(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】相手側ハウジングによって解放可能な位置保証要素のためのブロック機構を備える電気プラグデバイス
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20230626BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20230626BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/629
H01R13/52 301H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021198211
(22)【出願日】2021-12-07
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】10 2020 132 994.6
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】カルロ ラバテ
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/092174(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629-13/641
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気コンタクト要素を受け入れるためのコネクタハウジング(11)を備える、電気プラグ接続のための電気プラグデバイス(1)であって、
前記コネクタハウジング(11)は、前記コネクタハウジング(11)に相補的に構成されている相手側コネクタ(5)の相手側ハウジング(19)への差込動作で差込接続されるように構成され、
前記電気プラグデバイス(1)は、前記相手側ハウジング(19)に係合可能に形成され、かつ前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)との差込動作のための駆動デバイス(21)を形成する少なくとも1つの接続補助具(13)を含み、前記接続補助具(13)は、前記コネクタハウジング(11)において差込位置(25)から保持位置(27)へ可動に保持され、
前記差込位置(25)における前記コネクタハウジング(11)は前記相手側ハウジング(19)に接続可能であり、前記保持位置(27)における前記相手側ハウジング(19)は前記コネクタハウジング(11)に保持され、
前記電気プラグデバイス(1)は、開位置(31)から固定位置(33)へ変位可能であるように前記コネクタハウジング(11)の外面(29)に保持される少なくとも1つの位置保証要素(15)を含み、前記接続補助具(13)は、前記位置保証要素(15)の前記開位置(31)において、前記差込位置(25)から前記保持位置(27)へ可動であり、前記位置保証要素(15)の前記固定位置(33)において、前記コネクタハウジング(11)の前記保持位置(27)に固定され、
前記位置保証要素(15)を前記開位置(31)にブロックし、かつ少なくとも1つの解放要素(37)を含むブロック機構(35)が設けられ、前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)とが差込接続されている状態(39)で、前記解放要素(37)により前記ブロック機構(35)が解放され
、
前記解放要素(37)は、前記コネクタハウジング(11)から離れるように弾性的に撓むことが可能である、
電気プラグデバイス(1)。
【請求項2】
前記コネクタハウジング(11)は内部空間(17)を有し、
前記内部空間(17)は、前記相手側ハウジング(19)に接続するために開くが、それ以外の場合は外部に対して閉じている、
請求項1に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項3】
前記位置保証要素(15)は、前記コネクタハウジング(11)の内部空間(17)に突出しない、
請求項1または2に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項4】
前記コネクタハウジング(11)は、前記位置保証要素(15)を変位可能に案内するため、および前記位置保証要素(15)を保持するための少なくとも1つのガイド構造(49)をその外面(29)に含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項5】
前記解放要素(37)の数は2つである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項6】
前記開位置(31)で、前記解放要素(37)と前記コネクタハウジング(11)との間に間隙(65)が延在し、
前記間隙(65)に前記相手側ハウジング(19)が係合して、前記ブロック機構(35)を解放することができる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項7】
前記ブロック機構(35)はロック要素(69)を含み、
前記ロック要素(69)は、前記コネクタハウジング(11)の前記外面(29)に配置され、前記位置保証要素(15)の前記開位置(31)で前記解放要素(37)をポジティブフィット方式で保持するように構成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項8】
前記位置保証要素(15)は翼部(59)を含み、
前記翼部(59)は、前記位置保証要素(15)の残りの部分から前記位置保証要素(15)の変位方向(41)に対して横方向に突出し、前記少なくとも1つの解放要素(37)を備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項9】
前記位置保証要素(15)を前記固定位置(33)に保持するために、前記位置保証要素(15)は少なくとも1つの捕捉要素(73)を含み、
前記捕捉要素(73)は、前記コネクタハウジング(11)において相手側捕捉要素(75)にポジティブフィット接続するように構成されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項10】
前記捕捉要素(73)は、弾性的に撓むことが可能なアーム(79)に配置された少なくとも1つの捕捉タブ(77)を含み、
前記相手側捕捉要素(75)は、前記捕捉タブ(77)のための少なくとも1つの捕捉レセプタクル(76)を含む、
請求項9に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項11】
前記捕捉要素(73)は前記解放要素(37)の一部である、
請求項9または10に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの接続補助具(13)はレバー(23)を含み、
前記レバー(23)は、前記コネクタハウジング(11)の前記外面(29)に回転可能に取り付けられ、前記位置保証要素(15)によって前記固定位置(33)にブロックされている、
請求項1から11のいずれか一項に記載の電気プラグデバイス(1)。
【請求項13】
相手側コネクタ(5)を備える、請求項1から12のいずれか一項により形成された電気プラグデバイス(1)への電気プラグ接続を確立するためのアセンブリ(3)であって、
前記相手側コネクタ(5)は、少なくとも1つのトリガ要素(106)を有する相手側ハウジング(19)を含み、
前記トリガ要素(106)により、前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)とが完全に差込接続されている状態(39)にあるときに前記ブロック機構(35)が解放され、前記位置保証要素(15)を前記開位置(31)から前記固定位置(33)へ変位させることができる、
アセンブリ(3)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトリガ要素(106)は、前記相手側ハウジング(19)の差込方向(7)に延在し、かつ前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)とが完全に差込接続されている状態(39)にあるときに前記解放要素(37)の下に係合する延長部(105)として形成されている、
請求項13に記載の電気プラグ接続を確立するためのアセンブリ(3)。
【請求項15】
前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)とは、前記コネクタハウジング(11)と前記相手側ハウジング(19)とが完全に差込接続されている状態(39)にあるときにシール接続となるように構成されている、
請求項13または14に記載の電気プラグ接続を確立するためのアセンブリ(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気プラグ接続のための電気プラグデバイスに関する。本発明はさらに、本発明による電気プラグデバイスへの電気プラグ接続を確立するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラグ接続のための電気プラグデバイス、特にコネクタまたはソケットが知られている。電気プラグデバイスは、一般に、少なくとも1つの電気コンタクト要素を受け入れるためのコネクタハウジングを備える。コネクタハウジングは、相補的に構成されている相手側コネクタの相手側ハウジングに差込接続するために使用される。差込接続した状態で、プラグデバイスの電気コンタクト要素を、相手側コネクタの電気コンタクト要素に電気的に接続することができる。プラグデバイスを相手側コネクタに差し込むことを容易にし、かつ相手側コネクタに差込接続したときにプラグ接続の意図しない解放に対してプラグデバイスを固定するために、多くの場合、差込動作のための駆動デバイスを形成する接続補助具が設けられ、相手側ハウジングをコネクタハウジングに保持することができる。
相手側ハウジングがコネクタハウジングに保持される保持位置にこのような接続補助具を固定するために、位置保証要素を使用することができ、この位置保証要素により、位置保証要素の固定位置で接続補助具が保持位置に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知のデバイスは、コネクタと相手側コネクタとを共に保持するために確かに有用である。特に、例えば電気自動車の電気システムにおける高電圧接続に関しては、プラグデバイスと相手側コネクタとが不完全または不適切に差込接続されることを防ぐことがさらに必要である。加えて、特に高電圧分野において、コネクタハウジングと相手側ハウジングとのシール接続を可能にするプラグデバイスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、電気プラグデバイスについて、電気プラグ接続体が、少なくとも1つの電気コンタクト要素を受け入れるためのコネクタハウジングを含み、コネクタハウジングは、コネクタハウジングに相補的に構成されている相手側コネクタの相手側ハウジングへの差込動作で差込接続されるように構成される。電気プラグデバイスは、少なくとも1つの接続補助具を含み、接続補助具は相手側ハウジングに係合可能に形成され、かつコネクタハウジングと相手側ハウジングとの差込動作のための駆動デバイスを形成する。接続補助具は、コネクタハウジングにおいて差込位置から保持位置へ可動に保持され、差込位置におけるコネクタハウジングは相手側ハウジングに接続可能であり、保持位置における相手側ハウジングはコネクタハウジングに保持される。電気プラグデバイスは、開位置から固定位置へ変位可能であるようにコネクタハウジングの外面に保持される少なくとも1つの位置保証要素を含む。接続補助具は、位置保証要素の開位置において、差込位置から保持位置へ可動であり、位置保証要素の固定位置において、コネクタハウジングの保持位置に固定され、位置保証要素を開位置にブロックし、かつ少なくとも1つの解放要素を含むブロック機構が設けられ、コネクタハウジングと相手側ハウジングとが特に完全に差込接続されている状態で、解放要素によりブロック機構が解放されて、特に位置保証要素を固定位置に変位させるという点で、満たされる。
【0005】
本発明による解決策は、相手側ハウジングとコネクタハウジングとが完全に差込接続されているときにのみ、位置保証要素を固定位置に変位させることを可能にする。ブロック機構は相手側ハウジングへの接続によって解放され、位置保証要素を固定位置に移動させて接続補助具を保持位置に固定することができる。これにより、相手側ハウジングがコネクタハウジングに完全に接続されることなく、接続補助具が保持位置に移動され、位置保証要素によってその固定位置に固定される可能性を排除することができる。これにより、コネクタの安全性が向上する。
【0006】
位置保証要素がコネクタハウジングの外面で変位可能に保持されることにより、コネクタハウジングの内部空間を、位置保証要素とは無関係に構成することができる。特に、位置保証要素が内部空間に突出する際に通る開口部なしで、コネクタハウジングを構成することができる。これにより、シール接続の確立を容易にすることができる。
【0007】
電気プラグ接続を確立するための本発明によるアセンブリは、アセンブリが本発明の意味における電気プラグデバイスに加えて相手側コネクタを備え、相手側コネクタは、少なくとも1つのトリガ要素を有する相手側ハウジングを含む。このトリガ要素により、コネクタハウジングと相手側ハウジングとが完全に差込接続されている状態でブロック機構が解放され、位置保証要素を開位置から固定位置へ変位させることができる点で、本発明による目的を満たす。
【0008】
本発明による解決策を、それ自体が有利であり、ランダムに組み合わせることができる様々な構成によってさらに改良することができる。これらの構成およびそれに関連する利点について、以下で説明する。
【0009】
第1の有利な構成によれば、解放要素は位置保証要素の一部であってよい。解放要素は、位置保証要素の残りの部分と一体に形成されることが好ましい。
【0010】
ブロック機構は、開位置にある位置保証要素をコネクタハウジングの外面にロックすることができるように構成されることが好ましく、解放要素は、相手側ハウジングによって、好ましくはコネクタハウジングから離れるように弾性的に撓むことが可能である。弾性的に撓む結果として、解放要素は、相手側ハウジングからの撓みがないときには元の位置に戻ることができる。
【0011】
さらなる有利な構成によれば、ブロック機構は、少なくとも1つの突起と、突起のための少なくとも1つのレセプタクル、特に凹部とを含むことができ、突起および凹部またはそれらの境界のそれぞれは共にロック機構を形成し、このロック機構により、少なくとも位置保証要素の変位方向にポジティブフィット接続を確立することができる。
【0012】
位置保証要素の紛失を防ぐために、位置保証要素は、コネクタハウジングにおいて捕捉されて保持されることが好ましい。
【0013】
コネクタハウジングの差込位置で、コネクタハウジングは、相手側ハウジングへの接続のために少なくとも部分的に開いており、言い換えると、相手側ハウジングにアクセス可能であるか、または相手側ハウジングを受け入れる準備ができている。接続補助具は、最終位置にある相手側ハウジングをコネクタハウジングに対して配置するときに、相手側ハウジングをコネクタハウジングにおいて保持位置に保持するように構成されることが好ましい。接続補助具の動作により、相手側ハウジングを、少なくとも部分的にコネクタハウジングに引き込むことができ、または構成に応じてコネクタハウジングに押し付けることができる。
【0014】
上記の最終状態で、コネクタハウジングと相手側ハウジングとは完全に差込接続されることが好ましく、接続補助具は保持位置にあり、位置保証要素は固定位置にある。この状態で、プラグデバイスと相手側コネクタとの接続が完了する。
【0015】
相手側ハウジングは、少なくとも1つのコンタクト要素を受け入れるように構成され、このコンタクト要素は、コネクタハウジングに配置されたコンタクト要素に電気的に接続するように構成されていることが好ましい。
【0016】
コネクタハウジングは内部空間を有することが好ましく、この内部空間は、相手側ハウジングに接続するために開くが、それ以外の場合は特にハウジング壁によって外部に対して閉じており、少なくとも1つの電気コンタクト要素を受け入れるように機能することが好ましい。言い換えると、コネクタハウジングの内部空間は、コネクタ面を除いて外部に対して密閉されることが好ましい。コネクタハウジングは、場合により、ケーブルブッシングなどを含むが、これは、1本または複数本のケーブルおよび/または対応するシールによって閉じることができる。
【0017】
位置保証要素とは無関係にコネクタハウジングの内部空間を構成し、特に外部から閉鎖された内部空間を得るために、位置保証要素は、コネクタハウジングの内部空間に突出しないことが好ましい。また、コネクタハウジングの内部空間に突出する接続補助具の部分がないことが好ましい。
【0018】
少なくとも開位置から固定位置へ、好ましくはその逆にも位置保証要素を確実に案内するために、コネクタハウジングは、位置保証要素を変位可能に案内すると共に位置保証要素を保持するための少なくとも1つのガイド構造をその外面に含むことが好ましい。位置保証要素は、コネクタハウジングのガイド構造に相補的に構成されているガイド構造を含むことが好ましい。ガイド構造は共にレール状のガイドを形成することができる。
【0019】
電気プラグデバイスを、90°プラグ接続、180°プラグ接続、または接続する導体間に異なる角度を形成するプラグ接続に使用することができる。180°プラグ接続の場合、コネクタハウジングを相手側ハウジングに差し込み可能な差込方向が、位置保証要素の変位方向に平行であることが好ましい。90°プラグ接続の場合、差込方向は、変位方向に対して横方向であることが好ましい。
【0020】
さらに有利な構成によれば、開位置で、解放要素とコネクタハウジング、特にコネクタハウジングの外面または外壁との間に間隙が延在し、この間隙に相手側ハウジング、特に相手側ハウジングのトリガ要素が係合して、ブロック機構を解放することができる。解放要素は、相手側ハウジング、特に相手側ハウジングのトリガ要素が間隙に挿入されるときに、コネクタハウジングから離れるように弾性的に撓むことが好ましい。
【0021】
ブロック機構は少なくとも1つのロック要素を含み、このロック要素は、コネクタハウジングの外面に配置され、位置保証要素の開位置で解放要素をポジティブフィット方式で、特に係合して保持するように構成されていることが好ましい。したがって、ロック要素は、固定位置への変位に対して位置保証要素を固定するように機能することができる。解放要素とロック要素とは共にロック機構を形成することができる。
【0022】
解放要素は、上記のレセプタクル、特に開口部または凹部を含むことができ、ロック要素を、位置保証要素が開位置に配置されているときにレセプタクルに係合する突起として形成することができる。あるいは、解放要素は突起を含むことができ、ロック要素はレセプタクルを含むことができる。ロック要素および解放要素は、他の適切な形状、例えば、捕捉タブ、捕捉ノーズなどを有していてもよい。
【0023】
位置保証要素は少なくとも1つの翼部を含むことができ、この翼部は、位置保証要素の残りの部分から位置保証要素の変位方向に対して横方向に突出し、少なくとも1つの解放要素を備える。翼部自体も解放要素を形成することができる。少なくとも1つの翼部は、コネクタハウジングの外面に当接し、そこでコネクタハウジングの周りに部分的に係合することが好ましい。これにより、解放要素の平坦な構成が得られる。
【0024】
加えて、翼部はコネクタハウジングの周りに係合することができ、相手側ハウジングによって、特に相手側ハウジングのトリガ要素によって、翼部をコネクタハウジングから持ち上げて、ブロック機構を解放することができるようになっている。翼部は特に開口部を含み、この開口部は翼部内へまたは翼部を通って延在し、開位置で、この開口部に、コネクタハウジングに配置された突起として形成されたロック要素が突出する。
【0025】
位置保証要素は2つの翼部を含み、これらの翼部は、位置保証要素の2つの反対向きに配置された側部で突出し、いずれも少なくとも部分的にコネクタハウジングの周りに係合することが好ましい。2つの翼部は、相手側ハウジングによって撓まない限りコネクタハウジングに当接し、相手側ハウジングによって少なくとも部分的にコネクタハウジングから弾性的に持ち上げることができると好ましい。
【0026】
位置保証要素を固定位置に保持するために、位置保証要素は少なくとも1つの捕捉要素を含むことができ、この捕捉要素は、特にハウジングから離れるように撓むことが可能であり、コネクタハウジングの相手側捕捉要素にポジティブフィット接続するように構成されている。捕捉要素は、特に、弾性的に撓むことが可能なアームに捕捉タブまたは捕捉突起を含むことができる。
【0027】
捕捉要素は、弾性的に撓むことが可能なアームに配置された少なくとも1つの捕捉タブまたは捕捉突起を含むことが好ましく、相手側捕捉要素は、捕捉要素の少なくとも一部のための少なくとも1つの捕捉レセプタクルを含む。あるいは、逆の構成も可能である。
【0028】
捕捉要素は解放要素の一部であってよい。言い換えると、解放要素を使用して、位置保証要素を固定位置および開位置の両方に固定することができる。その場合、解放要素は弾性的に撓むことが可能なアームの一部であってよく、このアームは、相手側ハウジングから持ち上げることができ、コネクタハウジングの少なくとも2つの位置でラッチ可能な少なくとも1つの捕捉要素を含む。これらの位置は、特に、位置保証要素の固定位置を規定する位置および位置保証要素の開位置を規定する位置である。
【0029】
少なくとも1つの接続補助具はレバーを含むことが好ましく、このレバーは、コネクタハウジングの外面に回転可能に取り付けられ、位置保証要素によって特にポジティブフィットで固定位置にブロックされる。言い換えると、固定位置におけるレバーの回転を、位置保証要素によって防ぐことができる。このために、位置保証要素を、少なくとも部分的にレバーの上方に配置することができる。
【0030】
電気プラグ接続を確立するための本発明によるアセンブリは、少なくとも1つのトリガ要素が、相手側ハウジングの差込方向に延在し、かつコネクタハウジングと相手側ハウジングとが完全に差込接続されている状態にあるときに解放要素の下に係合する延長部として形成されるという点で、さらに改良することができる。特に、延長部は、解放要素とコネクタハウジングとの間の間隙に貫入して、解放要素をコネクタハウジングから少なくとも部分的に持ち上げることができる。
【0031】
コネクタハウジングと相手側ハウジングとは、コネクタハウジングと相手側ハウジングとが完全に差込接続されている状態にあるときに、互いにシール接続となるように構成されていることが好ましい。このために、アセンブリは、少なくとも差込接続されている状態でハウジング間に配置された少なくとも1つのシールを含むことができる。コネクタハウジングと相手側ハウジングとは、差込接続されると、共通の内部空間を囲み、内部空間を外部から密閉することができる。
【0032】
以下で、図面を参照しながら、2つの有利な実施形態を使用して本発明を例としてより詳細に説明する。例として実施形態に示される特徴の組合せを、特定の用途に必要とされる本発明の電気プラグデバイスの特性に従って、上記の説明によるさらなる特徴により補足することができる。また、個々の特徴の効果が特定の用途に関して無関係である場合、上記の説明に記載された実施形態においてこれらの特徴を省略することができる。図中の同一の参照符号は、常に同一の機能および/または同一の構造を有する要素に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】差込接続が行われている最中の90°プラグ接続のための電気プラグデバイスの第1実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1のプラグデバイスのコネクタハウジングの斜視図である。
【
図3】
図1のプラグデバイスの接続補助具を示す図である。
【
図6】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図7】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図8】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図9】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図10】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図11】
図6~
図11は、異なるステップのそれぞれにおける電気プラグデバイスの動作モードの斜視図および断面図である。
【
図12】電気プラグデバイスの第2の実施形態を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態の位置保証要素を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態の位置保証要素を示す図である。
【
図15】
図15~
図19は、プラグデバイスの第2の実施形態と相手側コネクタとが差込接続されている様子を示す図である。
【
図16】
図15~
図19は、プラグデバイスの第2の実施形態と相手側コネクタとが差込接続されている様子を示す図である。
【
図17】
図15~
図19は、プラグデバイスの第2の実施形態と相手側コネクタとが差込接続されている様子を示す図である。
【
図18】
図15~
図19は、プラグデバイスの第2の実施形態と相手側コネクタとが差込接続されている様子を示す図である。
【
図19】
図15~
図19は、プラグデバイスの第2の実施形態と相手側コネクタとが差込接続されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
最初に、
図1~
図5を参照しながら、本発明による電気プラグデバイス1の第1の有利な実施形態、およびプラグデバイス1を含む電気プラグ接続体3を確立するための本発明によるアセンブリについて説明する。その後、
図6~
図11を参照しながら、動作モードについて説明する。
【0035】
電気プラグデバイス1(以下、プラグデバイス1)を使用して、相手側コネクタ5への電気プラグ接続を確立する。図示した実施形態において、プラグデバイス1および相手側コネクタ5を使用して、いわゆる90°プラグ接続を確立しており、すなわち、差込方向7が、プラグデバイス1の電気リード(図示せず)が延びるリード方向9に垂直に延びる。
【0036】
特にコネクタであり得るプラグデバイス1は、コネクタハウジング11、接続補助具13、および位置保証要素15を備える。プラグデバイス1は、代わりにソケットであってもよい。
【0037】
コネクタハウジング11を使用して、特にコネクタハウジング11の内部空間17に配置可能な少なくとも1つの電気コンタクト要素(図示せず)を受け入れる。内部空間17は
図7に示されている。
【0038】
コネクタハウジング11は、相手側コネクタの相手側ハウジング19に差込接続されるように構成されている。コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とは、差込方向7に沿って差込接続できるような方法で構成されることが好ましい。
【0039】
プラグデバイス1は、コネクタハウジングと相手側ハウジングとの差込接続を容易にする接続補助具13を含む。接続補助具13は、差込動作のための駆動デバイス21を形成し、コネクタハウジング11に回転可能に保持されるレバー23として構成されている。
【0040】
接続補助具13を相手側ハウジング19に係合させて、相手側ハウジング19をコネクタハウジング11側に引き、相手側ハウジング19をコネクタハウジング11に保持することができる。このために、接続補助具13は、差込位置25から保持位置27へ移動することができ、差込位置25におけるコネクタハウジング11は相手側ハウジング19に接続可能であり、保持位置27における相手側ハウジング19はコネクタハウジング11に保持される。
【0041】
差込位置25は
図1に示され、接続補助具13の一部が破線で示されている。
図1は、接続補助具13が差込位置25と保持位置27との間の位置にある様子を示す。保持位置27は
図8~
図11に示されている。
【0042】
位置保証要素15を使用して、接続補助具13をコネクタハウジング11において保持位置27に固定する。位置保証要素15は、コネクタハウジング11の外面29に変位可能に保持される。
【0043】
位置保証要素15を、開位置31から固定位置33へ変位させることができる。開位置31で、接続補助具13は差込位置25から保持位置27へ移動することができ、すなわち移動が妨げられない。しかしながら、固定位置33では、接続補助具13は、コネクタハウジング11において保持位置27に固定される。
【0044】
位置保証要素15を開位置31にブロックするために、ブロック機構35が設けられる。このブロック機構35により、位置保証要素15は開位置31にブロックされ、ブロック機構35は少なくとも1つの解放要素37を含む。コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とが差込接続されている状態39で、解放要素37によりブロック機構35が解放される。ブロック機構35が解放されると、位置保証要素15を開位置31から固定位置33へ移動させることができる。
【0045】
以下で、特に
図4および
図5を参照しながら、電気プラグデバイス1の第1実施形態の位置保証要素15についてより詳細に説明する。位置保証要素15は、コネクタハウジング11またはコネクタハウジング11の外面29のそれぞれにおいて、変位方向41に沿って変位可能に保持され、この変位方向41は、例として示す実施形態において、リード方向9に平行かつ差込方向7に垂直に延びる。
【0046】
外面29に保持されることにより、コネクタハウジング11の内部空間17を位置保証要素15とは無関係に構成することができる。特に、位置保証要素15は内部空間17に貫入しない。これにより、密閉されたコネクタハウジング11を実装することが容易になる。
【0047】
変位可能に案内するために、位置保証要素は、コネクタハウジング11に取り付けられたときに上面45よりもコネクタハウジング11に近い下面43に2つのガイド構造47を含み、これらのガイド構造47は、コネクタハウジング11のガイド構造49に相補的に構成されている。
【0048】
コネクタハウジング11のガイド構造49は、変位方向41に平行に延在し、かつ互いに離れる方を向く側に開いた溝51を含む。位置保証要素15のガイド構造47は、溝51に係合可能なガイド要素53を備える。
【0049】
位置保証要素15をコネクタハウジング11に接続するために、コネクタハウジング11のガイド構造49は凹部55を含み、この凹部55により、ガイド要素53を変位方向41に対して横方向に案内して、位置保証要素15の2つのガイド構造47をコネクタハウジング11の2つのガイド構造49に接続することができる。
【0050】
位置保証要素15は、コネクタハウジング11の横方向(transverse direction)57に沿って互いに対向して配置された2つの解放要素37を含む。横方向57は、差込方向7に対して横方向に、かつリード方向9または変位方向41に対して横方向にそれぞれ延びる。
【0051】
プラグデバイス1の第1実施形態の2つの解放要素37は翼部59として形成され、これらの翼部59は、位置保証要素15の残りの部分から最初は横方向57に沿って少し延び、その後、コネクタハウジング11に向かう方向に延びる。翼部59は外面29に当接し、コネクタハウジング11の周りに少なくとも部分的に係合する。
【0052】
対向して配置された翼部59の端部61には、それぞれの面取り部63が配置され、この面取り部63により、解放要素37とコネクタハウジング11との間に相手側ハウジング19の一部が貫入することを容易にする。言い換えると、各翼部59は、翼部59自体とコネクタハウジング11との間に間隙65を開けて、翼部59とコネクタハウジング11との間に相手側ハウジング19の一部を挿入することを容易にする。
【0053】
翼部59として構成された解放要素37を、コネクタハウジング11から離れるように弾性的に撓ませることができる。各解放要素37は、例としてのみ貫通開口部67として示される開口部67を備える。貫通開口部67の代わりに、開口部67を、下面43からそれぞれの翼部59に延在する凹部(recess)または凹み(indentation)として形成してもよい。
【0054】
コネクタハウジング11は、位置保証要素15の開位置31で開口部67に突出するロック要素69を備えて、位置保証要素15を少なくとも変位方向41にポジティブフィット方式(positive-fit manner)で保持する。ロック要素69は、外面29から外側に突出する突起71として構成されている。
【0055】
図示しない代替実施形態によれば、コネクタハウジング11は、開位置31で解放要素37の突起が内部に突出する凹みまたは開口部を備えることもできる。
【0056】
ロック要素69および解放要素37は、いずれもブロック機構35の一部である。
【0057】
位置保証要素15を固定位置33においても保持するために、位置保証要素15は捕捉要素73を含み、この捕捉要素73は、ハウジングから離れるように弾性的に撓むことが可能であり、コネクタハウジング11の相手側捕捉要素75にポジティブフィット接続するように構成されている。相手側捕捉要素75は捕捉レセプタクル76を画定し、この捕捉レセプタクル76に捕捉タブ77を配置することができ、その後、捕捉タブ77は相手側捕捉要素75に係合する。
【0058】
捕捉要素73は、位置保証要素15の下面43に突出する捕捉タブ77と、捕捉タブ77が配置された弾性的に撓むことが可能なアーム79とを含む。弾性的に撓むことが可能なアーム79には外部からアクセス可能であり、位置保証要素15を固定位置33から解放しようとする場合に、弾性的に撓むことが可能なアーム79を道具または指により手動で持ち上げることができるようになっている。
【0059】
弾性的に撓むことが可能なアーム79は、変位方向41に沿って延在し、実質的に差込方向7に沿って弾性的に撓むことが可能である。弾性的に撓むことが可能なアーム79は、横方向57に沿って位置保証要素15の中央に配置されることが好ましい。
【0060】
弾性的に撓むことが可能なアーム79は、翼部59も配置されている位置保証要素15の側で変位方向41に配置される。変位方向41において反対に配置される側で、位置保証要素15は突起81を備え、固定位置33で、この突起81を少なくとも接続補助具13の少し上方に配置して、接続補助具13を保持位置27に保持することができる。
【0061】
位置保証要素15は、ハウジング11の外面29を見ることができる表示窓83を備えている。これにより、異なる方法で示される絵文字または情報をハウジング11において見ることができ、位置保証要素15は、開位置31または固定位置33に応じた異なる絵文字が窓83を通して見えるようにすることができる。これにより、例えば、どの位置(開位置31または固定位置33)に位置保証要素15が配置されているかを示すことができる。
【0062】
以下で、接続補助具13について簡単に説明する。ここでは、特に
図3を参照する。
【0063】
接続補助具13は、コネクタハウジング11に回転可能に取り付けられるレバー23として構成されている。回転可能な取付けは、コネクタハウジング11が2つの突起85を備え、これらの突起85が、横方向57に互いに反対向きに配置され、ハウジング11の残りの部分から離れる方を向き、接続補助具13の貫通開口部87を通って突出することにより、行うことができる。これにより、接続補助具13は、コネクタハウジング11の2つの反対向きに配置された側部に取り付けられる。
【0064】
したがって、接続補助具13は2本のアーム89を含み、これらのアーム89は、横方向57に互いに離間し、横方向57に平行に延在する作動ウエブ91によって接続される。ここでは、コネクタハウジング11は、2本のアーム89間に配置される。
【0065】
作動ウエブ91に凹部93が設けられ、固定位置33で、この凹部93に位置保証要素15の突起81を配置して、接続補助具13をコネクタハウジング11において保持し、接続補助具13が固定位置33から外れることを防ぐことができる。
【0066】
接続補助具13を差込位置(plugging position)でも固定するために、接続補助具13は動作ウエブ91に2つの凹部95を含むことができ、これらの凹部95は、位置保証要素15の突起81のための凹部93が、2つの凹部95間に少なくとも横方向57に配置されるように配置されている。ここでは、凹部93は突起81を受け入れるために上方に開き、凹部95はコネクタハウジング11に向かって開いている。
【0067】
図1に示す差込位置25で、コネクタハウジング11の上面99に配置された突起97が凹部95に突出して、接続補助具13が自由に動くことができないようにする。接続補助具13を差込位置から保持位置へ移動させるために、最初に作動ウエブ91に力を加えなければならない。
【0068】
コネクタハウジング11と相手側ハウジング19との差込接続を容易にするために、接続補助具13は各アーム89に歯101を含み、この歯101を相補歯103(
図8に示す)に係合させて、接続補助具13の作動時に相手側ハウジング19をコネクタハウジング11に引き込み、保持位置で相手側ハウジング19をコネクタハウジング11に保持することができる。
【0069】
相手側ハウジング19は、相手側ハウジング19の残りの部分から差込方向7に突出する2つの延長部105を備える。延長部105は、相手側ハウジング19のトリガ要素106の各部分である。各延長部105を使用して、解放要素37のうちの一方を解放する。各延長部105は面取り面107を有して、解放要素37とコネクタハウジング11との間の間隙65への挿入を容易にする。
【0070】
間隙65に押し込まれることにより、各解放要素37はロック要素69から解放されるため、位置保証要素15は開位置31にブロックされなくなる。延長部105は、差込方向7に沿って歯103よりも相手側ハウジング19から離れて延在する。延長部105は、コネクタハウジング11の側面109に当接し、コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とが差込接続されたときに側面109に沿ってスライドすることができる。
【0071】
以下で、
図6~
図11を参照しながら、コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とを差込接続するプロセスについて簡単に説明する。
図6および
図7は、接続補助具13を作動させることによって、コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とが、相手側ハウジング19の延長部105が翼部59の端部61に当接する程度まで互いに既に接続されている状態を示す。この時点では、翼部59はまだ持ち上げられていないため、ブロック機構35はまだ解放されていない。位置保証要素15のどのような動作も阻止されている。
【0072】
接続補助具13を保持位置27の方向にさらに作動させることによって、相手側ハウジング19は差込方向7にさらに移動し、延長部105は2つの間隙65に入る。その結果、2つの翼部59が持ち上げられ、ロック要素69が翼部59に係合しなくなることにより、ブロック機構35が解放される。これは
図8および
図9に示される。
【0073】
その後、位置保証要素15を、変位方向41に沿って固定位置33へ移動させることができる。固定位置33で、突起81は、接続補助具13の凹部93に配置されるため、接続補助具13の一部の上方で差込方向7に沿って配置される。接続補助具13は保持位置27から出ることができなくなる。
【0074】
捕捉要素73はこの位置で相手側捕捉要素75に係合しているので、弾性的に撓むことが可能なアーム79を持ち上げることによってこの係合が解放されない限り、位置保証要素15は固定位置33から出ることができなくなる。
【0075】
相手側ハウジング19がコネクタハウジング11に完全に差込接続されているときにのみ、位置保証要素15が開位置31から固定位置33へ移動することができることにより、完全なプラグ接続なしで接続補助具13が保持位置27へ移動すること、および位置保証要素15が固定位置33へ移動することを防ぐことができる。
【0076】
差込接続されている状態39で、ハウジング11、19によって囲まれた共通の内部空間が外部から密閉されることが好ましい。特に、少なくとも1つのシール要素(図示せず)を、2つのハウジング11、19間に配置することができる。
【0077】
以下で、
図12~
図19を参照しながら、本発明によるプラグデバイス1を備える本発明によるアセンブリ3の第2の有利な実施形態について説明する。簡潔にするために、
図1~
図11を参照して説明した第1の実施形態との相違のみについて説明する。
【0078】
第2の実施形態のアセンブリ3およびプラグデバイス1は、180°プラグ接続のために構成されている。これは、この場合の差込方向7がリード方向9に平行であることを意味する。位置保証要素15の変位方向41も方向7、9に平行である。
【0079】
第1の実施形態とは異なるこの向きにより、ブロック機構35も上記実施形態とは異なって構成される。位置保証要素15は、解放要素37としての側方翼部59を含まない。代わりに、位置保証要素15は捕捉要素73を備え、この捕捉要素73は、第1の実施形態のような弾性的に撓むことが可能なアーム79を含み、第1実施形態の捕捉タブ77のような面取りされていない捕捉突起111を一側に備えているが、横方向57で見たときに矩形断面を有する。
【0080】
加えて、弾性的に撓むことが可能なアーム79の自由端113は、位置保証要素15の下面43に位置する誘導面取り115を備える。誘導面取り115を備える自由端113は解放要素37として機能する。
【0081】
矩形断面を有する凹部として構成されている捕捉レセプタクル117が、コネクタハウジング11のロック要素69として設けられ、開位置31で、この捕捉レセプタクル117に捕捉突起111を変位方向41にポジティブフィット方式で保持することができる。これにより、ブロック機構35が解放されない限り、開位置31で位置保証要素15を変位させることができなくなる。これは、
図16に示されている。
【0082】
コネクタハウジング11と相手側ハウジング19とが差込接続されると、相手側ハウジング19の中央に幅方向57に配置されたトリガ要素106が、解放要素37、すなわち自由端113とコネクタハウジング11の残りの部分との間の間隙65に挿入される。
【0083】
トリガ要素106は、誘導面取り119を有する延長部105として設けられ、誘導面取り119は誘導面取り115に相補的であり、差込プロセス中に、すなわち、コネクタハウジング11から離れるように、弾性的に撓むことが可能なアーム79を持ち上げる。その結果、捕捉突起111が捕捉レセプタクル117から持ち上げられる。これは、
図17および
図18に示されている。
【0084】
完全に差込接続されている状態39で、接続補助具13も保持位置27に到達すると、ブロック機構35が解放されて位置保証要素15が開位置から固定位置へ移動できる程度まで、捕捉突起111が捕捉レセプタクル117から出る。
【0085】
固定位置33では、位置保証要素の突起81は接続補助具13の一部に配置されるため、保持位置27から出ることができなくなる。
【0086】
第2の実施形態においても、レバー23として構成されている接続補助具13は、このために凹部93を含むことができ、固定位置33で突起81を凹部93に受け入れることができる。
【0087】
捕捉突起111は、相手側突起121に当たって、位置保証要素15を固定位置33に保持する。相手側突起121は、矩形断面を有することができ、変位方向41に捕捉レセプタクル117を画定することもできる。言い換えると、2つの側が変位方向41に配置された相手側突起121は、位置保証要素15の2つの位置31、33にそれぞれ対応する2つの異なるレセプタクルまたは凹部117、123を画定することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 電気プラグデバイス
3 アセンブリ
5 相手側コネクタ
7 差込方向
9 リード方向
11 コネクタハウジング
13 接続補助具
15 位置保証要素
17 内部空間
19 相手側ハウジング
21 駆動デバイス
23 レバー
25 差込位置
27 保持位置
29 外面
31 開位置
33 固定位置
35 ブロック機構
37 解放要素
39 差込接続されている状態
41 変位方向
43 下面
45 上面
47 ガイド構造
49 ガイド構造
51 溝
53 ガイド要素
55 凹部
57 横方向
59 翼部
61 端部
63 面取り部
65 間隙
67 開口部
69 ロック要素
71 突起
73 捕捉要素
75 相手側捕捉要素
76 捕捉レセプタクル
77 捕捉タブ
79 弾性的に撓むことが可能なアーム
81 突起
83 表示窓
85 突起
87 開口部
89 アーム
91 作動ウエブ
93 凹部
95 凹部
97 突起
99 上面
101 歯
103 歯
105 延長部
106 トリガ要素
107 面取り面
109 側面
111 捕捉突起
113 自由端
115 誘導面取り
117 捕捉レセプタクル
119 誘導面取り
121 相手側突起
123 捕捉レセプタクル