(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】可撓性かつ調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20230626BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A61B18/18 100
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2020544806
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(86)【国際出願番号】 IB2019050965
(87)【国際公開番号】W WO2019162786
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512023166
【氏名又は名称】ニューウェーブ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUWAVE MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3529 Anderson Street,Madison,Wisconsin 53704,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トム・マーク
(72)【発明者】
【氏名】シェフェルカー・リチャード
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0080888(US,A1)
【文献】特開2013-052258(JP,A)
【文献】特開2015-024026(JP,A)
【文献】米国特許第05368592(US,A)
【文献】特開2010-050975(JP,A)
【文献】特開2007-252921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0219546(US,A1)
【文献】特表2011-511538(JP,A)
【文献】特表2004-532064(JP,A)
【文献】特表2015-509789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
A61B 18/14
A61B 18/12
A61B 17/225
A61B 17/32
A61B 34/30
A61B 1/005
A61B 1/008
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー放出領域と、主本体と、可撓性継手と
、先端部と、を備える、エネルギー供給デバイスであって、
前記エネルギー放出領域が、切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記主本体が、前記エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、
前記可撓性継手が、前記主本体と前
記先端部との間に位置決めされており、
前記可撓性継
手が、
前記主本体の長手方向軸に対し任意の所望の方向に
曲がることができ、このような所望の方向に固定することができるよう
に構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波アンテナを備えており、
前記マイクロ波アンテナが、前記主本体及び前記可撓性継手の全体にわたり延在し、前記先端部の一部にわたり延在する、エネルギー供給デバイス。
【請求項2】
前記可撓性継
手が、任意の所望の方向に
回転することができるように構成されている、請求項1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項3】
前記可撓性継
手が、任意の所望の方向に、手動
で向けることができるように構成されている、請求項1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項4】
前記可撓性継
手が、任意の所望の方向に、自動
で向けることができるように構成されている、請求項1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項5】
前記エネルギー放出領域が、ラジオ波切除エネルギーを放出するよう構成されている、請求項1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項6】
前記マイクロ波アンテナが、同軸伝送線を備える、請求項
1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項7】
前記マイクロ波アンテナが、三軸伝送線を備える、請求項
1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項8】
前記マイクロ波アンテナが、前記主本体、前記可撓性継手及び前
記先端部の全体にわたり延在する、請求項1に記載のエネルギー供給デバイス。
【請求項9】
エネルギー放出領域と、主本体と、可撓性継手と、先端部と、を備える、エネルギー供給デバイスであって、
前記エネルギー放出領域が、切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記主本体が、前記エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、
前記可撓性継手が、前記主本体と前記先端部との間に位置決めされており、
前記可撓性継手が、前記主本体の長手方向軸に対し任意の所望の方向に曲がることができ、このような所望の方向に固定することができるように構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波アンテナを備えており、
前記マイクロ波アンテナが、前記主本体及び前記可撓性継手の全体にわたり延在し、前
記先端部には延在していない
、エネルギー供給デバイス。
【請求項10】
エネルギー放出領域と、主本体と、可撓性継手と、先端部と、を備える、エネルギー供給デバイスであって、
前記エネルギー放出領域が、切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記主本体が、前記エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、
前記可撓性継手が、前記主本体と前記先端部との間に位置決めされており、
前記可撓性継手が、前記主本体の長手方向軸に対し任意の所望の方向に曲がることができ、このような所望の方向に固定することができるように構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波アンテナを備えており、
前記マイクロ波アンテナが、前記主本体の全体にわたり延在し、前記可撓性継手の一部にわたり延在し、前
記先端部には延在していない
、エネルギー供給デバイス。
【請求項11】
エネルギー放出領域と、主本体と、可撓性継手と、先端部と、を備える、エネルギー供給デバイスであって、
前記エネルギー放出領域が、切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記主本体が、前記エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、
前記可撓性継手が、前記主本体と前記先端部との間に位置決めされており、
前記可撓性継手が、前記主本体の長手方向軸に対し任意の所望の方向に曲がることができ、このような所望の方向に固定することができるように構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記エネルギー放出領域が、マイクロ波アンテナを備えており、
前記マイクロ波アンテナが、前記主本体の全体にわたり延在し、前記可撓性継手及び前
記先端部には延在していない
、エネルギー供給デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のデバイス、及び前記エネルギー供給デバイスに電気接続されている電源を備える、システム。
【請求項13】
前記電源がマイクロ波エネルギーを発生させる、請求項
12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管内血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取等)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを供給するための包括的なシステム、デバイス及び方法に関する。特に、可撓性かつ調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスを使用する、エネルギーの適用による組織領域(例えば、腫瘍)を治療するためのシステム、デバイス及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
切除は、良性及び悪性腫瘍等のある特定の組織、心不整脈、心リズム障害及び頻脈を治療するための重要な治療的戦略である。ほとんどの承認されている切除システムは、無線周波(RF)エネルギーを切除エネルギー源として利用する。したがって、さまざまなRFベースのカテーテル及び電源を、現在、医師は利用することができる。しかし、RFエネルギーは、浅い「火傷」をもたらす表面組織におけるエネルギーの急速な消散と、より深い腫瘍又は不整脈組織にアクセスできないことを含む、いくつかの制限を有する。RF切除システムの別の制限は、エネルギー放出電極上に形成する焼痂及び凝塊形成といった傾向であり、これが電気エネルギーの更なる蓄積を制限する。
【0003】
マイクロ波エネルギーは、生体組織を加熱するための有効なエネルギー源であり、例えば、がん治療及び注入前の血液の予熱等の用途に用いられる。したがって、伝統的な切除技法の欠点を考慮して、最近では、マイクロ波エネルギーを切除エネルギー源として用いることに多くの関心が寄せられている。RFを超えるマイクロ波エネルギーの利点は、組織へのより深い貫通、炭化に対する非感受性、接地の必要性がないこと、より信頼性のあるエネルギー蓄積、より速い組織加熱及びRFよりはるかに大きい熱外傷を生成する能力であり、実際の切除処置を大幅に簡略化する。したがって、切除エネルギー源としてマイクロ波周波数の範囲内の電磁エネルギーを利用する、多くのデバイスが開発中にある(例えば、米国特許第4,641,649号、同第5,246,438号、同第5,405,346号、同第5,314,466号、同第5,800,494号、同第5,957,969号、同第6,471,696号、同第6,878,147号及び同第6,962,586号を参照されたい)。
【0004】
不運なことに、ラジオ波又はマイクロ波エネルギーを供給するよう構成されている現在のデバイスは、構造上の欠点を有する。例えば、ラジオ波、マイクロ波及び/又は高調波エネルギー供給デバイスは、通常、さまざまに曲げられた先端部形状又は形成された先端部形状を有する、多くの異なる専用器具を有する。異なる共有先端部向けのこうした必要性は、選択する器具のポートフォリオを提供することにより現在のところ解決されている。しかし、器具のこのようポートフォリオは、いくつかのシナリオには機能し得るが、先端部形状を調節することができないことは、このような形状が、必ずしも最適ではないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、最適な形状を形成することができるエネルギー供給デバイス向けの先端部の改善が必要とされている。
【0006】
本発明は、このようなニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管内血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取等)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを供給するための包括的なシステム、デバイス及び方法に関する。特定の実施形態では、可撓性かつ調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスを使用する、エネルギーの適用による組織領域(例えば、腫瘍)を治療するためのシステム、デバイス及び方法が提供される。本明細書に記載されている切除用器具の可撓性かつ調節可能な先端部により、操作者は、指定位置となるよう先端部の角度をカスタマイズすることが可能となること、及び単一処置向けに複数のさまざまな器具の必要性が低下するという利点を実現する。
【0008】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、a)アンテナ及びb)アンテナの遠位端部に導電性先端部を備える、エネルギー供給デバイスであって、導電性先端部が、可撓性かつ調節可能な材料から構築されている、エネルギー供給デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、導電性先端部には角度がついている。いくつかの実施形態では、導電性先端部は、操作中、その形状を保持する。いくつかの実施形態では、導電性先端部は、成形可能な継手を備える。いくつかの実施形態では、このようなデバイスは、本明細書及びその全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第9,192,438号に記載されているシステムに統合されている。
【0009】
このようなエネルギー供給デバイスは、特定のタイプのアンテナに限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナは、可撓性かつ調節可能な導電性先端部により、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、ラジオ波エネルギー)を供給することができる任意のタイプのアンテナである。いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体を備えるアンテナである。いくつかの実施形態では、アンテナは共軸アンテナである。いくつかの実施形態では、アンテナは三軸アンテナである。
【0010】
同様に、特定の実施形態では、本発明は、エネルギー放出領域、主本体、可撓性継手及び調節可能な先端部を備える、エネルギー供給デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、エネルギー放出領域は、切除エネルギーを放出するよう構成されており、主本体は、エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、可撓性継手は、主本体と調節可能な先端部との間に位置決めされており、可撓性継手は、主本体の直線軸に対する可撓性継手の方向が任意の所望の方向に調節可能となるよう、及びこのような所望の方向で固定され得るよう構成されており、可撓性継手の調節は、調節可能な先端部の同じ調節をもたらす。
【0011】
このようなエネルギー供給デバイスは、可撓性継手に関して特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、主本体の直線軸に対する可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、回転自在に調節可能(例えば、手動で、又は自動的に)となるよう構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、主本体の直線軸に対する可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に柔軟に調節可能となるよう構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、主本体の直線軸に対する可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、手動で調節可能となるよう構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、主本体の直線軸に対する可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、自動的に調節可能となるよう構成されている。
【0012】
このようなエネルギー供給デバイスは、特定のタイプの可撓性継手に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、成形可能な継手である。いくつかの実施形態では、可撓性継手は、可撓性かつ調節可能な材料から形成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、エネルギー放出領域は、ラジオ波切除エネルギーを放出するよう構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出領域は、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出領域は、マイクロ波アンテナを備える。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、同軸伝送線を備える。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、三軸伝送線を備える。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、主本体、可撓性継手及び調節可能な先端部全体にわたり延在する。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、主本体及び可撓性継手の全体にわたり延在し、調節可能な先端部の一部にわたり延在する。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、主本体及び可撓性継手の全体にわたり延在し、調節可能な先端部には延在していない。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、主本体の全体にわたり延在し、可撓性継手の一部にわたり延在し、調節可能な先端部には延在していない。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、主本体の全体にわたり延在し、可撓性継手及び調節可能な先端部には延在していない。
【0014】
特定の実施形態では、本発明は、1つ以上のこのようなエネルギー供給デバイス、及び例えば、このエネルギー供給デバイスに電気接続した電源を備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、電源は、マイクロ波エネルギーを発生させる。
【0015】
特定の実施形態では、本発明は、サンプル内の組織領域を切除する方法であって、このようなエネルギー供給デバイスを用意することと、主本体の直線軸に対して所望の方向に可撓性継手を調節することと、エネルギー供給デバイスをサンプル内の組織領域に位置決めすることであって、組織領域を切除するような条件下で、エネルギー供給デバイスからサンプル内の組織領域にエネルギーを供給することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、サンプルは、生存している対象内に存在する。いくつかの実施形態では、サンプルは、生存しているヒト対象内に存在する。
【0016】
追加的な実施形態は、本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】調節可能な先端部を有する、例示的なエネルギー供給デバイスを示す。
【
図2】エネルギー供給デバイス、主本体、調節可能な先端部、角度付き先端部及び可撓性継手を有する、エネルギー供給デバイスを示す。
【
図3】エネルギー供給デバイス、主本体、調節可能な先端部、角度付き先端部及び可撓性継手を有する、エネルギー供給デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
現在使用されているエネルギー供給デバイスは、剛性な先端部を有しており、したがって、組織領域の切除を伴う処置中の操作又は操縦が困難である。したがって、最適な形状を形成することができるエネルギー供給デバイス向けの改善された先端部が必要とされている。本開示は、可撓性かつ調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスを提供することによって、このニーズに対処する。
【0019】
したがって、可撓性かつ調節可能な先端部を備えるエネルギー供給デバイス(例えば、切除処置の使用向け)が、本明細書において提供される。特定の実施形態では、本発明は、a)アンテナ、及びb)アンテナの遠位端部に導電性先端部を備える、切除処置に使用するためのエネルギー供給デバイスであって、導電性先端部が、可撓性かつ調節可能な材料から構築されている、エネルギー供給デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、導電性先端部には、角度がついている。いくつかの実施形態では、導電性先端部は、操作中にその形状を保持する。いくつかの実施形態では、導電性先端部は、成形可能な継手を備える。いくつかの実施形態では、このようなデバイスは、本明細書及び米国特許第9,192,438号に記載されているシステムに統合されている。
【0020】
角度のついた調節可能な先端部を備える、このようなエネルギー供給デバイスは、使用に際し、固定先端部を備えるデバイスを超える利点をもたらす。例えば、ユーザは、使用中に先端部の角度を調節することができ、処置中にデバイスを切り替える必要がない。更に、先端部の角度が完全にカスタマイズ可能であることにより、身体又は他の標的の領域に到達することが困難なアクセスを改善する。
【0021】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管内血栓、中空器官の腔内切除、不整脈の治療のための心切除、電気手術、組織採取、美容整形手術、眼内使用等)を含む、多様な用途のためにエネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、ラジオ波エネルギー)を組織に供給するための包括的なシステム、デバイス及び方法に関する。特に、本発明は、電源、案内手段、制御用電源及び供給用電源(例えば、電力分割器)、プロセッサ、エネルギー放出デバイス、冷却システム、撮像システム、温度監視システム及び/又は追跡システムを備える、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)を供給するためのシステムを提供する。特定の実施形態では、本発明のエネルギー供給システムを使用することによる、組織領域(例えば、腫瘍)を治療するシステム、デバイス及び方法が提供される。特定の実施形態では、可撓性かつ調節可能な先端部を有する切除器具を使用する、エネルギーの適用による組織領域(例えば、腫瘍)を治療するためのシステム、デバイス及び方法が提供される。
【0022】
本発明のシステムは、さまざまなシステム/キットの実施形態内で組み合わされてもよい。例えば、本発明は、1つ以上の任意の付属構成要素(例えば、手術用器具、処置を支援するソフトウェア、プロセッサ、温度監視デバイス等)と共に、1つ以上の発生器、配電システム、案内手段、制御用電源及び供給用電源(例えば、電力分割器)、エネルギーアプリケータを備えるシステムを提供する。本発明は、任意の特定の付属構成要素に限定されない。
【0023】
本発明のシステムは、組織領域へのエネルギー(例えば、ラジオ波エネルギー、マイクロ波エネルギー、レーザー、集束超音波等)の供給を伴う、任意の医療処置(例えば、経皮的又は外科的)に使用することができる。本システムは、特定のタイプ又は種類の組織領域(例えば、脳、肝臓、心臓、血管、足、肺、骨等)の治療に限定されない。例えば、本発明のシステムは、腫瘍領域の切除に有用であることがわかっている。追加の治療としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、任意のその他の出血の制御目的での、出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌等の食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨及び良性骨性病態の治療、眼内用途、美容整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、原発性又は転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、出血の制御(例えば、電気焼灼)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、組織の切断又は除去を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、脳、首、胸、腹、骨盤及び四肢が挙げられるが、これらに限定されない任意の所望の位置における、組織又は生体に対して最小の損傷での移動及び位置決定のために構成されている。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、コンピュータトモグラフィー、超音波、磁気共鳴撮像、X線透視検査等による誘導供給のために構成されている。
【0024】
以下に提示されている例示された実施形態は、医療的用途(例えば、マイクロ波エネルギーの供給による組織の切除)に関する、システム、及び調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスを記載する。しかし、本発明のこのようなシステム及びデバイスは、医療的用途に限定されないことを理解すべきである。このようなデバイス及びシステムは、負荷へのエネルギーの供給を必要とする任意の環境(例えば、農業環境、製造環境、研究環境等)で使用されてもよい。例示されている実施形態は、マイクロ波エネルギーに関して、本発明のデバイス及びシステムを記載する。本発明のデバイス及びシステムは、特定のタイプのエネルギー(例えば、ラジオ波エネルギー、マイクロ波エネルギー、集束超音波エネルギー、レーザー、プラズマ)に限定されないことを理解すべきである。本明細書で使用する場合、用語「エネルギー供給デバイス」、「アンテナを有するエネルギー供給デバイス」及び「調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイス」は互換的に使用されている。
【0025】
本発明のシステムは、いかなる特定の構成要素又は構成要素の数に限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の本システムは、以下に限定されないが、電源、案内手段、制御用電源及び供給用電源(例えば、電力分割器)、プロセッサ、アンテナを備える調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイス、冷却システム、撮像システム及び/又は追跡システムを含む。複数のアンテナが使用状態にある場合、本システムは、個々のアンテナを独立して、個別に制御して使用することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、本明細書に記載されているデバイス、電源、伝送線、配電構成要素(例えば、電力分割器)、プロセッサ、撮像システム及び温度監視システムを備える、エネルギー供給システムの一部として提供される。いくつかの実施形態では、エネルギー供給システムの構成要素は、伝送線、ケーブル等を介して接続されている。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、電源、案内手段、制御用電源及び供給用電源(例えば、電力分割器)、プロセッサ、撮像システム、滅菌野バリアにわたる温度監視システムから隔離されている。
【0027】
図1は、組織領域の切除を伴う処置中に、エネルギー供給デバイスの操作及び操縦を改善するための、エネルギー供給デバイスの主本体5及び調節可能な先端部4で構成された例示的なエネルギー供給デバイス1を示している。エネルギー供給デバイス1は、組織領域の切除を伴う処置中に、エネルギー供給デバイスの操作及び操縦を改善するための、特定の方法又は構成に限定されない。
【0028】
図1をやはり参照すると、いくつかの実施形態では、本エネルギー供給デバイス3は、エネルギー(例えば、切除エネルギー)(例えば、マイクロ波切除エネルギー)を放出及び/又は供給するよう構成されている。このようなエネルギー供給デバイス1は、このようなエネルギーを放出するデバイス内の、特定の領域に限定されない。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス1の領域は、エネルギー供給デバイスの主本体5及び調節可能な先端部4の内部全体に位置決めされている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス1の領域は、エネルギー供給デバイスの主本体5内の全体、及び調節可能な先端部4内の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)に位置決めされている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス1の領域は、調節可能な先端部4の全体内に、及びエネルギー供給デバイスの主本体5内の一部に位置決めされている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス3の領域は、調節可能な先端部4内の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)、及びエネルギー供給デバイスの主本体5内の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)に位置決めされている。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス1の領域は、調節可能な先端部4内の4全体に位置決めされており、エネルギー供給デバイスの主本体5の全体内には位置決めされていない。いくつかの実施形態では、エネルギー放出のために構成されているエネルギー供給デバイス1の領域は、エネルギー供給デバイスの主本体5内の全体に位置決めされており、調節可能な先端部4内の全体に位置決めされていない。
【0029】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイス1は、その内部に、このようなエネルギー放出のための1つ以上のアンテナを有する。このようなエネルギー供給デバイス1は、アンテナが特定の位置に位置決めされることに限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナは、エネルギー供給デバイスの主本体5及び調節可能な先端部4内の全体に位置決めされている。いくつかの実施形態では、アンテナは、エネルギー供給デバイスの主本体5の全体内に、及び調節可能な先端部4内の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)に位置決めされている。いくつかの実施形態では、アンテナは、調節可能な先端部4の全体内、及びエネルギー供給デバイスの主本体5内の一部に位置決めされている。いくつかの実施形態では、アンテナは、調節可能な先端部4の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)内、及びエネルギー供給デバイスの主本体5の一部(例えば、1%、5%、10%、25%、28%、30%、33%、39%、40%、42%、48%、50%、55%、60%、70%、78%、79%、82%、85%、88%、90%、95%、98%、99%、99.9%)内に位置決めされている。いくつかの実施形態では、アンテナは、調節可能な先端部4内全体に位置決めされており、エネルギー供給デバイスの主本体5内の全体には位置決めされていない。いくつかの実施形態では、アンテナは、エネルギー供給デバイスの主本体5内の全体に位置決めされており、調節可能な先端部4内の全体には位置決めされていない。
【0030】
このような本発明の実施形態は、エネルギー(例えば、切除デバイス、外科用デバイス等)を供給(例えば、放出)するための、任意のタイプのアンテナの使用が企図されている。適用可能なアンテナの例としては、以下に限定されないが、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願公開第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号、英国特許出願第2,406,521号、同第2,388,039号、欧州特許第1395190号、及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号に記載されている、任意のアンテナが挙げられる。このようなアンテナには、エネルギー放出のために構成されている、ありとあらゆる医療的用途デバイス、獣医学的用途デバイス及び研究的用途デバイス、並びに農業環境、製造環境、機械的環境又はエネルギーが供給される任意の他の用途が挙げられる。
【0031】
再度、
図1を参照すると、調節可能な先端部4は、特定の設計又は構成に限定されない。いくつかの実施形態では、得られたエネルギー供給デバイス1が、組織領域の切除に伴う処置中に、操作及び操縦の改善を可能にするような、調節可能な先端部4の設計及び構成となる。いくつかの実施形態では、
図1に示されているとおり、調節可能な先端部4には、可撓性継手3に接続した、角度付き先端部2を含む。いくつかの実施形態では、
図1に示されているとおり、調節可能な先端部4は、エネルギー供給デバイスの主本体5の遠位端部に位置決めされている。
【0032】
図1をやはり参照すると、エネルギー供給デバイス1は、任意のタイプ又は構成の可撓性継手3に限定されない。いくつかの実施形態では、
図1に示されているとおり、可撓性継手3は、エネルギー供給デバイスの主本体5と角度付き先端部2との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、組織領域の切除を伴う処置中に、エネルギー供給デバイス3の操作及び操縦の改善を可能な状態にする、任意のタイプの構成を有する。
図1に示されているとおり、エネルギー供給デバイスの主本体5は、全体として、このデバイスの中心軸を画定する。
【0033】
図1をやはり参照すると、いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、特定の方向又は可撓性の量に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、エネルギー供給デバイスの主本体5に対して任意の方向に回転し、かつこのような回転した位置から任意の方向に曲がるよう構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、エネルギー供給デバイスの主本体5の軸に対して、0~360度、回転するよう構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、その回転した位置に対して0~360度、曲がるよう構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性継手3の調節後の回転位置及び屈曲位置は、このような調節後の位置(例えば、処置(例えば、切除エネルギーの供給)に使用される場合、デバイスは、調節後の位置を保持するよう)に固定され得る。いくつかの実施形態では、可撓性継手3の調節後の回転位置及び屈曲位置は、このような調節後位置に固定され得、所望の場合、更に調節される。
【0034】
図1をやはり参照すると、可撓性継手3は、特定の調節方法に限定されない。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、医師、獣医、医療供給者)は、処置に使用する前に、手動で、可撓性継手3を所望の位置まで調節することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、可撓性継手3を自動的に所望の位置まで調節することができる(例えば、可撓性継手3を調節するよう構成されているソフトウェアの使用による)。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、処置中に調節することができる(例えば、手動で又は自動的に)。
【0035】
図1をやはり参照すると、可撓性継手3は、特定のサイズに限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、組織領域の切除を伴う処置中に、エネルギー供給デバイス3の操作及び操縦の改善が可能となる、任意のサイズを有する。
【0036】
図1をやはり参照すると、可撓性継手3は、特定のタイプ又は種類の継手に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性継手3のタイプは、組織領域の切除を伴う処置中に、エネルギー供給デバイス3の操作及び操縦の改善を可能とする、任意の種類である。いくつかの実施形態では、可撓性継手3は、成形可能な継手である。
【0037】
図2及び
図3は、エネルギー供給デバイス1の主本体5、調節可能な先端部4、角度付き先端部2及び可撓性継手3を有する、エネルギー供給デバイスの代替的実施形態を示している。
【0038】
明記されているとおり、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、ラジオ波エネルギー、放射線エネルギー)を放出するよう構成されているアンテナをその内部に有するエネルギー供給デバイスを利用する。本システムは、特定のタイプ又は設計のアンテナに限定されない(例えば、切除デバイス、外科用デバイス等)。いくつかの実施形態では、本システムは、直線形状のアンテナを有するエネルギー供給デバイスを利用する(例えば、米国特許第6,878,147号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、及び国際公開第03/039385号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本システムは、非直線形状のアンテナを有するエネルギー供給デバイスを利用する(例えば、米国特許第6,251,128号、同第6,016,811号及び同第5,800,494号、米国特許出願公開第09/847,181号及び国際公開第03/088858号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、アンテナは、ホーン反射構成要素(例えば、米国特許第6,527,768号、同第6,287,302号を参照されたい)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、指向性反射シールド(例えば、米国特許第6,312,427号を参照されたい)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、その内部に、特定の組織領域内にエネルギー供給デバイスを固定するよう、固定構成要素を有する(例えば、米国特許第6,364,876号及び同第5,741,249号を参照されたい)。
【0039】
一般に、エネルギーを放出するよう構成されたアンテナは、同軸伝送線を備える。本デバイスは、同軸伝送線の特定の構成に限定されない。同軸伝送線の例として、Pasternack、Micro-coax、及びSRC Cablesによって開発された同軸伝送線が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、同軸伝送線は、中心導体、誘電素子及び外部導体(例えば、外側シールド)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、可撓性同軸伝送線を有する(例えば、例えば肺静脈の周り又は管状構造に通して位置決めする目的)(例えば、米国特許第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,817,999号、同第6,251,128号、同第5,810,803号、同第5,800,494号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、アンテナは、剛性同軸伝送線を有する(例えば、米国特許第6,878,147号、米国特許出願公開第10/961,994号、同第10/961,761号及び国際公開第03/039385号を参照されたい)。
【0040】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、アンテナ内部に位置付けられた同軸伝送線、及びアンテナと接続している同軸伝送線を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線のサイズは、アンテナと接続された同軸伝送線より大きい。アンテナ内部の同軸伝送線及びアンテナと接続している同軸伝送線は、特定のサイズに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナと接続された同軸伝送線は、約0.8mm(0.032インチ)である一方、アンテナ内の同軸伝送線のサイズは、0.8mm(0.032インチ)より大きい(例えば、1.3mm(0.05インチ)、2.0mm(0.075インチ)、2.5mm(0.1インチ)、13mm(0.5インチ))。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線は、硬く、厚い内部導体を有する。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線の末端部は、経皮使用のために尖っている。いくつかの実施形態では、アンテナ内部の同軸伝送線の誘電体コーティングは、PTFEである(例えば、カニューレから内部導体(例えば、細く、鋭い内部導体)への移行の円滑化のため)。
【0041】
このような実施形態は、特定の同軸伝送線の形状に限定されない。実際に、いくつかの実施形態では、同軸伝送線及び/又は誘電素子の形状は、特定のニーズに適合するよう選択される、及び/又は調節可能である。
【0042】
いくつかの実施形態では、外部導体は、20ゲージのニードル又は20ゲージのニードルに類似した直径の構成要素である。好ましくは、経皮使用の場合、外部導体は、17ゲージのニードル以下である(例えば、16ゲージのニードル以下)。いくつかの実施形態では、外部導体は、17ゲージのニードルである。しかし、いくつかの実施形態では、所望の場合、より大きなデバイスが使用されている。例えば、いくつかの実施形態では、12ゲージの直径が使用されている。本発明は、外部導体のサイズによって限定されない。いくつかの実施形態では、外部導体は、医療処置を支援する(例えば、組織生検を支援する)目的で、一層大きな一連のニードルに適合するように構成されている(例えば、米国特許第6,652,520号、同第6,582,486号、同第6,355,033号、同第6,306,132号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、中央導体は、所望の位置にエネルギーを供給する目的で、外部導体を超えて延在するよう構成されている。いくつかの実施形態では、フィードライン特性インピーダンスの一部又はすべてが、その遠位端部において終端するアンテナのタイプに関係なく、最小電力放散をするよう最適化される。
【0043】
いくつかの実施形態では、近位部分及び遠位部分を備えるエネルギー供給デバイスであって、遠位部分が取り外し可能であり、かつコア近位部分に取り付けることができる、さまざまな異なる構成で設けられている、エネルギー供給デバイスが提供される。例えば、いくつかの実施形態では、近位部分は、ハンドル及びシステムの他の構成要素(例えば、電源)へのインターフェースを備えており、遠位部分は、所望の特性を有する取り外し可能なアンテナを備える。異なる用途のために構成された複数の異なるアンテナが設けられていてよく、適切な指示のためにハンドルユニットに取り付けられてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、複数(例えば、1超)(例えば、2、3、4、5、10、20等)の同軸伝送線及び/又は三軸伝送線が、長期間にわたり高いエネルギー量を供給する目的で、各エネルギー供給デバイス内に位置決めされている。
【0045】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、最適化された調節能力を有する三軸マイクロ波プローブを備える(例えば、米国特許第7,101,369号を参照されたい。同様に米国特許出願公開第10/834,802号、同第11/236,985号、同第11/237,136号、同第11,237,430号、同第11/440,331号、同第11/452,637号、同第11/502,783号、同第11/514,628号、及び国際出願第US05/14534号を参照されたい)。三軸マイクロ波プローブは、特定の最適化された調節能力に限定されない。いくつかの実施形態では、三軸マイクロ波プローブは、特定の組織タイプに特異的な、あらかじめ規定された、最適化された調節能力を有する。いくつかの実施形態では、三軸マイクロ波プローブは、一層小さな組織領域(例えば、器官の縁部しか切除しない、小さな腫瘍を切除する等)を切除するよう構成されている。このような実施形態では、第1の導体の長さは、短くされる(例えば、小さな切除領域を保持するよう、ワイヤが先端部に接触するように)。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、取り外し可能なハンドルによって取り付けるよう構成されている。本発明は、特定のタイプの取り外し可能なハンドルに限定されない。いくつかの実施形態では、取り外し可能なハンドルは、このようなデバイスにより、エネルギー供給を制御する目的で、複数のデバイス(例えば、1、2、3、4、5、10、20、50等)に接続するよう構成されている。いくつかの実施形態では、ハンドルは、エネルギー供給デバイスに電力を提供するための電力増幅器を備えて設計されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、エネルギー供給の目的で、特定の組織領域を物理的に取り囲むよう設計されている(例えば、デバイスの主本体及び調節可能な先端部は、特定の組織領域の周りに柔軟に形状化され得る)。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの主本体及び/又は調節可能な先端部は、組織内の正確な領域にエネルギーを供給する目的で、血管(例えば、肺静脈)の周りに柔軟に形状化され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、可撓性領域と非可撓性領域の両方を備える主本体を有するよう構成されている。エネルギー供給デバイスは、可撓性領域と非可撓性領域の両方を有する主本体に関して特定の構成に限定されていない。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、プラスチック(例えばPEEK)を含む。いくつかの実施形態では、非可撓性領域は、セラミックを含む。可撓性及び非可撓性領域は、エネルギー供給デバイスの本体内の特定の位置に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性領域は、一層少ない量のマイクロ波フィールド放出を受ける領域に位置決めされている。いくつかの実施形態では、非可撓性領域は、多い量のマイクロ波フィールド放出を受ける領域(例えば、誘電体強度及び機械的剛性をもたらすよう、アンテナの近位部分の上に位置する)に位置決めされている。いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、追加的な耐久性をもたらすため、遠位部分(例えば、アンテナ)の上に熱収縮部を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、アンテナの材料は、耐久性があり、高誘電定数をもたらす。いくつかの実施形態では、アンテナの材料は、ジルコニウム及び/又はジルコニウムの機能的等価物である。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、同一又は異なる電源に取り付けられた2つ以上の個別のアンテナとして提供される。いくつかの実施形態では、異なるアンテナは、同一ハンドルに取り付けられる一方、他の実施形態では、異なるアンテナが、各アンテナに設けられる。いくつかの実施形態では、患者体内で所望の強度及び幾何形状のエネルギーを供給するよう、同時に又は並列して(例えば、切り替え)、複数のアンテナが患者体内で使用されている。いくつかの実施形態では、アンテナは、個別に制御可能である。いくつかの実施形態では、複数アンテナは、単一ユーザによって、コンピュータによって、又は複数のユーザによって操作され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、滅菌野内で操作するよう設計されている。本発明は、特定の滅菌野環境に限定されない。いくつかの実施形態では、滅菌野は、対象を取り囲む領域(例えば、操作用テーブル)を囲む領域を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、滅菌済み物品(例えば、滅菌済みデバイス、滅菌済み付属剤、滅菌済み身体部分)だけにアクセス可能な任意の領域を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、病原体感染に弱い任意の領域を含む。いくつかの実施形態では、滅菌野は、その内部に、滅菌野と非滅菌野との間にバリアを確立する滅菌野バリアを有する。本発明は、特定の滅菌野バリアに限定されない。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、本発明の調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスの使用を伴う処置(例えば、組織切除)を受ける対象を取り囲むドレープである。いくつかの実施形態では、部屋は滅菌状態にあり、滅菌野を提供する。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、本発明のシステムのユーザ(例えば、医師)によって確立される。いくつかの実施形態では、滅菌野バリアは、滅菌野内に非滅菌物品の侵入を妨害する。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、滅菌野に設けられる一方、本システムの1つ以上の他の構成要素(例えば、電源)は、滅菌野内に入れられていない。
【0051】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、その内部に、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスの望ましくない使用を防止するように設計されている保護センサを有する。エネルギー供給デバイスは、特定のタイプ又は種類の保護センサに限定されない。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、その内部に、例えば、エネルギー供給デバイス及び/又はそのエネルギー供給デバイスに接触する組織の温度を測定するように設計されている温度センサを有する。いくつかの実施形態では、温度がある特定のレベルに到達すると、センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、その内部に、エネルギー供給デバイスと皮膚(例えば、皮膚の外側表面)との接触を検出するように設計された皮膚接触センサを有する。いくつかの実施形態では、望ましくない皮膚との接触時に、皮膚接触センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、その内部に、エネルギー供給デバイスと周囲空気との接触を検出する(例えば、デバイスを通過する電気の反射電力の測定によって検出する)ように設計された空気接触センサを有する。いくつかの実施形態では、望ましくない空気との接触時に、皮膚接触センサは、例えば、プロセッサを介してユーザに警告を通信する。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない発生(例えば、皮膚との接触、空気との接触、望ましくない温度の向上/低下)を検出すると、(例えば、電力供給を自動的に低下又は防止することによって)エネルギー供給デバイスの使用を防止するように設計されている。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない状況が発生しない状況にあってプロセッサが通知を表示(例えば、緑色ライト)するように、プロセッサと通信する。いくつかの実施形態では、センサは、望ましくない状況が発生する状況にあってプロセッサが通知(例えば、赤色ライト)を表示するように、プロセッサと通信し、望ましくない発生を識別する。
【0052】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、製造者の推奨する電力定格を超えて使用されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される冷却技法を適用して、一層高い電力供給を可能にする。本発明は、特定の量の電力増加に限定されない。いくつかの実施形態では、電力定格は、製造者の推奨の5倍又はそれ以上(例えば、5倍、6倍、10倍、15倍、20倍等)を超える。
【0053】
更に、本発明のデバイスは、異なる時間に(例えば、ユーザによる制御)、及び異なるエネルギー強度で(例えば、ユーザによる制御)、デバイスの異なる領域から(例えば、外部導体セグメントの隙間)エネルギーを供給するよう構成されている。このようなデバイスの制御により、特定の組織領域における建設的位相干渉、又は特定の組織領域における相殺的位相干渉を達成する目的で、エネルギー供給場の位相同期が可能になる。例えば、ユーザは、組み合わされたエネルギー強度(例えば、建設的位相干渉)を実現するよう、2つ(又はそれより多く)の、近接して位置決めされた外部導体セグメントを介して、エネルギー供給を使用することができる。このような組み合わされたエネルギー強度は、特に深い組織領域又は厚い組織領域に有用となり得る。更に、このような組み合わされたエネルギー強度は、2つ(又はそれより多い)のデバイスの利用により達成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス間での位相干渉(例えば、建設的位相干渉、相殺的位相干渉)は、プロセッサ、調整素子、ユーザ及び/又は電力分割器によって制御される。したがって、ユーザは、デバイスのさまざまな領域を介してエネルギーの放出を制御し、切除区域を正確にかたどる目的で、デバイスの各領域に供給されるエネルギー量を制御することができる。
【0054】
本発明は、デバイスを冷却する幅広い方法を設けている。いくつかの実施形態を使用して、溶融すると吸熱反応を生じる化学物質の接触を可能にする、溶融可能なバリアを使用する。
【0055】
いくつかの実施形態では、デバイスは、アンテナを特定の組織領域において固定するための固定素子を更に備える。デバイスは、特定のタイプの固定素子に限定されない。いくつかの実施形態では、固定素子は、膨張可能なバルーンである(例えば、バルーンの膨張によりアンテナを特定の組織領域に固定する)。膨張可能なバルーンを固定素子として利用する追加の利点は、バルーンの膨張時に特定の領域への血流又は気流を阻害することである。このような気流又は血流阻害は、例えば、心切除処置、並びに肺組織、血管組織及び胃腸組織を含む切除処置において特に有用である。いくつかの実施形態では、固定素子は、特定の組織領域に係合する(例えば、その上にラッチする)ように設計されたアンテナの拡張部である。更なる例としては、米国特許第6,364,876号及び同第5,741,249号に記載される固定素子が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、固定素子は、循環剤(例えば、その臨界点又はその近くで供給されるガスであるCO2)を有し、これはアンテナと組織との間の境界面を凍結させ、それによりアンテナを所定の位置に固着させる。そのような実施形態では、組織が溶解すると、アンテナは、組織乾燥に起因して組織領域に固定された状態となる。
【0056】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、多量の気流及び/又は血流を有する組織領域(例えば、肺組織、心組織、胃腸組織、血管組織)の切除に使用されている。多量の気流及び/又は血流を有する組織領域の切除を伴ういくつかの実施形態では、素子が、その組織領域への気流及び/又は血流を阻害するために更に利用される。本発明は、特定の気流及び/又は血流阻害素子に限定されない。いくつかの実施形態では、デバイスは、気管内/気管支内管と組み合わされる。いくつかの実施形態では、デバイスに取り付けられたバルーンは、所望の組織領域内にデバイス(複数可)を固定し、所望の組織領域への血流及び/又は気流を阻害する目的で、組織領域において膨張させることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、その内部に、例えば、デバイスの一部若しくは部分を冷却又は加熱するのを防止すると同時に、その他の部分の冷却又は加熱を可能にするよう、エネルギー供給デバイスの内部部分を隔離するよう設計されたプラグ領域を有する。このプラグ領域は、任意の所望の領域又はエネルギー供給デバイスの領域と任意の他の領域とを隔離するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー供給デバイスの1つ以上の領域が冷却されるのを防止するよう設計されている。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、切除エネルギーを供給するよう構成されているエネルギー供給デバイスの部分が冷却されるのを防止するよう設計されている。プラグ領域は、デバイスのある部分が冷却されるのを防止する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、温度の低下した領域(例えば、循環式クーラントを有するエネルギー供給デバイスの領域)と接触するよう設計されている。いくつかの実施形態では、プラグ領域の材料は、その温度が大幅に低下することなく(例えば、断熱材料)、低温を有する材料又は領域に接触することが可能となるようなものである。プラグ領域は、特定のタイプの断熱材料(例えば、合成ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアイシネン(polyicynene)、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート)、エアロゲル、ガラス繊維、コルク)に限定されない。プラグ領域は、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、プラグ領域のサイズは、循環クーラントの冷却効果が、エネルギー供給デバイスの他の領域の温度を低下するのを防止可能とするものである。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー供給デバイスのカニューレ部分全体に沿って位置決めされている。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー供給デバイスのカニューレ部分の遠位部分に位置決めされている。いくつかの実施形態では、プラグ領域は、エネルギー供給デバイスのカニューレ部分の外側部分を包み込む。
【0058】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、その内部に、エネルギー供給デバイスを組織領域に固定するよう設計されている「固着」領域を有する。固着領域は、組織領域へのエネルギー供給デバイスの接続を容易にする特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域は、組織領域との接触時に、組織領域が固着領域に接着し、それによって、エネルギー供給デバイスと組織領域との付着がもたらされるよう、温度を低下した状態を得て、これを維持するように構成されている。固着領域は、特定の材料組成に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域は、例えば、金属材料、セラミック材料、プラスチック材料及び/又はこのような物質の任意の組合せである。いくつかの実施形態では、固着領域は、組織領域との接触時に、固着領域上への組織領域の接着を誘発するような温度状態を得て、これを維持することが可能である、任意の種類の材料を含む。固着領域は、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、固着領域のサイズは、同時の組織切除中に、及び/又はエネルギー供給デバイスの同時の移動(例えば、位置決め)中に、組織領域の接着を維持することが可能な程度である。いくつかの実施形態では、2つ以上の固着領域が設けられる。いくつかの実施形態では、固着領域は、シールを用いてデバイスの遠位領域に露出されるのが防止される。いくつかの実施形態では、シールは、固着領域とデバイスの遠位領域との間に位置決めされ、それによって、固着領域が遠位領域に露出されるのを防止する。いくつかの実施形態では、シールは、空気/ガス中に、気密様式で構成されている。いくつかの実施形態では、シールは、デバイス(例えば、同軸領域)表面へのレーザー溶接である。いくつかの実施形態では、シールは、デバイス(例えば、同軸領域)に誘導はんだ付けされる。いくつかの実施形態では、シールは、部分的なレーザー溶接及び誘導はんだ付け(例えば、60%/40%、55%/45%、50%/50%)である。いくつかの実施形態では、固着領域は、調節可能な先端部の部分(すべて又は一部)である。いくつかの実施形態では、固着領域は、調節可能な先端部と隔離されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、最適化された特性インピーダンスによりマイクロ波エネルギーを供給するよう構成されている(例えば、米国特許出願公開第11/728,428号を参照されたい)。このようなデバイスは、50Ωよりも大きな(例えば、50~90Ωの間、例えば、50、...、55、56、57、58、59、60、61、62、...、90Ω超、好ましくは77Ωで)特性インピーダンスで操作するよう構成されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、クーラントの通路チャネルを有する(例えば、米国特許第6,461,351号及び米国特許出願公開第11/728,460号を参照されたい)。特に、本発明のエネルギー供給システムは、同軸構成要素の誘電体及び/又は内部導体若しくは外部導体を通して冷却材料を流すことによって冷却することを可能にする、同軸伝送線を伴うデバイスを利用する。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの直径を最小化すると同時に、クーラントの通過を可能にするように構成されている。これは、いくつかの実施形態では、帯状の内部導体若しくは外部導体及び/又は固体誘電体材料を、クーラントがそれを通して移送されるチャネルと置き換えることによって達成される。いくつかの実施形態では、チャネルは、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ)の区域から、同軸ケーブルの長さに沿って、内部導体若しくは外部導体及び/又は固体誘電体材料を取り除くことによって生成される。外部導体若しくは内部導体及び/又は固体誘電体材料の一部分を除去して、クーラントを移送するためのチャネルを作成することで取り除いた構成要素は、外部導体若しくは内部導体及び/又は固体誘電体材料を除去する前よりも小さい外部導体内に嵌合する。これにより、それに由来するすべての利点を有する、一層小さなデバイスが実現される。複数のチャネルが使用されるいくつかの実施形態では、クーラントは、1つ以上のチャネルを通して他の方向に移送されてもよい。このようなデバイスの利点は、クーラントを収容するために、同軸ケーブルの直径を増大させる必要がないことである。これにより、最小侵襲性である冷却デバイスの使用を可能にし、かつ別の場合であればアクセス不可能である、又は望ましくない危険性を伴わなければアクセス可能でない、身体領域へのアクセスを可能にする。クーラントの使用により、より大きなエネルギーの供給、及び/又は長期間にわたるエネルギーの供給もまた可能となる。
【0061】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、中央給電ダイポール構成要素を使用する(例えば、米国特許出願公開第11/728,457号を参照されたい)。デバイスは、特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、デバイスは、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)の印加を通して組織領域を加熱するための、中央給電ダイポールをその内部に有する。いくつかの実施形態では、このようなデバイスは、中空管に接続されている同軸ケーブルを有する(例えば、内径が、外径の少なくとも50%であり、例えば、内径が、外径と実質的に同様である)。同軸ケーブルは、標準的な同軸ケーブルであってもよく、又は導電率がほぼゼロの誘電体成分(例えば、空気)をその内部に有する同軸ケーブルであってもよい。中空管は、特定の設計構成に限定されない。いくつかの実施形態では、中空管は、例えば、20ゲージのニードルの形状(例えば、直径)をとることが想定される。好ましくは、中空管は、固体の剛性な導電材料(例えば、任意の数の金属、導体被覆セラミック又はポリマー等)から作製されている。いくつかの実施形態では、中空管は、例えばカニューレを使用せずに、デバイスを組織領域の中に直接挿入することを可能にするように、鋭利な先端部を有して、又はその遠位端部にスタイレットを付加して構成されている。中空管は、特定の組成(例えば、金属、プラスチック、セラミック)に限定されない。いくつかの実施形態では、中空管は、例えば、銅若しくは他の硬化金属との銅合金、銀若しくは他の硬化金属との銀合金、金めっきした銅、金属めっきしたMacor(機械加工可能なセラミック)、金属めっきした硬化ポリマー及び/又はこれらの組合せを含む。スタイレット先端部は、任意の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、その先端部は、硬化樹脂から作製されている。いくつかの実施形態では、その先端部は金属である。いくつかの実施形態では、スタイレット先端部は、チタン又はチタンの等価物から作製されている。いくつかの実施形態では、スタイレット先端部は、ジルコニア又はジルコニアの等価物に蒸される(braise)。いくつかのこのような実施形態では、金属製先端部は、アンテナの金属部分の延長部であり、電気的に活性である。
【0062】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、アンテナ構成要素の線形アレイを有する(例えば、米国仮特許出願公開第60/831,055号を参照されたい)。デバイスは、特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナ構成要素の線形アレイを有するエネルギー供給デバイスは、その内部に、内部導体及び外部導体を備えるアンテナを有しており、外部導体は、隙間によって隔離された2つ以上の線形セグメントに設けられており、こうして、セグメントの長さ及び位置は、アンテナの遠位端部において、エネルギーの供給を最適化するよう構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナは、アンテナの近位端部が遠位端部の近傍の領域にまで及ぶ外部導体の第1のセグメント、及び第1のセグメントに対して遠位にある外部導体の第2のセグメントを備えており、隙間は、第1のセグメントと第2のセグメントとを隔離するか、又は部分的に隔離する。隙間は、外部導体を完全に取り囲んでもよいか、又は外部導体の一部しか取り囲んでいなくてもよい。いくつかの実施形態では、第2のセグメントの長さは、λ/2、λ/4等であるが、本発明はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加(例えば、第3、第4、第5)のセグメントが、第2のセグメントに対して遠位に設けられ、これらのセグメントはそれぞれ、隙間によって他のものから隔離されている。いくつかの実施形態では、アンテナは、内部導体と電気的に連通する導電性終端部で終端する。いくつかの実施形態では、導電性終端部は、外部導体の直径と実質的に同じ直径を有するディスクを備える。このようなアンテナは、アンテナの遠位端部の長さに沿って、エネルギー供給の複数のピークをもたらし、標的組織の一層大きな領域に一層幅広い領域のエネルギー供給をもたらす。ピークの場所及び位置は、外部導体セグメントの長さを選択するとことによって、及び供給されるエネルギーの量を制御することによって制御される。
【0063】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスは、既存のアンテナとの連結のために、精密アンテナ又は精密プローブを有する。
【0064】
精密プローブは、特定のタイプのアンテナとの連結に限定されない。いくつかの実施形態では、アンテナは内部導体を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、三軸アンテナである(例えば、米国特許第7,101,369号を参照されたい、同様に米国特許出願公開第10/834,802号、同第11/236,985号、同第11/237,136号、同第11,237,430号、同第11/440,331号、同第11/452,637号、同第11/502,783号、同第11/514,628号、及び国際出願第US05/14534号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、アンテナは共軸アンテナである。いくつかの実施形態では、アンテナは、エネルギー(例えば、切除デバイス、外科用デバイス等)を供給(例えば、放出)するよう構成されている任意のタイプのデバイスである(例えば、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願公開第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号、英国特許出願第2,406,521号、同第2,388,039号、欧州特許第1395190号、及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号を参照されたい)。
【0065】
精密プローブは、特定の形状及び/又は設計に限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状は、アンテナの内部導体の上から適合させることが可能となるような形状である。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状及び/又は設計は、円筒形である。いくつかの実施形態では、精密プローブの形状及び/又は設計は、管状である。
【0066】
精密プローブは、アンテナ内の特定の位置決めに限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブを収容するため、アンテナの外部導体及び誘電体が、内部導体に沿って一部分を生成するよう取り除かれ、この場合、精密プローブは位置決めされている(例えば、それによって、露出した内部導体領域を生成する)。いくつかのこのような実施形態では、精密プローブは、露出された内部導体領域全体に沿って位置決めされている。いくつかのこのような実施形態では、アンテナスリーブ(例えば、ポリフルオロテトラエチレン又はPTFEアンテナスリーブ)は、露出した内部導体の部分に沿って位置決めされており、精密プローブは、露出した内部導体の残りの部分に沿って位置決めされている。
【0067】
精密プローブの導電性取付具は、アンテナの内部導体との連結の特定の様式に限定されない。いくつかの実施形態では、取付具は、内部導体にはんだ付けされる。いくつかの実施形態では、取付具は、内部導体にロウ付けされる。いくつかの実施形態では、取付具は、内部導体に圧着される。いくつかの実施形態では、取付具は、内部導体に溶接される。いくつかの実施形態では、精密プローブと内部導体との間の留め具は、電気導電性である。
【0068】
精密プローブは、特定のサイズ寸法に限定されない。いくつかの実施形態では、精密プローブのサイズ寸法は、任意のタイプ又はサイズのアンテナを収容するよう構成されている(例えば、内部導体又はアンテナ)。いくつかの実施形態では、精密プローブの直径サイズは、外側トロカールキャップ内に形成されているインピーダンスを最小化するようできるかぎり大きいものである。
【0069】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイス、及びシステムの1つ以上の構成要素に関するフィードバックを監視する、及び/又は制御する、及び/又は提供するプロセッサを含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、コンピュータモジュール内部に設けられる。コンピュータモジュールはまた、その機能のうちの1つ以上を実行するために、プロセッサによって用いられるソフトウェアを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、標的組織のサイズ及び形状、組織領域の温度等が挙げられるがこれらに限定されない組織領域の1つ以上の特徴を監視することを通して(例えば、フィードバックシステムを通して)、組織領域に提供されるマイクロ波エネルギーの量を調節するためのソフトウェアを提供する(例えば、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号及び同第11/728,428号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、リアルタイムで情報(例えば、監視情報)を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、本発明のエネルギー供給システムと相互作用するよう構成されており、こうして、このソフトウェアは、組織領域に供給されるエネルギーの量を増加又は低下させる(例えば、調整する)ことが可能となる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、エネルギー供給デバイスの調節可能な先端部の角度を調節するよう設計されている(
図1及び付随する記載を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、処置中に検出された状態変化に基づいて(例えば、最適組織治療領域の変化)、エネルギー供給デバイスの調節可能な先端部の角度を調節するよう設計されている。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、エネルギー供給デバイスの使用前にクーラントが所望の温度となるよう、例えば、エネルギー供給デバイスへの分配のためにクーラントを準備するように設計されている。いくつかの実施形態では、治療される組織のタイプ(例えば、肝臓)は、その特定のタイプの組織領域のために事前に較正された方法に基づいて、プロセッサに組織領域へのマイクロ波エネルギーの供給を調節(例えば、調整)させる目的で、ソフトウェアに入力される。他の実施形態では、プロセッサは、特定のタイプの組織領域に基づいて、システムのユーザに有用な特徴を表示するチャート又は略図を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、高温によって引き起こされる急速なガス放出に起因する組織の亀裂を回避するために電力をゆっくり上昇させる目的で、エネルギー供給アルゴリズムを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザが電力、治療期間、異なる組織タイプに対する異なる治療アルゴリズム、複数のアンテナモードにおけるアンテナへの電力の同時印加、アンテナ間で切り替えられた電力供給、可干渉性及び非干渉性位相整合等を選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、プロセッサは、類似の又は異なる患者特徴を有する以前の治療に基づいて、特定の組織領域に対する切除治療に関する情報のデータベース(例えば、特定の患者特徴に基づいて、必要とされるエネルギーレベル、組織領域の治療期間)の形成のために構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、遠隔制御によって操作される。
【0070】
いくつかの実施形態では、プロセッサを使用して、例えば、組織特徴(例えば、腫瘍タイプ、腫瘍サイズ、腫瘍位置、周囲血管情報、血流情報等)の入力に基づいて切除チャートを生成する。このような実施形態では、プロセッサは、切除チャートに基づいて所望の切除を達成するように、エネルギー供給デバイスの配置を指向することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアパッケージは、ユーザが治療される組織のパラメータ(例えば、切除される腫瘍又は組織断片のタイプ、サイズ、それが位置する場所、血管又は脆弱構造体の位置及び血流情報)を入力し、次いでCT又は他の画像上に所望の切除区域を描写して、所望の結果をもたらすことを可能にするプロセッサと相互作用するよう提供される。プローブは、組織内に配置されてもよく、コンピュータは、提供される情報に基づいて予想される切除区域を生成する。このような適用は、フィードバックを組み込むことができる。例えば、CT、MRI又は超音波撮像又は検温を、切除中に用いることができる。このデータは、コンピュータにフィードバックされ、パラメータを再調整して所望の結果をもたらす。
【0072】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、エネルギー供給システムの構成要素を監視及び/又は操作するために設けられている。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、タッチスクリーンインターフェースによって操作される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、無菌環境(例えば、処置室)内又は非無菌環境内で実行及び操作されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、処置デバイスハブ内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェアは、処置カート内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。ユーザインターフェースソフトウェアは、特定の機能に限定されない。ユーザインターフェースソフトウェアと関連付けられた機能の例としては、エネルギー供給システム内の構成要素ごとの使用数を追跡すること(例えば、エネルギー供給デバイスの使用回数を追跡すること)、各構成要素又は各構成要素の部品のリアルタイム温度を提供及び追跡すること(例えば、エネルギー供給デバイスに沿った異なる位置(例えば、ハンドルにて、固着部にて、先端部にて)でのリアルタイム温度を提供すること)(例えば、エネルギー供給システムと関連付けられたケーブルのリアルタイム温度を提供すること)、治療される組織のリアルタイム温度を提供及び追跡すること、エネルギー供給システムの一部又は全部を自動停止すること(例えば、緊急停止)、例えば処置の前、処置中及び処置の後に蓄積されたデータに基づいてレポートを生成すること、ユーザに可聴及び/又は視覚的アラートを提供すること(例えば、処置が開始及び/又は終了したことを示すアラート、温度が異常レベルに達したことを示すアラート、処置の長さがデフォルトを超えたことを示すアラート等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書において使用される場合、「コンピュータメモリ」及び「コンピュータメモリデバイス」という用語は、コンピュータプロセッサによって読み取り可能な任意の記憶媒体を指す。コンピュータメモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、コンピュータチップ、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等)、磁気ディスク(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスク、ZIP.RIM.ディスク等)、磁気テープ及び固体記憶デバイス(例えば、メモリカード、「フラッシュ」媒体等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書において使用される場合、「コンピュータ可読媒体」という用語は、情報(例えば、データ及び指示)をコンピュータプロセッサに記憶及び提供するための任意のデバイス又はシステムを指す。コンピュータ可読媒体の例としては、光学ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、固体媒体及びネットワーク上の媒体をストリーミングするためのサーバが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において使用される場合、「プロセッサ」及び「中央演算処理装置」又は「CPU」は、互換的に用いられ、コンピュータメモリデバイス(例えば、ROM又は他のコンピュータメモリ)からプログラムを読み取り、プログラムにしたがって一連の工程を実施することができるデバイスを指す。
【0075】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイス、及び撮像デバイスを備える撮像システムを含むシステムが提供される。エネルギー供給システムは、特定のタイプの撮像デバイスに限定されない(例えば、内視鏡デバイス、定位的コンピュータ支援神経外科的ナビゲーションデバイス、熱センサ位置決定システム、運動速度センサ、操縦ワイヤシステム、術中超音波、介在性超音波、マイクロ波撮像、音響トモグラフィー、二重エネルギー撮像、X線透視検査、コンピュータトモグラフィー磁気共鳴撮像、核医学撮像デバイス三角測量撮像、熱音響撮像、赤外線及び/又はレーザー撮像、電磁波撮像)(例えば、米国特許第6,817,976号、同第6,577,903号及び同第5,697,949号、同第5,603,697号、並びに国際公開第06/005,579号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、システムは、本発明のエネルギーシステムと共に用いられるアイテムのうちのいずれかの配置、位置決定及び/又は監視を可能にする又は支援する、内視鏡カメラ、撮像構成要素及び/又はナビゲーションシステムを利用する。
【0076】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給システムは、撮像装置(例えば、CT、MRI、超音波)を使用するために構成されたソフトウェアを提供する。いくつかの実施形態では、撮像装置ソフトウェアは、組織、脈管系及びアンテナ(複数可)の位置の既知の熱力学的かつ電気的特性に基づいて、ユーザが予測を行うことを可能にする。いくつかの実施形態では、撮像ソフトウェアは、組織領域(例えば、腫瘍、不整脈)の位置、アンテナ(複数可)の位置の3次元マップの生成、及び切除区域の予知マップの生成を可能にする。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明の撮像システムを使用して、切除処置(例えば、マイクロ波熱切除処置、無線周波熱切除処置)を監視する。本発明は、特定のタイプの監視に限定されない。いくつかの実施形態では、撮像システムを使用して、熱切除処置を受ける特定の組織領域(複数可)内で発生する切除の量を監視する。いくつかの実施形態では、監視は、切除デバイス(例えば、エネルギー供給デバイス)と共に動作し、こうして特定の組織領域に供給されたエネルギーの量は、組織領域の撮像に依存する。撮像システムは、特定のタイプの監視に限定されない。本発明は、撮像デバイスで監視されるものに限定されない。いくつかの実施形態では、監視は、例えば、熱切除処置前、処置中及び処置後に領域内の変化を検出するように、特定の領域の血液潅流を撮像している。いくつかの実施形態では、監視としては、MRI撮像、CT撮像、超音波撮像、核医学撮像及びX線透視検査撮像が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、熱切除処置の前に、造影剤(例えば、ヨード又は他の好適なCT造影剤、ガドリニウムキレート又は他の好適なMRI造影剤、微小気泡又は他の好適な超音波造影剤等)が、対象(例えば、患者)に供給され、切除処置を受ける特定の組織領域を通して潅流する造影剤は、血液潅流の変化について監視されている。いくつかの実施形態では、監視は、切除区域特性(例えば、直径、長さ、断面積、体積)に関する定性的情報である。撮像システムは、定性的情報を監視するための特定の技法に限定されない。いくつかの実施形態では、定性的情報を監視するために用いられる技法としては、非撮像技法(例えば、1つの介在性デバイス単独に基づく又は他の介在性デバイス若しくは外部デバイスと協働した、時間領域反射率測定、飛行時間パルス検出、周波数調節された距離検出、固有モード又は共振周波数検出又は任意の周波数での反射及び伝送)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、介在性デバイスは、撮像のためのシグナル及び/又は検出を提供する(例えば、電気音響撮像、電磁波撮像、電気インピーダンストモグラフィー)。いくつかの実施形態では、非撮像技法を使用して、アンテナを取り囲む媒体の誘電特性を監視し、共振周波数検出、反射光測定、又は距離測定技法、電力反射/介在性アンテナ又は外部アンテナからの伝送等を含むいくつかの手段を通して切除された領域と正常な組織との間の境界面を検出する。いくつかの実施形態では、定性的情報は、切除状態の推定、電力供給状態及び/又は電力が印加されていることを確認するための単純な実行/中止チェックである。
【0078】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、任意の所望の周波数で特定の組織領域を自動的に監視するように設計されている(例えば、秒間隔ごと、1分間隔ごと、10分間隔ごと、1時間間隔ごと等)。いくつかの実施形態では、本発明は、組織領域の画像(例えば、MRI撮像、CT撮像、超音波撮像、核医学撮像、X線透視検査撮像)を自動的に入手し、組織領域における任意の変化(例えば、血液潅流、温度、壊死組織の量等)を自動的に検出し、その検出に基づいて、エネルギー供給デバイスを通して組織領域に供給されるエネルギーの量を自動的に調節するように設計されたソフトウェアを提供する。同様に、アルゴリズムを適用して、切除される組織領域(例えば、腫瘍形状)の形状及びサイズを予測することができ、こうして、このシステムは、その領域を効果的に治療するために切除プローブのタイプ、数及び位置を推奨する。いくつかの実施形態では、システムは、ナビゲーション又はガイダンスシステムと共に構成され(例えば、三角測量又は他の位置決定ルーチンを用いる)、プローブ及びそれらの使用の配置を支援するか又は指向する。
【0079】
例えば、このような処置は、造影材料ボーラスの強化の有無を使用して、切除又は他の治療処置の進行を追跡することができる。サブトラクション方法(例えば、デジタル血管撮影に用いられるものと同様)を使用することもできる。例えば、第1の画像は、第1の時点で撮影され得る。その後の画像は、組織の変化がより容易に観察されるように、第1の画像から情報の一部又はすべてを差し引く。同様に、「アンダーサンプリング」技法を適用する(Nyquistサンプリングと対照的に)加速性撮像技法を使用してもよい。このような技法は、経時的に入手される複数の低解像度画像を用いて優れた信号対雑音比を提供することが企図される。例えば、本発明のシステムの実施形態に適用され得るHYPER(高度に制約された投影再構成)と呼ばれるアルゴリズムは、MRIに使用可能である。
【0080】
熱に基づく治療は、組織温度が、例えば、50℃を超えるときに血管を凝固させ、この凝固は、完全に凝固した領域への血流供給を減少させる。凝固されている組織領域は、造影剤の投与後に増大しない。いくつかの実施形態では、本発明は、撮像システムを利用して、例えば、造影剤の少量試験注入を行うことによって切除処置の進行を自動的に追跡して、問題の組織領域における造影剤の到達時間を判定し、ベースライン強化を確立する。いくつかの実施形態では、次に、一連の少量造影剤注入を切除処置の開始後に行い(例えば、CTの場合、一連の最大15回の10mLボーラスの300mgI/mL水溶性造影剤が注入される)、所望の適切な注入後時間(例えば、試験注入から判定される)において走査を行い、標的領域のコントラスト増強を、例えば、関心領域(ROI)を用いて判定して、CTの場合の減衰(Hounsfield Units[HU])、シグナル(MRI)、エコー輝度(超音波)等が挙げられるが、これらに限定されない多くのパラメータのうちのいずれか1つを追跡する。撮像されたデータは、特定の提示方法に限定されない。いくつかの実施形態では、撮像データは、カラーコード又はグレースケールマップ、又は減衰/シグナル/エコー輝度の変化、標的組織と非標的組織との間の差、治療中の造影剤ボーラスの到達時間の差、組織潅流の変化、及び造影剤の注入前及び注入後に測定され得る任意の他の組織特性のオーバレイとして提示される。本発明の方法は、選択されたROIに限定されないが、任意の画像内のすべての画素に一般化され得る。画素は、組織変化が発生した、及び発生している場所を明示するために用いられるカラーコード又はオーバレイとすることができる。画素は、組織特性が変化すると、色(又は他の特性)を変化させることができるため、治療の進行のほぼリアルタイムの表示を付与する。この方法はまた、画像表示の3d/4d方法に一般化することもできる。
【0081】
いくつかの実施形態では、治療される領域は、コンピュータオーバレイ上に提示され、異なる色又は陰影の第2のオーバレイは、治療の進行のほぼリアルタイム表示をもたらす。いくつかの実施形態では、この提示及び撮像は、自動化され、その結果、治療技術(RF、MW、HIFU、レーザー、低温等)に対するフィードバックループが存在して、撮像所見に基づいて電力(又は他の制御パラメータ)を調節する。例えば、標的領域に対する潅流が標的レベルまで減少される場合、電力は減少又は停止され得る。例えば、このような実施形態は、電力/時間/周波数/負荷サイクル等が、位相同期されたアレイシステムにおける各個々のアプリケータ又は素子に対して調節され、組織治療の精密にかたどられた区域を形成するため、複数のアプリケータシステムに適用可能である。反対に、いくつかの実施形態では、本方法を使用して、治療されない領域(例えば、胆管、腸等の回避される必要がある脆弱構造)を選択する。このような実施形態では、本方法は、回避される領域内の組織変化を監視し、ユーザ(例えば、治療医師)は、保存される構造が損傷の危機にあるというアラーム(例えば、可視及び/又は可聴アラーム)を用いて警告する。いくつかの実施形態では、フィードバックループを使用して、治療されないと選択された組織領域に対する連続した損傷を回避するため、電力又は任意の他のパラメータを修正する。いくつかの実施形態では、切除からの組織領域の保護は、脆弱領域内の標的ROI等の閾値を設定するか、又はコンピュータオーバレイを用いて、ユーザにより所望される「無治療」区域を定義することによって達成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイス、及び組織領域に供給されるエネルギーの量を調節するための調整素子を含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、調整素子は、システムのユーザによって手動で調節される。いくつかの実施形態では、調整システムは、ユーザがデバイスのエネルギー供給を所望するとおりに調節できるように、エネルギー供給デバイスに組み込まれる(例えば、米国特許第5,957969号、同第5,405,346号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、デバイスは、所望の組織に対して事前調整され、処置全体を通して固定されている。いくつかの実施形態では、調整システムは、発生器とエネルギー供給デバイスとの間のインピーダンスを一致させるように設計されている(例えば、米国特許第5,364,392号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、調整素子は、本発明のプロセッサによって自動的に調節及び制御される(例えば、米国特許第5,693,082号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、プロセッサは、熱、標的組織の性質及び/又は位置、所望される病変のサイズ、治療時間の長さ、敏感な器官領域又は血管への接近等が挙げられるが、これらに限定されない任意の数の所望の因子を考慮して、エネルギー供給を経時的に調節して、処置全体を通して一定のエネルギーを提供する。いくつかの実施形態では、本システムは、デバイスの機能を継続的に又は時点で監視するユーザ又はプロセッサにフィードバックを提供するセンサを備える。センサは、システムの構成要素の1つ以上の位置における熱、組織における熱、組織の特性等が挙げられるが、これらに限定されない任意の数の特性を記録及び/又は報告を返すことができる。センサは、CT、超音波、磁気共鳴撮像、又は任意の他の撮像デバイス等の、撮像デバイスの形態であり得る。いくつかの実施形態では、特に研究用途の場合、システムは、一般にシステムの今後の最適化及び/又は特定の条件(例えば、患者のタイプ、組織のタイプ、標的領域のサイズ及び形状、標的領域の位置等)でのエネルギー供給の最適化における使用のために情報を記録及び保管する。
【0083】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイス(例えば、組織切除カテーテル)内、及びそれに沿った、望ましくない加熱を低減するように、調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイス及びクーラントシステムを含むシステムが提供される。本発明のシステムは、特定の冷却システムの機構に限定されない。いくつかの実施形態では、本システムは、エネルギー供給デバイス全体に、クーラント(例えば、空気、液体等)を循環させるよう設計され、こうして、同軸伝送線(複数可)及びアンテナ(複数可)の温度を低下させる。いくつかの実施形態では、本システムは、その内部に、クーラントの循環を収容するように設計されているチャネルを有するエネルギー供給デバイスを利用する。いくつかの実施形態では、システムは、アンテナを外部から冷却する目的で、アンテナの周囲、又はアンテナの一部が包み込まれたクーラントシースを設けている(例えば、米国特許出願公開第11/053,987号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本システムは、周辺組織表面に熱の消散を限定する目的で、アンテナ周りを覆う導電体を有するエネルギー供給デバイスを利用する(例えば、米国特許第5,358,515号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、クーラントが循環すると、例えば、廃棄レセプタクルへと排出される。いくつかの実施形態では、クーラントが循環すると、再循環される。いくつかの実施形態では、クーラントは、その臨界点で、又はその近辺で、ガス循環される。いくつかの実施形態では、その臨界点又はその近辺で送り込まれるガスは、二酸化炭素ガスである。いくつかの実施形態では、本エネルギー供給デバイスは、その臨界点又はその近辺でクーラントを保持するよう、所望の圧力で、輸送されるクーラント(例えば、その臨界点又はその近辺の二酸化炭素ガス)を圧縮するよう構成されている。
【0084】
いくつかの実施形態では、本システムは、アンテナの表面から組織を引き離す目的で、エネルギー供給デバイスに連動する拡張性バルーンを利用する(例えば、米国特許出願公開第11/053,987号を参照されたい)。
【0085】
いくつかの実施形態では、本システムは、エネルギー供給デバイス内、及びそれに沿った望ましくない加熱を低減する目的で、エネルギー供給デバイス表面に取り付けるよう構成されているデバイスを利用する(例えば、米国特許出願公開第11/237,430号を参照されたい)。
【0086】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイス、及び本システムの1つ以上の構成要素に関連する識別素子(例えば、RFID素子、識別リング(例えば、フィデューシャル)、バーコード等)を含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、識別素子は、システムの特定の構成要素に関する情報を伝達する。本発明は、伝達される情報によって限定されない。いくつかの実施形態では、伝達される情報としては、構成要素のタイプ(例えば、製造業者、サイズ、エネルギー定格、組織構成等)、構成要素が以前に用いられたかどうか(例えば、非滅菌構成要素が用いられないことを確実にするため)、構成要素の位置、患者特定の情報等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、情報は、本発明のプロセッサによって読み取られる。いくつかのこのような実施形態では、プロセッサは、識別素子を含む構成要素と共に使用するため、又はそれと共に最適に使用するためのシステムの他の構成要素を構成する。
【0087】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、特定のエネルギー供給デバイスの識別を改善する(例えば、同様の外観を有する他のデバイスの近位に位置する特定のデバイスの識別を改善する)よう、その上に1つ以上のマーキング(例えば、スクラッチ、色スキーム、エッチング(例えば、レーザーエッチング)、ペイントされた造影剤マーキング、識別リング(例えば、フィデューシャル)、及び/又は隆起部)を有する。マーキングは、複数のデバイスが患者に挿入される場合に特定の用途を見出す。このような場合、特に、デバイスがさまざまな角度で互いに交差し得る場合、治療医師にとって、患者の体外に位置するデバイスのどの近位端部が、患者の体内に位置するデバイスのどの遠位端部に対応するかを関連付けることは困難である。いくつかの実施形態では、マーキング(例えば、番号)は、医師の目に見えるようにデバイスの近位端部に存在し、第2のマーキング(例えば、番号に対応するもの)は、体内に存在するときに撮像デバイスによって見ることができるようにデバイスの遠位端部に存在する。いくつかの実施形態では、一式のアンテナが用いられる場合、その一式の個々の部材は、近位端部及び遠位端部の両方に番号がつけられる(例えば、1、2、3、4等)。いくつかの実施形態では、ハンドルに番号をつけ、一致する番号のついた取り外し可能な(例えば、使い捨て)アンテナが、使用前にハンドルに接続されている。いくつかの実施形態では、本システムのプロセッサは、ハンドル及びアンテナが適切に一致することを(例えば、RFIDタグ又は他の手段によって)確実にする。いくつかの実施形態では、アンテナが使い捨てである場合、このシステムは、使い捨て構成要素を再利用しようとする場合、それがいつ廃棄されるべきであったかを警告する。いくつかの実施形態では、マーキングは、MRI、CT及び超音波検出が挙げられるが、これらに限定されない検出システムの任意のタイプの識別を改善する。
【0088】
本発明のエネルギー供給システムは、特定のタイプの追跡デバイスに限定されない。いくつかの実施形態では、GPS及びGPS関連デバイスが用いられる。いくつかの実施形態では、RFID及びRFID関連デバイスが用いられる。いくつかの実施形態では、バーコードが用いられる。
【0089】
そのような実施形態では、識別素子によるデバイスの使用前の認証(例えば、コードの入力、バーコードの走査)は、このようなデバイスの使用前に必要とされている。いくつかの実施形態では、情報素子は、構成要素が以前に用いられたことを識別し、プロセッサに情報を送信して、新たな滅菌構成要素が提供されるまで、システムの利用をロックする(例えば、遮断する)。
【0090】
いくつかの実施形態では、調節可能な先端部及び温度監視システムを有する1つ以上のエネルギー供給デバイスを含むシステムが提供される。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、(例えば、温度センサにより)エネルギー供給デバイスの温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、組織領域(例えば、治療される組織、周囲組織)の温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムは、温度情報をユーザ又はプロセッサに提供して、プロセッサがシステムを適切に調節することを可能にする目的で、プロセッサと通信するように設計されている。いくつかの実施形態では、温度は、アンテナに沿っていくつかの点で監視され、切除状態、冷却状態、又は安全性チェックについて判断する。いくつかの実施形態では、アンテナに沿っていくつかの点で監視された温度を用いて、例えば、切除区域の地理的特徴(例えば、直径、深さ、長さ、密度、幅等)を(例えば、組織タイプ及びエネルギー供給デバイスにおいて用いられる電力の量に基づいて)判定する。いくつかの実施形態では、アンテナに沿っていくつかの点で監視される温度を用いて、例えば、処置の状態(例えば、処置の終了)を判定する。いくつかの実施形態では、温度は、介在性アンテナを通して熱電対又は電磁手段を用いて監視される。
【0091】
本発明のシステム(調節可能な先端部を有する1つ以上のエネルギー供給デバイスを有する)は、本発明の利点を直接又は間接的に利用するか、又はそれを支援するかのどちらかを行う1つ以上の追加の構成要素を更に使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の監視デバイスを用いて、システムの任意の1つ以上の構成要素の機能を監視及び/又は報告する。更に、本発明のデバイスと併せて直接的又は間接的に使用され得る任意の医療デバイス又はシステムが、本システムと共に含まれてもよい。このような構成要素としては、滅菌システム、デバイス及び構成要素、その他の外科的、診断的又は監視デバイス又はシステム、コンピュータ機器、手引書、説明書、ラベル、並びにガイドライン、ロボット機器等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施形態では、本システムは、ポンプ、容器、管、配線又は本発明のシステムのさまざまな構成要素と接続する材料を提供する他の構成要素を用いる。例えば、任意のタイプのポンプを用いて、本発明のアンテナに気体又は液体クーラントを供給することができる。クーラントを含む気体又は液体取り扱い用タンクがシステムに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のタンク(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100等)が、同時に次々と、又は必要に応じて使用されている。いくつかの実施形態では、1つのタンクが空になったとき、処置の中断を防止するよう、追加のタンクが自動的に用いられるように、1つを超えるタンクが用いられる(例えば、1つのCO2タンクが空になったとき、第2のCO2タンクが自動的に用いられ、それにより処置の中断を防止する)。CO2が使用されるいくつかの実施形態では、標準EサイズのCO2シリンダを使用してCO2を供給する。
【0093】
いくつかの実施形態では、本システムは1つ以上の外部加熱デバイスを使用する。本システムは、外部加熱デバイスのための特定の使用に限定されない。いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスを使用して、特定の温度範囲内に本システムのある特定の素子を保持する。例えば、いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスを使用して、特定の温度範囲内に、1つ以上のデバイスにクーラントを供給するガス又は液体取り扱い用タンク(例えば、CO2を含むタンク)を保持する。実際に、いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、タンクの内容物の放出時にタンクが受ける温度の自然な低下を防止し、それによりデバイスに供給されるクーラントが一定温度又は温度範囲になることを確実にする。本システムは、特定の外部加熱デバイスに限定されない。外部加熱デバイスは、特定の範囲内に温度を保持する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、外部加熱デバイスは、5860kPa(1平方インチあたり850ポンド)でCO2を放出すると、圧力を保持するよう、ガス又は液体の取り扱い用タンク(例えば、CO2を含有するタンク)(例えば、CO2を含有するタンク(例えば、標準EサイズのCO2シリンダ)の加熱)の内部の圧力を、6895kPa(1平方インチあたり1000ポンド)で特定の範囲内に保持する。
【0094】
特定の実施形態では、エネルギー供給システム(例えば、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイス、プロセッサ、電源、撮像システム、温度調節システム、温度監視システム及び/又は識別システム)並びにすべての関連するエネルギー供給システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、クーラント、液体、圧力及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)は、望ましくない提示問題(例えば、組織化されていないエネルギー供給システム利用源に関連するもつれ、散乱及び無菌性の悪化)を低減する方法で提供される。本発明は、望ましくない提示問題が低減されるように、エネルギー供給システム及びエネルギー供給システム利用源を提供する特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックス、輸送シース及び処置デバイスポッドにより組織化されたエネルギー供給システム及びエネルギー供給システム利用源は、いくつかの利益をもたらす。このような利益には、発生器(例えば、マイクロ波発生器)と患者との間を横断するコード数の低下(例えば、床部表面のコード数の減少)、滅菌環境及び処置室の後片付けの低下、患者とエネルギー供給システムを「移動」させて、これによってデバイス移動(例えば、アンテナ移動)を防止することによる患者安全性の増大、エネルギー供給デバイス内のエネルギー移動距離を減少することによる電力供給効率の向上、及び使い捨てケーブルの長さの短縮による廃棄コストの減少が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
本発明は、特定のタイプ又は種類のインポート/エクスポートボックスに限定されない。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、電源及びクーラント供給を含む。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が治療される滅菌野の外側に位置する。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が治療される部屋の外側に位置される。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、患者が治療される部屋の内側に位置して、滅菌方法で維持される。いくつかの実施形態では、1つ以上のケーブルにより、インポート/エクスポートボックスが処置デバイスポッドに接続される。いくつかの実施形態では、単一ケーブルが用いられる(例えば、輸送シース)。例えば、いくつかのそのような実施形態では、輸送シースは、エネルギー及びクーラントの両方をインポート/エクスポートボックスへ及び/又はインポート/エクスポートボックスから供給するための構成要素を含む。いくつかの実施形態では、輸送シースは、医療実践者にとって物理的妨害を引き起こすことなく処置デバイスに接続する(例えば、床下、頭上等を通る)。いくつかの実施形態では、ケーブルは、低損失ケーブル(例えば、処置デバイスハブに電源を取り付ける低損失ケーブル)である。いくつかの実施形態では、低損失ケーブルは、ケーブルを偶発的に引き抜く事象における傷害を防止するように(例えば、処置デバイスハブに、処置テーブルに、天井に)固定されている。いくつかの実施形態では、電力発生器(例えば、マイクロ波電力発生器)及び処置デバイスハブを接続するケーブルは、低損失再利用ケーブルである。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー供給デバイスに接続するケーブルは、可撓性の使い捨てケーブルである。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー供給デバイスに接続するケーブルは、「記憶」特性を有する高い可撓性を有する(例えば、ケーブルは、1つ以上の所望の位置を保持する形状にすることができる)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブをエネルギー供給デバイスに接続するケーブルは、シリコーンで覆われたガラス繊維製のケーブルである。
【0096】
本発明は、特定のタイプ又は種類の処置デバイスポッドに限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、インポート/エクスポートボックス又は他の源から電力、クーラント又は他の要素を受容するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、医療デバイスにエネルギーを供給すること、医療デバイスにクーラントを循環させること、データ(例えば、撮像データ、エネルギー供給データ、安全性監視データ、温度データ等)を収集及び処理すること、医療処置を容易にする任意の他の機能を提供することのうちのいずれか1つ以上のために、物理的に患者の近くに位置する制御センターを提供する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、関連したエネルギー供給システム利用源を受容するように、輸送シースに係合するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、さまざまなエネルギー供給システム利用源を受容し、これを適用可能なデバイス(例えば、エネルギー供給デバイス、撮像システム、温度調節システム、温度監視システム及び/又は識別システム)に分配するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー供給システム利用源からマイクロ波エネルギー及びクーラントを受容し、エネルギー供給デバイスにマイクロ波エネルギー及びクーラントを分配するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、必要に応じて特定のエネルギー供給システム利用源の量をオンオフし、較正し、調節する(例えば、自動的に又は手動で)ように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、必要に応じて特定のエネルギー供給システム利用源の量を調節する(例えば、手動で又は自動的に調整オンにする、調整オフにする、較正する)ために、電力分割器を内部に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、所望の方法でエネルギー供給システム利用源を提供するように設計されたソフトウェアをその内部に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、各エネルギー供給システム利用源について関連した特徴(例えば、どのデバイスが現在、使用中か/使用中でないか、特定の身体領域の温度、特定のCO2タンク内に存在するガスの量等)を示す表示領域を有する。いくつかの実施形態では、表示領域は、タッチ能力(例えば、タッチスクリーン)を有する。いくつかの実施形態では、エネルギー供給システムと関連したプロセッサは、処置デバイスポッド内に位置する。いくつかの実施形態では、エネルギー供給システムと関連した電源は、処置デバイスポッド内に位置する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、望ましくない事象(例えば、望ましくない加熱、望ましくない漏出、望ましくない圧力変化等)の発生時に、1つ以上のエネルギー供給システム利用源を自動的に阻止するように構成されたセンサを有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブの重量は、患者に不快感及び/又は危害を及ぼさずに患者の身体上に配置され得るような重量である(例えば、6.8キログラム未満、4.5キログラム未満、2.3キログラム未満(15ポンド未満、10ポンド未満、5ポンド未満))。
【0097】
本発明の処置デバイスポッドは、特定の使用、又は特定の環境内での使用に限定されない。実際に、処置デバイスポッドは、エネルギーの放出が適用可能な任意の環境において使用されるよう設計されている。このような使用には、あらゆる医学的、獣医学的及び研究用途が挙げられる。更に、処置デバイスポッドは、農業環境、製造環境、機械環境又はエネルギーが供給される任意のその他の用途に使用され得る。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、患者移動が限定されない(例えば、CTスキャン、超音波撮像等)医療処置に使用されている。
【0098】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、滅菌環境内の位置に対して設計されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、患者のベッド(例えば、ベッド上、ベッドの手すり上)、患者が乗るテーブル(例えば、CT撮像、超音波撮像、MRI撮像等に使用するテーブル)、又は患者の近くの他の構造体(例えば、CTガントリー)に位置決めされている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、別個のテーブルに位置決めされている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、天井に取り付けられている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、ユーザ(例えば、医師)がそれを所望の位置に移動させることができるように天井に取り付けられる(それにより、使用中に患者上又は患者近くのエネルギー供給システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、クーラント、液体、圧力及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)を位置付ける必要性が回避される)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者に(例えば、患者の脚部、太腿、腰部、胸部に)載るように位置決めされている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者の頭部の上又は患者の足の下に位置決めされている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、所望の領域(例えば、処置テーブル、患者のドレープ及び/又はガウン)上への取り付けを可能にするベルクロを有する。
【0099】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、医療処置に用いられる処置ストラップ(例えば、CT安全性ストラップ)に取り付けるために構成されている。いくつかの実施形態では、処置ストラップは、処置テーブル(例えば、CTテーブル)に(例えば、処置テーブルの側面のスロットを通して、ベルクロを通して、接着部を通して、吸引口を通して)取り付けられ、それを用いて患者を処置テーブルに固定する(例えば、患者の周りに巻き付けること、例えばベルクロと接続することによって)。処置デバイスハブは、処置ストラップでの取り付けの特定の方法に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップに取り付けられている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップの交換を可能にする別個のストラップに取り付けられている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置ストラップに取り付けるように構成されている別個のストラップに取り付けられている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置テーブルの任意の領域に取り付けるように構成されている別個のストラップに取り付けられている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、患者の快適性を確保するために絶縁部及び/又はパッドを有する別個のストラップに取り付けられている。
【0100】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置リングへの取り付けのために構成されている。本発明は、特定のタイプ又は種類の処置リングに限定されない。いくつかの実施形態では、処置リングは、患者の周りに(例えば、患者の胴体、頭部、足、腕等の周りに)配置するために構成されている。いくつかの実施形態では、処置リングは、処置テーブル(例えば、CTテーブル)に取り付けるように構成されている。処置デバイスリングは、特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスリングは、例えば、楕円形、円形、矩形、対角線等である。いくつかの実施形態では、処置デバイスリングは、円筒形状のおよそ半分である(例えば、円筒形状の25%、円筒形状の40%、円筒形状の45%、円筒形状の50%、円筒形状の55%、円筒形状の60%、円筒形状の75%)。いくつかの実施形態では、処置リングは、例えば、金属、プラスチック、黒鉛、木、セラミック又はそれらの任意の組合せである。処置デバイスハブは、処置リングへの特定の取り付け方法に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、処置リングの上に(例えば、ベルクロを用いて、スナップオンを用いて、接着剤を用いて)取り付けられる。低損失ケーブルを利用するいくつかの実施形態では、追加の低損失ケーブルが処置リングの上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、処置リングのサイズは、患者のサイズに順応するように調節(例えば、格納、展延)され得る。いくつかの実施形態では、追加のアイテムが、処置リングに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、処置リングは、容易に患者の方に移動し、患者付近から引き離すことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープの上に取り付けるよう構成されている。本発明は、特定のタイプ又は種類のカスタム滅菌ドレープに限定されない。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、患者の身体上(例えば、患者の胴体、頭部、足、腕、全身等)に配置するよう構成されている。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、処置テーブル(例えば、CTテーブル)に取り付けるように構成されている。カスタム滅菌ドレープは、特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、例えば、楕円形、円形、矩形、対角線等である。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープの形状は、それが患者の特定の身体領域を収容するような形状である。いくつかの実施形態では、処置リングは、例えば、布、プラスチック又は任意のそれらの組合せである。処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープへの特定の取り付け方法に限定されない。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、カスタム滅菌ドレープの上に(例えば、ベルクロで、スナップオンで、接着剤で、クランプ(例えば、アリゲータクランプ)で)取り付ける。低損失ケーブルを利用するいくつかの実施形態では、追加の低損失ケーブルをカスタム滅菌ドレープの上に取り付ける。いくつかの実施形態では、追加のアイテムは、カスタム滅菌ドレープに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、容易に患者の方に移動するができ、また患者から引き離すことができる。いくつかの実施形態では、カスタム滅菌ドレープは、医療処置を実施する目的でもう1つの開窓を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、ハブを患者の近傍に位置決めするために脚部を有して構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、調節可能な脚部を有する(例えば、それにより処置デバイスハブをさまざまな位置に位置決めすることを可能にする)。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、3つの調節可能な脚部を有し、これにより、デバイスをさまざまな3ポッド位置に位置決めすることが可能になる。いくつかの実施形態では、脚部は、ベルクロを内部に有し、所望の領域(例えば、処置テーブル、患者のドレープ及び/又はガウン)の上への取り付けを可能にする。いくつかの実施形態では、脚部は、処置テーブル(例えば、CTテーブル)の上に弧を形成し、処置テーブルのレールを圧迫するように構成されたばね状材料から形成されている。いくつかの実施形態では、脚部は、処置テーブルのレールの上に取り付けるように構成されている。
【0103】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、プロセッサ(例えば、コンピュータ、インターネット、携帯電話、PDA)と(無線又は有線で)通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、遠隔制御を介して操作され得る。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、1つ以上のライトを上に有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、電力が処置デバイスハブからエネルギー供給デバイスに流れると、検出可能なシグナル(例えば、聴覚、視覚(例えば、パルスライト))を提供する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、聴覚入力(例えば、MP3プレーヤー)を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、音(例えば、MP3プレーヤーからの音)を提供するためのスピーカーを有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、外部スピーカーシステムへの音を提供するための聴覚出力を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドの使用は、一層短いケーブル、ワイヤ、コード、管及び/又はパイプの使用を可能にする(例えば、122センチメートル未満、91センチメートル未満、61センチメートル未満(4フィート未満、3フィート未満、2フィート未満))。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッド及び/又はそれに接続されるもう1つの構成要素又はそれらの部分は、滅菌シースによって被覆されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスハブは、電力を(例えば、エネルギー供給デバイスに)供給するための電力増幅器を有する。
【0104】
いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、例えば、冷却又は温度維持を改善するために、クーラントを所望の圧力(例えば、ガスの臨界点)で保持するように、輸送されたクーラント(例えば、CO2)を、任意の所望の圧力で圧縮するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、ガスは、デバイス、線、ケーブル又は他の構成要素を一定の規定温度又はその近くで維持する目的で、その臨界点又はその近くで供給される。いくつかのそのような実施形態では、構成要素は、その温度が開始温度(例えば、室温)から低下しないという点で、それ自体は冷却されないが、代わりに、介入を行う場合、構成要素より低い一定温度で維持される。例えば、CO2をその臨界点又はその近く(例えば、78.21kPaで31.1℃)で使用することができ、本システムの構成要素は組織を火傷しないように十分に冷たい温度を維持するが、それらは、構成要素と接触した皮膚が凍結するか、又はそうでない場合、冷却によって損傷されるほどに、室温又は体温よりも著しく低く冷却又は維持されない。そのような構成を用いることは、人々から又は周囲環境から遮断されなければならない「冷たい」構成要素がないため、絶縁の使用をより少なくすることが可能になる。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー、ガス、クーラント、液体、圧力及び/又は通信アイテムを提供する、使用済み及び/又は未使用のケーブル、ワイヤ、コード、管及びパイプをリコイルするように設計された格納素子を有する。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー供給デバイスの使用前にクーラントが所望の温度であるよう、例えば、エネルギー供給デバイスに分配するためのクーラントを準備するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置デバイスポッドは、エネルギー供給デバイスの使用前にシステムが所望の温度であるように、例えば、エネルギー供給デバイスに分配するためのクーラントを準備するように構成されたソフトウェアを内部に有する。いくつかの実施形態では、臨界点又はその近くでのクーラントの循環により、追加の冷却機構(例えば、ファン)を用いる必要なく、エネルギー供給デバイスの電子素子の冷却が可能になる。
【0105】
例示的な一実施形態では、インポート/エクスポートボックスは、1つ以上のマイクロ波電源及びクーラント供給源(例えば、加圧された二酸化炭素ガス)を含有する。このインポート/エクスポートボックスは、処置デバイスポッドにマイクロ波エネルギー及びクーラントの両方を供給する、単一の輸送シースに接続されている。輸送シース内のクーラント線又はエネルギー線を互いの周りに巻き付けて、輸送シース自体の最大冷却を可能にすることができる。輸送シースは、患者を担当する医療チームの動きを妨害しない位置で床に沿い、処置が行われる滅菌野に到達する。輸送シースは、患者が上に横たわる撮像テーブルの近くにあるテーブルに接続する。テーブルは、可動型(例えば、車輪上)であり、一緒に動くように撮像用テーブルに接続可能である。テーブルは、患者の上及び全体にわたってアームの位置決めを可能にするように、可撓性又は伸縮式とすることができるアームを含む。輸送シース又は輸送シースに接続されるケーブルは、アームに沿って頭上位置に到達する。アームの末端には、処置デバイスポッドがある。いくつかの実施形態では、2つ以上のアームには、2つ以上の処置デバイスポッド又は単一処置デバイスポッドの2つ以上のサブ構成要素が設けられる。処置デバイスポッドは小さく(例えば、30cm未満の立方体(1フット未満の立方体)、10cm未満の立方体等)、患者の上での容易な移動及び位置決めが可能となる。処置デバイスポッドは、システムのすべての演算側面を制御するためのプロセッサを含む。デバイスポッドは、エネルギー供給デバイスにつながるケーブルを接続するための1つ以上の接続ポートを含む。ケーブルは、ポートに接続される。ケーブルは、格納可能であり、91センチメートル(3フィート)未満の長さである。短いケーブルの使用は、費用を低減し、電力損失を防止する。使用中でない場合、ケーブルは、患者の上の空中に、患者の身体と接触しないで吊下される。ポートは、使用中でない場合(例えば、エネルギー供給デバイスが特定のポートに接続されていない場合)、ダミー負荷で構成されている。処置デバイスポッドは、治療する医師の手の届く範囲内にあり、その結果、コンピュータ制御が調節され、表示された情報を、処置中にリアルタイムで見ることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、エネルギー供給システムは、1つの領域内にシステム素子を維持するための処置カートを利用する。例えば、いくつかの実施形態では、本システムは、デバイスの冷却目的のための冷却供給物を貯蔵するよう構成されている処置カート(例えば、本発明のデバイスにガス又は液体クーラントを供給する複数のタンク)(例えば、標準EサイズのCO2シリンダ)、所望の圧力でのクーラント供給を維持するための外部加熱用デバイス、1つ以上の電源、1つ以上の関連エネルギー供給システム利用源(例えば、エネルギー、ガス、クーラント、液体、圧力及び通信アイテムを提供するケーブル、ワイヤ、コード、管、パイプ)及び/又は処置デバイスハブを設けている。実際に、処置カートは、特定の設計又は目的に限定されない。いくつかの実施形態では、処置カートは、滅菌環境(例えば、処置室)内で使用するよう構成されており、その内部に、冷却用タンク、関連外部加熱用デバイス及び処置デバイスポッド/ハブを有する。いくつかの実施形態では、処置カートは、非滅菌環境に対してのみに構成されている。いくつかの実施形態では、処置カートは、容易に移動できるよう構成されている(例えば、車輪を備えて設計されている)。処置カートは、本発明のエネルギー供給システムの任意の構成要素(例えば、インポート/エクスポートボックス、輸送シース及び/又は処置デバイスハブ)と接続するよう構成されている。いくつかの実施形態では、処置カートは、エネルギー供給システムの構成要素を操作する及び/又は監視するための表示領域をその内部に有する(例えば、ユーザインターフェースソフトウェア)。いくつかの実施形態では、処置カートは、プロセッサ(例えば、コンピュータ、インターネット、携帯電話、PDA)と(無線又は有線で)通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置カートは、エネルギー供給システムに関連する情報(例えば、各構成要素の使用数、どのデバイスが使用中であるか等)を送信及び受信(無線又は有線による)するよう構成されている。
【0107】
調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイスを含む本発明のシステムは、特定の用途に限定されていない。実際に、本発明のエネルギー供給システムは、エネルギーの放出が適用可能な任意の環境において使用するよう設計されている。このような使用には、あらゆる医学的、獣医学的及び研究用途が挙げられる。更に、本発明のシステム及びデバイスは、農業環境、製造環境、機械環境又はエネルギーが供給される任意のその他の用途に使用され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、このシステムは、観血手術、経皮、血管内、心臓内、内視鏡、腔内、腹腔鏡又は外科的エネルギー供給のために構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー供給デバイスは、カテーテルを介して、外科的に作られた開口部を介して、かつ/又は身体開口部(例えば、口、耳、鼻、眼、膣、陰茎、肛門)を介して、患者の体内に位置決めすることができる(例えば、N.O.T.E.S.処置)。いくつかの実施形態では、このシステムは、標的組織又は領域へエネルギーを供給するために構成されている。いくつかの実施形態では、位置決め用プレートは、本発明のエネルギー供給システムにより、経皮、血管内、心臓内、腹腔鏡及び/又は外科的エネルギー供給を改善するために設けられる。本発明は、特定のタイプ及び/又は種類の位置決め用プレートに限定されない。いくつかの実施形態では、位置決め用プレートは、経皮、血管内、心臓内、腹腔鏡及び/又は外科的エネルギー供給のために、所望の身体領域に、1つ以上のエネルギー供給デバイスを固定するよう設計されている。いくつかの実施形態では、位置決め用プレートの組成は、身体領域の、エネルギー供給システムに起因する望ましくない熱への曝露を阻止することが可能となるようなものである。いくつかの実施形態では、このプレートは、エネルギー供給デバイスの位置決めを支援するためにガイドが設けられている。本発明は、標的組織又は領域の性質によって限定されない。用途としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、手術中、任意のその他の出血の制御目的での、出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌等の食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨及び良性骨性病態の治療、眼内用途、美容整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、脳、首、胸、腹及び骨盤が挙げられるがこれらに限定されない任意の所望の位置における、組織又は生体に対して最小の損傷での移動及び位置決めのために構成されている。いくつかの実施形態では、本システムは、例えば、コンピュータトモグラフィー、超音波、磁気共鳴撮像、X線透視検査等による誘導供給のために構成されている。
【0109】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域を治療する方法であって、組織領域及び本明細書に記載されているシステム(例えば、調節可能な先端部を有するエネルギー供給デバイス、及び以下の構成要素のうちの少なくとも1つ:プロセッサ、電源、温度監視器、撮像装置、調整システム及び/又は温度低減システム)を用意することと、調節可能な先端部を、エネルギー供給デバイスの主本体に対して所望の角度及び/又は位置に調節することと、組織領域の近傍にエネルギー供給デバイスの一部を位置決めすることと、並びにデバイスによって組織領域にある量のエネルギーを供給することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、エネルギーの供給は、例えば、組織領域の切除及び/又は血管の血栓及び/又は組織領域の電気穿孔をもたらす。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、組織領域は、心臓、肝臓、生殖器、胃、肺、大腸、小腸、脳、首、骨、腎臓、筋肉、腱、血管、前立腺、膀胱及び脊髄のうちの1つ以上を含む。
【0110】
参照による援用
本明細書において言及されている特許書類及び科学文献の各々の全開示は、すべての目的のため参照により組み込まれている。
【0111】
等価物
本発明は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。したがって上述の実施形態は、本明細書に記載されている本発明を限定するというよりも、あらゆる点で例示とみなされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明によってよりもむしろ添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の等価物の意味及び範囲内に生じるすべての変更がその中に包含されることが意図されている。
【0112】
〔実施の態様〕
(1) エネルギー放出領域と、主本体と、可撓性継手と、調節可能な先端部と、を備える、エネルギー供給デバイスであって、
前記エネルギー放出領域が、切除エネルギーを放出するよう構成されており、
前記主本体が、前記エネルギー供給デバイスの主本体の直線軸を画定し、
前記可撓性継手が、前記主本体と前記調節可能な先端部との間に位置決めされており、
前記主本体の直線軸に対する前記可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に調節可能であり、このような所望の方向に固定することができるよう、前記可撓性継手が構成されており、
前記可撓性継手の調節が、前記調節可能な先端部の同じ調節をもたらす、
エネルギー供給デバイス。
(2) 前記主本体の直線軸に対する前記可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、回転自在に調節可能となるよう、前記可撓性継手が構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(3) 前記主本体の直線軸に対する前記可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、柔軟に調節可能となるよう、前記可撓性継手が構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(4) 前記主本体の直線軸に対する前記可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、手動により調節可能となるよう、前記可撓性継手が構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(5) 前記主本体の直線軸に対する前記可撓性継手の方向が、任意の所望の方向に、自動的に調節可能となるよう、前記可撓性継手が構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
【0113】
(6) 前記可撓性継手が成形可能な継手である、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(7) 前記可撓性継手が、可撓性であり、かつ調節可能な材料から形成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(8) 前記エネルギー放出領域が、ラジオ波切除エネルギーを放出するよう構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(9) 前記エネルギー放出領域が、マイクロ波切除エネルギーを放出するよう構成されている、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(10) 前記エネルギー放出領域が、マイクロ波アンテナを備える、実施態様9に記載のエネルギー供給デバイス。
【0114】
(11) 前記マイクロ波アンテナが、同軸伝送線を備える、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
(12) 前記マイクロ波アンテナが、三軸伝送線を備える、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
(13) 前記マイクロ波アンテナが、前記主本体、前記可撓性継手及び前記調節可能な先端部の全体にわたり延在する、実施態様1に記載のエネルギー供給デバイス。
(14) 前記マイクロ波アンテナが、前記主本体及び前記可撓性継手の全体にわたり延在し、前記調節可能な先端部の一部にわたり延在する、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
(15) 前記マイクロ波アンテナが、前記主本体及び前記可撓性継手の全体にわたり延在し、前記調節可能な先端部には延在していない、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
【0115】
(16) 前記マイクロ波アンテナが、前記主本体の全体にわたり延在し、前記可撓性継手の一部にわたり延在し、前記調節可能な先端部には延在していない、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
(17) 前記マイクロ波アンテナが、前記主本体の全体にわたり延在し、前記可撓性継手及び前記調節可能な先端部には延在していない、実施態様10に記載のエネルギー供給デバイス。
(18) 実施態様1に記載のデバイス、及び前記エネルギー供給デバイスに電気接続されている電源を備える、システム。
(19) 前記電源がマイクロ波エネルギーを発生させる、実施態様18に記載のシステム。
(20) サンプル内の組織領域を切除する方法であって、
実施態様1に記載のエネルギー供給デバイスを用意することと、
前記主本体の直線軸に対して所望の方向に前記可撓性継手を調節することと、
前記サンプル内の組織領域に前記エネルギー供給デバイスを位置決めすることであって、前記サンプルが、生存しているヒト対象内に存在する、ことと、
前記組織領域が切除されるような条件下で、前記サンプル内の前記組織領域に前記エネルギー供給デバイスからエネルギーを供給することと、
を含む、方法。