(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】在庫管理装置、在庫管理システム、在庫管理方法および在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
B65G1/137 C
(21)【出願番号】P 2020209904
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000232140
【氏名又は名称】NECフィールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】中原 祐治
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-062746(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068949(WO,A1)
【文献】特開2016-055954(JP,A)
【文献】特開2004-137067(JP,A)
【文献】特開2005-255344(JP,A)
【文献】特開2017-214196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を特定するための物品IDと、前記物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を保持する在庫物品情報保持部と、
物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報を保持する地図情報保持部と、
入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付部と、
受け付けた入庫物品情報に応じて前記在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得部と、
取得した前記在庫物品情報と、前記地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出部と、
算出された前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
を有
し、
前記経路情報算出部は、前記入庫物品情報受付部が複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報取得部が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する、
在庫管理装置。
【請求項2】
前記経路情報算出部は、前記入庫物品情報受付部が複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報取得部が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の入庫物品のそれぞれの入庫数量に、物品一個あたりの重量を乗じて物品の種類毎の総重量を算出し、総重量の大きい種類の順に優先して入庫物品を配置する経路を算出する、
請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記経路情報算出部は、前記優先して配置する経路を算出の後、当該経路から所定の距離以下の位置に配置すべき入庫物品が存在するか否かを判断し、存在すると判断された場合には、当該存在すると判断された入庫物品をも配置する経路を算出する、
請求項
1又は2に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
入庫物品の配置場所に付された配置場所を特定するコードを読み取る読取部と、
読み取った前記コードと、前記経路情報とを用いて、経路情報に従って移動しているか否かを確認する確認部と、
経路情報に従って移動しているとの確認の結果を得られた場合に、入庫物品情報に基づいて在庫物品情報を更新する在庫物品情報更新部と、
をさらに有する請求項1から
3のいずれか一に記載の在庫管理装置。
【請求項5】
経路上を移動する時間を計測する計時部と、
所定時間内に前記確認部からの経路上に従って移動しているとの確認の結果を得られたか否かを判断する経過時間判断部と、
所定時間以上経過しているとの判断結果を得られた場合に通知を行う通知部と、
をさらに有する請求項
4に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
入庫物品情報受付部は、入庫物品の外観を認識することにより、入庫物品IDを受け付ける請求項1から
5のいずれか一に記載の在庫管理装置。
【請求項7】
物品を特定するための物品IDと、前記物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を保持する在庫物品情報保持部と、
物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報を保持する地図情報保持部と、
を有するデータベース装置と、
入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付部と、
受け付けた入庫物品情報を送信する入庫物品情報送信部と、
を有する受付端末と、
入庫物品情報を受信する入庫物品情報受信部と、
受信した入庫物品情報に応じて前記在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得部と、
取得した前記在庫物品情報と、前記地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出部と、
算出された経路情報を送信する経路情報送信部と、
を有
し、
前記経路情報算出部は、前記入庫物品情報受付部が複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報取得部が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する、
管理端末と、
経路情報を受信する経路情報受信部と、
算出された前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
を有する作業端末と、
を有する在庫管理システム。
【請求項8】
入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付ステップと、
受け付けた入庫物品情報に応じて、物品を特定するための物品IDと、前記物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得ステップと、
取得した前記在庫物品情報と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出ステップと、
算出された前記経路情報を出力する経路情報出力ステップと、
を有
し、
前記経路情報算出ステップは、前記入庫物品情報受付ステップで複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報取得ステップが、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する、
在庫管理方法。
【請求項9】
入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける処理と、
受け付けた入庫物品情報に応じて、物品を特定するための物品IDと、前記物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を取得する処理と、
取得した前記在庫物品情報と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する処理と、
算出された前記経路情報を出力する処理と、
を実行し、
前記経路情報を算出する処理は、前記入庫物品情報を受け付ける処理で複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報を取得する処理が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する処理を、
計算機に実行させるための在庫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置および本システムは、効率的な入庫作業と正確な在庫把握が可能な在庫管理装置、在庫管理システムおよびその方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の修理などに必要となる部品等を、倉庫内の棚等の配置場所に移動させる入庫作業を効率的に行う方法として、人員調整と時間管理とが考えられる。しかし一定ではない入荷部品数に対して都度人員調整を図ることは現実的ではない。具体的には、例えば部品数が多い場合に未経験者を配置するとかえって作業効率が低下してしまう。従って、限られた人員で作業時間を有効的に活用することが効果的であると考えられる。
【0003】
その結果、作業者一人で数十点もの部品を移動させる場合もしばしばあり、数時間かけて庫内を動き回る場合も少なくない。通常、作業者は、ある程度入庫する棚の位置や部品の重さを考慮して入庫するルートを決定しているが、部品数が多くなるとどのルートを回って入庫するのが効率的であるのか十分に把握できない。つまり、無駄な移動時間が発生してしまい、作業者の負担が増大する。
【0004】
また、作業者の負担が増えると集中力が低下してしまうことから、部品を誤った棚に入庫してしまうといったヒューマンエラーが発生しやすくなり、正確な在庫数を把握することが困難になる。正確な在庫数を把握できていなければ、欠品している部品が入荷されるまで修理作業を行うことができず修理納期の長期化を招いてしまう場合や、ある部品がシステム上在庫有りと確認できたため出張にて修理を予定していたにもかかわらず実際には欠品していたため修理を完了できなくなる場合も発生しうる。
【0005】
特許文献1には、トレイの重さや大きさ等に基づいて優先順位を決定し、庫内等で製品をピッキングするために移動する経路を算出することが可能な搬送システム等が開示されている。特許文献2には、複数存在する倉庫への入庫処理において、管理されている在庫数に基づいて、在庫数が少ない倉庫を選択して入庫処理を実行することにより効率的に入庫作業が可能な自動倉庫が開示されている。特許文献3には、大量の注文に対応するために、同一のピッキングカートがより短距離の移動で効率よく作業を行うための経路を算出し、その経路情報をピッキングカートに送信し表示させる管理装置を含むピッキングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-131403号公報
【文献】特開2015-042589号公報
【文献】特開2009-249163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の
分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0008】
上記の通り、特許文献1ないし3では、主に入庫および出庫時の作業効率の向上を課題とした解決手段が開示されている。
【0009】
しかしながら、上述したように作業効率の向上と共に両立すべき、入庫および出庫にあたり在庫数の正確な把握のための手段についてはいずれの特許文献においても開示されていない。
【0010】
本発明の一視点において、倉庫等の入庫作業における作業効率の向上と、在庫数の正確な把握と、の両立に寄与する在庫管理装置、在庫管理システム、在庫管理方法および在庫管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の視点によれば、物品を特定するための物品IDと、物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を保持する在庫物品情報保持部と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報を保持する地図情報保持部と、入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付部と、受け付けた入庫物品情報に応じて在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得部と、取得した在庫物品情報と、地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出部と、算出された経路情報を出力する経路情報出力部と、を有する在庫管理装置が提供される。
【0012】
本発明の第二の視点によれば、物品を特定するための物品IDと、前記物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を保持する在庫物品情報保持部と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報を保持する地図情報保持部と、を有するデータベース装置と、入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付部と、受け付けた入庫物品情報を送信する入庫物品情報送信部と、を有する受付端末と、入庫物品情報を受信する入庫物品情報受信部と、受信した入庫物品情報に応じて前記在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得部と、取得した前記在庫物品情報と、前記地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出部と、算出された経路情報を送信する経路情報送信部と、を有する管理端末と、経路情報を受信する経路情報受信部と、算出された前記経路情報を出力する経路情報出力部と、を有する作業端末と、を有する在庫管理システムが提供される。
【0013】
本発明の第三の視点によれば、入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける入庫物品情報受付ステップと、受け付けた入庫物品情報に応じて、物品を特定するための物品IDと、物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を取得する在庫物品情報取得ステップと、取得した在庫物品情報と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する経路情報算出ステップと、算出された経路情報を出力する経路情報出力ステップと、を有する在庫管理方法が提供される。
【0014】
本発明の第四の視点によれば、入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける処理と、受け付けた入庫物品情報に応じて、物品を特定するための物品IDと、物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を取得する処理と、取得した在庫物品情報と、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報と、に基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する処理と、算出された経路情報を出力する処理と、を計算機に実行させるための在庫管理プログラムが提供される。
【0015】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各視点によれば、倉庫等の入庫作業における作業効率の向上と、在庫数の正確な把握と、の両立に寄与する在庫管理装置、在庫管理システム、在庫管理方法および在庫管理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態の在庫管理装置における構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態の在庫管理装置における地図情報及び経路情報の一例を示す概略図である。
【
図3】実施形態1の在庫管理装置における構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1の在庫管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1の在庫管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1の在庫管理装置におけるハードウエア構成の一例を示す概略図である。
【
図7】実施形態2の在庫管理システムの概略を示すための図である。
【
図8】実施形態2の在庫管理システムにおける構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態2の在庫管理システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0019】
図1に一実施形態の在庫管理装置の構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の在庫管理装置1は、在庫物品情報保持部11と、地図情報保持部12と、入庫物品情報受付部13と、在庫物品情報取得部14と、経路情報算出部15と、経路情報出力部16と、を有する。
【0020】
在庫物品情報保持部11は、物品を特定するための物品IDと、物品IDに関連付けられた、物品の在庫数量と、物品一個あたりの重量と、物品の配置場所を示す情報と、を少なくとも含む在庫物品情報を保持する。在庫物品情報は在庫管理装置が有するデータベース、または装置外部に設置されたデータベース装置に保持されていてもよい。「物品の配置場所を示す情報」とは、倉庫内等においてどの物品IDにかかる物品がどの位置に配置されるべきかを示す情報である。この情報は後述する地図情報保持部12で保持されている地図情報内で定義され、示された区画により位置を特定する情報である。なお同情報の示す位置は一か所でも複数か所でもよい。
【0021】
地図情報保持部12は、物品の配置場所までの経路を特定するための地図情報を保持する。「地図情報」とは例えば、倉庫内などの物品を配置する領域を区画して、その区画に物品の配置する位置を特定するための情報を付したものである。領域は平面を区画するものにとどまらず、空間を区画するものであってもよい。この区画を示す情報は物品IDと関連付けられて保持され、物品の配置位置を特定する処理に用いられる。また地図情報には、通路の情報が含まれており、この通路の情報が示す通路上に入庫作業のための経路が後述する経路情報算出部15により設定される。
【0022】
図2は地図情報および経路情報の概略を示す図である。この図にあるように物品の配置場所が区画されており、位置を特定するための番号が付されている。例えば「3.2.17.2」の数字列で示される区画は、「倉庫3の2列、17番の区画の2段目の棚」(
図2黒塗部分)を表すといった態様等が考えられる。
【0023】
入庫物品情報受付部13は、入庫する物品の入庫物品IDと、入庫数量と、を少なくとも含む入庫物品情報を受け付ける。「入庫」とは物品の配置場所に配置されることを意味する。当該情報は在庫管理装置自身が受け付けてもよいし、外部の受付端末を介して受け付ける態様であってもよい。受け付けられた入庫物品情報は、後述する在庫物品情報取得部14に送られる。
【0024】
入庫物品情報受付部13は、入庫物品の外観を認識することにより、入庫物品IDと、入庫数量と、を受け付ける構成でもよい。具体的には、バーコードのような識別子などの他、物品そのものを画像認識により認識する構成であってもよい。認識のための特徴量は物品IDに関連付けられて、在庫物品情報保持部11に保持されていてもよい。
【0025】
在庫物品情報取得部14は、受け付けた入庫物品情報に応じて在庫物品情報を取得する。具体的には、当部が在庫物品情報保持部11へ接続し、受け付けた入庫物品情報の内の入庫物品IDをキーとして、在庫物品情報を取得する処理を実行する。これにより入庫物品の配置場所や、在庫数、入庫物品の一個当たりの重量等が利用可能となる。取得した在庫物品情報は入庫物品情報と結合され、後述する経路情報算出部15に送られる。
【0026】
経路情報算出部15は、在庫物品情報取得部14から取得した在庫物品情報と、地図情報保持部12から取得した地図情報とに基づいて、入庫する物品の配置場所までの経路を示す経路情報を算出する。具体的には地図情報保持部12に接続し、在庫物品情報取得部14にて取得した在庫物品情報に含まれる物品の配置場所を示す情報をキーとして配置場所を探索し、特定する。特定したら配置場所と出発地点とを結ぶ経路を通路上に設定する処理を実行する。経路を設定する処理は、種々のアルゴリズムにより実行可能である。
【0027】
図2を参照すると、点線が経路となる通路を示し、アルファベットが付されている点は、経路上の停止位置となる。経路はこの停止位置を用いて表現される。停止位置は物品の配置場所と関連付けられており、例えば「3.2D」(倉庫3の停止位置2D)という停止位置は、配置場所「3.1.13.*」と「3.2.4.*」に関連付けられている。例えば、最初に「3.1.4.1」の棚で入庫作業をし、次に「3.2.4.2」、最後に「3.3.7.1」の棚を訪れる場合には、{1D、2D、3G}といったように経路が表現できる。
【0028】
各停止位置間では距離が定義されていてよく、その距離を用いて組み合わせ最適化の演算処理により停止位置の順序を決定してもよい。
【0029】
経路情報出力部16は、算出された経路情報を出力する。「経路情報」は地図上に目的地、すなわち物品の配置場所とそこに至る経路を表したものでもよい。また、文章や音声でナビゲーションするものであってもよい。更に経路情報出力部16には表示デバイスや、音声出力デバイス、通信インタフェースなどが含まれており、視覚で経路情報を提示したり、音声で出力したり、通信により他の機器へ送信したりしてもよい。
【0030】
上記一実施形態の在庫管理装置では、物品の入庫に伴って入庫物品情報を受付け、受け付けた入庫物品情報に含まれる入庫物品の物品IDにより在庫物品情報を取得する。在庫物品情報には当該物品の配置場所を示す情報が含まれており、この情報と、保持されている地図情報により入庫作業のための経路情報を算出して出力する。
【0031】
一方、入庫物品情報には入庫数量の情報が含まれており、この情報を用いて在庫物品情報に含まれる物品の在庫数量の情報を更新する。
【0032】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
[第1の実施形態]
[装置の構成]
図3は第1の実施形態の在庫管理装置の構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、本実施形態の在庫管理装置1は、在庫物品情報保持部11と、地図情報保持部12と、入庫物品情報受付部13と、在庫物品情報取得部14と、経路情報算出部15と、経路情報出力部16と、を有する。上記構成要件については上記一実施形態にて説明済みであるので記載は省略する。
【0034】
本実施形態の在庫管理装置1は、新たに読取部17と、確認部18と、在庫物品情報更新部19と、を有する。
【0035】
また、本実施形態の在庫管理装置1において、入庫物品情報受付部13が複数の種類の入庫物品IDを受付け、且つ在庫物品情報取得部14が、当該複数の種類の入庫物品IDに応じた在庫物品情報を取得した結果、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、経路情報算出部15が、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する構成となっていてもよい。
【0036】
さらに、本実施形態の在庫管理装置1において、入庫物品情報受付部13が複数の種類の入庫物品IDを受付け、且つ在庫物品情報取得部14が、当該複数の種類の入庫物品IDに応じた在庫物品情報を取得し、当該複数の種類の入庫物品のそれぞれの入庫数量に、物品一個あたりの重量を乗じて物品の種類毎の総重量を算出した結果に基づいて、経路情報算出部15が、総重量の大きい種類の順に優先して入庫物品を配置する経路を算出する構成となっていてもよい。
【0037】
読取部17は、入庫物品の配置場所に付された配置場所を特定するコードを読み取る。これは、後述する確認部18にて入庫物品がその配置場所に配置されることを確認するためである。「コード」とは、光学的に認識するバーコードの他、ICタグ等の無線によるコードを用いたものも含まれる。「コード」には配置場所を特定する情報の他、これに関連づけられた配置すべき物品のIDが少なくとも含まれる。
【0038】
確認部18は、読み取った前記コードと、前記経路情報とを用いて、経路情報に従って移動しているか否かを確認する。配置場所を特定するコードを読み取ると、地図情報上、どの位置にいるのかを特定することが可能であるので、経路情報に沿って移動しているか否かを判断することが可能である。また、読取部17で読み込むコードにはその位置に配置すべき物品IDをも含むので、その物品が配置すべき場所に配置されているかを確認することが可能である。複数の種類の物品を入庫する場合においては、経路情報は、それぞれの物品の入庫順をも含むが、その入庫順に沿った経路で物品を配置しているか否かも確認が可能である。確認結果は後述する在庫物品情報更新部19に送られる。
【0039】
在庫物品情報更新部19は、経路情報に従って移動しているとの確認の結果を得られた場合に、入庫物品情報に基づいて在庫物品情報を更新する。在庫物品情報更新部19は、確認部18からの確認結果に応じて、在庫物品情報保持部11に接続し、読み取ったコードに含まれる物品情報と記憶域に一時的に保持されていた入庫物品情報とを用いて、当該確認の結果を得られた物品の入庫数量を更新する。
【0040】
なお、本実施形態の在庫管理装置1は、経路上を移動する時間を計測する計時部(図示せず)と、所定時間内に確認部からの経路上に従って移動しているとの確認の結果を得られたか否かを判断する経過時間判断部(図示せず)と、所定時間以上経過しているとの判断結果を得られた場合に通知を行う通知部(図示せず)と、をさらに有する構成であってもよい。この構成により、効率的に物品の配置が実行されているか否かを判断し、作業者に通知することが可能である。なお、所定時間は、配置場所までの距離や作業員の属性(年齢や経験年数等)を考慮して調整することができる。この結果、各作業員が属性に応じた作業を効率的に実行できているか否かを確認することが可能となる。
【0041】
[処理の流れ]
図4および
図5は第1の実施形態の在庫管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図4は入庫物品情報を受け付ける処理から経路を算出し出力するまでの処理の流れである。
図5は算出された経路に沿って庫内を移動し、在庫を更新しながら物品の配置を行うための処理の流れである。在庫管理装置1は、入庫物品情報受付部13により入庫物品情報を受付ける(ステップS11)。次に在庫物品情報取得部14が在庫物品情報を取得する(ステップS12)。次に経路情報算出部15は、受付された各物品の総重量を算出する(ステップS13)。次に経路情報算出部15は、在庫数が所定値以下であるかを判断する(ステップS14)。所定値以下であった場合には、所定値以下の物品を配置する経路を算出して経路に追加する(ステップS15)。在庫数が所定値より多い場合には、算出された各物品毎の総重量が最も多い物品を配置する経路を算出して経路に追加する(ステップS16)。その後、経路情報算出部15は、全ての物品を経路に追加したか否かの判断を行う(ステップS17)。判断の結果未追加の物品がある場合には、在庫数の判断処理(ステップS14)に戻り、以降の処理を繰り返す。全ての物品を経路に追加したとの判断結果の場合には、経路情報出力部16により経路を出力(ステップS18)して、物品を配置するための処理(
図5)に続く(A)。
【0042】
経路情報算出部15により経路が算出され、経路情報出力部16により出力されると、在庫管理装置は物品を配置するための処理(
図5(A))に移る。物品の配置場所に到着すると、在庫管理装置1は、読取部17により配置場所で棚や収納容器などに付属したバーコード等のコードをリーダーで読取る(ステップS21)。上述の通りコードには物品の配置場所を示す情報が含まれており、この情報と、経路情報とで読取を行った場所が経路上に位置しているか否かの判断を確認部18が行う(ステップS22)。経路内であるとの判断結果を得た場合には在庫物品情報更新部19が在庫物品情報を保持しているDBの在庫物品数を更新する(ステップS24)。一方経路上に位置していないとの判断結果が得られた場合には、経路外である旨の通知を行って経路上に復帰するように誘導を行う等の処理を実行する(ステップS23)。次に在庫管理装置1は未入庫物品が存在しないか否の判断を行う(ステップS25)。未入庫の物品が存在しないとの判断結果(Y)となった場合には処理は終了し、未入庫の物品が存在するとの判断結果(N)となった場合には、再び次の経路上の配置場所に移動し、配置場所で読取部17がコードを読取る処理(ステップS21)を実行する。
【0043】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る在庫管理装置を構成する各種装置のハードウエア構成を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る在庫管理装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
在庫管理装置1は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図6に例示する構成を備える。例えば、在庫管理装置1は、内部バス105により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入出力インタフェース103及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)104等を備える。
【0045】
但し、
図6に示す構成は、在庫管理装置1のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。在庫管理装置1は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103を備えていなくともよい。また、在庫管理装置1に含まれるCPU等の数も
図6の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが在庫管理装置1に含まれていてもよい。
【0046】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0047】
入出力インタフェース103は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0048】
在庫管理装置1の機能は、処理モジュールである入庫物品情報受付プログラムと、在庫物品情報取得プログラムと、経路情報算出プログラムと、経路情報出力プログラムと、読取プログラムと、確認プログラムと、在庫物品情報更新プログラム等により実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをCPU101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0049】
[ハードウエアの動作:入庫物品を受付けて経路を算出して出力するまでの処理]
在庫管理装置1は処理を開始すると、入庫物品情報受付プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは入庫物品情報を受け付けると、同情報に含まれる物品IDをメモリ102に一時的に格納する。次に在庫物品情報取得プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは、メモリ102に一時的に保持されている入庫物品IDをキーとして在庫物品情報データベースにアクセスし、キーに該当するレコードを取得する。取得されたレコードは入庫物品情報と結合し、メモリ102に一時的に格納される。次に経路情報算出プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは、メモリ102に一時的に保持されている、入庫物品情報と在庫物品情報とが結合したデータを読み込み、地図情報データベースとにアクセスして経路情報を算出する。
【0050】
同プログラムは、算出にあたりメモリ102に一時的に保持されている入庫物品情報と結合された在庫物品情報から、在庫物品数を読み込む。在庫物品数が所定の値以下であった場合、その物品は優先して先に配置する順序とする。在庫物品数が所定の値より大きい場合には入庫物品数と在庫物品情報内の物品一個当たりの重量との積を算出し、物品毎の入庫物品重量を算出し、重量が大きいものから優先して先に配置する順序とする。決定された順序はメモリ102に一時的に格納される。
【0051】
同プログラムは、次に、決定された順序に基づいて経路を算出する。メモリ102上に一時的に保持されている入庫物品にかかる物品の配置場所を示す情報を取得する。次に、地図情報データベースにアクセスし、配置場所の地図情報を取得する。その取得した地図情報上に、決定された優先順位に従って入庫物品を配置するための停止位置の順序をCPU101にて算出する。算出された経路はメモリ102に格納される。
【0052】
優先して配置する物品の配置順に基づいて経路が決定されると、その経路は必ずしも効率的に配置する経路ではない場合がある。その場合には経路を最適化して効率的に配置する経路を再計算して算出する構成であってもよい。例えば上述の優先度に基づいて算出した経路の経路長を配置物品数で割った値が所定の値より大きい場合には再計算を実行するといった構成であってもよい。また、例えば配置の優先度が高い物品の配置場所の近傍に優先度が比較的低い別の物品の配置場所があった場合、所定の距離以内であれば、優先すべき物品を配置した直後に配置を行う経路を算出するといった構成であってもよい。
【0053】
算出された経路情報は次いで実行状態となった経路情報出力プログラムにより、ディスプレイ等の入出力インタフェース103を介して出力される。あるいは、在庫管理装置に接続されたスマートグラス等に経路情報を、NIC104を介して送信し、出力してもよい。
【0054】
[ハードウエアの動作:経路情報に基づいて物品を配置するまでの処理]
経路情報が出力されると、その経路に従って物品の配置場所へ移動して物品を配置するための処理が行われる。まず、読取プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。物品の配置場所に到着すると、配置場所に付されているコードをバーコードリーダー等の入出力インタフェース103により読取る。コードには物品の配置場所を示す情報と、物品IDが含まれている。次に確認プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムはメモリ102上に保持されている経路情報を参照し、未確認であって最も先の順序である物品に係る物品IDを取得し、メモリ102に格納されている入庫物品情報と在庫物品情報とが結合したデータ、または在庫物品データベースへアクセスし、当該物品IDに係る配置場所を示す情報を取得する。次に読み取った物品IDと、配置場所を示す情報とが取得した情報と一致するか否かを判断する。その結果、一致した場合には正しい経路にて配置場所に物品を配置しているとして、入庫物品情報に含まれる入庫数量に基づいて在庫物品数を更新する。更新処理は在庫物品情報更新プログラムをメモリ102から呼び出し、CPU101にて実行状態として、同プログラムが在庫物品データベースへアクセスすることにより実行される。
【0055】
一方、一致しなかったと判断された場合には、誤った経路で物品を配置しようとしているとして、入出力インタフェース103により通知を出力してもよい。
【0056】
なお、計時プログラムをCPU101にて実行し、確認プログラムによる確認結果の出力時点からの時間を計測し、経過時間判断プログラムにより、所定の時間を経過したか否かを判断し、経過しているとの判断結果の場合には、通知プログラムにより入出力インタフェース103を介して、所定の時間を経過しているとの旨の通知を実行する構成であってもよい。
【0057】
[効果の説明]
本実施形態の在庫管理装置は、入庫物品情報を受付け、当該情報と、在庫物品情報と、地図情報とに基づいて、優先度に応じた入庫物品を配置する経路情報を算出可能である。その上で、経路情報に従って物品の配置が実行されているか否かの判断が可能である。これらの処理により効率的な物品の入庫および配置作業を実行することが可能である。
【0058】
[第2の実施形態]
[システムの概略]
図7は第2の実施形態の在庫管理システムの概略を示すための図である。本実施形態の在庫管理システム10は、データベース装置2と、受付端末3と、管理端末4と、作業端末5と、からなる。データベース装置2には在庫物品情報と、地図情報とが格納されている。受付端末3は入庫物品の入庫物品情報を受付ける。管理端末4は受付端末3で受け付けた入庫物品情報を取得し、データベース装置2にアクセスすることで経路情報を算出する。作業端末5は例えばウェアラブル端末であって、物品の配置を行う作業者が装着するものであってもよい。作業端末5において、管理端末4にて算出された経路情報を表示したり、倉庫内の部品棚にある部品箱に付された、物品IDや配置場所を示す情報等が含まれるQRコード(登録商標)等を読取ったりする。
【0059】
[システムの構成]
図8は第2の実施形態の在庫管理システムの構成の一例を示すためのブロック図である。この図に示すように本実施形態の在庫管理システム10はデータベース装置2と、受付端末3と、管理端末4と、作業端末5と、からなる。データベース装置2は在庫物品情報保持部11と、地図情報保持部12とを有する。受付端末3は入庫物品情報受付部13と、入庫物品情報送信部20とを有する。管理端末4は、入庫物品情報受信部21と、在庫物品情報取得部14と、経路情報算出部15と、経路情報送信部22とを有する。作業端末5は経路情報受信部23と、経路情報出力部16とを有する。
【0060】
なお上記構成は一例であり、他の構成となっていてもよい。例えばデータベース装置2と管理端末4が一の装置として構成されていてもよい。また作業端末5と管理端末4とが一の装置として構成されていてもよく、受付端末3と作業端末5が一の装置として構成されていてもよい。
【0061】
入庫物品情報送信部20は受付端末3において、受け付けた入庫物品情報を管理端末4へ送信する。入庫物品情報受信部21は、管理端末4において、受付端末3からの入庫物品情報を受信する。経路情報送信部22は管理端末4において、算出された経路情報を作業端末5へ送信する。経路情報受信部23は作業端末5において管理端末4からの経路情報を受信する。
【0062】
なお、在庫物品情報保持部11から経路情報出力部16までの各構成要件については、上記実施形態と同様であるので記載は省略する。また、作業端末5が読取部17、確認部18、在庫物品情報更新部19を有する構成でもよい。さらに、管理端末4または作業端末5が計時部と、経過時間判断部と、通知部とを有する構成であってもよい。
【0063】
[処理の流れ]
図9は第2の実施形態の在庫管理システムの処理の流れを示すためのシーケンス図である。この図にあるように、まず受付端末にて入庫物品情報の受付を実行する(ステップS31)。受け付けられた入庫物品情報は、管理端末へ送信される。管理端末では在庫物品情報を取得する処理が行われる(ステップS32)。管理端末よりデータベース装置へ入庫物品IDを送信すると、入庫物品IDに該当する物品IDも持つレコードを在庫物品情報として受信する。管理端末は入庫物品情報と在庫物品情報を結合させこれを保持する。次に経路情報を算出する管理端末よりデータベース装置へ地図情報がリクエストされる。データベース装置から管理端末へ地図情報が送信される(ステップS33)。保持されている在庫物品情報と地図情報に基づいて経路情報が算出される。算出された経路情報は作業端末へ送信され、出力される(ステップS34)。
【0064】
[ハードウエア構成]
第2の実施形態の在庫管理システムのハードウエア構成は各端末および装置のいずれにおいても
図6の構成と同様であるので図示および記載は省略する。データベース装置2は在庫物品情報データベースと地図情報データベースとを有し、受付端末3は入庫物品情報受付プログラムと、入庫物品情報を管理端末4へ送信する入庫物品情報送信プログラムを有する。管理端末4は受付端末3より入庫物品情報を受信する入庫物品情報受信プログラムと、在庫物品情報取得プログラムと、経路情報算出プログラムと、経路情報を作業端末5に送信する経路情報送信プログラムとを有する。作業端末5は管理端末4からの経路情報を受信する経路情報受信プログラムと、経路情報出力プログラムとを有する。ハードウエアの動作については、入庫物品情報および経路情報を送受信するためのプログラムが追加される(入庫物品情報送信プログラム、入庫物品情報受信プログラム、経路情報送信プログラム、経路情報受信プログラム)。その他のプログラムの動作については上記と同様である。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られな
い。
[形態1]
上述の第一の視点に係る在庫管理装置のとおりである。
[形態2]
前記経路情報算出部は、前記入庫物品情報受付部が複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記在庫物品情報取得部が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の在庫物品のうちの一の種類の物品の在庫数量が所定の値以下であると判断した場合、当該種類にかかる入庫物品を他の入庫物品より優先して配置する経路を算出する、好ましくは形態1に記載の在庫管理装置。
[形態3]
前記経路情報算出部は、前記入庫物品ID受付部が複数の種類の入庫物品IDを受付け、当該複数の種類の入庫物品IDに応じて前記物品情報取得部が、複数の種類の在庫物品情報を取得した場合において、当該複数の種類の入庫物品のそれぞれの入庫数量に、物品一個あたりの重量を乗じて物品の種類毎の総重量を算出し、総重量の大きい種類の順に優先して入庫物品を配置する経路を算出する、好ましくは形態1または形態2に記載の在庫管理装置。
[形態4]
前記経路情報算出部は、前記優先して配置する経路を算出の後、当該経路から所定の距離以下の位置に配置すべき入庫物品が存在するか否かを判断し、存在すると判断された場合には、当該存在すると判断された入庫物品をも配置する経路を算出する、好ましくは形態1から3のいずれか一に記載の在庫管理装置。
[形態5]
入庫物品の配置場所に付された配置場所を特定するコードを読み取る読取部と、読み取った前記コードと、前記経路情報とを用いて、経路情報に従って移動しているか否かを確認する確認部と、経路情報に従って移動しているとの確認の結果を得られた場合に、入庫物品情報に基づいて在庫物品情報を更新する在庫物品情報更新部と、をさらに有する好ましくは形態1から4のいずれか一に記載の在庫管理装置。
[形態6]
経路上を移動する時間を計測する計時部と、所定時間内に前記確認部からの経路上に従って移動しているとの確認の結果を得られたか否かを判断する経過時間判断部と、所定時間以上経過しているとの判断結果を得られた場合に通知を行う通知部と、をさらに有する好ましくは形態5に記載の在庫管理装置。
[形態7]
入庫物品情報受付部は、入庫物品の外観を認識することにより、入庫物品IDと、入庫数量と、を受け付ける好ましくは形態1から6のいずれか一に記載の在庫管理装置。
[形態8]
上記第二の視点に係る在庫管理システムのとおりである。
[形態9]
上記第三の視点に係る方法のとおりである。
[形態10]
上記第四の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、形態8~形態10は、形態1と同様に、形態2~形態7に展開することが可能である。
【0066】
引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0067】
1 在庫管理装置
2 データベース装置
3 受付端末
4 管理端末
5 作業端末
10 在庫管理システム
11 在庫物品情報保持部
12 地図情報保持部
13 入庫物品情報受付部
14 在庫物品情報取得部
15 経路情報算出部
16 経路情報出力部
17 読取部
18 確認部
19 在庫物品情報更新部
20 入庫物品情報送信部
21 入庫物品情報受信部
22 経路情報送信部
23 経路情報受信部
101 CPU
102 メモリ
103 入出力インタフェース
104 NIC
105 内部バス