じてガスを排気することができる。ポンプ200はまた、ポンプ200の第2の供給状態を表す第2のガス排気パターン内のガスを排気することができる。ポンプ200の第1の供給状態は、「充填された」状態と呼ぶことができ、ポンプ200の第2の供給状態は、「空の」又は「低レベルの」状態と呼ぶことができる。一態様では、第1の供給状態及び/又は第2の供給状態は、
図9に関して以下に説明するように、平均供給状態に対して判定され得る。
【0048】
本発明の一態様では、ガス排気口220からの排気ガスは、センサ作動装置320がセンサアクチュエータ340と相互作用してセンサ330を作動させるように、入口チャネル310内に配置されたセンサ作動装置320に力を及ぼすことができる。作動されると、センサ330は、ポンプ200の供給状態を表す信号を生成することができる。例えば、信号は、ポンプの第1の供給状態(「充填された」)を表す第1の信号382、又はポンプの第2の供給状態(「空の」又は「低レベルの」)を表す第2の信号384であり得る。第1の信号382は、それぞれの信号の周波数、振幅、及び/又は波長に基づいて、第2の信号384と区別することができる。
【0049】
センサ330によって生成される信号は、電気信号、音波信号、機械的パルス信号、光信号、圧力信号、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、第1の信号382は、
図7Aに示すように、均一なパルス周波数f1を有する電気信号を含むことができる。一態様ではf1は、約1~約0.02Hzの範囲であり得る。第2の信号384は、
図7Bに示すように、均一なパルス周波数f2を有する電気信号を含むことができる。一態様ではf2は、約0.05~約0.01Hzの範囲であり得る。本発明のいくつかの態様では、f1及びf2の値は異なる。第1及び第2の電気信号(382、384)はそれぞれ、均一に変化するパルス周波数を有することができる。本発明のいくつかの態様では、ポンプ200の供給状態を表すために、異なる振幅、波長などを有する信号を使用することもできる。本発明の一態様ではf2は、品切れ係数X
1で除算されたf1であり得る(
図9)。一態様では、X
1は、約3であり得る。
【0050】
図8は、品切れアセンブリ700の概略を示す。品切れアセンブリ700は、1つ以上のポンプ200、検知装置300、センサ330、センサハブ390及び/又は制御モジュール500を含むことができる。一態様では、品切れアセンブリ700は、ポンプ200、検知装置300、及び飲料分配システム10で利用可能な各飲料用のセンサを含むことができる。本発明の一態様では、
図8に示すように、検知装置300は、ポンプ200のガス排気口220に接続され得る。センサ330は、検知装置300内に配置され、ケーブル380を介してセンサハブ390に電気的に接続され得る。制御モジュール500は、ケーブル396を介してセンサハブに電気的に接続され得る。品切れアセンブリ700の各構成要素及びそれらの関係は、以下の項でより詳細に説明される。
【0051】
品切れアセンブリ700では、センサハブ390は、1つ以上のケーブル380を受容するように構成された1つ以上の入力コネクタ392を含むことができる。センサハブ390は、1つ以上の飲料タイプと1つ以上の検知装置300とを備える飲料分配システム10内の1つ以上のセンサ330から生成された信号を受信することを可能にすることができる。センサハブ380はまた、
図8に示すように、ケーブル396を介して制御モジュール500と電気的に接続するための出力コネクタ394を含むことができる。
【0052】
図1に示すように、制御モジュール500は、飲料ディスペンサ100に接続され得る。本発明の一態様では、制御モジュール500は、飲料ディスペンサ100と一体化され得る。別の態様では、制御モジュール500は、各飲料ディスペンサ100に組み込まれた別個の制御モジュールであり得る。本発明の更なる態様では、制御モジュール500は、プロセッサ510、メモリ520、ソフトウェア530、及び/又は分配システム10の機能及び方法を実施するのに適した追加の部品を含むことができる。制御モジュール500は、飲料分配システム10の構成要素上に設置された温度プローブから温度制御フィードバックを受信するように構成され得る。例えば、チラー装置又はカーボネータポンプに取り付けられた温度プローブを制御モジュール500に接続することができる。制御モジュール500は、接続された構成要素の温度プロファイルを監視、記録、及び調節するように構成され得る。
【0053】
図7に示すように、制御モジュール500は、センサハブ390を介して生成された信号382及び384をセンサ330から受信するように構成され得る。制御モジュール500はまた、センサ330からの生成された信号データに基づいてアルゴリズム540を実行するように構成され得る。
図9に示すように、アルゴリズム540は、生成された信号382、384を比較し、ポンプ挙動の変化、又はポンプ500の供給状態を表すポンプガス排気パターンを検出するように構成され得る。例えば、アルゴリズム540は、生成された信号382、384を、それぞれポンプ200の充填された供給状態又は空の供給状態に対応する所定の記憶された信号データセットと比較することができる。別の態様では、アルゴリズム540は、生成された信号382、384を、ポンプが動作するたびに更新する充填された供給状態に対応するリアルタイム信号データセットと比較することができる。アルゴリズム540は、比較結果に基づいて、ポンプ200が「充填された」状態にあるか、又は「空の」状態にあるかを判定する。充填された状態は、通常の注ぎ状態に対応し、空の状態は、飲料濃縮物源の品切れ状態に対応する。アルゴリズムが実行され、空の状態を判定すると、制御モジュール500は、飲料分配システム10が品切れ飲料を分配することを防止することができる。例えば、制御モジュール500は、飲料が品切れであることを示すために、飲料分配システム10のユーザインタフェース上の表示画面120にポンプ200の供給状態を通信することができる(
図3)。一態様では、飲料分配システム10は、飲料が品切れであるメッセージを表示することができる。別の態様では、飲料分配システム10は、ユーザが品切れである飲料を選択することを防止するために、機械式スイッチ又はグラフィカル・ユーザ・インタフェース・アイコンを無効にすることができる。例えば、飲料の品切れ状態は、表示画面120上のテキストメッセージ、又は飲料選択122用のユーザ入力選択の1つ以上のためのアイコンの中断、又はユーザへの音声-視覚フィードバック、又はこれらの組み合わせとして表示することができる。
【0054】
図4に示すように、飲料ディスペンサ100は、表示画面120などのユーザインタフェースの1つ以上を含むことができる。本発明のいくつかの態様では、ユーザインタフェースは、例えば、音声-視覚インタフェース(AVI)、グラフィックユーザインタフェース(GUI)、タッチスクリーンディスプレイを含むことができる。ユーザインタフェースの表示画面120は、飲料選択122の異なるユーザ入力選択、飲料分配システム動作制御部124の飲料選択、又は飲料分配システム保守制御部126の入力選択を表示してもよい。ユーザは、所望の飲料ブランドの選択及びカスタム飲料の成分として使用することができる1つ又は複数の調節剤又は香味料の選択など、所望の選択を行うことができる。ユーザインタフェースは、飲料を選択してユーザに分配し、システム管理者が通常のシステム保守を実行することを可能にし、流体源を補充し、飲料分配システムのユーザインタフェースの表示プリファレンスをカスタマイズすることなどに必要な全ての情報を提示することができる。
【0055】
本発明のいくつかの態様では、
図5に示すように、ユーザ入力選択122a~122hは、飲料ディスペンサ100で利用可能な飲料の種類やブランド毎のアイコンとすることができる。飲料選択122a~122fのユーザ入力選択は、表示画面120上に表示可能である。本発明の一態様では、ユーザ入力選択122aは、シエラミスト(Sierra Mist)(登録商標)のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122bは、トロピカーナ(Tropicana)(登録商標)のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122cは、ダイエットペプシコーラ(Diet Pepsi-Cola)(登録商標)のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122dは、ペプシコーラ(Pepsi-Cola)(登録商標)のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122eは、リプトンブリスク(Lipton Brisk)(登録商標)アイスティーのアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122fは、マウンテンデュー(Mountain Dew)(登録商標)のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択122gは、ダイエットマウンテンデュー(Diet Mountain Dew)(登録商標)とすることができ、ユーザ入力選択122hは、マグルートビア(MUG Root Beer)(登録商標)のアイコンとすることができる。表示画面120はまた、例えば、チェリー、レモン、イチゴ、レモンなどの、飲料調整剤又は香料のための1つ以上の割り当てられていないアイコンを表示してもよい。
【0056】
本発明の一態様では、飲料選択のためのユーザ入力選択は、飲料の検出された品切れ状態に基づいて、グレーにするか、又は入力に非応答にすることができる。例えば、
図5は、アイコンに関連付けられた飲料が品切れであり、飲料分配システムから利用できないことを表すためにグレーにされたアイコン122eを示す。一態様では、ユーザ入力選択は、濃縮物源180が交換された後にシステムがリセットされるまで、利用不可能なままである。
【0057】
飲料ディスペンサ100の表示画面120では、ユーザ入力選択124a~122dは、飲料ディスペンサ、又は飲料分配システム、又はその両方のための動作制御部用のアイコンであり得る。本発明の一態様では、ユーザ入力選択124aは、システム再起動/停止用のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択124aは、ユーザインタフェースの音量調整用のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択124cは、センサ構成用のアイコンとすることができ、ユーザ入力選択124dは、流量校正用のアイコンとすることができる。
【0058】
飲料ディスペンサ100の表示画面120では、ユーザ入力選択126a~126bは、飲料ディスペンサ、又は飲料分配システム、又はその両方のための保守制御部用のアイコンであり得る。本発明の一態様では、ユーザ入力選択126aは、予防保守用のアイコンであってもよく、ユーザ入力選択126bは、システム状態を表示するためのアイコンであり得る。
【0059】
本発明の一態様では、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態が識別されると、飲料分配システム10は、濃縮物源180が補充又は交換されるまで、ユーザが品切れ飲料を選択することを防止することができる。したがって、一態様では、飲料分配システム10は、濃縮物源180が補充又は交換された後、購入のために利用可能な品切れ飲料を再度利用することができる。一態様では、リセットは、表示画面120上の1つ以上の入力選択を介して達成され得る。別の態様では、
図1に示すように、飲料分配システム10は、
図10に対して以下に説明するように、空の濃縮物源180が交換されたときを検出するセンサ110を含み得る。例えば、センサ110は、濃縮物源180の交換中に保守要員の存在を検出する近接センサとすることができる。一態様では、センサ110は、制御モジュール500に信号を送信して、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態をリセットすることができる。本発明のいくつかの態様では、センサ110はまた、品切れ信号を検出するように構成され得る。
【0060】
センサ110は、飲料ディスペンサ100と接続されるように構成され得る。センサ110はまた、流体入口ライン234及びポンプ200と並んで、ポンプ200のガス排出ライン224と並んで、又は流体供給ライン244及び飲料ディスペンサ100と並んで位置することができるが、これらに限定されない。本発明の更なる態様では、センサ110は、運動センサ、存在センサ、電磁センサ、マイクロフォン、流量計、又は他の好適な検知装置を含むことができる。本発明の他の態様では、センサ110は制御モジュール500と無線通信することができる。センサ110はまた、飲料ディスペンサ100と無線通信することができる。
【0061】
本発明のいくつかの態様では、センサ110は、飲料の品切れ状態、飲料の品切れ状態の発生頻度、濃縮物源180の在庫情報の更新に関する情報を保存するように構成された遠隔サーバと無線通信することができる。
【0062】
本発明の一態様では、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定する方法は、
図9に示すように、以下のステップのうちの1つ以上を含むことができる。
図9のステップ904~924は、ポンプ200の供給状態に基づいて、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定するためのアルゴリズム540のプロセスフローチャートを示す。一態様では、アルゴリズム540は、ステップ904~924を含むことができる。
【0063】
図9の方法は、ガス排気口220を有するポンプ200と、分配弁140と、ポンプガス排気口220上に配置されたセンサ330とを含む飲料ディスペンサ100を提供することを含み得る。飲料ディスペンサ100は、手動で又は自動的に作動されて、分配弁140を通じて飲料を分配することができる。飲料ディスペンサ100は、検知装置、例えば、動き検出器、存在センサなどを備えてもよい。
【0064】
ステップ904では、アルゴリズム540は平均分配時間に基づいて平均時間を計算することができる。ポンプ200内のダイヤフラムへの圧縮空気の各供給及び排気は、ポンプ作動である。流体は、ポンプの動作中に各ポンプ作動に対して分配され続ける。一態様では、平均分配時間は、ポンプ動作中の各ポンプ作動間の平均時間量であり得る。一態様では、平均分配時間は、ポンプ200の動作中に変化し得る。例えば、ポンプは、定容量源、例えば濃縮物源180から流体を引き込むため、平均分配時間は、定容量源内の流体の量の減少につれて、供給源圧力の増加に起因して増加し得る。ポンプ作動間の時間量は、全濃縮物源180、すなわち、通常の注ぎ状態の約1秒から、空の濃縮物源180、すなわち品切れ状態の約50秒までの範囲であり得る。
【0065】
ステップ906では、アルゴリズム540は、合計時間を初期化することができる。一態様では、ステップ906は、飲料ディスペンサ10が飲料の分配を開始し、ポンプ200が濃縮物源180から濃縮物を供給する動作をしているときに生じ得る。
【0066】
ステップ908では、アルゴリズム540は、分配時間を初期化することができる。一態様では、ステップ906及びステップ908は、同時に発生することができる。
【0067】
ステップ910では、アルゴリズム540は、ポンプ200が作動しているか否かを判定することができる。例えば、圧縮空気がポンプ200に供給され、その後排気されることにより、センサ330を作動させているか否か。アルゴリズム540がポンプ200の作動を判定する場合、アルゴリズム540はステップ906に進み、再び合計時間を初期化する。アルゴリズム540が、ポンプ200が作動していないと判定する場合、アルゴリズム540はステップ912に進む。
【0068】
ステップ912では、アルゴリズム540は、ポンプ200が動作して流体を分配しているか否かを判定することができる。アルゴリズム540が、ポンプ200が動作しておらず、流体の分配をしていないと判定する場合、アルゴリズム540はステップ908に進み、再度、分配時間を初期化する。アルゴリズム540が、ポンプ200が動作して流体の分配をしていると判定する場合、アルゴリズム540はステップ914に進む。
【0069】
ステップ914では、アルゴリズム540は、ポンプ200が作動しているか否かを判定することができる。例えば、圧縮空気がポンプ200に供給され、その後排気されることにより、センサ330を作動させているか否か。アルゴリズム540がポンプ200の作動を判定する場合、アルゴリズム540はステップ906に進み、再び合計時間を初期化する。アルゴリズム540が、ポンプ200が作動していないと判定する場合、アルゴリズム540はステップ918に進む。
【0070】
ステップ918では、アルゴリズム540は、ポンプ200が動作しており、流体を分配しているか否かを判定することができる。アルゴリズム540が、ポンプ200が作動して流体を分配していると判定する場合、アルゴリズム540は、最後のポンプ作動から経過した合計時間量を含むように、分配時間カウンタを更新し、再びステップ914に進む。ステップ914と918との間のアルゴリズム540におけるこのループは、ポンプ200が動作し、ポンプ200を作動させずに流体を分配している際に繰り返す。一態様では、分配時間は、約1~約50秒の範囲であり得る。アルゴリズム540が、ポンプ200が作動しておらず、流体の分配をしていないと判定する場合、アルゴリズム540はステップ920に進む。
【0071】
ステップ920では、アルゴリズム540は、分配時間である合計時間を更新する。したがって、ステップ920において、合計時間は、ポンプ200が動作及び流体の分配を停止したときに、最後のポンプ作動から経過した合計時間量を表す。
【0072】
ステップ922では、アルゴリズム540は、合計時間を、品切れ係数X1を乗じた平均時間と比較する(ステップ904)。合計時間が平均時間*X1より大きい場合、アルゴリズム540はステップ908に進み、再度、分配時間を初期化する。合計時間が平均時間*X1未満である場合、アルゴリズム540はステップ924に進む。
【0073】
ステップ924では、アルゴリズム540は、第2の供給状態を設定する。例えば、アルゴリズム540は、飲料のための品切れ状態を設定する。
【0074】
本発明の一態様では、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定する方法は、
図10に示すように、以下のステップのうちの1つ以上を含むことができる。
図10のステップ1004~1014は、ポンプ200の供給状態に基づいて、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定するためのプロセスフローチャートを示す。一態様では、アルゴリズム540は、ステップ1004~1014を含むことができる。
【0075】
図10の方法は、ガス排気口220を有するポンプ200と、分配弁140と、ポンプガス排気口220上に配置されたセンサ330とを含む飲料ディスペンサ100を提供することを含み得る。飲料分配100は、空の濃縮物源180が交換されたときを検出するためのセンサ110を含むことができる。センサ110は、近接センサであってもよい。飲料ディスペンサ100は、手動で又は自動的に作動されて、分配弁140を通じて飲料を分配することができる。飲料ディスペンサ100は、検知装置、例えば、動き検出器、存在センサなどを備えてもよい。
【0076】
ステップ1004では、アルゴリズム540は、近接時間を初期化することができる。
【0077】
ステップ1006では、アルゴリズム540は、センサ110がアクティブであるか否かを判定することができる。センサ110がアクティブである場合、アルゴリズム540はステップ1008に進むことができる。アルゴリズム540が、センサ110がアクティブでないと判定した場合、アルゴリズム540はステップ1010に進むことができる。
【0078】
ステップ1008では、アルゴリズム540は、作動時間を設定することができる。
【0079】
ステップ1010では、アルゴリズム540は、ポンプ200が動作しており、流体を分配しているか否かを判定することができる。アルゴリズム540が、ポンプ200が動作しておらず、流体の分配をしていないと判定する場合、アルゴリズム540はステップ1006に進み、センサ110がアクティブであるか否かを再び判定することができる。アルゴリズム540が、ポンプ200が動作して流体の分配をしていると判定する場合、アルゴリズム540はステップ1012に進むことができる。
【0080】
ステップ1012では、アルゴリズム540は、作動時間を近接時間と比較することができる。作動時間から近接時間を引いた時間がT1よりも大きい場合、アルゴリズム540はステップ1006に進み、センサ110がアクティブであるか否かを再び判定することができる。作動時間から近接時間を引いた時間がT1よりも小さい場合、アルゴリズム540はステップ1014に進むことができる。一態様では、T1は約60秒であり得る。
【0081】
ステップ1014では、アルゴリズム540は、第1の供給状態を設定することができる。例えば、アルゴリズム540は、飲料の通常の注ぎ状態を設定することができる。
【0082】
本発明の一態様では、
図10の方法は、飲料のための品切れ状態が設定された後に生じ得る。
【0083】
本発明の一態様では、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定する方法は、
図11に示すように、以下のステップのうちの1つ以上を含むことができる。
図11のステップ1110~1150は、ポンプガス排気センサを含む飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定するためのプロセスフローチャートを示す。
【0084】
ステップ1110では、飲料分配システム10における飲料の品切れ状態を判定する方法は、ガス排気口220を有するポンプ200と、分配弁140と、ポンプガス排気口220上に配置されたセンサ330とを含む飲料ディスペンサ100を提供することを含み得る。飲料ディスペンサ100は、手動で又は自動的に作動されて、分配弁140を通じて飲料を分配することができる。飲料ディスペンサ100は、検知装置、例えば、動き検出器、存在センサなどを備えてもよい。
【0085】
ステップ1120において、検知装置300のセンサ330は、飲料ディスペンサ100の作動中にポンプガス排気パターンを検知することができる。
【0086】
ステップ1130では、ポンプ200の供給状態を表す検知されたガス排気パターンに基づいて信号を生成することができる。一態様では、ポンプ200の第1の供給状態を表す第1のガス排気パターンに基づいて第1の信号382を生成することができ、ポンプ200の第2の供給状態を表す検知された第2のガス排気パターンに基づいて第2の信号384を生成することができる。
【0087】
ステップ1140において、制御モジュール500は、第1の信号382と第2の信号384とを比較するためのアルゴリズムを使用して、ガス排気口220上に配置されたセンサ300からの生成された信号に基づいて、ポンプ200の供給状態を判定することができる。
図9~
図10に対して上述したアルゴリズム540はポンプ200のガス排気パターンによって表される生成された信号の変化を検出することができる。一態様では、第1の生成された信号は、ポンプ200の「充填された」供給状態に対応する第1のガス排気パターンを表し得る。アルゴリズム540は、第1の信号382を検出し、充填された供給状態を識別することができ、アルゴリズム540の実行結果を制御モジュール500に通信することができる。別の態様では、第2の信号384は、ポンプ200の「空の」供給状態に対応する第2のガス排気パターンを表し得る。アルゴリズムは、第2の生成された信号を検出し、「空」の供給状態を識別することができ、アルゴリズム540の実行結果を制御モジュール500に通信することができる。本発明の更なる態様では、第3の信号は、ポンプ200の「低レベル」供給状態に対応する第3のガス排気パターンを表してもよい。アルゴリズム540は、ポンプの「低レベルの」供給状態に対応する第3の信号を検出し、アルゴリズム540の実行結果を制御モジュール500に通信することができる。本発明の別の態様では、アルゴリズム540は、現在のガス排気パターンを、以前に判定された平均ガス排気パターンと比較することができる。
【0088】
ステップ1150において、制御モジュール500は、ポンプ200の供給状態についてユーザインタフェースの表示画面120にフィードバックを提供することができる。アルゴリズム540によって識別された「空の」供給状態は、飲料分配システム10内の飲料ディスペンサ100における飲料の品切れ状態を示すことができる。
【0089】
本発明の一態様では、飲料ディスペンサ100は、1つ以上の飲料を分配するように構成され得る。各飲料は別個のポンプ200を割り当てられてもよく、別個の検知装置300は、各ポンプ200のガス排気口220に接続され得る。一態様では、飲料ディスペンサ100上の特定の飲料の品切れ状態は、飲料分配システム10からの他の飲料の利用可能性に干渉することなく、個々の飲料について判定することができる。
【0090】
図12は、ディスペンサシステムの様々な部品(例えば、ディスペンサ100、飲料分配システム10)を含むが、これに限定されない、本明細書に記載の様々な要素のうちの少なくともいくつかが実施され得る例示的な計算装置を示している。計算装置1200は、本明細書に記載されるステップ又は機能のいずれかを行う又は行わせるように、コンピュータプログラムの命令を実行することができる、1つ以上のプロセッサ1201を含み得る。本命令は、プロセッサ1201の動作を構成するように、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又はメモリに記憶され得る。例えば、命令は、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)1202、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)1203、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ、コンパクトディスク(compact disk、CD)若しくはデジタル汎用ディスク(digital versatile disk、DVD)、フロッピー・ディスク・ドライブ、フラッシュカードなどの取り外し可能な媒体1204、又は任意の他の所望の電子記憶媒体に記憶され得る。命令はまた、取り付けられた(又は内部の)ハードドライブ1205に記憶され得る。
【0091】
計算装置1100は、ディスプレイ1206などの1つ以上の出力装置を含み得、ビデオプロセッサなどの1つ以上の出力装置コントローラ1207を含み得る。タッチスクリーン、リモートコントロール、キーボード、マウス、マイクロフォン、カードリーダ、RFIDリーダなどのような1つ以上のユーザ入力装置1208が存在できる。計算装置1100はまた、外部ネットワーク1210と通信するための入力/出力回路1209などの1つ以上のネットワークインタフェースを含み得る。ネットワークインタフェースは、有線インタフェース、無線インタフェース、又はこれら2つの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、インタフェース1209は、モデム(例えば、ケーブルモデム)を含むことができ、ネットワーク1210は、ネットワークの通信回線を含むことができる。
【0092】
図12の例は、例示的なハードウェア構成である。必要に応じて、部品を追加、除去、結合、分割等するための変更が行われ得る。加えて、図示の部品は、基本的な計算装置及び部品で実装可能であり、同一の部品(例えば、プロセッサ1201、記憶装置1202、ユーザ入力装置1208など)を使用して、本明細書記載の他の計算装置及び部品のいずれかを実装することもできる。
【0093】
本発明の1つ以上の態様は、1つ以上のコンピュータや他の装置によって実行される、1つ以上のプログラムモジュールなどのコンピュータ使用可能データ、及び/又はコンピュータ実行可能命令として具体化可能である。一般に、プログラムモジュールは、コンピュータのプロセッサや、他のデータ処理装置によって実行される際、特定タスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、取り外し可能な記憶媒体、ソリッドステートメモリ、RAMなどの1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶され得る。プログラムモジュールの機能は、様々な実施例で必要とされるよう、組み合わせられ、又は分散され得る。加えて、機能は、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、特定用途集積回路(ASICS)、ハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアの組み合わせなどのファームウェア又はハードウェア同等物で全体的又は部分的に具体化されてもよい。特定のデータ構造を使用して、本発明の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本明細書に記載のコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内で企図される。
【0094】
図13は、1つ以上の実施例を実施可能とする例示的な通信ネットワークのブロック図を示す。分配システム、例えば飲料分配システム10は、ユーザの選択により製品を分配するように構成することができる。例えば、ユーザは、ディスペンサ1304に接近し、ディスペンサ1304と対話して選択する(例えば、所望の製品に対応するコードを入力するか、ボタンを押す)ことができる。それに応答して、ディスペンサ1304は、選択された製品を分配することができる。一般に、本開示の実施例は飲料分配システム10に関するが、本開示の様々な態様は、他のタイプの製品用のディスペンサ(例えば、キャンディ又はスナックディスペンサ)で使用することができる。
【0095】
分配システムは、異なる位置又は店内の至るところに位置することができる。例えば、
図13は、ディスペンサ1304、ディスペンサ1306、及びディスペンサ1308の3つのディスペンサを示している。
【0096】
更なる態様では、ディスペンサは、コントローラに接続され得る。コントローラは、中央に位置してもよく、及び/又は別個のコントローラが各ディスペンサに組み込まれ得る。
図13に示すように、ディスペンサ1306及び1308は、コントローラ1305に接続されている。コントローラ1305は、ディスペンサ1306及び/又は1308からの命令を受信し、適切な分配システムに、適切な量の選択された製品を分配させるように構成することができる。例えば、ディスペンサ1306が飲料ディスペンサである場合、ユーザは(例えば、タッチパッド、タッチスクリーン、キーパッドなどを介して)飲料を選択するためにディスペンサと対話してもよく、選択された飲料用の命令は、コントローラ1305に伝送されることができ、コントローラ1305は、命令に応答して適切な量の選択された飲料を分配するように構成され得る。
【0097】
ディスペンサ1304の部品は、プロセッサ1320、メモリ1330、ソフトウェア1340、及び/又は分配システムの機能及び方法を実施するのに適した追加の部品を含むことができる。ソフトウェア1340は、ディスペンサ1304内の読み出し専用メモリ又はランダム・アクセス・メモリなどのコンピュータ可読メモリ1330に記憶されることができ、ディスペンサ(例えば、ディスペンサ1304)の1つ又は複数の部品(例えば、プロセッサ1320、ディスプレイなど)に、本明細書に記載されたものを含む様々な機能及び方法を行わせる命令を含み得る。
【0098】
ディスペンサは、1つ以上のネットワークを使用して他の装置と通信することができる。例えば、
図13に示すように、分配システム1304、1306、及び1308は、ネットワーク1302及び/又はネットワーク1303を介してサーバ1300と通信することができる。ネットワーク1302、及びネットワーク1303は、相互接続ネットワーク通信を提供するよう連結する複数のネットワークを含むことができる。こうしたネットワークは、1つ以上の私設又は公衆パケット交換ネットワーク(例えば、インターネット)、1つ以上の私設又は公衆回路交換ネットワーク(例えば、公衆交換電話ネットワーク)、セルラネットワーク、短距離又は中距離無線通信接続(例えば、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、超広帯域(UWB)、赤外線、WiBree、米国電気電子技術者協会(IEEE)基準No.802.11の1つ以上のバージョンによる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN))、及び、他の任意の適切なネットワークを含むことができる。互いに通信する装置(例えば、分配システム1304、1306、及び1308、サーバ1300、及び/又はデータリポジトリ1301)は、当該技術で既知である中でもインターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)などの様々な通信プロトコルを使用することができる。
【0099】
サーバ1300、コントローラ1305、及び分配システム1304、1306、及び1308は、互いに及び他の装置と相互作用するように構成され得る。一実施例では、ディスペンサ1304は、サーバ1340との間で情報の送受信を調整するように構成されているソフトウェア1300を含むことができる。一構成において、ソフトウェア1340は、サーバ1300からデータを要求、受信するためのアプリケーションやサーバ固有のプロトコルを含むことができる。例えば、ソフトウェア1340は、ブラウザ、又はその変形形態を含むことができ、サーバ1300は、ウェブサーバを含み得る。いくつかの構造では、サーバ1300は、ディスペンサの様々な部品へのソフトウェア更新(例えば、ユーザインタフェースへの更新、ディスペンサのファームウェアへの更新、分配システムのドライバへの更新など)などの分配システムへのアプリケーションデータを伝送することができる。1つ又は複数の構造では、サーバ1300は、ディスペンサの現在の在庫(例えば、製品のリスト及びディスペンサに残っている数)、ディスペンサの動作履歴及び/又は使用メトリクス(例えば、マシンのユーザの選択を追跡するカウンタ)、ディスペンサの状態(例えば、いずれかの部品が正しく動作していないか否か)を記述するデータなど、ディスペンサからデータを受信することができる。サーバ1300は、データリポジトリ1301で受信し、伝送するデータのような、データリポジトリ1301内のデータにアクセスして記憶するように構成することができる。データリポジトリ1301は、ディスペンサにダウンロード可能な異なる飲み物のレシピなど、サーバ1300にアクセス可能な他のデータも含むこともできる。
【0100】
「発明の概要」及び「要約書」のセクションではなく、「発明を実施するための形態」のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明(複数可)の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明(複数可)及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0101】
これまでに、特定機能の実施、及びこれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックを使って、本発明(複数可)について説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0102】
特定実施形態の前述の説明により、本発明(複数可)の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明(複数可)の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示や指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法や表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0103】
本発明(複数可)の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記「特許請求の範囲」及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。