(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】携帯用自家発電装置
(51)【国際特許分類】
H02K 7/18 20060101AFI20230627BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20230627BHJP
H02K 7/02 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
H02K7/18 Z
H02K7/116
H02K7/02
(21)【出願番号】P 2021503833
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 KR2019009006
(87)【国際公開番号】W WO2020022719
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0085174
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516232173
【氏名又は名称】エンリヒ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ソン,デ オプ
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/124987(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107559160(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0018702(KR,A)
【文献】特開2004-260896(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1750023(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3053139(JP,U)
【文献】国際公開第2016/061449(WO,A1)
【文献】特開2013-211744(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0096469(US,A1)
【文献】特表2015-503320(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015003399(DE,A1)
【文献】特開2014-109580(JP,A)
【文献】特開2014-068162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/18
H02K 7/116
H02K 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより自家発電を行う携帯用自家発電装置であって、
本体と、
前記本体内において、ユーザにより直線往復動するラックギヤ部材と、
前記本体内に設けられ、前記ラックギヤ部材に結合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材と、
前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれに設けられ、それぞれのピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって回転する回転部材と、
前記回転部材の回転によって発電する発電部材とを含み、
前記本体には、前記ラックギヤ部材が、前記本体の左右方向に引出及び挿入できるように、第1の開口部及び第2の開口部が設けられ、前記第2の開口部は、前記第1の開口部に対向する位置に設けられ、
前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれは、同一のサイズからなり、一列に連続して設けられ、前記ラックギヤ部材に同時に噛合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって、同一方向に連続して回転
し、
前記ラックギヤ部材は、
前記本体内に設けられ、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれを正転又は逆転させるラックギヤ部と、
前記本体の外部に設けられ、ユーザが前記ラックギヤ部を直線往復動させる取手部とを含むことを特徴とする携帯用自家発電装置。
【請求項2】
更に、前記ラックギヤ部材が前記本体内から離脱することを防止するため、前記ラックギヤ部材に設けられた係止部を含むことを特徴とする請求項
1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項3】
前記ラックギヤ部と前記取手部は、ヒンジによって結合されることを特徴とする請求項
1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項4】
前記ラックギヤ部は、第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部とからなり、前記第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部は、第2のヒンジによって連結されることを特徴とする請求項
3に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項5】
前記多数のピニオンギヤ部材は、複数の列に設けられることを特徴とする請求項
1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項6】
前記ラックギヤ部は、前記ラックギヤ部材の上下又は左右方向において一対に設けられ、
前記一対のラックギヤ部のそれぞれには、多数のピニオンギヤ部材が結合することを特徴とする請求項
5に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項7】
前記ラックギヤ部材は、
第1の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第1のラックギヤ部材と、
第2の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第2のラックギヤ部材とを備えることを特徴とする請求項
1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項8】
前記本体の下部には、ユーザが自家発電を行う際に支持する支持部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項9】
前記回転部材は、前記ピニオンギヤ部材の左右又は上下にそれぞれ嵌合する第1の回転部材と第2の回転部材とからなり、前記第1の回転部材は、反時計回りに回転し、前記第2の回転部材は、時計回りに回転することを特徴とする請求項1に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項10】
前記第1の回転部材は、
前記ピニオンギヤ部材の一側に装着された第1のロックプレートと、
その内部に第1のクラッチギヤを備え、前記ピニオンギヤ部材の逆転によって、前記発電部材を一方向に回転させる第1のフライホイールと、
前記第1のロックプレートに装着され、前記第1のフライホイールを回転させる第1のロック部材とを含み、
前記第2の回転部材は、
前記ピニオンギヤ部材の他側に装着された第2のロックプレートと、
その内部に第2のクラッチギヤを備え、前記ピニオンギヤ部材の正転によって、前記発電部材を一方向に回転させる第2のフライホイールと、
前記第2のロックプレートに装着され、前記第2のフライホイールを回転させる第2のロック部材とを含むことを特徴とする請求項
9に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項11】
前記発電部材は、前記第1のフライホイールと前記第2のフライホイールに結合して、一方向に回転するギヤ部を含むことを特徴とする請求項
10に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項12】
ユーザによって自家発電を行う携帯用自家発電装置であって、
本体と、
前記本体内において、ユーザにより直線往復動するラックギヤ部材と、
前記本体内に設けられ、前記ラックギヤ部材に結合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材と、
前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれに設けられ、それぞれのピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって回転する回転部材と、
前記回転部材の回転によって発電する発電部材と、
回転ユニットとを含み、
前記ラックギヤ部材は、前記本体内に設けられ、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれを正転又は逆転させるラックギヤ部を含み、
前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれは、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって順次正転又は逆転し、
前記ラックギヤ部は、前記回転ユニットに巻き取られた状態で維持され、
前記ラックギヤ部には、前記多数のピニオンギヤ部材のギヤ歯と噛合するギヤ溝が設けられることを特徴とする携帯用自家発電装置。
【請求項13】
前記回転ユニットは、
前記本体内で回転可能に装着され、前記ラックギヤ部が巻き取られた状態を維持し、ラックギヤ部の引張と巻取によって回転可能なリールと、
ばね鋼からなり、前記ラックギヤ部を前記リールに巻き取られた状態に維持するスパイラルバネと、
前記リールに嵌合され、前記スパイラルバネを内蔵するバネカバー部とを含むことを特徴とする請求項
12に記載の携帯用自家発電装置。
【請求項14】
前記発電部材は、
前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれの内周面に設けられた固定子と、
前記ピニオンギヤ部材内に挿入され、前記固定子と離隔して設けられ、前記ピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって、一方向のみに回転する回転子とを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用自家発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックギヤ部材とピニオンギヤ部材を用いた携帯用自家発電装置に関し、特に、通常の電気供給が不可な軍事作戦、難民村、地震などによる災難、船舶の非常事態、野外活動などの非常時に、小型で且つ高効率で自家発電を実現してバッテリーに充電することができ、様々なスマートモジュールと結合して使用可能な携帯用自家発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気は、産業社会の主要エネルギー源として利用しているが、化石エネルギーの枯渇により、近年は、太陽光発電、風力発電、潮力発電など、様々な代替発電施設に投資と開発が急速に行われている。一方、発電施設で生産された電気は、電力ケーブルを介して、家庭用及び産業用装置や製品に供給されてエネルギー源として使用されているが、小規模の家電製品や生活用品のように携帯性又は活動性が求められる殆どの製品は、1次電池や2次電池のようなバッテリーを備えて、電源として使用している。
【0003】
また、社会が高度化することにつれ、様々な電子機器が開発され、その使用人口が益々拡がっている傾向であり、近年は、スマートフォンなどのような携帯用電子機器の活用が増大している。そして、釣り、山登りなどのように野外で行うレジャー文化の発達によって、野外で生活する時間が増加しており、予備バッテリーを備えて使用している。
【0004】
ところが、バッテリーは、その使用時間に限界があり、電源が放電すると、再度充電して使用しなければならないが、移動中にあるか、野外では充電することができないという問題があった。また、バッテリーが放電し、通常の電気供給が不可な軍事作戦、難民村、地震などによる災難、船舶の非常事態など救助要請のための通信、照明のための電気機器、スマートフォン、タブレットPC、ノート型パソコンなどを作動することができないという問題があった。
【0005】
このため、近年は、軍事作戦、釣り、山登りなどのように野外で活動する間に使われる各種の電子機器に消耗する電気エネルギーを、自家発電により獲得して、非常時に必要な電源を使用できるようにした携帯用自家発電装置が提案されて使用している。従来の携帯用自家発電装置において、電気エネルギーを生成するためには、所定の操作(レバーの回転運動)などのような別の動作を具現しなければならないため、使用が不便であり、時間が多くかかることに対して獲得可能なエネルギーの量は極少量に過ぎず、実電気機器に適用することができないという問題点があった。
【0006】
このような問題を解決するための技術の一例が、下記の文献などに開示されている。
【0007】
例えば、韓国公開特許第2009-0062090号公報(2009.6.17.公開、特許文献1)には、
図1に示しているように、動力発生手段で発生した動力により往復動するピストンロッド11を備えたリニア発電装置において、前記ピストンロッド11に設けられたアクチュエータ1と、前記アクチュエータ1を取り囲むように設けられ、内壁に永久磁石21とコイル22が設けられたステータ2とを含み、前記アクチュエータ1の長さは、ピストンロッド11がある1方向に十分移動した状態で、その端部が2つの永久磁石のうち、いずれか1つの永久磁石のコイル22に向けた端部に至らない長さを有する携帯用小型発電装置について開示している。
【0008】
また、韓国公開特許第2017-0018702号公報(2017.2.20.公開、特許文献2)には、ラックと、前記ラックと 合配置され、内周面にステータが設けられたピニオンと、前記ピニオン内に挿入され、前記ステータと離隔配置されるロータと、前記ラックが1方向に直線移動される際に生成される前記ピニオンの回転力を用いて、前記ロータを1方向に回転させる第1のロータ回転ユニットと、前記ラックが他方向に直線移動される際に生成される前記ピニオンの逆転力を用いて、前記ロータを前記1方向に回転させる第2のロータ回転ユニットとを含む発電装置について開示している。
【0009】
一方、本発明者が特許出願して登録を受けた韓国登録特許第10-1596430号公報(2016.2.16.登録、特許文献3)には、外力により正方向と逆方向に交互回転される駆動軸と、前記駆動軸の正方向回転力のみを発電軸に伝達する正方向動力伝達部と、前記駆動軸の逆方向回転力のみを発電軸に伝達する逆方向動力伝達部と、前記発電軸の1方向回転力を用いて発電する発電機とを含み、前記駆動軸にはプーリが軸結合され、前記駆動軸のプーリに巻き取られたワイヤが交互に往復動されることにつれ、前記駆動軸が正方向と逆方向に交互回転する自家発電装置について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国公開特許第2009-0062090号公報
【文献】韓国公開特許第2017-0018702号公報
【文献】韓国登録特許第10-1596430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記特許文献1に開示された技術では、動力発生手段で発生した動力により往復動するピストンロッドについて開示されているが、動力発生手段が何らの構成により、動力を発生するかについての具体的な記載がなく、ピストンロッドの往復動を行う構成及び作動に関する記載も不明であるという問題がある。
【0012】
また、前記特許文献2に開示された技術では、路面から自動車を介して車体に伝達される振動を用いて、電気を生成する発電装置であるが、屋外における携帯性に乏しく、ユーザが携帯して持ち歩きながら、必要な場合、発電が容易でないという問題点があった。
【0013】
一方、前記特許文献3に開示された技術では、長時間の繰返し使用により、部品が破損する虞があり、プーリに巻き取られたワイヤの状態が緩んだ場合、作動が不可であるという問題があるだけでなく、ワイヤの引張りにより発電を行うが、巻戻しのエネルギーを利用することができないという問題があった。また、前記特許文献3に開示された技術では、ワイヤの作動により、ワイヤを支持するための多数の部品が必要であるという問題もあった。
【0014】
本発明の目的は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、軍事作戦、難民村、地震などによる災難、船舶の非常事態、釣り、山登りなどのように、野外において、ユーザが片手又は両手を用いて、長時間持続的に発電を行って、バッテリーに充電することができる携帯用自家発電装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、多数のピニオンギヤ部材を設けることによって、いずれか1つのピニオンギヤ部材が破損しても、続けて発電が行える携帯用自家発電装置を提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的は、部品の構成を単純化し、小型に制作して、高効率の発電を実現することができる携帯用自家発電装置を提供することである。
【0017】
更に、本発明の目的は、1つのピニオンギヤ部材に、第1の回転部材及び第2の回転部材をそれぞれ設けることにより、いずれか一方に障害が生じても、続けて発電が行える携帯用自家発電装置を提供することである。
【0018】
また、本発明の他の目的は、第1の回転部材と第2の回転部材を互いに同一の部品で設計及び製作することにより、発電装置の製造コストを低減する携帯用自家発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するために、本発明による携帯用自家発電装置は、ユーザにより自家発電を行う携帯用自家発電装置であって、本体と、前記本体内において、ユーザにより直線往復動するラックギヤ部材と、前記本体内に設けられ、前記ラックギヤ部材に結合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材と、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれに設けられ、それぞれのピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって回転する回転部材と、前記回転部材の回転によって発電する発電部材とを含み、前記本体の上部には、前記ラックギヤ部材の出入りのための第1の開口部及び第2の開口部が設けられ、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれは、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって、順次正転又は逆転することを特徴とする。
【0020】
前記ラックギヤ部材は、前記本体内に設けられ、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれを正転又は逆転させるラックギヤ部と、前記本体の外部に設けられ、ユーザが前記ラックギヤ部を直線往復動させる取手部とを含む。
【0021】
更に、前記ラックギヤ部材が前記本体内から離脱することを防止するため、前記ラックギヤ部材に設けられた係止部を含む。
【0022】
前記ラックギヤ部と前記取手部は、ヒンジによって結合される。
【0023】
前記ラックギヤ部は、第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部とからなり、前記第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部は、第2のヒンジによって連結される。
【0024】
前記多数のピニオンギヤ部材は、一列に設けられる。
【0025】
前記多数のピニオンギヤ部材は、複数の列に設けられる。
【0026】
前記ラックギヤ部は、前記ラックギヤ部材の上下又は左右方向において一対に設けられ、前記一対のラックギヤ部のそれぞれには、多数のピニオンギヤ部材が結合する。
【0027】
前記ラックギヤ部材は、第1の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第1のラックギヤ部材と、第2の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第2のラックギヤ部材とを備える。
【0028】
前記本体の下部には、ユーザが自家発電を行う際に支持する支持部が設けられる。
【0029】
前記回転部材は、前記ピニオンギヤ部材の左右又は上下にそれぞれ嵌合する第1の回転部材と第2の回転部材とからなり、前記第1の回転部材は、反時計回りに回転し、前記第2の回転部材は、時計回りに回転する。
【0030】
前記第1の回転部材は、前記ピニオンギヤ部材の一側に装着された第1のロックプレートと、
その内部に第1のクラッチギヤを備え、前記ピニオンギヤ部材の逆転によって、前記発電部材を一方向に回転させる第1のフライホイールと、前記第1のロックプレートに装着され、前記第1のフライホイールを回転させる第1のロック部材とを含み、前記第2の回転部材は、前記ピニオンギヤ部材の他側に装着された第2のロックプレートと、
その内部に第2のクラッチギヤを備え、前記ピニオンギヤ部材の正転によって、前記発電部材を一方向に回転させる第2のフライホイールと、前記第2のロックプレートに装着され、前記第2のフライホイールを回転させる第2のロック部材とを含む。
【0031】
前記発電部材は、前記第1のフライホイールと前記第2のフライホイールに結合して、一方向に回転するギヤ部を含む。
【0032】
また、前記目的を達成するために、本発明による携帯用自家発電装置は、ユーザによって自家発電を行う携帯用自家発電装置であって、本体と、前記本体内において、ユーザにより直線往復動するラックギヤ部材と、前記本体内に設けられ、前記ラックギヤ部材に結合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材と、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれに設けられ、それぞれのピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって回転する回転部材と、前記回転部材の回転によって発電する発電部材と、回転ユニットとを含み、前記ラックギヤ部材は、前記本体内に設けられ、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれを正転又は逆転させるラックギヤ部を含み、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれは、前記ラックギヤ部材の直線往復動によって順次正転又は逆転し、前記ラックギヤ部は、前記回転ユニットに巻き取られた状態で維持され、前記ラックギヤ部には、前記多数のピニオンギヤ部材のギヤ歯と噛合するギヤ溝が設けられることを特徴とする。
【0033】
前記回転ユニットは、前記本体内で回転可能に装着され、前記ラックギヤ部が巻き取られた状態を維持し、ラックギヤ部の引張と巻取によって回転可能なリールと、ばね鋼からなり、前記ラックギヤ部を前記リールに巻き取られた状態に維持するスパイラルバネと、前記リールに嵌合され、前記スパイラルバネを内蔵するバネカバー部とを含む。
【0034】
前記発電部材は、前記多数のピニオンギヤ部材のそれぞれの内周面に設けられた固定子と、
前記ピニオンギヤ部材内に挿入され、前記固定子と離隔して設けられ、前記ピニオンギヤ部材の正転又は逆転によって、一方向のみに回転する回転子とを含む。
【発明の効果】
【0035】
上述したように、本発明による携帯用自家発電装置によると、直線往復動するラックギヤ部材と、前記ラックギヤ部材に結合され、前記ラックギヤ部材の直線往復動により、正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材とを設けて、ユーザが片手又は両手でラックギヤ部材の引張り動作を繰返すことによって、比較的楽な状態で長時間の間、高い効率と多量の発電を持続的に行うことができる。
【0036】
また、本発明による携帯用自家発電装置によると、ラックギヤ部材の往復動の全部を発電に適用することができるので、発電効率を向上させることができる。
【0037】
更に、本発明による携帯用自家発電装置によると、第1のフライホイールと前記第2のフライホイールの内部空間に、ロックプレートとロック部材が収容される構成を設けることによって、携帯用自家発電装置を小型化することができる。
【0038】
なお、本発明による携帯用自家発電装置によると、多数のピニオンギヤ部材を設けることによって、長時間使用時、いずれか一方のピニオンギヤ部材が破損しても、他方のピニオンギヤ部材を用いて、自家発電を続けて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、従来の携帯用小型発電装置の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1による携帯用自家発電装置の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1による携帯用自家発電装置の概念図である。
【
図4】
図4は、
図3における携帯用自家発電装置の作動説明図である。
【
図5】
図5は、
図3におけるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図3におけるラックギヤ部材に設けられた係止部の作動を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例2による本体の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例3において、ラックギヤ部材の構成を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例4において、ラックギヤ部材の構成を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置において、ピニオンギヤ部材、回転部材、及び発電部材の結合関係を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置の分解斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例6による携帯用自家発電装置において、第1のフライホイールのリングギヤの状態を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例7によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例8によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す平面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例8によるラックギヤ部材の他の例を示す平面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例9によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施例10による携帯用自家発電装置の構成図である。
【
図19】
図19は、本発明の携帯用自家発電装置の使用状態の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明による携帯用自家発電装置の外観の変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の前記及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面により、明確になるだろう。
【0041】
本発明による携帯用自家発電装置のそれぞれの構成及び動作に関する説明において、ピニオンギヤ部材の左右又は上下にそれぞれ設けられた第1の回転部材及び第2の回転部材について、一対の回転部材として説明することがある。
【0042】
また、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材は、互いに独立して作動し、第1の回転部材と第2の回転部材が互いに同一部品として製作されるので、第1の回転部材と第2の回転部材は、単に、回転部材として説明される。また、第1の回転部材と第2の回転部材のそれぞれの構成要素に関する説明では、同一の符号を付して説明することもできる。
【0043】
以下、本発明による携帯用自家発電装置の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0044】
図2は、本発明の実施例1による携帯用自家発電装置の外観斜視図であり、
図3は、本発明の実施例1による携帯用自家発電装置の概念図であり、
図4は、
図3における携帯用自家発電装置の作動説明図であり、
図5は、
図3におけるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す平面図である。
【0045】
本発明の実施例1による携帯用自家発電装置においては、
図2及び
図3に示しているように、本体100と、前記本体100内で直線往復動するラックギヤ部材200と、前記本体100内に設けられ、前記ラックギヤ部材200に結合され、前記ラックギヤ部材200の直線往復動により、正転及び逆転する多数のピニオンギヤ部材300とを含み、前記多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれは、前記ラックギヤ部材200の直線往復動によって、順次正転又は逆転する。
【0046】
前記本体100は、
図2に示しているように、円筒状からなり、前記本体100の上部には、ラックギヤ部材200の出入りのための第1の開口部110が設けられ、下部には、ユーザが自家発電を行うに際して、両足で支持するための一対の支持部120が設けられる。また、この本体100は、金属製又はエンジニアリングプラスチックであるポリカーボネートからなる。一方、
図2では、本体100が円筒状からなる構成を示しているが、これに限定されるものではなく、四角状、五角状などの多面体からなってもよい。
図2に示しているように、円筒状からなる本体100の内径は、ピニオンギヤ部材の外径に沿って変更可能であり、特定の大きさに限定されるものではない。
【0047】
また、
図2では、使用に際して、両足で支持するための支持部120を設けた構造を示しているが、一方の手でラックギヤ部材200を作動させ、他方の手で本体100を把持する構造としてもよい。このような把持のために、本体100の略中央部には、把持のための形状、例えば、指の形状を設けることもできる。一方、前記本体100内には、ラックギヤ部材200の直線運動時、ラックギヤ部材200が運動経路から離脱することを防止するため、ラックギヤ部材200の長手方向に沿って、ガイド部が設けられる。
【0048】
前記ラックギヤ部材200は、
図4に示しているように、多数のピニオンギヤ部材300をそれぞれ正転又は逆転させるように、ピニオンギヤ部材300のギヤ歯と噛合する歯が設けられたラックギヤ部210と、ユーザが手でラックギヤ部210を直線運動するための取手部220とを備える。前記取手部220の端部には、
図2に示しているように、ユーザの指を引っ掛けて取手部220を把持するための掛止溝221が設けられる。
【0049】
そこで、
図4(a)に示しているように、取手部220を引くことによって、ラックギヤ部210が本体100から引出され、これにより、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が、時計回りに回転することになる。また、
図4(b)に示しているように、取手部220を押すことによって、ラックギヤ部210が本体100内に挿入され、これにより多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が、反時計回りに回転することになる。
【0050】
前記ラックギヤ部210に形成されたネジ歯の個数は限定されず、その幅は、
図5に示しているように、ピニオンギヤのネジ歯の幅よりも小さく設けてもよい。
【0051】
前記多数のピニオンギヤ部材300は、
図3において、3つのピニオンギヤ部材が一列に設けられた構造を示しているが、これに限定されるものではなく、4つ以上でもよい。それぞれのピニオンギヤ部材は、シャフトにより、本体100内の両側壁に回転可能に支持される。このため、本体100内の両側壁には、多数のピニオンギヤ部材300に対応するシャフト挿入孔が設けられる。
【0052】
一方、前記ラックギヤ部材200及びピニオンギヤ部材も、前記本体100と同一材質の金属製又はエンジニアリングプラスチックのポリカーボネートからなる。
【0053】
ついで、前記ラックギヤ部材200の構造について、
図6を参考して説明する。
【0054】
図6は、
図3におけるラックギヤ部材に設けられた係止部の作動を示す図である。
【0055】
本発明による携帯用自家発電装置において、ラックギヤ部材200は、
図6に示しているように、ラックギヤ部210が本体100から引出される際、本体100内からラックギヤ部210が離脱することを防止するために、前記ラックギヤ部210の上部に係止部230が設けられる。このような係止部230の形状は、特定するものではなく、本体110の第1の開口部110を通過できないものであれば、十分である。また、
図6においては、ラックギヤ部210の端部が3番目のピニオンギヤ部材に位置するように、係止部230の位置を示したが、これに限定されるものではなく、ラックギヤ部210のネジ歯がピニオンギヤ部材のネジ歯と分離されない程度の位置に設けてもよい。
【実施例2】
【0056】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例2を、
図7を参照して説明する。また、実施例2において、実施例1と同一の部分には、同一の符号を付し、その繰返し説明は、省略する。
【0057】
図7は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例2による本体100の構成を示す図である。
【0058】
前述したように、本発明による携帯用自家発電装置の実施例1では、本体100に第1の開口部110を設けて、ラックギヤ部材200が、
図4に示しているように、右方向にのみ引出及び挿入される構造を示したが、実施例2では、
図7に示しているように、本体100の左側に第2の開口部130を更に設けることで、本体100の左右方向に引出及び挿入することができる。
【0059】
すなわち、本体100に第1の開口部110と、この第1の開口部110に対向する位置に第2の開口部130を設けることによって、
図7(a)に示しているように、取手部220を引くことによって、ラックギヤ部210が本体100の第1の開口部110を介して右側から引出され、これによって、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が時計回りに回転することになる。また、
図7(b)に示しているように、取手部220を押すことによって、ラックギヤ部210が本体100内に挿入され、続けて行って、ラックギヤ部210が本体100の第2の開口部130を介して左側から引出され、それに伴い、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が反時計回りに回転することになる。
【0060】
そこで、
図7に示している実施例2では、
図4に示している実施例1と比較して、多数のピニオンギヤ部材300の回転量を増して、発電量を増加することができる。
【実施例3】
【0061】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例3を、
図8を参照して説明する。また、実施例3においても、実施例1と同一の部分には、同一の符号を付し、その繰返し説明は、省略する。
【0062】
図8は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例3において、ラックギヤ部材の構成を説明するための図である。
【0063】
前述した実施例1及び2における携帯用自家発電装置は、ラックギヤ部材200を
図2に示しているように、本体100から取手部220が長く突出した状態を示しているが、実施例3では、保管及び移動の利便性のために、
図8(a)のように、前記ラックギヤ部210と取手部220が第1のヒンジ222によって結合した構造で設けられる。この第1のヒンジ222を設けることによって、本体100の保管又は移動の利便性のために、
図8(b)のように、取手部220を折り曲げることができる。また、取手部220には、
図2に示した構造と比較して、ユーザの把持をより確実にするために、
図8(c)のように、取手223が設けられる。
【0064】
また、前記第1のヒンジ222の構造は、特定するものではなく、
図8(a)に示しているような状態で、ラックギヤ部材200が水平状態を維持し作動できるものであれば、十分である。
【実施例4】
【0065】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例4を、
図9を参照して説明する。また、実施例4においても、実施例1及び実施例2と同一の部分には、同一の符号を付し、その繰返し説明は、省略する。
【0066】
図9は、本発明による携帯用自家発電装置の実施例4において、ラックギヤ部材の構成を説明するための図である。
【0067】
この実施例4による携帯用自家発電装置の本体100では、
図9(a)及び(b)のように、本体100の右側に第1の開口部110を設け、本体100の左側に第2の開口部130を設け、前記ラックギヤ部210と取手部が第1のヒンジ222によって結合され、ラックギヤ部210が、第2のヒンジ225により延在した構造を設けている。
【0068】
すなわち、ラックギヤ部210が第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部とからなり、第1のラックギヤ部と第2のラックギヤ部が、第2のヒンジ225によって連結した構造を設けることによって、本体100の左右方向に引出及び挿入が可能であり、
図9に示している実施例4では、
図7に示している実施例2と比較して、多数のピニオンギヤ部材300の回転量を更に増加することができる。そこで、この実施例4では、実施例1と比較して、多数のピニオンギヤ部材300の回転量を増して、発電量を増加することができる。
【0069】
また、実施例4では、
図9(c)のように、第1のヒンジ222及び第2のヒンジ225を設けることによって、本体100の保管又は移動の利便性のために、
図9(c)のように、第1のラックギヤ部と取手部220を折り曲げることができる。また、取手部には、
図8(c)のような取手223を設けてもよい。
【0070】
また、前記第2のヒンジ225の構造も、第1のヒンジ222のように特定するものではなく、
図9(a)に示しているような状態で、ラックギヤ部材200が水平状態を維持し作動できるものであれば、十分である。
【実施例5】
【0071】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例5を、
図10及び
図11を参照して説明する。また、実施例5においても、実施例1と同一の部分には、同一の符号を付し、その繰返し説明は、省略する。
【0072】
図10は、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置において、ピニオンギヤ部材、回転部材、及び発電部材の結合関係を説明するための図であり、
図11は、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置の分解斜視図である。
【0073】
本発明の実施例5による携帯用自家発電装置においては、
図10及び
図11に示しているように、前記多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれに設けられ、それぞれのピニオンギヤ部材の正転又は逆転で回転する回転部材400と、前記回転部材400の回転により発電する発電部材500とを更に含む。前記回転部材400も、金属製又はエンジニアリングプラスチックのポリカーボネートからなる。
【0074】
また、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置におけるピニオンギヤ部材300は、
図11のように、円板状からなり、円板状の周部分には、ギヤ歯に該当するギヤ部310が設けられ、この円板状の両側には、多数の突起320が設けられ、中央部には、シャフト330が回転可能に貫通する貫通口301が設けられる。
【0075】
前記回転部材400は、前記ピニオンギヤ部材の左右又は上下にそれぞれ嵌合する第1の回転部材と第2の回転部材とからなる。前記第1の回転部材は、反時計回りに回転し、前記第2の回転部材は、時計回りに回転する。
【0076】
前記第1の回転部材は、
図10及び
図11に示しているように、前記ピニオンギヤ部材の一側に装着された第1のロックプレート410と、その内部に第1のクラッチギヤ431を備え、前記ピニオンギヤ部材の逆転(反時計回り回転)によって、前記発電部材500を一方向に回転させる第1のフライホイール430と、前記第1のロックプレート410に装着され、前記第1のフライホイール430を回転させる第1のロック部材420とを含み、前記第2の回転部材は、前記ピニオンギヤ部材の他側に装着された第2のロックプレート410’と、その内部に第2のクラッチギヤ431’を備え、前記ピニオンギヤ部材の正転(時計回り回転)によって、前記発電部材を一方向に回転させる第2のフライホイール430’と、前記第2のロックプレート410’に装着され、前記第2のフライホイール430’を回転させる第2のロック部材420’とを含む。
図11に示しているように、ピニオンギヤ部材300の正転及び逆転によって、第1の回転部材と第2の回転部材がそれぞれ回転するように、第1のロック部材420と第2のロック部材420’は、互いに反対方向に配置され、第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’のギヤ方向も互いに反対に設けられる。
【0077】
前記第1及び第2のロックプレート410、410'は、
図11に示しているように、略楕円状の平板からなり、平板の周辺部には、前記多数の突起320に対応して、多数の突起320に嵌合する多数の孔411が設けられ、中央部には、シャフト330が貫通する挿入口412が設けられる。また、前記挿入口412の周囲には、円筒状に突出して、ロック部材420の回転を支持する支持段差が設けられ、支持段差の周囲には、ロック部材420が嵌合する一対の突起413が設けられる。前記一対の突起413のそれぞれは、段差をもって2段に形成される。また、
図11では、多数の突起320及び多数の孔411が、約90度間隔で4つ設けられた構造として示されているが、これに限定されるものではなく、ロックプレート410がピニオンギヤ部材に固定可能なものであれば、2つ又は3つ設けてもよい。
【0078】
前記第1及び第2のロック部材420、420'は、
図11に示しているように、一対からなり、第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’のそれぞれの歯に噛合する爪部421と、前記一対の突起413にそれぞれ嵌合する孔423と、円筒状の支持段差に対応して、半円弧状からなる円弧部422とを備える。前記孔423は、2段で形成された突起413に対応して、内部に2段で形成されることで、ロックプレート410とロック部材420の嵌合状態を強固に維持する。前記爪部421は、
図11に示しているように、第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’に十分な回転力を伝達するために、段差をもって形成される。
【0079】
前記第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’は、
図11に示しているように、円板432の形状からなり、円板432の中心には、シャフト330が挿入される孔433が設けられる。また、前記第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’の各々の内側には、空間部が形成され、その空間部の中央部分から周辺部分に向けて、例えば8個の歯からなる第1のクラッチギヤ431及び第2のクラッチギヤ431’が設けられる。それぞれの歯は、1方向に向かって傾斜し、例えば60~80度の角度で突出した形で行われる。一方、
図11に示しているように、第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’のギヤ方向は、互いに逆に設けられる。すなわち、前記第1のクラッチギヤ431のギヤ方向は、反時計回りに回転するように設けられ、前記第2のクラッチギヤ431’のギヤ方向は、時計回りに回転するように設けられる。
【0080】
また、空間部の外周には、リングギヤ434が設けられている。上述した第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’は、
図10から分かるように、ピニオンギヤ部材300の径よりも大きく設けられる。そこで、第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’の回転により、発電部材500が回転する場合、ピニオンギヤ部材300と発電部材500の接触を防止することができる。
【0081】
一方、
図10では、説明の便宜上、ラック部材及びラックプレートがフライホイールの外部で結合した状態を示しているが、前記ラック部材及びラックプレートは、フライホイールの内部空間部に設けられる。
【0082】
シャフト330は、例えばステンレス鋼からなり、
図11に示しているように、周囲に亘って、一対の環状溝331が設けられ、この一対の環状溝331の間にピニオンギヤ部材が位置し、一対の環状溝331にそれぞれ、Eリング332が嵌められることで、ピニオンギヤ部材の回転時のズレを防止する。
【0083】
上述したように、本発明による携帯用自家発電装置においては、
図10に示しているように、ピニオンギヤ部材にロックプレート及びロック部材が嵌合され、このロックプレートとロック部材が、フライホイールの内部空間部に設けられるので、携帯用自家発電装置を小型化することができる。
【0084】
前記発電部材500は、
図10に示しているように、前記回転部材400と噛合されたギヤ部510と、モータ520と、このギヤ部510の回転力をモータ520に伝達する回転軸530と、モータ520を本体100に装着するためのモータブラケットとを含む。前記ギヤ部510は、第1のフライホイール430と第2のフライホイール430’の外周に設けられたリングギヤ434と噛合するようになり、第1のフライホイール430と第2のフライホイール430’の回転でギヤ部510が回転して、モータ520における発電が行われるようにする。互いに噛合するリングギヤ434とギヤ部510のギヤ比は特定しないが、発電を容易にするために、できるだけ、大きな値を持つように設けるのが望ましい。
【0085】
一方、本発明による携帯用自家発電装置においては、前記ギヤ部510を一方向に回転するために、前記第1のフライホイール430とギヤ部510の間に、アイドルギヤ600が噛み合わされる。すなわち、第1のフライホイール430の回転力は、アイドルギヤ600を介してギヤ部510に伝達される。このアイドルギヤ600は、本体100内に、軸により回転可能に保持される。
図10に示しているように、第1のフライホイール430の下部に、アイドルギヤ600が設けられるため、第1のフライホイール430の外径は、第2のフライホイール430’の外径よりも小さく設けられる。
【0086】
ついで、ラックギヤ部材200、ピニオンギヤ部材300、及び回転部材400の結合関係について説明する。
【0087】
本発明による携帯用自家発電装置の組立は、まず、ピニオンギヤ部材300をシャフト330に挿入し、フライホイール本体にフライホイール支持体を嵌合し、一対の環状溝331にそれぞれ、Eリング332が嵌合することによって、ピニオンギヤ部材の回転時のズレを防止する。
【0088】
ついで、第1及び第2のロックプレート410、410'の挿入口412を介してシャフト330に挿入し、ピニオンギヤ部材300の両側に設けられた多数の突起320に、第1及び第2のロックプレート410、410’の多数の孔411を嵌合する。
【0089】
ついで、一対に設けられた第1及び第2のロック部材420、420’の孔423を、第1及び第2のロックプレート410、410’に設けられた一対の突起413にそれぞれ嵌合する。
【0090】
続けて、シャフト330に、第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’の孔433を挿入し、第1及び第2のロック部材420、420’が第1のクラッチギヤ431及び第2のクラッチギヤ431’に位置するようにアライメントする。
【0091】
以降、第1のフライホイール430のリングギヤ434を介したアイドルギヤ600と、第2のフライホイール430’のリングギヤにギヤ部510とを噛合させ、ピニオンギヤ部材300の上部にラックギヤ部210を位置することによって、
図10のように、本発明による自家発電装置が完成する。
【0092】
ついで、上述したラックギヤ部材200の直線往復動によって、ピニオンギヤ部材300、回転部材400、及び発電部材500の回転について、
図4及び
図10を参照して説明する。
【0093】
本発明による携帯用自家発電装置では、
図10に示しているように、第1のフライホイール430と第2のフライホイール430’の第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’がそれぞれ、ロック部材420と噛合した状態を維持する。すなわち、一方向に向かって傾斜して形成された第1のクラッチギヤ431と第2のクラッチギヤ431’のそれぞれの歯に、ロック部材420の爪部421の隅部が噛合した状態を維持し、第1のフライホイール430と第2のフライホイール430’のリングギヤ434とギヤ部510とが噛合した状態を維持する。
【0094】
例えば、
図4(a)のように、ユーザが取手部220を引くことによって、ラックギヤ部210が本体100から引出され、それに伴い、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材300が、時計回りに回転することになる。
【0095】
そこで、ピニオンギヤ部材300に結合した第1及び第2のロックプレート410、410’、並びに第1及び第2のロック部材420、420’が時計回りに回転する。
【0096】
すなわち、第1及び第2のロック部材420、420’が時計回りに回転することになると、第1のクラッチギヤ431のそれぞれの歯において、第1のロック部材420の爪部421が緩む状態となって、第1のフライホイール430は、回転しなくなり、第2のロック部材420’の爪部421が噛合した第2のクラッチギヤ431’は、時計回りに回転することになる。そこで、ユーザが取手部220を引くことによって、ラックギヤ部210が本体100から引出されると、本発明による第2のフライホイール430’は、一方向、例えば
図10のような状態で時計回りにのみ回転することになり、ギヤ部510は、反時計回りに回転することになる。
【0097】
また、
図4(b)のように、取手部220を押すことによって、ラックギヤ部210が本体100内に挿入され、これに伴い、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が、反時計回りに回転することになる。
【0098】
すなわち、第1及び第2のロック部材420、420’が反時計回りに回転することになると、第2のクラッチギヤ431’のそれぞれの歯において、第2のロック部材420’の爪部421が緩む状態となって、第2のフライホイール430’は回転しなくなり、第1のロック部材420の爪部421が噛合した第1のクラッチギヤ431は、反時計回りに回転することになる。そこで、ユーザが取手部220を押すことによって、ラックギヤ部210が本体100から挿入されると、本発明による第1のフライホイール430は、1方向、例えば
図10のような状態で反時計回りのみに回転することになり、これによって、アイドルギヤ600は、時計回りに回転し、ギヤ部510は、反時計回りに回転することになる。
【0099】
上述したように、本発明の実施例5による携帯用自家発電装置では、ラックギヤ部材200の往復動によって、第1のフライホイール430が反時計回りに回転し、第2のフライホイール430’が時計回りに回転しても、発電部材500に設けられたギヤ部510は、1方向、すなわち、反時計回りにのみ連続して回転して、続けて発電を行うことができる。
【実施例6】
【0100】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例6を、
図12を参照して説明する。また、実施例6において、実施例5と同一の部分には、同一の符号を付し、その繰返し説明は、省略する。
【0101】
図12は、本発明の実施例6による携帯用自家発電装置において、第1のフライホイールのリングギヤ状態を示す図である。
【0102】
前記実施例5では、第1のクラッチギヤ431のそれぞれの歯において、第1のロック部材420の爪部421が緩んだ状態で、第1のフライホイール430が回転せず、第2のロック部材420’の爪部421が噛合した第2のフライホイール430’の第2のクラッチギヤ431’は、時計回りに回転するようになる構成を示しているが、実施例6では、第2のフライホイール430’の回転に際して、アイドルギヤ600による第1のフライホイール430の回転を防止するために、リングギヤ434が、実施例5に比べて、第1のクラッチギヤ431の1/2部分にのみ設けられる。
【0103】
そこで、第2のフライホイール430’の時計回り回転によって、発電のために、ギヤ部510が反時計回りに回転し、ギヤ部510の回転によって、アイドルギヤ600が時計回りに回転する。アイドルギヤ600の時計回りの回転力が、第1のフライホイール430に伝達される。しかし、第1のフライホイール430は、この反時計回りに回転することになる。このように、第1のフライホイール430に伝達された回転力は、リングギヤ434が設けられていない部分に伝達されるので、第1のフライホイール430は、回転しないことになる。
【0104】
また、取手部220を押すことによって、ラックギヤ部210が本体100内に挿入され、これにより、多数のピニオンギヤ部材300のそれぞれのピニオンギヤ部材が、反時計回りに回転することになる。つまり、第1及び第2のロック部材420、420’が反時計回りに回転することになると、第2のクラッチギヤ431’のそれぞれの歯において、第2のロック部材420’の爪部421が緩む状態となって、第2のフライホイール430’は回転しなくなり、第1のロック部材420の爪部421が噛合した第1のクラッチギヤ431は、反時計回りに回転し、第1のフライホイール430に設けられたリングギヤ434の回転力が、アイドルギヤ600に伝達されるので、アイドルギヤ600は、時計回りに回転し、ギヤ部510は、反時計回りに回転することになる。
【実施例7】
【0105】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例7を、
図13を参照して説明する。また、実施例7においても、実施例1~4と同一の部分には、同一の符号を与し、その繰返し説明は、省略する。
【0106】
図13は、本発明の実施例7によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す図である。
【0107】
前記実施例1~4では、本体100内に多数のピニオンギヤ部材300が一列に設けられ、この多数のピニオンギヤ部材300がラックギヤ部材200の直線往復動によって、正転及び逆転する構造であるが、実施例7では、多数のピニオンギヤ部材300が複数の列に設けられている。
【0108】
また、ラックギヤ部材200には、
図13に示しているように、ラックギヤ部210が上下方向で一対に設けられ、この一対のラックギヤ部210の上部及び下部にそれぞれ、多数のピニオンギヤ部材300が結合した構造である。
【0109】
そこで、本体100からラックギヤ部210が引出される場合、上部に設けられた多数のピニオンギヤ部材300は、反時計回りに回転しながら発電を行い、下部に設けられた多数のピニオンギヤ部材300は、時計回りに回転しながら発電を行うことになり、本体100にラックギヤ部210が挿入される場合、上部に設けられた多数のピニオンギヤ部材300は、時計回りに回転しながら発電を行い、下部に設けられた多数のピニオンギヤ部材300は、反時計回りに回転しながら発電を行うことになる。
【0110】
上述したような構造を有する実施例7においては、前記実施例1~4に示されている携帯用自家発電装置よりも、発電の効率性を増大することができる。
【0111】
また、前記説明では、ラックギヤ部210が上下方向において一対に設けられ、一対のラックギヤ部のそれぞれに、多数のピニオンギヤ部材300が結合した構造を示したが、これに限定されるものではなく、一対のラックギヤ部が左右方向に設けられ、この一対のラックギヤ部のそれぞれに、多数のピニオンギヤ部材300が結合した構造を適用することもできる。
【0112】
なお、
図13に示された構造では、本体100に第1の開口部110が設けられた構造として説明したが、これに限定されるものではなく、
図7に示しているように、本体100に第1の開口部110及び第2の開口部130が設けられた構造、又は、
図9に示しているように、ラックギヤ部材200において、第1のヒンジ222と第2のヒンジ225を設けた構造にも適用可能である。
【実施例8】
【0113】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例8を、
図14及び
図15を参照して説明する。また、実施例8においても、実施例1~4と同一の部分には、同一の符号を与し、その繰返し説明は、省略する。
【0114】
図14は、本発明の実施例8によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す平面図であり、
図15は、本発明の実施例8によるラックギヤ部材の他の例を示す平面図である。
【0115】
前記実施例1では、本体100内に、多数のピニオンギヤ部材300が一列に設けられ、この多数のピニオンギヤ部材300が、ラックギヤ部材200の直線往復動によって正転及び逆転する構造であるが、実施例8では、多数のピニオンギヤ部材300が複数の列に設けられている。
図14では、多数のピニオンギヤ部材300が2列に設けられた構造を示しているが、これに限定されるものではなく、3列以上でもよい。
【0116】
また、
図15に示しているように、2列に設けられた多数のピニオンギヤ部材300に対して、それぞれの列に対して、ラックギヤ部材200が分離して作動するように、ラックギヤ部210の部分にスリット270を設けた構造を適用することもできる。すなわち、
図12に示しているように、第1のフライホイール430及び第2のフライホイール430’が設けられた構造に対して、スリット270が形成されたラックギヤ部材200を適用することにより、それぞれのピニオンギヤ部材300が実施例1と同様に作動することができる。
【実施例9】
【0117】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例9を、
図16及び
図17を参照して説明する。また、実施例9においても、実施例1~4と同一の部分には、同一の符号を与し、その繰返し説明は、省略する。
【0118】
図16は、本発明の実施例9によるラックギヤ部材と多数のピニオンギヤ部材の配置状態を示す図であり、
図17は、
図16における携帯用自家発電装置の外観斜視図である。
【0119】
前記実施例7及び8では、2列に設けられた多数のピニオンギヤ部材300を、1つのラックギヤ部材200で作動させる構造を示しているが、実施例9では、
図16及び
図17に示しているように、2つのラックギヤ部材で作動することもできる。
【0120】
すなわち、ラックギヤ部材200が、第1の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第1のラックギヤ部材250と、第2の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第2のラックギヤ部材260として設けることもできる。
【0121】
図16及び
図17に示しているように、第1のラックギヤ部材250と第2のラックギヤ部材260とを設けることによって、ユーザが両手を用いて、より効率的な発電を行うことができる。
【実施例10】
【0122】
ついで、本発明による携帯用自家発電装置の実施例10を、
図18を参照して説明する。また、実施例10においても、実施例1~4と同一の部分には、同一の符号を与し、その繰返し説明は、省略する。
【0123】
図18は、本発明の実施例10による携帯用自家発電装置の構成図である。
【0124】
実施例10では、ラックギヤ部材として、
図18(a)に示しているように、本体100内における回転ユニット700によって、ラックギヤ部710の巻取状態を維持した構造を設けている。
【0125】
前記回転ユニット700は、本体100内で回転可能に装着され、
図18(b)のように、ラックギヤ部710の巻取状態を維持し、ラックギヤ部710の引張と巻取により回転可能なリール720と、ばね鋼からなり,例えば8~12回程度巻かれたばね状態を維持するスパイラルバネ730と、前記リール720に嵌合され、前記スパイラルバネ730を内装するバネカバー部740とを含む。
【0126】
前記ラックギヤ部710の材質は金属材からなるが、リール720での巻きと緩みを行える機能を備えるものであれば十分であり、特定の材質に限定されるものではない。ラックギヤ部710の一端は、リール720に固定され、ラックギヤ部710の他端は、
図18(a)のように、リング750に固定され、ラックギヤ部710の引張状態は、前記スパイラルバネ730の弾力によって制御される。
【0127】
前記ラックギヤ部710には、
図18(c)のように、ピニオンギヤ部材300のギヤ歯と噛合するギヤ溝711が設けられる。
【0128】
前記リール720は、
図18(b)のように、ラックギヤ部710を巻取状態に維持するために、糸巻き形状からなり、該リール720の中央部には、バネカバー部740を内蔵するための収容部721が設けられ、リール720の内側には、バネカバー部740が嵌合される多数の突出部722が設けられる。
【0129】
前記スパイラルバネ730は、ばね鋼からなり、例えば8~12回程度巻かれたばね状態を維持し、前記スパイラルバネの外側一端731は、前記バネカバー部740に形成された挿入口742に挿入され、スパイラルバネ730の内側一端732は、前記本体100に設けられたばねホルダに挿入される。前記スパイラルバネ730が巻かれた状態に維持され、これに対応して、ラックギヤ部710も、リール720に巻かれた状態に維持される。そこで、ユーザによるラックギヤ部710の引張が、スパイラルバネ730の緩み条件に対応して制限され、スパイラルバネ730の戻し力によって、ラックギヤ部710がリール720に巻き取られる状態に戻る。
【0130】
前記バネカバー部740は、スパイラルバネ730を内部に保持するために、中空の円筒状からなり、このバネカバー部740の外側には、多数の突出部722との嵌合のため、多数の突出部722に対応して、多数の溝741が形成され、周部には、前記スパイラルバネ730の外側一端731が挿入される挿入口742と、この挿入口742を介して挿入された内周一端が安着する安着部743とが設けられる。そこで、スパイラルバネ730の外側一端731が挿入口742を介して安着部743に安着した状態で、リール720の収容部721に嵌合し、スパイラルバネ730の外側一端731がバネカバー部740から離脱することを防止することができる。
【0131】
そこで、実施例10では、
図18(a)のような状態で、ユーザがリング750を引くことによって、ギヤ溝711がピニオンギヤ部材300のギヤ歯と噛合して、それぞれのピニオンギヤ部材を時計回りに回転させて発電を行い、ユーザがリング750の引張を中止すると、スパイラルバネ730の戻し力により、ピニオンギヤ部材が反時計回りに回転して、発電を連続して行うことができる。
【実施例11】
【0132】
以下に、本発明による携帯用自家発電装置の実施例11を説明する。
【0133】
前記実施例5における携帯用自家発電装置では、モータ520の回転をギヤ部510の回転により行う構造として説明したが、実施例11では、固定子と回転子を適用する。
【0134】
すなわち、本発明に適用されるそれぞれのピニオンギヤ部材300に、回転部材として、例えば、前記特許文献2に開示された技術を適用することができる。本発明によるピニオンギヤ部材300の内周面に固定子を設け、ピニオンギヤ部材300内に挿入され、固定子と離隔して回転子を設ける。また、ラックギヤ部材200が一方向に直線移動される際に生成されるピニオンギヤ部材300の回転力を用いて、回転子を一方向に回転させる第1の回転ユニットと、前記ラックギヤ部材200が他方向に直線移動される際に生成されるピニオンギヤ部材300の逆転力を用いて、前記回転子を前記一方向に回転させる第2の回転ユニットとを設けることによって、多数のピニオンギヤ部材300を同時に作動させる構造を設けることもできる。
【0135】
上述したように構成された携帯用自家発電装置の使用例を、
図19を参照して説明する。
【0136】
図19は、本発明の携帯用自家発電装置の使用状態の一例を示す図である。
【0137】
図19に示しているように、本体100を立てて、一対の支持部120をユーザの足で支持し、ラックギヤ部材200を上下に直線往復動させることにより、多数のピニオンギヤ部材300が正転及び逆転を繰返し実行し、それによりギヤ部510が回転して、発電を続けて行う。
【0138】
前記発電部材500により発電された電気が、本体内に設けられたバッテリー(図示せず)に充電される。また、本体100には、バッテリーと接続されたUSB端子が装着され、このUSB端子を介して連結された電気機器、例えば、スマートフォン、ノート型パソコン、軍用又は非常用の通信機器、電灯装置、又はカイロ及び電気バーナーのような発熱装置に電力を供給することができる。
【0139】
以上、本発明者によりされた発明を、前記実施例を参照して具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更可能であることは、言うまでもない。
【0140】
つまり、前記実施例9では、
図16に示しているように、ラックギヤ部材200が、第1の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第1のラックギヤ部材250と、第2の列の多数のピニオンギヤ部材に対応して設けられた第2のラックギヤ部材260として設けられ、第1のラックギヤ部材250と第2のラックギヤ部材260をそれぞれ両手で作動させる構造として示したが、
図20に示しているように、愛1のラックギヤ部材250と第2のラックギヤ部材260が取手220により連結された構造を適用することもできる。
【0141】
また、
図16における第1のラックギヤ部材250と第2のラックギヤ部材260のそれぞれに、
図8のような取手223の構造を適用することもできる。
【0142】
また、
図2では、本体100の下部に、ユーザが自家発電を行う際に両足で支持するための一対の支持部120を示したが、これに限定されるものではなく、
図22に示しているように、一対の取手部220とベルト形状の締結部材190とを設けて使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明による携帯用自家発電装置を使用することにより、通常の電気供給ができない軍事作戦、難民村、地震等による災害、船舶の非常事態、野外活動等の非常時に、ユーザが片手又は両手でラックギヤ部材の引張動作を繰り返すことによって、長時間の間、発電を継続的に行うことができる。