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特許7302633設定システム、設定装置、設定方法及び設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】設定システム、設定装置、設定方法及び設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G05B19/05 L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021137835
(22)【出願日】2021-08-26
(65)【公開番号】P2023032003
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀和
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-96981(JP,A)
【文献】特開2020-86831(JP,A)
【文献】特開2011-227902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定システムであって、
前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを提供するサーバ装置と、
前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置との間に介在する装置であって、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記サーバ装置から提供された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う入出力装置と、
を備える設定システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、提供すべき前記機器設定データが更新された場合には、更新された前記機器設定データを前記入出力装置に提供し、
前記入出力装置は、先に前記サーバ装置から提供された前記機器設定データを、新たに前記サーバ装置から提供された前記機器設定データに更新する、
請求項1記載の設定システム。
【請求項3】
前記入出力装置は、前記サーバ装置から提供された前記機器設定データが更新された場合には、更新された前記機器設定データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、現在の前記機器設定データを前記入出力装置から送信された前記機器設定データに更新する、
請求項1又は請求項2記載の設定システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記入出力装置から送信された前記機器設定データの更新を行った場合には、更新を行った旨を前記入出力装置に通知し、
前記入出力装置は、前記サーバ装置からの通知に基づき、前記サーバ装置の前記機器設定データと、自装置の前記機器設定データとが一致しているか否かを確認する、
請求項3記載の設定システム。
【請求項5】
前記入出力装置は、前記フィールド機器との接続が切断された後に、接続が切断された前記フィールド機器の識別情報と同じ識別情報を有する前記フィールド機器との接続が確立した場合には、接続が切断された前記フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、接続が確立した当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の設定システム。
【請求項6】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定装置であって、
前記フィールド機器と通信する通信部と、
前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを格納する格納部と、
前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記格納部に格納された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う処理部と、
を備える設定装置。
【請求項7】
前記設定装置は、前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置との間に介在する入出力装置である請求項6記載の設定装置。
【請求項8】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定方法であって、
前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置との間に介在する入出力装置が、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う設定方法。
【請求項9】
コンピュータを、フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定装置として機能させる設定プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記フィールド機器と通信する通信手段と、
前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを格納する格納手段と、
前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記格納手段に格納された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う処理手段と、
して機能させる設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定システム、設定装置、設定方法及び設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントや工場等(以下、これらを総称する場合には、単に「プラント」という)に構築されるプロセス制御システムは、概してフィールド機器と呼ばれる現場機器(測定器、操作器)と、これらを制御する制御装置とが入出力装置を介して接続された構成である。このプロセス制御システムでは、フィールド機器で得られたプロセス値(例えば、圧力、温度、流量等の測定値)を、入出力装置を介して制御装置が収集し、収集したプロセス値に応じて制御装置がフィールド機器を、入出力装置を介して操作(制御)する動作が行われる。このような動作が繰り返されることで、プラント等の高度な自動操業が実現される。尚、プロセス制御システムの概要については、例えば、以下の特許文献1を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-74880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなプロセス制御システムでは、フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器に対して事前に行う必要がある。但し、フィールド機器に対する設定及び動作確認作業は、一般にエンジニアリング装置やハンドヘルドターミナル等の端末を用いて複数の手順に沿って手動で行う必要があるため、時間がかかっているのが問題点である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フィールド機器の設定に要する作業時間を従来よりも削減することができる設定システム、設定装置、設定方法及び設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様による設定システムは、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定システム(1)であって、前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを提供するサーバ装置(14)と、前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置(13)との間に介在する装置であって、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記サーバ装置から提供された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う入出力装置(12)と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様による設定システムは、前記サーバ装置が、提供すべき前記機器設定データが更新された場合には、更新された前記機器設定データを前記入出力装置に提供し、前記入出力装置が、先に前記サーバ装置から提供された前記機器設定データを、新たに前記サーバ装置から提供された前記機器設定データに更新する。
【0008】
また、本発明の一態様による設定システムは、前記入出力装置が、前記サーバ装置から提供された前記機器設定データが更新された場合には、更新された前記機器設定データを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、現在の前記機器設定データを前記入出力装置から送信された前記機器設定データに更新する。
【0009】
また、本発明の一態様による設定システムは、前記サーバ装置が、前記入出力装置から送信された前記機器設定データの更新を行った場合には、更新を行った旨を前記入出力装置に通知し、前記入出力装置が、前記サーバ装置からの通知に基づき、前記サーバ装置の前記機器設定データと、自装置の前記機器設定データとが一致しているか否かを確認する。
【0010】
また、本発明の一態様による設定システムは、入出力装置が、前記フィールド機器との接続が切断された後に、接続が切断された前記フィールド機器の識別情報と同じ識別情報を有する前記フィールド機器との接続が確立した場合には、接続が切断された前記フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、接続が確立した当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う。
【0011】
本発明の一態様による設定装置は、フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定装置(12)であって、前記フィールド機器と通信する通信部(43)と、前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを格納する格納部(44)と、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記格納部に格納された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う処理部(45)と、を備える。
【0012】
また、本発明の一態様による設定装置は、前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置との間に介在する入出力装置である。
【0013】
本発明の一態様による設定方法は、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定方法であって、前記フィールド機器と、前記フィールド機器の制御を行う制御装置(13)との間に介在する入出力装置(12)が、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う。
【0014】
本発明の一態様による設定プログラムは、コンピュータを、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定装置(12)として機能させる設定プログラムであって、前記コンピュータを、前記フィールド機器と通信する通信手段(43)と、前記フィールド機器の識別情報と前記フィールド機器に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データを格納する格納手段(44)と、前記フィールド機器との接続が確立した場合に、前記格納手段に格納された前記機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器の識別情報に対応付けられた前記設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器の設定を行う処理手段(45)と、して機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィールド機器の設定に要する作業時間を従来よりも削減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態によるプロセス制御システムの要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態によるサーバ装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態による機器設定データDの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態による入出力装置の要部構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態による第1の設定方法を示すシーケンス図である。
図7】本発明の実施形態による第2の設定方法を示すシーケンス図である。
図8】本発明の実施形態による第3の設定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による設定システム、設定装置、設定方法及び設定プログラムについて詳細に説明する。以下では、まず本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0018】
〔概要〕
本発明の実施形態は、フィールド機器の設定に要する作業時間を従来よりも削減することができるようにするものである。具体的には、入出力装置にフィールド機器に設定すべき設定データを格納し、入出力装置とフィールド機器との接続が確立した場合には、そのフィールド機器に入出力装置内の設定データを自動で反映されるようにしたものである。
【0019】
プロセス制御システムでは、フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器に対して事前に行う必要がある。例えば、フィールド機器に対する設定作業は、プロセス制御システムの立ち上げ(スタートアップ)時や保守点検作業時において行われる。保守作業としては、プロセス制御システムの立ち上げ後において定期的に行われ、例えばフィールド機器の校正、古くなったフィールド機器の交換、故障した機器の交換、出力確認、様々なテスト等である。
【0020】
このようなフィールド機器に対する設定作業は、エンジニアリング装置やハンドヘルド等の端末を用いて作業者により手作業で行われるのが一般的である。具体的なエンジニアリングの手順の一例は、以下の通りである。まず、フィールド機器の性能情報やリソース情報等が記述されたCF(Capability File)ファイルと、機器パラメータの属性情報等が記述されたDD(Device Description)ファイルとから、フィールド機器内部の構成情報を取得する。次に、取得した構成情報と、ユーザによって定義された通信定義やアプリケーション定義のデータとに基づいて、フィールド機器に設定すべき設定データを生成する。そして、フィールド機器が設置されたプラントの現場において、生成された設定データをフィールド機器にダウンロードする(読み込ませる)。
【0021】
規模の大きなプロセス制御システムでは、数千のフィールド機器が設置されており、全てのフィールド機器の設定に要する作業時間は、各々のフィールド機器の設定に要する作業時間が積み重なったものとなる。このため、フィールド機器一台の設定作業に要する設定作業が長いと、スタートアップ時の作業又は保守点検作業を完了するまでに、多大な時間と労力を要する。
【0022】
本発明の実施形態では、まず、入出力装置にフィールド機器に設定すべき設定データを格納しておく。そして、入出力装置に対してフィールド機器を接続する作業を行い、入出力装置とフィールド機器との接続が確立した場合に、入出力装置がそのフィールド機器に対して設定データを送信することで当該フィールド機器の設定を行うようにしている。このように、本実施形態では、入出力装置に対してフィールド機器を接続させるだけで、フィールド機器の設定が行われる。このため、フィールド機器の設定に要する作業時間を従来よりも削減することができる。
【0023】
〔詳細〕
〈プロセス制御システム〉
図1は、プロセス制御システムの要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、プロセス制御システムPSは、フィールド機器11、入出力装置12、及び制御装置13を備えており、操作監視端末(図示省略)等からの指示等に応じて制御装置13がフィールド機器11を制御することによってプラント(図示省略)で実現される工業プロセスの制御を行う。尚、プロセス制御システムPSにおいて、フィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定は、後述する設定システム1(図2参照)によって行われる。
【0024】
フィールド機器11は、入出力装置12を介して制御装置13に接続されている。フィールド機器11は、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントの現場に設置される機器である。フィールド機器11は、例えば、プロセス工業用の汎用通信プロトコルの一種であるHART(登録商標)を用いた通信が可能である。尚、フィールド機器11は、HART(登録商標)以外の通信プロトコル(例えば、FOUNDATION Fieldbus(登録商標)等)を用いて通信を行うものあってよい。
【0025】
入出力装置12は、フィールド機器11と制御装置13との間に介在し、フィールド機器11を制御装置13に接続する。図1に示す例では、制御装置13には、複数の入出力装置12-1~12-n(nは2以上の整数)がネットワークN1を介して接続される。入出力装置12-1~12-nは、同一の構成であって、特に区別しない場合には「入出力装置12」という。図1に示す例では、入出力装置12には、複数のフィールド機器11が接続される。但し、これに限定されず、入出力装置12には、1つのフィールド機器11が接続されてもよい。尚、入出力装置12は、「設定装置」の一例である。ネットワークN1は、有線であってもよいし、無線であってもよいし、その組み合わせであってもよい。
【0026】
制御装置13は、1つ以上の入出力装置12を介して1つ以上のフィールド機器11との間で通信を行って当該フィールド機器11の制御を行う。具体的に、制御装置13は、あるフィールド機器11(例えば、センサ機器)で測定されたプロセス値を取得し、他のフィールド機器11(例えば、バルブ機器)の操作量を演算して送信することによって、他のフィールド機器11(例えば、バルブ機器)を制御する。
【0027】
〈設定システム〉
図2は、本発明の実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、本実施形態の設定システム1は、サーバ装置14及び1つ以上の入出力装置12によって実現され、フィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行うシステムである。図2に示す例では、設定システム1は、サーバ装置14と、複数の入出力装置12-1~12-nとを備える。設定システム1がフィールド機器11に対して行う設定としては、例えばディジタル通信を可能とするための通信設定や、機能ブロックを動作させるための機能ブロック設定等が挙げられる。
【0028】
〈サーバ装置〉
サーバ装置14は、例えば、インターネット上やクラウド上に配置される。サーバ装置14は、ネットワークN2を介して複数の入出力装置12-1~12-nに接続されている。ネットワークN2は、有線であってもよいし、無線であってもよいし、その組み合わせであってもよい。サーバ装置14は、フィールド機器11の識別情報とフィールド機器11に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データD(図3参照)を提供する。例えば、サーバ装置14は、提供すべき機器設定データが更新された場合には、更新された機器設定データを入出力装置12に提供する。また、入出力装置12への初期設定として、サーバ装置14は、機器設定データを入出力装置12に提供する。例えば、サーバ装置14は、初期設定として、プロセス制御システムPSのスタートアップ時や装置の設置の時などに機器設定データを入出力装置12に提供する。サーバ装置14には、第1の端末100が接続される。第1の端末100は、作業員等の操作者によって操作される端末であって、操作者による操作に応じてサーバ装置14内に機器設定データを入力したり、サーバ装置14内の機器設定データを更新したりする。
【0029】
図3は、本発明の実施形態によるサーバ装置の要部構成を示すブロック図である。図3に示す通り、本実施形態のサーバ装置14は、通信部31、通信部32、データベース33、及び処理部34を備える。
【0030】
通信部31は、処理部34の下で第1の端末100と通信を行う。第1の端末100からの指示が通信部31で受信されることで、例えば、データベース33に新たな機器設定データDが格納されたり、データベース33に既に格納されている機器設定データDが更新されたりする。通信部32は、処理部34の下で複数の入出力装置12と通信を行う。
【0031】
データベース33には、プロセス制御システムPSで使用される全てのフィールド機器11の設定データが格納されている。具体例として、データベース33には、フィールド機器11の識別情報とそのフィールド機器11に設定すべき設定データとが対応付けられた機器設定データDが格納されている。この機器設定データDは、入出力装置12毎に区部されている。このため、データベース33には、図3に示す通り、入出力装置12-1~12-nにそれぞれ対応する機器設定データD-1~D-nが格納される。
【0032】
例えば、入出力装置12-k(k=1,…,n)に対して複数のフィールド機器11が接続される場合には、機器設定データD-kにおいて、入出力装置12-kに接続された各々のフィールド機器11の識別情報(以下、「機器ID」という。)と設定データとが対応付けられている。また、機器設定データD-kには、入出力装置12-kの識別情報(以下、「入出力装置ID」という。)と、入出力装置12-kに設定すべき設定データとが対応付けられている。尚、例えば、フィールド機器11の設定データは、複数の変数を有する。一例として、フィールド機器11の設定データは、センサの種類、センサのレンジ、プロセス値の単位、その他機器を設定するための変数等を有する。尚、ハイフン以下の符号は、複数の同じ種類の構成要素を互いに区別するものである。
【0033】
図4は、本発明の実施形態において、入出力装置12-kに対応した機器設定データD-kの一例を示す図である。図4では、入出力装置12-kに対して3台のフィールド機器11a,11b,11cが接続されている場合の機器設定データD-kを例として示している。図4に示す例では、機器設定データD-kには、フィールド機器11aの機器ID「00a」と設定データ「Da」とが対応付けられ、フィールド機器11bの機器ID「00b」と設定データ「Db」とが対応付けられ、フィールド機器11cの機器ID「00c」と設定データ「Dc」とが対応付けられている。また、機器設定データD-kには、入出力装置12-kの入出力装置ID「0000k」と設定データ「D00k」とが対応付けられている。
【0034】
処理部34は、データベース33に格納されている機器設定データD-kが更新された場合には、更新された機器設定データD-kを入出力装置12-kに提供する。また、処理部34は、入出力装置12から機器設定データD-kが送信されてきた場合には、データベース33に格納されている現在の機器設定データD-kを入出力装置12から送信されてきた機器設定データD-kに更新する。これにより、サーバ装置14内の機器設定データD-kと、入出力装置12-k内の機器設定データD-kとは同期することになる。
【0035】
〈入出力装置〉
図5は、本発明の実施形態による入出力装置の要部構成を示すブロック図である。図5に示す通り、本実施形態の入出力装置12(入出力装置12-k)は、通信部41、通信部42、通信部43、データベース44、及び処理部45を備える。尚、データベース44は、「格納部」の一例である。
【0036】
通信部41は、処理部45の下で第2の端末200と通信を行う。第2の端末200からの指示が通信部41で受信されることで、例えば、データベース44に既に格納されている機器設定データD(機器設定データD-k)が新たな機器設定データD(機器設定データD-k)に更新される。通信部42は、処理部45の下でサーバ装置14と通信を行うことでサーバ装置14と情報を送受する。通信部43は、処理部45の下でフィールド機器11と通信を行う。
【0037】
データベース44は、機器設定データD(機器設定データD-k)を格納する。例えば、データベース44に格納される機器設定データD-kは、サーバ装置14から提供されたものである。尚、入出力装置12-kのデータベース44に格納される機器設定データD-kと、サーバ装置14のデータベース33に格納される機器設定データD-kとは、同一である。
【0038】
処理部45は、通信部43とフィールド機器11との接続が確立した場合に、データベース44に格納されている機器設定データD-kのうち、接続が確立したフィールド機器11の機器IDに対応付けられた設定データを、そのフィールド機器11に送信することにより、そのフィールド機器11の設定を行う。
【0039】
処理部45は、サーバ装置14から新たな機器設定データD-kが提供された場合には、先にサーバ装置14から提供された機器設定データD-kを、新たにサーバ装置14から提供された機器設定データD-kに更新する。つまり、サーバ装置14のデータベース33に格納されている機器設定データD―kが更新されると、入出力装置12-kのデータベース44に格納されている機器設定データD-kは、更新後の機器設定データD-kに上書きされる。
【0040】
処理部45は、データベース44に格納されている機器設定データD-kが第2の端末200等によって更新された場合には、更新された機器設定データD-kをサーバ装置14に送信する。これにより、データベース33に格納されている機器設定データD-kは、更新後の機器設定データD-kに上書きされる。
【0041】
処理部45は、フィールド機器11との接続が切断された後に、接続が切断されたフィールド機器11の機器IDと同じ機器IDを有するフィールド機器11との接続が確立した場合には、接続が切断されたフィールド機器11の機器IDに対応付けられた設定データをデータベース44から読み取る。そして、処理部45は、読み取った設定データを、接続が確立したフィールド機器11に送信することにより、そのフィールド機器11の設定を行う。
【0042】
〈設定方法〉
次に、フィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行う設定方法について説明する。まず、第1の端末100によりサーバ装置14の機器設定データD-kが更新された場合のフィールド機器11の設定方法(以下、「第1の設定方法」という。)の手順を示す。
【0043】
《第1の設定方法》
図6は、本発明の実施形態による第1の設定方法を示すシーケンス図である。ここでは、第1の端末100の操作者Aと、第2の端末200の操作者Bとが連携してフィールド機器11の設定を行う場合を例に挙げて説明する。また、説明を簡単にするために、入出力装置12-kには、1つのフィールド機器11のみが接続されているものとする。
【0044】
まず、操作者Aは、第1の端末100を操作してサーバ装置14に接続することでサーバ装置14のデータベース33にアクセスする。そして、操作者Aは、第1の端末100を操作してデータベース33に機器設定データD-kを入力する(ステップS1)。例えば、操作者Aは、第1の端末100を用いてデータベース33に対して、入出力装置12-kの入出力装置ID及び入出力装置12-kに接続されるフィールド機器11の機器IDを入力する。操作者Aは、入出力装置ID及び機器IDの入力後に、第1の端末100を用いて入出力装置12-k及び入出力装置12-kに接続されるフィールド機器11の各設定データの変数に所望の値を入力する。
【0045】
操作者Aは、機器設定データD-kの入力が完了すると、第1の端末100からサーバ装置14に対して設定更新の命令を出力する。サーバ装置14は、第1の端末100から設定更新の命令を受信すると、データベース33に既に格納されている現在の機器設定データD-kを、第1の端末100に入力された新たな機器設定データD-kに更新する(ステップS2)。
【0046】
次に、操作者Bは、入出力装置12-kをサーバ装置14に接続する作業を行う(ステップS3)。この作業が行われると、入出力装置12-kはサーバ装置14に対して通信を行って接続を確立する(ステップS4)。
【0047】
サーバ装置14は、ステップS4によって入出力装置12-kと接続を確立すると、その接続の確立をトリガーとして、入出力装置12-kに対して入出力装置IDを要求する(ステップS5)。入出力装置12-kは、入出力装置IDの要求をサーバ装置14から受信すると、入出力装置12-k内に格納されている入出力装置IDをサーバ装置14に送信する(ステップS6)。
【0048】
サーバ装置14は、入出力装置12-kから入出力装置IDを受信すると、その入出力装置IDと入出力装置12-kのアドレス(例えばIPアドレス)とを紐付けて保持する(ステップS7)。サーバ装置14は、保持している入出力装置IDが、データベース33に格納されている入出力装置IDと一致するか否かを確認する認証処理を実行する(ステップS8)。尚、サーバ装置14は、認証処理が失敗した場合には、例えば、認証処理のリトライ、入出力装置IDの再要求、認証処理のエラーの通知等を行う。
【0049】
サーバ装置14は、ステップS8において認証処理が成功すると、認証処理が成功した入出力装置IDに紐づけてあるアドレスを基に、データベース33に格納されている機器設定データD-kを入出力装置12-kに送信する(ステップS9)。
【0050】
入出力装置12-kは、ステップS9でサーバ装置14から機器設定データD-kを受信すると、データベース44に格納されている機器設定データD(機器設定データD-k)を、ステップS9によってサーバ装置14から受信した機器設定データD-kに更新する(ステップS10)。尚、機器設定データD-kが更新されることで、D-kに対応付けられた入出力装置12-kの設定データも更新される。
【0051】
次いで、操作者Bは、フィールド機器11を入出力装置12-kに接続する作業を行う(ステップS11)。この作業が行われると、入出力装置12-kは、フィールド機器11との通信接続が確立したことを認識する(S12)。入出力装置12-kは、フィールド機器11との通信接続の確立をトリガーとして、通信接続が確立したフィールド機器11に対して機器IDを要求する(S13)。
【0052】
フィールド機器11は、機器IDの要求を入出力装置12-kから受信すると、フィールド機器11内に格納されている機器IDを入出力装置12-kに送信する(ステップS14)。入出力装置12-kは、フィールド機器11から機器IDを受信すると、そのフィールド機器11の機器IDとフィールド機器11のアドレス(例えばノードアドレス)とを紐付けて保持する(ステップS15)。入出力装置12-kは、保持している機器IDが、データベース44に格納されている機器IDと一致するか否かを確認する認証処理を実行する(ステップS16)。
【0053】
入出力装置12-kは、ステップS16において認証処理が成功すると、認証処理が成功した機器IDに対応付けられたフィールド機器11の設定データをデータベース44内の機器設定データD-kから読み取る。そして、入出力装置12-kは、読み取ったフィールド機器11の設定データを、フィールド機器11のアドレスを基にそのフィールド機器11に送信する(ステップS17)。
【0054】
フィールド機器11は、ステップS17で入出力装置12-kから設定データを受信すると、現在の設定を入出力装置12-kから受信した設定データに更新する(ステップS18)。このように、入出力装置12-kは、フィールド機器11との接続が確立した場合に、フィールド機器11に設定データを送信することにより、そのフィールド機器11の設定が行われる。尚、ステップS16の認証処理が失敗した場合には、例えば、入出力装置12-kは、認証処理のリトライ、フィールド機器11の再要求、第2の端末200に対する認証処理のエラーの通知等を行う。
【0055】
尚、ステップS3の処理を行うにあたって、入出力装置12-kとサーバ装置14との接続が既に確立されている場合には、ステップS3からステップS7の処理を省略してもよい。ステップS11の処理を行うにあたって、入出力装置12-kとフィールド機器11との接続が既に確立されている場合には、ステップS11からステップS15の処理を省略してもよい。
【0056】
次に、第2の端末200により入出力装置12-kの機器設定データが更新された場合のフィールド機器11の設定方法(以下、「第2の設定方法」という。)の手順を示す。
【0057】
《第2の設定方法》
図7は、本発明の実施形態による第2の設定方法を示すシーケンス図である。ここでは、図6と同様に、入出力装置12-kには、1つのフィールド機器11が接続されている場合を例に挙げて説明する。尚、上述した第1の設定方法では、フィールド機器11の設定が、第1の端末100の操作者Aと第2の端末200の操作者Bとが連携することで行われていたが、第2の設定方法では、第2の端末200の操作者Bのみによって行われる。
【0058】
まず、操作者Bは、第2の端末200を操作して入出力装置12-kに接続することで入出力装置12-kのデータベース44にアクセスする。操作者Bは、第2の端末200を操作してデータベース44に対して機器設定データD-kの各種情報を入力する(ステップS21)。例えば、操作者Bは、第2の端末200を用いてデータベース44に対して、入出力装置12-kに接続されるフィールド機器11の設定データの変数に所望の値を入力する。
【0059】
操作者Bは、フィールド機器11の設定データの入力が完了すると、第2の端末200から入出力装置12-kに対して設定更新の命令を出力する。入出力装置12-kは、第2の端末200から設定更新の命令を受信すると、データベース44に既に格納されている現在の機器設定データD-kを、第2の端末200に入力された新たな機器設定データD-kに更新する(ステップS22)。
【0060】
次に、操作者Bは、入出力装置12-kをサーバ装置14に接続する作業を行う(ステップS23)。この作業が行われると、入出力装置12-kはサーバ装置14に対して通信を行って接続を確立する(ステップS24)。
【0061】
サーバ装置14は、ステップS24によって入出力装置12-kと接続を確立すると、その接続の確立をトリガーとして、入出力装置12-kに対して入出力装置IDを要求する(ステップS25)。入出力装置12-kは、入出力装置IDの要求をサーバ装置14から受信すると、入出力装置12-k内に格納されている入出力装置IDをサーバ装置14に送信する(ステップS26)。サーバ装置14は、入出力装置12-kから入出力装置IDを受信すると、その入出力装置IDと入出力装置12-kのアドレス(例えばIPアドレス)とを紐付けて保持する(ステップS27)。
【0062】
入出力装置12-kは、ステップS22において機器設定データD-kの更新を行った旨の通知(以下、「設定変更通知」という。)と、更新後の機器設定データD-kとをサーバ装置14に対して送信する(ステップS28)。
【0063】
サーバ装置14は、入出力装置12-kから設定変更通知を受信すると、データベース33に格納されている現在の機器設定データD-kを入出力装置12-kから送信された機器設定データD-kに更新する(ステップS29)。サーバ装置14は、機器設定データD-kの更新を行った場合には、更新を行った旨(以下、「完了通知」という。)を入出力装置12-kに通知する(ステップS30)。
【0064】
入出力装置12-kは、サーバ装置14からの完了通知に基づき、サーバ装置14の機器設定データD-kと、自装置(入出力装置12-k)の機器設定データD-kとが一致しているか否かを確認する(ステップS31)。例えば、入出力装置12-kは、サーバ装置14からの完了通知を受信すると、データベース33に格納されている更新後の機器設定データD-kを読み込む。そして、入出力装置12-kは、読み込んだ機器設定データD-kと、データベース44に格納されている機器設定データD-kとが一致しているか否かを判定する照合処理を実行する。尚、照合処理が失敗した場合には、例えば、入出力装置12-kは、照合処理のリトライ、サーバ装置14に格納されている機器設定データD-kの再度の読み込み、第2の端末200に対する照合処理のエラーの通知等を行う。
【0065】
入出力装置12-kは、照合処理の結果、サーバ装置14の機器設定データD-kと、自装置の機器設定データD-kとが一致している場合には、フィールド機器11との通信接続が確立したことをトリガーとして、フィールド機器11に対して自装置の機器設定データD-kを送信する。これにより、入出力装置12-kに接続されているフィールド機器11の設定を行うことができる。すなわち、ステップS31において照合処理が完了すると、ステップS32からステップS39の処理を実行する。尚、ステップS32からステップS39の処理は、図6に示すステップS11からステップS18の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
次に、入出力装置12-kに接続されているフィールド機器11を新しいフィールド機器11に交換された場合の設定方法(以下、「第3の設定方法」という。)の手順を示す。尚、交換される新しいフィールド機器11は、交換前のフィールド機器11の機器IDと同一の機器IDが付与されている。
【0067】
《第3の設定方法》
図8は、本発明の実施形態による第3の設定方法を示すフローチャートである。例えば、操作者Bが入出力装置12-kからフィールド機器11aを取り外し、新たなフィールド機器11dを接続するとする。この場合には、予めフィールド機器11dの機器IDは、フィールド機器11aの機器IDに設定されている。
【0068】
入出力装置12-kは、フィールド機器11aとの接続が切断されたか否かを判定する(ステップS41)。例えば、入出力装置12-kは、フィールド機器11aと周期的に通信(例えば、ハートビート信号の送信)を行い、ステップS41に示すようなフィールド機器11aの生存確認を行っている。したがって、入出力装置12-kは、フィールド機器11aが入出力装置12-kから取り外され、フィールド機器11aと通信ができなくなった場合には、フィールド機器11aとの接続が切断されたと判定する。
【0069】
入出力装置12-kは、フィールド機器11aとの接続が切断されたと判定した後に、接続が切断されたフィールド機器11aの機器IDと同じ識別情報の機器IDを有するフィールド機器11dとの接続が確立したか否かを判定する(ステップS42)。入出力装置12-kは、フィールド機器11dとの接続が確立するまでステップS42の処理を実行してもよい。
【0070】
入出力装置12-kは、フィールド機器11dとの接続が確立した場合には、フィールド機器11dの機器ID(フィールド機器11aと同じ機器ID)に対応付けられた設定データをデータベース44から読み取る。そして、入出力装置12-kは、読み取った設定データをフィールド機器11dに送信することで、フィールド機器11dの設定を行う(ステップS43)。例えば、入出力装置12-kは、ステップS43の処理として、図6に示すステップS13からステップS18までの処理を実行してもよい。
【0071】
なお、図8では、入出力装置12-kに接続されているフィールド機器11を新しいフィールド機器11に交換する場合を例として説明したが、これに限定されない。例えば、入出力装置12-kから取り外したフィールド機器11を再度入出力装置12-kに接続する場合においても、第3の設定方法を適用可能である。例えば、入出力装置12-kからフィールド機器11を取り外し、取り外したフィールド機器11を修理して入出力装置12-kに再度接続する場合においても、第3の設定方法を適用可能である。すなわち、上記のフィールド機器11dは、フィールド機器11aと同じ機器IDを有していればどのようなフィールド機器であってもよく、新しいフィールド機器であってもよいし、フィールド機器11aであってもよい。
【0072】
以上の通り、本実施形態では、フィールド機器11と、フィールド機器11の制御を行う制御装置との間に介在する入出力装置12を備える。そして、入出力装置12は、フィールド機器11との接続が確立した場合に、サーバ装置14から提供された機器設定データのうち、接続が確立した当該フィールド機器11の機器IDに対応付けられた設定データを、当該フィールド機器に送信することにより、当該フィールド機器11の設定を行う。これにより、フィールド機器11と入出力装置12との通信を確立するだけで、設定データをフィールド機器11にダウンロードすることができ、手動によるフィールド機器11の設定作業を削減できる。その結果、フィールド機器の設定に要する作業時間を従来よりも削減することができる。
【0073】
また、サーバ装置14は、提供すべき機器設定データDが更新された場合には、更新された機器設定データを入出力装置12に提供する。そして、入出力装置12は、先にサーバ装置14から提供された機器設定データを、新たにサーバ装置14から提供された機器設定データに更新してもよい。これにより、フィールド機器11に設定すべき設定データをインターネット経由でサーバ装置14から入出力装置12にダウンロードが可能となる。その結果、現場では入出力装置12にフィールド機器11を接続するだけでフィールド機器11の設定を自動で行うことができる。また、サーバ装置14から入出力装置12に機器設定データDをダウンロードすることで、手順を削減して作業時間を削減できる。
【0074】
また、サーバ装置14に接続する第1の端末100が、フィールド機器11を製造する工場にある場合には、製造関係者が出荷時に客先が望む機器設定データDを第1の端末100からサーバ装置14に入力してもよい。これにより、客先では、フィールド機器11がネットワークを介してサーバ装置14に接続するだけで、自動的に客先が望む設定にフィールド機器11の設定を更新することができる。また、サーバ装置14上でフィールド機器11の設定データを一元管理することができる。
【0075】
フィールド機器11の交換時は、もともと入出力装置12に接続されているフィールド機器11の設定データが入出力装置12に同期しておき、交換時に例えば新しいフィールド機器11にもともと接続されていたフィールド機器11の設定データを自動でダウンロードする。これにより、フィールド機器11の設定に要する作業時間を削減することができる。ここで、入出力装置12に接続されているフィールド機器11の設定データが入出力装置12に同期していることとは、例えば、図6又は図7で説明した方法によって、フィールド機器11及び入出力装置12で設定データの値が共有されている状態である。換言すれば、この同期とは、図6又は図7で説明した方法によって、入出力装置12の設定データの値と、その入出力装置12に接続されているフィールド機器11の設定データの値とが等値化されている状態である。
【0076】
また、スタートアップ時にプロセス制御システムPSに接続する予定のフィールド機器11の設定を、リモートで予め一括で変更可能である。これにより、操作者Aの現場への移動に要する時間と費用を削減できる。
【0077】
また、操作者Bは、保守点検時に入出力装置12に第2の端末200を有線または無線で接続するだけでフィールド機器11の設定を行うことができ、入出力装置12に接続されている各フィールド機器11と第2の端末200とを個別で接続する必要がなくなる。その結果、保守点検作業の効率が向上する。
【0078】
また、第2の端末200が各フィールド機器11と個別で接続してフィールド機器11の設定を行う場合には、その物理的な通信接続の間違い、その他作業手順の間違いが発生する。本実施形態では、第2の端末200が各フィールド機器11と個別で接続する必要がなく、物理的な通信接続の間違いや作業手順の間違いを削減することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、1段目にサーバ装置14、2段目に入出力装置12、3段目にフィールド機器11が配置された3段のシステム構成の場合を例として説明した。しかしながら、N段(Nは任意の自然数)のシステム構成の場合についても、本発明を適用できる。例えば、K段目(Kは1以上N未満の任意の自然数)の機器からみて、K+1段目に接続する機器の数は1つ以上の任意の数である。この機器とは、フィールド機器11、サーバ装置14、及び入出力装置12のいずれであってもよい。N=2である場合には、1段目がサーバ装置14であり、2段目がフィールド機器となり、入出力装置12が用いられない構成である。この場合には、サーバ装置14は、フィールド機器11との接続が確立した場合に、そのフィールド機器11に対して設定データを送信することでフィールド機器の設定を行う。尚、サーバ装置14は、「設定装置」の一例である。
【0080】
また、図6のステップS3や図7のステップS23に例示するように、入出力装置12は、第2の端末200からの接続指令を受信した場合に、サーバ装置14と通信を行うことで接続を確立したが、これに限定されない。例えば、入出力装置12は、電源が投入された場合等、第2の端末200からの接続指令を受信しなくても何らかの契機によってサーバ装置14と通信を行うことで接続を確立してもよい。
【0081】
また、入出力装置12に設けられる各構成部は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにより実現できる。また、第1の設定方法、第2の設定方法及び第3の設定方法も、各構成部の協調により行なわれ、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにより実現できる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0082】
プログラムは、様々なコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスクドライブ、光磁気ディスク)、DVD-ROM(Read Only Memory)、DVD-R、DVD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0083】
また、上述した実施形態は、装置単体で実現されるもののほか、ネットワークを介してクラウドコンピューティングによって実現されていてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 設定システム
11 フィールド機器
12 入出力装置
13 制御装置
14 サーバ装置
43 通信部
44 データベース
45 処理部
100 第1の端末
200 第2の端末
PS プロセス制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8