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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20230626BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022078916
(22)【出願日】2022-05-12
(62)【分割の表示】P 2021137397の分割
【原出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022106993
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2022-05-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 祥行
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
(72)【発明者】
【氏名】嘉納 祥子
(72)【発明者】
【氏名】マハートレ アディーティヤ
(72)【発明者】
【氏名】チョードリー マドミタ
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-050942(JP,A)
【文献】特開2015-152974(JP,A)
【文献】特開2018-025844(JP,A)
【文献】特許第6560412(JP,B1)
【文献】特開2012-093805(JP,A)
【文献】特開2018-190204(JP,A)
【文献】特許第5628463(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加盟店が参加する決済プラットフォームであって、当該決済プラットフォームを通じて決済を行うための所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンに関する情報を各加盟店が任意に設定可能な決済プラットフォームを通じて、所定の決済手段を利用可能なユーザのうち前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するための情報であって前記ユーザに紐付く情報に基づいて規定された複数のユーザ区分の中から、前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定する前記ユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付ける受付部と、
前記複数のユーザ区分の中から前記加盟店をフォローしているという属性を有する前記ユーザを指定するための所定のユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付けた場合、前記所定の決済手段を利用して決済を行うことが可能な複数のユーザのうち、前記所定の決済手段を利用するために前記ユーザが利用可能な決済用アプリケーションにおいて前記加盟店がお気に入りとして設定されているという属性を有するユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する提供部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記受付部は、
所定の条件に基づいて予め規定された複数のユーザ区分で構成されるユーザ区分一覧の中から、前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定する前記ユーザ区分の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記ユーザ区分は、
前記所定の決済手段を利用可能なユーザの決済履歴に基づいて予め規定される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記ユーザ区分は、
前記所定の決済手段を利用可能な前記ユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性に基づいて予め規定される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項5】
前記受付部は、
指定された前記ユーザ区分に属する推定ユーザ数を提示する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項6】
前記受付部は、
前記クーポンに挿入される画像の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項7】
前記受付部は、
前記クーポンを利用可能な店舗の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項8】
前記受付部は、
アカウント権限の範囲内で前記クーポンに関するクーポン情報の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項9】
前記受付部は、
アカウント権限のレベルに応じて、前記クーポンに関するクーポン情報の設定を行う際に入力可能なパラメータの範囲を変更する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項10】
前記クーポンは、
前記クーポンを予め取得したユーザが識別コードを用いて行う決済処理に連動して自動的に適用され、
前記提供部は、
前記クーポンの利用時よりも後に利用可能な利益を付与するクーポンを提供する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する管理方法であって、
複数の加盟店が参加する決済プラットフォームであって、当該決済プラットフォームを通じて決済を行うための所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンに関する情報を各加盟店が任意に設定可能な決済プラットフォームを通じて、所定の決済手段を利用可能なユーザのうち前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するための情報であって前記ユーザに紐付く情報に基づいて規定された複数のユーザ区分の中から、前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定する前記ユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付ける受付工程と、
前記複数のユーザ区分の中から前記加盟店をフォローしているという属性を有する前記ユーザを指定するための所定のユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付けた場合、前記所定の決済手段を利用して決済を行うことが可能な複数のユーザのうち、前記所定の決済手段を利用するために前記ユーザが利用可能な決済用アプリケーションにおいて前記加盟店がお気に入りとして設定されているという属性を有するユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する提供工程と
を含むことを特徴とする管理方法。
【請求項12】
複数の加盟店が参加する決済プラットフォームであって、当該決済プラットフォームを通じて決済を行うための所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンに関する情報を各加盟店が任意に設定可能な決済プラットフォームを通じて、所定の決済手段を利用可能なユーザのうち前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するための情報であって前記ユーザに紐付く情報に基づいて規定された複数のユーザ区分の中から、前記クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定する前記ユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付ける受付手順と、
前記複数のユーザ区分の中から前記加盟店をフォローしているという属性を有する前記ユーザを指定するための所定のユーザ区分の指定を前記加盟店から受け付けた場合、前記所定の決済手段を利用して決済を行うことが可能な複数のユーザのうち、前記所定の決済手段を利用するために前記ユーザが利用可能な決済用アプリケーションにおいて前記加盟店がお気に入りとして設定されているという属性を有するユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済を利用する利用者に対して所定の利益を付与する技術が知られている。このような技術の一例として、識別コードを用いて行う電子決済の利便性を損なうことなく、ユーザに対して特典を付与することができ、識別コードを用いた電子決済の付加価値を高めるための技術が提案されている。このような技術では、例えば、ユーザに提供するクーポンに基づいて特典が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-091764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性の向上が求められる。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性を向上できる管理装置、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る管理装置は、受付部と、提供部とを有する。受付部は、複数の加盟店が参加する決済プラットフォームであって、当該決済プラットフォームを通じて決済を行うための所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンに関する情報を各加盟店が任意に設定可能な決済プラットフォームを通じて、所定の決済手段を利用可能なユーザの属性に基づいて規定された複数のユーザ区分で構成されるユーザ区分から、前記クーポンを獲得可能なユーザの属性を示す属性情報を受け付ける。提供部は、受付部により受け付けられた属性情報が示す属性のユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るクーポン情報の設定の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るユーザ情報の概要を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る店舗情報の概要を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るクーポン情報の概要を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る決済情報の概要を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
(1-1.情報処理システムの概要)
図1を用いて、本実施形態に係る管理装置を含む情報処理システムにより実現される情報処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。以下では、図1を参照しつつ、ユーザU01が、店舗aにおいて、識別コードを用いた電子決済サービスを利用して買い物を行う場合を一例として説明する。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とを含む。ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とは、有線又は無線によりネットワークN(例えば、図3参照)に接続される。
【0012】
ユーザ端末10及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、店舗端末20及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、事業者端末30及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した情報処理システム1には、図1に示す例よりも多くのユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30や、管理装置100が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示すユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される情報処理端末である。ユーザ端末10は、典型的には、スマートフォンである。
【0014】
また、ユーザ端末10は、管理装置100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより、表示部11に表示する。
【0015】
また、ユーザ端末10は、ユーザ操作に従って、管理装置100から提供されるクーポンを取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したクーポンに個別に割り振られているクーポンIDと、ユーザ端末10のユーザ(例えば、ユーザU01)に個別に割り振られているユーザIDとを対応付けて管理装置100に送信する。これにより、管理装置100においてユーザIDとクーポンIDとが対応付けて管理される。ユーザ端末10のユーザU01は、予めクーポンを取得しておくことにより、決済に連動して自動的にクーポンに基づく特典を受けることができる。
【0016】
また、ユーザ端末10は、カメラ機能を備える。ユーザ端末10は、カメラ機能により、店舗内に設置された識別コードであるQR(Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コードCを読み取り可能である。
【0017】
図1に示す店舗端末20は、店舗aの店員U02によって利用される情報処理装置である。店舗端末20は、典型的には、POS(Point Of System)端末である。
【0018】
また、店舗端末20は、1次元コードであるバーコードや2次元コードであるQRコード(登録商標)を読み取るリーダを備える。店舗端末20は、リーダにより、ユーザ端末10の表示部11に表示されたバーコードや2次元コードCを読み取り可能である。
【0019】
また、店舗端末20が設置される店舗aは、管理装置100が運営及び管理を行う決済処理システムによって提供される電子決済サービスを導入する店舗の1つである。店舗aは、例えば、後述する事業者本部Aにより展開される店舗の1つである。事業者本部A及び店舗aによる事業形態の典型例としては、事業者本部Aがフランチャイズ本部であり、店舗aが直営店である場合を例示できる。
【0020】
図1に示す事業者端末30は、管理装置100により提供される電子決済サービスを導入する店舗aを統括する企業の事業者本部Aの従業員U03によって利用される情報処理装置である。事業者端末30は、典型的には、ノート型PC(Personal Computer)やデスクトップPCである。事業者端末30は、PCの他、スマートフォンや、タブレット型端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現され得る。
【0021】
事業者端末30は、表示部31に表示されるクーポン設定画面W1(図2参照)を通じて、管理装置100に対し、クーポンに関するクーポン情報を設定する。クーポン情報の設定に関する詳細については後述する。
【0022】
図1に示す管理装置100は、ユーザ端末10を用いた電子決済に関する電子決済サービスを提供する情報処理装置である。管理装置100は、典型的には、サーバ装置やクラウドシステム等である。例えば、管理装置100は、取引対象(商品等)の提供者(事業者)である店舗(例えば、店舗a)や、取引対象が提供される利用者(例えば、ユーザU01)の口座を管理する。管理装置100は、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0023】
また、管理装置100は、電子決済サービスの利用者に提供するクーポンに関するクーポン情報を管理する。管理装置100が管理するクーポン情報は、例えば、図1に示す情報処理システム1において、クーポンの企画を行い、クーポンの原資を出資する企業の事業者本部Aの従業員U03により設定される。管理装置100が管理するクーポン情報には、例えば、クーポンが利用者に適用される適用条件や、クーポンにより利用者に付与される利益の内容、一の利用者に割り当てられる利益の上限などが含まれる。
【0024】
(1-2.情報処理システムにおける決済処理について)
ここで、情報処理システム1において実行される電子決済の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードCを用いて、ユーザU01がユーザ端末10を用いた決済を行う例について説明する。なお、実施形態に係る決済が、以下に説明する例に限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意のユーザが任意のユーザ端末を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す2次元コードCは、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0025】
例えば、ユーザU01が店舗aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、ユーザU01は、ユーザ端末10に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、ユーザU01は、決済アプリを介して、店舗aに設置された2次元コードCを撮影し、店舗識別情報を取得する(ステップS11)。このような場合、ユーザ端末10は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、ユーザU01或いは店舗aの店員U02から決済金額の入力を受け付ける(ステップS12)。なお、決済対象の価格を入力するための画面には、店舗名、支払方法、ポイントの利用等に加え、決済金額等を入力するためのテンキーが表示されてもよい。
【0026】
そして、ユーザ端末10は、ユーザU01を識別するユーザIDと、2次元コードCから読み取った店舗識別情報(例えば、店舗ID)と、決済金額とを示す決済情報を管理装置100へと送信する(ステップS13)。
【0027】
このような場合、管理装置100は、ユーザIDと店舗識別情報とに基づいて、決済金額に適用可能なクーポン情報を選択し(ステップS14)、選択したクーポン情報に基づく精算金額を算出する(ステップS15)。ここで、管理装置100は、選択したクーポン情報が、ユーザU01が電子決済サービスを導入する店舗(例えば、店舗a)で後日利用可能な電子マネーを還元するクーポンである場合、ユーザIDに関連付けて、予め設定される還元率等に相当する額の電子マネーを記録する。
【0028】
そして、管理装置100は、ユーザIDが示すユーザU01の口座から、店舗識別情報が示す店舗aの口座へと、精算金額が示す額の電子マネーを移行させ(ステップS16)、決済が完了した旨の通知をユーザ端末10へと送信する(ステップS17)。このような場合、ユーザ端末10は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨をユーザU01に通知する(ステップS18)。
【0029】
なお、ユーザ端末10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末10を用いた決済は、店舗aに設置された店舗端末20を用いたものであってもよい。例えば、ユーザ端末10は、ユーザU01を識別するための利用者識別情報を表示部11の画面上に表示させる。このような場合、店舗aに設置された店舗端末20は、ユーザ端末10の表示部11に表示された利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報(例えば、ユーザID)と、決済金額と、店舗aを識別する店舗識別情報(例えば、店舗ID)とを示す決済情報を管理装置100へと送信する。このような場合、管理装置100は、利用者識別情報と店舗識別情報とに基づいて、決済金額に適用可能なクーポン情報を選択し、選択したクーポン情報に基づく精算金額を算出する。そして、管理装置100は、利用者識別情報が示すユーザU01の口座から、店舗aの口座へと、精算金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗aの店舗端末20或いはユーザ端末10に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知する。
【0030】
また、ユーザ端末10を用いた決済は、ユーザU01が予め電子マネーをチャージした口座から店舗aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、ユーザU01が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、管理装置100は、店舗aの口座に対して精算金額の電子マネーを移行させる(入金する)とともに、ユーザU01のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求する。
【0031】
(1-3.クーポン情報の設定について)
(1-3-1.クーポン情報の設定の概要)
図2を用いて、実施形態に係るクーポン情報の設定について説明する。図2は、実施形態に係るクーポン情報の設定の概要を示す図である。以下では、事業者本部Aの従業員U03が、事業者端末30を操作して、事業者本部Aが統括する店舗aで利用可能なクーポンに関するクーポン情報の設定を行う場合を一例として説明する。図2の右側には、事業者端末30の表示部31に表示されるクーポン情報の設定画面例を示し、図2の左側には、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン情報の表示画面例を示している。
【0032】
図2に示すように、管理装置100は、事業者端末30からの要求に応じて、図2に示すようなクーポン設定画面W1を提供する。事業者本部Aの従業員U03は、事業者端末30の表示部31に表示されるクーポン設定画面W1を操作してクーポン情報の設定を行う。以下に説明するように、クーポン設定画面W1により設定されるクーポンは、クーポンを予め取得したユーザが識別コードを用いて行う電子決済に連動して自動的に適用される。また、クーポン設定画面W1により設定されるクーポンは、クーポンの利用時よりも後に利用可能な特典として、所定のキャッシュバックを行う。
【0033】
クーポン設定画面W1には、「画像」や、「タイトル」や、「詳細説明」や、「セグメント設定」や、「公開時期」や、「クーポン利用期間」や、「利用回数」や、「適用条件」や、「キャッシュバック額」や、「キャッシュバック上限」や、「予算上限金額」や、「クーポン併用可否」といった複数の設定項目が備えられている。
【0034】
「画像」は、管理装置100からユーザ端末10に提供されるクーポンに挿入される画像の設定を受け付けるための設定項目である。図2に示すように、「画像」の設定項目において管理装置100にアップロードされた画像情報は、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1にカバー画像GZとして挿入される。
【0035】
「タイトル」は、前述のクーポン情報に挿入される画像に記載するタイトルの設定を受け付けるための設定項目である。図2に示すように、「タイトル」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2のカバー画像GZの中に挿入される。
【0036】
「詳細説明」は、前述のクーポン情報に挿入されるクーポンについての詳細説明の設定を受け付けるための設定項目である。図2に示すように、「詳細説明」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA2に挿入される。
【0037】
「セグメント設定」は、クーポンを獲得可能なユーザの属性を設定するための設定項目である。図2では、クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するための情報として、複数のユーザ区分で構成されるユーザセグメント(ユーザ区分一覧)が示されている。図2に示すユーザセグメントは、「新規」や「既存」、「アクティブ」や「非アクティブ」、「フォロワー」といったユーザ区分を有している。「新規」や「既存」、「アクティブ」や「非アクティブ」は、以下に説明するように、管理装置100により提供される電子決済サービス(所定の決済手段の一例)を利用可能なユーザの決済履歴に基づいて予め規定されるユーザ区分一例である。また、「フォロワー」は、例えば、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用可能なユーザの店舗追跡状況に基づいて予め規定されるユーザ区分の一例である。なお、ユーザセグメントを構成するユーザ区分は、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用可能なユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性に基づいて予め規定することもできる。
【0038】
「新規」は、対象ブランド(店舗)で一度の決済したことがないという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。一方、「既存」は、対象ブランド(店舗)で決済したことがあるという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。なお、クーポン公開前に対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがないユーザであっても、クーポンの公開期間中に決済が行ったユーザについては、「既存」のユーザ区分に含めることができる。
【0039】
「アクティブ」は、クーポン情報の設定前の直近30日以内に、対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがあるという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。一方、「非アクティブ」は、クーポン情報の設定前の直近30日以内に、対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがないという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。
【0040】
「フォロワー」は、対象ブランドの店舗をフォローしているという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。なお、フォローとは、例えば、決済アプリにおいて、対象ブランドの店舗がお気に入りとして設定されている場合や、対象プライドのSNS(Social Network Services)をフォローしている場合などが想定される。
【0041】
なお、ユーザセグメントは、クーポン設定画面W1の「設定する」ボタンの操作に応じて表示されるサブウィンドウ構成により提供されてもよいし、クーポン設定画面W1の一部として始めから表示される形式で提供されていてもよい。また、ユーザセグメントの選択が行われなかった場合、全てのユーザ区分がクーポン獲得対象として設定される。
【0042】
また、クーポン設定画面W1は、ユーザセグメントにおけるユーザ区分の指定に応じて、該当するユーザ区分の推定ユーザ数を提示できる。推定ユーザ数は、管理装置100により、ユーザ情報や決済情報などの各種情報に基づいて推計される。
【0043】
図2に示すように、「セグメント設定」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1に挿入されたカバー画像GZの中には反映される。例えば、クーポン表示画面W2を表示部11に表示するユーザ端末10のユーザU01が、セグメント設定において指定されたユーザ区分に該当する場合、カバー画像GZにおいて「対象ユーザ」と表示される。
【0044】
「公開期間」は、クーポンの公開期間を設定するための設定項目である。「公開期間」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信される。なお、図2に示す例では、「公開期間」の設定項目において設定された情報は、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2に表示されていないが、表示されるようにしてもよい。
【0045】
「クーポン利用期間」は、クーポンを獲得したユーザがクーポンを利用可能な期間を設定するための設定項目である。図2に示すように、「クーポン利用期間」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1(カバー画像GZ)及び表示領域DA4に挿入される。
【0046】
「利用回数」は、クーポンを利用することが可能な回数の情報を設定するための設定項目である。図2に示すように、「利用回数」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0047】
「適用条件」は、クーポンが適用される金銭的な条件を設定するための設定項目である。図2に示すように、「適用条件」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0048】
「キャッシュバック額」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの額を設定するための設定項目である。図2に示すように、「キャッシュバック額」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。キャッシュバック額は、還元率または固定額による設定が可能である。図2に示す例では、キャッシュバック額の還元率が30%であるので、例えば、クーポンを利用して決済を行ったユーザU01の決済金額が1000円である場合、このユーザU01に対して、300円に相当する電子マネーが還元される。
【0049】
「キャッシュバック上限」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの額の上限を設定するための設定項目である。図2に示すように、「キャッシュバック上限」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。図2に示す例では、キャッシュバック額の上限が1000円であるので、例えば、クーポンを利用して決済を行ったユーザU01の決済金額が4000円であっても、このユーザU01に対して、還元率に相当する1200円ではなく、キャッシュバック上限である1000円に相当する電子マネーが還元されることになる。
【0050】
「予算上限金額」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの原資に割り当てる予算を設定するための設定項目である。図2に示すように、「予算上限金額」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。なお、図2に示す例では、「予算上限金額」に対応する情報がクーポン表示画面W2の表示領域DA4に反映されている。
【0051】
「クーポン併用可否」は、クーポンの併用を許可するか否かを設定するための設定項目である。図2に示すように、「クーポン併用可否」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0052】
「キャンペーン店舗の設定」は、決済に連動してクーポンを適用し、決済金額に対するキャッシュバックを行う店舗の設定を行うための設定項目である。例えば、事業者本部Aの従業員U03は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目について設定を行うことにより、事業者本部Aが統括する全ての店舗に共通のクーポンを作成できる。また、事業者本部Aの従業員U03は、統括する店舗のうちのいずれかの店舗(例えば、売上が振るわない店舗など)限定で使用可能なクーポンの作成も可能となる。これにより、店舗ごとにカスタマイズしたクーポン戦略が可能となる。また、事業者本部Aの従業員U03は、統括する店舗をエリアに分け、エリアごとに異なるユーザ区分を対象としたクーポンを作成することも可能となる。これにより、店舗がある地域の地域性に合わせたクーポン戦略も可能となる。「キャンペーン店舗の設定」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信される。
【0053】
上述してきたクーポン設定画面W1を通じて、管理装置100は、例えば、事業者本部Aの従業員U03から、クーポン情報の設定を受け付ける。管理装置100は、事業者端末30から受信するクーポン情報を管理する。管理装置100は、クーポン情報に設定されたユーザ区分に該当するユーザを子決済サービスの利用者の中から検索し、検索したユーザに対して、検索したユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。このようにして、電子決済サービスを導入する事業者本部Aは、決済金額に応じた利益還元を行うユーザを具体的に設定できる。
【0054】
(1-3-2.アカウント権限について)
管理装置100は、電子決済サービスの導入時に各店舗に発行するアカウントごとに、レベルの異なるアカウント権限を付与してもよい。そして、管理装置100は、付与したアカウント権限の範囲内でクーポンに関する設定を受け付けてもよい。例えば、管理装置100が付与するアカウント権限として、クーポン設定画面W1における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などが例示される。例えば、クーポン設定画面W1における「予算上限金額」や「キャンペーン店舗の設定」についての設定項目は、管理者権限のみで操作可能な設定項目としてもよい。例えば、管理装置100は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目について、標準権限のアカウントでキャンペーンを実施する店舗の選択を行おうとした場合、管理者権限が必要である旨を通知するなどして、設定を受け付けないようにできる。また、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目においてキャンペーンの実施店舗として選択される店舗が一定数以上の店舗に跨る場合、管理者権限のアカウントでのみ設定を可能とすることもできる。例えば、管理装置100は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目において、標準権限のアカウントで一定数以上の店舗を選択しようとした場合、アカウント権限の範囲を越えている旨を通知するなどして、設定を受け付けないようにできる。このように、アカウント権限のレベル分けを行うことにより、例えば、事業者本部Aでのみ作成可能なクーポンや、各店舗で作成可能なクーポンなどを実現可能となる。また、クーポン設定画面W1における各設定項目において設定できる設定値(パラメータ)の範囲をアカウント権限のレベルに応じて異なる範囲となるようにすることもできる。例えば、例えば、クーポン設定画面W1(図2参照)に設けられた「キャッシュバック額」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたり、「キャッシュバック上限」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたりすることが可能となる。
【0055】
〔2.システム構成例〕
以下、実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とを有する。
【0056】
また、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とは、有線又は無線によりネットワークNに接続される。例えば、ユーザ端末10及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、店舗端末20及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、事業者端末30及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。
【0057】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。なお、図3に示す情報処理システム1は、図3に示す例よりも多くのユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30や、管理装置100を有していてもよい。
【0058】
ユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される情報処理装置である。ユーザ端末10は、典型的には、スマートフォンである。なお、ユーザ端末10は、スマートフォンの他、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現され得る。
【0059】
また、ユーザ端末10は、管理装置100から提供される電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラム等を取得する。ユーザ端末10のユーザU01は、前述のアプリケーションプログラムを起動することにより、ユーザ端末10を用いて、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いた決済を実現できる。また、ユーザ端末10は、ユーザ操作にしたがって管理装置100が提供するクーポンに関するウェブサイトを表示部11に表示する。また、ユーザ端末10は、前述のウェブサイトにおいて閲覧可能なクーポン表示画面W2(図2参照)に対するユーザ操作にしたがってクーポンを取得する。ユーザ端末10は、取得したクーポンを識別するクーポンIDと、ユーザIDとを対応付けて管理装置100に登録する。ユーザU01に対して配信されたクーポン情報のうち、ユーザU01が興味を示したクーポン情報が管理装置100に登録される。なお、ユーザ端末10が取得するクーポン情報は、プッシュ通知で配信されるものであってもよく、プル通知で配信されるものであってもよい。
【0060】
店舗端末20は、実店舗で店員(例えば、店員U02)に使用される情報処理装置である。店舗端末20は、典型的には、POS(Point Of System)端末である。なお、店舗端末20は、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末や、PDAや、デスクトップ型PCや、ノート型PC等により実現され得る。
【0061】
店舗端末20は、ユーザU01が購入する商品のバーコードを読み取ることで、決済金額を算出する。また、店舗端末20は、ユーザ端末10に表示されたバーコードやQRコードを読み取ることで、ユーザIDや決済方法に関する情報を取得することも可能である。店舗端末20は、ユーザIDと、店舗IDと、決済金額とを対応付けた決済情報を管理装置100へ送信する。なお、店舗端末20は、商品のバーコードに基づき、商品情報をあわせて管理装置100へ送信することも可能である。
【0062】
事業者端末30は、管理装置100により運営される決済処理システムを導入する店舗aを統括する企業の事業者本部Aの従業員U03によって利用される情報処理装置である。事業者端末30は、典型的には、ノート型PC(Personal Computer)やデスクトップPCである。
【0063】
また、事業者端末30は、事業者端末30のユーザである従業員U03の操作に従って、管理装置100にアクセスする。このような場合、事業者端末30のユーザU30は、管理装置100から発行されたアカウントを用いて、管理装置100により提供される電子決済サービスに関するウェブサイトにログインする。事業者端末30は、ウェブサイトにおける従業員U03の操作に従って、ウェブサイト上で閲覧可能なクーポン設定画面W1(図2参照)を表示部31に表示する。また、事業者端末30は、クーポン設定画面W1において設定されたクーポン情報を管理装置100に送信する。
【0064】
管理装置100は、ユーザ端末10を用いた電子決済に関する電子決済サービスを提供する情報処理装置である。管理装置100が提供する電子決済サービスは、例えば、ユーザ端末10のユーザU01が、ユーザ端末10を用いて利用できるアプリケーションプログラム等により実現される。管理装置100は、典型的には、サーバ装置やクラウドシステム等である。管理装置100は、例えば、ユーザ端末10から受信する決定要求に従って、各種決済を実現する。
【0065】
また、管理装置100は、事業者端末30のユーザである従業員U03からのログイン要求に応じて、電子決済サービスに関するウェブサイトへのログイン処理を実行する。また、管理装置100は、前述のウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1を事業者端末30のユーザU03へ提供する。また、管理装置100は、クーポン設定画面W1を通じて事業者端末30から受信するクーポン情報を、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる店舗IDに関連付けて管理する。また、管理装置100は、クーポン情報に基づいて、ユーザ端末10のユーザU01に対してクーポンを提供する。
【0066】
〔3.装置構成例〕
以下、実施形態に係る管理装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0067】
図4に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0068】
(通信部110について)
通信部110は、有線又は無線により、ネットワークNに接続される。通信部110は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30との間で情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0069】
(記憶部120について)
記憶部120は、制御部130による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、店舗情報記憶部122と、クーポン情報記憶部123と、決済情報記憶部124と、口座情報記憶部125とを有する。
【0070】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザに関するユーザ情報を記憶する。図5は、実施形態に係るユーザ情報の概要を示す図である。
【0071】
図5に示すように、ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報は、「ユーザID」や、「氏名」や、「性別」や、「年齢」や、「住所」や、「獲得クーポンID」などの複数の項目を有し、これらの各項目は相互に対応付けられている。
【0072】
「ユーザID」の項目は、管理装置100が提供する電子決済サービスを利用するユーザに対して個別に付与される各ユーザに固有の識別情報を記憶する。また、「氏名」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの氏名の情報を記憶する。
【0073】
また、「性別」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの氏名の情報を記憶する。また、「年齢」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの年齢の情報を記憶する。
【0074】
また、「住所」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの住所の情報を記憶する。また、「獲得クーポンID」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザが獲得したクーポンに個別に割り振られる各クーポンに固有の識別情報を記憶する。
【0075】
(店舗情報記憶部122について)
店舗情報記憶部122は、管理装置100が提供する電子決済サービスを導入する店舗に関する店舗情報を記憶する。図6は、実施形態に係る店舗情報の概要を示す図である。
【0076】
図6に示すように、店舗情報記憶部122に記憶される店舗情報は、「店舗ID」や、「名称」や、「住所」や、「アカウント権限」などの複数の項目を有し、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0077】
「店舗ID」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる各店舗に固有の識別情報を記憶する。また、「名称」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗の名称の情報を記憶する。また、「住所」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗の所在地の情報を記憶する。
【0078】
また、「アカウント権限」の項目は、電子決済サービスの導入時に導入店舗に対して発行されるアカウントに対して付与されるアカウント権限の情報を記憶する。アカウント権限には、クーポン設定画面W1(図2参照)における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などが例示される。
【0079】
(クーポン情報記憶部123について)
クーポン情報記憶部123は、電子決済サービスを導入する店舗により設定されるクーポン情報を記憶する。図7は、実施形態に係るクーポン情報の概要を示す図である。
【0080】
図7に示すように、クーポン情報記憶部123に記憶されるクーポン情報は、クーポン設定画面W1(図2参照)により設定される各設定項目に対応する複数の項目を有し、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0081】
「店舗ID」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる各店舗に固有の識別情報を記憶する。また、「クーポンID」の項目は、クーポン設定画面W1により設定されるクーポン情報に基づいて発行されるクーポンに個別に割り振られる識別情報を記憶する。
【0082】
また、「画像ファイル」の項目は、管理装置100からユーザ端末10に提供されるクーポンに関するクーポン情報に挿入する画像に関する情報を記憶する。「画像ファイル」の項目として、画像ファイル名や、画像ファイルの格納先を示すファイルパスの番号などが例示される。
【0083】
また、「タイトル」の項目は、前述のクーポン情報に挿入される画像に記載するタイトルの情報を記憶する。また、「詳細説明」の項目は、前述のクーポン情報に挿入されるクーポンについての詳細説明の情報を記憶する。
【0084】
「セグメント」の項目は、クーポンを獲得可能なユーザの属性に関する情報(ユーザ区分)を記憶する。例えば、「セグメント」の項目は、所定の条件に基づいて予め規定された複数のユーザ区分で構成されるユーザセグメント(ユーザ区分一覧)の中から、クーポンを獲得可能なユーザの属性として指定されたユーザ区分の情報を記憶する。
【0085】
なお、「セグメント」の項目は、ユーザセグメントの中から指定されたユーザ区分を記憶する例に特に限定される必要はない。例えば、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性、各種サービスにおける行動履歴に基づく属性に基づいて設定されてもよい。
【0086】
また、「公開期間」の項目は、クーポンの公開期間に関する情報が記憶される。また、「利用期間」の項目は、クーポンの利用期間に関する情報が記憶される。また、「適用条件」の項目は、クーポンの適用条件に関する情報が記憶される。クーポンの適用条件として、例えば、クーポンが適用される決済金額の金額条件などが例示される。
【0087】
また、「CB額」の項目は、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いて代金の決済を行った場合に、決済の当事者であるユーザが獲得済みのクーポンに基づいて、当事者であるユーザにキャッシュバックされる電子マネーに関する情報が記憶される。「CB額」の項目に記憶される情報として、例えば、決済金額に対する還元率や、還元額の情報などが例示される。
【0088】
また、「CB上限」の項目は、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いて代金の決済を行った場合に、決済の当事者であるユーザが獲得済みのクーポンに基づいて、当事者であるユーザにキャッシュバックされる電子マネーの上限に関する情報を記憶する。
【0089】
また、「予算条件」の項目は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの原資に割り当てる予算の情報を記憶する。また、「クーポン併用」の項目は、クーポンの併用の許否に関する情報を記憶する。また、「キャンペーン実施店舗」の項目は、クーポンの適用によりキャッシュバックを行う店舗の情報を記憶する。
【0090】
(決済情報記憶部124について)
決済情報記憶部124は、電子決済サービスを利用して行われた決済情報を記憶する。図8は、実施形態に係る決済情報の概要を示す図である。
【0091】
図8に示すように、決済情報記憶部124に記憶される決済情報は、「ユーザID」と、「店舗ID」と、「商品ID」と、「決済金額」と、「決済日時」と、「決済番号」と、「適用クーポンID」と、「CB予定額」の複数の項目を有し、これらの各項目は相互に対応付けられている。
【0092】
「ユーザID」及び「店舗ID」の項目には、上述のユーザ情報記憶部121や、店舗情報記憶部122や、クーポン情報記憶部123に記憶される「ユーザID」や「店舗ID」の項目の情報に対応する情報が記憶される。
【0093】
また、「商品ID」の項目には、ユーザにより購入された商品に個別に割り振られている各商品に固有の識別情報を記憶する。また、「決済金額」の項目は、決済金額の情報を記憶する。また、「決済日時」の情報は、決済日時の情報を記憶する。また、「決済番号」の項目は、対応する決済処理に対して個別に割り振られる各決済処理に固有の識別情報を記憶する。
【0094】
また、「適用クーポンID」は、対応する決済処理に連動して自動的に適用されたクーポンのクーポンIDが記憶される。また、「CB予定額」の項目は、クーポンに基づいてキャッシュバックされる電子マネーの獲得予定額の情報を記憶する。
【0095】
(口座情報記憶部125について)
口座情報記憶部125は、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用するユーザの口座情報を記憶する。電子決済サービスを利用するユーザには、電子決済サービスを利用して商品の代金を支払うユーザ側と、電子決済サービスを導入して商品の代金の支払いを受け付ける店舗側とが含まれる。図9は、実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。
【0096】
図9に示すように、口座情報記憶部125に記憶される口座情報は、「ユーザID/店舗ID」や、「口座番号」や、「電子マネー残高」などの複数の項目を有し、これらの項目は互いに対応付けられている。
【0097】
「ユーザID/店舗ID」の項目は、電子決済サービスを利用して商品の代金を支払うユーザのユーザID、又は電子決済サービスを通じて商品の代金の支払いを受け付ける店舗の店舗IDのいずれかを記憶する。
【0098】
また、「口座番号」は、電子決済サービスを利用するユーザに個別に割り振られる各ユーザに固有の口座番号の情報を記憶する。また、「電子マネー残高」の項目は、口座に入金済みの電子マネーの残高の情報を記憶する。
【0099】
(制御部130について)
制御部130は、管理装置100の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0100】
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、提供部132と、決済処理部133とを有する。
【0101】
(受付部131について)
受付部131は、クーポンを獲得可能なユーザの属性情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、管理装置100が提供する電子決済サービスを導入する店舗側(例えば、事業者端末30)に対して電子決済サービスに関するウェブサイトへのアクセスを許可する。また、受付部131は、前述のウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1(図2参照)へのアクセスを許可する。また、受付部131は、クーポン設定画面W1に設けられた「セグメント設定」の設定項目を通じて、クーポン情報の設定要求元である店舗から、クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するユーザ区分の指定を受け付ける。
【0102】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1(図2参照)に設けられた「セグメント設定」の設定項目において指定されたユーザ区分に属する推定ユーザ数を提示する。
【0103】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1(図2参照)に設けられた「画像」の設定項目を通じて、クーポンに挿入されるカバー画像の設定を受け付ける。また、受付部131は、クーポン設定画面W1(図2参照)に設けられた「キャンペーン店舗の設定」の設定項目を通じて、クーポンを利用可能な店舗(キャンペーン店舗)の設定を受け付ける。これにより、電子決済サービスを導入する企業は、全ての店舗に共通のクーポンを作成したり、例えば、売上が振るわない店舗など限定で使用可能なクーポンを作成したりすることができる。
【0104】
また、受付部131は、クーポン情報の設定要求元である店舗に付与するアカウント権限の範囲内で、クーポン設定画面W1におけるクーポン情報の設定を受け付ける。例えば、アカウント権限は、クーポン設定画面W1における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などにレベル分けされる。また、受付部131は、アカウント権限のレベルに応じて、クーポンに関するクーポン情報の設定を行う際に入力可能なパラメータの範囲を変更する。これにより、例えば、クーポン設定画面W1(図2参照)に設けられた「キャッシュバック額」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたり、「キャッシュバック上限」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたりすることができる。
【0105】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1において設定されたクーポン情報に対して、クーポン情報を識別するためのクーポンIDを付与する。そして、提供部132は、発行したクーポンIDを含むクーポン情報を、クーポン情報の設定要求元である店舗IDに関連付けて記憶部120(クーポン情報記憶部123)に登録する。
【0106】
(提供部132について)
提供部132は、受付部131により受け付けられた属性情報が示す属性のユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。具体的には、提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報がある場合、該当のクーポン情報に設定されたユーザセグメントの情報(例えば、指定されたユーザ区分)を取得する。提供部132は、取得したユーザセグメントの情報に該当するユーザを電子決済サービスの利用者の中から検索する。提供部132は、例えば、ユーザ情報記憶部141に記憶されているユーザ情報や、決済情報記憶部124に記憶されている決済情報などを参照して、指定されたユーザ区分に該当するユーザを検索する。そして、提供部132は、検索したユーザに対して、公開時期に該当するクーポン情報に基づくクーポンを発行する。
【0107】
(決済処理部133について)
決済処理部133は、決済要求に含まれる決済情報に基づいて決済処理を実行する。具体的には、決済処理部133は、ユーザ端末10から決済要求を受信すると、決済情報に含まれるユーザIDと店舗IDとに基づいて、ユーザ情報記憶部121に記憶されているユーザ情報の中から決済金額に適用可能なクーポン情報を選択する。そして、決済処理部133は、選択したクーポン情報に基づいて精算金額を算出する。そして、決済処理部133は、決済情報に含まれるユーザIDに紐付く口座から、決済情報に含まれる店舗IDに紐付く口座へと、精算金額が示す額の電子マネーを移行させ、決済が完了した旨の通知をユーザ端末10へと送信する。
【0108】
〔4.処理手順〕
以下、図10~12を用いて、実施形態に係る管理装置100の処理手順について説明する。図10図12は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、管理装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0109】
(4-1.クーポン情報登録処理)
まず、図10を用いて、管理装置100によるクーポン情報登録処理の処理手順の一例を説明する。図11に示すように、受付部131は、電子決済サービスを導入する店舗側(例えば、事業者端末30)に提供するウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1へのアクセスを許可する(ステップS101)。
【0110】
続いて、受付部131は、クーポン情報の設定要求元に発行したアカウントのアカウント権限の範囲内で、クーポン設定画面W1におけるクーポン情報の設定を受け付ける(ステップS102)。
【0111】
続いて、受付部131は、クーポン情報の設定が完了したかを判定する(ステップS103)。受付部131は、クーポン情報の設定が完了したと判定した(ステップS103,Yes)、クーポン情報を識別するためのクーポンIDを付与する(ステップ104)。
【0112】
そして、受付部131は、クーポンIDを含むクーポン情報を、クーポン情報の設定要求元である店舗IDに関連付けて記憶部120(クーポン情報記憶部123)に登録して(ステップS105)、図10に示す処理手順を終了する。
【0113】
(4-2.クーポン情報提供処理)
次に、図11を用いて、管理装置100によるクーポン情報提供処理の処理手順の一例を説明する。図11に示すように、提供部132は、クーポン情報記憶部123に登録されているクーポン情報を検索し、登録済みのクーポン情報の中に公開時期に該当するクーポン情報があるかを判定する(ステップS201)。
【0114】
提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報がないと判定した場合(ステップS201;No)、図11に示す処理手順を終了する。
【0115】
一方、提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報があると判定した場合(ステップS201;Yes)、公開時期に該当するクーポン情報に設定されているユーザセグメントに対応するユーザに対応するユーザを検索する(ステップS202)。例えば、提供部132は、ユーザ情報記憶部141に記憶されているユーザ情報や、決済情報記憶部124に記憶されている決済情報などを参照し、クーポン情報のセグメントに設定されたユーザ区分に該当するユーザを検索する。
【0116】
そして、提供部132は、検索されたユーザに対して、該当のクーポン情報に基づくクーポンを発行し(ステップS203)、図11に示す処理手順を終了する。
【0117】
(4-3.決済処理)
次に、図12を用いて、管理装置100による決済処理の処理手順の一例を説明する。以下では、決済要求がユーザ端末10から取得される例について説明する。
【0118】
図12に示すように、決済処理部133は、ユーザ端末10から決済要求を受信すると、決済要求に含まれる決済情報に基づいて、決済金額に適用可能なクーポン情報を選択する(ステップS301)。
【0119】
決済処理部133は、選択したクーポン情報に基づいて精算金額を算出する(ステップ302)。そして、決済処理部133は、算出した精算金額に基づいて決済処理を実行する(ステップS303)。
【0120】
決済完了後、決済処理部133は、決済完了通知をユーザ端末10に送信して(ステップS304)、図12に示す処理手順を終了する。
【0121】
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。例えば、上述の実施形態において、管理装置100は、電子決済サービスを導入する店舗(例えば、店舗a)のフォロワー(例えば、ユーザU01)に対して、所定のタイミングで、クーポンを獲得可能なユーザ区分(ユーザの属性)を通知したり、発行中のクーポンを獲得可能な対象者であることを通知したりしてもよい。
【0122】
また、管理装置100は、電子決済サービスを導入する店舗(例えば、店舗a)により、クーポンの投稿があると、クーポンの投稿を行った店舗のフォロワーに対して、クーポンの投稿があった旨のお知らせを自動的に配信してもよい。
【0123】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態及び変形例に係る管理装置100は、例えば、図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、管理装置100を例に挙げて説明する。図13は、実施形態に係る管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0124】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0125】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0126】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0127】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0128】
例えば、コンピュータ1000が管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、管理装置100の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0129】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る管理装置100は、受付部131と、提供部132とを有する。受付部131は、所定の決済手段を用いた決済処理に連動して自動的に適用されるクーポンを獲得可能なユーザの属性を示す属性情報を受け付ける。提供部132は、受付部131により受け付けられた属性情報が示す属性のユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。
【0130】
これにより、管理装置100は、クーポンの発行元となる店舗に、クーポンの発行先となるユーザの属性を任意に指定させることができ、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与する店舗側の利便性を向上できる。
【0131】
また、受付部131は、所定の条件に基づいて予め規定された複数のユーザ区分で構成されるユーザ区分一覧の中から、クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するユーザ区分の指定を受け付ける。これにより、管理装置100は、クーポンの発行先となるユーザの属性を簡便に指定させることができる。
【0132】
また、ユーザ区分は、所定の決済手段を利用可能なユーザの決済履歴に基づいて予め規定される。これにより、管理装置100は、例えば、クーポンの発行先となるユーザの決済履歴を考慮したユーザセグメントを店舗側に提供できる。
【0133】
また、ユーザ区分は、所定の決済手段を利用可能なユーザの店舗追跡状況に基づいて予め規定される。これにより、管理装置100は、例えば、クーポンの発行先となるユーザの店舗フォローの有無を考慮したユーザセグメントを店舗側に提供できる。
【0134】
また、ユーザ区分は、所定の決済手段を利用可能なユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性に基づいて予め規定される。これにより、管理装置100は、クーポンの発行先となるユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性に基づくユーザセグメントを店舗側に提供できる。
【0135】
また、受付部131は、指定されたユーザ区分に属する推定ユーザ数を提示する。これにより、管理装置100は、ユーザセグメントを指定する際の参考情報を店舗側に提供できる。
【0136】
また、受付部131は、クーポンに挿入される画像の設定を受け付ける。これにより、管理装置100は、クーポン情報の設定の自由度を高めることができる。
【0137】
また、受付部131は、クーポンを利用可能な店舗の設定を受け付ける。これにより、管理装置100は、店舗ごとにカスタマイズしたクーポン戦略を実現させることができる。
【0138】
また、受付部131は、アカウント権限の範囲内でクーポンに関するクーポン情報の設定を受け付ける。これにより、管理装置100は、店舗側におけるクーポン情報の管理を容易にすることができる。
【0139】
また、受付部131は、アカウント権限のレベルに応じて、クーポンに関するクーポン情報の設定を行う際に入力可能なパラメータの範囲を変更する。これにより、管理装置100は、店舗側におけるクーポン情報の管理を容易にすることができる。
【0140】
また、クーポンは、クーポンを予め取得したユーザが識別コードを用いて行う決済処理に連動して自動的に適用される。また、提供部132は、クーポンの利用時よりも後に利用可能な利益を付与するクーポンを提供する。これにより、クーポンを利用するユーザの利便性を向上しつつ、また、クーポンを発行する店舗側の顧客吸引力を高めることができる。
【0141】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0142】
また、上述した管理装置100は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0143】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【0144】
また、本願の実施形態に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本願の実施形態は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、実施形態の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0145】
10 ユーザ端末
20 店舗端末
30 事業者端末
100 管理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報記憶部
122 店舗情報記憶部
123 クーポン情報記憶部
124 決済情報記憶部
125 口座情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 提供部
133 決済処理部
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