(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】オーバーロードコネクタを持つ腔内医療システム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2020521913
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2018078791
(87)【国際公開番号】W WO2019077141
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-07
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ジョセフ ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ペレス シーザー
(72)【発明者】
【氏名】カントール シャーウッド
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-515876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置又は前記第1の装置とは異なる第2の装置と選択的に通信するように構成された患者インタフェースモジュール(PIM)であって、前記第1及び第2の装置が、患者の体と関連付けられた医療データを取得するように構成され、
前記PIMが、複数の信号をそれぞれ運ぶ第1の複数のピンを有する第1のコネクタを有し、
前記第1の装置が、前記第1のコネクタと係合する第2のコネクタを有し、前記第2のコネクタが、第1のピン構成を有し、前記第2の装置が、前記第1のコネクタと係合する第3のコネクタを有し、前記第3のコネクタが、前記第1のピン構成とは異なる第2のピン構成を有し、
前記第1の複数のピンにより運ばれる前記複数の信号は、前記第2のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合に前記PIMと前記第1の装置との間で、及び前記第3のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合に前記PIMと前記第2の装置との間で電気通信を選択的に可能にするように構成され、
前記第2のコネクタが前記第1のコネクタと係合し、前記第1の複数のピンの第1のサブセットがオープンである場合に、前記患者インタフェースモジュールが、前記第1のコネクタにより運ばれる信号における第1の変化を検出することにより前記第1の装置を識別し、
前記第3のコネクタが前記第1のコネクタと係合し、前記第1の複数のピンの第2のサブセットがオープンである場合に、前記患者インタフェースモジュールが、前記第1のコネクタにより運ばれる信号における第2の変化を検出することにより前記第2の装置を識別し、
前記第1のサブセットが、前記第2のサブセットとは異なる、
当該患者インタフェースモジュール、
を有する医療システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の変化が、インピーダンスの変化、電流出力の変化、又は前記第1又は第2の装置のメモリに記憶されたデータの読み取りによる変化を有する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2の装置が、患者の身体内腔内に配置されている間に前記身体内腔と関連付けられた医療データを取得するように構成された腔内装置である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の装置及び前記第2の装置を更に有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の装置が、第1のタイプの超音波トランスデューサを有し、前記第2の装置が、第2のタイプの超音波トランスデューサを有し、前記第1のタイプの超音波トランスデューサが、前記第2のタイプの超音波トランスデューサとは異なる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の装置が、第1の中心周波数を持つ超音波トランスデューサを有し、
前記第2の装置が、前記第1の中心周波数とは異なる第2の中心周波数を持つ超音波トランスデューサを有する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の装置が識別される場合に、前記PIMが、これ自体及び前記医療システムを、前記第1の装置の特性に基づいて設定するように動作可能であり、
前記第2の装置が識別される場合に、前記PIMが、これ自体及び前記医療システムを、前記第2の装置の特性に基づいて設定するように動作可能である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のコネクタが、第2の複数のピンを有し、前記第3のコネクタが、第3の複数のピンを有し、
前記第2の複数のピンの少なくとも1つが、第1のデータを記憶する第1の電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)に接続され、
前記第3の複数のピンの少なくとも1つが、前記第1のデータとは異なる第2のデータを記憶する第2のEEPROMに接続され、
前記PIMが、前記第1のデータを読み取り、これにより前記第1の装置を識別するように動作可能であり、
前記PIMが、前記第2のデータを読み取り、これにより前記第2の装置を識別するように動作可能である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
患者インタフェースモジュール(PIM)と異なる装置との間で通信を選択的に確立する方法において、前記方法が、
前記PIMの使用により、第1の装置の第2のコネクタが前記PIMの第1のコネクタと係合し、前記第1のコネクタのピンの第1のサブセットがオープンである場合に、前記第1のコネクタにより運ばれる信号における第1の変化を検出することにより前記第1の装置を識別するステップと、
前記PIMの使用により、第2の装置の第3のコネクタが前記PIMの前記第1のコネクタと係合し、前記第1のコネクタのピンの第2のサブセットがオープンである場合に、前記第1のコネクタにより運ばれる信号における第2の変化を検出することにより前記第2の装置を識別するステップと、
を有し、
前記第1及び第2の装置が、患者の体と関連付けられた医療データを取得するように構成され、
前記第2のコネクタが、第1のピン構成を含み、前記第3のコネクタが、前記第1のピン構成とは異なる第2のピン構成を含む、
方法。
【請求項10】
前記第1の装置が識別される場合に、前記第1の装置の特性に基づいて前記PIMを設定するステップと、
前記第2の装置が識別される場合に、前記第2の装置の特性に基づいて前記PIMを設定するステップと、
を更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1及び第2の変化が、インピーダンスの変化、電流出力の変化、又は前記第1又は第2の装置のメモリに記憶されたデータの読み取りによる変化を有する、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、腔内医療システムの患者インタフェースモジュール(PIM)に関し、特に、オーバーロード(overloaded)コネクタと互換性のあるPIMに関する。例えば、本開示のPIMは、複数の異なるタイプの腔内装置の1つと電気的に通信し、前記PIMと通信する腔内装置のタイプに基づいて腔内医療システムを設定することができる。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、治療の必要性を決定する、インターベンションをガイドする、及び/又はその有効性を評価するために人体内の動脈のような病変血管を評価する診断ツールとして幅広く使用されている。カテーテルは、超音波トランスデューサ、光学センサ、流量センサ、圧力センサ及び光音響センサのような、異なるタイプのセンサを標準装備している。従来、異なるタイプのセンサを持つカテーテルは、異なる患者インタフェースモジュール(PIM)と組になる異なるコネクタを持つことができる。異なる中心周波数で動作する超音波カテーテルは、従来、同一寸法のコネクタを共有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ピンの数及び出力の違いのため、異なる中心周波数で動作する超音波カテーテルは、異なるPIMに接続される。結果として、カテーテル処置室において異なるタイプのカテーテルを使用することは、多様なコネクタ及び多様なPIMの使用、ワークフローの複雑化、コストの増加、及び故障点の数の増加を伴う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、異なるタイプのセンサを持つ異なる腔内装置(例えば、カテーテル、ガイドワイヤ等)と選択的に通信することができる患者インタフェースモジュール(PIM)を含む腔内医療システムを提供する。前記PIMは、単一のPIMコネクタを使用して前記異なる腔内装置に接続する。前記PIMコネクタは、異なる電気信号(例えば、アース、電力、信号、データ等)を運ぶ複数のピンを含む。前記複数のピンは、前記異なる腔内装置が前記単一のPIMコネクタにそれぞれ接続される場合に、前記PIMが前記異なる腔内装置と通信することができるように構成される。
【0005】
一実施例において、腔内医療システムは、第1の腔内装置又は前記第1の腔内装置とは異なる第2の腔内装置と選択的に通信するように構成された患者インタフェースモジュール(PIM)を含む。前記第1及び第2の腔内装置は、患者の身体内腔内に配置されている間に前記身体内腔と関連付けられた医療データを取得するように構成される。前記PIMは、複数の信号をそれぞれ運ぶ第1の複数のピンを持つ第1のコネクタを含む。前記第1の腔内装置は、前記第1のコネクタと係合するように構成される第2のコネクタを含み、前記第2の腔内装置は、前記第1のコネクタと係合する第3のコネクタを含む。前記第1の複数のピンによりそれぞれ運ばれる前記複数の信号は、前記第2のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合に前記PIMと前記第1の腔内装置との間で、前記第3のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合に前記PIMと前記第2の腔内装置との間で電気通信を選択的に可能にするように構成される。
【0006】
いくつかの実施例において、前記腔内医療システムは、前記第1の腔内装置及び前記第2の腔内装置を更に含む。いくつかの実施例において、前記第1の腔内装置は、第1のタイプの超音波トランスデューサを含み、前記第2の腔内装置は、第2のタイプの超音波トランスデューサを含む。前記第1のタイプの超音波トランスデューサは、前記第2のタイプの超音波トランスデューサとは異なる。いくつかの実施例において、前記第1の腔内装置は、第1の中心周波数を持つ超音波トランスデューサを含み、前記第2の腔内装置は、前記第1の中心周波数とは異なる第2の中心周波数を持つ超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施例において、前記第2のコネクタは、第1のピン構成を含み、前記第3のコネクタは、前記第1のピン構成とは異なる第2のピン構成を含む。いくつかの実施例において、前記第2のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合、前記第1の複数のピンの第1のサブセットは、オープンであり、前記第3のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合、前記第1の複数のピンの第2のサブセットは、オープンである。前記第1のサブセットは、前記第2のサブセットとは異なる。いくつかの実施例において、前記第2のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合、前記複数の信号は、第1の変化を経験し、前記第3のコネクタが前記第1のコネクタと係合する場合、前記複数の信号は、第2の変化を経験する。これらの実施例において、前記PIMは、前記第1の変化を検出し、これにより前記第1の腔内装置を識別するように動作可能である。加えて、これらの実施例において、前記PIMは、前記第2の変化を検出し、これにより前記第2の腔内装置を識別するように動作可能である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1の腔内装置が識別される場合、前記PIMは、これ自体及び前記腔内医療システムを、前記第1の腔内装置の特性に基づいて設定するように動作可能である。いくつかの実施例において、前記第2の腔内装置が識別される場合、前記PIMは、これ自体及び前記腔内医療システムを、前記第2の腔内装置の特性に基づいて設定するように動作可能である。いくつかの実施例において、前記第2のコネクタは、第2の複数のピンを含み、前記第3のコネクタは、第3の複数のピンを含む。前記第2の複数のピンの少なくとも1つは、第1のデータを記憶する第1の電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)に接続される。前記第3の複数のピンの少なくとも1つは、前記第1のデータとは異なる第2のデータを記憶する第2のEEPROMに接続される。これらの実施例において、前記PIMは、前記第1のデータを読み取り、これにより前記第1の腔内装置を識別するように動作可能であり、前記PIMは、更に、前記第2のデータを読み取り、これにより前記第2の腔内装置を識別するように動作可能である。いくつかの実施例において、前記第1の腔内装置が識別される場合、前記PIMは、これ自体及び前記腔内医療システムを、前記第1の腔内装置の特性に基づいて設定するように動作可能である。いくつかの実施例において、前記第2の腔内装置が識別される場合、前記PIMは、これ自体及び前記腔内医療システムを、前記第2の腔内装置の特性に基づいて設定するように動作可能である。
【0008】
他の実施例において、患者インタフェースモジュール(PIM)と異なる腔内装置との間の通信を選択的に確立する方法が、提供される。前記方法は、前記PIMの使用により、第1の腔内装置の第2のコネクタが前記PIMの第1のコネクタと係合する場合に、前記第1のコネクタにより運ばれる信号において第1の変化を検出することにより前記第1の腔内装置を識別するステップと、前記PIMの使用により、第2の腔内装置の第3のコネクタが前記PIMの前記第1のコネクタと係合する場合に、前記第1のコネクタにより運ばれる信号において第2の変化を検出することにより前記第2の腔内装置を識別するステップとを含む。この実施例において、前記第1及び第2の腔内装置は、患者の身体内腔内に配置されている間に前記身体内腔と関連付けられた医療データを取得するように構成される。前記第2のコネクタは、第1のピン構成を含み、前記第3のコネクタは、前記第1のピン構成とは異なる第2のピン構成を含む。いくつかの実施例において、前記方法は、前記第1の腔内装置が識別される場合に、前記第1の腔内装置の特性に基づいて前記PIMを設定するステップと、前記第2の腔内装置が識別される場合に、前記第2の腔内装置の特性に基づいて前記PIMを設定するステップとを更に含む。いくつかの実施例において、前記PIMは、コンソールと通信する。いくつかの実施例において、前記方法は、前記第1の腔内装置が識別される場合に、前記第2の腔内装置の特性に基づいて前記PIM及び前記コンソールを設定するステップと、前記第2の腔内装置が識別される場合に、前記第2の腔内装置の特性に基づいて前記PIM及び前記コンソールを設定するステップとを更に含む。いくつかの実施例において、前記第1及び第2の変化は、インピーダンスの変化、電流出力の変化、又は前記第1又は第2の腔内装置のメモリに記憶されたデータの読み取りによる変化を含む。
【0009】
本開示の追加の態様、フィーチャ及び利点は、以下の詳細な記載から明らかになる。
【0010】
本開示の実例的な実施例は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】多様なPIMを含む従来技術の腔内医療システムの概略図である。
【
図2】本開示の態様による、単一のPIMを持つ腔内医療システムの概略図である。
【
図3A】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図3B】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図4】本開示の態様による、
図3A及び3Bのコネクタの典型的なコネクタピン構成の実例的な表である。
【
図5A】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図5B】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図6】本開示の態様による、
図5A及び5Bのコネクタの典型的なコネクタピン構成の実例的な表である。
【
図7】本開示の態様による、
図5A及び5Bのコネクタの典型的なコネクタピン構成の実例的な表である。
【
図8A】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図8B】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成される2つのコネクタの概略図である。
【
図9】本開示の態様による、
図8A及び8Bのコネクタの典型的なコネクタピン構成の実例的な表である。
【
図10】本開示の態様による、PIM上のコネクタと係合するように構成されるコネクタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで、図面に示された実施例が参照され、特定の言語が、同じものを説明するのに使用される。それにもかかわらず、本開示の範囲に対する限定が意図されないと理解される。記載される装置、システム及び方法に対する任意の変更及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示が関連する当業者が通常に思いつくので、完全に予期され、本開示内に含まれる。特に、1つの実施例に対して記載されたフィーチャ、コンポーネント及び/又はステップが、本開示の他の実施例に対して記載されたフィーチャ、コンポーネント及び/又はステップと組み合わせられてもよいことは、完全に予期される。簡潔さのため、しかしながら、これらの組み合わせの多くの反復は、別々に記載されない。
【0013】
図1は、従来技術の腔内医療システム100の概略図である。従来技術の腔内医療システム100は、第1の腔内装置103-1、第2の腔内装置103-2及び第3の腔内装置103-3のような、異なるセンサタイプを持つ異なる腔内装置に接続されることができる。カートベースコンソール101を含む。例えば、第1の腔内装置103-1は、10MHzで動作する超音波トランスデューサを持つ血管内超音波(IVUS)カテーテルであることができる。第2の腔内装置103-2は、20MHzで動作する超音波トランスデューサを持つIVUSカテーテルであることができる。第3の腔内装置103-3は、圧力センサを持つ圧力カテーテルであることができる。いくつかの状況において、第1、第2及び第3の腔内装置103-1、103-2及び103-3は、同一の寸法のコネクタを持つことができる。いくつかの他の状況において、これらは、全体的に異なるコネクタを持つことができる。従来、第1、第2及び第3の腔内装置103-1、103-2及び103-3に及びから伝達される信号及び電力は、異なるので、これらの各々は、センサタイプ特有のPIMと対にされる。
図1に示されるように、第1の腔内装置103-1は、第1のPIM102-1と対にされ、第2の腔内装置103-2は、第2のPIM102-2と対にされ、第3の腔内装置103-3は、第3のPIM102-3と対にされる。前記PIMの各々は、コンソール101に接続される。その結果として、第1、第2及び第3の腔内装置103-1、103-2及び103-3を用いてカテーテル法を実行するために、臨床医は、異なるPIMをセットアップし、前記腔内装置の各々が対応するセンサタイプ特有PIMに接続されていることを確認しなければならない。複数のPIMの要求は、機器のコストを増加し、カテーテル処置室の貴重な空間を占め、カテーテル法の信頼性を減少し、故障点の数を増加し、ユーザエラーの機会を増加する。
【0014】
ここで
図2を参照すると、ここに示されるのは、本開示の態様による、腔内医療システム200の概略図である。腔内医療システム200は、異なるタイプのセンサを持つ複数の腔内装置との電気通信を確立することができるPIM202を含む。
図2により示される実施例において、PIM202は、ケーブルによりコンソール201に接続され、コネクタ204をも含む。コネクタ204は、ここで、時々、PIMコネクタ204と称されてもよい。PIMコネクタ204は、第1の腔内装置203-1、第2の腔内装置203-2、及び第Nの腔内装置203-Nのような、異なるタイプのセンサを持つ複数の腔内装置とPIM202との間で通信を確立するのに使用されることができる。第1、第2及び第Nの腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、身体内腔の生理学データを取得するように患者の身体内腔内に挿入されるように構成される。第1、第2及び第Nの腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、異なる中心周波数で動作するIVUS装置又は異なる超音波トランスデューサを持つIVUSカテーテルであってもよい。一般に、IVUS装置は、単一の超音波トランスデューサ又は超音波トランスデューサアレイのような複数の超音波トランスデューサ素子を含むことができる。
【0015】
腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、患者の生体構造内に配置されるようにサイズ及び形状にされる、構造的に構成される、及び/又は他の形で構成される可撓性細長部材を含む。1以上の感知コンポーネントが、前記可撓性細長部材の遠位部分に配置されることができる。一般に、腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、ガイドワイヤ、カテーテル、ガイドカテーテル、及び/又はこれらの組み合わせであることができる。腔内装置203-1、203-2及び203-Nの1以上が、前記可撓性細長部材の前記遠位部分において1以上の超音波トランスデューサを回転する回転駆動ケーブルを含む回転式IVUS撮像装置であることができる。腔内装置203-1、203-2及び203-Nの1以上が、長手軸の周りに周辺/環状超音波アレイを含むフェーズドアレイIVUS撮像装置であることができる。他の実施例において、腔内装置203-1、203-2及び203-Nの前記感知コンポーネントは、近赤外線(NIR)撮像、光コヒーレンス断層撮影(OCT)、血管内光音響(IVPA)撮像、経食道心エコー(TEE)及び心臓内心エコー(ICE)のような、撮像に対して構成されることができる。いくつかの実施例において、腔内装置203-1、203-2及び203-Nの1以上が、圧力センサ、流れセンサ、温度センサ、光ファイバ、反射体、鏡、プリズム、アブレーション素子、無線周波数(RF)電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせを含む、任意の適切な感知コンポーネントを含むことができる。
【0016】
異なる中心周波数で動作するIVUSカテーテル及び異なる超音波トランスデューサを持つIVUSカテーテルは、全て、超音波トランスデューサを含み、これらのIVUSカテーテルは、異なる腔内装置又は異なるタイプの超音波トランスデューサを持つと見なされる。ここで使用されるNは、PIM202と互換性を持つことができる異なるタイプの腔内装置の数を表す整数を表す。第1の腔内装置203-1は、第1の装置コネクタ206-1を含み、第2の腔内装置203-2は、第2の装置コネクタ206-2を含み、第Nの腔内装置203-Nは、第Nの装置コネクタ206-Nを含む。参照の容易さのために、第1、第2及び第Nの装置コネクタは、個別に、装置コネクタ206-1、装置コネクタ206-2及び装置コネクタ206-Nとして、又は一緒に装置コネクタ206として参照されてもよい。装置コネクタ206の各々は、PIMコネクタ204と互換性を持ち、それぞれの腔内装置とPIM202との間で電気通信を確立するようにPIMコネクタ204と係合することができる。いくつかの実施例において、装置コネクタ206-1、206-2及び206-Nは、凸部、凹部、又は安全かつ信頼できる接続のためにPIMコネクタ204上の対応するフィーチャとマッチすることができる他の構造的若しくは機械的フィーチャを含むことができる。
図3A乃至10と併せて以下に更に記載されるように、これらは、本開示の様々な実施例において異なる構成を持つ。これらの異なる構成は、PIM202が、PIM202に現在接続されている腔内装置のセンサタイプを識別することを可能にする。一度、前記腔内装置のセンサタイプが識別されると、PIM202は、いくつかの実施例において、これ自体及びコンソール201を、前記識別されたセンサタイプの特性に基づいて設定することができる。
【0017】
ここで使用される身体内腔は、血管のような導管であることができる。様々な実施例において、前記身体内腔は、心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎血管系及び/又は体内の任意の他の適切な生体構造/内腔を含む、患者の血管系の動脈又は静脈である。前記身体内腔は、いくつかの例において、曲がりくねっていることができる。例えば、第1、第2及び第Nの腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、限定なしで、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺、食道を含む臓器、管路、腸、脳、硬膜嚢、脊髄、末梢神経を含む神経系構造、尿路、並びに心臓の血液中の弁、心室又は他の部分、及び/又は身体の他の系を含む、任意の数の解剖学的場所及び組織タイプを検査するのに使用されうる。自然構造に加えて、第1、第2及び第Nの腔内装置203-1、203-2及び203-Nは、限定なしで、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ及び他の装置のような人工構造を検査するのに使用されてもよい。
【0018】
コンソール201は、メモリと通信する1以上のプロセッサのような処理回路を含むことができる。コンソール201は、腔内装置203-1、203-2、203-Nにより取得された腔内データを受信し、処理し、前記腔内データを表すグラフィック表現を生成することができる。コンソール201は、ユーザに対する表示のために前記腔内データのグラフィック表現をディスプレイに送信することができる。コンソール201は、ユーザが腔内装置203-1、203-2、203-Nの動作を制御することを可能にするようにユーザ入力装置を含むことができる。コンソール201は、例えば、受信されたユーザ入力に基づいて、腔内装置203-1、203-2、203-Nに制御信号を送信することができる。
【0019】
本開示の腔内医療システム200は、従来の設計に対していくつかの利点を提供する。単一のタイプの標準化されたコネクタ対を介して(すなわち、PIMコネクタ及び互換性のある装置の接続が対になる)、異なるタイプの腔内装置に接続するのに単一のPIMを使用することにより、ワークフローは、より単純になり、より簡素化され、PIM及び接続ケーブルの数が減少され、機器コストが低下され、手続ロバスト性及び信頼性が増加され、故障点の数が減少される。PIMコネクタ204は、PIM202と腔内装置203の1つとの間で電気通信を選択的に確立するようにNの装置コネクタ206と係合することができるので、PIMコネクタ204は、オーバーロード機能を持つオーバーロードコネクタと称されることができる。
【0020】
PIM202は、任意の適切な形状を持つハウジングを有することができる。PIM202は、ここに記載される1以上のコンポーネントを収容するように構成される前記ハウジング内の体積(例えば、長さ、幅、深さ、半径等)を含むことができる。例えば、コネクタ204は、PIM202の前記ハウジングに機械的に結合されることができる。PIM202は、いくつかの実施例において、手持ち使用に対してサイズ及び形状にされる、構造的に構成される、及び/又は他の形で構成されることができる。
【0021】
いくつかの実施例において、腔内医療システム200及び/又はPIM202は、各々が全体的に参照により組み込まれる、2017年10月19日に出願された「DIGITAL ROTATIONAL PATIENT INTERFACE MODULE」と題された米国特許出願第62/574455号、2017年10月19日に出願された「WIRELESS DIGITAL PATIENT INTERFACE MODULE USING WIRELESS CHARGING」と題された米国特許出願第62/574655号、2017年10月19日に出願された「INTRALUMINAL DEVICE REUSE PREVENTION WITH PATIENT INTERFACE MODULE AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」と題された米国特許出願第62/574687号、及び2017年10月19日に出願された「HANDHELD MEDICAL INTERFACE FOR INTRALUMINAL DEVICE AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS」と題された米国特許出願第62/574610号に記載されたものと同様のフィーチャを含むことができる。
【0022】
図3A及び3Bは、第1の装置コネクタ206-1及び第2の装置コネクタ206-2の概略図である。いくつかの実施例において、コネクタ206-1及び206-2の両方が、少なくとも5つのピン01、02、03、04及び05を含む。いくつかの実施例において、コネクタ206-1及び206-2は、同数のピンを持つ。いくつかの他の実施例において、コネクタ206-1は、コネクタ206-2より多いピンを含む。いくつかの実施例において、コネクタ206-1及び206-2は、図示されるように5つの共通のピンを共有し、コネクタ206-1内の5つのピンは、コネクタ206-2内のものとは異なって構成される。ここで
図4を参照すると、ここに示されるのは、コネクタ206-1及び206-2の典型的なコネクタピン構成の実例的な表である。この典型的な表において、「ピン番号」及び「説明」欄は、コネクタ206-1及び206-2が互換性を持つPIMコネクタ204のピン番号及び機能を説明する。換言すると、この例において、PIM202のピン01は、接地され、PIM202のピン02は、電力ピンであり、「電力A」と称され、PIM202のピン03は、他の電力ピンであり、「電力B」と称され、PIM202のピン04は、信号を供給し、「信号A」と称され、PIM202のピン05は、他の信号を供給し、「信号B」と称される。この実例的な例において、コネクタ206-1は、対応するピン03及びピン05がオープンであり、コネクタ206-1が、対応するピン03及び05を持たないか又は対応するピン03及び05がオープン回路に接続されるかのいずれかであることを意味する。コネクタ206‐2は、対応するピン02及び04がオープンである、異なるピン構成を持つ。動作において、コネクタ206-1は、第1のセンサタイプを持つ第1の腔内装置203-1に接続され、ピン02から電力を引き出すが、ピン03からは引き出さず、ピン04においてインピーダンスを示し、ピン05において示さない。コネクタ206‐2は、第2のセンサタイプを持つ第2の腔内装置203-2に接続され、ピン30から電流を引き出すが、ピン02からは引き出さず、ピン05においてインピーダンスを示し、ピン04において示さない。結果として、PIM202は、これ自体に現在接続されている前記腔内装置のセンサタイプを、ピン特有の電流出力、ピン特有のインピーダンス、及びこれら2つの組み合わせに基づいて識別することができる。この例において、電流引き出し及びインピーダンスの存在だけにより、典型的な5ピン構成は、PIM202が、例えば、(コネクタが前記電力ピンの一方及び前記信号ピンの一方においてのみオープンであることができるが、両方ではない場合に)9タイプのセンサを識別することを可能にすることができる。電流引き出し及びインピーダンスが、異なるセンサタイプの間で検出可能に異なることができる場合、PIM202は、もっと多くのタイプのセンサを識別することができる。
図4に示されたピン構成により、第1の腔内装置203-1は、装置コネクタ206-1に対する接続により、利用可能なピンのサブセット(ピン01、02及び04)を使用し、ピン03及び05をオープンのままにする。第2の腔内装置203-2は、装置コネクタ206-2に対する接続により、利用可能なピンの異なるサブセット(ピン01、03及び05)を使用し、ピン02及び04をオープンのままにする。逆に、使用されるピンの全てのサブセットが、「オープン」又は「オープン回路」ピンのサブセットに対応する。いくつかの実施例において、追加の腔内装置が、PIM202により検出可能性を達成するように前述の2つのサブセットとは異なるピンサブセットを使用するように作成されることができる。
【0023】
図5A及び5Bは、装置コネクタ302及び装置コネクタ304の概略図である。
図5A及び5Bにより表されるいくつかの実施例において、装置コネクタ302、304及び互換性を持つPIMコネクタの両方が、12ピンコネクタである。いくつかの実施例において、12ピン装置コネクタの12のピンは、アースピン、同期のためのクロックピン、1以上の増幅器ピン、1以上のトリガピン、1以上の電圧/電力ピン、装置識別に対する1以上のピン、及び1以上のオープンピンを含んでもよい。
図6の表に示されるいくつかの例において、前記PIMコネクタのピン01、02、06、07及び10は、全て、電力ピン、電力A、電力B、電力C、電力D及び電力Eである。装置コネクタ302は、第1のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン06においてのみ電力を引き出し、他の全ての対応するピン01、02、07及び10は、オープン回路のままにされる。装置コネクタ304は、第2のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン10のみにおいて電力を引き出し、他の全ての対応するピン01、02、06及び07は、オープン回路のままにされる。ピン06において電力引き出しを検出することにより、
図2のPIM202のような前記PIMは、装置コネクタ302が前記PIMコネクタと係合する場合に、前記第1のタイプのセンサを識別することができる。加えて、ピン10において電力引き出しを検出することにより、
図2のPIM202のような前記PIMは、装置コネクタ304が前記PIMコネクタと係合する場合に、前記第2のタイプのセンサを識別することができる。
【0024】
図7は、
図5A及び5Bにおける装置コネクタ302及び304の典型的なコネクタピン構成の他の実例的な表を示す。この例において、前記PIMコネクタのピン01、02、06、07及び10は、全て、信号ピン、信号A、信号B、信号C、信号D及び信号Eである。装置コネクタ302は、第1のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン06において特定のインピーダンスを示し、他の全ての対応するピン01、02、07及び10は、オープン回路のままにされる。装置コネクタ304は、第2のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン10において特定のインピーダンスを示し、他の全ての対応するピン01、02、06及び07は、オープン回路のままにされる。信号Cが、ピン06においてインピーダンスを見るので、前記PIMは、装置コネクタ302が前記PIMコネクタと係合する場合に前記第1のタイプのセンサを識別することができる。加えて、信号Eが、ピン10においてインピーダンスを見るので、
図2のPIM202のような前記PIMは、装置コネクタ304が前記PIMコネクタと係合する場合に前記第2のタイプのセンサを識別することができる。
【0025】
図8A及び8Bは、装置コネクタ402及び装置コネクタ404の概略図である。
図8A及び8Bにより表されるいくつかの実施例において、装置コネクタ402、404及び互換性を持つPIMコネクタの両方が、12ピンコネクタである。
図5A及び5Bの装置コネクタ302及び304と同様に、12ピン装置コネクタの12のピンは、アースピン、同期のためのクロックピン、1以上の増幅器ピン、1以上のトリガピン、1以上の電圧/電力ピン、装置識別に対する1以上のピン、及び1以上のオープンピンを含んでもよい。
図9の表に示されるいくつかの例において、前記PIMコネクタのピン01及び02は、電力ピン、電力A及び電力Bであり、前記PIMコネクタのピン06、07及び10は、信号ピン、信号A、信号B及び信号Cである。装置コネクタ402は、第1のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン01において電力を引き出し、対応するピン06において特定のインピーダンスを示し、他の全ての対応するピン02、07及び10は、オープン回路のままにされる。装置コネクタ404は、第2のタイプのセンサを持つ腔内装置に接続され、対応するピン02において電力を引き出し、対応するピン10において特定のインピーダンスを示し、他の全ての対応するピン01、06及び07は、オープン回路のままにされる。ピン01において電力引き出しを及びピン06においてインピーダンスを検出することにより、
図2のPIM202のような前記PIMは、装置コネクタ402が前記PIMコネクタと係合する場合に、前記第1のタイプのセンサを識別することができる。加えて、ピン02において電力引き出しを及びピン10においてインピーダンスを検出することにより、
図2のPIM202のような前記PIMは、装置コネクタ404が前記PIMコネクタと係合する場合に、前記第2のタイプのセンサを識別することができる。
【0026】
図3A、3B、4、5A、5B、6、7、8A、8B及び9と併せて上に記載されたように、PIMコネクタ204のような前記PIMコネクタは、複数のピンを含む。
図3A及び3Bに示された例において、前記PIMコネクタは、少なくとも5つのピンを含む。
図5A、5B、8A及び8Bに示された例において、前記PIMコネクタは、12のピンを含む。前記PIMコネクタの複数のピンは、複数の信号を運ぶ。
図3A、3B及び4に示された例において、前記PIMコネクタの複数のピンは、少なくとも信号A及び信号Bを運ぶ。電力A及び電力Bが、電圧出力を含み、信号と見なされることができる場合、前記PIMコネクタの複数のピンは、電力A及び電力Bピンと関連付けられた追加の信号を運ぶ。
図5A,5B、6、7、8A、8B及び9に示された例において、前記PIMコネクタの複数のピンは、場合によって、5つの信号、5つの電力出力、又は2つの電力出力及び3つの信号を運ぶことができる。ここで、前記PIMコネクタの複数のピンは、同様に複数の信号を運ぶ。前記PIMコネクタの複数のピンの各々が、信号、電圧又は電力出力のあるデフォルトレベルを運ぶ場合、腔内装置に接続された装置コネクタと前記PIMコネクタを係合することは、前記PIMコネクタの複数のピンにより運ばれる複数の信号の変化を生じることができる。このような変化は、前記ピンの1以上におけるインピーダンスの変化又は前記ピンの1以上における電流出力レベルの変化であることができる。前記PIMコネクタの複数のピンにより運ばれる複数の信号の変化を検出することにより、前記PIMは、前記PIMに接続された腔内装置のセンサタイプを検出及び識別することができる。
【0027】
いくつかの実施例において、
図2のPIM202のような前記PIMは、所定の長さの時間に対していかなる腔内装置に対しても接続されていない又は遊休状態である場合に「スリープモード」に入ることができる。前記「スリープモード」において、PIMの電力消費は、低いレベルに維持され、前記PIMは、接続された前記腔内装置にいかなる制御信号も送信しない。いくつかの実施例において、前記「スリープモード」である場合に、前記PIMは、前記PIMコネクタの(信号A、B及びCのような)全ての信号ピンを介して感知信号を、又は前記PIMコネクタの(電力A、電力B、電力Cのような)全ての電力ピンを介してスタンバイ電圧を、絶えず又は定期的に出力することができる。前記信号ピンのいずれかが、装置コネクタ上のオープン対応ピンに接続されていない場合、当該信号ピンの感知信号は、前記装置コネクタに接続された前記腔内装置の1以上のセンサと関連付けられた負荷によるインピーダンスを見る。この場合、前記PIMコネクタの複数のピンにより運ばれる複数の信号は、前記PIMにより検出され、現在接続されている腔内装置のセンサタイプを識別するのに前記PIMにより使用されることができるインピーダンスの変化を経験する。いくつかの実施例において、前記複数の信号におけるインピーダンスの変化は、前記「スリープモード」から前記PIMを起こすことができる。同じことが、前記PIMコネクタの電力ピンに対しても当てはまる。前記電力ピンのいずれも、装置コネクタ上のオープンな対応するピンに接続されていない場合、前記電力ピンのスタンバイ電圧は、前記装置コネクタに接続された腔内装置の1以上のセンサに対する電流出力をもたらす。この場合、前記PIMコネクタの複数のピンにより運ばれる複数の信号は、前記PIMにより検出され、現在接続されている腔内装置のセンサタイプを識別するのに前記PIMにより使用されることができる電流出力の変化を経験する。いくつかの実施例において、前記複数の信号における電流出力の変化は、前記「スリープモード」から前記PIMを起こすことができる。
【0028】
図2のPIM202のような前記PIMが、これ自体に現在接続されている腔内装置のセンサタイプを、前記コネクタ対(すなわち、PIMコネクタ及び互換性を持つ装置コネクタ)を介して識別した後に、前記PIMは、これ自体及び/又は
図2のコンソール101のようなコンソールを、前記識別されたセンサタイプの特性に基づいて設定する。いくつかの実施例において、前記PIMは、信号増幅器、信号フィルタ、物理層信号変調器、及びアナログ・デジタル変換器(ADC)のような複数のコンポーネントを含むことができる。これらのコンポーネントは、異なるタイプのセンサとともに正しく動作するように異なるパラメータを要求する。前記PIMを設定することは、前記PIMが前記接続された腔内装置とともに適切に機能することができるようにこれらのパラメータを少なくとも変更又は再設定することを含む。いくつかの実施例において、前記コンソールは、一度前記腔内装置のセンサタイプが識別されると、前記コンソールが、前記腔内装置により取得された前記医療データを適切に処理し、前記医療データのグラフィック表現を生成することができるように、前記PIMにより設定される必要もある。
【0029】
ここで
図10を参照すると、ここに示されるのは、PIMコネクタ204のようなPIMコネクタと係合するように構成される装置コネクタ500の概略図である。いくつかの実施例において、装置コネクタ500は、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)502(又はEEPROM502)のようなメモリに電気的に接続されたピンを含む。EEPROM502は、EEPROM502が、装置コネクタ500に接続された腔内装置及び前記腔内装置に取り付けられたセンサのタイプを一意的に識別するのに使用されることができる情報又はデータを記憶するように、EEPROMプログラマ又はライタにより事前にプログラムされている。参照の容易さのために、このような情報又はデータは、装置識別子データと称されてもよい。
図10に示される例において、EEPROM502は、前記PIMコネクタのピン06に対応するピン06に電気的に接続される。前記PIMコネクタのピン06は、前記PIM内に配置されたEEPROMリーダに電気的に接続される。前記PIM内の前記EEPROMリーダは、ピン06の装置識別子データを読み取り、前記腔内装置及び前記センサのタイプを一意的に識別することができる。上に記載されたものと同様に、一度前記腔内装置が前記PIMにより識別されると、前記PIMは、これ自体及び/又は前記コンソールを、前記PIM及び/又は前記コンソールが前記腔内装置とともに適切に機能することができるように、前記腔内装置の特性によって設定することができる。前記PIM内の前記EEPROMリーダが、前記EEPROMに記憶された装置識別子データを読み取るので、前記PIMコネクタの複数のピンにより運ばれる複数の信号は、変化を経験するといわれることができる。
【0030】
参照の容易さのために、
図3A乃至9と併せて記載されたように、インピーダンス及び電流出力の変化の検出により腔内装置の識別を対象とする実施例は、ピンサブセット実施例と称されることができる。前記ピンサブセット実施例は、単独で、又は
図10と併せて記載されたEEPROM実施例に関連して使用されることができる。いくつかの実施例において、前記ピンサブセット実施例は、前記腔内装置のセンサタイプを識別する第1手段として使用されることができ、前記EEPROM実施例は、同じ目的で第2手段として使用されることができる。いくつかの他の実施例において、前記EEPROM実施例は、前記腔内装置のセンサタイプを識別する第1手段として使用されることができ、前記ピンサブセット実施例は、同じ目的で第2手段として使用されることができる。いくつかの実施例において、第2手段は、第1手段により生成された識別を確認するのに役立つ。第2手段が、矛盾した識別を生成する場合、PIM202のような前記PIMは、前記ユーザに対するアラートを表示するように前記コンソールに指示することができる。前記ユーザは、前記腔内装置を再び識別するように前記PIMに要求することができるか、又は前記PIM又は前記腔内医療システム全体の設定を開始するように前記識別を手動で入力する。いくつかの実施例において、第1手段は、前記腔内装置を識別し、第2手段が、前記識別された腔内装置と関連付けられた他の特性を識別する。すなわち、これらの実施例において、第2手段は、第1手段により生成された識別を増補するのに役立つ。第2手段により識別されたこれらの他の特性は、前記PIM又は前記腔内医療システム全体を、より徹底的に又は正確に設定するのに前記PIMにより使用されることができる。
【0031】
当業者は、上述の装置、システム、及び方法が様々な形で修正されることができることを認識するであろう。本開示では、一般的には腔内医療装置及び例示的な実施例において腔内超音波装置が主に言及されているが、代替的な実施例において、腔内医療装置の少なくとも1つは、身体の内腔内の生理学的測定値(例えば、圧力、流速)を提供するように構成された腔内感知装置である。加えて又は代わりに、一実施例において、医療装置は、腔内医療装置の他に、少なくとも1つの体外撮像装置(例えば、超音波)及び/又は体外感知装置(例えば、心電図)を有してもよい。代替的な実施例は、腔内医療システム200の詳細な説明で既に述べたのと同じ利点を有する。したがって、当業者は、本開示によって包含される実施例が、上述した特定の例示的な実施例に限定されないことを理解するであろう。これに関して、例示的な実施例が図示及び記載されているが、広い範囲の修正、変更、及び置換が、先行する開示において予期される。このような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記のものになされてもよいことが理解される。したがって、添付の請求項は、広く、かつ本開示と一致する形で解釈されることが適切である。