(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】ロックノブアタッチメント、ラバトリー用のドア、および、ロックノブアタッチメントの取付方法
(51)【国際特許分類】
E05B 3/00 20060101AFI20230626BHJP
E05B 1/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
E05B3/00 D
E05B1/00 311L
(21)【出願番号】P 2022528445
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010333
(87)【国際公開番号】W WO2021246018
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2020095239
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000132013
【氏名又は名称】株式会社ジャムコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 久也
(72)【発明者】
【氏名】福冨 祥子
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実公昭58-21880(JP,Y2)
【文献】実開昭53-30496(JP,U)
【文献】特開2008-150883(JP,A)
【文献】特開2019-27100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 3/00
E05B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向にスライドすることによりドアをロックするロックバーに取り付け可能な取付部と、
前記取付部に連結され、前記取付部から前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体部と
、
前記取付部を前記ロックバーに固定する締結部材と
を具備し、
前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向を第3方向と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記本体部の長さは、前記第3方向に沿う方向における前記取付部の長さよりも大き
く、
前記本体部は、第1貫通孔部を有し、
前記取付部は、第2貫通孔部を有し、
前記締結部材は、前記第1貫通孔部および前記第2貫通孔部の両方に挿入され、
前記取付部は、前記取付部および前記本体部が前記締結部材の長手方向軸まわりに回転するのを防止する回り止め部を有する
ロックノブアタッチメント。
【請求項2】
前記第1方向に沿う方向に見て、前記本体部は、略半円形状を有し、
前記第2方向の反対方向に沿う方向に見て、前記本体部は、略長円形状を有する
請求項1に記載のロックノブアタッチメント。
【請求項3】
前記取付部は、
前記ロックバーの主面に接触する第1部分と、
前記ロックバーの前記主面に垂直な第2面に接触する第2部分と
を有し、
前記第2部分が、前記回り止め部を含む
請求項
1または2に記載のロックノブアタッチメント。
【請求項4】
ロックノブアタッチメントと、
ラバトリーの第1壁に、ドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられるドアパネルと、
前記ドアパネルに配置されるハンドル部と、
ロックバーと
を具備し、
前記ロックノブアタッチメントは、
第1方向にスライドすることによりドアをロックする前記ロックバーに取り付け可能な取付部と、
前記取付部に連結され、前記取付部から前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体部と
を備え、
前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向を第3方向と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記本体部の長さは、前記第3方向に沿う方向における前記取付部の長さよりも大きく、
前記ドアパネルは、前記取付部がスライド移動可能な長孔部を有
し、
前記取付部は、前記取付部の破断位置を規定する弱化部を有し、
前記弱化部は、前記長孔部よりも、前記第2方向側に配置される
ラバトリー用のドア。
【請求項5】
前記弱化部は、前記取付部を前記ロックバーに固定する締結部材の前記第2方向側の端よりも前記第2方向側に配置される
請求項
4に記載のラバトリー用のドア。
【請求項6】
ラバトリー用のドアにロックノブアタッチメントを取り付けるロックノブアタッチメントの取付方法であって、
前記ドアは、
ラバトリーの第1壁にドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられ、長孔部を有するドアパネルと、
前記ドアパネルの内部に配置される基部と、前記ラバトリーの第2壁に係合可能な係合部とを有し、第1方向にスライドすることにより、前記第2壁から退避したロック解除位置から、前記第2壁に係合するロック位置に位置変更可能なロックバーと
を備え、
前記ロックノブアタッチメントは、
前記ロックバーに取り付け可能、かつ、前記長孔部に沿ってスライド移動可能な取付部と、
前記取付部に連結され、前記取付部から前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体部と
を備え、
前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向を第3方向と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記本体部の長さは、前記第3方向に沿う方向における前記取付部の長さよりも大きく、
前記取付方法は、
前記取付部を、前記ロックバーに向かう方向に移動させることにより、前記取付部を前記長孔部に挿入する工程と、
前記取付部を、締結部材を介して、前記ロックバーに固定する工程と
を具備
し、
前記挿入する工程は、
前記取付部の少なくとも一部を、前記第2方向と反対方向に見て前記ドアパネルによって隠される位置に配置することを含む
ロックノブアタッチメントの取付方法。
【請求項7】
前記固定する工程は、
前記締結部材を、前記第2方向とは反対の方向に移動させることにより、前記締結部材を、前記本体部の第1貫通孔部と、前記取付部の第2貫通孔部と、前記ロックバーの穴部とに挿入すること
を含む
請求項
6に記載のロックノブアタッチメントの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロックノブアタッチメント、ラバトリー用のドア、および、ロックノブアタッチメントの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルス等の感染症は不特定多数が使用する、ドアの把手や手すり等を介して感染が広がることが多い。例えば、感染者が直接手や指で触れて操作したドアの把手等を、非感染者が触れることで、非感染者の手や指にウイルスが付着する可能性が高い。この非感染者が、ウイルスの付着した手や指を自己の口、鼻や眼等に触れることによって、ウイルスが体内に侵入し、非感染者であったものが感染症に罹患する可能性がある。
このため、感染症を予防するためには、不特定多数の者が手や指で直接触れる箇所を減らすことが有効である。
【0003】
このため、トイレ等の出入りに関して、利用者がドア等に触れることなく利用できるような設備として、特許文献1に示される技術がある。
特許文献1においては、「出入口を有する気密室と、気密室の室内に設置されるトイレブースと、出入口を開閉するドアと、出入口の入口床面に設置されたマットセンサが踏まれることでドアを開扉する出入口開閉装置と、出入口開閉装置によるドアの開扉と連動して作動し出入口の上部から下方へ向く気流によってエアカーテンを作るエアカーテン生成装置と、気流にプラズマを混入させるプラズマ発生装置と、を設けたトイレユニット」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、設備の施工のために床面の工事等を要するため、取り付けるには取り付けるための負担が大きい。また、既存の設備に施工する場合には、機械式のドアロックなどを有する既存の設備を活用することが難しく、全面的な改修が必要となる。
そこで、本発明では、利用者が指や手を用いずにドアの施錠、解錠を行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、いくつかの実施形態におけるロックノブアタッチメントは、第1方向にスライドすることによりドアをロックするロックバーに取り付け可能な取付部と、前記取付部に連結され、前記取付部から前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体部と、を具備する。前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向を第3方向と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記本体部の長さは、前記第3方向に沿う方向における前記取付部の長さよりも大きい。
【0007】
また、いくつかの実施形態におけるラバトリー用のドアは、上述のロックノブアタッチメントと、ラバトリーの第1壁に、ドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられるドアパネルと、前記ドアパネルに配置されるハンドル部と、前記ロックバーと、を具備する。前記ドアパネルは、前記取付部がスライド移動可能な長孔部を有する。
【0008】
また、いくつかの実施形態におけるロックノブアタッチメントの取付方法は、ラバトリー用のドアにロックノブアタッチメントを取り付ける方法である。前記ドアは、ラバトリーの第1壁にドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられ、長孔部を有するドアパネルと、前記ドアパネルの内部に配置される基部と、前記ラバトリーの第2壁に係合可能な係合部とを有し、第1方向にスライドすることにより、前記第2壁から退避したロック解除位置から、前記第2壁に係合するロック位置に位置変更可能なロックバーと、を備える。前記ロックノブアタッチメントは、前記ロックバーに取り付け可能、かつ、前記長孔部に沿ってスライド移動可能な取付部と、前記取付部に連結され、前記取付部から前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体部と、を備える。前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向を第3方向と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記本体部の長さは、前記第3方向に沿う方向における前記取付部の長さよりも大きい。前記取付方法は、前記取付部を、前記ロックバーに向かう方向に移動させることにより、前記取付部を前記長孔部に挿入する工程と、前記取付部を、締結部材を介して、前記ロックバーに固定する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が指や手を用いずにドアの施錠、解錠を行うことを可能にする技術を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、従来のバイフォールドドアを示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態におけるハンドルアタッチメントの概略図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントの斜視図である。
【
図4】
図4は、ロックノブアタッチメントの側面図である。
【
図5】
図5は、ロックノブアタッチメントを用いた動作を説明する図である。
【
図6】
図6は、ロックノブアタッチメントの正面図である。
【
図7】
図7は、ロックノブアタッチメントの変形例の正面図及び側面図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態におけるラバトリー用のドアを模式的に示す概略正面図である。
【
図9】
図9は、ハンドルアタッチメントの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、ロックノブアタッチメントがロックバーに固定された後の状態を模式的に示す概略斜視図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態におけるロックノブアタッチメントを模式的に示す概略3面図である。
【
図12】
図12は、ロックノブアタッチメントがロックバーに固定される前の状態を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、ロックバーに固定されたロックノブアタッチメントの一部分を拡大して示す図である。
【
図14】
図14は、ロックノブアタッチメントの取付部が弱化部で破断した状態を模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、ロックノブアタッチメントの取付方法の一工程を実行中の様子を模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、ロックノブアタッチメントの取付方法の一工程を実行中の様子を模式的に示す図である。
【
図17】
図17は、ロックノブアタッチメントの取付方法の一工程を実行中の様子を模式的に示す図である。
【
図18】
図18は、ロックノブアタッチメントの取付方法の一工程を実行中の様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態におけるロックノブアタッチメント60、ラバトリー用のドア1、および、ロックノブアタッチメント60の取付方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0012】
本開示において、「ハンドル」とは、ドアの開閉を行うために手や指を添えて力を加える部材であり、ドアの一部を陥没させた空間またはドアから突出して設けることが可能な部材である。
また、「ドアヒンジ」とは、ドアを設置する開口部の壁面に回動可能に取り付けるための部材を意味する。また、「ドアヒンジ軸」とは、ドアヒンジによって取り付けられたドアの回動軸を意味する。ドアヒンジ軸は、ドアの回転軸が鉛直であれば、鉛直方向に略平行となるが、ドアが上下方向に可動する場合には、ドアヒンジ軸は水平方向に略平行となることがある。
さらに、本開示の「ドア」は、1枚の平面又は曲面を含むパネルで構成されるドア、第2のドアヒンジ軸に沿って中折れする構造のバイフォールドドア、蛇腹状の伸縮可能なパネルを有するドアも含むものを意味する。
また、「ロックノブ」とは、ドアの施錠又は解錠を行うために、ドアから室内方向に突出した突出部材(例えば、棒状部材)であって、突出部材を移動させることによって施錠位置と解錠位置を切り替えることが可能な部材を意味する。
本開示において、ロックバーが、ロック解除位置からロック位置に向かう方向を第1方向DR1と定義する。また、本開示において、第1方向DR1と垂直な方向を第2方向DR2と定義する。第2方向DR2は、ロックノブアタッチメントの取付部からロックノブアタッチメントの本体部に向かう方向である。典型的には、第2方向DR2は、ドアパネル10の主面に垂直な方向である。また、本開示において、第1方向DR1および第2方向DR2の両方に垂直な方向を第3方向DR3と定義する。典型的には、第3方向DR3は、ドアヒンジ軸に平行な方向である。
【0013】
<従来例>
まず、
図1を用いて、従来のドア構造の概要について説明する。
図1は、航空機の化粧室などに採用されている、中折れ構造を有するバイフォールドドア1を化粧室の内部から見た例である。バイフォールドドア1は、ドアヒンジ軸2によって航空機内の壁(図示しない)に回動自在に取り付けられており、中折れ部4(換言すれば、第2のドアヒンジ軸)で畳み込むことができるように設計されている。化粧室の外側からバイフォールドドア1を開く際には、手/腕/肘で押すだけで簡単にドアを開けることができる。しかし、化粧室の内側からバイフォールドドア1を開ける動作は、ハンドル部3を手/指で利用者の側に引く動作を行う必要がある。
【0014】
またバイフォールドドア1をロックする際には、ロックノブ5を横方向にスライドし、ロック部6を確実に航空機の壁部材側に突き出すことが必要である。また、バイフォールドドア1を解錠する際には、これとは反対に、ロックノブ5を横方向にスライドし、ロック部6を確実に航空機の壁部材側から引き抜くことが必要である。
なお、ロックノブ5を横方向に操作すると、解錠、施錠の状態が表示部7の化粧室外側の表面に表示されることとなる。
【0015】
このため、利用者は、入退室の際に指や手を用いて、ハンドル部3及びロックノブ5を操作する必要がある。しかし、特に、航空機用の化粧室は化粧室内に手洗い場があるため、利用者が手を洗った後にハンドル部3やロックノブ5に触れる必要があり、感染症を予防する観点からは、指や手を用いずにドアの開閉を行えることが求められている。
【0016】
(第1の実施形態におけるハンドルアタッチメント20)
図2は、ハンドルアタッチメントの概略図である。ハンドルアタッチメント20は、ベース部21及びフラップ部25を含む。ハンドルアタッチメント20は、ドアをベース部21と補助ベース部26とで挟み込むために、ベース部21と結合可能な補助ベース部26を含んでいてもよい。ベース部21は、ねじ等の固着部材を用いてドアの壁面に固定される。また、フラップ部25は、ピン部材等のフラップ回動機構24を介して、ベース部21に回動自在に取り付けられている。
【0017】
フラップ回動機構24は、フラップ部25のうちのドア壁面側22に設けられている。また、フラップ部25は、ドア壁面側と反対側23において、ドアヒンジ軸と略垂直方向に横長の表面を有している。
さらに、フラップ部25は、フラップ回動機構24から遠い側の先端部27が、ドアの壁面から離れる方向に向かうように、バネ等の部材を用いてベース部21に対して付勢されている。
【0018】
(第1の実施形態におけるロックノブアタッチメント60)
図3は、ロックノブアタッチメント60の斜視図であり、
図4は、ロックノブアタッチメント60の側面図である。ロックノブアタッチメント60は、ロックノブ5に取り付け可能なアタッチメントである。ロックノブアタッチメント60は、
図3、
図4に示すように、ロックノブ5に嵌着可能な空洞部を備える取付部61と、取付部61からドア面の法線方向に突出した取付部よりも外径の大きな本体部62と、を備える(
図4を参照。)。
【0019】
<ロックノブアタッチメントの動作>
次に、
図5を用いて、ロックノブアタッチメント60をバイフォールドドア1に設置した場合の動作を説明する。
図5は、ハンドルアタッチメント20及びロックノブアタッチメント60が取り付けられたバイフォールドドア1が閉められた状態を示している。このような状態からドアのロックを解錠する又は施錠するためには、図中に描かれているように、腕や肘をロックノブアタッチメント60に掛けてロックノブアタッチメント60を図中の矢印の方向、つまり、ドアヒンジ軸2から遠ざかる方向あるいはドアヒンジ軸2に近づく方向に、横移動させればよい。
本実施形態におけるロックノブアタッチメント60は、腕/肘等で化粧室のドアのロックを行いやすいよう、本体部62の径が取付部61に比べて大径となっている。
また、ドアの取っ手と間違えて掴むことがないように、本体部62の先端は口径を小さくし断面が台形の形状としている。ただし、ロックノブアタッチメント60の形状は、必ずしもこれらの形状に限定されるものではない。
【0020】
図6は、ロックノブアタッチメント60の正面図である。さらに、上記で説明したロックノブアタッチメント60の正面形状は円形であるが、正面形状は円形に限るものではない。例えば、
図7(a)の正面図及び
図7(b)の側面図に示すように、正面形状を縦長の形状(より具体的には、長円形状または楕円形状)とし、腕や肘を用いて水平方向に移動させるときに力が加わりやすいような形状としてもよい。
【0021】
なお、上記の実施形態では、水平方向に開閉するドアを用いて説明したが、上述のロックノブアタッチメントは、水平方向に開閉するドアに限らず、上下方向に開閉する航空機の手荷物収納スペースのドアに適用されてもよい。また、ロックノブアタッチメントは、ギャレーなどの設備におけるドアの施錠部分など様々な箇所に適用可能である。
【0022】
(第2の実施形態)
図8乃至
図17を参照して、第2の実施形態におけるロックノブアタッチメント60、ラバトリー用のドア1、および、ロックノブアタッチメント60の取付方法について説明する。
図8は、第2の実施形態におけるラバトリー用のドア1を模式的に示す概略正面図である。
図9は、ハンドルアタッチメント20の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図10は、ロックノブアタッチメント60がロックバー70に固定された後の状態を模式的に示す概略斜視図である。
図11は、第2の実施形態におけるロックノブアタッチメント60を模式的に示す概略3面図である。
図11の上側には、概略平面図が記載され、
図11の右下側には、概略正面図が記載され、
図11の左下側には、概略側面図が記載されている。
図12は、ロックノブアタッチメント60がロックバー70に固定される前の状態を模式的に示す図である。
図13は、ロックバー70に固定されたロックノブアタッチメント60の一部分を拡大して示す図である。
図14は、ロックノブアタッチメント60の取付部61が弱化部614で破断した状態を模式的に示す図である。
図15乃至
図18は、ロックノブアタッチメント60の取付方法の一工程を実行中の様子を模式的に示す図である。
【0023】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0024】
(ラバトリー用のドア1)
図8に例示されるように、ラバトリー用のドア1は、壁101(より具体的には、航空機のラバトリーユニットの壁)に取り付けられる。ドア1は、壁101によって規定される開口部OPを開閉する。
【0025】
図8に記載の例では、ドア1は、ドアパネル10と、ハンドル部3と、ロックバー70と、ロックノブアタッチメント60と、を備える。
【0026】
ドアパネル10は、ラバトリー100の第1壁101aに、ドアヒンジ軸AX1まわりを回動可能に取り付けられる。ドアパネル10は、1枚のパネルによって構成されていてもよいし、第1パネル11および第2パネル12を含む複数枚のパネルによって構成されていてもよい。
【0027】
図8に記載の例では、第1パネル11と第2パネル12とが第2のドアヒンジ軸AX2まわりに相対回動可能に連結されている。換言すれば、
図8におけるドア1は、バイフォールドドアである。
【0028】
図8に記載の例では、ドアパネル10(より具体的には、第1パネル11)は、ロックノブアタッチメント60の取付部61がスライド移動可能な長孔部13hを有する。長孔部13hの手前側には、ロックノブアタッチメント60の本体部62が配置され、長孔部13hの奥側には、ロックバー70が配置される。
【0029】
図8に記載の例では、ドアパネル10(より具体的には、第1パネル11)は、長孔部13hに平行な第2長孔部15hを有する。第2長孔部15hの奥側には、ロック状態表示部7が配置されている。ロック状態表示部7は、化粧室外側の表面において、ドア1がロック状態であることを示す第1表示と、ドア1がロック解除状態であることを示す第2表示とを選択的に表示する。
【0030】
ハンドル部3は、ドア1を開けるときに、ユーザによって操作される部分である。
図8に記載の例では、ハンドル部3は、ドアパネル10(より具体的には、第2パネル12)に配置されている。
【0031】
ハンドル部3は、第1の実施形態におけるハンドルアタッチメントを含んでいてもよいし、第1の実施形態におけるハンドルアタッチメントとは別のハンドルアタッチメントを含んでいてもよい。代替的に、ハンドル部3は、
図1に例示されるような公知のハンドル部であってもよい。
【0032】
図9に記載の例では、ハンドルアタッチメント20は、ベース部21と、フラップ部25と、フラップ回動機構24(より具体的には、ピン部材50)と、付勢部材29とを含む。
【0033】
ベース部21は、ドア1の壁面1sの一部に取り付けられる。
図8に記載の例では、ベース部21は、ドアパネル10に取り付けられている。
【0034】
フラップ部25は、ユーザによって引っ張り操作されることにより、ベース部21を介してドア1(より具体的には、ドアパネル10)に引っ張り力を付与する。換言すれば、ユーザがフラップ部25を引っ張ることにより、ドア1の状態が、壁101の開口部OPを閉鎖する閉鎖状態から、当該開口部OPを開放する開放状態に切り替えられる。フラップ部25は、ユーザによって操作される第1操作部として機能する。
【0035】
図9に記載の例では、フラップ部25は、フラップ回動機構24(より具体的には、ピン部材50)に接続される基端部28と、フラップ回動機構24から離れた位置に配置される先端部27とを有する。フラップ部25は、フラップ部25の回動軸AXに平行な方向における長さよりも、フラップ部25の回動軸AXに垂直な方向における長さの方が長い横長形状を有することが好ましい。
【0036】
図9に記載の例では、付勢部材29は、ベース部21に対してフラップ部25を回動軸AXまわりの第1回転方向R1に付勢する。第1回転方向R1は、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面から離れる方向である。
図9に記載の例では、付勢部材29は、ねじりコイルばね29sである。
図9に記載の例では、当該ねじりコイルばね29sのコイル部には、ピン部材50が挿入されている。また、当該ねじりコイルばね29sの一端部は、ベース部21に当接し、当該ねじりコイルばね29sの他端部は、フラップ部25に当接している。なお、安全性の観点から、ねじりコイルばね29sの一端部および/または他端部は、溝または穴に収容されることが好ましい。
【0037】
図9に記載の例では、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面から離れる方向に付勢される。この場合、(1)先端部27とドア1の壁面との間に、腕または肘を挿入し易いとの第1効果と、(2)先端部27に、意図せずして、身体の一部あるいはラバトリーの壁等が当たった時に、ドア1の壁面側に先端部27が退避するとの第2効果とが相乗的に奏される。第1効果により、指あるいは手をフラップ部25に触れることなくドア1を円滑に開けることが可能となる。また、第2効果により、ユーザの怪我が防止され、また、壁等の破損が抑制される。
【0038】
図9に例示されるように、フラップ部25は、指を引っ掛け可能な貫通孔部25hを有していてもよい。この場合、フラップ部25とドア1の壁面との間に腕または肘を挿入してフラップ部25を操作するのに代えて、フラップ部25の貫通孔部25hに指を掛けてフラップ部25を操作することが可能となる。よって、腕または肘を用いてフラップ部25の操作を行いたいユーザの要望と、指を用いてフラップ部25の操作を行いたいユーザの要望との両方に対応することができる。
【0039】
図8に記載の例では、ロックバー70は、第1方向DR1にスライドすることによりドアをロックする。より具体的には、ロックバー70は、第1方向DR1にスライドすることにより、ラバトリーの第2壁101bから退避したロック解除位置から、第2壁101bに係合するロック位置に位置変更可能である。第2壁101bは、ドア1に対して、第1壁101aとは反対側に配置される壁である。
【0040】
図10に記載の例では、ロックバー70は、基部81と、係合部82とを有する。基部81は、ドアパネル10の内部に配置される。基部81には、ロックノブアタッチメント60の取付部61が取り付けられる。係合部82は、第2壁101bと係合可能である。
図8に記載の例では、ロックバー70がロック位置にあるとき、係合部82は、ドアパネル10の内部から第2壁101bに向けて突出する。他方、ロックバー70がロック解除位置にあるとき、係合部82は、ドアパネル10の内部に退避する。
【0041】
図10に記載の例では、ロックバー70は、主面70mと、上面70uと、下面70bとを有する。主面70mは、長孔部13hに対向する面、あるいは、第2方向DR2側を向く面である。
【0042】
ロックノブアタッチメント60は、ロックバー70に取り付けられる。ロックノブアタッチメント60は、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントであってもよいし、後述のロックノブアタッチメントであってもよい。
【0043】
(ロックノブアタッチメント60)
続いて、
図8、および、
図10乃至
図18を参照して、ロックノブアタッチメント60の一例についてより詳細に説明する。
【0044】
図10に記載の例では、ロックノブアタッチメント60は、取付部61と、本体部62とを備える。
【0045】
取付部61は、第1方向DR1にスライドすることによりドア1(より具体的には、航空機ラバトリー用のドア)をロックするロックバー70に取り付け可能である。取付部61は、ロックノブアタッチメント60およびロックバー70を傷つけることなく、ロックバー70から取り外し可能であることが好ましい。取付部61は、例えば、金属製または樹脂製である。
【0046】
図10に記載の例では、本体部62は、取付部61に連結されている。本体部62は、取付部61から第2方向DR2(第1方向DR1に垂直な方向)に延在する。
【0047】
図11に記載の例では、第3方向DR3に平行な方向における本体部62の長さL1は、第3方向DR3に平行な方向における取付部61の長さL2よりも大きい。長さL1が長さL2よりも大きいことにより、ユーザは、指や手を用いずにドア1の施錠、解錠を容易に行うことを可能となる。第3方向DR3に沿う方向における本体部62の長さL1は、例えば、3cm以上、4cm以上、あるいは、5cm以上であることが好ましい。
【0048】
第2方向DR2に平行な方向における本体部62の長さL3は、例えば、2cm以上、3cm以上、あるいは、4cm以上であることが好ましい。長さL1が3cm以上であり、長さL3が2cm以上である場合、ユーザは、更に容易に、指や手を用いずにドア1の施錠、解錠を行うことができる。
【0049】
第1方向DR1に沿う方向に見たときの本体部62の面積(第1方向DR1に平行な平行光が本体部62に照射されたときにできる影の面積)は、6cm2以上、10cm2以上、あるいは、15cm2以上であることが好ましい。
【0050】
続いて、
図1乃至
図18を参照して、第2の実施形態、または、上述の第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0051】
(本体部62の形状および材質)
図11に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向に見て、本体部62は、略半円形状を有する。また、第2方向DR2の反対方向DR4に沿う方向に見て、本体部62は、略長円形状を有する。この場合、(1)本体部62の角を無くすか、あるいは、本体部62の角の数を減少させることができ、(2)本体部62の見た目のサイズ(第2方向DR2の反対方向DR4に沿う方向に見た時の本体部62のサイズ)を小さくすることができ、(3)腕または肘によって操作される部分の面積(第1方向DR1に沿う方向に見たときの本体部62の面積)を大きくすることができ、(4)本体部62が第1方向DR1に沿う方向に操作されるものであることをユーザに直感的に認識させることができる。ただし、実施形態において、本体部62の形状は
図11に記載の形状に限定されず、任意である。本体部62の形状は、略円柱形状であってもよいし、略角柱形状であってもよい。
【0052】
図11に記載の例では、本体部62は主面620を有し、当該主面620の中央部分は、第1方向DR1に垂直な平坦面620fである。本体部62の主面620が平坦面620fを含む場合、腕または肘を用いて本体部62を操作する際に、腕または肘に作用する荷重を分散させることができる。
【0053】
本体部62は、例えば、アルミニウム製等の金属製である。代替的に、本体部62は、樹脂製であってもよい。
【0054】
(本体部62および取付部61の貫通孔部)
図12に記載の例では、本体部62は第1貫通孔部62hを有し、取付部61は第2貫通孔部61hを有する。第1貫通孔部62hおよび第2貫通孔部61hは、それぞれ、第2方向DR2に平行な方向に延在することが好ましい。
図11に記載の例では、第2方向DR2の反対方向DR4に沿う方向に見て、第1貫通孔部62hは、本体部62の中央に配置されている。
図11に記載の例では、第1貫通孔部62hの第2方向DR2側の開口OP1は開放されている。代替的に、開口OP1は、蓋あるいはカバーによって閉鎖されてもよい。
【0055】
(締結部材65)
図12に記載の例では、ロックノブアタッチメント60は、取付部61をロックバー70に固定する締結部材65を備える。当該締結部材65は、第1貫通孔部62hおよび第2貫通孔部61hの両方に挿入される。締結部材65が、第1貫通孔部62hおよび第2貫通孔部61hの両方に挿入可能である場合、当該両貫通孔部(62h、61h)を介して、締結部材65をロックバー70にアプローチさせることができる。よって、締結部材65を用いて、ロックノブアタッチメント60をロックバー70に取り付ける作業が容易になる。
【0056】
図12に記載の例では、締結部材65は、ネジ部材である。締結部材65は、頭部65aと、雄ネジ650を有する軸部65bとを有する。また、ロックバー70は、締結部材65の雄ネジ650と螺合する雌ネジ750を有する。
図12に記載の例では、取付部61は、締結部材65の頭部65aに当接する座面61sを有する。代替的に、座面61sは、本体部62に設けられていても構わない。
【0057】
(取付部61の回り止め部612s)
図13に記載の例では、取付部61は、回り止め部612sを有する。回り止め部612sは、取付部61および本体部62が締結部材65の長手方向軸AX3まわりに回転するのを防止する。本体部62の回転が防止されることにより、ユーザは、安定的に本体部62を操作することができる。また、取付部61(あるいは、座面61s)と、締結部材65との間の相対回転運動が防止されることにより、締結部材65の緩みが防止または抑制される。
【0058】
図13に記載の例では、回り止め部612sは、ロックバー70の主面70mに垂直な面に接触する。
図13に記載の例では、回り止め部612sは、ロックバー70の上面70uに接触しているが、回り止め部612sは、ロックバー70の下面70bに接触しても構わない。回り止め部612sが、ロックバーの上面70uまたは下面70bに接触する場合、取付部61の回転運動が効果的に防止される。また、取付部61をロックバー70に取り付ける際に、回り止め部612sをロックバー70に対する位置決め部として利用することができる。また、回り止め部612sが、ロックバーの上面70uに接触する場合には、取付部61をロックバー70に取り付ける際に、取付部61がロックバー70から下方に脱落することがない。
【0059】
図13に記載の例では、取付部61は、ロックバー70の主面70mに接触する第1部分611と、ロックバー70の主面70mに垂直な第2面(70u)に接触する第2部分612とを有する。また、第2部分612が、上述の回り止め部612sを含む。この場合、取付部61が、ロックバー70の主面70mおよび第2面(70u)によって効果的に位置決めされる。また、回り止め部612sによって、当該位置決めされた状態が安定的に維持される。
図13に記載の例では、ロックバー70の長手方向に沿う方向(換言すれば、第1方向DR1に沿う方向)に見て、ロックバー70と取付部61との間の当接部は、略L字形状を有する。
【0060】
図13に記載の例では、第1部分611には、締結部材65が挿入される穴が設けられている。よって、第1部分611と主面70mとの間の接触面は、環状の接触面となる。
【0061】
(取付部61の弱化部614)
図13に記載の例では、取付部61は、取付部61の破断位置を規定する弱化部614を有する。また、当該弱化部614は、ドアパネル10の長孔部13hよりも、第2方向DR2側に配置されている。弱化部614は、例えば、取付部61の外周面に設けられる凹部(より具体的には、環状の凹部)である。
【0062】
図13に記載の例では、弱化部614をとおり第2方向DR2に垂直な面PLは、取付部61の第2貫通孔部61hを横切る。この場合、取付部61が更に弱化部614で破断し易くなる。
図13に記載の例では、第2貫通孔部61hは、締結部材65の頭部65aの最大外径よりも大きな内径を有する部分610hを備える。弱化部614をとおり第2方向DR2に垂直な面PLは、当該部分610hを横切ることが好ましい。この場合、取付部61が更に弱化部614で破断し易くなる。
【0063】
本体部62に過剰な力が作用して、取付部61が破断される場合を想定する。この場合、
図14に例示されるように、弱化部614において、取付部61が破断する。
図14に記載の例では、弱化部614は、ドアパネル10の長孔部13hよりも、第2方向DR2側に位置する。このため、取付部61の破断後、ユーザは、取付部61のうちの長孔部13hと弱化部614との間の部分Pを把持して、ロックバー70を操作することができる。よって、ユーザが、化粧室(より具体的には、航空機のラバトリー)に閉じ込められることがない。
【0064】
図14に記載の例では、弱化部614は、座面61sよりも第2方向DR2側に位置する。また、弱化部614は、取付部61をロックバー70に固定する締結部材65の第2方向DR2側の端よりも第2方向DR2側に配置されている(
図14において、弱化部614の位置を示す矢印Eと、締結部材65の第2方向DR2側の端の位置を示す矢印Fとの間の位置関係を参照。)。この場合、弱化部614での取付部61の破断が、締結部材65によって妨害されることはない。
【0065】
(取付部61のシャフト部613)
図13に記載の例では、取付部61は、シャフト部613を備える。シャフト部613は、第2方向DR2に沿って延在する。シャフト部613は、長孔部13hを横切るように配置される。
【0066】
図13に記載の例では、シャフト部613は、シャフト部613の長手方向に沿って延在する第2貫通孔部61hを有する。当該第2貫通孔部61hには、締結部材65が挿入される。
図13に記載の例では、シャフト部613は、締結部材65の頭部65aに当接する座面61sを有する。
図13に記載の例では、シャフト部613は、小径部613tと、小径部613tよりも外径が大きな大径部613wとを有する。また、大径部613wは、小径部613tよりも第2方向DR2側に配置されている。座面61sは、大径部613wの内部に設けられている。また、弱化部614は、大径部613wの外表面に設けられている。
【0067】
図13に記載の例では、シャフト部613は、第1端部613aと第2端部613bとを有する。第1端部613aには、ロックバー70の主面70mに接触する上述の第1部分611が設けられる。また、第2端部613bは、本体部62に接続される。
図13に記載の例では、第2端部613bに、上述の弱化部614が設けられている。
【0068】
(ロックノブアタッチメントの取付方法)
図8、
図10乃至
図18を参照して、実施形態におけるロックノブアタッチメントの取付方法について説明する。
【0069】
実施形態におけるロックノブアタッチメント60の取付方法は、ラバトリー用のドア1(より具体的には、航空機ラバトリー用のドア)にロックノブアタッチメント60を取り付ける方法である。
【0070】
ラバトリー用のドア1は、
図8等に例示されるように、(1)ラバトリー100の第1壁101aにドアヒンジ軸AX1まわりを回動可能に取り付けられ、長孔部13hを有するドアパネル10と、(2)ドアパネル10の内部に配置される基部81と、ラバトリー100の第2壁101bに係合可能な係合部82とを有し、第1方向DR1にスライドすることにより、第2壁101bから退避したロック解除位置から、第2壁101bに係合するロック位置に位置変更可能なロックバー70と、を備える。
【0071】
ラバトリー用のドア1については、上述の実施形態において説明済みであるため、ラバトリー用のドア1の詳細についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0072】
ロックノブアタッチメント60は、
図10等に例示されるように、(1)ロックバー70に取り付け可能、かつ、長孔部13hに沿ってスライド移動可能な取付部61と、(2)取付部61に連結され、取付部61から第1方向DR1に垂直な第2方向DR2に延在する本体部62と、を備える。(3)第1方向DR1および第2方向DR2の両方に垂直な方向を第3方向DR3と定義するとき、第3方向DR3に沿う方向における本体部62の長さは、第3方向DR3に沿う方向における取付部61の長さよりも大きい。
【0073】
ロックノブアタッチメント60については、上述の実施形態において説明済みであるため、ロックノブアタッチメント60の詳細についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0074】
続いて、実施形態におけるロックノブアタッチメント60の取付方法の各工程について説明する。
【0075】
第1ステップST1において、ロックノブアタッチメント60の取付部61が、ドアパネル10の長孔部13hに挿入される。第1ステップST1は、挿入工程である。
図15の矢印で示されるように、挿入工程(第1ステップST1)では、取付部61を、ロックバー70に向かう方向に移動させることにより、取付部61が長孔部13hに挿入される。
【0076】
図16に記載の例では、挿入工程(第1ステップST1)は、取付部61の少なくとも一部61pを、第2方向DR2と反対方向DR4に見てドアパネル10によって隠される位置に配置することを含む(なお、
図16において、当該一部61pは、一点鎖線で示される長孔部13hの上端よりも上方に位置するため、当該一部61pは、ドアパネル10によって隠される位置にあることが明白である。)。当該一部61pを、ドアパネル10によって隠される位置に配置するために、挿入工程は、取付部61を斜め上方に移動させること、あるいは、取付部61を水平方向に移動させた後、取付部61を上方に移動させることを含むことが好ましい。
【0077】
図17に記載の例では、挿入工程(第1ステップST1)は、取付部61の第1部分611をロックバー70の主面70mに接触させることを含む。挿入工程は、取付部61の第2部分612(より具体的には、回り止め部612s)をロックバー70の主面70mに垂直な第2面(70u)に接触させることを含んでいてもよい。
【0078】
第2ステップST2において、取付部61が、締結部材65を介して、ロックバー70に固定される。
【0079】
図12に示されるように、固定工程(第2ステップST2)は、締結部材65を、第2方向DR2とは反対方向DR4に移動させることにより、締結部材65を、本体部62の第1貫通孔部62hと、取付部61の第2貫通孔部61hと、ロックバー70の穴部70hとに挿入することを含む。
図12に記載の例では、ロックバー70の穴部70hには、雌ネジ750が形成されている。この場合、固定工程は、締結部材65の雄ネジ650を、ロックバー70の雌ネジ750に螺合させることを含む。
【0080】
以上の工程により、ロックノブアタッチメント60がロックバー70に取り付けられる(
図18を参照。)
【0081】
実施形態におけるロックノブアタッチメント60の取付方法では、ドアパネル10の内部に配置されたロックバー70の基部81に、ロックノブアタッチメント60を取り付けることができる。よって、ロックバー70にロックノブアタッチメント60を取り付ける作業を容易に実行することができる。また、ロックノブアタッチメントの交換作業(換言すれば、ロックノブアタッチメントをロックバー70から取り外して、新たなロックノブアタッチメント60をロックバー70に取り付ける作業)を容易に実行することができる。例えば、ロックノブアタッチメント60が破損または劣化した場合、破損または劣化したロックノブアタッチメント60をロックバー70から取り外し、新たなロックノブアタッチメント60をロックバー70に取り付けることができる。
【0082】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形または変更され得ることが明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる任意の構成要素を、他の実施形態または他の変形例に組み合わせることが可能であり、また、各実施形態または各変形例において任意の構成要素を省略することも可能である。
【0083】
なお、本明細書における寸法、あるいは、面積等についての数値の記載は、例示に過ぎない。よって、本明細書における数値の記載によって特許請求の範囲が限定されないことは言うまでもない。
【0084】
本出願は、2020年6月1日に出願された日本国特許出願第2020-95239号を基礎とする優先権を主張し、当該基礎出願の開示の全てを引用により本出願に取り込む。
【符号の説明】
【0085】
1…ドア、1s…壁面、2…ドアヒンジ軸、3…ハンドル部、4…中折れ部、5…ロックノブ、6…ロック部、7…ロック状態表示部、10…ドアパネル、11…第1パネル、12…第2パネル、13h…長孔部、15h…第2長孔部、20…ハンドルアタッチメント、21…ベース部、22…ドア壁面側、23…ドア壁面側の反対側、24…フラップ回動機構、25…フラップ部、25h…貫通孔部、26…補助ベース部、27…先端部、28…基端部、29…付勢部材、29s…ねじりコイルばね、50…ピン部材、60…ロックノブアタッチメント、61…取付部、61h…第2貫通孔部、61p…取付部の一部、61s…座面、62…本体部、62h…第1貫通孔部、65…締結部材、65a…頭部、65b…軸部、70…ロックバー、70b…下面、70h…穴部、70m…主面、70u…上面、81…基部、82…係合部、100…ラバトリー、101…壁、101a…第1壁、101b…第2壁、610h…第2貫通孔部のうち、締結部材の頭部の最大外径よりも大きな内径を有する部分、611…第1部分、612…第2部分、612s…回り止め部、613…シャフト部、613a…第1端部、613b…第2端部、613t…小径部、613w…大径部、614…弱化部、620…主面、620f…平坦面、650…雄ネジ、750…雌ネジ、OP…開口部、OP1…開口、P…長孔部と弱化部との間の部分