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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/06 20060101AFI20230627BHJP
   F16H 25/22 20060101ALN20230627BHJP
【FI】
H02K7/06 A
F16H25/22 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018230145
(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2020092562
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慎平
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-019394(JP,A)
【文献】特開2013-249865(JP,A)
【文献】特許第5918519(JP,B2)
【文献】特開2004-142006(JP,A)
【文献】特開2005-321062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/06
F16H 25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ本体と、
上記アクチュエータ本体に着脱可能に連結されるモータユニットと、
上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか一方に設けられ横断面形状が円形を成す内周面を有する嵌合凹部と、
上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか他方に設けられ上記嵌合凹部に嵌合され上記嵌合凹部の横断面形状が円形を成す内周面に対応して横断面形状が円形を成す外周面を有する嵌合凸部と、
上記嵌合凹部に設けられた雌ねじ部と、
上記嵌合凸部の横断面形状が円形を成す外周面より内側に設けられた平面状の着座面と、
上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で上記雌ねじ部に螺合されその先端が上記着座面に着座されることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結する固定用ねじと、
を具備し、
上記雌ねじ部及び上記着座面のうちの一方は少なくとも1個が設けられているとともに、上記雌ねじ部及び上記着座面のうちの他方は複数個が設けられていて、
上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で相対的に回転させて上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットを任意の姿勢とし、その状態で上記固定用ねじを上記雌ねじ部に螺合して上記着座面に着座させることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結するようにしたことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記アクチュエータ本体側に嵌合凸部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凹部が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1記載のアクチュエータにおいて、
上記アクチュエータ本体側に嵌合凹部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凸部が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、
上記着座面は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、
上記雌ねじ部は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに係り、特に、アクチュエータ本体に対してモータユニットの取付角度を変更できるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
スライダ型アクチュエータの構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
なお、特許文献1は本件特許出願人によるものである。
特許文献1に記載されたスライダ型アクチュエータは、アクチュエータ本体とモータモジュールユニットと、から構成されている。上記アクチュエータ本体は、ハウジングと、このハウジング内に収容されたロッドやスライダのような移動体と、この移動体が固着されるボールナットと、上記ボールナットが螺合していて回転可能に設置されたボールねじと、等から構成されている。
上記モータモジュールユニットは、モータカバと、このモータカバ内に収容され上記ボールねじを駆動するモータと、このモータの回転数を検出するエンコーダと、上記モータを制御するコントローラと、等から構成されている。
【0003】
上記モータモジュールユニットの先端側には嵌合凸部が設けられているとともに、上記アクチュエータ本体の後端側には嵌合凹部が設けられている。上記嵌合凸部には着座面が1個設けられているとともに、上記嵌合凹部には雌ねじ部が1個設けられている。上記嵌合凸部を上記嵌合凹部に嵌合させ、上記アクチュエータ本体の外側から固定ねじを螺合して上記嵌合凸部の着座面に着座させることで、上記モータモジュールユニットが上記アクチュエータ本体に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-151758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
特許文献1に開示されているスライダ型アクチュエータの場合には、モータモジュールユニットの上面がスライダの上面より高くなっているために、スライダをモータユニット側の端まで移動させると、スライダ上に搭載されている各種機器或いはワークがモータモジュールユニットに干渉してしまうという問題があった。
これに対しては、スライダを嵩上げすることも考えられるが、それでは、アクチュエータが大型化してしまうことになる。
又、上記モータモジュールユニットを上記アクチュエータ本体に対して回転させて、上記固定ねじを上記嵌合凸部の着座面ではない部分に着座させて連結することも可能ではあるが、それでは上記嵌合凸部の外周面が損傷してしまうこともあり、上記嵌合凹部と嵌合凸部の円滑な着脱が損なわれてしまうことになる。
【0006】
本発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、アクチュエータ本体に対してモータユニットの取付角度を変更できるアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるアクチュエータは、アクチュエータ本体と、上記アクチュエータ本体に着脱可能に連結されるモータユニットと、上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか一方に設けられ横断面形状が円形を成す内周面を有する嵌合凹部と、上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか他方に設けられ上記嵌合凹部に嵌合され上記嵌合凹部の横断面形状が円形を成す内周面に対応して横断面形状が円形を成す外周面を有する嵌合凸部と、上記嵌合凹部に設けられた雌ねじ部と、上記嵌合凸部の横断面形状が円形を成す外周面より内側に設けられた平面状の着座面と、上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で上記雌ねじ部に螺合されその先端が上記着座面に着座されることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結する固定用ねじと、を具備し、上記雌ねじ部及び上記着座面のうちの一方は少なくとも1個が設けられているとともに、上記雌ねじ部及び上記着座面のうちの他方は複数個が設けられていて、上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で相対的に回転させて上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットを任意の姿勢とし、その状態で上記固定用ねじを上記雌ねじ部に螺合して上記着座面に着座させることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記アクチュエータ本体側に嵌合凸部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凹部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記アクチュエータ本体側に嵌合凹部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凸部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項4によるアクチュエータは、請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、上記着座面は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5によるアクチュエータは、請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、上記雌ねじ部は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように、本願発明の請求項1によるアクチュエータによると、アクチュエータ本体と、上記アクチュエータ本体に着脱可能に連結されるモータユニットと、上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか一方に設けられた嵌合凹部と、上記アクチュエータ本体と上記モータユニットの何れか他方に設けられ上記嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部と、上記嵌合凹部に設けられた雌ねじ部と、上記嵌合凸部に設けられた着座面と、上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で上記雌ねじ部に螺合されその先端が上記着座面に着座されることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結する固定用ねじと、を具備し、上記嵌合凹部に上記嵌合凸部を嵌合させた状態で相対的に回転させて上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットを任意の姿勢とし、その状態で上記固定用ねじを上記雌ねじ部に螺合して上記着座面に着座させることにより上記アクチュエータ本体と上記モータユニットを連結するようにしたので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項2によるアクチュエータによると、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記アクチュエータ本体側に嵌合凸部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凹部が設けられているので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項3によるアクチュエータによると、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記アクチュエータ本体側に嵌合凹部が設けられ、上記モータユニット側に嵌合凸部が設けられているので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項4によるアクチュエータによると、請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、上記嵌合凸部には複数個の着座面が設けられていて、上記複数個の着座面の何れかに上記雌ねじ部の位置を合わせて上記固定ねじを螺合するようにしたので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項5によるアクチュエータによると、請求項4記載のアクチュエータにおいて、上記嵌合凹部には1個の雌ねじ部が設けられているので、簡易な構成により上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項6によるアクチュエータによると、請求項4又は請求項5記載のアクチュエータにおいて、上記着座面は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられているので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を4方向に変更することができる。
また、請求項7によるアクチュエータによると、請求項2又は請求項3記載のアクチュエータにおいて、上記嵌合凹部には複数個の雌ねじ部が設けられていて、上記複数個の雌ねじ部の何れかに上記着座面の位置に合わせて上記固定用ねじを螺合するようにしたので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項8によるアクチュエータによると、請求項7記載のアクチュエータにおいて、上記嵌合凸部には1個の着座面が設けられているので、簡易な構成により上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を変更することができる。
また、請求項9によるアクチュエータによると、請求項7又は請求項8記載のアクチュエータにおいて、上記雌ねじ部は周方向に沿って90°毎に4箇所設けられているので、上記アクチュエータ本体に対して上記モータユニットの取付角度を4方向に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータの斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のII-II断面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを後方側から視た分解斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2のV-V断面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータの斜視図である。
図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図6のVIII-VIII断面図である。
図9】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータの斜視図である。
図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを後方側から視た分解斜視図である。
図11】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
図12】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図9のXII-XII断面図である。
図13】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータの斜視図である。
図14】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを後方側から視た分解斜視図である。
図15】本発明の第2の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
図16】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図13のXVI-XVI断面図である。
図17】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータの斜視図である。
図18】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを後方側から視た分解斜視図である。
図19】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを縦置きにした状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
図20】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを後方側から視た斜視図である。
図21】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを後方側から視た分解斜視図である。
図22】本発明の第3の実施の形態を示す図で、モータユニットを横向きに回転させた状態のアクチュエータを前方側から視た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1乃至図8を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。
この第1の実施の形態によるアクチュエータ1は、例えば、図1及び図2に示すように、アクチュエータ本体3とモータユニット5からなる。
【0011】
上記アクチュエータ本体3にはベース7がある。このベース7は略U字型の横断面形状を成し、図1中上側に開口部9が設けられている。図2に示すように、上記ベース7の両内側面の開口部9側にはガイドレール11、11(図2中手前側のガイドレール11は図示せず)が埋設されている。上記ガイドレール11にはガイド用凹部13が形成されている。
上記ベース7の前端側(図2中左側)は前端キャップ15によって閉塞されている。
【0012】
上記アクチュエータ本体3にはスライダ21がある。上記スライダ21は上記ベース7内に移動可能に設置されている。スライダ21にはスライダ本体23がある。このスライダ本体23には前後方向(図2中左右方向)に延長された貫通孔25が形成されている。この貫通孔25の後端側(図2中右側)は拡径されていて、ボールねじナット収容部27となっている。
【0013】
上記スライダ本体23の幅方向(図2中紙面垂直方向)両側には図示しないガイド用凹部が形成されている。また、上記スライダ本体23の内部には図示しないガイド用無負荷循環路が形成されている。また、上記スライダ21にはガイド用エンドキャップ29、29、31、31がある。上記ガイド用エンドキャップ29、29は上記スライダ本体23の前端面(図2中左側の面)の幅方向(図2中紙面垂直方向)両側に設置されていて(図2中手前側のガイド用エンドキャップ29は図示せず)、上記ガイド用エンドキャップ31、31は上記スライダ本体23の後端面(図2中右側の面)の幅方向(図2中紙面垂直方向)両側に設置されている(図2中手前側のガイド用エンドキャップ31は図示せず)。上記ガイド用エンドキャップ29、31には図示しないリターン路が形成されている。
【0014】
上記ガイドレール11のガイド用凹部13と上記スライダ本体23の図示しないガイド用凹部の間の空間、上記図示しないガイド用無負荷循環路、及び、上記ガイド用エンドキャップ29、31の図示しないリターン路内には、図示しない複数の鋼球が転動・循環されている。
【0015】
また、上記スライダ21にはスライダカバ33が設置されている。このスライダカバ33は、上記スライダ本体23の図2中上側に設置されている。また、上記スライダ21にはステンレスシート摺動部材35が設置されている。このステンレスシート摺動部材35は上記スライダ本体23の図2中上側の面に固着されていて、上記スライダカバ33の図2中下側に配置されている。上記スライダカバ33と上記ステンレスシート摺動部材35の間には隙間があり、この隙間がステンレスシート用空間37となっている。
【0016】
上記スライダ本体23のボールねじナット収容部27内にはボールねじナット41が設置されている。このボールねじナット41には、ボールねじナット本体43がある。このボールねじナット本体43には前後方向(図2中左右方向)に延長された雌ねじ部45が形成されている。また、上記ボールねじナット41には図2に示すように無負荷循環路47、47が形成されている。
【0017】
また、上記ボールねじナット41にはエンドキャップ49、51がある。上記エンドキャップ49は上記ボールねじナット本体35の前端(図2中左端)に設置されていて、リターン路53が形成されている。上記エンドキャップ51は上記ボールねじナット本体35の後端(図2中右端)に設置されていて、リターン路55が形成されている。
【0018】
上記アクチュエータ本体3には軸受ケース61がある。この軸受ケース61はベース7の後端側(図2中右側)に設置されていて、軸受63、63が内装されている。
図3に示すように、上記軸受ケース61の後端側の面(図3中右下側の面)には本体側嵌合凸部65が形成されている。この本体側嵌合凸部65の外周面には90度おきに4つの着座面67a、67b、67c、67dが形成されている。
【0019】
また、上記アクチュエータ本体3にはボールねじ軸71がある。このボールねじ軸71は上記ベース7内に収容・配置されており、上記軸受63、63によって回転可能に支持されている。上記ボールねじ軸71の外周面には螺旋状の溝である雄ねじ部73が形成されている。
【0020】
上記ボールねじ軸71には上記ボールねじナット41が螺合されている。すなわち、上記雄ねじ部73と上記雌ねじ部45の間の空間、無負荷循環路47、47、上記リターン路53、及び、上記リターン路55内には、複数の鋼球75が転動・循環されている。
上記ボールねじ軸71が回転されると、上記ガイドレール11のガイド用凹部13と上記スライダ本体23の図示しないガイド用凹部の間の空間の図示しない鋼球によって上記スライダ21の回転が規制され、上記スライダ21が前後方向(図2中左右方向)に移動されるようになっている。
【0021】
また、例えば、図1及び図2に示すように、上記ベース7の開口部9を閉塞するようにステンレスシート81が設置されている。上記ステンレスシート81は、図2に示すように、上記スライダカバ33と上記ステンレスシート摺動部材35の間の上記ステンレスシート用空間37を貫通している。これにより、上記ステンレスシート81によって上記開口部9を閉塞しつつ上記スライダ21を移動可能としている。
上記前端キャップ15にはシート押え部材係合用凹部83が形成されていて、このシート押え部材係合用凹部83にシート押え部材85が係合されている。図2に示すように、上記シート押え部材85の上端側(図2中上側)と上記前端キャップ15の間に上記ステンレスシート81の前端側(図2中左側)が介挿・固定されている。
また、例えば、図2及び図3に示すように、上記軸受ケース61には固定用ねじ87、87によってシート押え部材89が固定されていて、上記シート押え部材89と上記軸受ケース61の間に上記ステンレスシート81の後端側(図2中右側)が介挿・固定されている。
【0022】
上記モータユニット5にはモータケース91がある。このモータケース91は、両端が開口されたモータケース本体93と、このモータケース本体93の前端側(図2中左側)を閉塞するモータケース用前端キャップ95と、上記モータケース本体93の後端側(図2中右側)を閉塞するモータケース用後端キャップ97とから構成される。
【0023】
上記モータケース本体93内には、上記ボールねじ軸71を回転駆動させるモータ101が内装されている。このモータ101の後端側(図2中右側)には上記モータ101の回転数を検出するエンコーダ103が設置されている。また、上記モータケース本体93は図2中上側に延長された形状を成しており、上記モータケース本体93内の図2中上側には上記モータ101の制御を行う制御用基板105が内装されている。
また、上記モータケース用後端キャップ97内には、図示しないコントローラ等と通信を行うための通信用基板107が内装されている。
【0024】
上記モータケース用前端キャップ95内には、オルダムカップリング機構111が内装されている。このオルダムカップリング機構111は、上記モータ101の出力軸113に固着されるモータ側ハブ115と、上記ボールねじ軸71の後端側(図2中右側)に固着されるボールねじ軸側ハブ117と、上記モータ側ハブ115と上記ボールねじ軸側ハブ117の間に摺動可能に介挿されるカップリング用スライダ119とから構成される。
【0025】
また、図2及び図4に示すように、上記モータケース用前端キャップ95には、前端面側(図2中左側側)に開口されたモータユニット側嵌合凹部121が形成されている。このモータユニット側嵌合凹部121の上側には雌ねじ部123が形成されている。
【0026】
上記アクチュエータ本体3と上記モータユニット5は、上記本体側嵌合凸部65を上記モータユニット側嵌合凹部121に挿入し、上記雌ねじ部123に固定用ねじ125を挿入・螺合させて、図5に示すように、上記固定用ねじ125の先端を着座面67aに当接させることで連結・固定されるようになっている。
【0027】
上記モータユニット5は、例えば、図1に示すような縦置きの状態で上記アクチュエータ本体3に連結・固定される。
また、上記モータユニット5は、例えば、図2中上側の空間がない狭い場所にアクチュエータ1を設置したい場合には、図6図8に示すように、上記モータユニット5を回転させて、横置きの状態で上記アクチュエータ本体3に連結・固定される。このときは、図8に示すように、固定用ねじ125の先端側が着座面67bに当接されるようになっている。
また、上記固定用ねじ125の先端を着座面67cや着座面67dに当接させることもできるようになっているため、上記モータユニット5を図1に示す状態から180°回転させた状態で設置する場合や、図6に示す状態から180°回転させた状態で設置する場合もある。
【0028】
次に、この第1の実施の形態の作用について説明する。
まず、アクチュエータ1の基本的な動作について説明する。
モータ101によってボールねじ軸71が回転・駆動されると、ガイドレール11のガイド用凹部13とスライダ本体23の図示しないガイド用凹部の間の空間の図示しない鋼球によってスライダ21の回転が規制され、上記スライダ21が前後方向(図2中左右方向)に移動される。
【0029】
次に、モータユニット5のアクチュエータ本体3に対する連結について説明する。
上記モータユニット5と上記アクチュエータ本体3は、上記本体側嵌合凸部65を上記モータユニット側嵌合凹部121に挿入し、上記雌ねじ部123に固定用ねじ125を挿入・螺合させて、図5に示すように、上記固定用ねじ125の先端を着座面67a、67b、67c、67dの何れかに当接させることで連結・固定される。すなわち、上記モータユニット5は上記アクチュエータ本体3に対して、90度ごとの4方向に回転させた状態で固定され、図1図5に記載されたような上記モータユニット5を縦置きにした状態や、図6図8に記載されたような上記モータユニット5を横置きにした状態の他、図1図5に記載されたような上記モータユニット5を縦置きにした状態から上記モータユニット5を180°回転させた状態や、図6図8に記載されたような上記モータユニット5を横置きにした状態から上記モータユニット5を180°回転させた状態となる。
【0030】
次に、この第1の実施の形態による効果について説明する。
まず、アクチュエータ本体3に対してモータユニット5の取付角度を変更できるようになった。すなわち、本体側嵌合凸部65には着座面67a、67b、67c、67dが設けられていて、雌ねじ部123に固定用ねじ125を挿入・螺合させて、上記固定用ねじ125の先端を上記着座面67a、67b、67c、67dの何れかに当接させることで、アクチュエータ本体3に対してモータユニット5の取付角度を4方向に変更することができる。
その際、4個の着座面67a、67b、67c、67dが設けられているので、従来のように、着座面が設けられていない本体側嵌合凸部65の外周面に固定用ねじ125の線端部を無理やり着座させるような必要もなくなり、それによって、本体側嵌合凸部65の外周面の損傷を防止することができる。
それによって、本体側嵌合凸部65とモータ側嵌合凹部121の円滑な嵌合が担保される。
又、モータユニット5を、図6に示すように、90°回転させて横向きにすることにより、スライダ21をモータユニット5側の端まで移動させても、スライダ21上に搭載されている各種機器或いはワークとモータユニット5が干渉することはない。
【0031】
次に、図9図16を参照しながら、本願発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態によるアクチュエータ201は、前記第1の実施の形態によるアクチュエータ1と略同様の構成であるが、アクチュエータ本体203とモータユニット205から構成されており、上記アクチュエータ本体203には軸受ケース207があり、上記モータユニット205にはモータケース用前端キャップ209がある。上記軸受ケース207には本体側嵌合凹部211が設けられていて、上記モータケース用前端キャップ209にはモータユニット側嵌合凸部213が設けられている。上記本体側嵌合凹部211には90度ごとの4箇所に雌ねじ部215a、215b、215c、215dが形成されていて、上記モータユニット側嵌合凸部213の外周面の一か所に着座面217が形成されている。
【0032】
例えば、図9図12に記載されたような上記モータユニット205を縦置きにした状態では、雌ねじ部215aに固定用ねじ125を螺合させることで上記固定用ねじ215の先端が着座面217に当接されるようになっている。
また、例えば、図13図16に記載されたような上記モータユニット205を横置きにした状態では、雌ねじ部215bに固定用ねじ125を螺合させることで上記固定用ねじ125の先端が着座面217に当接されるようになっている。
【0033】
よって、この第2の実施の形態の場合も、着座面217によってモータユニット側嵌合凸部213の破損を防止して、アクチュエータ本体203に対して上記モータユニット205を90度ごとの4方向に回転させた状態で固定させることができる。すなわち、図9図12に記載されたような上記モータユニット205を縦置きにした状態や、図13図16に記載されたような上記モータユニット205を横置きにした状態の他、図9図12に記載されたような上記モータユニット205を縦置きにした状態から上記モータユニット205を180°回転させた状態や、図13図16に記載されたような上記モータユニット205を横置きにした状態から上記モータユニット205を180°回転させた状態とすることができる。
【0034】
次に、図17図22を参照しながら、本願発明の第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態によるアクチュエータ301は、前記第1の実施の形態によるアクチュエータ1と略同様の構成であるが、アクチュエータ本体303とモータユニット305から構成されており、上記アクチュエータ本体303には軸受ケース307があり、上記モータユニット305にはモータケース用前端キャップ309がある。上記軸受ケース307には本体側嵌合凹部311が設けられていて、上記モータケース用前端キャップ309にはモータユニット側嵌合凸部313が設けられている。上記本体側嵌合凹部311には1か所に雌ねじ部315が形成されていて、上記モータユニット側嵌合凸部213の外周面には90度おきに4つの着座面317a、317b、317c、317dが形成されている。
【0035】
例えば、図17図19に記載されたような上記モータユニット305を縦置きにした状態では、雌ねじ部315に固定用ねじ125を螺合させ,上記固定用ねじ315の先端が着座面317aに当接されるようになっている。
また、例えば、図20図21に記載されたような上記モータユニット305を横置きにした状態では、雌ねじ部315に固定用ねじ125を螺合させることで上記固定用ねじ125の先端が着座面317bに当接されるようになっている。
【0036】
よって、この第3の実施の形態の場合も、着座面317a,317b,317c,317dによってモータユニット側嵌合凸部313の破損を防止して、アクチュエータ本体303に対して上記モータユニット305を90度ごとの4方向に回転させた状態で固定させることができる。すなわち、図17図19に記載されたような上記モータユニット305を縦置きにした状態や、図20図21に記載されたような上記モータユニット305を横置きにした状態の他、図17図19に記載されたような上記モータユニット305を縦置きにした状態から上記モータユニット305を180°回転させた状態や、図20図21に記載されたような上記モータユニット305を横置きにした状態から上記モータユニット305を180°回転させた状態とすることができる。
【0037】
なお、本発明は前記第1~第3の実施の形態に限定されない。
本体側嵌合凸部又はモータユニット側嵌合凸部の着座面や、本体側嵌合凹部又はモータユニット側嵌合凹部の雌ねじ部の数には様々な場合が考えられ、
例えば、両方について複数設けるような場合も考えられる。
また、アクチュエータ本体に対してモータユニットを取り付ける角度も様々な場合が考えられる。
その他、図示した構成は一例であり、様々な場合が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、アクチュエータに係り、特に、アクチュエータ本体に対してモータユニットの取付角度を変更できるように工夫したものに関し、例えば、工場内の設備に用いられるアクチュエータに好適である。
【符号の説明】
【0039】
1 アクチュエータ
3 アクチュエータ本体
5 モータユニット
65 本体側嵌合凸部
67a 着座面
67b 着座面
67c 着座面
67d 着座面
121 モータユニット側嵌合凹部
123 雌ねじ部
125 固定用ねじ
201 アクチュエータ
203 アクチュエータ本体
205 モータユニット
211 本体側嵌合凹部
213 モータユニット側嵌合凸部
215a 雌ねじ部
215b 雌ねじ部
215c 雌ねじ部
215d 雌ねじ部
217 着座面
301 アクチュエータ
303 アクチュエータ本体
305 モータユニット
311 本体側嵌合凹部
313 モータユニット側嵌合凸部
315 雌ねじ部
317a 着座面
317b 着座面
317c 着座面
317d 着座面部
図1
図2
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