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特許7303205胆道癌を処置するための方法および併用療法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】胆道癌を処置するための方法および併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7068 20060101AFI20230627BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
A61K31/7068
A61K31/4184
A61K31/513
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P1/16
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020543075
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2019051131
(87)【国際公開番号】W WO2019155448
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】62/629,616
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/728,559
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506125971
【氏名又は名称】アレイ・バイオファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】オ,ドヨン
【審査官】内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】Archives of History for NCT 02773459,2016年,https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT02773459?V_2
【文献】Br. J. Cancer,2017年,Vol.116,pp.575-583
【文献】J. Clin. Oncol.,2012年,Vol.30 Iss.4 Suppl.,No.220
【文献】Cancer,2004年,Vol.101,pp.578-586
【文献】J. Clin. Oncol.,2017年,Vol.35 Iss.15 Suppl.,No.4006
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/513
A61P 35/00
A61P 1/16
A61P 43/00
A61K 45/00
A61K 31/4184
A61K 31/7068
A61K 33/24
A61K 31/282
A61K 31/519
A61K 31/704
A61K 31/4745
A61K 31/517
A61K 39/395
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量のカペシタビンと、一定量のビニメチニブであるMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩を含む治療薬組合せであって、前記治療薬組合せが、それを必要とする患者に一定期間にわたって投与することによる胆道癌の処置のために使用され、
前記ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩が、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、2週間の投薬および1週間の休止期間の間、約30mgの用量で1日2回経口投与され、
前記カペシタビンが、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、2週間の投薬および1週間の休止期間の間、約1250mg/m の用量で1日2回経口投与される、
前記治療薬組合せ。
【請求項2】
請求項1に記載の治療薬組合せであって、前記MEK阻害剤が結晶化ビニメチニブである、治療薬組合せ
【請求項3】
請求項1-2のいずれか一項に記載の治療薬組合せであって、期間の前に、患者が先行の療法を用いて処置されており、そして、前記先行の療法がゲムシタビンの投与である、請求項1-2のいずれか一項に記載の治療薬組合せ
【請求項4】
請求項3に記載の治療薬組合せであって、前記先行の療法が有効でない、または患者が、前記先行の療法に対して耐性であると決定された、請求項に記載の治療薬組合せ
【請求項5】
前記処置が、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、全生存(OS)の増大または奏効の持続期間(DOR)の増大のうち1つまたは複数を決定するステップによって、期間の間に処置の有効性を評価するステップをさらに含む、請求項1-のいずれか一項に記載の治療薬組合せ
【請求項6】
請求項1-5のいずれか一項に記載の治療薬組合せであって、前記胆道癌が、KRAS、KRAS G12A、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12V、NRAS、NRAS Q61L、MAP2K1、MAP2K1 E203K、MAP2K1 E203Vからなる群から選択される突然変異を有する、前記治療薬組合せ
【請求項7】
請求項1-6のいずれか一項に記載の治療薬組合せであって、前記胆道癌が、肝内胆管癌、肝外胆管癌、ファーター膨大部癌、切除不能な胆道癌、再発性胆道癌から選択される、前記治療薬組合せ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2018年2月12日に出願された米国仮出願第62/629,616号および2018年9月7日に出願された同62/728,559号の利益を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、胆道癌の処置のために有用な、方法および併用療法に関する。特に、本発明は、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法から本質的になる併用療法を投与することによる、胆道癌を処置するための方法および併用療法に関する。本発明の組合せの医薬的使用も記載される。
【背景技術】
【0003】
[0003]毎年、米国においておよそ8,000人が胆道癌(BTC)と診断されている。BTCは、東アジアおよび東南アジアにおいて比較的高頻度で検出され、タイ肝吸虫(Opisthorchis viverrini)および肝吸虫(Clonorchis sinensis)寄生虫感染症と関連付けられてきた。胆道癌は、胆嚢および胆管の上皮内層に影響を及ぼし、黄疸およびそう痒症を伴うことが多い。BTCは、胆嚢癌および胆管細胞癌を含む。BTCと診断された患者の生存率は、癌が後期ステージに進行した時点になって初めて診断されることが頻繁にあるので不十分であるままである。初期ステージ疾患BTCと診断されている患者の中で、外科的切除は、患者のほんの10%にとっての選択肢であり、癌再発率は依然として高い。BTC患者の大多数にとって、化学療法が処置の第1ラインである。転移性BTCまたは切除不能BTCと診断された患者の生存時間は、12カ月よりも短いと予測される。BTCは、Kirstenラット肉腫(Kras)の活性化と上皮成長因子受容体(EGFR)突然変異ならびにMothers against decapentaplegic homolog 4(SMAD4)、サイクリン依存性キナーゼ4阻害剤p16-INK4(P16INK4A)および腫瘍タンパク質p53(P53)における機能喪失突然変異と関連付けられている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明は、MEK阻害剤(例えば、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩)およびフルオロピリミジン含有療法(例えば、カペシタビン)の組合せが、例えば、(1)単独療法として投与される場合の胆道癌を有する患者に投与される場合の同一投与量のMEK阻害剤および(2)単独療法として投与される場合の胆道癌を有する患者に投与される場合の同一投与量のフルオロピリミジン含有療法の相加作用と比較して、胆道癌を有する患者において相乗的治療効果(例えば、1種または複数の固形腫瘍の容量の相乗的低減、患者の生存時間の相乗的増大および/または患者における安定疾患の時間の相乗的増大)をもたらし得るという発見に基づいている。
【0005】
[0005]一態様では、独立に、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む併用療法法が本明細書において提供される。
【0006】
[0006]一態様では、独立に、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む併用療法法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0007】
[0007]一態様では、独立に、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む併用療法法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0008】
[0008]一態様では、独立に、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になる併用療法法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0009】
[0009]一態様では、独立に、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になる併用療法法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0010】
[0010]一態様では、胆道癌を処置する方法であって、一定量のフルオロピリミジン含有療法および一定量のMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩を、それを必要とする患者に一定期間にわたって投与することを含み、ここにおいて、量は一緒になって、胆道癌の処置において有効である、前記方法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0011】
[0011]一態様では、胆道癌を処置する方法であって、一定量のフルオロピリミジン含有療法および一定量のMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩から本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって、胆道癌の処置において有効である、前記方法が本明細書において提供される。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0012】
[0012]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、化学療法薬およびターゲッティングされる治療薬から独立に選択される1種または複数の治療薬を用いて処置された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、1種または複数の化学療法薬(例えば、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビンまたはカペシタビン)、白金ベースの化学療法(例えば、シスプラチン)を用いて処置されており、任意選択で、患者は、1種または複数の化学療法薬を用いる処置に対して非反応性であるとこれまでに決定されている。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、単独療法として、ターゲッティングされる治療薬(例えば、受容体チロシンキナーゼがターゲッティングされる治療薬(例えば、EGFR阻害剤)、シグナル伝達経路阻害剤(例えば、MEK阻害剤、RAS阻害剤、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤またはRAF阻害剤)または血管新生がターゲッティングされる療法)を用いて処置されており、任意選択で、単独療法としてのターゲッティングされる治療薬阻害剤を用いる先行の処置は不成功であった、および/または、患者はターゲッティングされる治療薬に対して耐性になった。前記態様のいずれかでは、期間の前に患者に投与されていた不成功の処置として、それだけには限らないが、患者が先行の療法を失敗した、またはこのような先行の療法に対して不応性であったおよび/または癌が転移していた、もしくは再発していた処置を挙げることができる。
【0013】
[0013]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、化学療法、ターゲッティングされる抗癌剤、放射線療法および手術のうち1種または複数を用いて処置され、任意選択で、先行の処置は不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、単独療法としてフルオロピリミジン含有療法またはMEK阻害剤を用いて処置された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンを用いて処置され、任意選択で、先行の処置は不成功であった。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、単独療法としてMEK阻害剤を用いて処置され、任意選択で、先行の処置は不成功であった。
【0014】
[0014]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間後に、患者は、フルオロピリミジン含有療法および一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的にならない治療薬(例えば、フルオロピリミジン含有療法および一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤からなる治療薬)を用いて処置される。
【0015】
[0015]いくつかの態様では、期間の間の、フルオロピリミジン含有療法の投与およびMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩の投与は、実質的に同時に生じる。いくつかの態様では、期間の間に、患者へのフルオロピリミジン含有療法の投与は、患者へのMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩の投与の前に生じる。いくつかの態様では、期間の間に、患者へのMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩の投与は、患者へのフルオロピリミジン含有療法の投与の前に生じる。
【0016】
[0016]いくつかの態様では、患者はまた、期間の間に、外科的処置(例えば、固形腫瘍および/またはリンパ節の切除)が施される。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、放射線療法が施される。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、期間の間に処置の副作用を改善するための1種または複数の薬剤(例えば、止痢薬(例えば、ロペラミド)、副腎皮質ステロイド、セロトニンアンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、NK-1阻害剤、カンナビノイド、抗不安薬(例えば、ロラゼパムまたはジアゼパム)、抗生物質、抗真菌剤、コロニー刺激因子、鉄補助剤、Procrit、エポエチンアルファ、ダルベポエチンアルファ、制吐薬、利尿薬、NSAID、鎮痛薬、メトトレキサート、抗利尿薬、プロバイオティクス、血圧医薬、鎮吐剤などのうち1種または複数)が投与される。
【0017】
[0017]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、さらなるターゲッティングされる抗癌剤を投与されない(例えば、期間の間に)。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間にさらなる化学療法薬を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、非MEKキナーゼがターゲッティングされる阻害剤が投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤(例えば、タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイドおよびビンカアルカロイドおよびその誘導体のうち1種または複数を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、c-MET阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、CDK4/6阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、PI3K阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、対象は、期間の間に、BRAF阻害剤(例えば、エンコラフェニブ)を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、FGFR阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、BCR-ABL阻害剤を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に投与されるものとは異なる、フルオロピリミジン含有療法である抗癌療法を投与されない。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、期間の間に、投与されるものと異なるMEK阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、RAS阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、CSR-1R阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、EGFR阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、RAF阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、KRAS阻害剤を投与されない。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、NRAS阻害剤を投与されない。
【0018】
[0018]いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、化学療法を含む。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤(例えば、タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ヌクレオチド類似体、さらなるヌクレオチド前駆体類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイド、ビンカアルカロイドおよび誘導体の群から選択される化学療法薬のうち1種または複数の種類を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、任意のターゲッティングされる化学療法薬を用いる処置を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、外科的処置および/または化学療法を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、以下:EGFR阻害剤、RAF阻害剤、RAS阻害剤、KRAS阻害剤、NRAS阻害剤、c-MET阻害剤、CDK4/6阻害剤、PI3K阻害剤、BRAF阻害剤、FGFR阻害剤、さらなるMEK阻害剤およびBCR-ABL阻害剤のうち1種または複数を除く任意のターゲッティングされる化学療法薬を用いる処置を含み得る。いくつかの態様では、「から本質的になる」とは、期間の間に、放射線療法を含み得る。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。いくつかの態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。いくつかの態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。
【0019】
[0019]さらなる態様では、本発明は、胆道癌を処置する方法であって、一定量のフルオロピリミジン含有療法および一定量のMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩を含む、またはから本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、期間の間に投与することを含む、またはから本質的になり、前記方法を提供し、ここにおいて、量は一緒になって、胆道癌の処置において有効である(例えば、期間の間の)、前記方法を提供する。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0020】
[0020]さらなる態様では、本発明は、胆道癌を処置する方法であって、一定量のカペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法および一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤を含む、またはから本質的になる、またはからなる治療薬を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって、胆道癌の処置において有効である(例えば、期間の間の)、前記方法を提供する。一態様では、ビニメチニブは、結晶化ビニメチニブである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】[0021]図1Aは、種々の濃度のビニメチニブに対する曝露後の胆道癌細胞株(SNU245、SNU308、SNU478、SNU869、SNU1079、SNU1196、TFK1およびHuCCT1)の細胞生存力パーセントを示すグラフである。
図1B】[0022]図1Bは、胆道癌細胞株SNU245、SNU1196、SNU869およびHuCCT1におけるビニメチニブおよび5-FUの組合せ指数を示す棒グラフである(Fa=0.5でCI<1)。
図1C】[0023]図1Cは、ビニメチニブ、5-FUまたはビニメチニブおよび5-FUの組合せを用いて処置された細胞における、チミジル酸シンターゼ(TS)、プログラム死リガンド1(PD-L1)およびβ-アクチンの発現を示すウエスタンブロットである。
図2A】[0024]図2Aは、肝内胆管癌(I)、肝外胆管癌(E)、胆嚢癌(G)およびファーター膨大部癌(A)を有する患者における、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における腫瘍縮小のウォーターフォールプロットを示す図である。
図2B】[0025]図2Bは、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における無増悪生存期間(PFS)中央値および全生存(OS)中央値を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図2C】[0026]図2Cは、野生型腫瘍を有するものに対して、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する腫瘍を有する患者を比較する、肝内胆管癌(I)、肝外胆管癌(E)、胆嚢癌(G)およびファーター膨大部癌(A)を有する患者における、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における腫瘍縮小のウォーターフォールプロットを示す図である。
図2D】[0027]図2Dは、野生型腫瘍を有するものに対して、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する腫瘍を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における無増悪生存期間(PFS)中央値を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図2E】[0028]図2Eは、野生型腫瘍を有するものに対して、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する腫瘍を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者の処置期間のスイマープロットを示す図である。
図2F】[0029]図2Fは、野生型腫瘍を有するものに対して、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する腫瘍を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における全生存(OS)中央値を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図3A】[0030]図3Aは、高いベースラインIL-6血漿中濃度(>10.3pg/mL)および低いベースラインIL-6血漿中濃度(≦10.3pg/mL)を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における無増悪生存期間(PFS)中央値を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図3B】[0031]図3Bは、高いベースラインIL-6血漿中濃度(>10.3pg/mL)および低いベースラインIL-6血漿中濃度(≦10.3pg/mL)を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における全生存(overall free survival)(OS)を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図3C】[0032]図3Cは、ベースラインと第2のサイクル後の間の>14.8pg/mLおよび≦14.8pg/mLのIL-6血漿中濃度の変化を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、2サイクルのビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における無増悪生存期間(PFS)中央値を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
図3D】[0033]図3Dは、ベースラインと第2のサイクル後の間の>14.8pg/mLおよび≦14.8pg/mLのIL-6血漿中濃度の変化を有する患者を比較する、実施例2の第1b相試験の用量漸増部分における、2サイクルのビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて処置された患者における全生存(overall free survival)(OS)を示す、リスクテーブルを伴う生存曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0034]BTCは、東アジアおよび東南アジアにおける患者において比較的高頻度で検出される。限定された処置選択肢しかなく、予後は依然として不良であり、全生存時間は、第1ラインの化学療法を使用してわずか約8~10カ月である。化学療法および放射線照射は、BTC処置の頼みの綱である。例えば、5-フルオロウラシル、例えば、5-フルオロウラシルおよびロイコボリン、5-フルオロウラシルおよびシスプラチン、5-フルオロウラシル、エピルビシンおよびシスプラチン、5-フルオロウラシルイリノテカンを用いる併用療法も、BTC患者に提供されてきた(HezelおよびZhu、The Oncologist13巻(4号):415~423頁(2008年)。
【0023】
[0035]ゲムシタビン、デオキシシチジン類似体も、単独療法としてBTCを有する患者に使用されてきた。ゲムシタビンおよびシスプラチンの併用療法は、最も一般的に使用される第1ライン化学療法である。しかし、BTCを有するいくつかの対象は、ゲムシタビンに対する耐性を発達させる。理論に捉われようとは思わないが、本発明者らは、フルオロピリミジン含有療法(例えば、カペシタビン)およびMEK阻害剤(例えば、ビニメチニブ)の併用療法が、BTC細胞において相乗的治療効果を有することを発見した。
【0024】
[0036]MEKは、例えば、VEGF受容体、CSF1RおよびTAMキナーゼMer、AXLおよびTyro3を含む複数の受容体チロシンキナーゼ(RTK)のシグナル伝達の重要な下流エフェクターである。癌(任意選択で、例えば、対照組織と比較されるようなMAPK経路シグナル伝達の調節不全をさらに有する、例えば、ゲムシタビン耐性癌、例えば、ゲムシタビン耐性BTC)を有する哺乳動物において抗腫瘍応答の改善を提供するために、MEK阻害剤およびフルオロピリミジン含有療法の使用を含む併用療法が本明細書において発見された。本発明は、本明細書において含まれる以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明および実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。本明細書において使用される技術用語は、単に特定の態様を説明する目的のものであり、制限であると意図されないということは理解されるべきである。さらに、本明細書において詳しく定義されない限り、本明細書において使用される技術用語は、関連技術分野において公知であるようなその伝統的な意味が与えられるべきであるということも理解されるべきである。
一般的な定義
[0037]本発明がより容易に理解され得るように、特定の技術用語および科学用語が、以下に具体的に記載される。本文書中の別の場所に具体的に定義されない限り、本明細書において使用されるすべてのその他の技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0025】
[0038]「約」とは、数的に定義されたパラメータ(例えば、MEK阻害剤またはフルオロピリミジン含有療法の用量または本明細書において記載される併用療法を用いる処置時間の長さ)を修飾するために使用される場合、パラメータが、そのパラメータの示された数値の上下10%程度で変わり得ることを意味する。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kgから5.5mg/kgの間で変わり得る。「約」とは、パラメータの列挙の開始時に使用される場合には、各パラメータを修飾することを意味する。例えば、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mgとは、約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgを意味する。同様に、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上とは、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上および約25%以上を意味する。
【0026】
[0039]用語「5-FU」とは、5-フルオロウラシルを指す。一態様では、5-FUは、経口投与のために製剤化される。一態様では、5-FUは、静脈内投与のために製剤化される。
【0027】
[0040]用語「フルオロピリミジン含有療法」とは、(a)5-FUプロドラッグ、(b)5-FUを含む併用療法および(c)5-FUプロドラッグを含む併用療法から選択される療法を指す。
【0028】
[0041]用語「5-FUプロドラッグ」とは、1種または複数の酵素系によって酵素的活性化を受けて5-FUを細胞内に遊離する化合物を指す。5-FUプロドラッグの例として、それ自体が、別の5-FUプロドラッグ(ドキシフルリジン)のプロドラッグであるカペシタビン(n4-ペンチロイカルボニル-5’-デオキシ-5-フルオロシチジン;ゼローダ)およびフトラフール(テガフール;[R,S-1-1(テテルヒドロフラン(teterhydrofuran)-2-イル)-5-FU])が挙げられる。
【0029】
[0042]用語「DPD阻害剤」とは、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)を可逆的または不可逆的に阻害する化合物を指す。可逆的DPD阻害剤の例として、ウラシル、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシピリジン(CDHP;ギメラシル)および3-シアノ-2,6-ジヒドロキシピリジン(CNDP)が挙げられる。不可逆的阻害剤の例として、5-エチニルウラシル(エニルウラシル)が挙げられる。
【0030】
[0043]用語「5-FUを含む併用療法」とは、5-FUおよび1種または複数のDPD阻害剤の投与を含む併用療法を指す。一態様では、DPD阻害剤は、5-FUの投与の前に投与される。
【0031】
[0044]用語「5-FUモジュレーター」とは、5-FUホスホリボシル化の阻害剤を指す。一例として、ピリミジンホスホリボシルトランスフェラーゼ阻害剤であるオキソニン酸がある。
【0032】
[0045]用語「5-FUプロドラッグを含む併用療法」とは、5-FUプロドラッグおよび1種または複数のDPD阻害剤および/または5-FUモジュレーターの投与を含む併用療法を指す。一態様では、「5-FUプロドラッグを含む併用療法」は、1:0.4:1のモル比のフトラフール、オキソニン酸および5-クロロ-2,4-ジヒドロキシピリジン(CDHP)の経口製剤であるS-1である。一態様では、「5-FUプロドラッグを含む併用療法」は、1:1モル比で組み合わされたDPD阻害剤3-シアノ-2,6-ジヒドロキシピリジンと組み合わされた5-FUプロドラッグ(1-エトキシメチル5-FU)である経口製剤BOF A-2である。一態様では、「5-FUプロドラッグを含む併用療法」は、5-FUプロドラッグフトラフールおよびDPD阻害剤ウラシルの1:4モル組合せである経口製剤UFTである。
【0033】
[0046]用語「癌」、「癌性」または「悪性」とは、通常、未制御の細胞成長を特徴とする哺乳動物における身体的状態を指す、または記載する。癌の例として、それだけには限らないが、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、黒色腫、結腸癌、食道癌、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌腫、肺癌、結腸直腸癌、ラブドイド腫瘍、網膜芽細胞腫タンパク質陽性癌、胆嚢癌、胆管癌(例えば、肝内胆管癌および肝外胆管癌)、ファーター膨大部癌、星状細胞腫、神経膠芽腫多形、Bannayan-Zonana症候群、Cowden病、Lhermitte-Duclos病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、AML、慢性好中球性白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核芽球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮癌、肺癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、唾液腺癌、鼻咽頭癌、頬側癌、口腔の癌、GIST(胃腸胃腫瘍)、NSCLCまたは精巣癌が挙げられる。いくつかの態様では、癌は、T細胞浸潤性癌である。いくつかの態様では、癌は、非小細胞肺癌、胆道癌、乳癌、膀胱癌、子宮頸癌、悪性中皮腫、卵巣癌および膵臓癌からなる群から選択される。一態様では、癌は、胆道癌(BTC)である。
【0034】
[0047]用語「胆道癌」とは、「胆管癌(bile duct cancer)または「胆管癌(cholangiocarcinoma)」としても知られ、胆汁管において生じる癌を指す。胆道癌は、胆管に沿ったどこにも形成される可能性があり、胆道癌の各亜種は、原発性癌が始まる位置にちなんで名付けられる。肝内癌は、肝臓中の胆管の内側で始まる。肝外癌は、肝臓の外側の胆管から始まる。胆管癌の50パーセントは、Klatskin腫瘍であり、これは、肝臓中の右肝管が左肝管と接続する場所に形成される。総胆管において始まる癌は、総胆管癌と呼ばれる。胆管の異なる領域に存在する複数の腫瘍がある場合には、これは、多巣性胆管癌と呼ばれる。用語「胆道癌」はまた、胆嚢癌を含む。用語「胆道癌」はまた、膨大部の癌腫を含む。したがって、用語「胆道癌」は、肝外癌、Klatskin腫瘍、総胆管癌、多巣性胆管癌、胆嚢癌および膨大部の癌腫を含む。一態様では、胆道癌は、進行性胆道癌がある。いくつかの態様では、胆道癌は、肝内胆管癌、肝外胆管癌、胆嚢癌およびファーター膨大部癌からなる群から選択される。いくつかの態様では、胆道癌は、切除不能である。いくつかの態様では、胆道癌は、再発していた(例えば、「再発性疾患」)。一態様では、胆道癌は、RAS突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、KRAS突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、KRAS G12A突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、KRAS G12C突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、KRAS G12D突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、KRAS G12V突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、NRAS突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、NRAS Q61L突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、RAF突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、BRAF突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、MAP2K1突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、MAP2K1 E203K突然変異を有する。一態様では、胆道癌は、MAP2K1 E203V突然変異を有する。
【0035】
[0048]語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法において治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において治療量以下のおよび/または検出不能なレベルで存在するような、(1)期間の間の、治療薬の第1の投与の前の対象への手術および/もしくは放射線処置の投与の完了ならびに/または(2)期間の間の、本明細書において記載される併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法において治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において治療量以下のレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法における治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が対象において検出不能なレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。いくつかの態様では、語句「期間に先立って」または「期間の前に」とは、併用療法における治療薬の第1の投与が、期間の間に実施される時点で、1種または複数の治療薬が、対象において治療量以下および/または検出不能なレベルで存在するような、期間の間の併用療法における治療薬の第1の投与の前の、対象への1種または複数の治療薬の投与を指す。
【0036】
[0049]語句「医薬上許容される」は、物質または組成物が、製剤を含むその他の成分および/またはそれで処置される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合しなくてはならないことを示す。いくつかの態様は、本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩に関する。用語「医薬上許容される塩」とは、投与される生物に対して著しい刺激作用を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を抑止しない化合物の製剤を指す。特定の例では、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などといった酸と反応させることによって得られる。いくつかの場合には、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される酸性基を有する化合物を、塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩、有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンの塩ならびにアルギニン、リシンなどといったアミノ酸を有する塩などの塩を形成することによって、またはこれまでに決定されたその他の方法によって得られる。
【0037】
[0050]「投与」、「投与すること」、「処置すること」および「処置」とは、患者、個々の動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、臓器または生物学的流体に適用される場合、動物、ヒト、対象、細胞、組織、臓器または生物学的流体への外因性医薬剤、治療剤、診断剤または組成物の接触を指す。細胞の処置は、試薬の細胞への接触ならびに試薬の、細胞と接触している流体への接触を包含する。「投与」および「処置」はまた、例えば、細胞の、試薬、診断用化合物、結合化合物によるまたは別の細胞によるin vitroおよびex vivo処置を意味する。
【0038】
[0051]「処置」および「処置すること」とは、臨床設定において使用される場合、有益なまたは所望の臨床結果を得るために意図される。本発明の目的上、有益なまたは所望の臨床結果として、それだけには限らないが、以下のうち1つまたは複数が挙げられる:新生物細胞または癌性細胞の増殖を低減すること(または破壊すること)、新生細胞の転移を阻害すること、腫瘍の大きさ(例えば、容量)を縮小または減少すること、癌の緩解、癌に起因する症状を減少すること、癌を患っているものの生活の質を増大すること(例えば、FACT-GまたはEORTC-QLQC30を使用して評価される)、癌を処置するために必要なその他の医薬の用量を減少させること、癌の進行を遅延すること、および/または癌を有する患者の生存を延長すること。例えば、処置は、癌などの障害の1つまたはいくつかの症状の減少であり得る。本発明の意味内で、用語「処置する」はまた、発症(すなわち、疾患の臨床所見の前の期間)を停止、遅延することおよび/または癌の発生若しくは悪化のリスクを低減することを表す。「処置」はまた、処置を受けていない場合に予測された生存と比較して生存を延長すること、例えば、本明細書において記載されるような処置を受けていない対象と比較した治療全生存(OS)の増大および/または本明細書において記載されるような処置を受けていない対象と比較した無増悪生存(PFS)の増大を意味する。用語「処置すること」はまた、癌を有する対象の状態の改善、例えば、対象における1つまたは複数の腫瘍の大きさの減少、対象における1つまたは複数の腫瘍の成長速度の減少または実質的な変化がないこと、対象における転移の減少および対象の緩解期間の増大(例えば、処置を受けていない、もしくは異なる処置を受けている同様の癌を有する対象における1つもしくは複数測定基準と比較した、または処置の前の同一対象における1つもしくは複数の測定基準と比較した)のうち1つまたは複数を意味し得る。癌を有する対象において処置に対する応答を評価するためのさらなる測定基準は、以下に本明細書において開示される。
【0039】
[0052]用語「対象」として、任意の生物、好ましくは、動物、より好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコおよびウサギ)、最も好ましくは、ヒトが挙げられる。
【0040】
[0053]本発明に従う処置されるべき「患者」は、任意の温血動物、例えば、それだけには限らないが、ヒト、サルまたはその他の下等霊長類、ウマ、イヌ、ウサギ、モルモットまたはマウスを含む。一態様では、患者はヒトである。一態様では、患者は、小児患者である。医学の技術分野の当業者は、癌に罹患している、および処置を必要としている個体を容易に同定できる。
【0041】
[0054]用語「小児患者」とは、本明細書において、診断または処置の時間で16歳の年齢未満の患者を指す。用語「小児」は、新生児(誕生から生後1カ月)、乳児(1カ月から最大2歳)、児童(2歳から最大12歳)および青年(12歳から21歳(22歳の誕生日まで、ただしそれを含まない))を含む種々の亜集団にさらにわけられ得る。Berhman RE、Kliegman R、Arvin AM、Nelson WE. Nelson Textbook of Pediatrics、第15版Philadelphia: W.B. Saunders Company、1996年;Rudolph AMら Rudolph’s Pediatrics、第21版New York:McGraw-Hill、2002年;およびAvery MD、First LR. Pediatric Medicine、第2版Baltimore:Williams & Wilkins;1994年。
【0042】
[0055]用語「治療レジメン」および「投薬計画」は、本発明と組み合わせた、各治療薬の用量および投与のタイミングを指すために同義的に使用される。
[0056]「寛解させること」とは、処置を施されていないことと比較した、1つまたは複数の症状の減少または改善を意味する。「寛解させること」はまた、症状の持続期間の短縮または低減を含む。
【0043】
[0057]用語「規制当局」とは、その国での医薬品の医学的使用を承認するためのその国の機関である。例えば、規制当局の限定されない例として、米国食品医薬品局(FDA)がある。
【0044】
[0058]本発明の併用療法におけるMEK阻害剤として、それだけには限らないが、ビニメチニブ(MEK162、ARRY-162およびARRY 438162とも呼ばれる)、セルメチニブ(AZD6244およびARRY-142886とも呼ばれる)、トラメチニブ(GSK1120212とも呼ばれる)、コビメチニブ(GDC-0973、XL518およびRG7421とも呼ばれる)、E6201、PD-325901、CI-1040(PD 184352とも呼ばれる)、PD-035901、TAK733、ピマセルチブ(pimasertib)(AS703026およびMSC1936369Bとも呼ばれる)、レファメチニブ(RDEA119およびBAY 869766とも呼ばれる)、RO5126766、WX-554、RO4987655(CH4987655とも呼ばれる)、GDC-0973(XL518とも呼ばれる)、AZD8330(ARRY-424704およびARRY-704とも呼ばれる)およびRO5126766が挙げられる。
【0045】
[0059]一態様では、本発明の併用療法におけるMEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。ビニメチニブは、以下の構造を有する:
【0046】
【化1】
【0047】
[0060]ビニメチニブはまた、ARRY-162、ARRY-438162、MEK162、6-(4-ブロモ-2-フルオロフェニルアミノ)-7-フルオロ-3-メチル-3H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸(2-ヒドロキシエトキシ)-アミドおよび5-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミドとしても知られる。ビニメチニブおよびその医薬上許容される塩を調製する方法は、その開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT公開WO03/077914中、実施例18(化合物29lll)に記載されている。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。結晶化ビニメチニブおよび結晶化ビニメチニブを調製する方法は、その開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT公開WO2014/063024に記載されている。
【0048】
[0061]一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、5-FUプロドラッグである。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、5-FUプロドラッグの経口製剤である。一態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0049】
[0062]用語「併用療法」とは、本明細書において、期間の間の、2つの異なる治療上活性な薬剤(すなわち、組合せの成分または組合せパートナー、すなわち、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法)の投薬計画を指し、治療上活性な薬剤は、医療関係者によって処方された様式で、または本明細書において定義されるように規制当局に従って、一緒にまたは別個に投与される。一態様では、併用療法は、MEK阻害剤その医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の組合せを含む。一態様では、併用療法は、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の組合せから本質的になる。一態様では、併用療法は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびカペシタビンである5-FUのプロドラッグであるフルオロピリミジン含有療法の組合せを含む。一態様では、併用療法は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびカペシタビンである5-FUのプロドラッグであるフルオロピリミジン含有療法の組合せから本質的になる。
【0050】
[0063]当技術分野で理解され得るように、併用療法は、患者に一定期間の間投与され得る。いくつかの態様では、期間は、患者への種々の癌治療的処置/薬剤または癌治療的処置/薬剤の種々の組合せの投与後に生じる。いくつかの態様では、期間は、患者への種々の癌治療的処置/薬剤または癌治療的処置/薬剤の種々の組合せの投与の前に生じる。いくつかの態様では、フルオロピリミジン含有療法の投与およびMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩の投与は、実質的に同時に生じる。いくつかの態様では、患者へのフルオロピリミジン含有療法の投与は、期間の間に、患者へのビニメチニブまたはその医薬上許容される塩の投与の前に生じる。いくつかの態様では、患者へのMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩の投与は、期間の間に、患者へのフルオロピリミジン含有療法の投与の前に生じる。いくつかの態様では、患者は、期間の間に、外科的処置(例えば、腫瘍切除および/またはリンパ節切除)および/または抗癌療法を施される。
【0051】
[0064]適した期間は、当業者(例えば、医師)によって決定され得る。当技術分野では理解され得るように、適した期間は、患者における疾患のステージ、患者の体重および性別、臨床治験ガイドライン(例えば、fda.gov websiteでのもの)および承認された薬物ラベルに関する情報のうち1つまたは複数に基づいて当業者によって決定され得る。例えば、適した期間は、例えば、1週間~2年、1週間~22カ月、1週間~20カ月、1週間~18カ月、1週間~16カ月、1週間~14カ月、1週間~12カ月、1週間~10カ月、1週間~8カ月、1週間~6カ月、1週間~4カ月 1週間~2カ月、1週間~1カ月、2週間~2年、2週間~22カ月、2週間~20カ月、2週間~18カ月、2週間~16カ月、2週間~14カ月、2週間~12カ月、2週間~10カ月、2週間~8カ月、2週間~6カ月、2週間~4カ月、2週間~2カ月、2週間~1カ月、1カ月~2年、1カ月~22カ月、1カ月~20カ月、1カ月~18カ月、1カ月~16カ月、1カ月~14カ月、1カ月~12カ月、1カ月~10カ月、1カ月~8カ月、1カ月~6カ月、1カ月~4カ月、1カ月~2カ月、2カ月~2年、2カ月~22カ月、2カ月~20カ月、2カ月~18カ月、2カ月~16カ月、2カ月~14カ月、2カ月~12カ月、2カ月~10カ月、2カ月~8カ月、2カ月~6カ月、2カ月~4カ月、3カ月~2年、3カ月~22カ月、3カ月~20カ月、3カ月~18カ月、3カ月~16カ月、3カ月~14カ月、3カ月~12カ月、3カ月~10カ月、3カ月~8カ月、3カ月~6カ月、4カ月~2年、4カ月~22カ月、4カ月~20カ月、4カ月~18カ月、4カ月~16カ月、4カ月~14カ月、4カ月~12カ月、4カ月~10カ月、4カ月~8カ月、4カ月~6カ月、6カ月~2年、6カ月~22カ月、6カ月~20カ月、6カ月~18カ月、6カ月~16カ月、6カ月~14カ月、6カ月~12カ月、6カ月~10カ月、6カ月~8カ月、8カ月~2年、8カ月~22カ月、8カ月~20カ月、8カ月~18カ月、8カ月~16カ月、8カ月~14カ月、8カ月~12カ月、8カ月~10カ月、10カ月~2年、10カ月~22カ月、10カ月~20カ月、10カ月~18カ月、10カ月~16カ月、10カ月~14カ月、10カ月~12カ月、12カ月~2年、12カ月~22カ月、12カ月~20カ月、12カ月~18カ月、12カ月~16カ月または12カ月~14カ月(両端を含む)であり得る。
【0052】
[0065]本明細書において、薬物、化合物または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」または「治療上有効な量」は、任意の1つまたは複数の有益なまたは所望の結果を達成するのに十分な量である。予防的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、疾患の生化学的、組織学的および/または行動的症状、その合併症および疾患の発達の間に提示する中間の病理学的表現型を含む、疾患の、リスクを低減すること、重症度を減少することまたは発生を遅延することを含む。治療的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、罹患率の低減などの臨床結果または種々の疾患もしくは状態(例えば、癌など)の1つもしくは複数の症状の寛解、疾患を処置するために必要なその他の医薬の用量の減少、別の投薬の効果の増強および/または疾患の進行の遅延を含む。有効投与量は、1つまたは複数の投与で投与され得る。本発明の目的上、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、直接的または間接的のいずれかで予防的または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床関連で理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または医薬組成物とともに達成される場合もある。したがって、「有効投与量」は、1種または複数のその他の薬剤とともに、望ましい結果が達成され得る、または達成される場合には、1種または複数の治療薬を投与することに関連して考えられてもよく、単剤が有効量で与えられると考えられてもよい。癌の処置に関連して、有効量とは、(1)腫瘍の大きさを低減する、(2)腫瘍転移の発生を阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度まで阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、および/または(4)癌と関連する徴候または症状のうち1種または複数をある程度まで軽減する(または好ましくは、排除する)効果を有する量を指す場合もある。用量および投与計画の治療的または薬理学的有効性はまた、これらの特定の腫瘍を有する患者において疾患管理および/または全生存を誘導、増強、維持または延長する能力として特性決定されることができ、これらは、疾患進行前の時間の延長として測定され得る。
【0053】
[0066]用語「BID」は、本明細書において、1日2回を意味する。
[0067]「腫瘍」とは、癌と診断された、またはそれを有すると疑われる対象に適用される場合、任意の大きさの悪性または悪性の可能性が高い新生物または組織腫瘤を指し、原発腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、普通、嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または腫瘤である。種々の種類の固形腫瘍が、それを形成する細胞の種類について名付けられている。固形腫瘍の例として、肉腫、癌腫およびリンパ腫がある。
【0054】
[0068]用語「進行した」とは、本明細書において、固形腫瘍と関連する場合に、局所進行性(非転移性)疾患および転移性疾患を含む。治癒的意図を用いて処置される場合も、または処置されない場合もある局所進行性固形腫瘍および治癒的意図を用いて処置され得ない転移性疾患は、本発明において使用されるような、「進行した固形腫瘍」の範囲内に含まれる。当業者ならば、患者において進行した固形腫瘍を認識および診断できるであろう。
【0055】
[0069]「腫瘍量」はまた、「腫瘍負荷」とも呼ばれ、身体中に分散された腫瘍材料の総量を指す。腫瘍量とは、リンパ節および骨髄を含む身体中の癌細胞の総数または腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍量は、当技術分野で公知の様々な方法によって、例えば、対象から除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、超音波、骨スキャン、コンピューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像処理(MRI)スキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することなどによって決定され得る。
【0056】
[0070]用語「腫瘍の大きさ」とは、腫瘍の長さおよび幅、または腫瘍の容量として測定され得る腫瘍(例えば、固形腫瘍)の全体の大きさを指す。腫瘍の大きさは、例えば、対象からの除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、骨スキャン、超音波、CTまたはMRIスキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することによってなど、当技術分野で公知の様々な方法によって決定され得る。
【0057】
[0071]「個々の応答」または「応答」は、制限するものではないが、(1)減速または完全停止を含む、疾患進行(例えば、癌進行)のある程度までの阻害、(2)腫瘍の大きさの低減、(3)隣接末梢臓器および/または組織への癌細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)、(4)転移の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)(5)疾患または障害(例えば、癌)と関連する1つもしくは複数の症状のある程度までの軽減、(6)全生存および無増悪生存期間を含む生存の時間の増大または延長および/または(7)処置後所与の時点での死亡率の減少を含む、個体にとっての利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価され得る。
【0058】
[0072]医薬を用いる処置に対する患者の「有効応答」または患者の「応答性」および同様の単語は、癌などの疾患または障害のリスクにある、またはそれを患っている患者に与えられる臨床的または治療的利益を指す。一態様では、このような利益は、生存(全生存および/または無増悪生存期間を含む)の延長、客観的奏効(完全奏効または部分奏効を含む)をもたらすことまたは癌の徴候もしくは症状を改善することのうち任意の1つまたは複数を含む。
【0059】
[0073]「客観的奏効」または「OR」とは、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な奏効を指す。「客観的奏効率」(ORR)とは、最小期間の間、所定量の腫瘍の大きさの低減を有する患者の割合を指す。全般的に、ORRとは、完全奏効(CR)率および部分奏効(PR)率の合計を指す。
【0060】
[0074]「完全奏効」または「CR」とは、本明細書において、処置に応じた癌のすべての徴候の消失(例えば、すべての標的病変の消失)を意味する。これは、癌が治癒されたことを常に意味するものではない。
【0061】
[0075]本明細書において、「部分奏効」または「PR」とは、処置に応じた、1つもしくは複数の腫瘍もしくは病変の大きさ、または身体における癌の程度の減少を指す。例えば、いくつかの態様では、PRは、参照としてベースラインSLDをとりながらの、標的病変の最長径(SLD)の合計における少なくとも30%の減少を指す。
【0062】
[0076]「持続奏効」とは、処置の休止後の腫瘍成長の低減に対する持続効果を指す。例えば、腫瘍の大きさは、医薬投与の開始時の大きさと比較して同一の大きさである場合も、より小さい場合もある。いくつかの態様では、持続奏効は、処置期間と少なくとも同一の期間、処置期間の少なくとも1.5×、2×、2.5×または3×の長さまたはそれより長い期間を有する。
【0063】
[0077]本明細書において、「無増悪生存期間」(PFS)とは、処置されている疾患(例えば、癌)が悪化しない処置期間の間および処置期間後の時間の長さを指す。無増悪生存期間は、患者が完全奏効または部分奏効を起こした時間量ならびに患者が安定疾患を起こした時間量を含み得る。
【0064】
[0078]本明細書において、「全生存」(OS)とは、特定の期間後に生存している可能性が高い群中の個体のパーセンテージを指す。
[0079]本発明の目的上「奏効の持続期間」とは、薬物処置による腫瘍モデル成長阻害の実証から、前処置成長率と同様の成長率の回復の獲得の時間までの時間を意味する。
【0065】
[0080]「生存の延長」とは、未処置患者に対する(すなわち、医薬を用いて処置されない患者に対する)処置患者における全生存または無増悪生存期間の全体的な増大を意味する。
【0066】
[0081]本明細書において、「薬物関連毒性」、「注入関連反応」および「免疫関連有害事象」(「irAE」)およびその重症度またはグレードは、米国国立癌研究所の有害事象の一般技術用語判定基準v4.0(NCI CTCAE v4.0)に例示され、定義されるとおりである。
【0067】
[0082]「ヘテロ接合性の消失スコア」または「LOHスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織におけるゲノムLOHのパーセンテージを指す。パーセンテージゲノムLOHおよびその算出は、Swisherら(The Lancet Oncology、18巻(1号):75~87頁、2017年1月)に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、Foundation MedicineのNGSベースのT5アッセイが挙げられる。
【0068】
[0083]「相同組換え欠乏スコア」または「HRDスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織における、ヘテロ接合性の消失(「LOH」)、テロメア対立遺伝子不均衡(「TAI」)および大規模状態遷移(「LST」)の加重されていない数的合計を指す。HRDスコアはLOHおよびLOHスコアと一緒に、ならびにその算出は、それらの開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTimmsら、Breast Cancer Res 2014年12月5日;16巻(6号):475頁、TelliらClin Cancer Res;22巻(15号);3764~73頁2016年に記載されている。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、MyriadのHRDまたはHRD Plusアッセイが挙げられる(Mirzaら N Engl J Med 2016年12月1日;375巻(22号):2154~2164頁、2016年)。
【0069】
[0084]用語「腫瘍比率スコア」または「TPS」とは、本明細書において、サンプルの免疫組織化学試験において部分または完全膜染色を示す生存可能腫瘍細胞のパーセンテージを指す。例示的サンプルとして、制限するものではないが、生体サンプル、組織サンプル、ホルマリンン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト組織サンプルおよびホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト腫瘍組織サンプルが挙げられる。
【0070】
[0085]いくつかの態様では、それだけには限らないが、「客観的奏効」、「完全奏効」、「部分奏効」、「進行性の疾患」、「安定な疾患」、「無増悪生存期間」、「奏効の持続期間」を含む、本明細書において記載される方法の抗癌効果は、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者においてRECIST v1.1を使用して(Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228~47頁)研究者によって定義され、評価されるとおりである。Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228~47およびScherら、J Clin Oncol 2016年4月20日;34巻(12号):1402~18頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
[0086]いくつかの態様では、それだけには限らないが、「免疫関連客観的奏効」(irOR)、「免疫関連完全奏効」(irCR)、「免疫関連部分奏効」(irCR)、「免疫関連進行性疾患」(irPD)、「免疫関連安定疾患」(irSD)、「免疫関連無増悪生存期間」(irPFS)、「免疫関連奏効持続期間」(irDR)を含む本明細書において記載される方法の抗癌効果は、転移性CRPCを有する患者以外の、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者についての免疫関連奏効判定基準(irRECIST、Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁)によって定義され、評価されるとおりである。Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0072】
[0087]本明細書において、「と組み合わせて」とは、別個の投与量としての同時、逐次または断続的な、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の投与を指す。
【0073】
[0088]用語「相加的」は、併用療法の2種の成分の組合せの結果が、個々に化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の合計と同等であることを意味するように使用される。用語「相加的」は、個別の成分各々の使用を上回る、処置されている疾患状態または障害の改善がないことを意味する。
【0074】
[0089]用語「相乗作用」または「相乗的」は、併用療法の2種の治療薬の組合せの効果が、単独で投与される各薬剤の効果の合計よりも大きいことを意味するように本明細書において使用される。「相乗的量」または「相乗的に有効な量」は、「相乗的」が、本明細書において定義されるように、相乗作用をもたらす2種の組合せパートナーの組合せの量である。2種の組合せパートナー間の相乗的相互作用、効果の最適範囲および効果の各成分の絶対用量範囲を決定することは、処置を必要とする患者への種々のw/w(重量あたりの重量)比範囲および用量にわたる組合せパートナーの投与によって決定的に測定され得る。しかし、in vitroモデルまたはin vivoモデルにおける相乗作用の観察は、ヒトおよびその他の種における効果の予測である可能性があり、in vitroモデルまたはin vivoモデルは、相乗作用を測定するために本明細書において記載されるように存在し、このような研究の結果はまた、薬物動態/薬力学的方法の適用によって、ヒトおよびその他の種において必要な有効用量および血漿中濃度比範囲および絶対用量および血漿中濃度を予測するために使用され得る。例えば、本明細書において記載される癌の技術分野によって承認されたin vitroおよび動物モデルは、当技術分野で公知であり、実施例に記載されている。例示的相互作用として、それだけには限らないが、治療効力の増強、同等または増大したレベルの有効性での投与量の減少、薬物耐性の発生の低減または遅延および同時増強または同等の治療作用および不要の副作用の低減が挙げられる。
【0075】
[0090]例えば、2種の治療薬の相乗比は、本明細書において記載される癌のいずれかの技術分野によって承認されたin vitro(例えば、癌細胞株)またはin vivo(動物モデル)モデルにおいて相乗作用を決定することによって同定され得る。本明細書において記載される癌の癌細胞株およびin vivo動物モデルの限定されない例は、実施例に記載されている。技術分野によって承認された癌細胞株およびin vivo動物モデルのさらなる例は、当技術分野で公知である。
【0076】
[0091]いくつかの態様では、「相乗作用」とは、本明細書において、作用、例えば、本明細書において記載されるような臨床結果を含む有益なまたは所望の結果のいずれか、例えば、MEK阻害剤および抗癌療法(例えば、フルオロウラシル含有療法)が単独で投与される場合に観察される作用の合計よりも大きい、胆道癌またはその症状の症候性進行の減速をもたらす、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法の組合せを指す。
【0077】
[0092]いくつかの態様では、本明細書において提供される方法は、1日から2年の間(例えば、1日から22カ月の間、1日から20カ月の間、1日から18カ月の間、1日から16カ月の間、1日から14カ月の間、1日から12カ月の間、1日から10カ月の間、1日から9カ月の間、1日から8カ月の間、1日から7カ月の間、1日から6カ月の間、1日から5カ月の間、1日から4カ月の間、1日から3カ月の間、1日から2カ月の間、1日から1カ月の間、1週間から2年の間、1週間から22カ月の間、1週間から20カ月の間、1週間から18カ月の間、1週間から16カ月の間、1週間から14カ月の間、1週間から12カ月の間、1週間から10カ月の間、1週間から9カ月の間、1週間から8カ月の間、1週間から7カ月の間、1週間から6カ月の間、1週間から5カ月の間、1週間から4カ月の間、1週間から3カ月の間、1週間から2カ月の間、1週間から1カ月の間、2週間から2年の間、2週間から22カ月の間、2週間から20カ月の間、2週間から18カ月の間、2週間から16カ月の間、2週間から14カ月の間、2週間から12カ月の間、2週間から10カ月の間、2週間から9カ月の間、2週間から8カ月の間、2週間から7カ月の間、2週間から6カ月の間、2週間から5カ月の間、2週間から4カ月の間、2週間から3カ月の間、2週間から2カ月の間、2週間から1カ月の間、1カ月から2年の間、1カ月から22カ月の間、1カ月から20カ月の間、1カ月から18カ月の間、1カ月から16カ月の間、1カ月から14カ月の間、1カ月から12カ月の間、1カ月から10カ月の間、1カ月から9カ月の間、1カ月から8カ月の間、1カ月から7カ月の間、1カ月から6カ月の間、1カ月から6カ月の間、1カ月から5カ月の間、1カ月から4カ月の間、1カ月から3カ月の間、1カ月から2カ月の間、2カ月から2年の間、2カ月から22カ月の間、2カ月から20カ月の間、2カ月から18カ月の間、2カ月から16カ月の間、2カ月から14カ月の間、2カ月から12カ月の間、2カ月から10カ月の間、2カ月から9カ月の間、2カ月から8カ月の間、2カ月から7カ月の間、2カ月から6カ月の間または2カ月から5カ月の間、2カ月から4カ月の間、3カ月から2年の間、3カ月から22カ月の間、3カ月から20カ月の間、3カ月から18カ月の間、3カ月から16カ月の間、3カ月から14カ月の間、3カ月から12カ月の間、3カ月から10カ月の間、3カ月から8カ月の間、3カ月から6カ月の間、4カ月から2年の間、4カ月から22カ月の間、4カ月から20カ月の間、4カ月から18カ月の間、4カ月から16カ月の間、4カ月から14カ月の間、4カ月から12カ月の間、4カ月から10カ月の間、4カ月から8カ月の間、4カ月から6カ月の間、6カ月から2年の間、6カ月から22カ月の間、6カ月から20カ月の間、6カ月から18カ月の間、6カ月から16カ月の間、6カ月から14カ月の間、6カ月から12カ月の間、6カ月から10カ月の間または6カ月から8カ月の間)の期間の併用療法を用いる処置後の患者において1種または複数の固形腫瘍(例えば、1種または複数の胆道癌腫瘍)の容量またはサイズの1%~99%(例えば、1%~98%、1%~95%、1%~90%、1~85%、1~80%、1%~75%、1%~70%、1%~65%、1%~60%、1%~55%、1%~50%、1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、1%~5%、2%~99%、2%~90%、2%~85%、2%~80%、2%~75%、2%~70%、2%~65%、2%~60%、2%~55%、2%~50%、2%~45%、2%~40%、2%~35%、2%~30%、2%~25%、2%~20%、2%~15%、2%~10%、2%~5%、4%~99%、4%~95%、4%~90%、4%~85%、4%~80%、4%~75%、4%~70%、4%~65%、4%~60%、4%~55%、4%~50%、4%~45%、4%~40%、4%~35%、4%~30%、4%~25%、4%~20%、4%~15%、4%~10%、6%~99%、6%~95%、6%~90%、6%~85%、6%~80%、6%~75%、6%~70%、6%~65%、6%~60%、6%~55%、6%~50%、6%~45%、6%~40%、6%~35%、6%~30%、6%~25%、6%~20%、6%~15%、6%~10%、8%~99%、8%~95%、8%~90%、8%~85%、8%~80%、8%~75%、8%~70%、8%~65%、8%~60%、8%~55%、8%~50%、8%~45%、8%~40%、8%~35%、8%~30%、8%~25%、8%~20%、8%~15%、10%~99%、10%~95%、10%~90%、10%~85%、10%~80%、10%~75%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、10%~50%、10%~45%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、15%~99%、15%~95%、15%~90%、15%~85%、15%~80%、15%~75%、15%~70%、15%~65%、15%~60%、15%~55%、15%~50%、15%~55%、15%~50%、15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~99%、20%~95%、20%~90%、20%~85%、20%~80%、20%~75%、20%~70%、20%~65%、20%~60%、20%~55%、20%~50%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~99%、25%~95%、25%~90%、25%~85%、25%~80%、25%~75%、25%~70%、25%~65%、25%~60%、25%~55%、25%~50%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~85%、30%~80%、30%~75%、30%~70%、30%~65%、30%~60%、30%~55%、30%~50%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~99%、35%~95%、35%~90%、35%~85%、35%~80%、35%~75%、35%~70%、35%~65%、35%~60%、35%~55%、35%~50%、35%~45%、35%~40%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~85%、40%~80%、40%~75%、40%~70%、40%~65%、40%~60%、40%~55%、40%~60%、40%~55%、40%~50%、40%~45%、45%~99%、45%~95%、45%~95%、45%~90%、45%~85%、45%~80%、45%~75%、45%~70%、45%~65%、45%~60%、45%~55%、45%~50%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~85%、50%~80%、50%~75%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、50%~55%、55%~99%、55%~95%、55%~90%、55%~85%、55%~80%、55%~75%、55%~70%、55%~65%、55%~60%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、65%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、70%~85%、70%~80%、70%~75%、75%~99%、75%~95%、75%~90%、75%~85%、75%~80%、80%~99%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~99%、85%~95%、85%~90%、90%~99%、90%~95%、または95%~100%)の低減をもたらし得る(例えば、処置の前の患者における1種または複数の固形腫瘍の大きさと比較して)。
【0078】
[0093]いくつかの態様では、本明細書において記載される方法のいずれも、癌(例えば、胆道癌)を有する患者において転移を発生するリスクまたはさらなる転移を発生するリスクの1%~99%(例えば、1%~98%、1%~95%、1%~90%、1~85%、1~80%、1%~75%、1%~70%、1%~65%、1%~60%、1%~55%、1%~50%、1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、1%~5%、2%~99%、2%~90%、2%~85%、2%~80%、2%~75%、2%~70%、2%~65%、2%~60%、2%~55%、2%~50%、2%~45%、2%~40%、2%~35%、2%~30%、2%~25%、2%~20%、2%~15%、2%~10%、2%~5%、4%~99%、4%~95%、4%~90%、4%~85%、4%~80%、4%~75%、4%~70%、4%~65%、4%~60%、4%~55%、4%~50%、4%~45%、4%~40%、4%~35%、4%~30%、4%~25%、4%~20%、4%~15%、4%~10%、6%~99%、6%~95%、6%~90%、6%~85%、6%~80%、6%~75%、6%~70%、6%~65%、6%~60%、6%~55%、6%~50%、6%~45%、6%~40%、6%~35%、6%~30%、6%~25%、6%~20%、6%~15%、6%~10%、8%~99%、8%~95%、8%~90%、8%~85%、8%~80%、8%~75%、8%~70%、8%~65%、8%~60%、8%~55%、8%~50%、8%~45%、8%~40%、8%~35%、8%~30%、8%~25%、8%~20%、8%~15%、10%~99%、10%~95%、10%~90%、10%~85%、10%~80%、10%~75%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、10%~50%、10%~45%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、15%~99%、15%~95%、15%~90%、15%~85%、15%~80%、15%~75%、15%~70%、15%~65%、15%~60%、15%~55%、15%~50%、15%~55%、15%~50%、15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~99%、20%~95%、20%~90%、20%~85%、20%~80%、20%~75%、20%~70%、20%~65%、20%~60%、20%~55%、20%~50%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~99%、25%~95%、25%~90%、25%~85%、25%~80%、25%~75%、25%~70%、25%~65%、25%~60%、25%~55%、25%~50%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~85%、30%~80%、30%~75%、30%~70%、30%~65%、30%~60%、30%~55%、30%~50%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~99%、35%~95%、35%~90%、35%~85%、35%~80%、35%~75%、35%~70%、35%~65%、35%~60%、35%~55%、35%~50%、35%~45%、35%~40%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~85%、40%~80%、40%~75%、40%~70%、40%~65%、40%~60%、40%~55%、40%~60%、40%~55%、40%~50%、40%~45%、45%~99%、45%~95%、45%~95%、45%~90%、45%~85%、45%~80%、45%~75%、45%~70%、45%~65%、45%~60%、45%~55%、45%~50%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~85%、50%~80%、50%~75%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、50%~55%、55%~99%、55%~95%、55%~90%、55%~85%、55%~80%、55%~75%、55%~70%、55%~65%、55%~60%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、65%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、70%~85%、70%~80%、70%~75%、75%~99%、75%~95%、75%~90%、75%~85%、75%~80%、80%~99%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~99%、85%~95%、85%~90%、90%~99%、90%~95%、または95%~100%)の低減を提供し得る。
【0079】
[0094]語句「生存の時間」または「生存時間」とは、医療専門家による哺乳動物における癌(例えば、本明細書において記載される癌のいずれか)の同定または診断と、哺乳動物の死亡の時間(癌によって引き起こされた)の間の時間の長さを意味する。癌を有する哺乳動物において生存の時間を増大する方法が、本明細書において記載されている。
【0080】
[0095]いくつかの態様では、本明細書において記載される方法のいずれも、患者の生存の時間の増大(例えば、1%~400%、1%~380%、1%~360%、1%~340%、1%~320%、1%~300%、1%~280%、1%~260%、1%~240%、1%~220%、1%~200%、1%~180%、1%~160%、1%~140%、1%~120%、1%~100%、1%~95%、1%~90%、1%~85%、1%~80%、1%~75%、1%~70%、1%~65%、1%~60%、1%~55%、1%~50%、1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~10%、1%~5%、5%~400%、5%~380%、5%~360%、5%~340%、5%~320%、5%~300%、5%~280%、5%~260%、5%~240%、5%~220%、5%~200%、5%~180%、5%~160%、5%~140%、5%~120%、5%~100%、5%~90%、5%~80%、5%~70%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~30%、5%~20%、5%~10%、10%~400%、10%~380%、10%~360%、10%~340%、10%~320%、10%~300%、10%~280%、10%~260%、10%~240%、10%~220%、10%~200%、10%~180%、10%~160%、10%~140%、10%~120%、10%~100%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~400%、20%~380%、20%~360%、20%~340%、20%~320%、20%~300%、20%~280%、20%~260%、20%~240%、20%~220%、20%~200%、20%~180%、20%~160%、20%~140%、20%~120%、20%~100%、20%~90%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、30%~400%、30%~380%、30%~360%、30%~340%、30%~320%、30%~300%、30%~280%、30%~260%、30%~240%、30%~220%、30%~200%、30%~180%、30%~160%、30%~140%、30%~120%、30%~100%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~400%、40%~380%、40%~360%、40%~340%、40%~320%、40%~300%、40%~280%、40%~260%、40%~240%、40%~220%、40%~200%、40%~180%、40%~160%、40%~140%、40%~120%、40%~100%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~400%、50%~380%、50%~360%、50%~340%、50%~320%、50%~300%、50%~280%、50%~260%、50%~240%、50%~220%、50%~200%、50%~180%、50%~160%、50%~140%、50%~140%、50%~120%、50%~100%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、50%~60%、60%~400%、60%~380%、60%~360%、60%~340%、60%~320%、60%~300%、60%~280%、60%~260%、60%~240%、60%~220%、60%~200%、60%~180%、60%~160%、60%~140%、60%~120%、60%~100%、60%~90%、60%~80%、60%~70%、70%~400%、70%~380%、70%~360%、70%~340%、70%~320%、70%~300%、70%~280%、70%~260%、70%~240%、70%~220%、70%~200%、70%~180%、70%~160%、70%~140%、70%~120%、~100%、70%~90%、70%~80%、80%~400%、80%~380%、80%~360%、80%~340%、80%~320%、80%~300%、80%~280%、80%~260%、80%~240%、80%~220%、80%~200%、80%~180%、80%~160%、80%~140%、80%~120%、80%~100%、80%~90%、90%~400%、90%~380%、90%~360%、90%~340%、90%~320%、90%~300%、90%~280%、90%~260%、90%~240%、90%~220%、90%~200%、90%~180%、90%~160%、90%~140%、90%~120%、90%~100%、100%~400%、100%~380%、100%~360%、100%~340%、100%~320%、100%~300%、100%~280%、100%~260%、100%~240%、100%~220%、100%~200%、100%~180%、100%~160%、100%~140%、100%~120%、120%~400%、120%~380%、120%~360%、120%~340%、120%~320%、120%~300%、120%~280%、120%~260%、120%~240%、120%~220%、120%~200%、120%~180%、120%~160%、120%~140%、140%~400%、140%~380%、140%~360%、140%~340%、140%~320%、140%~300%、140%~280%、140%~260%、140%~240%、140%~220%、140%~200%、140%~180%、140%~160%、160%~400%、160%~380%、160%~360%、160%~340%、160%~320%、160%~300%、160%~280%、160%~260%、160%~240%、160%~220%、160%~200%、160%~180%、180%~400%、180%~380%、180%~360%、180%~340%、180%~320%、180%~300%、180%~280%、180%~260%、180%~240%、180%~220%、180%~200%、200%~400%、200%~380%、200%~360%、200%~340%、200%~320%、200%~300%、200%~280%、200%~260%、200%~240%、200%~220%、220%~400%、220%~380%、220%~360%、220%~340%、220%~320%、220%~300%、220%~280%、220%~260%、220%~240%、240%~400%、240%~380%、240%~360%、240%~340%、240%~320%、240%~300%、240%~280%、240%~260%、260%~400%、260%~380%、260%~360%、260%~340%、260%~320%、260%~300%、260%~280%、280%~400%、280%~380%、280%~360%、280%~340%、280%~320%、280%~300%、300%~400%、300%~380%、300%~360%、300%~340%、または300%~320%)をもたらし得る(例えば、同様の癌(例えば、胆道癌)を有し、種々の処置を施されている、または処置を受け取っていない患者と比較して)。
【0081】
[0096]本明細書において、用語「サイトカイン」とは、全般的に、細胞間媒介物質として別の細胞で作用する、またはタンパク質を産生する細胞上で自己分泌効果を有する、ある細胞集団によって放出されるタンパク質を指す。このようなサイトカインの例として、リンホカイン、モノカイン;インターロイキン(「IL」)、例えば、PROLEUKIN(登録商標)rIL-2を含む、IL-1、IL-la、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17A-F、IL-18~IL-29(IL-23など)、IL-31;腫瘍壊死因子、例えば、TNF-aまたはTNF-β、TGF-l-3;ならびに白血病阻害剤因子(「LIF」)、繊毛様神経栄養因子(「CNTF」)、CNTF様サイトカイン(「CLC」)、カルジオトロフィン(「CT」)およびキットリガンド(「L」)を含むその他のポリペプチド因子が挙げられる。
【0082】
[0097]本明細書において、用語「ケモカイン」とは、白血球の走化作用および活性化を選択的に誘導する能力を有する可溶性因子(例えば、サイトカイン)を指す。それらはまた、血管新生、炎症、創傷治癒および腫瘍発生のプロセスを誘発する。例示的ケモカインとして、IL-8、マウスケラチノサイト化学誘引物質(KC)のヒトホモログが挙げられる。
【0083】
[0098]特に断りのない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配する。本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」などの変形は、述べられた整数または整数の群の包含を意味するが、任意の他の整数または整数の群の除外を意味しないと理解される。文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。本明細書において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。例えば、「1種の」賦形剤は、1種または複数の賦形剤を含む。本明細書で記載される本発明の側面および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」側面および変形を含むことが理解される。いくつかの態様では、本明細書において開示されるような投与ステップから本質的になる方法は、患者が先行の療法、例えば、1種または複数の抗癌剤の投与、例えば、化学療法薬およびターゲッティングされる治療薬から独立に選択される1種または複数の抗癌剤の投与(期間の前に患者に投与された)に失敗している、またはこのような先行の療法に対して不応性であった、および/または癌が転移しているもしくは再発している方法を含む。いくつかの態様では、本明細書において開示されるような投与ステップから本質的になる方法は、患者が、本明細書において開示されるようなこのような投与ステップの前に、それと実質的に同時に、その後に、手術、放射線および/またはその他のレジメンを受ける、および/または患者が、本明細書において開示されるようなこのような投与ステップ後にその他の化学的および/または生物学的治療薬を投与される方法を含む。
【0084】
[0099]例示的な方法および材料が本明細書に記載されているが、本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料も、本発明の実施または試験において使用され得る。材料、方法、および例は、単なる例示であり、限定することを意図していない。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリーおよびその他の参考文献は、その全文が参照により組み込まれる。
方法、使用および医薬
[00100]一態様では、一定量のMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩は、一定量のフルオロピリミジン含有療法と組み合わせて使用され、量は一緒になって、癌の処置において有効である。
【0085】
[00101]一態様では、本発明の併用療法の組合せパートナーの各々の治療上有効な量は、(例えば、期間の間に)別個に投与され、同時に、任意の順序で、特定のまたは変動する時間間隔で、逐次、もしくは断続的に投与されてもよい。
【0086】
[00102]一態様では、胆道癌を処置する方法であって、期間の間の、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩およびフルオロピリミジン含有療法から本質的になる併用療法の、それを必要とする患者への投与を含む、またはから本質的になり、個々の組合せパートナーが、共同で治療上有効な量で(例えば、相乗的に有効な量で)投与される、前記方法が本明細書において提供される。本発明の併用療法の個々の組合せパートナーは、期間の間に、毎日のまたは断続的な投与量で投与され得る。本発明の併用療法の個々の組合せパートナーは、期間の間に、異なる時間に任意の順序で別個に、または期間の間に、分割された組合せ形態で同時に投与され得る。一態様では、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩は、期間の間に、1日1回または1日2回のいずれかで毎日投与される。一態様では、MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩は、期間の間に、1日2回毎日投与される。一態様では、抗癌療法は、期間の間に、毎日投与される。一態様では、抗癌療法は、期間の間に、1日2回毎日投与される。したがって、本発明は、期間の間の、同時または交互処置のすべてのこのようなレジメンを包含すると理解されるべきであり、用語「投与すること」は、それに応じて解釈されるべきである。
【0087】
[00103]用語「共同で治療上有効な量」とは、本明細書において、本明細書において記載される組合せの治療薬が、相互作用(例えば、共同治療効果、例えば、相乗作用)を示すような時間間隔で、患者に同時にまたは別個に(例えば、時差的な様式、例えば、順番を特定した様式で)与えられる場合を意味する。これが当てはまるか否かは、血液レベルを追跡することおよび組合せ成分が、少なくとも特定の時間間隔の間、処置されるべきヒトの血液中に存在することを示すことによって特に決定され得る。
【0088】
[00104]一態様では、胆道癌を有する患者を処置する方法であって、期間の間に、前記患者に、本明細書において記載されるような併用療法を、胆道癌に対して共同で治療上有効な量で投与することを含む、から本質的になる、またはからなる、前記方法が本明細書において提供される。一態様では、胆道癌は、進行性胆道癌である。
【0089】
[00105]いくつかの態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、化学療法(例えば、デオキシシチジンの類似体、例えば、ジェムザール(登録商標)、ゲムシタビン)、ターゲッティングされる治療薬(例えば、単独療法としてのMEK阻害剤、例えば、トラメチニブまたはビニメチニブまたはその医薬上許容される塩)、放射線療法および手術から独立に選択される少なくとも1種の抗癌処置を用いる処置を用いてこれまでに処置された。
【0090】
[00106]用語「化学療法」または「化学療法薬」とは、本明細書において、癌の処置のための化学療法薬または2種、3種、4種もしくはそれより多い化学療法薬の組合せを指す。化学療法が、2種以上の化学療法薬からなる場合には、化学療法薬は、患者に、同一処置サイクルにおいて、同日にまたは異なる日に投与され得る。
【0091】
[00107]「化学療法薬」は、癌の処置において有用な化合物である。化学療法薬の例として、チオテパおよびシクロホスファミド(シトキサン(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;エチレンイミンおよびアルトレタミンを含めたメチラメラミン(methylamelamines)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、マリナール(登録商標));ベータ-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT-11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)を含む)、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)および9-アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;ペメトレキセド;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;TLK-286;サルコディクチン;スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムヌスチン(ranimnustine)などのニトロソウレア(nitrosureas);エネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1(例えば、Nicolaouら、Agnew、Chem Intl.Ed.Engl.、33巻:183~186頁(1994年)を参照のこと)などの抗生物質;ジネマイシンAを含めたジネマイシン;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連色素タンパク質エネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射(DOXIL(登録商標))およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロンおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などのフルオロピリミジン含有化学療法などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどのアンチアドレナール;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤(replenisher);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシンおよびアンサマイトシン(ansamitocins)などのマイタンシノイド(maytansinoids);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン(triaziquone);2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T-2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジン(roridin)Aおよびアンギジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、nab-パクリタキセル(ABRAXANE(商標))としても知られるパクリタキセルのアルブミンを操作したナノ粒子製剤およびドキセタキセル(doxetaxel)(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル(chloranbucil);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP-16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボビン(leucovovin);ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体;ならびにシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾロンの併用療法の略語、CHOP、オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を5-FUおよびロイコボビン(leucovovin)と組み合わせて用いる処置計画の略語、FOLFOX、イリノテカンおよびオキサリプラチンおよび5-FUを用いる処置計画の略語、FOLFOXIRIならびにロイコボリンカルシウム(フォリン酸)、フルオロウラシルおよびオキサリプラチンを用いる処置計画の略語mFOLFOX-6などの上記のうち2種以上の組合せが挙げられる。
【0092】
[00108]化学療法薬のさらなる例として、癌の成長を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、遮断または阻害するように作用し、全身(systemic)または全身(whole-body)処置の形態であることが多い抗ホルモン剤が挙げられる。それらは、それ自体ホルモンであり得る。例として、例えば、タモキシフェン(NALVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびトレミフェン(FERESTON(登録商標))を含めた抗エストロゲン薬および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD);フルベストラント(FASLODEX(登録商標))などのエストロゲン受容体アンタゴニスト;卵巣を抑制またはシャットダウンするように機能する薬剤、例えば、酢酸ロイプロリド(LUPRON(登録商標)およびELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリンおよびトリプテレリンなどの黄体(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH1)アゴニスト;フルタミド、ニルタミドおよびビカルタミドなどの抗アンドロゲン;副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、ホルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))およびアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))などが挙げられる。さらに、化学療法薬のこのような定義は、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標))などのビスホスホネート;ならびにトロキサシタビン(1,3-ジオキソレンヌクレオシドシトシン類似体);THERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチンおよびVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));フルベストラントなどの抗エストロゲン;イリノテカン;rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));17AAG(熱ショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体);ならびに上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体を含む。
【0093】
[00109]「白金ベースの化学療法」とは、本明細書において、少なくとも1種の化学療法薬が、白金の配位化合物である化学療法を指す。例示的な白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、シスプラチンと組み合わせたゲムシタビン、ペメトレメド(pemetremed)と組み合わせたカルボプラチンが挙げられる。
【0094】
[00110]「ターゲッティングされる治療薬」は、本明細書において、迅速に分裂する細胞を単純に干渉するのではなく(例えば、伝統的な化学療法を用いて)、発癌および腫瘍成長にとって必要とされる特異的にターゲッティングされる分子を干渉することによって癌細胞の成長を遮断する分子を指し、それだけには限らないが、受容体チロシンキナーゼがターゲッティングされる治療薬(例えば、カボザンチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、レゴラフェニブ、スニチニブおよびトラスツズマブ)、シグナル伝達経路阻害剤(例えば、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害剤(例えば、ソラフェニブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、コビメチニブ)、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン、ペリフォシン、テムシロリムス)およびアポトーシス経路のモジュレーター(例えば、オバタクラックス(obataclax)))抗EGFR抗体(例えば、セツキシマブおよびパニツムマブ)、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)、血管新生がターゲッティングされる療法(例えば、アフリベルセプトおよびベバシズマブ)が挙げられる。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、化学療法である。一態様では、化学療法は、白金ベースの化学療法およびフルオロピリミジン含有療法のうち1種または複数から選択される。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害剤である。一態様では、期間の前に、患者に投与された治療薬は、EGFRキナーゼ阻害剤である。一態様では、期間の前に、患者に投与された治療薬は、単独療法としてのMEK阻害剤または単独療法としてのフルオロピリミジン含有療法である。一態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、代謝拮抗剤である。
【0095】
[00111]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、先行の療法を用いて処置され、任意選択で、先行の療法は有効でないと決定され、および/または患者は、先行の療法に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビン(例えば、単独療法として)を用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ゲムシタビンに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンおよびシスプラチンを用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンおよびシスプラチンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ゲムシタビンおよびシスプラチンの一方または両方に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの一方または両方に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、5-フルオロウラシル(例えば、単独療法として)を用いて処置され、任意選択で、5-フルオロウラシルのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、5-フルオロウラシルに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンを用いて処置され、任意選択で、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、5-FUおよびロイコボリンの一方または両方に対して耐性であると決定された。いくつかの態様では、患者は、期間の前に、5-フルオロウラシルおよびシスプラチンを投与されており、任意選択で、5-フルオロウラシルおよびシスプラチンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、5-フルオロウラシルおよびシスプラチンの一方または両方に対して耐性であると決定された。いくつかの態様では、患者は、期間の前に、5-フルオロウラシル、エピルビシンおよびシスプラチンを投与されており、任意選択で、5-フルオロウラシル、エピルビシンおよびシスプラチンの先行の投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、5-フルオロウラシル、エピルビシンおよびシスプラチンのうち1種または複数に対して耐性であると決定された。いくつかの態様では、患者は、期間の前に、5-フルオロウラシルおよびイリノテカンを投与されており、任意選択で、5-フルオロウラシルおよびイリノテカンの先行の投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、5-フルオロウラシルおよびイリノテカンの一方または両方に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、カペシタビン(例えば、単独療法として)を用いて処置され、任意選択で、カペシタビンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、カペシタビンに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンを用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ゲムシタビンに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンのうち1種または複数に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ラパチニブを用いて処置され、任意選択で、ラパチニブのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ラパチニブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、エルロチニブを用いて処置され、任意選択で、エルロチニブのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、エルロチニブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、セツキシマブまたはパニツムマブを用いて処置され、任意選択で、セツキシマブまたはパニツムマブのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、セツキシマブおよびパニツムマブの一方または両方に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ベバシズマブ(例えば、単独療法として)を用いて処置され、任意選択で、バシズマブのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ベバシズマブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ベバシズマブおよびmFOLFOX6を用いて処置され、任意選択で、ベバシズマブおよびmFOLFOX6のこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ベバシズマブおよびmFOLFOX6の一方または両方に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ゲムシタビンおよびカペシタビンと組み合わせたベバシズマブを用いて処置され、任意選択で、ゲムシタビンおよびカペシタビンと組み合わせたベバシズマブのこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、ベバシズマブ、ゲムシタビンおよびカペシタビンのうち1種または複数に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、MEK阻害剤(例えば、単独療法として)を用いて処置され、任意選択で、MEK阻害剤のこれまでの投与は、有効でないと決定され、および/または患者は、MEK阻害剤に対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、セルメチニブを用いて処置され、任意選択で、セルメチニブを用いるこれまでの処置は、有効でないと決定され、および/または患者は、セルメチニブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、トラメチニブを用いて処置され、任意選択で、トラメチニブを用いるこれまでの処置は、トラメチニブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者は、ビニメチニブを用いて処置され、任意選択で、ビニメチニブを用いるこれまでの処置は、有効でないと決定され、および/または患者は、ビニメチニブに対して耐性であると決定された。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、期間の前に、患者に投与された1種または複数の治療薬は、不成功であった、または有効でなかった(例えば、医師によって決定されるように治療上不成功なまたは有効でない)。
【0096】
[00112]一態様では、患者は、期間の前に、手術を施されていた。手術の限定されない例として、例えば、直視下手術または最小侵襲性手術が挙げられる。手術として、例えば、全腫瘍の除去、腫瘍の減量または対象において疼痛もしくは圧力を引き起こしている腫瘍の除去を挙げることができる。癌を有する対象で直視下手術および最小侵襲性手術を実施する方法は、当技術分野で公知である。
【0097】
[00113]一態様では、患者は、期間の前に放射線療法を受けていた。放射線療法の限定されない例として、外部照射ビーム療法(例えば、キロボルトX線またはメガボルトX線を使用する外部ビーム療法)または内部放射線療法が挙げられる。内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)は、例えば、低用量内部放射線療法または高用量内部放射線療法の使用を含み得る。低用量内部放射線療法は、例えば、小さい放射活性ペレット(シードとも呼ばれる)を、対象中の癌組織中またはその近位に挿入することを含む。高用量内部放射線療法は、例えば、薄いチューブ(例えば、カテーテル)またはインプラントを対象中の癌組織中またはその近位に挿入することおよび照射機器を使用して高用量の放射線を薄いチューブまたはインプラントに送達することを含む。癌を有する対象で放射線療法を実施する方法は、当技術分野で公知である。
【0098】
[00114]一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、錠剤として投与される。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、約5mg~約50mg(例えば、5mg~約45mg、約5mg~約40mg、約5mg~約35mg、約5mg~約30mg、約5mg~約25mg、約5mg~約20mg、約5mg~約18mg、約5mg~約16mg、約5mg~約14mg、約5mg~約12mg、約5mg~約10mg、約5mg~約8mg、約10mg~約50mg、約10mg~約45mg、約10mg~約40mg、約10mg~約35mg、約10mg~約30mg、約10mg~約25mg、約10mg~約20mg、約10mg~約18mg、約10mg~約16mg、約10mg~約14mg、約10mg~約12mg、約12mg~約50mg、約12mg~約45mg、約12mg~約45mg、約12mg~約40mg、約12mg~約35mg、約12mg~約30mg、約12mg~約25mg、約12mg~約20mg、約12mg~約18mg、約12mg~約16mg、約12mg~約14mg、約14mg~約50mg、約14mg~約45mg、約14mg~約40mg、約14mg~約35mg、約14mg~約30mg、約14mg~約25mg、約14mg~約20mg、約14mg~約18mg、約14mg~約16mg、約16mg~約50mg、約16mg~約45mg、約16mg~約40mg、約16mg~約35mg、約16mg~約30mg、約16mg~約25mg、約16mg~約20mg、約16mg~約18mg、約18mg~約50mg、約18mg~約45mg、約18mg~約40mg、約18mg~約35mg、約18mg~約30mg、約18mg~約25mg、約18mg~約20mg、約20mg~約50mg、約20mg~約45mg、約20mg~約40mg、約20mg~約35mg、約20mg~約30mg、約20mg~約25mg、約25mg~約50mg、約25mg~約45mg、約25mg~約40mg、約25mg~約35mg、約25mg~約30mg、約30mg~約50mg、約30mg~約45mg、約30mg~約40mg、約30mg~約35mg、約35mg~約50mg、約35mg~約45mg、約35mg~約40mg、約40mg~約50mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mgまたは約50mg)のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩を含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、約5mg~約50mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約15mg)の結晶化ビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、1日2回経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、1日2回経口投与され、ビニメチニブの第2の用量は、期間の間に、第1の用量のビニメチニブの約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間または約12時間(例えば、12時間±2時間)後に投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、約10mg~約100mg(例えば、約10mg~約95mg、約10mg~約90mg、約10mg~約85mg、約10mg~約80mg、約10mg~約75mg、約10mg~約70mg、約10mg~約65mg、約10mg~約60mg、約10mg~約55mg、約10mg~約50mg、約10mg~約45mg、約10mg~約40mg、約10mg~約35mg、約10mg~約30mg、約10mg~約25mg、約10mg~約20mg、約10mg~約15mg、約15mg~約100mg、約15mg~約95mg、約15mg~約90mg、約15mg~約85mg、約15mg~約80mg、約15mg~約75mg、約15mg~約70mg、約15mg~約65mg、約15mg~約60mg、約15mg~約55mg、約15mg~約50mg、約15mg~約45mg、約15mg~約40mg、約15mg~約35mg、約15mg~約30mg、約15mg~約25mg、約15mg~約20mg、約20mg~約100mg、約20mg~約95mg、約20mg~約90mg、約20mg~約85mg、約20mg~約80mg、約20mg~約75mg、約20mg~約70mg、約20mg~約65mg、約20mg~約60mg、約20mg~約55mg、約20mg~約50mg、約20mg~約45mg、約20mg~約40mg、約20mg~約35mg、約20mg~約30mg、約20mg~約25mg、約25mg~約100mg、約25mg~約95mg、約25mg~約90mg、約25mg~約85mg、約25mg~約80mg、約25mg~約75mg、約25mg~約70mg、約25mg~約65mg、約25mg~約60mg、約25mg~約55mg、約25mg~約50mg、約25mg~約45mg、約25mg~約40mg、約25mg~約35mg、約25mg~約30mg、約30mg~約100mg、約30mg~約95mg、約30mg~約90mg、約30mg~約85mg、約30mg~約80mg、約30mg~約75mg、約30mg~約70mg、約30mg~約65mg、約30mg~約60mg、約30mg~約55mg、約30mg~約50mg、約30mg~約45mg、約30mg~約40mg、約30mg~約35mg、約35mg~約100mg、約35mg~約95mg、約35mg~約90mg、約35mg~約85mg、約35mg~約80mg、約35mg~約75mg、約35mg~約70mg、約35mg~約65mg、約35mg~約60mg、約35mg~約55mg、約35mg~約50mg、約35mg~約45mg、約35mg~約40mg、約40mg~約100mg、約40mg~約95mg、約40mg~約90mg、約40mg~約85mg、約40mg~約80mg、約40mg~約75mg、約40mg~約70mg、約40mg~約65mg、約40mg~約60mg、約40mg~約55mg、約40mg~約50mg、約40mg~約45mg、約45mg~約100mg、約45mg~約95mg、約45mg~約90mg、約45mg~約85mg、約45mg~約80mg、約45mg~約75mg、約45mg~約70mg、約45mg~約65mg、約45mg~約60mg、約45mg~約55mg、約45mg~約50mg、約50mg~約100mg、約50mg~約95mg、約50mg~約90mg、約50mg~約85mg、約50mg~約80mg、約50mg~約75mg、約50mg~約70mg、約50mg~約65mg、約50mg~約60mg、約50mg~約55mg、約55mg~約100mg、約55mg~約95mg、約55mg~約90mg、約55mg~約85mg、約55mg~約80mg、約55mg~約75mg、約55mg~約70mg、約55mg~約65mg、約55mg~約60mg、約60mg~約100mg、約60mg~約95mg、約60mg~約90mg、約60mg~約85mg、約60mg~約80mg、約60mg~約75mg、約60mg~約70mg、約60mg~約65mg、約65mg~約100mg、約65mg~約95mg、約65mg~約90mg、約65mg~約85mg、約65mg~約80mg、約65mg~約75mg、約65mg~約70mg、約70mg~約100mg、約70mg~約95mg、約70mg~約90mg、約70mg~約85mg、約70mg~約80mg、約70mg~約75mg、約75mg~約100mg、約75mg~約95mg、約75mg~約90mg、約75mg~約85mg、約75mg~約80mg、約80mg~約100mg、約80mg~約95mg、約80mg~約90mg、約80mg~約85mg、約85mg~約100mg、約85mg~約95mg、約85mg~約90mg、約90mg~約100mg、約90mg~約95mg、約95mg~約100mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mgまたは約100mg)の量で1日2回毎日経口投与される。一態様では、期間の間に、15mgのビニメチニブが、1日2回経口投与される。一態様では、期間の間に、30mgのビニメチニブが、1日2回経口投与される。一態様では、期間の間に、45mgのビニメチニブが、1日2回経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、約10mg~約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約15mgまたは約30mgまたは約45mg)BIDの量で3週間、毎日経口投与され、ビニメチニブの投与を伴わずに1週間、2週間または3週間続けられる。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、約15mgの量で3週間1日2回経口投与され、ビニメチニブの投与を伴わずに1週間続けられる。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、約30mgの量で3週間1日2回経口投与され、ビニメチニブの投与を伴わずに1週間続けられる。一態様では、ビニメチニブは、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、約45mgの量で3週間1日2回経口投与され、ビニメチニブの投与を伴わずに1週間続けられる。一態様では、期間の間に、有害作用の観察まで、45mgのビニメチニブが1日2回経口投与され、その後、30mgのビニメチニブが1日2回投与される。一態様では、30mg1日2回に用量低減されていた患者は、用量低減をもたらした有害作用が、ベースラインを改善し、例えば、最大14日間または最大3週間または最大4週間安定のままである場合には、薬物再拡大を妨げるビニメチニブと関連するその他の随伴する毒性がないという条件で、期間の間に、45mg1日2回に再拡大し得る。
【0099】
[00115]いくつかの態様では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。一態様では、カペシタビンは、期間の間、経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、錠剤またはカプセル剤として投与される。いくつかの態様では、カペシタビンの錠剤またはカプセル剤製剤は、例えば、約10mg~約500mg、約10mg~約475mg、約10mg~約450mg、約10mg~約425mg、約10mg~約400mg、約10mg~約375mg、約10mg~約350mg、約10mg~約325mg、約10mg~約300mg、約10mg~約275mg、約10mg~約250mg、約10mg~約225mg、約10mg~約200mg、約10mg~約175mg、約10mg~約150mg、約10mg~約125mg、約10mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mg、約10mg~約25mg、約25mg~約500mg、約25mg~約475mg、約25mg~約450mg、約25mg~約425mg、約25mg~約400mg、約25mg~約375mg、約25mg~約350mg、約25mg~約325mg、約25mg~約300mg、約25mg~約275mg、約25mg~約250mg、約25mg~約225mg、約25mg~約200mg、約25mg~約175mg、約25mg~約150mg、約25mg~約125mg、約25mg~約100mg、約25mg~約75mg、約25mg~約50mg、約50mg~約500mg、約50mg~約475mg、約50mg~約450mg、約50mg~約425mg、約50mg~約400mg、約50mg~約375mg、約50mg~約350mg、約50mg~約325mg、約50mg~約300mg、約50mg~約275mg、約50mg~約250mg、約50mg~約225mg、約50mg~約200mg、約50mg~約175mg、約50mg~約150mg、約50mg~約125mg、約50mg~約100mg、約50mg~約75mg、約75mg~約500mg、約75mg~約475mg、約75mg~約450mg、約75mg~約425mg、約75mg~約400mg、約75mg~約375mg、約75mg~約350mg、約75mg~約325mg、約75mg~約300mg、約75mg~約275mg、約75mg~約250mg、約75mg~約225mg、約75mg~約200mg、約75mg~約175mg、約75mg~約150mg、約75mg~約125mg、約75mg~約100mg、約100mg~約500mg、約100mg~約475mg、約100mg~約450mg、約100mg~約425mg、約100mg~約400mg、約100mg~約375mg、約100mg~約350mg、約100mg~約325mg、約100mg~約300mg、約100mg~約275mg、約100mg~約250mg、約100mg~約225mg、約100mg~約200mg、約100mg~約175mg、約100mg~約150mg、約100mg~約125mg、約125mg~約500mg、約125mg~約475mg、約125mg~約450mg、約125mg~約425mg、約125mg~約400mg、約125mg~約375mg、約125mg~約350mg、約125mg~約325mg、約125mg~約300mg、約125mg~約275mg、約125mg~約250mg、約125mg~約225mg、約125mg~約200mg、約125mg~約175mg、約125mg~約150mg、約150mg~約500mg、約150mg~約475mg、約150mg~約450mg、約150mg~約425mg、約150mg~約400mg、約150mg~約375mg、約150mg~約350mg、約150mg~約325mg、約150mg~約300mg、約150mg~約275mg、約150mg~約250mg、約150mg~約225mg、約150mg~約200mg、約150mg~約175mg、約175mg~約500mg、約175mg~約475mg、約175mg~約450mg、約175mg~約425mg、約175mg~約400mg、約175mg~約375mg、約175mg~約350mg、約175mg~約325mg、約175mg~約300mg、約175mg~約275mg、約175mg~約250mg、約175mg~約225mg、約175mg~約200mg、約200mg~約500mg、約200mg~約475mg、約200mg~約450mg、約200mg~約425mg、約200mg~約400mg、約200mg~約375mg、約200mg~約350mg、約200mg~約325mg、約200mg~約300mg、約200mg~約275mg、約200mg~約250mg、約200mg~約225mg、約225mg~約500mg、約225mg~約475mg、約225mg~約450mg、約225mg~約425mg、約225mg~約400mg、約225mg~約375mg、約225mg~約350mg、約225mg~約325mg、約225mg~約300mg、約225mg~約275mg、約225mg~約250mg、約250mg~約500mg、約250mg~約475mg、約250mg~約450mg、約250mg~約425mg、約250mg~約400mg、約250mg~約375mg、約250mg~約350mg、約250mg~約325mg、約250mg~約300mg、約250mg~約275mg、約275mg~約500mg、約275mg~約475mg、約275mg~約450mg、約275mg~約425mg、約275mg~約400mg、約275mg~約375mg、約275mg~約350mg、約275mg~約325mg、約275mg~約300mg、約300mg~約500mg、約300mg~約475mg、約300mg~約450mg、約300mg~約425mg、約300mg~約400mg、約300mg~約375mg、約300mg~約350mg、約300mg~約325mg、約325mg~約500mg、約325mg~約475mg、約325mg~約450mg、約325mg~約425mg、約325mg~約400mg、約325mg~約375mg、約325mg~約350mg、約350mg~約500mg、約350mg~約475mg、約350mg~約450mg、約350mg~約425mg、約350mg~約400mg、約350mg~約375mg、約375mg~約500mg、約375mg~約475mg、約375mg~約450mg、約375mg~約425mg、約375mg~約400mg、約400mg~約500mg、約400mg~約475mg、約400mg~約450mg、約400mg~約425mg、約425mg~約500mg、約425mg~約475mg、約425mg~約450mg、約450mg~約500mg、約450mg~約475mg、または約475mg~約500mgのカペシタビンを含む。
【0100】
[00116]一態様では、カペシタビンの錠剤製剤は、約150mgのカペシタビンを含む。一態様では、カペシタビンの錠剤製剤は、約300mgのカペシタビンを含む。一態様では、カペシタビンは、期間の間、1日1回、2回または3回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、1日2回経口投与され、カペシタビンの第2の用量は、期間の間、カペシタビンの第1の用量の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間または約12時間(例えば、12時間±2時間)後に投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、1日2回経口投与され、カペシタビンの各投与は、食後、少なくとも30分で行う。一態様では、カペシタビンは、3週間サイクル中で、1日2回2週間経口投与され、1週間の休止期間が続けられた。一態様では、カペシタビンは、約800mg/mまたは約825mg/mまたは約950mg/mまたは約1000mg/mまたは約1250mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、約800mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、約825mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、約950mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、約1000mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、期間の間、約1250mg/mの用量で1日2回経口投与される。一態様では、期間の間、カペシタビンが約1250mg/mの用量で1日2回経口投与される場合には、カペシタビンは、以下の表に従って投与されてもよい:
【0101】
【表1】
【0102】
[00117]一態様では、本発明は、胆道癌を処置する方法であって、独立に、または組み合わせたMEK阻害剤およびフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、期間の間、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になり、MEK阻害剤がビニメチニブまたはその医薬上許容される塩である、前記方法を提供する。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。一態様では、ビニメチニブは、期間の間、約10mg~約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)の量で1日2回経口投与される。一態様では、ビニメチニブは、3週間の間、1日2回2週間投与され、1週間の休止期間が続けられる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0103】
[00118]一態様では、胆道癌を処置する方法は、期間の間に、独立に、または組み合わせた(a)MEK阻害剤および(b)カペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量から本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になり、カペシタビンは、期間の間、約100mg/m~約1250mg/m(例えば、約100mg/m~約1200mg/m、約100mg/m~約1100mg/m、約100mg/m~約1000mg/m、約100mg/m~約900mg/m、約100mg/m~約800mg/m、約100mg/m~約700mg/m、約100mg/m~約600mg/m、約100mg/m~約500mg/m、約100mg/m~約400mg/m、約100mg/m~約300mg/m、約100mg/m~約200mg/m、約200mg/m~約1250mg/m、約200mg/m~約1200mg/m、約200mg/m~約1100mg/m、約200mg/m~約1000mg/m、約200mg/m~約900mg/m、約200mg/m~約800mg/m、約200mg/m~約700mg/m、約200mg/m~約600mg/m、約200mg/m~約500mg/m、約200mg/m~約400mg/m、約200mg/m~約300mg/m、約300mg/m~約1250mg/m、約300mg/m~約1200mg/m、約300mg/m~約1100mg/m、約300mg/m~約1000mg/m、約300mg/m~約900mg/m、約300mg/m~約800mg/m、約300mg/m~約700mg/m、約300mg/m~約600mg/m、約300mg/m~約500mg/m、約300mg/m~約400mg/m、約400mg/m~約1250mg/m、約400mg/m~約1200mg/m、約400mg/m~約1100mg/m、約400mg/m~約1000mg/m、約400mg/m~約900mg/m、約400mg/m~約800mg/m、約400mg/m~約700mg/m、約400mg/m~約600mg/m、約400mg/m~約500mg/m、約500mg/m~約1250mg/m、約500mg/m~約1200mg/m、約500mg/m~約1100mg/m、約500mg/m~約1000mg/m、約500mg/m~約900mg/m、約500mg/m~約800mg/m、約500mg/m~約700mg/m、約500mg/m~約600mg/m、約600mg/m~約1250mg/m、約600mg/m~約1200mg/m、約600mg/m~約1100mg/m、約600mg/m~約1000mg/m、約600mg/m~約900mg/m、約600mg/m~約800mg/m、約600mg/m~約700mg/m、約700mg/m~約1250mg/m、約700mg/m~約1200mg/m、約700mg/m~約1100mg/m、約700mg/m~約1000mg/m、約700mg/m~約900mg/m、約700mg/m~約800mg/m、約800mg/m~約1250mg/m、約800mg/m~約1200mg/m、約800mg/m~約1100mg/m、約800mg/m~約1000mg/m、約800mg/m~約900mg/m、約900mg/m~約1250mg/m、約900mg/m~約1200mg/m、約900mg/m~約1100mg/m、約900mg/m~約1000mg/m、約1000mg/m~約1250mg/m、約1000mg/m~約1200mg/m、約1000mg/m~約1100mg/m、約1100mg/m~約1250mg/m、または約1100mg/m~約1200mg/m)の量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、約1000mg/mまたは約1250mg/mの量で1日2回経口投与される。一態様では、カペシタビンは、3週間の期間の間、1日2回2週間投与され、1週間の休止期間が続けられる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0104】
[00119]一態様では、胆道癌を処置する方法は、期間の間に、独立に、または組み合わせた(a)期間の間に、約10mg~約100mg(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか、例えば、約30mgまたは約45mg)の量で1日2回経口投与される、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)期間の間に、約1000mg/mまたは約1250mg/m(例えば、本明細書において記載されるこの範囲内の部分範囲または値のいずれか)の量で1日2回経口投与されるカペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ビニメチニブは、3週間の期間の間、1日2回2週間投与され、1週間の休止期間が続けられる。一態様では、カペシタビンは、3週間の期間の間、1日2回2週間経口投与され、1週間の休止期間が続けられる。一態様では、ビニメチニブおよびカペシタビンは、3週間の期間の間、1日2回2週間各々投与され、1週間の休止期間が続けられ、ビニメチニブおよびカペシタビンの投与は、同一の2週間の期間の間に行われる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。一態様では、ビニメチニブおよびカペシタビンの量は一緒に、癌の処置において相乗作用を達成する(例えば、期間の間の)。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0105】
[00120]一態様では、胆道癌を処置する方法は、期間の間に、独立に、または組み合わせた(a)期間の間に、約15mgの量で1日2回1日2回経口投与される、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)約1000mg/mの量で1日2回経口投与されるカペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ビニメチニブおよびカペシタビンは、3週間の期間の間、2週間投与され、ビニメチニブおよびカペシタビンが投与されない1週間の休止期間が続けられる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0106】
[00121]一態様では、胆道癌を処置する方法は、期間の間に、独立に、または組み合わせた(a)期間の間に、約30mgの量で1日2回1日2回経口投与される、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)約1000mg/mの量で1日2回経口投与されるカペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ビニメチニブおよびカペシタビンは、3週間の期間の間、2週間投与され、ビニメチニブおよびカペシタビンが投与されない1週間の休止期間が続けられる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0107】
[00122]一態様では、胆道癌を処置する方法は、期間の間に、独立に、または組み合わせた(a)期間の間に、約30mgの量で1日2回1日2回経口投与される、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および(b)約1250mg/mの量で1日2回経口投与されるカペシタビンであるフルオロピリミジン含有療法の治療上有効な量を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になる。一態様では、ビニメチニブおよびカペシタビンは、3週間の期間の間、2週間投与され、ビニメチニブおよびカペシタビンが投与されない1週間の休止期間が続けられる。一態様では、患者は、期間の前に、1種または複数の先行の療法、例えば、1種または複数の治療薬、例えば、別の抗癌処置を用いる少なくとも1つの処置を用いてこれまでに処置された。
【0108】
[00123]一態様では、本発明は、胆道癌を処置する方法であって、期間の間に、胆道癌の処置において有効である、一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および一定量のフルオロピリミジン含有療法を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に投与することを含む、またはから本質的になる、前記方法に関する。さらなる態様では、本発明は、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびフルオロピリミジン含有療法を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することから本質的になる併用療法法に関する。さらなる態様では、本発明は、胆道癌を処置する方法であって、一定量のビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤および一定量のフルオロピリミジン含有療法を含む、またはから本質的になる、またはからなる併用療法を、それを必要とする患者に、一定期間にわたって投与することを含む、またはから本質的になり、ここにおいて、量は一緒になって、癌の処置において相互作用を達成する(例えば、期間の間に)、前記方法に関する。さらなる態様では、本発明は、期間の間に、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤およびフルオロピリミジン含有療法を、それを必要とする患者に投与することから本質的になり、量が、相乗作用(例えば、in vivoまたはin vitro、例えば、適当なモデル細胞株または動物モデルにおいて)を提供する併用療法法に関する。一態様では、本発明の方法または使用は、フルオロピリミジン含有療法と組み合わせたビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤から本質的になる相乗的併用療法に関する。この段落のすべての態様の一側面では、フルオロピリミジン含有療法は、カペシタビンである。
【0109】
[00124]当業者ならば、既知の方法に従って、本発明の組み合わせで使用される各化合物の適切な量、用量または投与量を、年齢、体重、一般的な健康状態、投与された化合物、投与経路、処置を必要とする癌の性質と進行、および他の医薬の存在などの因子を考慮して決定し、患者に投与できるであろう。
【0110】
[00125]本発明の方法の実施は、様々な投与または投与計画を通じて達成され得る。本発明の組合せの化合物は、同時に、任意の順序で逐次または断続的に投与され得る。
[00126]投与または投薬計画の反復は、所望の効果を達成するために必要に応じて実施され得る。「連続投薬スケジュール」とは、本明細書において、用量中断がない、例えば、処置なしの日がない投与または投与計画である。処置サイクルの間に用量中断がない21または28日の処置サイクルの反復は、連続投薬スケジュールの一例である。一態様では、本発明の組合せの一方または両方の成分は、連続投薬スケジュールで投与され得る。「断続的投薬スケジュール」とは、本明細書において、用量中断を有する投与または投薬計画である。例えば、一態様では、断続的投薬スケジュールは、3週間サイクル中の、2週間の併用療法の1種または複数の成分の投与を含み、1週間の休止期間が続けられる。
【0111】
[00127]本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、MEK阻害剤の第2の治療上有効な用量は、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の約12時間後に投与される。本明細書において、語句「MEK阻害剤の第1の用量の投与の約12時間後」とは、MEK阻害剤の第2の用量が、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の10~14時間後に投与されることを意味する。
【0112】
[00128]本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、フルオロピリミジン含有療法の第2の治療上有効な用量は、期間の間に、フルオロピリミジン含有療法の第1の容量の投与の約12時間後に投与される。本明細書において、語句「フルオロピリミジン含有療法の第1の容量の投与の約12時間後」とは、フルオロピリミジン含有療法の第2の用量が、期間の間に、フルオロピリミジン含有療法の第1の用量の投与の10~14時間後に投与されることを意味する。
【0113】
[00129]本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、フルオロピリミジン含有療法の第1の治療上有効な用量は、MEK阻害剤の第1の治療上有効な用量の治療上有効な量の投与と同時に投与される。本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、フルオロピリミジン含有療法の第2の治療上有効な用量は、MEK阻害剤の第2の治療上有効な用量の治療上有効な量の投与と同時に投与される。
【0114】
[00130]本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、フルオロピリミジン含有療法の第1の治療上有効な用量は、MEK阻害剤の第1の治療上有効な用量の治療上有効な量の投与の少なくとも5分後に投与される。本明細書において、語句「少なくとも5分後」とは、フルオロピリミジン含有療法が、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の少なくとも5分または少なくとも10分または少なくとも15分または少なくとも20分または少なくとも25分または少なくとも30分または少なくとも35分または少なくとも40分または少なくとも45分または少なくとも50分または少なくとも55分または少なくとも60分または少なくとも65分または少なくとも70分または少なくとも75分または少なくとも80分または少なくとも85分または少なくとも90分後に、期間の間に投与されることを意味する。
【0115】
[00131]本明細書において記載されるような併用療法の投薬計画のいずれかの一態様では、治療上有効な用量の第1の有効用量は、期間の間に、MEK阻害剤の第1の治療上有効な用量の投与の少なくとも5分前に投与される。本明細書において、語句「少なくとも5分後」とは、フルオロピリミジン含有療法が、期間の間に、MEK阻害剤の第1の用量の投与の少なくとも5分または少なくとも10分または少なくとも15分または少なくとも20分または少なくとも25分または少なくとも30分または少なくとも35分または少なくとも40分または少なくとも45分または少なくとも50分または少なくとも55分または少なくとも60分または少なくとも65分または少なくとも70分または少なくとも75分または少なくとも80分または少なくとも85分または少なくとも90分前に期間の間に投与されることを意味する。
【0116】
[00132]一態様では、MEK阻害剤の用量は、最大耐容投与量が到達されるまで期間の間に拡大され、フルオロピリミジン含有療法は、期間の間、固定用量として投与される。あるいは、MEK阻害剤が、期間の間、固定用量として投与されてもよく、フルオロピリミジン含有療法の用量は、最大耐容投与量が到達されるまで期間の間に拡大され得る。
【0117】
[00133]一態様では、本明細書において記載される任意の併用療法は、期間の間に、フルオロピリミジン含有療法の投与の前の1回または複数回の前投薬の投与をさらに含み得る。一態様では、1回または複数回の前投薬は、期間の間に、MEK阻害剤の投与後1時間するやいなや投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、期間の間に、フルオロピリミジン含有療法の投与の30~60分前に投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、期間の間に、フルオロピリミジン含有療法の投与の30分前に投与される。一態様では、1回または複数回の前投薬は、止痢薬、(例えば、ロペラミド)、H1アンタゴニスト(例えば、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤)およびアセトアミノフェンのうち1種または複数から選択される。
【0118】
[00134]一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、化学療法である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に、患者に投与される1種または複数の治療薬は、白金ベースの化学療法である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、フルオロピリミジン含有化学療法(例えば、単独療法として)である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、ゲムシタビンである、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、FOLFIRINOX(フォリン酸(ロイコボリン)、5-FU(5-FU)、イリノテカンおよびオキサリプラチンの化学療法計画)である、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、FOLFOXIRIである、またはそれを含む。一態様では、期間の前に患者に投与される1種または複数の治療薬は、ターゲッティングされる療法である、またはそれを含む。
【0119】
[00135]癌または癌関連疾患の改善は、完全または部分奏効として特性決定され得る。「完全奏効」または「CR」とは、任意のこれまで異常であったX線検査研究、骨髄および脳脊髄液(CSF)または異常なモノクローナルタンパク質測定値の正常化を伴う、臨床上検出可能な疾患がないことを指す。「部分奏効」とは、新規病変の不在下でのすべての測定可能な腫瘍量(すなわち、対象中に存在する悪性細胞数または腫瘍塊の測定された容積または異常なモノクローナルタンパク質の量)の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の減少を指す。
【0120】
[00136]処置は、1種または複数の臨床エンドポイントを用いて、例えば、中でも、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害(本明細書において同定されるようなチェックポイントタンパク質の発現レベルを含む)、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大、腫瘍応答までの時間(TTR)の改善、応答期間(DR)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、全生存(OS)の増大、客観的奏効率(ORR)によって評価され得る。OSは、本明細書において、処置開始から任意の原因による死亡までの時間を意味する。TTPとは、本明細書において、処置開始から腫瘍進行までの時間を意味し、TTPは、死亡を含まない。本明細書において、TTRは、確認された客観的奏効(CRまたはPR)を有する患者について、無作為化の日付または研究処置の第1の用量の日付から客観的腫瘍応答の第1の記述までの時間として定義される。本明細書において、DRとは、腫瘍応答の記述から疾患進行までの時間を意味する。本明細書において、PFSとは、処置開始から腫瘍進行または死亡までの時間を意味する。本明細書において、ORRとは、所定量の、最小期間の腫瘍の大きさの低減を有する患者の割合を意味し、応答期間は、普通、最初の応答の時間から記述される腫瘍進行までが測定される。極端に、完全阻害は、本明細書において、防御または化学防御と呼ばれる。
【0121】
[00137]したがって、本明細書において記載される併用療法を用いて癌を処置することに関連して1つまたは複数臨床エンドポイントを達成する方法が、本明細書において提供される。一態様では、本明細書において記載される患者は、本明細書において記載される組合せを用いる処置後の腫瘍成長の阻害または腫瘍の大きさの低減などの陽性腫瘍応答を示し得る。特定の態様では、本明細書において記載される患者は、本明細書において記載される併用療法の有効量の投与後に、完全奏効、部分奏効または安定疾患の固形腫瘍における奏効判定基準を達成し得る(例えば、RECIST 1.1)。特定の態様では、本明細書において記載される患者は、腫瘍進行のない生存の増大を示し得る。いくつかの態様では、本明細書において記載される患者は、中でも、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害(カルチノイド症候群の一因となるものなどの腫瘍分泌ホルモンを含む)、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍応答までの時間(TTR)の減少、応答期間(DR)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大および/または全生存(OS)の増大を示し得る。
【0122】
[00138]別の態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の腫瘍応答までの時間(TTR)を減少する、応答期間(DR)を増大する、無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法が提供される。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の腫瘍応答までの時間(TTR)を減少するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法が提供される。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法である。一態様では、本明細書において記載される癌を有する患者の無増悪生存期間(PFS)を増大するための方法であって、本明細書において記載される併用療法の有効量を投与することを含む、前記方法である。
【0123】
[00139]一態様では、本発明に従って胆道癌を処置する方法はまた、手術または放射線療法を含む。手術の限定されない例として、例えば、直視下手術または最小侵襲性手術が挙げられる。手術として、例えば、全腫瘍の除去、腫瘍の減量または対象において疼痛もしくは圧力を引き起こしている腫瘍の除去を挙げることができる。癌を有する対象で直視下手術および最小侵襲性手術を実施する方法は、当技術分野で公知である。放射線療法の限定されない例として、外部照射ビーム療法(例えば、キロボルトX線またはメガボルトX線を使用する外部ビーム療法)または内部放射線療法が挙げられる。内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)は、例えば、低用量内部放射線療法または高用量内部放射線療法の使用を含み得る。低用量内部放射線療法は、例えば、小さい放射活性ペレット(シードとも呼ばれる)を、対象中の癌組織中またはその近位に挿入することを含む。高用量内部放射線療法は、例えば、薄いチューブ(例えば、カテーテル)またはインプラントを対象中の癌組織中またはその近位に挿入することおよび照射機器を使用して高用量の放射線を薄いチューブまたはインプラントに送達することを含む。癌を有する対象で放射線療法を実施する方法は、当技術分野で公知である。
【0124】
[00140]本明細書において記載される併用療法が、先に本明細書において記載された有益な効果をもたらすことは、確立された試験モデルによって示され得る。当業者ならば、このような有益な効果を証明するための関連試験モデルを十分に選択できる。本明細書において記載される併用療法の薬理学的活性は、例えば、動物モデルおよび/または臨床研究において、または例えば、以下に記載されるような試験手順において実証され得る。
【0125】
[00141]適した臨床研究として、例えば、胆道癌を有する患者におけるオープンラベル、用量漸増研究がある。このような研究は、特に、本明細書において記載される併用療法の治療薬の相乗作用を実証し得る。増殖性疾患に対する有益な効果は、これらの研究の結果によって直接的に決定され得る。このような研究は、MEK阻害剤およびフルオロピリミジン含有療法を含む併用療法の効果に対する、MEK阻害剤および/またはフルオロピリミジン含有療法を使用する単独療法の効果の比較にとって特に適したものであり得る。
【0126】
[00142]処置の有効性は、このような研究において、例えば、症状スコアの評価によって6、12、18または24週後に、例えば、6週毎に決定され得る。
[00143]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、MEKの上方制御されたレベル、野生型MEKと比較して増大した活性を有する突然変異したMEK、MEKキナーゼの上流のキナーゼ(例えば、Ras(KRAS、HRASおよび/またはNRAS)および/またはRaf)の上方制御されたレベルまたはMEKの上流の対応する野生型キナーゼと比較して、増大した活性を有する突然変異したMEKの上流のキナーゼ(例えば、Rasおよび/またはRaf)を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定される。
【0127】
[00144]いくつかの態様では、野生型MEKと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEKは、例えば、56(例えば、Q56P)および72(例えば、S72G)の群から選択されるアミノ酸位置に1つまたは複数のアミノ酸置換を有し得る。
【0128】
[00145]いくつかの態様では、野生型KRASと比較して増大した活性を有する突然変異されたKRASは、例えば、アミノ酸位置12で1つまたは複数のアミノ酸置換(例えば、G12A、G12R、G12S、G12C、G12DまたはG12V)、13で(例えば、G13DまたはG13C)を有し得る。
【0129】
[00146]いくつかの態様では、野生型HRASと比較して増大された活性を有する突然変異されたHRASは、例えば、アミノ酸位置12(例えば、G12V)および61(例えば、Q61LまたはQ61R)のアミノ酸置換の一方または両方を有し得る。
【0130】
[00147]いくつかの態様では、野生型NRASと比較して増大された活性を有する突然変異されたNRASは、例えば、アミノ酸位置12(例えば、G12D、G12SまたはG12V)、13(例えば、G13RまたはG13V)および61(例えば、Q61H、Q61K、Q61LまたはQ61R)のうち1つまたは複数でアミノ酸置換を有し得る。
【0131】
[00148]いくつかの態様では、野生型BRAFと比較して増大された活性を有する突然変異されたBRAFは、例えば、アミノ酸位置600(例えば、V600EまたはV600K)にアミノ酸置換を有し得る。
【0132】
[00149]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様では、患者は、EGFRの上方制御されたレベル(例えば、非癌性細胞と比較して)または野生型EGFRと比較して増大した活性を有する突然変異したEGFRを有する腫瘍または癌細胞を有すると同定される。
【0133】
[00150]いくつかの態様では、野生型EGFRと比較して増大した活性を有する突然変異したEGFRは、例えば、アミノ酸位置719のアミノ酸置換、アミノ酸位置731のアミノ酸置換(例えば、W731L)、アミノ酸位置734のアミノ酸置換(例えば、E734Q)、アミノ酸位置785のアミノ酸置換(例えば、T785A)、アミノ酸位置790のアミノ酸置換(例えば、T790M)、アミノ酸位置797のアミノ酸置換(例えば、C797Y)、アミノ酸位置801のアミノ酸置換(例えば、Y801H)、アミノ酸位置831のアミノ酸置換(例えば、L831H)、アミノ酸位置858のアミノ酸置換(例えばL858R)、アミノ酸位置861のアミノ酸置換(例えば、L861Q)およびアミノ酸位置868のアミノ酸置換(例えば、E868G)を有し得る。
【0134】
[00151]MEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの増大したレベルまたは腫瘍(例えば、生検サンプル)もしくは癌細胞において対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの発現を検出する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、核酸配列決定法(例えば、PCR)、標識されたDNAプローブを用いる蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、免疫蛍光顕微鏡、免疫ブロット法、プロテオミクス、質量分析および蛍光支援細胞選別が挙げられる。MEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの増大したレベルまたは腫瘍(例えば、生検サンプル)もしくは癌細胞において対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの発現を検出するためのさらなる方法は、当技術分野で公知である。
【0135】
[00152]本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、患者を、MEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの増大したレベルまたは対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの発現を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定することおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用する処置のために同定された患者を選択することをさらに含む。本明細書において記載される方法のいずれかのいくつかの態様は、MEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの増大したレベルまたは対応する野生型キナーゼと比較して増大した活性を有する突然変異されたMEK、Ras、Rafおよび/もしくはEGFRの発現を有する腫瘍または癌細胞を有すると同定された対象を選択するおよび本明細書において記載される方法のいずれかを使用して患者を処置するというステップをさらに含み得る。
【0136】
[00153]いくつかの態様では、癌は、膵臓癌、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、黒色腫、結腸癌、食道癌、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃癌、神経膠芽腫、肝細胞癌腫、肺癌、結腸直腸癌、ラブドイド腫瘍、網膜芽細胞腫タンパク質陽性癌、胆嚢癌、胆管癌(例えば、肝内胆管癌および肝外胆管癌)、ファーター膨大部癌、星状細胞腫、神経膠芽腫多形、Bannayan-Zonana症候群、Cowden病、Lhermitte-Duclos病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、AML、慢性好中球性白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核芽球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮癌、肺癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、唾液腺癌、鼻咽頭癌、頬側癌、口腔の癌、GIST(胃腸胃腫瘍)、NSCLCおよび精巣癌からなる群から選択される。いくつかの態様では、癌は、T細胞浸潤性癌である。
【0137】
[00154]いくつかの態様では、癌は、非小細胞肺癌、胆道癌、乳癌、膀胱癌、子宮頸癌、悪性中皮腫、卵巣癌および膵臓癌からなる群から選択される。
[00155]本発明の方法の化合物または組合せは、投与の前に製剤化され得る。製剤化は、特定の投与様式に適応されることが好ましい。これらの化合物は、当技術分野で公知のような医薬上許容される担体とともに製剤化され、当技術分野で公知のようなさまざまな投与形で投与され得る。本発明の医薬組成物の作製において、有効成分は、普通、医薬上許容される担体と混合され、または担体によって希釈され、または担体内に封入される。このような担体として、それだけには限らないが、固体希釈剤または充填剤、賦形剤、滅菌水性媒体および種々の非毒性有機溶媒が挙げられる。投与量単位形または医薬組成物として、錠剤、カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、水性および非水性経口溶液および懸濁液、ロゼンジ剤、トローチ剤、ハードキャンディ、噴霧剤、クリーム剤、軟膏(salves)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏(ointment)、注射用溶液、エリキシル、シロップおよび個々の用量への細分に適応された容器中にパッケージングされた非経口溶液が挙げられる。
【0138】
[00156]非経口製剤として、医薬上許容される水性または非水溶液、分散物、懸濁液、エマルジョンおよびその調製のための滅菌散剤が挙げられる。担体の例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、植物油および注射用有機エステル、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。流動性は、レシチンなどのコーティング、界面活性剤などの使用または適当な粒径を維持することによって維持され得る。例示的非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。このような投与形は、必要に応じて適宜緩衝されてもよい。
【0139】
[00157]さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、打錠目的で有用であることが多い。同様の種類の固体組成物はまた、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルにおいて使用され得る。好ましい材料は、したがって、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために、水性懸濁液またはエリキシルが望まれる場合には、活性化合物を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に、種々の甘味料または香味剤、着色物質または染料と、必要に応じて、乳化剤または懸濁剤とも同様に組み合わせてもよい。
【0140】
[00158]指定量の活性化合物を用いて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者には公知であり、明らかであろう。
[00159]一態様では、ビニメチニブまたはその医薬上許容される塩であるMEK阻害剤は、経口投与用に製剤化される。一態様では、MEK阻害剤は、錠剤またはカプセル剤として製剤化される。一態様では、MEK阻害剤は、錠剤として製剤化される。一態様では、錠剤は、コート錠剤である。一態様では、MEK阻害剤は、遊離塩基としてのビニメチニブである。一態様では、MEK阻害剤は、ビニメチニブの医薬上許容される塩である。一態様では、MEK阻害剤は、結晶化ビニメチニブである。ビニメチニブの経口製剤を調製する方法は、PCT公開番号WO2014/063024に記載されている。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、15mgのビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、15mgの結晶化ビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、45mgのビニメチニブを含む。一態様では、ビニメチニブの錠剤製剤は、45mgの結晶化ビニメチニブを含む。
【0141】
[00160]本発明はまた、本発明の組合せの治療薬および治療薬の投与のための書面による説明書を含むキットに関する。一態様では、書面による説明書は、例えば、本発明の治療薬の同時または逐次投与のための治療薬の投与様式を詳述し、認定する。一態様では、書面による説明書は、例えば、28日サイクルの間の治療薬の各々の投与日を指定することによって、治療薬の投与様式を詳述し、認定する。
【0142】
[00161]開示された教示は、様々な適用、方法、キットおよび組成物を参照して説明されたが、本明細書の教示および以下の特許請求される本発明から逸脱することなく、様々な変法および改変がなされ得ることは理解される。前述の例は、開示された教示をよりよく示すために提供されており、本明細書に提示された教示の範囲を限定することを意図していない。本教示はこれらの例示的な態様に関して説明されてきたが、当業者ならば、これらの例示的な態様の多数の変法および改変が過度の実験なしに可能であることを容易に理解されよう。そのようなすべての変法および改変は、現在の教示の範囲内である。
【0143】
[00162]特許、特許出願、論文、教科書などを含む、本明細書で引用されるすべての参考文献、およびそれらで引用されている参考文献は、それらがすでに組み込まれていない限り、参照により全体が本明細書に組み込まれる。組み込まれた文献および類似の材料のうち1つまたは複数が、それだけには限らないが、定義された用語、用語の使用法、説明された技術などを含む本出願と異なるまたは矛盾する場合、本出願が支配する。
【0144】
[00163]前述の説明および実施例は、本発明の特定の態様を詳述し、本発明者によって企図された最良の様式を説明している。しかし、前述のものが本文においてどのように詳細に現れようとも、本発明は多くの方法で実施され得、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその任意の等価物に従って解釈されなくてはならないことは理解されよう。
【実施例
【0145】
実施例1
前臨床試験
[00164]細胞生存力に対するビニメチニブ、5-フルオロウラシル(5-FU)またはこれらの薬物の組合せの効果を、8種のBTC細胞株(SNU245、SNU308、SNU478、SNU869、SNU1079、SNU1196、TFK1およびHuCCT1)を使用して評価した。カペシタビンは、in vivoで5-FUに変換されるので、5-FUを、細胞株におけるこの前臨床試験におけるカペシタビンの経口投与のin vivo等価物として使用した。手短には、96ウェルプレートにおいて増殖させておいたコンフルエント単層を、薬物に対して72時間曝露させた。続いて、市販のMTTアッセイを製造業者の指示に従って使用してMultiskan GOマイクロプレートリーダーを用いて540nmで細胞生存力を測定した。Chou-Talalay法を使用して、組合せ効果を評価した。また、細胞を薬物を用いて48時間処置し、チミジル酸シンターゼ(TS)、プログラム死リガンド1(PD-L1)およびβ-アクチンの発現を、ウエスタンブロット解析を公開されたプロトコールに従って使用して調べた。ローディングコントロールとしてアクチンを含めた。
【0146】
[00165]ビニメチニブに対するBTC細胞株の曝露は、細胞生存力の著しい低下を伴った(図1A)。SNU245、SNU1196、SNU869およびHuCCT1におけるビニメチニブおよび5-FUの組合せは、相互作用(影響を受けた画分=0.5で組合せ指数<1;図1B)を実証した。これらの細胞株のうち、SNU869およびHuCCT1は、KRAS突然変異(G12D)を有する。根底にある相乗的機序を評価するために、ウエスタンブロットによってタンパク質発現を評価した。チミジル酸シンターゼ(TS)、5-FU耐性のマーカーが、5-FU処置によって上方制御された。しかし、TSは、ビニメチニブ単独療法によって下方制御された(図1C)。BTC細胞が、ビニメチニブおよび5-FU両方を用いて処置された場合には、5-FUによって誘導されたTSレベルはまた、ビニメチニブの添加によって下方制御され、これは、5-FUの感受性を増大し得る。興味深いことに、5-FUは、PD-L1発現を誘導し、ビニメチニブおよび5-FUを用いる同時投与は、この発現を減少させた(図1C)。
【0147】
実施例2
ゲムシタビン前処置進行性胆道癌における、カペシタビンと組み合わせたビニメチニブ(MEK162)の第Ib相研究
[00166]胆道癌(BTC)では、RAS/RAF/MEK/ERK経路は、症例の最大20~40%において増大された活性を有すると知られている(例えば、非癌性細胞と比較して)。ビニメチニブ(MEK162)は、BTCにおいて前臨床活性を示すアロステリックMEK1/2阻害剤である。MEK阻害剤および5-FUは、BTC細胞において相互作用を示した。
【0148】
[00167]前臨床結果(実施例1)によって支持され、ゲムシタビン前処置BTC患者におけるビニメチニブおよびカペシタビンの第Ib相研究を実施して、安全性および早期抗腫瘍活性を評価した。さらに、RAS/RAF/MEK/ERK経路への遺伝子変異を同定し、血漿バイオマーカー濃度を調べた。
【0149】
[00168]研究デザイン
[00169]ビニメチニブおよびカペシタビンを使用する第Ib相研究を、ゲムシタビンベースの化学療法を用いてこれまでに処置された進行性BTC患者において実施した。この研究は、用量漸増(DE)部分および拡大部分(EX)からなるものとした。DE部分の主要エンドポイントは、MTDの決定であり、副次的エンドポイントは、用量制限毒性(DLT)、RP2Dおよび安全性の同定を含んでいた。ビニメチニブ(B)およびカペシタビン(C)は、3週間毎に、1日2回2週間のオン/1週間のオフで投薬した。用量漸増部分では、「3+3設計」に従って3つの用量レベル(DL)を試験した(DL1:1000mg/mのCおよび15mgのB;DL2:1000mg/mのCおよび30mgのB;DL3:C1250mg/mおよび30mgのB)。研究のEX部分の主要エンドポイントは、3カ月無増悪生存期間(PFS)率を決定することであり、副次的エンドポイントは、客観的奏効率(ORR)、奏効期間、疾患制御率(DCR)、PFS、全生存(OS)、安全性、生活の質(QOL)およびバイオマーカー定量化であった。
【0150】
[00170]患者
[00171]研究の用量漸増部分のために、9人の患者(DLあたり3人)を採用した。この研究の標的集団は、ゲムシタビンベースの第1ライン化学療法を失敗している、その第2または第3ライン処置設定にあるBTC患者であった。主な組み入れ基準は、年齢≧20歳;肝内胆管癌、肝外胆管癌、胆嚢癌またはファーター膨大部癌を含む組織学的に確認されたBTC;切除不能または再発性疾患;先行のゲムシタビンベースの化学療法;米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)活動状態0~1;固形腫瘍における反応評価基準(Response Evaluation Criteria In Solid Tumor)バージョン1.1(RECIST v1.1)によって評価可能または測定可能病変;適当な骨髄および臓器機能;ならびに補正QT間隔≦480msとした。主な除外基準は、活性中枢神経系疾患;脳転移;網膜静脈閉塞のリスクまたは病歴;移植歴;ジルベール症候群;6カ月以内の主要な心疾患;クレアチンキナーゼの上昇と関連する神経筋疾患とした。胆道ドレナージは可能とした。すべての参加患者は、書面によるインフォームドコンセントを提供した。この研究は、各病院の治験審査委員会によって承認され、ClinicalTrials.govに登録された(識別子:NCT02773459)。
【0151】
[00172]投薬および用量改変
[00173]ビニメチニブおよびカペシタビンは、3週間毎に1~14日目に1日2回経口投与された。用量漸増部分では、4つの予め定義された用量レベル(DL)が適用された(DL-1:ビニメチニブ/カペシタビン、15mg/800mg/m;DL1:15mg/1000mg/m;DL2:30mg/1000mg/m;DL3:30mg/1250mg/m)。出発用量は、DL1とした。DL3において、DLTを起こさない患者がいない場合には、DL3が、RP2Dとして宣言されることとした。DLTは、発熱および/または感染を伴うグレード4好中球減少症;≧7日間のグレード4好中球減少症;出血または輸血を伴うグレード3/4血小板減少症;≧7日間のグレード4血小板減少症;脱毛症、拒食症、悪心もしくは嘔吐を除くグレード3もしくは4非血液学的有害事象または最大の支持的ケアにもかかわらないグレード3もしくは4悪心、下痢もしくは嘔吐と予め定義された。プロトコールが定義された処置改変に基づいて、15mg1日2回へのビニメチニブの、および用量の75または50%へのカペシタビンの用量低減が認められた。
【0152】
[00174]応答、有害事象およびQOLの評価
[0175]放射線学的評価は、6週間毎のコンピューター断層撮影法(CT)よって完了し、腫瘍応答は、RECIST v1.1に基づいて評価した。理学的検査およびバイタルサインを含む日常的な評価および有害事象の評価は、第1のサイクルの間は毎週、次いで、サイクル毎に最後に完了した。有害事象は、NCI-有害事象の共通用語基準(NCI-Common Terminology Criteria of Adverse Events)バージョン4.03を使用して記録した。QOLは、EORTC-QLQ-C30およびEQ5D質問事項の使用によって評価し(その開示内容が、その全文で参照により本明細書に組み込まれる、Aaronson NKら J Natl Cancer Inst 85巻:365~76頁、1993年およびHealth Policy 16巻:199~208頁、1990年を参照のこと)、これらは、ベースライン、サイクル1、2、4、6および8の後および次いで、研究の最後まで3サイクル毎の後に集められた。
【0153】
[00176]バイオマーカー解析
[00177]すべての患者は、スクリーニング時に腫瘍組織を、スクリーニング時、第1のサイクル後、第2のサイクル後および疾患進行時に血液サンプルを提供することが求められた。遺伝子変異は、次世代シーケンシング(NGS)によってターゲッティングされるシーケンシングを使用して評価して、RAS/RAF/MEK/ERK経路の突然変異を決定した。治療有効性を予測するために、インターロイキン-6(IL-6)血漿中濃度を評価した。IL-6の血漿中濃度は、酵素結合免疫吸着測定法(ヒトIL-6、Quantikine ELISA Kit、R&D systems、米国、ミネソタ州、ミネアポリス)を製造業者の使用説明書に従って使用して測定した。各サンプルは2連で解析した。
【0154】
[00178]統計解析
[00179]安全性および有効性解析は、ビニメチニブの少なくとも1用量を受け取った治療企図解析対象集団において完了した。連続変数は、平均および標準偏差または中央値および範囲などの記述統計学を使用してまとめたが、カテゴリー変数は、頻度およびパーセンテージを使用してまとめた。OSおよびPFS予測のための各連続変数のカットポイント値は、事象までの時間の結果を用いて連続共変数の最適カットポイントを見い出すことによって決定した(Williams BA:Finding optimal cutpoints for continuous covariates with binary and time-to-event outcomes. Technical Report Series番号79、2006年6月、Department of Health Sciences Research、Mayo Clinic、Rochester Minnesotaを参照のこと)。EORTC-QLQ-C30の結果は、Osobaらの方法(Osoba Dら、J Clin Oncol 16巻:139~44頁、1998年を参照のこと)に従って解釈した。PFSは、第1のサイクルの日付から進行性疾患(PD)または原因に関わらず死亡の発生までから算出した。OSは、第1のサイクルの日付から原因に関わらず死亡までから算出した。すべての解析は、PASW Statistics 18(SPSS Inc.、イリノイ州、シカゴ)およびR統計ソフトウェア(Rバージョン3.4.4)を使用して実施した。
【0155】
[00180]結果
[00181]患者
[00182]用量漸増部分のために9人の患者を採用した。DL3までDLTを起こした患者はなく、したがって、RP2Dは、DL3(3週間毎に1~14日目に、ビニメチニブ30mg/カペシタビン1250mg/m、1日2回)として決定した。拡大部分のために、25人の患者を登録した。データカットオフ時間で、22人の患者が死亡しており、処置は、3人の患者において進行中であった。フォローアップ期間中央値は、6.8カ月(範囲、2.0~17.8)であり、患者は、5サイクル(範囲、1~16)の中央値を受け取った。
【0156】
[00183]ベースライン患者の特徴は、用量漸増および拡大部分の間で著しく異なってはいなかった。年齢中央値は、63歳(範囲、48~73)であった。原発腫瘍起源は、胆嚢(n=10、29.4%)、肝内胆管(n=10、29.4%)、肝外胆管(n=9、26.5%)およびファーター膨大部(n=5、14.7%)であった。25人(73.5%)の患者がその第2ライン処置設定にあり、9人の患者(26.5%)が、第3ライン設定にあった。12人の患者(35.3%)が、アジュバントとして、または対症化学療法期間の間に5-FUにこれまでに曝露されており、それらの中で、4人の患者(33.3%)は、第1または第2ライン処置として5-FU失敗を起こしていた。
【0157】
[00184]有害事象
[00185]有害事象の大部分は、管理可能および可逆的であった。注目すべきこととして、用量漸増部分において第1のサイクルの間で、1つのG3好中球減少症および1つのG3血小板減少症が生じたが、DLTはなかった。最も一般的な有害事象は、口内炎(61.7%)、浮腫(50.0%)、吐き気(41.2%)、丘疹膿疱性発疹(41.2%)、手掌足底発赤知覚異常症候群(41.2%)および疲労(41.2%)であった。眼の有害事象はなく、1人の患者のみが、グレード4毒性(低カリウム血症)を起こした。処置に関連する死亡はなかった。
【0158】
[00186]処置有効性
[00187]すべての患者が、少なくとも1つの測定可能病変を有していた。34人の患者のうち、7人の患者(20.6%)および19人の患者(55.9%)が、それぞれ、部分奏効(PR)および安定疾患(SD)を実証した(表1)。
【0159】
【表2】
【0160】
[00188]ORRおよびDCRは、それぞれ、20.6%(95%信頼区間(CI)、7.0~34.2)および76.5%(95%CI、62.2~90.8)であった。25人の患者(73.5%)があらゆるグレードの腫瘍縮小を起こし(図2A)、応答期間中央値は、4.7カ月(95%CI、2.4~7.0)であった。SDを有する19人の患者のうち、13人(68.4%)は、12週間より長いSD持続期間を有し、耐久性疾患制御を実証した。腫瘍応答は、第2および第3ライン設定の間で同様であった(表1)。腫瘍起源もまた、腫瘍応答を変更しなかった。さらに、第1または第2ライン設定で5-FUに失敗した4人の患者のうち、1人の患者(25%)がPRを示し、その他の3人の患者(75%)が、SDを示した。
【0161】
[00189]すべての患者において、3カ月のPFS率は64.0%であり、PFS中央値は、4.1カ月であった(95%CI、2.8~5.7;図2B)。OS中央値は、7.8カ月であった(95%CI、5.9~12.2)。PFSもOSも、第2および第3ライン設定の間で著しく異ならなかった(それぞれ、p=0.064、p=0.796)。また、患者が腫瘍起源に従ってグループ化された場合も、PFSまたはOSにおいて著しい相違はなかった(それぞれ、p=0.158、p=0.091)。
【0162】
[00190]バイオマーカー解析
[00191]すべての患者において、スクリーニングの際に腫瘍組織が得られた。しかし、NGS技術を使用するゲノム配列情報は、34人の参加者のうち26人について得られた(76.5%)。RAS/RAF/MEK/ERK経路における遺伝子変異は、26人の患者のうち10人(38.5%)において同定された(表2)。
【0163】
【表3】
【0164】
[00192]さらに、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する患者は、野生型を有するものよりも療法に対して著しく良好に応答した(40.0%対12.5%;図2Cおよび表3)。
【0165】
【表4】
【0166】
[00193]突然変異体型を有する患者はまた、野生型を有するものよりも長いPFS(5.4カ月対3.5カ月;図2Dおよび図2E)およびOS(10.8カ月対5.9カ月;図2F)を示した。
【0167】
[00194]IL-6血漿中濃度の点では、ベースライン血漿IL-6の平均値(±標準偏差)は、11.5pg/mL(±12.6)であった。高いベースラインIL-6を有する患者は、著しく短いPFSおよびOSを示した(それぞれ、p=0.025、p=0.033;図3Aおよび3B)。同様に、IL-6のベースライン値は、腫瘍応答と関連していた、すなわち、IL-6は、PR患者よりもPDにおいて高かった。平均濃度は、それぞれ、PD、SDおよびPR患者について19.9、9.2および7.7pg/mLであった(p=0.085)。ベースライン間および第2サイクル後の変化に関して、IL-6濃度におけるより大きい増大(△>14.8pg/mL)は、より短いPFSおよびOSと関連していた(図3Cおよび3D)。さらに、PDが確認された場合のIL-6の血漿中濃度も、ベースラインと比較して著しく増大した(平均±標準偏差:それぞれ、32.0±29.8対9.0±5.9pg/mL;対応のあるt検定、p=0.008)。
【0168】
[00195]QOL
[00196]EORTC-QLQ-C30質問事項に基づいて、全体的な健康状態および機能に関するほとんどのQOLは、サイクルが進行するにつれ、「わずかに」から「極めて」の程度の間で変更された。QOLは、いくつかの時点で著しく改善された症状と関連していた。最良の状態をベースラインと比較して、役割機能および資金難は、「わずかな」程度改善し(それぞれ、p=0.028およびp=0.032)、QOLは、「中程度」の程度で改善された疼痛と関連していた(p=0.039)。EQ5D質問事項もまた、処置期間を通じてQOLの変更を実証した。
【0169】
[00197]結果の要約
[00198]DE部分では、9人の患者が採用され、用量制限毒性は記載されなかった。したがって、推奨された第2相用量を、DL3決定した。EX部分では、25人の患者が登録された。合計34人の患者のうち、25人(73.5%)および9人の患者(26.5%)が、それぞれ第2ラインおよび第3ライン設定であった。3カ月PFS率は64.0%であり、PFS中央値および全生存(OS)中央値は、それぞれ、4.1(95%CI、2.8~5.7)および7.8カ月(95%CI、5.9~12.2)であった。客観的奏効率および疾患制御率は、それぞれ、20.6%(95%CI、7.0~34.2)および76.5%(95%CI、62.2~90.8)であった。安定疾患の68.4%は耐久性であった(>12週)。さらに、RAS/RAF/MEK/ERK経路突然変異を有する患者(38.5%)は、野生型よりも著しく良好な腫瘍応答(p=0.028)、PFS(5.4対3.5カ月、p=0.010)およびOS(10.8対5.9カ月、p=0.160)を示した。有害事象のほとんどは、グレード1/2で、管理可能であった。
【0170】
[00199]6人の患者(17.6%)および20人の患者(58.8%)が、それぞれ、部分奏効および安定疾患(SD)を示した。奏効率および疾患制御率は、それぞれ、17.6%(95%CI、4.8~30.4)および76.5%(95%CI、62.1~90.7)であった。PFS中央値は、3.9カ月であり(95%CI、3.0~4.8)、全生存(OS)中央値は、8.0カ月であった(95%CI、4.9~11.1)。3カ月無増悪生存期間(3m-PFSR)は、61.3%であった。SDを有する患者の60パーセントが、長期のSD(>12週)を示した。バイオマーカー研究では、RAS/RAF/MEK/ERK経路が活性化された患者は、非活性化患者よりも長いPFS(5.4m対2.6m、p=0.031)およびOS(10.8対5.3m、p=0.011)を示した。
【0171】
[00200]ビニメチニブおよびカペシタビン組合せのRP2Dは、1250mg/mのカペシタビンおよび30mgのビニメチニブ、1日2回、2週間のオン/1週間のオフである。この組合せは、特に、RAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達活性の増大したBTC患者において、容認される耐容性および有望な抗腫瘍有効性を示した。
【0172】
[00201]考察
[00202]この研究は、ゲムシタビン前処置BTCについてのカペシタビンと組み合わせたビニメチニブの安全性および有効性を評価するための第1の概念実証試験であり、ビニメチニブとフルオロピリミジン間の相乗作用を示唆する前臨床データによって支持された。この組合せは、特に、RAS/RAF/MEK/ERK経路において突然変異を有するBTC患者において、有望な抗腫瘍有効性を実証した。
【0173】
[00203]進行性または転移性BTC患者におけるビニメチニブ単独療法のこれまでの第Ib相研究により、それぞれ、8%のORRおよび51%のDCRならびに2.1カ月のPFSおよび4.8カ月のOSが報告された(Finn RSら: Phase 1b investigation of the MEK inhibitor binimetinib in patients with advanced or metastatic biliary tract cancer. Invest New Drugs、2018年5月22日を参照のこと。対照的に、本研究において、ORR、DCR、PFSおよびOSは、20.6%、76.5%、4.1カ月および7.8カ月であった。第2(73.5%)および第3ライン設定(26.5%)の患者からなっていた本発明者らの研究を考慮して、本研究の有効性は、転移性設定において患者集団の半分より多くが化学療法ナイーブであった(57%)上記のビニメチニブ単独療法研究よりも良好である可能性がある。さらに、BTCの第2および第3ライン設定の患者の系統的再評価には、10%未満および50%未満のORRおよびDCRが記載されており、PFSおよびOSは、およそ3カ月および6カ月であった(Lamarca Aら、Ann Oncol 25巻:2328~38頁、2014年)。さらに、5-FUベースの併用処置(注入FAM計画)を用いて処置された第2および第3ライン設定BTC患者の両方を含んでいたこれまでの研究は、本研究と同様の集団を有しており、それぞれ、2.4カ月および6.1カ月のPFSおよびOS値を報告した(Lim KHら、Cancer Chemother Pharmacol 68巻:1017~26、2011年)。これらの結果を考慮して、本研究におけるビニメチニブおよびカペシタビンの有効性は、極めて有望であり、ビニメチニブおよびカペシタビンの間の相乗作用に起因する可能性が高い。実際、前臨床実験は、ビニメチニブに応じて5-FUによって誘導されたTSおよびPD-L1の下方制御を実証した。興味深いことに、本研究において、5-FUベースの化学療法をこれまでに失敗していたすべての患者が、ビニメチニブおよびカペシタビンの組合せを用いて、部分奏効(PR)または安定疾患(SD)のいずれかを達成し、これは、相乗作用に起因する可能性が高い。
【0174】
[00204]RASまたはBRAF突然変異などによるMEK経路の活性化は、MEK阻害剤の成功の予測的マーカーとして報告されている(Horiuchi Hら、 Int J Oncol 23巻:957~63頁、2003年;Solit DBら、 Nature 439巻:358~62頁、2006年)。本研究では、RAS/RAF/MEK/ERK経路内の遺伝子突然変異は、26人の患者のうち10人(38.5%)において同定され、そのNGSデータが得られた。この発生率は、これまでの研究と一致していた。重要なことに、この研究は、BTC患者管理または臨床治験へのBTC患者の登録のための組織ベースのバイオマーカー選択戦略を行うことができ、実現可能であることを実証する。興味深いことに、RAS/RAF/MEK/ERK経路に突然変異を有する患者は、野生型を有するものよりも高いORRおよび長い生存と関連していた。本研究における患者が、BTCの第2または第3ライン設定にあったことを考慮して、ORR(40%)、PFS(5.4カ月)およびOS(10.8カ月)のこれらの結果は、RAS/RAF/MEK/ERK経路の突然変異体型を有する患者において極めて有望であった。したがって、RAS/RAF/MEK/ERK経路における突然変異は、BTCの有効なビニメチニブ処置の予測的バイオマーカーであり得る。
【0175】
[00205]MEK阻害は、BTC腫瘍成長と関連しているIL-6の分泌を低減すると報告されたので、免疫調節は、MEK阻害剤の別の抗腫瘍機序である(Tai YTら、Blood 110巻:1656~63頁、2007年;Park J、Tadlock Lら、Hepatology 30巻:1128~33頁、1999年;Meng Fら、J Hepatol 44巻:1055~65頁、2006年;Wehbe Hら、Cancer Res 66巻:10517~24頁、2006年)。本研究では、IL-6の高いベースライン濃度が、悪い予後と関連していた。さらに、処置の第2のサイクル後、より大きな増大を有する患者は、悪い予後と関連していた。したがって、ベースラインと処置後の間のIL-6の早期比較決定は、ビニメチニブ処置における疾患転帰を予測し得る。
【0176】
[00206]本研究において、予め定義された4つのDLを試験し、DLTは観察されなかった。最高のDL(3週間毎に1~14日目に、ビニメチニブ30mg、カペシタビン1250mg/m、1日2回)が、RP2Dとして決定された。ビニメチニブのこの投与量は、単独療法研究と比較して比較的低く、3週間毎に1週間の休薬期間が導入された。全用量カペシタビンを可能にしたこの併用投薬スケジュールは、許容できるものであり、有害事象は、管理可能であった。この研究において眼の毒性の報告はなかった。薬物組合せは十分に許容され、管理可能な有害事象と関連し、特に、RAS/RAF/MEK/ERK経路突然変異を有する患者において有望な抗腫瘍有効性を実証した。これらの知見は、BTC管理のためのMEK阻害戦略の将来の臨床開発を支持する。
【0177】
その他の態様
[00207]本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は例示を意図し
たものであり、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。その他の側面、利点および改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
非限定的に、本発明は以下の態様を含む。
[態様1]
胆道癌を処置する方法であって、一定量のフルオロピリミジン含有療法および一定量のMEK阻害剤またはその医薬上許容される塩を含む治療薬を、それを必要とする患者に一定期間にわたって投与するステップを含み、ここにおいて、量は一緒になって、胆道癌の処置において有効である、前記方法。
[態様2]
MEK阻害剤がビニメチニブである、態様1に記載の方法。
[態様3]
MEK阻害剤が結晶化ビニメチニブである、態様1から2のいずれか一項に記載の方法。
[態様4]
ビニメチニブが、期間の間に、約30mgBIDまたは約45mgBIDの量で経口投与される、態様2から3のいずれか一項に記載の方法。
[態様5]
ビニメチニブが、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、2週間のオンおよび1週間のオフの間、約30mgBIDまたは約45mgBIDの量で経口投与される、態様2から4のいずれか一項に記載の方法。
[態様6]
ビニメチニブが、約30mgBIDの量で経口投与される、態様2から5のいずれか一項に記載の方法。
[態様7]
フルオロピリミジン含有療法が、5-FUプロドラッグである、態様1から5のいずれか一項に記載の方法。
[態様8]
フルオロピリミジン含有療法が、カペシタビンである、態様7に記載の方法。
[態様9]
カペシタビンが、約800mg/m、825mg/mまたは約950mg/mまたは約1000mg/mまたは約1250mg/mの量で1日2回経口投与される、態様8に記載の方法。
[態様10]
カペシタビンが、期間の間に、少なくとも1つの3週間の処置サイクル中で、2週間のオンおよび1週間のオフの間、約800mg/m、825mg/mまたは約950mg/mまたは約1000mg/mまたは約1250mg/mの量で1日2回経口投与される、態様8または9に記載の方法。
[態様11]
カペシタビンが、約1250mg/m1日2回の量で経口投与される、態様10に記載の方法。
[態様12]
期間の前に、患者が先行の療法を用いて処置された、態様1から11のいずれか一項に記載の方法。
[態様13]
前記の先行の療法が、化学療法薬およびターゲッティングされる治療薬から独立に選択される1種または複数の治療薬の投与から選択される、態様12に記載の方法。
[態様14]
先行の療法が、単独療法としてのゲムシタビンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様15]
先行の療法が、ゲムシタビンおよびシスプラチンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様16]
先行の療法が、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様17]
先行の療法が、単独療法としての5-フルオロウラシルの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様18]
先行の療法が、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様19]
先行の療法が、5-フルオロウラシルおよびシスプラチンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様20]
先行の療法が、5-フルオロウラシル、エピルビシンおよびシスプラチンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様21]
先行の療法が、5-フルオロウラシルおよびイリノテカンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様22]
先行の療法が、単独療法としてのカペシタビンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様23]
先行の療法が、ゲムシタビンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様24]
先行の療法が、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様25]
先行の療法が、ラパチニブの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様26]
先行の療法が、エルロチニブの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様27]
先行の療法が、セツキシマブまたはパニツムマブの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様28]
先行の療法が、ベバシズマブの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様29]
先行の療法が、ベバシズマブおよびmFOLFOX6の投与であった、態様13に記載の方法。
[態様30]
先行の療法が、ゲムシタビンおよびカペシタビンと組み合わせたベバシズマブの投与であった、態様13に記載の方法。
[態様31]
先行の療法が、単独療法としてのMEK阻害剤の投与であった、態様13に記載の方法。
[態様32]
先行の療法が、セルメチニブの投与であった、態様31に記載の方法。
[態様33]
先行の療法が、トラメチニブの投与であった、態様31に記載の方法。
[態様34]
先行の療法が、有効でないと決定された、態様12から33のいずれか一項に記載の
方法。
[態様35]
患者が、先行の療法に対して耐性であると決定された、態様12から33のいずれか一項に記載の方法。
[態様36]
疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害、原発または続発性腫瘍の出現の遅延、原発または続発性腫瘍の発達の減速、原発または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次効果の重症度の減速または減少、腫瘍成長の停止および腫瘍の退縮、腫瘍増殖停止時間(TTP)の増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、全生存(OS)の増大または奏効の持続期間(DOR)の増大のうち1つまたは複数を決定するステップによって、期間の間に処置の有効性を評価するステップをさらに含む、態様1から35のいずれか一項に記載の方法。
[態様37]
胆道癌が、KRAS突然変異を有する、態様1から36のいずれか一項に記載の方法。
[態様38]
胆道癌が、KRAS G12A突然変異を有する、態様37に記載の方法。
[態様39]
胆道癌が、KRAS G12C突然変異を有する、態様37に記載の方法。
[態様40]
胆道癌が、KRAS G12D突然変異を有する、態様37に記載の方法。
[態様41]
胆道癌が、KRAS G12V突然変異を有する、態様37に記載の方法。
[態様42]
胆道癌が、NRAS突然変異を有する、態様1から36のいずれか一項に記載の方法。
[態様43]
胆道癌が、NRAS Q61L突然変異を有する、態様42に記載の方法。
[態様44]
胆道癌が、MAP2K1突然変異を有する、態様1から36のいずれか一項に記載の方法。
[態様45]
胆道癌が、MAP2K1 E203K突然変異を有する、態様44に記載の方法。
[態様46]
胆道癌が、MAP2K1 E203V突然変異を有する、態様44に記載の方法。
[態様47]
胆道癌が、肝内胆管癌および肝外胆管癌およびファーター膨大部癌から選択される、態様1から46のいずれか一項に記載の方法。
[態様48]
胆道癌が切除不能である、態様1から47のいずれか一項に記載の方法。
[態様49]
胆道癌が再発性である、態様1から47のいずれか一項に記載の方法。
[態様50]
独立に、組み合わせた
MEK阻害剤またはその医薬上許容される塩、および
フルオロピリミジン含有療法
の治療上有効な量を含む治療薬を、胆道癌を有する患者に一定期間にわたって投与するステップを含む、併用療法法。
[態様51]
MEK阻害剤がビニメチニブである、態様50に記載の併用療法法。
[態様52]
MEK阻害剤が、結晶化ビニメチニブである、態様50から51のいずれか一項に記載の方法。
[態様53]
フルオロピリミジン含有療法が、カペシタビンである、態様50から52のいずれか一項に記載の併用療法法。
[態様54]
ビニメチニブが、期間の間に、錠剤として患者に経口投与される、態様51から53のいずれか一項に記載の併用療法法。
[態様55]
前記錠剤が、15mgのビニメチニブを含む、態様54に記載の併用療法法。
[態様56]
カペシタビンが、期間の間に経口投与される、態様53から55のいずれか一項に記載の併用療法。
[態様57]
カペシタビンが、錠剤として投与される、態様56に記載の併用療法。
[態様58]
前記錠剤が、150mgのカペシタビンを含む、態様57に記載の併用療法。
[態様59]
前記錠剤が、300mgのカペシタビンを含む、態様57に記載の併用療法。
[態様60]
胆道癌が、KRAS突然変異を有する、態様50から59のいずれか一項に記載の併用療法。
[態様61]
胆道癌が、KRAS G12A突然変異を有する、態様60に記載の併用療法。
[態様62]
胆道癌が、KRAS G12C突然変異を有する、態様60に記載の併用療法。
[態様63]
胆道癌が、KRAS G12D突然変異を有する、態様60に記載の併用療法。
[態様64]
胆道癌が、KRAS G12V突然変異を有する、態様60に記載の併用療法。
[態様65]
胆道癌が、NRAS突然変異を有する、態様50から59のいずれか一項に記載の併用療法。
[態様66]
胆道癌が、NRAS Q61L突然変異を有する、態様65に記載の併用療法。
[態様67]
胆道癌が、MAP2K1突然変異を有する、態様50から59のいずれか一項に記載の併用療法。
[態様68]
胆道癌が、MAP2K1 E203K突然変異を有する、態様67に記載の併用療法。
[態様69]
胆道癌が、MAP2K1 E203V突然変異を有する、態様67に記載の併用療法。
[態様70]
胆道癌が、肝内胆管癌および肝外胆管癌およびファーター膨大部癌から選択される、態様50から69のいずれか一項に記載の方法。
[態様71]
胆道癌が切除不能である、態様50から70のいずれか一項に記載の方法。
[態様72]
胆道癌が再発性である、態様50から70のいずれか一項に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D