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特許7302131検査体に対する良否判定条件を調整する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】検査体に対する良否判定条件を調整する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021096523
(22)【出願日】2021-06-09
(62)【分割の表示】P 2019525739の分割
【原出願日】2017-11-03
(65)【公開番号】P2021128174
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2016-0151400
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ク、デソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、キウォン
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-092466(JP,A)
【文献】特開2006-098093(JP,A)
【文献】特開2007-139621(JP,A)
【文献】特開2006-317266(JP,A)
【文献】特開2004-085216(JP,A)
【文献】特開2009-267099(JP,A)
【文献】特開2003-006614(JP,A)
【文献】特表2020-500308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベース、処理部、ユーザ入力部及び出力部を含む良否判定装置と判定検討装置とを含む検査システムにおいて検査体に対する良否判定を行う方法において、
前記処理部により、前記データベースから複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値を取得する段階と、
前記処理部により、前記構造の設計値に対する前記測定値の誤差値と前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定するために用いられる基準値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定する段階と、
前記処理部により、前記複数の検査体のうち、良好な検査体を不良と判定した第1エラーまたは不良な検査体を良好と判定した第2エラーを含む判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階と、
前記処理部及び前記判定検討装置により、前記複数の検査体のうち良好と判定された少なくとも1つの検査体の測定値と、不良と判定された少なくとも1つの検査体の測定値に基づいて、前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が最小となるようにする少なくとも1つの候補基準値を決定する段階と、
前記処理部により、前記基準値及び前記少なくとも1つの候補基準値を含む、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定した結果を示す結果グラフを生成し、前記出力部を介して前記結果グラフを表示する段階と、
前記基準値を示す第1GUI(Graphic User Interface)オブジェクト及び前記少なくとも1つの候補基準値を示す少なくとも1つの第2GUIオブジェクトを前記結果グラフ上に表示する段階と
を含み、
前記結果グラフの横軸は誤差値を示し、縦軸は前記誤差値を有する検査体の数を示す、方法。
【請求項2】
前記ユーザ入力部を介して前記第1GUIオブジェクトの位置を移動させるための第1ユーザ入力を受信する段階と、
前記第1ユーザ入力により移動した前記第1GUIオブジェクトの位置に対応する値に前記基準値を更新する段階と、
前記更新された基準値に基づいて前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を再判定する段階と
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ入力部を介して前記少なくとも1つの第2GUIオブジェクトのうち1つの第2GUIオブジェクトを選択するための第2ユーザ入力を受信する段階と、
前記第2ユーザ入力により選択された第2GUIオブジェクトに対応する候補基準値に前記基準値を更新する段階と、
前記更新された基準値に基づいて、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を再判定する段階と
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定する段階は、
前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値と前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する設計値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値を算出する段階と、
前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値と前記基準値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定する段階と
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階は、
前記処理部により、前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値と前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する設計値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値を算出する段階と、
前記判定検討装置により、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値の分布にフィッティングされる少なくとも1つの確率分布曲線に基づいて、良好誤差値分布を決定する段階と、
前記判定検討装置により、前記良好誤差値分布に基づいて、前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階と
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの候補基準値を決定する段階は、
前記処理部により、前記良好誤差値分布に基づいて決定される良好誤差値の範囲の最大値以上である少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの候補基準値を決定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階は、
前記処理部により、前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値と前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する設計値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値を算出する段階と、
前記判定検討装置により、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値の分布にフィッティングされる少なくとも1つの確率分布曲線に基づいて、良好誤差値分布及び不良誤差値分布を決定する段階と、
前記判定検討装置により、前記良好誤差値分布及び前記不良誤差値分布に基づいて、前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階と
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの候補基準値を決定する段階は、
前記処理部により、前記良好誤差値分布に基づいて決定される良好誤差値の範囲の最大値以上であり、前記不良誤差値分布に基づいて決定される不良誤差値の範囲の最小値以下である少なくとも1つの値に基づいて、前記少なくとも1つの候補基準値を決定する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータ上で行うためのプログラムを記録した非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記プログラムは、プロセッサによる実行時、前記プロセッサが、
複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値を取得する段階と、
前記構造の設計値に対する前記測定値の誤差値と前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定するために用いられる基準値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定する段階と、
前記複数の検査体のうち、良好な検査体を不良と判定した第1エラーまたは不良な検査体を良好と判定した第2エラーを含む判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階と、
前記複数の検査体のうち良好と判定された少なくとも1つの検査体の測定値と不良と判定された少なくとも1つの検査体の測定値に基づいて、前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が最小となるようにする少なくとも1つの候補基準値を決定する段階と、
前記基準値及び前記少なくとも1つの候補基準値を含む、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定した結果を示す結果グラフを生成して表示する段階と、
前記基準値を示す第1GUI(Graphic User Interface)オブジェクト及び前記少なくとも1つの候補基準値を示す少なくとも1つの第2GUIオブジェクトを前記結果グラフ上に表示する段階と
を行うようにする実行可能な命令を含み、
前記結果グラフの横軸は誤差値を示し、縦軸は前記誤差値を有する検査体の数を示す、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
検査体に対する良否判定を行う良否判定装置において、
複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値を格納するデータベースと、
前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値を前記データベースから取得し、
前記構造の設計値に対する前記測定値の誤差値と前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定するために用いられる基準値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定し、
前記複数の検査体のうち、良好な検査体を不良と判定した第1エラーまたは不良な検査体を良好と判定した第2エラーを含む判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別し、
前記複数の検査体のうち良好と判定された少なくとも1つの検査体の測定値と不良と判定された少なくとも1つの検査体の測定値に基づいて、前記判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が最小となるようにする少なくとも1つの候補基準値を決定し、
前記基準値及び前記少なくとも1つの候補基準値を含む、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定した結果を示す結果グラフを生成する処理部と、
前記生成された結果グラフを表示し、前記基準値を示す第1GUI(Graphic User Interface)オブジェクト及び前記少なくとも1つの候補基準値を示す少なくとも1つの第2GUIオブジェクトを前記結果グラフ上に表示する出力部と
を含み、
前記結果グラフの横軸は誤差値を示し、縦軸は前記誤差値を有する検査体の数を示す、良否判定装置。
【請求項11】
前記第1GUIオブジェクトの位置を移動させるための第1ユーザ入力を受信するユーザ入力部
をさらに含み、
前記処理部は、
前記第1ユーザ入力により移動した前記第1GUIオブジェクトの位置に対応する値に前記基準値を更新し、
前記更新された基準値に基づいて前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を再判定する、請求項10に記載の良否判定装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2GUIオブジェクトのうち1つの第2GUIオブジェクトを選択するための第2ユーザ入力を受信するユーザ入力部
をさらに含み、
前記処理部は、
前記第2ユーザ入力により選択された第2GUIオブジェクトに対応する候補基準値に前記基準値を更新し、
前記更新された基準値に基づいて、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を再判定する、請求項10に記載の良否判定装置。
【請求項13】
前記処理部は、
前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する測定値と前記複数の検査体のそれぞれの構造に対する設計値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値を算出し、
前記複数の検査体のそれぞれに対する誤差値と前記基準値を比較して、前記複数の検査体のそれぞれに対する良好または不良を判定する、請求項10に記載の良否判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査体に対する良否判定条件を調整するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造業者は、製品の生産過程、組み立て過程、中間過程及び最終の組み立て過程で不良品を除去するための努力を傾けている。この過程で製造業者は、多様な検査システムを用いて製品の良否(即ち、良好(GOOD)または不良(NG)の如何)を判定する。
【0003】
一実施形態によると、検査システムは検査体の構造を測定し、測定値が既に設定された範囲内であるか否かを判断することにより当該検査体の良否を判定することができる。例えば、検査システムは、検査体に光を照射し、検査体から反射される光を受信して検査体のイメージデータを取得する。また、検査システムは、取得されたイメージデータに基づいて検査体の測定値を取得し、測定値と事前に設定された基準値に基づいて検査体が良好(Good)かまたは不良(NG)かを判定する検査結果を導き出す。
【0004】
検査システムにより導き出された検査結果において、実際に良好である検査体を不良と判定したり(False Call)、実際に不良である検査体を良好と判定したりする(Escape)判定エラーが含まれ得る。このような判定エラーを除去するために、良否判定に用いられる基準値を変更することができる。ただし、従来には、検査体に対する測定値が検査システムの表示部に単純に数字で表示され、基準値もユーザが直接数値を入力することが多かった。これにより、ユーザが基準値を変更しようとする場合、表示部に表示された測定値を確認して基準値をいちいち新しい数値で入力しなければならない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、検査体に対する検査結果をグラフィック的に表示し、良否判定に用いられる基準値をさらに便利に調整することができる方法及び装置を提供する。
【0006】
また、本開示は、検査体の検査結果、良否判定結果、及び良否判定に対する検討結果を視覚的に示すことができる方法及び装置を提供する。
【0007】
また、本開示は、基準値の調整による、良否判定結果及び良否判定に対する検討結果の変化を視覚的に示すことができる方法及び装置を提供する。
【0008】
また、本開示は、検査体の良否判定エラーを減少させるためのユーザの入力がより直観的に便利になされるようにする方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面は、データベース、処理部、ユーザ入力部及び出力部を含む良否判定装置で検査体に対する良否判定条件を調整するための方法を提供する。例示的実施例による方法は、処理部により、データベースから複数の検査体の構造の測定値を取得する段階、処理部により、構造の設計値に対する測定値の誤差値と所定の基準値を比較して複数の検査体の各検査体に対する良好または不良を判定する段階、処理部により、複数の検査体のうち判定エラーが生じた1つ以上の検査体を識別する段階、処理部により、誤差値による複数の検査体数、基準値、及び判定エラーが生じた1つ以上の検査体数を含む検査結果グラフを生成し、出力部を介して検査結果グラフを出力する段階、処理部により、判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が減少するように、検査結果グラフ上におけるユーザ入力部を介したグラフィック的な入力により基準値を更新する段階、及び処理部により、誤差値と更新された基準値を比較して複数の検査体の各検査体に対する良好または不良を再判定する段階を含む。判定エラーは、良好と判定された検査体が不良と識別された第1エラー、及び不良と判定された検査体が良好と識別された第2エラーを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも1つの実施例によると、検査体に対する検査結果と基準値がグラフィック的に表示され、表示された基準値がユーザのグラフィック的な入力により調整され得る。また、再設定された基準値に基づいて検査体に対する検査結果が更新され、更新された検査結果がグラフィック的に表示され得る。その結果、ユーザがさらに効率よく手軽に検査体の良否判定に用いられる基準値を調整することができる。
【0011】
本開示の少なくとも1つの実施例によると、検査体の検査結果、良否判定結果、及び良否判定に対する検討結果が示されたグラフが出力され、ユーザに、出力されたグラフ上で良否判定エラーを減少させるための入力をすることができるようにする。また、ユーザの入力による良否判定に対する検討結果の変化がグラフ上で視覚的に示される。その結果、ユーザがさらに便利にかつ直観的に良否判定エラーの減少の如何を確認することができる。
【0012】
本開示の少なくとも1つの実施例によると、検査体の構造が測定されて更新前の基準値により良否判定がなされた場合、ユーザの入力により基準値が更新されても検査体の構造を再測定する必要なく、更新された基準値で検査体の良否の再判定を実行することができる。その結果、基準値の更新による良否の再判定が迅速に実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施例により検査体を良品または不良品と判定する検査システムを概略的に示す図である。
図2】本開示の一実施例により検査体の構造を測定する測定装置の構成を概略的に示す図である。
図3】本開示の一実施例により検査体の良否を判定する良否判定装置の詳細構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施例により判定エラーが含まれた検査結果リストを示す図である。
図5】本開示の一実施例により良否判定結果及び判定検討結果を示す検査結果グラフを示す図である。
図6】本開示の一実施例により検査結果グラフ上における基準値の更新を示す図である。
図7】本開示の一実施例により一部領域が拡大した検査結果グラフを示す図である。
図8】本開示の一実施例により良否判定結果及び判定検討結果を示す検査結果グラフを示す図である。
図9】本開示の一実施例により基準値が更新された検査結果グラフを示す図である。
図10】本開示の実施例により検査体に対する良否判定条件を調整する方法を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施例は、本開示を説明する目的で例示されたものである。本開示の実施例は多様な形態で実施され得、本開示が以下に提示された実施例やこれらの実施例に関する具体的な説明で限定されるものとして解釈してはならない。
【0015】
本明細書で用いられる用語「部」は、ソフトウェア、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)のようなハードウェアの構成要素を意味する。しかし、「部」は、ハードウェア及びソフトウェアに限定されるものではない。「部」は、アドレッシングできる格納媒体にあるように構成されることもでき、1つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されることもできる。従って、一例として「部」は、ソフトウェアの構成要素、オブジェクト指向ソフトウェアの構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセッサ、関数、属性、プロシージャー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。構成要素と「部」内で提供される機能は、さらに小さい数の構成要素及び「部」で結合されたり、追加の構成要素と「部」にさらに分離され得る。
【0016】
本明細書で用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されていない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本明細書で用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示の範囲を制限するために選択されたものではない。
【0017】
本願明細書で記述された単数型の表現は、異なって言及しない以上、複数型の表現も共に含み得、これは請求項に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0018】
本開示の多様な実施例で用いられた「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いるものに過ぎず、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0019】
本明細書で用いられる「含む」及び「有する」のような表現は、当該表現が含まれる文句または文章で特に異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)と理解されるべきである。
【0020】
本明細書で「~に基づいて」という表現は、当該表現が含まれる文句で記述される決定、または判断の行為または動作に影響を与える1つ以上の因子を記述するのに用いられ、この表現は決定、または判断の行為または動作に影響を与える追加の因子を排除するものではない。
【0021】
本明細書において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり「接続されて」いると言及されたときには、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結されていたり、または接続されていることもあるものの、前記ある構成要素と前記他の構成要素との間に新たな他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。
【0022】
以下、添付の図面を参照し、本開示の実施例を詳細に説明する。図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用い、同一の構成要素に対して重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本開示の一実施例により検査体を良品または不良品と判定する検査システム10を概略的に示す図である。
【0024】
本開示の一実施例による検査システム10は、複数の検査体20のそれぞれが良品か不良品か判定し、判定結果に応じて良品保管装置30または不良品保管装置40に分類することができる。ここで、検査体20は、所定の設計基準に従って製造された3次元構造を有する任意の製造品であってもよい。例えば、検査体20は、電子部品が実装されている印刷回路基板PCBであってもよい。
【0025】
検査システム10は、測定装置100、良否判定装置120、判定検討装置140及び分類装置160を含むことができる。また、検査システム10は、測定装置100、良否判定装置120、判定検討装置140及び分類装置160の間の連結と通信を行うネットワーク180を含むことができる。図1に示すように、検査体20は、矢印方向に沿って測定装置100、判定検討装置140及び分類装置160を経て、良品保管装置30または不良品保管装置40に移送され得る。
【0026】
一実施例によると、検査システム10は、検査体20を製造する製造ステージまたは検査体20を加工する加工ステージの後端に設置され得る。この場合、検査システム10は、製造または加工された検査体20が所定の設計基準に従って製造されたか否かを判定することができる。また、検査システム10は、判定結果に応じて、良好である検査体20を良品保管装置30に分類し、不良である検査体20を不良品保管装置40に分類することができる。
【0027】
測定装置100は、検査体20の構造、例えば、3次元構造を測定した測定値を生成することができる。一実施例によると、測定装置100は、光を用いて検査体20の構造を測定することができる。例えば、測定装置100は、検査体20に構造化光(structured light)を照射し、検査体20から反射された光を受光し、受光された光に基づいて検査体20のイメージデータを生成することができる。また、測定装置100は、イメージデータに基づいて、検査体20の構造を測定した測定値を生成することができる。測定装置100により生成された測定値は、ネットワーク180を介して良否判定装置120に伝達され得る。測定装置100の構成及び動作と関連しては、図2を参照してさらに詳細に説明する。
【0028】
良否判定装置120は、検査体20が良好か不良かを判定することができる。良否判定装置120は、測定装置100により生成された測定値が所定範囲内であるか判断することにより、検査体20の良好または不良を判定することができる。一実施例によると、良否判定装置120は、検査体20の構造の測定値と設計値間の誤差値を算出することができる。良否判定装置120は、誤差値が所定の基準値以下である検査体20を良好(Good)と判定し、誤差値が所定の基準値を超える検査体20を不良(NG)と判定することができる。
【0029】
一実施例によると、良否判定装置120は、誤差値が所定の基準値以下である(即ち、良好である)検査体20の一部の検査体20に対し、警告(Warning)と判定することができる。例えば、検査体20の誤差値が所定の基準値に近い所定の範囲内の場合、良否判定装置120は、当該検査体20を警告と判定することができる。
【0030】
判定検討装置140は、良否判定装置120による検査体20の良否判定にエラーがあるか否かを判断することができる。例えば、良否判定装置120により良好と判定された検査体20が、実際には不良である場合(Escape)がある。また、良否判定装置120により不良と判定された検査体20が、実際には良好である場合(False Call)がある。このような判定エラーは、良否判定装置120で良否判定に用いられた基準値が適切に設定されなかったときに生じ得る。例えば、誤差値と比較される所定の基準値が高く設定された場合、良否判定装置120は、実際に不良である検査体20を良好と判定し得るが、判定検討装置140はこのような良好判定がエラーと判断することができる。また、誤差値と比較される所定の基準値が低く設定された場合、良否判定装置120は、実際に良好である検査体20を不良と判定し得るが、判定検討装置140はこのような不良判定がエラーと判断することができる。
【0031】
判定検討装置140は、検査体20が実際に良好か不良か判断することができる装置を用いて具現され得る。一例として、判定検討装置140は、検査体20の構造をさらに精密に測定できる装置を含むことができる。他の例として、判定検討装置140は、検査体20の電気的特性を確認できる装置を含むことができる。
【0032】
一実施例によると、判定検討装置140は、良否判定装置120により良否判定がなされた検査体20の一部の検査体20に対して判定エラーの如何を判断することができる。例えば、判定検討装置140は、良否判定装置120により警告または不良と判定された検査体20に対して判定エラーの如何を判断することができる。この場合、全ての検査体に対して判定エラーの如何を判断する場合に比べて、効率性が向上することができる。
【0033】
他の実施例によると、判定検討装置140は、良否判定装置120により良否判定がなされた全ての検査体20に対して判定エラーの如何を判断することもできる。この場合、一部の検査体に対して判定エラーの如何を判断する場合に比べて、正確性が向上することができる。判定検討装置140による検討結果は、ネットワーク180を介して良否判定装置120に伝達され得る。
【0034】
さらに他の実施例によると、判定検討装置140は、測定された誤差値の分布から、良好である検査体20の良好誤差値の範囲を推定し、追加で、不良である検査体20の不良誤差値の範囲を推定することができる。
【0035】
一定の生産工程により生産される製品の物理的な属性の誤差値は、一定の確率分布を有するといえる。与えられた工程を経て生産された良好である検査体20の誤差値は、例えば、ガンマ分布曲線(Gamma distribution curve)で表現される良好誤差値分布を有し得る。工程以外の問題によって不良となった検査体20の誤差値は、例えば、正規分布曲線(Normal distribution curve)で表現される不良誤差値分布を有し得る。
【0036】
これを用いて、判定検討装置140は、測定された誤差値の分布に最もフィッティング(fitting)される少なくとも1つの確率分布曲線を決定し、決定された確率分布曲線のうち原点に最も近い確率分布曲線を良好誤差値分布と見なし、残りの確率分布曲線は(もしあれば)不良誤差値分布と見なすことができる。
【0037】
一方、このような良好誤差値分布曲線と不良誤差値分布曲線のグラフにおいて、縦軸は自然数でなければならない検査体のサンプル数であるため、確率的にグラフの縦軸値が1以上である横軸の範囲内でのみ検査体が1サンプル以上存在し、その横軸の範囲を逸脱すると検査体が1サンプル未満で存在すると、言い換えると、不存在であると見なすことができる。場合により、ユーザは、検査体のサンプル数が所定個数以上である誤差値の範囲のみ有意味な誤差値の範囲と見なすことができる。場合により、ユーザは、検査された検査体サンプルのうち所定比率の検査体サンプル(例えば、誤差値が小さい順に99.5%の検査体サンプル)を含む範囲のみ有意味な誤差値の範囲と見なすことができる。
【0038】
このような観察により、良好誤差値分布曲線または不良誤差値分布曲線において、ユーザが有意味と見なす良好誤差値の範囲または不良誤差値の範囲がそれぞれ推定され得る。状況によっては、有意味な不良誤差値分布が取得されないことがあり、従って有意味な不良誤差値の範囲も推定されないこともある。
【0039】
具体的には、判定検討装置140は、与えられたサンプル誤差値の分布から所定の確率分布関数を用いて良好誤差値分布を推定し、必要であれば不良誤差値分布をさらに推定することができる。このとき、判定検討装置140は、良好誤差値分布でサンプル数が、例えば、1以上である良好誤差値の範囲を推定することができ、不良誤差値分布(もしあれば)でサンプル数が、例えば、1以上である不良誤差値の範囲を推定することができる。
【0040】
もし一旦推定された良好誤差値の範囲と不良誤差値の範囲が一部重なる場合には、判定検討装置140は、良好誤差値分布と不良誤差値分布が互いに重なる地点を考慮して短縮された良好誤差値の範囲と不良誤差値の範囲をそれぞれ再度推定することができる。
【0041】
もし2つ以上の不良誤差値分布が推定された場合、判定検討装置140は、不良誤差値分布からそれぞれ推定された不良誤差値の範囲をいずれも包括できるように統合された不良誤差値の範囲を再度推定することができる。
【0042】
判定検討装置140は、推定された良好誤差値の範囲に基づいて、また、追加で不良誤差値の範囲(もしあれば)に基づいて、良否判定装置120による検査体20の良否判定にエラーがあるか否かを判断することができる。
【0043】
例えば、もし良否判定の基準値が良好誤差値の範囲内にある場合に、ある検査体20の誤差値が基準値よりは大きいものの良好誤差値の範囲内にあれば、判定検討装置140はその検査体20が、たとえ基準値により不良と判定されたとしても実際には良好である第2タイプのエラー(false call)であることを判断でき、現在の基準値があまりにも厳格であると判断することができる。
【0044】
例えば、もし良否判定の基準値が不良誤差値の範囲内にあったり、その範囲を超える場合に、ある検査体20の誤差値が基準値よりは小さいものの不良誤差値の範囲内にあれば、判定検討装置140はその検査体20が、基準値によりたとえ良好と判定されたとしても実際には不良である第1タイプのエラー(escape)であることを判断でき、現在の基準値があまりにも余裕であると判断することができる。
【0045】
これにより、判定検討装置140は、良否判定の基準値が良好誤差値の範囲内にある場合に、誤差値が良好誤差値の範囲内にありながらも基準値より大きい検査体20の数をもって、または良否判定の基準値が不良誤差値の範囲内にあるかその範囲を超える場合に、誤差値が不良誤差値の範囲内にありながらも基準値より小さい検査体20の数をもって、判定エラーである検査体数を判断することができる。
【0046】
判定検討装置140による判断結果は、ネットワーク180を介して良否判定装置120に伝達され得る。また、判定検討装置140により推定された良好誤差値分布及び良好誤差値の範囲も、ネットワーク180を介して良否判定装置120に伝達され得る。付加的に、判定検討装置140により推定された不良誤差値分布及び不良誤差値の範囲も、ネットワーク180を介して良否判定装置120に伝達され得る。
【0047】
このような方式で、判定検討装置140は、不良判定されたサンプルに対して実際に精密な再検査をしなくても、生産初期のサンプルで検出される誤差値分布から、判定エラーがあるものと強く推定される検査体20を識別することができ、さらには、現在の基準値の適切性を判断することができる。
【0048】
本開示の一実施例による良否判定装置120は、判定検討装置140により判定エラーと判断された検査体20の数が減少するように、検査体20に対する良否判定条件を調整することができる。良否判定装置120は、良否判定装置120により生成された検査体20に対する良否判定結果、及び判定検討装置140により生成された検査体20に対する判定検討結果に基づいて、誤差値と比較される基準値を更新することができる。例えば、判定検討装置140により検査体20の少なくとも一部に判定エラー(False call)が生じたと判断された場合、良否判定装置120は、誤差値と比較される基準値を高くすることができる。また、判定検討装置140により検査体20の少なくとも一部に判定エラー(Escape)が生じたと判断された場合、良否判定装置120は、誤差値と比較される基準値を低くすることができる。
【0049】
良否判定装置120は、ユーザの入力により誤差値と比較される基準値を更新することができる。良否判定装置120は、検査体20に対する良否判定結果、判定検討結果及び基準値をグラフィック的に示すことができる。ユーザは、グラフィック的に示された良否判定結果及び判定検討結果に基づいて、判定エラーが生じた検査体数が減少するように基準値を調整するためのグラフィック的な入力を良否判定装置120に提供することができる。良否判定装置120は、ユーザのグラフィック的な入力に応答して基準値を更新することができる。
【0050】
良否判定装置120は、更新された基準値を誤差値と比較して検査体20の良好または不良を再判定することができる。また、良否判定装置120は、検査体20が実際に良好か不良かを示す判定検討装置140により生成された判定検討結果に基づいて、検査体20の中で再判定結果にエラーが生じたか否かを識別することができる。これにより、良否判定装置120は、検査体20に対する良否の再判定結果、更新された基準値及び再判定エラーが発行した検査体数をグラフィック的に示すことができる。
【0051】
良否判定装置120は、例えば、サーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットのようにコンピューティング装置を用いて具現され得る。良否判定装置120の構成及び動作と関連しては、図3図10を参照してさらに詳細に説明する。
【0052】
分類装置160は、検査体20を良品保管装置30または不良品保管装置40に分類することができる。分類装置160は、良否判定装置120における再判定結果に基づいて、良好である検査体20及び不良である検査体20をそれぞれ良品保管装置30及び不良品保管装置40に分類することができる。
【0053】
ネットワーク180は、測定装置100、良否判定装置120、判定検討装置140及び分類装置160間の連結及び通信を可能にする。ネットワーク180は、近距離通信網(Local Area Network;LAN)、広域通信網(Wide Area Network;WAN)または付加価値通信網(Value Added Network;VAN)等のような有線ネットワークや、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、Wibro(Wireless Broadband Internet)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)等のような全ての種類の無線ネットワークを用いて具現され得る。
【0054】
図1には、検査システム10の各装置が別個の構成として示されているものの、本開示はこれに限定されず、良否判定装置120、判定検討装置140及び分類装置160のうちのある装置の少なくとも一部の構成が他の装置に統合具現され得る。一実施例によると、判定検討装置140の少なくとも一部の構成は、良否判定装置120に統合具現され得る。例えば、誤差値分布から推定を通じて良否判定エラーを判断する判定検討装置140の構成は、良否判定装置120に具現され得る。
【0055】
図2は、本開示の一実施例により検査体の構造を測定する測定装置200の構成を概略的に示す図である。複数の実施形態によると、図2の測定装置200は、図1の測定装置100の全ての技術的特徴を含むことができる。図2に示すように、測定装置200は、照明部210、撮像部220及びイメージ処理部230を含む。
【0056】
照明部210は、検査体20の一部である検査対象22を測定するためにパターン光を検査対象22に照射する。例えば、検査体20は、印刷回路基板であり、検査対象22は、印刷回路基板上に形成されたソルダー、または印刷回路基板上に実装された電子部品である。ただし、本開示による検査体20及び検査対象22はこれに限定されはせず、3次元構造を有する任意の製造品であってもよい。
【0057】
一実施例において、照明部210は光を生成する光源211、光源211からの光をパターン光に変換する格子素子212、格子素子212をピッチ移送する格子移送機構213、及び格子素子212により変換されたパターン光を検査対象22に投影する投影レンズ214を含む。例えば、格子素子212は、パターン光の位相遷移のためにPZTアクチュエータ(piezo actuator)のような格子移送機構213により所定の距離(例えば、2π/N;Nは2以上の自然数)だけずつ移送され得る。
【0058】
図2に示すように、照明部210は、2つ備えられ得る。ただし、本開示による照明部210はこれに限定されず、1つまたは3つ以上備えられ得る。照明部210が2つ以上備えられた場合、複数の照明部210は円周方向や仮想の多角平面に沿って一定の角度で離隔するように設置されたり、検査体20と垂直の方向に沿って一定の間隔で離隔するように設置され得る。
【0059】
撮像部220は、検査対象22により反射された光を受信して検査対象22のイメージデータを取得することができる。撮像部220は、CCD(charge coupled device)カメラまたはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラを用いて具現され得るものの、必ずしもこれに限定されるわけではない。撮像部220は、検査体20から垂直の上部位置に設置され得る。
【0060】
イメージ処理部230は、撮像部220により取得されたイメージデータを処理して検査対象22の構造の測定値を生成する。例えば、イメージ処理部230は、検査対象22のイメージデータから検査対象22の横の長さ、縦の長さ、高さの長さ、面積、体積などを測定する。イメージ処理部230により生成された測定値は、イメージ処理部230の格納部232に格納されたり、通信部234により良否判定装置120に伝送され得る。
【0061】
図3は、本開示の一実施例により検査体の良否を判定する良否判定装置300の詳細構成を示すブロック図である。複数の実施形態によると、図3の良否判定装置300は、図1の良否判定装置160の全ての技術的特徴を含むことができる。図3に示すように、本開示の一実施例による良否判定装置300は、通信部310、入出力部320、処理部330及びデータベース340を含む。
【0062】
通信部310は、他装置、例えば、図1の測定装置100、判定検討装置140及び分類装置160と通信することができる。通信部310において、これらの装置と通信するための下位構成要素は、1つのハードウェア装置で統合構成され得る。
【0063】
入出力部320は、ユーザとインタフェースするための構成であって、ユーザ入力部322及び出力部324を含む。ユーザ入力部322は、ユーザから良否判定と関連する入力を受信することができる。例えば、ユーザ入力部322は、良否判定に用いられた基準値を調整するための入力、良否判定結果をディスプレイするための入力、良否判定結果のいずれか1つを選択するための入力などを受信することができる。ユーザ入力部322は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチスクリーンなどを含むことができる。
【0064】
出力部324は、ユーザに良否判定と関連する出力を提供する。例えば、出力部324は、検査体20の良否判定結果、良否判定に用いられた基準値などをディスプレイすることができる。出力部324は、LCD(liduid crytal display)、LED(light emitting diode)ディスプレイ、OLED(organic light emitting diode)ディスプレイなどを含むことができる。
【0065】
処理部330は、良否判定と関連するデータを処理することができる。処理部330は、良否判定部332、判定結果生成部334及び判定基準調整部336を含む。また、データベース340は、良否判定と関連するデータを格納するための構成であって、設計値DB342、測定値DB344、誤差値DB346、基準値DB348、判定結果DB350及び判定検討結果DB352を含む。
【0066】
設計値DB342には、検査体20の全ての検査対象22に対する設計値が格納される。例えば、検査体20がPCBである場合、PCB上に形成されたパッドの横の長さと縦の長さ、パッド上に置かれたソルダーの体積と面積、ソルダー上に置かれた電子部品からパッドまでの高さなどが設計値として設計値DB342に格納され得る。
【0067】
測定値DB344には、検査体20の全ての検査対象22に対する測定値が格納される。測定値DB344に格納された測定値は、設計値DB342に格納された設計値に対応し得る。一実施例によると、検査体20に対する測定値は、図2の測定装置200により生成されたものであってもよい。測定装置200により生成された測定値は、測定装置200の通信部234及び良否判定装置300の通信部310を介して測定値DB344に格納され得る。
【0068】
良否判定部332は、検査体20の検査対象22の設計値に対する測定値の誤差値を算出することができる。良否判定部332は、設計値DB342に格納された検査体20の検査対象22の設計値と測定値DB344に格納された検査体20の検査対象22の測定値との差を誤差値として算出する。算出された誤差値は、誤差値DB346に格納され得る。
【0069】
良否判定部332は、検査体20の構造が所定の基準を満足するか否かを判定することができる。良否判定部332は、誤差値DB346に格納された誤差値と基準値DB348に格納された基準値を比較して、検査体20の良好または不良を判定することができる。一実施例によると、良否判定部332は、検査体20の検査対象22に対する誤差値が当該検査対象20に対する基準値以下である場合、検査体20を良好と判定し、当該誤差値が当該基準値超である場合、検査体20を不良と判定することができる。例えば、検査体20のパッドの縦の長さに対する基準値が0.5mmと設定された場合、良否判定部332は、パッドの縦の長さに対する誤差値が0.6mmの検査体20を不良と判定し、誤差値が0.4mmの検査体20を良好と判定する。良否判定部332により生成された良否判定結果は、判定結果DB350に格納され得る。
【0070】
判定検討結果DB352には、検査体20の検査対象22に対する良否判定部332の良否判定にエラーがあるか否かを示す判定検討結果が格納される。検査対象22に対する良否判定にエラーが生じた場合、当該検査対象22に対する判定検討結果として「判定エラー」が表示され得る。判定エラーは、良否判定部332により良好と判定された検査対象22が実際には不良である第1タイプ(Escape)、及び良否判定部332により不良と判定された検査対象22が実際には良好である第2タイプ(False Call)を含む。
【0071】
一実施例によると、判定検討結果DB352に格納された判定検討結果は、図1の判定検討装置140により生成されたものであってもよい。通信部310は、判定検討装置140により生成された判定検討結果を受信して判定検討結果DB352に格納することができる。また、判定検討装置140により推定された良好誤差値分布、良好誤差値の範囲、不良誤差値分布(もしあれば)及び不良誤差値の範囲(もしあれば)も良否判定装置300の通信部310を介して判定検討結果DB352に格納され得る。
【0072】
判定結果生成部334は、誤差値による検査体数を示す検査結果グラフを生成することができる。一実施例によると、検査結果グラフは2次元グラフであって、横軸は誤差値を示し、縦軸は、当該誤差値を有する検査体20の数を示すことができる。また、判定結果生成部334は検査結果グラフ上に、ユーザの操作により移動可能なGUI(graphical user interface)オブジェクトを基準値として示すことができる。例えば、基準値を示すGUIオブジェクトは、バー(bar)、矢印、線、点、四角形などの形状を有し得る。
【0073】
判定結果生成部334は、検査体20の良否判定結果を検査結果グラフに示すことができる。一実施例によると、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上に良否判定結果として、良好、警告及び不良を示すことができる。例えば、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上で誤差値が基準値以下の領域を良好と表示し、誤差値が基準値超の領域を不良と表示する。また、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上で誤差値が基準値に近い所定の領域を警告と表示する。この場合、検査結果グラフ上には警告に該当する領域の境界が表示され得る。また、一実施例によると、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上に良好、警告及び不良に該当する検査体20の数をそれぞれ示すことができる。
【0074】
判定結果生成部334は、良否判定結果に対する検討結果を検査結果グラフに示すことができる。一実施例によると、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上に判定検討結果として、第1タイプ(Escape)のエラー及び第2タイプ(False Call)のエラーを示すことができる。例えば、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上に誤差値が基準値超の領域のうち実際に良好と判断された検査体20が属する領域を第1タイプ(Escape)のエラーと表示する。また、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上で誤差値が基準値以下の領域のうち実際に不良と判断された検査体20が属する領域を第2タイプ(False Call)のエラーと表示する。
【0075】
一実施例によると、第1タイプのエラー、第2タイプのエラーのような判定エラーは、判定検討装置140による精密検査を介して判断され得る。判定検討装置140は、検査体20の構造をさらに精密に測定することができる装置、または検査体20の電気的特性を測定することができる装置を含むことができる。判定検討装置140は、検査体20の構造的電気的特性をさらに精密に測定することにより、検査体20が実際に良好か不良かを判断することができる。その結果、判定検討装置140は、良好と判定された検査体20のうち実際に不良である検査体20と、不良と判定された検査体20のうち実際に良好である検査体20を判別することができる。
【0076】
他の実施例によると、判定エラーは、判定検討装置140による誤差値分布からの推定を通じて判断され得る。判定検討装置140は、測定装置100により測定された検査体20の誤差値分布にフィッティングされる少なくとも1つの確率分布曲線を決定し、決定された確率分布曲線のうち原点に最も近い確率分布曲線を良好誤差値分布と見なし、残りの確率分布曲線(もしあれば)を不良誤差値分布と見なすことができる。判定検討装置140は、良好誤差値分布から良好誤差値の範囲を推定し、不良誤差値分布(もしあれば)から不良誤差値の範囲を推定することができる。また、判定検討装置140は、良好誤差値の範囲及び不良誤差値の範囲(もしあれば)に基づいて、検査体20のうち判定エラーが生じた検査体20を判別することができる。
【0077】
前述の実施例によると、判定検討装置140は、誤差値分布から推定を通じて良否判定エラーを判断し、判定結果生成部334は、判定検討装置140により判断された良否判定エラーに基づいて判定エラーが生じた検査体20を識別するものの、本開示はこれに限定されない。例えば、判定結果生成部334が直接誤差値分布から推定を通じて良否判定エラーを判断し、判定エラーが生じた検査体20を識別するように具現され得る。
【0078】
一実施例によると、判定結果生成部334は、基準値が更新され得るように候補基準値を決定することができる。判定結果生成部334は、判定エラーが生じた検査体20の数が減少したり最小となるようにする少なくとも1つの候補基準値を決定することができる。例えば、判定結果生成部334は、基準値が候補基準値に更新されることにより、第1タイプ(Escape)のエラーまたは第2タイプ(False Call)のエラーに対応する領域が減少したりなくなるようにする候補基準値を決定することができる。判定結果生成部334は、決定された少なくとも1つの候補基準値を検査結果グラフ上に示すことができる。例えば、候補基準値は、点、線、四角形、矢印などで表示され得る。
【0079】
一実施例によると、判定結果生成部334は、判定検討装置140により推定された検査体20の良好誤差値の範囲及び不良誤差値の範囲(もしあれば)に基づいて候補基準値を決定することができる。もし不良誤差値の範囲がある場合、判定結果生成部334は、良好誤差値の範囲の最大値より大きいか同一であって、不良誤差値の範囲の最小値より小さいか同一のある値の中で候補基準値を決定することができる。もし不良誤差値の範囲がない場合、判定結果生成部334は、良好誤差値の範囲の最大値より大きいか同一のある値の中で候補基準値を決定することができる。
【0080】
一実施例によると、ユーザは、ユーザ入力部322を介して検査結果グラフ上の所定領域を選択することができる。判定結果生成部334は、ユーザ入力部322を介して受信したユーザの入力に応答し、選択された所定領域を拡大して、拡大した所定領域を出力部324を介して出力することができる。例えば、拡大した所定領域は、検査結果グラフにオーバーラップされるように出力され得る。
【0081】
一実施例によると、判定結果生成部334は、検査体20に対する測定値、誤差値、良否判定結果及び判定エラー検討結果のうち少なくとも1つを含む検査結果リストを生成することができる。判定結果生成部334は、出力部324を介して検査結果グラフ及び検査結果リストを出力することができる。ユーザは、出力部324を介して検査結果グラフ及び検査結果リストを確認することができる。
【0082】
一実施例によると、ユーザは、ユーザ入力部322を介して検査結果リストからいずれか1つの検査体20を選択することができる。判定結果生成部334は、ユーザ入力部322を介して受信したユーザの入力に応答し、選択された検査体20の誤差値を検査結果グラフに示すことができる。例えば、選択された検査体20の誤差値は、点、線、四角形、矢印などで表示され得る。他の実施例によると、ユーザから検査体20の選択に関する入力がない場合、最も最近良否判定がなされた検査体20が自動で選択され得る。この場合、最も最近良否判定がなされた検査体20の誤差値が検査結果グラフに示され得る。
【0083】
判定基準調整部336は、ユーザからユーザ入力部322を介して受信された入力により基準値を更新することができる。一実施例によると、判定基準調整部336は、ユーザから検査結果グラフ上で基準値を示すGUIオブジェクトの位置を移動させるグラフィック的な入力を受信することができる。例えば、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ上で基準値を示す移動可能なバー形状のGUIオブジェクトをクリックして所定位置までドラッグすることができる。この場合、判定基準調整部336は、このようなグラフィック的な入力に応答して、基準値をドラッグされた所定位置に対応する値に更新することができる。他の実施例によると、判定基準調整部336は、ユーザから検査結果グラフ上で所定位置を指定するグラフィック的な入力を受信することができる。例えば、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ上で所定位置をクリックすることができる。この場合、判定基準調整部336は、このようなグラフィック的な入力に応答して、基準値をクリックされた所定位置に対応する値に更新することができる。更新された基準値は、判定基準調整部336により基準値DB348に格納され得る。
【0084】
良否判定部332は、判定基準調整部336により更新された基準値に基づいて検査体20に対する良好または不良を再判定することができる。一実施例によると、良否判定部332は、検査体20の検査対象22に対する誤差値が更新された基準値以下である場合、検査体20を良好と再判定し、当該誤差値が更新された基準値超である場合、検査体20を不良と判定することができる。
【0085】
また、良否判定部332は、検査体20のうち再判定エラーが生じた検査体20を識別することができる。一実施例によると、良否判定部332は、検査体20の再判定結果及び判定検討結果DB352に格納された判定検討結果に基づいて、再判定エラーが生じた検査体20を識別することができる。例えば、良否判定部332は、実際に不良であるものの良好と再判定された検査体20に対して第1タイプ(Escape)のエラーと判断し、実際に良好であるものの不良と再判定された検査体20に対して第2タイプ(False Call)のエラーと判断することができる。
【0086】
判定結果生成部334は、判定基準調整部336により更新された基準値、更新された基準値を用いた良否の再判定結果、及び良否の再判定結果に対する判定検討結果を検査結果グラフに示すことができる。ユーザは、出力部324を介して出力された検査結果グラフを確認することにより、更新前の基準値を用いた良否判定で生じたエラーに比べて更新された基準値を用いた良否の再判定で生じたエラーが減少したことを確認することができる。
【0087】
前述の通り、本開示の複数の実施例による良否判定装置300は、検査体に対する良否判定結果と基準値をグラフィック的に示し、ユーザのグラフィック的な入力により基準値を調整することができる。また、良否判定装置300は、再設定された基準値に基づいて検査体に対する良否の再判定を実行し、良否の再判定にエラーがないか検討し、良否の再判定結果及びこれに対する判定検討結果をグラフィック的に示すことができる。その結果、ユーザがさらに効率よくかつ手軽に検査体の良否判定に用いられる基準値を調整することができる。
【0088】
図4は、本開示の一実施例による検査結果リスト400を示す図である。複数の実施形態によると、図4の検査結果リスト400は、図3の判定結果生成部334により生成されて出力部324を介して出力され得る。
【0089】
図4に示すように、検査結果リスト400は、複数の検査体のそれぞれに対する検査結果データ410、420、430、440、450、460を含む。それぞれの検査結果データ410、420、430、440、450、460は、当該検査体に対する検査体ID、検査体ID、検査対象、測定対象、測定値、誤差値、良否判定結果及び判定検討結果を含む。
【0090】
検査結果データ410、430、450には、検査体上に形成された「パッド1」の横の長さを測定した測定値、及び測定値と設計値10.0mmとの差が計算された誤差値が含まれている。「パッド1」の横の長さの良否判定に用いられた基準値は、0.5mmと設定されたことを仮定する。検査結果データ410を参照すると、検査体IDが「1」である検査体は、誤差値が0.5mm以下であるため、良好と判定される。一方、検査結果データ430、450を参照すると、検査体IDが「2」、「459」である検査体は、誤差値が0.5mmを超えたため、不良と判定される。この中で検査体IDが「459」である検査体は、良否判定検討結果、第2タイプ(False Call)のエラーが生じたと判断される。例えば、検査体IDが「459」である検査体において、「パッド1」の横の長さは既に設定された判定基準によると不良であるものの、実際には良好な特性を有する。
【0091】
検査結果データ420、440、460には、検査体上に形成された「パッド1」の縦の長さを測定した測定値、及び測定値と設計値10.0mmとの差が計算された誤差値が含まれている。「パッド1」の縦の長さの良否判定に用いられた基準値は、0.5mmと設定されたことを仮定する。検査結果データ410を参照すると、検査体IDが「1」、「2」、「459」である検査体は、誤差値が0.5mm以下であるため、良好と判定される。この中で検査体IDが「459」である検査体は、良否判定検討結果、第1タイプ(Escape)のエラーが生じたと判断される。例えば、検査体IDが「459」である検査体において、「パッド1」の縦の長さは既に設定された判定基準によると良好であるものの、実際には不良な特性を有する。
【0092】
図5は、本開示の一実施例により良否判定結果及び判定検討結果を示す検査結果グラフ500を示す図である。複数の実施形態によると、図5の検査結果グラフ500は、図3の判定結果生成部334により生成されて出力部324を介して出力され得る。一実施形態によると、図5の検査結果グラフ500は、図4の検査結果リスト400からいずれか1つの検査結果データ(例えば、検査結果データ450)を選択する入力をユーザ入力部322を介して受信することに応答して生成されたものであってもよい。
【0093】
図5に示すように、検査結果グラフ500の横軸は誤差値を示し、縦軸は検査体数を示す。検査結果グラフ500は、当該誤差値を有する検査体数を示すカーブ510を含む。また、検査結果グラフ500には、検査体の良否判定に用いられた第1基準値を示す第1基準値GUI520、及び良好と判定された検査体のうち警告に該当する検査体を判定するのに用いられた第2基準値を示す第2基準値GUI530が含まれ得る。例えば、第2基準値は、第1基準値の90%と設定され得る。
【0094】
また、検査結果グラフ500には、検査体のうちある特定のある検査体、例えば、ユーザが特に関心をおいている検査体の誤差値pを示すサンプル誤差値インジケーター540が含まれ得る。一例として、サンプル誤差値インジケーター540は、図4の検査結果リスト400から選択された検査体の誤差値を示すことができる。他の例として、サンプル誤差値インジケーター540は、検査体のうち最も最近検査された検査体の誤差値を示すことができる。
【0095】
検査結果グラフ500には、良否判定結果及び判定検討結果が示され得る。検査結果グラフ500には良否判定結果として、良好、警告及びエラーのそれぞれに該当する領域と、判定検討結果として不良に該当する領域が表示され得る。また、検査結果グラフ500には、良好、警告、エラー及び不良のそれぞれに該当する検査体数も表示され得る。図5に示すように、誤差値が第1基準値b以下である352個の検査体は良好と判定され、誤差値が第1基準値bを超える107個の検査体は一旦不良と判定された。特に、良好である352個の検査体の中でも誤差値が第2基準値aと第1基準値bの間にある57個の検査体は良好と判定はされたものの、第1基準値に近接するため、警告と分類された。一方、誤差値がdとeの間にある60個の検査体は、与えられた工程上の自然な誤差分布様相を逸脱しているため、与えられた工程に属しないある問題により不良が生じたものと判断され得る。しかし、誤差値が第1基準値bとcの間にある47個の検査体の誤差分布は、良好である352個の検査体の自然な誤差分布に一貫的であるため、不良と判定されたbとcの間にある47個の検査体は与えられた工程による正常な結果であって、実際には良好であり得る。これにより、第1基準値bとcの間にある47個の検査体は、第2タイプのエラー(false call)と判定され得る。実際にそのような判定が第2タイプのエラーであるか検証するために、ユーザは誤差値が第1基準値bとcの間のpである特定の検査体を選択して調査することができる。
【0096】
もし第1基準値をbで維持すると、dとeの間の非正常な誤差値を誘発する工程上の非正常な問題が解消されても、正常な工程では誤差値が0からcの間で自然に分布するはずであるため、このような工程により製品の生産が継続して行われると、その後に生産される製品の相当量は持続的に第1基準値bとcの間の誤差値を有して不良と判定されるはずである。即ち、図5の例示では、製品の生産工程自体が問題なければ、良好と不良を判定するための第1基準値が製品の生産工程の自然な誤差分布の特性を反映できず、過度に厳格に設定されたものであり得る。
【0097】
検査結果グラフ500には、判定エラーが生じた検査体数が最小となるようにする候補基準値を示す候補基準値インジケーター550が含まれ得る。候補基準値は、エラーと判断された検査体数が最小(例えば、0)となるようにする基準値の候補であって、誤差値がcとdの間の範囲内で選択され得る。図5には、候補基準値インジケーター550が点で表示されているが、これに限定されはせず、矢印、線、四角形など多様な形態で表示され得る。また、図5には、候補基準値インジケーター550が単数で表示されているが、これに限定されはせず、複数で表示されたり、範囲で表示され得る。
【0098】
図6は、本開示の一実施例により基準値が更新された検査結果グラフ600を示す図である。一実施例によると、図6の検査結果グラフ600は、図5の検査結果グラフ500から基準値が更新されたものであり得る。
【0099】
一実施形態によると、ユーザは、検査結果グラフ600上でユーザ入力部322を介して基準値を更新することができる。一例として、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ600上で第1基準値GUI520を候補基準値インジケーター550の位置までドラッグすることができる。他の例として、ユーザはタッチパッドを用いて、検査結果グラフ600上で候補基準値インジケーター550の位置をタッチすることができる。このように、ユーザ入力部322を介したグラフィック的な入力により、検査結果グラフ600で第1基準値GUI520の位置が移動する。また、第1基準値GUI520の位置が移動するに伴い、第1基準値も更新され得る。例えば、図6に示すように、第1基準値がbからb’に更新される。
【0100】
一実施例によると、第1基準値GUI520の位置が移動するに伴い、第2基準値GUI530の位置も別途のユーザの入力なしに、移動することができる。例えば、第1基準値に対する第2基準値の比率が90%と設定された場合、第2基準値が更新された第1基準値の90%となるように第2基準値GUI530が右側に移動することができる。図6に示すように、第1基準値GUI520の移動により、第2基準値がaからb’の90%であるa’に更新されるように第2基準値GUI530が移動することができる。他の実施例によると、第2基準値530は、検査結果グラフ600上でユーザ入力部322を介したグラフィック的な入力により第2基準値GUI530の位置が移動することができる。
【0101】
一実施例によると、第1及び第2基準値GUI520、530が移動することに応答して、良否判定部332は、更新された第1及び第2基準値に基づいて検査体のそれぞれに対する良否の再判定を実行することができる。良否判定部332は、検査体のそれぞれの誤差値が第1基準値のb’以下である場合、良好と判定し、検査体のそれぞれの誤差値がb’超である場合、不良と判定することができる。また、良否判定部332は、検査体のそれぞれの誤差値が第2基準値のa’超b’以下である場合、警告と判定することができる。また、良否判定部332は、検査体のうち再判定エラーが生じた検査体を識別することができる。
【0102】
検査結果グラフ600には、良否の再判定結果及び再判定検討結果が示され得る。図6に示すように、誤差値がb’以下である399個の検査体が「良好」、誤差値がa’超b’以下である12個の検査体が「警告」、誤差値がd以上e以下である60個の検査体が「不良」とそれぞれ判断される。図5の検査結果グラフ500と比較すると、良否判定に対してエラーが生じた検査体数が図5の47個から図6の0個に変化する。言い換えると、検査体の良否判定の基準として用いられる第1基準値が更新されることにより良否判定のエラーが最小化される。
【0103】
このように、ユーザのグラフィック的な入力により第1基準値GUI520が移動することにより、良否判定装置300は更新された基準値により検査体の良否を新しく判定することができる。即ち、ユーザがいちいち測定値を肉眼で確認して新しい基準値を決定し、これを数値で入力しなければならなかった従来のプロセスとは異なり、本開示によると、ユーザが検査結果グラフを見ながら新しい基準値を決定することができ、グラフィック的な入力により基準値を更新することができる。その結果、判定エラーが視覚的に示された状態で第1基準値GUI520を移動させることにより第1基準値を変更することが可能であるため、判定エラーを迅速かつ便利に訂正することが可能である。また、更新された基準値に基づいて検査体の良否を新しく判定することができるため、ユーザ便宜性が図られ得る。
【0104】
図7は、本開示の一実施例により一部領域が拡大した検査結果グラフを示す図である。図7の検査結果グラフ700は、検査体の良否判定結果及び判定検討結果を示すグラフであって、図5の検査結果グラフ500と同一なものであってもよい。
【0105】
一実施例によると、ユーザは、出力部324を介して出力された検査結果グラフ700の少なくとも一部をユーザ入力部322を用いて拡大することができる。一例として、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ700上で所定領域710を選択することができる。所定領域710を選択することに応答して、判定結果生成部334は、所定領域710を拡大した拡大グラフ720を生成することができる。生成された拡大グラフ720は、出力部324を介して出力され得る。拡大グラフ720は、検査結果グラフ700と別途に出力されたり、検査結果グラフ700上にオーバーラップされるように出力され得る。
【0106】
図8は、本開示の一実施例により良否判定結果及び判定検討結果を示す検査結果グラフ800を示す図である。複数の実施形態によると、図8の検査結果グラフ800は、図3の判定結果生成部334により生成されて出力部324を介して出力され得る。一実施形態によると、図8の検査結果グラフ800は、図4の検査結果リスト400からいずれか1つの検査結果データ(例えば、検査結果データ460)を選択する入力をユーザ入力部322を介して受信することに応答して生成されたものであってもよい。
【0107】
検査結果グラフ800には、当該誤差値を有する検査体数を示すカーブ810及び検査体の良否判定に用いられた基準値を示す基準値GUI820が含まれている。図8に示すように、誤差値が第1基準値d以下である330個の検査体が「良好」と判定され、誤差値が第1基準値dより大きいeからfの間である129個の検査体が「不良」と判定された。このとき、良好である330個の検査体の中でも誤差値がbとcの間にある25個の検査体は良好と判定されはしたものの、与えられた工程上の自然な誤差分布様相(0からaまで)を逸脱しているため、実際には与えられた工程に属しないある問題により不良であり得る。これにより、bとcの間にある25個の検査体は、第1タイプのエラー(escape)と判定され得る。
【0108】
もし第1基準値dを維持すると、eとfの間の非正常な誤差値を誘発する工程上の非正常な問題が解消されても、正常な工程では誤差値が0からaの間にのみ自然に分布するはずであるため、このような工程により製品の生産が継続して行われると、その後に生産される製品の相当量は実際には不良でありながらも持続的に第1基準値dより低い誤差値を示して良好と判定される。即ち、図8の例示では、製品の生産工程自体が問題なければ、良好と不良を判定するための第1基準値が製品の生産工程の自然な誤差分布の特性を反映できず、過度に余裕に設定されたものであり得る。
【0109】
検査結果グラフ800には、判定エラーが生じた検査体数が最小となるようにする候補基準値を示す候補基準値インジケーター830が含まれ得る。候補基準値は、エラーと判断された検査体数が最小(例えば、0)となるようにする基準値の候補であって、誤差値がaとbの間の範囲内で選択され得る。図8には、候補基準値インジケーター830が点で表示されているが、これに限定されはせず、矢印、線、四角形など多様な形態で表示され得る。また、図8には、候補基準値インジケーター830が単数で表示されているが、これに限定されはせず、複数で表示されたり、範囲で表示され得る。また、図8には示されていないものの、一実施例による検査結果グラフ800は、良好と判定された検査体のうち警告に該当する検査体を判定するのに用いられた基準値を示すGUI、及び複数の検査体のいずれか1つの誤差値を示すインジケーターを含むことができる。
【0110】
図9は、本開示の一実施例により基準値が更新された検査結果グラフ900を示す図である。一実施例によると、図9の検査結果グラフ900は、図8の検査結果グラフ800から基準値が更新されたものであってもよい。
【0111】
一実施形態によると、ユーザは、検査結果グラフ900上でユーザ入力部322を介して基準値を更新することができる。一例として、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ900上で基準値GUI820を候補基準値インジケーター830の位置までドラッグすることができる。他の例として、ユーザはタッチパッドを用いて、検査結果グラフ900上で候補基準値インジケーター830の位置をタッチすることができる。このように、ユーザ入力部322を介したグラフィック的な入力により、検査結果グラフ900で基準値GUI820の位置が移動する。また、基準値GUI820の位置が移動するに伴い、基準値も更新され得る。例えば、図9に示すように、基準値がdからd’に更新される。
【0112】
一実施例によると、基準値GUI820が移動することに応答して、良否判定部332は、更新された基準値に基づいて検査体のそれぞれに対する良否の再判定を実行することができる。良否判定部332は、検査体のそれぞれの誤差値が基準値のd’以下である場合、良好と判定し、検査体のそれぞれの誤差値がd’超である場合、不良と判定することができる。また、良否判定部332は、検査体のうち再判定エラーが生じた検査体を識別することができる。
【0113】
検査結果グラフ900には、良否の再判定結果及び再判定検討結果が示され得る。図9に示すように、誤差値がd’以下である305個の検査体が「良好」、誤差値がd’超である154個の検査体が「不良」とそれぞれ判断される。図8の検査結果グラフ800と比較すると、良否判定に対してエラーが生じた検査体数が図8の25個から図9の0個に変化する。言い換えると、検査体の良否判定の基準として用いられる基準値が更新されることにより、良否判定のエラーが最小化される。
【0114】
図10は、本開示の実施例により検査体に対する良否判定条件を調整する方法を示す順序図である。図10に示す段階の少なくとも一部は、図1図3に示す構成により行われ得る。
【0115】
まず、段階S1000において、良否判定装置300は、複数の検査体の構造の測定値を取得する。例えば、測定装置100は、検査体に光を照射し、検査体から反射された光を受光し、受光された光に基づいて検査体のイメージデータを生成することができる。また、測定装置100は、イメージデータに基づいて、検査体の構造を測定した測定値を生成することができる。良否判定装置300は、通信部310を介して測定装置100により生成された測定値を取得することができる。
【0116】
次に、段階S1010において、良否判定部332は、複数の検査体のそれぞれに対する良否判定を実行する。例えば、良否判定部332は、段階S1000で取得された測定値が所定範囲内であるか判断することにより検査体の良好または不良を判定することができる。良否判定部332は、検査体の構造の設計値に対する測定値の誤差値を算出し、算出された誤差値と所定の基準値を比較する。良否判定部332は、誤差値が所定の基準値以下である検査体を良好(Good)と判定し、誤差値が所定の基準値を超える検査体を不良(NG)と判定することができる。
【0117】
次に、段階S1020において、判定結果生成部334は、複数の検査体のうち判定エラーが生じた検査体を識別する。例えば、判定結果生成部334は、段階S1010で得られた検査体の良否判定結果及び判定検討装置140による判定検討結果に基づいて、複数の検査体のうち判定エラーが生じた検査体を識別する。ここで、判定エラーは、良好と判定された検査体が実際に不良と識別された第1エラー、及び不良と判定された検査体が実際に良好と識別された第2エラーを含む。
【0118】
一実施例によると、判定検討装置140は、測定装置100により測定された検査体20の誤差値分布に基づいて良好誤差値分布及び不良誤差値分布(もしあれば)を決定し、良好誤差値分布及び不良誤差値分布(もしあれば)から良好誤差値の範囲及び不良誤差値の範囲(もしあれば)をそれぞれ推定することができる。また、判定検討装置140は、良好誤差値の範囲及び不良誤差値の範囲(もしあれば)に基づいて、検査体20のうち判定エラーが生じた検査体20を判別することができる。また、判定結果生成部334は、判定検討装置140からこのような判定検討結果を受信して判定エラーが生じた検査体20を識別することができる。
【0119】
次に、段階S1030において、判定結果生成部334は、検査結果グラフを出力する。例えば、判定結果生成部334は、誤差値による検査体数を示す検査結果グラフを生成する。検査結果グラフは2次元グラフであって、横軸は誤差値を示し、縦軸は複数の検査体のうち当該誤差値を有する検査体数を示す。判定結果生成部334は検査結果グラフ上に、ユーザの操作により移動可能なバー(bar)形状のGUIオブジェクトを基準値として示すことができる。また、判定結果生成部334は、検査結果グラフ上に良否判定結果として、良好、警告及び不良を示すことができる。また、判定結果生成部334は、良否判定結果に対する検討結果を検査結果グラフに示すことができる。また、判定結果生成部334は、判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が最小となるようにする少なくとも1つの候補基準値を決定し、検査結果グラフ上に示すことができる。
【0120】
一実施例によると、候補基準値は、段階S1020で推定された良好誤差値の範囲及び不良誤差値の範囲(もしあれば)に基づいて決定され得る。もし不良誤差値の範囲がある場合、候補基準値は、良好誤差値の範囲の最大値より大きいか同一であって、不良誤差値の範囲の最小値より小さいか同一のある値の中から選択され得る。もし不良誤差値の範囲がない場合、候補基準値は、良好誤差値の範囲の最大値より大きいか同一のある値の中から選択され得る。
【0121】
次に、段階S1040において、判定基準調整部336は、検査結果グラフ上におけるグラフィック的な入力により基準値を更新する。ユーザは、判定エラーが生じた1つ以上の検査体数が減少するように検査結果グラフ上でグラフィック的な入力を提供することができる。例えば、ユーザは、ユーザ入力部322としてマウスを用いて、検査結果グラフ600上で基準値を示すGUIを所定位置までドラッグすることができる。判定基準調整部336は、ユーザのグラフィック的な入力(即ち、基準値を示すGUIの移動)に応答して基準値を所定値に更新する。
【0122】
次に、段階S1050において、良否判定部332は、更新された基準値に基づいて複数の検査体のそれぞれに対する良否の再判定を実行する。例えば、良否判定部332は、段階S1040で更新された基準値と誤差値を比較して複数の検査体の各検査体に対する良好または不良を再判定する。また、良否判定部332は、複数の検査体のうち再判定エラーが生じた検査体を識別する。また、判定結果生成部336は、更新された基準値及び再判定エラーが生じた検査体数を検査結果グラフに示す。
【0123】
図10に示す段階において、一部段階が省略されたり、二以上の段階が同時に実行されたり、段階間の実行順序が変更され得る。また、検査体に対する良否判定条件を調整する方法は特定の実施例を通じて説明されたものの、前記方法はまた、コンピュータで読み取りできる記録媒体にコンピュータが読み取りできるコードとして具現することが可能である。コンピュータが読み取りできる記録媒体は、コンピュータシステムにより読み取られ得るデータが格納されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータが読み取りできる記録媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ格納装置などを含むことができる。また、コンピュータが読み取りできる記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読み取りできるコードが格納されて実行され得る。また、前記実施例を具現するための機能的な(functional)プログラム、コード及びコードセグメントは、本開示が属する技術分野のプログラマーにより容易に推論され得る。
【0124】
本開示は、好ましい実施例を通じて説明されて例示されたものの、当業者であれば添付の特許請求の範囲の事項及び範疇を逸脱せずに様々な変形及び変更がなされ得ることが分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10