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特許7303027作業機械を制御するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】作業機械を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20230627BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230627BHJP
【FI】
E02F9/20 Q
G06Q50/08
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019104001
(22)【出願日】2019-06-03
(65)【公開番号】P2020197075
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 志尚
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082846(JP,A)
【文献】特開2018-041356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
G06Q 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードを含む第1の作業機械と、
ブレードを含む第2の作業機械と、
前記第1の作業機械と前記第2の作業機械とを制御する1つ以上のプロセッサと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
所定の第1作業方向に延び、前記第1作業方向に交差する方向に互いに隣接して並んだ複数の第1作業レーンを含む第1作業エリアを前記第1の作業機械に割り当て、
前記第1の作業機械の位置を示す第1位置データを取得し、
前記第1作業レーンに従って前記第1の作業機械が掘削作業するように前記第1の作業機械を制御し、
前記所定の第1作業方向と同じ又は異なる所定の第2作業方向に延び、前記第2作業方向に交差する方向に互いに隣接して並んだ複数の第2作業レーンを含む第2作業エリアを前記第2の作業機械に割り当て、
前記第2の作業機械の位置を示す第2位置データを取得し、
前記第2作業レーンに従って前記第2の作業機械が掘削作業するように前記第2の作業機械を制御し、
前記第2の作業機械の少なくとも一部が前記第1作業エリア内に位置するかを判定し、
前記第2の作業機械の少なくとも一部が前記第1作業エリア内に位置するときには、前記第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、前記第1の作業機械を制御し、
前記第1作業エリアと前記第2作業エリアとの間には掘削壁のエリアが設けられている、
システム。
【請求項2】
前記掘削壁のエリアは、前記第2の作業機械に割り当てられており、前記第2の作業機械の少なくとも一部が、前記掘削壁のエリア内に位置するときには、前記1つ以上のプロセッサは、前記第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、前記第1の作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の作業機械の少なくとも一部が、前記掘削壁のエリア内に位置するときには、前記1つ以上のプロセッサは、前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーンを、前記第1の作業機械に対する進入禁止エリアとして決定する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、前記進入禁止エリアに入らないように前記第1の作業機械を待機させる、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記掘削壁のエリアが前記第2の作業機械に割り当てられており、前記第1の作業機械が、前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーン内に位置するときには、前記1つ以上のプロセッサは、前記掘削壁のエリアに入らないように前記第2の作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーンの一部と、前記第1作業エリアに最も近い前記第2作業レーンの一部とが、互いに重なっているときには、前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1作業レーンにおいて、前記第1作業レーンと前記第2作業レーンとの重畳位置から前方の領域を含む第1判定領域を決定し、
前記第2作業レーンにおいて前記重畳位置から前方の領域を含む第2判定領域を決定し、
前記第1判定領域内に前記第1の作業機械が位置しているときには、前記第2判定領域に入らないように前記第2の作業機械を制御し、
前記第2判定領域内に前記第2の作業機械が位置しているときには、前記第1判定領域に入らないように前記第1の作業機械を制御する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第1作業レーンにおいて、前記重畳位置から所定距離、後退した位置から前方の領域を、前記第1判定領域として決定する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第2作業レーンにおいて、前記重畳位置から所定距離、後退した位置から前方の領域を、前記第2判定領域として決定する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
ブレードを含む第1の作業機械と、ブレードを含む第2の作業機械とを含む複数の作業機械を制御するために1つ以上のプロセッサによって実行される方法であって、
所定の第1作業方向に延び、前記第1作業方向に交差する方向に互いに隣接して並んだ複数の第1作業レーンを含む第1作業エリアを、前記第1の作業機械に割り当てることと、
前記第1の作業機械の位置を示す第1位置データを取得することと、
前記第1作業レーンに従って前記第1の作業機械が掘削作業するように前記第1の作業機械を制御することと、
前記所定の第1作業方向と同じ又は異なる所定の第2作業方向に延び、前記第2作業方向に交差する方向に互いに隣接して並んだ複数の第2作業レーンを含む第2作業エリアを、前記第2の作業機械に割り当てることと、
前記第2の作業機械の位置を示す第2位置データを取得することと、
前記第2作業レーンに従って前記第2の作業機械が掘削作業するように前記第2の作業機械を制御することと、
前記第2の作業機械の少なくとも一部が前記第1作業エリア内に位置するかを判定することと、
前記第2の作業機械の少なくとも一部が、前記第1作業エリア内に位置するときには、前記第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、前記第1の作業機械を制御すること、
を備え
前記第1作業エリアと前記第2作業エリアとの間には掘削壁のエリアが設けられている、
方法。
【請求項10】
前記掘削壁のエリアは、前記第2の作業機械に割り当てられており、前記第2の作業機械の少なくとも一部が、前記掘削壁のエリア内に位置するときには、前記第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、前記第1の作業機械を制御することをさらに備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の作業機械の少なくとも一部が、前記掘削壁のエリア内に位置するときには、前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーンを、前記第1の作業機械に対する進入禁止エリアとして決定することをさらに備える、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記進入禁止エリアに入らないように前記第1の作業機械を待機させることをさらに備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記掘削壁のエリアが前記第2の作業機械に割り当てられており、前記第1の作業機械が、前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーン内に位置するときには、前記掘削壁のエリアに入らないように前記第2の作業機械を制御することをさらに備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2作業エリアに最も近い前記第1作業レーンの一部と、前記第1作業エリアに最も近い前記第2作業レーンの一部とが、互いに重なっているときには、前記第1作業レーンにおいて、前記第1作業レーンと前記第2作業レーンとの重畳位置から前方の領域を含む第1判定領域を決定することと、
前記第2作業レーンにおいて前記重畳位置から前方の領域を含む第2判定領域を決定することと、
前記第1判定領域内に前記第1の作業機械が位置しているときには、前記第2判定領域に入らないように前記第2の作業機械を制御することと、
前記第2判定領域内に前記第2の作業機械が位置しているときには、前記第1判定領域に入らないように前記第1の作業機械を制御することを備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1作業レーンにおいて、前記重畳位置から所定距離、後退した位置から前方の領域を、前記第1判定領域として決定することをさらに備える、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2作業レーンにおいて、前記重畳位置から所定距離、後退した位置から前方の領域を、前記第2判定領域として決定することをさらに備える、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークサイトにおいて、複数の作業機械が協働して作業を行うことがある。例えば、特許文献1では、同じワークサイト内で、複数のブルドーザが協働して掘削を行っている。ブルドーザは、所定の作業方向に延びる作業レーンに従って、掘削を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9014922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワークサイトが複数の作業エリアに区画され、各作業エリアにおいて作業機械が自動運転されることで、システムの効率を向上させることができる。しかし、その場合、隣接する作業エリアで作業する他の作業機械との干渉を避けることが求められる。
【0005】
本開示の目的は、自動運転中に複数の作業機械が互いに干渉することを回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るシステムは、第1の作業機械と第2の作業機械とを含む複数の作業機械を制御するためのシステムである。当該システムは、第1の作業機械と、第2の作業機械と、1つ以上のプロセッサとを備える。1つ以上のプロセッサは、第1作業エリアを第1の作業機械に割り当てる。第1作業エリアは、複数の第1作業レーンを含む。複数の第1作業レーンは、所定の第1作業方向に延びている。複数の第1作業レーンは、第1作業方向に交差する方向に並んでいる。1つ以上のプロセッサは、第1の作業機械の位置を示す第1位置データを取得する。1つ以上のプロセッサは、第1作業レーンに従って第1の作業機械が作業するように第1の作業機械を制御する。1つ以上のプロセッサは、第2作業エリアを第2の作業機械に割り当てる。第2作業エリアは、複数の第2作業レーンを含む。複数の第2作業レーンは、所定の第2作業方向に延びている。複数の第2作業レーンは、第2作業方向に交差する方向に並んでいる。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の位置を示す第2位置データを取得する。1つ以上のプロセッサは、第2作業レーンに従って第2の作業機械が作業するように第2の作業機械を制御する。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の少なくとも一部が第1作業エリア内に位置するかを判定する。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の少なくとも一部が、第1作業エリア内に位置するときには、第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、第1の作業機械を制御する。
【0007】
他の態様に係る方法は、第1の作業機械と第2の作業機械とを含む複数の作業機械を制御するために1つ以上のプロセッサによって実行される方法である。当該方法は、以下の処理を含む。第1の処理は、第1作業エリアを第1の作業機械に割り当てることである。第1作業エリアは、複数の第1作業レーンを含む。複数の第1作業レーンは、所定の第1作業方向に延びている。複数の第1作業レーンは、第1作業方向に交差する方向に並んでいる。第2の処理は、第1の作業機械の位置を示す第1位置データを取得することである。第3の処理は、第1作業レーンに従って第1の作業機械が作業するように第1の作業機械を制御することである。第4の処理は、第2作業エリアを第2の作業機械に割り当てることである。第2作業エリアは、複数の第2作業レーンを含む。複数の第2作業レーンは、所定の第2作業方向に延びている。複数の第2作業レーンは、第2作業方向に交差する方向に並んでいる。第5の処理は、第2の作業機械の位置を示す第2位置データを取得することである。第6の処理は、第2作業レーンに従って第2の作業機械が作業するように第2の作業機械を制御することである。第7の処理は、第2の作業機械の少なくとも一部が第1作業エリア内に位置するかを判定することである。第8の処理は、第2の作業機械の少なくとも一部が、第1作業エリア内に位置するときには、第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、第1の作業機械を制御することである。
【0008】
さらに他の態様に係るシステムは、第1の作業機械と第2の作業機械とを含む複数の作業機械を制御するためのシステムである。当該システムは、第1の作業機械と、第2の作業機械と、1つ以上のプロセッサとを備える。1つ以上のプロセッサは、第1作業レーンを第1の作業機械に割り当てる。第1作業レーンは、所定の第1作業方向に延びている。1つ以上のプロセッサは、第1の作業機械の位置を示す第1位置データを取得する。1つ以上のプロセッサは、第1作業レーンに従って第1の作業機械が作業するように第1の作業機械を制御する。1つ以上のプロセッサは、第2作業レーンを第2の作業機械に割り当てる。第2作業レーンは、所定の第2作業方向に延びている。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の位置を示す第2位置データを取得する。1つ以上のプロセッサは、第2作業レーンに従って第2の作業機械が作業するように第2の作業機械を制御する。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の少なくとも一部が第1作業レーン内に位置するかを判定する。1つ以上のプロセッサは、第2の作業機械の少なくとも一部が、第1作業レーン内に位置するときには、第2の作業機械に対する干渉回避動作を行うように、第1の作業機械を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、自動運転中に複数の作業機械が互に干渉することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る作業機械の制御システムを示す模式図である。
図2】作業機械の側面図である。
図3】作業機械の構成を示す模式図である。
図4】自動制御の処理を示すフローチャートである。
図5】現況地形の一例を示す側面図である。
図6】第1実施形態に係る作業エリアの例を示すワークサイトの上面図である。
図7】第1実施形態に係る第1の作業機械と第2の作業機械との位置の一例を示す図である。
図8】干渉回避動作のための処理を示すフローチャートである。
図9】第1の作業機械と第2の作業機械との位置の他の例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る作業エリアの例を示すワークサイトの上面図である。
図11】第1作業レーンと第2作業レーンとが重なっている場合の干渉回避動作の処理を示すフローチャートである。
図12】第1判定領域と第2判定領域との一例を示す図である。
図13】第1判定領域と第2判定領域との他の例を示す図である。
図14】第3実施形態に係る作業エリアの例を示すワークサイトの上面図である。
図15】第1の作業機械と第2の作業機械との位置の一例を示す図である。
図16】第1の作業機械と第2の作業機械との位置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る作業機械の制御システムについて、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る作業機械の制御システム100を示す模式図である。図1に示すように、制御システム100は、複数の作業機械1a,1bと、リモートコントローラ2と、入力装置3と、ディスプレイ4と、外部通信装置5とを含む。制御システム100は、採掘場などのワークサイトに配置された作業機械1a,1bを制御する。複数の作業機械1a,1bは、第1の作業機械1aと、第2の作業機械1bとを含む。本実施形態に係る作業機械1a,1bは、ブルドーザである。
【0012】
リモートコントローラ2と、入力装置3と、ディスプレイ4と、外部通信装置5とは、作業機械1a,1bの外部に配置される。リモートコントローラ2と、入力装置3と、ディスプレイ4と、外部通信装置5とは、例えば、作業機械1a,1bの外部の管理センタに配置されてもよい。リモートコントローラ2は、作業機械1a,1bを遠隔操作する。リモートコントローラ2によって遠隔操作される作業機械の数は、2台に限らず、2台より多くてもよい。
【0013】
図2は、第1の作業機械1aの側面図である。図3は、第1の作業機械1aの構成を示すブロック図である。以下、第1の作業機械1aについて説明するが、第2の作業機械1bの構成は、第1の作業機械1aと同様である。図2に示すように、第1の作業機械1aは、車体11と、走行装置12と、作業機13とを含む。車体11は、エンジン室15を含む。走行装置12は、車体11に取り付けられている。走行装置12は、左右の履帯16を有している。なお、図2では、左側の履帯16のみが図示されている。履帯16が回転することによって、第1の作業機械1aが走行する。
【0014】
作業機13は、車体11に取り付けられている。作業機13は、リフトフレーム17と、ドージングブレード18と、リフトシリンダ19とを含む。リフトフレーム17は、上下に動作可能に車体11に取り付けられている。リフトフレーム17は、ドージングブレード18を支持している。ドージングブレード18は、リフトフレーム17の動作に伴って上下に移動する。リフトフレーム17は、走行装置12に取り付けられてもよい。リフトシリンダ19は、車体11とリフトフレーム17とに連結されている。リフトシリンダ19が伸縮することによって、リフトフレーム17は、上下に動作する。
【0015】
図3に示すように、第1の作業機械1aは、エンジン22と、油圧ポンプ23と、動力伝達装置24と、制御弁27とを含む。油圧ポンプ23は、エンジン22によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ23から吐出された作動油は、リフトシリンダ19に供給される。なお、図3では、1つの油圧ポンプ23が図示されているが、複数の油圧ポンプが設けられてもよい。
【0016】
動力伝達装置24は、エンジン22の駆動力を走行装置12に伝達する。動力伝達装置24は、例えば、HST(Hydro Static Transmission)であってもよい。或いは、動力伝達装置24は、トルクコンバーター、或いは複数の変速ギアを有するトランスミッションであってもよい。或いは、動力伝達装置24は、他の種類のトランスミッションであってもよい。
【0017】
制御弁27は、リフトシリンダ19などの油圧アクチュエータと、油圧ポンプ23との間に配置される。制御弁27は、油圧ポンプ23から、リフトシリンダ19に供給される作動油の流量を制御する。制御弁27は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、制御弁27は、電磁比例制御弁であってもよい。
【0018】
第1の作業機械1aは、機械コントローラ26aと機械通信装置28とを備える。機械コントローラ26aは、走行装置12、或いは動力伝達装置24を制御することで、第1の作業機械1aを走行させる。機械コントローラ26aは、制御弁27を制御することで、ドージングブレード18を上下に移動させる。
【0019】
機械コントローラ26aは、取得したデータに基づいて第1の作業機械1aを制御するようにプログラムされている。機械コントローラ26aは、プロセッサ31aと記憶装置32aとを含む。プロセッサ31aは、例えばCPU(central processing unit)である。或いは、プロセッサ31aは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサ31aは、プログラムに従って、第1の作業機械1aを制御するための処理を実行する。
【0020】
記憶装置32aは、ROMなどの不揮発性メモリと、RAMなどの揮発性メモリとを含む。記憶装置32aは、ハードディスク、或いはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでもよい。記憶装置32aは、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置32aは、第1の作業機械1aを制御するためのコンピュータ指令及びデータを記憶している。
【0021】
機械通信装置28は、外部通信装置5と無線により通信する。例えば、機械通信装置28は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LAN、3G、4G、或いは5Gなどの移動体通信、或いは他のタイプの無線通信システムにより、外部通信装置5と通信する。
【0022】
第1の作業機械1aは、位置センサ33を含む。位置センサ33は、例えばGPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバを含んでもよい。或いは、位置センサ33は、他の測位システムのレシーバを含んでもよい。位置センサ33は、IMU(Inertial Measurement Unit)などのモーションセンサ、Lidarなどの測距センサ、或いはステレオカメラなどのイメージセンサを含んでもよい。位置センサ33は、位置データを機械コントローラ26aに出力する。位置データは、第1の作業機械1aの位置を示す。
【0023】
図1に示す外部通信装置5は、機械通信装置28と無線により通信する。外部通信装置5は、リモートコントローラ2からの指令信号を、機械通信装置28に送信する。機械コントローラ26aは、機械通信装置28を介して、指令信号を受信する。外部通信装置5は、機械通信装置28を介して、第1の作業機械1aの位置データを受信する。
【0024】
入力装置3は、オペレータによって操作可能な装置である。入力装置3は、オペレータからの入力指令を受け、入力指令に対応する操作信号を、リモートコントローラ2に出力する。入力装置3は、オペレータによる操作に応じた操作信号を出力する。入力装置3は、リモートコントローラ2に操作信号を出力する。入力装置3は、マウス、或いはトラックボールなどのポインティングデバイスを含んでもよい。入力装置3は、キーボードを含んでもよい。
【0025】
ディスプレイ4は、例えばCRT,LCD,或いはOELD等のモニタを含む。ディスプレイ4は、リモートコントローラ2からの画像信号を受信する。ディスプレイ4は、画像信号に応じた画像を表示する。ディスプレイ4は、入力装置3と一体であってもよい。例えば、入力装置3とディスプレイ4とは、タッチパネルを含んでもよい。
【0026】
リモートコントローラ2は、遠隔から作業機械1a,1bを制御する。リモートコントローラ2は、入力装置3から操作信号を受信する。リモートコントローラ2は、ディスプレイ4に画像信号を出力する。リモートコントローラ2は、プロセッサ2aと記憶装置2bとを含む。プロセッサ2aは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサ2aは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサ2aは、プログラムに従って、作業機械1a,1bを制御するための処理を実行する。なお、以下の説明において、リモートコントローラ2が実行する処理に関する記載は、プロセッサ2aが実行する処理と解釈されてもよい。
【0027】
記憶装置2bは、ROMなどの不揮発性メモリと、RAMなどの揮発性メモリとを含む。記憶装置2bは、ハードディスク、或いはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでもよい。記憶装置2bは、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置2bは、作業機械1a,1bを制御するためのコンピュータ指令及びデータを記憶している。
【0028】
次に、制御システム100によって実行される作業機械1a,1bの自動運転について説明する。図4は、リモートコントローラ2によって行われる処理を示すフローチャートである。
【0029】
図4に示すように、ステップS101では、リモートコントローラ2は、現況地形データを取得する。現況地形データは、ワークサイトの現況地形を示す。図5は、現況地形80の一例を示す側面図である。現況地形データは、現況地形80上の複数地点の座標及び高度を含む。作業機械1a,1bは、自動運転により、現況地形80が最終目標地形81に沿う形状となるように、現況地形80の掘削を行う。
【0030】
ステップS102では、リモートコントローラ2は、位置データを取得する。位置データは、第1の作業機械1aの第1位置データと、第2の作業機械1bの第2位置データとを含む。第1位置データは、第1の作業機械1aの位置を示す。第2位置データは、第2の作業機械1bの位置を示す。
【0031】
ステップS103では、リモートコントローラ2は、ワークサイトにおいて複数の作業エリア50A,50Bを決定する。図6は、第1実施形態に係る作業エリア50A,50Bの一例を示すワークサイトの上面図である。複数の作業エリア50A,50Bは、第1作業エリア50Aと第2作業エリア50Bとを含む。第1作業エリア50Aは、複数の第1作業レーン51-53を含む。複数の第1作業レーン51-53は、所定の第1作業方向D1に延びる。複数の第1作業レーン51-53は、直線状に延びる。第1作業レーン51-53は、第1作業エリア50Aの横方向に並んでいる。第1作業エリア50Aの横方向は、第1作業方向D1に交差する方向である。
【0032】
第2作業エリア50Bは、複数の第2作業レーン54-56を含む。複数の第2作業レーン54-56は、所定の第2作業方向D2に延びる。複数の第2作業レーン54-56は、直線状に延びる。第2作業レーン54-56は、第2作業エリア50Bの横方向に並んでいる。第2作業エリア50Bの横方向は、第2作業方向D2に交差する方向である。図6に示す例では、第1作業方向D1と第2作業方向D2とは、同じ方向である。
【0033】
リモートコントローラ2は、オペレータによる入力装置3の操作に応じて、作業エリア50A,50Bを決定してもよい。或いは、リモートコントローラ2は、自動的に作業エリア50A,50Bを決定してもよい。
【0034】
第1作業エリア50Aは、第1掘削壁のエリア61,62を含む。第1掘削壁のエリア61,62は、複数の第1作業レーン51-53の間に配置される。第1掘削壁のエリア61,62のそれぞれの幅は、第1作業レーン51-53のそれぞれの幅よりも小さい。リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aのドージングブレード18の幅寸法に基づいて、第1作業レーン51-53のそれぞれの幅を決定してもよい。リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aのドージングブレード18の幅寸法よりも小さな値を、第1掘削壁のエリア61,62の幅として決定してもよい。
【0035】
第2作業エリア50Bは、第2掘削壁のエリア63,64を含む。第2掘削壁のエリア63,64は、複数の第2作業レーン54-56の間に配置される。第2掘削壁のエリア63,64のそれぞれの幅は、第2作業レーン54-56のそれぞれの幅よりも小さい。リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bのドージングブレードの幅寸法に基づいて、第2作業レーン54-56のそれぞれの幅を決定してもよい。リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bのドージングブレードの幅寸法よりも小さな値を、第2掘削壁のエリア63,64の幅として決定してもよい。
【0036】
なお、作業レーン51-56及び掘削壁のエリア61-64の配列は、図6に示すものに限らず、変更されてもよい。例えば、各作業エリアの作業レーンの数は、3つに限らず、3つより少なくてもよく、3つより多くてもよい。各作業エリアの掘削壁のエリアの数は、2つに限らず、2つより少なくてもよく、2つより多くてもよい。第1作業エリア50Aの作業レーンの数と第2作業エリア50Bの作業レーンの数とは、同じに限らず、異なってもよい。作業エリアの数は、2つに限らず、2つより多くてもよい。
【0037】
ステップS104では、リモートコントローラ2は、作業機械1a,1bに作業エリア50A,50Bを割り当てる。オペレータは、入力装置3によって、複数の作業エリア50A,50Bのそれぞれを、作業機械1a,1bのいずれかに割り当てる。リモートコントローラ2は、入力装置3からの操作信号に基づいて、複数の作業エリア50A,50Bのそれぞれに割り当てられる作業機械を決定する。或いは、リモートコントローラ2は、複数の作業エリア50A,50Bのそれぞれに割り当てられる作業機械を自動的に決定してもよい。図6に示す例では、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aに第1作業エリア50Aを割り当て、第2の作業機械1bに第2作業エリア50Bを割り当てる。
【0038】
なお、リモートコントローラ2は、第1作業エリア50Aと第2作業エリア50Bとの間に位置する第3掘削壁のエリア65を、第1の作業機械1aと第2の作業機械1bとのいずれかに割り当てる。リモートコントローラ2は、オペレータによる入力装置3の操作に応じて、第3掘削壁のエリア65を、第1の作業機械1aと第2の作業機械1bとのいずれかに割り当ててもよい。或いは、リモートコントローラ2は、自動的に、第3掘削壁のエリア65を、第1の作業機械1aと第2の作業機械1bとのいずれかに割り当ててもよい。図6に示す例では、リモートコントローラ2は、第3掘削壁のエリア65を、第2の作業機械1bに割り当てるものとする。
【0039】
ステップS105では、リモートコントローラ2は、作業開始の承認を受信したかを判定する。オペレータは、入力装置3によって、作業機械1a,1bによる作業開始の承認を指示することができる。リモートコントローラ2は、入力装置3からの操作信号に基づいて、承認を受信したかを判定する。なお、リモートコントローラ2は、作業機械1a,1bごとに個別に承認を受信したかを判定してもよい。
【0040】
ステップS106では、リモートコントローラ2は、作業機械1a,1bに作業の開始指令を送信する。それにより、第1の作業機械1aは、割り当てられた第1作業レーン51-53の配列に従って作業を行うように制御される。リモートコントローラ2は、第1作業レーン51-53の位置を示すデータを第1の作業機械1aに送信する。リモートコントローラ2は、第2作業レーン54-56位置を示すデータを第2の作業機械1bに送信する。
【0041】
第1の作業機械1aは、第1の作業機械1aに割り当てられた第1作業レーン51-53まで移動し、第1作業レーン51-53に対して位置と方位とを自動的に合わせる。そして、第1の作業機械1aは、第1作業レーン51-53に沿って移動しながら掘削を行う。第1作業レーン51-53の掘削が完了すると、第1作業レーン51-53の間には、掘削壁が残る。第1の作業機械1aは、割り当てられた第1掘削壁のエリア61,62に沿って移動しながら、掘削壁の掘削を行う。第1作業レーン51-53の掘削順序、或いは第1掘削壁のエリア61,62の掘削順序は、リモートコントローラ2によって決定されてもよい。或いは、第1作業レーン51-53の掘削順序、或いは第1掘削壁のエリア61,62の掘削順序は、第1の作業機械1aの機械コントローラ26aによって決定されてもよい。
【0042】
同様に、第2の作業機械1bは、第2の作業機械1bに割り当てられた第2作業レーン54-56まで移動し、第2作業レーン54-56に対して位置と方位とを自動的に合わせる。そして、第2の作業機械1bは、第2作業レーン54-56に沿って移動しながら掘削を行う。第2作業レーン54-56の掘削が完了すると、第2作業レーン54-56の間には、掘削壁が残る。第2の作業機械1bは、割り当てられた第2掘削壁のエリア63,64に沿って移動しながら、掘削壁の掘削を行う。第2作業レーン54-56の掘削順序、或いは第2掘削壁のエリア63,64の掘削順序は、リモートコントローラ2によって決定されてもよい。或いは、第2作業レーン54-56の掘削順序、或いは第2掘削壁のエリア63,64の掘削順序は、第2の作業機械1bの機械コントローラによって決定されてもよい。
【0043】
例えば、図5に示すように、第1の作業機械1aは、目標設計地形84に従ってドージングブレード18を動作させる。第1の作業機械1aは、現況地形80上の第1開始点P1から前進しながら掘削を開始し、掘削された土を崖から落とす。第1の作業機械1aは、第2開始点P2まで後退する。第1の作業機械1aは、第2開始点P2から前進しながら掘削を開始し、掘削された土を崖から落とす。第1の作業機械1aは、第3開始点P3まで後退する。第1の作業機械1aは、第3開始点P3から前進しながら掘削を開始し、掘削された土を崖から落とす。
【0044】
第1の作業機械1aは、このような作業を繰り返すことで、目標設計地形84に沿う形状に、現況地形80を掘削する。第2の作業機械1bも、第1の作業機械1aと同様に掘削を行う。作業機械1a,1bは、目標設計地形84の掘削を完了すると、その下方に位置する次の目標設計地形85の掘削を行う。作業機械1a,1bは、最終目標地形81、或いはその近傍に到達するまで、上記の作業を繰り返す。
【0045】
上述したように、第1の作業機械1aと第2の作業機械1bとが協働して作業を行う場合、第1の作業機械1aと第2の作業機械1bとが、互いに接近することがある。例えば、図7に示すように、第2の作業機械1bが第3掘削壁のエリア65において作業を行っているときには、第2の作業機械1bの少なくとも一部が第1作業エリア50A内に位置している。このような場合、第1の作業機械1aは、第2の作業機械1bに対する干渉回避動作を行うように、第1の作業機械1aを制御する。以下、干渉回避動作のための制御について説明する。
【0046】
図8は、干渉回避動作のための制御の処理を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS201では、リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bの少なくとも一部が、第3掘削壁のエリア65内に位置するかを判定する。第2の作業機械1bの少なくとも一部が、第3掘削壁のエリア65内に位置するときには、処理は、ステップS202に進む。
【0047】
ステップS202では、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aに対して、干渉回避動作を指示する。例えば、リモートコントローラ2は、第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53と、第1作業レーン53に隣接する第1掘削壁のエリア62とを、第1の作業機械1aに対する進入禁止エリアC1として決定する。そして、リモートコントローラ2は、進入禁止エリアC1に入らないように第1の作業機械1aを待機させる。
【0048】
ステップS201において、第2の作業機械1bの少なくとも一部が、第3掘削壁のエリア65内に位置していないときには、処理はステップS203に進む。
【0049】
ステップS203では、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aが、第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53内に位置するかを判定する。図9に示すように、第1の作業機械1aが、第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53内に位置するときには、処理はステップS204に進む。
【0050】
ステップS204では、リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bに対して、干渉回避動作を指示する。例えば、リモートコントローラ2は、第3掘削壁のエリア65を、第2の作業機械1bに対する進入禁止エリアC2として決定する。そして、リモートコントローラ2は、進入禁止エリアC2に入らないように第2の作業機械1bを待機させる。
【0051】
以上説明した本実施形態に係る作業機械の制御システム100では、第2の作業機械1bが第3掘削壁のエリア65内に位置しているときには、第1の作業機械1aが干渉回避動作を行うように、第1の作業機械1aが制御される。第2の作業機械1bが第3掘削壁のエリア65内に入るよりも先に、第1の作業機械1aが、第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53内に位置するときには、第2の作業機械1bが干渉回避動作を行うように、第2の作業機械1bが制御される。それにより、自動運転中に複数の作業機械1a,1bが互いに干渉することを回避することができる。
【0052】
図10は、第2実施形態に係る作業エリア50A,50Bの一例を示すワークサイトの上面図である。図10に示す例では、第1作業方向D1と第2作業方向D2とは、互いに異なっている。第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53の一部と、第1作業エリア50Aに最も近い第2作業レーン54の一部とが、互いに重なっている。第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53は、第1作業エリア50Aに最も近い第2作業レーン54と交差している。図11は、第1作業レーン53と第2作業レーン54とが重なっている場合の干渉回避動作の処理を示すフローチャートである。
【0053】
図11に示すように、ステップ301では、リモートコントローラ2は、第1判定領域A1と第2判定領域A2とを決定する。図12に示すように、第1判定領域A1は、第1作業レーン53において、第1作業レーン53と第2作業レーン54との重畳位置B1から前方の領域を含む。第1判定領域A1は、第2作業レーン54との重畳部Lを含む第1作業レーン53の少なくとも一部を含む。重畳部Lは、第1作業レーン53のうち第2作業レーン54と重ならない部分に対して横方向に位置する。第2判定領域A2は、第2作業レーン54において、第1作業レーン53と第2作業レーン54との重畳位置B1から前方の領域を含む。第2判定領域A2は、第1作業レーン53との重畳部Lを含む第2作業レーン54の少なくとも一部を含む。重畳部Lは、第2作業レーン54のうち第1作業レーン53と重ならない部分に対して横方向に位置する。
【0054】
なお、図13に示すように、リモートコントローラ2は、第1作業レーン53において、重畳位置B1から所定距離、後退した位置から前方の領域を、第1判定領域A1として決定してもよい。リモートコントローラ2は、第2作業レーン54において、重畳位置B1から所定距離、後退した位置から前方の領域を、第2判定領域A2として決定してもよい。
【0055】
ステップS302では、リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bが第2判定領域A2内に位置しているかを判定する。第2の作業機械1bが第2判定領域A2内に位置しているときには、処理はステップS303に進む。
【0056】
ステップS303では、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aに対して、干渉回避動作を指示する。例えば、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aが第1判定領域A1に入らないように、第1の作業機械1aを待機させる。
【0057】
ステップS302において、第2の作業機械1bが第2判定領域A2内に位置していないときには、処理はステップS304に進む。ステップS304では、リモートコントローラ2は、第1の作業機械1aが第1判定領域A1内に位置しているかを判定する。第1の作業機械1aが第1判定領域A1内に位置しているときには、処理はステップS305に進む。ステップS305では、リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bに対して、干渉回避動作を指示する。例えば、リモートコントローラ2は、第2の作業機械1bが第2判定領域A2に入らないように、第2の作業機械1bを待機させる。
【0058】
図14は、第3実施形態に係る作業エリア50A,50Bの一例を示すワークサイトの上面図である。図14に示す例では、第1作業方向D1と第2作業方向D2とは、同じである。第2作業エリア50Bに最も近い第1作業レーン53の一部と、第1作業エリア50Aに最も近い第2作業レーン54の一部とが、互いに重なっている。
【0059】
図15に示すように、第2の作業機械1bの少なくとも一部が第1作業レーン53内に位置しているときには、リモートコントローラ2は、第1作業レーン53と、第1作業レーン53に隣接する第1掘削壁のエリア62とを、進入禁止エリアC1として決定する。リモートコントローラ2は、進入禁止エリアC1に進入しないように、第1の作業機械1aを制御する。
【0060】
図16に示すように、第1の作業機械1aの少なくとも一部が第2作業レーン54内に位置しているときには、リモートコントローラ2は、第2作業レーン54と、第2作業レーン54に隣接する第2掘削壁のエリア63とを、進入禁止エリアC2として決定する。リモートコントローラ2は、進入禁止エリアC2に進入しないように、第2の作業機械1bを制御する。
【0061】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
作業機械1a,1bは、ブルドーザに限らず、ホイールローダ、モータグレーダ等の他の車両であってもよい。作業機械1a,1bは、電動モータで駆動される車両であってもよい。
【0063】
リモートコントローラは、互いに別体の複数のコントローラを有してもよい。リモートコントローラによる処理は、複数のコントローラに分散して実行されてもよい。機械コントローラは、互いに別体の複数のコントローラを有してもよい。機械コントローラによる処理は、複数のコントローラに分散して実行されてもよい。上述した処理は、複数のプロセッサに分散して実行されてもよい。
【0064】
自動運転の処理、及び、干渉回避動作のための処理は、上述した実施形態のものに限らず、変更、省略、或いは追加されてもよい。自動運転の処理、及び、干渉回避動作のための処理の実行順序は、上述した実施形態のものに限らず、変更されてもよい。機械コントローラによる処理の一部は、リモートコントローラによって実行されてもよい。リモートコントローラによる処理の一部は、機械コントローラによって実行されてもよい。
【0065】
作業機械1a,1bが自立的に干渉回避動作を行ってもよい。例えば、ステップS201及びステップS202の処理は、第1の作業機械1aの機械コントローラ26aによって実行されてもよい。ステップS203及びステップS204の処理は、第2の作業機械1bの機械コントローラによって実行されてもよい。ステップS302及びステップS303の処理は、第1の作業機械1aの機械コントローラ26aによって実行されてもよい。ステップS304及びステップS305の処理は、第2の作業機械1bの機械コントローラによって実行されてもよい。第1の作業機械1aの機械コントローラ26aは、第2の作業機械1bの機械コントローラから第2位置データを直接的に受信してもよい。第2の作業機械1bの機械コントローラは、第1の作業機械1aの機械コントローラから第1位置データを直接的に受信してもよい。
【0066】
作業機械1a,1bの制御は、全自動であってもよく、あるいは半自動であってもよい。例えば、入力装置3は、作業機械1a,1bを操作するための操作レバー、ペダル、或いはスイッチ等の操作子を含んでもよい。リモートコントローラ2は、入力装置3の操作に応じて、作業機械1a,1bの前進、後進、或いは旋回などの走行を制御してもよい。リモートコントローラ2は、入力装置3の操作に応じて、作業機13の上昇及び下降などの動作を制御してもよい。
【0067】
干渉回避動作は、作業機械を待機させることに限らず、他の動作であってもよい。例えば、干渉回避動作は、作業機械を減速させることであってもよい。進入禁止エリアは、掘削壁のエリアを含まなくてもよい。各作業エリアにおいて、掘削壁のエリアは省略されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示によれば、自動運転中に複数の作業機械が互に干渉することを回避することができる。
【符号の説明】
【0069】
1a 第1の作業機械
1b 第2の作業機械
2a プロセッサ
50A 第1作業エリア
51-53 第1作業レーン
54-56 第2作業レーン
61,62 第1掘削壁のエリア
63,64 第2掘削壁のエリア
63 第3掘削壁のエリア
A1 第1判定領域
A2 第2判定領域
B1 重畳位置
D1 第1作業方向
D2 第2作業方向
L 重畳部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16