(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】車載用回動式ホルダ装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20230627BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60R7/04 Z
(21)【出願番号】P 2020053435
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安積 彰
(72)【発明者】
【氏名】佐山 仁康
(72)【発明者】
【氏名】山田 高寛
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-012177(JP,U)
【文献】米国特許第05860630(US,A)
【文献】特開2019-119241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/10
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔状のホルダ開口を有し、出入口よりも内側に格納される格納位置と、前記出入口よりも外側に展開されて前記ホルダ開口が前記外側に露出する展開位置と、の間を回動するホルダ部材と、
前記外側において前記ホルダ開口の下側に配置されるトレイ部材と、を具備し、
前記ホルダ部材の回動軸は、水平方向に対して交差する方向を向
き、
前記トレイ部材は、前記ホルダ部材の回動軸と平行な回動軸を有し、前記内側に格納される第2の格納位置と、前記外側に展開される第2の展開位置と、の間を回動し、
前記ホルダ部材と前記トレイ部材とは同軸的に回動し、
前記ホルダ部材はホルダ側係止部を有し、
前記トレイ部材は前記ホルダ側係止部よりも前記ホルダ部材の展開方向先側に位置するトレイ側係止部を有し、
前記トレイ側係止部が前記ホルダ側係止部と係止することで、前記ホルダ部材が位置規制され、
前記外側における前記ホルダ部材の露出量は、常に、前記トレイ部材の露出量以下である、車載用回動式ホルダ装置。
【請求項2】
さらに、前記格納位置、前記展開位置、および、前記格納位置と前記展開位置との間の半開位置の少なくとも一つの位置で前記ホルダ部材をロックするロック要素を具備する、請求項1に記載の車載用回動式ホルダ装置。
【請求項3】
前記トレイ側係止部は前記ホルダ側係止部の展開方向後側への位置変化を許容する、請求項
1または請求項2に記載の車載用回動式ホルダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載用ホルダ装置は物品を保持するためのホルダ部材を有する。当該ホルダ部材に保持される物品としては、例えば、缶やペットボトルなどの飲料容器が挙げられる。
【0003】
このような車載用ホルダ装置の一種として、ホルダ部材を展開位置と格納位置との間で位置変化させ得る開閉式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ホルダ部材は、物品を支持するための開口を有し、格納位置においては出入口よりも内側に格納され、展開位置においては出入口よりも外側に展開される。
【0004】
車載用ホルダ装置におけるホルダ部材は、展開位置においては出入口の外側に大きく突き出し、嵩張るために、乗員が車両に乗降するときなどに邪魔になる場合がある。ホルダ部材を、上記のように格納位置と展開位置との間を位置変化する開閉式にし、不要なときにはホルダ部材を格納位置に配置することで、上記したホルダ部材が嵩張る問題を解消または軽減できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、車両に搭載される機器が多様化し、これに伴って、車載用ホルダ装置と他の車両搭載機器との位置関係もまた多様化している。例えば車載用ホルダ装置がエアーコンディショナーのレジスタに隣接する場合には、車載用ホルダ装置のホルダ部材や当該ホルダ部材に保持した物品が、レジスタから車両室内への空調空気の流路に干渉する場合がある。これにより、当該物品がユーザーの意に反して温められまたは冷やされる不具合が生じる虞がある。また、ホルダ部材や物品に妨げられることにより、ユーザーが空調空気の方向を思い通りに調整し難くなる虞もある。さらには、例えば、車載用ホルダ装置がカーナビゲーションシステムに隣接する場合、ホルダ部材や当該ホルダ部材に保持した物品に遮られて、ユーザーがカーナビゲーションシステムの画面を視認し難くなる虞もある。
【0007】
本発明の発明者は、本発明の車載用ホルダ装置が他の車両搭載機器に干渉する不具合を軽減すべく、隣接する車両搭載機器に対するホルダ部材の位置を変化させ得る新規な車載用ホルダ装置を提供することを志向した。
すなわち、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、隣接する車両搭載機器に対するホルダ部材の位置を変化させ得る車載用ホルダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の車載用回動式ホルダ装置は、
貫通孔状のホルダ開口を有し、出入口よりも内側に格納される格納位置と、前記出入口よりも外側に展開されて前記ホルダ開口が前記外側に露出する展開位置と、の間を回動するホルダ部材と、
前記外側において前記ホルダ開口の下側に配置されるトレイ部材と、を具備し、
前記ホルダ部材の回動軸は、水平方向に対して交差する方向を向く、車載用回動式ホルダ装置である。
【0009】
本発明の車載用ホルダ装置によると、隣接する車両搭載機器に対するホルダ部材の位置を変化させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図2】実施例1のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図3】実施例2のホルダ装置における各構成要素を模式的に表す説明図である。
【
図4】ホルダ部材が格納位置にありトレイ部材が第2の格納位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図5】ホルダ部材が展開位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図6】ホルダ部材が半開位置にありトレイ部材が第2の半開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図7】ホルダ部材が格納位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【
図8】実施例2のホルダ装置における充電アダプタを模式的に表す説明図である。
【
図9】ホルダ部材が半開位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の車載用回動式ホルダ装置を具体的に説明する。なお、本明細書では、必要に応じて、本発明の車載用回動式ホルダ装置を本発明のホルダ装置または実施例のホルダ装置等と略する場合がある。また、本明細書において、特に説明がなく単に車両搭載機器という場合には、車載用ホルダ装置または本発明のホルダ装置に隣り合う車両搭載機器を意味する。
また、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
【0012】
既述した特許文献1に紹介されている車載用ホルダ装置において、ホルダ部材は、格納位置と展開位置との間をスライドすることにより位置変化する。この種のスライド式の車載用ホルダ装置においては、前後方向つまり出入口に対する内側-外側方向においてはホルダ部材が位置変化するものの、当該前後方向に交差する水平方向においては、ホルダ部材の位置変化はない。このため、特許文献1に紹介されている車載用ホルダ装置におけるホルダ部材を、隣接する車両搭載機器に対して当該水平方向に近づけたり遠ざけたりすることは困難である。以下、本明細書において、前後方向に交差する方向を水平方向と称する。当該水平方向は、当然乍ら、鉛直方向に直交する方向でもある。
【0013】
これに対して、本発明のホルダ装置におけるホルダ部材は、貫通孔状のホルダ開口を有し、出入口よりも内側に格納される格納位置と、前記出入口よりも外側に展開されて前記ホルダ開口が前記外側に露出する展開位置と、の間を回動する。また、当該ホルダ部材の回動軸は、水平方向に対して交差する方向を向く。
【0014】
したがって、本発明のホルダ装置におけるホルダ部材は、水平方向に位置変化可能である。つまり、本発明のホルダ装置においては、必要に応じて、ホルダ部材を回動させて水平方向に位置変化させることで、隣接する車両搭載機器に対するホルダ部材の位置を水平方向に変化させることができる。これにより、ホルダ部材および当該ホルダ部材に保持した物品を、隣接する車両搭載機器に対して水平方向に近づけたり遠ざけたりすることも可能である。
【0015】
ホルダ部材および当該ホルダ部材に保持した物品を、隣接する車両搭載機器に対して水平方向に近づけたり遠ざけたりすることができれば、ホルダ部材および物品を、当該車両搭載機器の機能に干渉する領域から遠ざけたり、当該領域に近づけたりすることができる。
ここでいう「車両搭載機器の機能に干渉する領域」とは、出入口の外側の領域であり、その具体例を挙げると、例えば車両搭載機器がディスプレイであれば、当該ディスプレイからユーザーに向けた光の通過経路を意味する。また、例えば車両搭載機器がエアーコンディショナーのレジスタであれば、当該レジスタから吹き出す空調空気の流通経路を意味する。また、例えば車両搭載機器がオーディオ機器であれば、当該オーディオ機器におけるスピーカからユーザーに向けた音の伝達経路を意味する。
【0016】
本発明のホルダ装置におけるホルダ部材は、貫通孔状のホルダ開口を有するものであり、当該ホルダ開口に飲料の容器をはじめとする各種の物品を差し込むことができる。
ここで、ホルダ開口は貫通孔であるために、物品は、その形状によってはホルダ開口から下方に落下する虞がある。しかし、本発明のホルダ装置においては、出入口の外側において、ホルダ開口の下側にトレイ部材が配置される。つまり、本発明のホルダ装置においては、物品の側部をホルダ部材におけるホルダ開口の周縁部で支持し、物品の底部をトレイ部材で支持する。このため、本発明のホルダ装置によると、様々な形状の物品を安定して保持することが可能である。
【0017】
なお、トレイ部材は、出入口の外側において、ホルダ開口の下側全体に配置されても良いし、ホルダ開口の下側の一部にのみ配置されても良い。具体的には、本発明のホルダ装置におけるホルダ部材およびトレイ部材を上方から下方に向けて見た投影図において、ホルダ開口の全体がトレイ部材で覆われていても良いし、ホルダ開口の一部にトレイ部材で覆われていない部分があっても良い。何れの場合にも、トレイ部材によって物品の底部の少なくとも一部を支持でき、これにより、本発明のホルダ装置で様々な形状の物品を安定して保持し得る。
【0018】
以下、本発明のホルダ装置を構成要素毎に説明する。
【0019】
本発明のホルダ装置で保持する物品としては、ペットボトルやカップ、缶等の飲料を収容するための容器や、スマートフォン等のモバイル機器に加え、時計や財布、小物入れ等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
【0020】
本発明のホルダ装置におけるホルダ部材は、貫通孔状のホルダ開口を有する。当該ホルダ開口は、出入口の外側において、後述するトレイ部材の上方に配置される。したがって当該ホルダ開口は、ホルダ部材のうち物品の側部を支持し得る部分といい得る。
ホルダ部材は、水平方向に対して交差する方向を向く回動軸を有し、かつ、既述したように少なくとも出入口の外側においてトレイ部材の上方に配置される。このため、ホルダ部材のホルダ開口は、水平方向に対して交差する方向に向くといい得る。
【0021】
ホルダ開口は、ホルダ部材の回動軸と平行に延びても良いし、当該回動軸と交差する方向に延びても良い。但し、本発明のホルダ装置の小型化を図るためには、ホルダ開口の延びる方向とホルダ部材の回動軸との交差角は30°以内であるのが好ましく、ホルダ開口の延びる方向はホルダ部材の回動軸と平行に近い程好ましいと考えられる。
なおここでいう「平行」は、両者の交差角度が0°である場合のみならず、0°±5°の範囲内である場合を含む。既述した水平方向および後述する鉛直方向についても、±5°の範囲を許容する。
【0022】
さらに、ホルダ部材はその回動軸を鉛直方向±30°の範囲内に向けるのが好ましく、ホルダ開口もまたその軸線を鉛直方向±30°の範囲内に向けるのが好ましい。ホルダ部材の回動軸およびホルダ開口の軸線は鉛直方向を向くのが特に好ましい。
【0023】
なお、ここでいうホルダ部材の回動軸とは、仮想的な軸を意味し、実際にはロッド状をなしても良いし、または、ロッドを枢支する孔状をなしても良い。
【0024】
ホルダ部材の形状としては、板状や柱状等を例示できる。本発明のホルダ装置の小型化を図るためには、ホルダ部材は、その外形寸法が最小限となる形状、具体的には、その回動軸を中心とする略扇形または略扇面状をなすのが特に好ましい。以下、必要に応じて、「ホルダ部材の回動軸方向における当該ホルダ部材の長さ」を「ホルダ部材の高さ」と称する場合がある。ホルダ部材の高さは、後述する出入口の高さに応じて適宜適切に設定することができ、当該出入口の高さよりも1~5mm程度短くするのが好ましい。
【0025】
ホルダ部材が出入りする出入口は如何なるものであっても良い。例えば、本発明のホルダ装置が専用の筐体を具備し、当該筐体に設けた出入口をホルダ部材が出入りしても良い。または、インストルメントパネルやコンソールボックス等の車両用内装品に設けた出入口をホルダ部材が出入りしても良い。何れの場合にも、ホルダ部材は、回動することで、出入口の内側と外側を行き来し、格納位置と展開位置との間を位置変化できれば良い。
【0026】
なお、本明細書において、出入口の高さとは、ホルダ部材の回動軸方向における当該出入口の長さを意味する。出入口の幅とは、ホルダ部材の回動軸と直交する方向における当該出入口の長さを意味する。出入口の幅は水平方向における当該出入口の幅と一致するのが特に好ましく、出入口の高さは鉛直方向における当該出入口の高さと一致するのが特に好ましい。出入口は矩形の開口であるのが特に好ましい。
【0027】
トレイ部材は、出入口の外側に固定されたものであっても良いし、ホルダ部材と同様に出入口の外側と内側とを行き来しても良い。トレイ部材がホルダ部材と同様に出入口の外側と内側とを行き来する場合、トレイ部材はホルダ部材と同じ出入口を出入りしても良いし、当該出入口とは別個に設けた専用の出入口を出入りしても良い。
【0028】
トレイ部材が出入口の内側と外側とを行き来する場合、トレイ部材は、ホルダ部材と同様に、回動可能であるのが好ましい。つまり、トレイ部材は、出入口の内側に格納されるトレイ部材の格納位置(以下、必要に応じて、第2の格納位置と称する)と、出入口の外側に展開されるトレイ部材の展開位置(以下、必要に応じて、第2の展開位置と称する)と、の間を回動するのが好ましい。この場合、トレイ部材の回動軸は、ホルダ部材の回動軸と平行であるのが好ましい。
【0029】
また、本発明のホルダ装置において、出入口の外側におけるホルダ部材の露出量は、出入口の外側におけるトレイ部材の露出量以下であるのが好ましい。こうすることで、トレイ部材を回動可能とする場合にも、ホルダ開口の下側にトレイ部材を確実に配置できる。
【0030】
ホルダ部材やトレイ部材等の本発明のホルダ装置の構成要素を成形するにあたって、樹脂材料に代表される、成形ばらつきの比較的大きな材料を用いる場合がある。このような場合、出入口の外側において、ホルダ開口の下側にトレイ部材が確実に配置されるホルダ装置を得るためには、本発明のホルダ装置における各構成要素を成形する際に、高い成形精度が要求される場合がある。
しかし、既述したように、出入口の外側におけるホルダ部材の露出量を、出入口の外側におけるトレイ部材の露出量以下とすることで、各構成要素を特に成形精度高く成形しなくても、出入口の外側においてホルダ開口の下側にトレイ部材を信頼性高く配置することが可能である。
【0031】
ホルダ部材を格納位置と展開位置との間で回動させる間、ホルダ部材におけるホルダ開口の位置は、水平方向において変化する。したがって、本発明のホルダ装置によると、当該ホルダ装置に隣接する車両搭載機器に対するホルダ開口の位置を、水平方向において変化させることができ、車両搭載機器とホルダ開口に支持する物品との位置をもまた水平方向において変化させることができる。
【0032】
ホルダ部材は、自身の回動軸を中心として、格納位置と展開位置との間を回動する。格納位置において、ホルダ部材は、出入口よりも内側に格納される。一方、展開位置において、ホルダ部材は出入口よりも外側に展開されて、ホルダ開口が外側に露出する。
格納位置においては、ホルダ部材の全体が出入口よりも内側に格納されても良いし、ホルダ部材の一部分が出入口の内側に格納され、残りの部分は出入口の外側に露出したままであっても良い。但し、本発明のホルダ装置において、出入口の外側へのホルダ部材の露出量は、格納位置において展開位置よりも小さいことを必須とする。
【0033】
また、本発明のホルダ装置では、展開位置においてホルダ開口が出入口の外側に露出する。ホルダ部材が複数のホルダ開口を有する場合には、展開位置において全てのホルダ開口が外側に露出する。ホルダ部材の格納位置におけるホルダ開口の位置は特に問わず、出入口の内側に隠れても良いし、出入口の外側に露出しても良い。ホルダ開口の一部分が出入口の内側に隠れ、残りの部分が出入口の外側に露出しても良い。本発明のホルダ装置が複数のホルダ開口を有する場合、格納位置において一部のホルダ開口は内側に隠れ、残りのホルダ開口は外側に露出しても良い。
本発明のホルダ装置の小型化を図るためには、格納位置においてホルダ開口の全体が出入口の内側に隠れるのが好ましく、本発明のホルダ装置が複数のホルダ開口を有する場合には、格納位置において、全てのホルダ開口の全体が出入口の内側に隠れるのが好ましい。
【0034】
本発明のホルダ装置は、格納位置と展開位置の間を回動するホルダ部材を、所定の位置にロックするロック要素を具備するのが好ましい。ロック要素によりホルダ部材を所定の位置にロックすることで、ホルダ部材は当該所定の位置において物品の側部を安定して支持できる。
【0035】
具体的には、ロック要素は、ホルダ部材を少なくとも一つの位置にロックできれば良く、複数の位置にロックできるのが好ましい。例えば、ロック要素は、ホルダ部材を展開位置と格納位置との少なくとも一方にロックしても良い。または、ロック要素は、展開位置と格納位置との少なくとも一方に加えて、さらに、展開位置と格納位置との間の半開位置にホルダ部材をロックしても良い。ロック要素によってホルダ部材を半開位置にロックすることで、ホルダ部材を少なくとも二段階で展開することができ、本発明のホルダ装置におけるホルダ部材の位置を、当該ホルダ装置に隣接する車両搭載機器に対して、水平方向に複数段階で変更できる。これにより、既述した「車両搭載機器の機能に干渉する領域」に対するホルダ部材および物品の水平方向の位置を、きめ細かく変更できる利点がある。
【0036】
ロック要素としては、既知の機構によりホルダ部材のロックおよびロック解除を行うものを用いれば良い。また、後述するように、ホルダ部材に加えてトレイ部もまた回動可能である場合、ロック要素は、ホルダ部材をロックするだけでなく、ホルダ部材のロック位置に応じた適切な位置でトレイ部材をロック可能であるのが好ましい。このようなロック要素としては、例えばハートカム機構のようなプッシュロックオープン機構を用いるのが好適である。
【0037】
以下、具体例を挙げて本発明のホルダ装置を説明する。
【0038】
(実施例1)
実施例1のホルダ装置は、車両室内に搭載されるドリンクホルダである。
図1および
図2は、車両用内装品であるインストルメントパネルに取り付けられた実施例1のホルダ装置を模式的に表す説明図である。詳しくは、
図1はホルダ部材が格納位置に配置されている様子を模式的に表し、
図2はホルダ部材が展開位置に配置されている様子を模式的に表す。
以下、上、下、左、右、前、後とは、
図1における上、下、左、右、前、後を指す。このうち上下方向は鉛直方向であり、左右方向は既述した水平方向である。参考までに、左右方向は車幅方向と一致し、前後方向は車両進行方向と一致する。
【0039】
図1に示すように、実施例1のホルダ装置1は、インストルメントパネル100に取り付けられ、同じくインストルメントパネル100に取り付けられたエアーコンディショナー101のレジスタ110に隣接している。
インストルメントパネル100には略矩形の出入口102が設けられており、当該出入口102を通じてインストルメントパネル100の内側(
図1における前側)と外側(
図1における後側、車両室内側)とが連絡する。
【0040】
ホルダ装置1は、ホルダ部材2とトレイ部材3とを具備する。ホルダ部材2は、インストルメントパネル100に設けられている出入口102を出入りし、
図1に示す格納位置と、
図2に示す展開位置との間を位置変化する。
【0041】
より具体的には、ホルダ部材2は、上下方向に向く回動軸Aを有し、当該回動軸Aを中心として、
図1に示す格納位置と
図2に示す展開位置との間を回動する。実施例1のホルダ装置1では、格納位置および展開位置において、ホルダ部材2における周方向の一部は出入口102よりも内側に格納され、ホルダ部材2における周方向の他の一部は出入口102よりも外側に露出する。また、出入口102よりも外側におけるホルダ部材2の露出量は、
図2に示す展開位置において、
図1に示す格納位置よりも大きい。
【0042】
ホルダ部材2は二つのホルダ開口を有する。一方のホルダ開口を第1ホルダ開口21と称し、他方のホルダ開口を第2ホルダ開口22と称する。第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22は略同形であり、各々、貫通孔状をなし、上下方向に延びる。第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22は回動軸Aと平行に延びるともいい得る。
第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22は、その周方向の一部で互いに一体化され、全体としては、上面視略ひょうたん型または略ダンベル型の孔状をなす。
なお、第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22は、本発明のホルダ装置におけるホルダ開口に相当する。
【0043】
第1ホルダ開口21の周縁部21pおよび第2ホルダ開口22の周縁部22pは、上下方向に延びる略円筒状をなす。
図1に示す格納位置において、第1ホルダ開口21の一部は出入口102よりも内側に隠れ、第1ホルダ開口21の残部および第2ホルダ開口22の全体は出入口102よりも外側に露出する。また、
図2に示す展開位置において、第1ホルダ開口21の全体および第2ホルダ開口22の全体は出入口102よりも外側に露出する。
図2に示す展開位置において、第2ホルダ開口22は第1ホルダ開口21よりも右側に位置するといい得る。
【0044】
実施例1のホルダ装置1において、トレイ部材3は、インストルメントパネル100に一体化されている。トレイ部材3は、棚板状をなし、出入口102よりも下側において後側に突出する。
図1および
図2に示すように、出入口102よりも外側すなわち後側において、トレイ部材3は、第1ホルダ開口21全体の下側に配置され、かつ、第2ホルダ開口22の大部分の下側に配置される。換言すると、出入口102よりも外側において、トレイ部材3は、第1ホルダ開口21の全体および第2ホルダ開口22の大部分を下側から覆うといい得る。
【0045】
実施例1のホルダ装置1は、第1ホルダ開口21の周縁部21pおよび第2ホルダ開口22の周縁部22pによって図略の物品の側部を支持可能であり、かつ、トレイ部材3において当該物品の底部を支持可能である。実施例1のホルダ装置1により、物品は、側部と底部という高さ方向に異なる2つの位置で支持される。これにより、実施例1のホルダ装置1によると、丈の高い物品を高さ方向において安定して保持できる利点がある。
【0046】
ところで、
図1および
図2に示すように、実施例1のホルダ装置1は、エアーコンディショナー101のレジスタ110に隣接している。レジスタ110は、エアーコンディショナー101の吹出口を構成し、その内部に配置された複数のフィン111によって、空調空気の方向を調整する。
【0047】
レジスタ110は出入口102の右側に配置され、
図2に示す展開位置において、第2ホルダ開口22を含むホルダ部材2の右側部分は、レジスタ110から吹き出す空調空気の流通経路、すなわち、既述した「車両搭載機器の機能に干渉する領域」に干渉する。このため、例えば、第2ホルダ開口22に飲料の収容された容器(図略)を差し込み、ホルダ部材2における第2ホルダ開口22の周縁部22pとトレイ部材3とで当該容器を保持する場合には、レジスタ110から吹き出す空調空気によって容器や飲料がユーザーの意に反して温められ、または冷やされる虞がある。また、容器に遮られて、十分な量の空調空気がユーザーに到達しない虞もある。
【0048】
しかし、実施例1のホルダ装置1によると、
図2に示す展開位置から
図1に示す格納位置に向けてホルダ部材2を回動させることができる。これにより、第2ホルダ開口22および当該第2ホルダ開口22に支持される容器の位置を、左右方向において変化させ、レジスタ110から離すことが可能である。よって、実施例1のホルダ装置1によると、上記の不具合を回避または低減することが可能である。
【0049】
なお、ホルダ部材2を
図2に示す展開位置に配置する場合には、第2ホルダ開口22を含むホルダ部材2の右側部分を、レジスタ110から吹き出す空調空気の流通経路に干渉させて、レジスタ110から吹き出す空調空気によって、例えば、容器や飲料を意図的に温め、または冷やすことも可能である。
【0050】
(実施例2)
実施例2のホルダ装置は、トレイ部材が回動可能である点、ホルダ部材およびトレイ部材を各々2箇所にロックするロック要素を具備する点、二つのサポートを具備する点、および、脱着型の充電アダプタを具備する点において実施例1のホルダ装置1と大きく相違し、その余については実施例1のホルダ装置1と概ね同様である。
【0051】
実施例2のホルダ装置における各構成要素を模式的に表す説明図を
図3に示す。ホルダ部材が格納位置にありトレイ部材が第2の格納位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図を
図4に示す。ホルダ部材が展開位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図を
図5に示す。ホルダ部材が半開位置にありトレイ部材が第2の半開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図を
図6に示す。ホルダ部材が格納位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図を
図7に示す。実施例2のホルダ装置における充電アダプタを模式的に表す説明図を
図8に示す。ホルダ部材が半開位置にありトレイ部材が第2の展開位置にある実施例2のホルダ装置を模式的に表す説明図を
図9に示す。
以下、上、下、左、右、前、後とは、
図3における上、下、左、右、前、後を指す。また、以下、時計回り反時計回りとは、
図3に示す時計回り反時計回りを指す。
以下、実施例1との相違点を中心として、実施例2のホルダ装置を説明する。
【0052】
図3に示すように、実施例2のホルダ装置1は、ホルダ部材2およびトレイ部材3に加えて、二つのサポート40、ケース部材5、ロック要素6、および、二つの付勢部材7を具備する。
【0053】
ホルダ部材2は、下側に開口する略箱状をなすホルダ基体23と、略円筒状をなし当該ホルダ基体23の上面から下方に延びるホルダ筒部24と、貫通孔状をなし上下に配列する二つのホルダ枢支孔25と、ホルダ基体23における
図3中の右側端部から下方に延びる規制ピン26と、上下方向に延びホルダ基体23の外周端部、内周端部および後側端部に一体化された化粧板27とを有する。
【0054】
ホルダ基体23を上面視すると、ホルダ枢支孔25を中心とする上面視略扇面状をなす。
ホルダ筒部24は内部に第1ホルダ開口21を有する第1筒部24fと、内部に第2ホルダ開口22を有する第2筒部24sとを有する。第1筒部24fおよび第2筒部24sは略円筒状をなす。第1筒部24fおよび第2筒部24sは、その周方向の一部で互いに一体化され、全体としては、上面視略ひょうたん型または略ダンベル型の筒状をなす。第1ホルダ開口21は上下方向に延びる貫通孔であり、第1筒部24fの内部に形成されている。第2ホルダ開口22もまた上下方向に延びる貫通孔であり、第2筒部24sの内部に形成されている。第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22もまた、その周方向の一部で互いに一体化されている。
【0055】
ホルダ枢支孔25と第1ホルダ開口21との距離、および、ホルダ枢支孔25と第2ホルダ開口22との距離は等しい。第1ホルダ開口21は第2ホルダ開口22よりも
図3中の右前側に位置する。第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22の軸線は、各々、上下方向に延び、ホルダ枢支孔25の軸線と平行である。
【0056】
トレイ部材3は、中空の略箱状をなすトレイ基体33と、有底の略短円筒状をなしトレイ基体33の頂壁33tから下方に延びるトレイ筒部34と、トレイ基体33の底壁33bに設けられ貫通孔状をなし上下に配列する二つのトレイ枢支孔35と、トレイ基体33に設けられ
図3中の上方、下方および右後方に開口するストッパ溝36と、を有する。
【0057】
トレイ基体33を上面視すると、トレイ枢支孔35を中心とする上面視略扇面状をなす。
トレイ筒部34は第1トレイ部31および第2トレイ部32を有する。第1トレイ部31および第2トレイ部32は略同形であり、各々、有底の略円筒状をなし、上下方向に延びる。第1トレイ部31および第2トレイ部32は、その周方向の一部で互いに一体化され、トレイ筒部34全体としては、上面視略ひょうたん型または略ダンベル型の形状を有する。
【0058】
トレイ枢支孔35と第1トレイ部31との距離、およびトレイ枢支孔35と第2トレイ部32との距離は、各々等しい。第1トレイ部31は、第2トレイ部32よりも、
図3中の前側かつ右側に位置する。第1トレイ部31および第2トレイ部32の軸線は、各々、上下方向に延び、トレイ枢支孔35の軸線と平行である。
【0059】
二つのトレイ枢支孔35は、二つのホルダ枢支孔25の下側に配置されかつ当該二つのホルダ枢支孔25に対面する。二つのホルダ枢支孔25および二つのトレイ枢支孔35には、軸線を上下方向に向ける回動ロッド59が挿通されている。つまり、トレイ部材3は回動ロッド59およびトレイ枢支孔35を中心として回動可能であり、ホルダ部材2は回動ロッド59およびホルダ枢支孔25を中心として回動可能である。ホルダ部材2およびトレイ部材3は、同じ回動軸Aを中心として回動する。以下、必要に応じて、ホルダ部材2の回動軸とトレイ部材3の回動軸とを総称して、単に、回動軸Aと称する場合がある。
【0060】
トレイ部材3のストッパ溝36には、ホルダ部材2の規制ピン26の下端部が入り込む。ストッパ溝36は左前側にストッパ溝壁36wを有し、
図3における右後側には開口するものの左前側には閉じている。このためストッパ溝36に入り込んだ規制ピン26は、開口する方向すなわち
図3中の右後側には位置変化可能であるものの、ストッパ溝壁36wよりも左前側には位置変化できない。
換言すると、ストッパ溝36のストッパ溝壁36wは、規制ピン26よりもホルダ部材2の展開方向先側、より詳しくは回動軸Aを中心とする反時計回りの先側に位置する。そして、ストッパ溝壁36wと規制ピン26とが係止することにより、規制ピン26がストッパ溝壁36wよりもホルダ部材2の展開方向先側、すなわち反時計回りの先側に出ないように、ホルダ部材2が位置規制されている。したがって、後述するホルダ部材出入口54の外側におけるホルダ部材2の露出量は、常に、後述するトレイ部材出入口55の外側におけるトレイ部材3の露出量以下となる。
なお、ストッパ溝36は本発明のホルダ装置におけるトレイ側係止部に相当し、規制ピン26は本発明のホルダ装置におけるホルダ側係止部に相当する。
【0061】
図3に示すように、ストッパ溝36は、右後側には開口する。このためストッパ溝36は、規制ピン26の展開方向後側への位置変化を許容する。換言すると、ストッパ溝壁36wと規制ピン26とが一旦係止しても、規制ピン26が時計回りの先側、すなわち、格納方向先側に位置変化することで、当該係止が解除される。このためホルダ部材2は、トレイ部材3に対して、格納方向先側に向けて相対的に位置変化し得る。
【0062】
二つのサポート40は、各々、短円筒をその軸方向に向けて略2分割したような形状を有する。サポート40の一方を第1サポート41と称し、他方を第2サポート42と称する。第1サポート41は、ホルダ部材2における第1ホルダ開口21の周縁部21p、具体的には第1筒部24fの外側に取り付けられている。第2サポート42は、ホルダ部材2における第2ホルダ開口22の周縁部22p、具体的には第2筒部24sの外側に取り付けられている。
【0063】
より詳しくは、第1サポート41の周方向の両端部には、各々、孔状のサポート枢支孔41hが設けられている。サポート枢支孔41hは、各々、第1筒部24fの外周面に設けられたサポート枢支軸41sに軸支されている。第2サポート42の周方向の両端部にもまた、各々、孔状のサポート枢支孔42hが設けられている。サポート枢支孔42hは、各々、第2筒部24sの外周面に設けられたサポート枢支軸42sに軸支されている。
【0064】
第1サポート41および第2サポート42は、各々、対応するサポート枢支軸41s、42sを中心として回動可能である。また、第1サポート41および第2サポート42は、各々、つる巻きバネ状のサポート付勢部材45によって、対応するホルダ筒部24(すなわち、第1筒部24fまたは第2筒部24s)の下方に下垂する方向に付勢されている。換言すると、第1サポート41および第2サポート42は、各々、サポート付勢部材45によって、対応するホルダ筒部24の内側にあるホルダ開口(第1ホルダ開口21または第2ホルダ開口22)の内部に突出する方向に付勢されている。
【0065】
ケース部材5は、前方に開口する略箱状をなす上側ケース51、同じく前方に開口する略箱状をなし、上側ケース51の下側に配置されている下側ケース52、並びに、上側ケース51および下側ケース52を後側から覆うケース化粧板53、を有する。ケース部材5は、上側ケース51、下側ケース52およびケース化粧板53が、互いに組み付けられ、一体化されたものといい得る。なお、ケース化粧板53は、インストルメントパネル100の前側、つまり、インストルメントパネル100の車両進行方向先側に配置される。
【0066】
上側ケース51には、ホルダ部材2が取り付けられる。上側ケース51の頂壁51tおよび底壁51bには各々貫通孔が設けられている。当該貫通孔を上側軸受孔51hと称する。ホルダ部材2は当該上側軸受孔51hにホルダ枢支孔25を対面させる。このため、ホルダ枢支孔25に挿通されている回動ロッド59は上側ケース51の各上側軸受孔51hにも挿通される。
【0067】
上側ケース51の底壁51bには貫通孔状の上側逃し溝51gが設けられている。上側逃し溝51gは、上側軸受孔51hを中心とする円弧状に延び、かつ上下に開口する貫通溝状をなす。上側逃し溝51gには、ホルダ部材2に設けられている規制ピン26が挿通される。規制ピン26の下端部は、上側逃し溝51gの下側に露出し、既述したように、トレイ部材3のストッパ溝36に入り込む。
【0068】
下側ケース52には、トレイ部材3が取り付けられる。下側ケース52の頂壁52tおよび底壁52bには各々貫通孔が設けられている。当該貫通孔を下側軸受孔52hと称する。トレイ部材3は当該下側軸受孔52hにトレイ枢支孔35を対面させる。このため、ホルダ枢支孔25、トレイ枢支孔35および上側軸受孔51hに挿通されている回動ロッド59は、下側ケース52の各下側軸受孔52hにも挿通される。
【0069】
下側ケース52の頂壁52tには貫通孔状の下側逃し溝52gが設けられている。下側逃し溝52gは、下側軸受孔52hを中心とする円弧状に延び、かつ上下に開口する貫通溝状をなす。当該下側逃し溝52gには、ホルダ部材2の規制ピン26が挿通される。つまり、規制ピン26は、上側ケース51の上側逃し溝51gおよび下側ケース52の下側逃し溝52gを経て、トレイ部材3のストッパ溝36に入り込むといい得る。
【0070】
ケース化粧板53は、上下に配列する二つの開口を有する。上側の開口をホルダ部材出入口54と称し、下側の開口をトレイ部材出入口55と称する。ホルダ部材出入口54は、上側ケース51および当該上側ケース51に取り付けられたホルダ部材2に対面し、トレイ部材出入口55は、下側ケース52および当該下側ケース52に取り付けられたトレイ部材3に対面する。ホルダ部材出入口54およびケース部材出入口55は、何れも、本発明のホルダ装置における出入口に相当する。
【0071】
ホルダ部材2は、ホルダ部材出入口54を経て上側ケース51の内外を出入り可能である。詳しくは、ホルダ部材2は、その全体がホルダ部材出入口54よりも内側すなわち前側に配置される格納位置と、ホルダ部材出入口54よりも外側すなわち後側に展開されて第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22が当該外側に露出する展開位置と、の間を回動する。より具体的には、ホルダ部材2は、時計回りに回動することで展開位置から格納位置に位置変化し、反時計回りに回動することで格納位置から展開位置に位置変化する。
【0072】
トレイ部材3は、トレイ部材出入口55を経て下側ケース52の内外を出入り可能である。詳しくは、トレイ部材3は、その全体がトレイ部材出入口55よりも内側すなわち前側に配置される第2の格納位置と、トレイ部材出入口55よりも外側すなわち後側に展開されて第1トレイ部31および第2トレイ部32が当該外側に露出する第2の展開位置と、の間を回動する。トレイ部材3もまた、時計回りに回動することで第2の展開位置から第2の格納位置に位置変化し、反時計回りに回動することで第2の格納位置から第2の展開位置に位置変化する。
【0073】
ロック要素6は、ホルダ部材2をロックおよびロック解除するための上側ハートカム機構6uと、トレイ部材3をロックおよびロック解除するための下側ハートカム機構6lとを有する。
【0074】
上側ハートカム機構6uは、ホルダ部材2に取り付けられた上側ピン部62と、上側ケース51の底壁51bに形成された上側溝部63とを有する。上側溝部63は、上側軸受孔51hを中心とする円弧状に延びる上側ガイド溝部63gと、略ハート状をなし当該上側ガイド溝部63gの周方向の2カ所に設けられた第1上側カム溝部63fcおよび第2上側カム溝部63scとを有する。第2上側カム溝部63scは、第1上側カム溝部63fcよりも反時計回り方向の先側に配置される。上側溝部63には、上側ピン部62のカムピン62cpが挿入される。
【0075】
上側ピン部62のカムピン62cpが第1上側カム溝部63fcに嵌まることで、ホルダ部材2が格納位置にロックされる。また、上側ピン部62のカムピン62cpが第2上側カム溝部63scに嵌まることで、ホルダ部材2が格納位置と展開位置との間の半開位置にロックされる。
【0076】
下側ハートカム機構6lは、トレイ部材3に取り付けられた下側ピン部65と、下側ケース52の底壁52bに形成された下側溝部66とを有する。下側溝部66は、下側軸受孔52hを中心とする円弧状に延びる下側ガイド溝部66gと、略ハート状をなし当該下側ガイド溝部66gの周方向の2カ所に設けられた第1下側カム溝部66fcおよび第2下側カム溝部66scとを有する。第2下側カム溝部66scは、第1下側カム溝部66fcよりも反時計回り方向の先側に配置される。下側溝部66には、下側ピン部65のカムピン65cpが挿入される。
【0077】
下側ピン部65のカムピン65cpが第1下側カム溝部66fcに嵌まることで、トレイ部材3が格納位置にロックされる。また、下側ピン部65のカムピン65cpが第2下側カム溝部66scに嵌まることで、トレイ部材3が第2の格納位置と第2の展開位置との間の第2の半開位置にロックされる。
なお、後述するように、第1下側カム溝部66fcは、第1上側カム溝部63fcよりもやや反時計回りの先側に配置される。
【0078】
実施例2のホルダ装置1は、ねじりコイルバネからなる二つの付勢部材7を有する。当該二つの付勢部材7の一方をホルダ開付勢部材7hと称し、他方をトレイ開付勢部材7tと称する。ホルダ開付勢部材7hは、ホルダ部材2における二つのホルダ枢支孔25の間に圧縮状態で配置され、一端部をホルダ部材2に固定され、他端部を上側ケース51に固定される。ホルダ部材2が格納位置に配置されると、ホルダ開付勢部材7hは付勢力を蓄積し、その付勢力によってホルダ部材2を反時計回り方向、すなわち展開位置に向けて付勢する。
【0079】
なお、ホルダ部材2が展開位置に配置されると、ホルダ部材2に設けられている規制ピン26が上側逃し溝51gにおける反時計回り方向の先側端部51geに当接する。このとき、ホルダ開付勢部材7hの付勢力によって、規制ピン26は上側逃し溝51gの当該先側端部51geに圧接する。これにより、ホルダ部材2は展開位置に安定的に保持される。
【0080】
トレイ開付勢部材7tは、トレイ部材3における二つのトレイ枢支孔35の間に圧縮状態で配置され、一端部をトレイ部材3に固定され、他端部を下側ケース52に固定される。トレイ部材3が第2の格納位置に配置されると、トレイ開付勢部材7tは付勢力を蓄積し、その付勢力によってトレイ部材3を反時計回り方向、すなわち第2の展開位置に付勢する。
【0081】
なお、トレイ部材3が第2の展開位置に配置されると、トレイ部材3の図略のストッパ部が下側ケース52の図略のストッパ受け部に当接する。このとき、トレイ開付勢部材7tの付勢力によって、ストッパ部はストッパ受け部に圧接する。これにより、トレイ部材3もまた、第2の展開位置に安定的に保持される。
【0082】
以下、実施例2のホルダ装置1の動作を説明する。
【0083】
先ず、
図4に示すように、トレイ部材3を第2の格納位置に配置し、ホルダ部材2を格納位置に配置すると、トレイ部材出入口55の内部にはトレイ部材3における反時計回り方向の先側端面33fが露出し、トレイ部材3におけるその他の部分はトレイ部材出入口55よりも内側に格納される。また、ホルダ部材出入口54の内部にはホルダ部材2における反時計回り方向の先側端面27fが露出し、ホルダ部材2におけるその他の部分はホルダ部材出入口54よりも内側に格納される。この状態をホルダ装置1の格納状態と称する。
【0084】
図4に示すホルダ装置1の格納状態においては、
図3に示す下側ピン部65のカムピン65cpが第1下側カム溝部66fcに嵌まることで、トレイ部材3は第2の格納位置にロックされている。既述したように、第1下側カム溝部66fcは、第1上側カム溝部63fcよりもやや反時計回りの先側に配置されている。下側ピン部65のカムピン65cpおよび上側ピン部62のカムピン62cpは、回動軸Aを中心とする円の周方向において略同位置にある。このため、下側ピン部65のカムピン65cpが第1下側カム溝部66fcに嵌まっても、上側ピン部62のカムピン62cpは第1上側カム溝部63fcに嵌まらず、上側ガイド溝部63gに配置されたままとなる。これにより、
図4に示すホルダ装置1の格納状態においては、ホルダ部材2は格納位置に配置されるものの、ロック要素6によるホルダ部材2のロックは解除された状態にある。
【0085】
ここで、既述したように、
図3に示すホルダ部材2の規制ピン26はトレイ部材3のストッパ溝36により位置規制され、規制ピン26はストッパ溝36のストッパ溝壁36wよりも反時計回りの先側に出ることができない。このため、規制ピン26が設けられたホルダ部材2もまた、トレイ部材3よりも反時計回りの先側に出ることができない。このため、トレイ部材3が第2の格納位置にあるときにはホルダ部材2もまた格納位置にあり、ホルダ部材2は、下側ハートカム機構6lによってトレイ部材3とともにロックされた状態となる。
【0086】
図4に示す格納位置にある実施例2のホルダ装置1に物品を保持させたいときには、先ず、トレイ部材3を前側すなわちトレイ部材出入口55の内側に向けて押圧する。すると、トレイ部材3が
図3に示す回動軸Aを中心として僅かに時計回りに回動し、下側ハートカム機構6lにおける下側ピン部65のカムピン65cpが第1下側カム溝部66fcから外れて、トレイ部材3のロックが解除される。これにより、トレイ部材3およびホルダ部材2が位置変化可能になる。
【0087】
トレイ部材3はトレイ開付勢部材7tによって反時計回りに付勢され、ホルダ部材2はホルダ開付勢部材7hによって反時計回りに付勢されているために、トレイ部材3のロックが解除されると、トレイ部材3はトレイ部材出入口55の外側に展開されて第2の展開位置に配置され、ホルダ部材2はホルダ部材出入口54の外側に展開されて展開位置に配置される(
図5)。
【0088】
このとき、第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22がホルダ部材出入口54の外部に露出し、第1トレイ部31および第2トレイ部32がトレイ部材出入口55の外側に露出する。また、第1トレイ部31が第1ホルダ開口21の下側に配置され、第2トレイ部32が第2ホルダ開口22の下側に配置される。この状態をホルダ装置1の展開状態と称する。
【0089】
ホルダ装置1が
図5に示す展開状態にあるときには、第1ホルダ開口21および第2ホルダ開口22に各々異なる物品109(例えばペットボトル)を差し込み、これらを保持することができる。
【0090】
具体的には、このとき、ホルダ部材2における第1ホルダ開口21の周縁部21pによって物品109の側部を支持可能であり、第1トレイ部31によって当該物品109の底部を支持可能である。また、ホルダ部材2における第2ホルダ開口22の周縁部22pによって他の物品109の側部を支持可能であり、第2トレイ部32によって当該他の物品109の底部を支持可能である。これにより、実施例2のホルダ装置1は、展開状態において、異なる2つの物品109を各々安定して保持することが可能である。
【0091】
さらに、実施例2のホルダ装置1は、
図3に示す第1サポート41および第2サポート42を有する。このうち第1サポート41は、サポート付勢部材45によって第1ホルダ開口21の内部に突出する方向に付勢されている。また、第2サポート42は、サポート付勢部材45によって第2ホルダ開口22の内部に突出する方向に付勢されている。
【0092】
第1サポート41および第2サポート42は、ホルダ部材2が格納位置にあるときには、ホルダ基体23と上側ケース51の底壁51bとの間で折りたたまれるため、第1サポート41は第1ホルダ開口21の外側に配置され、第2サポート42は第2ホルダ開口22の外側に配置される。
【0093】
しかし、ホルダ部材2が展開位置に向けて位置変化すると、ホルダ基体23および底壁51bによる規制がなくなる。このため、第1サポート41および第2サポート42はサポート付勢部材45の付勢力によって下垂し、第1サポート41は第1ホルダ開口21の下方から当該第1ホルダ開口21の内部に突出し、第2サポート42は第2ホルダ開口22の下方から当該第2ホルダ開口22の内部に向けて突出する。
【0094】
このとき、物品109を第1ホルダ開口21に差し込むと、当該物品109の底部により押圧された第1サポート41が、サポート枢支軸41sを中心として、当該物品109の底部に干渉しない方向に回動する。したがって、このとき第1サポート41は第1ホルダ開口21に差し込まれた物品109の側面を押圧し、物品109は第1サポート41と第1ホルダ開口21の周縁部21pとによって挟み込まれる。
また、物品109を第2ホルダ開口22に差し込むと、同様に、第2サポート42が回動する。このため、第2サポート42は第2ホルダ開口22に差し込まれた物品109の側面を押圧し、物品109は第2サポート42と第2ホルダ開口22の周縁部22pとによって挟み込まれる。
これにより、実施例2のホルダ装置1によると、物品109をより一層安定して保持することが可能である。
【0095】
なお、
図5に示すホルダ装置1の展開状態においては、既述したように、
図3に示すホルダ開付勢部材7hの付勢力によって規制ピン26が上側逃し溝51gにおける反時計回り方向の先側端部51geに圧接することで、ホルダ部材2は展開位置に安定的に保持される。また、トレイ開付勢部材7tの付勢力によって、トレイ部材3の図略のストッパ部が下側ケース52の図略のストッパ受け部に圧接することで、トレイ部材3もまた、第2の展開位置に安定的に保持される。
【0096】
実施例2のホルダ装置1が
図5に示す展開状態にあるときに、トレイ部材3をトレイ部材出入口55の内側に向けて押圧すると、トレイ部材3が
図3に示す回動軸Aを中心として時計回りに回動する。トレイ部材3が第2の展開位置(
図5)と第2の格納位置(
図4)との間の第2の半開位置(
図6)にまで回動すると、
図3に示す下側ハートカム機構6lにおける下側ピン部65のカムピン65cpが、第2下側カム溝部66scに嵌まり、トレイ部材3が第2の半開位置にロックされる。
【0097】
このとき、ストッパ溝36のストッパ溝壁36wに押圧されることで、規制ピン26には、回動軸Aを中心とする時計回りの力が作用する。したがって、このとき、ホルダ部材2もまた回動軸Aを中心として時計回りに回動する。トレイ部材3が第2の半開位置にロックされると、ホルダ部材2もまた展開位置(
図5)と格納位置(
図4)との間の半開位置(
図6)に配置され、
図3に示す上側ハートカム機構6uにおける上側ピン部62のカムピン62cpが第2上側カム溝部63scに嵌まり、ホルダ部材2が半開位置にロックされる(
図6)。
【0098】
なお、このとき、ホルダ部材2が半開位置にロックされておらず、ガタつくようであれば、ホルダ部材2をホルダ部材出入口54の内側に向けてさらに押圧すれば良い。この押圧操作により、ホルダ部材2が、
図3に示す回動軸Aを中心として時計回りにやや回動すれば、上側ハートカム機構6uおける上側ピン部62のカムピン62cpが第2上側カム溝部63scに嵌まり、ホルダ部材2が半開位置にロックされる。
【0099】
図6に示すように、ホルダ部材2が半開位置に配置されると、ホルダ部材2における第2ホルダ開口22は、
図5に示す開位置に比べて、水平方向に位置変化する。これにより、隣接する図略の車両搭載機器に対する第2ホルダ開口22の位置や当該第2ホルダ開口22に支持される物品109の位置を、水平方向に変化させることが可能である。
【0100】
また、
図6に示すように、ホルダ部材2を半開位置に配置し、かつ、トレイ部材3を第2の半開位置に配置したことで、ホルダ部材出入口54やトレイ部材出入口55の外側(すなわち車両室内)におけるホルダ部材2およびトレイ部材3の露出量を極力小さくしつつ、ホルダ装置1によって丈の高い物品109を安定して保持することが可能である。これにより、実施例2のホルダ装置1が車両室内において嵩張らなくなり、ユーザーの邪魔になり難くなる。
【0101】
図6に示すように、ホルダ部材2が半開位置にロックされ、トレイ部材3が第2の半開位置にロックされているときに、ホルダ部材2をホルダ部材出入口54の内側に向けてさらに押圧すると、ホルダ部材2を回動軸Aとした時計回りに回動させ、当該ホルダ部材2を
図4に示す格納位置にまで位置変化させ得る。
図3に示す上側ハートカム機構6uおける上側ピン部62のカムピン62cpが第1上側カム溝部63fcに嵌まれば、ホルダ部材2が格納位置にロックされる。この場合には、ホルダ部材2をホルダ部材出入口54の内側に格納しつつ、トレイ部材3のみをトレイ部材出入口55の外側に展開して第2の半開位置に配置することができる(図略)。
【0102】
また、トレイ部材3が
図6に示す第2の展開位置にあるときに、ホルダ部材2のみを格納位置に回動させることで、
図7に示すように、ホルダ部材2をホルダ部材出入口54の内側に格納しつつ、トレイ部材3のみをトレイ部材出入口55の外側に展開して第2の展開位置に配置することもできる。
ホルダ部材2をホルダ部材出入口54の内側に格納しつつ、トレイ部材3のみをトレイ部材出入口55の外側に展開することで、車両室内におけるホルダ装置1の外形寸法を極力小さくしつつ、ホルダ装置1によって丈の低い物品109、例えば時計や小物入れ等を安定して保持することが可能である。
【0103】
ところで、
図7~
図9に示すように、実施例2のホルダ装置1は、さらに、トレイ部材3に脱着可能な充電アダプタ80を有する。充電アダプタ80はUSB端子(図略)を有し、当該USB端子は車両の電源に接続されたUSB差し込み口(図略)に差し込むことができる。
図8に示すように、充電アダプタ80は、非接触式の充電部81を有し、当該充電部81によって例えば
図7、
図9に示すスマートウォッチ109w等を充電することができる。充電アダプタ80はトレイ部材3に対して脱着可能であるために、必要のないときにはトレイ部材3から取り外せば良い。
【0104】
実施例2のホルダ装置1では、さらに、トレイ部材3が第2の展開位置にあるときに、ホルダ部材2のみを時計回りに回動させて、半開位置に配置することもできる(
図9)。このとき、ホルダ部材出入口54の外側におけるホルダ部材2の露出量は、トレイ部材出入口55の外側におけるトレイ部材3の露出量のおよそ1/2となる。
この場合には、ホルダ部材2における第2ホルダ開口22の周縁部22pによって丈の高い物品109tの側部を支持し、トレイ部材3の第1トレイ部31によって物品109tの底部を支持することができる。また、トレイ部材3の第2トレイ部32には、丈の低い物品109wを保持できる。この場合には、車両室内におけるホルダ装置1の外形寸法を極力小さくしつつ、ホルダ装置1によって丈の高い物品109tと丈の低い物品109wの両方を安定して保持することが可能である。
【0105】
実施例2のホルダ装置では、第1サポート41で第1ホルダ開口21に差し込まれた物品109の側面を押圧したが、本発明のホルダ装置では、第1サポート41によって物品109の底部を支持することもできる。
【0106】
この場合、第1サポート41の形状を、下垂した位置で安定的に維持される形状にすれば良い。例えば、第1サポート41の形状を、二つのサポート枢支軸41sをむすぶ直線を対称軸とした線対称な形状にすれば良い。こうすることで、第1サポート41は、第1ホルダ開口21に差し込まれた物品109の底部によって押圧されても回動せず、当該物品109の底部を安定的に支持できる。第2サポート42についても同様である。
なお、この場合には、第1サポート41および第2サポート42が、本発明のホルダ装置におけるトレイ部材として機能する。このため、トレイ部材3をなくすことも可能である。
【0107】
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0108】
1:車載用回動式ホルダ装置
2:ホルダ部材
21:第1ホルダ開口
22:第2ホルダ開口
26:規制ピン(ホルダ側係止部)
3:トレイ部材
36:ストッパ溝(トレイ側係止部)
54:ホルダ部材出入口
55:トレイ部材出入口55
6:ロック要素
102:出入口
A:回動軸