(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230627BHJP
G08G 1/137 20060101ALI20230627BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230627BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20230627BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/137
G09B29/10 A
G06F16/909
(21)【出願番号】P 2021145861
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2017022930の分割
【原出願日】2017-02-10
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2016211282
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】矢野 純史
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/118035(WO,A1)
【文献】特開2001-012963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G06F 16/909
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、
コンピュータを、
車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者が走行した経路の特性を示す経路特性を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部と、
推奨経路を決定する経路計算部、
として機能させるためのプログラムであり、
前記経路計算部は、前記ポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した各前記評価値に基づいて前記推奨経路を決定する処理、および前記経路特性に基づく経由地、を含む前記推奨経路を決定する処理の少なくともいずれか一方を行い、
前記経路計算部は、前記複数の候補経路の中で前記評価値について所定順位内である複数の前記候補経路のうち、特定の経由地に対応する前記候補経路が存在する場合、前記経由地に対応する前記候補経路を前記推奨経路として決定し、前記経由地に対応する前記候補経路が存在しない場合、最も上位の前記候補経路を前記推奨経路として決定する、経路処理プログラム。
【請求項2】
前記経路特性は、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項
1に記載の経路処理プログラム。
【請求項3】
前記取得部は、前記算出部によって求められた前記経路特性に基づいて前記目的地を算出する、請求項1
または請求項2に記載の経路処理プログラム
。
【請求項4】
車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者が走行した経路の特性を示す経路特性を求める算出部と、
前記算出部によって求められた前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部と、
推奨経路を決定する経路計算部とを備え、
前記経路計算部は、前記ポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した各前記評価値に基づいて前記推奨経路を決定する処理、および前記経路特性に基づく経由地、を含む前記推奨経路を決定する処理の少なくともいずれか一方を行い、
前記経路計算部は、前記複数の候補経路の中で前記評価値について所定順位内である複数の前記候補経路のうち、特定の経由地に対応する前記候補経路が存在する場合、前記経由地に対応する前記候補経路を前記推奨経路として決定し、前記経由地に対応する前記候補経路が存在しない場合、最も上位の前記候補経路を前記推奨経路として決定する、経路処理装置
。
【請求項5】
経路処理装置における経路処理方法であって、
車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得するステップと、
取得した前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者が走行した経路の特性を示す経路特性を求めるステップと、
求めた前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定するステップと、
推奨経路を決定するステップとを含み、
前記推奨経路を決定するステップにおいては、前記ポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した各前記評価値に基づいて前記推奨経路を決定する処理、および前記経路特性に基づく経由地、を含む前記推奨経路を決定する処理の少なくともいずれか一方を行い、
前記推奨経路を決定するステップにおいては、前記複数の候補経路の中で前記評価値について所定順位内である複数の前記候補経路のうち、特定の経由地に対応する前記候補経路が存在する場合、前記経由地に対応する前記候補経路を前記推奨経路として決定し、前記経由地に対応する前記候補経路が存在しない場合、最も上位の前記候補経路を前記推奨経路として決定する、経路処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内情報および推奨情報等をユーザに配信する種々のシステムが開発されている。このようなシステムの一例として、たとえば、特開2011-100182号公報(特許文献1)には、以下のようなリコメンド情報配信システムが開示されている。すなわち、携帯端末を携行するユーザに対して、当該ユーザが所在するエリアにおけるリコメンド情報を配信するリコメンド情報配信システムであって、前記携帯端末は、当該携帯端末を携行するユーザの現在位置情報をあらかじめ定めた周期ごとに定期的に取得し、時系列の位置情報履歴として位置情報蓄積装置に蓄積するとともに、前記位置情報蓄積装置に蓄積されている過去の前記位置情報履歴に基づいて、当該ユーザの行動を示す行動パターンを分析し、分析した該行動パターンと前記現在位置情報とを、前記リコメンド情報を配信するリコメンド情報提供サーバに送信する行動パターン作成モジュールと、前記リコメンド情報提供サーバから配信されてくる前記リコメンド情報を出力して当該ユーザに提示する出力手段と、を備え、前記リコメンド情報提供サーバは、前記携帯端末から送信されてきた前記行動パターンと前記現在位置情報とに基づいて、当該ユーザが移動する可能性が高い移動エリアを推定し、現在所在するエリアにおけるリコメンド情報としてあらかじめ保有しているリコメンド情報の中から、少なくとも、推定した前記移動エリアに関して当該ユーザに対して提供すべき前記リコメンド情報を選択して、当該ユーザが携行する前記携帯端末に対して配信するリコメンドモジュールを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】青木 由希、外3名、”E-037 音声から疲労程度を推定するスマートフォン用アプリケーションの開発”、第12回情報科学技術フォーラム、2013年9月、第2分冊、P.269
【文献】光吉 俊二、外2名、”音声感情認識技術STを使ったストレスへの応用”、日本疲労学会誌、2011年3月、第6巻、第2号、P.19-27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような特許文献1に記載の技術を超えて、運転者にとってより有用な経路を算出するための技術が求められている。
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することが可能な経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理プログラムは、経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、コンピュータを、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部、として機能させるためのプログラムである。
【0008】
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理装置は、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部とを備える。
【0009】
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理方法は、経路処理装置における経路処理方法であって、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得するステップと、取得した前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出するステップと、算出した前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定するステップとを含む。
【0010】
本発明は、このような特徴的な処理部を備える経路処理装置として実現することができるだけでなく、経路処理装置を備える経路処理システムとして実現することができる。また、本発明は、経路処理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置において用いられるルートポリシーの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する未加工走行履歴テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する走行履歴テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するドライバ嗜好テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するルートポリシー判定用テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨ルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨ルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における経路計算部が処理する各リンクの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置が車両からのプローブ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図18】
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける音声内容解析サーバにおいて行われる言語解析処理の概要を説明するための図である。
【
図21】
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける音声データ解析サーバにおいて行われる疲労度推定処理の概要を説明するための図である。
【
図22】
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における算出部が作成するドライバ傾向パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する発話内容傾斜係数表の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する発話内容傾斜係数表の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する状態感情傾斜係数表の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する状態感情傾斜係数表の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する意向反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する意向反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する状態感情反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0014】
(1)本発明の実施の形態に係る経路処理プログラムは、経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、コンピュータを、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部、として機能させるためのプログラムである。
【0015】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等を反映した経路特性に基づいて、運転者に適合するポリシーを決定することができる。これにより、たとえば、決定したポリシーに従うことで、運転者にとって有用な経路を算出することができる。したがって、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
【0016】
(2)好ましくは、前記経路特性は、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣のうちの少なくともいずれか1つを含む。
【0017】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等の経路特性への反映をより的確に行うことができる。
【0018】
(3)好ましくは、前記取得部は、前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて前記目的地を算出する。
【0019】
このような構成により、たとえば、運転者の過去のルート選択の傾向に基づいて目的地を自動的に算出することができるので、運転者が目的地を入力する負担を軽減することができる。
【0020】
(4)好ましくは、前記経路処理装置は、さらに、推奨経路を決定する経路計算部を備え、前記経路計算部は、前記ポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した各前記評価値に基づいて前記推奨経路を決定する処理、および前記経路特性に基づく経由地を含む前記推奨経路を決定する処理の少なくともいずれか一方を行う。
【0021】
このような構成により、たとえば、候補経路の特性を示すパラメータがポリシーに対応して設定されている場合において、候補経路の特性とポリシーとのマッチングの程度を示す評価値を算出することで、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等に適合した推奨経路を決定することができる。また、たとえば、嗜好等を示す経路特性に基づく経由地を含む推奨経路を決定する構成により、運転者の嗜好に適合する経由地を含む推奨経路を提供することができる。
【0022】
(5)本発明の実施の形態に係る経路処理装置は、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部とを備える。
【0023】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等を反映した経路特性に基づいて、運転者に適合するポリシーを決定することができる。これにより、たとえば、決定したポリシーに従うことで、運転者にとって有用な経路を算出することができる。したがって、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
【0024】
(6)本発明の実施の形態に係る経路処理方法は、経路処理装置における経路処理方法であって、車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得するステップと、取得した前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出するステップと、算出した前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定するステップとを含む。
【0025】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等を反映した経路特性に基づいて、運転者に適合するポリシーを決定することができる。これにより、たとえば、決定したポリシーに従うことで、運転者にとって有用な経路を算出することができる。したがって、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0027】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。
【0028】
図1を参照して、経路処理システム301は、経路処理装置101と、無線端末装置151とを備える。
【0029】
無線端末装置151は、たとえば、車両1に設けられるカーナビゲーション装置、または車両1の運転者が携帯するスマートホン等である。車両1は、たとえば、乗用車、バスまたはトラックである。
【0030】
無線端末装置151は、たとえば、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて自己の車両1の位置を取得することが可能である。
【0031】
たとえば、運転者は、ある出発地から目的地へ向かって車両1を運転しようとする状況において、ナビゲーションサービスを受けようとする場合、目的地を入力するための操作を無線端末装置151に対して行う。
【0032】
無線端末装置151は、たとえば、運転者の自己への入力操作に基づいて、車両1の目的地を取得する。また、無線端末装置151は、たとえば、GPS衛星からの電波に基づいて、車両1の出発地を特定する。
【0033】
無線端末装置151は、特定した出発地、および取得した目的地を示す目的情報を作成する。
【0034】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【0035】
図2を参照して、無線端末装置151は、たとえば、運転者の音声を言語分析することが可能であり、分析結果に基づいて、運転者の現在の意向、現在の傾向および現在の固有の特性の少なくともいずれか1つを示すルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
【0036】
ルート決定用パラメータ情報Pr1は、たとえば、ドライバID、ならびに「早さ優先」、「安さ優先」、「エコ優先」、「分かりやすさ優先」、「乗り心地優先」、「安全優先」および「渋滞感緩和優先」の項目にそれぞれ対応する優先パラメータを含む。ここで、ドライバIDは、たとえば無線端末装置151のIDである。
【0037】
より詳細には、無線端末装置151は、たとえば、運転者の音声を分析することにより当該音声の内容を取得し、取得した内容と各項目との相関の程度を算出する。
【0038】
そして、無線端末装置151は、算出した相関の程度に基づき、かつ各優先パラメータの合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
【0039】
具体的には、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「疲れているので事故が心配」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容と相関を有する「乗り心地優先」および「安全優先」等の項目に対して、当該項目に対応する優先パラメータが大きくなりかつ合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
【0040】
無線端末装置151は、ルート決定用パラメータ情報Pr1および目的情報を含むナビゲーション要求を経路処理装置101へ無線送信する。
【0041】
また、無線端末装置151は、たとえば、車両1の走行時において、取得した位置、自己のIDおよび現在時刻を示すプローブ情報を定期的に作成し、作成したプローブ情報を経路処理装置101へ無線送信する。
【0042】
なお、運転者は、ナビゲーションサービスを受けずに出発地から目的地へ向かって車両1を運転する場合、目的地を入力するための操作を無線端末装置151に対して行わない。この場合、無線端末装置151は、ナビゲーション要求を作成しないが、プローブ情報を定期的に経路処理装置101へ無線送信する。
【0043】
[経路処理装置の構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。
【0044】
図3を参照して、経路処理装置101は、取得部31と、算出部32と、経路計算部33と、決定部34と、記憶部35と、送信部36と、履歴登録部37とを備える。
【0045】
記憶部35は、地図データを保持する。地図データには、道路種別、道幅、POI(Point Of Interest)、POIの属性、リンクおよびコスト情報等が含まれる。コスト情報については後述する。
【0046】
取得部31は、目的情報を取得する。より詳細には、取得部31は、無線端末装置151から目的情報を含むナビゲーション要求を受信すると、受信したナビゲーション要求を決定部34および履歴登録部37へ出力する。
【0047】
また、取得部31は、無線端末装置151からプローブ情報を受信すると、受信したプローブ情報を履歴登録部37へ出力する。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置において用いられるルートポリシーの一例を示す図である。
【0049】
図4を参照して、「ルートポリシー」には、「デフォルトルート」、「最速ルート」、「最安ルート」、「エコルート」、「分かり易さ優先ルート」、「乗り心地優先ルート」、「安全優先ルート」および「渋滞感緩和ルート」等が含まれる。
【0050】
各「ルートポリシー」の「内容」は、たとえば、経路計算部33によって「ルート決定に影響する主なパラメータ」に基づきながら算出される提案ルートの作成指針として用いられる。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する未加工走行履歴テーブルの一例を示す図である。
【0052】
図5を参照して、未加工走行履歴テーブルTbl1には、走行した「日時」、「出発地」、「目的地」、「選択ルートポリシー」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目についての情報が、「ドライバID」ごとに含まれる。
【0053】
履歴登録部37は、たとえば、取得部31からナビゲーション要求を受けるごとに、ナビゲーション要求および対応のプローブ情報に基づいて、「ドライバID」、「日時」、「出発地」、「目的地」、「選択ルートポリシー」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目についての情報を未加工走行履歴テーブルTbl1に登録する。
【0054】
より詳細には、履歴登録部37は、ナビゲーション要求に含まれるドライバID、出発地および目的地を、未加工走行履歴テーブルTbl1における「ドライバID」、「出発地」および「目的地」の項目にそれぞれ対応する欄に書き込む。
【0055】
また、履歴登録部37は、対応のプローブ情報に基づいて、無線端末装置151が移動した経路および日時を算出し、算出した経路および日時を、未加工走行履歴テーブルTbl1における「実走行ルート」および「日時」の項目にそれぞれ対応する欄に書き込む。
【0056】
また、履歴登録部37は、決定部34によって決定されたルートポリシーを、「選択ルートポリシー」の項目に対応する欄に書き込む。
【0057】
また、履歴登録部37は、経路計算部33によって算出された推奨経路を、「提案ルート」の項目に対応する欄に書き込む。
【0058】
また、たとえば、運転者がナビゲーションサービスを受けずに出発地から目的地へ向かって車両1を運転する場合、履歴登録部37は、取得部31からナビゲーション要求を受けないが、プローブ情報を受ける。この場合、決定部34は、ルートポリシーを決定しない。また、経路計算部33は、提案ルートを算出しない。
【0059】
このような場合、履歴登録部37は、プローブ情報に基づいて、「ドライバID」、「日時」、「出発地」、「目的地」および「実走行ルート」の項目についての情報を未加工走行履歴テーブルTbl1に登録する。また、履歴登録部37は、「選択ルートポリシー」および「提案ルート」の項目にそれぞれ対応する欄に「-」を書き込む。
【0060】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する走行履歴テーブルの一例を示す図である。
【0061】
図6を参照して、算出部32は、取得部31によって取得された目的情報、および車両1の運転者の走行履歴に基づいて、運転者の経路特性を算出する。
【0062】
詳細には、算出部32は、たとえば、記憶部35が保持する未加工走行履歴テーブルTbl1および地図データに基づいて、経路特性の一例である走行履歴テーブルTbl2を作成する。ここで、走行履歴テーブルTbl2は、たとえば、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣を含む。
【0063】
より詳細には、算出部32は、たとえば、記憶部35における未加工走行履歴テーブルTbl1を監視し、未加工走行履歴テーブルTbl1に新たな情報が登録されると、登録された新たな情報を分析し、分析結果を走行履歴テーブルTbl2に書き込む。
【0064】
具体的には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2における「ドライバID」、「日時」、「選択ルートポリシー」、「出発地」、「目的地」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目にそれぞれ対応する欄には、未加工走行履歴テーブルTbl1における対応の欄の内容をコピーする。
【0065】
算出部32は、実走行ルートおよび地図データに基づいて1または複数の経由地の特定を試みる。この経由地は、たとえばPOIである。算出部32は、経由地を特定できた場合、特定した経由地を「経由地1」等の項目に対応する欄に書き込む。
【0066】
算出部32は、未加工走行履歴テーブルTbl1における「選択ルートポリシー」に対応する欄の内容が「-」である場合、運転者が実際に走行した経路すなわち「実走行ルート」に対応する欄の内容がどのルートポリシーに近いかを導出するとともに、その理由を作成する。
【0067】
そして、算出部32は、導出したルートポリシーを「選択ポリシー」の項目に対応する欄に括弧を付して書き込む。また、算出部32は、「提案ルート通りに走行」および「理由」の項目にそれぞれ対応する欄に「-」、および作成した理由を書き込む。
【0068】
一方、算出部32は、未加工走行履歴テーブルTbl1における「選択ルートポリシー」に対応する欄の内容が「-」でない場合、たとえば、「提案ルート」および「実走行ルート」に対応する各欄の内容を比較し、比較結果に基づいて、運転者が提案ルート通りに走行したか否かを確認する。
【0069】
算出部32は、運転者が提案ルート通りに走行した場合、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート通りに走行」および「理由」の項目にそれぞれ対応する欄に「○」および「-」を書き込む。
【0070】
一方、算出部32は、運転者が提案ルート通りに走行しなかった場合、運転者が実際に走行した経路がどのルートポリシーに相当するかを導出するとともに、その理由を作成する。
【0071】
そして、算出部32は、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート通りに走行」に対応する欄に、導出したルートポリシーを括弧を付して書き込むとともに「×」を書き込む。また、算出部32は、「理由」の項目に対応する欄に作成した理由を書き込む。
【0072】
走行履歴テーブルTbl2において、たとえば、「提案ルート」および「実走行ルート」にそれぞれ対応する各欄の内容、および地図データに基づいて、道路種別および走行環境を認識することが可能である。
【0073】
なお、運転者が走行した日時における天気を示す天候情報を走行履歴テーブルTbl2に含めてもよい。これにより、走行環境をより詳細に認識することが可能となる。
【0074】
また、たとえば、「ドライバID」および「日時」に対応する各欄の内容に基づいて、運転者が日常的に移動する時間帯を取得することができる。これにより、運転者の日常的な走行ルートおよび経由地等を日常習慣として認識することが可能である。
【0075】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するドライバ嗜好テーブルの一例を示す図である。
【0076】
図7を参照して、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2に基づいて、運転者ごとの嗜好を示すドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する。
【0077】
より詳細には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2を分析することによりドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する。
【0078】
具体的には、たとえば、算出部32は、走行履歴テーブルTbl2における「日時」、「目的地」および「経由地」等の項目に対応する各欄の内容をドライバIDごとに集計し、集計結果に基づいて各運転者の嗜好を抽出する。そして、算出部32は、抽出した各運転者の嗜好をドライバ嗜好テーブルTbl3に書き込む。
【0079】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するルートポリシー判定用テーブルの一例を示す図である。
【0080】
図8を参照して、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2に基づいて、運転者ごとのルート選択の傾向を示すルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する。
【0081】
より詳細には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2を分析することにより、運転者の過去の意向、過去の傾向および過去の固有の特性の少なくともいずれか1つを運転者ごとに示すルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する。
【0082】
具体的には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート」、「提案ルート通りに走行」、および「理由」の項目等に対応する各欄の内容に基づいて、提案ルート、および提案ルートを拒否した理由等をドライバIDごとに集計し、集計結果に基づいて各運転者のルート選択の傾向を抽出する。
【0083】
そして、算出部32は、抽出した各運転者のルート選択の傾向を、「早さ優先」、「安さ優先」、「エコ優先」、「分かりやすさ優先」、「乗り心地優先」、「安全優先」および「渋滞感緩和優先」にそれぞれ対応する判定用パラメータによって定量化する。この定量化において、算出部32は、たとえば、各判定用パラメータの合計が10になるように当該各判定用パラメータを決定する。算出部32は、決定した各判定用パラメータをルートポリシー判定用テーブルTbl4に書き込む。
【0084】
なお、算出部32は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を日種、時間帯または利用シーンごとに作成してもよい。これにより、運転者により適した提案ルートを導出することができる。
【0085】
再び
図3を参照して、決定部34は、算出部32によって算出された経路特性に基づいて、車両1の経路計算におけるルートポリシーを決定する。
【0086】
詳細には、決定部34は、たとえば、取得部31からナビゲーション要求を受けると、受けたナビゲーション要求、および記憶部35における走行履歴テーブルTbl2に基づいてルートポリシーを決定する。
【0087】
より詳細には、決定部34は、ナビゲーション要求からドライバID(以下、対象IDとも称する。)、ルート決定用パラメータ情報Pr1および目的情報を取得する。
【0088】
決定部34は、取得したルート決定用パラメータ情報Pr1に基づいて、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきか否かを判定する。
【0089】
より詳細には、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる各優先パラメータのうちのいずれか1つが10である場合、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきでないと判定する。
【0090】
そして、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1と同じ内容の推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
【0091】
一方、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる各優先パラメータのうちのいずれもが10でない場合、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきと判定する。
【0092】
そして、決定部34は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を用いて推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
【0093】
より詳細には、決定部34は、たとえば、記憶部35におけるルートポリシー判定用テーブルTbl4から、対象IDの各判定用パラメータを取得する。
【0094】
図9および
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨ルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【0095】
図9および
図10を参照して、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1、および取得した各判定用パラメータに基づいて推奨ルート決定用パラメータ情報Pr2を作成する。
【0096】
より詳細には、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる優先パラメータに対して、対応の項目の判定用パラメータを重みとして印加することにより決定用パラメータを算出する。
【0097】
具体的には、決定部34は、たとえば、
図2に示す優先パラメータ、および
図8に示す「ドライバID=1」に対応する判定用パラメータにおいて、同じ項目のパラメータ同士を乗算することにより推奨ルート決定用パラメータ情報Pr2を作成する。
【0098】
算出部32は、たとえば、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr2の各決定用パラメータの合計が10になるように当該各決定用パラメータの値を変換する規格化を行うことにより推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
【0099】
また、決定部34は、記憶部35におけるドライバ嗜好テーブルTbl3から、対象IDの「嗜好」をドライバ嗜好情報として取得する。
【0100】
決定部34は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3、目的情報およびドライバ嗜好情報を経路計算部33へ出力する。
【0101】
また、決定部34は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を履歴登録部37へ出力する。
【0102】
履歴登録部37は、決定部34から推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を受けると、受けた推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3に基づいて、決定部34によって決定されたルートポリシー(以下、決定ルートポリシーとも称する。)を取得する。
【0103】
この例では、履歴登録部37は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3に含まれる各決定用パラメータのうち、最も値の大きい決定用パラメータに対応する項目を決定ルートポリシーとして取得する。
【0104】
たとえば、履歴登録部37は、
図10に示す推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3から「安全優先」を決定ルートポリシーとして取得する。
【0105】
履歴登録部37は、上述したように、取得した決定ルートポリシーを未加工走行履歴テーブルTbl1(
図5参照)における「選択ルートポリシー」の項目に対応する欄に書き込む。
【0106】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置における経路計算部が処理する各リンクの一例を示す図である。
【0107】
図11には、出発地Aと目的地Iとの間に位置するリンクLk1~Lk12が示される。各リンクには、設定コストがルートポリシー(
図4参照)ごとに割り当てられている。この例では、設定コストの値が大きいほど、対応のルートポリシーが経路計算に反映されやすくなっている。
【0108】
記憶部35における地図データに含まれるコスト情報は、各リンクにおけるルートポリシーごとの設定コストを示す。
【0109】
図11を参照して、経路計算部33は、推奨経路を決定する、より詳細には、たとえば、ルートポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した評価値に基づいて推奨経路を決定する決定処理P1、および経路特性に基づく経由地を含む推奨経路を決定する決定処理P2を行う。
【0110】
より詳細には、経路計算部33は、決定部34から推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3、目的情報およびドライバ嗜好情報を受けると、目的情報および地図データに基づいて、出発地Aから目的地Iまでの複数の候補経路を導出する。これらの候補経路は、たとえば、リンクLk1→リンクLk2→リンクLk5→リンクLk10等のように、リンクによって指定される。
【0111】
経路計算部33は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3およびコスト情報に基づいて、候補経路の評価値の一例としてコストを候補経路ごとに算出する。
【0112】
具体的には、経路計算部33は、たとえば、リンクLk1→リンクLk2→リンクLk5→リンクLk10によって指定される候補経路Rt1については、リンクLk1のコスト、リンクLk2のコスト、リンクLk5のコスト、およびリンクLk10のコストの和を候補経路Rt1のコストとして算出する。
【0113】
より詳細には、経路計算部33は、リンクLk1のコストを以下のように算出する。すなわち、経路計算部33は、たとえば、リンクLk1における設定コストに対して、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3に含まれる対応のルートポリシーの決定用パラメータを重みとして印加することにより、リンクLk1のコストを算出する。
【0114】
具体的には、経路計算部33は、たとえば、
図11に示すリンクLk1の設定コスト、および
図10に示す「ドライバID=1」の決定用パラメータにおいて、同じルートポリシーの値同士を乗算し、乗算結果の合計をリンクLk1のコストとして算出する。
【0115】
より具体的には、経路計算部33は、たとえば、1×2、1×0、3×0、5×3、5×0、1×5および2×0の合計すなわち2+0+0+15+0+5+0=22をリンクLk1のコストとして算出する。
【0116】
経路計算部33は、リンクLk2のコスト、リンクLk5のコスト、およびリンクLk10のコストついても同様に算出し、候補経路Rt1のコストを算出する。
【0117】
経路計算部33は、候補経路Rt1と異なる候補経路のコストを同様に算出し、算出結果に基づいて、出発地Aから目的地Iまでの複数の候補経路をコストの上位順に並べる。
【0118】
そして、経路計算部33は、コストの上位順に並べた複数の候補経路から、上位から所定順位以内の候補経路(以下、上位経路とも称する。)を選択する。
【0119】
経路計算部33は、地図データおよびドライバ嗜好情報に基づいて、選択した各上位経路において、ドライバ嗜好情報の示す運転者の「嗜好」に沿ったPOI(以下、嗜好POIとも称する。)が上位経路の近辺に位置するか否かを確認する。
【0120】
経路計算部33は、上位経路の近辺において嗜好POIが位置しない場合、コストが最も上位の上位経路を推奨経路として決定する。
【0121】
一方、経路計算部33は、上位経路の近辺において嗜好POIが位置する場合、嗜好POIが近辺に位置する上位経路を推奨経路として決定する。
【0122】
経路計算部33は、決定した推奨経路を示す推奨経路情報を履歴登録部37へ出力する。また、経路計算部33は、推奨経路情報、ならびに当該推奨経路を決定した理由およびコメント等を示す発話情報を含むナビゲーション情報を送信部36へ出力する。発話情報の内容については後述する。
【0123】
履歴登録部37は、経路計算部33から推奨経路情報を受けると、上述したように、受けた推奨経路情報の示す推奨経路を未加工走行履歴テーブルTbl1(
図5参照)における「提案ルート」の項目に対応する欄に書き込む。
【0124】
送信部36は、経路計算部33からナビゲーション情報を受けると、受けたナビゲーション情報を無線端末装置151へ無線送信する。
【0125】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムでは、無線端末装置151が、ルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。経路処理装置101が、ルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する構成であってもよい。
【0126】
より詳細には、たとえば、無線端末装置151は、運転者の音声を認識し、認識結果に基づいて、運転者の音声を示すテキストデータを含むテキスト情報を作成する。そして、無線端末装置151は、作成したテキスト情報を経路処理装置101へ送信する。
【0127】
経路処理装置101における決定部34は、たとえば、無線端末装置151から取得部31経由でテキスト情報を受信すると、受信したテキスト情報に含まれるテキストデータの内容を分析し、分析結果に基づいてルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
【0128】
また、無線端末装置151が、運転者の音声を示す音声情報を経路処理装置101へ送信してもよい。この場合、経路処理装置101における決定部34は、たとえば、無線端末装置151から取得部31経由で音声情報を受信すると、受信した音声情報に基づいて、運転者の音声を示すテキストデータ作成する。そして、決定部34は、上述のように、作成したテキストデータを用いてルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
【0129】
[具体例その1]
図12~
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
【0130】
図12を参照して、上述したように、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「疲れているので事故が心配」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容に応じた各優先パラメータを決定する。
【0131】
無線端末装置151は、決定した各優先パラメータを含むルート決定用パラメータ情報Pr1、および目的情報を含むナビゲーション要求を経路処理装置101へ無線送信する。
【0132】
経路処理装置101は、ナビゲーション要求を無線端末装置151から受信すると、受信したナビゲーション要求に従ってナビゲーション情報を作成し、作成したナビゲーション情報を無線端末装置151へ無線送信する。
【0133】
無線端末装置151は、経路処理装置101からナビゲーション情報を受信すると、受信したナビゲーション情報に含まれる推奨経路情報の示す推奨経路を画面に表示するとともに、ナビゲーション情報に含まれる発話情報の示す内容を発話することにより、経路処理装置101によって提案された提案ルート、ならびに決定理由およびコメントを運転者に提示する。
【0134】
具体的には、無線端末装置151は、決定理由およびコメントとして、発話情報に基づいて「信号数および交通量が少なく、住宅街を通過しない安全優先ルートで設定しました。」と発話する。
【0135】
[具体例その2]
図13を参照して、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「早く帰りたい。」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容と相関を有する「早さ優先」等の項目に対して、当該項目に対応する優先パラメータが大きくなりかつ合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
【0136】
無線端末装置151は、ナビゲーション要求を経路処理装置101へ無線送信し、当該ナビゲーション要求の応答としてナビゲーション情報を経路処理装置101から受信すると、受信したナビゲーション情報に含まれる推奨経路情報の示す推奨経路を画面に表示するとともに、ナビゲーション情報に含まれる発話情報の示す内容を発話する。
【0137】
具体的には、無線端末装置151は、決定理由およびコメントとして、発話情報に基づいて「いつものルートより20分早く着く最速ルートで設定しました。」と発話する。
【0138】
なお、経路処理装置101における経路計算部33は、たとえば、運転者が最安ルートをいつも選択して走行している場合、最速ルートではないが、いつもより早くかつ料金の低いルートを推奨経路として算出する機能を有してもよい。
【0139】
[具体例その3]
図14を参照して、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「初めて行く場所なのでよく分からない。」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容と相関を有する「分かり易さ優先」等の項目に対して、当該項目に対応する優先パラメータが大きくなりかつ合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
【0140】
無線端末装置151は、ナビゲーション要求を経路処理装置101へ無線送信し、当該ナビゲーション要求の応答としてナビゲーション情報を経路処理装置101から受信すると、受信したナビゲーション情報に含まれる推奨経路情報の示す推奨経路を画面に表示するとともに、ナビゲーション情報に含まれる発話情報の示す内容を発話する。
【0141】
具体的には、無線端末装置151は、決定理由およびコメントとして、発話情報に基づいて「ランドマークAの手前を右折するだけの分かり易さ優先ルートで設定しました。」と発話する。
【0142】
なお、経路計算部33は、たとえば、目的地の属性に応じて、運転者の嗜好を考慮したPOIの近辺を通過するルートを推奨経路として算出する機能を有してもよい。具体的には、経路計算部33は、たとえば、テニス好きな運転者の目的地がテニス場である場合、テニス用具店の近辺を通過するルートを推奨経路として算出する。
【0143】
[具体例その4]
図15を参照して、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「気分が悪い。」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容と相関を有する「乗り心地優先」等の項目に対して、当該項目に対応する優先パラメータが大きくなりかつ合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
【0144】
無線端末装置151は、ナビゲーション要求を経路処理装置101へ無線送信し、当該ナビゲーション要求の応答としてナビゲーション情報を経路処理装置101から受信すると、受信したナビゲーション情報に含まれる推奨経路情報の示す推奨経路を画面に表示するとともに、ナビゲーション情報に含まれる発話情報の示す内容を発話する。
【0145】
具体的には、無線端末装置151は、決定理由およびコメントとして、発話情報に基づいて「揺れが少なく交通量も少ない乗り心地優先ルートで設定しました。」と発話する。
【0146】
なお、経路計算部33は、たとえば、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3における「乗り心地優先」の項目の決定用パラメータが所定値以上である場合、不測の事態に備えて、病院の近辺を通過するルートを推奨経路として算出してもよい。
【0147】
[他の具体例]
経路計算部33は、たとえば、運転者の嗜好がトラック等の車高の高い車に対してストレスを感じることである場合、同じ渋滞の程度であるなら車高の高い車の少ないルートを推奨経路として算出する。
【0148】
また、経路計算部33は、たとえば、車両1の走行に用いるエネルギーの残量に基づいて、推奨経路を決定する。具体的には、経路計算部33は、たとえば、運転者の運転する車両1が電気自動車等である場合、目的地までに蓄電スタンドの近辺を通過するルートを推奨経路として算出する。
【0149】
[動作の流れ]
経路処理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0150】
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置が車両からのプローブ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0151】
図16を参照して、まず、経路処理装置101は、車両1における無線端末装置151からプローブ情報を受信するか、またはたとえば1日に1回の作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
【0152】
そして、経路処理装置101は、プローブ情報を無線端末装置151から受信すると(ステップS102でYES)、受信したプローブ情報を蓄積する(ステップS108)。
【0153】
次に、経路処理装置101は、新たなプローブ情報を受信するか、または作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
【0154】
そして、経路処理装置101は、作成タイミングが到来すると(ステップS102でNOおよびステップS104でYES)、ナビゲーション要求、および蓄積したプローブ情報に基づいて未加工走行履歴テーブルTbl1を作成する(ステップS110)。
【0155】
次に、経路処理装置101は、作成した未加工走行履歴テーブルTbl1および地図データに基づいて、走行履歴テーブルTbl2を作成する(ステップS112)。
【0156】
次に、経路処理装置101は、作成した走行履歴テーブルTbl2を分析することによりドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する(ステップS114)。
【0157】
次に、経路処理装置101は、作成した走行履歴テーブルTbl2を分析することによりルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する(ステップS116)。
【0158】
次に、経路処理装置101は、プローブ情報を受信するか、または新たな作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
【0159】
なお、上記ステップS114およびS116の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0160】
また、上記ステップS110~S116における各テーブルの作成処理は、所定の更新タイミングにおいて行う構成に限らず、任意のタイミングで行う構成であってもよい。
【0161】
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0162】
図17を参照して、まず、経路処理装置101は、車両1における無線端末装置151からナビゲーション要求を受信するまで待機する(ステップS200でNO)。
【0163】
そして、経路処理装置101は、ナビゲーション要求を無線端末装置151から受信すると(ステップS200でYES)、受信したナビゲーション要求に含まれるルート決定用パラメータ情報Pr1に基づいて、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきか否かを判定する(ステップS202)。
【0164】
経路処理装置101は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきと判定した場合(ステップS202でYES)、対象のドライバIDの各判定用パラメータをルートポリシー判定用テーブルTbl4から取得する(ステップS204)。
【0165】
次に、経路処理装置101は、取得した各判定用パラメータを、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる優先パラメータに対する重みとして用いることにより、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr2を作成する(ステップS206)。
【0166】
次に、経路処理装置101は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr2に含まれる各決定用パラメータを規格化することにより、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する(ステップS208)。
【0167】
一方、経路処理装置101は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきでないと判定した場合(ステップS202でNO)、ルート決定用パラメータ情報Pr1と同じ内容を有する推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する(ステップS210)。
【0168】
次に、経路処理装置101は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成すると(ステップS208およびS210)、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3、目的情報、ドライバ嗜好情報および地図データに基づいて推奨経路を算出する(ステップS212)。
【0169】
次に、経路処理装置101は、ナビゲーション情報を無線端末装置151へ送信する(ステップS214)。
【0170】
次に、経路処理装置101は、無線端末装置151から新たなナビゲーション要求を受信するまで待機する(ステップS200でNO)。
【0171】
なお、経路処理装置101は、
図16および
図17に示す各フローチャートの処理を、異なる処理として独立に実行することが可能である。
【0172】
[経路処理装置101の変形例]
経路処理システム301では、経路処理装置101における取得部31は、運転者の無線端末装置151に対する入力操作に基づく目的地を無線端末装置151から取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部31が、目的地を自動で取得する構成であってもよい。
【0173】
取得部31は、たとえば、算出部32によって算出された経路特性に基づいて目的地を算出する。
【0174】
詳細には、取得部31は、たとえば、無線端末装置151から受信するプローブ情報、および
図6に示す走行履歴テーブルTbl2に基づいて目的地を算出する。
【0175】
より詳細には、取得部31は、プローブ情報に基づいて、移動している無線端末装置151(以下、対象無線端末装置とも称する。)および時刻を特定する。
【0176】
取得部31は、走行履歴テーブルTbl2を参照し、たとえば、対象無線端末装置の「日時」の履歴に基づいて、対象無線端末装置が日常的に移動している時間帯、および対応の目的地を取得する。
【0177】
取得部31は、たとえば、特定した時間帯に上記時刻が含まれる場合、取得した目的地を対象無線端末装置の目的地として算出する。
【0178】
また、取得部31は、たとえば、プローブ情報に基づいて、無線端末装置151の出発地を特定する。
【0179】
取得部31は、特定した出発地、および算出した目的地を示す目的情報を作成し、作成した目的情報、および対象無線端末装置のIDすなわち対象IDを決定部34へ出力する。
【0180】
決定部34は、取得部31から目的情報および対象IDを受けると、たとえば、受けた対象ID、および記憶部35における走行履歴テーブルTbl2に基づいてルートポリシーを決定する。
【0181】
具体的には、決定部34は、たとえば、
図8に示すルートポリシー判定用テーブルTbl4において、対象IDの各判定用パラメータを決定用パラメータとして取得し、取得した各決定用パラメータを含む推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
【0182】
また、決定部34は、記憶部35におけるドライバ嗜好テーブルTbl3から、対象IDの「嗜好」をドライバ嗜好情報として取得する。
【0183】
決定部34は、推奨ルート決定用パラメータ情報Pr3、目的情報およびドライバ嗜好情報を経路計算部33へ出力する。
【0184】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置は、経路計算部33を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。経路処理装置101は、経路計算部33を備えない構成であってもよい。
【0185】
また、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、経路特性は、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣を含んだが、これに限定するものではない。経路特性は、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣の一部を含んでもよい。
【0186】
また、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、経路計算部33は、ルートポリシーに基づいて、決定処理P1および決定処理P2の両方を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。経路計算部33は、決定処理P1および決定処理P2のいずれか一方を行う構成であってもよい。具体的には、経路計算部33は、決定処理P2を行わずに決定処理P1を行う場合、たとえば、コストが最も上位の上位経路を推奨経路として決定する。また、経路計算部33は、決定処理P1を行わずに決定処理P2を行う場合、たとえば、ドライバ嗜好情報の示す運転者の「嗜好」に沿ったPOIが近辺に位置する経路であって最短の経路を推奨経路として決定する。
【0187】
ところで、特許文献1に記載の技術を超えて、運転者にとってより有用な経路を算出するための技術が求められている。
【0188】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、車両1の出発地および目的地を示す目的情報を取得する。算出部32は、取得部31によって取得された目的情報、および車両1の運転者の走行履歴に基づいて、運転者の経路特性を算出する。そして、決定部34は、算出部32によって算出された経路特性に基づいて、車両1の経路計算におけるポリシーを決定する。
【0189】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等を反映した経路特性に基づいて、運転者に適合するポリシーを決定することができる。これにより、たとえば、決定したポリシーに従うことで、運転者にとって有用な経路を算出することができる。したがって、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
【0190】
また、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、経路特性は、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣のうちの少なくともいずれか1つを含む。
【0191】
このような構成により、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等の経路特性への反映をより的確に行うことができる。
【0192】
また、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、算出部32によって算出された経路特性に基づいて目的地を算出する。
【0193】
このような構成により、たとえば、運転者の過去のルート選択の傾向に基づいて目的地を自動的に算出することができるので、運転者が目的地を入力する負担を軽減することができる。
【0194】
また、本発明の第1の実施の形態に係る経路処理装置では、経路計算部33は、推奨経路を決定する。経路計算部33は、ポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値を算出し、算出した各評価値に基づいて推奨経路を決定する決定処理P1、および経路特性に基づく経由地を含む推奨経路を決定する決定処理P2の少なくともいずれか一方を行う。
【0195】
このような構成により、たとえば、候補経路の特性を示すパラメータがポリシーに対応して設定されている場合において、候補経路の特性とポリシーとのマッチングの程度を示す評価値を算出することで、運転者の過去の意向、過去の傾向または過去の固有の特性等に適合した推奨経路を決定することができる。また、たとえば、嗜好等を示す経路特性に基づく経由地を含む推奨経路を決定する構成により、運転者の嗜好に適合する経由地を含む推奨経路を提供することができる。
【0196】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0197】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る経路処理システムと比べて、サーバがさらに設けられる経路処理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る経路処理システムと同様である。
【0198】
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。
【0199】
図18を参照して、経路処理システム302は、経路処理装置102と、無線端末装置151と、音声内容解析サーバ161と、音声データ解析サーバ162とを備える。
【0200】
経路処理システム302における無線端末装置151の動作は、
図1に示す経路処理システム301における無線端末装置151と同様である。
【0201】
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
【0202】
図19を参照して、ルート決定用パラメータ情報Pr21は、ドライバIDと優先項目のパラメータすなわち優先パラメータと状態のパラメータ(以下、状態パラメータとも称する。)と感情のパラメータ(以下、感情パラメータとも称する。)との対応関係を示す。
【0203】
より詳細には、優先項目のパラメータは、運転者の現在の意向を表すためのパラメータである。優先項目には、たとえば、「早さ優先」、「安さ優先」、「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」、「乗り心地優先」および「安全優先」が含まれる。なお、優先項目には、
図2に示す「渋滞感緩和優先」等の他の優先項目が含まれてもよい。また、優先項目は、上記各項目の一部であってもよい。
【0204】
状態パラメータは、運転者の状態の一例である「疲労度」を表すためのパラメータである。感情パラメータは、運転者の感情の一例である、「怒り度合い」、「喜び度合い」、「悲しみ度合い」および「興奮度合い」を表すためのパラメータである。
【0205】
再び
図18を参照して、運転者は、たとえば無線端末装置151に対して「少し早く帰りたい」と発話する。無線端末装置151は、運転者の発話を受けると、受けた発話の音声波形を示す音声情報を作成し、作成した音声情報に基づいてルート決定用パラメータ情報Pr21を作成する。
【0206】
より詳細には、無線端末装置151は、音声情報を音声内容解析サーバ161および音声データ解析サーバ162へ無線送信する。
【0207】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける音声内容解析サーバにおいて行われる言語解析処理の概要を説明するための図である。
【0208】
図20を参照して、音声内容解析サーバ161は、運転者の発話から運転者の現在の意向を抽出する言語解析処理を行う。
【0209】
詳細には、音声内容解析サーバ161は、無線端末装置151から音声情報を受信すると、受信した音声情報に基づいて、上述の優先項目の優先パラメータを含む意向情報、および運転者の目的地を示す目的地情報を作成する。
【0210】
より詳細には、音声内容解析サーバ161は、音声情報の示す音声波形を、運転者の発話の内容を示すテキストデータに変換する。この例では、音声内容解析サーバ161は、音声情報を、「少し早く帰りたい」を示すテキストデータに変換する。
【0211】
音声内容解析サーバ161は、テキストデータに対して形態素解析を行うことにより、当該テキストデータを動詞、名詞、形容詞、助動詞および助詞等の形態素に分解する。
【0212】
この例では、音声内容解析サーバ161は、名詞である「少し」、形容詞である「早く」、動詞である「帰り」、および助動詞である「たい」の4つの形態素に分解する。
【0213】
音声内容解析サーバ161は、たとえば、形態素を、翻訳し、優先項目に対応付けし、かつ目的地に関連付けするための知識データベースを用いることが可能である。
【0214】
この例では、音声内容解析サーバ161は、「少し」を「中程度」に翻訳し、パラメータ値として「3」を割り当てる。音声内容解析サーバ161は、「早く」を「早さ優先」の優先項目に対応付けする。
【0215】
音声内容解析サーバ161は、「帰り」を目的地としての「自宅」に関連付けする。なお、音声内容解析サーバ161は、テキストデータに地名が含まれている場合、当該地名を目的地として優先的に関連づけてもよい。
【0216】
音声内容解析サーバ161は、「たい」を「希望」に翻訳し、テキストデータに含まれる運転者の発話が肯定文であると判断し、目的地を「自宅」のまま維持する。一方、音声内容解析サーバ161は、たとえば、テキストデータに含まれる運転者の発話が否定文であると判断する場合、目的地を「自宅」以外の場所に変更する。
【0217】
音声内容解析サーバ161は、「早さ優先」の優先項目の優先パラメータが3を示す意向情報、および目的地として「自宅」を示す目的地情報を作成し、作成した意向情報および目的地情報を無線端末装置151へ無線送信する。
【0218】
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける音声データ解析サーバにおいて行われる疲労度推定処理の概要を説明するための図である。
【0219】
図21を参照して、音声データ解析サーバ162は、運転者の音声データから運転者の疲労度を推定する疲労度推定処理を行う。
【0220】
詳細には、音声データ解析サーバ162は、無線端末装置151から音声情報を受信すると、受信した音声情報に基づいて、上述の状態パラメータを含む状態情報を作成する。
【0221】
より詳細には、音声データ解析サーバ162は、たとえば、音声情報の示す音声波形を周波数分析し、運転者の音声の属する周波数帯に基づいて当該運転者の性別を判断する。
【0222】
また、音声データ解析サーバ162は、たとえば、非特許文献1(青木 由希、外3名、”E-037 音声から疲労程度を推定するスマートフォン用アプリケーションの開発”、第12回情報科学技術フォーラム、2013年9月、第2分冊、P.269)に記載されたSiSECA(Shiomi’s Cerebral Exponents Calculation Algorithm)を用いて、音声情報に基づいて音声の揺らぎを検出し、検出した揺らぎを定量化することにより、脳活性度指数であるCEM(Cerebral Exponent Macro)値を算出する。男性のCEM値の平均および女性のCME値の平均は、それぞれ約878および約790である。
【0223】
この例では、音声データ解析サーバ162は、運転者が男性であると判断するとともに、CEM値として800を算出する。
【0224】
音声データ解析サーバ162は、たとえば、性別ごとのCME値と疲労状態との対応関係を示すCME値対応表Tbl25を有しており、CME値対応表Tbl25に基づいて、「800」のCME値および「男性」に対応する疲労状態として「やや疲れ気味」を取得する。
【0225】
音声データ解析サーバ162は、取得した「やや疲れ気味」に応じた疲労度3を状態パラメータとして推定し、推定結果を示す状態情報を作成する。
【0226】
また、音声データ解析サーバ162は、運転者の音声データから運転者の感情を推定する感情推定処理を行う。
【0227】
詳細には、音声データ解析サーバ162は、音声情報に基づいて、上述の感情パラメータを含む感情情報を作成する。
【0228】
より詳細には、音声データ解析サーバ162は、たとえば、非特許文献2(光吉 俊二、外2名、”音声感情認識技術STを使ったストレスへの応用”、日本疲労学会誌、2011年3月、第6巻、第2号、P.19-27)に記載された音声感情分析手段(Sensibility Technology)を用いて、運転者の怒り、喜び、悲しみおよび興奮等の感情の度合いを数値化する。
【0229】
この例では、音声データ解析サーバ162は、怒り度合い、喜び度合い、悲しみ度合いおよび興奮度合いとして、それぞれ1、1、1および2を算出し、算出した結果を含む感情情報を作成する。
【0230】
音声データ解析サーバ162は、作成した状態情報および感情情報を無線端末装置151へ無線送信する。
【0231】
再び
図18を参照して、無線端末装置151は、意向情報および目的地情報を音声内容解析サーバ161から受信し、かつ状態情報および感情情報を音声データ解析サーバ162から受信して、受信した意向情報、状態情報および感情情報からルート決定用パラメータ情報Pr21(
図19参照)を作成する。
【0232】
また、無線端末装置151は、GPS衛星からの電波に基づいて、車両1の出発地を特定し、特定した出発地、および目的地情報から目的情報を作成する。
【0233】
無線端末装置151は、ルート決定用パラメータ情報Pr21および目的情報を含むナビゲーション要求を経路処理装置102へ無線送信する。
【0234】
[経路処理装置の構成]
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。
【0235】
図22を参照して、経路処理装置102は、取得部31と、算出部32と、経路計算部33と、記憶部35と、送信部36と、履歴登録部37と、決定部44とを備える。
【0236】
経路処理装置102における取得部31、算出部32、経路計算部33、記憶部35、送信部36および履歴登録部37の動作は、
図3に示す経路処理装置101における取得部31、算出部32、経路計算部33、記憶部35、送信部36および履歴登録部37とそれぞれ同様である。
【0237】
取得部31は、たとえば、運転者の意向を示す意向情報、運転者の状態を示す状態情報、運転者の感情を示す感情情報、および目的情報を取得する。
【0238】
より詳細には、取得部31は、ナビゲーション要求を無線端末装置151から受信すると、受信したナビゲーション要求を決定部44および履歴登録部37へ出力する。
【0239】
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における算出部が作成するドライバ傾向パラメータ情報の一例を示す図である。
【0240】
図23を参照して、算出部32は、たとえば、運転者の経路特性、具体的には走行履歴テーブルTbl2(
図6参照)に基づいて、当該運転者のルート選択の傾向を示すドライバ傾向パラメータ情報Pr22を作成する。
【0241】
より詳細には、算出部32は、たとえば、
図8に示すルートポリシー判定用テーブルTbl4において、「エコ優先」および「渋滞感緩和優先」の項目の代わりに「走り易さ優先」の項目を含むルートポリシー判定用テーブルを作成する。
【0242】
当該ルートポリシー判定用テーブルにおいて、あるドライバIDに対応する「早さ優先」、「安さ優先」、「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」、「乗り心地優先」および「安全優先」の項目のパラメータがドライバ傾向パラメータである。
【0243】
この例では、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22は、ナビゲーション要求に含まれるドライバIDについてのドライバ傾向パラメータである。具体的には、「早さ優先」、「安さ優先」、「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」、「乗り心地優先」および「安全優先」の項目のドライバ傾向パラメータは、それぞれ1、4、3、4、2および2である。
【0244】
図24および
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する発話内容傾斜係数表の一例を示す図である。
【0245】
図24および
図25を参照して、発話内容傾斜係数表Tbl21,Tbl22は、たとえば、経路処理装置102の管理者によって予め作成されるテーブルであり、優先項目とドライバ傾向パラメータに対する傾斜係数との対応関係を示す。
【0246】
図26および
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する状態感情傾斜係数表の一例を示す図である。
【0247】
図26および
図27を参照して、状態感情傾斜係数表Tbl23,Tbl24は、たとえば、経路処理装置102の管理者によって予め作成されるテーブルであり、優先項目とドライバ傾向パラメータに対する傾斜係数との対応関係を示す。発話内容傾斜係数表Tbl21,Tbl22および状態感情傾斜係数表Tbl23,Tbl24の使用例については、後述する。
【0248】
再び
図22を参照して、決定部44は、たとえば、算出部32によって算出された経路特性、ならびに取得部31によって取得された意向情報、状態情報および感情情報に基づいて、車両1の経路計算におけるルートポリシーを決定する。
【0249】
詳細には、決定部44は、たとえば、取得部31からナビゲーション要求を受けると、受けたナビゲーション要求からドライバIDすなわち対象ID、ルート決定用パラメータ情報Pr21(
図19参照)および目的情報を取得する。
【0250】
図28は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する意向反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【0251】
図28を参照して、決定部44は、所定条件C1を満たす場合、記憶部35における発話内容傾斜係数表Tbl21(
図24参照)を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22(
図23参照)に基づいて、意向反映パラメータを含む意向反映パラメータ情報Pr23を作成する。
【0252】
ここで、所定条件C1は、たとえば、ルート決定用パラメータ情報Pr21における優先項目において、各優先パラメータのうちの少なくともいずれか1つが所定のしきい値Th1以上、具体的には3以上であることである。
【0253】
より詳細には、決定部44は、ルート決定用パラメータ情報Pr21において、「早さ優先」の項目の優先パラメータが3であることを認識すると、所定条件C1が満たされたと判断し、「早さ優先」の項目をメイン項目として決定する。
【0254】
なお、決定部44は、たとえば、2つ以上の項目において3以上の優先パラメータが存在する場合、最大の優先パラメータの項目を検索する。
【0255】
決定部44は、たとえば、検索した項目数が1つである場合、当該項目をメイン項目として決定する。一方、決定部44は、たとえば、検索した項目数が複数の場合、すなわち同じ最大値の優先パラメータの項目が複数存在する場合、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22を参照して対応の項目のドライバ傾向パラメータ同士を比較し、ドライバ傾向パラメータのより大きい項目をメイン項目として決定する。
【0256】
決定部44は、記憶部35が保持する発話内容傾斜係数表Tbl21からメイン項目すなわち「早さ優先」の優先項目に対応する各傾斜係数を取得するとともに、算出部32からドライバ傾向パラメータ情報Pr22を取得する。
【0257】
決定部44は、メイン項目が「早さ優先」であるので、ルート決定用パラメータ情報Pr21における「早さ優先」の優先パラメータすなわち3を「早さ優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0258】
また、決定部44は、意向反映パラメータ情報Pr23におけるメイン項目以外の項目すなわち「安さ優先」、「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」、「乗り心地優先」および「安全優先」の項目についての意向反映パラメータを以下のように決定する。
【0259】
すなわち、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「安さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち4と、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目すなわち「早さ優先」の優先項目に対応する各傾斜係数のうちの「安さ優先」の項目の傾斜係数である0.5とを乗じて2を算出する。決定部44は、算出した値を「安さ優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0260】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「分かり易さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち3と、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「分かり易さ優先」の項目の傾斜係数である0.2とを乗じて0.6を算出する。そして、決定部44は、算出した0.6が整数でないので0.6を四捨五入して1を算出し、算出した値を「分かり易さ優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0261】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「走り易さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち4と、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「走り易さ優先」の項目の傾斜係数である0.2とを乗じて0.8を算出する。そして、決定部44は、算出した0.8が整数でないので0.8を四捨五入して1を算出し、算出した値を「走り易さ優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0262】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「乗り心地優先」のドライバ傾向パラメータすなわち2と、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「乗り心地優先」の項目の傾斜係数である0.2とを乗じて0.4を算出する。そして、決定部44は、算出した0.4が整数でないので0.4を四捨五入してゼロを算出し、算出した値を「乗り心地優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0263】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「安全優先」のドライバ傾向パラメータすなわち2と、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「安全優先」の項目の傾斜係数である0.5とを乗じて1を算出する。決定部44は、算出した値を「安全優先」の意向反映パラメータとして決定する。これにより、
図28に示す意向反映パラメータ情報Pr23が作成される。
【0264】
図29は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する意向反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【0265】
図29を参照して、たとえば、無線端末装置151が「安全優先」の優先項目の優先パラメータが4を示す意向情報を受信した場合、
図19に示すルート決定用パラメータ情報Pr21と異なり、ルート決定用パラメータ情報における「早さ優先」、「安さ優先」、「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」、「乗り心地優先」および「安全優先」の優先項目の優先パラメータは、たとえば、それぞれ0、0、0、0、0および4となる。
【0266】
この場合、決定部44は、「安全優先」の項目の優先パラメータが4であることを認識すると、所定条件C1が満たされたと判断し、「安全優先」の項目をメイン項目として決定する。
【0267】
決定部44は、発話内容傾斜係数表Tbl21におけるメイン項目すなわち「安全優先」の優先項目に対応する各傾斜係数、およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて意向反映パラメータを決定する。
【0268】
具体的には、決定部44は、メイン項目が「安全優先」であるので、ルート決定用パラメータ情報における「安全優先」の優先パラメータすなわち4を「安全優先」の意向反映パラメータとして決定する。
【0269】
また、決定部44は、「早さ優先」の意向反映パラメータを、傾斜係数であるゼロとドライバ傾向パラメータである1とを乗じた値であるゼロに決定する。
【0270】
また、決定部44は、「安さ優先」の意向反映パラメータを、傾斜係数であるゼロとドライバ傾向パラメータである4とを乗じた値であるゼロに決定する。
【0271】
また、決定部44は、「分かり易さ優先」の意向反映パラメータを、傾斜係数であるゼロとドライバ傾向パラメータである3とを乗じた値であるゼロに決定する。
【0272】
また、決定部44は、「走り易さ優先」の意向反映パラメータを、傾斜係数である0.5とドライバ傾向パラメータである4とを乗じた値である2に決定する。
【0273】
また、決定部44は、「乗り心地優先」の意向反映パラメータを、傾斜係数であるゼロとドライバ傾向パラメータである2とを乗じた値であるゼロに決定する。これにより、
図29に示す意向反映パラメータ情報Pr24が作成される。
【0274】
一方、決定部44は、ルート決定用パラメータ情報における優先項目おいて、
図19に示す場合と異なり、所定条件C1を満たさない場合、以下の処理を行う。
【0275】
すなわち、決定部44は、記憶部35における発話内容傾斜係数表Tbl22(
図25参照)を用いて、ルート決定用パラメータ情報およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて、図示しない意向反映パラメータ情報を作成する。
【0276】
この場合、決定部44は、
図28および
図29にそれぞれ示す意向反映パラメータ情報Pr23およびPr24の作成方法と同様の作成方法を用いて上記意向反映パラメータ情報を作成する。
【0277】
図30は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が作成する状態感情反映パラメータ情報の一例を示す図である。
【0278】
図30を参照して、決定部44は、所定条件C2を満たす場合、記憶部35における状態感情傾斜係数表Tbl23(
図26参照)を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21(
図19参照)およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22(
図23参照)に基づいて、状態感情反映パラメータを含む状態感情反映パラメータ情報Pr25を作成する。
【0279】
ここで、所定条件C2は、たとえば、ルート決定用パラメータ情報Pr21における状態および感情の項目において、疲労度、怒り度合いまたは興奮度合いについての各パラメータのうちの少なくともいずれか1つが、所定のしきい値Th2以上かつ所定のしきい値Th3より小さいことである。ここで、しきい値Th2およびTh3は、たとえばそれぞれ3および4である。
【0280】
この例では、決定部44は、ルート決定用パラメータ情報Pr21において、「状態」の項目の疲労度についての状態パラメータが3であることを認識すると、所定条件C2が満たされたと判断し、「安全優先」の項目をメイン項目として決定する。
【0281】
決定部44は、記憶部35が保持する状態感情傾斜係数表Tbl23からメイン項目すなわち「安全優先」の優先項目に対応する各傾斜係数を取得するとともに、算出部32からドライバ傾向パラメータ情報Pr22を取得する。
【0282】
決定部44は、状態感情傾斜係数表Tbl23に従って、状態感情反映パラメータ情報Pr25における「安全優先」の項目の状態感情反映パラメータとして所定値、具体的には3を決定する。
【0283】
また、決定部44は、状態感情反映パラメータ情報Pr25におけるメイン項目以外の項目すなわち「早さ優先」、「安さ優先」「分かり易さ優先」、「走り易さ優先」および「乗り心地優先」の項目についての状態感情反映パラメータを以下のように決定する。
【0284】
すなわち、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「早さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち1と、状態感情傾斜係数表Tbl23におけるメイン項目すなわち「安全優先」の優先項目に対応する各傾斜係数のうちの「早さ優先」の項目の傾斜係数であるゼロとを乗じてゼロを算出する。決定部44は、算出した値を「早さ優先」の状態感情反映パラメータとして決定する。
【0285】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「安さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち4と、状態感情傾斜係数表Tbl23におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「安さ優先」の項目の傾斜係数であるゼロとを乗じてゼロを算出する。決定部44は、算出した値を「安さ優先」の状態感情反映パラメータとして決定する。
【0286】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「分かり易さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち3と、状態感情傾斜係数表Tbl23におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「分かり易さ優先」の項目の傾斜係数であるゼロとを乗じてゼロを算出する。決定部44は、算出した値を「分かり易さ優先」の状態感情反映パラメータとして決定する。
【0287】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「走り易さ優先」のドライバ傾向パラメータすなわち4と、状態感情傾斜係数表Tbl23におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「走り易さ優先」の項目の傾斜係数である0.5とを乗じて2を算出する。決定部44は、算出した値を「走り易さ優先」の状態感情反映パラメータとして決定する。
【0288】
また、決定部44は、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における「乗り心地優先」のドライバ傾向パラメータすなわち2と、状態感情傾斜係数表Tbl23におけるメイン項目に対応する各傾斜係数のうちの「乗り心地優先」の項目の傾斜係数であるゼロとを乗じてゼロを算出する。決定部44は、算出した値を「乗り心地優先」の状態感情反映パラメータとして決定する。
【0289】
また、決定部44は、ルート決定用パラメータ情報における優先項目おいて、
図19に示す場合と異なり、所定条件C3を満たす場合、記憶部35における状態感情傾斜係数表Tbl24(
図27参照)を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて状態感情反映パラメータ情報を作成する。
【0290】
ここで、所定条件C3は、たとえば、ルート決定用パラメータ情報Pr21における状態および感情の項目において、疲労度、怒り度合いまたは興奮度合いについての各パラメータのうちの少なくともいずれか1つが、所定のしきい値Th3すなわち4以上であることである。
【0291】
この場合、決定部44は、
図30に示す状態感情反映パラメータ情報Pr25の作成方法と同様の作成方法を用いて上記状態感情反映パラメータ情報を作成する。
【0292】
また、決定部44は、ルート決定用パラメータ情報における優先項目おいて、
図19に示す場合と異なり、所定条件C2およびC3を満たさない場合、状態感情反映パラメータ情報を作成しない。
【0293】
再び
図22を参照して、決定部44は、記憶部35におけるドライバ嗜好テーブルTbl3(
図7参照)から、対象IDの「嗜好」をドライバ嗜好情報として取得する。
【0294】
決定部44は、推奨ルート決定用パラメータ情報としての意向反映パラメータ情報Pr23および状態感情反映パラメータ情報Pr25、ならびに目的情報およびドライバ嗜好情報を経路計算部33へ出力する。
【0295】
また、決定部44は、決定ルートポリシーを未加工走行履歴テーブルTbl1(
図5参照)に登録するために、意向反映パラメータ情報Pr23および状態感情反映パラメータ情報Pr25を推奨ルート決定用パラメータ情報として履歴登録部37へ出力する。
【0296】
再び
図11を参照して、経路計算部33は、決定部44から意向反映パラメータ情報Pr23、状態感情反映パラメータ情報Pr25、目的情報およびドライバ嗜好情報を受けると、目的情報および地図データに基づいて、出発地Aから目的地Iまでの複数の候補経路を導出する。
【0297】
この場合、各リンクでは、さらに、走り易さ優先についての設定コストが割り当てられているとする。
【0298】
経路計算部33は、意向反映パラメータ情報Pr23に基づいて、導出した複数の候補経路についてのコストをそれぞれ算出し、たとえば最上位のコストの候補経路を運転者の意向を反映した推奨経路(以下、意向反映推奨経路とも称する。)として決定する。
【0299】
なお、経路計算部33は、たとえば、地図データおよびドライバ嗜好情報に基づいて、当該コストが上位から所定順位以内の候補経路すなわち上位経路の近辺において嗜好POIが位置する場合、嗜好POIが近辺に位置する上位経路を意向反映推奨経路として決定してもよい。
【0300】
また、経路計算部33は、状態感情反映パラメータ情報Pr25に基づいて、上記複数の候補経路についてのコストをそれぞれ算出し、たとえば最上位のコストの候補経路を運転者の状態および感情を反映した推奨経路(以下、状態感情反映推奨経路とも称する。)として決定する。
【0301】
なお、経路計算部33は、たとえば、地図データおよびドライバ嗜好情報に基づいて、当該コストが上位から所定順位以内の候補経路すなわち上位経路の近辺において嗜好POIが位置する場合、嗜好POIが近辺に位置する上位経路を状態感情反映推奨経路として決定してもよい。
【0302】
経路計算部33は、意向反映推奨経路および状態感情反映推奨経路、ならびにこれらの推奨経路を決定した理由およびコメント等を示す発話情報を含むナビゲーション情報を送信部36へ出力する。
【0303】
この場合、理由およびコメントは、たとえば、「いつもより20分速いルートにしました。少しお疲れのようなので交通量の少ない高速ルートです。」である。
【0304】
また、経路計算部33は、意向反映推奨経路および状態感情反映推奨経路を未加工走行履歴テーブルTbl1(
図5参照)に登録するために、決定した意向反映推奨経路および状態感情反映推奨経路を示す推奨経路情報を履歴登録部37へ出力する。
【0305】
送信部36は、経路計算部33からナビゲーション情報を受けると、受けたナビゲーション情報を無線端末装置151へ無線送信する。
【0306】
[動作の流れ]
図31は、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0307】
図31を参照して、まず、経路処理装置102は、車両1における無線端末装置151からナビゲーション要求を受信するまで待機する(ステップS300でNO)。
【0308】
そして、経路処理装置102は、ナビゲーション要求を無線端末装置151から受信すると(ステップS300でYES)、受信したナビゲーション要求に含まれるルート決定用パラメータ情報Pr21に基づいて、所定条件C1を満たすか否かを判定する(ステップS302)。
【0309】
次に、経路処理装置102は、所定条件C1を満たすと判定した場合(ステップS302でYES)、発話内容傾斜係数表Tbl21を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて意向反映パラメータ情報を作成する(ステップS306)。
【0310】
一方、経路処理装置102は、所定条件C1を満たさないと判定した場合(ステップS302でNO)、発話内容傾斜係数表Tbl22を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて意向反映パラメータ情報を作成する(ステップS304)。
【0311】
次に、経路処理装置102は、意向反映パラメータ情報を作成すると(ステップS304およびS306)、ルート決定用パラメータ情報Pr21に基づいて、所定条件C2を満たすか否かを判定する(ステップS308)。
【0312】
次に、経路処理装置102は、所定条件C2を満たすと判定した場合(ステップS308でYES)、状態感情傾斜係数表Tbl23を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて状態感情反映パラメータ情報を作成する(ステップS310)。
【0313】
一方、経路処理装置102は、所定条件C2を満たさないが所定条件C3を満たすと判定した場合(ステップS308でNOおよびステップS312でYES)、状態感情傾斜係数表Tbl24を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて状態感情反映パラメータ情報を作成する(ステップS314)。
【0314】
次に、経路処理装置102は、状態感情反映パラメータ情報を作成すると(ステップS310およびS314)、意向反映パラメータ情報、状態感情反映パラメータ情報、目的情報、ドライバ嗜好情報および地図データに基づいて意向反映推奨経路および状態感情反映推奨経路を算出する(ステップS318)。
【0315】
また、経路処理装置102は、所定条件C2およびC3の両方を満たさないと判定すると(ステップS308でNOおよびステップS312でNO)、意向反映パラメータ情報、目的情報、ドライバ嗜好情報および地図データに基づいて意向反映推奨経路を算出する(ステップS316)。
【0316】
次に、経路処理装置102は、意向反映推奨経路および状態感情反映推奨経路を算出するか(ステップS318)、または意向反映推奨経路を算出すると(ステップS316)、ナビゲーション情報を無線端末装置151へ送信する(ステップS320)。
【0317】
次に、経路処理装置102は、無線端末装置151から新たなナビゲーション要求を受信するまで待機する(ステップS300でNO)。
【0318】
なお、経路処理装置102は、上記ステップS304において、発話内容傾斜係数表Tbl22を用いて、ルート決定用パラメータ情報Pr21およびドライバ傾向パラメータ情報Pr22に基づいて意向反映パラメータ情報を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
【0319】
経路処理装置102は、ルート決定用パラメータ情報Pr21における優先項目における各優先パラメータをそのまま意向反映パラメータ情報として作成する構成であってもよいし、ドライバ傾向パラメータ情報Pr22における各ドライバ傾向パラメータをそのまま意向反映パラメータ情報として作成する構成であってもよい。
【0320】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、意向情報、状態情報、感情方法および目的情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部31は、意向情報、状態情報および感情情報の一部と目的情報とを取得する構成であってもよい。
【0321】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置では、決定部44は、意向情報、状態情報、感情情報および経路特性に基づいて、車両1の経路計算におけるルートポリシーを決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。決定部44は、意向情報、状態情報および感情情報の一部と経路特性とに基づいて上記ルートポリシーを決定する構成であってもよい。
【0322】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムは、言語解析処理を行う音声内容解析サーバ161、ならびに疲労度推定処理および感情推定処理を行う音声データ解析サーバ162を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。経路処理システム302は、音声内容解析サーバ161および音声データ解析サーバ162を備えない構成であってもよい。この場合、たとえば、経路処理装置102が、無線端末装置151から送信された音声情報に基づいて、言語解析処理、疲労度推定処理および感情推定処理を行う。また、経路処理システム302は、言語解析処理、疲労度推定処理および感情推定処理を行う1つのサーバを備える構成であってもよい。これにより、無線端末装置151は、当該1つのサーバへ音声情報を無線送信すればよいので、音声内容解析サーバ161および音声データ解析サーバ162の各々に音声情報を無線送信する構成と比べて、無線端末装置151が無線送信するデータ量を削減することができる。
【0323】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理システムでは、無線端末装置151は、音声情報を音声内容解析サーバ161へ無線送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線端末装置151は、音声情報の示す音声波形を、運転者の発話の内容を示すテキストデータに変換し、当該テキストデータを示す情報を音声内容解析サーバ161へ無線送信する構成であってもよい。これにより、無線端末装置151から音声内容解析サーバ161へ無線送信されるデータ量を削減することができる。
【0324】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、運転者の意向を示す意向情報、および車両1の出発地および目的地を示す目的情報を取得する。決定部44は、算出部32によって算出された経路特性、および取得部31によって取得された意向情報に基づいて、車両1の経路計算におけるポリシーを決定する。
【0325】
このような構成により、たとえば、運転者の現在の意向をポリシーに反映させることができるので、当該ポリシーに従うことで、運転者の意向に沿ったより有用な経路を算出することができる。
【0326】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、運転者の状態を示す状態情報、および車両1の出発地および目的地を示す目的情報を取得する。決定部44は、算出部32によって算出された経路特性、および取得部31によって取得された状態情報に基づいて、車両1の経路計算におけるポリシーを決定する。
【0327】
このような構成により、たとえば、運転者の現在の疲労度合い等の状態をポリシーに反映させることができるので、当該ポリシーに従うことで、運転者の状態に応じたより有用な経路を算出することができる。
【0328】
また、本発明の第2の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、運転者の感情を示す感情情報、および車両1の出発地および目的地を示す目的情報を取得する。決定部44は、算出部32によって算出された経路特性、および取得部31によって取得された感情情報に基づいて、車両1の経路計算におけるポリシーを決定する。
【0329】
このような構成により、たとえば、運転者の現在の怒り度合い、喜び度合い、悲しみ度合いおよび興奮度合い等の感情をポリシーに反映させることができるので、当該ポリシーに従うことで、運転者の感情に応じたより有用な経路を算出することができる。
【0330】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る経路処理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0331】
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
【0332】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0333】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0334】
[付記1]
車両の出発地および目的地を示す目的情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記目的情報、および前記車両の運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の経路特性を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記経路特性に基づいて、前記車両の経路計算におけるポリシーを決定する決定部とを備え、
前記取得部は、さらに、前記運転者の現在の意向、現在の傾向および現在の固有の特性の少なくともいずれか1つを示すルート決定用パラメータ情報を取得し、
前記算出部は、前記経路特性に基づいて、前記運転者の過去の意向、過去の傾向および過去の固有の特性の少なくともいずれか1つを示すルートポリシー判定用テーブルを作成し、
前記決定部は、前記取得部によって取得された前記ルート決定用パラメータ情報、および前記算出部によって作成されたルートポリシー判定用テーブルに基づいて、前記ポリシーを決定する、経路処理装置。
【符号の説明】
【0335】
1 車両
31 取得部
32 算出部
33 経路計算部
34 決定部
35 記憶部
36 送信部
37 履歴登録部
44 決定部
101,102 経路処理装置
151 無線端末装置
161 音声内容解析サーバ
162 音声データ解析サーバ
301,302 経路処理システム