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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20230627BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230627BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230627BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20230627BHJP
   B60L 53/50 20190101ALI20230627BHJP
【FI】
H02J1/00 304E
H02J7/00 303B
H02J3/38 120
H02J3/14 160
H02J7/00 P
H02J1/00 306L
B60L53/50
H02J7/00 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019197198
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021072685
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 栄一郎
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/020508(WO,A1)
【文献】特開2006-288079(JP,A)
【文献】特開2001-184406(JP,A)
【文献】特開2015-005120(JP,A)
【文献】特開2009-148121(JP,A)
【文献】特開2013-172488(JP,A)
【文献】特開2014-183723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 1/16
H02J 3/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 13/00
H01M 10/42 - 10/48
B60K 6/20 - 6/547
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
B60W 10/00 - 20/50
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に充電する充電部と、
表示装置と、
前記充電部を制御するとともに、発電方式、仕入れ先、又は前記充電部に接続される電力線によって区別される複数の電力の中から、前記充電部から前記電動車両に給電する電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニューを前記表示装置に表示する制御部と
を備え、
前記充電部は、前記複数の電力が電力線を介して供給され、前記電力選択メニューで選択された電力を前記電動車両に給電
前記制御部は、
前記電動車両に給電する電力の電気料金以外の金銭を支払うか否かをユーザに選択させる金銭選択メニューを前記表示装置に表示し、前記金銭選択メニューにより前記金銭を支払うことを選択された場合には、前記電気料金及び前記金銭の金額を合計した金額をユーザが支払う金額として前記表示装置に表示する
ことを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記充電部には、系統電力である第1電力が供給される第1電力線と、前記系統電力以外の電力である第2電力が供給される第2電力線とが接続され、
前記制御部は、前記充電部から前記電動車両に給電する電力として、前記第1電力と前記第2電力とのいずれかを選択可能な前記電力選択メニューを前記表示装置に表示し、 前記充電部は、前記電力選択メニューで選択された前記電力を前記電動車両に給電する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
電動車両に充電する充電部と、
表示装置と、
前記充電部を制御するとともに、発電方式、仕入れ先、又は前記充電部に接続される電力線によって区別される複数の電力の中から、前記充電部から前記電動車両に給電する電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニューを前記表示装置に表示する制御部と
を備え、
前記充電部は、前記複数の電力が電力線を介して供給され、前記電力選択メニューで選択された電力を前記電動車両に給電し
前記充電部には、系統電力である第1電力が供給される第1電力線と、前記系統電力以外の電力である第2電力が供給される第2電力線とが接続され、
前記制御部は、前記充電部から前記電動車両に給電する電力として、前記第1電力と前記第2電力とのいずれかを選択可能な前記電力選択メニューを前記表示装置に表示し、 前記充電部は、前記電力選択メニューで選択された前記電力を前記電動車両に給電し、
前記充電部に複数の自営線が接続されることで前記仕入れ先が異なる複数の第2電力が供給され、
前記制御部は、
前記電力選択メニューで前記第2電力が選択された場合には、前記第2電力の複数の仕入れ先から一つの仕入れ先を選択する発電所選択メニューを前記表示装置に表示し、
前記充電部は、前記発電所選択メニューで選択された前記仕入れ先からの電力を前記電動車両に給電する
ことを特徴とする給電システム。
【請求項4】
前記第2電力線は、自営線であり、
前記第2電力は、再生可能エネルギーにより発電された電力である、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電動車両に系統電力を給電する給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4954304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記給電システムは、系統電力のみを電動車両に給電するものである。したがって、ユーザは、電動車両に給電する電力として所望の電力(例えば、系統電力以外の電力)を選択することができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電動車両に給電する電力をユーザが選択することができる給電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、電動車両に充電する充電部と、表示装置と、発電方式、仕入れ先、又は前記充電部に接続される電力線によって区別される複数の電力の中から、前記充電部から前記電動車両に給電する電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニューを前記表示装置に表示する制御部とを備え、前記充電部は、前記複数の電力が電力線を介して供給され、前記電力選択メニューで選択された電力を前記電動車両に給電する、ことを特徴とする給電システムである。
【0007】
(2)上記(1)の給電システムであって、前記充電部には、系統電力である第1電力が供給される第1電力線と、前記系統電力以外の電力である第2電力が供給される第2電力線とが接続され、前記制御部は、前記充電部から前記電動車両に給電する電力として、前記第1電力と前記第2電力とのいずれかを選択可能な前記電力選択メニューを前記表示装置に表示し、前記充電部は、前記電力選択メニューで選択された前記電力を前記電動車両に給電してもよい。
【0008】
(3)上記(2)の給電システムであって、前記第2電力線は、自営線であり、前記第2電力は、再生可能エネルギーにより発電された電力であってもよい。
【0009】
(4)上記(1)から上記(3)のいずれかの給電システムであって、前記制御部は、前記電動車両に給電する電力の電気料金以外の金銭を支払うか否かをユーザに選択させる金銭選択メニューを前記表示装置に表示し、前記金銭選択メニューにより前記金銭を支払うことを選択された場合には、前記電気料金及び前記金銭の金額を合計した金額をユーザが支払う金額として前記表示装置に表示してもよい。
【0010】
(5)上記(2)から上記(4)のいずれかの給電システムであって、前記充電部に複数の自営線が接続されることで前記仕入れ先が異なる複数の第2電力が供給され、前記制御部は、前記電力選択メニューで前記第2電力が選択された場合には、前記第2電力の複数の仕入れ先から一つの仕入れ先を選択する発電所選択メニューを前記表示装置に表示し、前記充電部は、前記発電所選択メニューで選択された前記仕入れ先からの電力を前記電動車両に給電してもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、電動車両に給電する電力をユーザが選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る給電システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る充電スタンド9の概略構成図である。
図3】本実施形態に係る電力選択メニューを説明する図である。
図4】本実施形態に係る金銭選択メニューを説明する図である。
図5】本実施形態に係る支払金額を表示部20に表示したときの表示画面を示す図である。
図6】本実施形態に係る充電スタンド9の動作フロー図である。
図7】本実施形態に係る電力選択メニューの第1変形例を示す図である。
図8】本実施形態に係る電力選択メニューの第2変形例を示す図である。
図9】本実施形態に係る発電所選択メニューを説明する図である。
図10】本実施形態に係る給電システム1の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る給電システム1を、図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る給電システム1の概略構成の一例を示す図である。
給電システム1は、電動車両に給電するシステムである。例えば、電動車両は、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車である。
【0015】
図1に示すように、給電システム1は、第1発電所2、第2発電所3、卸電力取引所4、電力管理部5、第1電力線6、第3発電所7、第2電力線8、及び充電スタンド9を備える。
【0016】
第1発電所2は、再生可能エネルギーによって発電し、発電した電力を電力管理部5に供給する。再生可能エネルギーは、太陽光、風力、地熱、中小水力、又はバイオマスなどの温室効果ガスを排出しないエネルギー源である。
【0017】
第2発電所3は、再生可能エネルギー以外で発電し、発電した電力を電力管理部5に供給する。再生可能エネルギー以外で発電した電力とは、石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーによって発電した電力や原子力発電によって発電した電力である。
【0018】
卸電力取引所4は、例えば、日本卸電力取引所(JEPX:Japan Electric Power Exchange)であり、発電所や電力管理部5が電力の売買を行える電力取引市場である。
【0019】
電力管理部5は、第1発電所2、第2発電所3及び卸電力取引所4からの電力である系統電力(第1電力)を、第1電力線6を介して充電スタンド9に供給する。ただし、これに限定されず、例えば、電力管理部5は、第2発電所3からの電力のみ電力管理部5に供給してもよい。電力管理部5は、第1発電所2や第2発電所3の発電所から充電スタンド9までつながる第1電力線6を管理する配電事業者及び電力を小売する小売電気事業者を含む。なお、本実施形態に係る系統電力は、第1電力線6を介して供給される電力である。
【0020】
第1電力線6は、送電線・配電線などの送配電網である。第1電力線6は、第1発電所2や第2発電所3の発電所の電力を充電スタンド9に供給するための電力線である。
【0021】
第3発電所7は、再生可能エネルギーによって発電した電力を、第2電力線8を介して充電スタンド9に供給する。第3発電所7は、充電スタンド9に設置されている地域(例えば、県内)で再生可能エネルギーによって発電する発電所を備え、当該発電所によって発電された電力(以下、「地産地消電力」という。)を、第2電力線8を介して充電スタンドに供給する。なお、地産地消電力は、本発明の「第2電力」の一例である。
【0022】
第2電力線8は、第3発電所7の発電所の電力を充電スタンド9に供給するための電力線である。第2電力線8は、例えば、特定規模電気事業者が電力供給のために自ら敷設した電線である、いわゆる自営線である。
【0023】
充電スタンド9は、電動車両に電力を充電する。充電スタンド9には、第1電力線6及び第2電力線8がそれぞれ接続されており、系統電力及び地産地消電力が供給される。充電スタンド9は、例えば、複数の駐車スペースのそれぞれに設けられている。
充電スタンド9は、電動車両に充電する電力の種類をユーザが選択できる選択手段を有数する。本実施形態に係る充電スタンド9は、系統電力と地産地消電力との中から、電動車両に充電する電力をユーザが選択できる選択手段を有する。なお、本実施形態に係る選択手段は、充電スタンド9に設けられているが、これに限定されず、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末に設けられてもよい。
【0024】
以下に、本実施形態に係る充電スタンド9の概略構成の一例を、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る充電スタンド9の概略構成図である。
【0025】
図2に示すように、充電スタンド9は、充電部10、充電ケーブル11、表示装置12、精算部14及び制御部13を備える。
【0026】
充電部10は、電動車両に系統電力又は地産地消電力を充電する。充電部10には、第1電力線6及び第2電力線8がそれぞれ接続されており、系統電力及び地産地消電力の双方電力が供給される。充電部10は、上記選択手段によってユーザが選択した電力を充電ケーブル11から供給する。
具体的には、充電部10は、制御部13により第1制御信号を受信した場合には、第1電力線6と充電ケーブル11とを電気的に接続させ、充電ケーブル11を介して系統電力を電動車両に給電する。一方、充電部10は、制御部13により第2制御信号を受信した場合には、第2電力線8と充電ケーブル11とを電気的に接続させ、充電ケーブル11を介して地産地消電力を電動車両に給電する。
【0027】
なお、充電部10は、交流電力を直流電力に変換する交直変換器や降圧又は昇圧可能なコンバータを有してもよい。
【0028】
充電ケーブル11は、充電スタンド9から延びるケーブルである。ユーザは、充電ケーブル11の先端に設けられた充電プラグ11aを電動車両のインレットに接続することにより、充電ケーブル11を介して充電部10から電動車両への充電が可能な状態となる。
【0029】
表示装置12は、表示部20及び操作部21が一体に形成されたユーザーインターフェイスである。すなわち、表示装置は、タッチパネル付きのディスプレイを備える。
【0030】
表示部20は、制御部13の制御に基づいて情報を表示する。表示部20は、例えば、液晶パネルなどのパネル状のディスプレイである。
【0031】
操作部21は、表示部20と一体に形成されたタッチパネル方式の操作機構を備えており、ユーザの押下情報を検知する。操作部21は、押下情報を制御部13に出力する。
【0032】
制御部13は、発電方式、仕入れ先、又は充電スタンド9に供給される電力の電力線によって区別される電力の種類のうち、充電部10から電動車両に充電する電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニューを表示部20に表示する。ここで、仕入れ先とは、電力会社や発電所でもよいし、電力の発電場所でもよい。本実施形態では、制御部13は、図3に示すように、系統電力及び地域地産電力のうち、充電部10から電動車両に充電する電力をユーザに選択させる電力選択メニュー100を表示部20に表示する。図3に示す例では、電力選択メニュー100内には、「系統電力」及び「地産地消電力」の情報が表示されている。したがって、電力選択メニュー100の中から「系統電力」又は「地産地消電力」がユーザによって選択された場合には、制御部13は、操作部21からの押下情報によって、ユーザによって選択された電力を特定する。ここで、制御部13が特定した電力を「特定電力」と称する。なお、特定電力とは、ユーザが電力選択メニューによって選択した電力であって、充電部10から電動車両に給電される電力(以下、「給電電力」という。)である。なお、電力選択メニュー100において、「地産地消電力」に代えて大手電力会社や地域新電力会社が有する「再生可能エネルギー由来の電力」としてもよい。
【0033】
制御部13は、充電部10が電動車両に給電する電力の種類がユーザにより選択された後に電動車両に給電する電力の電気料金X以外の金銭である応援金Yを支払うか否かをユーザに選択させる金銭選択メニュー200を表示部20に表示する。ただし、これに限定されず、制御部13は、電力選択メニュー100を表示部20に表示する前に金銭選択メニュー200を表示部20に表示してもよい。また、制御部13は、電動車両に対する充電が終了した後に金銭選択メニュー200を表示部20に表示してもよい。
【0034】
応援金Yは、充電スタンド9が設置されている地域を応援することを目的とする寄附金である。よって、応援金Yは、発電所である第3発電所7や地域の地方公共団体などに寄附される。ただし、これに限定されず、応援金Yは、被災地域など地域以外の寄附金(例えば、義援金や支援金)であってもよい。
図4に示す例では、金銭選択メニュー200内には、「地域応援金を寄附しますか」の情報とともに、「YES」及び「NO」の情報が表示されている。
【0035】
制御部13は、操作部21からの押下情報に基づいて、ユーザが「YES」が選択されたと判定した場合には、図5に示すように、電気料金X及び応援金Yを合計した金額Zをユーザが支払う金額(以下、「支払金額」という。)として表示部20に表示する。一方、制御部13は、操作部21からの押下情報に基づいて、ユーザが「NO」が選択されたと判定した場合には、電気料金Xのみを支払金額として表示部20に表示する。
【0036】
制御部13は、電力選択メニュー100により給電電力が選択された後、又は、ユーザによる支払金額の支払いが完了すると、充電部10を制御して、電力選択メニュー100でユーザが選択した電力を、充電部10から電動車両に給電させる。例えば、制御部13は、特定電力が「系統電力」である場合には、充電部10に第1制御信号を出力することで、系統電力を電動車両に給電させる。一方、制御部13は、特定電力が「地産地消電力」である場合には、充電部10に第2制御信号を出力することで、地産地消電力を電動車両に給電させる。
【0037】
なお、制御部13は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサ及び不揮発性又は揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory))を備えてもよい。例えば、制御部13は、MCUなどのマイクロコントローラであってもよい。
【0038】
精算部14は、表示部20に表示された支払代金の精算を行う。例えば、精算部14は、紙幣挿入口、硬貨投入口、及び釣銭・領収証取出口を備える。紙幣挿入口、硬貨投入口、及び釣銭・領収証取出口は、充電スタンド9の前面に設けられている。
紙幣挿入口及び硬貨投入口は、ユーザが駐車料金を支払うために設けられたものである。釣銭・領収証取出口は、ユーザがお釣りや領収証等を受け取るために設けられたものである。ただし、精算部14は、現金だけの支払いをする処理だけでなく、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理を実行してもよい。
【0039】
次に、本実施形態に係る充電スタンド9の動作について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る充電スタンド9の動作を説明する。
【0040】
所定の駐車スペースに電動車両が駐車すると、制御部13は、給電電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニュー100を表示部20に表示する(ステップS101)。これにより、ユーザは、電力選択メニュー100で電力選択メニュー100から所望の電力を給電電力として選択することができる。例えば、電気料金が安いことを望むユーザは、電力選択メニューで系統電力を選択することで、電気料金を抑えることができる。また、地球環境やCO削減に貢献したい場合や充電スタンド9が設置されている地域に貢献したいユーザは、電力選択メニューで地域地産電力を選択することで、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーで発電した電力や地域で発電した電力を充電に用いることができる。
【0041】
電力選択メニュー100により給電電力が選択されると、制御部13は、充電部10を制御して、電力選択メニュー100で選択された電力を充電ケーブル11から供給されるように制御する(ステップS102)。これにより、電動車両に対する充電が開始され、所定の電力量の電力が電動車両に充電される。なお、制御部13は、電力選択メニュー100で給電電力が選択された後に表示部20に「充電を開始しますか」などの情報を表示し、ユーザが充電を開始する操作を操作部21に対して行ったことを契機として給電電力を電動車両に供給するようにしてもよい。
【0042】
制御部13は、電動車両に対する充電が完了すると、応援金Yを支払うか否かをユーザに選択させる金銭選択メニュー200を表示部20に表示する(ステップS103)。
【0043】
制御部13は、金銭選択メニュー200により応援金Yを支払うことが選択されると、電気料金X及び応援金Yを合計した金額を支払金額として表示部20に表示する(ステップS104)。一方、制御部13は、金銭選択メニュー200により応援金Yを支払わないことが選択されると、電気料金Xのみを支払金額として表示部20に表示する(ステップS104)。
【0044】
精算部14は、表示部20に表示された支払代金の精算を行う精算処理を実行する(ステップS105)。
なお、電動車両への給電は、精算部14の精算処理が完了した後に行ってもよい。この場合には、給電電力の電力量は、ユーザにより操作部21を介して選択されてもよい。
【0045】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0046】
(変形例1)上記実施形態において、制御部13は、電力選択メニュー100を表示部20に表示するにあたって、図7に示すように、系統電力の単価及び地域地産電力の単価の情報を表示してもよい。制御部13は、系統電力の単価を電力管理部5から取得してもよい。また、制御部13は、地域地産電力の単価を第3発電所7や第3発電所7の事業者から取得してもよい。
【0047】
(変形例2)上記実施形態に係る電力選択メニュー100は、複数の電力から給電電力をユーザに選択させるものであればよく、「系統電力」や「地域地産電力」などの電力の名称を表示しなくてもよい。例えば、図8(a)に示すように、電力選択メニュー100内には、「なるべく安い電力を使いたい」及び「地域で発電された電力(再生可能エネルギー)を使いたい」という情報が表示されてもよい。この場合において、電力選択メニュー100の中から「なるべく安い電力を使いたい」がユーザによって選択された場合には、制御部13は、操作部21からの押下情報によって、ユーザによって系統電力が選択されたと判定する。すなわち、特定電力が「系統電力」であるとする。一方、電力選択メニュー100の中から「地域で発電された電力(再生可能エネルギー)を使いたい」がユーザによって選択された場合には、制御部13は、操作部21からの押下情報によって、ユーザによって地域地産電力が選択されたと判定する。すなわち、特定電力が「地域地産電力」であるとする。
また、図8(b)に示すように、電力選択メニュー100内には、「なるべく安い電力を使いたい」及び「環境に良い(COを排出しない)エネルギーで発電した電力を使いたい」という情報が表示されてもよい。この場合において、電力選択メニュー100の中から「なるべく安い電力を使いたい」がユーザによって選択された場合には、制御部13は、操作部21からの押下情報によって、ユーザによって系統電力が選択されたと判定する。すなわち、特定電力が「系統電力」であるとする。一方、電力選択メニュー100の中から「環境に良い(COを排出しない)エネルギーで発電した電力を使いたい」がユーザによって選択された場合には、制御部13は、操作部21からの押下情報によって、ユーザによって地域地産電力が選択されたと判定する。すなわち、特定電力が「地域地産電力」であるとする。
【0048】
(変形例3)上記実施形態において、充電スタンド9には、複数の第2電力線8(自営線)が接続されてもよい。そして、充電スタンド9に複数の第2電力線8が接続されている場合、すなわち、複数の第3発電所(仕入れ先)7で発電された各地産地消電力が充電スタンド9に供給される場合において、制御部13は、電力選択メニュー100で「地産地消電力」が選択された場合には、それぞれ地産地消電力を供給している複数の第3発電所7の中から、任意の発電所をユーザに選択させる発電所選択メニュー300を表示部20に表示してもよい。例えば、図9に示すように、制御部13は、地産地消電力の仕入れ先である複数の第3発電所7のそれぞれを紹介する情報(以下、「紹介情報」という。)301を第3発電所7ごとに表示する。紹介情報301は、発電所の住所(例えば、〇〇県〇〇市〇〇町)や発電所の種類(太陽光発電や風力発電、バイオマス発電)の情報を有する。さらに、紹介情報301は、発電所の事業者を紹介する紹介画像302を有してもよい。ユーザは、発電所選択メニュー300において、所望の第3発電所7の紹介情報が表示されている領域をタッチすることで、当該第3発電所7を選択することができる。
したがって、制御部13は、操作部21からの押下情報に基づいて、ユーザが選択した第3発電所7を特定し、その特定した第3発電所7の地域発電電力が充電部10から給電されるように、充電部10を制御する。例えば、制御部13は、特定した第3発電所7からの第2電力線8と充電ケーブル11とを電気的に接続させる。
【0049】
(変形例4)上記実施形態では、充電スタンド9は、第1電力線6及び第2電力線8のそれぞれに接続されているが、これに限定されず、図10に示すように、第1電力線6にのみ接続されてもよい。この場合には、第1電力線6から供給される電力が、第1発電所2が発電した電力なのか第2発電所3が発電した電力なのかを物理的又は疑似的に区別可能である必要がある。例えば、特開2019-144851に記載されている技術を用いて疑似的に区別可能であれば、充電スタンド9に第1電力線6にのみ接続されてもよい。この場合には、制御部13は、給電電力として、第1発電所2が発電した電力(再生可能エネルギーで発電した電力)と、第2発電所3が発電した電力(再生可能エネルギーではない電力)と、のいずれかをユーザが選択できる電力選択メニューを表示部20に表示してもよい。
【0050】
(変形例5)上記実施形態では、表示装置12及び制御部13は、充電スタンド9に設けられているが、これに限定されず、スマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末に設けられてもよい。この場合には、携帯情報端末は、所定のアプリケーションを実行することで、電力選択メニュー100、金銭選択メニュー200、支払金額、発電所選択メニュー300のそれぞれの表示を行い、電力選択メニュー100や金銭選択メニュー200、発電所選択メニュー300でユーザに選択された情報を充電スタンド9に無線又は有線で送信してもよい。
【0051】
(変形例6)上記実施形態において、電動車両に充電しなくても応援金Yを寄附できるように、制御部13は、電力選択メニュー100でユーザにより給電電力の種類が選択されなくても金銭選択メニュー200を表示部20に表示してもよい。例えば、制御部13は、電力選択メニュー100内に「充電しない」の情報を表示して、その情報が選択された場合には、金銭選択メニュー200を表示部20に表示してもよい。そして、制御部13は、金銭選択メニュー200により応援金Yを支払うことが選択されると、応援金Yのみを支払金額として表示部20に表示する。
【0052】
以上、説明したように、本実施形態に係る給電システム1は、充電部10から電動車両に給電する電力の種類をユーザに選択させる電力選択メニュー100を表示装置12に表示する。
【0053】
このような構成によれば、電動車両に給電する電力をユーザが選択することができる。
【0054】
なお、上述した制御部13の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、上記コンピュータは、CPU、GPUなどのプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えてもよい。そして、上記制御部13の全部または一部の機能をコンピュータで実現するためのプログラムを上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを上記プロセッサに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 給電システム
6 第1電力線
8 第2電力線
9 充電スタンド
10 充電部
12 表示装置
14 精算部
13 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10