(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】喫煙品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/22 20200101AFI20230626BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20230626BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20230626BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230626BHJP
【FI】
A24D1/22
A24D1/02
A24D1/20
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2022120206
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2021080178の分割
【原出願日】2016-08-31
【審査請求日】2022-08-05
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥエイン・ウィリアム・ビーソン
(72)【発明者】
【氏名】ビリー・ティー・コナー
(72)【発明者】
【氏名】エボン・ルウェリン・クルックス
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジー・ヘーツ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・モンサルード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ポール・ムーア
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・エフ・ティリー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・コール
(72)【発明者】
【氏名】ダレル・ディー・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】サマンサ・エス・ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】カレン・ウォンブル・ウォレス
(72)【発明者】
【氏名】アルバロ・ゴンザレス-パーラ
(72)【発明者】
【氏名】イエン・プー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エフ・デイビス
(72)【発明者】
【氏名】マシュウ・イー・ランプル
(72)【発明者】
【氏名】カーター・アール・ユッツイ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ハリソン・ワトソン
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-524850(JP,A)
【文献】特表2015-508288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/22
A24D 1/02
A24D 1/20
A24F 40/42
A24F 40/20
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い喫煙品であって、
吸い口端部分と、
吸い口端部分とは反対側の発熱部分と、
ロッドを画定するように、少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられ、吸い口端部分に向かって延びている外側包装材料であって、水酸化アルミニウムの一部、水酸化マグネシウムの一部、または炭酸カルシウムの一部を含む外側包装材料と、
外側包装材料の内側かつ発熱部分と吸い口端部分との間に配置されたエアロゾル生成部分と、
を備えており、
エアロゾル生成部分は、包装材料によって包まれたエアロゾル生成要素を備え、包装材料が、エアロゾル生成要素と外側包装材料との間に位置し、発熱部分からエアロゾル生成部分まで延びており、
エアロゾル生成部分は、発熱部分から受け取った熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されており、
エアロゾル生成部分および発熱部分はさらに、エアロゾル生成部分が発熱部分から受け取った熱を、外側包装材料の焼け焦げを防止するように分配すべく協働するように構成されている、外側包装材料。
【請求項2】
細長い喫煙品であって、
吸い口端部分と、
吸い口端部分とは反対側の発熱部分と、
発熱部分に隣接する緩衝領域であって、発熱部分と吸い口端部分との間の緩衝領域と、
ロッドを画定するように、少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられ、吸い口端部分に向かって延びる外側包装材料と、
外側包装材料の内側かつ緩衝領域と吸い口端部分との間に配置されたエアロゾル生成部分と、
を備えており、
エアロゾル生成部分は、包装材料によって包まれたエアロゾル生成要素を備え、包装材料が、エアロゾル生成要素と外側包装材料との間に位置し、発熱部分からエアロゾル生成部分まで延びており、
エアロゾル生成部分は、発熱部分または緩衝領域から受け取った熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されており、
エアロゾル生成部分、緩衝領域、および発熱部分はさらに、エアロゾル生成部分が発熱部分または緩衝領域から受け取った熱を、外側包装材料の焼け焦げを防止するように分配すべく協働するように構成されている、外側包装材料。
【請求項3】
エアロゾル生成部分が、或る長さおよび最大直径を有するロッド部材を備え、ロッド部材が、ロッド部材の長さおよび最大直径のそれぞれに等しい長さおよび最大直径を有する直円柱の表面積よりも大きい表面積を有する、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項4】
エアロゾル生成部分が、溝付きロッド部材を備える、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項5】
溝付きロッド部材が、溝付きロッド部材を通って長手方向に延びるチャネルを画定している、請求項4に記載の喫煙品。
【請求項6】
溝付きロッド部材が、粉砕タバコ、炭酸カルシウム、結合剤、グリセリン、水、および香味料を含む混合物から押し出されている、請求項4に記載の喫煙品。
【請求項7】
包装材料が、紙-箔シート積層体、紙-箔-紙シート積層体、紙-箔-タバコシート積層体、不織グラファイトシート、グラフェンシート、グラフェン-箔シート積層体、グラフェン-箔-紙シート積層体、紙-グラフェンシート積層体、紙シート上にインプリントされたグラフェンインク、箔シート上にインプリントされたグラフェンインク、紙シートまたは箔シートに係合したカーボンナノチューブ、紙シートまたは箔シートに係合したフラーレン、ならびに紙シートまたは箔シートに係合したグラフェンで構成されるグループから選択される、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項8】
グラフェンインクが、紙シートまたは箔シート上に連続的なパターンまたは不連続なパターンに従ってインプリントされる、請求項7に記載の喫煙品。
【請求項9】
紙シートが、タバコ包装紙シートを備え、タバコシートが、押し出しによるタバコシート、キャストによるタバコシート、または再構成タバコシートを備える、請求項7に記載の喫煙品。
【請求項10】
箔シートが、連続的な箔シートまたは個別の箔細片を備える、請求項7に記載の喫煙品。
【請求項11】
外側包装材料の内側かつ発熱部分とエアロゾル生成部分との間に配置されたタバコ部分をさらに備える、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項12】
外側包装材料の内側かつエアロゾル生成部分と吸い口端部分との間に配置されたタバコ部分をさらに備える、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項13】
外側包装材料の内側において発熱部分の一部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びている不織グラファイトシートまたはグラファイトとグラフェンとの不織複合シートをさらに備える、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項14】
不織グラファイトシートが、外側包装材料と積層される、請求項13に記載の喫煙品。
【請求項15】
間に接着材料を介して外側包装材料と積層された金属箔シートをさらに備え、接着材料は、水酸化アルミニウムの部分を含んでおり、金属箔シートは、外側包装材料の内側において発熱部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項16】
外側包装材料の内側において発熱部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びているガラス繊維シートをさらに備える、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項17】
外側包装材料に係合した熱伝導材料をさらに備え、熱伝導材料は、外側包装材料の内側に配置され、半径方向においては発熱部分の周囲に少なくとも部分的に包み、長手方向においては発熱部分からエアロゾル生成部分までを包むように延びている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項18】
熱伝導材料が、外側包装材料上にインプリントされた伝導性インク、外側包装材料の選択された部分へと堆積させられた金属層、外側包装材料に係合したグラフェン、または外側包装材料の選択された部分に係合したカーボン材料を備える、請求項17に記載の喫煙品。
【請求項19】
エアロゾル生成部分が、カットフィラーの形態のタバコ材料のキャストシート、カットフィラーの形態の再構成タバコ材料のシート、グリセリンで処理されたカットフィラータバコ材料、エアロゾル形成ビーズ、グリセリンを含むセラミック材料、カットフィラーの形態の非タバコ材料のキャストシート、タバコ由来ニコチン物質を含むガラス繊維マット、エアロゾル形成材料が塗布された箔シート、タバコ由来ニコチン物質を含むギャザード紙、タバコ由来ニコチン物質を含む非タバコ材料、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料で構成される、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項20】
グリセリンで処理されたカットフィラータバコ材料が、約5%~約25%の間のグリセリンを含む、請求項19に記載の喫煙品。
【請求項21】
エアロゾル生成部分が、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分および第2の部分が、発熱部分と吸い口端部分との間に連続的に配置されている、請求項19に記載の喫煙品。
【請求項22】
エアロゾル生成部分が、第1の部分および第2の部分を含み、エアロゾル生成部分の第1の部分が、エアロゾル生成部分の第2の部分とは異なる材料で構成されている、請求項19に記載の喫煙品。
【請求項23】
エアロゾル生成部分が、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分および第2の部分が、単一のエアロゾル発生要素を形成するように混ぜ合わせられている、請求項19に記載の喫煙品。
【請求項24】
エアロゾル生成部分が、少なくとも1つの導管を画定している多孔質セラミックロッド部材を備え、少なくとも1つの導管は、多孔質セラミックロッド部材を長手方向に貫いて延びている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項25】
多孔質セラミックロッド部材が、エアロゾル形成剤、香味料、またはタバコ抽出物を含む、請求項24に記載の喫煙品。
【請求項26】
エアロゾル形成剤がグリセリンを含み、タバコ抽出物がタバコ由来ニコチンを含む、請求項25に記載の喫煙品。
【請求項27】
多孔質セラミックロッド部材が、多孔質セラミックロッド部材の外面を巡って角度を空けつつ配置された複数の長手方向に延びる開放チャネルを画定している、請求項24に記載の喫煙品。
【請求項28】
エアロゾル生成部分が、発熱部分に対して連続的に配置されたエアロゾル形成ビーズで構成され、ビーズと吸い口端部分との間に配置された非タバコプラグ部材を含む、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項29】
エアロゾル生成部分が、互いに平行に延びる複数のロッド部材を備え、ロッド部材が、タバコ材料、非タバコ材料、またはセラミック材料で構成されている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項30】
発熱部分が、炭素、コットンリンター、ガラス微小球、触媒、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される可燃性向上材料を含む、炭化材料または熱分解材料からなる加熱要素を含む、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項31】
少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられた少なくとも外側包装材料の周囲に巻き付けられたオーバーラップ材料をさらに備え、オーバーラップ材料は、外側包装材料から少なくとも部分的に離れるようにエンボス加工されている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項32】
外側包装材料と相互作用する熱変色性のインク材料をさらに含み、熱変色性のインクは、外側包装材料が温度しきい値を超えることに応答して、視覚によるしるしをもたらすように構成されている、請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項33】
発熱部分とエアロゾル生成部分との間に緩衝領域をさらに含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項34】
外側包装材料が、水酸化アルミニウムの部分、水酸化マグネシウムの部分、または炭酸カルシウムの部分をその中に含む、請求項2に記載の喫煙品。
【請求項35】
緩衝領域が、熱伝導の多気孔スペーサ要素を含むか、または空の空気空間を画定する、請求項2または33に記載の喫煙品。
【請求項36】
緩衝領域が、不燃性材料または触媒材料で少なくとも部分的に満たされる、請求項2または33に記載の喫煙品。
【請求項37】
不燃性材料が、金属材料、有機材料、無機材料、セラミック材料、ポリマー材料、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項36に記載の喫煙品。
【請求項38】
触媒材料が、セリウムもしくは銅イオンもしくは酸化物、またはセリウムおよび銅イオンの塩を含む、請求項36に記載の喫煙品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコから製造または生成され、あるいは他のやり方でタバコを取り入れており、ヒトによって摂取されるように意図された製品に関し、より詳細には、タバコを燃焼させることによって煙を発生するタバコ製品と比較して、不完全燃焼および熱分解生成物の量が大幅に少ないエアロゾルをもたらすセグメントタイプの喫煙品に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットなどの一般的な喫煙品は、実質的に円柱形の棒状の構造を有し、(例えば、カットフィラーの形態の)細断されたタバコなどの喫煙可能な材料のチャージ、ロール、またはカラムを包装紙によって囲んで含むことにより、いわゆる「喫煙可能ロッド」、「タバコロッド」、または「シガレットロッド」を形成している。通常は、シガレットは、タバコロッドに端部同士をつなぐ関係で整列した円柱形のフィルタ要素を有する。好ましくは、フィルタ要素は、「プラグラップ(plug wrap)」として知られる紙材料によって取り囲まれた可塑化酢酸セルローストウを備える。好ましくは、フィルタ要素は、「チッピング紙(tipping paper)」として知られる周囲の包装材料を用いてタバコロッドの一端に取り付けられる。また、吸い込まれる主流煙を周囲空気で希釈するために、チッピング材料およびプラグラップに孔を設けることが望まれるようになってきている。シガレットおよびその種々の構成要素の説明が、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に記載されている。伝統的なタイプのシガレットは、喫煙者によって、一端に点火し、タバコロッドを燃焼させることによって使用される。次いで、喫煙者は、主流煙を、シガレットの反対側の端部(例えば、フィルタ端または吸い口端)において吸い込むことによって自身の口内に受け入れる。長年にわたり、喫煙品の構成要素、構造、および性能を改善する努力がなされてきた。例えば、Borschkeらの米国特許第7753056号明細書に記載の背景技術を参照されたい。
【0003】
炭素質の燃料要素を使用する特定のタイプのシガレットが、R.J.Reynolds Tobacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」という銘柄で市販されている。例えば、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)およびInhalation Toxicology,12:5,p.1-58(2000)に記載されているタイプのシガレットを参照されたい。加えて、最近では、同様のタイプのシガレットが、「Steam Hot One」という銘柄でJapan Tobacco Inc.によって日本国において販売されている。
【0004】
近年において、熱の発生およびエアロゾルの形成のための炭素質燃料要素を取り入れたさまざまなタイプの喫煙製品が、特許文献に記載されており、いくつかの特許文書が、タバコを燃やすことによって生成される主流煙と比較して比較的単純な化学組成を有するエアロゾルをもたらす喫煙製品に関する技術の歴史的視点を提供している。例えば、Cantrellらの米国特許第7647932号明細書、Borschkeらの米国特許第7836897号明細書、Banerjeeらの米国特許第8469035号明細書、Sebastianらの米国特許第8464726号明細書、Tsuruizumiらの米国特許第8616217号明細書、Crooksらの米国特許第8678013号明細書、Pogetらの米国特許第8915255号明細書、Stoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書およびShinozakiらの米国特許出願公開第2013/0133675号明細書、Gladdenらの国際公開第2012/0164077号パンフレット、Raetherらの国際公開第2013/098380号パンフレット、Zuberらの国際公開第2013/098405号パンフレット、Zuberらの国際公開第2013/098410号パンフレット、Woodcockの国際公開第2013/104914号パンフレット、Roudierらの国際公開第2013/120849号パンフレット、Mironovの国際公開第2013/120854号パンフレット、Azegamiらの国際公開第2013/162028号パンフレット、およびSaleemらの国際公開第20132/1600112号パンフレット、ならびにBabaらの欧州特許出願公開第1808087号明細書およびTsuruizumiらの欧州特許出願公開第2550879号明細書において提案されている種々のタイプの喫煙製品および関連の技術を参照されたい。
【0005】
かなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を含むエアロゾルをもたらすことなく、従来からのシガレットの喫煙の喜びの大部分を喫煙者に提供する能力を示す喫煙品を提供することが、強く望まれると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7753056号明細書
【文献】米国特許第7647932号明細書
【文献】米国特許第7836897号明細書
【文献】米国特許第8469035号明細書
【文献】米国特許第8464726号明細書
【文献】米国特許第8616217号明細書
【文献】米国特許第8678013号明細書
【文献】米国特許第8915255号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0042885号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0133675号明細書
【文献】国際公開第2012/0164077号
【文献】国際公開第2013/098380号
【文献】国際公開第2013/098405号
【文献】国際公開第2013/098410号
【文献】国際公開第2013/104914号
【文献】国際公開第2013/120849号
【文献】国際公開第2013/120854号
【文献】国際公開第2013/162028号
【文献】国際公開第20132/1600112号
【文献】欧州特許出願公開第1808087号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2550879号明細書
【非特許文献】
【0007】
【文献】Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)
【文献】Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)
【文献】Inhalation Toxicology,12:5,p.1-58(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のニーズおよび他のニーズは、一態様において、点火端と反対側の吸い口端とを有している細長い喫煙品であって、吸い口端に配置された吸い口端部分と、点火端の付近に配置された発熱部分とを備える喫煙品を提供する本開示の態様によって満たされる。外側包装材料が、少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられ、円柱形のロッドを画定するように吸い口端部分に向かって延びる。エアロゾル生成部分が、外側包装材料の内側かつ発熱部分と吸い口端部分との間に配置され、発熱部分から受け取る熱に応答してエアロゾルを生成するように構成され、エアロゾル生成部分および発熱部分は、エアロゾル生成部分が発熱部分から受け取る熱を、外側包装材料の焼け焦げを防止するように分配すべく協働するようにさらに構成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このように、本開示の態様は、喫煙品を提供し、とくにはシガレットなどの棒状または細長い喫煙品を提供する。喫煙品は、喫煙品の反対向きの端部にそれぞれ位置する点火端(すなわち、上流側の端部)および吸い口端(すなわち、下流側の端部)を含む。喫煙品は、(i)発熱領域、部分、またはセグメントと、(ii)発熱セグメントの下流に位置するエアロゾル生成領域、部分、またはセグメントとを備えるエアロゾル生成システムをさらに含む。発熱セグメントは、例えば比較的きれいに燃える炭素質材料などの材料からなる比較的短い(長手方向に延びる)熱源または燃料要素(すなわち、発熱要素)を含む。エアロゾル生成セグメントは、最も好ましくは、基体領域を含み、特定の実施形態において、基体領域は、基体キャビティ内に配置されたタバコから形成されたペレットまたはビーズを含む。あるいは、例えば、基体領域は、再構成されたタイプのタバコ(例えば、細断されたキャストシートタイプの材料)を含む材料を含む。基体材料が配置される基体キャビティまたは基体領域は、好ましくは、紙タイプの包装材料へと積層された金属箔(例えば、熱伝導)層または細片によって喫煙品の長手方向に延びる長さに沿って囲まれる。タバコで少なくとも部分的に構成される基体が、エアロゾル形成材料の担体および供給源として機能する。
【0010】
特定の態様において、本開示は、吸い口端に配置された吸い口端セグメント、領域、または部分と、点火端と吸い口端部分との間に配置されたタバコロッドセグメント、領域、または部分(あるいは、他の適切に構成されたセグメント)とを備える細長い喫煙品を提供する。エアロゾル生成システムは、発熱セグメントと吸い口端部分との間に位置するセグメントとして配置される。すなわち、エアロゾル生成セグメントは、点火端に配置された発熱部分またはセグメントに長手方向に隣接して配置され、これら2つのセグメントは、発熱セグメントの構成要素の燃焼によって生み出された熱がエアロゾル生成セグメントのエアロゾル形成成分に作用してエアロゾルの生成をもたらすように、熱交換の関係にある。発熱セグメントおよびエアロゾル生成セグメントの長手方向に延びる外面は、吸い口端セグメントに取り付けられるロッドをもたらすように外側包装材料によって囲まれる。熱伝導材料の層が、エアロゾル生成セグメントの外側の内部表面を提供するように外側包装材料の直下に配置される。熱伝導層は、最も好ましくは、発熱セグメントのエアロゾル生成セグメントに隣接する領域の外側長手方向表面に重なり、熱伝導層は、随意により、タバコロッドセグメントのエアロゾル生成セグメントに隣接する領域の外側長手方向表面に重なることができる。エアロゾル生成セグメント内の特定の材料が、発熱セグメントの燃焼する燃料要素によって生み出される熱の作用にて、この熱に応答してエアロゾルを発生させる。
【0011】
特定の態様において、発熱セグメントの燃料要素または熱源は、コットン材料の炭化または熱分解に由来する炭化または熱分解材料として特徴付けることが可能である材料を含むことができる。この点に関して、喫煙品の消費の際に、燃料要素/熱源が点火されて燃焼(すなわち、くすぶり)を維持し、エアロゾル生成セグメントを作動させてエアロゾルを発生させるための充分な熱を生み出しつつ、しかしながら火炎を発しないことが、好ましいかもしれず、さらには/あるいは望ましいかもしれない。このように、本開示の態様は、例えば容易な着火または点火性を促進するように構成または配置された燃料要素/熱源に関係し得る。いくつかの場合、従来からの材料からなる既存の燃料要素/熱源を、喫煙品の所望の着火/点火性を生むように最適化することができる。他の場合には、添加剤(すなわち、テストカーボンまたはコットンリンター)および/または触媒などの他の物質を、着火/点火性を高めるために、従来からの材料で構成された既存の燃料要素/熱源に取り入れることができる。このような燃料要素/熱源の代表的な態様は、例えばNordskogらの米国特許出願第14/755,205号に開示されている。
【0012】
特定の態様において、基体領域(エアロゾル生成システム)は、望ましい感覚特性を示すタバコ煙を形成するタバコの形態を含む。例えば、基体領域を、(i)タバコからなり、グリセリンなどのエアロゾル形成材料のための担体として機能するペレットまたはビーズ(すなわち、エアロゾル形成材料は、ビーズ/ペレットに含まれ、もしくは他のかたちで取り入れられてよく、あるいはビーズ/ペレットに接触させられ、使用時に熱に曝されるまでエアロゾル形成材料のビーズ/ペレットとの全体性を維持するためにゲル化剤/シーラントによってビーズ/ペレットへと封じられてよい)と、(ii)所望の感覚特性を示すタバコの煙を形成するタバコの形態と、の混合物で構成することができる。あるいは、例えば、基体領域を、(i)グリセリンなどのエアロゾル形成材料のための担体として機能する再構成タバコ材料のキャストシートタイプの細片または部分と、(ii)所望の感覚特性を示すタバコ煙を形成するタバコの形態との混合物で構成することができる。特定の態様においては、基体領域/エアロゾル生成システムを、個別または発熱セグメントとの協働において、発熱セグメントから基体領域/エアロゾル生成システムへと向かう熱をより均一または効率的に伝達および分配するように構成することができる。好ましくは、このような発熱セグメントから基体領域/エアロゾル生成システムへと向かう熱の伝達および分配における均一性または効率の向上は、喫煙品の外側包装材料の焼け焦げを好都合に低減、最小化、または排除する。さらに、このような発熱セグメントから基体領域/エアロゾル生成システムへと向かう熱の伝達および分配における均一性または効率の向上は、基体領域/エアロゾル生成システム自体の焼け焦げを低減でき、あるいはユーザが吸入して体験するエアロゾルへの基体の焼け焦げによって引き起こされる不利な感覚的影響の低減または最小化を、少なくとも促進することができる。
【0013】
したがって、本開示は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0014】
実施形態1:点火端と反対側の吸い口端とを有している細長い喫煙品であって、前記喫煙品は、吸い口端に配置された吸い口端部分と、点火端の付近に配置された発熱部分と、円柱形のロッドを画定するように、少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられ、吸い口端部分に向かって延びている外側包装材料と、外側包装材料の内側かつ発熱部分と吸い口端部分との間に配置され、発熱部分から受け取る熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成部分とを備えており、エアロゾル生成部分および発熱部分は、エアロゾル生成部分が発熱部分から受け取る熱を、外側包装材料の焼け焦げを防止するように分配すべく協働するようにさらに構成されている、喫煙品。
【0015】
実施形態2:エアロゾル生成部分は、或る長さおよび或る最大直径を有するロッド部材を備え、ロッド部材は、ロッド部材の長さおよび最大直径のそれぞれに等しい長さおよび最大直径を有する直円柱の表面積よりも大きい表面積を有する、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0016】
実施形態3:エアロゾル生成部分は、溝付きロッド部材を備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0017】
実施形態4:溝付きロッド部材は、溝付きロッド部材を通って長手方向に延びるチャネルを画定している、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0018】
実施形態5:溝付きロッド部材は、粉砕タバコ、炭酸カルシウム、結合剤、グリセリン、水、および香味料を含む混合物から押し出しされている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0019】
実施形態6:エアロゾル生成部分は、包装材料によって包まれたエアロゾル生成要素を備え、包装材料は、エアロゾル生成要素と外側包装材料との間に位置する、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0020】
実施形態7:包装材料は、紙-箔シート積層体、紙-箔-紙シート積層体、紙-箔-タバコシート積層体、不織グラファイトシート、グラフェンシート、グラフェン-箔シート積層体、グラフェン-箔-紙シート積層体、紙-グラフェンシート積層体、紙シート上にインプリントされたグラフェンインク、箔シート上にインプリントされたグラフェンインク、紙シートまたは箔シートに係合したカーボンナノチューブ、紙シートまたは箔シートに係合したフラーレン、ならびに紙シートまたは箔シートに係合したグラフェンで構成されるグループから選択される、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0021】
実施形態8:グラフェンインクは、紙シートまたは箔シート上に連続的なパターンまたは不連続なパターンに従ってインプリントされている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0022】
実施形態9:紙シートは、タバコ包装紙シートを備え、タバコシートは、押し出しによるタバコシート、キャストによるタバコシート、または再構成タバコシートを備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0023】
実施形態10:箔シートは、連続的な箔シートまたは個別の箔細片を備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0024】
実施形態11:外側包装材料の内側かつ発熱部分とエアロゾル生成部分との間に配置されたタバコ部分をさらに備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0025】
実施形態12:外側包装材料の内側かつエアロゾル生成部分と吸い口端部分との間に配置されたタバコ部分をさらに備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0026】
実施形態13:外側包装材料の内側において発熱部分の一部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びている不織グラファイトシートまたはグラファイトとグラフェンとの不織複合シートをさらに備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0027】
実施形態14:不織グラファイトシートは、外側包装材料と積層される、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0028】
実施形態15:間に接着材料を介して外側包装材料と積層された金属箔シートをさらに備え、接着材料は、水酸化アルミニウムの部分を含んでおり、金属箔シートは、外側包装材料の内側において発熱部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0029】
実施形態16:外側包装材料は、水酸化アルミニウムの部分、水酸化マグネシウムの部分、または炭酸カルシウムの部分を含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0030】
実施形態17:外側包装材料の内側において発熱部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられて吸い口端部分に向かって延びているガラス繊維シートをさらに備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0031】
実施形態18:外側包装材料に係合した熱伝導材料をさらに備え、熱伝導材料は、外側包装材料の内側に配置され、半径方向においては発熱部分の周囲を少なくとも部分的に包み、長手方向においては発熱部分からエアロゾル生成部分までを包むように延びている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0032】
実施形態19:熱伝導材料は、外側包装材料上にインプリントされた伝導性インク、外側包装材料の選択された部分へと堆積させられた金属層、外側包装材料に係合したグラフェン、または外側包装材料の選択された部分に係合したカーボン材料を備える、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0033】
実施形態20:エアロゾル生成部分は、カットフィラーの形態のタバコ材料のキャストシート、カットフィラーの形態の再構成タバコ材料のシート、グリセリンで処理されたカットフィラータバコ材料、エアロゾル形成ビーズ、グリセリンを含むセラミック材料、カットフィラーの形態の非タバコ材料のキャストシート、タバコ由来ニコチン物質を含むガラス繊維マット、エアロゾル形成材料が塗布された箔シート、タバコ由来ニコチン物質を含むギャザード(gathered)紙、タバコ由来ニコチン物質を含む非タバコ材料、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料で構成される、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0034】
実施形態21:グリセリンで処理されたカットフィラータバコ材料は、約5%~約25%の間のグリセリンを含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0035】
実施形態22:エアロゾル生成部分は、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分および第2の部分は、発熱部分と吸い口端部分との間に連続的に配置されている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0036】
実施形態23:エアロゾル生成部分は、第1の部分および第2の部分を含み、エアロゾル生成部分の第1の部分は、エアロゾル生成部分の第2の部分とは異なる材料で構成されている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0037】
実施形態24:エアロゾル生成部分は、第1の部分および第2の部分を含み、第1および第2の部分は、単一のエアロゾル生成要素を形成するように混ぜ合わせられている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0038】
実施形態25:エアロゾル生成部分は、少なくとも1つの導管を画定してる多孔質セラミックロッド部材を備え、少なくとも1つの導管は、多孔質セラミックロッド部材を長手方向に貫いて延びている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0039】
実施形態26:多孔質セラミックロッド部材は、多孔質セラミックロッド部材に係合したエアロゾル形成剤、香味料、またはタバコ抽出物を含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0040】
実施形態27:エアロゾル形成剤は、グリセリンとタバコ抽出物を含み、タバコ抽出物は、タバコ由来ニコチンを含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0041】
実施形態28:多孔質セラミックロッド部材は、多孔質セラミックロッド部材の外面を巡って角度を空けつつ配置された複数の長手方向に延びる開放チャネルを画定している、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0042】
実施形態29:エアロゾル生成部分は、発熱部分に対して連続的に配置されたエアロゾル形成ビーズで構成され、ビーズと吸い口端部分との間に配置された非タバコプラグ部材を含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0043】
実施形態30:エアロゾル生成部分は、互いに平行に延びる複数のロッド部材を備え、ロッド部材は、タバコ材料、非タバコ材料、またはセラミック材料で構成されている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0044】
実施形態31:発熱部分は、炭素、コットンリンター、ガラス微小球、触媒、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される可燃性向上材料を含む炭化材料または熱分解材料からなる加熱要素を含む、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0045】
実施形態32:少なくとも発熱部分の周囲に巻き付けられた少なくとも外側包装材料の周囲に巻き付けられたオーバーラップ材料をさらに備え、オーバーラップ材料は、外側包装材料から少なくとも部分的に離れるようにエンボス加工されている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0046】
実施形態33:外側包装材料に相互作用させた熱変色性のインク材料をさらに備え、熱変色性のインクは、外側包装材料が温度しきい値を超えることに応答して視覚によるしるしをもたらすように構成されている、上述または後述のいずれかの実施形態あるいはそれらの組み合わせの喫煙品。
【0047】
本開示のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点が、以下の詳細な説明を、以下で簡単に描かれた添付の図面と併せて理解することで、明らかになるであろう。本開示は、本開示において説明され、あるいは請求項のいずれか1つ以上に記載される2つ、3つ、または4つ以上の特徴または構成要素の任意の組み合わせを、そのような特徴または構成要素が本明細書における特定の実施形態の説明または請求において明示的に組み合わせられているか否か、あるいは他のかたちで記載されているか否かにかかわらず、包含する。本開示は、総体的に理解されるように意図されており、したがって、そのようでないことが本開示の前後関係から明らかでない限り、本開示のあらゆる分離可能な特徴または構成要素が、その態様および実施形態のいずれにおいても、意図されたものとして、すなわち組み合わせ可能であると考えられるべきである。
【0048】
以上、本開示を全体的に説明したので、次に添付の図面を参照するが、添付の図面は、必ずしも比例尺では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本開示の一態様による代表的な喫煙品の縦断面図を概略的に示している。
【
図2】本開示の別の態様による代表的な分解された喫煙品の縦断面図を概略的に示している。
【
図3】本開示のさらに別の態様による代表的な分解された喫煙品の縦断面図を概略的に示している。
【
図4】本開示の別の態様によるエアロゾル生成基体要素を概略的に示している。
【
図5】本開示の別の態様によるエアロゾル生成基体要素を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
次に、本開示を、添付の図面を参照して以下でさらに充分に説明するが、添付の図面には、本開示のすべての態様ではなく、いくつかの態様が示されている。実際、本開示は、多数の異なる形態にて具現化可能であり、本明細書に記載の態様に限定されると解釈されるべきではなく、むしろこれらの態様は、本開示が適用される法的要件を満たすように提示されている。全体を通して、同様の番号は、同様の構成要素を指している。
【0051】
図1は、本開示の一態様によるシガレットの形態の代表的な喫煙品10を示している。好ましくは、喫煙品10は、フィルタ付きのシガレットの全体的なサイズ、形状、および全体としての外観を有する。喫煙品10は、棒状の形状を有し、点火端14および吸い口端18を含む。点火端14には、長手方向に延びるおおむね円柱形の発熱セグメント35が配置されている。発熱セグメント35は、断熱材42によって囲まれた熱源40を含み、熱源40は、最も好ましくは、外側包装材料45によって同軸に囲まれている。熱源40は、好ましくは、点火端14の直接点火によって活性化されるように構成される。すなわち、熱源または燃料要素は、点火されて燃え、あるいはくすぶることで、熱を発生させるように設計されている。さらに、喫煙品10は、反対側の端部(すなわち、吸い口端18)に位置するフィルタセグメント55と、フィルタセグメントと熱源との間に位置するエアロゾル生成セグメント61とを含む。
【0052】
発熱セグメント35は、最も好ましくは、おおむね円柱形の形状を有しており、可燃性の炭素質材料を含んでいる可燃性の燃料要素40を含む。このような可燃性の炭素質材料は、一般に、炭素含有量が多い。好ましい炭素質材料は、主に炭素で構成され、典型的には、乾燥重量基準で、約60%超、一般に約70%超、多くの場合に約80%超、さらに多くの場合に約90%超の炭素含有量を有する。このような可燃性の燃料要素は、可燃性の炭素質材料以外の成分(例えば、粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分;香味剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム、および炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウム、およびアルギン酸ナトリウムのような結合剤)を含むことができる。代表的な燃料要素は、例えば、約12mmの長さと、約4.2mmの全体的な外径とを有する。代表的な燃料要素は、粉砕され、あるいは粉末状にされた炭素質材料を使用して押し出し、あるいは調合することができ、乾燥重量基準で、約0.5g/cm3を超え、多くの場合に約0.7g/cm3を超え、さらに多くの場合に約1g/cm3を超える密度を有する。
【0053】
層状断熱材42を、ガラスフィラメントまたは繊維で構成することができる。断熱材42は、熱源40を喫煙品10内の所定の場所にしっかりと維持するうえで役立つジャケットとして機能することができる(すなわち、熱源を外側包装材料の内側に固定するように熱源と外側包装材との間に配置される)。好ましくは、断熱材は、ガラスフィラメントの不織マットの形態で提供される。断熱材42は、例えば、不織ガラスフィラメントの内側層またはマット67と、再構成されたタバコ紙68の中間層と、不織ガラスフィラメント69の外側層とを含む多層の構成要素として設けることができる。これらの層は、同心円状に配置されてもよいし、各々が連続して重なり合うやり方で熱源を覆い、さらには/あるいは囲んでもよい。
【0054】
好ましくは、発熱セグメント35の両端は、点火端14において少なくとも熱源40および断熱材42を露出させるように開いている。熱源40および周囲の断熱材42を、両方の材料の長さが同じ広がりである(すなわち、とくには発熱セグメントの下流端において、断熱材42の端部が熱源40のそれぞれの端部と同一面になる)ように構成することができる。必ずしも好ましくはないが、随意により、断熱材42は、熱源40のいずれかの端部または両方の端部をわずかに超えて(例えば、約0.5mm~約2mmを超えて)延びることができる。さらに、喫煙品10の使用時に点火端14が点火されたときに生じる熱および/または加熱された空気は、喫煙者が吸い口端18を吸うときに、熱源40自体を通り(すなわち、熱源40を通って延びる長手方向のチャネルを通り)、かつ/または断熱材42を長手方向に通って、発熱セグメント35を容易に通過することができる。
【0055】
好ましくは、外側包装材料75は、喫煙品10の点火端14の長手方向に延びる最も外側の表面を覆って断熱材42を囲む。その外側包装材料75は、典型的には、例えば、R.J.Reynolds Tobacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」という銘柄で市販されているシガレットの熱源セグメントの断熱領域の周囲の包装材料として使用されるタイプの包装紙材料など、包装紙材料である。このように、「外側包装材料75」は、そのような態様を示すために「外側包装紙75」とも呼ばれ得るが、外側包装材料75は、包装紙材料に限定されない。
【0056】
発熱セグメント35は、好ましくは、一端が一番端の点火端14またはその直近に位置するように配置され、下流のエアロゾル生成セグメント61に端部同士の直列の関係で軸を整列させて、好ましくは互いに当接し、好ましくは間に(開放空気の空間以外の)バリアを存在させずに位置する。発熱セグメント35が点火端14に近接していることで、発熱セグメント35の熱源40の直接点火がもたらされる。
【0057】
使用時の燃焼の前の発熱セグメント35の断面形状および寸法は、さまざまであってよい。好ましくは、燃料要素/熱源40の断面積が、発熱セグメント35の全断面積の約10%~約35%、多くの場合に約15%~約25%を構成する一方で、外側または周囲領域(断熱材42および関連する外側包装材料を含む)の断面積は、発熱セグメント35の全断面積の約65%~約90%、多くの場合に約75%~約85%を構成する。例えば、約24mm~約26mmの円周を有する円柱形の喫煙品10の場合、代表的な燃料要素/熱源40は、約2.5mm~約5mm、多くの場合に約3mm~約4.5mmの外径を有するおおむね円形の断面形状を有する。
【0058】
発熱セグメントの構成要素は、さまざまであり得る。発熱セグメントの1つの構成要素は、燃料要素である。適切な燃料要素は、典型的には、高い炭素含有量を有する炭素質材料を含み、グラファイトおよび/またはアルミナなどの成分も含むことができる。炭素質燃料要素は、「Premier」、「Eclipse」、および「Steam Hot One」という銘柄で市販されているシガレットに取り入れられたタイプの構成要素および構成を含む。さらに、代表的なタイプの発熱セグメント、燃料要素の特徴、それらの代表的な構成要素、設計、および構成、ならびにそれらの発熱セグメントおよびそれらの燃料要素を製造するためのやり方および方法が、Banerjeeらの米国特許第4714082号明細書;Clearmanらの米国特許第4756318号明細書;Clearmanらの米国特許第4881556号明細書;Clearmanらの米国特許第4989619号明細書;Farrierらの米国特許第5020548号明細書;Clearmanらの米国特許第5027837号明細書;Banerjeeらの米国特許第5067499号明細書;Farrierらの米国特許第5076297号明細書;Clearmanらの米国特許第5099861号明細書;Banerjeeらの米国特許第5105831号明細書;Whiteらの米国特許第5129409号明細書;Bestらの米国特許第5148821号明細書;Clearmanらの米国特許第5156170号明細書;Riggsらの米国特許第5178167号明細書;Shannonらの米国特許第5211684号明細書;Clearmanらの米国特許第5247947号明細書;Clearmanらの米国特許第5345955号明細書;Barnesらの米国特許第5461879号明細書;Barnesらの米国特許第5469871号明細書;Riggsの米国特許第5551451号明細書;Meiringらの米国特許第5560376号明細書;Meiringらの米国特許第5706834号明細書;Meiringらの米国特許第5727571号明細書;Borschkeらの米国特許第7836897号明細書;Banerjeeらの米国特許第8617263号明細書;およびCrooksの米国特許第8678013号明細書、ならびにBanerjeeらの米国特許出願公開第2005/0274390号明細書;Banerjeeらの米国特許出願公開第2007/0215168号明細書;Stoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書;Stoneらの米国特許出願公開第2013/0269720号明細書;およびConnerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書に記載されている。さらに、Robertsらの米国特許第4819655号明細書およびTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に記載されているタイプの燃料要素の構成およびその構成要素も参照されたい。
【0059】
特定の燃料要素は、炭化させられ、あるいは熱分解させられた綿含有繊維(例えば、コットンリンター)から得られる高炭素含有量の炭素質材料を含むことができる。炭化させられ、あるいは熱分解させられたコットンリンター材料、ならびにこれらの材料を喫煙品、炭化喫煙材料、および燃料要素に取り入れるやり方および方法についての説明は、例えば、Rainerらの米国特許第4219031号明細書;Lawrenceらの米国特許第4920990号明細書;Robinsonらの米国特許第5007440号明細書;Lehmanの米国特許第5060673号明細書;Whiteらの米国特許第5129409号明細書;Shannonらの米国特許第5211684号明細書;およびBanerjeeらの米国特許第8119555号明細書を参照されたい。発熱セグメントの燃料要素は、最も好ましくは、断熱材または他の適切な材料によって囲まれ、あるいは他のやり方で被覆される。断熱材を、喫煙品内の所定の場所に燃料要素を支持、維持、および保持するように構成および使用することができる。さらに、断熱材を、吸われる空気およびエアロゾルが容易に通過できるように構成することができる。適切な断熱アセンブリは、「Premier」、「Eclipse」、「Steam Hot One」という銘柄で市販されているタイプのシガレットに取り入れられている。さらに、断熱材料、断熱アセンブリの構成要素、発熱セグメントにおける代表的な断熱アセンブリの構成、断熱アセンブリのための包装材料、ならびにこれらの構成要素およびアセンブリを製造するためのやり方および方法の例が、Pryorらの米国特許第4807809号明細書;Hancockらの米国特許第4893637号明細書;Barnesらの米国特許第4938238号明細書;Shannonらの米国特許第5027836号明細書;Lawsonらの米国特許第5065776号明細書;Whiteらの米国特許第5105838号明細書;Banerjeeらの米国特許第5119837号明細書;Clearmanらの米国特許第5247947号明細書;Banerjeeらの米国特許第5303720号明細書;Clearmanらの米国特許第5345955号明細書;Casey,IIIらの米国特許第5396911号明細書;Whiteの米国特許第5546965号明細書;Meiringらの米国特許第5727571号明細書;Wilkinsonらの米国特許第5902431号明細書;Cookらの米国特許第5944025号明細書;Thomasらの米国特許第8424538号明細書;Sebastianらの米国特許第8464726号明細書;およびCrooksらの米国特許第8678013号明細書にさらに記載されている。
【0060】
長手方向に伸びるおおむね円柱形のエアロゾル生成セグメント61が、発熱セグメント35の下流に位置している。エアロゾル生成セグメント61は、それ自体がエアロゾル形成剤またはエアロゾル形成物質であり、あるいは他のやり方でエアロゾル形成剤またはエアロゾル形成材料(図示せず)のための担体として働く材料を含む基体要素85を含む。例えば、エアロゾル生成セグメントは、加工補助剤、香味剤、および/またはグリセリンを含む再構成タバコ材料を含むことができる。エアロゾル生成セグメントの上述の構成要素を、包装材料90の内側に配置し、包装材料90によって囲むことができる。包装材料90を、喫煙品10の点火端14から(例えば、発熱セグメント35から)エアロゾル生成セグメント61の構成要素への熱の移動を容易にするように構成することができる。すなわち、エアロゾル生成セグメントおよび発熱セグメントを、互いに熱交換関係に構成することができ、このような熱交換関係を、包装材料90によって促進することができる。熱交換関係は、エアロゾルの形成および生成のためにエアロゾル形成材料(すなわち、基体要素85に組み合わせられた)を揮発させるべく熱源40からの充分な熱がエアロゾル生成セグメント61へと供給されるような関係である。いくつかの場合において、包装材料90は、外側包装材料75に対して別個の構成要素であってよく、あるいは種々のやり方で外側包装材料75に係合してもよい。他の場合において、包装材料90は、基体要素85を外側包装材料75から断熱するための断熱材料を含むことができる。例えば、包装材料90は、約50μm~約500μmの間の厚さを有するガラス繊維マットを含むことができる。
【0061】
本開示の一態様において、熱交換関係は、発熱セグメント35およびエアロゾル生成セグメント61を互いに近接させて直列に配置することによって達成される。いくつかの場合に、これらのセグメントは、互いに端部同士を接触させて直列に配置されてよい。また、熱交換関係を、熱源40の近傍からエアロゾル生成セグメント61によって占められる領域および/またはその周囲へと熱伝導材料を延ばすことによって達成することもできる。例えば、一態様において、基体要素85のための代表的な包装材料90は、エアロゾル生成セグメント61に含まれる(すなわち、基体要素85に組み合わせられた)エアロゾル形成成分の揮発をもたらすために、発熱セグメント35からエアロゾル生成セグメント61へと熱を導く(さらには/あるいは、熱をエアロゾル生成セグメント61の或る長さに沿ってエアロゾル生成セグメント61に相互作用した状態に保つ)ための熱伝導要素または特性を含むことができる。他の態様において、代表的な包装材料90および/または外側包装材料75は、エアロゾル生成セグメント61に含まれ、あるいは基体要素85に組み合わせられたエアロゾル形成成分の揮発を依然としてもたらしつつ、発熱セグメント35からエアロゾル生成セグメント61へと導かれるものではない熱を放熱し、さらには/あるいは発熱セグメント35とエアロゾル生成セグメント61との間で熱を一様またはより一貫的に分配するための熱伝導特性を含むことができる。このような包装材料90を、例えば紙タイプの材料シートの外側層94と熱伝導性の金属箔シートの内層96とからなる積層紙/箔シートによって提供することができる。金属箔シート96を、例えば、熱源40の下流の領域から、エアロゾル生成セグメント61の長さの少なくとも一部に沿って延ばすことができる。金属箔/内側層96の薄片を、外側層94に付着される1つ以上の別個の長手方向に延びる細片の形態、または外側層94と協働して発熱セグメント35およびエアロゾル生成セグメント61に重なる上述の領域を囲む連続的なシートの形態で、外側層94に組み合わせることができる。
【0062】
包装材料90を実現する本開示のいくつかの態様において、包装材料90の熱伝導の提供は、種々のやり方で達成され得る。一般に、積層紙/箔シートの形態の包装材料90は、本明細書に記載のタイプの代表的な喫煙品において、約8mm~約50mmの間の典型的な長さ(すなわち、エアロゾル生成セグメント61に沿って)を有することができる。積層紙/箔シートに、例えば製造の容易さを高めるために、穿孔、エッチング、エンボス加工、またはプライミングを施すことができる。いくつかの場合、積層紙/箔シートの性能を変え、さらには/あるいは包装紙90および/またはエアロゾル生成セグメント61の周囲に巻かれる積層品および/または外側包装紙75の紙シート部分(すなわち、外側層94)の視覚的な焼け焦げを軽減するために、積層品に使用される箔の厚さを、例えば約0.0001インチ~0.005インチの間で必要または所望に応じて変化させ、あるいは増減させることができる。
【0063】
積層紙/箔シートは、さまざまなやり方で形成することができる。例えば、熱伝導性インク(いくつかの場合には、熱伝導性の金属インク)を使用して紙部分へと印刷を行い、印刷されたインクで紙部分上に箔層(シートまたは細片)を形成することができる(さらには/あるいは、紙部分に少なくとも部分的に吸収され/一体化してもよい)。このような熱伝導性インクは、紙部分に沿って熱を伝導するために、例えばカーボン、グラファイト、グラフェン、銀、あるいは任意の他の適切な伝熱または熱伝導性材料、またはそれらの組み合わせを含むことができ、基体要素を加熱して、基体要素からエアロゾルを発生させる。好ましくは、このような熱伝導性インクを、箔シートまたは従来からのシガレット紙上に連続的なパターンまたは不連続なパターンに従って印刷することができ、シガレット紙の坪量は、約20gsm~約100gsmの範囲である。
【0064】
他の場合には、例えば金属箔(すなわち銀)、導電性カーボン材料(すなわち、グラフェン)、または任意の他の適切な熱伝導材料、あるいはそれらの組み合わせなどの伝熱または熱伝導材料を、例えば製造の容易さを促進し、機能性を高めるために、例えば「アイランド配置」または選択的堆積/係合技術を使用して、従来からのシガレット紙へと種々の構成(すなわち、離散ストリップ、フルシート、完全コーティング、など)にて堆積させ、あるいは他のやり方で付着させることができる。いずれの場合も、包装紙90としての積層紙/箔シートの実現は、いくつかの場合に、外側包装紙75および/または喫煙品の他の構成要素の焼け焦げを減らすために、発熱セグメント35が発生させた熱を放熱し、あるいは他の場所へと向ける。このように、焼け焦げの排除は、ユーザへの生成されたエアロゾルの味覚または知覚を改善することができる。すなわち、焼け焦げた物質は、生成されるエアロゾルに望ましくない味覚または知覚を与える可能性があり、そのような焼け焦げの低減、最小化、または排除は、例えばエアロゾルのユーザへの風味を改善し、そのような焼け焦げによって引き起こされる望ましくない視覚的影響を除去することができる。したがって、本開示のいくつかの態様は、発熱セグメント35によって生成され、エアロゾル生成セグメント61へと向けられる熱を、ユーザによって吸い込まれて体験されるエアロゾルに寄与または他のかたちで影響を及ぼす基体要素85、外側包装紙90、あるいは他の構成要素の焼け焦げを生じることなく、より完全かつ効率的に案内および分配するための構成を含む。加えて、エアロゾル生成セグメント61は、いくつかの場合に、グリセリンまたは他の浸出性物質を含むことができるため、本明細書に開示される包装材料90の種々の態様は、グリセリンまたは他の浸出性物質のエアロゾル生成セグメント61から外側包装紙75への浸出の防止または最小化をも対象にすることができる。すなわち、本開示のいくつかの態様は、エアロゾル生成セグメント61から浸出するグリセリンまたは他の浸出性物質によって引き起こされ得る外側包装紙75の変色を防止または最小限にするように構成された包装材料90を含むことができる。
【0065】
いくつかの態様において、包装紙90は、シガレット紙/箔/タバコ紙を3層シートの形態で含むことができ、このような3層シートの構成は、例えば喫煙品の特定の構成要素の焼け焦げまたは炭化を低減、最小化、または排除するとともに、より多くの熱をエアロゾル生成セグメント61へと向けることにより、ユーザが体験する発生したエアロゾルの味覚または知覚の改善をさらに促進することができる。タバコ紙/シートの構成は、さまざまであってよく、例えばさまざまな比率のバーレイタバコ、鉄管乾燥タバコ、オリエンタルタバコ、または任意の他の適切なタイプのタバコ、あるいはこれらの組み合わせからなり、これらを含むことができる。タバコ紙/シート中のタバコ含有物は、約85%までのタバコであってよく、タバコ紙/シートは、約20gsm~約100gsmの範囲の坪量を有することができる。いくつかの場合、包装紙90の3層の形態は、必要または所望に応じて、タバコ紙/箔/タバコ紙からなってよい。他の場合には、タバコ紙/箔の2層を実現でき、そこでは、タバコシートを約0.0005インチ~約0.002インチの範囲の厚さを有するアルミニウムまたは他の熱伝導性箔に積層することができ、そのような2層のシートは、約60gsm~約100gsmの間の坪量を示すことができる。
【0066】
またさらなる態様によれば、包装紙90を、紙-箔シート積層体、紙-箔-紙シート積層体、紙-箔-タバコシート積層体、不織グラファイトシート、不織グラファイトおよびグラフェン複合シート、グラフェンシート、グラフェン-箔シート積層体、グラフェン-箔-紙シート積層体、紙-グラフェンシート積層体、紙シートにインプリントされたグラフェンインク、箔シートにインプリントされたグラフェンインク、紙シートまたは箔シートに係合したカーボンナノチューブ、紙シートまたは箔シートに係合したフラーレン、ならびに紙シートまたは箔シートに係合したグラフェンのいずれかとして構成することができる。そのような場合、例えば、グラフェンが積層体の外側層のうちの1つを含む場合、積層体のグラフェン層が、基体要素85に最も近い積層体の初期層を提供することが望ましいかもしれない。他の例では、例えば、グラフェン-箔シート積層体の場合において、積層体の箔シート層が、基体要素85に最も近い積層体の初期層を提供する一方で、グラフェン層が、基体要素85と外側包装材料75との間の熱シールドとして機能し、あるいは順序を逆にして、積層帯のグラフェン層が、基体要素85に最も近い積層帯の初期層であり、箔シート層が、基体要素85と外側包装材料75との間の熱シールドとして機能することができる。包装紙90が熱伝導層ならびに紙シートまたは箔シートを含む場合には、それらの間に断熱層または熱層を配置することができる。
【0067】
例えばグラフェンインクのインプリントを実施する態様においては、インクを、さまざまな厚さ、パターン、表面被覆率、および組成勾配を与えるために、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、または他の適切な印刷法など、種々の印刷プロセスを用いて塗布することができる。
【0068】
他の態様において、グラフェン箔またはグラフェン伝導シートを、シガレット紙(すなわち、外側包装材料75)とアルミニウム箔(すなわち、包装紙90に組み込まれた箔シート層)との間に配置して、外側包装材料75および包装紙90を包含する紙/グラフェン/箔積層構造を生成することができる。このような場合、グラフェン部分を、製品の製造および使用時の材料の移行または移動を防止し、あるいは最小限に抑えるために完全に包む(すなわち、内層および外層の間に)ことができ、これは、基体要素85から外側包装材料75へのグリセリンの浸出も防止または最小化することができる。しかしながら、本明細書の目的を達成するように構成された包装材料90を、本明細書で開示されるさまざまな構成に加えて、多数の異なるやり方で構造付け、あるいは構成することが可能であり、この点に関し、本明細書で開示される典型的な構成が限定を意図したものではないことを、当業者であれば理解できるであろう。
【0069】
外側包装紙75は、一般に、発熱セグメント35の周囲に配置され、長手方向(下流)に延び、エアロゾル生成セグメント61の周囲をエアロゾル生成セグメント61の長さの少なくとも一部に沿って包むように構成される。そのように喫煙品の上述の構成要素の周囲に係合するとき、外側包装紙75は、発熱セグメント35とエアロゾル生成セグメント61との間の界面も覆って延び、したがって焼け焦げの解消または焼け焦げの傾向の最小化(ならびに、浸出防止の傾向)も望ましく呈することができる。したがって、本開示のいくつかの態様においては、外側包装紙75を、少なくとも焼け焦げ防止剤としての外側包装紙75の紙マトリクス中のフィラーとしての例えば炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および/またはそれらの組み合わせで処理することができ、これらと相互作用させることができ、あるいは他のやり方でこれらに暴露させることができる。
【0070】
包装紙90および/または外側包装材料75が、喫煙品の適切な構成要素の周囲に巻き付けられる場合に、例えば接着材料によって封じ合わせられた両端部(すなわち、喫煙品に沿って長手方向に延びる継ぎ目を形成する角度方向において重なり合った端部)を有してよいことも、当業者であれば理解できるであろう。したがって、本開示のいくつかの態様において、接着材料は、喫煙品の構成要素の周囲に巻き付けられた外側包装材料75の長手方向に延びる継ぎ目に沿った接着材料および/または外側包装材料75の焼け焦げまたは炭化を防止、最小化、または排除するために、例えば炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および/またはそれらの組み合わせなどのフィラーも含むことができる。
【0071】
エアロゾル生成セグメント61の一部を形成する基体要素85は、タバコを含むことができる。より詳細には、タバコを含む場合、基体要素85を、例えばカットフィラーの形態の風味のあるタバコおよび香りのよいタバコのブレンドで構成することができる。次いで、それらのタバコを、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤で処理することができる。基体要素85を、カットフィラーの形態の加工されたタバコ(例えば、キャストシートまたは製紙タイプのプロセスを用いて製造された再構成タバコ)で構成することもできる。特定のキャストシート構造は、キャストシートの10mmの直線長につき約270mg~約300mgのタバコを含むことができる。他の場合においては、基体要素85を、形成されたタバコペレットの混合物で構成することができる。次に、本開示の特定の態様において、タバコの形態で構成された基体要素85を、エアロゾル形成材料および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに燃焼遅延材(例えば、リン酸2アンモニウム、他の同様のタイプの塩、および/または他の適切な燃焼遅延材料)で処理することができ、あるいはこれらを含むように加工することができる。基体要素に燃焼遅延材料を含ませることを、基体を形成する材料の点火を防止し、かつ/または発熱セグメントによる基体要素の焼け焦げを防止するように構成することができる。さらに、エアロゾル生成セグメント61の包装材料/外側層94の金属製の内側層または表面96が、エアロゾル形成材料、タバコ成分、および/または少なくとも1つの香味剤のための担体として機能することができる。
【0072】
本明細書において使用されるとき、用語「タバコペレット」は、形成され、成形され、圧縮され、押し出され、あるいは他のやり方で所望の形状へと作り上げられたタバコのビーズ、ペレット、または他の分かれた小単位を含むように意図される。例えば、タバコペレットを、いわゆるマルマライジング(marumarizing)プロセスを用いて形成することができる。タバコペレットは、滑らかで規則的な外形(例えば、球、円柱、卵形、など)を有することができ、かつ/または不規則な外形を有することができる。一例において、各々のタバコペレットの直径は、約1mm未満~約2mmの範囲であってよい。タバコペレットは、本明細書に記載されるように、喫煙品の基体キャビティを少なくとも部分的に満たすことができる。すなわち、基体要素85は、発熱セグメント35に隣接する発熱セグメント35の下流のエアロゾル生成セグメント61内の空間を占めるペレットまたは他の緩い物体の形態をとることができる。一例において、基体キャビティの容積は、約500mm3~約700mm3の範囲であってよい(例えば、キャビティ直径が約7.5~約7.8mmであり、キャビティ長さが約11~約15mmであり、おおむね円柱の形状を有する喫煙品の基体キャビティ)。一例において、基体キャビティ内のタバコペレットの質量は、約200mg~約500mgの範囲であってよい。例えば、タバコペレットを、エアロゾル生成セグメント61の適切な部分(例えば、エアロゾル生成セグメント61の包装材料の内側かつ発熱セグメント35およびフィルタセグメント55の端部によって境界付けられる円柱形の領域)を約100~約400mg/cm3の充填密度で満たすように使用することができる。
【0073】
基体要素85の構成および配置は、本開示の種々の態様に従ってさまざまであってよい。一態様においては、基体要素85を、例えば、押し出し、成形、またはキャスティングプロセスによって、モノリシックまたは一体化された構造として形成することができる。いくつかの好ましい態様において、モノリシックな基体要素85は、タバコまたはタバコの製品を含むことができる。例えば、一態様において、押し出しプロセスにて形成されたモノリシックな基体要素85は、グリセリン、粉砕タバコ、炭酸カルシウム、結合剤、香味料、および水を含み得る。より詳細には、乾燥重量基準で、押し出し材料は、約37.86%の粉砕タバコ、約39.82%の炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはセルロースガムなどの約1.00%の結合剤、ならびに約21.32%のグリセリンおよび香味料(~20%がグリセリン)を含むことができる。
【0074】
押し出し、成形、またはキャスティングプロセスによって形成されたモノリシックな基体要素85は、さまざまな最終形態および形状を有することができ、その形態/形状は、発熱セグメント35からの熱伝達の改善を促進し、さらには/あるいは喫煙品の他の基部側の構成要素の代わりに、基体要素85へと熱をより効率的かつ効果的に分配を促進することにより、喫煙品の基部側の構成要素の焼け焦げまたは炭化の低減、最小化、または排除を促進することができる。例えば、押し出しされた基体要素85は、モノリシックな溝付きロッド部材300(例えば、
図4を参照)の形態および構成を有することができる。すなわち、ロッド部材は、ロッド部材の周囲を巡って角度を隔てて配置された複数のローブ310を含むことができ、隣り合うローブは、両者の間に長手方向に延びる開放チャネル320を画定する。いくつかの例において、溝付きロッド部材は、断面の中央部分を通り、あるいは1つ以上のローブを通って長手方向に延びる1つ以上の導管330をさらに画定することができる。開放チャネルおよび/または導管の位置、寸法、および/または構成は、必要または所望に応じ、特定の性能特性を得るために、さまざまであってよい。例えば、開放チャネルの1つの効果は、中実円柱ロッド部材と比べたときの露出表面積の増加であり、これは、シガレットの収率の増加(すなわち、使用寿命の増加)および喫煙品に沿った圧力低下の減少(すなわち、吸い込みへの抵抗の低減)などの効果を有する。
【0075】
溝付きロッド部材の有効直径(すなわち、最大外径)は、例えば、約5.8mmから約7.3mmまで、さまざまであってよい。溝付きロッド部材をエアロゾル生成セグメント61へと取り入れるために、(本明細書に開示の包装材料90の構成のいずれかを必要または所望に応じて実施できるが)エアロゾル生成セグメントを外側包装材料75で包む前に、より大きい直径の押し出し物を、例えば紙/箔積層体または紙/箔/紙積層体で包むことができる一方で、より小さい直径の押し出し物を、例えばガラス繊維マットの単一層で包み、次いで紙/箔積層体または紙/箔/紙積層体のいずれかでさらに包むことができる。溝付きロッド部材による表面積の増大は、ロッド部材と外側包装材料75との間に配置される包装と接触するロッド部材の表面積を小さくする結果となり、したがって喫煙品の使用時に外側包装材料75へと伝わる熱を少なくすることになる。内部の導管が、発熱セグメントによって加熱されるロッド部材の追加の表面積をさらに提供することができ、溝付きロッド部材の最外面(すなわち、ローブの最外部)から熱の一部を引き出すのに役立つことができる。このようにして、外側包装材料75の視覚的な焼け焦げを減らすことができる。さらに、中実円柱ロッド部材と比べた溝付きロッド部材の表面積の増加は、追加の導管によるさらなる増加も可能であるが、基体要素85へと取り入れられ、発熱セグメント35からの熱に曝されるエアロゾル形成材料の追加の容量(すなわち、基体要素85の表面積に比例)をもたらすとともに、ユーザが喫煙品に加える必要がある吸い込みを軽減することができる。したがって、このような喫煙品は、中実円柱の基体要素85を取り入れた喫煙品と比較して、寿命の向上を示すことができる。
【0076】
基体要素85の包みを直接形成する紙/箔積層体または紙/箔/紙積層体、またはそれらの間に配置されるガラス繊維マットの単一層と共に形成する紙/箔積層体または紙/箔/紙積層体のいずれかの代わりに、タバコ紙の2層積層体または3層積層体を、包みとして使用することができる。このような場合、包みが、包みの炭化または焼け焦げに充分な発熱セグメントからの熱を被るならば、包みの積層体の初期層が、好ましくはタバコ紙を含むことができる。このようにして、タバコ紙層の焼け焦げまたは炭化は、形成されるエアロゾルにタバコ風味をもたらすことができ、したがって、形成されるエアロゾルの味覚または知覚に悪影響をほとんどまたは全く与えない。より具体的には、キャストシートまたは押し出されたタバコ紙などのタバコ紙を、紙/箔2層積層体へと積層して、紙/箔/タバコ紙の3層積層体を形成することができ、タバコ紙は、基体要素85に最も近い積層体の初期層を提供する。このような3層積層構成は、例えば、タバコ含有および非タバコの両方の基体要素に適用することができ、例えば基体要素の周囲に3層積層体を巻き付けることによって形成される継ぎ目(すなわち、タバコ紙と3層積層体の外側層を形成するシガレット紙との間に継ぎ目が形成されると考えられる)に沿った接着の向上を促進することができ、ユーザが体験するエアロゾルの味覚および/または知覚特性にプラスの側面を加えることができる。当業者であれば、本開示の発明の態様の理解において、本明細書に開示されたタイプの紙/箔/タバコ紙3層積層体を、本開示において述べられる種々のタバコ含有またはタバコ非含有基体要素およびエアロゾル生成セグメントのいずれにも適用できることを、さらに理解できるであろう。
【0077】
本開示の別の態様において、基体要素85は、発熱セグメント35とエアロゾル生成セグメント61との界面から互いに平行に延びる複数の中実円柱ロッド部材400(例えば、
図5を参照)の形態をとることができる。このような中実円柱ロッド部材を、必要に応じて、押し出し法を用い、あるいは成形またはキャスティングによって形成することができ、例えば、グリセリン、粉砕タバコ、炭酸カルシウム、結合剤、香味料、および水で構成することができる。いくつかの例において、中実円柱ロッド部材は、約2.9mmの直径を有することができ、複数のそのようなロッドを、基体要素85としてエアロゾル生成セグメント61に挿入するために束ね、あるいは積み重ねることができる。その後に、集合としての中実円柱ロッド部材を、本明細書に開示の溝付きロッド部材の構成と同様のやり方で、同様の条件のもとで包むことができる。
【0078】
さらに他の態様においては、押し出しによるロッドに使用される材料組成物、すなわち例えばグリセリン、粉砕タバコ、炭酸カルシウム、結合剤、香味料、および水を代わりに使用して、約0.3mm~約1.7mmの間の厚さを有する平坦なシートを形成することができる。いくつかの例においては、シートを押し出しプロセスによって形成(または、必要に応じて成形またはキャスト)することもでき、その後にシートを乾燥させて、基体材料を形成する。次いで、乾燥後のシートを、例えばシートを細片へと切断し、あるいはシートを細断することによって、分解することができる。次いで、形成されたシートの切断/細断された部分を積み重ね、あるいは集めて、カットフィラータバコと同様のやり方で基体要素85としてエアロゾル生成セグメント61に堆積させる(すなわち、カットフィラータバコの代わりにカットフィラータバコと同様のやり方で堆積させる)ことができる。
【0079】
いくつかの態様においては、基体要素85を、例えばタバコ材料を含むキャストシートで構成することができる。このようなキャストシートは、選択されたタバコ含有混合物をキャストし、乾燥させ、細片へと切断または細断するプロセスにて形成することができる。いくつかの例においては、キャストシートの切断された細片または細断部分を、他のカットフィラー(すなわち、追加のエアロゾル形成剤を有しても、有さなくてもよいが、伝統的なカットフィラータバコ)と混合して、ユーザの所望の味覚および知覚を提供するとともに、製造プロセスを容易にすることができる。一例において、選択されたタバコ含有混合物は、例えば(乾燥重量基準で)約66.60%の粉砕タバコ、約3.75%のリン酸2アンモニウム、約4.65%の水酸化アンモニウム、ならびに約25%のグリセリンおよび香味料を含むペクチン遊離混合物として特徴付けることが可能である。ペクチン遊離混合物を処理するために、粉砕タバコ、リン酸2アンモニウム、水酸化アンモニウム、および水を、例えば得られる混合物の官能的品質の改善または向上のために、約1.5時間にわたって約160°Fに加熱することができる。次いで、グリセリンおよび香味料を、加熱工程後の冷却時に残りの混合物へと加えることができる。その後に、得られた混合物を使用して、キャストシートを形成することができる。
【0080】
別の例においては、選択されたタバコ含有混合物を、例えば(乾燥重量基準で)約65.62%の粉砕タバコ、約4.50%のアルギン酸ナトリウム、約1.13%の水酸化ナトリウムまたは他のpH調節剤、約25%のグリセリン、および約3.75%の木材パルプを含む非アンモニア化混合物として特徴付けることが可能である。この非アンモニア化混合物を処理するために、粉砕タバコ、アルギン酸ナトリウム、および水を、例えば得られる混合物の官能的品質の改善または向上のために、約1.5時間にわたって約160°Fに加熱することができる。次いで、水和木材パルプ、結合剤、グリセリン、および香味料を、加熱工程後の冷却時に残りの混合物へと加えることができる。その後に、得られた混合物を使用して、キャストシートを形成することができる。
【0081】
別の例においては、選択されたタバコ含有混合物を、例えば(乾燥重量基準で)約51.8%のタバコパルプ、約4.2%の木材パルプ、約22.0%の濃縮タバコ抽出物、ならびに約22.0%のグリセリンおよび香味料を含むタバコ含有再構成材料として特徴付けることが可能である。シートを、従来からの再構成シートと同様のやり方でタバコ含有再構成材料から形成することができる。例えば、水溶性要素が、タバコパルプ薄片から最初に除去され、残りのタバコパルプが、約25%の固形成分含有量へと濃縮される。次いで、木材パルプをタバコパルプに加えて、約120グラム/平方メートル(gsm)~約240gsmの間のさまざまな坪量であってよいベースシートを形成することができる。次いで、グリセリンが、濃縮されたタバコ由来ニコチン(TDN)抽出物と混合(すなわち、1:1の比で)され、ベースシートへと加えられる。次いで、形成されたベースシートを乾燥させ、細片へと切断し、あるいは細断することができる。キャストシートと同様に、切断された細片または細断された再構成シートを、他のカットフィラー(すなわち、追加のエアロゾル形成剤を有しても、有さなくてもよいが、伝統的なカットフィラータバコ)(すなわち、追加のエアロゾル形成剤を有しても、有さなくてもよいが、伝統的なカットフィラータバコ)と混合することができる。
【0082】
別の例においては、選択されたタバコ含有混合物を、グリセリン含有量を増やした伝統的なカットフィラータバコ材料として特徴付けることが可能である。このような場合、カットフィラータバコに、約5%~約30%の間のグリセリンを入れ、あるいは相互作用させることができる。その後に、高いグリセリン含有量を有するカットフィラータバコ材料を、主たる基体(すなわち、基体要素を形成する基体材料)として使用することができ、あるいはキャストシート材料と混合し、得られた混合物で基体要素の基体材料を形成することができる。必要または所望のグリセリンの量に基づいて、グリセリンを、例えば切断のためのケーシング(すなわち、タバコの個々の細片に適用される)として、トップドレッシングとして、あるいは両方として、カットフィラータバコに適用することができる。高いグリセリン含有量を有するそのようなカットフィラータバコを、例えば、必要または所望に応じて、種々のキャストシート、再構成シート、および/またはタバコビーズと混合して、基体要素85のための基体材料を形成することができる。高いグリセリン水準を有する基体要素85のこのような事例では、取り入れられたグリセリンの外側包装材料75への浸出を最小化または排除する基体要素85の包みを含むことが、望ましいかもしれない。
【0083】
さらに別の例では、選択されたタバコ含有混合物を、非タバコ材料として特徴付けることが可能である。例えば、基体要素の形成に使用されるキャストシート、押し出しによる基体要素、またはビーズの(マルメライズされた)形態の基体要素は、炭酸カルシウム、米粉、結合剤、リン酸2アンモニウム、グリセリン、香味料、タバコ由来ニコチン(TDN)、および水を含むことができる。より具体的には、そのような非タバコキャストシートを、例えば、約41.25%の炭酸カルシウム、約13.75%の米粉、約6%のアルギン酸アンモニウム、約5.5%の木材パルプ、約3.5%のリン酸2アンモニウム、および約30%のグリセリンで構成することができる。さらに、タバコ由来のニコチン(TDN)、特定の酸(すなわち、レブリン酸および/またはクエン酸)、および香味料を、グリセリンに取り入れることができる。押し出しによる基体要素、またはビーズの(マルメライズされた)形態の基体要素を、例えば、約51.94%の炭酸カルシウム、約17.15%の米粉、約1%のTDN、約1%のカルボキシメチルセルロース(CMC)、約0.66%のレブリン酸、約0.44%の乳酸、約20%のグリセリン、および約9.41%の香味料で構成することができる。いくつかの場合には、キャストシートを、切断された細片へと加工、細断、またはカットフィラーの形態へと加工することができる。他の場合には、基体要素85がビーズを含む場合に、ビーズを、発熱セグメントに当接し、発熱セグメントに隣接し、あるいは発熱セグメントに最も近くなるように配置することができる。これらの場合、選択された構成要素を、ビーズを所定の場所に固定するために、ビーズから発熱セグメントの反対側に備えることができる。例えば、そのような選択された構成要素は、折り畳まれた紙フィルタ材料または他の非タバコ紙プラグを含むことができる。
【0084】
非タバコ材料で形成される基体要素85の別の例では、タバコ由来ニコチン(TDN)、グリセリン(すなわち、エアロゾル形成剤)、および香味料を、比較的高い空隙率の押し出しセラミック基体(すなわち、高多孔度の押し出しセラミックロッド部材)に添加することができる。そのような場合、セラミックロッド部材を、1つ以上の長手方向に延びるチャネル(すなわち、外面の周囲に配置された開放チャネルまたはスロット、ならびに/あるいはロッド部材の中央部分を通って延びる導管)を画定するように押し出すことができる。先に開示した溝付きロッド部材と同様のやり方で、セラミックロッド部材による表面積の増大(すなわち、表面の周囲の開放チャネルによる)は、ロッド部材と外側包装材料75との間に配置される包装と接触するロッド部材の表面積を小さくする結果となり、したがって喫煙品の使用時に外側包装材料75へと伝わる熱を少なくすることになる。内部の導管が、発熱セグメントによって加熱されるロッド部材の追加の表面積をさらに提供することができ、溝付きセラミックロッド部材の最外面(すなわち、ローブの最外部)から熱の一部を引き出すのに役立つことができる。このようにして、外側包装材料75の視覚的な焼け焦げを減らすことができる。さらに、中実円柱ロッド部材と比べた溝付きセラミックロッド部材の表面積の増加は、追加の導管によるさらなる増加も可能であるが、基体要素85へと取り入れられ、発熱セグメント35からの熱に曝されるエアロゾル形成材料の追加の容量(すなわち、基体要素85の表面積に比例)を与えるとともに、ユーザが喫煙品に加える必要がある吸い込みを軽減することができる。したがって、このような喫煙品は、中実円柱の基体要素85を取り入れた喫煙品と比較して、寿命の向上を示すことができる。加えて、開放チャネル/導管は、吸い込みへの抵抗を小さくすることができる。
【0085】
本開示のいくつかの態様において、基体要素85は、セグメント化されてよく(すなわち、基体要素85が、直列に配置された複数の構成要素または並列に配置された複数の構成要素を含むことができ)、あるいは2つ以上の基体材料の組み合わせを含むことができる。例えば、基体要素は、各々が細断または細片へと切断され、グリセリンで処理されたカットフィラータバコと混合されたキャストシートおよび/または再構成シートの組み合わせを含むことができる。カットフィラータバコは、例えば約5%~約25%の範囲のさまざまな水準のグリセリンを有することができる。別の例では、細断または細片へと切断されたキャストシートを、タバコ含有ビーズと混合することができる。ガラス繊維マットで包まれた押し出しによる基体要素に加えて、押し出しによる基体要素85は、タバコ紙またはタバコ紙層を含む積層体で包まれてもよく、ここで基体要素85を、例えば、平行に配置された小径のロッド部材の束、あるいはカットフィラータバコへと同様のやり方で加工され、あるいは実質的に円柱形の基体要素を形成するように一体に巻かれたキャストシート、押し出しシート、または再構成タバコシートの細片で構成することができる。
【0086】
本明細書で開示される構成要素に加えて、基体要素85は、このような構成要素の多数の異なる組み合わせで構成されてもよい。特定の態様においては、このような構成要素を、例えば、TDN/グリセリン(B3)溶液が塗布されたガラス繊維マット、グリセリンなどのエアロゾル形成剤が塗布された多孔質セラミック要素、ペクチン遊離材料を含むキャストシート、非アンモニア化キャストシート、非タバコキャストシート、エアロゾル形成剤が塗布されたギャザードまたは細断箔シートあるいはそれから形成された細片、TDNなどの抽出物で処理されたギャザード紙などの非タバコ製品、ビーズ、あるいはギャザードカーボンまたは非カーボン紙で構成されるグループからさらに選択することもできる。
【0087】
エアロゾル生成セグメントの構成要素は、さまざまであってよい。エアロゾル生成セグメントは、使用時に喫煙品を通って吸われる空気へと蒸発し、エアロゾル化し、あるいは取り込まれ得る構成要素を組み込む。最も好ましくは、これらの構成要素は、個別または組み合わせにて、芳香、風味、口当たり、目に見えるエアロゾル感覚、などの感覚および感覚刺激効果をもたらす。吸い込み時に喫煙者の口内へと引き込まれるエアロゾル生成セグメントの構成要素の例として、水(例えば、水蒸気として)、可視エアロゾル形成材料(例えば、グリセリン)、種々の揮発性香味料(例えば、バニリンまたはメントール)、タバコの揮発性成分(例えば、ニコチン)、などが挙げられる。
【0088】
好ましいエアロゾル形成材料は、充分な熱は加えられたときに可視エアロゾルを生成し、あるいは他のかたちで、喫煙品の構成要素によってもたらされるエアロゾル形成条件の作用によって可視エアロゾルを生成する。非常に好ましいエアロゾル形成材料は、「煙状」であると見なすことできる可視エアロゾルを生成する。好ましいエアロゾル形成材料は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純である。好ましい可視エアロゾル形成材料は、ポリオールであり、典型的な好ましいエアロゾル形成材料は、グリセリン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物を含む。所望であれば、エアロゾル形成材料を、水などの他の液体材料と組み合わせることができる。例えば、エアロゾル形成材料の処方は、グリセリンと水との混合物、またはプロピレングリコールと水との混合物を含むことができる。例えば、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4793365号明細書;Jakobらの米国特許第5101839号明細書、およびCrooksらの米国特許第8678013号明細書、ならびにBiggsらの国際公開第98/57556号パンフレットに記載の種々のエアロゾル形成材料を参照されたい。
【0089】
エアロゾル生成領域内のエアロゾル形成材料のための基体を提供するために使用することができる材料は、さまざまであってよい。適切な基体要素および関連のエアロゾル形成材料は、「Premier」、「Eclipse」、「Steam Hot One」という銘柄で市販されているタイプのシガレットに取り入れられている。基体要素は、何らかの形態のタバコを含むことができ、通常は主にタバコで構成され、実質的にすべてのタバコ材料によって提供されることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、基体材料全体の少なくとも一部分が、本質的に伝統的なフィラーの形態(例えば、カットフィラー)にて使用される。適切な基体材料、およびエアロゾル形成材料(キャストシートおよび紙タイプの再構成タバコ材料を含む)を含む基体の処方は、Sensabaughらの米国特許第4793365号明細書;Whiteの米国特許第4893639号明細書;Clearmanらの米国特許第5099861号明細書;Jakobらの米国特許第5101839号明細書;Gentryらの米国特許第5105836号明細書;Clearmanらの米国特許第5109122号明細書;Brinkleyらの米国特許第5159942号明細書;Clearmanらの米国特許第5203355号明細書;Arzonicoらの米国特許第5271419号明細書;Lekwauwaらの米国特許第5327917号明細書;Casey,IIIらの米国特許第5396911号明細書;Youngらの米国特許第5533530号明細書;Clearmanの米国特許第5588446号明細書;Jakobらの米国特許第5598868号明細書;Youngらの米国特許第5715844号明細書;Beesonらの米国特許第6378528号明細書、およびCrooksらの米国特許第8678013号明細書;ならびにNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986号明細書;Connerらの米国特許出願公開第2012/0067360号明細書;およびAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書にも記載されている。さらに、基体材料は、Connerらの米国特許第8839799号明細書に記載されたタイプの形態または構成を、Pryorらの米国特許第4807809号明細書に一般的に記載されたタイプの技術を使用するギャザードウェブまたはシートとして、あるいはRakerの米国特許第5025814号明細書に一般的に記載されたタイプの技術を使用して複数の長手方向に延びる細片に細断されるウェブまたはシートの形態で、有することができる。
【0090】
エアロゾル形成材料を基体材料(例えば、タバコ材料)に接触させる方法は、さまざまであってよい。エアロゾル形成材料を、形成されたタバコ材料に塗布することができ、あるいはそれらの材料の製造時に加工されたタバコ材料へと取り入れることができる。エアロゾル形成材料を、水性の液体あるいは他の適切な溶媒または液体担体に溶解または分散させ、その基体へと噴霧することができる。例えば、Nestorらの米国特許出願第2005/0066986号明細書を参照されたい。基体材料の乾燥重量に対する使用されるエアロゾル形成材料の量は、さまざまであってよい。非常に高い水準のエアロゾル形成材料を含む材料は、従来からのタイプの自動シガレット製造装置を使用してシガレットロッドへと加工することが、困難であり得る。
【0091】
キャストシートタイプの材料は、比較的高い水準のエアロゾル形成材料を含むことができる。製紙タイプのプロセスを使用して製造される再構成タバコは、中程度の水準のエアロゾル形成材料を含むことができる。タバコ細片およびカットフィラータバコは、より少量のエアロゾル形成材料を含むことができる。本開示の範囲内で、ギャザード、積層、積層金属/金属性、細片、アルミナビーズなどのビーズ、連続気泡発泡体、発泡モノリス、空気透過性マトリックス、および他の材料を含む種々の紙および非紙基材を、使用することができる。例えば、いずれもClearmanの米国特許第5183062号明細書;米国特許第5203355号明細書;および米国特許第5588446号明細書を参照されたい。
【0092】
積層紙または他の包装材料を、Martonの米国特許第6849085号明細書の開示に従い、あるいは他の適切な方法および/または材料によって製作することができる。
【0093】
いくつかの好ましい喫煙品において、エアロゾル生成セグメント61の両端は、その基体要素85を露出させるように開放されている。熱生成セグメント35およびエアロゾル生成セグメント61が協働し、エアロゾル生成システム99を形成する。エアロゾル生成セグメントは、発熱セグメントの下流端に隣接して配置され、これらのセグメントは、端部同士の関係で軸方向に整列させられる。これらのセグメントは、互いに当接することができ、あるいは随意による緩衝領域110(いくつかの場合、熱伝導性の多気孔スペーサ要素を含むことができる)を含んでよいわずかに離れた関係に配置されてよい。喫煙品10の長手軸に対して横方向に見たときに、これらのセグメントの外側断面形状および寸法は、本質的に互いに同一であってよい。これらの構成要素の物理的配置は、好ましくは、喫煙品10の使用時の熱源の作動(例えば、燃焼)時間の全体にわたって、熱源40から隣接する基体要素85へと(例えば、伝導および対流の熱伝達を含む機構によって)熱が伝達されるような配置である。
【0094】
緩衝領域110は、エアロゾル生成セグメント61の一部分の生じ得る焼け焦げまたは他の熱劣化を低減することができる。緩衝領域は、主として空の空気空間を含むことができ、あるいは、例えば金属、有機、無機、セラミック、またはポリマー材料、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの不燃性材料で部分的または実質的に完全に満たされてもよい。緩衝領域は、約1mm~約10mm以上の厚さ(長さ)であってよいが、多くの場合、約2mm~約5mmの厚さ(長さ)である。所望に応じて、緩衝領域またはスペーサセグメント110は、セリウムまたは銅のイオンまたは酸化物ならびに/あるいはセリウムおよび銅イオンの塩を含む材料などの触媒材料を含むことができる。例えば、Banerjeeらの米国特許第8469035号明細書およびBanerjeeらの米国特許第8617263号明細書ならびにBanerjeeらの米国特許出願公開第2007/0215168号明細書を参照されたい。
【0095】
エアロゾル生成システム99の構成要素は、好ましくは、互いに取り付けられ、オーバーラップ材料118を使用して所定の場所に固定される。例えば、オーバーラップ材料は、発熱セグメント35の下流部分と、エアロゾル生成セグメント61の長手方向に延びる外面の少なくとも一部分とを囲む紙包装材料または積層紙タイプの材料を含むことができる。オーバーラップ材料118の内面を、オーバーラップ材料118によって囲まれる構成要素の外面に、適切な接着剤によって固定することができる。このようにして、外側包装材料75または包装紙90の焼け焦げまたは炭化の低減、最小化、または排除に向けられた本明細書に開示の態様が、オーバーラップ材料118が外側包装材料75に重なり、あるいは発熱セグメント35とエアロゾル生成セグメント61との間の界面を覆って延びる限りにおいて、オーバーラップ材料118にも当てはまり得ることを、当業者であれば理解できるであろう。
【0096】
喫煙品10は、好ましくは、例えば喫煙品10の吸い口端18に配置されたフィルタ要素135などの適切なマウスピースを含む。フィルタ要素135は、好ましくは、フィルタ要素135とエアロゾル生成セグメント99とが端部同士の関係で軸方向に整列し、互いに当接し、間にバリアを存在させることなく、エアロゾル生成システム99の一端に配置される。好ましくは、これらのセグメント99、135の全体的な断面形状および寸法は、喫煙品の長手軸に対して横方向に見たときに、基本的に互いに同一である。フィルタ要素135は、フィルタ材料140を含むことができ、フィルタ材料140は、その長手方向に延びる表面に沿って、周囲のプラグラップ材料142によって包まれる。一例において、フィルタ材料140は、可塑化酢酸セルローストウ、または他の適切なシガレットタイプのフィルタ材料を含む。フィルタ要素135の両端は、好ましくは、エアロゾルの通過を可能にするように開いている。いくつかの場合には、フィルタ要素135を、必要または所望に応じて、紙プラグ、ボイド、および従来からのシガレットフィルタ材料(すなわち、酢酸セルローストウ)の任意の組み合わせを含むように構成することができる。
【0097】
さらに、フィルタ要素は、Thomasらの米国特許第7479098号明細書、Dubeらの米国特許第7793665号明細書、およびAdemeらの米国特許第8186359号明細書に記載のタイプの粉砕可能なフレーバーカプセルを含んでもよい。
【0098】
エアロゾル生成システム99は、好ましくは、チッピング材料150を用いてフィルタ要素135に取り付けられる。チッピング材料の例は、例えば、Dubeらの米国特許第7789089号明細書、Crooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書、Joyceらの米国特許出願公開第2010/0108081号明細書、Normanらの米国特許出願公開第2010/0108084号明細書、およびAdemeらの米国特許出願公開第2013/0167849号明細書、ならびにDittrichらの国際公開第2013/160671号パンフレットに記載されている。
【0099】
喫煙品10は、各々がフィルタ要素チッピング材料150およびプラグラップ材料142を貫いて延びてよい一連の穿孔160などの空気希釈の用意を含むことができる。あるいは、種々の穿孔は、図示の領域よりも上流の領域におけるリングとして喫煙品の周囲を延びることができる。
【0100】
代表的な喫煙品10は、約80mm~約100mmの間の長さを有する。例えば、約85mmの長さを有する喫煙品10の場合、代表的な発熱セグメント35は、約10mm~約15mmの間の長さを有することができ、代表的なエアロゾル生成セグメント61は、約40mm~約55mmの間の長さを有することができ、典型的なフィルタ要素135は、約20mm~約30mmの間の長さを有することができる。
【0101】
図1を参照して説明したシガレットは、J.Reynolds Tobacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」という銘柄で市販されているシガレットならびにJapan Tobacco Inc.によって「Steam Hot One」という銘柄で市販されているシガレットとほとんど同じやり方で使用することができる。すなわち、燃料要素または熱源が、マッチまたはシガレットライターを用いて点火される。このような点火により燃焼した燃料要素/熱源が、シガレットのエアロゾル生成領域内の基体要素に伝達される熱を発生させる。エアロゾル形成材料を含む基体要素ならびにタバコの香味料および成分が加熱されて揮発し、エアロゾルを形成する。このエアロゾルが、吸い込まれる空気に乗せて運ばれ、フィルタ要素を通って喫煙者の口内に引き込まれる。
【0102】
図2が、本開示の別の態様によるシガレットの形態の別の代表的な喫煙品10を示している。好ましくは、喫煙品10は、
図1を参照して先に説明した喫煙品の全体的なサイズ、形状、および全体的外観を有し、それらのタイプの構成要素を含む。しかしながら、
図1の実施形態と比較して、フィルタセグメント135の長さが延長され、エアロゾル生成セグメント61の長さが減らされている。例えば、図示の実施形態の場合、フィルタ要素135は、2つの部分からなるセグメントであり、末端吸い口セグメント182と、エアロゾル生成セグメントと末端吸い口セグメントとの間に配置された管状セグメント184とを有する。このように、
図2の代表的な喫煙品が、4セグメントの喫煙品である一方で、
図1の代表的な喫煙品は、3セグメントの喫煙品である。
【0103】
典型的には、管状セグメント184は、吸い込まれる空気の通過を可能にしながら、喫煙品に弾力性、構造、および長さを提供する蒸気結合可塑化酢酸セルロース管で構成される。あるいは、管状セグメントは、耐熱プラスチック材料(例えば、ポリカーボネートからなる管)またはセラミック材料で構成される。
【0104】
図2に示されるタイプの代表的な喫煙品10は、約80mm~約100mmの間の長さを有する。例えば、約85mmの長さを有する喫煙品10の場合、代表的な発熱セグメント35は、約10mm~約15mmの間の長さを有することができ、代表的なエアロゾル生成セグメント61は、約10mm~約25mmの間の長さを有することができ、代表的な管状セグメント184は、約30mm~約50mmの間の長さを有することができ、代表的なフィルタ要素135は、約20mm~約30mmの間の長さを有することができる。
【0105】
図3が、シガレットの形態の別の代表的な喫煙品10を示している。好ましくは、喫煙品10は、
図2を参照して先に説明した喫煙品の全体的なサイズ、形状、および全体的外観を有し、それらのタイプの構成要素を含む。しかしながら、包装紙205に包まれたカットフィラータバコ200のタバコセグメント198が、エアロゾル生成システム99とフィルタ要素135との間に配置されている。
図2の実施形態と比較して、2つの部分からなるフィルタセグメントの全体としての長さが、カットフィラータバコで構成されるセグメントを収容するために減らされている。このように、
図3の代表的な喫煙品が、5セグメントの喫煙品である一方で、
図2の代表的な喫煙品は、4セグメントの喫煙品である。
【0106】
2つの部分からなるフィルタセグメント135の上流側セグメントを、酢酸セルローストウで構成された硬化管、活性炭粒子の個別の粒子を全体に分散させた酢酸セルローストウのセグメント、破壊可能な香味料含有カプセルが配置された酢酸セルロースのセグメント、などで構成することができる。典型的には、2つの部分からなるフィルタセグメント135の下流側セグメントは、可塑化酢酸セルローストウまたはギャザードポリプロピレンウェブで構成されたセグメントである。所望に応じて、2つの部分からなるフィルタセグメントを、単一のセグメントのフィルタ要素または3つの部分からなるキャビティフィルタで置き換えることができる。
【0107】
図3に示されるタイプの代表的な喫煙品10は、約80mm~約100mmの間の長さを有する。例えば、約85mmの長さを有する喫煙品10の場合、代表的な発熱セグメント35は、約10mm~約15mmの間の長さを有することができ、代表的なエアロゾル生成セグメント61は、約10mm~約25mmの間の長さを有することができ、代表的なタバコフィラーセグメント198は、約30mm~約50mmの間の長さを有することができ、代表的なフィルタ要素135は、約20mm~約30mmの間の全体的な長さを有することができる。図示の実施形態の代表的なフィルタ要素の場合、上流側フィルタ要素セグメント220は、約5mm~約20mmの間の長さを有することができ、下流側フィルタ要素セグメント225は、約5mm~約20mmの間の長さを有することができる。例えば、約83mmの全長を有する代表的な喫煙品は、約12mmの長さを有する発熱セグメント35、約13mmの長さを有するエアロゾル生成セグメント61、約37mmの長さを有するタバコフィラーセグメント198、約7mmの長さを有する酢酸セルロース管フィルタセグメント220、および約14mmの長さを有する低効率可塑化酢酸セルローストウセグメント225を有することができる。
【0108】
典型的な喫煙品は、それらの構成に関連する種々の構成要素も含む。例えば、これらのタイプの構成要素には、包装材料、熱伝導材料、金属箔および箔積層体、マウスエンドピース、フィルタ要素、プラグラップ、チッピング材料、および接着剤が含まれる。さらに、典型的な喫煙品は、幅広くさまざまなタバコタイプ、タバコの形態、およびそれらのブレンドのいずれかを含むことができる。例えば、Faggらの米国特許第5724997号明細書、Crooksらの米国特許第8678013号明細書、およびAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書に記載され、参照される代表的なタイプの構成要素を参照されたい。
【0109】
香味剤(喫煙品の主流のエアロゾルの感覚および/または官能特性または性質を変える種々の材料を含む)の種々の組み合わせおよび変種を、適切な喫煙品内に取り入れることができる。喫煙品の基体材料および種々のタバコ成分を、ケーシングおよび/またはトップドレッシング成分などのシガレットの製造に伝統的に使用されているタイプのタバコ添加物で処理することができる。例えば、Crooksらの米国特許第8678013号明細書に記載されたタイプの成分を参照されたい。
【0110】
代表的なタイプの喫煙品を組み立てるためのやり方および方法が、Barnesらの米国特許第5469871号明細書およびCrooksらの米国特許第8678013号明細書、ならびにStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2012/0067360号明細書、Amissらの米国特許出願公開第2014/0261470号明細書、およびAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書に記載されている。
【0111】
本開示の態様に関連する上述の利益および利点の提供における本開示の態様の間の可能な相互関係に照らして、本開示は、開示された態様の種々の組み合わせを呈する実施形態をとくに明示的に含むが、それらに限られるわけではない。本開示は、本開示において説明された2つ、3つ、または4つ以上の特徴または構成要素の任意の組み合わせを、そのような特徴または構成要素が本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられているか否か、あるいは他のかたちで記載されているか否かにかかわらず、包含する。本開示は、総体的に理解されるように意図されており、したがって、そのようでないことが本開示の状況から明らかでない限り、本開示のあらゆる分離可能な特徴または構成要素が、その態様および実施形態のいずれにおいても、意図されたものとして、すなわち組み合わせ可能であると考えられるべきである。
【0112】
本開示のシガレットによって生成されるエアロゾルは、蒸気、ガス、浮遊粒子、などの空気含有成分を含むエアロゾルである。エアロゾル成分を、何らかの形態のタバコ(および、燃焼して熱を発生させる随意による他の成分)の燃焼から、タバコを加熱し、タバコを炭化させる(または、他の方法でタバコの何らかの形態のくすぶりを生じさせる)ことによって引き起こされるタバコの熱的分解、ならびにエアロゾル形成剤の蒸発によって、生成することができる。したがって、エアロゾルは、揮発成分、燃焼生成物(例えば、二酸化炭素および水)、不完全燃焼生成物、および熱分解の生成物、および他の煙と説明されるエアロゾルを含むことができる。
【0113】
エアロゾル成分を、何らかの形態のタバコ(および、燃焼して熱を発生させる随意による他の成分)の燃焼からの熱を、燃焼するタバコ材料および燃焼する他の成分と熱交換の関係に位置する物質に作用させることによって、発生させることもできる。さらに、エアロゾル成分を、エアロゾル発生セグメントへの発熱セグメントの作用の結果として、エアロゾル発生システムによって発生させることもできる。いくつかの実施形態においては、エアロゾル発生セグメントの成分が、これらの成分が通常の使用状態において(例えば、燃焼、くすぶり、または熱分解の結果として)著しい程度の熱的分解を被らない傾向を有するような全体組成および喫煙品における配置を有する。
【0114】
本開示に関する技術の当業者であれば、以上の説明および関連の図面に示された教示の利益により、本明細書において説明された開示の多数の変更および他の態様に、想到できるであろう。例えば、当業者であれば、ここに提示される特許請求の範囲の技術的範囲から外れることなく、本明細書において異なる実施形態について説明された特徴を互いに組み合わせることができ、さらには/あるいは現時点において公知の技術または将来開発される技術と組み合わせることができるなど、本明細書に明示的には示されていない実施形態を本開示の範囲内で実施できることを、理解できるであろう。いくつかのそのような態様においては、例えば、エンボス加工されたオーバーラップ材料(すなわち、紙からなる)を、外側包装材料(すなわち、シガレット紙)を覆うさらなる層として使用するなど、外側包装材料の焼け焦げ、炭化、または変色を低減、最小化、または排除するための代替の手段を、実施することができる。そのような場合、エンボス加工によって表面積の増加がもたらされること、および/またはエンボス加工されたオーバーラップ材料は少なくとも部分的に外側包装材料から離れて位置することにより、オーバーラップ材料を外気による冷却装置(すなわち、冷却フィン)として機能させることができる。さらに他の例では、過熱または高すぎる温度の視覚的合図を提供するための種々の手段を実施することができる。例えば、エンボス加工されたオーバーラップ材料および/または外側包装材料に、温度しきい値の超過または特定の温度範囲において視覚的に出現または変化し、さらには/あるいは温度しきい値未満または特定の温度範囲において消失する熱変色性のインクで印刷を施すことができる。このようにして、例えば、熱変色性のインクによってもたらされるしるしの外観が、喫煙品が適切な温度であることを示すように変化するまで、高すぎる温度条件にある喫煙品を使用することがないようにユーザに指示することができ、そのような手段は、発熱セグメントにより発生する熱を被る外側包装材料または他の構成要素の焼け焦げまたは炭化につながりかねない高すぎる温度での使用を、防止することができる。さらに他の例においては、熱伝導要素としての不織グラファイトまたはグラフェンシート、あるいは他のかたちで外側包装紙75から余分な熱を運び去る不織グラファイトまたはグラフェンシートが、外側包装材料75または包装紙/材料90に含まれてよく、あるいは外側包装材料75または包装紙/材料90に組み合わせられてよい。すなわち、不織グラファイトまたはグラフェンシートは、外側包装材料の内側において発熱部分の一部分の周囲およびエアロゾル生成部分の一部分の周囲に巻き付けられ、吸い口端部分に向かって延びることができる。
【0115】
したがって、本開示が、開示された特定の態様に限定されるものではなく、均等物、修正、および他の態様が、添付の特許請求の範囲の技術的範囲に含まれるように意図されていることを、理解すべきである。特定の用語が本明細書において使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的で使用されているのではない。本開示の態様は、本明細書おいていくつかの例によってより充分に説明されているが、それらの例は、本開示の特定の態様を例示するために述べられており、本開示の技術的範囲を限定するものとして解釈されてはならない。とくに明記されない限り、すべての割合およびパーセンテージは、重量による。