IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エシコン エルエルシーの特許一覧

特許7301844受信されたデータセットの検証並びにそのソース及び完全性の認証に基づく外科用ネットワーク、器具、及びクラウド応答
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】受信されたデータセットの検証並びにそのソース及び完全性の認証に基づく外科用ネットワーク、器具、及びクラウド応答
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/60 20130101AFI20230626BHJP
   G16H 40/40 20180101ALI20230626BHJP
   A61B 34/00 20160101ALI20230626BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20230626BHJP
   G06F 21/64 20130101ALI20230626BHJP
【FI】
G06F21/60
G16H40/40
A61B34/00
G16Y10/60
G06F21/64
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020536027
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2018060959
(87)【国際公開番号】W WO2019133129
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】62/692,748
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,340
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,768
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,887
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,877
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,417
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,747
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,898
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,341
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,882
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/729,177
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/182,224
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,339
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,415
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/659,900
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【審査官】宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-164251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0249432(US,A1)
【文献】国際公開第2014/188820(WO,A1)
【文献】特開2017-192043(JP,A)
【文献】特表2016-513935(JP,A)
【文献】特開2015-019679(JP,A)
【文献】特開2005-135344(JP,A)
【文献】特表2015-531661(JP,A)
【文献】特開2008-160991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0068770(US,A1)
【文献】特開2005-346552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0191154(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60-21/64
G16H 40/40
A61B 34/00
G16Y 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置で生成されたとされるデータを検証するためのシステムであって、前記システムは、
医療ハブと、少なくとも1つの遠隔サーバと、医療器具と、プロセッサと、を備え、
前記医療ハブは、前記データを、前記少なくとも1つの遠隔サーバと前記医療器具と送受信可能に連結され、前記データに基づき前記医療器具を制御し、
前記少なくとも1つの遠隔サーバは前記データを記憶及び操作し、前記データを前記医療ハブと送受信可能に構成され、
前記医療器具は前記データを取得し、前記医療ハブと送受信可能に構成され
前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの遠隔医療サーバを通して前記データにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが前記医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データの少なくとも一部が前記暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記データを分析して、前記データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
別の医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記悪意ある行為者の前記レポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを前記より大きいデータセットから隔離することと、前記データの残部を前記より大きいデータセットに組み込むことと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記データが変更されていることの結果であることを決定することと、前記より大きいデータセットに組み込まれることから前記データを除去することと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記データが検証された医療器具から生成されることを決定するように更に構成されており、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記データ内の前記少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、前記検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記検証された医療器具を前記系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、前記検証された医療器具を制御された状況に構成することと、前記制御された状況中に、前記検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、前記所定のルーチン中の前記検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
医療処置で生成されたとされるデータを検証するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通して前記データにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが前記医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む、プログラム
【請求項11】
前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項12】
医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データの少なくとも一部が前記暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項13】
前記データを分析して、前記データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項14】
医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記悪意ある行為者の前記レポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項15】
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを前記より大きいデータセットから隔離することと、前記データの残部を前記より大きいデータセットに組み込むことと、を含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項16】
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記データが変更されていることの結果であることを決定することと、前記より大きいデータセットに組み込まれることから前記データを除去することと、を含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項17】
前記データが検証された医療器具から生成されることを決定することを更に含み、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記データ内の前記少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、前記検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、請求項10に記載のプログラム
【請求項18】
前記検証された医療器具を前記系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、前記検証された医療器具を制御された状況に構成することと、前記制御された状況中に、前記検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、前記所定のルーチン中の前記検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、請求項17に記載のプログラム
【請求項19】
一時的信号を含まず、命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記動作が、
前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL NETWORK,INSTRUMENT,AND CLOUD RESPONSES BASED ON VALIDATION OF RECEIVED DATASET AND AUTHENTICATION OF ITS SOURCE AND INTEGRITY」と題する2018年11月6日出願の米国特許非仮出願第16/182,224号の利益を主張するものである。
【0002】
本出願はまた、米国特許法第119条(e)の下で、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN A SURGICAL NETWORK BEFORE TRANSMISSION」と題する2018年9月10日出願の米国特許仮出願第62/729,177号に対する優先権を主張する。
【0003】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,747号、「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,748号、及び「SMART ENERGY DEVICES」と題する2018年6月30日出願の米国仮特許出願第62/692,768号に対する優先権を主張する。
【0004】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号に対する優先権を主張する。
【0005】
本出願はまた、米国特許法第119条(e)の下で、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,887号、「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,882号、及び「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,877号の優先権の利益を主張する。
【0006】
本出願はまた、米国特許法第119条(e)の下で、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,417号、及び「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,415号に対する優先権の利益を主張する。
【0007】
本出願はまた、米国特許法第119条(e)の下で、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,340号、及び「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,339号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0008】
本開示は様々な外科システムに関する。外科処置は、典型的には、例えば、病院などの医療施設内の手術室又は部屋で実施される。滅菌野は、典型的には、患者の周囲に作成される。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。様々な外科用装置及びシステムが、外科処置の実施に利用される。
【0009】
更に、デジタル情報時代において、医療システム及び医療施設は、多くの場合、患者の安全性及び従来の慣行を維持するための一般的な要望により、より新しい技術及び改善された技術を利用してシステム又はパフォーマンスを実装することがより遅い。しかしながら、多くの場合、医療システム及び医療施設は、その結果として、他の近隣又は同様の状況の施設との通信及び共有知識を欠く場合がある。患者の診療を改善するために、医療システムと医療施設との相互接続を助ける方法を見出すことが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
様々な実施形態では、医療処置で生成されたとされるデータを検証するためのシステムが開示され、システムは、医療ハブと、医療ハブに通信可能に連結された少なくとも1つの遠隔サーバと、医療ハブに通信可能に連結された医療器具と、を含む。システムは、データにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を行うように構成されている。
【0011】
様々な実施形態では、医療処置で生成されたとされるデータを検証するための方法が開示され、方法は、少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む。
【0012】
様々な実施形態では、一時的信号を含まず、命令を含むコンピュータ可読媒体が開示され、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を実施させる。動作は、少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
機構、及び動作の方法の両方についての本明細書に説明される様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を実施するために使用される外科システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールの部分斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ発生器モジュールの斜視図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムのクラウド構成要素に接続され得る、外科用ハブに連結された複数のスマート外科用器具を備えるクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、クラウドコンピューティングシステムの機能モジュールアーキテクチャである。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システムの図を示す。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を図示する時間線である。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、異種データセットの自動化されたスケーリング、編成、融合及び位置合わせのためのシステムのブロック図である。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、測定された血圧対時間を図示する第1のグラフ、融合された血圧対時間を図示する第2のグラフ、及び異なるサンプルレートの血圧対時間を図示する第3のグラフを含む一組のグラフである。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、高及び低閾値に対する血圧を図示するグラフである。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、超音波システム周波数対時間を図示するグラフである。
図20】本開示の少なくとも1つの実施形態による、異なる血管種類について予想される血圧を図示するグラフである。
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、層状コンテキスト情報を図示するブロック図である。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、器具機能設定を図示するブロック図である。
図23】異なる合併症リスクを有する患者について発射力(force to fire、FTF)及び発射速度を図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月6日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SURGICAL SYSTEM FOR PRESENTING INFORMATION INTERPRETED FROM EXTERNAL DATA」と題する米国特許出願第16/182,230号、
・「MODIFICATION OF SURGICAL SYSTEMS CONTROL PROGRAMS BASED ON MACHINE LEARNING」と題する米国特許出願第16/182,233号、
・「ADJUSTMENT OF DEVICE CONTROL PROGRAMS BASED ON STRATIFIED CONTEXTUAL DATA IN ADDITION TO THE DATA」と題する米国特許出願第16/182,239号、
・「SURGICAL HUB AND MODULAR DEVICE RESPONSE ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第16/182,243号、
・「DETECTION AND ESCALATION OF SECURITY RESPONSES OF SURGICAL INSTRUMENTS TO INCREASING SEVERITY THREATS」と題する米国特許出願第16/182,248号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEM」と題する米国特許出願第16/182,251号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN SURGICAL NETWORKS」と題する米国特許出願第16/182,260号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO-POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO A SURGICAL NETWORK」と題する米国特許出願第16/182,267号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING END EFFECTOR PARAMETER」と題する米国特許出願第16/182,249号、
・「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」と題する米国特許出願第16/182,246号、
・「ADJUSTMENT OF A SURGICAL DEVICE FUNCTION BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第16/182,256号、
・「REAL-TIME ANALYSIS OF COMPREHENSIVE COST OF ALL INSTRUMENTATION USED IN SURGERY UTILIZING DATA FLUIDITY TO TRACK INSTRUMENTS THROUGH STOCKING AND IN-HOUSE PROCESSES」と題する米国特許出願第16/182,242号、
・「USAGE AND TECHNIQUE ANALYSIS OF SURGEON/STAFF PERFORMANCE AGAINST A BASELINE TO OPTIMIZE DEVICE UTILIZATION AND PERFORMANCE FOR BOTH CURRENT AND FUTURE PROCEDURES」と題する米国特許出願第16/182,255号、
・「IMAGE CAPTURING OF THE AREAS OUTSIDE THE ABDOMEN TO IMPROVE PLACEMENT AND CONTROL OF A SURGICAL DEVICE IN USE」と題する米国特許出願第16/182,269号、
・「COMMUNICATION OF DATA WHERE A SURGICAL NETWORK IS USING CONTEXT OF THE DATA AND REQUIREMENTS OF A RECEIVING SYSTEM/USER TO INFLUENCE INCLUSION OR LINKAGE OF DATA AND METADATA TO ESTABLISH CONTINUITY」と題する米国特許出願第16/182,278号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許出願第16/182,290号、
・「CONTROL OF A SURGICAL SYSTEM THROUGH A SURGICAL BARRIER」と題する米国特許出願第16/182,232号、
・「SURGICAL NETWORK DETERMINATION OF PRIORITIZATION OF COMMUNICATION,INTERACTION,OR PROCESSING BASED ON SYSTEM OR DEVICE NEEDS」と題する米国特許出願第16/182,227号、
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する米国特許出願第16/182,231号、
・「ADJUSTMENT OF STAPLE HEIGHT OF AT LEAST ONE ROW OF STAPLES BASED ON THE SENSED TISSUE THICKNESS OR FORCE IN CLOSING」と題する米国特許出願第16/182,229号、
・「STAPLING DEVICE WITH BOTH COMPULSORY AND DISCRETIONARY LOCKOUTS BASED ON SENSED PARAMETERS」と題する米国特許出願第16/182,234号、
・「POWERED STAPLING DEVICE CONFIGURED TO ADJUST FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許出願第16/182,240号、
・「VARIATION OF RADIO FREQUENCY AND ULTRASONIC POWER LEVEL IN COOPERATION WITH VARYING CLAMP ARM PRESSURE TO ACHIEVE PREDEFINED HEAT FLUX OR POWER APPLIED TO TISSUE」と題する米国特許出願第16/182,235号、及び
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許出願第16/182,238号。
【0015】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年9月10日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「A CONTROL FOR A SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE THAT ADJUSTS ITS FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」と題する米国特許仮出願第62/729,183号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN A SURGICAL NETWORK BEFORE TRANSMISSION」と題する米国特許仮出願第62/729,177号、
・「INDIRECT COMMAND AND CONTROL OF A FIRST OPERATING ROOM SYSTEM THROUGH THE USE OF A SECOND OPERATING ROOM SYSTEM WITHIN A STERILE FIELD WHERE THE SECOND OPERATING ROOM SYSTEM HAS PRIMARY AND SECONDARY OPERATING MODES」と題する米国特許仮出願第62/729,176号、
・「POWERED STAPLING DEVICE THAT IS CAPABLE OF ADJUSTING FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER OF THE DEVICE BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許仮出願第62/729,185号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH A PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING AT LEAST ONE END EFFECTOR PARAMETER AND A MEANS FOR LIMITING THE ADJUSTMENT」と題する米国特許仮出願第62/729,184号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO THE HUB」と題する米国特許仮出願第62/729,182号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許仮出願第62/729,191号、
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/729,195号、及び
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/729,186号。
【0016】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月28日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,214号、
・「TEMPERATURE CONTROL OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,205号、
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許出願第16/115,233号。
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許出願第16/115,208号、
・「CONTROLLING ACTIVATION OF AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO THE PRESENCE OF TISSUE」と題する米国特許出願第16/115,220号、
・「DETERMINING TISSUE COMPOSITION VIA AN ULTRASONIC SYSTEM」と題する米国特許出願第16/115,232号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC ELECTROMECHANICAL SYSTEM ACCORDING TO FREQUENCY SHIFT」と題する米国特許出願第16/115,239号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC END EFFECTOR」と題する米国特許出願第16/115,247号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第16/115,211号、
・「MECHANISMS FOR CONTROLLING DIFFERENT ELECTROMECHANICAL SYSTEMS OF AN ELECTROSURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第16/115,226号、
・「DETECTION OF END EFFECTOR IMMERSION IN LIQUID」と題する米国特許出願第16/115,240号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許出願第16/115,249号、
・「INCREASING RADIO FREQUENCY TO CREATE PAD-LESS MONOPOLAR LOOP」と題する米国特許出願第16/115,256号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許出願第16/115,223号、及び
・「ACTIVATION OF ENERGY DEVICES」と題する米国特許出願第16/115,238号。
【0017】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/721,995号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/721,998号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許仮出願第62/721,999号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許仮出願第62/721,994号、及び
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許仮出願第62/721,996号。
【0018】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月30日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/692,747号、
・「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する米国特許仮出願第62/692,748号、及び
・「SMART ENERGY DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/692,768号。
【0019】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,090号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国特許出願第16/024,057号、
・「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」と題する米国特許出願第16/024,067号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,075号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,083号、
・「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」と題する米国特許出願第16/024,094号、
・「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」と題する米国特許出願第16/024,138号、
・「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」と題する米国特許出願第16/024,150号、
・「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,160号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許出願第16/024,124号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」と題する米国特許出願第16/024,132号、
・「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,141号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第16/024,162号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,066号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,096号、
・「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」と題する米国特許出願第16/024,116号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,149号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAY」と題する米国特許出願第16/024,180号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,245号、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,258号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許出願第16/024,265号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許出願第16/024,273号。
【0020】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/691,228号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国仮特許出願第62/691,227号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許仮出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許仮出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許仮出願第62/691,251号。
【0021】
本出願の出願人は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国特許仮出願第62/659,900号。
【0022】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月30日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/650,887号、
・「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/650,882号、及び
・「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する米国仮特許出願第62/650,877号。
【0023】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
【0024】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許仮出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許仮出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許仮出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許仮出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許仮出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許仮出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,323号。
【0025】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月8日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,417号、及び
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,415号。
【0026】
本出願の出願人は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願番号米国特許仮出願第62/611,341号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号、及び
・「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号。
【0027】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示的な実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。また、以下に説明される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0028】
外科用ハブ
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ又は2つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、記憶装置105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0029】
図2は、外科手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科処置を実施するために使用される外科システム102の一例を図示する。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって取得することができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するように使用することができる。
【0030】
他の種類のロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,339号に記載されている。
【0031】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,340号に記載されている。
【0032】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ又は2つ以上の光学構成要素と、を含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0034】
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと称されることもある可視スペクトルは、人間の目に可視である(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0035】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0036】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数からの光、例えば、IR及び紫外線を含む特定の波長に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で取り込むことのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項でより詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0038】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることが理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0039】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0040】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114の操作者に可視であるように、滅菌野内に位置付けれる。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を利用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
【0041】
一態様では、ハブ106はまた、可視化タワー111で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内で一次ディスプレイ119に送られるように構成されてもよく、ここでハブ106は手術台の滅菌操作者によって見られてもよい。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0042】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、座標情報は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。可視化タワー111で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科システム102と共に使用するのに好適である例示的な外科用器具は、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号の「Surgical Instrument Hardware」の項目で説明されている。
【0043】
ここで図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で図示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140(単極発生器142、双極発生器144、及び/又は超音波発生器143を含み得る)、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図3に示されるように、ハブ106は、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、及び/又はORマッピングモジュール133を更に含む。
【0044】
外科処置中、封止及び/又は切断のための組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を関連する。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらのそれぞれのモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0045】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又は3つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0046】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0047】
特定の外科処置は、1つ超のエネルギーの種類を組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギーの種類は、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギーの種類は、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は、組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は、封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が異なる発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0048】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを生成させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0049】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体はまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを生成するように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0050】
加えて、モジュール式外科用筐体はまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を促進するように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。
【0051】
図3図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0052】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0053】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に統合された排煙モジュールと、を含む。
【0054】
様々な態様では、排煙モジュール126は、取り込まれた/収集された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
【0055】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0056】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
【0057】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0058】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機能を含み得る。例えば、図4に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0059】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、特定のモジュールを収容するように各々設計される。
【0060】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0061】
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を促進することができる。代替的に又は追加的に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を促進してもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0062】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。代替的に、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0063】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の例では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0064】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはスキャンされたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0065】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましくない結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0066】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらのそれぞれのチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が用いられてもよい。
【0067】
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の異なる位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0068】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。加えて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。このようなシステムは、撮像モジュール138と統合され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、その各々のその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
図8は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えば記憶装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203はまた、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機能を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0070】
手術室に配置されたモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に配置されるモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0071】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0072】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのうちのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することが理解されるであろう。「クラウド」という用語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語は、そのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、記憶装置、及びアプリケーションなどの異なるサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に配置されるモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に配置される装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整するエンティティであり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に配置される他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実施することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及び記憶装置と通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0073】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、手術結果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と統合された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によって取り込まれた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。このようなデータ分析は、予後分析処理を更に用いてもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0074】
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に配置される装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)は記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0075】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に配置される装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0076】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのうちのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に配置される異なるネットワークなどの、異なる位置に配置される2つ又は3つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0077】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に配置される装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために用いられてもよい。
【0078】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(long-term evolution、LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0079】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mのうちの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0080】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0081】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に配置される他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に示されるように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータ記憶装置に連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と併せてモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
【0082】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示されるように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールと関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0083】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を用いて、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室をスキャンし、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室をスキャンする。
【0084】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、記憶装置248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺装置相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association bus、PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々な入手可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造(複数可)のうちのいずれかであってもよい。
【0085】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、パフォーマンスを40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(single-cycle serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0086】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のあるパフォーマンス、接続性、及びメモリの選択肢を送達しながら、高度な集積型安全機能を提供するために、中でもとりわけ、特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0087】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM、EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate、DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM、SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0088】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体、例えばディスク記憶装置などを含む。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのような装置が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、記憶媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(compact disc ROM、CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(compact disc recordable drive、CD-R Drive)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(compact disc rewritable drive、CD-RW Drive)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(digital versatile disc ROM drive、DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を促進するために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0089】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0090】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティング装置、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0091】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリ記憶装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、次いで、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0092】
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction multiple data、MIMD)技術を用いる並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0093】
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0094】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。示される態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製のTUSB2036集積回路ハブを用いる。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(data plus、DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(data minus、DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0095】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に従ってスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0096】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(serial interface engine、SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(non-return-to-zero invert、NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(packet ID、PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310は、クロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して、上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するために、サスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するように、インターフェース論理328を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0097】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0098】
外科用ハブ及び/又は外科用ハブネットワークの構造及び機能に関する追加の詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号に見出され得る。
【0099】
クラウドシステムハードウェア及び機能モジュール
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成される。コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、クラウドベースの分析システムを含む。クラウドベースの分析システムは、外科用システムとして記載されているが、必ずしもそのように限定されるものではなく、一般にクラウドベースの医療システムであってもよい。図12に示されるように、クラウドベースの分析システムは、(器具112と同じ又は同様であってもよい)複数の外科用器具7012と、(ハブ106と同じ又は類似であってもよい)複数の外科用ハブ7006と、(ネットワーク201と同じ又は同様のものであってもよい)外科用データネットワーク7001は、(クラウド204と同じ又は同様であってもよい)クラウド7004に外科用ハブ7006を連結する。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結される。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのクラウド7004に通信可能に連結される。クラウド7004は、様々な外科用システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモートの集中型源である。図12に示されるように、クラウド7004へのアクセスは、インターネット又は何らかの他の好適なコンピュータネットワークであり得るネットワーク7001を介して達成される。クラウド7004に連結される外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科処置又は動作の制御及び実装のために、外科用ハブ7006とペアリングされている。
【0100】
加えて、外科用器具7012は、(送受信機もまた含んでもよい)それらの対応する外科用ハブ7006へのデータ伝送、及び外科用ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術室などの、特定の位置を示してもよい。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを記憶してもよい。図12に示されるように、クラウド7004は、中央サーバ7013(図1のリモートサーバ113及び/又は図9のリモートサーバ213と同じ又は同様であり得る)、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース7007を備える。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアントモジュール7006による要求を監視し、リクエストを実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013の各々は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶装置などの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリ装置7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備える。メモリ装置7010は、実行されると、プロセッサ7008が、以下で説明するクラウドベースのデータ分析、動作、提案、及び他の動作のために、データ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含んでもよい。更に、プロセッサ7008は、ハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと独立して、又はハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に常駐することができる集約された医療データデータベース2212を含む。
【0101】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約することができる。そのような集約されたデータは、クラウド7004の集約された医療データベース7011内に記憶されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利には、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、個別のハブ7006がそれ自体で達成できない機能をもたらしてもよい。この目的のために、図12に示されるように、クラウド7004及び外科用ハブ7006は、情報を送受信するように通信可能に連結される。I/Oインターフェース7007は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7007は、外科用ハブ7006と集約された医療データデータベース7011との間で情報を転送するように構成することができる。したがって、I/Oインターフェース7007は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み動作を促進し得る。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信される場合がある。I/Oインターフェース7007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含み得る1つ又は2つ以上の高速データポートを含んでもよい。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有能力をホストし、かつ供給するように構成されている。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブ7006を介してハブアプリケーションによって作成された要求を管理して、集約された医療データデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷バランス調整を実施してもよい。データ分析モジュール7034は、図13を参照して更に詳細に説明される。
【0102】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用装置を使用して実施される医療動作及び処置の文脈において生じる様々な問題に対処するように設計されている。具体的には、外科用器具7012は、外科手術のパフォーマンスを改善するための技術を実装するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用装置であってもよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御してもよいように、タッチ制御されたユーザインターフェースを含んでもよい。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0103】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムの機能アーキテクチャを例示するブロック図である。クラウドベースの分析システムは、医療分野において具体的に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含む。図13に示されるように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、外科ハブ7006上でアクセスされ得るハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して支援され得る。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために併せて動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを画定する。追加的に、API7016は、アプリケーション7014の動作のために、集約された医療データのデータベース7011内へのデータの格納及びここからの読み出しを管理する。キャッシュ7018はまた、データを(例えば、一時的に)記憶し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な読み出しのためにAPI7016に連結される。図13のデータ分析モジュール7034は、資源最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラムの更新7026、患者転帰分析7028、提案7030、及びデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含む。他の好適なデータ分析モジュールはまた、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装される場合がある。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及び他のデータの分析に基づいて特定の提案に使用される。
【0104】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に一致していないペアリングされたデータセットへのデータの保存を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用される場合がある。具体的には、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などの二元分類を適用することを含み得る。より一般的には、バイナリ分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科処置)又は望ましくない事象(例えば、誤発射又は誤使用された外科用器具7012)のいずれかとして特徴付けられてもよい。集約された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに相当してもよい。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約されたメタデータ又は他の編成済みデータを生成することができる。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データデータベース7011に動作的に連結することができる。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成済みデータを集約された医療データデータベース2212に記憶してもよい。
【0105】
資源最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関する資源の最適な使用を決定するように構成することができる。例えば、資源最適化モジュール7020は、そのような器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設のグループに関する外科用ステープル留め器具7012の最適な順序点を決定してもよい。資源最適化モジュール7020はまた、資源使用を改善することができるかどうかを判定するために、様々な医療施設の資源使用又は他の動作構成を評価する場合があるであろう。同様に、提案モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成済みデータを分析して提案を提供するように構成することができる。例えば、提案モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、予想される誤り率よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に提案することができる場合もある。追加的に、提案モジュール7030及び/又は資源最適化モジュール7020は、製品再注文ポイントなどのより良好な供給チェーンパラメータを提案し、異なる外科用器具7012、その使用の、又は手術結果を改善する処置工程の提案を提供することができる場合もある。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような提案を受信することができる。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関するより具体的な提案もまた提供することができる。ハブ7006及び/又は外科用器具7012は各々、クラウド7004によって提供されるデータ又は提案を表示するディスプレイスクリーンを有することができる場合もある。
【0106】
患者転帰分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者転帰分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。この接続では、提案モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用して提案することができる場合もある。例えば、提案モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジをいつ使用すべきかに関する提案を、外科用ハブ7006に送信することができる。したがって、クラウドベースの分析システムは、共通変数を制御している間に、生データの大規模な収集を分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中的提案を提供するように構成されてもよい。例えば、クラウドベースの分析システムは、医療行為の種類、患者の種類、患者の数、医療提供者/施設が、同様の種類の器具などを使用する医療提供者の間の地理的類似性を分析、評価、及び/又は集約することができる場合もあり、この場合、1つの医療施設単独では独立して分析することができない。
【0107】
制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な外科用器具7012の提案を実装するように構成することができる場合もある。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果とリンクする相関関係を識別することができる場合もある。このような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信されるときに対処されてもよい。対応するハブ7006を介して送信される器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集され、かつ分析された集約されたパフォーマンスデータを組み込んでもよい。追加的に、患者転帰分析モジュール7028及び提案モジュール7030は、集約されたパフォーマンスデータに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる場合もある。
【0108】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理されてもよい。それぞれの外科用ハブ7006は、ユーザ名、パスワード、及び他の好適なセキュリティ資格情報などの関連する固有の資格情報を有することができる。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることができる場合もある。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、外科用ハブ7006は、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセスを付与されてもよい(例えば、特定の画定された種類の情報の送信又は受信を係合してもよい)。この目的のために、クラウド7004の集約された医療データデータベース7011は、提供された資格情報の精度を検証するための認可された資格情報のデータベースを含んでもよい。異なる資格情報は、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてもよい。
【0109】
更に、セキュリティ目的のために、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止された装置の「ブラックリスト」を含んでもよい他の装置のデータベースを維持することができる場合もある。具体的には、ブラックリスト上に列挙された外科用ハブ7006は、クラウドと相互作用することを許可されなくてもよい一方で、ブラックリスト上に列挙された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さなくてもよく、かつ/又は対応するハブ7006とペアリングされたときに完全に機能することが防止されてもよい。追加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又は他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立ててもよい。このようにして、偽造医療用装置及びそのような装置の、クラウドベースの分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処することができる。
【0110】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表してもよい無線信号を送信してもよい。有線送受信機はまた、信号を送信するために使用してもよい。そのような認可資格情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリ装置に記憶することができる。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを判定することができる。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化することができる場合もある。適切な認可を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得して送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移してもよい。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示すことができる場合もある。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な外科用器具7012にのみ送信されるように、特定のクラスの外科用器具7012(例えば、電気外科用器具)に向けられた信号を送信することができる。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システムワイドソリューションを実装するために使用することができる場合もある。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造不良を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実装してもよい。
【0111】
クラウドベースの分析システムは、(例えば、提案モジュール2030を介して)改善された実務及び提案の変更を判定するために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)を監視することを可能にしてもよい。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータを他の医療施設に関連付けられた他のデータと集約することができる。グループは、例えば、同様の操作行為又は地理的位置に基づいて画定することができる場合がある。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループの幅広い分析及び提案を提供してもよい。クラウドベースの分析システムはまた、強化された状況認識のために使用することができる場合がある。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置に対する)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する提案の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連するコスト及び有効性はまた、他の施設又は任意の他の同等の施設の対応するローカル領域と比較することもできる。
【0112】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療イベントの重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし、かつ分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、上記の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用してもよい。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実施されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データデータベース7011からの除外、又は他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応する)クラウド7004からの特定の応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。プッシュメッセージは、支持又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドが不規則性の原因を判定することができない状況で必要とされてもよい。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると判定されるとき、又はセキュリティが含まれていたと見られる場合など、特定の重大な状況においてこのプッシュメッセージをトリガするようにプログラムされてもよい。
【0113】
クラウド分析システムに関する追加の詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の「米国特許仮出願第62/659,900号に見出され得る。
【0114】
状況認識
感知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」装置は、感知されたデータを考慮することなく動作する「データ処理能力のない(dumb)」装置に改善を加えたものであり得るが、いくつかの感知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実施される外科処置の種類又は手術されている組織の種類のコンテキストなしでは、不完全又は決定的ではない可能性がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術される組織の種類又は実施されている処置の種類を知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない感知データが与えられると、モジュール式装置を不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、特定の感知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための制御アルゴリズムの最適な方法は、手術されている特定の組織の種類に従って変化する可能性がある。これは、異なる組織の種類が異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗)を有し、これにより外科用器具によってとられた動作に対して異なって応答するという事実に起因する。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が感知された場合であっても、外科用器具が異なる動作をとることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するために予想外に高い力を感知することに応答して外科用ステープル及び切断器具を制御する最適な方法は、組織の種類が引き裂きの影響を受けやすいか、又はこれに耐性があるかによって異なる。肺組織などの引き裂きの影響を受けやすい組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプダウンさせる。胃組織などの引き裂きに耐性がある組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプアップさせる。肺組織がクランプされているのか、胃組織がクランプされているのかを知らなければ、制御アルゴリズムは、準最適な決定を行うことがある。
【0115】
1つの解決策は、様々なデータソースから受信したデータに基づいて実施される外科処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされるモジュール式装置を適宜制御するように構成されたシステムを含む、外科用ハブを利用する。換言すれば、外科用ハブは、受信したデータから外科処置に関する情報を推定し、次いで、外科処置の推定されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされるモジュール式装置を制御するように構成される。図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式装置5102(患者及び/又はモジュール式装置自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含むことができる)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視装置5124(例えば、血圧(BP)モニタ及び心電図(EKG)モニタ)を含む。
【0116】
多くの点でハブ106と同様であり得る外科用ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成され得る。受信したデータから推定されるコンテキスト情報は、例えば、実施される外科処置の種類、外科医が実施している外科処置の特定の工程、手術されている組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信したデータから外科処置に関連する情報を導出又は推定するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの能力は、「状況認識」と称され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、受信したデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0117】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信したデータからコンテキスト情報を導出するように構成され得る。一例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視装置5124、及び/又はモジュール式装置5102からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含む。換言すれば、機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練され得る。別の例示では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特徴付けされたコンテキスト情報を、コンテキスト情報に対応する1つ又は2つ以上の入力(又は入力の範囲)と対応させて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ又は2つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式装置5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。一例示では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の特定の制御調整又は制御調整のセットに関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供されたときに1つ又は2つ以上のモジュール式装置5102の1つ又は2つ以上の制御調整を生成又は読み出しする、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含む。
【0118】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利益を提供する。1つの利益は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、これは、外科処置の過程中の処理精度及び/又はデータの使用を改善する。以前の例に戻るために、状況認識外科用ハブ5104は、どの種類の組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉じるために予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織の種類に合わせて外科用器具のモータを正しくランプアップ又はランプダウンすることができる。
【0119】
別の実施例として、手術されている組織の種類は、特定の組織間隙測定のための外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼすことができる。状況認識外科用ハブ5104は、実施されている外科処置が胸部処置であるのか又は腹部処置であるのかを推定することができ、これにより状況認識外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)又は胃であるのか(腹部手術の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織の種類に合わせて適切に調整することができる。
【0120】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔の種類は、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、手術部位が(外科処置が送気を利用していると判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置の種類を判定することができる。処置の種類が一般的に特定の体腔内で実施されるため、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。したがって、状況認識手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方のために一定量の煙排出を提供することができる。
【0121】
更に別の実施例として、実施されている処置の種類は、超音波外科用器具又は高周波(RF)電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。関節鏡処置は、例えば、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるため、より高いエネルギーレベルを必要とする。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織の種類は、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の予想される組織プロファイルに従って、どの種類の外科処置が実施されているかを判定し、次いで、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、処置ベースでのみではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成され得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が実施されているか、又はその後に実施されるかを判定し、次いで発生器及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織の種類に適切な値にエネルギーレベルを設定することができる。
【0122】
更に別の例として、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から引き出す結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータが引き出されることができる。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式装置5102から受信したデータを、他のデータソース5126からの外科処置に関して構築したコンテキスト情報で増強することができる。例えば、状況認識外科用手術ハブ5104は、医療用撮像装置から受信したビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まっているかどうか)を判定するように構成され得る。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的でない可能性がある。したがって、1つの例示では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたBPモニタによって感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に連結された医療用撮像装置124(図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶接の完全性についての判定を行うように更に構成され得る。換言すれば、外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用であり得る。
【0123】
別の利益としては、外科処置の過程中に医療従事者が外科用システム5100と相互作用するか又はこれを制御するために必要とされる回数を低減するために、実施されている外科処置の特定の工程に従って、ペアリングされるモジュール式装置5102を積極的かつ自動的に制御することを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続の工程が器具の使用を必要とすると判定した場合に、RF電気外科用器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行する工程が完了するとすぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0124】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科処置の現在又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なる視界又は拡大の度合いを必要とするかどうかを、外科医が見る必要があると予想される手術部位における特徴(複数可)に従って判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、(例えば、可視化システム108のために医療用撮像装置によって供給される)表示された視界を、それに応じて積極的に変化させることができ、ディスプレイが外科処置にわたって自動的に調整するようにする。
【0125】
更に別の実施例として、状況認識手術ハブ5104は、外科処置のどの工程が実施されているか、又はその後に実施されるか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置のその工程に必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、実施されている外科処置の工程に基づいて、自動的にデータスクリーンを呼び出すように構成され得る。
【0126】
別の利益は、外科処置のセットアップ中又は外科処置の過程中にエラーをチェックすることを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術室が、実施される外科処置のために適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、行われている外科処置の種類を判定し、(例えば、メモリから)対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップニーズを読み出しし、次いで、現在の手術室のレイアウトを、外科用ハブ5104が実施されていると判定した外科処置の種類の標準レイアウトと比較するように構成され得る。一例示では、外科用ハブ5104は、例えば、好適なスキャナによってスキャンされる処置のためのアイテムのリスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされる装置のリストを、所与の外科処置のためのアイテム及び/又は装置の提案若しくは予想されるマニフェストと比較するように構成され得る。リスト間に任意の不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式装置5102、患者監視装置5124、及び/又は他の外科用アイテムが欠落していることを示す警告を提供するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式装置5102及び患者監視装置5124の相対距離又は位置を判定するように構成され得る。外科用ハブ5104は、装置の相対位置を、特定の外科処置のための提案又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが提案されるレイアウトから逸脱していることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0127】
別の例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は他の医療従事者)が誤りを犯しているか、又は別の方法で外科処置の過程中に予想される一連の行動から逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施される外科処置の種類を判定し、(例えば、メモリから)機器使用の工程又は順序の対応するリストを読み出し、次いで、外科処置の過程中に実施されている工程、又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が実施されていると判定した外科処置の種類の予想された工程又は機器と比較するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、外科処理における特定の工程で、予想外の動作が実施されているか、又は予想外の装置が利用されていることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0128】
全体的に、外科用ハブ5104のための状況認識システムは、各外科処置の特定のコンテキストのために外科用器具(及び他のモジュール式装置5102)を調整し(例えば異なる組織の種類に適応させるなど)、手術処置中のアクションを検証することによって、外科処置の結果を改善する。状況認識システムはまた、処置の特定のコンテキストに従って、次の工程を自動的に示唆すること、データを提供すること、及び手術現場内のディスプレイ及び他のモジュール式装置5102を調整することによって、外科処置を実行する際の外科医の効率を改善する。
【0129】
ここで図15を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206(図1図11)などのハブの状況認識を図示する時間線5200が図示されている。時間線5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導出することができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によってとられるであろう典型的な工程を図示する。
【0130】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を利用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によってとられている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこのような動作を行うことが可能である。
【0131】
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実施される処置が胸部処置であることを判定する。
【0132】
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸部処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0133】
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。次いで、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0134】
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助機器は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に配置される外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。次いで、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に使用される医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実施しているかを推定することができる。
【0135】
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
【0136】
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0137】
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予想される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
【0138】
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、利用されている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び利用されている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために利用され得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に位置決めする。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を利用し、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実施中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
【0139】
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、前に考察された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
【0140】
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
【0141】
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に利用され、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実施されていると推定することができる。
【0142】
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実施される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にロボットツールを利用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を利用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
【0143】
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
【0144】
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
【0145】
状況認識については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御され得る。
【0146】
データ操作、分析、及び記憶
様々な態様では、外科用ハブシステムは、外科用ハブシステムのための認識の階層を提供するシステムに接続される外科用装置の使用に関連するリッチコンテキストデータを収集するように構成され得る。
【0147】
データインデックス化及び記憶
データ変換、検証、編成、及び融合について、様々な技術が本明細書に説明される。
【0148】
外科用ハブシステムコンテキストで生じる1つの問題は、どのようにして、多様かつ異なるソースからのデータを有用な共通データセットに融合するかである。例えば、異なるサンプリングレートで記録される2種類のデータを融合するためにどの解決策が利用可能であるか?システムが同様のレートでサンプリングされ得るか?データセットの同期を支援するために、全てのデータにタイミング信号を挿入することができるか?様々な用途のために選択される解決策は、融合されているデータセット及び他のそのような因子を収集している、特定の種類の外科用装置に依存し得る。
【0149】
一態様では、外科用ハブは、データが送信される前に、外科用ハブ内の所定のパラメータに基づいて、収集されたデータの自動化されたデータスケーリング、整列、及び編成を実施するように構成され得る。一態様では、所定のパラメータは、使用のために構成されたときに、外科用ハブとクラウドシステムとの間の相互作用によって確立又は変更され得る。クラウドシステムは、同様の問題に対処したネットワーク内の他のハブからの解決策を提供し得、また、データをどのように位置合わせさせるかを決定するために、様々な学習機構を使用してオフライン処理も提供し得る。これは、外科用ハブによって収集されたデータが、分析のためにより大きいクラウドベースのデータベースに直接統合されることを可能にする。別の態様では、外科用ハブ及び/又はクラウドシステムは、測定されたシステムのサンプリングレートを変化させるように構成され得る。例えば、データセットは、機能データベースに編成され得る、及び/又は機能データ分析を介して分析され得る。例えば、システムは、同じ又は異なる装置からの複数の測定値を単一の測定値に計算集計することを含むように構成され得る。例えば、システムは、ソース又はデータのソースを暗号化又は認証するためのハッシュ関数を含むように構成され得る。
【0150】
データラングリング
一態様では、外科用ハブシステムは、「データラングリング」又は「マンギング」、すなわち、使用可能な形態への生データの再編成を実施するように構成され得る。例えば、外科用ハブシステムは、外科用ハブ及び他の機器からのデータを統一データセットに編成するように構成され得る。
【0151】
データウェアハウジング及び融合
データセットを組み込む及び融合することに伴う1つの課題は、データソースのデータレート、データ構成、ファイル形式、及び編成方法が異なることである。更に、データを単一の記憶フレームワークに移動させる際、いくつかの例として、データが記録された条件のコンテキスト、予想される形式へのデータの任意の変更、及び直接的に比較可能なものにするためのデータの任意の較正変更を含むことが有用である。
【0152】
図16は、本開示の少なくとも1つの態様による、異種データセットの自動化されたスケーリング、編成、融合及び位置合わせのためのシステムのブロック図である。例示204000は、どのようにして、データがいくつかの異なるステージを通して編成され得るかの例を提供する。自動化されたシステムは、1つ又は2つ以上の医療装置、企業ソフトウェア、及び管理ソフトウェアなどの、複数のソースからのデータを取り入れる医療ハブ内に実装され得る。自動化されたシステムの一態様では、データは、様々なデータソース204005から抽出され、ステージングモジュール204010内に位置決めされ得る。ソースは、医療装置及び医療ハブで受信され得る他の入力からの典型的なベンダー及び他の独自のデータ型からのものであり得る。ステージングモジュール204010は、ステージングデータベース又はユニバーサルファイル転送プロトコル及びリポジトリを含む、様々な種類のデータをその様々なネイティブ形式で格納するための1つ又は2つ以上のプログラムを含み得る。次いで、このデータは、データを分析する者にとって有用な共通データ型にデータを融合又は組み合わせるために必要な分析を実施するように構成され得るデータウェアハウス204015に読み込まれる。データウェアハウスモジュール204015は、これらの機能を実施するために使用され得るプログラムの種類の数例を示す。データが適切に位置合わせされると、追加の分析が複合データに関して実施され得、これは、次いで、ビジネスメタデータ(メタデータ層204020を介して)、レポート、並びに分析(レポート及び分析層204025を介して)を提供するために利用され得る。データが抽出されるデータソースとしては、例えば、電子医療記録(electronic medical record、EMR)データベース、及び手術室(operating room、OR)内に移動する製品の用品データベースが挙げられ得る。
【0153】
一態様では、データは、いくつかの異なる技術を介してデータウェアハウス204015に読み込まれ得る。データを転送するための既知の技術が使用され得、データの形式を保存する。データが転送され得る速度は、物理的手段を介するもの、又はデータが無線で転送される場合などの、データを転送する手段に更に基づき得る。ハードウェアを利用することは、別の例として、ソフトウェアに頼るよりもはるかに速い場合がある。
【0154】
一態様では、編成されたデータは、分析のために機能データベースに読み込まれ得る。データ読み込みのプロセスは、データウェアハウス204015の構造に依存し得る。例えば、メタデータは、サイズが劇的に大きくなり、主要データ自体に著しくより付随する傾向がある。したがって、データは、1つの場所にプール/記憶され得、それにより、データは、より高速に/オンザフライで参照され得、メタデータは、別の位置(例えば、オフサイト)及び/又は長期記憶のためのより適切な記憶媒体に記憶され得、それにより、メタデータは、必要なときに又は直接求められたときに参照される。したがって、システムは、データを解析し、それを適切なリポジトリに送信するように構成され得る。そのような態様では、異なるデータセット又はデータ型が互いに非存在下で操作され得るか、又はメタデータが一次データを変更するための手段として使用され、次いで、ストレージ内に戻されるか若しくはデータセットのサイズを制限するように組み合わせられたデータセットから別様に除去され得る。
【0155】
別の態様では、データの全ての部分(すなわち、一次データ及び/又はメタデータ)は、所定の位置に記憶され得、参照データベースは、1つの結合データベースに記憶された全てのデータを有するのではなく、現在の分析によって必要とされるデータの断片の各々を読み出しするように構成され得る。
【0156】
一態様では、データウェアハウジングシステム204015は、高及び低容量データなどの、非類似データを融合するように構成され得る。一態様では、別のデータセットとは異なる形式又は構造にある受信されるデータは、データ点にリンクされたメタデータを使用して、データが他のデータセットと互換性のある形式に融合させることを可能にする。例えば、非常に異なるデータレートで記録されたデータは、複製され、データ記憶構造の空のセル内に位置決めされ得る。この技術は、例えば、データソースが、重要ではないか若しくは補足的なデータ要素、又は別の重要なデータ点に対するメタデータである場合に使用され得る。別の例として、データレートが非常に高く、それがより低い、より重要なデータ形態にマージされる場合、データ点の平均又はドロップされたデータ点方法が、平均的な均質のデータフローを提供するために使用され得る。例示するために、kHz調波トランスデューサデータ(すなわち、kHzレートでサンプリングされるトランスデューサデータ)が、結果ベースの30Hzデータと組み合わされるか又はその中に入る場合、ブレードインピーダンスの各1,000データ点の平均が、下側のサンプリングジョークランプ力と共に使用されて、均一な時間ベースのデータストリームを作成し得る。別の例示として、3D撮像データが、隣接する機械的装置によって測定される平面内の2D平面バージョンに変換され得る。いくつかの態様では、クラウドシステムは、どのデータセットが他のデータセットよりも重要であるかの決定を促進することを助け、それにより、どのようにしてデータを有効に組み合わせて位置合わせさせるかを決定し得る。状況認識を使用して、クラウドシステムは、他のデータセット又は様々な医療処置から、どの種類のデータが信頼され、最も共通して追従されるかを再現する。外科医、分析者又はその他の者によって使用されるこれらのデータセットは、どの種類のデータが最も有用であるかの確率的指示を提供し、次いで、これらの目的のためにデータをどのように融合させるかを決定し得る。
【0157】
様々な態様では、医療ハブに接続された1つ又は2つ以上のソースから入るデータは、データウェアハウスに送信され、医療ハブ内の所定のパラメータを使用して編成、スケーリング、及び/又は位置合わせされ得る。つまり、クラウドシステムへの組み込み又は集約の前に、データは、医療ハブで収集されるときに、所定の形式、スケール、又は他の位置合わせに適合するように既に処理され得る。いくつかの場合、これらの所定のパラメータは、クラウドシステムとの相互作用後に調節され得る。例えば、クラウドシステムは、新たな医療装置をそのシステムに含めた後に、いくつかのデータが改訂される必要があることを決定し得る。別の例として、クラウドシステムは、状況認識又は他の機械学習を利用して、エンドユーザにとってより有用な特定の種類のデータのより効率的なスケールを決定し得る。この種の変化は、医療ハブでの自動化されたデータスケーリング、位置合わせ、及び編成が、クラウドシステムにアップロードされる前に、より関連するデータを提供し得るように、医療ハブの各々に伝播されうる。
【0158】
データクレンジング
データ前処理とも呼ばれるデータクレンジングは、重複の除去、列又は行の再配向、及び相互関連データをリンクすることを指す。
【0159】
一態様では、データウェアハウジングシステム204015は、重複データを除去するように構成され得る。データ重複は、データが複数のソースからデータウェアハウスシステム204015内に入ることができるという事実から結果的に生じ得(ブロック204005参照)、これらのいくつかは、外科処置の過程で一緒に使用されている場合がある。例えば、ロボットハブ、エネルギー/可視化ハブ、及びモニタタワーハブは全て、同じ処置内でインターフェースされ得、これらのハブの各々は、重複する少なくともいくつかのデータを生成し得るが、組み合わせて位置合わせさせるために最終的に有用である。更に、ハブは、外科処置の一部分のためにORの内外に移動され得、他の処置内に移動される場合もある。異なるソースから入る重複データセットを探すことができ、次いで、重複データを除去することができることは、特定のユーザ、使用、又は領域が、データの重複のみから結果的に生じるデータセット全体から導きだされる結論に過度に影響しないことになる。別の例として、データは、同じデータの第2の送信を開始する移行時のデータの割り込み又は損失に起因して複製され得る。更に別の例として、データは、複数回意図的にアップロードされ得る。これらの重複の全ては、データセットから導きだされる特定の結論の重み付けに影響を及ぼすことになり、これは、傾向及び分析と干渉し得る。
【0160】
一態様では、データウェアハウジングシステム204015は、別個のデータストリームをマージするように構成され得る。データの複数の重複に対する代替は、同じ処置で使用された一連の装置又はハブの各々が全て、それらを構築するデータウェアハウス204015に別個にそれらのデータを送信するときに発生し得る。これは、装置が互いに対して関連することを可能にする、いくつかの連続測定を同期するいくつかの方式を各装置が必要とすることになるということとは無関係な問題を提示する。患者データが匿名化されている態様では、異なるデータソースからのデータの同期は、単一の同期されたリアルタイムクロックが、許容可能なシンクロナイザではない場合あるため(データと関連付けられた実時間を記憶することが、機密患者データを確認するために使用され得るため)、より一層困難となり得る。更に、ランダム化された日時が生成される場合、ランダマイザは、その開始点を全ての装置に通信して、それらが同時測定を使用することを可能にすることを必要とすることになる。
【0161】
一態様では、外科用装置は、リアルタイムではなく、それらの内部クロックの時間を使用し、同じ処置内の装置間でシンクロナイザ信号を通信するように構成される。したがって、各装置は、それらの個別化された視点からデータを記録及びタイムスタンプし、次いで、データの全てがデータウェアハウス(例えば、データウェアハウス204015)に送信されると、データウェアハウスは、信号を同期させ、それを、異なるデータフィードを信号統一データセットに相互関連又は融合させるために使用し得る。これは、依然としてデータを正常に同期させながら、患者のプライバシー問題に対処する。
【0162】
独立したインポートされたデータ要素からの値の計算
一態様では、メタデータの一部分が、一次データ点を関連アスペクトデータに変換するために利用され得る。例えば、データウェアハウジングシステム204015は、定数を計算するために組織種類を使用するように構成され得、定数は、次いで、組織インピーダンスと乗算されて、コラーゲンレベル及び導電率をインピーダンスと均衡させて、組織種類間で比較可能なシール強度を評価するために、比較可能なインピーダンス値を作成する。別の実施例として、データウェアハウジングシステム204015は、定数を計算するために、組織厚さ及び外科用ステープル留め器具のカートリッジ色を使用するように構成され得、定数は、次いで、発射力(FTF)によって乗算されて、装置発射パフォーマンスの組織に依存しない値を作成する。
【0163】
一態様では、特定の外科用器具又はそのシリアル番号の生成が、全ての装置が複数の設計変化にわたって比較されることを可能にするカスケードに器具の挙動を変換するために利用され得る。クラウドシステムは、特定の外科用器具に接続される1つの医療ハブから、関連する範囲までの他の医療ハブの全てに変化を伝播させ得る。新たな変化はまた、外科用器具の新しい又は更新されたバージョンが、考慮すべき変更をもたらすことを注意する、医療装置の状況認識を更新することに組み込まれ得る。
【0164】
時系列相互関連データ
一態様では、時系列相互関連データは、HIPAA制御及び保護されたプライバシー制限内で患者の電子カルテ(electronic health record、EHR)の一部として記憶され得る。患者は、次いで、複数の異なるデータソースに由来する組み合わせられたデータセットへのアクセスを有し得る。例えば、複数の医療ハブ及び/又は複数の医療装置が手術に使用された場合、患者は、本明細書に説明されるプロセスに従って融合及び位置合わせされたデータに基づいて、どのように器具の全てが相互作用した可能性があるかを時系列方式で見ることができてもよい。
【0165】
ランダム化されたデータペア
一態様では、追跡不能な、表面的に無関係なデータペア又はクラスタが、結果に統合され得る。そのような一態様では、データラングリングプロセスは、ランダム化されたデータペアを含み得、データから結果的に生じるメタデータが、データペア又はバンドルの一部として存在する結果と相関され続けることを可能にする。
【0166】
データ適合及び形態変換
様々な態様では、データの適合及び形態は、データが予想される形式(例えば、データウェアハウジングシステム204015によって予想される形式)になるように変換され得る。一態様では、生データは、データステージングモジュール204010で特定の機能形態にマッピングされ得る。例えば、数字データ要素が、アルファベットデータ要素の代わりに置換され得る。別の態様では、データは、行、列、フィールド、セルなどの特定の配置などの所定の構成に変換され得る。
【0167】
図17の例示204100は、本開示の少なくとも1つの態様による、測定された血圧対時間を図示する第1のグラフ204105、融合された血圧対時間を図示する第2のグラフ204110、及び異なるサンプルレートの血圧対時間を図示する第3のグラフ204115を含む一組のグラフである。例示204100のグラフは、データウェアハウス204015に入るデータが、異なるスケール、サンプリングレート、及び経時的に異なる測定値をどのように含有し得るか、及び図16のシステムが、使用可能な形式を作成するためにデータをどのように適切に融合及び位置合わせし得るかの例を示す。ここで、グラフ204105及び204110は、異なるデータセットであるが、同じ時間スケールで示されている。グラフ204105は、経時的に(期間tにわたって)測定された血圧の小集合を表す。この実施例では、折れ線グラフ204125は、実際の血圧を表し、一方、大部分が平滑な連続線に沿って示されるサンプリングされたデータ点が存在する。サンプリングされたデータ点は、実際には、一対のエラーデータ点204120を含有する。データウェアハウス204015は、1つ又は2つ以上の医療ハブ及び/又はクラウドシステムによる処理を介して、正確な血圧曲線を形成するためにエラーポイントを説明する技術を利用し得る。
【0168】
グラフ204105のこの測定された血圧曲線は、次いで、融合された血圧グラフ204110を作成するために他のサンプリングデータと融合され得る。期間は、示されるように、他のデータセットから収集され得る追加のデータと共に位置合わせされる。例えば、折れ線グラフ204140は、より遅いサンプリングレートからの、同じ期間にわたって記録されたデータセットであってもよい。血圧プロット204135は、プロット204105のサンプリングされたデータ点によって部分的に生成されてもよいが、追加のデータによって生成されてもよい。融合されたプロット204110では、データウェアハウス204015がデータを組み込むために処理しているため、点204120のようなエラーデータ点は、平滑化され得る。それらは、除去され得、改訂されたプロット204135は、いくつかの場合、前後の最後のデータ点の平均に位置し得る。他の場合、単に最後のデータ点は、単位時間にわたるデータの変化率が所定の閾値を超える場合、エラー点を置換し得る。
【0169】
プロット204115は、低周波数データスケーリングの例を示す。100Hzでサンプリングされた下方傾斜プロット204155は、より低い周波数でサンプリングされたデータでオーバーレイされ得るが、次いで、より高いサンプリングレートと位置合わせされるようにアップスケールされ得る。100Hzのサンプリングされたプロット204155の周囲には、10Hzでサンプリングされるが、より高いサンプリングされたプロットに一致するように100Hzにスケーリングされる、いくつかのデータプロット204145及び204150が示されている。プロット204145は、下側のサンプリングされたプロット内のエラーの一例であるが、エラー点が埋められている、及び/又はエラー点が置換されている。示されるように、下側のサンプリングされた点は、この例では、より高い周波数レートで水平方式に単にスケーリングされる。他の場合、非水平勾配を確立するのに十分なデータ点が示されている場合、データウェアハウス204015は、より低い周波数サンプリングを外挿して、例えば、プロット204155の下方勾配に続く、より平滑な適合を作成し得る。
【0170】
図18の例示204200は、本開示の少なくとも1つの態様による、高及び低閾値に対する血圧を図示するグラフ204205を示す。グラフ204205は、データウェアハウス204200からのデータの融合及び位置合わせから結果的に生じるメタデータを利用し得るデータ分析レポートの一例であり得る。グラフ204205は、図17からのデータを利用する、最終生成物であり得る。したがって、この例では、血圧204210のプロットは、上記のプロセスのうちの1つ又は2つ以上と同様、一緒に融合されていてもよい患者の1つ又は2つ以上のサンプリングされたデータセットの結果であり得る。例えば、2Hz~10Hzの異なるデータレートでサンプリングされた複数のデータセットが、プロット204210を作成するために使用されていてもよい。また、本開示によるシステムは、データに基づいて血圧の範囲を示すように、上限線204215及び下限線204220などのグラフオーバレイを追加し得る。本明細書に説明されるプロセス及びシステムを使用して、患者又は分析者は、複数のデータセットが独立して検査された場合よりも有益な使用を有する、より包括的なデータを取得することができる可能性がある。
【0171】
図19は、本開示の少なくとも1つの態様による、超音波システム周波数対時間を図示するグラフである。例示204300は、データウェアハウス204015によるデータ融合及び位置合わせと、メタデータ層204020並びに/又はレポート及び分析層204025を使用する後続の分析の結果である最終生成物レポートの別の実施例であり得る。ここで、グラフ204305は、医療装置の経時的な超音波周波数のプロットを示す。プロット204315は、装置を監視する複数のデータセットの組み合わせられた結果であり得、各データセットは、100Hz~2kHzに変動するサンプリングレートを有する。データセットは、この最終プロット204315を生成するために組み合わせられていてもよい。示されるように、様々なサンプリングレートは、周波数レートが変化したことを明らかにしていてもよい。円204310の期間内にサンプリングされたデータは、装置の周波数が幾分徐々に減少していたことを示し、一方、円204320の期間内にサンプリングされたデータは、装置の周波数が更により劇的に減少したことを示す。
【0172】
図20は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、異なる血管種類について予想される血圧を図示するグラフである。例示204400は、データウェアハウス204015によるデータ融合及び位置合わせと、メタデータ層204020並びに/又はレポート及び分析層204025を使用する後続の分析の結果である最終生成物レポートの別の例であり得る。ここで、グラフ204405は、異なる種類の血管が、異なる血圧を有するようにどうのように予想又はレポートされるかを示す。グラフ204405内の各単一データ点は、複数のデータサンプルからの集約データ編集の結果であり得る。データウェアハウス204015は、データを共通のスケールに組み合わせ、次いで、示されるプロットのように観察されるように編成されていてもよい。標識及び垂直線などの追加のオーバーレイが、データのより良好な可視化を助けるために、含まれていてもよい。
【0173】
上述及び図17図20に示されるように、様々な態様では、コンピュータシステムは、例えば、ソースデータの予想される変動に基づいて、データを平滑化又は融合するように構成され得る。例えば、大動脈で測定される血圧は、エネルギー外科用器具(すなわち、電気外科用器具又は超音波外科用器具)が動作している可能性がある、より小さい血管(例えば、より小さい動脈、動脈など)で測定される血圧と必ずしも同等ではない。したがって、コンピュータシステムは、圧力測定値(すなわち、より大きい動脈で測定された圧力)にスケーリング係数を適用して、圧力測定値を、装置のエンドエフェクタが受けている圧力(すなわち、外科用器具エンドエフェクタによって切開、封止、又は別様に操作されているより小さい動脈内の実際の圧力)に沿って配置し得る。更に、動脈内で測定された血液パルス(圧力)と、及びエンドエフェクタに対して局所的に測定された組織特性に対する相関された圧力との遅れもまた存在し得る。したがって、コンピュータシステムは、時間遅延係数を適用して、圧力測定値をシフトさせ得る。また更に、異なる種類のサンプリングされたデータは、非常に異なるサンプリングレート及びビットサイズを有し得る。例えば、超音波フィードバック/制御データは、例えば、100Hz~2kHzでサンプリングされ得るが(図19参照)、血圧は、例えば、2Hz~0.25Hzでサンプリングされ得る。したがって、コンピュータシステムは、データに対して深い分析を実施するために、上述の技術を使用して、異なるサンプルレートを有するデータをペアリング又は融合するように構成され得る。
【0174】
データセット検証
様々な態様では、コンピュータシステムは、ハブ、個々の機器、又は検知システムを含む、データセット自体及び/又はデータセットのソースを検証するように構成され得る。更に、コンピュータシステム(例えば、外科用ハブ及び/又はクラウドシステム)は、受信されたデータを検証し、無効データへの反応を提供するように構成され得る。
【0175】
一態様では、ハブ、機器、及び/又はクラウドは、受信されたデータセットの検証並びにそのソース及び完全性の認証に基づいて特定の応答を提供するように構成され得る。更に、ハブ、機器、及び/又はクラウドによって提供される応答(複数可)は、データ及び/又はメタデータに対応する反応セットから選択され得る。一態様では、クラウドは、データ完全性の不良、データ認証性の欠如(すなわち、データを認証する能力がないこと、又はデータが認証されていないと決定する能力)、又はユーザ挙動に応答して、一次データグループからデータを隔離するように構成され得る。別の態様では、コンピュータシステムは、ユーザ若しくは施設を識別すること、他のデータセットからデータを隔離すること、データの効果を編集してウェアハウス反応を決定すること、並びに/又は処置に侵されていない器具の警告及びそれらの意味合いを提供することを含む、様々な応答を提供するように構成され得る。一態様では、ハブは、後の分析のためにデータをフラグ付けすること、リンクされた器具の制御アルゴリズム変化を変更すること、又はデータ、器具、ユーザ挙動、若しくはリンクされたデータソースの検証若しくは認証に基づいて、ハブ若しくは器具の使用を防止することを含む、様々な応答を提供するように構成され得る。一態様では、ローカルユーザは、局所的なハブの反応をオーバーライドする能力を有し得る。
【0176】
データ傾向検証
一態様では、コンピュータシステムは、その挙動、したがってそのデータが変更されていないことを確認するために、データ内の傾向を確認するように構成され得る。大きいデータセットに移動し得るエラー又は無効な情報のいくつかのソースが存在し得る。全てのデータが有効であるように処理される場合、それは、他のデータ点が、平均/相関を移動させるか又は分析のエラー項を増加させて、有意に異なるイベントであった有意ではないものを作製し得るデータを作成することになるため、他のデータ点の統計的有意性に影響を及ぼし得る。また更に、データは、何かを改善若しくは検出する能力を阻害するか又はコンピュータシステムに誤った方向で装置の挙動(例えば、装置の制御アルゴリズム)を変更させる意図によって悪意をもって変更され得る。悪意は、装置が、標識外、過度に多くの回数(すなわち、装置製造者によって提案されるよりも多くの回数)、又は更に酷使的な様態で使用されているときの使用を隠すことに由来し得る。悪意はまた、データの傾向を効果的に決定する能力を損なわせるもの、又は更にデータ分析を誤った方向に向けるものであり得る。
【0177】
装置がジョブに使用された場合、及び装置が使用されていたと言われたとき、騙されていない可能性がある任意の正常な外科処置全体を通して使用され得る連続的な傾向及び反復的なデータ点が存在する。一態様では、これらの比較点は、データの完全性を確認するために使用され得る。連続的な傾向及び反復的なデータ点のこの分析は、検証又は暗号化項を確認するためのチェックのみならず、データ自体が何らかの影響を受けていないことを確かめるためのオンザフライ手段とされることになってもよい。
【0178】
一態様では、受信されたデータが、それが由来すると主張する器具から真に由来することを確認するために、検証項及び/又はチェックサムを暗号化した秘密鍵が利用され得る。例えば、検証項は、帯域幅、記憶サイズ、及びプロセッサ速度の視点から費用がかかる場合がある全てのデータ及びメタデータを暗号化することとは対照的に使用され得る。検証項を使用することは、データが真実であり、かつ意図される特定のソースに由来することをクラウド及び外科用ハブユニットが検証することを可能にするように、より面倒ではない様態でデータがスキャンされることを可能にし得る。
【0179】
一態様では、クラウドシステムは、1つ又は2つ以上の他の医療ハブなどの他のソースからのデータを利用して、異なる医療ハブからのデータセットが有効であるか否かを決定し得る。クラウドシステムは、複数の他の医療ハブ内の既知の有効データセット、及び/又はこれらの複数のソースからの既知の無効データセットのパターンを引き出すように構成され得る。他の場合、クラウドシステムは、データをクロスチェックして、データセットが固有であるか否か、及びデータセットが実際に固有であるべきか否かを決定し得る。例えば、特定のシリアル番号を有する医療器具からのデータが、別の既知の医療器具からのシリアル番号に一致するように起こる場合、データセットは、フラグ付けされ得る。
【0180】
一態様では、新しい悪意のある行為者が発見された場合、クラウドシステムは、状況認識を利用して、ネットワーク内の他のハブに不正行為又は悪意のある活動の既知の例を伝播し得る。一般に、状況認識は、有効又は無効なデータのパターンを決定するために使用され得、任意のデータセットの有効性を決定するときに、ネットワーク内の新しい状況又は新しいノード(例えば、ハブ)にそれらのパターンを適用し得る。
【0181】
一態様では、データが変更されていることが認められた場合、コンピュータシステムは、データが完全に人為的であるか又は変更されているかを決定するように構成され得る。
【0182】
データが完全に人為的又は人工的であると決定された場合、コンピュータシステムは、侵入のセキュリティエージェントに通知し、データソース及び挙動への調査を開始すること、影響を受けたハブ、領域、若しくはシステムユーザからの全てのデータ及びデータ要求を隔離すること、あるいは/又は誤ったデータがデータベースのいずれか(例えば、データウェアハウジングデータベース)に追加されること、又は任意の分析の一部として影響するか若しくは考慮されることを防止すること、によって応答し得る。
【0183】
データが変更されたと決定されたが(例えば、データ相関分析に影響を及ぼすために)、有効なソースからであると決定された場合、コンピュータシステムは、データをフラグ付けすることと、汚染されたデータのソースとしてデータソースを識別することと、によって応答し得る。この例は、監視されていることを知っているノックオフ装置が、元の装置ほど効果的ではないという事実を隠す意図を有して、わずかにずれたデータを生成することである。別の例は、回収された装置が、その使用(すなわち、過剰使用)又は再滅菌によって影響を受けた元の装置の経年較正をオフセットするために使用される数学的定数を含有することである。これらのデータセットは、制御された状況中に所与の手段で動作するように指示されている器具によって確認され得る。例えば、器具は、最初の起動時にジョーを閉じ、トランスデューサを既知の電力レベルで起動し、次いで、ブレード高調波を吟味するようにプログラムされ得る。別の例として、電動ステープラは、ナイフが完全に後退した状態にあるときに発射部材を後退させ、システムによって測定された力を監視するようにプログラムされ得る。制御された状況で特定の既知の様態で動作するようにプログラムされることによって、器具は、したがって、その動作が変更されているか、又は別様に影響を受けているかを決定し得る。
【0184】
データが無効であると決定され、システムが以前に確認した無効データの特性をデータが有する場合、データは、無効化のソース及び目的を決定するために使用され得る。データは、次いで、それらの装置の適切な動作及び最良の結果を妨害している製品又は個人によってユーザが影響を受けていることをユーザに知らせるようにデータが入ってきたハブに、中継されて戻され得る。
【0185】
層状コンテキスト情報
いくつかの態様では、コンテキスト情報は、データセットの単なる集約ではなく、コンテキスト変換を可能にするために、データ上に層状にされ得る。換言すれば、コンテキストメタデータは、データセットのコンテキスト変換を可能にするために、結果及び装置データにリンクされ得る。
【0186】
一態様では、システム(例えば、外科用ハブシステム、クラウド分析システムなど)は、データに加えて、層別化されたコンテキストデータに基づいて装置の制御プログラムを調節するようにプログラムされ得る。コンテキストデータは、データ又は関連する患者、処置、外科医、又は施設情報の収集の周囲の状況を表す。影響因子の相互関係を決定するための層別化された分析が、外科用ハブ及び器具制御プログラムの更新のための改善された因果応答を作成するために利用され得る。一態様では、コンテキストの層別化は、影響因子の階層を含み、その場合、いくつかは、より重要であるか又は他の相互関連よりも高い優先度で機能的に相互関係し得る。一態様では、データペアは、器具動作及びその機能パラメータの結果を含む。一態様では、コンテキストパラメータは、患者の合併症、他の治療、併存症、処置合併症、以前の器具機能パラメータなどから導出される。一態様では、これらのコンテキスト制限又は影響因子に基づく調節は、調節に比例的に影響を及ぼし得る。
【0187】
関連コンテキスト手掛かりの識別
図21は、本開示の少なくとも1つの態様による、層状コンテキスト情報を図示するブロック図204500である。この例示では、本開示のシステムによって考慮され得る層状コンテキスト情報の種類の4つの例が存在する。一般に、クラウドシステムは、1つ又は2つ以上の医療ハブに関連して、1つ又は2つ以上のコンテキストデータセットに基づいて接続された装置を調節するように構成され得る。図21は、複数のコンテキストデータセットが存在するときに、どの調整を行うかをどのように決定するかのいくつかの例を提供し、データセットは、互いに競合するようになるか又は別途互いに調整される必要がある。実施例A204505では、本開示は、コンテキスト情報の少なくともいくつかが競合するときに、階層化コンテキスト情報の階層的競合解決システムを可能にする。例えば、医療装置に関連する第1の一次コンテキスト情報セットは、10mm/秒の初期起動速度を超えない命令をもたらす医療装置の速度を維持することを含み得る。しかしながら、動作対象の疾患組織に関連し、8mm/秒の初期起動速度を超えない命令をもたらすにつながる第2の一次コンテキスト情報セットが入力され得る。階層的競合解決スキーム24505は、全ての組み合わせされた制約を満たす、組み合わせられた命令セットを作成する論理を含み得る。この場合、解決された一次コンテキスト情報セットは、それゆえに、8mm/秒を超えない医療器具の初期起動速度を有する命令をもたらす。命令が互いに直接矛盾する場合、階層内のより高い階層におけるコンテキスト情報が優先し得る。同じ階層内に矛盾する命令が存在する場合、解決不能な競合をハイライトするフラグが提示され得る。他の場合、状況認識が、そのような競合の過去の例を参照して、どのように解決するかを決定することを助けるために利用され得る。
【0188】
実施例B 204510では、装置制御パラメータに対する調節は、非標準的な様態で異なる階層間の競合を解決した後に行われ得る。例えば、コンテキスト情報の一次データセットは、400lbsの最大発射力を含有し得、一方、どの種類の薬剤を患者が服用しているかに関するコンテキスト情報の二次データセットは、150lbsだけの最大力を示し得る。コンテキスト情報の三次データセットは、患者パラメータに基づく最大発射力の追加の命令を有し得る。この場合、二次コンテキスト情報は、患者が高いBMIを有するため、又はいくつかの他のオーバーライド制約が存在するため、一次コンテキスト情報のパラメータをオーバーライドし得る。いくつかの場合、一次コンテキストデータセットは、異なるパラメータが他のより低階層のデータセット内に存在する場合、異なるパラメータに従うように1つ又は2つ以上の例外を含み得る。この場合、一次データセットは、患者の薬剤が異なる最大発射力を必要とする場合、異なる最大発射力を使用するように例外を提供し得、二次コンテキストデータセットは、この場合、この条件をオーバーライドすることになる。
【0189】
実施例C 204515では、制御パラメータの調節は、単に互いにオーバーライドするのではなく、複数のコンテキスト情報の断片を組み合わせることによって決定され得る。一実施例として、一次コンテキスト情報セットは、器具の初期起動速度を8mm/秒に設定する命令をもたらし得るが、一方、患者パラメータに関する三次コンテキスト情報セットは、疾患組織状態に起因して、追加の20%だけ速度を低下させる命令をもたらし得る。この場合、効果は、直接矛盾しないが、むしろ効果は、組み合わされて、改訂された命令を作成し得る。ここで、8mm/秒に設定された速度は、デフォルトの10mm/秒から減少し、初期減少は、2mm/秒である。三次命令は、20%、又は2.0×0.2=0.4mm/秒の追加の減少をもたらす。それゆえに、最終的に低減された速度は、8-0.4=7.6mm/秒である。クラウドシステムは、命令の論理を解釈し、コンテキスト情報の組み合わせに基づいて、調節された装置パラメータを生成するように構成され得る。
【0190】
実施例D 204520では、二次又は三次効果は、依然として、一次コンテキストデータセットが言及しない任意の所定の制御パラメータをオーバーライドするために使用され得る。一般に、二次及び三次コンテキストデータセットは、患者固有のパラメータに基づき、それゆえに、手術時に又は「オンザフライ」で起こる変化をもたらし得る。いくつかの場合、新しいコンテキスト情報がリアルタイムで提供され得、これは、次いで、装置に追加の調節を引き起こし得る。
【0191】
図22は、本開示の少なくとも1つの態様による、器具機能設定を図示するブロック図204600である。図22の例示204600は、複数のコンテキスト情報セットが、どのようにして、同時に同じ装置に適用され得るが、異なる時間又は異なる関数で、同時に条件付きで適用されるかの一例を提供する。例えば、異なる設定が器具の発射システムに、器具のクランプシステムとは別個に適用され得る。図21の例のいずれかに従って制御設定がどのように適用されるかが、図22に示されるように、異なる器具コンテキストに適用され得る。それゆえに、複数のコンテキスト情報セットは、単一の器具に同時に適用され得る。いくつかの場合、これは、特定の機能中に器具に適用されている、いくつかのより低階層の効果を結果的にもたらし得、一方、それらのより低階層の効果は、異なる機能中に器具に適用されないことになる。
【0192】
図23は、異なる合併症リスクを有する患者の発射力(FTF)及び発射速度を図示するグラフ204700である。例示204700は、4つのプロットを示しており、2つのプロット204705及び204720は、発射速度に関連する左側の縦軸に対応し、2つのプロット204710及び204715は、発射力に関連する右側の縦軸に対応する。1種類の軸に対応する2つのプロットは、2人の異なる患者に対応し、器具の設定が、異なる健康状態を有する2人の患者の間でどのように変化し得るかに対応する。様々な態様では、単一の器具に対するコンテキスト情報調節は、器具が1日の過程で適用され得る異なる患者を考慮するために、同じ器具の待ち行列に入れられ得る。様々な態様では、器具は、疾患コンテキスト情報、器具コンテキスト情報、治療コンテキスト情報、患者コンテキスト情報などを特定のファイルに読み込むように構成され得、複数の異なるデータセットからの組み合わせられたコンテキスト情報は、特定の患者に対する特定の手術のために、器具に最適な調節を提供する特定の組み合わせを形成する。例えば、第1の患者について、気腫ステージ3に関するコンテキスト情報が、疾患状態について器具に読み込まれ得る。特定の器具に関する発射力情報は、器具状態に読み込まれ得る。放射線治療コンテキスト情報が、治療状態について読み込まれ得、ステロイド投与量コンテキスト情報が、患者状態について読み込まれ得る。任意の競合又は組み合わせが、図21及び図22に説明される例示的なプロセスを使用して解決され得、次いで、この第1の患者を正確に取り扱うための特定の調節セットを器具に提供する。
【0193】
次に、第2の患者を扱う第2のコンテキスト情報セットもまた、器具内に読み込まれ得るが、実装される前に、待ち行列に入れられたままであり得る。例えば、第2の患者について、高血圧(例えば、165/110)に関するコンテキスト情報が、疾患状態について器具に読み込まれ得る。特定の器具の閉鎖力情報は、器具状態について読み込まれ得る。化学療法コンテキスト情報が、治療状態について読み込まれ得、血液希釈剤投与量コンテキスト情報が、患者状態について読み込まれ得る。任意の競合又は組み合わせが、図21及び図22に説明される例示的なプロセスを使用して解決され得、次いで、この第2の患者を正確に取り扱うための特定の調節セットを器具に提供する。
【0194】
結果的に生じる第1の患者のコンテキスト情報の組み合わせは、例えば、経時的な発射速度及び発射力設定のそれぞれについて、2つのグラフ204705及び204710を結果的にもたらし得る。同様に、結果的に生じる第2の患者のコンテキスト情報の組み合わせは、例えば、経時的な発射速度及び発射力設定のそれぞれについて、2つのグラフ204720及び204715を結果的にもたらし得る。
【0195】
一態様では、単一の設定のための器具の調節は、提案される調節が導出される階層的階層によって重み付けされ得る。例えば、FTFに対する調節が一次、二次、及び三次階層の全てに認められる場合、FTFに対する調節は、次の例示的な重み付け構造に従って行われ得る:
FTF=FTF(デフォルト)+1.5×FTF(一次)+1.0×FTF(二次)+0.75×FTF(三次)
、式中、FTFは、外科用ステープラを発射するために必要な力である。
【0196】
他の重み付け機構が同様に使用されてもよく、非限定的である。
【0197】
器具に対する調節を引き起こすように含められ得るコンテキスト情報のいくつかの非限定的な例が以下に議論される。説明される因子の種類及び数は、組み合わせられた又は包括的な器具調節をもたらすように、図21図22、及び図23に説明されるプロセスで使用され得る。コンテキスト手掛かりは、装置固有ではない手掛かり、装置固有の手掛かり、医療手掛かり、患者固有の手掛かり、処置固有の手掛かり、及び外科医固有の手掛かりを含み得る。
【0198】
装置固有ではないコンテキスト手掛かり
装置固有ではない手掛かりは、装置の動作に関連するが、任意の特定の種類の装置に固有ではないコンテキスト手掛かりである。装置固有ではないコンテキスト手掛かりは、例えば、装置の組織クランプ、組織情報、及び器具の使用履歴を含み得る。
【0199】
組織クランプコンテキスト手掛かりは、例えば、組織上のクランプ力又は圧力(すなわち、組織クランプの一次効果)の意味合いを含み得、これは、結果的に、組織に対する所望される及び不利な影響を含み得る。組織のクランプは、クランプされた組織に対して複数の異なる所望される効果を有し得る。例えば、組織をクランプすることは、流体を組織から追い出し、組織層を崩壊させ、任意の内部開口部を崩壊させ得る。これは、組織層が、近接することを可能にし、領域内の任意の中空構造体(例えば、毛細血管、気管支、胃腸管)からの漏れを防止する。組織クランプの別の所望される効果は、身体組織が粘弾性であるため、組織の圧縮性が、組織の種類、その流体含有量、圧力レベル、及び圧縮速度に依存することである。したがって、同じ量の圧縮では、圧縮が速いほど、印加される力が高くなる。一定圧力では、組織は、完全圧縮の安定状態が達成されるまで、だんだん薄く移動し続けることになる。この連続的な薄化は、組織クリープとして定義され、組織の粘弾性の関数である。これは、議論又は予備圧縮サイクル、待機時間、及び全体的な瞬間圧縮において重要である。より長い期間にわたる全体的なより低い圧縮レベルは、治療組織及び隣接する組織上の圧力差(剪断)に対する悪影響が小さい。
【0200】
組織をクランプすることはまた、圧縮に起因して組織に対して悪影響を及ぼし得る。例えば、組織がクランプされ、組織構造が崩壊すると、組織内に崩壊しようとしない構造が存在し得る。これは、隣接するクランプされていない組織と圧縮された組織との間に微小組織張力又は圧力差を生じさせ得る。いくつかの組織(例えば、実質組織、実質器官実質組織)は、クランプされた組織に隣接する組織層の破裂を引き起こさず、そのような張力又は圧力に対して特に耐性がないため、結果的に、偶発的な側副組織損傷及び潜在的に追加の漏れを引き起こす。圧力の総量、クランプ本体の幾何学的形状、及びクランプの速度は全て、副次的損傷の可能性に対する一次効果を有する。更に、組織組成、強度、及び内部パラメータもまた、損傷の可能性の意味合いを有する。組織のこれらの内部パラメータの多くは、他の医療処置、疾患状態、又は組織の生理学的状態によって影響を受ける。これらの全ては、副次的又は一次部位の二次損傷の可能性を複雑にし得る。別の例として、異なる組織及び器官に対する最大圧縮レベルは、異なるレベルである。身体内の大部分の組織は、他の構造体内に封入された一連の層又は構造体である。外側封入層に印加される圧力又は圧力差が過大であるときに最大圧縮が生じると、外側封入層が裂けて、内部の拘束された組織が外に出ることを可能にする。肺は、この良好な例である。肺実質組織は、肺胞、静脈、動脈、及び気管支から構成され、外部内臓及び壁側胸膜が表面を覆っている。肺実質組織をステープル留めするとき、良好な治癒を促進するために、胸膜をそれ自体にステープル留めすることが望ましい。しかし、胸膜内の裂け目は、より脆弱な肺胞を露出させ得、外側拘束要素なしでは、肺胞は、容易に破裂し、空気漏れを生じさせる。別の形態の最大組織圧縮は、組織自体の繊維束が破裂又は分離されたときに生じる。これは、はるかに高いレベルで発生し、この組織破壊は、典型的には、広範な細胞死及び壊死を伴う。
【0201】
クランプ力、クランプ速度、及び反復クランプ回数などの、いくつかの異なる装置制御パラメータがクランプに影響を及ぼす。クランプ力特性は、力の時間変化率、ピーククランプ力、クランプ力安定化時間、定常状態クランプ力、及びピーククランプ力と安定化したクランプ力との間の差を示し得る、クランプ力対時間曲線によって例示され得る。
【0202】
クランプ力は、尺度を介して直接的又は間接的のいずれかで測定され得る。いくつかの異なる尺度が、クランプ力を測定するために利用され得る。電動閉鎖について、尺度は、モータを通る電流、及び目標モータ速度と実際のモータ速度との間の差を含み得る。アンビル、閉鎖部材、及び/又は支持フレームなどの、クランプの作用中に荷重を加えられる構成要素上のひずみゲージもまた、クランプ力を測定するために利用され得る。
【0203】
クランプ速度は、実際のクランプ速度を電動閉鎖の目標クランプ速度に対して比較することによって決定され得る。クランプ速度はまた、クランププロセスの開始から終了までの持続時間に従って決定され得る。
【0204】
反復クランプ回数は、組織治療の横切開前の重い組織操作が、組織に対する圧力の反復的な印加起因する組織に対する累積効果を有し得るため、重要であり得る。いくつかの装置は、印加され得る最大圧力を有し、また、その動作を開始するための次の機構に対する最小閉鎖レベルも有する。これらの例では、ジョーは、圧縮しながら組織を最小閉鎖状態にするために、その状態が達成されるまで何度も繰り返し開閉される。一態様では、ロボット外科システムは、ジョーが適切にクランプされることを確実にするために、クランプパラメータが閾値内に収まらない場合に信号を送り得る。
【0205】
組織情報コンテキスト手掛かりとしては、例えば、ジョー内の配置(例えば、外科処置からの二次効果と見なされ得る)、他のソースからの組織品質知識(例えば、以前の介入、現在/以前の疾患などを示し得る、撮像又はEMR)、種類、厚さ又は密度、及びインピーダンス(例えば、外科処置からの一次効果と見なされ得る)が挙げられ得る。ジョー内の組織の配置は、組織によって覆われたジョーの割合、組織(例えば、血管など)によって覆われたジョーの領域又は場所、及びジョーの長さに沿った組織の集束の程度又は均一度に対応し得る。組織を圧縮する任意の装置が、既知の測定可能な力をジョー内の組織に印加している。ジョー内の組織の量、組織の配置(すなわち、相対的な遠位から近位位置)、及びその厚さの変動性は、組織に対する圧力に影響を与える。組織によってジョーがどの程度覆われているか又は組織の配置を知らずに組織に印加される力を知ることは、組織に対する圧力を決定することを困難にする。多くの装置もまた、技術的に繊細である。例えば、多くの場合、超音波装置の遠位先端のみが切開、溶接、及び切断のために使用され、多くの発射のためにジョーの大部分が空のままである。別の例として、外科用ステープル留め及び切断器具は、多くの場合、ジョーの近位股部に押し込まれた組織を有し、エンドエフェクタの近位端から遠位端まで組織の差を残している。求められる意味のある情報のみがパラメータの傾向でない限り(特定の状況での場合であり得る)、装置制御パラメータに対する調節は、ジョーがどの程度の荷重を加えられているか、ジョーがどこで荷重を加えられているかを知ることに機能的に依存し、これは、それらの因子が測定された力の意味合いを有するためである。
【0206】
器具の使用履歴コンテキスト手掛かりは、例えば、装置の使用回数及び再滅菌回数を含み得る。
【0207】
装置固有のコンテキスト手掛かり
ステープラ、超音波器具、腹腔鏡又は内視鏡縫合装置、二重双極器具、単極器具、及びクリップアプライヤのための多種多様な装置固有のコンテキストが存在する。
【0208】
ステール留め装置のためのコンテキスト手掛かりは、装置及びリロード識別手掛かり並びに発射速度手掛かり(例えば、外科処置からの一次効果と見なされ得る)を含み得る。
【0209】
装置及びリロード識別手掛かりは、例えば、ステープラ種類及びリロード(すなわち、カートリッジ)情報を含み得る。ステープラ種類手掛かりとしては、ブランド、電動対手動、シャフト長、汎用対専用、手持ち対ロボット、単回対複数回使用、使用履歴、装置が再処理(例えば、標準再処理又は再滅菌、標識外使用)されたか否か、及びステープラ構成(例えば、直線状、曲線状、又は円形)が挙げられ得る。リロード手掛かりは、色、長さ、均一対可変ステープル高さ、認証(すなわち、リロードが互換性を有し、かつ同じブランドであるか否か、リロードが互換性を有するが、異なる若しくは未知のブランド装置又は製造者のステープラと使用される違法なノックオフリロードであるか否か、互換性がない、あるいはaなどの現在の技術世代)、専用性(例えば、曲線状の先端、補強、放射状、吸収性ステープル、薬剤コーティングされたステープル、又は組織厚さ補償)、バットレス若しくは他のステープル線補助の使用及び種類、又はステープル線補助を介して薬剤送達を提供するか、を含む。
【0210】
発射速度手掛かりとしては、例えば、発射サイクル全体にわたる実際の速度対時間、目標速度と実際の速度との間の差、又は発射速度の適合的発射制御(例えば、開始速度、目標速度の変化数、並びに記録された最大及び最小の実際の速度)が挙げられ得る。発射速度は、装置機能に対する複数の直接的及び/又は間接的な意味合いを有する。例えば、発射速度は、複数の理由でステープル形成の意味合いを有し得る。
【0211】
1つの理由として、Iビーム又はブレード付きアクチュエータがサイクルされる速度は、ステープルが配備されている間に組織を移動させる。円形ステープラでは、ナイフの前進は、多くの場合、ステープルドライバの前進に連結される。ステープルが完全に形成される前にナイフが組織を切断し始める場合(場合によって)、組織は、半径方向外方に移動し始める。この組織の流れは、ステープル形成に関する意味合いを有し得る。連続的に直線状に配備するステープラでは、ナイフ/アクチュエータは、カートリッジを通って進行し(典型的には、近位から遠位であるが、反対方向であってもよい)、ステープルを漸進的に形成しながら組織を切断し、これは、移動の方向に組織の流れを生じさせる。予備圧縮及び組織安定化特徴は、この効果を低減し得、一方、より低い組織圧縮及びIビームの局所的な流動圧縮は、典型的には、この効果を増大させる。組織移動効果は、切断部材の前に波を作成させ得、これは、未形成のステープルがアンビルに向かって前進している関連領域内で発生する。したがって、この組織の流れは、ステープル形成及び切断線長に対する効果を有する。
【0212】
別の理由として、ステープルドライバが前進する速度は、それらの前進、及びステープルの冠部を平面外に移動させる、それらの回転又は曲げの可能性に対して効果を有する。装置の直径がトロカール直径、サイズ、又は種類に制約される外科用ステープル留め及び切断器具について、ステープルドライバは、多くの場合、短く、カートリッジの組織接触表面に垂直な直線的な前進に加えて、ドライバの転動を可能にするアスペクト比を有する。このドライバの転動は、ドライバの前進が困難であるときに結果的に生じ得、それにより、スレッドが前進し続けると、ドライバは、外方に前進するのではなく回転し、カートリッジ及びステープル線の破壊を結果的にもたらす。ステープルドライバのこの転動は、摺動摩擦、潤滑、及びカートリッジの幾何学的形状の関数である。拘束及びそれゆえのドライバの転動は、スレッドが前進する速度、それゆえに、装置の発射アクチュエータの速度によって増幅される。更に、多くのステープラは、カートリッジの組織接触表面の上でドライバを増速駆動させる。この増速駆動は、アンビルとカートリッジとの間に発生する組織の流れにドライバをさらす。ドライバは、慣性モーメントを有し、組織と接触するように駆動されると共に、形成されているステープルからの荷重を受ける。これらのドライバが組織内に前進する速度、及び増速駆動の範囲は、両方、アンビル形成ポケットの直下にドライバが残っている可能性に影響を及ぼす。
【0213】
別の例として、発射速度は、局所的な組織圧縮に関する意味合いを有し得る。Iビーム連結された外科用ステープル留め及び切断器具の場合、発射部材の前進は、組織を切断し、アンビルポケットに対してステープルを配備することに加えて、Iビームの場所の周囲の局所的な組織圧縮を引き起こす。この局所的に流動する圧縮波は、Iビームの場所で近位から遠位に移動する。組織の粘弾性態様は、この前進速度を、印加される局所的な圧縮力、及び転動圧縮波のサイズに直接関連させる。この局所的な転動圧縮は、圧縮速度が予備圧縮速度を超える可能性があるため、処置領域内の局所的な組織張力損傷、及び副次的損傷を引き起こすことができる。
【0214】
更に別の例として、発射速度は、装置内の力に関する意味合いを有し得る。器具自体の内部で受ける荷重は、予備圧縮、及び局所的な転動圧縮からの累積効果である。より高速に発射部材が前進すると、発射部材を前進させるために必要な力がより高くなる。これは、装置内の移動構造体及びIビーム力の力学に起因する。これらの力が高いほど、細長い管及びフレーム内の全ての構成要素により大きい伸長性が存在し、それによって、いくつかの力が結果的に影響を受ける(例えば、システムが伸長するにつれて予備圧縮が低下する)。これらの損失は、次いで、発射部材のバランスにより大きい力を加え、結果的に、荷重に対する発射速度の関係に更に大きい影響をもたらす。
【0215】
ステープラコンテキスト手掛かりのこれらの様々な例が、特定の実施例に関して更に例示され得る。この例では、処置計画、EMR、及び他の病院記録を通して、いくつかの事柄が知られる:(i)これが、右肺上葉切除処置である、(ii)患者が、この領域内で腫瘍を治療するために以前に放射線を受けている、(iii)患者が、間質性肺疾患を有する。これらの情報の断片は、肺が正常な健康な組織よりも硬くなっていることを示唆する。この推定に基づいて、保守的なアプローチは、最大閉鎖速度を減速させ、閾値を調節することである。しかしながら、層別化されたコンテキスト情報が、器具がどのように制御されるべきかを決定する際に更に利用され得る。この同じ患者に関して、閉鎖中、閉鎖力は、予想されるよりも高く、新しい閾値(すなわち、上記の処置及び患者情報に従って設定された閾値)を超える。結果として、発射シーケンスを開始する前の待機時間が増加し、初期発射速度が遅くなる。発射アルゴリズムは、発射が開始されると行われることになる。コンテキスト手掛かりが発射アルゴリズム内の閾値に影響を及ぼし得ることに留意されたい。
【0216】
超音波装置についてのコンテキスト手掛かりは、起動時間、組織のコラーゲン含有量のコヒーレンス断層撮影評価、エネルギー様式の現在の混合(例えば、器具が超音波/双極の混合、超音波/単極の混合、又は超音波のみを利用するか)、ブレード温度、及びパッド状態を含み得る。ブレード温度は、組織又はクランプアームパッドのいずれかとの接触の持続時間、及びトランスデューサへの電力と共に上昇する。この温度は、ブレードの固有周波数を変化させ、意図されていない組織の溶接に熱を加える能力を有する。また、器具の作動の間であっても、器具が接触する組織への偶発的な損傷も引き起こし得る。高温ブレードはまた、局所的な組織炭化も引き起こす(これは、次いで、ブレードに付着し得る)。ブレード温度は、切断/凝固パフォーマンスに対する長期的な効果を有するが、ジョーがクランプ解除され、除去されるとき(炭化した組織がブレードに付着するとき)、組織溶接部に剪断力又は引き裂き力も作成させる。パッド状態は、ジョー内の組織及び/又はジョーの温度履歴を伴わずに起動の持続時間に依存し得る。パッドが劣化すると、クランプアームの基礎となる金属強度材がブレードに露出され、最終的にそのパフォーマンスに影響を及ぼす。
【0217】
超音波コンテキスト手掛かりのこれらの様々な例が、特定の実施例に関して更に例示され得る。この例では、処置計画、EMR、及び他の病院記録を通して、いくつかの事柄が知られる:(i)これが、縦スリーブ胃切除処置である、(ii)患者のBMIが40である、及び(iii)患者の身体組成が、高レベルの内臓脂肪を有することを示唆する。これらの情報の断片は、より大きい曲率が、正常な体積よりも大きい脂肪質腸間膜を有することになることを示唆する。この推定に基づいて、混合されたアルゴリズムは、予想される高い脂肪含有量を考慮して、封止よりも切断に重点を置くことを学習する。アルゴリズムパラメータは、堅牢な封止を確保するように同時に調節され得る。
【0218】
腹腔鏡又は内視鏡縫合装置のためのコンテキスト手掛かりとしては、ステッチ張力(例えば、張力監視が、縫合技術を知らせるために利用され得る)、ステッチ種類(例えば、マットレス対流動)、又は縫合糸種類(例えば、編組対モノフィラメント、吸収性対非吸収性、縫合糸直径/サイズ、又は針サイズ/種類)が挙げられ得る。パターン認識モデルが、配置されたステッチ対ステッチを適用する際に適用される張力のパターン(例えば、ステッチ/張力/ステッチ/張力対ステッチ/ステッチ/張力/ステッチ/ステッチ/張力)を認識するために利用され得る。パターン認識システムは、例えば、編組縫合糸を伴う張力工程を伴わない3つのステッチは、組織損傷を伴わずに切断することが困難であり得るが、これに対して2つのステッチが好適であり得るという、技術助言を提供するように構成され得る。
【0219】
二重ジョー双極RF器具についてのコンテキスト手掛かりとしては、コーティング(その全体が参照により本明細書に各々組み込まれる、米国特許第5,693,052号及び米国特許第5,843,080号に開示されているコーティングを含み得る)、設計(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第D399,561号に開示されている設計を含み得る)、双極凝固、アルゴリズム及び荷重曲線、発生した煙、電極の導電性接触(例えば、電極上に存在する炭化量又は検出された短絡が存在するか否か)、ジョー圧縮(例えば、圧縮力、圧力、又は双極剪断その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,084,606号に開示されているような、双極剪断の特殊な場合の局所化された電極断面/隆起した幾何学的形状若しくはより高い最大力)、組織間隙(すなわち、ジョーがジョーの間で開いている/フェザリングしているか又は閉じている/間隔が空いているか)、電極構成(例えば、その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,100,402号、米国特許第5,496,315号、米国特許第5,531,743号、米国特許第5,846,237号、及び/又は米国特許第6,090,107号に開示されているように、対向電極、オフセット電極、又は電極/絶縁体)が挙げられ得る。
【0220】
単極器具のコンテキスト手掛かりとしては、電力(例えば、定電圧若しくは電流及び他の所与の組織インピーダンスの可変制御)、組織インピーダンス(例えば、インピーダンスの変化率、全体的に測定されたインピーダンス、若しくは所与のインピーダンスの時間)、アルゴリズム及び荷重曲線、リターンパス容量、ブレード技術(例えば、その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,197,962号、米国特許第5,697,926号、米国特許第5,893,849号、米国特許第6,685,704号、米国特許第6,783,525号、米国特許第6,951,559号に説明されている様々な絶縁破壊若しくは様々なコーティングなどの、ブレードのコーティング、露出した導電性表面の幾何学的形状、構造的基礎材料の導電性、若しくはその各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,039,735号、米国特許第6,066,137号、米国特許第8,439,910号に説明されている構成などの、ブレード構成)、放熱性、発生した煙、適用された圧縮(例えば、単極ブレードと支持アームとの間の圧縮力、若しくは組織に押し付けられた単極プローブの駆動力)、又は漏れ電流の大きさが挙げられ得る。
【0221】
クリップアプライヤ装置についてのコンテキスト手掛かりとしては、クリップサイズ、アプライヤーからの最初対最後のクリップ、検出された力のタイミング(例えば、別のクリップ又は別の器具上の閉鎖ジョーの上をクリップしたときなどの、予想外に硬い構造が偶発的にジョー内にある場合の過荷重保護機構)、クリップ供給監視(例えば、供給荷重、又は所定の場所若しくは所定の時間のクリップの存在の検出)、横方向エンドエフェクタ及び曲げ荷重、あるいはジョー作動荷重(例えば、クリップ閉鎖、変位制御作動時の最大荷重、負荷制御作動時の最大変位、又はジョーによる組織操作荷重)が挙げられ得る。
【0222】
医療コンテキスト手掛かり
医療コンテキスト手掛かりは、医学的合併症、疾患状態、薬剤、及び処置の複雑性と関連付けられたコンテキスト手掛かりを含み得る。
【0223】
医学的合併症のためのコンテキスト手掛かりとしては、いくつかの例と同様に、機能性便秘、機能性下痢、括約筋の制御又は強度不全障害、機能性消化不良、並びに組織平面及び組織組成構成に影響を及ぼす合併症が挙げられ得る。
【0224】
機能性便秘は、円形吻合を含む結腸直腸手術に起因し得、手術後の腸運動がより拡大することを可能にする前のより長い期間を示唆することになる。拡張可能なステープル構成又はカウンタの使用が、より大きくより固い糞便(例えば、組織脆弱性の複雑な効果としての外科処置からの二次効果であり得る)を許容しないバットレス又は圧縮リング技術の使用を示すことも示唆し得る。
【0225】
機能性下痢は、より高い酸レベル及びより多くの流体移動を示し得、これは、より緊密なステープル形態、より高い予備圧縮、及び腹腔内への糞便導入の可能性を最小化するために腹部側に適用される二次補助の潜在的な必要性を示し得る(外科処置からの三次効果として定義され得る)。
【0226】
不十分な括約筋の制御又は不全性障害の他の強度は、胸やけ又は酸逆流を結果的にもたらし得る。これらのコンテキスト手掛かりは、例えば、より緊密なステープル形態及びより低い組織張力閾値(マイクロ及びマクロ張力の両方)を可能にするように、より強いステープル、より緊密な形態、及び/又は組織のより長い予備圧縮から利点を得ることになる、食道吻合を示し得る。マクロ組織張力は、隣接する構造体からの組織のより広範な可動化に関連し、ステープル留め装置に対する横方向の力によって測定され得る。マイクロ組織張力は、圧縮速度、最大圧縮、及び治療領域に直接隣接する領域と治療領域内のステープル形態の種類との間の組織圧縮の勾配に起因する。3Dステープルは、より低い最大予備圧縮レベルと同様に、マイクロ張力を低下させる。胸やけ及び/又は酸逆流は、例えば、外科処置の二次効果であると見なされ得る。装置又は処置提案は、堅牢性を改善するために、括約筋の強化療法、又はステープル線に適用される補助治療を含み得る。
【0227】
機能性消化不良は、蠕動の知覚又は阻害に起因し得、吻合線の硬直を示唆し得る(効果を更に増幅することになる)。より低いマイクロ組織張力は、効果(3Dステープル)又は拡張可能なステープル線を緩和することになる。ステープル線に使用される吻合線又は補助材料の圧縮は、より多くの問題を引き起こすことになる。機能性消化不良は、例えば、補助療法使用の合併症効果としての二次効果であると見なされ得る。
【0228】
組織平面及び組織組成構成に影響をもたらす合併症の場合、第1の手術及び癒着による治癒は、組織の厚さの増加、及び組織の無秩序な再構築を結果的にもたらし、組織の靭性の増大を結果的にもたらす。ステープル留め時にこれらの効果を調節するために、増大した間隙、上昇した組織荷重閾値、より遅い作動、及び提案されたより大きい又はより重いステープルを実装するように提案されることになる。これらの合併症は、例えば、組織厚さ/靭性合併症効果として外科処置の二次効果であると見なされ得る。他のそのような合併症としては、修正外科手術、癒着、及び医療処置から変更された組織状態(例えば、照射された組織又はステロイド誘導された変化)が挙げられ得る。
【0229】
疾患状態のためのコンテキスト手掛かりは、結腸直腸、胸郭、代謝、及び心臓血管疾患に関して変化し得る。
【0230】
結腸直腸疾患では、炎症性腸疾患が、コンテキスト手掛かりとすることができる。反復性炎症性結腸直腸疾患の全ては、組織の厚さの増加、及び組織の無秩序な再構築を引き起こし、組織の靭性の増大を結果的にもたらす。ステープル留め調節は、増大した間隙、上昇した組織荷重閾値、より遅い作動、及びより大きい又はより重いステープルを含み得る。これらの合併症は、例えば、ステープル留め補助合併症効果として外科処置の二次効果であると見なされ得る。そのような結腸直腸疾患は、クローン病及び憩室炎を含み得る。
【0231】
胸部疾患、気管支炎、気腫、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease、COPD)、喘息、及び間質性肺疾患は全て、コンテキスト手掛かりとすることができる。例えば、気腫は、より厚い、より硬い肺を結果的にもたらし、治療中の過剰な圧力差に起因してアンビル及びカートリッジの外周の周囲の隣接する副次的損傷を防止するために、荷重クランプ速度、より低い予備圧縮レベル、及びナイフ/Iビームのより遅い発射作動を示唆することになる。これらは、一次効果である。別の例として、COPDは、より硬くかつ低弾性であり得る動脈壁を結果的にもたらし、治療を適用する前に動脈のより柔軟な取り扱いを必要とする。これは、機械的クランプ要素が、治療領域の外側の損傷及び治療領域に対する早期損傷を最小化するために、より低速かつ潜在的により低いクランプある力でクランプすることを必要とし得る。これらの調節は、エネルギー又はステープル留めのいずれかに対するものであり得る。これらは、二次効果である。ステープル留めでは、補助の提案は、追加の制御されていない再構築及び硬化を防止するために、禁忌であり得る。高度エネルギーでは、RF治療様式が好ましく、超音波に対するRFのバランスが、切断よりも溶接にバランス調整する。
【0232】
代謝疾患、メタボリックシンドローム、肥満、及び2型糖尿病は全て、コンテキスト手掛かりとすることができる。
【0233】
心臓血管疾患、動脈硬化症、高コレステロール、及び血管疾患は全て、コンテキスト手掛かりとすることができる。
【0234】
薬剤のためのコンテキスト手掛かりとしては、血液希釈化、血液凝固、ステロイド、放射線治療、及び化学療法が挙げられ得る。
【0235】
例えば、血液希釈化は、高度エネルギー装置が、切断前の改善された凝固からの利点を得ることになると示し得る。これは、血圧合併症効果としての優先及び一次効果である。ハイブリッドエネルギー装置では、切断前に凝固を増加させるために、RF電力が増大されるか又は超音波印加が遅延され得る。超音波のみの装置では、アルゴリズムは、切断前に長時間コラーゲンを変性させるために、より長期間、より低い電力レベルを印加するように調節され得る。更に、超音波のみの装置では、高調波電力は、温度が所定の最適温度に近づくにつれてより低く調整され得、その温度は、切断を開始するためにトランスデューサの電力を上昇させる前に長期間維持され得る。更に、ステープル留め器具では、提案されたカートリッジの色が調節され得、より短く形成されたステープル、増加した閉鎖クランプ時間、又は発射前に増大した圧力を提案する。これは、二次効果である。
【0236】
例えば、血液凝固は、高度エネルギー又はステープル留めのいずれかの予備圧縮又は圧縮レベルが、偶発的な損傷、及びそれゆえの治療領域の外側の凝固の形成を最小化するために、治療前に低下され得ることを示し得る。これは、増大した圧力の合併症効果としての二次効果である。
【0237】
例えば、ステロイドは、治癒を遅らせ、血圧を上昇させる生理学的効果を引き起こし、これは、既存の合併症を増加させる。これは、疾患合併症効果の増幅、及びより長期の治癒合併症としての三次効果である。ステロイドは、それを接種する多くの人々の血圧を上昇させる。1つの理由は、ステロイド及び他のコルチコステロイドが、身体に流体を保持させることである。循環中の余分な流体は、血圧の増加を引き起こし得る。更に、抗炎症コルチコステロイドは、創傷治癒を有意に阻害する。コルチコステロイドは、形質転換増殖因子-β(transforming growth factor、TGF-β)及びインスリン様増殖因子-I(insulin-like growth factor-I、IGF-I)レベル及び創傷内の組織沈着を低下させ、そのレチノイドがコルチコステロイド阻害TGF-β及びIGF-I放出及びコラーゲン生成を刺激する。
【0238】
例えば、放射線治療は、器官の炎症及び組織壁の肥厚を結果的にもたらし得る。この効果は、治療される組織の硬さ、厚さ、及び靱性を増大させ得る。これは、より長い圧縮時間及び潜在的により高い圧縮閾値の必要性を、合併症がそれを阻害しない限り、増加させる。放射線治療はまた、呼吸システムに影響を及ぼすことによって血液酸素化に対する合併症効果を有し得、コラーゲン血管疾患に対する乗算的効果を有し得、これは、結果的に、任意の高度エネルギー溶接エネルギー混合、又は切断前により低速で溶接するためにより多くの時間に向かって傾斜するアルゴリズムの変化を必要とし得る。これは、組織組成構成合併症効果としての二次効果である。
【0239】
例えば、化学療法治療は、薄く脆弱になる組織を結果的にもたらし得る。これらの効果は、組織に対する副次的損傷の可能性を非常に大きくし、治療をより困難にする。任意の機械的装置についての意味合いは、より低い操作力及び予備圧縮レベルと共に、より低い速度閾値、並びに一般的により丁寧な取り扱い及び必要とされる組織張力である。これは、より高い組織圧縮による合併症効果としての一次効果である。
【0240】
処置の複雑性と関連付けられたコンテキスト手掛かりとしては、腫瘍の場所、残りの血管新生、手術部位へのアクセスの課題、麻酔下の総時間、処置を完了するために必要とされる作業量、及び任意の事前処置が存在するか否かが挙げられる。
【0241】
例えば、残りの血管新生は、血管新生が治癒速度及び組織生存率に直接関連するため、コンテキスト手掛かりとすることができる。更に、組織強度及び回復に対する長期間の意味合いを有する。これは、治癒に対する一次生理学的影響である。これは、任意の短期間器具動作障害を有していないが、回復強度及び強化に関する意味合いを有し、一次外科治療持続性の追加の時間を必要とする。これは、手術後の回復、適用される追加の補助療法、及び必要とされる監視のための器具の提案に影響を及ぼし得る。これは、組織再構築に影響を及ぼす疾患状態、血糖レベル、及び酸素化の増幅としての二次効果である。
【0242】
例えば、麻酔下の総時間は、麻酔下の時間が、酸素化レベル及び代謝反応に関する術前レベルへの回復に対する複雑な効果であるため、コンテキスト手掛かりとすることができる。手術中、麻酔科の時間は、より低い血中酸素化レベルに対する増幅効果を有する。これは、線形ではない時間依存効果であり、時間が長いほど、効果の影響がより高くなる。これは、より低い血中酸素化レベルに対する合併症効果としての三次効果である。
【0243】
例えば、処置を完了するために必要とされる作業量は、エネルギーのサイクル数、ダイセクタ若しくはハサミの移動数、及び/又は外科用ステープル留め器具発射回数に関連するため、コンテキスト手掛かりとすることができる。
【0244】
例えば、事前処置は、事前処置が組織の癒着及び二次再構築の可能性を増加させるため、コンテキスト手掛かりとすることができる。これは、典型的には、より無秩序な組織平面を生じさせ、より多くの被覆組織によって組織を強靭化する。これは、疾患合併症効果、及びコラーゲンレベル合併症効果の増幅としての三次効果である。
【0245】
患者固有のコンテキスト手掛かり
患者固有のコンテキスト手掛かりは、例えば、患者パラメータ及び生理学的手掛かりを含み得る。
【0246】
患者パラメータは、年齢、性別、患者が喫煙者であるか否か、BMI、及び身体組成情報を含み得る。
【0247】
例えば、年齢は、特に治療前の圧縮で、治療装置のより低い圧縮及びより低い圧縮速度を必要とすることになる脆弱な組織を結果的にもたらす。これは、より高い組織圧縮の合併症効果としての二次効果である。
【0248】
例えば、性別は、多くの生理学的に関連する尺度(例えば、BMI、体脂肪組成、及び生理機能に対する年齢の影響)の理想的な範囲に対する閾値の意味合いのずれを有する。これは、他のパラメータに対する三次効果である。
【0249】
例えば、患者が喫煙者であるか否かは、より厚い、より硬い肺を結果的にもたらし、治療中の過剰な圧力差に起因してアンビル及びカートリッジの外周の周囲の隣接する副次的損傷を防止するために、荷重クランプ速度、より低い予備圧縮レベル、及びナイフ/Iビームのより遅い発射作動を示唆することになる。これらは、気腫及び酸素飽和合併症効果としての二次効果である。組織酸素化は、以下に記載されるように、喫煙の効果を定量化するために利用可能なメトリックであり得る。
【0250】
例えば、BMIは、肥満が多くの他の医学的合併症の併存を増加させる傾向があるため、コンテキスト手掛かりである。これは、血糖レベル、鬱血性の心臓の問題、酸素化レベル、及びいくつかの他の疾患状態との増幅合併症効果としての三次効果である。
【0251】
例えば、身体組成情報は、体脂肪率が組織のコラーゲン含有量、組織の種類の圧縮特性、並びに治癒及び組織再構築に対する代謝の意味合いに影響を及ぼすため、コンテキスト手掛かりとすることができる。これは、過度に高い及び過度に低い割合の両方で効果を有し、各極端で異なる効果を有する。所与のレベルを超える体脂肪率は、代謝操作を阻害し、器官機能周囲の合併症を追加する。これらの合併症は、機械的装置機能上の疾患状態合併症を増幅する傾向がある。更に、所与のレベル未満の体脂肪率は、組織構成自体に影響を及ぼす傾向がある。これらの組織構成変化は、治癒、及びより多くの圧縮及びより長い溶接時間を必要とするコラーゲンレベルの変動に起因して、一貫して溶接するための高度エネルギー装置能力の両方に影響を及ぼし得る。これらは、疾患合併症効果の増幅、及びコラーゲンレベル合併症効果としての三次効果である。
【0252】
生理学的手掛かりとしては、患者の直近の喫食からの時間、空腹時血中グルコースレベル、血圧、マクロ組織張力、組織液レベル、及び組織酸素化が挙げられ得る。
【0253】
例えば、空腹時血中グルコースレベルは、血糖レベルが治癒時の主要な生理学的因子であるため、コンテキスト手掛かりとすることができる。血糖レベルが正常よりも高い場合、それは、栄養素及び酸素が細胞にエネルギーを供給することを阻止し、免疫系が効率的に機能することを阻止する。これは、二次効果である。更に、定常状態の空腹状態、並びに食事後の変化及び反応を知ることは、測定された値の意味合いに影響を及ぼす。ほとんどのヒトでは、これは、約82mg/dl~110mg/dl(4.4~6.1mmol/l)で変動する。血糖レベルは、完全な食事後、正常なヒトでは、ほぼ140mg/dl(7.8mmol/l)又はそれよりも少し上に上昇する。ヒトの正常な血中グルコースレベルは、5mM(mmol/l)に相当する、約90mg/dlである。
【0254】
この測定値もまた、時間依存である。炭水化物のボリュームのある食品を消費することは、血糖の劇的な増加を引き起こすが、典型的には、約30分後に減少し始める。
【0255】
例えば、血圧は、高度エネルギー装置が、切断前の改善された凝固からの利点を得るため、コンテキスト手掛かりとして利用され得る。これは、優先及び一次効果である。ハイブリッドエネルギー装置では、切断前に凝固を増加させるために、RF電力が増大されるか又は超音波印加が遅延され得る。超音波のみの装置では、アルゴリズムは、切断前に長時間コラーゲンを変性させるために、より長期間、より低い電力レベルを印加するように調節され得る。更に、超音波のみの装置では、高調波電力は、温度が所定の最適温度に近づくにつれてより低く調整され得、その温度は、切断を開始するためにトランスデューサの電力を上昇させる前に長期間維持され得る。血圧は、異なる方法を使用して、異なる場所で測定され得る。例えば、10分の安静時圧力、すなわち、安静時血圧は、身体運動に起因する任意の血圧とは非常に異なり得る。これが、急な測定に基づく血圧測定であるか又は全身静止時圧力であると見なされるかを知ることは、測定、及びその上側又は下側圧力の超過にどのように応答するかについての意味合いを有することになる。更に、血管レベルに関する血圧の差が存在する。典型的な血圧は、腕又は他の四肢中のより大きい動脈で取られる。129/80の腕での動脈の圧力は、毛細血管の70/40の微圧、及び実際の組織治療が事前形成されている静脈の更に低い20/10に関連し得る。生理機能の閉塞及び変動は、システムの1つの部位から別の部位までの圧力の差を増幅又は制約し得る。圧力がとられる場所を知ること、及び任意の長期間尺度は、圧力の変化に起因して必要とされる効果を調節することを助け得る。
【0256】
例えば、組織液レベルは、脱水症が身体全体を通して血流を低減し、その結果、血圧も低下させ、それが、感染に対する防護を行う白血球の傷床を不足させると共に、血流によって創傷部位に到達する酸素、同様にビタミン及び栄養も制限するため、コンテキスト手掛かりとすることができる。一般に、より低い液レベルは、創傷治癒のあらゆる態様を阻害する。これは、治癒合併症効果の増幅としての三次効果である。表面組織再構築及び潜在的に結腸直腸部位治癒に関して、脱水症は、いくつかの手段で治癒を遅延させ得る。高温湿潤環境は、新しい組織の成長に理想的であり、影響を受ける領域への水分の欠如は、細胞の発達及び移動を停止させ得る。適切な水分が伴っていないと、組織を修復する途中に傷床にわたって移動する上皮細胞が、創傷部位を適切に通過及び被覆することができない。これは、新しい組織の形成を中断させ、創傷を開放したままにして、感染を引き起こし得る有害な細菌の影響を受け易くする。脱水症に関連する潜在的な尺度としては、例えば、電解質、血液尿素窒素、クレアチン、尿検査、全血球計数、並びに尿及び/又は血液浸透圧が挙げられ得る。
【0257】
例えば、組織酸素化は、組織酸素化が創傷治癒ステージのほぼ全ての部分において役割を果たすことが広く認識されているため、コンテキスト手掛かりとすることができる。治癒時、手術部位は、他の修復機能の中でも、細菌防御、細胞増殖、コラーゲン合成、及び血管新生の必要性の増大を発現する。コラーゲン蓄積は、酸素分圧の一次関数であり、20mmHg未満のレベルは、蓄積を阻害することが示されている。コラーゲン合成は、酵素の機能に依存し、結果的に、局所酸素レベルの関数である。対照的に、高圧酸素療法は、正常を上回って酸素濃度を増加させることによって治癒速度を向上することが示されている。腫瘍組織は、低酸素の条件下で成長するように代謝的に設計されているが、血管制限によって主に引き起こされる創傷の低酸素状態は、同調条件(例えば、感染、発痛、不安及び高熱)によって強化され、不十分な治癒結果につながる。これは、治癒合併症効果の増幅としての三次効果である。組織酸素化は、酸素送達(oxygen delivery、DO2)、酸素取り込み/消費(oxygen uptake/consumption、VO2)、酸素分圧(oxygen tension、PO2)、又はヘモグロビン酸素飽和(hemoglobin oxygen saturation、SO2)に従って測定され得る。更に、近赤外分光法(near infrared spectroscopy、NIR)などの、組織酸素化を測定するためのいくつかの他の技術が利用可能である。
【0258】
処置固有のコンテキスト手掛かり
処置固有のコンテキスト手掛かりとしては、行われた処置の日時、緊急対計画された手術であったか、処置の長さ、処置の種類(例えば、腹腔鏡、ロボット、又は開腹)、及び再手術又は最初の処置であるかが挙げられ得る。
【0259】
外科医固有のコンテキスト手掛かり
外科医固有のコンテキスト手掛かりは、外科医が専門医又は一般開業医であったか(この比較は、実施されることになる処置に対してなされる)、外科医の技能レベル(例えば、実施された処置の総数、現在の手術を実施した総回数、及び/又は訓練レベルによって示され得る)、並びに外科医の集中力又は体力(例えば、その日に実施した他の処置の数及び現在の処置の継続時間によって示され得る)が挙げられ得る。
【0260】
メタデータ及びデータの管理
様々な態様では、メタデータ(例えば、上記のコンテキスト手掛かり)は、一般的なデータ生成と共に含まれ得る。
【0261】
一態様では、メタデータは、メタデータからのデータをフィルタ処理する能力によって、一次データにメタデータを付加することによって記憶され得る。別の態様では、メタデータは、一次データ以外の場所に記憶され得るが、リンクされて、重要なメタデータについてメタデータに到達することを可能にし得る。
【0262】
メタデータのアクセス可能性は、様々な異なる様態で制御され得る。一態様では、リンクされたメタデータは、元の収集されたデータと共に転送され得る。別の態様では、データは、データ及び関連コンテキストをフィルタ処理することによって、メタデータから抽出され得る。
【0263】
知識階層
様々な態様では、コンテキスト手掛かりは、必要とされるコンテキストに基づいてデータを提供するように編成され得る。したがって、コンピュータシステムは、コンテキストを提供するために特定のメタデータの関連性を識別又は決定するように構成され得る。更に、コンピュータシステムは、メタデータを通してナビゲーションを提供するようにプログラムされ得る。
【0264】
利用方法論
一態様では、メタデータは、(i)隔離されたが相互関連したデータ点又はレコードの識別及びリンク、(ii)リンクされた発生の識別のために利用され得る、及び/又は(iii)アルゴリズムは、結果(及び病気)を任意/全ての記録されたデータと自動的に比較し、回帰傾向及び予測モデル能力を自動的に比較して、どの因子が成功に影響を及ぼし得るかを決定するようにプログラムされ得る。このデータは、単一の装置(例えば、発射速度若しくはエネルギー対漏れ)に限定されてもよく、あるいはトロカールの配置若しくは麻酔開始(手術開始)に対する発射時間、又はハサミ/ダイセクタ/エネルギー装置の起動回数(例えば、脂肪の切開/除去の程度)などの事柄を推定するために複数の装置間で組み合わせられ得る。
【0265】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1-医療処置で生成されたとされるデータを検証するためのシステムであって、システムは、医療ハブと、医療ハブに通信可能に連結された少なくとも1つの遠隔サーバと、医療ハブに通信可能に連結された医療器具と、を備える。システムは、データにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を行うように構成されている。
【0266】
実施例2-システムは、データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンがデータ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施例1に記載のシステム。
【0267】
実施例3-システムは、医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別するように更に構成されており、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データの少なくとも一部が暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、実施例1又は2に記載のシステム。
【0268】
実施例4-システムは、データを分析して、データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンがデータ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【0269】
実施例5-システムは、別の医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信するように更に構成されており、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが悪意ある行為者のレポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のシステム。
【0270】
実施例6-少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、少なくとも1つの欠陥又はエラーをより大きいデータセットから隔離することと、データの残部をより大きいデータセットに組み込むことと、を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0271】
実施例7-少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、データが変更されていることの結果であることを決定することと、より大きいデータセットに組み込まれることからデータを除去することと、を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0272】
実施例8-システムは、データが検証された医療器具から生成されることを決定するように更に構成されており、少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、データ内の少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、実施例1~7のいずれか1つに記載のシステム。
【0273】
実施例9-検証された医療器具を系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、検証された医療器具を制御された状況に構成することと、制御された状況中に、検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、所定のルーチン中の検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、実施例8に記載のシステム。
【0274】
実施例10-医療処置で生成されたとされるデータを検証するための方法であって、方法は、少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む、方法。
【0275】
実施例11-データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンがデータ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施例10に記載の方法。
【0276】
実施例12-医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別することを更に含み、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データの少なくとも一部が暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、実施例10又は11に記載の方法。
【0277】
実施例13-データを分析して、データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンがデータ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施例10~12のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
実施例14-医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信することを更に含み、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが悪意ある行為者のレポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、実施例10~13のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
実施例15-少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、少なくとも1つの欠陥又はエラーをより大きいデータセットから隔離することと、データの残部をより大きいデータセットに組み込むことと、を含む、実施例10~14のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
実施例16-少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、データが変更されていることの結果であることを決定することと、より大きいデータセットに組み込まれることからデータを除去することと、を含む、実施例10~14のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
実施例17-データが検証された医療器具から生成されることを決定することを更に含み、少なくとも1つの欠陥又はエラーがより大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、データ内の少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、実施例10~16のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
実施例18-検証された医療器具を系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、検証された医療器具を制御された状況に構成することと、制御された状況中に、検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、所定のルーチン中の検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、実施例17に記載の方法。
【0283】
実施例19-一時的信号を含まず、命令を含むコンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。動作は、少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、データを検証して、データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、少なくとも1つの欠陥又はエラーが、少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む。
【0284】
実施例20-動作は、データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンがデータ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、データが連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施例19に記載のコンピュータ可読媒体。
【0285】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」の範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0286】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を介して装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の例証的な形態は、配布を実際に実施するために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず適用されることが当業者には理解されるであろう。
【0287】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他の記憶装置などのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読記憶装置に限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
【0288】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(integrated circuit、IC)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、並びに及び/又は通信装置(例えば、モデム、通信スイッチ、若しくは光-電気機器)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0289】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0290】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0291】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理的量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理的量と関連付けられ得、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0292】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0293】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」、「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作及び変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0294】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0295】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0296】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む特許請求の範囲に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0297】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0298】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0299】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機能、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」という句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0300】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0301】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0302】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置で生成されたとされるデータを検証するためのシステムであって、前記システムは、
医療ハブと、
前記医療ハブに通信可能に連結された少なくとも1つの遠隔サーバと、
前記医療ハブに通信可能に連結された医療器具と、を備え、
前記システムは、
前記データにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが前記医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を行うように構成されている、システム。
(2) 前記システムは、
前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記システムは、
前記医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データの少なくとも一部が前記暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記システムは、
前記データを分析して、前記データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記システムは、
別の医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信するように更に構成されており、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記悪意ある行為者の前記レポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、実施態様1に記載のシステム。
【0303】
(6) 前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを前記より大きいデータセットから隔離することと、前記データの残部を前記より大きいデータセットに組み込むことと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記データが変更されていることの結果であることを決定することと、前記より大きいデータセットに組み込まれることから前記データを除去することと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記システムは、
前記データが検証された医療器具から生成されることを決定するように更に構成されており、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記データ内の前記少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、前記検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記検証された医療器具を前記系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、前記検証された医療器具を制御された状況に構成することと、前記制御された状況中に、前記検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、前記所定のルーチン中の前記検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、実施態様8に記載のシステム。
(10) 医療処置で生成されたとされるデータを検証するための方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通して前記データにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが前記医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む、方法。
【0304】
(11) 前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 医療器具と関連付けられた暗号化された検証鍵を識別することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データの少なくとも一部が前記暗号化された検証鍵と一致しないことを決定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記データを分析して、前記データが生成されたときに発生したとされる、ある種類の外科処置に固有の連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記固有の連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(14) 医療ハブから悪意ある行為者のレポートを受信することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記悪意ある行為者の前記レポートと一致する特性を含有することを決定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを前記より大きいデータセットから隔離することと、前記データの残部を前記より大きいデータセットに組み込むことと、を含む、実施態様10に記載の方法。
【0305】
(16) 前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することは、前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記データが変更されていることの結果であることを決定することと、前記より大きいデータセットに組み込まれることから前記データを除去することと、を含む、実施態様10に記載の方法。
(17) 前記データが検証された医療器具から生成されることを決定することを更に含み、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが前記より大きいデータセットに組み込まれることを防止することが、前記データ内の前記少なくとも1つの欠陥又はエラーをフラグ付けすることと、前記検証された医療器具を、系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することと、を含む、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記検証された医療器具を前記系統的な欠陥又はエラーを含有するとして識別することが、前記検証された医療器具を制御された状況に構成することと、前記制御された状況中に、前記検証された医療器具に対して所定のルーチンを実行することと、前記所定のルーチン中の前記検証された医療器具による応答を、予想される結果と比較することと、を含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 一時的信号を含まず、命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
少なくとも1つの遠隔医療サーバのプロセッサを通してデータにアクセスすることと、
前記データを検証して、前記データが医療処置によって正当に生成されたかどうかを決定することと、
前記データが少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することと、
前記少なくとも1つの欠陥又はエラーが、前記少なくとも1つの遠隔医療サーバと関連付けられたより大きいデータセットに組み込まれることを防止することによって、データ完全性を改善することと、を含む動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
(20) 前記動作が、
前記データを分析して、外科処置に共通である連続的な傾向又はパターンが前記データ内に存在するかどうかを決定することを更に含み、
前記データが前記少なくとも1つの欠陥又はエラーを含有することを決定することは、前記データが前記連続的な傾向又はパターンを含有しないことを決定することを含む、実施態様19に記載のコンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23