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特許7302124電子チケット提示システム、電子チケットの提示プログラム、及び電子チケットの提示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】電子チケット提示システム、電子チケットの提示プログラム、及び電子チケットの提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20230627BHJP
【FI】
G06Q10/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020021638
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128429
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2020-04-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】518146555
【氏名又は名称】株式会社月華堂
(74)【代理人】
【識別番号】100177714
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昌平
(72)【発明者】
【氏名】北村 久雄
【合議体】
【審判長】▲吉▼田 耕一
【審判官】富澤 哲生
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-27251(JP,A)
【文献】特開2002-260099(JP,A)
【文献】国際公開第2015/016120(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の携帯端末において、
購入したサービスに付与された固有の識別子を取得して携帯端末の記憶部に記憶する識別子取得部と、
取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧の中から利用する一部のサービスだけを、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で複数選択し、残りは後に利用するために非選択とする利用サービス選択部と、
識別子として前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子のみからなる文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で一つ作成する文字列作成部と、
前記文字列作成部で作成した文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で電子チケットとして表示して提示する電子チケット提示部と、
を備えことを特徴とする電子チケット提示システム。
【請求項2】
電子チケット提示部において、文字列作成部で作成した文字列に基づいて二次元コードを作成する二次元コード作成部及び二次元コードを表示する二次元コード表示部を有することを特徴とする請求項1記載の電子チケット提示システム。
【請求項3】
二次元コードがQRコード(登録商標)であることを特徴とする請求項2記載の電子チケット提示システム。
【請求項4】
サービスに付与された固有の識別子が、サービスを受ける権利の発生により付与されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の電子チケット提示システム。
【請求項5】
提供されるサービスの内容が登録されたサービス管理サーバを備え、サービスに付与された固有の識別子を、前記サービス管理サーバから取得することを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の電子チケット提示システム。
【請求項6】
サービスが提供される場所において電子チケット取得装置を備え、利用者が電子チケットとして表示又は通信して提示する文字列を取得し、サービス管理サーバと通信して電子チケットの照合結果を取得することを特徴とする請求項5記載の電子チケット提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子チケット提示システムや、電子チケットの提示プログラムや、電子チケットの提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワーク及びスマートフォン等の携帯端末が発達したことにより、入場券や回数券等のチケットとして紙媒体のチケットを用いずにスマートフォン等の電子機器により二次元コードで表示することでチケットの確認やチケットの決済を行う手法が広く行われるようになってきた。
【0003】
たとえば、携帯情報機器に記憶されている電子チケットを認証装置によって認証する認証方法であって、前記携帯情報機器が、前記電子チケットの認証時点で、前記認証装置と共有可能な共有情報を取得する手順と、前記携帯情報機器が、取得した前記共有情報と前記電子チケットとに基づくバーコードを生成する手順等を含むことを特徴とする認証方法が開示されている(特許文献1参照)。また、二次元コードを含むチケットの運用を支援するチケット運用システムであって、対象のイベントに係るチケットを発行するチケット発行サーバと、前記チケット発行サーバにより発行されたチケットの情報を取得するユーザ端末と、イベントへのユーザの入場に際してチケットに含まれる二次元コードを読み取るチケットリーダと、を有するチケット運用システムも開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-168961号公報
【文献】特開2019-079455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子チケット利用者(以下、「利用者」ともいう)の携帯端末において二次元コードを表示する際に、地下等の圏外の場所にいる場合や、携帯電話会社と契約した通信容量を超えている場合等で安定したインターネット通信ができない状況下では、利用する直前にインターネット通信を必要とするタイプの電子チケットでは二次元コードを表示できないことがあった。また、複数のチケットを取得し、その一部のチケットのみを利用する際には、利用するチケット毎の二次元コードを表示する必要があり、手間と時間がかかっていた。そこで、本発明の課題は、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下であっても1又は複数の電子チケットを選択し、該当電子チケットを容易に表示又は通信して提示可能なシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、利用者の携帯端末においてサービスに付与された固有の識別子を取得し、取得した固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択して、選択したサービスに付与された固有の識別子に基づき文字列を作成し、かかる文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示するシステムを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕利用者の携帯端末において、
サービスに付与された固有の識別子を取得する識別子取得部と、
取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する利用サービス選択部と、
前記利用サービス選択部で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成部と、
前記文字列作成部で作成した文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する電子チケット提示部と、
を備えたことを特徴とする電子チケット提示システム。
〔2〕電子チケット提示部において、文字列作成部で作成した文字列に基づいて二次元コードを作成する二次元コード作成部及び二次元コードを表示する二次元コード表示部を有することを特徴とする上記〔1〕記載の電子チケット提示システム。
〔3〕文字列作成部において作成する文字列が一つであることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載の電子チケット提示システム。
〔4〕二次元コードがQRコード(登録商標)であることを特徴とする上記〔1〕~〔3〕のいずれか記載の電子チケット提示システム。
〔5〕サービスに付与された固有の識別子が、サービスを受ける権利の発生により付与されていることを特徴とする上記〔1〕~〔4〕のいずれか記載の電子チケット提示システム。
〔6〕提供されるサービスの内容が登録されたサービス管理サーバを備え、サービスに付与された固有の識別子を、前記サービス管理サーバから取得することを特徴とする上記〔1〕~〔5〕のいずれか記載の電子チケット提示システム。
〔7〕サービスが提供される場所において電子チケット取得装置を備え、利用者が電子チケットとして表示又は通信して提示する文字列を取得し、サービス管理サーバと通信して電子チケットの照合結果を取得することを特徴とする上記〔6〕記載の電子チケット提示システム。
〔8〕コンピュータに、上記〔1〕~〔7〕のいずれか記載のシステムとして機能させることを特徴とする電子チケットの提示プログラム。
〔9〕サービスに付与された固有の識別子を取得する工程と、
取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する利用サービス選択工程と、
前記利用サービス選択工程で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成工程と、
前記文字列作成工程で作成した文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する文字列提示工程と、
を備えたことを特徴とする電子チケットの提示方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、電子チケットを利用する利用者の携帯端末において、インターネット通信が利用できない状況下でも、利用者が複数のサービスの中から利用するサービスを選択して1ステップで電子チケットとして文字列を提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本電子チケット提示システムの実施の形態を示す模式図である。
図2】本電子チケット提示システムにおけるサービス管理サーバの実施の形態を示す機能ブロック図である。
図3】本電子チケット提示システムにおける利用者の携帯端末の実施の形態を示す機能ブロック図である。
図4】本電子チケット提示システムにおける電子チケット取得装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
図5】本電子チケット提示システムにおけるサービス管理サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
図6】本電子チケット提示システムにおける利用者の携帯端末が実行する処理を示すフローチャートである。
図7】本電子チケット提示システムにおける利用者の携帯端末の利用サービス選択部において、購入したサービス(保有チケット)の中から利用するサービスを選択する際の表示の一例を示す模式図である。
図8】本電子チケット提示システムにおける利用者の携帯端末の利用サービス選択部において、購入したサービスの一覧から利用者が利用するサービスを選択する際の操作の一例を示す模式図である。
図9】本電子チケット提示システムにおける利用者の携帯端末の文字列作成部において、選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する方法の一例を示す図である。
図10】本電子チケット提示システムにおける電子チケット取得装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる電子チケット提示システム(以下「本電子チケット提示システム」ともいう。)と、本発明にかかる電子チケットの提示プログラム(以下「本電子チケットの提示プログラム」ともいう。)と、本発明にかかる電子チケットの提示方法(以下「本電子チケットの提示方法」ともいう。)と、の実施の形態について説明する。
【0011】
以下に説明する実施の形態は、サービスとして「飲食店で飲食店が取り扱うサービスを提供する」場合であって、利用者が携帯端末を利用して電子チケットを提示する場合を例にして、本発明の内容を説明する。
【0012】
≪電子チケット提示システム≫
<電子チケット提示システムの構成>
図1は、本電子チケット提示システムにおいて、利用者携帯末端と共にサービス管理サーバ及び電子チケット取得装置を備えている場合の実施の形態を示す模式図である。本電子チケット提示システムSは、サービス管理サーバ1と、利用者の携帯端末2と、電子チケット取得装置3を備える。サービス管理サーバ1と利用者の携帯端末2、サービス管理サーバ1と電子チケット取得装置3はネットワークを介してアクセス可能となっている。
【0013】
前記サービス管理サーバ1は、サービス提供者が取り扱う複数のサービスを記憶して登録する手段と、サービスを受ける権利の発生によりサービスに固有の識別子を付与する識別子付与手段と、を備える。
【0014】
前記利用者の携帯端末2は、前記サービスに固有の識別子を利用者の携帯端末2に取得する手段と、取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する手段と、選択した前記サービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成手段と、作成した前記文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する電子チケット提示手段と、を備える。
【0015】
電子チケット取得装置3は、利用者が表示又は通信した文字列を取得し、サービス管理サーバと通信して電子チケットを照合する手段を備える。
【0016】
<サービス管理サーバ1の構成>
サービス管理サーバ1は、サービス提供者が取り扱う複数のサービスを登録し、サービス管理サーバ1からインターネット等のネットワークを介して登録したサービスを利用者に提示する。サービス管理サーバ1は、電子チケット提示システムの管理者が運営し、例えばクラウドコンピューティングサーバやローカルサーバ等で構成される。なお、サービス管理サーバ1と利用者の携帯端末2、又は、サービス管理サーバ1と電子チケット取得装置3は有線又は無線で通信可能に接続する。
【0017】
サービス管理サーバ1は、図2に示すように登録サービスDB11と識別子DB12を備える。登録サービスDB11及び識別子DB12は、図示されないCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)によって制御される。
【0018】
登録サービスDB11は、サービス提供者が取り扱う複数のサービスを記憶する。登録サービスDB11及び後述の識別子DB12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置や、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等により構成される。
【0019】
利用者によるサービスの購入が完了した時点でサービスを受ける権利が発生し、その後購入したサービス毎に固有の識別子が付与される。なお、購入が完了した時点とは、必ずしも決済が完了していることを意味せず、購入の申込を行い、決済手続きが完了した状態でもよい。
【0020】
識別子DB12は、サービス毎に付与された固有の識別子を、各サービスと対となって記憶する。なお、同じサービスを複数購入した場合には、購入した数だけサービスを受ける権利を獲得し、それぞれ異なる識別子を記憶する
【0021】
さらにサービス管理サーバ1は、識別子DB12に登録された購入サービスに付与された識別子と、電子チケット取得装置3から受信した、利用者が電子チケットとして提示した文字列に含まれる識別子とを照合し、照合結果を電子チケット取得装置3に送信する。
【0022】
<利用者の携帯端末2の構成>
利用者の携帯端末2は、図3に示すようにサービスに付与された固有の識別子を取得する識別子取得部21と、取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する利用サービス選択部22と、前記利用サービス選択部で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成部23と、前記文字列作成部で作成した文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する電子チケット提示部24と、記憶部25を備える。かかる利用者の携帯端末2は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレットPC(tablet personal computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末等の携帯端末などで構成され、図示されないCPU又はMPUによって利用者の携帯端末2における各種機能を実現する。
【0023】
識別子取得部21は、登録サービスDB11に記憶されている、サービス提供者が取り扱う複数のサービスの中から購入したいサービスを決定して購入する。次に、サービス管理サーバ1から購入したサービスに付与された識別子を取得して記憶部25に記憶する。前記購入したサービスに付与された識別子の取得は、インターネット等のネットワークを介して有線又は無線によってサービスの購入を申込み、支払いを完了した時点で識別子をダウンロードする方法や、購入の申込み、支払いを完了した時点で本電子チケット提示システムが管理するウェブサイトに表示されるサービスに対応する二次元コードを撮像する方法を挙げることができる。
【0024】
利用サービス選択部22は、まず購入したサービスの情報の一覧を表示する。次に、購入したサービスの一覧から利用者が利用するサービスを1又は複数選択する。
【0025】
文字列作成部23は、利用サービス選択部22で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する。文字列は一つにまとめても複数に分けてもよいが、一つの文字列とすることで後述する二次元コードの作成や電子チケット取得装置への提示が容易となる。
【0026】
電子チケット提示部24は、文字列作成部23によって作成された文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する。ここで、文字列作成部23によって作成された文字列を電子チケットとして二次元コードを作成して表示してもよく、文字列の情報を通信して提示してもよい。
【0027】
ここで、二次元コードとは、水平方向及び垂直方向に情報を持つように表示されたコードである。二次元コードとしては、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等のスタック式二次元コードや、PDF417、Code49等のマトリックス式二次元コードを用いることができる。
【0028】
二次元コードを作成するには、具体的には、二次元コード化するためのライブラリ等を用いて作成することができ、自らが所定のプログラムに基づいて作成することもできる。作成された二次元コードは、利用者がスクリーンショット等で画像化して利用者の携帯端末に保存するか、作成された二次元コードを印刷してもよい。二次元コード作成においてサービス管理サーバ1との通信を必要としないため、インターネット等のネットワーク通信が利用できない状況下でも、利用者の携帯端末において1又は複数のサービスを選択して二次元コードを提示することが可能となる。こうして作成した二次元コードは電子チケットとして用いられる。作成された二次元コードは、例えばディスプレイに表示し、後述の電子チケット取得装置3で撮像可能となる。
【0029】
文字列の情報を通信して提示するには、赤外線、電波等を利用できる。
【0030】
<電子チケット取得装置3の構成>
電子チケット取得装置3はサービス提供者が所有しており、利用者が表示又は通信して提示した文字列を取得し、サービス管理サーバ1と通信して電子チケットの照合結果を取得する。
【0031】
電子チケット取得装置3は、図4に示すように文字列取得部31と、電子チケットの照合結果取得部32と、記憶部33を備える。電子チケット取得装置3は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレットPC(tablet personal computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末等の携帯端末や据置き型の二次元コードリーダー等で構成され、図示されないCPU又はMPUによって各種機能を実現する。
【0032】
文字列取得部31は、利用者が電子チケットとして提示した文字列を取得する。電子チケットとして二次元コードを表示して提示された場合には、かかる二次元コードをカメラで撮像して二次元コードの画像を得て、撮像された二次元コードの画像からコードの規格に従って復号処理を行い、文字列を取得する。電子チケットとして文字列を通信して提示された場合には、かかる文字列を赤外線や電波などの通信手段で受信して文字列を取得する。
【0033】
電子チケットの照合結果取得部32はサービス管理サーバ1と通信して、識別子DB12に登録された購入サービスに付与された識別子と、利用者が電子チケットとして提示した文字列に含まれる識別子との照合結果を確認する。照合結果を確認し、識別子が一致すれば、サービス提供者はサービスを提供し、購入サービスは提供済みとの情報をサービス管理サーバ1に送信する。なお、照合した結果、識別子が一致した場合であってもサービスの在庫が無いなどで提供できない場合には、該当するサービスを提供しなかったとの情報をサービス管理サーバ1に送信する。
【0034】
<本電子チケット提示システムの動作>
次に、本電子チケット提示システムSの動作について説明する。本電子チケット提示システムは、サービスの内容の電子チケット管理処理(S1)と、電子チケット提示処理(S2)と、電子チケット取得処理(S3)と、を実行する。
【0035】
<電子チケット管理処理>
図5は、電子チケット管理処理(S1)のフローチャートである。
【0036】
まず、サービス提供者が、その店舗において取り扱う複数のサービスの情報を登録サービスDB11に登録する(S101)。飲食店のサービス提供者が取り扱う複数種類のサービスとしては、ハンバーガー店を例にすると、ハンバーガーA、ハンバーガーB、ポテトM、ポテトL、サラダ、スープ、ソフトドリンク、デザート等を挙げることができる。登録サービスDB11に登録されたサービスは、サービス提供者が管理するホームページやサービス販売のウェブサイトにおいて閲覧できるようにする。なお、サービスとして「レジャーランドが取り扱うサービスを提供する」場合、取り扱う複数種類のサービスとしては、入場、所定のレジャー施設の利用、ロッカーの利用等を挙げることができる。
【0037】
次いで、登録サービスDB11で登録されたサービスをインターネット等のネットワークを介して利用者に提示する(S102)。これにより、店舗が扱うサービスを店舗のホームページやサービス販売のウェブサイトにおいて利用者に提示することができる。
【0038】
次いで、利用者から購入の申込があった場合には、サービスを受ける権利が発生し、そのサービスに固有の識別子を付与する(S103)。付与された識別子は、付与されたサービスと対となって識別子DBに記憶する(S104)。識別子DBに記憶された識別子は、サービスを購入した利用者がダウンロード可能とする。また、利用者からサービス代金の入金があれば決済完了であるとの情報を追加する。
【0039】
さらに、利用者が店舗で電子チケットを利用した場合には、利用者が提示したサービスに対応する識別子が電子チケット取得装置3からサービス管理サーバ1へ送信され、サービス管理サーバ1は識別子DB12に記憶された識別子と照合する。たとえば、利用者が店舗でハンバーガーA、ハンバーガーB、ポテトM、サラダ、オレンジジュース、ウーロン茶を利用した場合には、これらのサービスの識別子と、識別子DB12に記憶されたそれぞれのサービスに付与された識別子を照合する。照合して一致すれば、一致しているという情報を電子チケット取得装置3に送信すると共に、購入したサービスが利用済みと管理し、サービスの利用状況を更新する。一方、照合して一致していなければ、一致していないという情報を電子チケット取得装置3に送信する。なお、上記照合工程は、電子チケット取得装置3にて実施してもよい。
【0040】
<電子チケット提示処理>
図6は、電子チケット提示処理(S2)のフローチャートである。
【0041】
識別子取得部21において、利用者が所有するスマートフォン等の携帯端末により、購入したサービスの識別子をサービス管理サーバ1から取得する(S201)。たとえば、利用者が、店舗のホームページにアクセスし、サービスを閲覧してサービスを購入する。利用者から購入の申込があった場合には、サービスを受ける権利が発生し、サービスに付与された固有の識別子をダウンロード可能となる。たとえば、ハンバーガーA、ハンバーガーB、ポテトM、ポテトL、サラダ、ソフトドリンク、デザートを購入した場合には、利用者がスマートフォンで店舗のホームページを経由してサービス管理サーバ1にアクセスし、購入したサービスに付与された識別子をサービス管理サーバ1から取得する。なお、上記ダウンロードは購入の申し出があった時点で可能としてもよく、購入の申し出があった後、決済処理が完了した時点で可能としてもよい。さらに、無料提供されるサービスにおいては申込の時点でダウンロード可能としてもよい。
【0042】
利用者の携帯端末2においてサービスと識別子との対応情報を識別子の取得の前後に、又は識別子の取得と共に入手することで、利用者の携帯端末2において識別子とサービスとを対応づけることが可能となる。たとえば、「HBA」という識別子をダウンロードした場合に、「HBA」がハンバーガーの提供というサービスであるという情報を、予め利用者の携帯末端2に取得しておくことで、利用者の携帯末端2においてハンバーガーの提供というサービスの識別子を取得したことが把握できる。
【0043】
次に、利用サービス選択部22において購入したサービスの中から利用するサービスを選択する(S202)。購入したサービスは、取得した識別子を基に保有チケット一覧として利用者の携帯端末2のディスプレイに表示される。具体的には、例えば図7に示すように、購入したサービスの情報(例えば提供を受ける商品)を、識別子取得部21で取得した識別子に基づいて保有チケット一覧としてディスプレイに表示する。
【0044】
次に、購入したサービスの一覧から利用者が利用するサービスを1又は複数選択する。具体的には、例えば図8に示すように、サービスの情報の一覧から、利用者が利用するサービスを1又は複数選択する。選択は、例えばタッチパネルを操作することによって操作される。なお、利用者は、今回利用しなかったチケットを後で利用することもできる。図8では利用者が利用するサービスを選択しやすくするため、チェックボックスが表示されているが、チェックボックス以外に、ラジオボタンやプルダウン等で表示してもよい。
【0045】
利用者は、利用サービス選択部22において購入したサービスの中から実際に利用するサービスを選択する(S202)。利用者はすべてのサービスを選択してもよく、一部のサービスだけ選択し、残りは後に利用するために非選択としてもよい。
【0046】
次いで、文字列作成部23において、利用サービス選択部22で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する(S203)。必要に応じて、文字列に利用者情報を含めてもよい。具体的には、例えば図9に示すように、それぞれの選択したサービスに対応する識別子をカンマ、セミコロン、コロン等の識別子には用いられていない任意の区切り文字又は区切り数字を境として連結した文字列を作成する。作成された文字列は、記憶部25に記憶される。
【0047】
次いで、電子チケット提示部24において、文字列作成部23によって作成された文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する(S204)。ここで、文字列作成部23によって作成された文字列を電子チケットとして二次元コードを作成して表示して提示する場合には、二次元コード化するためのライブラリ等によって文字列から二次元コードを作成することができる。なお、二次元コードは作成された文字列を基に一つでも複数作成してもよいが、一つのみを作成することが電子チケット取得装置3への情報伝達が容易となる点で好ましい。二次元コードは提示する際に作成して提示してもよいが、予め作成し、提示するまで記憶部25に記憶しておき、提示する際に記憶部から読み出して提示してもよい。
【0048】
上記のように、作成された文字列又は二次元コードは利用者の携帯端末に記憶される。そのため、利用者の携帯端末においてインターネット等のネットワーク通信が利用できない状況下でも二次元コードを提示することが可能となる。
【0049】
利用者が電子チケットを利用する場合には、利用者が携帯端末を操作して記憶部25から識別子を読み出し、文字列作成部23によって作成された識別子を含む文字列を電子チケット提示部24において二次元コードとして提示する。
【0050】
利用者が文字列作成部23によって作成された文字列を電子チケットとして提示する場合には、利用者の携帯端末2のディスプレイに表示する他、赤外線、電波等を利用して文字列を提示してもよい。
【0051】
また、記憶部25は、本プログラム、すなわちコンピュータに、上記利用者の携帯端末2として機能させるプログラムが記憶されている。当該本プログラムは、図示しないCPU又はMPUによって実現される。
【0052】
<文字列取得処理>
図10は、電子チケット取得処理(S3)のフローチャートである。以下、利用者が二次元コードを利用して電子チケットを提示する場合を例に説明する。
【0053】
利用者は、利用者の携帯端末2上に表示された二次元コードを提示するか、あらかじめ印刷した二次元コードを提示する。サービス提供者は、文字列取得部31によって、利用者が電子チケットとして提示した二次元コードから文字列を取得する(S301)。文字列の取得は、たとえば、二次元コードをカメラで撮像して二次元コードの画像を得て、撮像された二次元コードの画像からコードの規格に従って復号処理することによって行う。得られた画像から明と暗の二値化デジタル画像に変換される。
【0054】
次いで、電子チケットの照合結果取得部32は、復号した文字列から識別子を得て、サービス管理サーバ1と通信して識別子DB12に登録された購入サービスに付与された識別子と、利用者が電子チケットとして提示した文字列に含まれる識別子との照合結果を取得する(S302)。
【0055】
照合した結果、識別子DB12に記憶された購入サービスに付与された識別子と、利用者が電子チケットとして提示した文字列に含まれる識別子が一致すれば、サービス提供者は当該電子チケットのサービスを提供する(S303)。
【0056】
なお、照合した結果、サービス管理サーバ1の識別子DB12に記憶されたサービスと一致した場合であってもサービスの在庫が無いなどで提供できない場合には、該当するサービスを提供しなかったとの情報、すなわち未利用サービスという情報をサービス管理サーバ1に送信する。この場合、利用者は利用者の携帯端末2で再度サービス管理サーバ1と通信することで、提供されなかったサービスを後に再度利用することができる。あるいは、利用者は在庫が無いサービスを除外して、再度利用するサービスを選択して二次元コードを作成して上記と同様の流れで電子チケットの提示を行ってもよい。
【0057】
また、サービス提供者はサービスの提供後、サービス管理サーバ1を運営するシステム管理者にサービス代金を請求し、システム管理者はサービス提供者にサービス代金を送金する。この場合に、システム管理者は、本電子チケット提示システムの利用手数料を控除してサービス代金を送金してもよい。
【0058】
以上の電子チケット提示システムを用いれば、インターネット通信が利用できない状況下においても、利用者が利用する電子チケットを1ステップで提示することが可能となる。
【0059】
≪電子チケット提示プログラム≫
本発明の電子チケット提示プログラムは、コンピュータに、上記本電子チケット提示システムとして機能させることを特徴とする電子チケットの提示プログラムである。
【0060】
≪電子チケットの提示方法≫
本発明の電子チケットの提示方法は、サービスに付与された固有の識別子を取得する工程と、取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する利用サービス選択工程と、前記利用サービス選択工程で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成工程と、前記文字列作成工程で作成した文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する文字列提示工程と、を備えたことを特徴とする、電子チケットの提示方法である。サービスに付与された固有の識別子を取得する工程、取得した前記固有の識別子に対応するサービスの中から利用するサービスを1又は複数選択する利用サービス選択工程、前記利用サービス選択工程で選択したサービスに付与された固有の識別子をすべて含有する文字列を作成する文字列作成工程、及び前記文字列作成工程で作成した文字列を電子チケットとして表示又は通信して提示する文字列提示工程は、それぞれ上記本電子チケット提示システムに記載した識別子取得処理(S201)、利用するサービスの選択処理(S202)、文字列の作成処理(S203)、及び電子チケットの提示処理(S204)での工程である。
【符号の説明】
【0061】
1 サービス管理サーバ
2 利用者の携帯端末
3 電子チケット取得装置
11 登録サービスDB
12 識別子DB
21 識別子取得部
22 利用サービス選択部
23 文字列作成部
24 電子チケット提示部
25 記憶部
31 文字列取得部
32 電子チケットの照合結果取得部
33 記憶部
S 電子チケット提示システム

図1
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図10