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特許7303128着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する装置の作動方法、及びデータ処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する装置の作動方法、及びデータ処理システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A61B5/16 120
A61B5/16 130
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019572360
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CA2018000133
(87)【国際公開番号】W WO2019000073
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】15/639,570
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519328615
【氏名又は名称】マイアント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MYANT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】エトマッド,エス.,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヴァイド,アブドゥル
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0245633(US,A1)
【文献】国際公開第2015/182077(WO,A1)
【文献】特開2005-058534(JP,A)
【文献】特開2016-106689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感知された生体データ及び記憶されたデータモデルを使用して着用者の状態を決定するために、着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する装置の作動方法であって、
前記装置が、
センサプラットフォームのセンサから複数の生体データを受信するステップと、
複数の生体データから複数のデータ特徴を決定するステップと、
複数のデータ特徴を、データモデルの特徴-影響ペアリングのセットと比較するステップと、
前記比較の結果、着用者の可能な状態のうちの1又は複数を選択して、着用者の状態を提供する着用者状態提供ステップと、
プレゼンテーション装置のユーザインターフェースを使用して、着用者にプレゼンテーションとして着用者の状態を報告するステップと、
ネットワーク装置の機能的動作を変更するように装置アプリケーションに指示するためのコマンドであって、前記比較の結果提供される着用者の状態に応答して生成されるコマンドを生成するステップと、を行うものであって、
特徴-影響ペアリングは着用者の可能な状態を表す効果を含み、
1又は複数の可能な着用者の状態は、着用者の1又は複数の可能な気分であり、
装置の衣類アプリケーションに登録された着用者アカウントには、着用者設定情報が含まれ、
着用者設定情報により、隣接する装置との装置の共登録に基づいて、着用者の環境を定義し、
前記着用者状態提供ステップは、更に、定義された着用者の環境に基づいて、着用者の状態を提供するステップである、装置の作動方法
【請求項2】
複数の感知された生体データ及び記憶されたデータモデルを使用して着用者の状態を決定するために、着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する装置の作動方法であって、
前記装置が、
センサプラットフォームのセンサから複数の生体データを受信するステップと、
複数の生体データから複数のデータ特徴を決定するステップと、
複数のデータ特徴を、データモデルの特徴-影響ペアリングのセットと比較するステップと、
前記比較の結果、着用者の可能な状態のうちの1又は複数を選択して、着用者の状態を提供する着用者状態提供ステップと、
プレゼンテーション装置のユーザインターフェースを使用して、着用者にプレゼンテーションとして着用者の状態を報告するステップと、
ネットワーク装置の機能的動作を変更するように装置アプリケーションに指示するためのコマンドであって、前記比較の結果提供される着用者の状態に応答して生成されるコマンドを生成するステップと、を行うものであって、
特徴-影響ペアリングは着用者の可能な状態を表す効果を含み、
1又は複数の可能な着用者の状態は、睡眠状態であり、
装置の衣類アプリケーションに登録された着用者アカウントには、着用者設定情報が含まれ、
着用者設定情報により、隣接する装置との装置の共登録に基づいて、着用者の環境を定義し、
前記着用者状態提供ステップは、更に、定義された着用者の環境に基づいて、着用者の状態を提供するステップである、装置の作動方法
【請求項3】
前記プレゼンテーション装置は、前記衣類に結合されたコンピューティング装置である、請求項1又は2に記載の装置の作動方法。
【請求項4】
前記プレゼンテーション装置は、前記衣類のコンピューティング装置に結合された、離れたコンピューティング装置である、請求項1又は2に記載の装置の作動方法。
【請求項5】
前記着用者設定情報は、前記ネットワーク装置の物理的位置の定義を指定する位置設定を含む、請求項1又は2に記載の装置の作動方法。
【請求項6】
衣類アプリケーションは、一連のデータの値の組み合わせを表す複数のデータモデルにアクセスでき、データは、自宅の位置、時刻、または着用者の状態を決定するための活動読み取り値のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の装置の作動方法。
【請求項7】
衣類アプリケーションは、2つ以上の異なるセンサタイプからの複数の生体データを比較する際に使用するための複数のモデルへのアクセスを有する、請求項1又は2に記載の装置の作動方法。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された1又は複数の装置を備えるデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2018年6月30日に出願された米国特許出願第15/639,570号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、生体データのためのセンシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の技術に基づく環境における生体データのセンシングは、衣類着用者の状態を理解し、それに影響を及ぼすための鍵となるものである。特に、運動選手及び医療上の患者は、多くの他の消費者の中でも、着用者の状態(例えば、感情状態)を知らせる(及び潜在的に変化させる)ために、正確で最新の(すなわちリアルタイムの)生体センシングをより必要とする重要な個人である。しかしながら、最新技術のセンサ装置及びデータ処理方法は扱いにくく、着用者の常に変化する身体的及び精神的状態を含む様々な生活様式への適用性及び適応性が限られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記の欠点の少なくとも1つを除去又は軽減するためのセンシングプラットフォーム、データ処理、及びそれらの使用方法を提供することである。
【0004】
提供されるある側面は、センサプラットフォームを介して収集された収集生体データに基づいてユーザの状態を予測する際に使用するためのデータモデルを決定する方法であって、センサプラットフォームのセンサから複数の生体データを受信することと、複数の生体データから複数の代表的特徴を抽出することと、複数の代表的特徴に関連付けられた複数のユーザ影響パラメータを受信することと、複数のユーザ影響パラメータを複数の代表的特徴と相関させて、複数のモデルデータパラメータとしてデータモデル用の代表的特徴-影響ペアリングのセットを決定することと、ユーザのリアルタイム状態を決定する際に後で使用するために、データモデルを記憶することとを含む方法である。
【0005】
さらなる側面は、複数の感知された生体データ及び記憶されたデータモデルを使用して着用者の状態を決定するために、着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する方法であって、センサプラットフォームのセンサから複数の生体データを受信することと、複数の生体データから複数のデータ特徴を決定することと、複数のデータ特徴をデータモデルの代表的特徴-影響ペアリングのセットと比較することであって、ここで特徴-影響ペアリングは着用者の可能な状態を表す効果を含み、前記比較の結果、可能な状態のうちの1以上を選択して、着用者の状態を提供することと、プレゼンテーション装置のユーザインターフェースを使用して、着用者にプレゼンテーションとして着用者の状態を報告することとを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
上記及び他の側面は、添付の図面を参照して、単に例として記載される:
【0007】
図1図1は、複数のセンサを含むバンドの斜視図である;
【0008】
図2図2は、衣料品に組み込まれた図1に示すバンドの図である;
【0009】
図3図3は、図1に示すバンドの一実施形態を、関連する電気部品と共に示す;
【0010】
図4図4は、生体データの組み合わせの適用例を示す;
【0011】
図5図5は、図1のバンドのさらなる実施形態の正面斜視図を示す;
【0012】
図6図6は、図5の更なる実施形態の後方斜視図を示す;
【0013】
図7図7は、図5のバンドに取り付けられたセンサの側面図を示す;
【0014】
図8図8は、図1のセンサのさらなる実施形態を示す;
【0015】
図9図9は、図1のセンサのさらなる実施形態を示す;
【0016】
図10図10は例として、図1に示されるセンサプラットフォームのために、生体データを処理し、その上で動作するためのシステムのブロック図を示す;
【0017】
図11図11は、図10のシステムのインタラクションサービスのブロック図である;
【0018】
図12図12は、図10のシステムの例示的な動作のフローチャートである;
【0019】
図13図13図10のシステムのためのデータモデルを生成し、適用するための例示的な動作のフローチャートである;
【0020】
図14図14a、b、c、d、e、f、g、h、l、j、k、lは、図1の衣類によって収集された生体データの例示的な実施形態である;
【0021】
図15図15は、図10のシステムのデータ処理システムのブロック図である;
【0022】
図16図16は、図1の着用者の例示的な生理学的状態を示す;
【0023】
図17図17は、図10のシステムのさらなる実施形態を示す;
【0024】
図18図18a、bは、図10のシステムのさらなる実施形態を示す;
【0025】
図19図19は、図10のシステムの例示的特徴抽出動作を示す;
【0026】
図20図20は、図10のユーザの生理学的状態の例示的なグラフ表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、織物バンド10が示されており、これは、好ましくは弾性ニットタイプを有し、バンド10の本体を構成する織物に配置されるか、又は編まれる/織られる(例えば、刺繍される)センサ12のタイプ/数に基づいて、異なるモード/タイプの生体データを収集するために着用者(図示せず)の身体部分の周りにフィットするようにされている。身体部分は以下に限定されるものではないが、腰又は腹部、脚又は腕のような四肢、胴体/体幹、臀部、足又は足首、手首又は手、及び/又は頭部とすることができることが認識される。織物バンド10は独立した物品として提供することができ、又は、これらに限定されないが、下着11(これらに限定されないが、ジョッキーショーツ、パンティ、アンダーシャツ、及びブラジャーを含む任意のタイプの下着など、図2を参照されたい)、靴下、肢バンド(例えば、膝バンド)、シャツ(例えば、アンダーシャツ)などのような衣料品に組み合わせる/組み合わせることができる。衣料品(すなわち、衣類11)に組み合わされることに関して、バンド10は、衣類11を構成する繊維を織り合わせて一体化される構成要素として形成し得る。バンド10の本体の織物は、織り合わされた弾性繊維(例えば、伸縮性の天然及び/又は合成材料及び/又は伸縮性及び非伸縮性材料の組み合わせ)から構成され得る。
【0028】
再び図1を参照すると、ECGセンサ12a、バイオインピーダンスセンサ12b、及び歪みゲージセンサ12cを含む一連のセンサ/電極12が、バンド10の周りに分配されて設けられ、例えば、内面111(すなわち、着用者の身体に向かって内側に面している)に取り付けられる。センサ12は電気活性ポリマー、すなわちEAP及び/又はセンサ/電極構成(例えば、パッチ)に構築された複数の導電性繊維の織物又は編物から構成され得ることが認識されている。センサ12はまた、着用者の物理的位置(例えば、自宅/建物の内部又は外部の位置)を検出することができるように、位置/場所センサを含むこともできる。
【0029】
また、バンド10上、例えば、外面13(すなわち、着用者から外向きに面している)には、コンピュータプロセッサ16、センサ12から得られたデータを受信し処理するための記憶された命令を実行し、ネットワークインターフェース20(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、取り付けられた有線ケーブルなど)を介してネットワーク22と通信し、センサ12から電気信号を送受信するためのメモリ18を含むコンピュータ装置14(図3参照)を含む一連の電気部品15が配置されている。プロセッサ16、メモリ18及びネットワークインターフェース20は、バンド10に取り付けられたハウジング24内に収容されたプリント回路基板26上に取り付けられている。また、PCB24には、着用者の体温を測定するための温度センサ12dも接続されている。又ハウジング内には、ハウジング24内の様々な電気部品15に電力を供給するための電源28(例えば、バッテリ)と、ハウジング24の外部のセンサ12a、b、cとが取り付けられており、これらのセンサは導電性通信経路30(例えば、ワイヤ(図1参照)であって、バンド10布地の織物/編物に織り込まれている)を介して接続されている。経路30は、必要に応じて、導電性はとめを用いてセンサ12に連結することができる。また、以下でさらに説明する姿勢を含む着用者の動きを決定するための一連の運動センサ36(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)も提供される。センサ12はまた、スピーカ/マイクロフォン(例えば、着用者との聴覚信号/通信のための)、照明センサ(例えば、着用者との視覚信号/通信のためのLED)、及び触覚/振動センサ(例えば、動作/タッチ信号/着用者との通信のためのアクチュエータ)として提供されてもよい。
【0030】
センサ例
センサ12は電気活性ポリマー、すなわちEAPから構成することができ、これは電界によって刺激されたときにサイズ又は形状の変化を示すポリマーである。EAPSはまた、機械的変形によって刺激される場合、電場の変化も示し得る。このタイプの材料の最も一般的な用途は、アクチュエータ及びセンサである。EAPの標準的な特性は、それらが力を支持しながら変形を受けることである。例えば、最適な導電率、柔軟性、及び製造の容易さのための様々な添加剤を含有するEPDMゴムを、着用者の人間の皮膚上で測定される電極インピーダンスを測定するためのセンサ12材料として使用することができる。さらに、EAPを用いて、ECGを測定し、また変形を測定することができる(すなわち、ウエストの拡張、したがって呼吸をEAPから推測することができる)。ECGは、所望に応じて、表面電極、織物又はポリマーを用いて測定することができる。
【0031】
これらの電極12は、経路30を介してハウジング24内の電気部品15の能動回路に結合されたときに、ECGのような生体電位信号を記録することができ、一方EEGのような低振幅信号用でもある。ECGセンサ12aは着用者の心拍数を反映するコンピュータプロセッサ16への信号を収集し送信するために使用することができる。そのようなものとして、センサ12としての電極は、所望に応じて、バンド10の導電性糸/繊維(例えば、導電性繊維(例えば、銀線/糸)を使用する、編まれた、織られた、刺繍)から構成され得ることが認識されている。
【0032】
生体電気インピーダンスに関して、これらのセンサ12a、b及びそれらの測定値は、身体組成、特に体脂肪を推定するためのプロセッサ16及びメモリ18の命令を介して分析(BIA)に使用することができる。体脂肪を推定することに関して、BIAは実際に、電気インピーダンス、又はセンサ12(例えば、12a、b)の間に挿入された着用者の身体組織を通る電流の流れに対する抵抗を決定し、次いで、これを使用して総体水分(TBW)を推定することができ、これは、除脂肪体重、及び体重との違いにより、体脂肪を推定するために使用することができる。
【0033】
歪み感知に関しては、これらのセンサ12cが電気伝導度の物理的特性及び導体の幾何学的形状への依存性を利用する歪みゲージとして動作させることができる。導電体12cがその弾性の限界内で伸張されて、それが破損したり永久的に変形したりしないとき、センサ12cはより狭まり、より長くなり、その電気抵抗を端から端まで増大させるように変化する。逆に、センサ12cが座屈しないように圧縮されると、センサ12cは広がり、短くなり、その電気抵抗を端から端まで減少させるように変化する。歪みゲージの測定された電気抵抗から、メモリ18に記憶された命令に作用するコンピュータプロセッサ16を介してセンサ12に与えられる電力28を介して、誘起された応力の量を推定することができる。例えば、平行線のジグザグパターンの長くて薄い導電性繊維として配置された歪みゲージ12cは、平行線の向きの方向の少量の応力が、単一の直線導電性ワイヤで観察されるよりも、導電性線のアレイ内の導体表面の有効長さにわたって、倍数的に大きい歪み測定値をもたらし、したがって、倍数的に大きい抵抗変化をもたらすようである。歪みゲージ12cの位置/構造に関して、歪みゲージはバンド10の周囲に配置することができる。さらなる実施形態では、歪みゲージ12cがバンド10の前52の部分(着用者の前部に隣接して配置される)に配置される、周囲の一部、例えば蛇行配置に位置する場合である。歪みゲージ12cは、kオームの範囲で感知するように構成することができる。
【0034】
温度センサ12dに関しては、このセンサは衣類の動的体温を測定するために使用される。例えば、温度センサ12dはサーミスタタイプのセンサであってもよく、それはその主要な機能が体温の対応する変化を受けたときに、大きく予測可能で正確な電気抵抗の変化を示すことである感熱抵抗器である。例としては、体温の上昇を受けたときに電気抵抗の減少を示す負温度係数(NTC)サーミスタ、及び体温の上昇を受けたときに電気抵抗の増加を示す正温度係数(PTC)サーミスタを含み得る。他の温度センサタイプは、所望に応じて、熱電対、抵抗温度計及び/又はシリコンバンドギャップ温度センサを含み得る。センサ12は、コンピュータプロセッサ16によってオンボードで処理された感知データ44及び/又はインターフェース20を介してサードパーティ装置60又は着用者(コンピュータ装置40の操作者)から受け取った命令に応答して、プロセッサ16を介して作動させることができる触覚フィードバックセンサを含むことができることも認識されている。温度センサ12dの別の例は、より正確な温度読み取り値を得るために、織物を使用して熱電対をバンド10の織物に編み込み、密接/接触によって着用者の身体に直接結合することができる場合である。
【0035】
感知データ及び処理
再び図2及び図3を参照すると、プロセッサ16(メモリ18に記憶されたの命令に基づいて動作する)は収集されたデータ44を(生のフォーマットで及び/又はセンサ12からの前処理されたフォーマットで)外部コンピュータ装置40(例えば、スマートホン又は他のデスクトップアプリケーション)に送信して、感知データを閲覧及び/又はさらなる処理することができる。例えば、装置40のアプリケーションは、着用者(又はデータ44へのアクセスが提供された着用者以外の別の人物)が見るために、感知データ44をディスプレイ42(又は他のタイプのGUIインターフェース)上にダッシュボードタイプフォーマット46で表示することができる。例えば、感知データ44は:皮膚温度の変動を示すための体温;着用者の身体活動(すなわち、感知された動きを介して)の量/程度を示すため、及び着用者の姿勢のジャイロスコープ読み取り値(例えば、バンド10が着用者の腰に位置する場合)ならびに消費されたカロリー数の決定された計算を介して寄与する、ジャイロスコープ/加速度計測定値;バンド10が拡張及び収縮するときの着用者のリアルタイム呼吸を示すための歪みゲージ測定値(例えば、導電性糸を介して)ならびに姿勢角に寄与する歪みの程度を区別する能力(すなわち、図2の下着11の例の場合、腰での屈曲による着用者の姿勢の変化に伴って長さが変化するときのバンド及び関連する歪みセンサ12c);センサ12aを使用して感知されたECGデータに基づくリアルタイム心拍数測定値;及びセンサ12b(及び任意選択的に、以下でさらに説明する12a)を使用するガルバニックセンシングに基づくリアルタイム水分量/体脂肪測定;のリアルタイム(又は他の選択された動的周期周波数)を示すダッシュボードフォーマットで提供され得る。
【0036】
感知されたデータの複数のソース(例えば、活動/運動センサ36を備えた温度センサ12dは体温と組み合わされた活動に基づいて消費されたカロリーを計算するために、メモリ18に記憶されたアルゴリズムにおいて使用され得る)が認識されている。感知データタイプの他の組み合わせは以下に限定されるものではないが:活動データと心拍数;温度を有する活動データと心拍数;生体インピーダンスデータと活動データ;運動レベルの決定のための活動データ及び心拍数データと、呼吸数データ決定のための歪みゲージ;などの組み合わせを含むことができる。また、センサタイプの読み取り値の組み合わせをコンピュータプロセッサ16で使用して、標準的なセンサデータを有する活動タイプのコンピュータモデルに基づいて、着用者によって実行されている運動活動タイプを決定することができ、例えば、心拍数及び呼吸がより低いレベルが検出される身体姿勢の漸進的な変化は、着用者がヨガを行っていることを示すことができることが理解される。さらなるタイプの複数の感知データの用途は、加速度計及びジャイロスコープデータのためであり得、その結果、両方が使用され得るか又は一方が使用され得、そして他方がダッシュボード46の選択された測量の決定の間には考慮されない。例えば、バンド10が過体重の人の腰に位置している場合、ジャイロスコープが「垂直から外れた」とする読み取り値を示す事は、身体組成のために折り畳まれたウエストバンドによるものではなくむしろ、(垂直からの)曲がった姿勢を示すものではない。したがって、ジャイロスコープの読み取り値の程度は、姿勢決定の計算から差し引かれる。
【0037】
図1を再度参照すると、センサ12a,bの位置はセンサ12a,bの間に適切な量の体の部分を位置づけるとともに、着用者の体格(例えばクロスボディ測定)を経る適切な導電性経路を提供するために、中心線50のそれぞれの側にペアとして位置づけられるようになっている。また、筋肉ノイズ(筋肉の作用が隣接するセンサ12に信号ノイズを導入する可能性がある)が最小限に抑えられる身体領域にセンサ12a、bを配置することが好ましいことも認識されている。したがって、センサ12a、bはバンド10が腰部に配置される場合に、着用者の腰及び/又は腎臓に隣接して配置する位置でバンド10内に配置することができる。着用者のどちらかの腰に隣接するようにバンド10内にセンサ12a、bを配置すること、すなわち、バンド10の中心線56の一方の側に対の両方のセンサ12a、bを配置することは、着用者の活動が抑制されている(例えば、休息している)ときに、より低い信号振幅/品質を提供するが、着用者が活動しているときに(腰領域に隣接する利用される筋肉塊の存在が腰部の周りの他の領域と比較して最小であるため)、信号品質の向上を有利に提供することも認識されている。
【0038】
センサ12a、bの位置は、標準的な着用者のための分離距離が前から後ではなく、側部から側部へと大きくなっている(つまり、脊柱とへそとの間に対して腰の間が広い)ので、(着用者の)左右に延びる中心線56のそれぞれの側ではなく、前後へ延びる中心線50のそれぞれの側に配置することができることも認識されている。
【0039】
さらに、センサ構成の1つの例示的な選択肢は、4電極ECGセンサ構成である。このようなECG設計のコストは要因となり得るが、この設計は潜在的に、より良好な信号性能を与え得る。4センサECG設計の背後にある理論は、プロセッサ16が(複数対ECGセンサ構成の)各センサ対の間で切り替えて、最良の信号品質を有するセンサを見つけ、着用者の感知された動きの間にそのセンサを使用することができるということである。
【0040】
再び図3を参照すると、プロセッサ16及び関連するメモリ18に記憶された命令は、ECGセンサ12a及びセンサ12bの両方を同時に利用することによって、(受信されたセンサ12の読み取り値に基づいて)バイオインピーダンス値を決定するために使用され得る。これは、センサ12bによって生成される信号振幅がEGCセンサ12aを過飽和にするために、(センサ12aを使用する)EGC感知が(センサ12bを使用する)生体インピーダンス感知と同時に起こることができないので、有利である。したがって、プロセッサ16はECG読み取り値と生体インピーダンス読み取り値との間を循環する(すなわち、これらの読み取り値は、並列ではなく連続して行われる)ことが認識されている。このように、プロセッサは、生体インピーダンスの読み取りを行う間、ドライバとして中心線50の一方の側のセンサ12a、bと、コレクタとして中心線50の他方の側のセンサ12a、bの両方に電力を指示する。したがって、センサ対12a及びセンサ対12bの位置決めは、中心線50、56に関して対称であり得ることが認識されている。
【0041】
図3及び図4を参照すると、コンピュータ装置14は、感知データ44をバンド外のコンピュータ装置40に送るために使用することができ、その後、自らカスタマイズされたアプリケーション43を使用して、感知データ44を処理し、着用者が能動的に行うことができる可能性のある適応/変更について、身体的/精神的状態を着用者に知らせることができる。例えば、アプリケーション43は、着用者の睡眠の質の指標として、経時的な温度と活動の組み合わせに関する感知データ44を報告することができる。さらに、アプリケーション43は(例えば、呼吸データ及びECGデータと任意の活動データとの組み合わせに基づいて)着用者の決定された感情状態を着用者に通知することができ、さらに、着用者によって行われたステップが決定された感情状態に積極的に影響を及ぼしているかどうかを着用者に通知するために、データの組み合わせの継続的なモニタリングを着用者に通知することができる。さらに、アプリケーション43は例えば、ひずみゲージデータと活動データとの組み合わせに基づいて、着用者の活動の程度ならびに品質/性質を追跡し、報告することができる。さらに、アプリケーションは感知データ(例えば、活動、心拍数など)の組み合わせに基づいて、着用者の決定された気分及び/又は温度に応答して、これらに限定されないがホームエンターテインメントシステム、音楽システム、暖房システム、照明システムなど、他の外部コンピュータネットワーク装置60(図3を参照のこと)と互いに交流し合うことができる。
【0042】
図5及び図6を参照すると、バンド10の別の実施態様が分解図で示されている。特に、バンド10は前バンド部60と後バンド部62とから構成され、この部分60が通信経路30を備えたセンサ12a、bを有し、通信経路30はセンサ12a,bをそれぞれコネクタ64に電気的に接続する(センサ12a,bをネットワークインターフェース20に電気的に接続するために、PCB26の各コネクタ部分に接続する(図3を参照))。バンド部分62はバンド部分60、62が互いに組み立てられたときに(例えば、隣接して配置された表面70を介して縫い合わせることによって互いに結合されたときに)センサ12a、bが切欠き66内に受け入れられるようにするための切欠き66を有し、したがって、表面111が皮膚と接触するので、センサ12a、bの表面68が着用者の皮膚と接触するようになる。導電性経路30は、バンド部分60の材料を構成する電気絶縁性繊維と織り合わされた導電性繊維とすることができることが認識されている。
【0043】
図7を参照すると、部分60、62が組み立てられ、センサ12a、bが切欠き66(図5、6参照)に受け入れられるように、センサ12a、bの一方の例示的な側面図が示されている。なお、センサ12a,b自体が皮膚接触表面111から距離Xだけ伸びており、着用者の皮膚への接触が改良されることに留意することが重要である。特に、センサ12a、bは表面111からのセンサ12a、bの導電性部分72のそれぞれの延長を提供するために、表面68の導電性部分72(すなわち、基材74を通って延在する通信経路30に結合される)ならびに高くされた基材74を有することができる。例えば、基材74はバンド部分62の材料(すなわち、電気絶縁性繊維)を組み込んだ織物繊維と交互に配置された電気的に絶縁性の織り合わされた繊維から構成することができる。
【0044】
図8を参照すると、バンド部分60のさらなる実施形態が示されており、これは、バンド部分60の材料を構成する他の絶縁性繊維と共に蛇行様式で編まれた/織られた歪みゲージセンサ12cを示す。このように、図7に示すように、一旦組み立てられると、バンド部分62は歪みゲージセンサ12cを覆い、歪みセンサ12cの導電性繊維との直接的な接触から着用者の皮膚を絶縁することが認識されている。図9は、歪みセンサ12cのさらなる幾何学的構成を示す。
【0045】
図5図8を参照すると、それらは、通信経路30(例えば、配線)及び歪みセンサ12c自体の例示的な幾何学的レイアウトを含むことが認識されている。センサ12a、b、c及びバンド部分60、62の図示された構造は、(経路30及びセンサ12cの)パターン全体が織物の1つの組み立てられた(例えば、織り合わされた)層としてカバー部分60、62内に実際に含まれるので有利であるが、(経路30及びセンサ12cの)配線はニットパターンの内側で編まれ、したがって、その結果として、絶縁され、したがって外部絶縁(接着剤、ラミネートなど)の必要性が抑えられる。配線から着用者の皮膚への望ましくない電荷の印加を抑制するため。さらに、センサ12a、b自体の3D形状(例えば、表面111からの延長)はセンサ12a、bの皮膚との接触を改善することができ、乾燥又は湿潤の様々な皮膚状態にわたる生体データの収集を提供することができる。
【0046】
新「IOT」の記述
図10を参照すると、各々がネットワーク22を介して衣類アプリケーション100でデータ44、45(すなわち、双方向)を送受信することができる装置アプリケーション102を有する複数のネットワーク装置15とネットワーク22を介して双方向通信する衣類アプリケーション100が示されている。衣類アプリケーション100はインターフェース20(例えば、API)を介して生体データ44を受信し、次いで、装置60上で実行される装置アプリケーション102を介してネットワーク装置60の動作に影響を及ぼすために、データ44(例えば、生又は他の方法で処理された)に基づいてコマンド45を1又は複数のネットワーク装置60に送信することができることが認識される。例えば、装置アプリケーション102はホームサーモスタット60上で実行されるサーモスタットアプリケーション102とすることができ、したがって、サーモスタット60に、サーモスタットによって制御される温度設定を上昇又は下降させるように命令することができ、以下の例によって説明されるさらなる双方向利用ケースがあることを認識する。
【0047】
衣類アプリケーション100は、衣類11(例えば、シャツ、パンツ/ショーツ、ベスト、下着、帽子及び/又はバンド10の一部として又はその外部に、センサー12,36を組み込んだ他の衣類タイプのいずれか)に組み込まれたセンサー12,36によって収集された生体データ44を受け取る。衣類アプリケーション100は他の外部コンピュータネットワーク装置60と互いに交流し合うことができる(図10を参照されたい、これらに限定されないが、例えば、音楽システム装置60、暖房システム装置60、照明システム装置60、及び衣類アプリケーション100を介して衣類11の着用者8と互いに交流し合うように構成された他の装置60が挙げられる。衣類アプリケーション100は例えば、これらに限定されないが、コンピュータ装置14上で実行される衣類アプリケーション100、外部装置40(例えば、着用者のモバイル装置)上で実行される衣類アプリケーション100及び/又は所望に応じてネットワークサーバ41上の着用者アカウント上でホストされるクラウドベースの衣類アプリケーション100のような、1又は複数のコンピュータプラットフォーム上で実行される1又は複数のアプリケーション100とすることができることが認識される。いずれにしても、1又は多くの異なるホスト型衣類アプリケーション100にかかわらず、衣類アプリケーション100は、コンピュータプロセッサ16によってセンサ12、36から収集された生体データ44を受信し、任意選択で生体データ44を処理又は分析し、データ44(すなわち、生又は処理済み)を1又は複数の記憶された閾値又はルールセット45(以下でさらに説明する)と比較して、それぞれのネットワーク装置60の機能的挙動を修正するように装置アプリケーション102に命令するためのコマンド45を生成し、コマンド45をネットワーク装置60と通信し、コマンド45の受信に応答してネットワーク装置60からのコマンドに対する応答45を提供するように構成される。以下にさらに記述するように、コマンド45は、感知データ44(例えば、活動、心拍数など)の組み合わせに基づいて、着用者の決定された気分及び/又は温度に応答して、衣類アプリケーション100によって生成され得る。
【0048】
再び図10を参照すると、衣類インタラクションサービス101は例えば、サーバ41上で実施することができるが、必要に応じて、全部又は一部を外部装置40上でホストすることもできる。衣類インタラクションサービス101(図11参照)は、衣類アプリケーション100に登録された着用者アカウント110と共に、ネットワーク装置60のそれぞれの装置アプリケーション102に登録されたそれぞれの装置アカウント112を含む。アカウント110、112はネットワーク22がインタラクションする前に、サービス101に登録される。例えば、自身のホームサーモスタット60及び自身のホーム照明システム60及び自身のホームミュージックシステム60を制御することを望む着用者8(これらの装置60の機能のうちの1又は複数は、別個の装置アプリケーション102によってではなく、必要に応じて同じ装置アプリケーション102によって制御され得ることが認識される)はインタラクションサービス101に登録し、ネットワーク装置アプリケーション102を登録し、したがってアカウント110、112を作成することができる。アカウント110、112を使用して、インタラクションサービス101はデータ44、コマンド45、及び応答45を受信することができ、それによって、衣類11と装置60との間のネットワーク22のインタラクションを調整する際に使用するためのサードパーティサーバ/サービスとして働く。
【0049】
アカウント110,112は、これらに限定されないが、以下のような登録情報を含むことができる:着用者のログイン及びパスワードアカウント情報、装置60の動作のための着用者設定情報114(例えば、着用者パラメータ設定に基づく所望の装置60の動作)、装置動作設定116(例えば、受信されたコマンド45に基づいて修正するためにアクセス可能な許容機能)。例えば、着用者設定情報114に関して、これらに限定されないが、例えば、アクティブであるが幸福/満足していると考えられる着用者の気分のための「イージーリスニング」音楽、安静な状態(例えば睡眠など)で着用者を落ち着かせるのに使用する「静かなリスニング」音楽、着用者がより身体的にアクティブになるよう動機付けするのに使用する「アクティブリスニング」音楽のような、異なる着用者の気分のための音楽タイプ選択(音楽システム装置60によって再生されるよう)を着用者が指定することができる。他の設定114としては、これらに限定はされないが、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく所望の照明レベル(照明システム装置60によって管理されるよう)、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく所望の温度設定(暖房/冷房システム装置60によって管理されるよう)、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく自動車の動作モード(自動車システム装置60によって管理されるよう)及び/又は、これらに限定はされないがアクチュエータ(例えば、着用者に電気/振動刺激を印加することができる電子センサ、着用者に熱を印加することができる暖房装置、熱除去又は他の方法で着用者を冷却することができる冷房装置及び/又は感知され(例えば、アプリケーション100を介して)処理された生体データ44を使用して生成されたコマンド45の受信に基づいてその機能状態を変更することができる任意の他の装置60などの、衣類11の布地上/中に常駐する機能装置60に基づく衣類11自体を含むことができる。着用者設定情報114の別の例は、着用者が特定の物理的位置(例えば、地理的位置Xは着用者の自宅を表し、地理的位置Yは着用者の仕事/雇用を表し、地理的位置Zは着用者の好みの趣味を表し、地理的位置X1は自宅内の着用者の位置(例えば寝室など)を表す)の定義を指定することができるような位置設定のためのものである。また、着用者設定情報114を使用して、装置14と隣接する装置との共登録に基づいて着用者の環境を定義することができることも認識される(例えば、装置と外部装置40とのペアリングを使用して、着用者がジムで運動している場合、車を運転している場合などを示すことができる)。したがって、衣類アプリケーション100はセンサ/装置13から取得された情報(例えば、自動車通信システム、外部装置40に常駐するGPSセンサなどの他の装置60との現在のBluetooth(登録商標)接続性)に基づいて、着用者の活動/精神状態についても通知され得ることが認識される。
【0050】
上記に鑑みて、衣類アプリケーション100は、周期的(例えば、データ44報告の決められた規則的な頻度)に及び/又は要求されるたびに(例えば、生成され、ネットワーク装置60に送信され、よってネットワーク装置60の動作状態を変更するコマンド45に応答して)、生体データ44を受信することに関与することが認識される。このようにして、スケジュールされた定期的及び/又は要求に応じて、衣類アプリケーション100を使用して、ある期間にわたって着用者8の身体的/精神的状態をモニターすることができ、着用者設定114の指示にしたがって、受信され解釈された生体データ44に基づいて、ネットワーク装置60のうちの1又は複数の動作機能を調整することができる。
【0051】
衣類アプリケーション100は、2以上の異なるセンサタイプ(例えば、活動センサ及び温度センサ、温度センサ及びECGセンサ、活動センサ及び姿勢センサ、活動センサ及び位置センサなど)からの複数の生体データ44を比較する際に使用するための複数のデータモデル109へのアクセスできることが認識される。データモデル109はそれぞれ、着用者8の特定の所望の(又は望ましくない)身体的/精神的状態を定義する(例えば、着用者8によって定義されるように)一連のデータ44の値の組み合わせを表す。例えばデータ44は、1)自宅の位置(例えば寝室)、時刻(例えば夜間)、温度読み取り値(例えば昇音)及び活動読み取り値(例えば着用者の動き)からなり、2)衣類アプリケーション11によって受け取ることができ、及び3)着用者8の所望の睡眠パターンを表すデータモデル109と比較され得る。データ44が睡眠データモデル109の所望の睡眠パターンと一致する場合には、衣類アプリケーション100がコマンド45を生成せず、それによって睡眠データモデル109に関連付けられたネットワーク装置60(例えば、サーモスタット60、音楽システム60等)を管理するか、さもなければ影響を与えようと試みる。
【0052】
したがって、コマンド動作200のための図12を参照すると、衣類アプリケーション100は、センサ12、36から収集/受信された複数のデータタイプを含む生体データ44(ならびに外部装置40などであるがこれに限定されない第三者装置によって提供される任意の他のデータ)を、データモデル109と比較204する。例えば、衣類アプリケーション100は、衣類11のセンサ12、36の各々から定期的に(例えば、10秒毎に)データ44を受信するように構成することができる。受信202されたデータ44に応答して、衣類アプリケーション100はデータ44をモデル109の各々と比較204し、データ44がデータモデル109の1以上と一致する(又は一致しない)場合に、1以上のコマンド45を生成206することができる。データモデル109の各々は、データ44が一致する(又は一致しない)場合に、どのアクションが適切であるか、及びデータモデル109に潜在的なデータパターンが、センサ12、36によって提供される(異なるデータタイプの)複数のデータ44にどの程度一致するか、又は一致しないかを決定/示唆する際に使用するための一組の命令111(図10参照)を有することが認識される。
【0053】
睡眠例
図12に続く、衣類アプリケーション100の動作の一例は、着用者8の睡眠又は安静状態をモニター200するためのものである。例えば、衣類アプリケーション100によって受信202されたセンサ12、36データによる衣類11は、着用者8の活動レベル(例えば、加速度計データ44)、着用者8の温度レベル(例えば、温度センサデータ44)及び着用者8の姿勢又は身体傾斜レベル(例えば、歪みセンサ又はジャイロスコープデータ44)を示すことができる。衣類アプリケーション100は着用者8が睡眠データモデル109の睡眠パターンに一致する(例えば、安静睡眠を表す)か、又は一致しない(例えば、妨害された/フィットした完全睡眠を表す)睡眠エピソードを有するかどうかを決定205するために、これらの受信データ44レベルを睡眠データモデル109の1以上の睡眠パターン/閾値と比較204することができる。ステップ206では、一致又は不一致の程度に基づいて、衣類アプリケーション100は(命令111を介してデータモデル109に関連付けられるよう)ネットワーク装置60のうちの1又は複数のためのコマンドを生成206し、そのコマンドを送信208し、ネットワーク装置60からフィードバック45(例えば、確認応答、ネットワーク装置60の動作機能の変化又は変化の程度を示す応答など)を受信することができる。睡眠の例の場合、衣類アプリケーション100はルールセット111に基づいて、定義された量だけ(例えば、2℃だけ)温度低下コマンド45を生成206し、コマンド45をサーモスタット60に送信208する。衣類アプリケーション100は、温度低下コマンドの確認45をサーモスタット60から受信することができ、その後、着用者8のさらなるデータ44を(例えば、さらなるプログラムされた周期的又は要求されたデータを介して)モニター210して、さらなるデータモデル109比較212を介して、新しい/修正されたデータ44(発行されたコマンド45の結果)がデータモデル109によって表される着用者の活動/精神状態の所望の変化(例えば、改善)213を表すか、又はその改善の欠如を表すかを判定することができる。ステップ213における所望の変化の場合、衣類アプリケーション100は、ネットワーク装置60へのさらなるコマンド45の発行を控え、したがって、データ44のさらなる定期的な受信及びデータモデル109との比較を介して着用者8をモニター202し続ける。ステップ213で決定された変化/無変化によりさらなるコマンド45が発行される必要がある場合(例えば、睡眠が改善されているが、モデル109のデータパターンで表されるような許容可能なレベルまでではない場合)、衣類アプリケーション100はステップ206に戻る。
【0054】
上記の例では、睡眠データモデル109の或る潜在的なデータパターンが着用者の体温が上昇し(例えば、着用者が高温すぎる)、着用者の活動/運動レベルも上昇する(例えば、着用者が寝返りしている、及び向きを変えている)場合である。発行されるコマンド45はサーモスタットへの室温を低下させることであり、衣類アプリケーション100は温度変化の影響、例えば、着用者体温の低下をモニターする。その後、新たなデータ44を介して着用者の活動レベルの睡眠データモデル109に定義されているように許容可能なレベルまでモニターされた低下がなされると、衣類アプリケーションは、ステップ202での動作に戻る。反対に、睡眠データモデル109で定義されたように許容できないレベルを表す新しいデータ44を介して、着用者の活動レベルのその後のモニターされた上昇/不変により、着用者の体温及び/又は活動レベルの低下を促進するために、室温の継続的な低下に努めて、衣類アプリケーション、ステップ206での動作に戻る。
【0055】
精神状態例
衣類アプリケーション100及び装置アプリケーション102と対になった衣類11の潜在的なアプリケーションの数は、多数であり得ることが認識される。さらなる例は衣類アプリケーション100が身体活動レベルの対応する上昇なしに、上昇した心拍数(依然として許容可能な基準を有する、すなわち心臓発作を示さない)を検出する(すなわち、感知データ44を介しての)場合である。着用者のこの生理学的状態は、定義されたように/データモデル109と一致するように、不安発作を示すことができる。この場合、衣類アプリケーション100はデータモデル109の命令111を介してプログラムされて、音楽システム60のようなネットワーク装置60に、静かな/瞑想的な音楽を流すように命令することができる。衣類アプリケーション100による身体状態の継続的なモニタリングは、ネットワーク装置60の動作/機能状態への命令された45変更が着用者の身体/精神状態に何らかの影響を及ぼしているかどうかを衣類アプリケーション100が決定するために使用することができる。
【0056】
命令及びデータパターン111によるデータモデル109は、複数の様々なセンサ12、36のタイプ及びそれらのデータの組み合わせを介して、着用者8のより複雑な状態を定義するために使用され得ることが認識される。例えば、現在の精神状態(例えば、幸せ、悲しみ、不安、興奮、鎮静、抑うつ、リラックス等)は、その精神状態を表すデータモデル109に一致する(又は一致しない)複数の感知データ44の組み合わせの結果として決定することができる。例えば、心拍数、呼吸数、体温、活動レベル、及び姿勢に関するデータ44は、精神状態データモデル109によって表されるような精神状態モデル化に基づいて、着用者8の現在の精神状態を定義及び予測するために、組み合わせとして使用され得る。
【0057】
通知緊急事態例
動作200が図12に示されるように、感知データ44を使用して衣類アプリケーション100によって実行される(すなわち、データモデル109との比較によって決定される)データモデル109の決定された一致/不一致を軽減又はそうでなければ取り除かない場合、衣類アプリケーション100は、潜在的な緊急/危機事象を示す通知50を指定された装置52に送信するように設定114を介してプログラムされ得ることも認識される。例えば、この指定された装置50は、家族、医師、通知サービス、又は友人の装置であり得、当該装置は通知52を受信し、着用者の活動/精神状態が通知され及び/又はそうでなければ何らかのアクションを実行するように奨励され得る(例えば、着用者8に接触する、医師に接触するなど)(図10を参照)。装置52は着用者8の外部装置40でもあり得る。したがって、着用者8はそれらの状態の直接的な表示を提供され得る(例えば、「あなたは興奮しすぎなので、落ち着く必要があるかもしれない」)。
【0058】
動作200は例えば心臓発作、自動車事故、又は他の身体外傷、誘拐などの着用者8の実際の考慮される有害/緊急状態を決定するために使用され得、その結果、データモデル109はデータ44がデータモデル109において定義される予想される基準/閾値の十分に外側(又は内側)であることを(データ44をデータモデル109のルール及びデータパターン111と比較する衣類アプリケーション100によって)示す/決定するために使用されることも認識される。例えば、データ44はデータモデル109と比較した場合、心臓発作(例えば、ECG読み取り値44及び活動読み取り値44を介して)、脳卒中(例えば、EGC読み取り値44及び活動レベル読み取り値44)、誘拐(例えば、不安レベル読み取り値44、活動レベル読み取り値44、及び位置/位置変位の読み取り値44)などを示すことができる。
【0059】
精神・身体活動例
さらなる例示的な動作200は、個々の着用者8の計画された身体活動(例えば、サイクリング、ジョギング)のためのものであり得る。身体活動を表すデータモデル109は衣類アプリケーション100によって使用することができ、着用者の生体データ44をモニターし、かつ、活動を実行している着用者8に対してのコンピュータ装置14(例えば音、光又は他の触覚コマンド/感覚)及び/又は外部装置40(例えば、装置40のスクリーン上の音及び/又はメッセージ)の提案を介して、着用者8に報告する。例えば、着用者8の水分補給レベル(例えば、身体状態)は感知データ44及び活動を表すデータモデル109との比較を介して衣類アプリケーション100によってモニターされ得、したがって、水分補給レベルが閾値の外側にあり(例えば、低すぎる)、したがって、着用者8が補正すべき(例えば、飲用による水分補給)であることを示す通知(例えば、コマンド45)が着用者8に(すなわち、装置14、40を介して)送信され得る。再び、上述した動作200のように、着用者8の動的な身体状態は(データ44とデータモデル109との比較において)衣類アプリケーション100によって継続的にモニターされ、したがって、さらなる提案(例えば、水分補給)が着用者8に送信される。代替的に、受け入れられた基準内で戻った検出された身体状態(例えば、水分補給)の通知45を、継続的なモニタリングの結果として、着用者8に送ってもよい。
【0060】
さらなる例示的な動作200は、個々の着用者8の計画された身体活動(例えば、サイクリング、ジョギング)のためのものであり得る。精神的活動/状態を表すデータモデル109は衣類アプリケーション100によって使用することができ、着用者の生体データ44をモニターし、かつ、活動している着用者8に対してのコンピュータ装置14(例えば、音、光、又は他の触覚コマンド/感覚)及び/又は外部装置40(例えば、装置40のスクリーン上の音及び/又はメッセージ)の提案を介して、着用者8に報告する。例えば、着用者8の焦点レベル(例えば、精神状態)は、感知データ44及び活動を表すデータモデル109(例えば、モニターされた身体姿勢、呼吸数、心拍数などの結果として)との比較を介して、衣類アプリケーション100によってモニターされ得、したがって、焦点レベルが閾値外(例えば、低すぎる)であり、したがって、着用者8が補正(例えば、再焦点合わせ)すべきであることを示す通知(例えば、コマンド45)が着用者8に(すなわち、装置14,40を介して)送信され得る。再び、上述した動作200のように、着用者8の動的な精神状態は(データ44とデータモデル109との比較において)衣類アプリケーション100によって継続的にモニターされ、したがって、さらなる提案(例えば、最焦点合わせ)45が着用者8に送信される。代替的に、受け入れられた基準内で戻った検出された精神状態(例えば、焦点)の通知45を、継続的なモニタリングの結果として、着用者8に送ってもよい。
【0061】
また、データモデル109は特定の活動タイプパターンに一致する感知データ44に基づいて、着用者8によって実行されている身体活動のタイプ(例えば、ヨガ、サイクリングなど)を検出するために使用され得ることが認識される。いったん検出されると、衣類アプリケーション100は、検出された活動タイプを表す適切なデータモデル109を選択し、使用して、活動が行われているときの着用者8の状態(例えば、身体的/精神的)をモニターすることができる。身体活動はこれらに限定されないが、以下のような活動であり得る;身体的スポーツ(例えば、サイクリング、ランニング、ウェイトトレーニングなど)のような活発な身体活動;非活発な身体活動/スポーツ(例えば、ダーツ、ヨガ、太極拳など);着用者の就業場所でのコンピュータ作業などの活発な/集中的な精神活動;読書/リラクゼーション/音楽聴取/瞑想などのリラックスした精神活動;などであり得る。いずれにしても、データモデル109は動作200に関して上述したように、必要なデータモデル109と比較して、感知データ44に基づいて、着用者8の身体的/精神的活動を任意に検出し、またモニターするために使用され得ることが認識される。
【0062】
使用者への影響の例
衣類アプリケーション100及び装置アプリケーション102と対になった衣類11の潜在的なアプリケーションの数は、多数であり得ることが認識される。さらなる例は衣類アプリケーション100が身体活動レベルの対応する増加なしに、上昇した心拍数(依然として許容可能な基準を有する、すなわち心臓発作を示さない)を検出する(すなわち、感知データ44を介して)場合である。着用者8のこの生理学的状態は、定義されたように/データモデル109と一致するように、不安発作を示すことができる。この場合、衣類アプリケーション100はデータモデル109の命令111を介してプログラムされて、音楽システム60のようなネットワーク装置60に、静かな/瞑想的な音楽を流すように命令することができる。センサ12、36によって収集されたデータ44を介した衣類アプリケーション100による生理学的状態の継続的なモニタリングは、ネットワーク装置60の動作/機能状態へのコマンド45の変更が着用者の身体/精神状態に何らかの影響を及ぼしているかどうかを衣類アプリケーション100が決定するために使用することができる。
【0063】
命令及びデータパターン111によるデータモデル109は、複数の様々なセンサ12、36のタイプ及びそれらのデータの組み合わせを介して、着用者8のより複雑な状態を定義するために使用され得ることが認識される。例えば、現在の精神状態(例えば、幸せ、悲しみ、不安、興奮、鎮静、抑うつ、リラックス等)は、その精神状態を表すデータモデル109に一致する(又は一致しない)複数の感知データ44の組み合わせの結果として決定することができる。例えば、心拍数、呼吸数、体温、活動レベル、及び姿勢に関するデータ44は、精神状態データモデル109によって表されるような精神状態モデル化に基づいて、着用者8の現在の精神状態を定義及び予測するために、組み合わせとして使用され得る。
【0064】
図13を参照すると、ユーザ影響データモデル109の作成に関するフローチャート250が示されており、これにより、ユーザ影響データモデル109は、これらに限定されないが、ECG、運動、呼吸、温度及び生体インピーダンスパラメータ252を含むセンサ12、36を介して収集(254)された生体信号44のデータセットなど、多数の生体信号パラメータ252に相関付けられた着用者8の感情状態を反映する。パラメータ252の各々を表すデータ44はシングルモードデータ(すなわち、温度、ECG)として及び/又は組合せモードデータ(例えば、姿勢、呼吸-これらに限定されないが歪みデータ、加速度計データ及び/又はジャイロスコープデータなどの2以上のデータタイプの組合せを組み込むことができる)として提供することができることが認識される。
【0065】
再び図13を参照すると、方法250の実施は関連する被験者報告影響レベル(例えば、「ストレス」レベル、又は着用者8による/着用者8への報告255される他の量的/質的感情レベル253、例えば、「1~10のスケールに基づいて、この時点でどのレベルの「ストレス」、「幸福」などを経験しているか」)と組み合わせて、データ44が収集254される。報告された影響(別名、感情レベル253)は、収集254及び報告255の間、定期的に又は行われている特定の刺激イベント(例えばこれらに限定されないが、ゲーム、一連の写真、一連の質問などの、対話型マルチメディアセッションなどである着用者8に提供される身体的/感情的刺激)に基づいて、要請または非要請され、入力される。ステップ256において、時間及び周波数領域における複数の線形及び/又は非線形特徴257(例として図14a、b、c、d、eを参照)が、生体信号44のウィンドウから抽出256される。特徴257の各々は、単独で及び/又は組み合わせとして、感情レベルデータ253に関連付けられ、相関分析258のために送られる。相関分析258は、影響レベル253を代表すると考えられる特徴/影響レベル相関260のサブセットを選択又は他の方法で決定するために、これらに限定されないが、特徴257と報告された影響レベル253との間のスピアマンランク相関又は他のタイプの相関分析などのプログラムされた分析命令を利用するデータ処理システム300(図15を参照)を使用して実行することができる。したがって、データモデル109は、識別された特徴257と報告された影響レベル253との間の複数の相関260を含む。
【0066】
ステップ264で、1又は複数の線形及び/又は非線形機械学習方法(例えば、とりわけロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、単純ベイズ、又は隠れマルコフモデルなど)を使用して、選択された特徴257とユーザ影響レベル253との間の関係261を学習(すなわち、決定)する。データモデル109はまた、年齢、性別、以前の精神状態、及び以前の情報として考慮される他のものなどの情報を組み込むこともできる。ユーザの(問題の特定の種類の影響についての)「正規化状態」(例えば、較正)は任意選択で記録262することができ、この状態の生体信号44を使用して、そのユーザの将来のデータ44を正規化することができる。この正規化状態はユーザを「中立」状態(例えば、データ44の収集254,255中にユーザに与えられた中立又はベースラインとみなされる選択されたイベント刺激レベルに基づく)にさらすことによって、又は選択された期間(例えば、1日)にわたって(データ44の収集254,255の)記録された状態を平均化することによって、測定262することができる。代替的に/任意選択的に、被験者報告影響レベル253の代わりに、又はそれに加えて、被験者はユーザ刺激の2以上の極端又は代表的と考えられる事例(例えば、穏やか/ストレス、幸せ/悲しみなど)、(例えば、非常に)穏やかな刺激セッション及び(例えば、非常に)ストレスを受けた刺激セッションを例えば受けることができる。この場合、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、k近傍法及び/又は他のものなどの分析モデル(分析命令のセットとして)を使用264して、一対の極端な場合の間のレベルを、例えば、確率推定として推定することができる。ステップ266では、パラメータ252、データ44、特徴257、レベル253、相関260及び/又は関係261を使用して、感情的(例えば、精神的)状態データモデル109が生成される。次いでデータモデル109は、生成された着用者8のリアルタイムの精神状態276を決定274し、装置14及び/又は装置40のユーザインターフェース上で着用者8に提示274する(図3を参照)ために、データ44を(例えば、着用者8が衣類11を着用しており、日常的な活動を行っている間に)(例えばリアルタイムで)収集270し、ステップ272で収集されたデータ44を、生成されたデータモデル109を使用して分析272することによって(例えば、収集されたデータ44を、ステップ270で収集されたリアルタイムデータ44の特徴257抽出によって比較し、同様の特徴セット260及びステップ254の収集されたデータ44の処理中に使用される上記の必要なステップごとの任意の関連する関係261を決定し、次いで、決定されたリアルタイム特徴セット260を、データモデル109に記憶されたものに一致させて)、着用者8の感情状態を報告/推定する際に後で使用するために、データ処理システム300のメモリに記憶される。
【0067】
プロセス200に関して上述したように、ステップ266の決定されたデータモデル109は1又は複数の装置40、41、60上で実行される機能アプリケーション102のためのコマンド45を生成するために、ならびにステップ210において、アプリケーション102によるコマンド45の実行の結果として着用者8をモニターするために利用することができる。
【0068】
図14aを参照すると、データ収集254,270(図12参照)の代表的な出力と、データ44の結果として得られる特徴257表現(例えば、データ44のタイプのうちの1又は複数、例えば、歪みデータ、ECGデータなどを表すデータ44について示される特徴257)とが示されている。
【0069】
データ44の例は、これらに限定されるものではないが、ハイパスフィルタリングされたECG信号44の図14b、フィルタリングされたECG信号44からのRR間隔検出(例えば、特徴257)の図14c、ECG信号データ44の補間されたRR間隔時系列の図14d、補間されたRR間隔時系列ECG信号データ44からのパワースペクトル特徴257を示す図14e、歩行中のハイパスフィルタリングされた加速度計x軸データ44を示す図14f、加速度計信号データ44からの時間領域統計的特徴257計算を示す図14g、歪みゲージセンサ12から得られたハイパスフィルタリングされた呼吸信号データ44を示す図14h、呼吸信号データ44のフィルタリングされた呼吸間隔検出特徴257を示す図14i、フィルタリングされた呼吸信号データ44からの時間領域特徴257抽出を示す図14j、温度信号生データ44を示す図14k、及び温度信号データ44からの時間領域特徴257抽出を示す図14lのようなものとすることができる。
【0070】
図16を参照すると、着用者8の複数の異なる可能性のある状態276(例えば、感情状態)が示されており、その結果、データモデル109は特徴セット260と、感情レベル(例えば、幸福度対悲しみの程度、苦痛度対気楽さの程度、緊張度対穏さの程度、興奮対疲労等)間の関係とを対にする関係とを介して、これらの状態のうちの1以上を相関させるように構成され得る。したがって、衣類アプリケーション100によるデータモデル109のリアルタイム使用時に、着用者8のリアルタイム精神状態276は、1又は複数の感情状態を表すデータモデル109に関するリアルタイムデータ44の比較を使用して、200,250の方法を使用して決定することができる。
【0071】
図17を参照すると、報告された状態276と、着用者8の衣類11からのデータ44の収集と、データモデル109との比較による衣類アプリケーション100による処理との間の例示的なインタラクションが示されている。上述したように、報告された状態276は衣類アプリケーション100によってリアルタイムでモニターすることができ(図12のステップ210、212を参照)、したがって、報告された状態276における変化280(例えば、疲れた状態276からやる気状態276への着用者の状態の傾向)は、ネットワーク装置60に対して生成206されたコマンド45(図12を参照)に応答して、衣類アプリケーション100を介して決定することができることが認識される。図17及び図18a,bを参照すると、衣類アプリケーション100と装置アプリケーション102との間のインタラクションの例が示されており、このような装置アプリケーション102によるリアルタイムの反応45は(例えば、音楽タイプ、ボリューム;カレンダー予約時刻、場所及び内容の変更)、衣類アプリケーション100が生成するリアルタイムのコマンド45から生じる(データ44及びデータモデル109との比較に基づく)。上述のように、報告された状態276への影響は着用者8が毎日のルーチン(例えば、ライフスケジュール)に取りかかるときに、衣類アプリケーション100によってモニターすることができる。
【0072】
図17及び19を参照すると、着用者8がエネルギのあるビデオゲーム(例えば、環境刺激)をプレイしたときに、着用者8がビデオゲームをプレイしている間に着用者8によって提供される報告された感情状態レベル253(例えば、ストレスを受けたかリラックスしたか)と比較して(例えば、着用者8が経験していた感情の1~10のレベルのスケールで)、時間(即ち、データポイント)にわたる決定された着用者状態276のレベル(例えば、ストレスレベル)を示すグラフ294が示されている。
【0073】
図20を参照すると、着用者8に提示するために装置14、40に提供される報告された状態276の例示的なグラフィック(例えば、視覚的)表現が示されている。グラフィック表現は複数のグラフィック要素(例えば、球)290から成り、隣接するグラフ294に示されるように、それらの色/陰影及び空間距離292を使用して、モニターされる感情状態(例えば、ストレス)の程度を表すことができる。
【0074】
通信ネットワーク22
ユーザの影響(例えば、精神状態)分析及び提示システムは通信ネットワーク22を使用して、装置14、40、41、60(例えば、アプリケーション100、250をホストする装置40、41)間の通信を容易にする。好ましくは通信ネットワーク22がインターネットのような広域ネットワークとすることができるが、ネットワーク22は1以上のローカルエリアネットワーク22を含むこともできる。さらに、ネットワーク22は地上ネットワークである必要はなく、代わりに、無線ネットワーク及び/又は地上ネットワークと無線ネットワークとのハイブリッドを備えて、通信の柔軟性を高めることができる。一例は通信ネットワーク22は、(例えば、ネットワーク装置14、40、41、60が登録され、通信する有線、無線等の)ローカルエリアネットワーク22セグメントと、ローカルエリアネットワーク22が接続される広域ネットワーク22セグメント(例えば、インターネット)とを含む場合である。衣類アプリケーション100及び分析アプリケーション250は異なるマシン(例えば、必要に応じてローカル又は広域ネットワーク22)上にある場合にネットワーク22を介して結合され得ることも認識される。
【0075】
データ処理システム300
図15を参照すると、データ処理システム300のブロック図が示されている。データ処理システム300は、報告されたリアルタイム状態276を提供するとともに、必要に応じて、装置14、40、41のうちの任意の1又は複数の上で実施することができることが認識される。各装置14、40、41、60は、典型的には地上ネットワーク対応パーソナルコンピュータを備える。しかしながら、本発明は、パーソナルコンピュータでの使用に限定されない。例えば、ネットワーク22が無線データ通信を容易にするように構成されている場合、ネットワーク装置14、40、41、60のうちの1又は複数は、無線対応パーソナルデータアシスタント、タブレット、又は電子メール対応携帯電話などの無線通信装置を備えることができる。装置14、40、41、60はモデル109を決定/生成するために、ならびに、記憶されたモデル109を利用して上述のようにリアルタイム精神状態276を予測/報告するために、データ44をシステムに供給することができる。装置14、40、41、60のユーザ(例えば、着用者8、システム管理者、アナリスト等)は、提供されたデータ44と互いに交流し合うことができる。
【0076】
図15に示すように、データ処理システム300はネットワーク22に結合されたネットワークインターフェース302と、データ44の受信及び提示(例えば、テキスト、音声、画像、ビデオ、光及び/又は触覚フィードバックを介して)のためのユーザインターフェース304と、レポート276と、ネットワークインターフェース302及びユーザインターフェース304と通信するデータ収集/処理フレームワーク306とを備えることができる。典型的にはネットワークインターフェース302は、イーサネット(登録商標)ネットワーク回路カードを備えるが、ネットワークインターフェース302は通信ネットワーク22を介した無線通信のためのRFアンテナを備えることもできる。好ましくは、ユーザインターフェース304がデータ入力装置(キーボード、マイクロフォン、又はライティングタブレットなど)と、ディスプレイ装置(CRT又はLCDディスプレイなど)とを備える。データ処理システム300は中央処理装置(CPU)308と、不揮発性メモリ記憶装置(DISC)310(磁気ディスクメモリ又は電子メモリなど)と、読取り/書込みメモリ(RAM)312とを含み、両方ともCPU308と通信する。DISC310はRAM 312にロードされたときに、装置14、40、41、60がアプリケーション100、102、250を動作させることを可能にするためのメモリオブジェクトを定義するCPU308のためのプロセッサ命令からなるデータを含む。
【0077】
記憶装置310の例
記憶装置310の上記の説明を見ると、記憶装置310は記憶されたデータ(例えば、モデル109及び関連データ)を順番に保持するように構成することができ、記憶されたデータに対する主要な(又は唯一の)動作は記憶装置(例えば、FIFO、FIAOなど)への記憶されたデータの追加及びそれからの除去である。例えば、記憶装置310は記憶されたデータを含みまたその後にアクセスするための線形データ構造とすることができ及び/又は、記憶されたデータ(例えば、モデル109、特徴257、効果253などの関連モデルデータ、データ44、アプリケーション100、102、250など)を含み、またその後にアクセスするための非線形データ構造とすることができる。さらに、記憶装置310は、後に処理されるために記憶され保持される適用可能なデータ/命令などの様々な構成要素を受信する。これらに関連して、記憶装置310はバッファの機能を実行することができ、バッファはデータをある場所から別の場所に移動している間、データを一時的に保持するために使用されるメモリの領域である。典型的には、データは1又は複数のコンピュータ内/コンピュータ間のプロセス間でデータを移動させるときに、メモリ内に記憶される。記憶装置310は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せで実施することができることと認識される。記憶装置310はデータが受信されるレート/時間と、データが処理され得るレート/時間との間に差がある場合に、システムにおいて使用される。
【0078】
さらに、本明細書に記載されるメモリ/記憶装置310はコンピュータプロセッサ/モジュール14、40、41、60によるアクセスのために、データを電磁的又は光学的な形態で保持することができる場所であることが、当業者には理解されるであろう。一般的な使用法があり得、第1に、メモリはしばしば、ハードディスク及びテープシステム、ならびにコンピュータメモリ及び他のコンピュータ内記憶装置を含まない他の形態の記憶装置などの入力/出力動作を介してコンピュータに接続された装置及びデータを意味するように用いられる。第2に、より形式的な使用法では、メモリ/記憶装置は、(1)メモリ(ランダムアクセスメモリ又はRAMと呼ばれることもある)またはプロセッサのL1キャッシュなどのような他の「内蔵」装置内にデータを保持する一次記憶装置と、(2)入出力動作を用いてハードディスク、テープ、及び他の装置上にデータを保持する二次記憶装置とに分けられる。一次記憶装置は記憶装置がプロセッサに近接しているために、又は記憶装置の性質のために、二次記憶装置よりもアクセスが速くなり得る。一方、二次記憶装置は、一次記憶装置よりもはるかに多くのデータを保持することができる。一次記憶装置は、RAMに加えて、読取り専用メモリ(ROM)と、L1及びL2キャッシュメモリとを含む。二次記憶装置は、ハードディスクに加えて、フロッピーディスク、Zipドライブ、独立ディスク冗長アレイ(RAID)システム、及びホログラフィック記憶装置を含む様々な装置タイプ及び技術を含む。記憶装置を保持する装置は、集合的に記憶媒体として知られている。
【0079】
データベースは、容易にアクセスし、管理し、更新することができるように編成された情報の集合としてのメモリ310の一実施形態である。ある見解では、データベースはコンテンツのタイプ、すなわち、書誌、全文、数字、及び画像に従って分類することができる。コンピュータの使用において、データベースは時にはそれらの組織的アプローチに従って分類される。最も普及しているアプローチはリレーショナルデータベースであり、これは、データが多数の異なる方法で再編成され、アクセスされ得るように定義される表形式データベースである。分散データベースは、ネットワーク内の異なるポイント間で分散又は複製することができるデータベースである。オブジェクト指向プログラミングデータベースは、オブジェクトクラス及びサブクラスで定義されたデータと一致するデータベースである。コンピュータデータベースは、典型的にはデータレコード又はファイルの集合を含む。典型的には、データベースマネージャが、読取り/書込みアクセスを制御し、レポート生成を指定し、使用を分析する能力をユーザに提供する。データベース及びデータベースマネージャは大規模なメインフレームシステムで普及しているが、AS/400などのより小規模な分散ワークステーション及びミッドレンジシステムやパーソナルコンピュータにも存在する。SQL(Structured Query Language)はIBMのDB2、MicrosoftのAccess、及びOracle、Sybase及びComputer Associatesからのデータベース製品などのデータベースから対話式クエリを作成し、それらを更新するための標準言語である。
【0080】
メモリ/記憶装置は、コンピュータのマイクロプロセッサが迅速に到達することができる命令及びデータのための電子的保持場所として定義することもできる。コンピュータが通常動作中であるとき、そのメモリは通常、オペレーティングシステムの主要部分と、現在使用されているアプリケーションプログラム及び関連データの一部又は全部とを含む。メモリはしばしば、ランダムアクセスメモリ(RAM)のためのより短い同義語として使用される。この種のメモリは、コンピュータ内のマイクロプロセッサに物理的に近い1又は複数のマイクロチップ上に配置される。
【0081】
サーバに関してはアプリケーション100、102、250のホストとしての装置40、41、60はハードウェア、ソフトウェア、又は典型的にはハードウェアとソフトウェアの両方の組合せとして構成され、ネットワーク22を介してソケットリスナとして動作するネットワークエンティティを提供することができることが認識される。リソース(例えば、データ)を1以上のクライアントプロセスに共有する任意のコンピュータプロセスは、ネットワークシステム内のサーバとして分類され得ることが認識される。サーバという用語はまた、ホストがネットワーク22を介して他のコンピュータ又は電子装置を一緒にリンクする1又は複数の構成されたコンピュータであり得るように、1又は複数のそのようなプログラムを実行するように配備されるホストを記述するように一般化することもできる。サーバは、ネットワーク22に渡って、例えば、大規模な組織内のプライベートユーザに又はインターネット22を介してパブリックユーザに、特殊化されたサービスを提供することができる。ネットワークシステムでは、説明したように、サーバが専用の機能を有することができ及び/又は機能を共有することができる。エンタープライズサーバは、ビジネス絡みで使用され、任意の能力のあるコンピュータハードウェア上で/それによって実行することができるサーバである。ハードウェアの意味では、ワードサーバが典型的にはネットワーク22環境の大量の要求の下でソフトウェアアプリケーションを実行することを意図したコンピュータモデルを指定する。このクライアントーサーバ構成では、コンピュータ又はコンピュータ機器のいずれかである1又は複数のマシンが互いに情報を共有し、一方が他方のホストとして働く。ほとんどのパーソナルコンピュータはネットワークサーバとして動作することができるが、専用サーバはそれを生産環境により適したものにする特徴を含むことになる。これらの特徴は、より高速のCPU、高性能RAM、及び典型的には2以上の大型ハードドライブを含むことができる。より明白な区別には、電源、ネットワーク接続、さらにはサーバ自体における著しい冗長性が含まれる。
図1
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