(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】チャネルが中に配置された3次元ポリマーネットワーク
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6837 20180101AFI20230627BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20230627BHJP
G01N 33/547 20060101ALI20230627BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20230627BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C12Q1/6837 Z
C12M1/00 A
G01N33/547
C12Q1/6876 Z
C12N15/09 200
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021137357
(22)【出願日】2021-08-25
(62)【分割の表示】P 2018551495の分割
【原出願日】2016-12-16
【審査請求日】2021-09-24
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2016-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518213606
【氏名又は名称】セイフガード バイオシステムズ ホールディングズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Safeguard Biosystems Holdings Ltd.
【住所又は居所原語表記】Quadrant House, Floor 6, 4 Thomas More Square, London E1W 1YW, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー クラップロート
(72)【発明者】
【氏名】ソーニャ ベトナー
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/108992(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0008442(US,A1)
【文献】Crystal templating dendritic pore networks and fibrillar microstructure into hydrogels,Acta Biomaterialia,2010年,Vol.6, p.2415-2421
【文献】Simple one-step process for immobilization of biomolecules on polymer substrates based on surface-at,Langmuir,2011年,Vol.27, p.6116-6123
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00-3/00
C12M 1/00-3/10
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と内部とを有する3次元ネットワークであって、
(a) 基材の表面に共有結合した架橋ポリマー
、その際、前記架橋ポリマーは、水溶性ポリマーの架橋によって形成された水膨潤性ポリマーからなる;
(b) 1本または複数本のチャネル
;および、
(c) 前記ポリマーに共有結合したプローブ分子
;
を含む3次元ネットワーク
であって、
(i)前記ネットワークは、前記ネットワーク内部のある1つの地点に収束する複数個のチャネルを含み、前記チャネル間の横方向の間隔は、前記表面から前記内部の地点に向かって減少しており、かつ、
(ii)前記プローブ分子の少なくとも一部は、前記ネットワークの内部で固定化され、かつ、チャネルと隣接していることを特徴とする、3次元ネットワーク。
【請求項2】
前記プローブ分子の大部分が、前記ネットワークの前記内部に存在し、かつ/またはチャネルに隣接している、請求項
1記載の3次元ネットワーク。
【請求項3】
前記ポリマーは、ジメチルアクリルアミド(DMAA)と、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)と、4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SSNa)とを重合させたポリマーを含む、請求項
1または2記載の3次元ネットワーク。
【請求項4】
基材上に請求項1から
3までのいずれか1項記載の3次元ネットワークを複数個含むアレイであって、
(a) 前
記ネットワークは、前記基材に固定化されており、かつ
(b) 前
記ネットワークはそれぞれ、前記基材上の別個のスポットに位置する、アレイ。
【請求項5】
請求項1から
3までのいずれか1項記載の3次元ネットワークの製造方法であって、
(a)
以下;
(i) 塩水溶液
と、
(ii) ポリマーと、
(iii) 架橋剤と、
(iv) プローブ分子と
を含む混合物を前記基材の表面に塗布し、かつ、前記混合物を針状塩結晶形成条件に曝露させ、それによって針状塩結晶を含む混合物を形成させるステップと、
(b) 前記
針状塩結晶
を含む混合物を架橋条件に曝露させ
、それによって、前記針状塩結晶に架橋したプローブ分子を含む架橋ポリマーネットワークを形成させるステップと、
(c) 前記
形成された架橋ポリマーネットワークを、
前記針状塩結晶を溶解させ得る溶媒と接触させ、それによって前記針状塩結晶を溶解させて、前記
針状塩結晶の代わりに
前記チャネルを形成させるステップと
を含む方法。
【請求項6】
(a) 前記針状
塩結晶形成条件は、
(i) 前記混合物の脱水;または
(ii) 前記混合物の冷却;
を含み、かつ/または
(b) 前記溶媒は、水性緩衝液である、請求項
5記載の方法。
【請求項7】
アレイの製造方法であって、
(a) 請求項
5または6記載の方法によって、同一の基材の表面上の別個の各スポットで複数個の3次元ネットワークを生成させることと、
(b) 前記複数個の3次元ネットワークを前記表面と架橋させることと
を含む方法。
【請求項8】
サンプル中に検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記検体に結合し得るプローブ分子を含む請求項1から
3までのいずれか1項記載の3次元ネットワークまたは請求項
4記載のアレイを前記サンプルと接触させることと、
(b) 前
記ネットワークまたはアレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記サンプル中に前記検体が存在するか否かを判定し、かつ適宜前記検体の量を測定することと
を含む方法。
【請求項9】
前記ネットワークもしくはアレイは、ステップ(a)の前にすでに少なくとも10回使用および洗浄されているか、または
前記方法は、前記ネットワークもしくはアレイをステップ(b)の後に少なくとも10回再使用することをさらに含む、請求項
8記載の方法。
【請求項10】
前
記ネットワークにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を定量することをさらに含む、請求項
9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1. 関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条に基づき、2015年12月18日に出願された欧州特許出願第15201355号および2016年1月28日に出願された米国特許出願第15/008,728号の優先権を主張し、これら双方の特許出願明細書の内容全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【0002】
2. 背景
米国特許出願公開第2008/0293592号明細書(US 2008/0293592)には、光反応性架橋剤を用いて有機表面上にプローブ生体分子を共有結合により固定化する方法が記載されている。この方法は特に、例えばシラン化ガラス支持体や標準的な市販のプラスチック製の基材といった非反応性表面上にプローブ生体分子を固定化することができるため有利であることが実地において実証されている。この米国特許出願公開第2008/0293592号明細書(US 2008/0293592)に記載の方法では、ある種の3次元ネットワークを形成するためのポリマーが使用されており、この3次元ネットワークには、プローブ生体分子が該ネットワークの表面にも該ネットワークの内部でも結合し得る。プローブ生体分子が2次元形態でしか固定化されていない有機表面と比較して、ポリマーおよび/またはコポリマーネットワークにおいて生体分子を3次元的に固定化することで、有機表面上のプローブ生体分子をより高密度とすることができる。これによって、有機表面の単位表面あたりに結合し得る検体の量が増加する。このように、表面を生体センサとして使用することで、測定精度が向上するとともに、高度な測定ダイナミックが生じる。
【0003】
しかし、この米国特許出願公開第2008/0293592号明細書(US 2008/0293592)に記載の方法およびポリマーネットワークの欠点は、該ポリマーネットワークの表面またはその近傍に配置されたプローブ生体分子に結合した検体分子または検体構成要素が該ネットワークをブロックし得るという点にある。その場合、該ネットワークの表面からより離れて該ネットワークの内部に配置されている未結合のプローブ生体分子には、それ以上さらなる検体分子や検体成分が結合し得ない。
【0004】
したがって、改良されたポリマーネットワークが必要とされている。
【0005】
3. 概要
本開示は、3次元ポリマーネットワークであって、架橋ポリマーと、該ネットワークの表面および/または表面近傍から該ネットワークの内部へと延在する1本または複数本のチャネルとを含むネットワークを提供する。該ネットワークは、表面に適切に共有結合する。該ネットワークの表面上および該ネットワークの内部全体に、例えば生体分子などの1個または複数個のプローブを固定化することができ、それによってサンプル中の検体の存在を検出しかつ/またはその量を測定するためのセンサが提供される。例えば、核酸プローブを用いることで、サンプル中に存在する相補的核酸を検出することができ、抗体プローブを用いることで、サンプル中に存在する抗原を検出することができる。チャネルによってネットワークの表面積を効率的に増大させることができ、それによって所与の時間内により多くのプローブをサンプルに曝露させることができるため、本開示のネットワークによって、所与の量の検体を、チャネルを有しないネットワークよりも高速にハイブリダイゼーションすることが可能となる。さらに、ネットワークの表面またはその近傍のプローブに結合した検体またはサンプルの他の構成要素によって該ネットワークの内部に位置するプローブへの到達がブロックされてしまうという問題がチャネルによって低減または排除されるため、本開示のネットワークは、チャネルを有しない同一体積のネットワークよりも多くの検体を拘束することができる。本開示のネットワークのもう1つの利点は、チャネルによって多量の検体を負荷させることができるようになったことで、所与の量の検体をより低体積のネットワーク内に集中させることができるため、チャネルを有しないネットワークを用いた場合に可能である検体検出よりも高感度の検体検出が可能となり、すなわちチャネルを有しないネットワークと比較してシグナルノイズ比を改善することができるという点にある。本開示のネットワークのもう1つの利点は、チャネルによって多量の検体を負荷させることができるようになったことで、チャネルを有しないネットワークと比較して、より広範囲の検体濃度の定量が可能となる点にある。
【0006】
本開示はまた、本開示の複数個の3次元ネットワークと基材とを含むアレイを提供する。本開示のアレイを使用することにより、1つまたは複数のサンプル中の1種または複数種の検体を同時に検出および/または測定することができる。本開示のアレイは洗浄および再使用が可能であることから、使い捨てアレイよりも著しいコスト上の利点が提供される。本開示のアレイのもう1つの利点は、個々のネットワークの製造に必要なすべての構成要素を製造プロセス中に単一の混合物として基材の表面に施与することができるため、該アレイを簡便に製造できるという点にある。
【0007】
本開示はまた、本開示の3次元ネットワークおよびアレイの製造方法を提供する。塩結晶の存在下で、好ましくは針状塩結晶の存在下でポリマーを架橋させ、次いで該塩結晶を溶解させて架橋ポリマーネットワーク内にチャネルを残すことによって、本開示の3次元ネットワークを製造することができる。
【0008】
本開示はまた、本開示の3次元ネットワークおよびアレイを、サンプル中の、好ましくは液体サンプル中の検体の検出および/または測定に使用するための方法を提供する。
【0009】
4. 図面の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1に、プローブ生体分子(1)と、1分子あたり2つの光反応性基(4)を含むポリマー(3)とを有する、塩水溶液に溶解した混合物の概略図を示す。
【
図2】
図2に、
図1に示す混合物(5)の液滴の断面を示し、ここで該液滴は、加熱した保持体(6)上に配置された有機表面(2)のスポット(7)に位置する表面(10)を有するものとする。
【
図3】
図3に、混合物を加熱して、塩溶液中に結晶化発生部(9)から延在する針状塩結晶(8)を形成させた後の、
図2に示す構成体の断面図を示す。
【
図4】
図4に、前記混合物を乾燥させ、これに光学放射線(11)を照射して表面(16)を有するポリマーネットワーク(15)を形成させた後の、
図3に示す構成体の断面図を示す。
【
図5】
図5に、光学放射線を照射した後の、
図1の混合物の概略図を示す。
【
図6】
図6に、塩結晶を溶媒(12)に溶解させてチャネル(13)を形成させた後の、
図4に示す構成体の断面図を示す。
【
図7】
図7に、冷却した保持体(14)上で混合物を冷却して塩溶液中に針状塩結晶を形成させた後の、
図2に示す構成体の断面図を示す。
【
図8】
図8に、混合物を乾燥させ、これに光学放射線を照射した後の、
図7に示す構成体の断面図を示す。
【
図9】
図9に、塩結晶を溶媒で溶解させた後の、
図8に示す構成体の断面図を示す。
【
図10】
図10に、ジメチルアクリルアミドとメタクリロイルオキシベンゾフェノンと4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムとのコポリマーを形成させるための反応経路を示す。
【
図11】
図11に、有機表面(2)を有するバイオチップ(17)の斜視図を示し、ここで、該有機表面(2)上には、行および列のマトリクスとして配置された各スポット(7)に各ポリマーネットワーク(15)が位置するものとする。
【
図12】
図12に、
図11に示すバイオチップ(17)の上面図を示し、ここで、各ポリマーネットワーク(15)は直径(D)を有し、各行および各列はそれぞれ、該ポリマーネットワークの中心点から測定して距離Yおよび距離Xだけ離れているものとする。
【
図13】
図13に、有機表面(2)を有する可とう性の基材帯体(18)を含むバイオセンサ(17’)を示し、ここで、該有機表面(2)上には、直径(D)を有する各ポリマーネットワーク(15)が、該ポリマーネットワークの中心点から測定して距離Xだけ離れた各スポット(7)に位置するものとする。
【
図14】
図14に、例2における様々なスポットについての測定値の平均および平均の標準誤差を記した表を示す。
【
図15】
図15は、第7.2.1節のアレイによって得られた測定値の平均のグラフ表示である。
【
図16】
図16は、第7.2.2節のアレイによって得られた測定値の平均のグラフ表示である。
【0011】
5. 詳細な説明
5.1. 3次元ポリマーネットワーク
本開示の3次元ネットワークは、例えばRendl et al., 2011, Langmuir 27:6116-6123または米国特許出願公開第2008/0293592号明細書(US 2008/0293592)に記載のポリマーなどの架橋ポリマーを含み、これらの文献の内容全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。本開示の3次元ネットワークはさらに、1本または複数本のチャネルを含むとともに、適宜さらに、該ネットワークに固定化された1個または複数個のプローブを含み得る。
【0012】
ネットワークの製造に使用することができるポリマーについては、第5.1.1節で説明する。ネットワークの製造に使用することができる架橋剤については、第5.1.2節で説明する。1本または複数本のチャネルの特徴については、第5.1.3節で説明する。ネットワークに固定化することができるプローブについては、第5.1.4節で説明する。
【0013】
5.1.1. ポリマー
本開示の3次元ネットワークは、架橋したホモポリマー、コポリマー、ホモポリマーの混合物、コポリマーの混合物または1種以上のホモポリマーと1種以上のコポリマーとの混合物を含むことができる。本明細書で使用される「ポリマー」なる用語には、ホモポリマーおよび/またはコポリマーの双方が含まれる。本明細書で使用される「コポリマー」なる用語には、2種以上のモノマーを重合させたポリマー(例えば2元ポリマー、3元ポリマー、4元ポリマーなど)が含まれる。コポリマーとしては、交互コポリマー、周期コポリマー、統計コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、直鎖状コポリマーおよび分岐コポリマーが挙げられる。本開示の3次元ネットワークは、前述の種のポリマーの任意の組合せを含むことができる。
【0014】
かかるポリマーを製造するための試薬および方法は、当技術分野において知られている(例えばRavve,A., Principles of Polymer Chemistry,Springer Science+Business Media,1995;Cowie,J.M.G.,Polymers:Chemistry&Physics of Modern Materials,2ndEdition,Chapman&Hall,1991;Chanda,M.,Introduction to Polymer Science and Chemistry:A Problem-Solving Approach,2ndEdition,CRC Press,2013;Nicholson,J.W.,The Chemistry of Polymers,4thEdition,RSC Publishing,2012参照;これらの各文献の内容全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する)。
【0015】
好ましいポリマーは、親水性でありかつ/または親水性基を含む。ポリマーは水溶性であってもよい。一実施形態では、ポリマーは、所望の水準の水溶性が提供されるように選択された2種以上のモノマーを重合させたコポリマーである。例えば、コポリマーの製造に使用される荷電モノマーの量を変更することによって、例えば4-ビニルスルホン酸ナトリウムの量を変更することによって、コポリマーの水溶性を調整することができる。
【0016】
水溶性ポリマーは、架橋すると水膨潤性ゲルまたはヒドロゲルを形成する。ヒドロゲルは、水分子との水素結合によって水溶液を吸収する。ゲルの製造に使用される架橋剤の種類および程度によって、ヒドロゲルの総吸収性および膨潤能力を調整することができる。架橋密度が低いポリマーは一般に架橋密度が高いポリマーよりも吸収能力が高く、より高度に膨潤するが、架橋密度が高いポリマーの方がゲル強度が高く、中程度の圧力下でもネットワーク形状を維持することができる。
【0017】
ヒドロゲルの吸水能力は、水溶液のイオン濃度の一因子である。特定の実施形態では、本開示のヒドロゲルは、脱イオン蒸留水中では自重の50倍まで(自己体積の5~50倍)を吸収することができ、生理食塩水中では自重の30倍まで(自己体積の4~30倍)を吸収することができる。生理食塩水中での吸収性の低下は、ポリマーが水分子と結合する能力を妨げる原子価カチオンが存在することに起因する。
【0018】
本開示の3次元ネットワークは、1種、2種または3種以上のモノマーを重合させたコポリマーを含むことができ、ここで、1種、2種または3種以上のモノマーは、アクリレート基(例えばアクリレート基、メタクリレート基、メチルメタクリレート基、ヒドロキシエチルメタクリレート基、エチルアクリレート基、2-フェニルアクリレート基)、アクリルアミド基(例えばアクリルアミド基、メタクリルアミド基、ジメチルアクリルアミド基、エチルアクリルアミド基)、イタコネート基(例えばイタコネート基、4-メチルイタコネート基、ジメチルイタコネート基)およびスチレン基(例えばスチレン基、4-メチルスチレン基、4-エトキシスチレン基)から独立して選択された重合性基を含む。好ましい重合性基は、アクリレート基、メタクリレート基、エタクリレート基、2-フェニルアクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、イタコネート基およびスチレン基である。いくつかの実施形態において、コポリマーの製造に使用されるモノマーのうちの1種、例えば4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、電荷を有する。
【0019】
本開示のネットワークの製造に使用されるポリマーは、1分子あたり少なくとも1つ、少なくとも2つまたは3つ以上の架橋基を含むことができる。架橋基とは、ネットワークの各ポリマー分子同士を共有結合させるとともに、適宜これらの各ポリマー分子をプローブおよび/または基材に共有結合させる基である。2種以上のモノマー(例えば前段落に記載したものから独立して選択される重合性基を有するモノマー)であって、そのうち少なくとも1つは架橋剤を含むものを重合させたコポリマーが、本開示の3次元ネットワークの製造に適している。例示的な架橋剤については、第5.1.2節で説明する。架橋剤を含む好ましいモノマーの1つとして、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)が挙げられる(
図10参照)。
【0020】
好ましい一実施形態では、コポリマーは、架橋剤を含む2元ポリマーまたは3元ポリマーである。特に好ましい一実施形態では、コポリマーは、ジメチルアクリルアミドとメタクリロイルオキシベンゾフェノンと4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムとのコポリマーである(
図10参照)。
【0021】
5.1.2. 架橋剤
3次元ネットワークにおける架橋に適した架橋試薬(すなわち架橋剤)としては、紫外光(例えば長波紫外光)、可視光および熱によって活性化されるものが挙げられる。紫外光によって活性化される例示的な架橋剤としては、ベンゾフェノン類、チオキサントン類(例えばチオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン)およびベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル)が挙げられる。可視光によって活性化される例示的な架橋剤としては、エチルエオシン、エオシンY、ローズベンガル、カンファーキノンおよびエリチロシンが挙げられる。熱によって活性化される例示的な架橋剤としては、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)および2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩および過酸化ベンゾイルが挙げられる。当技術分野で知られている他の架橋剤を使用することも可能であり、例えば照射時にラジカルまたは他の反応性基を形成し得る架橋剤を使用することも可能である。
【0022】
5.1.3. チャネル
本開示の3次元ネットワークは、1本または複数本のチャネルを含む。
【0023】
本明細書で使用される場合に、「チャネル」とは、ネットワーク内の細長い通路であって、(1)ほぼ一直線であり、かつ(2)ネットワークが含水状態にある場合に、少なくとも500nmの最小断面と、通路の最小断面の少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍の長さとを有するものをいう。例えば、チャネルの長さは、チャネルの最小断面の5~15倍、5~10倍または10~15倍であることができる。「ほぼ一直線」であるチャネルとは、いずれの方向にも、すなわちX方向にもY方向にもZ方向にも、45度を超える方向変化が生じることなく、核生成点から一方向に延在するチャネルをいう。
【0024】
「ネットワークの含水状態」とは、ネットワークが吸水に関して平衡状態にあること、すなわち、ネットワークが、水溶液中で自身が放出するのと同量の水を吸収することを意味する。
【0025】
チャネルによって、ネットワークの内部への到達が可能となる。チャネルは比較的大きなチャネル断面を有することができるが、ネットワークのメッシュサイズがチャネル断面よりもかなり小さくなり得るため、ネットワークは機械的な安定性を保つことができる。チャネルによって、いわばハイウェイを形成することができ、このハイウェイを通って検体がネットワークの内部に迅速に進入することができる。チャネル内で拡散および/または対流によって検体の輸送を行うことができる。
【0026】
チャネルは、ネットワークの表面または表面近傍からネットワークの内部へと延在することができる。例えば、1本または複数本のチャネルが、ネットワークの表面から10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、1ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在してもよいし、ネットワークの表面上のある1つの地点から内部へと延在してもよい。ネットワークは、複数本(例えば2~100本、2~50本、2~25本、2~10本、10~50本、10~25本または25~50本)のチャネルを含むことができ、これらのチャネルがそれぞれ、ネットワークの表面または表面近傍からネットワークの内部へと延在することができる。好ましい一実施形態では、ネットワークは、10本、20本、30本、40本もしくは50本のチャネル、または前述の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲にある多数本のチャネル(例えば10~50本、20~40本、30~50本、10~20本、20~30本、30~40本または40~50本のチャネル)を含む。特定の好ましい一実施形態では、ネットワークは10~50本のチャネルを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、少なくとも1本のチャネルの長さは、ネットワークの最大寸法の10%~100%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~15%、10%~20%、10%~25%、10%~30%、15%~20%、15%~25%、15%~30%、20%~25%または25%~30%である。好ましい実施形態では、少なくとも1本のチャネルの長さは、ネットワークの最大寸法の約10%、約20%、約30%、約40%または約50%であり、いくつかの実施形態において、前述の実施形態のいずれかの対の間の範囲にある長さ(例えばネットワークの最大寸法の10%~50%、10%~30%、30%~50%、10%~20%、20%~30%、30%~40%または40%~50%)を有する。特定の好ましい一実施形態では、この長さは、ネットワークの最大寸法の10%~50%である。
【0028】
いくつかの実施形態において、ネットワークは少なくとも1本のチャネルを含み、これらのチャネルは、メッシュサイズの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍または少なくとも20倍の(例えば、ネットワークのメッシュサイズの5~10倍、5~15倍、5~20倍、5~25倍、5~30倍、10~15倍、10~20倍、10~25倍、10~30倍、10~15倍、10~20倍、10~25倍、10~30倍、15~20倍、15~25倍、15~30倍、20~25倍、20~30倍または25~30倍の)最小断面を有する。好ましい一実施形態では、ネットワークは、メッシュサイズの10~30倍の最小断面を有するチャネルを少なくとも1本含む。これにより、ポリマーネットワークの高い安定性が保証されるとともに、サンプル中の望ましくない比較的大きな分子または構成要素によるネットワークの浸透および結合を防ぐこともできる。
【0029】
ネットワークは、(ネットワークの含水状態で測定した場合に)例えば5~75nm(例えば10~20nm、10~30nm、10~40nm、10~50nm、20~30nm、20~40nm、20~50nm、30~40nm、30~50nmまたは40~50nm)のメッシュサイズを有することができる。
【0030】
本開示のネットワークは、複数本(例えば2~100本、2~50本、2~25本、2~10本、10~50本、10~25本または25~50本)のチャネルを含むことができ、各チャネルは、本節に記載した特徴のうち1つまたは複数を独立して有する。いくつかの実施形態において、大部分のチャネルが、本節に記載した1つまたは複数の特徴を有する。特定の好ましい一実施形態では、ネットワークは、本節に記載した特徴のうち1つまたは複数をそれぞれ有する10~50本のチャネルを含む。
【0031】
好ましい3次元ネットワークは複数本のチャネルを含み、これらのチャネルは、ネットワークの内部に位置するある1つの地点で収束しており、かつネットワークの表面から出発して内部に向かって各チャネル間の横方向の間隔が減少するように配置されている。いくつかの実施形態において、ネットワークの内部に位置するある1つの地点からほぼ半径方向に複数本のチャネルが延在する。いくつかの実施形態において、3次元ネットワークは、複数本のチャネルを1まとまりとしたものを複数個分(例えば、複数本のチャネルを1まとまりとしたものを2、3、4、5、6、7、8、9または10個分)含み、複数本を1まとまりとした各まとまりは、ネットワークの内部の異なる地点で収束する。特定の態様では、複数本(または複数本を1まとまりとした各まとまり)が、それらの収束点で接続している。
【0032】
ネットワーク内にチャネルが存在することを、以下の手順で確認することができる:
ネットワークを、室温で水性液体と例えばボウル内で接触させる。この液体は、ネットワークのメッシュサイズよりも大きくかつチャネルの最小断面よりも小さい複数のナノ粒子を含む。したがって、ナノ粒子はチャネルに進入し、チャネルに沿って拡散することができる。理論に拘束されるものではないが、これは、チャネル内の液体を介したブラウン分子運動および/または対流によって起こり得ると考えられる。こうしたナノ粒子は、量子ドットとして知られている。こうしたナノ粒子は、例えば約10ナノメートルの直径を有することができる。
【0033】
インキュベーション期間は、液体中のネットワークが完全に含水状態となるように、つまりネットワークが概して自身が放出するのと同量の水を取り込むように選択される。インキュベーション期間を、例えば1時間とすることができる。インキュベーション中にネットワークおよび/または液体を動かすことによって、例えばネットワークおよび/または液体を好ましくは超音波で振動させることによって、チャネルへのナノ粒子の浸透を促進させることができる。
【0034】
インキュベーションの完了後、例えばボウルから液体を排出するか、またはボウルからネットワークを取り出すことによって、液体をネットワークから分離する。
【0035】
次に、この含水させたネットワークを、例えば液体窒素によって凍結させる。その後、この凍結したネットワークを、互いに平行な切断面に沿ってクライオミクロトームを用いて切断して、薄いスライスにすることができる。切断面は、チャネルの長手方向の延在部に対して横方向に位置し、チャネルを貫通する。この切断を、液体窒素で冷却したダイヤモンドブレードを用いて行うことが好ましい。スライスの厚さを、例えば約100nmまたは200nmとすることができる。
【0036】
顕微鏡を用いて、凍結したネットワークを切断して得られたディスク内に配置されているナノ粒子を探索する。これらのナノ粒子は、必要に応じて蛍光性であってかつ光学的なハイライトが可能であってもよく、それによって該ナノ粒子をネットワークとより良好に区別することができる。これらのナノ粒子の探索を、画像処理方法により適切なソフトウェアを用いて行うことができる。これらのディスクの検査には、蛍光光学系を備えた共焦点レーザー走査型顕微鏡または電子顕微鏡を使用することが好ましい。
【0037】
このようにして得られたナノ粒子の幾何学的および/または位置情報を用いて、コンピュータによりネットワーク内のナノ粒子の分布の3次元幾何モデルを作成することができる。その後、このモデルを使用して以下のことを判定することができ、すなわち、ネットワーク内のナノ粒子の配置に、ほぼ一直線の領域が少なくとも1つ含まれており、その領域の断面がいずれの箇所でも500nm未満ではなく、かつその領域の長さがその最小断面の少なくとも5倍に相当するか否かを判定することができる。この条件が満たされれば、ネットワークは少なくとも1本のチャネルを含むと判定される。
【0038】
あるいはナノ粒子の3次元分布を、マイクロ3DX線コンピュータ断層撮影法によってネットワーク内で調べることもできる。
【0039】
5.1.4. プローブ
本開示のネットワークに固定化されるプローブは、生体分子であってもよいし生体分子と結合する分子であってもよく、例えば相補的結合パートナーの特異的相互作用系のパートナー(受容体/リガンド)であってもよい。例えば、プローブは、核酸およびその誘導体(例えばRNA、DNA、ロックト核酸(LNA)およびペプチド核酸(PNA))、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドおよびそれらの誘導体(例えばグルコサミン、抗体、抗体フラグメントおよび酵素)、脂質類(例えばリン脂質類、脂肪酸類、例えばアラキドン酸、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド)、炭水化物類、酵素阻害剤、酵素基質、抗原およびエピトープを含むことができる。プローブはまた、より大きな複合構造体、例えばリポソーム、膜および膜フラグメント、細胞、細胞溶解物、細胞フラグメント、胞子および微生物を含むことができる。
【0040】
相補的結合パートナーの特異的相互作用系は、例えば核酸と相補的核酸との相互作用、PNAと核酸との相互作用、または酵素/基質、受容体/リガンド、レクチン/糖、抗体/抗原、アビジン/ビオチンもしくはストレプトアビジン/ビオチンの相互作用に基づくことができる。
【0041】
核酸プローブは、DNAまたはRNAであってよく、例えばオリゴヌクレオチドまたはアプタマー、LNA、PNAまたは5’末端にメタクリル基を含むDNA(5’Acrydite(登録商標))であってよい。オリゴヌクレオチドプローブは、例えば12~30、14~30、14~25、14~20、15~30、15~25、15~20、16~30、16~25、16~20、15~40、15~45、15~50、15~60、20~55、18~60、20~50、30~90、20~100、20~60、40~80、40~100、20~120、20~40、40~60、60~80、80~100、100~120または12~150のヌクレオチド長であることができる。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブは、15~60のヌクレオチド長である。
【0042】
核酸プローブを使用する場合には、プローブのすべてが標的配列と相補的であってもよいし、プローブの一部のみが標的配列と相補的であってもよい。標的配列と相補的なプローブ部分は、好ましくは少なくとも12のヌクレオチド長であり、より好ましくは少なくとも15、少なくとも18または少なくとも20のヌクレオチド長である。長さが40または50のヌクレオチドより長い核酸プローブの場合には、標的配列と相補的なプローブ部分は、少なくとも25、少なくとも30または少なくとも35のヌクレオチド長であることができる。
【0043】
抗体は、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体もしくはキメラ抗体、またはそれらの抗原結合フラグメント(すなわち「抗原結合部分」)、またはそれらの一本鎖、抗体を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の他の任意の改変体であることができ、これらに限定されるものではないが、例えば一本鎖抗体(scFv)および単一ドメイン抗体(例えばヒト、ラクダ科動物またはサメのドメイン抗体)、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、vNARおよびビス-scFv(例えばHollinger and Hudson, 2005, Nature Biotech 23:1126-1136参照)が挙げられる。抗体には、IgG、IgAもしくはIgM(またはそれらのサブクラス)などの任意のクラスの抗体が含まれ、抗体はいずれかの特定のクラスである必要はない。その重鎖の定常ドメインの抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは様々なクラスに分類され得る。免疫グロブリンには、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMなる5つの主要なクラスが存在し、これらのいくつかをさらに、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2といったサブクラス(アイソタイプ)に分けることができる。「抗体」には、前述の各抗体/免疫グロブリン型がすべて包含される。
【0044】
本開示の3次元ネットワークは、プローブを1種または2種以上(例えば2、3、4または5種以上)含むことができる。3次元ネットワークは、同一標的に対して2種以上のプローブ(例えば同一標的の異なるエピトープに結合する複数の抗体)を含むことができ、かつ/または複数の標的に結合するプローブを含むことができる。
【0045】
ネットワークは、標識した(例えば蛍光標識した)対照プローブ分子を含むことができ、この分子を、例えばネットワーク内に存在するプローブの量の測定に使用することができる。
【0046】
プローブは、ネットワーク全体に(例えばネットワークの表面および内部に)分布していてよい。好ましくは、少なくとも1個のプローブは、ネットワークの表面から離れており、かつ少なくとも1本のチャネルに隣接している。その場合、そのように配置されたプローブは、チャネルを通って検体分子または検体構成要素に直接到達することができる。いくつかの実施形態において、プローブの大部分がネットワークの内部に位置する。
【0047】
1個または複数個のプローブを、共有結合によりネットワークに固定化してもよいし、共有結合によらずにネットワークに固定化してもよい。例えば、プローブを架橋ポリマーと架橋させてもよいし、プローブを共有結合によらずに(例えばネットワークに共有結合した分子に結合させることによって)ネットワークに結合させてもよい。好ましい一実施形態では、1個または複数個のプローブを架橋ポリマーと架橋させる。いくつかの実施形態において、プローブの大部分をネットワークの内部に共有結合させる(例えばその結果、プローブの少なくとも一部がチャネルに隣接する)。
【0048】
理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、第5.3節に記載した塩結晶(特にリン酸塩結晶)の存在下での3次元ネットワークの製造方法によって、プローブ分子(特に核酸プローブ分子)と塩結晶との静電相互作用に起因して、ポリマーとチャネルとの界面またはその近傍でプローブ分子の濃度が比較的高くなるものと考えている。したがって本発明のいくつかの実施形態において、本開示は、本開示によるネットワークであって、チャネルに隣接していないポリマー領域の内部に比べて、ポリマーとチャネルとの界面においてプローブがより高密度であるネットワークを提供する。様々な実施形態において、ポリマーとチャネルとの界面では、チャネルに隣接していないポリマー領域内に比べて、プローブの密度が少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%高い。
【0049】
ネットワーク内のプローブ分子の密度を、以下の手順で確認することができる:
ネットワークを、室温で水性液体と例えばボウル内で接触させる。この液体は、ネットワーク内のプローブ分子と相互作用する部分に結合した複数のナノ粒子を含み、例えばプローブ分子をビオチン化した場合には、ストレプトアビジンに結合した複数のナノ粒子を含む。ナノ粒子をポリマー全体に分配できるようにするため、ナノ粒子のサイズは、ネットワークのメッシュサイズよりも小さくかつチャネルの最小断面よりも小さい。適切なナノ粒子は、直径2~5ナノメートルの量子ドットである。
【0050】
インキュベーション期間は、液体中のネットワークが完全に含水状態となるように、つまりネットワークが概して自身が放出するのと同量の水を取り込むように選択される。インキュベーション期間を、例えば1時間とすることができる。インキュベーション中にネットワークおよび/または液体を動かすことによって、例えばネットワークおよび/または液体を好ましくは超音波で振動させることによって、ネットワークへのナノ粒子の浸透を促進させることができる。
【0051】
インキュベーションの完了後、例えばボウルから液体を排出するか、またはボウルからネットワークを取り出すことによって、液体をネットワークから分離する。
【0052】
次に、この含水させたネットワークを、例えば液体窒素によって凍結させる。その後、この凍結したネットワークを、互いに平行な切断面に沿ってクライオミクロトームを用いて切断して、薄いスライスにすることができる。切断面は、チャネルの長手方向の延在部に対して横方向に位置し、チャネルを貫通する。この切断を、液体窒素で冷却したダイヤモンドブレードを用いて行うことが好ましい。スライスの厚さを、例えば約100nmまたは200nmとすることができる。
【0053】
顕微鏡を用いて、凍結したネットワークを切断して得られたディスク内に配置されているナノ粒子を探索する。これらのナノ粒子は、必要に応じて蛍光性であってかつ光学的なハイライトが可能であってもよく、それによって該ナノ粒子をネットワークとより良好に区別することができる。これらのナノ粒子の探索を、画像処理方法により適切なソフトウェアを用いて行うことができる。これらのディスクの検査には、蛍光光学系を備えた共焦点レーザー走査型顕微鏡または電子顕微鏡を使用することが好ましい。
【0054】
このようにして得られたナノ粒子の幾何学的および/または位置情報を用いて、コンピュータによりネットワーク内のナノ粒子の分布の3次元幾何モデルを作成することができる。次いで、このモデルを使用して、チャネル部位の近傍でのプローブ分子の密度が比較的高いことがナノ粒子の分布に反映されているか否かを判定することができる。
【0055】
5.2. アレイ
本開示の3次元ネットワークを基材に配置する(例えば堆積させる)ことができ、好ましくは基材に(例えばネットワークと基材との共有結合架橋により)固定化する。複数個のネットワークを基材に固定化することで、例えばバイオチップとして有用なアレイを形成させることができる。
【0056】
適切な基材としては、有機ポリマー、例えばシクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルメタクリレート(PMMA、Plexiglas(登録商標))が挙げられる。
【0057】
Ticonaは、適切なCOCの一例をTopas(登録商標)なる商品名で販売している。基材として無機物質(例えば金属、ガラス)を使用してもよい。こうした基材を有機分子で被覆することで、ネットワークと基材表面との間での架橋が可能となる。例えば、無機表面を自己組織化単分子膜(SAM)で被覆することができる。SAM自体は完全に非反応性であるため、SAMは、例えば純粋なアルキルシランを含むかまたはそれからなることができる。フリーラジカルプロセス中に有機分子と安定的に結合し得るものであれば、他の基材も3次元ネットワークとの架橋に適している(例えば有機ホウ素化合物)。
【0058】
基材は、剛性を示すものであってもよいし、可とう性を示すものであってもよい。いくつかの実施形態において、基材は、プレート(例えば矩形プレート、正方形プレート、円形ディスクなど)の形状をとる。例えば、基材はマイクロウェルプレートを含むことができ、3次元ネットワークをこのプレートのウェル内に配置することができる。
【0059】
個々のネットワークを、基材の表面上の別々の各スポットに、例えば複数の列および行を含むマトリクス状に配置することができる。
図11に示す実施形態では、ネットワークは、6列×6行で配置された36個のスポットに配置されている。様々な数の行および列を有するアレイが企図され、それらのそれぞれの数を独立して選択することができる(例えば2~64列および2~64行)。個々のネットワークを配置することができるスポット格子を形成するために、(例えば
図12に示すように)各列は距離Xだけ離れていてよく、各行は距離Yだけ離れていてよい。この格子のスポットに配置された各ネットワークが脱水状態でも含水状態でも互いに接触することのないように、XおよびYを選択することができる。寸法Xと寸法Yとは、同一であっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、XとYとは同一である。いくつかの実施形態において、XとYとは異なる。いくつかの実施形態において、XおよびYは、独立して、少なくとも約500μm(例えば500μm~5mm、500μm~4mm、500μm~3mm、500μm~2mmまたは500μm~1mm)の距離から選択される。いくつかの実施形態において、XおよびYはともに約500μmである。他の実施形態では、XおよびYはともに500μmである。
【0060】
いくつかの実施形態において、(例えば
図13に示すように)基材は帯状である。ネットワークを、帯状の有機表面の長手方向に延在する単一の行として配置してもよいし、帯状の表面の長手方向に延在する複数の行として配置してもよい。このような帯状のアレイの行および列は、上述の格子寸法XおよびYを有することができる。
【0061】
個々のネットワークはそれぞれ、円形またはほぼ円形のアレイ表面領域を覆うことができる。典型的には、個々のネットワークによって覆われるアレイの表面上領域の直径(すなわちスポット直径)は、80μm~1000μmである。様々な実施形態において、スポット直径は、80μm、100μm、120μm、140μm、160μm、180μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μmもしくは1000μmであるか、または前述の実施形態のうちのいずれか2つを境界とする範囲から選択され、例えば80μm~200μm、100μm~120μm、120μm~140μm、120μm~180μm、140μm~160μm、160μm~180μm、180μm~200μm、120μm~200μm、100μm~400μm、160μm~600μmもしくは120μm~700μmなどとすることができる。好ましい一実施形態では、この直径は、100μm~200μmまたはその部分範囲にある。
【0062】
本開示のアレイは、典型的には少なくとも8個の個々の3次元ネットワークを有する。特定の態様では、アレイは、少なくとも16個、少なくとも24個、少なくとも48個、少なくとも96個、少なくとも128個、少なくとも256個、少なくとも512個または少なくとも1024個の個々の3次元ネットワークを有する。いくつかの実施形態において、本開示のアレイは、24個、48個、96個、128個、256個、512個、1024個、2048個、4096個もしくは8192個の個々のネットワークを有するか、または前述の実施形態のうちのいずれか2つを境界とする範囲から選択される個数の3次元ネットワークを有し、例えば8~128個、8~512個、24~8192個、24~4096個、48~2048個、96~512個、128~1024個、24~1024個、48~512個、96~1024個または128~512個などの3次元ネットワークを有する。好ましい一実施形態では、アレイ上の3次元ネットワークの個数は、8~1024の範囲にある。特に好ましい一実施形態では、アレイ上の3次元ネットワークの個数は、25~400の範囲にある。
【0063】
本開示のアレイを含む個々のネットワークは、同一のプローブを有することも、異なるプローブを有することもできる(例えば、各ネットワークが固有のプローブセットを有することも可能であるし、複数個のネットワークが同一のプローブセットを有し、他のネットワークが1つまたは複数の異なるプローブセットを有することも可能であり、またすべてのネットワークが同一のプローブセットを有することも可能である)。例えば、マトリクスの同一の行に配置されたネットワークが同一のプローブを含み、マトリクスの異なる行に配置されたネットワークが異なるプローブを有することが可能である。
【0064】
典型的には、アレイ上の個々のネットワークは、スポット直径および/またはネットワーク体積が互いに20%以下、15%以下、10%以下または5%以下だけ異なる。
【0065】
いくつかの実施形態において、アレイは、個々のネットワーク(例えばアレイ上のスポット)を1個または複数個含み、該ネットワークは、対照オリゴヌクレオチドまたは対照プローブ分子を1個または複数個有する。(アレイを空間的に配置するための)空間的対照として使用するために、および/または例えば本開示のアレイを洗浄して再使用する(すなわち「再使用可能な対照」として使用する)場合にネットワークに結合したプローブ分子を定量するために、この対照オリゴヌクレオチドに例えば蛍光標識などの標識を行うことができる。この空間的対照プローブおよび再使用可能な対照プローブ(これらは、同一のプローブであってもよいし、異なるプローブであってもよい)を、第7.2節では「着陸灯」と呼び、同一のプローブを2つの目的で使用する。
【0066】
アレイ上の同一のスポットまたはアレイ上の異なるスポットはさらに、既知の標的と相補的な未標識プローブを含むことができる。ハイブリダイゼーションアッセイで使用する場合、未標識プローブの標識済み標的へのハイブリダイゼーションのシグナル強度を求めることによって、ハイブリダイゼーション反応の効率を求めることができる。個々のネットワーク(すなわちアレイ上のスポット)を、再使用可能なおよび/または空間的対照としてもハイブリダイゼーション対照としても用いる場合には、再使用可能な対照プローブまたは空間的対照プローブの蛍光部分と異なる蛍光部分を使用することにより、標的分子を標識することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、本開示のアレイは、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回または少なくとも50回(例えば5~20回、5~30回、10~50回、10~20回、10~30回、20~40回または40~50回)再使用可能であり、これには、好ましくは該アレイを10~50回再使用することが含まれる。アレイを、変性条件(例えば低濃度の塩および高温)下で塩溶液で洗浄することができる。例えば、アレイを、使用の間に80~90℃で1~10mMのリン酸緩衝液で洗浄することができる。洗浄の温度を、標的:プローブハイブリッドの長さ(Tm)に基づいて選択することができる。
【0068】
アレイの完全性は、「再使用可能な対照」プローブによって決まり得る。再使用可能な対照プローブを、蛍光標識することができ、また蛍光標識した相補的核酸へのハイブリダイゼーションによって検出することもできる。蛍光標識した再使用可能な対照プローブの蛍光標識を、核酸の完全性が損なわれない限り励起の繰返しによって漂白することができ、そのような場合、さらなる再使用はいずれも、対照としての蛍光標識した相補的核酸へのハイブリダイゼーションの検出を含むことができる。典型的には、本発明のアレイは、少なくとも6ヶ月間安定である。
【0069】
様々な態様において、蛍光標識した再使用可能な対照プローブは、5回、10回、20回、30回、40回または50回の使用後に、その初期蛍光シグナル強度の少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%を保っている。好ましくは、再使用可能な対照プローブは、5回または10回の使用後にその蛍光シグナル強度の少なくとも75%を保っている。再使用可能な対照プローブが例えば20回、30回、40回または50回の再使用後にその蛍光シグナル強度の少なくとも50%を保っている限り、アレイを再使用し続けることができる。対照プローブの蛍光シグナル強度を、再使用ごとに、2回の再使用につき1回の割合で、3回の再使用につき1回の割合で、4回の再使用につき1回の割合で、5回の再使用につき1回の割合で、6回の再使用につき1回の割合で、7回の再使用につき1回の割合で、8回の再使用につき1回の割合で、9回の再使用につき1回の割合で、10回の再使用につき1回の割合で、または上記の組合せで試験することができる。例えば、シグナル強度を最初に5回または10回の再使用の間で周期的に試験し、所定の回数(例えば5回、10回、20回、30回、40回または50回)使用した後は、この強度を各再使用後に試験するというように、再使用の回数とともに試験の頻度を高めることができる。いくつかの実施形態において、試験の頻度は、平均して1回、1.5回、2回、2.5回、3回、4回、5回または10回の使用につき1回であるか、または平均して前述の値のうちのいずれかの2つの間の範囲内にあり、例えば1~2回の使用につき1回、1~1.5回の使用につき1回、1~3回の使用につき1回または1.5~3回の使用につき1回である。
【0070】
「空間的対照」、「再使用可能な対照」および「ハイブリダイゼーション対照」なる表記は、便宜上および参照の目的で含まれたものであって、「空間的対照」、「再使用可能な対照」および「ハイブリダイゼーション対照」と称されるプローブ自体の使用の要求を含意することを意図しているわけではない。
【0071】
5.3. 3次元ポリマーネットワークの製造方法
一態様では、3次元ポリマーネットワークを製造するための本開示の方法は、
(a) 塩水溶液と、ポリマーと、架橋剤とを含むとともに適宜プローブを1個または複数個含む混合物を、塩結晶形成条件に曝露させるステップと、
(b) 前記混合物を架橋条件に曝露させて前記ポリマーを架橋させることにより、架橋ポリマーネットワークを形成させるステップと、
(c) 前記架橋ポリマーネットワークを溶媒と接触させることにより前記塩結晶を溶解させて、1本または複数本のチャネルを形成させるステップと
を含む。
【0072】
本方法はさらに、塩水溶液と、ポリマーと、架橋剤と、適宜1個または複数個のプローブとを合することによって混合物を形成するステップを含むことができ、かつ/またはさらに、混合物を塩形成条件に曝露させる前に混合物を基材(例えば第5.2節に記載の基材)に施与するステップを含むことができる。使用するポリマーが、予め結合した架橋剤を有する場合(例えば、架橋剤を含むモノマーを重合させたコポリマーを使用する場合)、混合物を形成させるステップは、塩水溶液と、ポリマーと、適宜1個または複数個のプローブとを合することを含むことができる。
【0073】
塩結晶の溶解によって形成されたチャネルは、第5.1.3節に記載の特徴のうち1つまたは複数を有することができる。
【0074】
混合物を塩形成条件に曝露させる前に、混合物を基材に施与することができ、これを例えば、混合物を基材表面に(例えば該表面上の1024個の部位に)吹き付けることによって行うことができる。混合物を、例えば、DNAチップスポッターまたはインクジェットプリンタを用いて表面に施与することができる。好ましい一実施形態では、インクジェットプリンタを用いて混合物を吹き付ける。これにより、混合物を基材上の多数のスポットに簡便かつ迅速に施与することが可能になる。各スポットを、例えばいくつかの行および/または列のマトリクスの形態で配置することができる。好ましくは、印刷時の混合物中の塩含有量は、該混合物がプリンタのプリントヘッド内で結晶化することのないように、溶解限界未満とする。個々のスポットで施与される混合物の体積は、例えば100pl、200pl、300pl、400pl、500pl、750pl、1nl、2nl、3nl、4nlまたは5nlであることができ、また前述の値のうちのいずれか2つを境界とする範囲から選択されてもよい(例えば100pl~5nl、100pl~1nl、300pl~1nl、200pl~750nl、100pl~500pl、200pl~2nl、500pl~2nl、1nl~2nlなど)。好ましい一実施形態では、スポット体積は200pl~4nlである。
【0075】
個々のスポットの直径は、混合物の組成、施与される混合物の体積および基材の表面化学に依存する。スポット直径は、典型的には80μm~1000μmの範囲にあり、前述のパラメータを変えることによってこうしたスポット直径を得ることができる。様々な実施形態において、スポット直径は、80μm、100μm、120μm、140μm、160μm、180μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μmもしくは1000μmであるか、または前述の実施形態のうちのいずれか2つを境界とする範囲から選択され、例えば80μm~200μm、100μm~120μm、120μm~140μm、120μm~180μm、140μm~160μm、160μm~180μm、180μm~200μm、120μm~200μm、100μm~400μm、160μm~600μmもしくは120μm~700μmなどから選択される。好ましい一実施形態では、直径は、100μm~200μmまたはその部分範囲にある。
【0076】
本開示の方法で使用することができる適切なポリマー、架橋剤およびプローブについては、それぞれ第5.1.1節、第5.1.2節および第5.1.4節で説明する。いくつかの実施形態において、本方法で使用されるポリマーは、ポリマー1分子あたり少なくとも1つの架橋基を有する。好ましい一実施形態では、ポリマーは、1分子あたり少なくとも2つの架橋基を有する。特に好ましい一実施形態では、ポリマーは、1分子あたり少なくとも2つの光反応性架橋基を有する。これらの実施形態では、別個のポリマーや架橋分子は不要である。
【0077】
混合物に含めることができる適切な塩については、第5.3.1節で説明する。適切な塩形成条件については、第5.3.2節で説明する。適切な架橋条件については、第5.3.3節で説明する。塩結晶の溶解に適した溶媒については、第5.3.4節で説明する。
【0078】
5.3.1. 塩
塩を、該塩が1個または複数個のプローブと適合するように選択することができる。理想的には、塩は、以下の特性のうち1つまたは複数を有する:(i)塩は、プローブに対して毒性を示さない(例えば、塩はプローブを変性させない)、(ii)塩は、プローブと化学的に反応しない、(iii)塩は、プローブの光学的マーキングに適したシアニン色素などの蛍光体を攻撃しない、(iv)塩は、検体、検出分子および/またはそれらに結合した結合パートナーと反応しない、および/または(v)塩は、針状結晶を形成する。
【0079】
好ましい一実施形態では、塩溶液は、1価のカチオンを含む。混合物は、リン酸水素二ナトリウムおよび/またはリン酸二水素ナトリウムを含むことができ、これは水溶液中でNa+カチオンおよびリン酸イオンPO4
3-を放出する。リン酸ナトリウムは、水に容易に溶解して、無色の結晶を形成する。
【0080】
特に好ましい一実施形態では、混合物は、リン酸水素二カリウム(K2HPO4)および/またはリン酸二水素カリウム(KH2PO4)を含む。これらの塩は優れた水溶解性を示し、したがって混合物中に相応して多数の針状塩結晶を形成することができる。
【0081】
5.3.2. 塩結晶形成条件
塩結晶形成条件は、混合物中の相対的塩含有量が増加して溶解限度を上回る(このことは、該混合物が塩の過飽和状態にあることを意味する)まで該混合物を脱水または冷却することにより、該混合物中に少なくとも1つの塩結晶、好ましくは針状塩結晶を形成させることを含むことができる。これによって、混合物の体積中に位置する結晶化発生部から該混合物の表面に向かって塩結晶の形成が促進される。
【0082】
混合物の脱水は、混合物を加熱し、該混合物を真空に曝露させかつ/または該混合物を取り囲む雰囲気の湿度を低下させることによって行うことができる。
【0083】
混合物の加熱は、(例えば約50℃~約70℃に)加熱された基材または表面に混合物を載置することによって、混合物を載置した基材または表面を(例えば約50℃~約70℃に)加熱することによって、および/または混合物を高温ガス(例えば該混合物の温度よりも高い温度を有する空気、窒素または二酸化炭素)と接触させて該混合物から水を蒸発させることによって行うことができる。高温ガスとの接触は、例えば加熱オーブン内に混合物を配置することによって行うことができる。加熱オーブンへ輸送する際、混合物を湿潤状態に保つことが好ましく、特に75%超の相対湿度に保つことが好ましい。この結果、混合物を加熱オーブンに輸送する際に塩結晶が制御されない状態で形成されることが阻止される。これによって、加熱オーブン内でより長い針状塩結晶を形成させることが可能になる。熱活性化可能な架橋剤が存在する場合には、混合物を加熱して該架橋剤を活性化させることでポリマーを架橋させることも可能である。
【0084】
いくつかの実施形態において、混合物の脱水に使用される加熱された基材および/または空気の温度は、該混合物を加熱する前の該混合物の温度よりも20℃以上高いが、ただし100℃未満である。
【0085】
混合物の冷却は、(例えば約5℃~約15℃に)冷却された基材または表面に混合物を載置することによって、混合物を載置した基材または表面を(例えば約5℃~約15℃に)冷却することによって、および/または混合物を低温ガス(例えば該混合物の温度よりも低い温度を有する空気、窒素または二酸化炭素)と接触させることによって行うことができる。混合物中の塩の溶解限界は温度に依存しており、冷却すると、この溶解限界は、混合物が最終的に塩の過飽和状態となるまで減少する。このことにより、好ましくは針状の1つまたは複数の塩結晶の形成が促進される。いくつかの実施形態において、低温、低湿度のチャンバ(例えば温度0℃~10℃、相対湿度<40%)内で混合物をインキュベートすることによって混合物を冷却する。
【0086】
1つまたは複数の塩結晶を形成させる間に、混合物中の温度を、該混合物を取り囲む周囲空気の露点を上回るように保つことが好ましい。こうすることで、周囲空気から凝縮した水で混合物が希釈されて混合物中の相対的塩含有量が低下することが阻止される。
【0087】
5.3.3. 架橋条件
架橋条件を、使用する架橋剤の種類に基づいて選択することができる。例えば、紫外光によって活性化される架橋剤(例えばベンゾフェノン、チオキサントンまたはベンゾインエーテル)を使用する場合、架橋条件は、紫外(UV)光への混合物の曝露を含むことができる。いくつかの実施形態において、約250nm~約360nm(例えば260±20nmまたは355±20nm)の波長を有するUV光が使用される。比較的低エネルギー/長波長のUV光(例えば254nmのUV光と対比して360nmのUV光)を使用した場合には、比較的長い曝露時間が必要となり得る。可視光によって活性化される架橋剤(例えばエチルエオシン、エオシンY、ローズベンガル、カンファーキノンまたはエリチロシン)を使用する場合、架橋条件は、可視光への混合物の曝露を含むことができる。熱により活性化される架橋剤(例えば4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)および2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩または過酸化ベンゾイル)を使用する場合、架橋条件は、熱への混合物の曝露を含むことができる。
【0088】
架橋条件の長さおよび強度は、ポリマー分子と他のポリマー分子との架橋、プローブ分子が存在する場合にはポリマー分子と該プローブ分子との架橋、およびポリマー分子と基材分子との架橋、または基材上に有機分子が存在する場合にはポリマー分子と該有機分子との架橋が生じるように選択することができる。プローブを含む混合物の架橋条件の長さおよび強度を、例えばプローブ分子の固定化の堅牢性と固有性とのバランスがとれるように、実験により決定することができる。
【0089】
5.3.4. 塩結晶の溶解
ポリマーを架橋させた後、ネットワーク内に少なくとも1本のチャネルが形成されて、該チャネルが該ネットワークの表面および/または表面近傍から出発して該ネットワークの内部へと延在するように、1つまたは複数の塩結晶を溶媒に溶解させることができる。好都合なことに、塩結晶が溶媒に溶解した後、「失われた」形態の原理により塩結晶が存在していた箇所に中空の細長いチャネルが生成される。これらのチャネルによって、該チャネルを通って検体がネットワークの内部に浸透し、ネットワークの内部に位置するプローブに特異的に結合することが可能となる。本開示の方法によって生成されたアレイを生体センサとして使用した場合、高い測定精度および高度な測定ダイナミックが可能となる。
【0090】
1つまたは複数の塩結晶を溶解させるための溶媒は、該溶媒がポリマーに適合し、そしてプローブが存在する場合には該プローブにも適合するように選択することができる(例えば、溶媒がポリマーにもプローブにも溶解することのないように、溶媒を選択することができる)。好ましくは、使用される溶媒は、希釈リン酸緩衝液などの水性緩衝液である。メタノール、エタノール、プロパノールまたはこれらの液体の混合物を緩衝液に加えることで、ネットワークからの未結合ポリマーの除去を促進することができる。
【0091】
塩結晶を除去した後、ネットワークは、乾燥により崩壊することも、再び含水状態となることもできる。ネットワークを乾燥させることは、プローブ生体分子の輸送および安定化に有利である。
【0092】
5.3.5. 3次元ネットワークの使用方法
本開示のネットワークおよびアレイを使用して、サンプル中の、好ましくは液体サンプル中の検体の有無を判定することができる。したがって本開示は、1つまたは複数のサンプル中に検体が存在するか否かを判定する方法であって、
前記検体に結合し得るプローブ分子を含む本開示のネットワークまたはアレイを、前記1つまたは複数のサンプルと接触させることと、
前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記1つまたは複数のサンプル中に前記検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法を提供する。異なる種の検体に結合し得る異なる種のプローブを含むアレイを本方法で使用する場合には、プローブへの異なる種の検体の結合を検出することにより、異なる種の検体の存在を判定することができる。いくつかの実施形態において、本方法はさらに、アレイに結合した1種または複数種の検体を定量するステップを含む。
【0093】
検体は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アンプリコンなどの核酸であってもよい。いくつかの実施形態において、PCRアンプリコンは、生体サンプルまたは環境サンプル(例えば血液、血清、血漿、組織、細胞、唾液、痰、尿、脳脊髄液、胸膜液、乳汁、涙液、便、汗、精液、全細胞、細胞成分、細胞塗抹標本またはそれらの抽出物もしくは誘導体)から増幅される。いくつかの実施形態において、核酸を標識する(例えば蛍光標識する)。
【0094】
ネットワークの表面上に配置された検体は、ネットワークの内部でポリマーに共有結合したプローブ(例えば生体分子)に特異的に結合するために、チャネルを通ってこのネットワークの内部に浸透することができる。ネットワークを固定化した本開示のアレイを生体センサとして使用した場合、高い測定精度に加え高度の測定ダイナミックも可能となる。
【0095】
本開示のネットワークおよびアレイを、バイオセンサとしての使用後に再生させることができ、複数回(例えば5回、少なくとも10回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回または少なくとも50回)使用することができる。プローブ分子がDNAである場合、この再生は、例えば1個または複数個のネットワークを1×リン酸緩衝生理食塩水中で約10分間かけて80℃~90℃の温度に加熱することによって達成することができる。次いで、このリン酸緩衝生理食塩水を新鮮なリン酸緩衝生理食塩水と交換して、変性したDNAを1個または複数個のネットワークから洗い流すことができる。ネットワークまたはアレイのプローブ分子が抗原である場合には、1個または複数個のネットワークを0.1NのNaOHと約10分間接触させることによって、ネットワークまたはアレイを再生させることができる。次に、0.1NのNaOHをリン酸緩衝生理食塩水と交換して、抗原をネットワークから洗い流すことができる。したがって、本開示のネットワークおよびアレイの使用方法のいくつかの実施形態は、1つまたは複数のサンプルと接触させる前に洗浄したネットワークまたはアレイを使用することを含む。
【0096】
5.4. 本開示のアレイの用途
本発明のアレイによって、サンプル中の核酸の定性的および定量的な存在の経済的な判定が達成されるため、本発明のアレイは、ヒトおよび非ヒト動物における健康および疾患に関連する問題に直接適用される。
【0097】
これらの用途では、生物学的または環境的供給源から当技術分野で公知のプロトコールにしたがって、標的分子を含む調製物が誘導または抽出される。標的分子は、ウイルス、細菌および真核生物、原核生物、原生生物、植物、真菌ならびにすべての門および綱の動物を含む、いずれの分類学上のクラスの細胞および組織から誘導または抽出されてもよい。動物は、脊椎動物、哺乳動物、霊長類および特にヒトであってよい。血液、血清、血漿、組織、細胞、唾液、痰、尿、脳脊髄液、胸膜液、乳汁、涙液、便、汗、精液、全細胞、細胞成分および細胞塗抹標本が、標的分子の適切な供給源である。
【0098】
標的分子は、好ましくは上記の供給源のいずれかから(例えばPCRにより)増幅された核酸である。
【0099】
本発明のアレイは、ヒトまたは非ヒト動物の病原体の検出に有用なプローブを含むことができる。そのようなプローブとしては、細菌、ウイルスもしくは真菌の標的または細菌、ウイルスおよび真菌の標的の任意の組合せと少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0100】
本発明のアレイは、被験者の診断、被験者の治療のモニタリングまたは被験者の予後の経過観察を目的とした、ヒトまたは非ヒト動物の細胞における遺伝子発現、例えば、癌、心血管疾患もしくは代謝性疾患などの疾患または障害に関連する遺伝子発現の検出に有用なプローブを含むことができる。その場合、遺伝子発現情報によって疾患の進行または退行を追跡することができ、そのような情報は、初期治療の過程の成功や変更のモニタリングの一助となり得る。
【0101】
6.例示的プロトコール
以下の例示的プロトコールでは、図面に示された参照番号を参照する。これらのプロトコールは本開示の範囲に包含され、第5.1.1節、第5.1.2節および第5.1.4節のそれぞれポリマー、架橋剤およびプローブと組み合わせて使用することができる。以下の方法で使用するためのさらなる有用なポリマー(コポリマーを含む)および架橋基は、Rendl et al., 2011, Langmuir 27:6116-6123および米国特許出願公開第2008/0293592号明細書(US 2008/0293592)に記載されており、該文献の内容を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。一実施形態では、第7.1節に記載のポリマー混合物を使用する。
【0102】
6.1. 例示的プロトコール1
加熱した保持体(6)に、有機表面(2)を有するプレートを載置する。50~70℃の温度が適している。この有機表面(2)上に、標準的なDNAチップスポッター(例えばScienion、ドイツ)を用いて、ポリマー(3)と、プローブ生体分子(1)と、塩水溶液とを含む混合物(5)をスポットする。各スポット(7)に0.5~4nlの体積量を印刷する(
図2参照)。これらのスポットの液体はほぼ直ちに乾燥し、それによって塩結晶(8)の核生成が非常に迅速に生じる。核生成後、針状塩結晶は、混合物(5)の体積中に位置する少なくとも1つの結晶化発生部(9)から混合物(5)の表面(10)へと延在することができる(
図3参照)。結晶(8)の核生成後、各スポット(7)にUV架橋装置で直ちに紫外光(11)を照射し(
図4参照)、その結果プローブ生体分子(1)がポリマー(3)に共有結合し、かつポリマー(3)が有機表面(2)に共有結合して架橋される(
図5参照)。乾燥した架橋混合物(5)が水分を引き付けて再び液体になることのないように注意する。
【0103】
次いで、この乾燥した架橋混合物(5)を結晶(8)の溶媒(12)と接触させることにより、結晶(8)が存在していた箇所で、ポリマー(3)とプローブ生体分子(1)とを含むネットワーク(15)内にチャネル(13)が形成される(
図6参照)。その後、溶媒(12)を除去する。各チャネル(13)は、ネットワーク(15)の表面(16)からネットワーク(15)の内部へと延在することができる。塩結晶(8)を溶解させる溶媒(12)は、該溶媒(12)がプローブ生体分子(1)のみならずポリマー(3)にも適合するように選択される。好ましくは、使用される溶媒(12)は水性である。
【0104】
6.2. 例示的プロトコール2
プレート上に配置した有機表面(2)上に、標準的なDNAチップスポッター(例えばScienion、ドイツ)を用いて、ポリマー(3)と、プローブ生体分子(1)と、塩水溶液とを含む混合物(5)をスポットする。各スポット(7)に0.5~4nlの体積量を印刷する(
図2参照)。この有機表面(2)上に各スポット(7)を有するプレートを、冷却した保持体(14)に載置する(
図7参照)。5℃~15℃の温度が適している。これらのスポットの液体を、緩衝液が過飽和に達するまで冷却し、これによってほぼ直ちに結晶の核生成が生じる。核生成後、針状塩結晶(8)は、混合物(5)の体積中に位置する少なくとも1つの結晶化発生部(9)から混合物(5)の表面(10)へと延在することができる。印刷後、これらの目標物を完全に乾燥させるために(例えば70℃の)オーブンに入れる。結晶の核生成後、各スポットにUV架橋装置で直ちに紫外光(11)を照射し(
図8参照)、その結果プローブ生体分子(1)がポリマー(3)に共有結合し、かつポリマー(3)が有機表面(2)に共有結合して架橋される。乾燥した架橋混合物が水分を引き付けて再び液体になることのないように注意する。
【0105】
次いで、この乾燥した架橋混合物(5)を結晶(8)の溶媒(12)と接触させることにより、結晶(8)が存在していた箇所で、ポリマー(3)とプローブ生体分子(1)とを含むネットワーク(15)内にチャネル(13)が形成される。その後、溶媒(12)を除去する。各チャネル(13)は、ネットワーク(15)の表面(16)からネットワーク(15)の内部へと延在することができる。塩結晶(8)を溶解させる溶媒(12)は、該溶媒(12)がプローブ生体分子(1)のみならずポリマー(3)にも適合するように選択される。好ましくは、使用される溶媒(12)は水性である。
【0106】
図9から分かるように、ネットワーク(15)内に複数本のチャネル(13)を形成させることができる。各チャネル(13)は、ネットワーク(15)の表面(16)からネットワーク(15)内に位置する少なくとも1つの地点まで延在することができる。各チャネル(13)を、表面(16)から出発して内部方向に各チャネル(13)間の横方向の間隔が減少するように配置することができる。
【0107】
6.3. 例示的プロトコール3
湿度40~80%、好ましくは50~70%の範囲の通常の条件で、ポリマー(3)と、プローブ生体分子(1)と、塩水溶液とを含む混合物(5)を、プレートの有機表面(2)上に印刷する。この混合物は、例えば、飽和に近いpH8の400mMのリン酸ナトリウムであってよい。各スポット(7)に、0.5~4nlの体積量を印刷する。印刷区画内に水分が含まれることによって、各スポット(7)は、結晶形成が生じることなく(すなわち核生成が起こらずに)確実に液体のままとなる。次いで、このプレートを、例えばボール紙製の箱などの容器に入れる。この有機表面(2)を有するプレートに、運搬のために蓋をする。次いで、この有機表面(2)上に各スポット(7)を有するプレートを乾燥オーブン内かまたはホットプレート上に置いて核生成を迅速に生じさせ、その結果、針状塩結晶(8)が、混合物(5)の体積中に位置する少なくとも1つの結晶化発生部(9)から混合物(5)の表面(10)に向かって延在することとなる。
【0108】
オーブン/ホットプレートの温度を、印刷温度よりも20℃以上高くすることが望ましい。100℃を上回る温度にする必要はない。
【0109】
乾燥後、混合物に対して照射を行うことにより、ポリマー(3)と、プローブ生体分子(1)と、有機表面(2)とを架橋させる。
【0110】
次いで、この乾燥した架橋混合物(5)を溶媒(12)と接触させることにより、結晶(8)が存在していた箇所で、ポリマー(3)とプローブ生体分子(1)とを含むネットワーク(15)内にチャネル(13)が形成される。その後、溶媒(12)を除去する。各チャネル(13)は、ネットワーク(15)の表面(16)からネットワーク(15)の内部へと延在することができる。塩結晶(8)を溶解させる溶媒(12)は、該溶媒(12)がプローブ生体分子(1)にもポリマー(3)にも適合するように選択される。好ましくは、使用される溶媒(12)は水性である。
【0111】
6.4. 例示的プロトコール4
上記とは異なって、例示的プロトコール3の通りに準備した有機表面(2)上にスポット(7)を有するプレートを、低温、低湿度のチャンバ(例えば温度<10℃、相対湿度<40%)に入れることにより冷却して核生成を達成することもできる。乾燥は、湿度を低下させることによって行われてもよいし、核生成の開始後に真空を印加することによって行われてもよい。核生成後、針状塩結晶(8)は、混合物(5)の体積中に位置する少なくとも1つの結晶化発生部(9)から混合物(5)の表面(10)に向かって延在することができる。この有機表面(2)上にスポット(7)を有するプレートを60~70℃のオーブンに1時間入れて、これらのスポットを完全に乾燥させる。これらのスポット(7)に、UV架橋装置、すなわちStratalinker 2400で、254nmで1.00JのUVを照射する。これを行うために、この有機表面(2)上にスポット(7)を有するプレートを、チャンバの中央に入れることができる。このチャンバは、該チャンバの扉に平行な短辺を有する。次に、カバーを取り外して架橋装置を始動させる。機械が終了したら、アレイを取り出してカバーを交換する。
【0112】
あるいは、同一の波長(例えば240~270nm)かまたはより長波長の、例えば360nmの、他のUV架橋装置を使用することもできる。
【0113】
次いで、この混合物(5)を溶媒(12)と接触させることにより結晶(8)を溶解させ、その結果、結晶(8)が存在していた箇所で、ポリマー(3)とプローブ生体分子(1)とを含むネットワーク(15)内にチャネル(13)が形成される。その後、溶媒(12)を除去する。各チャネル(13)は、ネットワーク(15)の表面(16)からネットワーク(15)の内部へと延在することができる。塩結晶(8)を溶解させる溶媒(12)は、該溶媒(12)がプローブ生体分子(1)にもポリマー(3)にも適合するように選択される。好ましくは、使用される溶媒(12)は水性である。
【0114】
7. 例
7.1. 例1:チャネルを有する3次元ポリマーネットワークの形成
架橋性ポリマーである、ジメチルアクリルアミドとメタクリロイルオキシベンゾフェノン5%と4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5%とのコポリマー10mgを、1.0mlのDNアーゼ不含の水に溶解させることにより、10mg/mlのポリマーストック溶液を調製する。この調製は、激しい振とうを行い、そして視認可能なポリマーがすべて溶解するまでボルテックス処理を約5分間行うことによって達成される。次いで、このストック溶液を箔で包んで光から保護し、そして冷蔵庫に一晩入れることにより、ポリマーを完全に確実に溶解させるとともに、泡を確実に減少させる。このポリマーは、1分子あたり少なくとも2つの光反応性基を有する。
【0115】
100μMのDNAオリゴヌクレオチドストック溶液10μlと、(混合物中のポリマー濃度を1mg/mlとするために)10mg/mlのポリマーストック溶液5μlと、pH8の500mMのリン酸ナトリウム緩衝液35μlとを混合することによって、ポリマーと、DNAオリゴヌクレオチドプローブと、リン酸ナトリウムとを含む混合物を作製する。
【0116】
この混合物を用いて、例示的プロトコール1~4のいずれか1つの方法により本発明の3次元ネットワークを作製する。
【0117】
7.2. 例2:細菌検出のための3次元ポリマーネットワークの使用
7.2.1. 本発明のアレイの作製
固定化のためのオリゴヌクレオチドを、例1に記載の1mg/mlの光反応性ポリマーを含有するpH7の400mMのリン酸ナトリウム緩衝液に、20μMの濃度で溶解させた。各オリゴヌクレオチドは、(45~50ヌクレオチドの全オリゴヌクレオチド長に関して)標的DNAと相補的な30~35のヌクレオチド長と、15のチミジンの尾部とを有していた。
【0118】
この混合物を使用して、プレートの有機表面上に以下のスポットを印刷してアレイを作製した:
LL:いわゆる着陸灯(landing lights)。Cy5標識DNAオリゴヌクレオチド(0.2μM)と、ポリマーと、未標識オリゴヌクレオチド19.8μMとを用いて、全オリゴヌクレオチド濃度を20μMとした。
【0119】
GN:グラム陰性菌に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0120】
GP:グラム陽性菌に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0121】
S.Aure_1:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)菌に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0122】
S.Aure_2:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)菌に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0123】
E.coli_1:大腸菌(Escherichia coli)に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0124】
E.coli_2:大腸菌(Escherichia coli)に特異的なオリゴヌクレオチド。
【0125】
ソースプレート(すなわち、混合物を採取したプレート)上で塩結晶が形成されないようにするため、このプレートを周囲温度(22℃)に保った。
【0126】
有機表面と平坦で透明な底部とを有するGreiner 96ウェルプレートを10℃に冷却することによって、印刷したスポットが完全には乾燥しないようにした。PDC 90ノズルを備えたScienion(登録商標)SciFlex 5プリンタを使用して1スポットあたり8滴を有機表面に印刷して、スポット体積を約1.4nlとした。プリンタの湿度を、相対湿度60~65%に保った。
【0127】
印刷後、各スポットで乾燥も結晶形成も確実に起こらないようにするため、プリントヘッド上の自動ヘッドカメラで各スポットのサイズを確認した。いずれのスポットもまだ湿潤しており、同一のサイズである。結晶形成は視認できなかった。
【0128】
次いで、乾燥を避けるためにこの96ウェルプレートを蓋で密閉し、直ちに乾燥オーブン内のホットプレート(70℃)上に置いて、結晶化を開始させてスポットを乾燥させた。
【0129】
スポットを確実に適切に乾燥させるために70℃で1時間インキュベートした後、プレートに、Stratalinker(登録商標)2000で254nmで1Jの照射を行った。
【0130】
7.2.2. 対照アレイの作製
第7.2.1節に記載した手順と同様の手順を用いたが、ただし目的のプレートを、実質的にRendl et al., 2011, Langmuir 27:6116-6123に記載の通りに周囲温度に保った。印刷後、いくつかのスポットはサイズの低下を示し、すなわちアレイのランダムな箇所のいくつかのスポットが乾燥し、印刷直後に相分離を示した。次いで、このプレートをプリンタから取り出し、蓋をつけずに上記のサンプル乾燥プロセスにかけてさらに乾燥させた。
【0131】
7.2.3. ハイブリダイゼーションアッセイ
使用前に、各プレートをプレート洗浄装置内で300μlの洗浄緩衝液(pH7の100mMのリン酸ナトリウム)で3回洗浄し、次いでこの緩衝液をpH7の1mMのリン酸ナトリウムに交換した。各プレートをヒーターシェーカーで90℃で10分間加熱して、未結合DNAおよびポリマーを抽出した。次いで、96ウェルプレート自動洗浄装置を使用して、この緩衝液を100mMのリン酸ナトリウム緩衝液に交換した。
【0132】
Cy5標識PCR産物20mlとリン酸ナトリウム緩衝液30ml(250mM、pH7)との混合物を、ヒーターシェーカーで80℃で10分間および55℃で30分間にわたってアレイ上でインキュベートした。その後、各プレートを、96ウェルプレート洗浄装置内でpH7の100mMのリン酸ナトリウム緩衝液で3回洗浄した。緩衝液を含むプレートをSensovation(登録商標)Flairリーダーでスキャンし、そして様々なスポットのスポット強度を測定した。
【0133】
7.2.4. 結果
第7.2.1節の方法で作製した8つのアレイと、第7.2.2節の方法で作製した8つのアレイを分析し、データを表計算プログラムで処理した。平均および平均の標準誤差(SEM)を算出して比較した。結果を、
図14~
図16に示す。
【0134】
8. 例3:3次元ポリマーネットワークアレイの再使用可能性
蛍光標識したオリゴヌクレオチドを含む「着陸灯」スポットを含むいくつかのアレイを、第7.2.1節に記載の手順にしたがって作製した。これらのアレイを複数のハイブリダイゼーションアッセイにおいて再使用し、各ハイブリダイゼーションの間に以下の手順にしたがって洗浄した:
(a) 各アレイを、pH7の100mMのリン酸緩衝液で3回洗浄し;
(b) 次に、この緩衝液をpH7の1mMのリン酸緩衝液に交換し、そして
(c) 各アレイを80℃に加熱し、高温のうちにpH7の100mMのリン酸緩衝液で洗浄した。
【0135】
各使用の間に、着陸灯スポットからの蛍光シグナルの強度を求めた。10回使用した後、消失した蛍光シグナルの強度は25%未満であった。参照DNA(内部対照)とハイブリダイズした参照スポットが50%のシグナル消失を示すまで各アレイを再使用した。
【0136】
9. 特定の実施形態
本開示は、以下の特定の実施形態によって例示される。
【0137】
1. 表面と内部とを有する3次元ネットワークであって、前記3次元ネットワークは、(a)架橋ポリマーと(b)1本または複数本のチャネルとを含むとともに、適宜(c)前記ネットワークに固定化されたプローブ分子を含み、かつ前記3次元ネットワークは、適宜、基材の表面に共有結合している、3次元ネットワーク。
【0138】
2. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から10ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態1記載の3次元ネットワーク。
【0139】
3. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から9ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態2記載の3次元ネットワーク。
【0140】
4. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から8ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態3記載の3次元ネットワーク。
【0141】
5. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から7ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態4記載の3次元ネットワーク。
【0142】
6. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から6ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態5記載の3次元ネットワーク。
【0143】
7. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から5ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態6記載の3次元ネットワーク。
【0144】
8. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から4ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態7記載の3次元ネットワーク。
【0145】
9. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から3ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態8記載の3次元ネットワーク。
【0146】
10. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から2ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態9記載の3次元ネットワーク。
【0147】
11. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面から1ミクロン未満のある1つの地点から前記内部へと延在する、実施形態10記載の3次元ネットワーク。
【0148】
12. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの表面上のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態11記載の3次元ネットワーク。
【0149】
13. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも10%の長さを有する、実施形態1から12までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0150】
14. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~100%の長さを有する、実施形態13記載の3次元ネットワーク。
【0151】
15. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも15%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0152】
16. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも20%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0153】
17. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも25%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0154】
18. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~90%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0155】
19. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~80%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0156】
20. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~70%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0157】
21. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~60%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0158】
22. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~50%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0159】
23. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~40%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0160】
24. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~30%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0161】
25. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~25%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0162】
26. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~20%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0163】
27. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の10%~15%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0164】
28. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の15%~20%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0165】
29. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の15%~25%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0166】
30. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の15%~35%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0167】
31. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の20%~25%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0168】
32. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークの最大寸法の25%~30%の長さを有する、実施形態13または14記載の3次元ネットワーク。
【0169】
33. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも5倍の最小断面を有する、実施形態1から32までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0170】
34. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも10倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0171】
35. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも15倍の最小断面を有する、実施形態34記載の3次元ネットワーク。
【0172】
36. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも20倍の最小断面を有する、実施形態35記載の3次元ネットワーク。
【0173】
37. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの5~10倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0174】
38. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの5~15倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0175】
39. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの5~20倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0176】
40. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの5~25倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0177】
41. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの5~30倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0178】
42. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの10~15倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0179】
43. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの10~20倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0180】
44. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの10~25倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0181】
45. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの10~30倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0182】
46. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの15~20倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0183】
47. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの15~25倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0184】
48. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの15~30倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0185】
49. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの20~25倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0186】
50. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの20~30倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0187】
51. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、前記ネットワークのメッシュサイズの25~30倍の最小断面を有する、実施形態33記載の3次元ネットワーク。
【0188】
52. 複数本のチャネルを含む、実施形態1から51までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0189】
53. 前記複数本のチャネルは、少なくとも5本のチャネルである、実施形態52記載の3次元ネットワーク。
【0190】
54. 前記複数本のチャネルは、少なくとも10本のチャネルである、実施形態53記載の3次元ネットワーク。
【0191】
55. 前記複数本のチャネルは、少なくとも15本のチャネルである、実施形態54記載の3次元ネットワーク。
【0192】
56. 前記複数本のチャネルは、最高で50本のチャネルである、実施形態52から55までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0193】
57. 前記複数本のチャネルは、10~50本のチャネルである、実施形態52記載の3次元ネットワーク。
【0194】
58. 前記複数本のチャネルは、前記ネットワークの前記内部のある1つの地点で収束しており、その結果、前記表面から前記内部の前記地点に向かって各チャネル間の横方向の間隔が減少している、実施形態52から57までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0195】
59. 前記複数本のチャネルは、それらの収束点で接続している、実施形態58記載の3次元ネットワーク。
【0196】
60. 前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの内部の1つまたは複数の地点で収束しており、その結果、前記表面から前記内部の前記地点に向かって各チャネル間の横方向の間隔が減少している、実施形態58記載の3次元ネットワーク。
【0197】
61. 前記ネットワークの内部の同一の地点で収束する複数本のチャネルは、それらの収束点で接続している、実施形態60記載の3次元ネットワーク。
【0198】
62. 前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワーク内の1つまたは複数の収束点で他のチャネルに接続している、実施形態60記載の3次元ネットワーク。
【0199】
63. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から10ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態52から62までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0200】
64. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から9ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態63記載の3次元ネットワーク。
【0201】
65. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から8ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態64記載の3次元ネットワーク。
【0202】
66. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から7ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態65記載の3次元ネットワーク。
【0203】
67. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から6ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態66記載の3次元ネットワーク。
【0204】
68. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から5ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態67記載の3次元ネットワーク。
【0205】
69. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から4ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態68記載の3次元ネットワーク。
【0206】
70. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から3ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態69記載の3次元ネットワーク。
【0207】
71. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から2ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態70記載の3次元ネットワーク。
【0208】
72. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面から1ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態71記載の3次元ネットワーク。
【0209】
73. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの表面上のある1つの地点から内部へと延在する、実施形態72記載の3次元ネットワーク。
【0210】
74. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも10%の長さを有する、実施形態52から73までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0211】
75. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~100%の長さを有する、実施形態74記載の3次元ネットワーク。
【0212】
76. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも15%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0213】
77. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも20%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0214】
78. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の少なくとも25%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0215】
79. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~90%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0216】
80. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~80%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0217】
81. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~70%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0218】
82. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~60%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0219】
83. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~50%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0220】
84. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~40%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0221】
85. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~30%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0222】
86. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~25%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0223】
87. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~20%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0224】
88. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の10%~15%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0225】
89. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の15%~20%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0226】
90. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の15%~25%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0227】
91. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の15%~30%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0228】
92. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の20%~25%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0229】
93. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークの最大寸法の25%~30%の長さを有する、実施形態74または75記載の3次元ネットワーク。
【0230】
94. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも5倍の最小断面を有する、実施形態52から93までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0231】
95. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも10倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0232】
96. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも15倍の最小断面を有する、実施形態95記載の3次元ネットワーク。
【0233】
97. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの少なくとも20倍の最小断面を有する、実施形態96記載の3次元ネットワーク。
【0234】
98. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの5~10倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0235】
99. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの5~15倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0236】
100. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの5~20倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0237】
101. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの5~25倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0238】
102. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの5~30倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0239】
103. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの10~15倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0240】
104. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの10~20倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0241】
105. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの10~25倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0242】
106. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの10~30倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0243】
107. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの15~20倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0244】
108. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの15~25倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0245】
109. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの15~30倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0246】
110. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの20~25倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0247】
111. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの20~30倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0248】
112. 少なくとも複数本のチャネル、または前記ネットワーク内の大部分のチャネルは、前記ネットワークのメッシュサイズの25~30倍の最小断面を有する、実施形態94記載の3次元ネットワーク。
【0249】
113. 前記ネットワークは、その含水状態で5nm~75nmのメッシュサイズを有する、実施形態1から112までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0250】
114. 前記ネットワークは、その含水状態で10nm~50nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0251】
115. 前記ネットワークは、その含水状態で10nm~40nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0252】
116. 前記ネットワークは、その含水状態で10nm~30nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0253】
117. 前記ネットワークは、その含水状態で10nm~20nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0254】
118. 前記ネットワークは、その含水状態で20nm~50nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0255】
119. 前記ネットワークは、その含水状態で20nm~40nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0256】
120. 前記ネットワークは、その含水状態で20nm~30nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0257】
121. 前記ネットワークは、その含水状態で30nm~50nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0258】
122. 前記ネットワークは、その含水状態で30nm~40nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0259】
123. 前記ネットワークは、その含水状態で40nm~50nmのメッシュサイズを有する、実施形態113記載の3次元ネットワーク。
【0260】
124. 前記架橋ポリマーは、水膨潤性ポリマーである、実施形態1から123までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0261】
125. 前記水膨潤性ポリマーは、自重の50倍までの脱イオン蒸留水を吸収することができる、実施形態124記載の3次元ネットワーク。
【0262】
126. 前記水膨潤性ポリマーは、自己体積の5~50倍の脱イオン蒸留水を吸収することができる、実施形態124または125記載の3次元ネットワーク。
【0263】
127. 前記水膨潤性ポリマーは、自重の30倍までの生理食塩水を吸収することができる、実施形態124から126までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0264】
128. 前記水膨潤性ポリマーは、自己体積の4~30倍の生理食塩水を吸収することができる、実施形態124から127までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0265】
129. 前記架橋ポリマーは、架橋ホモポリマーを含む、実施形態1から128までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0266】
130. 前記架橋ポリマーは、架橋コポリマーを含む、実施形態1から128までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0267】
131. 前記架橋ポリマーは、ホモポリマーとコポリマーとの架橋混合物を含む、実施形態1から128までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0268】
132. 前記架橋ポリマーは、1種または複数種のモノマーを重合させたポリマーを含む、実施形態129から131までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0269】
133. 各モノマー種は、アクリレート基、メタクリレート基、エタクリレート基、2-フェニルアクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、イタコネート基およびスチレン基から独立して選択された重合性基を含む、実施形態132記載の3次元ネットワーク。
【0270】
134. 前記ポリマー中の少なくとも1つのモノマー種は、メタクリレート基を含む、実施形態133記載の3次元ネットワーク。
【0271】
135. 前記メタクリレート基を含む少なくとも1つのモノマー種は、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)である、実施形態134記載の3次元ネットワーク。
【0272】
136. 前記架橋ポリマーは、ジメチルアクリルアミド(DMAA)と、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)と、4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SSNa)とを重合させたポリマーを含む、実施形態132記載の3次元ネットワーク。
【0273】
137. 前記プローブ分子は、前記ネットワークに共有結合している、実施形態1から136までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0274】
138. 大部分のプローブ分子は、前記ネットワークの内部に固定化されている、実施形態1から137までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0275】
139. 前記プローブ分子の少なくとも一部は、チャネルに隣接している、実施形態138記載の3次元ネットワーク。
【0276】
140. 様々な実施形態において、前記ポリマーと前記チャネルとの界面では、前記チャネルに隣接していない前記ポリマー領域内に比べて、プローブ密度が少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%高い。
【0277】
141. 前記ポリマーと前記チャネルとの間の界面での前記プローブ密度は、チャネルに隣接していないポリマーの領域内に比べて、平均して少なくとも10%高い、実施形態1から139までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0278】
142. 前記ポリマーと前記チャネルとの間の界面での前記プローブ密度は、チャネルに隣接していないポリマーの領域内に比べて、平均して少なくとも20%高い、実施形態140記載の3次元ネットワーク。
【0279】
143. 前記ポリマーと前記チャネルとの間の界面での前記プローブ密度は、チャネルに隣接していないポリマーの領域内に比べて、平均して少なくとも30%高い、実施形態140記載の3次元ネットワーク。
【0280】
144. 前記ポリマーと前記チャネルとの間の界面での前記プローブ密度は、チャネルに隣接していないポリマーの領域内に比べて、平均して少なくとも40%高い、実施形態140記載の3次元ネットワーク。
【0281】
145. 前記ポリマーと前記チャネルとの間の界面での前記プローブ密度は、チャネルに隣接していないポリマーの領域内に比べて、平均して少なくとも50%高い、実施形態140記載の3次元ネットワーク。
【0282】
146. 前記プローブ分子は、核酸、核酸誘導体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、細胞、リガンドまたはそれらの組合せを含み、好ましくは前記プローブ分子は、核酸または核酸誘導体を含む、実施形態1から145までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0283】
147. 前記プローブ分子は、抗体、抗体フラグメント、抗原、エピトープ、酵素、酵素基質、酵素阻害剤、核酸またはそれらの組合せを含む、実施形態1から146までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0284】
148. 前記プローブ分子は、核酸を含む、実施形態1から147までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク。
【0285】
149. 前記核酸は、オリゴヌクレオチドである、実施形態148記載の3次元ネットワーク。
【0286】
150. 前記オリゴヌクレオチドは、12~30のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0287】
151. 前記オリゴヌクレオチドは、14~30のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0288】
152. 前記オリゴヌクレオチドは、14~25のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0289】
153. 前記オリゴヌクレオチドは、14~20のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0290】
154. 前記オリゴヌクレオチドは、15~30のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0291】
155. 前記オリゴヌクレオチドは、15~25のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0292】
156. 前記オリゴヌクレオチドは、15~20のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0293】
157. 前記オリゴヌクレオチドは、16~30のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0294】
158. 前記オリゴヌクレオチドは、16~25のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0295】
159. 前記オリゴヌクレオチドは、16~20のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0296】
160. 前記オリゴヌクレオチドは、15~40のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0297】
161. 前記オリゴヌクレオチドは、15~45のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0298】
162. 前記オリゴヌクレオチドは、15~50のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0299】
163. 前記オリゴヌクレオチドは、15~60のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0300】
164. 前記オリゴヌクレオチドは、20~55のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0301】
165. 前記オリゴヌクレオチドは、18~60のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0302】
166. 前記オリゴヌクレオチドは、20~50のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0303】
167. 前記オリゴヌクレオチドは、30~90のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0304】
168. 前記オリゴヌクレオチドは、20~100のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0305】
169. 前記オリゴヌクレオチドは、20~60のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0306】
170. 前記オリゴヌクレオチドは、40~80のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0307】
171. 前記オリゴヌクレオチドは、40~100のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0308】
172. 前記オリゴヌクレオチドは、20~120のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0309】
173. 前記オリゴヌクレオチドは、20~40のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0310】
174. 前記オリゴヌクレオチドは、40~60のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0311】
175. 前記オリゴヌクレオチドは、60~80のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0312】
176. 前記オリゴヌクレオチドは、80~100のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0313】
177. 前記オリゴヌクレオチドは、100~120のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0314】
178. 前記オリゴヌクレオチドは、12~150のヌクレオチド長である、実施形態149記載の3次元ネットワーク。
【0315】
179. 基材上に実施形態1から178までのいずれか1つに記載の3次元ネットワークを複数個含む、アレイ。
【0316】
180. 前記3次元ネットワークは、前記基材に固定化されている、実施形態179記載のアレイ。
【0317】
181. 前記3次元ネットワークは、該ネットワークと前記基材との共有結合によって前記基材に固定化されている、実施形態180記載のアレイ。
【0318】
182. 前記基材は、有機ポリマーを含むか、または無機材料であって該無機材料の表面上に有機分子の自己組織化単分子膜を有する無機材料を含む、実施形態179から181までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0319】
183. 前記基材は、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルメタクリレートから選択される有機ポリマーを含む、実施形態182記載のアレイ。
【0320】
184. 前記基材は、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレンまたはポリメチルメタクリレートを含む、実施形態183記載のアレイ。
【0321】
185. 前記基材は、無機材料であって該無機材料の表面上にアルキルシラン自己組織化単分子膜を有する無機材料を含む、実施形態182記載のアレイ。
【0322】
186. 少なくとも8個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0323】
187. 少なくとも16個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0324】
188. 少なくとも24個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0325】
189. 少なくとも48個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0326】
190. 少なくとも96個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0327】
191. 少なくとも128個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0328】
192. 少なくとも256個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0329】
193. 少なくとも512個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0330】
194. 少なくとも1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0331】
195. 24個~8192個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0332】
196. 24個~4096個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0333】
197. 24個~2048個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0334】
198. 24個~1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0335】
199. 24個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0336】
200. 48個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0337】
201. 96個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0338】
202. 128個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0339】
203. 256個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0340】
204. 512個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0341】
205. 1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態179から185までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0342】
206. 各3次元ネットワークは、前記基材上の別個の各スポットに位置する、実施形態179から205までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0343】
207. 前記各スポットは、各列および/または各行に配置されている、実施形態206記載のアレイ。
【0344】
208. 前記基材は、マイクロウェルプレートを含み、前記3次元ネットワークは、前記プレートの前記ウェル内に位置する、実施形態179から207までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0345】
209. 前記複数個の3次元ネットワークは、異なる種のプローブ分子を含む3次元ネットワークを2個以上含む、実施形態179から208までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0346】
210. 前記複数個の3次元ネットワークは、同一の種のプローブ分子を含む3次元ネットワークを2個以上含む、実施形態179から209までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0347】
211. 大部分の3次元ネットワークが同一の種のプローブ分子を含むか、またはすべての3次元ネットワークが同一の種のプローブ分子を含む、実施形態179から210までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0348】
212. 前記複数個の3次元ネットワークは、標識した対照プローブ分子を含む3次元ネットワークを1個または複数個含む、実施形態179から211までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0349】
213. 前記標識した対照プローブ分子は、蛍光標識済みである、実施形態212記載のアレイ。
【0350】
214. 前記少なくとも1つの対照プローブ分子は、空間的対照である、実施形態212または213記載のアレイ。
【0351】
215. 再使用可能である、実施形態179から214までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0352】
216. 少なくとも5回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0353】
217. 少なくとも10回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0354】
218. 少なくとも20回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0355】
219. 少なくとも30回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0356】
220. 少なくとも40回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0357】
221. 少なくとも50回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0358】
222. 少なくとも60回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0359】
223. 少なくとも70回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0360】
224. 少なくとも80回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0361】
225. 少なくとも90回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0362】
226. 少なくとも100回再使用可能である、実施形態215記載のアレイ。
【0363】
227. 少なくとも1つの3次元ネットワークは、再使用可能な対照である、実施形態215から226までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0364】
228. 前記再使用可能な対照は、蛍光標識したプローブを含む、実施形態227記載のアレイ。
【0365】
229. 前記再使用可能な対照も、空間的対照である、実施形態228記載のアレイ。
【0366】
230. 表面と内部とを有するとともに(a)架橋ポリマーと(b)1本または複数本のチャネルとを含む3次元ネットワークの製造方法であって、
(a) (i)塩水溶液と(ii)ポリマーと(iii)架橋剤とを含むとともに適宜基材の表面上に配置した混合物を塩結晶形成条件に曝露させて、塩結晶を1つまたは複数含む混合物を形成させるステップと、
(b) 前記塩結晶を1つまたは複数含む混合物を架橋条件に曝露させて、塩結晶を1つまたは複数含む架橋ポリマーネットワークを形成させるステップと、
(c) 前記塩結晶を1つまたは複数含む架橋ポリマーネットワークを、前記1つまたは複数の塩結晶を溶解させ得る溶媒と接触させることにより前記塩結晶を溶解させて、前記塩結晶の代わりに1本または複数本のチャネルを形成させ、それによって架橋ポリマーと1本または複数本のチャネルとを含む3次元ネットワークを形成させるステップと
を含む方法。
【0367】
231. 前記塩形成条件は、1つまたは複数の針状結晶を形成させることを含む、実施形態230記載の方法。
【0368】
232. 前記1本または複数本のチャネルのうちの少なくとも1本は、実施形態2から51までのいずれか1つに記載のネットワークのチャネルの特性を有する、実施形態230または231記載の方法。
【0369】
233. 表面と内部とを有するとともに(a)架橋ポリマーと(b)複数本のチャネルとを含む3次元ネットワークを生成させる、実施形態230または231記載の方法。
【0370】
234. 前記複数本のチャネルは、実施形態53から112までのいずれか1つに記載のネットワークの複数本のチャネルの特性を有する、実施形態233記載の方法。
【0371】
235. 前記塩形成条件は、前記混合物を脱水することを含む、実施形態230から234までのいずれか1つに記載の方法。
【0372】
236. 前記混合物の加熱、真空への前記混合物の曝露、前記混合物を取り囲む雰囲気の湿度の低下またはそれらの組合せによって前記混合物を脱水することを含む、実施形態235記載の方法。
【0373】
237. 真空への前記混合物の曝露によって前記混合物を脱水することを含む、実施形態236記載の方法。
【0374】
238. 前記混合物の加熱によって前記混合物を脱水することを含む、実施形態236記載の方法。
【0375】
239. 前記混合物の加熱は、前記混合物の温度よりも高い温度を有するガスと前記混合物とを接触させることを含む、実施形態238記載の方法。
【0376】
240. 前記塩形成条件は、前記混合物が前記塩の過飽和状態になるまで前記混合物を冷却することを含む、実施形態230から234までのいずれか1つに記載の方法。
【0377】
241. 前記混合物の温度よりも低い温度を有するガスと前記混合物とを接触させることにより前記混合物を冷却することを含む、実施形態240記載の方法。
【0378】
242. ステップ(a)の間の前記混合物の温度を、前記混合物を取り囲む雰囲気の露点を上回るように保つ、実施形態230から241までのいずれか1つに記載の方法。
【0379】
243. 前記架橋剤を紫外(UV)光によって活性化させ、かつ前記架橋条件は、前記混合物を紫外光に曝露させることを含む、実施形態230から242までのいずれか1つに記載の方法。
【0380】
244. 前記架橋剤を可視光によって活性化させ、かつ前記架橋条件は、前記混合物を可視光に曝露させることを含む、実施形態230から242までのいずれか1つに記載の方法。
【0381】
245. 前記架橋剤を熱により活性化させ、かつ前記架橋条件は、前記混合物を熱に曝露させることを含む、実施形態230から242までのいずれか1つに記載の方法。
【0382】
246. 前記塩水溶液は、1価のカチオンを含む、実施形態230から245までのいずれか1つに記載の方法。
【0383】
247. 前記1価のカチオンは、Na+および/またはK+を含み、好ましくは前記1価のカチオンは、Na+およびK+を含む、実施形態246記載の方法。
【0384】
248. 前記塩水溶液は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムまたはそれらの組合せを水または水溶液に溶解させることを含む方法によって生成された溶液を含む、実施形態247記載の方法。
【0385】
249. 前記ポリマーは、水溶性ポリマーである、実施形態230から248までのいずれか1つに記載の方法。
【0386】
250. 前記ポリマーは、ホモポリマーを含む、実施形態230から249までのいずれか1つに記載の方法。
【0387】
251. 前記ポリマーは、コポリマーを含む、実施形態230から249までのいずれか1つに記載の方法。
【0388】
252. 前記ポリマーは、ホモポリマーとコポリマーとの混合物を含む、実施形態230から249までのいずれか1つに記載の方法。
【0389】
253. 前記ポリマーは、1種または複数種のモノマーを重合させたポリマーを含む、実施形態249から252までのいずれか1つに記載の方法。
【0390】
254. 各モノマー種は、アクリレート基、メタクリレート基、エタクリレート基、2-フェニルアクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、イタコネート基およびスチレン基から独立して選択された重合性基を含む、実施形態253記載の方法。
【0391】
255. 前記ポリマー中の少なくとも1つのモノマー種は、メタクリレート基を含む、実施形態254記載の方法。
【0392】
256. 前記メタクリレート基を含む少なくとも1つのモノマー種は、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)である、実施形態255記載の方法。
【0393】
257. 前記ポリマーは、ジメチルアクリルアミド(DMAA)と、メタクリロイルオキシベンゾフェノン(MABP)と、4-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SSNa)とを重合させたポリマーを含む、実施形態253記載の方法。
【0394】
258. 前記ポリマーは、架橋剤を含むコポリマーである、実施形態230から257までのいずれか1つに記載の方法。
【0395】
259. 前記ポリマーは、ポリマー1分子あたり少なくとも2つの架橋剤を含む、実施形態258記載の方法。
【0396】
260. 前記架橋剤は、ベンゾフェノン、チオキサントン、ベンゾインエーテル、エチルエオシン、エオシンY、ローズベンガル、カンファーキノン、エリチロシン、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩および過酸化ベンゾイルから選択される、実施形態230から259までのいずれか1つに記載の方法。
【0397】
261. 前記架橋剤は、ベンゾフェノンである、実施形態260記載の方法。
【0398】
262. 前記溶媒は、水または水性緩衝液である、実施形態230から261までのいずれか1つに記載の方法。
【0399】
263. 前記溶媒は、水である、実施形態262記載の方法。
【0400】
264. 前記溶媒は、水性緩衝液である、実施形態262記載の方法。
【0401】
265. 前記水性緩衝液は、リン酸塩、メタノール、エタノール、プロパノールまたはそれらの混合物を含む、実施形態264記載の方法。
【0402】
266. 前記ステップ(a)の混合物はさらに、プローブ分子を含む、実施形態230から265までのいずれか1つに記載の方法。
【0403】
267. 前記プローブ分子の少なくともいくつか、大部分またはすべてが、核酸、核酸誘導体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、細胞、リガンドまたはそれらの組合せを含む、実施形態266記載の方法。
【0404】
268. 前記プローブ分子の少なくともいくつかは、核酸または核酸誘導体を含む、実施形態267記載の方法。
【0405】
269. 前記プローブ分子の少なくとも大部分が、核酸または核酸誘導体を含む、実施形態267記載の方法。
【0406】
270. 前記プローブ分子のすべてが、核酸または核酸誘導体を含む、実施形態267記載の方法。
【0407】
271. 前記プローブ分子の少なくともいくつか、大部分またはすべてが、抗体、抗体フラグメント、抗原、エピトープ、酵素、酵素基質、酵素阻害剤、核酸またはそれらの組合せを含む、実施形態266記載の方法。
【0408】
272. 前記プローブ分子の少なくともいくつかは、核酸を含む、実施形態271記載の方法。
【0409】
273. 前記プローブ分子の少なくとも大部分が、核酸を含む、実施形態271記載の方法。
【0410】
274. 前記プローブ分子のすべてが、核酸を含む、実施形態271記載の方法。
【0411】
275. 前記核酸は、オリゴヌクレオチドである、実施形態272から274までのいずれか1つに記載の方法。
【0412】
276. 前記オリゴヌクレオチドは、12~30のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0413】
277. 前記オリゴヌクレオチドは、14~30のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0414】
278. 前記オリゴヌクレオチドは、14~25のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0415】
279. 前記オリゴヌクレオチドは、14~20のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0416】
280. 前記オリゴヌクレオチドは、15~30のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0417】
281. 前記オリゴヌクレオチドは、15~25のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0418】
282. 前記オリゴヌクレオチドは、15~20のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0419】
283. 前記オリゴヌクレオチドは、16~30のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0420】
284. 前記オリゴヌクレオチドは、16~25のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0421】
285. 前記オリゴヌクレオチドは、16~20のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0422】
286. 前記オリゴヌクレオチドは、15~40のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0423】
287. 前記オリゴヌクレオチドは、15~45のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0424】
288. 前記オリゴヌクレオチドは、15~50のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0425】
289. 前記オリゴヌクレオチドは、15~60のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0426】
290. 前記オリゴヌクレオチドは、20~55のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0427】
291. 前記オリゴヌクレオチドは、18~60のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0428】
292. 前記オリゴヌクレオチドは、20~50のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0429】
293. 前記オリゴヌクレオチドは、30~90のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0430】
294. 前記オリゴヌクレオチドは、20~100のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0431】
295. 前記オリゴヌクレオチドは、20~120のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0432】
296. 前記オリゴヌクレオチドは、20~40のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0433】
297. 前記オリゴヌクレオチドは、20~60のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0434】
298. 前記オリゴヌクレオチドは、40~80のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0435】
299. 前記オリゴヌクレオチドは、40~100のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0436】
300. 前記オリゴヌクレオチドは、40~60のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0437】
301. 前記オリゴヌクレオチドは、60~80のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0438】
302. 前記オリゴヌクレオチドは、80~100のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0439】
303. 前記オリゴヌクレオチドは、100~120のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0440】
304. 前記オリゴヌクレオチドは、12~150のヌクレオチド長である、実施形態275記載の方法。
【0441】
305. ステップ(a)の前に、前記混合物を基材表面に施与するステップをさらに含む、実施形態230から304までのいずれか1つに記載の方法。
【0442】
306. 前記混合物を、100pl~5nlの体積で施与する、実施形態305記載の方法。
【0443】
307. 前記混合物を、100pl~1nlの体積で施与する、実施形態305記載の方法。
【0444】
308. 前記混合物を、200pl~1nlの体積で施与する、実施形態305記載の方法。
【0445】
309. 前記混合物を基材表面に施与するステップは、前記混合物を前記基材表面に吹き付けることを含む、実施形態305から308までのいずれか1つに記載の方法。
【0446】
310. 前記混合物を、インクジェットプリンタによって吹き付ける、実施形態309記載の方法。
【0447】
311. 前記基材は、有機ポリマーを含むか、または表面上に有機分子の自己組織化単分子膜を有する無機材料を含む、実施形態305から310までのいずれか1つに記載の方法。
【0448】
312. 前記基材は、有機ポリマーを含む、実施形態311記載の方法。
【0449】
313. 前記有機ポリマーは、シクロオレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルメタクリレートから選択される、実施形態312記載の方法。
【0450】
314. 前記基材は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンまたはシクロオレフィンコポリマーを含む、実施形態313記載の方法。
【0451】
315. 前記基材は、表面上にアルキルシラン自己組織化単分子膜を有する無機材料を含む、実施形態311記載の方法。
【0452】
316. 前記基材は、マイクロウェルプレートを含む、実施形態305から315までのいずれか1つに記載の方法。
【0453】
317. ステップ(b)で前記ポリマーを前記表面と架橋させる、実施形態305から316までのいずれか1つに記載の方法。
【0454】
318. 水膨潤性ポリマーを生成させ、これを前記表面と架橋させる、実施形態317記載の方法。
【0455】
319. 前記水膨潤性ポリマーは、自重の50倍までの脱イオン蒸留水を吸収することができる、実施形態318記載の方法。
【0456】
320. 前記水膨潤性ポリマーは、自己体積の5~50倍の脱イオン蒸留水を吸収することができる、実施形態318または319記載の方法。
【0457】
321. 前記水膨潤性ポリマーは、自重の30倍までの生理食塩水を吸収することができる、実施形態318から320までのいずれか1つに記載の方法。
【0458】
322. 前記水膨潤性ポリマーは、自己体積の4~30倍の生理食塩水を吸収することができる、実施形態318から321までのいずれか1つに記載の方法。
【0459】
323. アレイの製造方法であって、実施形態230から322までのいずれか1つに記載の方法によって、同一の基材の表面上の別個の各スポットで複数個の3次元ネットワークを生成させることを含む方法。
【0460】
324. 前記複数個の3次元ネットワークを、同時に生成させる、実施形態323記載の方法。
【0461】
325. 前記複数個の3次元ネットワークを、逐次的に生成させる、実施形態323記載の方法。
【0462】
326. 前記複数個の3次元ネットワークを前記基材表面と架橋させることをさらに含む、実施形態323から325までのいずれか1つに記載の方法。
【0463】
327. アレイの製造方法であって、(a)実施形態1から178までのいずれか1つに記載の、または(b)実施形態230から322までのいずれか1つに記載の方法により製造されたもしくは得ることができる複数個の3次元ネットワークを、前記同一の基材の表面上の別個の各スポットに配置することを含む方法。
【0464】
328. 前記複数個の3次元ネットワークを前記表面と架橋させることをさらに含む、実施形態323から327までのいずれか1つに記載の方法。
【0465】
329. アレイの製造方法であって、実施形態305から322までのいずれか1つに記載の方法により製造されたまたは得ることができる複数個の3次元ネットワークを、前記同一の基材の表面上の別個の各スポットに配置することを含む方法。
【0466】
330. 前記配置は、前記3次元ネットワークを形成させる前記混合物を前記別個の各スポットに施与することを含む、実施形態329記載の方法。
【0467】
331. 前記各スポットを、各列および/または各行に配置する、実施形態323から330までのいずれか1つに記載の方法。
【0468】
332. 実施形態230から322までのいずれか1つに記載の方法により製造されたまたは得ることができる、3次元ネットワーク。
【0469】
333. 基材上に実施形態332に記載の3次元ネットワークを複数個含む、アレイ。
【0470】
334. 実施形態323から331までのいずれか1つに記載の方法により製造されたまたは得ることができる、アレイ。
【0471】
335. 少なくとも8個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0472】
336. 少なくとも16個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0473】
337. 少なくとも24個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0474】
338. 少なくとも48個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0475】
339. 少なくとも96個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0476】
340. 少なくとも128個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0477】
341. 少なくとも256個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0478】
342. 少なくとも512個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0479】
343. 少なくとも1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0480】
344. 24個~8192個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0481】
345. 24個~4096個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0482】
346. 24個~2048個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0483】
347. 24個~1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0484】
348. 24個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0485】
349. 48個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0486】
350. 96個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0487】
351. 128個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0488】
352. 256個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0489】
353. 512個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0490】
354. 1024個の3次元ネットワークを含む、実施形態333または334に記載のアレイ。
【0491】
355. 前記3次元ネットワークは、プローブ分子を含み、2つ以上の3次元ネットワークが、異なる種のプローブ分子を含む、実施形態333から354までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0492】
356. 前記3次元ネットワークは、プローブ分子を含み、2つ以上の3次元ネットワークが、同一の種のプローブ分子を含む、実施形態333から355までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0493】
357. 前記3次元ネットワークは、プローブ分子を含み、前記3次元ネットワークはそれぞれ、同一の種のプローブ分子を含む、実施形態333から354までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0494】
358. 前記複数個の3次元ネットワークは、標識した対照プローブ分子を含む3次元ネットワークを1個または複数個含む、実施形態333から357までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0495】
359. 前記標識した対照プローブ分子は、蛍光標識済みである、実施形態358記載のアレイ。
【0496】
360. 前記基材は、マイクロウェルプレートを含み、前記マイクロウェルプレートの各ウェルは、単一の3次元ネットワークのみを含む、実施形態333から359までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0497】
361. 1つのサンプル中に1種の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記検体に結合し得るプローブ分子を含む、実施形態1から178までもしくは実施形態332のいずれか1つに記載の3次元ネットワークまたは実施形態179から229までもしくは実施形態333から360までのいずれか1つに記載のアレイを、前記サンプルと接触させることと、
(b) 前記3次元ネットワークまたはアレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記1つのサンプル中に前記1種の検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法。
【0498】
362. ステップ(a)とステップ(b)との間で、前記プローブ分子を含むネットワークまたはアレイを洗浄することをさらに含む、実施形態361記載の方法。
【0499】
363. ステップ(a)の前に、前記プローブ分子を含むネットワークまたはアレイをブロッキング試薬と接触させることをさらに含む、実施形態361または362記載の方法。
【0500】
364. 前記プローブ分子を含む3次元ネットワークまたはアレイに結合した検体を定量することをさらに含む、実施形態361から363までのいずれか1つに記載の方法。
【0501】
365. 複数のサンプルにおける各サンプル中に1種の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記検体に結合し得るプローブ分子を含む、実施形態179から229までまたは実施形態333から360までのいずれか1つに記載のアレイを、前記サンプルと接触させることと、
(b) 前記アレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記複数のサンプルにおける各サンプル中に前記1種の検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法。
【0502】
366. 複数のサンプルにおける各サンプル中に1種の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記検体に結合し得るプローブ分子と対照プローブ分子とを含む、実施形態179から229までまたは実施形態333から360までのいずれか1つに記載のアレイを、前記サンプルと接触させ、その際、前記アレイは、ステップ(a)の前にすでに使用されかつ洗浄されていることと、
(b) 前記アレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記複数のサンプルにおける各サンプル中に前記1種の検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法。
【0503】
367. 1つのサンプル中に2種以上の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記異なる種の検体に結合し得る異なる種のプローブ分子を含む、実施形態179から229までまたは実施形態333から360までのいずれか1つに記載のアレイを、前記サンプルと接触させることと、
(b) 前記アレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記1つのサンプル中に2種以上の検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法。
【0504】
368. 1つのサンプル中に2種以上の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記異なる種の検体に結合し得る異なる種のプローブ分子と対照プローブ分子とを含む、実施形態179から229までまたは実施形態333から360までのいずれか1つに記載のアレイを、前記サンプルと接触させ、その際、前記アレイは、ステップ(a)の前にすでに使用されかつ洗浄されていることと、
(b) 前記アレイにおける前記プローブ分子への前記検体の結合を検出することにより、前記1つのサンプル中に前記2種以上の検体が存在するか否かを判定することと
を含む方法。
【0505】
369.
(a) 前記アレイの基材は、マイクロウェルプレートを含み、
(b) 前記マイクロウェルプレートの各ウェルは、単一の3次元ネットワークのみを含み、かつ
(c) 前記アレイと前記サンプルとの接触は、各ウェルを単一のサンプルのみと接触させることを含む、実施形態365から368までのいずれか1つに記載の方法。
【0506】
370. ステップ(a)とステップ(b)との間で、前記プローブ分子を含むアレイを洗浄することをさらに含む、実施形態365から369までのいずれか1つに記載の方法。
【0507】
371. ステップ(a)の前に、前記プローブ分子を含むアレイをブロッキング試薬と接触させることをさらに含む、実施形態365から370までのいずれか1つに記載の方法。
【0508】
372. 前記アレイに結合した1種または複数種の検体を定量することをさらに含む、実施形態365から371までのいずれか1つに記載の方法。
【0509】
373. 前記アレイを再使用することをさらに含む、実施形態361から372までのいずれか1つに記載の方法。
【0510】
374. 前記アレイを少なくとも5回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0511】
375. 前記アレイを少なくとも10回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0512】
376. 前記アレイを少なくとも20回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0513】
377. 前記アレイを少なくとも30回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0514】
378. 前記アレイを少なくとも40回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0515】
379. 前記アレイを少なくとも50回再使用する、実施形態373記載の方法。
【0516】
380. 前記アレイを5~20回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0517】
381. 前記アレイを5~30回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0518】
382. 前記アレイを10~50回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0519】
383. 前記アレイを10~20回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0520】
384. 前記アレイを10~30回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0521】
385. 前記アレイを20~40回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0522】
386. 前記アレイを40~50回再使用することを含む、実施形態374記載の方法。
【0523】
387. 前記アレイを再使用の間に洗浄することを含む、実施形態373から386までのいずれか1つに記載の方法。
【0524】
388. 前記アレイを変性条件下で洗浄する、実施形態387記載の方法。
【0525】
389. 前記変性条件は、前記アレイを熱に曝露させることを含む、実施形態388記載の方法。
【0526】
390. 前記変性条件は、前記アレイを低濃度の塩に曝露させることを含む、実施形態388記載の方法。
【0527】
391. 前記変性条件は、前記アレイを熱および低濃度の塩の双方に曝露させることを含む、実施形態388記載の方法。
【0528】
392. 再使用前に前記変性条件を解消する、実施形態388記載の方法。
【0529】
393. 前記変性条件は、前記アレイを熱に曝露させて、再使用前に温度を下げることを含む、実施形態392記載の方法。
【0530】
394. 前記変性条件は、前記アレイを低濃度の塩に曝露させて、再使用前に前記塩濃度を高めることを含む、実施形態392記載の方法。
【0531】
395. 前記変性条件は、前記アレイを熱および低濃度の塩の双方に曝露させて、再使用前に温度を下げて塩濃度を高めることを含む、実施形態392記載の方法。
【0532】
396. 前記アレイは、蛍光標識したオリゴヌクレオチドを再使用可能な対照として含む3次元ネットワークを少なくとも1つ含む、実施形態373から395までのいずれか1つに記載の方法。
【0533】
397. 蛍光シグナル強度を試験することを含む、実施形態396記載の方法。
【0534】
398. 前記再使用可能な対照は、10回の使用後にその初期蛍光シグナル強度の少なくとも70%を保っている、実施形態397記載の方法。
【0535】
399. 前記再使用可能な対照は、20回の使用後にそのシグナル強度の少なくとも50%を保っている、実施形態398記載の方法。
【0536】
400. 前記再使用可能な対照がそのシグナル強度の50%超を失った以後は、前記アレイをそれ以上再使用しない、実施形態396から399までのいずれか1つに記載の方法。
【0537】
401. 前記検体は、核酸である、実施形態361から400までのいずれか1つに記載の方法。
【0538】
402. 前記核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アンプリコンである、実施形態401記載の方法。
【0539】
403. 前記PCRアンプリコンは、生体サンプルまたは環境サンプルから増幅されたものである、実施形態401記載の方法。
【0540】
404. 前記PCRアンプリコンは、生体サンプルから増幅されたものである、実施形態403記載の方法。
【0541】
405. 前記PCRアンプリコンは、環境サンプルから増幅されたものである、実施形態403記載の方法。
【0542】
406. 前記生体サンプルは、血液、血清、血漿、組織、細胞、唾液、痰、尿、脳脊髄液、胸膜液、乳汁、涙液、便、汗、精液、全細胞、細胞成分、細胞塗抹標本またはそれらの抽出物もしくは誘導体である、実施形態404記載の方法。
【0543】
407. 前記生体サンプルは、哺乳動物の血液、血清もしくは血漿またはそれらの抽出物である、実施形態406の方法。
【0544】
408. 前記生体サンプルは、ヒトまたはウシの血液、血清もしくは血漿またはそれらの抽出物である、実施形態407記載の方法。
【0545】
409. 前記生体サンプルは、乳汁またはその抽出物である、実施形態406記載の方法。
【0546】
410. 前記生体サンプルは、牛乳またはその抽出物である、実施形態409記載の方法。
【0547】
411. 前記核酸は、標識済みである、実施形態401から410までのいずれか1つに記載の方法。
【0548】
412. 前記核酸は、蛍光標識済みである、実施形態411記載の方法。
【0549】
413. 表面(16)と内部とを有する3次元ネットワーク(15)であって、前記3次元ネットワーク(15)は、
(a) 基材の表面(2)に共有結合した架橋ポリマー(3)と、
(b) 1本または複数本のチャネル(13)と
を含むとともに、適宜
(c) 前記ネットワーク(15)に固定化されたプローブ分子(1)
を含み、
(i) プローブ分子(1)は、前記ネットワーク(15)に共有結合しており、かつ/または
(ii) 大部分のプローブ分子(1)は、前記ネットワーク(15)の内部に固定化されており、かつ/または
(iii) 大部分のプローブ分子(1)は、チャネル(13)に隣接している、3次元ネットワーク(15)。
【0550】
414. 前記チャネル(13)のうちの少なくとも1本または少なくとも大部分が、以下の特性:
(a) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)の前記表面(16)から5ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在するか、または前記ネットワーク(15)の前記表面(16)上のある1つの地点から内部へと延在する;
(b) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)の最大寸法の少なくとも10%または少なくとも20%の長さを有する;および
(c) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)のメッシュサイズの少なくとも5倍または少なくとも15倍の最小断面を有する;
のうちの1つ、2つまたは3つによって特徴付けられる、実施形態413記載の3次元ネットワーク(15)。
【0551】
415. 前記チャネル(13)のうちの少なくとも1本または少なくとも大部分が、
(a) 前記ネットワーク(15)の最大寸法の10%~40%または15%~25%の長さを有し、かつ/または
(b) 前記ネットワーク(15)のメッシュサイズの5~10倍または10~25倍の最小断面を有する、
実施形態414記載の3次元ネットワーク(15)。
【0552】
416. 前記3次元ネットワーク(15)は、少なくとも5本のチャネル(13)、少なくとも10本のチャネル(13)または少なくとも15本のチャネル(13)を含み、適宜、複数のチャネル(13)が、前記ネットワーク(15)の内部のある1つの地点で収束しており、その結果、前記ネットワーク(15)の前記表面(16)から前記内部の前記地点に向かって各チャネル(13)間の横方向の間隔が減少し、適宜、各チャネル(13)は独立して、以下の特性:
(a) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)の前記表面(16)から10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、1ミクロン未満のある1つの地点から内部へと延在するか、または前記ネットワーク(15)の前記表面(16)上のある1つの地点から内部へと延在する;
(b) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)の最大寸法の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%または少なくとも25%の長さを有する;および/または
(c) 前記チャネル(13)は、前記ネットワーク(15)のメッシュサイズの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍または少なくとも20倍の最小断面を有する;
のうちの1つ、2つまたは3つによって特徴付けられる、実施形態413から415までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク(15)。
【0553】
417. 前記ネットワーク(15)は、その含水状態で5~75nmまたは10~50nmのメッシュサイズを有する、実施形態413から416までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク(15)。
【0554】
418. 基材上に実施形態413から417までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク(15)を複数個含むアレイであって、適宜、(a)前記3次元ネットワーク(15)は、前記基材に固定化されており、かつ/または(b)前記3次元ネットワーク(15)はそれぞれ、前記基材上の別個のスポット(7)に位置する、アレイ。
【0555】
419. 少なくとも8個または少なくとも48個の3次元ネットワーク(15)を含む実施形態418記載のアレイであって、適宜、前記アレイ上の3次元ネットワーク(15)の数は、24~1024の範囲にある、アレイ。
【0556】
420. 前記複数個の3次元ネットワーク(15)は、標識した対照プローブ分子(1)を含む3次元ネットワーク(15)を1個または複数個含み、適宜、前記標識した対照プローブ分子(1)は、蛍光標識済みである、実施形態418または419記載のアレイ。
【0557】
421. 再使用可能であって、適宜少なくとも10回再使用可能である、実施形態418から420までのいずれか1つに記載のアレイ。
【0558】
422. 実施形態413から417までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク(15)の製造方法であって、
(a) 前記基材の表面(2)上に配置した混合物(5)を針状結晶形成条件に曝露させて、針状塩結晶(8)を1つまたは複数含む混合物(5)を形成させ、ここで、前記混合物(5)は、
(i) 塩水溶液であって、適宜、1価のカチオン塩溶液である塩水溶液と、
(ii) ポリマーと、
(iii) 架橋剤と
を含むものとするステップと、
(b) 前記塩結晶(8)を1つまたは複数含む混合物(5)を架橋条件に曝露させて、針状塩結晶(8)を1つまたは複数含む架橋ポリマーネットワーク(15)を形成させるステップと、
(c) 前記塩結晶(8)を1つまたは複数含む架橋ポリマーネットワーク(15)を、前記1つまたは複数の塩結晶(8)を溶解させ得る溶媒と接触させることにより前記針状塩結晶(8)を溶解させて、前記塩結晶(8)の代わりに1本または複数本のチャネル(13)を形成させるステップと
を含む方法。
【0559】
423. (a) 前記針状結晶塩形成条件は、
(i) 前記混合物(5)を、適宜、前記混合物(5)の(適宜、前記混合物(5)の温度よりも高い温度を有するガスと前記混合物(5)との接触による)加熱、真空への前記混合物(5)の曝露および/もしくは前記混合物(5)を取り囲む雰囲気の湿度の低下によって脱水すること;もしくは
(ii) 前記混合物(5)を、適宜、前記混合物(5)の温度よりも低い温度を有するガスと前記混合物(5)との接触によって冷却すること;
を含み、かつ/または
(b) 前記溶媒は、水性緩衝液であり、前記緩衝液は、適宜、リン酸塩、メタノール、エタノール、プロパノールまたはそれらの混合物を含む、実施形態422記載の方法。
【0560】
424. 前記ステップ(a)の混合物(5)はさらに、プローブ分子(1)を含む、実施形態422または423記載の方法。
【0561】
425. ステップ(a)の前に、前記混合物(5)を基材の表面(2)に、適宜100pl~5nlの体積で、100pl~1nlの体積でまたは500pl~2nlの体積で施与するステップをさらに含む、実施形態422から424までのいずれか1つに記載の方法。
【0562】
426. アレイの製造方法であって、
(a) 実施形態422から425までのいずれか1つに記載の方法によって、前記同一の前記基材の表面(2)上の別個の各スポット(7)で複数個の3次元ネットワーク(15)を生成させることと、
(b) 前記複数個の3次元ネットワーク(15)を前記基材の表面(2)と架橋させることと
を含む方法。
【0563】
427. 1つのサンプル中に1種の検体が存在するか否かを判定する方法であって、
(a) 前記検体に結合し得るプローブ分子(1)を含む実施形態413から417までのいずれか1つに記載の3次元ネットワーク(15)を前記サンプルと接触させ、ここで、適宜、前記3次元ネットワーク(15)は、実施形態418から421までのいずれか1つに記載のアレイ上に位置することと、
(b) 前記3次元ネットワーク(15)またはアレイにおける前記プローブ分子(1)への前記検体の結合を検出し、かつ適宜これを定量することにより、前記1つのサンプル中に前記1種の検体が存在するか否かを判定し、かつ適宜前記検体を定量することと
を含む方法。
【0564】
428. (a) 前記ネットワーク(15)もしくはアレイは、ステップ(a)の前にすでに適宜少なくとも10回、少なくとも20回もしくは少なくとも50回使用および洗浄されており、かつ/または
(b) 前記方法は、前記ネットワーク(15)もしくはアレイを、ステップ(b)の後に、適宜少なくとも10回、少なくとも20回もしくは少なくとも50回再使用することをさらに含む、実施形態427記載の方法。
【0565】
429. 前記検体は、核酸であり、適宜、前記核酸は、蛍光標識したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アンプリコンである、実施形態427または428記載の方法。
【0566】
様々な特定の実施形態を例示して説明したが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更を加えてよいものと理解されたい。
【0567】
10. 参照の引用
本出願に引用される刊行物、特許、特許出願およびその他の文献はいずれも、個々の各刊行物、特許、特許出願またはその他の文献があらゆる目的で援用されるために個々に示されるのと同程度までそれらの内容全体があらゆる目的で援用される。本明細書に援用される1つまたは複数の参考文献の教示と本開示との間に矛盾が生じる場合には、本明細書の教示が意図される。