(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】メンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援方法及びメンテナンス支援装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20230627BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230627BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20230627BHJP
【FI】
G06F30/10
G05B19/418 Z
G06F3/0482
(21)【出願番号】P 2019128771
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉野 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 正和
(72)【発明者】
【氏名】折田 真紀
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-196495(JP,A)
【文献】特開2006-85329(JP,A)
【文献】特開2008-123022(JP,A)
【文献】特開2000-271826(JP,A)
【文献】特開2008-225589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/398
G05B 19/418
G06F 3/0482
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する、
処理をコンピュータに実行させるメンテナンス支援プログラム。
【請求項2】
前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢のうち最後に選択を受け付けた選択肢に対応するルールの絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れた選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項3】
前記表示する処理は、製品の仕様を定める複数の項目ごとに選択を受け付けた選択肢の組合せに基づいて決定した製品の仕様に関する項目および前記項目の選択肢を表示するウィンドウとは異なる他のウィンドウに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする請求項1または2に記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項4】
前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢に対応する絞込条件および前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を含むログを表示することを特徴とする請求項3に記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項5】
前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記他のウィンドウの開始位置に合わせて表示することを特徴とする請求項4に記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項6】
前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記ウィンドウで最後に選択を受け付けた選択肢に対応する項目の位置に合わせて表示することを特徴とする請求項4に記載のメンテナンス支援プログラム。
【請求項7】
製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する、
処理をコンピュータが実行するメンテナンス支援方法。
【請求項8】
製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する表示制御部、
を有することを特徴とするメンテナンス支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援方法及びメンテナンス支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造業ではお客様のニーズが多様化しており、メーカー側はマス・カスタマイゼーションへの対応が求められている。とりわけ工作機械や医療機器、精密機械、特殊車両といった個別受注生産形態をとるメーカーでは、製品仕様や制約条件が煩雑となり、営業業務の効率化や個別仕様の属人化が大きな課題となっている。そこで顧客要望に基づき、製品の仕様を決定する、コンフィグレータと呼ばれるツールを提供している。
【0003】
例えば、コンフィグレータでは、製品の仕様、例えば構成部品や機能、オプションなどに関する項目ごとに選択肢の選択を受け付ける。各項目で選択を受け付ける選択肢は、他の項目で選択された選択肢によって制約を受ける場合がある。例えば、ある構成部品が選択された場合、当該構成部品のサイズや出力の限界によって他の構成部品が制約される。また、ある機能が選択された場合、当該機能に悪影響を与えるか、あるいは当該機能から悪影響を受ける他の機能や構成部品が制約される。このような製品の仕様のチェックを実現する側面から、コンフィグレータでは、ある項目における選択肢の選択が与える他の項目における選択肢の制約がルール化されたマスタが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-29628号公報
【文献】特開2009-123063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術では、マスタメンテナンスの作業支援を行うことが困難である側面がある。
【0006】
すなわち、上記のマスタに定義されるルールは、製品の見積精度に直結する。このため、正しいルールの設定を維持管理する側面から、マスタメンテナンスの試行錯誤が重ねられる。
【0007】
1つの側面では、本発明は、マスタメンテナンスの作業支援を行うことができるメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援方法及びメンテナンス支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、メンテナンス支援プログラムは、製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
マスタメンテナンスの作業支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例1に係る見積業務支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、仕様入力画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、選択肢の絞込制御の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1に係るサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、マスタデータの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、仕様入力画面の他の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施例1に係るメンテナンス支援処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して本願に係るメンテナンス支援プログラム、メンテナンス支援方法及びメンテナンス支援装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0012】
[システム構成]
図1は、実施例1に係る見積業務支援システムの構成例を示す図である。
図1に示す見積業務支援システム1は、製造業等における営業部門3のパフォーマンスを高める側面から、製品の見積業務を支援する各種の機能がパッケージ化された見積業務サービスを提供するものである。
【0013】
図1に示すように、見積業務支援システム1には、サーバ装置10と、クライアント端末30A~30Bと、クライアント端末50A~50Bとが含まれ得る。以下、クライアント端末30A~30Bのことを「クライアント端末30」と記載し、クライアント端末50A~50Bのことを「クライアント端末50」と記載する場合がある。
【0014】
これらサーバ装置10、クライアント端末30及びクライアント端末50は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってかまわない。
【0015】
なお、
図1には、見積業務支援システム1の構成例が模式的に示されたものに過ぎず、個別具体的な実装は図示の例に限定されない。例えば、サーバ装置10に接続されるクライアント端末30及びクライアント端末50の数は、図示の例に限定されず、1つまたは3つ以上の任意の数であってかまわない。また、見積業務支援システム1には、ファイアウォールやロードバランサ、ファイルサーバ、データベースサーバなどが含まれることとしてもかまわない。
【0016】
サーバ装置10は、上記の見積業務支援サービスを提供するコンピュータである。サーバ装置10は、メンテナンス支援装置の一例に対応する。
【0017】
一実施形態として、サーバ装置10は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、上記の見積業務支援サービスに対応する機能を実現する見積業務支援プログラムを任意のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、サーバ装置10は、上記の見積業務支援サービスに関する機能をオンプレミスに提供するサーバとして実装することができる。これに限定されず、サーバ装置10は、SaaS(Software as a Service)型の業務アプリケーションとして実装することで、上記の見積業務支援サービスをクラウドサービスとして提供することとしてもかまわない。
【0018】
このような見積業務支援サービスのあくまで一例として、営業部門3における見積精度向上や見積のリードタイム短縮などを実現する機能全般がパッケージで提供される例を挙げて以下の説明を行う。例えば、上記の見積業務支援サービスとしてパッケージ化される機能の例として、「商談引合管理」や「コンフィグレーション」、「見積管理」などの機能が挙げられる。この他、上記の見積業務支援サービスには、技術部門5におけるマスタメンテナンスの作業支援を実現する機能の一例として、マスタ作成ツールや支援機能が存在する。画面項目情報や制約条件をツールに記述し、マスタに取り込むことで容易にコンフィグレーション画面を生成できる。ゆえにマスタメンテナンス者はプログラムやマスタを直接変更することなく、マスタ作成ツールによりマスタメンテナンスを実施する。また支援機能を用いることで動的に画面とルールの動きを確認することができる。
【0019】
クライアント端末30及びクライアント端末50は、いずれも上記の見積業務支援サービスの提供を受けるコンピュータの一例に対応する。クライアント端末30及びクライアント端末50には、デスクトップ型またはラップトップ型のパーソナルコンピュータなどが対応する。これらはあくまで例示に過ぎず、クライアント端末30及びクライアント端末50は、携帯端末装置やウェアラブル端末などの任意のコンピュータであってかまわない。
【0020】
このように、クライアント端末30及びクライアント端末50の間でハードウェアの種類や構成に差がなくともかまわない。その一方で、クライアント端末30及びクライアント端末50の間では、ユーザの所属部門に応じて上記の見積業務支援サービスのアカウントに付与される権限が異なる。
【0021】
例えば、クライアント端末30は、営業部門3に属するユーザによって使用される。このように営業部門3に属するユーザが使用するクライアント端末30により上記の見積業務支援サービスへのログインが行われた場合、クライアント端末30には、一例として、上記の見積業務支援サービスのうち商談引合管理やコンフィグレーション、見積管理などの機能が開放される。これらの機能が開放される一方で、クライアント端末30には、メンテナンス支援の機能は開放されずともかまわない。
【0022】
一方、クライアント端末50は、設計や製造などの技術部門5に属するユーザによって使用される。このように技術部門5に属するユーザが使用するクライアント端末50により上記の見積業務支援サービスへのログインが行われた場合、クライアント端末50には、一例として、上記のメンテナンス支援機能が開放される。その一因は、マスタに定義されたルールの削除や追加、変更などを行うメンテナンス作業は、製品の仕様をチェックするナレッジを有する技術部門5向けの技能であることが挙げられる。例えば、メンテナンス作業には、既存の製品の仕様をルールとして整理し、整理された全てのパターンのルールをマスタに登録し、マスタに従ってコンフィグレータを動作させつつルールが正常に機能しているか否かを確認するといった技能が求められる。なお、クライアント端末50にも、商談引合管理やコンフィグレーション、見積管理などの機能が開放されることとしてもかまわない。
【0023】
[マスタ定義]
以下、あくまで一例として、ルールが適用される「条件」および条件を満たす場合に実行される「制御」を含むルールがマスタに定義される例を挙げる。
【0024】
[マスタ改良]
本実施例では、マスタに定義するルールのスキーマの改良が図られている。
【0025】
従来、マスタには、n個の項目のうちi個の項目における選択肢の組合せに対応する条件と、残りn-i個の項目で選択を受け付ける選択肢を絞り込む制御とを含むルールを定義するスキーマが採用される。ここで言う「n」は、項目の総数に対応する任意の自然数を指し、例えば、n個の項目の各々のラベルを項目1、項目2、・・・、項目nと記載することがある。また、「i」は、ループカウンタを指し、ここでは、例えば、1からn-1までインクリメントされる。
【0026】
このため、従来のマスタ定義では、iが1からn-1までインクリメントされるパターンごとにn-i個の各項目で選択肢が絞り込まれる状況をさらに想定してルールを定義せねばならない故、マスタの定義作業が煩雑化する。
【0027】
例えば、下記に説明する計算により、仕様に関する項目の数がn個である製品のマスタに定義するルールの総数を求めることができる。
【0028】
例えば、n個の項目のうち1個(i=1)の項目が選択済みであるパターンでは、下記3つのケースでルールが定義される。すなわち、項目1が選択済みであるとしたとき、マスタに定義されるルールの数は、残りの項目数(n-1)×項目1の選択肢の総数となる。また、項目2が選択済みであるとしたとき、マスタに定義されるルールの数は、残りの項目数(n-1)×項目2の選択肢の総数となる。同様に、項目1が選択済みであるとしたとき、マスタに定義されるルールの数は、残りの項目数(n-1)×項目nの選択肢の総数となる。これら3つのケースのルールの数を小計することで、n個の項目のうち1個(i=1)の項目が選択済みである場合にマスタへ定義されるルールの数が求まる。
【0029】
次に、n個の項目のうち2個(i=2)の項目が選択済みであるパターンでは、n個の項目の中から2つの項目を選ぶnC2の組合せに対応するケースでルールが定義される。すなわち、n個の項目のうち項目1及び項目2が選択済みであるとしたとき、マスタに定義されるルールの数は、残りの項目数(n-2)×項目1及び項目2で選択可能な選択肢の組合せとなる。ここで言う「選択可能な組合せ」とは、項目1の選択肢及び項目2の選択肢の間で仕様上の制約から絞り込まれた組合せを指し、項目1の選択肢及び項目2の選択肢の全ての組合せの中から仕様上の制約を満たさない組合せは除外できる。また、同様に、項目1及び項目3が選択済みであるとしたとき、マスタに定義されるルールの数は、残りの項目数(n-2)×項目1及び項目3で選択可能な選択肢の組合せとなる。このような要領でnC2の組合せに対応するケースの数だけ繰り返して小計することで、n個の項目のうち2個(i=2)の項目が選択済みである場合にマスタへ定義されるルールの数が求まる。
【0030】
さらに、i=1やi=2のパターンと同様にして、i=3~i=n-1のパターンごとにルールの数の小計が求まる。その上で、i=1~i=n-1の各パターンで求められたルールの数の小計を合計することで、i=1~i=n-1の全てのパターンでマスタに定義されるルールの総数が求まる。
【0031】
以上の計算から分かる通り、従来のマスタ定義では、項目や選択肢の数が多いほどマスタに定義されるルールの数も増大する。さらに、個別受注生産が行われる製造業では、顧客特有の仕様の入力や、見積情報だけでなく詳細な設計・生産工程で使用する情報の雛形を作成するため、マスタに定義させるルールの数も増加する。したがって、従来のマスタ定義では、技術部門5におけるマスタの定義作業の工数は膨大なものになる。
【0032】
このことから、本実施例では、条件を定義するスキーマを簡略化する側面から、n個の項目のうち1つの項目における選択肢の単位でルールを適用する条件を定義するスキーマを採用する。すなわち、本実施例では、1つの選択肢に対応する条件と、条件で指定された選択肢が属する項目を除く残りn-1個の各項目で選択を受け付ける選択肢を絞り込む制御とを含むルールをマスタに定義するスキーマが採用される。
【0033】
このようなマスタ定義の改良と共に、本実施例では、操作対象とする項目の選択肢を制御する際、選択済みの選択肢ごとに当該選択肢の選択が該当する条件が定義されたルールをマスタから検索する動作をコンフィグレータに組み込む。さらに、本実施例では、検索がヒットするルールごとに当該ルールに定義された制御で絞り込まれる操作対象の項目の選択肢の集合の間でAND条件を満たす選択肢を抽出する動作をコンフィグレータに組み込む。
【0034】
これらマスタ定義及びコンフィグレータの改良によって、本実施例では、n個の項目のうち1つの項目の選択肢単独でマスタの条件を定義できるので、条件の定義を簡略化することができる。例えば、本実施例では、従来のマスタ定義に比べて、選択済みの項目の個数iが2個以上である条件のパターン、すなわちiが2~n-1までの条件のパターンについてルールを定義せずともよい分、技術部門5におけるマスタの定義作業の工数を削減できる。
【0035】
[課題の一側面]
このように、本実施例に係るマスタ定義によれば、技術部門5におけるマスタの定義作業を削減できる一面がある一方で、技術部門5におけるマスタメンテナンスの作業負荷が増加する一因になり得る一面もある。
【0036】
すなわち、本実施例に係るマスタ定義が行われる場合、コンフィグレータは、製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢のうち選択済みの選択肢に対応するルールごとに絞り込まれる選択肢の集合の間でAND条件を満たす選択肢を抽出する。この場合、マスタに定義されたルールの設定ミスが一因となって製品の仕様上の制約を満たす選択肢であっても非表示となる事例が発生し得る。
【0037】
しかしながら、表示漏れの選択肢は、そもそも非表示であるが故、表示漏れの発生を認識すること自体が困難である。このような表示漏れの発生を認識するには、マスタに定義されたルールを個別に確認する作業を通じて設定ミスがあるルールを発見する必要がある。ところが、製品の仕様に関する項目およびその選択肢が多くなるほどルールの数も膨大となるので、マスタメンテナンスの作業負荷が増大してしまう。
【0038】
[課題解決のアプローチの一側面]
そこで、本実施例では、製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢のうち選択済みの選択肢に対応するルールごとに絞り込まれる選択肢の集合の間のAND条件から漏れる選択肢を表示するメンテナンス支援機能を提供する。このようなメンテナンス支援機能によって、ルールの設定ミスが一因となって生じ得る選択肢の表示漏れの発見を支援し、もってマスタメンテナンスの作業支援を行う。
【0039】
あくまで一例として、上記のメンテナンス支援機能は、コンフィグレータが仕様入力画面などのウィンドウに出力する営業部門3のユーザ向けの表示には含まれない技術部門5のユーザ向けの表示をさらに表示する機能が含まれることとしてもよい。例えば、技術部門5のユーザ向けの表示の一例として、コンフィグレータが動作する内容が抽出されたログが挙げられる。このようなログは、仕様入力画面の一部に設定された表示エリアに表示させることとしてもよいし、あるいは仕様選定画面や見積画面などのウィンドウとは異なるウィンドウに表示させることとしてもかまわない。
【0040】
図2は、仕様入力画面の一例を示す図である。
図2には、あくまで一例として、技術部門5に所属するユーザのアカウントでログインされたクライアント端末50に表示される仕様入力画面200が示されている。
図2に示すように、仕様入力画面200には、ある製品の仕様に関する項目1「機種」、項目2「直径」および項目3「エンジン出力」の3つの項目ごとにプルダウンメニュー211~213が含まれ得る。これらプルダウンメニュー211~213のうちいずれかのプルダウンメニューに対する操作が行われた場合、当該操作が行われたプルダウンメニューの項目に表示する選択肢を絞り込む制御がマスタに定義されたルールにしたがって実行される。そして、プルダウンメニュー211~213を介して、項目1~項目3の3つの項目で3つの選択肢が選択された場合、3つの選択肢の組合せによって製品の仕様が決定される。この場合、クライアント端末50の表示は、
図2に示す仕様入力画面200から製品の見積書を表示する不図示の見積画面へ遷移させることができる。なお、戻るボタン221に対する操作が行われた場合、クライアント端末50の表示は、
図2に示す仕様入力画面200から見積対象とする製品を選択する製品選択画面に戻る。また、リセットボタン222に対する操作が行われた場合、プルダウンメニュー211~213の各選択肢の選択状態が選択済みの状態から未選択の状態へリセットされる。
【0041】
ここで、コンフィグレータが動作する際、仕様入力画面200には、技術部門5のユーザ向けのログ画面240の表示を呼び出すタグ230が含まれ得る。例えば、タグ230に対応する操作が行われた場合、
図2に示すように、ログ画面240のウィンドウの左端の位置が座標B0から座標B1まで左方向へスライドされることによってログ画面240の表示が露出する。このログ画面240には、プルダウンメニュー211~213のうちいずれかで選択肢が選択される選択イベントが検出される度に、当該選択イベントの単位でコンフィグレータが動作する処理内容が抽出されたログが表示開始位置H0から下方向へ時系列に追加される。
【0042】
図2に示す例で言えば、ログ画面240には、2つの選択イベントに関するログL1及びログL2が記述されている。これらログL1及びログL2には、選択イベントと、当該選択イベントで適用されたルールを識別するルール番号および当該ルールの適用により実行される選択肢の絞込制御とが記述される。
【0043】
例えば、ログL1には、項目1~項目3の全ての項目で選択肢が未選択である状態から項目1「機種」で選択肢「機種A」がプルダウンメニュー211を介して選択された際に記述された例が示されている。
【0044】
より具体的には、ログL1によれば、選択イベントとして、項目1「機種」の選択肢「機種A」の選択イベントが検出されたことが記述されている。さらに、選択イベントの検出を条件として適用されるルール番号「1」のルールで実行される初期化の内容が記述されている。すなわち、ルール番号「1」の適用により、項目1~項目3に対応するプルダウンメニュー211~213からコンフィグレータが参照するメモリの記憶領域へロードされた選択肢の値が初期化されたことが記述されている。このような初期化に伴って、プルダウンメニュー211から選択肢「機種A」の値がロードされると共に、プルダウンメニュー212及び213からNULL値がロードされる。この結果、選択肢「機種A」の選択を条件に適用されたルール番号「9」における選択肢の絞込制御の内容が記述されている。すなわち、ルール番号「9」が適用されることによって、項目2「直径」の選択肢を「500mm」、「650mm」、「800mm」、「1000mm」及び「1500mm」の集合から「500mm」、「650mm」、「800mm」及び「1000mm」の集合へ絞り込む制御が行われたことが記述されている。加えて、ルール番号「9」が適用されることによって、項目3「エンジン出力」の選択肢を「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」の集合から「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」の集合へ絞り込む絞込制御が行われたことが記述されている。
【0045】
さらに、ログL2には、項目1~項目3の3つの項目のうち項目1「機種」で選択肢「機種A」が選択された状態でさらに項目2「直径」の選択肢「500mm」がプルダウンメニュー212を介して選択された際に記述された例が示されている。
【0046】
より具体的には、ログL2によれば、選択イベントとして、項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントが検出されたことが記述されている。さらに、選択イベントの検出を条件として適用されるルール番号「2」のルールで実行される初期化の内容が記述されている。すなわち、ルール番号「2」の適用により、項目1~項目3に対応するプルダウンメニュー211~213からコンフィグレータが参照するメモリの記憶領域へロードされた選択肢の値が初期化されたことが記述されている。このような初期化に伴って、プルダウンメニュー211から選択肢「機種A」の値がロードされ、プルダウンメニュー212から選択肢「500mm」の値がロードされると共に、プルダウンメニュー213からNULL値がロードされる。この結果、選択肢「機種A」の選択を条件に適用されたルール番号「9」における選択肢の絞込制御の内容(上記のログL1と同様)が記述されている。
【0047】
これらルール番号「1」及びルール番号「9」に関する記述は、ログL1及びログL2の間で共通する。その一方で、ログL2では、選択肢「500mm」の選択を条件に適用されたルール番号「11」における選択肢の絞込制御の内容がさらに記述されている点が上記のログL1との相違点として現れる。
【0048】
この場合、項目3「エンジン出力」については、ルール番号「9」だけでなく、ルール番号「11」の選択肢の絞込制御が追加して行われる側面から、ルール番号「11」の選択肢の絞込制御及びルール番号「9」の選択肢の絞込制御がAND条件で適用される。なお、項目1「機種」については、ルール番号「9」では選択肢の絞込制御が行われないので、ルール番号「11」の選択肢の絞込制御が単独で適用される。すなわち、ルール番号「11」が適用されることによって、項目1「機種」の選択肢を「機種A」、「機種B」、「機種a」、「機種b」、「機種c」、「機種d」及び「機種e」の集合から「機種A」、「機種B」及び「機種a」の集合へ絞り込む絞込制御が行われたことが記述されている。
【0049】
図3は、選択肢の絞込制御の一例を示す図である。
図3には、ルール番号「9」及びルール番号「11」における項目3「エンジン出力」の選択肢の絞込制御を模式化して示す。
図3に示すように、ルール番号「9」は、項目3「エンジン出力」の選択肢を「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」を含む全体集合Uから「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」の集合R9へ絞り込むルールである。また、ルール番号「11」は、項目3「エンジン出力」の選択肢を「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」を含む全体集合Uから「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」及び「3.7kw」の集合R11へ絞り込むルールである。
【0050】
図3に示すように、項目3「エンジン出力」の選択肢は、ルール番号「9」のルールで絞り込まれた「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」の集合R9から、集合R9及び集合R11の和集合である「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」へさらに絞り込まれる。
【0051】
これら2段階の絞込制御が記述されたログL2によれば、項目3「エンジン出力」で選択を受け付ける選択肢は、ルール番号「9」で絞り込まれた選択肢の集合R9がルール番号「11」のルールでさらに絞り込まれる過程および結果を提示できる。
【0052】
つまり、ログL2の記述によれば、項目1「機種」の選択肢「機種A」が選択された後に項目2「直径」の選択肢「500mm」が選択された場合、項目3「エンジン出力」の選択肢が集合R9及び集合R11の和集合「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」に制約される過程及び結果を明示できる。これら項目1「機種」の選択肢「機種A」及び項目2「直径」の選択肢「500mm」の2つの選択による制約の結果は、プルダウンメニュー213に表示される選択肢の一覧からも確認できる。
【0053】
その一方で、項目3「エンジン出力」において集合R9及び集合R11のAND条件を満たす選択肢が絞り込まれる過程及び結果が表示されるだけでは、項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントによって選択肢の表示漏れが発生しているかどうかまでは注意喚起することは困難である。すなわち、項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントが行われることが原因となって、ルール番号「9」のルールで絞り込まれた集合R9がルール番号「11」のルールで集合R9及び集合R11の和集合である「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」へさらに絞り込まれることを提示するのが限界である。
【0054】
このことから、ログL2に示す通り、ルール番号「9」で絞り込まれた選択肢の集合R9にルール番号「11」のルールがさらに適用されることでAND条件から漏れる選択肢を識別した上でAND条件から漏れる選択肢が記述される。例えば、選択イベントに対応するルールで絞り込まれる集合R11のうち、集合R9及び集合R11の間でAND条件を満たす和集合から漏れる選択肢「3.7kw」がログL2に記述される。
【0055】
これによって、項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントに対応するルール番号「9」に設定ミスがある場合、ルール番号「9」の設定ミスによる選択肢「3.7kw」の表示漏れの発見を支援できる。
【0056】
したがって、本実施例に係るメンテナンス支援機能によれば、項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントによって選択肢の表示漏れが発生しているかどうかを注意喚起できるので、マスタメンテナンスの作業支援を行うことが可能になる。
【0057】
[サーバ装置10の構成]
図4は、実施例1に係るサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、サーバ装置10は、通信インタフェイス11と、記憶部13と、制御部15とを有する。なお、
図4には、データの授受の関係を表す実線が示されているが、説明の便宜上、最小限の部分について示されているに過ぎない。すなわち、各処理部に関するデータの入出力は、図示の例に限定されず、図示以外のデータの入出力、例えば処理部及び処理部の間、処理部及びデータの間、並びに、処理部及び外部装置の間のデータの入出力が行われることとしてもかまわない。
【0058】
通信インタフェイス11は、他の装置、例えばクライアント端末30やクライアント端末50との間で通信制御を行うインタフェイスである。
【0059】
あくまで一例として、通信インタフェイス11には、LANカードなどのネットワークインタフェイスカードを採用することができる。例えば、通信インタフェイス11は、クライアント端末30やクライアント端末50で動作するブラウザ等に表示される各種のウィンドウ、例えば仕様入力画面などに対する各種の操作情報を受け付ける。また、通信インタフェイス11は、クライアント端末30やクライアント端末50からの操作情報に対するウィンドウの更新結果をクライアント端末50へ送信したりする。
【0060】
記憶部13は、制御部15で実行されるOS(Operating System)を始め、各種プログラムに用いられるデータを記憶する機能部である。例えば、上記のプログラムには、上記の見積業務支援プログラムを始め、上記のコンフィグレーション機能がモジュール化されたコンフィグレータや上記のメンテナンス支援がモジュール化されたメンテナンス支援プログラムなどが対応し得る。
【0061】
あくまで一例として、記憶部13は、サーバ装置10における補助記憶装置に対応する。例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などが補助記憶装置に対応する。この他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などのフラッシュメモリも補助記憶装置に対応する。
【0062】
記憶部13は、制御部15で実行されるプログラムに用いられるデータの一例として、マスタデータ13Aを記憶する。このマスタデータ13A以外にも、上記の見積業務支援プログラム、コンフィグレータ、あるいはメンテナンス支援プログラムによって参照または生成が行われるデータなどが記憶部13に記憶されることとしてもかまわない。例えば、記憶部13は、上記の見積業務支援サービスのアカウントや権限などを始め、製品の仕様に関する項目ごとに定められた選択肢のリストと、当該リストに対応する設計データ、例えば、2次元や3次元モデル出力のための雛形情報や構成情報などを記憶する。なお、マスタデータ13Aの説明は、マスタデータ13Aの参照または更新が行われる制御部15の説明と合わせて行うこととする。
【0063】
制御部15は、サーバ装置10の全体制御を行う機能部である。
【0064】
一実施形態として、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより実装することができる。この他、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
【0065】
制御部15は、上記の見積業務支援プログラムを実行することにより、図示しない主記憶装置として実装されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのRAMのワークエリア上に
図4に示す処理部を仮想的に実現する。なお、ここでは、上記の見積業務支援サービスがパッケージ化されたパッケージソフトウェアが実行される例を挙げるが、サーバ装置10上で動作するプログラムはこれに限定されない。例えば、上記の見積業務支援サービスとしてパッケージ化される各種の機能のうち任意の機能を抜粋することで、上記のコンフィグレータ、あるいは上記のメンテナンス支援プログラムをプログラムモジュールとして実行したり、あるいはライブラリとして参照されたりすることとしてもかまわない。
【0066】
例えば、制御部15は、
図4に示すように、受付部15Aと、検索部15Bと、絞込部15Cと、識別部15Dと、表示制御部15Eとを有する。
【0067】
受付部15Aは、クライアント端末30やクライアント端末50から操作を受け付ける処理部である。
【0068】
一実施形態として、受付部15Aは、クライアント端末30やクライアント端末50で動作するブラウザ等に表示される各種のウィンドウ、例えば
図2に例示された仕様入力画面200などに対する各種の操作情報を受け付ける。
【0069】
検索部15Bは、各項目の選択状態に対応するルールを検索する処理部である。
【0070】
一実施形態として、検索部15Bは、製品の仕様を定める項目のうちいずれかの項目の選択肢を選択する選択イベントが発生する場合、未選択の項目が残っていることを条件に処理を起動することができる。例えば、検索部15Bは、製品の仕様を定める項目のうち、選択済みの項目ごとに選択済みの選択肢を特定する。その上で、検索部15Bは、記憶部13に記憶されたマスタデータ13Aのルールのうち、選択済みの選択肢の選択がルールの適用条件に該当するルールを検索する。
【0071】
ここで、マスタデータ13Aには、あくまで一例として、ルールが適用される条件の一例に対応する選択肢の選択イベントと、選択イベントに対応する選択肢が属する項目を除く残りの各項目で選択を受け付ける選択肢を絞り込む制御とを含むルールが定義される。
【0072】
図5は、マスタデータ13Aの一例を示す図である。
図5には、
図2に示された仕様入力画面200の項目1~項目3の3つの項目により仕様が決定される製品に関するマスタが例示されている。
図5に示すように、マスタデータ13Aには、No、条件、制御1および制御2などが対応付けられたデータを採用できる。
【0073】
ここで、上記の「No」とは、ルールの識別に用いられる番号、すなわちルール番号を指す。また、上記の「条件」とは、ルールが適用される条件を指す。さらに、上記の「制御1」及び上記の「制御2」とは、ルールを適応する条件を満たす場合に実行される制御を指す。
【0074】
例えば、ルール番号「1」を例に挙げれば、項目1「機種」の入力値の変更が行われた場合、ルール番号「1」のルールが適用される条件を満たすことをコンピュータに識別させることができる。この場合、ルール番号「1」の制御1が実行されることにより、項目2及び項目3に対応するプルダウンメニュー212及び213からコンフィグレータが参照するメモリの記憶領域へロードされた選択肢の値がリセットされる。さらに、ルール番号「1」の制御2が実行されることにより、項目2「直径」及び項目3「エンジン出力」の各々で適用されるルールが参照される。また、ルール番号「2」を例に挙げれば、項目2「直径」の入力値の変更が行われた場合、ルール番号「2」のルールが適用される条件を満たすことをコンピュータに識別させることができる。この場合、ルール番号「2」の制御1が実行されることにより、項目1及び項目3に対応するプルダウンメニュー211及び213からコンフィグレータが参照するメモリの記憶領域へロードされた選択肢の値がリセットされる。さらに、ルール番号「2」の制御2が実行されることにより、項目1「機種」及び項目3「エンジン出力」の各々で適用されるルールが参照される。なお、ここで言う「入力値の変更」とは、項目で選択を受け付けるGUIコンポーネントがプルダウンメニューである場合、選択肢の選択または再選択などが該当し得る。
【0075】
さらに、ルール番号「4」~ルール番号「10」には、項目1「機種」に設定された「機種A」、「機種B」、「機種a」、「機種b」、「機種c」、「機種d」及び「機種e」の選択肢のうちいずれかを選択する選択イベントに関する条件と、選択イベントに対応する制御とが対応付けられたルールが定義されている。例えば、ルール番号「9」を例に挙げれば、項目1「機種」に入力される入力値が「機種A」である場合、例えば項目1に対応するプルダウンメニュー211で選択肢「機種A」を選択する選択イベントが発生する場合、ルール番号「9」のルールが適用される条件を満たすことをコンピュータに識別させることができる。この場合、ルール番号「9」の制御1が実行されることにより、項目2「直径」の選択肢の絞込制御として、「500mm」、「650mm」、「800mm」、「1000mm」及び「1500mm」の集合から「500mm」、「650mm」、「800mm」及び「1000mm」の集合へ絞り込む制御が行われる。また、ルール番号「9」の制御2が実行されることにより、項目3「エンジン出力」の選択肢の絞込制御として、「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」の集合から「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」の集合へ絞り込む絞込制御が行われる。
【0076】
また、ルール番号「11」~ルール番号「15」には、項目2「直径」に設定された「500m」、「650mm」、「800mm」、「1000mm」及び「1500mm」の選択肢のうちいずれかを選択する選択イベントに関する条件と、選択イベントに対応する制御とが対応付けられたルールが定義されている。例えば、ルール番号「11」を例に挙げれば、項目2「直径」に入力される入力値が「500mm」である場合、例えば項目2に対応するプルダウンメニュー212で選択肢「500mm」を選択する選択イベントが発生する場合、ルール番号「11」のルールが適用される条件を満たすことをコンピュータに識別させることができる。この場合、ルール番号「11」の制御1が実行されることにより、項目3「エンジン出力」の選択肢の絞込制御として、「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」の集合から「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」及び「3.7kw」の集合へ絞り込む絞込制御が行われる。また、ルール番号「11」の制御2が実行されることにより、項目1「機種」の選択肢の絞込制御として、「機種A」、「機種B」、「機種a」、「機種b」、「機種c」、「機種d」及び「機種e」の集合から「機種A」、「機種B」及び「機種a」の集合へ絞り込む絞込制御が行われる。
【0077】
なお、ルール番号「16」~ルール番号「24」には、項目3「エンジン出力」に設定された「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」の選択肢のうちいずれかを選択する選択イベントに関する条件と、選択イベントに対応する制御とが対応付けられたルールが定義されている。
【0078】
例えば、
図2に示すように、項目1~項目3の3つの項目のうち項目1「機種」で選択肢「機種A」が選択された状態でさらに項目2「直径」の選択肢「500mm」をプルダウンメニュー212を介して選択する選択イベントが行われた場合、次のような検索が行われる。この場合、検索部15Bは、項目2「直径」の入力値の変更という条件に該当するルールをマスタデータ13Aから検索する。この結果、ルール番号「2」のルールがヒットする。このルール番号「2」のルールが適用される結果、項目1及び項目3に対応するプルダウンメニュー211及び213からコンフィグレータが参照するメモリの記憶領域へロードされた選択肢の値をリセットする制御が実行される。リセット後、項目1のプルダウンメニュー211から選択肢「機種A」の値がロードされ、項目2のプルダウンメニュー212から選択肢「500mm」の値がロードされると共に、項目3のプルダウンメニュー213からNULL値がロードされる。
【0079】
このように項目1のプルダウンメニュー211から選択肢「機種A」の値がロードされるのに伴って、検索部15Bは、項目1「機種」への入力値が「機種A」であるという条件に該当するルールをマスタデータ13Aから検索する。この結果、マスタデータ13Aにおけるルール番号「9」のルールがヒットする。さらに、項目2のプルダウンメニュー212から選択肢「500mm」の値がロードされるのに伴って、検索部15Bは、項目2「直径」への入力値が「500mm」であるという条件に該当するルールをマスタデータ13Aから検索する。この結果、マスタデータ13Aにおけるルール番号「11」のルールがヒットする。
【0080】
絞込部15Cは、選択肢の絞込制御を実行する処理部である。
【0081】
一実施形態として、絞込部15Cは、製品の仕様に関する項目のうち選択済みでない未選択の項目を1つ選択する。続いて、絞込部15Cは、検索部15Bによる検索でヒットするルールごとに選択肢の絞込制御を実行する。そして、絞込部15Cは、ルールごとに絞り込まれた選択肢の集合の間でAND条件を満たす選択肢を抽出する。このようにAND条件を満たす選択肢の抽出が全ての未選択の項目が選択されるまで繰り返される。
【0082】
例えば、
図2に示された仕様入力画面200の例で言えば、未選択の項目である項目3「エンジン出力」の選択肢に関し、ルール番号「9」の選択肢の絞込制御と、ルール番号「11」の選択肢の絞込制御とが行われる。すなわち、
図3に示された通り、ルール番号「9」のルールが適用されることにより、項目3「エンジン出力」の選択肢は、「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」を含む全体集合Uから「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」の集合R9へ絞り込まれる。また、ルール番号「11」のルールが適用されることにより、項目3「エンジン出力」の選択肢は、「0.4kw」、「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」、「3.7kw」、「5.5kw」、「11kw」及び「15kw」を含む全体集合Uから「0.75kw」、「1.5kw」、「2.2kw」及び「3.7kw」の集合R11へ絞り込まれる。その後、ルール番号「9」のルールで絞り込まれた選択肢の集合R9と、ルール番号「11」のルールで絞り込まれた選択肢の集合R11の間でAND条件を満たす選択肢「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」が抽出される。
【0083】
識別部15Dは、選択済みの選択肢に対応するルールごとに絞り込まれる選択肢の集合の間のAND条件から漏れる選択肢を識別する処理部である。
【0084】
一実施形態として、識別部15Dは、ログ画面240の表示がON状態である場合、例えばログ画面240が仕様入力画面200上に引き出されている場合、選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れた選択肢を識別する。
図2に示された例で言えば、識別部15Dは、ルール番号「9」で絞り込まれた選択肢の集合R9に選択イベントに対応するルール番号「11」のルールがさらに適用されることでAND条件から漏れる選択肢を識別する。例えば、選択イベントに対応するルールで絞り込まれる集合R11のうち、集合R9及び集合R11の間でAND条件を満たす和集合から漏れる選択肢「3.7kw」が識別される。
【0085】
表示制御部15Eは、クライアント端末30やクライアント端末50で動作するブラウザ等に表示される各種のウィンドウに対する表示制御を行う処理部である。
【0086】
1つの側面として、表示制御部15Eは、
図2に示された仕様入力画面200における未選択の項目に対応するプルダウンメニューごとに絞込部15Cにより抽出されたAND条件を満たす選択肢をセットする。例えば、項目3「エンジン出力」の例で言えば、プルダウンメニュー213には、選択肢「0.75kw」、「1.5kw」及び「2.2kw」を選択可能な状態で保持させる。
【0087】
他の側面として、表示制御部15Eは、選択イベントと、選択イベントで適用されたルール番号およびルールの適用により実行される選択肢の絞込制御と、識別部15Dにより選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れると識別された選択肢とを含むログをログ画面240に表示させる。例えば、
図2に示されたログ画面240の例で言えば、ログL1の終了位置の後に項目2「直径」の選択肢「500mm」の選択イベントに対応するログL2が追加して表示される。この際、表示制御部15Eは、ログの先頭をログ画面240の開始位置に合わせて表示することもできる。
図6は、仕様入力画面の他の一例を示す図である。
図6に示すように、仕様入力画面300のログ画面340では、
図2に示す仕様入力画面200のログ画面240に比べて、ログL2の表示位置が異なる。すなわち、ログ画面340では、ログL2の先頭がログ画面340の開始位置B0に合わせて表示される。このように、選択イベントが発生する度に当該選択イベントに対応するログの先頭をログ画面340の開始位置B0に合わせて表示することで、複数のログの中から最新の選択イベントに対応するログを発見する作業を不要化できる。
【0088】
[処理の流れ]
図7は、実施例1に係るメンテナンス支援処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、選択イベントが発生する場合に実行することができる。
図7に示すように、選択イベントの発生時に未選択の項目が残っている場合(ステップS101YesかつステップS102Yes)、検索部15Bは、製品の仕様を定める項目のうち、選択済みの項目ごとに選択済みの選択肢を特定する(ステップS103)。
【0089】
続いて、検索部15Bは、ステップS103で特定された選択済みの選択肢ごとに当該選択肢の選択がルールの適用条件に該当するルールをマスタデータ13Aから検索する(ステップS104)。
【0090】
そして、絞込部15Cは、製品の仕様に関する項目のうち選択済みでない未選択の項目を1つ選択する(ステップS105)。続いて、絞込部15Cは、ステップS104の検索でヒットするルールごとに選択肢の絞込制御を実行する(ステップS106)。そして、絞込部15Cは、ステップS106でルールごとに絞り込まれた選択肢の集合の間でAND条件を満たす選択肢を抽出する(ステップS107)。その上で、表示制御部15Eは、仕様入力画面における未選択の項目に対応するプルダウンメニューごとにステップS107で抽出されたAND条件を満たす選択肢をセットする(ステップS108)。
【0091】
その後、全ての未選択の項目が選択されるまで(ステップS109No)、上記のステップS105から上記のステップS108までの処理を繰り返す。そして、全ての未選択の項目が選択された場合(ステップS109Yes)、識別部15Dは、ログ画面の表示がON状態であるか否かを判定する(ステップS110)。
【0092】
ここで、ログ画面の表示がON状態である場合(ステップS110Yes)、識別部15Dは、選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れた選択肢を識別する(ステップS111)。そして、表示制御部15Eは、選択イベントと、選択イベントで適用されたルール番号およびルールの適用により実行される選択肢の絞込制御と、ステップS111で選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れると識別された選択肢とを含むログの開始位置をログ画面の開始位置に合わせて表示し(ステップS112)、処理を終了する。
【0093】
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10は、製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢のうち選択済みの選択肢に対応するルールごとに絞り込まれる選択肢の集合の間のAND条件から漏れる選択肢を表示するメンテナンス支援機能を提供する。このようなメンテナンス支援機能によって、ルールの設定ミスが一因となって生じ得る選択肢の表示漏れの発見を支援できる。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、マスタメンテナンスの作業支援を行うことが可能である。
【実施例2】
【0094】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0095】
[AND条件から漏れる選択肢]
上記の実施例1では、AND条件から漏れる選択肢の一例として、選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れた選択肢をログ画面に表示させる例を挙げたが、これに限定されない。例えば、選択イベントに対応するルール以外の他のルールの絞込制御でAND条件から漏れた選択肢をログ画面に表示させることもできる。例えば、
図3に示す例で言えば、集合R9及び集合R11の間でAND条件を満たす和集合から漏れる選択肢「0.4kw」をさらにログ画面に表示させることもできるし、当該選択肢「0.4kw」のみをログ画面に表示させることとしてもかまわない。
【0096】
また、上記の実施例1では、ログの先頭を選択イベントとする例を挙げたが、選択イベント以外をログの先頭に表示させることもできる。例えば、選択イベントに対応するルールの絞込制御でAND条件から漏れた選択肢をログの先頭としてログ画面の開始位置に合わせて表示させることもできる。
【0097】
また、上記の実施例1では、ログの先頭をログ画面の開始位置に合わせて表示させる例を挙げたが、選択イベントの選択肢に対応する項目の位置、例えば高さ方向の座標と、ログの先頭の位置とを合わせて表示することもできる。
【0098】
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、受付部15A、検索部15B、絞込部15C、識別部15Dまたは表示制御部15Eをサーバ装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、受付部15A、検索部15B、絞込部15C、識別部15Dまたは表示制御部15Eを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもよい。また、記憶部13に記憶されるマスタデータ13Aの全部または一部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもかまわない。
【0099】
[メンテナンス支援プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、
図8を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するメンテナンス支援プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0100】
図8は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図8に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
【0101】
HDD170には、
図8に示すように、上記の実施例1で示した受付部15A、検索部15B、絞込部15C、識別部15D及び表示制御部15Eと同様の機能を発揮するメンテナンス支援プログラム170aが記憶される。このメンテナンス支援プログラム170aは、
図4に示された受付部15A、検索部15B、絞込部15C、識別部15D及び表示制御部15E部の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
【0102】
このような環境の下、CPU150は、HDD170からメンテナンス支援プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、メンテナンス支援プログラム170aは、
図8に示すように、メンテナンス支援プロセス180aとして機能する。このメンテナンス支援プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうちメンテナンス支援プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、メンテナンス支援プロセス180aが実行する処理の一例として、
図7に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
【0103】
なお、上記のメンテナンス支援プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にメンテナンス支援プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体からメンテナンス支援プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などにメンテナンス支援プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらからメンテナンス支援プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
【0104】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0105】
(付記1)製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する、
処理をコンピュータに実行させるメンテナンス支援プログラム。
【0106】
(付記2)前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢のうち最後に選択を受け付けた選択肢に対応するルールの絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れた選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記1に記載のメンテナンス支援プログラム。
【0107】
(付記3)前記表示する処理は、製品の仕様を定める複数の項目ごとに選択を受け付けた選択肢の組合せに基づいて決定した製品の仕様に関する項目および前記項目の選択肢を表示するウィンドウとは異なる他のウィンドウに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記1に記載のメンテナンス支援プログラム。
【0108】
(付記4)前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢に対応する絞込条件および前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を含むログを表示することを特徴とする付記3に記載のメンテナンス支援プログラム。
【0109】
(付記5)前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記他のウィンドウの開始位置に合わせて表示することを特徴とする付記4に記載のメンテナンス支援プログラム。
【0110】
(付記6)前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記ウィンドウで最後に選択を受け付けた選択肢に対応する項目の位置に合わせて表示することを特徴とする付記4に記載のメンテナンス支援プログラム。
【0111】
(付記7)製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する、
処理をコンピュータが実行するメンテナンス支援方法。
【0112】
(付記8)前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢のうち最後に選択を受け付けた選択肢に対応するルールの絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れた選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記7に記載のメンテナンス支援方法。
【0113】
(付記9)前記表示する処理は、製品の仕様を定める複数の項目ごとに選択を受け付けた選択肢の組合せに基づいて決定した製品の仕様に関する項目および前記項目の選択肢を表示するウィンドウとは異なる他のウィンドウに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記7に記載のメンテナンス支援方法。
【0114】
(付記10)前記表示する処理は、前記選択済みの項目の選択肢に対応する絞込条件および前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を含むログを表示することを特徴とする付記9に記載のメンテナンス支援方法。
【0115】
(付記11)前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記他のウィンドウの開始位置に合わせて表示することを特徴とする付記10に記載のメンテナンス支援方法。
【0116】
(付記12)前記表示する処理は、前記ログの先頭を前記ウィンドウで最後に選択を受け付けた選択肢に対応する項目の位置に合わせて表示することを特徴とする付記10に記載のメンテナンス支援方法。
【0117】
(付記13)製品の仕様を定める項目ごとに選択を受け付ける選択肢と、前記選択肢が属する項目を除く残りの項目に対応する選択肢の中から選択を受け付ける選択肢を絞り込む絞込条件とが対応付けられたルールのうち、選択済みの項目の選択肢に対応するルールごとに前記ルールの絞込条件で絞り込まれる選択肢を表示可能に制御するとともに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示する表示制御部、
を有することを特徴とするメンテナンス支援装置。
【0118】
(付記14)前記表示制御部は、前記選択済みの項目の選択肢のうち最後に選択を受け付けた選択肢に対応するルールの絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れた選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記13に記載のメンテナンス支援装置。
【0119】
(付記15)前記表示制御部は、製品の仕様を定める複数の項目ごとに選択を受け付けた選択肢の組合せに基づいて決定した製品の仕様に関する項目および前記項目の選択肢を表示するウィンドウとは異なる他のウィンドウに、前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を、前記絞込条件と関連付けて表示することを特徴とする付記13に記載のメンテナンス支援装置。
【0120】
(付記16)前記表示制御部は、前記選択済みの項目の選択肢に対応する絞込条件および前記絞込条件で絞り込まれた選択肢の集合から漏れる選択肢を含むログを表示することを特徴とする付記15に記載のメンテナンス支援装置。
【0121】
(付記17)前記表示制御部は、前記ログの先頭を前記他のウィンドウの開始位置に合わせて表示することを特徴とする付記16に記載のメンテナンス支援装置。
【0122】
(付記18)前記表示制御部は、前記ログの先頭を前記ウィンドウで最後に選択を受け付けた選択肢に対応する項目の位置に合わせて表示することを特徴とする付記16に記載のメンテナンス支援装置。
【符号の説明】
【0123】
1 見積業務支援システム
10 サーバ装置
11 通信インタフェイス
13 記憶部
13A マスタデータ
15 制御部
15A 受付部
15B 検索部
15C 絞込部
15D 識別部
15E 表示制御部
30,50 クライアント端末