(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル用の光学補償方法及び光学補償装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20230627BHJP
G09G 3/30 20060101ALI20230627BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20230627BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230627BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20230627BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G09G3/20 641P
G09G3/20 612U
G09G3/20 621E
G09G3/20 642A
G09G3/20 642E
G09G3/20 642J
G09G3/20 642P
G09G3/20 650M
G09G3/20 660Q
G09G3/20 670K
G09G3/20 670Q
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/20 691G
G09G3/30 K
G09G3/3233
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/02 B
G09G5/37 100
G09G5/37 320
(21)【出願番号】P 2019564145
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2018122378
(87)【国際公開番号】W WO2019165830
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】201810161083.0
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェン リシア
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ヂーグァン
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-098575(JP,A)
【文献】特開2005-031493(JP,A)
【文献】国際公開第2017/152457(WO,A1)
【文献】特表2019-514041(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110721(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106952627(CN,A)
【文献】特表2020-522726(JP,A)
【文献】国際公開第2012/026139(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160142(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0206859(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0196778(US,A1)
【文献】特開2015-231140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/30
G09G 3/3233
G09G 5/00
G09G 5/02
G09G 5/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体領域と、前記本体領域の周辺に位置するエッジ領域とを備えるディスプレイパネルための光学補償方法であって、
前記エッジ領域における補償すべき画素ブロックを選択することと、
前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることと、
前記本体領域は第1画素ブロックを含み、前記エッジ領域は補償すべき第2画素ブロックを含み、前記第1画素ブロックは、前記本体領域において前記第2画素ブロックに最も近い画素ブロックであり、
前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、
前記第1画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記第2画素ブロックの画素補償パラメータとすること、を含む、光学補償方法。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルに位置する画素ブロックは、行方向及び列方向に配列されており、前記本体領域内において少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、
前記第2画素ブロックと前記第1画素ブロックとの、行揃え又は列揃えを含む揃え方式を決定することと、
前記揃え方式によって、前記第2画素ブロックの画素補償パラメータを、前記第2画素ブロックと同一行又は同一列にある複数の補償すべき第3画素ブロックの画素補償パラメータとすることと、をさらに含む、請求項
1に記載の光学補償方法。
【請求項3】
前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることの前に、
前記エッジ領域には前記本体領域における前記第1画素ブロックに対して行揃え及び列揃えとなっていない補償すべき第4画素ブロックが存在するか否かを判断することと、
前記エッジ領域には前記第4画素ブロックが存在する場合、前記第4画素ブロックが位置する領域を前記エッジ領域のコーナー領域とすることと、をさらに含む、請求項
2に記載の光学補償方法。
【請求項4】
前記コーナー領域に最も近い前記第1画素ブロックの画素補償パラメータを該コーナー領域における前記第4画素ブロックの画素補償パラメータとし、同一の前記コーナー領域に位置する前記第4画素ブロックの画素補償パラメータは、いずれも同じである、請求項
3に記載の光学補償方法。
【請求項5】
ディスプレイパネルの前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得することは、
前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集することと、
前記画面データの色/輝度の分布に基づいて、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックとテスト画面における少なくとも1つの画素ブロックとの色/輝度の差を識別することと、
前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックとテスト画面における少なくとも1つの画素ブロックとの色/輝度の差によって、補償アルゴリズムで前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得することと、を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項6】
前記画素補償パラメータは、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックに基づいて算出されたオフセット及びゲインを含む、請求項
5に記載の光学補償方法。
【請求項7】
前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集することは、
カメラによる撮影により前記ディスプレイパネルが表示した画面データを取得することを含む、請求項
5又は
6に記載の光学補償方法。
【請求項8】
前記補償アルゴリズムは、光学補償アルゴリズムを含む、請求項
5~
7のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項9】
前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集したことの後、
前記画面データの色/輝度の分布に基づいて、前記ディスプレイパネルにおける画素ブロックとテスト画面における画素ブロックとの色/輝度の差を識別し、前記色/輝度の差の大きさによって前記ディスプレイパネルを前記エッジ領域と前記本体領域とに区画することを含み、
前記エッジ領域の前記色/輝度の差は、前記本体領域の前記色/輝度の差より大きい、請求項
5~
8のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項10】
前記ディスプレイパネルの本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータ及び前記エッジ領域における補償すべき画素ブロックの調整された画素補償パラメータを読み取ることと、
前記本体領域の画素補償パラメータ及び前記エッジ領域の調整された画素補償パラメータを前記ディスプレイパネルに入力して、前記ディスプレイパネルに用いられる表示操作を補償することと、をさらに含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項11】
前記ディスプレイパネルの本体領域及びエッジ領域を選択することは、
前記ディスプレイパネルの輝度のテスト結果を取得し、前記テスト結果に基づいて前記ディスプレイパネルを低輝度の前記エッジ領域と高輝度の前記本体領域とに区画し、又は 前記ディスプレイパネルを、少なくとも1つのエッジ領域と少なくとも1つの本体領域とを含む複数の領域に予め区画することを含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項12】
前記ディスプレイパネルは、前記本体領域に位置する平面部分及び前記エッジ領域に位置する曲面部分を有する曲面スクリーンを含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項13】
前記画素ブロックは、N*M個の画素を含み、Nが1~10の整数であり、Mが1~10の整数である、請求項1~
12のいずれか1項に記載の光学補償方法。
【請求項14】
光学補償装置であって、
プロセッサ、及び
前記プロセッサによりロードされて請求項1~
13のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用の光学補償方法を実行することに適したコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されるメモリを備える、光学補償装置。
【請求項15】
前記ディスプレイパネルが表示した画面を撮影し、前記画面を前記プロセッサに送信して、前記ディスプレイパネルの前記本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータを取得するように構成されるカメラをさらに備える、請求項
14に記載の光学補償装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年2月27日に提出した中国特許出願第201810161083.0号の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示されている全内容が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施例は、ディスプレイパネル用の光学補償方法及び光学補償装置に関する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)に比べて、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)表示装置は、高コントラスト、超軽量・薄型化、可撓性などの多数の利点を有するため、高性能表示への応用が進められている。従来、輝度均一性及び残像は、OLEDにとって2つの主な課題である。OLEDの輝度均一性及び残像に係る技術的問題を解決するために、プロセスを改善することの以外、補償技術も考えられる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ディスプレイパネル用の光学補償方法及び光学補償装置を提供する。
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ディスプレイパネル用の光学補償方法を提供し、前記ディスプレイパネルは、本体領域と、前記本体領域の周辺に位置するエッジ領域とを備え、前記光学補償方法は、前記エッジ領域における補償すべき画素ブロックを選択することと、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることと、を含む。
【0006】
たとえば、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、前記本体領域における補償すべき第2画素ブロックに最も近い第1画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記第2画素ブロックの画素補償パラメータとすることを含む。
【0007】
たとえば、前記ディスプレイパネルに位置する画素ブロックは、行方向及び列方向に配列されており、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、前記第2画素ブロックと第1画素ブロックとの、行揃え又は列揃えを含む揃え方式を決定することと、前記揃え方式によって、前記第2画素ブロックの画素補償パラメータを、前記第2画素ブロックと同一行又は同一列にある複数の補償すべき第3画素ブロックの画素補償パラメータとすることと、をさらに含む。
【0008】
たとえば、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、前記補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることの前に、前記エッジ領域内には前記本体領域における前記第1画素ブロックに対して行揃え及び列揃えとなっていない補償すべき第4画素ブロックが存在するか否かを判断することと、前記エッジ領域内には前記第4画素ブロックが存在する場合、前記第4画素ブロックが位置する領域を前記エッジ領域のコーナー領域とすることと、をさらに含む。
【0009】
たとえば、前記コーナー領域に最も近い前記第1画素ブロックの画素補償パラメータを、該コーナー領域における前記第4画素ブロックの画素補償パラメータとし、同一の前記コーナー領域に位置する前記第4画素ブロックの画素補償パラメータは、いずれも同じである。
【0010】
たとえば、ディスプレイパネルの前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得することは、前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集することと、前記画面データの色/輝度の分布に基づいて、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックとテスト画面における少なくとも1つの画素ブロックの色/輝度の差を識別することと、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックとテスト画面における少なくとも1つの画素ブロックとの色/輝度の差によって、補償アルゴリズムで前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得することと、を含む。
【0011】
たとえば、前記画素補償パラメータは、前記本体領域における少なくとも1つの画素ブロックに基づいて算出されるオフセット及びゲインを含む。
【0012】
たとえば、前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集することは、カメラによる撮影により前記ディスプレイパネルが表示した画面データを取得することを含む。
【0013】
たとえば、前記補償アルゴリズムは、光学補償アルゴリズムを含む。
【0014】
たとえば、前記ディスプレイパネルが表示した画面データを収集したことの後、前記画面データの色/輝度の分布に基づいて、前記ディスプレイパネルにおける画素ブロックとテスト画面における画素ブロックの色/輝度の差を識別し、前記色/輝度の差の大きさによって前記ディスプレイパネルを前記エッジ領域と前記本体領域とに区画することを含み、前記エッジ領域の前記色/輝度の差は、前記本体領域の前記色/輝度の差より大きい。
【0015】
たとえば、光学補償方法は、前記ディスプレイパネルの本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータ及び前記エッジ領域における補償すべき画素ブロックの調整された画素補償パラメータを読み取ることと、前記本体領域の画素補償パラメータ及び前記エッジ領域の調整された画素補償パラメータを前記ディスプレイパネルに入力して、前記ディスプレイパネルに用いられる表示操作を補償することと、をさらに含む。
【0016】
たとえば、前記ディスプレイパネルの本体領域及びエッジ領域を選択することは、前記ディスプレイパネルの輝度のテスト結果を取得し、前記テスト結果に基づいて前記ディスプレイパネルを低輝度の前記エッジ領域と高輝度の前記本体領域とに区画し、又は、前記ディスプレイパネルを、少なくとも1つのエッジ領域と少なくとも1つの本体領域とを含む複数の領域に予め区画することを含む。
【0017】
たとえば、前記ディスプレイパネルは、前記本体領域に位置する平面部分及び前記エッジ領域に位置する曲面部分を有する曲面スクリーンを含む。
【0018】
たとえば、前記画素ブロックは、N*M個の画素を含み、Nが1-10の整数であり、Mが1-10の整数である。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施例は、プロセッサ、及び、前記プロセッサによりロードされて上記ディスプレイパネル用の光学補償方法を実行することに適したコンピュータプログラム命令を記憶するように構成されるメモリを備える光学補償装置を提供する。
【0020】
たとえば、光学補償装置は、前記ディスプレイパネルが表示した画面を撮影し、前記画面を前記プロセッサに送信して、前記ディスプレイパネルの前記本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータを取得するように構成されるカメラをさらに備える。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、本開示の実施形態の技術案をさらに明確にするように、実施形態の図面を簡単に説明する。なお、下記の実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、本開示を制限するものではない。
【
図1】本開示の実施例によるOLED画素回路の模式図である。
【
図2】本開示の実施例による外部光学補償システムの模式図である。
【
図3A】本開示の実施例による光学補償装置の模式図である。
【
図3B】本開示の実施例による光学補償装置の模式図である。
【
図4】本開示の実施例によるディスプレイパネル用の光学補償方法の模式的なフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例によるディスプレイパネルが区画される複数の領域の模式図である。
【
図6】本開示の実施例によるディスプレイパネルにおける画素ブロックの模式図である。
【
図7】本開示の実施例によるディスプレイパネルにおける画素ブロックの模式図である。
【
図8A】本開示の一実施例においてコーナー領域を判断する論理図である。
【
図8B】本開示の実施例によるディスプレイパネルにおける画素ブロックの模式図である。
【
図9A】本開示の一実施例によるディスプレイパネルの平面構造模式図である。
【
図9B】
図9Aに示したディスプレイパネルの断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者が本開示の技術案をよく理解できるように、以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例に記載の技術案を明瞭で且つ完全に説明するが、明らかなように、説明された実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本開示の特許範囲に属する。
【0024】
なお、本開示の明細書、請求項及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順番又は順番の前後を示すためのものではない。このような数字は、ここで説明される本開示の実施例がここで図示又は説明する以外の順番で実施できるように、適宜交換されて使用されてもよいことは、理解されるべきである。また、「含む」、「有する」の用語やこれらの任意の変形は、排他的に含むことではないと意図し、たとえば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は装置は、挙げられているステップ又はユニットに制限されることではない、明記されていない又はこれらプロセス、方法、製品又は装置に固有のほかのステップ又はユニットを含んでもよい。
【0025】
一般に、電界発光ディスプレイパネルは、アクティブマトリックス発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネル、アクティブマトリックス量子ドット発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネル、パッシブマトリクス有機発光ダイオード(PMOLED)ディスプレイパネル及びパッシブマトリクス量子ドット発光ダイオード(PMQLED)ディスプレイパネルを含む。電界発光ディスプレイパネルは、さまざまな分野に幅広く適用できる。電界発光ディスプレイパネルは、たとえば、ビジネスの分野で、POS機器、ATM機、コピー機やゲーム機などに適用でき、通信分野で、携帯電話、移動ネットワーク端末などに適用でき、コンピュータ分野で、PDA(Personal Digital Assistant、パームトップパソコン)、ビジネス用PC(personal computer、パソコン)や家庭用PC、ノートパソコンなどに適用でき、一般消費者に向ける電子製品分野で、音響機器、デジタルカメラ、携帯式DVD(Digital Video Disc、高密度デジタルビデオディスク)などに適用でき、工業的用途の分野で、計器やメータなどに適用でき、交通分野で、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)、飛行機計器などに適用できる。
【0026】
たとえば、AMOLED用の一般的なOLED画素回路は、
図1に示すように、2つの薄膜トランジスタ101及び1つのコンデンサを備え、この画素回路は、2T1C画素回路と呼ばれてもよい。中小型OLEDディスプレイパネルでは、移動率が高く、占める面積が小さくて、高PPI(Pixels Per Inch、1インチあたりの画素数)により適用されている低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ(LTP-Si TFT)が使用される場合が多く、大型OLEDディスプレイパネルでは、均一性に優れ、プロセスが一般的なアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFT)と互換性を有し、生産ラインを用いた生産により適用されている酸化物薄膜トランジスタが使用される場合が多い。
【0027】
中小型ディスプレイパネルに使用されているOLED画素回路では、TFTを形成する多結晶シリコン活性層の結晶化プロセスには制限があるため、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタは、位置によって、電気的パラメータ、たとえば閾値電圧、移動率などにムラがある場合が多くて、OLEDディスプレイパネルの電流の差及び輝度の差が生じて、人の目により視認される(すなわち、mura現象)。大型ディスプレイパネルに使用されているOLED画素回路では、酸化物薄膜トランジスタのプロセスには均一性が良好であるものの、長期間の加圧及び高温に晒されると、酸化物薄膜トランジスタの閾値電圧にドリフトが発生する。表示画面が異なると、パネルの各部分でのTFTの閾値のドリフト量が異なり、その結果、表示輝度の差が生じる。このような差が前に表示された画像に繋がるため、一般的に残影の現象、すなわち、いわゆる残像として見られる。
【0028】
現在の製造プロセスによれば、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタにも酸化物薄膜トランジスタにも、均一性又は安定性の問題が存在し、且つOLED自体の輝度も点灯時間の増加に伴って劣化する。このような問題はプロセスにより完全に解決させることが困難であるため、さまざまな補償技術が必要である。
【0029】
従来、OLEDディスプレイパネルに生じた輝度ムラ及び残像の技術的問題は、内部補償技術又は外部補償技術によって解決できる。この内部補償技術とは、画素の内部でTFTから構成される補償子回路によって補償する方法である。この外部補償技術とは、外部の駆動回路又は機器によって画素の電気的又は光学特性を検知した後、補償を行う方法である。
【0030】
本願の発明者らは、研究したところ、外部の駆動回路又は機器によって画素の光学特性を検知して補償を行う電界発光ディスプレイパネル用の光学補償方法を見出した。たとえば、該光学補償方法では、カメラで電界発光ディスプレイパネルを撮影し、撮影した画像からこの電界発光ディスプレイパネルにおける各画素の光学特性を取得して、カメラにより検知された電界発光ディスプレイスクリーンにおける各画素の光学特性に基づいて光学補償を行う。しかし、この光学補償方法によれば、電界発光ディスプレイパネルの構造が平坦ではない場合、たとえばディスプレイパネルが曲面ディスプレイパネルである場合、光学補償された曲面ディスプレイパネルには、エッジの輝度がエッジ以外のものより高いという現象が生じる。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施例は、光学補償された上記電界発光ディスプレイパネルにおいてエッジ部分の輝度がエッジ以外の部分のものより高いという問題を解決できる光学補償システムを提供する。この光学補償システムは、
図2に示されている。なお、
図2に示したハードウェア環境及び構造は、例示的なものに過ぎず、制限するためではなく、必要に応じて、ハードウェア環境は、ほかのユニット及び構造を備えてもよく、たとえば画像処理インテグレータなどをさらに備えてもよい。
【0032】
たとえば、この光学補償システムは、
図2に示した外部光学補償システムの模式図のように、ディスプレイパネル201及び光学補償装置202を備える。この光学補償装置202は、互いに有線又は無線方式で信号接続されるカメラ2021、データ処理ユニット2022及び制御ユニット2023を備える。
【0033】
本開示の実施例では、AMOLEDディスプレイパネルを例にして説明する。AMOLEDディスプレイパネルは、画素配列のほか、データ復号回路、タイミングコントローラ(Tcon)、グリッド駆動回路、データ駆動回路、記憶装置(たとえばフラッシュメモリなど)などを備え得る。データ復号回路は、表示の入力信号を受信して復号することで表示のデータ信号を得る。タイミングコントローラは、タイミング信号を出力してグリッド駆動回路、データ駆動回路などが同期して作動するように制御し、且つ、表示のデータ信号に対してガンマ処理を行い、処理された表示のデータ信号をデータ駆動回路に入力して表示操作を実行させることができる。たとえば、タイミングコントローラは、表示のデータ信号に対してガンマ処理を行うすると共に補償処理を行うことができ、たとえば、記憶装置から予め格納された画素補償パラメータを読み出し、この画素補償パラメータに基づいて表示のデータ信号をさらに処理して補償された表示のデータ信号を得て、ガンマ処理及び補償処理が終了した後に、表示のデータ信号をデータ駆動回路に出力して表示操作を実行させる。若しくは、ディスプレイパネルは、タイミングコントローラの制御により表示のデータ信号に対してガンマ処理及び補償処理などを行うようなガンマ処理回路を独立して備えてもよい。
【0034】
一実施例では、光学補償装置202は、
図3Aに示すように、プロセッサ301及びメモリ302を備える。メモリ302は、プロセッサ301によりロードされてディスプレイパネル用の光学補償方法を実行させ(後述する)、
図2における各機能モジュール(たとえば、データ処理ユニット2022及び制御ユニット2023)の機能を実現することに適したコンピュータプログラム命令を記憶するように構成される。プロセッサ301は、適用てきるさまざまなプロセッサ、たとえば中央プロセッサ、マイクロプロセッサ、組み込みプロセッサなどの形態によって実現可能であり、X86、ARMなどの構造を使用できる。メモリ302は、適用できるさまざまな記憶装置、たとえば磁気記憶装置、半導体記憶装置、光記憶装置などを含むがこれらに制限されていない不揮発性記憶装置であってもよく、また、単一の記憶装置、記憶装置アレイ又は分散型記憶装置として配置してもよく、本開示の実施例ではそれについて制限しない。
【0035】
たとえば、一実施例では、光学補償装置202は、
図3Bに示すように、プロセッサ301、メモリ302及びカメラ303を備える。ここで、プロセッサ301及びメモリ302は、
図3Aに示したプロセッサ301及びメモリ302の構造及び機能と同じであり、説明は省略する。カメラ303は、ディスプレイパネルが表示した画面を撮影し、撮影した画面をプロセッサに送信してディスプレイパネルにおける複数の画素の表示パラメータを取得するように構成される。
【0036】
たとえば、
図2に示すように、光学補償装置202のデータ処理ユニット2022は、テスト画像を制御ユニット2023に送信し、制御ユニット2023は、このテスト画像を画素補償パラメータを取得するように処理して、取得された画素補償パラメータをディスプレイパネル201の記憶装置に入力し、格納させる。これにより、ディスプレイパネルが作動するときにディスプレイパネル201を駆動して画像を表示させる。上記のように制御ユニットが画素補償パラメータを取得することは、ディスプレイパネルにおけるすべての画素の画素補償パラメータを取得して、後続するディスプレイパネルが画像を表示するときに読み取りできるように記憶装置に格納させることを含む。又は、制御ユニットは、ディスプレイパネルの輝度のムラをリアルタイムに補償することのため、ディスプレイパネルにおける一部の画素の画素補償パラメータを取得する。カメラ2021は、所定のグレースケールでのテストされるディスプレイパネル201における各画素の輝度の情報を撮影により取得する。データ処理ユニット2022は、処理して各画素の実測輝度とグレースケールとの応答曲線を取得し、理想な輝度とグレースケールとの応答曲線に基づいてグレースケールを調整することにより輝度を変える方法、たとえば多項式で補償後のグレースケールと入力のグレースケールとに対して曲線フィッティングを行う方法によって、補償用の多項式係数を得て、この補償用の多項式係数を制御ユニット2023の制御によりディスプレイパネル201の記憶装置に書き込む。ディスプレイパネル201が正常に動作するとき、ディスプレイパネル201における制御ユニット(たとえばタイミングコントローラ)は、前記記憶装置から画素補償用の多項式係数を読み取って、処理することで画素のそれぞれに対してグレースケールごとの補正後のグレースケールを得るため、各画素の輝度均一性をリアルタイムに補償して、ディスプレイパネル201の輝度均一性を改善することができる。同様に、OLEDディスプレイパネルにおける各画素の色を補償して均一させることもできる。
【0037】
以下、輝度に対して補償することを例にして説明するが、本開示の実施例は、それに制限されない。
【0038】
なお、カメラ2021は、CCD(電荷結合デバイス)カメラやCMOS(相補型金属酸化物半導体)カメラを含むが、これらに制限されない。ここでのカメラ2021は、たとえば高解像度・高精度のCCDカメラである。
【0039】
しかしながら、上記光学補償方法には、特にディスプレイパネル201の構造が平坦ではない場合、カメラ2021で画素ごとの正確な輝度を取得することが困難である。たとえば、ディスプレイパネル201は、より狭い額縁が実現できる2つの側辺又は4つの側辺が円弧状を有する曲面ディスプレイパネルであってもよい。この曲面ディスプレイパネル201をテストするときに、カメラ2021がディスプレイパネル201における曲面を有するエッジ部分での画素の正確な輝度を正確に取得できないため、曲面を有するエッジ部分の画素において、撮影により得られた輝度値がディスプレイパネル201での該部分の実際輝度値より小さく、その結果、光学補償されたディスプレイパネル201には、エッジ部分の輝度がエッジ以外の部分のものより高いという現象が生じる。
【0040】
本開示の少なくとも1つの実施例は、
図4に示すようなディスプレイパネル用の光学補償方法のフローチャートを提供した。たとえば、この方法は、上記のように光学補償された曲面ディスプレイパネルに発生した、ディスプレイパネルのエッジの輝度がエッジ以外のものより高いという問題を少なくとも解決できるように、光学補償装置202に適用し、プロセッサ301によりロードされて実行されてもよい。なお、図面のフローチャートに示されるステップは、たとえば、1組のコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータシステムにおいて実行でき、且つ、フローチャートには論理的順番が示されているが、場合によって、これと異なる順番に従って示される又は説明されるステップを実行してもよい。
図4に示すように、この方法は、
エッジ領域における補償すべき画素ブロックを選択するステップS401と、
本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して、補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとするステップS402と、を含み得る。
【0041】
上記画素ブロックは、少なくとも1つの画素を含み、すなわち、画素ブロックは、N*M個の画素を含み、Nが1~10の整数であり、Mが1~10の整数である。
【0042】
図5に示すように、ディスプレイパネルにおける画素ブロックPは、行方向及び列方向に配列される。
【0043】
たとえば、ディスプレイパネルの複数の画素ブロックの画素補償パラメータを取得するステップは、OLEDディスプレイパネルは光学補償装置の制御ユニットから送信されたテスト画像(たとえば、均一なグレースケール画像)を受信し、該OLEDディスプレイパネルが該テスト画像の画面を表示しているときにカメラで該OLEDディスプレイパネルが表示した画面を撮影し、撮影された表示画面の画像をデータ処理ユニットに送信し、処理及び分析をして、ディスプレイパネルの対応する画素の表示パラメータ(たとえば色/輝度など)を取得することにより、ディスプレイパネルの画素ブロックのそれぞれの画素補償パラメータを取得することを含み得る。
【0044】
たとえば、ディスプレイパネルが表示したテスト画像の画面データを収集し、画面データの色/輝度の分布に基づいて、ディスプレイパネルの各画素ブロックとターゲットテスト画面の各画素ブロックとの色/輝度の差を識別し、ディスプレイパネルの各画素ブロックとターゲットテスト画面の各画素ブロックとの色/輝度の差の大きさによってディスプレイパネルを本体領域とエッジ領域とに区画し、エッジ領域の色/輝度の差が本体領域の色/輝度の差より大きい。次に、本体領域の画素ブロックとターゲットテスト画面の画素ブロックとの色/輝度の差に基づいて、補償アルゴリズムで本体領域の画素ブロックの画素補償パラメータを取得する。
【0045】
図2における光学補償装置202を参照しながら、光学補償を行う。たとえば、高解像度・高精度のCCDカメラ2021でディスプレイパネル201が表示したテスト画像の画面データを収集して、CCDカメラ2021は画面データを撮影した後に撮影された画面データをデータ処理ユニット2022に送信する。データ処理ユニット2022は、収集された画面データに基づいて、ディスプレイパネルの各画素ブロックの色/輝度の分布の特徴を分析し、関連アルゴリズムによりディスプレイパネルの各画素ブロックとターゲットテスト画面の各画素ブロックとの色/輝度の差(すなわちmura)を識別し、該関連方法は、光学測定法を含むが、それに制限されない。次に、ディスプレイパネルの各画素ブロックのmuraデータ及び対応する光学補償アルゴリズムに基づいて、ディスプレイパネルの各画素ブロックの画素補償パラメータ、すなわちオフセット(offset)及びゲイン(gain)を算出する。該光学補償アルゴリズムは、Demura補償アルゴリズムを含むが、それに制限されない。
【0046】
エッジ領域における補償すべき画素ブロックを選択した後、光学補償装置202により取得された本体領域の画素ブロックの画素補償パラメータを該補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとする。
【0047】
本実施例は、それに制限されず、本体領域の画素の画素補償パラメータを取得すると同時に、エッジ領域の補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータも取得し、次に補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータを本体領域の画素の画素補償パラメータと一致するように調整する。
【0048】
図5に示した例では、ディスプレイパネル201は、エッジ領域501、エッジ領域502、エッジ領域503、エッジ領域504、エッジ領域505、エッジ領域506、エッジ領域507、エッジ領域508、及び複数のエッジ領域内に位置する本体領域509を備える。
【0049】
ここで、ディスプレイパネルのエッジ領域を選択することは、下記2種の方式で実現されることができる。
【0050】
方式1:ディスプレイパネルが表示した画面データの輝度テスト結果を取得し、この輝度テスト結果に基づいてディスプレイパネルを低輝度のエッジ領域と高輝度の本体領域とに区画して、区画されたエッジ領域と本体領域とに基づいてディスプレイパネルのエッジ領域を選択する。
【0051】
方式2:ディスプレイパネルを
図5に示すように少なくとも1つのエッジ領域と少なくとも1つの本体領域とを含む複数の領域に予め区画し、これに基づいてディスプレイパネルのエッジ領域を直接選択する。
【0052】
たとえば、側辺から内部へのn行又はm列の画素をエッジ領域として選択し、ただし、n及びmは、1より大きい整数、たとえば5~15であるが、この値は、経験に応じて選択し又はディスプレイパネルの設計パラメータに応じて選択できる。
【0053】
エッジ領域の補償すべき画素ブロックを選択した後、取得した本体領域の複数の画素ブロックの画素補償パラメータから、本体領域のうち前記補償すべき画素ブロックに最も近い画素ブロックの画素補償パラメータを抽出して、補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとする。
【0054】
上記方式によれば、曲面ディスプレイパネル(すなわち可撓性スクリーン)のエッジ領域の補償パラメータを独立して制御することで、光学補償された曲面ディスプレイパネルには、曲面ディスプレイパネルのエッジ領域の輝度と本体領域の輝度を均一化させ、且つ残像をさらに低減できる。
【0055】
また、本開示の一実施例では、本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、本体領域のうち、補償すべき第2画素ブロックに最も近い第1画素ブロックの画素補償パラメータを取得して第2画素ブロックの画素補償パラメータとすることを含む。
【0056】
たとえば、
図6に示すように、本体領域509は、画素ブロックP2及び画素ブロックP4を含み、すなわち、第1画素ブロックであり、エッジ領域502は、画素ブロックP1を含み、エッジ領域508は、画素ブロックP3を含み、すなわち、第2画素ブロックである。画素ブロックP1と画素ブロックP2とは、列方向(すなわち
図6に示したY方向)において隣接し、画素ブロックP3と画素ブロックP4とは、行方向(すなわち
図6に示したX方向)において隣接する。本開示の実施例では、既に取得された本体領域509の画素ブロックP2及び画素ブロックP4の画素補償パラメータを取得でき、さらに、エッジ領域502の画素ブロックP1の画素補償パラメータとそれに隣接する本体領域509の画素ブロックP2の画素補償パラメータとが一致し、エッジ領域508の画素ブロックP3の画素補償パラメータとそれに隣接する本体領域509の画素ブロックP4の画素補償パラメータとが一致するように、画素ブロックP2の画素補償パラメータをエッジ領域502の画素ブロックP1の画素補償パラメータとし、画素ブロックP4の画素補償パラメータをエッジ領域508の画素ブロックP3の画素補償パラメータとすることができる。ここで画素パラメータが一致することは、エッジ領域に隣接する本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータに等しいようにエッジ領域における画素ブロックの画素補償パラメータを調整し、つまり、それらのオフセット及びゲインはいずれも等しいことを意味する。
【0057】
別の例では、本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることは、第2画素ブロックと第1画素ブロックとの、行揃え又は列揃えを含む揃え方式を決定することと、揃え方式によって、第2画素ブロックの画素補償パラメータを、第2画素ブロックと同一行又は同一列にある複数の補償すべき第3画素ブロックの画素補償パラメータとすることと、をさらに含む。
【0058】
たとえば、
図7に示すように、画素ブロックP1とそれに隣接する画素ブロックP2は、列において揃え(すなわち、列方向であるY方向にいて互いに揃えている)、画素ブロックP3とそれに隣接する画素ブロックP4は、行において揃えている(すなわち、行方向であるX方向において互いに揃えている)。エッジ領域502の画素ブロックP5(第3画素ブロック)は、画素ブロックP1と同一列にある場合、画素ブロックP1の画素補償パラメータを画素ブロックP5の画素補償パラメータとすることにより、画素ブロックP5の画素補償パラメータと画素ブロックP2の画素補償パラメータとが一致する。エッジ領域508の画素ブロックP6(第3画素ブロック)は、画素ブロックP3と同一行にある場合、画素ブロックP3の画素補償パラメータを画素ブロックP6の画素補償パラメータとすることにより、画素ブロックP6の画素補償パラメータと画素ブロックP4の画素補償パラメータとが一致する。
【0059】
図8Aは、本開示の一実施例においてコーナー領域を判断する論理図である。
図8Aに示すように、本体領域における少なくとも1つの画素ブロックの画素補償パラメータを取得して補償すべき画素ブロックの画素補償パラメータとすることの前に、
エッジ領域には本体領域の第1画素ブロックに対して行揃え及び列揃えとなっていない補償すべき第4画素ブロックが存在するか否かを判断するステップS411と、
エッジ領域には第4画素ブロックが存在する場合、第4画素ブロックが位置する領域をエッジ領域のコーナー領域とするステップS412と、をさらに含む。
【0060】
たとえば、上記エッジ領域は、エッジ領域501、エッジ領域503、エッジ領域505及びエッジ領域507を含み、同一のコーナー領域(上記4個のコーナー領域のうちの1つ)にある第4画素ブロックの画素補償パラメータは、いずれも等しく、且つこのコーナー領域に最も近い第1画素ブロックの画素補償パラメータに等しい。
【0061】
たとえば、第4画素ブロックに重み付けをしてもよく、重み付けに基づいてエッジ領域における第4画素ブロックの補償パラメータを調整する。
【0062】
たとえば、エッジ領域における第4画素ブロックに重み付けをすることは、第4画素ブロックからの距離が最も小さいである行揃え又は列揃えの(第2画素ブロック)第3画素ブロックに対して、第4画素ブロックのそれぞれについて重み付けの座標系を作成することと、重み付けの座標系に基づいて、エッジ領域における第4画素ブロックに重み付けをすることとを含む。
【0063】
なお、第4画素ブロックは、複数のコーナー領域内、たとえばエッジ領域501、エッジ領域503、エッジ領域505及びエッジ領域507に位置してもよい。つまり、エッジ領域501、エッジ領域503、エッジ領域505及びエッジ領域507におけるすべての画素ブロックは、いずれも本体領域509の画素ブロックと行方向及び列方向に揃えていない。
【0064】
たとえば、コーナー領域503において
図8Bに示した重み付けの座標系を作成し、対応した重み付けの座標系に基づいて第4画素ブロックのそれぞれに重み付けをし、次に第4画素ブロックの画素補償パラメータを調整する。
【0065】
たとえば、
図8Bに示すように、エッジ領域に位置する第2画素ブロックP11と本体領域に位置する第1画素ブロックP8がY方向において揃えているため、第1画素ブロックP8の画素補償パラメータを第2画素ブロックP11の画素補償パラメータとする。同様に、第1画素ブロックP8の画素補償パラメータを第2画素ブロックP10の画素補償パラメータとする。エッジ領域に位置する第3画素ブロックP12と第2画素ブロックP11がY方向において揃えているため、第3画素ブロックP12の画素補償パラメータを第2画素ブロックP11の画素補償パラメータに等しく調整し、すなわち、第2画素ブロックP11の画素補償パラメータを第3画素ブロックP12の画素補償パラメータとする。同様に、第3画素ブロックP9の画素補償パラメータを第2画素ブロックP10の画素補償パラメータに等しく調整する。それによって、第2画素ブロックP11、第2画素ブロックP10、第3画素ブロックP12及び第3画素ブロックP9の画素補償パラメータは、いずれも第1画素ブロックP8の画素補償パラメータに等しい。
【0066】
たとえば、
図8Bに示すように、仮に第3画素ブロックP12の調整後の画素補償パラメータ:offset/gain値がそれぞれ、24/20であり、画素P9の調整後の画素補償パラメータ:offset/gain値がそれぞれ24/20であると想定する。
図8Bに示した重み付けの座標系が得られ、ただし、この重み付けの座標系の座標軸に対応する重み付けが順に規則的に変化している。たとえば、第4画素ブロックP13の位置に基づいて第4画素ブロックP13の位置座標を取得し、この位置座標は、それに割り当てられる重み付けに対応する。たとえば、第4画素ブロックP13が、列においてそれと揃えている第3画素ブロックP19からは2つの画素ブロックだけの距離を有し、行においてそれと揃えている第3画素ブロックP12からは4つの画素ブロックだけの距離を有すると、行方向に割り当てられる重み付けは4であり、列方向に割り当てられる重み付けは2である。従って、第4画素ブロックP13に割り当てられた重み付けが(u、v)=(4、2)であり、それによって、この第4画素ブロックP13のoffset/gain値は、それぞれOffset=[(24×4)+(24×2)]/(2+4)=24、Gain=[(20×4)+(20×2)]/(2+4)=20である。従って、第4画素ブロックP13の調整された画素補償パラメータ:offset/gain値は、それぞれ24/20である。この画素補償パラメータが第3画素ブロックP9(P12)の画素補償パラメータに等しいため、第4画素ブロックP13の画素補償パラメータは、第1画素ブロックP8の画素補償パラメータに等しい。同様に、ほかのコーナー領域501、505及び507についても、同じ結論が得られ得る。
【0067】
たとえば、エッジ領域の画素補償パラメータを調整した後に、ディスプレイパネルの本体領域における画素ブロックの画素補償パラメータ及びエッジ領域における補償すべき画素ブロックの調整された画素補償パラメータを読み取ることと、本体領域の画素補償パラメータ及びエッジ領域の調整された画素補償パラメータをディスプレイパネルに入力してディスプレイパネルに用いられる表示操作を補償することと、をさらに含む。すなわち、取得された本体領域の画素補償パラメータ及びエッジ領域の調整された画素補償パラメータをディスプレイパネルの記憶装置に格納してディスプレイパネルが表示操作を行うときに読み取れることができ、表示操作に使用しようとする表示データを補償し、補償された表示データが表示操作に用いられる。
【0068】
たとえば、ディスプレイパネルの画素ブロックのそれぞれのoffset及びgain値を取得してから光学補償装置の制御ユニットにより計算し、Demura補償アルゴリズム、たとえばq=as+bにより光学補償計算を行い、ここで、qは、光学補償出力であり、sは、入力であり、aは、gainの値であり、bは、offsetの値である。
【0069】
なお、画素補償パラメータは、オフセット(offset)移動率及びゲイン(gain)を含むが、これらに制限されない。
【0070】
たとえば、本開示の実施例におけるディスプレイパネルは、可撓性スクリーン(湾曲可能なディスプレイパネル、可撓性ディスプレイパネルとも呼ばれる)であり、たとえば、この可撓性スクリーンは、必要に応じて折り曲げ、折畳みが可能であり、さまざまな外形に変化できる。このディスプレイパネルは、プラスチック基板を用いて薄膜パッケージ技術によってディスプレイパネルの背面に保護膜を張り付けたものであってもよく、それにより、ディスプレイパネルが湾曲可能で壊れにくくなる。可撓性ディスプレイパネルは、極薄にしてプラスチック又は金属箔などの可撓性材に取り付けるようにしてもよい。
【0071】
たとえば、
図9Aは、本開示の実施例によるディスプレイパネルの平面構造模式図であり、
図9Bは、
図9Aに示したディスプレイパネルの断面構造模式図である。
図9A及び
図9Bに示すように、ディスプレイパネルは、本体領域に位置する平面部分500及びエッジ領域に位置する曲面部分600を有する曲面スクリーンを含む。つまり、平面部分500は、本体領域を覆い、曲面部分600は、エッジ領域を覆っている。前記曲面部分は、ディスプレイパネルの側辺に位置してもよく、その湾曲方向がディスプレイパネルのベース基板側に向いており、すなわち、曲面部分は、
図9Bに示したZ方向とは反対側の方向に沿って曲げられる。
【0072】
上記形態によれば、ディスプレイパネルの曲面スクリーンに含まれる曲面部分、すなわちエッジ領域の補償パラメータを個別に制御することができ、それにより、エッジ領域を光学補償したディスプレイパネル全体の輝度均一性を高め、且つ残像をさらに低減できる。
【0073】
なお、本開示は、上記システム、方法及び表示装置の実施例について、説明の便宜上、一連の動作又はモジュールの組み合わせとして説明したが、当業者にとって明らかなように、説明された動作の順番又はモジュールの接続に制限されていない。それは、本開示により、その一部のステップを別の順番で又は同時に行わせ、またその一部のモジュールを別の接続方式で接続させるようにしてもよいからである。
【0074】
また、明細書に説明された実施例は、当業者にとって明らかなように、いずれも実施例の1つに過ぎず、上記実施例の番号は、説明のためのものに過ぎず、関連した動作及びモジュールは、必ずしも本開示に必要なものではない。
【0075】
本開示の上記実施例では、各実施例には一部の内容を重点として説明したが、ある実施例に対して詳述しない部分は、ほかの実施例を参照すればよい。
【0076】
なお、本開示に記載のいくつかの実施例では、説明された技術の内容は、ほかの形態によっても実現できると理解できる。ここで、以上説明された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、たとえば、前記ユニットの区画は、ロジック機能に応じた区画であり、実際に実施するときには、ほかの区画方式としてもよく、たとえば、複数のユニット又は要素は、結合したり別のシステムに集積させたりすることができ、或いは、一部の特徴は、無視したり実行しなかったりすることができる。また、示されている又は検討されている相互結合、直接結合又は通信可能な接続は、インタフェース、ユニット又はモジュールによる間接的な結合、又は通信可能な接続であってもよく、電気的接続又はほかの形態であってもよい。
【0077】
前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離してもよく、物理的に分離しなくてもよく、ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよく、すなわち、1つの位置に設置されてもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。必要に応じてその一部又は全部のユニットによって本実施例の形態の目的を達成できる。
【0078】
また、本開示の各実施例における機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積させてもよく、個別に物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積させてもよい。上記集積ユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0079】
前記集積ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶できる。このような知見に基づいて、本開示の技術案は、本質的には、又は従来技術に貢献する部分又は当該技術案の全部又は一部がソフトウェア製品の形態で実現でき、このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されて、コンピュータ機器(パソコン、サーバ又はネットワーク機器など)に本開示の各実施例の前記方法のすべて又は一部のステップを実行させる複数の命令を含む。上記記憶媒体は、揮発性記憶媒体又は不揮発性記憶媒体、たとえば、Uディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、モバイルディスク、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0080】
以上は、本開示の好適実施形態に過ぎず、当業者であれば、本開示の原理から逸脱せずに、さまざまな改良や修飾を行うことができ、このような改良や修飾は、本開示の保護範囲とみなすべきである。