IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許7302945情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230627BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230627BHJP
   G06F 16/00 20190101ALI20230627BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20230627BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06F3/01 510
G06F16/00
G06T19/00 300B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017237049
(22)【出願日】2017-12-11
(65)【公開番号】P2019105931
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-03-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安川 潤一
(72)【発明者】
【氏名】角田 梓
(72)【発明者】
【氏名】若林 真理亜
(72)【発明者】
【氏名】青野 優
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】渡邊 聡
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-257603(JP,A)
【文献】特開2014-115897(JP,A)
【文献】特開2009-32056(JP,A)
【文献】特開2005-237561(JP,A)
【文献】特開平8-305829(JP,A)
【文献】特許第5961736(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F16/00
G06Q30/02
G06T19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像によって形成される仮想空間を体験するユーザの反応であって、前記仮想空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された反応情報が示す前記ユーザの反応と関連するコンテンツであって、前記仮想空間内の変化によって生じた対象を訴求するコンテンツを出力する出力部と、
を備え
前記取得部は、
前記仮想空間内の変化に対する前記ユーザの反応に基づく行動に関する反応情報を取得し、
前記出力部は、
前記ユーザの反応に基づく行動によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記ユーザが前記仮想空間内の変化に対して反応した後に、前記コンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記ユーザが反応した際に行動を起こしたユーザの部位に関する反応情報を取得し、
前記出力部は、
前記行動を起こしたユーザの部位によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記ユーザが前記仮想空間内の変化に反応した後に行う行動に関する反応情報を取得し、
前記出力部は、
前記ユーザが前記仮想空間内の変化に反応した後に行う行動によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、
前記取得部によって取得された反応情報が、前記仮想空間内の変化に反応した後に前記ユーザが落ち着いたことを示す場合に、前記反応情報に対応するコンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、
前記取得部によって取得された反応情報が、前記仮想空間内の変化に反応した後に前記ユーザが慌てていたことを示す場合に、前記反応情報に対応するコンテンツを出力しない、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、
前記ユーザが反応した前記仮想空間内の変化の種別によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、
前記仮想空間内の変化として、音声又はBGM(Background Music)の変化、前記仮想空間内に映し出されたオブジェクトの色彩の変化、前記仮想空間内の明暗の変化、前記仮想空間内に映し出されたオブジェクトの行動変化のいずれか1つに対応するコンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、
コンテンツ提供主によって設定された所定の条件が満たされた場合に、前記コンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、
前記所定の条件として、仮想空間内の変化、ユーザの反応、ユーザの反応のタイミングのいずれか1つが満たされた場合に、前記コンテンツを出力する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
映像によって形成される仮想空間を体験するユーザの反応であって、前記仮想空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された反応情報が示す前記ユーザの反応と関連するコンテンツであって、前記仮想空間内の変化によって生じた対象を訴求するコンテンツを出力する出力工程と、
を含み、
前記取得工程は、
前記仮想空間内の変化に対する前記ユーザの反応に基づく行動に関する反応情報を取得し、
前記出力工程は、
前記ユーザの反応に基づく行動によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
映像によって形成される仮想空間を体験するユーザの反応であって、前記仮想空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された反応情報が示す前記ユーザの反応と関連するコンテンツであって、前記仮想空間内の変化によって生じた対象を訴求するコンテンツを出力する出力手順と、
をコンピュータに実行させ
前記取得手順は、
前記仮想空間内の変化に対する前記ユーザの反応に基づく行動に関する反応情報を取得し、
前記出力手順は、
前記ユーザの反応に基づく行動によって異なるコンテンツを出力する、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの視野を覆い、両眼視差に基づく仮想現実(VR:Virtual Reality)空間の映像を提供するHMD(Head Mounted Device)等により、仮想空間における注視領域以外の視界領域や非視界領域にコンテンツを配信する技術が提供されている。例えば、非視界領域にも広告コンテンツを配信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5961736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、コンテンツの訴求効果を向上させることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、非視界領域にも広告コンテンツを配信するに過ぎず、コンテンツの訴求効果を向上させることができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、コンテンツの訴求効果を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、映像によって形成される仮想空間を体験するユーザの反応であって、前記仮想空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された反応情報に基づいて、コンテンツを出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、コンテンツの訴求効果を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るVR空間構成要素情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る広告オブジェクト記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置が実行する出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。
図7図7は、変形例に係る広告オブジェクト記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。
図9図9は、変形例に係る広告オブジェクト記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理装置が示す出力処理の一例〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。図1では、情報処理装置100により出力処理が実行される例を示す。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、広告主端末10と、HMD20と、情報処理装置100とを含む。広告主端末10、HMD20及び情報処理装置100は、図示しない所定の通信網を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図1に示す情報処理システム1には、複数台の広告主端末10や、複数台のHMD20や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0012】
広告主端末10は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、広告主端末10は、広告主による操作に従って、広告オブジェクトを情報処理装置100に入稿する。
【0013】
なお、広告主は、広告オブジェクトの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、情報処理装置100に広告オブジェクトを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末10だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0014】
HMD20は、ユーザが装着するウェアラブルデバイスであり、ユーザの視野内に情報処理装置100から出力される静止画像や動画像といった各種の映像を表示する。このことにより、HMD20は、ユーザがあたかもVR空間内に居住するといった感覚を提供し、ユーザにVR空間を体験させる。また、HMD20は、情報処理装置100から出力された音声やBGM(Background Music)等を出力する機能を有していてもよい。
【0015】
例えば、HMD20は、情報処理装置100によって出力されたVR空間の映像と音声及びBGMとを組み合わせたVR空間の映像をユーザに提供する。また、例えば、HMD20は、ユーザの向きが変更した場合に、ユーザが変更した向きに対応するVR空間の映像をユーザに提供する。なお、HMD20の処理は、例えば、3D(Dimension)モデルの自動変形等に関する各種の周知技術や、3Dモデルのレンダリングに関する各種の周知技術により実現可能である。
【0016】
情報処理装置100は、HMD20にVR空間の映像を出力する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム、ゲーム機等により実現される。具体的には、情報処理装置100は、VR空間内の所定のオブジェクトに対するユーザの反応に基づいて、VR空間内に広告オブジェクトを含む映像をHMD20に出力する。
【0017】
以下、図1を用いて、情報処理装置100による広告オブジェクトの出力処理の一例を流れに沿って説明する。
【0018】
まず、図1に示すように、広告主端末10は、広告主の操作に従って、広告オブジェクトを情報処理装置100に入稿する(ステップS1)。例えば、広告主が、花専門の小売り業者であるとする。この場合、広告主端末10は、広告オブジェクトとして、花束の料金に関するクーポン等を入稿する。
【0019】
情報処理装置100は、HMD20からVR空間の映像の取得要求があった場合に、HMD20にVR空間VR1の映像を出力する(ステップS2)。これにより、HMD20は、例えば、両眼視差に基づくVR空間VR1の映像と音声及びBGMとを組み合わせたVR空間VR1をユーザに体験させる。図1の例では、ユーザは、小道の両脇に大きな街路樹が植えられている並木道を歩いている感覚を体験する。
【0020】
続いて、ユーザは、VR空間内の変化として花オブジェクトOD1が出現し、振り返る動作とともに花オブジェクトOD1を視認する(ステップS3)。この場合、情報処理装置100は、HMD20に出力されたVR空間VR1の映像に変化を起こさせる。例えば、情報処理装置100は、VR空間内の変化として花オブジェクトOD1を出現させ、ユーザが振り返る動作とともに花オブジェクトOD1を視認させる。また、例えば、図1に示すように、ユーザは、ふと振り返ることで、HMD20によってVR空間VR1の映像が切り替わり、背景が道の両脇に草原が生い茂った小道と変化することで、かかる小道を歩いている感覚を体験する。そして、ユーザは、小道を歩いている最中に、小道のわきに突然出現した花オブジェクトOD1を視認する。なお、ここでは、ユーザは、VR空間VR1内の変化として花オブジェクトOD1が出現したことを知覚して、ユーザが振り返る動作とともに花オブジェクトOD1を視認し、花オブジェクトOD1に対して反応したものとする。この場合、HMD20は、花オブジェクトOD1に対して振り返るユーザの動作を、ユーザの反応に関する反応情報として情報処理装置100に送信する。これにより、情報処理装置100は、VR空間VR1内のユーザが花オブジェクトOD1に対するユーザの反応に関する反応情報をHMD20から取得する(ステップS4)。
【0021】
続いて、情報処理装置100は、ユーザの反応に基づいて、VR空間内に広告オブジェクトC1を含むVR空間VR2の映像をHMD20に出力する(ステップS5)。例えば、ユーザがVR空間内に出現した花オブジェクトOD1に対して行った振り返る動作に関する広告オブジェクトC1が花束に関するクーポンであるとする。この場合、情報処理装置100は、ユーザが反応した際に起こした振り返る動作に関する反応情報に基づいて、「今なら花束が10%OFF!!」というクーポンを含むVR空間VR2の映像をHMD20に出力する。そして、HMD20は、広告オブジェクトC1を含むVR空間VR2の映像をユーザに提供する。これにより、HMD20は、例えば、両眼視差に基づくVR空間VR2の映像と音声及びBGMとを組み合わせたVR空間VR2をユーザに再度体験させる。この場合、図1の例では、ユーザは、背景が道の両脇に草原が生い茂った小道のわきに表示された花束に関するクーポンC1を視認する。
【0022】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、VR空間VR1内の変化に対するユーザの反応情報を取得し、かかる反応情報に基づいて、VR空間内に広告オブジェクトC1を含むVR空間VR2の映像を出力する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、広告オブジェクトの訴求効果を向上させることができる。図1の例を用いて説明すると、ユーザが花オブジェクトOD1に対して振り向く動作に関する広告オブジェクトを提供することで、コンテンツの訴求効果を効率的に向上させることができると考えられる。これにより、情報処理装置100は、ユーザがVR空間内の変化に対して行った動作に関する広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する。したがって、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して起こした注視する動作やオブジェクトに対して振り向くような興味を示す動作を反応情報から推測することができるので、情報処理装置100が出力するVR空間に含まれるコンテンツの訴求効果を高めることができる。
【0023】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0024】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続され、広告主端末10と、HMD20との間で情報の送受信を行う。
【0025】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、VR空間構成要素情報記憶部121と、広告オブジェクト記憶部122とを有する。
【0026】
(VR空間構成要素情報記憶部121について)
実施形態に係るVR空間構成要素情報記憶部121は、VR空間に映し出される各種オブジェクトに関する情報を記憶する。ここで、図3に、実施形態に係るVR空間構成要素情報記憶部121の一例を示す。図3に示した例では、VR空間構成要素情報記憶部121は、「VR空間構成要素ID(Identifier)」、「背景情報」、「オブジェクト情報」、「オブジェクト配置位置情報」といった項目を有する。
【0027】
「VR空間構成要素ID」は、VR空間構成要素を識別する識別子である。「背景情報」は、「VR空間構成要素ID」と対応付けられたVR空間の背景に関する情報である。「オブジェクト情報」は、「VR空間構成要素ID」と対応付けられたオブジェクトに関する情報であり、オブジェクトの形状やテクスチャ等の情報である。「オブジェクト配置位置情報」は、「VR空間構成要素ID」と対応付けられたオブジェクトが配置されたVR空間内の位置に関する情報である。例えば、図3では、VR空間構成要素IDによって識別される「E1」は、背景情報が「小道」であり、オブジェクト情報が「花オブジェクト」であり、オブジェクト配置位置情報が「OP1」である。
【0028】
なお、VR空間構成要素情報記憶部121は、上記に限らず、VR空間を実現するための種々の情報を記憶してもよい。例えば、VR空間構成要素情報記憶部121は、VR空間を実現するための音声及びBGMや映像データ等を記憶してもよい。
【0029】
(広告オブジェクト記憶部122について)
実施形態に係る広告オブジェクト記憶部122は、広告主によって入稿された広告オブジェクトを記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る広告オブジェクト記憶部122の一例を示す。図4に示した例では、広告オブジェクト記憶部122は、「広告主ID」、「広告オブジェクト」、「ユーザの部位」、「ユーザの動作」といった項目を有する。
【0030】
「広告主ID」は、広告主を識別するための識別情報を示す。「広告オブジェクト」は、広告主によって入稿された広告オブジェクトを示す。「ユーザの部位」は、広告主によって設定されたユーザの体の部位を示す。また、「ユーザの部位」は、広告主によって設定された所定の条件であり、「ユーザの部位」が動くことで所定の条件が満たされたと判定された場合、広告オブジェクトを含むVR空間が出力される。「ユーザの動作」は、広告主によって設定されたユーザの動作を示す。また、「ユーザの動作」は、広告主によって設定された所定の条件であり、「ユーザの動作」が所定の条件として満たされたと判定された場合、広告オブジェクトを含むVR空間が出力される。例えば、図4では、広告主IDによって識別される「CL1」によって入稿された広告オブジェクト「花束に関するクーポン」であり、「CL1」によって設定されたユーザの体の部位「頭」を示す。また、広告主IDによって識別される「CL1」によって設定されたユーザの動作「振り返る」を示す。
【0031】
なお、広告オブジェクト記憶部122は、上記に限らず、広告主によって設定された条件に関する種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告オブジェクト記憶部122は、オブジェクト、VR空間内の変化、ユーザの反応のタイミング、ユーザの反応等を記憶してもよい。この点について、変形例で詳述する。
【0032】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0033】
図2に示すように、制御部130は、入稿受付部131と、取得部132と、出力部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0034】
(入稿受付部131について)
入稿受付部131は、広告主端末10から広告オブジェクトの入稿を受け付ける。具体的には、入稿受付部131は、広告主端末10から広告オブジェクトの入稿を受け付け、かかる広告オブジェクトを広告オブジェクト記憶部122に格納する。また、入稿受付部131は、広告主によって設定された所定の条件を受け付け、かかる所定の条件を広告オブジェクト記憶部122に格納する。具体的には、入稿受付部131は、所定の条件として、ユーザの部位、ユーザの動作等を受け付け、かかる所定の条件を広告オブジェクト記憶部122に格納する。
【0035】
(取得部132について)
取得部132は、映像によって形成される仮想空間(VR空間に相当)を体験するユーザの反応であって、VR空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する。具体的には、取得部132は、HMD20によって提供されたVR空間内の変化に対応するユーザの反応をHMD20から反応情報として取得する。例えば、ユーザが振り向く動作とともに、花オブジェクトを視認したとする。この場合、取得部132は、HMD20によって送信されたユーザの動作に関する反応情報に基づいて、VR空間内のユーザが花オブジェクトに対して行った動作に関する反応情報をHMD20から取得する。
【0036】
また、ここでいうユーザの反応とは、動的な反応と静的な反応を含む。動的な反応とは、行動を伴った反応であり、小走りとともに楽しい反応、両手を挙げる動作とともに驚いた反応、足で地面を何度も踏みつける悔しい反応、片手を高々と上げる動作とともにうれしい反応等の喜怒哀楽を含む感情を表現する行動を伴った反応を示す。一方、静的な反応とは、行動を伴わない反応であり、ユーザの顔が鬼気迫る表情を伴った怒る反応、ユーザの顔が歪む表情を伴った悲しい反応、ユーザの顔がほほ笑む表情を伴った楽しい反応、ユーザの顔の表情がなくなる驚いた反応等の喜怒哀楽を含む感情を伴った表情の変化を示す。
【0037】
なお、取得部132の処理は、例えば、ユーザがオブジェクトを所定の時間、凝視することを検出するセンサー等の各種の周知技術や、ユーザの体の部位にセンサーをつけて表情や動作を読み取る各種の周知技術や、ユーザの心拍数を計測することで落ち着いているか慌てているかを区別する各種の周辺技術により実現可能である。
【0038】
(出力部133について)
出力部133は、取得部132によって取得された反応情報に基づいて、コンテンツ(広告オブジェクトに相当)を出力する。具体的には、出力部133は、VR空間構成要素情報記憶部121に基づいて、ユーザの操作に伴う向きの変更、各種オブジェクトの配置位置等に応じて、VR空間におけるユーザの視野に対応する映像をHMD20に出力する。また、具体的には、出力部133は、取得部132によって取得された反応情報が広告オブジェクト記憶部122に記憶される所定の条件を満たす場合に、広告オブジェクト記憶部122に記憶される広告オブジェクトが含まれるVR空間の映像を出力する。
【0039】
より具体的には、図1の例では、出力部133は、広告オブジェクト記憶部122に記憶される所定の条件であるユーザの部位とユーザの動作が共に満たされた場合に、VR空間内の所定のオブジェクトの代わりに、広告オブジェクト記憶部122に記憶される花束に関するクーポンを表示させたVR空間VR2の映像をHMD20に出力する。例えば、ユーザが振り返る動作を行ったとする。この場合、出力部133は、ユーザが振り返る動作を行ったことで、所定の条件としてユーザの部位とユーザの動作とが共に満たされたと判定する。そして、出力部133は、VR空間VR1内の花オブジェクトOD1の代わりに、広告オブジェクト記憶部122に記憶される花束に関するクーポンC1を表示させたVR空間VR2の映像をHMD20に出力する。また、出力部133は、適宜、VR空間内に変化を与え、かかるVR空間の映像をHMD20に出力する。例えば、図1の例では、出力部133は、10分に1回等の割合で定期的にVR空間内に変化として花オブジェクトOD1を小道のわき等に出現させ、かかる花オブジェクトOD1を含むVR空間の映像をHMD20に出力する。
【0040】
なお、上記では、所定の条件として、ユーザの部位とユーザの動作が共に満たされた場合の出力処理について説明したが、出力部133は、所定の条件の片方が満たされた場合でも、広告オブジェクトが含まれるVR空間の映像をHMD20に出力してもよい。例えば、図1の例では、出力部133は、ユーザの部位、あるいはユーザの動作のみ満たされる場合でも、VR空間VR1内の花オブジェクトOD1の代わりに、広告オブジェクト記憶部122に記憶される花束に関するクーポンC1を表示させたVR空間VR2の映像をHMD20に出力してもよい。
【0041】
〔3.出力処理のフローチャート〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する出力処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置が実行する出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
図5に示すように、出力部133は、VR空間の映像をHMD20に出力する(ステップS101)。そして、取得部132は、VR空間を体験するユーザの反応が広告主によって設定された所定の条件を満たす場合にユーザの反応に関する反応情報を取得する(ステップS102)。そして、取得部132は、ユーザの反応が所定の条件を満たさない場合(ステップS102;No)、所定の条件を満たすユーザの反応に関する反応情報が取得されるまで待機する。
【0043】
一方、取得部132がユーザの反応が所定の条件を満たす場合(ステップS102;Yes)、出力部133は、VR空間内に広告オブジェクトを含む映像をHMD20に出力する(ステップS103)。
【0044】
〔4.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0045】
〔4-1.出力処理(1)〕
上記実施形態では、情報処理装置100の出力部133がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、出力部133は、ユーザがVR空間内の変化に反応した後に行う行動によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力してもよい。例えば、ユーザがVR空間内の変化に反応した後に、じっと一点を見つめるような落ち着いた行動を起こすとする。この場合、出力部133は、取得部132によって取得された反応情報が、ユーザがVR空間内の変化に反応した後にユーザの反応が落ち着いたと示す場合に、ユーザの反応が落ち着いたと示す反応情報に対応する広告オブジェクトを含むVR空間の映像をHMD20に出力してもよい。一方、ユーザがVR空間内の変化に反応した後に、きょろきょろと視線を様々な方向に向けるような慌てた行動を起こすとする。この場合、出力部133は、取得部132によって取得された反応情報が、ユーザがVR空間内の変化に反応した後にユーザの反応が慌てていたと示す場合に、ユーザの反応が慌てていたと示す反応情報に対応する広告オブジェクトを含むVR空間の映像をHMD20に出力しない。
【0046】
図6を用いて、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例について説明する。図6は、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。以下、図6を用いて、情報処理装置100による広告オブジェクトの出力処理の一例を流れに沿って説明する。
【0047】
まず、図6に示すように、ユーザは、花オブジェクトOD1を視認し、花オブジェクトOD1に対して驚いた反応をする(ステップS21)。この場合、情報処理装置100は、HMD20によって提供されたVR空間VR1の映像に変化を起こさせる。例えば、情報処理装置100は、所定のオブジェクトOD1である花オブジェクトを出現させ、ユーザに花オブジェクトに対して反応させる。また、例えば、図6の例では、はじめ、ユーザは、小道の両脇に大きな街路樹が植えられている並木道を歩いている感覚を体験する。そして、ユーザは、ふと振り返ることで、HMD20によって提供されるVR空間VR1の映像が切り替わり、背景が道の両脇に草原が生い茂った小道と変化することで、かかる小道を歩いている感覚を体験する。そして、ユーザは、小道を歩いている最中に、小道のわきに突然出現した花オブジェクトOD1を視認する。なお、ここでは、ユーザは、VR空間VR1内の変化として花オブジェクトOD1が出現したことを知覚して、ユーザが振り返る動作とともに花オブジェクトOD1を視認し、花オブジェクトOD1に対して驚く反応をするとする。続いて、ユーザが落ち着く動作を示す(ステップS22)。例えば、ユーザは、花オブジェクトOD1に対して驚く反応を行った後に、ほっと落ち着く動作を行うものとする。そして、情報処理装置100は、ユーザの反応が落ち着いたと示す反応情報に対応する広告オブジェクトC1を含むVR空間VR2の映像をHMD20に出力する(ステップS23)。例えば、ユーザの反応が落ち着いたと示す反応情報に対応する広告オブジェクトC1が温泉の入浴料に関するクーポンであるとする。この場合、情報処理装置100は、ユーザの反応が落ち着いたと示す反応情報を取得し、「今、入浴なら15%OFF」というクーポンを含むVR空間VR2をHMD20に出力してもよい。したがって、ユーザは、ユーザの反応が落ち着いたと示す場合に、広告オブジェクトをゆっくりと読むことができ、広告オブジェクトに対して興味を持つ機会が高まる。
【0048】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100の出力部133は、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して反応した後に行う行動によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトを効率的に提供することができる。
【0049】
〔4-2.出力処理(2)〕
上記実施形態では、情報処理装置100の出力部133がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、出力部133は、ユーザが反応したVR空間内の変化の種別によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力してもよい。具体的には、出力部133は、図7に示した広告オブジェクト記憶部123に基づいて、広告主によって設定されたVR空間内の変化に対応する広告オブジェクトを含むVR空間の映像をHMD20に出力してもよい。例えば、ユーザが広告オブジェクトを前後に装着しているキャラクターオブジェクト(以下、サンドイッチマン広告オブジェクトと表記する)に対して凝視する等の反応をしたとする。この場合、取得部132は、VR空間内に映し出されたサンドイッチマン広告オブジェクトの行動変化に対するユーザの反応に関する情報を取得し、出力部133は、ユーザが反応したサンドイッチマン広告オブジェクトに含まれる広告オブジェクトをHMD20に出力してもよい。
【0050】
図8を用いて、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例について説明する。図8は、変形例に係る情報処理装置が実行する出力処理の一例を示す図である。以下、図8を用いて、情報処理装置100による広告オブジェクトの出力処理の一例を流れに沿って説明する。
【0051】
まず、図8に示すように、ユーザは、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2を視認する(ステップS31)。この場合、情報処理装置100は、HMD20によって提供されたVR空間VR1の映像に変化を起こさせる。例えば、情報処理装置100は、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2を出現させ、ユーザにサンドイッチマン広告オブジェクトOD2を視認させる。また、例えば、図8の例では、はじめ、ユーザは、小道の両脇に大きな街路樹が植えられている並木道を歩いている感覚を体験する。そして、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2は、はじめは小さく表示され、そして、VR空間VR1内の街路樹周辺をふらふら動き回るとする。ユーザは、このような特徴的な行動を示すサンドイッチマン広告オブジェクトOD2が気になり、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2を視認する。続いて、情報処理装置100は、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2に含まれる広告オブジェクトの内容が拡大表示されたVR空間VR2の映像をHMD20に出力する(ステップS32)。例えば、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2に含まれる広告オブジェクトの内容がカラオケの料金に関するクーポンであるとする。この場合、情報処理装置100は、ユーザがサンドイッチマン広告オブジェクトOD2を視認する行動を示す反応情報を取得し、サンドイッチマン広告オブジェクトOD2に含まれる広告オブジェクトである「AA館 1時間 50%OFF」が拡大表示されたVR空間VR2の映像をHMD20に出力してもよい。
【0052】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100の出力部133は、ユーザが反応したVR空間内の変化の種別によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトの訴求効果を向上させることができる。
【0053】
〔4-3.出力処理(3)〕
上記実施形態では、情報処理装置100の出力部133がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、出力部133は、広告主によって設定された所定の条件が満たされた場合に、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力してもよい。具体的には、出力部133は、図9に示した広告オブジェクト記憶部124に記憶される広告主によって設定されたユーザの反応のタイミング、VR空間内の変化、ユーザの反応のいずれか1つが所定の条件として満たされた場合に、広告オブジェクトを含むVR空間の映像をHMD20に出力する。例えば、広告主によって設定された所定の条件がユーザの反応のタイミングであったとする。この場合、出力部133は、ユーザが所定のオブジェクトにすぐ反応した場合、広告オブジェクトとして花束に関するクーポンを含むVR空間をHMD20に出力してもよい。一方、出力部133は、ユーザが所定のオブジェクトにゆっくり反応した場合、広告オブジェクトとして映画の鑑賞料金に関するクーポンを含むVR空間をHMD20に出力してもよい。
【0054】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100の出力部133は、広告主によって設定された所定の条件が満たされた場合に広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告主にとって有益な広告オブジェクトの提供が実現できる。
【0055】
〔4-4.広告オブジェクト〕
上記実施形態では、広告オブジェクトの代わりに、静止画像、動画像等を適用できる。また、情報処理装置100は、広告オブジェクトに限らず、各種のコンテンツオブジェクトを含むVR空間の映像を出力してもよい。例えば、情報処理装置100は、広告目的でないコンテンツオブジェクト(例えば、コンテンツオブジェクトに含まれる記事等)を含むVR空間の映像をHMD20に出力してもよい。
【0056】
〔4-5.VR空間内の変化に対応する広告オブジェクト〕
上記実施形態では、情報処理装置100がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、VR空間内の変化の種別によって異なる広告オブジェクトとして、音声又はBGMの変化に対応する広告オブジェクト、VR空間内に映し出されたオブジェクトの色彩の変化に対応する広告オブジェクト、VR空間内の明暗の変化に対応する広告オブジェクト、VR空間内に映し出されたオブジェクトの行動変化に対応する広告オブジェクト等を出力してもよい。
【0057】
〔4-6.仮想空間〕
上記実施形態では、情報処理装置100がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、情報処理装置100は、VR空間の映像を出力することに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100は、ユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含む拡張現実等の仮想空間の映像を出力してもよい。
【0058】
〔4-7.情報処理装置(1)〕
上記実施形態では、情報処理装置100がユーザの反応に基づいて、広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力する出力処理の一例を説明したが、情報処理装置100は、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100が実行する取得処理及び出力処理は、HMD20がスタンドアローンで実行してもよい。
【0059】
〔4-8.情報処理装置(2)〕
上記実施形態では、情報処理装置100が広告主端末10から広告オブジェクトを受け付ける処理の一例を説明したが、情報処理装置100の入稿受付部131は、情報処理装置100と異なるサーバ装置等であってもよい。例えば、情報処理装置100は、入稿受付部131が広告主によって受け付けた広告オブジェクトを参照してもよい。
【0060】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告主端末10、HMD20、情報処理装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。図10は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0061】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0062】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100がネットワークNを介して生成したデータを他の機器へ送信する。
【0063】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0064】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0065】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0066】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0067】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0068】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0069】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0070】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部132と、出力部133とを有する。取得部132は、映像によって形成される仮想空間(VR空間に相当)を体験するユーザの反応であって、仮想空間内の変化に対するユーザの反応に関する反応情報を取得する。出力部133は、取得部132によって取得された反応情報に基づいて、コンテンツ(広告オブジェクトに相当)を出力する。
【0071】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがVR空間内の興味を示すオブジェクトに対する反応情報を取得することができるので、情報処理装置100が出力するVR空間に含まれる広告オブジェクトの訴求効果を高めることができる。
【0072】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部132は、仮想空間内の変化に対するユーザの反応に基づく行動に関する反応情報を取得し、出力部133は、ユーザの反応に基づく行動によって異なるコンテンツを出力する。
【0073】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して起こした動作に関する反応情報に基づいて、かかる動作に関する広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトの訴求効果を向上させることができる。
【0074】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部132は、ユーザが反応した際に行動を起こしたユーザの部位に関する反応情報を取得し、出力部133は、行動を起こしたユーザの部位によって異なるコンテンツを出力する。
【0075】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して起こしたユーザの部位の動作に関する反応情報に基づいて、かかるユーザの部位の動作に関する広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトの訴求効果を向上させることができる。
【0076】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部132は、ユーザが仮想空間内の変化に反応した後に行う行動に関する反応情報を取得し、出力部133は、ユーザが仮想空間内の変化に反応した後に行う行動によって異なるコンテンツを出力する。
【0077】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して反応した後に行う行動によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトを効率的に提供することができる。
【0078】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、取得部132によって取得された反応情報が、仮想空間内の変化に反応した後にユーザが落ち着いたことを示す場合に、反応情報に対応するコンテンツを出力する。
【0079】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、取得部132によって取得された反応情報が、仮想空間内の変化に反応した後にユーザが慌てていたことを示す場合に、反応情報に対応するコンテンツを出力しない。
【0080】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがVR空間内のオブジェクトに対して反応した後に行う行動によって広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力するか否かを決定することができるので、広告オブジェクトを効率的に提供することができる。
【0081】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、ユーザが反応した仮想空間内の変化の種別によって異なるコンテンツを出力する。
【0082】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、仮想空間内の変化として、音声又はBGMの変化、仮想空間内に映し出されたオブジェクトの色彩の変化、仮想空間内の明暗の変化、仮想空間内に映し出されたオブジェクトの行動変化のいずれか1つに対応するコンテンツを出力する。
【0083】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザが反応したVR空間内の変化の種別によって異なる広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告オブジェクトの訴求効果を向上させることができる。
【0084】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、コンテンツ提供主(広告主に相当)によって設定された所定の条件が満たされた場合に、コンテンツを出力する。
【0085】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、出力部133は、所定の条件として、仮想空間内の変化、ユーザの反応、ユーザの反応のタイミングのいずれか1つが満たされた場合に、コンテンツを出力する。
【0086】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、広告主によって設定された所定の条件が満たされた場合に広告オブジェクトを含むVR空間の映像を出力することができるので、広告主にとって有益な広告オブジェクトの提供が実現できる。
【0087】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理システム
10 広告主端末
20 HMD
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 VR空間構成要素情報記憶部
122 広告オブジェクト記憶部
123 広告オブジェクト記憶部
124 広告オブジェクト記憶部
130 制御部
131 入稿受付部
132 取得部
133 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10