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  • 特許-実験室用分析装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】実験室用分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G01N35/00 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204279
(22)【出願日】2021-12-16
(65)【公開番号】P2022096643
(43)【公開日】2022-06-29
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】20215126.2
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー クナート
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/041216(WO,A1)
【文献】特表2022-544833(JP,A)
【文献】特開2018-029948(JP,A)
【文献】国際公開第2017/007492(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G10N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの分析機器(114)を少なくとも部分的に囲むハウジング(120)と、
少なくとも1つの表示装置(126)であって、前記表示装置(126)が少なくとも1つのスクリーン(128)を備え、前記スクリーン(128)が部分的に透明且つ反射性であり、前記スクリーン(128)が前記ハウジング(120)に一体化され、前記表示装置(126)が、スクリーン情報が前記ハウジング(120)のうち、前記スクリーンが設けられた部分における外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、前記スクリーン(128)上に前記スクリーン情報を表示するように構成されている、少なくとも1つの表示装置(126)と、
を備える、実験室用分析装置(110)。
【請求項2】
前記表示装置(126)が、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置(130)および/または少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備える、請求項1に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項3】
前記スクリーン(128)が、前記少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置(130)の投影スクリーンであり、前記ヘッドアップディスプレイ装置(130)が、前記スクリーン情報を生成して前記投影スクリーンに提供するように構成された少なくとも1つのイメージングユニット(132)を備える、請求項2に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項4】
前記イメージングユニット(132)が、前記投影スクリーン上に前記スクリーン情報を投影するように構成された少なくとも1つのプロジェクタを備える、請求項3に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項5】
前記プロジェクタが、前記ハウジング(120)の内部に配置され、前記プロジェクタが、前記スクリーン情報が前記ハウジング(120)の外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、前記スクリーン情報を前記投影スクリーンに投影するように構成されている、請求項4に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項6】
前記ハウジング(120)がフロントドア(124)を備え、前記スクリーン(128)が前記フロントドア(124)に少なくとも部分的に一体化されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項7】
前記スクリーン情報が、前記実験室用分析装置(110)の操作パネルおよび/またはコントローラメニューを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項8】
前記スクリーン(128)が、ヒューマンマシンインターフェースを提供するように構成された少なくとも1つの対話面(134)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項9】
前記対話面(134)が少なくとも1つのタッチスクリーンを備える、請求項8に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項10】
前記対話面(134)がジェスチャ認識用に構成されている、請求項8または9に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項11】
前記実験室用分析装置(110)が、前記スクリーン情報を提供するように構成され、および/または前記スクリーン(128)を介して取得されたユーザ入力を処理するように構成された少なくとも1つの処理ユニット(138)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項12】
前記実験室用分析装置(110)が少なくとも1つの通信インターフェース(140)を備え、前記通信インターフェース(140)が、前記実験室用分析装置(110)に関連付けられた少なくとも1つの携帯装置(142)上に前記スクリーン情報を表示するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項13】
前記実験室用分析装置(110)が、前記実験室用分析装置(110)のプロセスを制御するように構成された少なくとも1つのカメラ(136)を備え、前記カメラ(136)が、さらにジェスチャ制御を検出するために使用可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)。
【請求項14】
スクリーン情報を実験室用分析装置(110)のハウジング(120)上に表示するための方法であって、請求項1から13のいずれか一項に記載の実験室用分析装置(110)が使用され、前記実験室用分析装置(110)が、少なくとも1つの分析機器(114)を少なくとも部分的に囲むハウジング(120)を備え、前記方法が、前記実験室用分析装置(110)の少なくとも1つの表示装置(126)に前記スクリーン情報を表示することを含み、前記表示装置(126)が少なくとも1つのスクリーン(128)を備え、前記スクリーン(128)が少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性であり、前記スクリーン(128)が前記ハウジング(120)に一体化され、前記スクリーン情報が前記ハウジング(120)のうち、前記スクリーンが設けられた部分における外部から視認可能および/または読み取り可能である、方法。
【請求項15】
前記方法がコンピュータ実装される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実験室用分析装置および実験室用分析装置のハウジング上にスクリーン情報を表示するための方法に関する。本方法および装置は、特にインビトロ診断(IVD)のために、医学または化学実験室の分野において特に使用されることができる。しかしながら、本発明の他の応用分野が可能である。
【背景技術】
【0002】
体外診断検査は臨床決定に大きな影響を与え、医師に重要な情報を提供する。特に、救命救急環境下において迅速且つ正確な検査結果を提供することに大きな重点が置かれている。体外診断検査は、通常、分析前機器、分析後機器および分析機器など、1つ以上の生物学的試料および/または1つ以上の試薬に対して1つ以上の処理ステップまたはワークフローステップを実行するように動作可能な機器を使用して行われる。
【0003】
分析機器または分析装置は、測定値を取得するように構成される。分析装置は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的または他の技術的手順を介して、試料またはその成分のパラメータ値を判定するように動作可能である。分析装置は、試料または少なくとも1つの分析物の前記パラメータを測定し、得られた測定値を返すように動作可能とすることができる。分析装置によって返される可能性のある分析結果のリストは、限定されないが、試料中の分析物の濃度、試料中の分析物の存在(検出レベルを超える濃度に対応)、光学パラメータ、DNAまたはRNA配列、タンパク質または代謝産物の質量分析から得られたデータ、および様々なタイプの物理的または化学的パラメータを示すデジタル(はいまたはいいえ)結果を含む。分析機器は、試料および/または試薬のピペット操作、投与、および混合を支援するユニットを備えることができる。
【0004】
分析機器は、分析を実施するための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備えることができる。試薬は、例えば、個々の試薬または試薬のグループを含む容器、入れ物またはカセットの形態で配置されることができ、貯蔵区画またはコンベヤ内の適切な容器または位置に配置されることができる。それは、消耗品供給ユニットを備えることができる。分析機器は、ワークフローが特定のタイプの分析用に最適化されたプロセスおよび検出システムを備えることができる。そのような分析機器の例は、化学的もしくは生物学的反応の結果を検出するため、または、化学的もしくは生物学的反応の進行を監視するために使用される臨床化学分析装置、凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置、核酸分析装置である。
【0005】
医療または化学実験室、特にIVDなどの臨床分析装置の分野では、現在、各機器は、外部ディスプレイまたはモニタを必要とする。しかしながら、これは、装置の設置面積の点で制限があるとともに、情報が表示される途中で制限があり、これは、大きなモニタを必要とするか、またはそれに応じて情報が縮小されなければならない。
【0006】
米国特許出願公開第2013/0266952号明細書は、液体を取り扱うためのユニットと、操作および/または表示ユニットとを備える、液体を取り扱うための実験装置を記載している。装置モジュールは、液体を取り扱うためのユニットと、操作および/または表示モジュールを完全にまたは部分的に備える装置モジュールから物理的に分離された操作および/または表示モジュールとを備え、装置モジュールと操作および/または表示モジュールとの間で無線通信するための手段が提供される。
【0007】
米国特許第10,648,993号明細書は、少なくとも1つの実験室試料を装置制御で取り扱うための実験装置および方法を記載している。実験装置は、少なくとも1つのハンドリング装置を備える。ハンドリングは、いくつかのプログラムパラメータ、制御装置、ユーザによって手動でデータを入力し且つ特にこれらのデータに依存することができる情報を表示するためのユーザインターフェース装置を使用して実験装置によって制御される。ユーザインターフェース装置は、表示領域が表されることができるディスプレイを備える。ユーザインターフェース装置は、ユーザによって表示領域上で実行されることができる少なくとも1つのユーザの動きを検出するように構成された動き検出センサ装置を備える。制御装置は、少なくとも1つのプログラムパラメータを選択し、および/または少なくとも1つのユーザの動きに応じてその値を定義し、少なくとも1つのユーザの動きに応じて、少なくとも1つのユーザの動きを表す少なくとも1つのグラフィカルスケッチ要素を表示領域に表示するために、動き検出入力モードを提供するように構成される。
【0008】
米国特許出願公開第2020/0049725号明細書は、単一のインターフェースに編成された複数の他のインターフェースからの集約ステータス情報を提供するために実験室用機器上に表示されるダッシュボードインターフェースを記載している。集約ステータス情報は、実験室用機器の近くのユーザによって閲覧されることができ、タッチスクリーンディスプレイを介した情報の一部の選択は、追加の情報を閲覧したり、選択された情報に関連する構成変更を行ったりするために使用されることができる後続のインターフェースに直接ナビゲートする。ダッシュボードは、装置が使用されていないときに実験室用機器上のスクリーンセーバとして使用されてもよく、または実験室用機器のアクティブユーザによってナビゲートされてもよく、またはその双方であってもよい。
【0009】
米国特許第10,506,052号明細書は、オペレータが中央コントローラとの対話を維持しながらリモートタスクを実行することを可能にするためにモバイル装置に転送されるローカルユーザインターフェースのセッション状態を記載している。セッション状態は、ローカルユーザインターフェースまたはモバイルコンピューティング装置によって提供される表示を使用して、中央コントローラに対してローカルなユーザインターフェースとモバイルコンピューティング装置との間で転送されることができる。セッションは、その間でセッション状態を転送するためにローカルユーザインターフェースまたはモバイルコンピューティング装置内のセンサによって検出されるしるしによって識別される。セッション状態は、一度に1つのプラットフォームにおける入力によって提示されるまたは影響を受けることができる。制御の実行は、セッション状態対話の位置にかかわらず継続することができる。プラットフォーム間でセッション状態を転送するために使用されるしるしは、セッションの識別情報を含む鍵またはトークンの形態で提供されることができる。
【0010】
医療装置の技術分野において、米国特許出願公開第2018/0015215号明細書に記載されているように、医療装置に配置され且つ所定の表示コンテンツを医療装置のユーザにとって視認可能に提示するように構成された投影面と、医療装置に配置され且つ所定の表示コンテンツを投影面の背面側から投影面上に投影するように構成された投影装置とを含む医療装置用の表示装置が知られている。投影面および投影装置は、表示コンテンツを視野提示するヘッドアップディスプレイユニットとして構成される。
【0011】
米国特許第9,526,459号明細書は、医療装置用の視覚管理システムを記載しており、システムは、投影装置と、医療装置の使用に関連付けられたパラメータに基づいて制御信号を生成するコントローラとを備える。投影装置は、制御信号に応じて、画像が見える面上にメッセージを投影する。
【0012】
上述した方法および装置の達成にもかかわらず、臨床分析装置のいずれかにおける外部モニタまたはディスプレイの必要性を排除するための必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0013】
したがって、同様の種類の公知の方法および装置の上述した技術的課題に少なくとも部分的に対処する方法および装置を提供することが望ましい。具体的には、臨床分析装置のいずれかにおける外部モニタまたはディスプレイの必要性を排除することを可能にする方法および装置が提案されるものとする。
【0014】
この課題は、独立請求項の特徴を有する実験室用分析装置および実験室用分析装置のハウジング上にスクリーン情報を表示するための方法によって対処される。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる有利な実施形態は、従属請求項ならびに明細書全体に記載されている。
【0015】
以下において使用されるように、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0016】
さらに、特徴または要素が1回以上存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回以上存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0017】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実施されることができる。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0018】
本発明の第1の態様では、実験室用分析装置が開示される。本明細書で使用される「実験室」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの分析装置および/または少なくとも1つの試料を分析するように構成された少なくとも1つの機器を備える少なくとも1つの環境を指すことができる。実験室は、対応する測定および制御を行う機会を提供するという意味で、自然科学および/または工学の分野で作業するように構成された場所であってもよい。
【0019】
本明細書で使用される「実験室用分析装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの試料、特に複数の試料を分析するように構成された装置を指すことができる。分析される試料は、少なくとも1つの試薬を使用して分析のために調製されることができる。特に、実験室用分析装置は、電気化学的および/または分光学的実験に使用される。実験室用分析装置は、特にインビトロ診断(IVD)のために、医療用または化学用洗浄剤の分野において使用されることができる。実験室用分析装置は、1つ以上の生物学的試料および/または試薬に対して1つ以上の処理ステップおよび/またはワークフローステップを実行するように構成されてもよい。これにより、「処理ステップ」という用語は、遠心分離、分注、試料分析などの物理的に実行される処理ステップを指す。「分析装置」という用語は、分析前試料作業セル、分析後試料作業セル、および分析作業セルも包含する。
【0020】
本明細書で使用される「試料」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されるものではないが、化学的または生物学的化合物などの物質のアリコートを指すことができる。具体的には、試料は、血液、血清、血漿、尿、唾液のうちの1つまたは複数などの少なくとも1つの生体検体とすることができるか、またはそれらを含むことができる。追加的または代替的に、試料は、化学物質または化合物および/または試薬とすることができるか、またはそれらを含むことができる。試料は、具体的には、化学的または生物学的化合物の流体物質のアリコートなどの液体試料とすることができる。例えば、液体試料は、少なくとも1つの化学物質および/または生物学的物質を含む、液体物質および/または1つ以上の液体物質を含む溶液などの、少なくとも1つの純粋な液体とすることができるか、またはそれを含むことができる。別の例として、液体試料は、懸濁液、エマルジョン、および/または1つ以上の化学的および/または生物学的物質の分散体などの液体混合物とすることができるか、またはそれらを含むことができる。しかしながら、他の、特に非液体試料が可能である。他の試料タイプは、例えば、組織、均質化された材料などであってもよい。
【0021】
分析される試料は、試料管によって運ばれてもよい。本明細書で使用される「試料管」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されるものではないが、試料の収容、保管、および/または移送のうちの1つ以上のために構成された容器を指すことができる。試料管は、ガラスまたは透明プラスチック管とすることができる。試料管は、円筒状管、例えば、円形および/または多角形の断面を有する円筒状管とすることができる。他のタイプまたは形態の試料管も可能である。試料管は、管底部と、管本体と、キャップの封止を含むキャップとを備えることができる。管底部は、試料管の下端に試料管を閉じ込めるように構成されることができる。管本体は、試料管の形状を形成するように構成されることができる。キャップは、特定の封止タイプの機構を使用することによって試料管の上端において試料管を可逆的に密閉するように構成されることができる。例えば、試料管のキャップ封止は、スクリュー型、ゴム型、hemogard型、またはプッシュ型のうちの1つ以上を含むことができる。試料管の上端および下端は、試料管の使用方法によって画定されることができる。
【0022】
実験室用分析装置は、
- 少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
- 少なくとも1つの表示装置であって、表示装置が少なくとも1つのスクリーンを備え、スクリーンが少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性であり、スクリーンがハウジングに一体化され、表示装置が、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン上にスクリーン情報を表示するように構成されている、少なくとも1つの表示装置とを備える。
【0023】
本明細書で使用される「分析機器」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの試料を分析するように構成された任意の装置を指すことができる。例えば、分析機器は、少なくとも1つの化学分析を行うように構成されてもよい。
【0024】
本明細書で使用され、カバーとしても示される「プロセッサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に囲むおよび/または覆うように構成され、環境の影響および/または機械的影響および/または湿度などからこれらの1つ以上の構成要素を保護するように構成された基本的に任意の要素を指すことができる。ハウジングは、具体的には、プラスチック材料、金属材料または厚紙材料のうちの1つ以上から作製された剛性ハウジングなどの剛性ハウジングであってもよく、または剛性ハウジングを含んでもよい。本明細書で使用される「少なくとも部分的に囲む」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、ハウジングが分析機器を完全に囲む実施形態、および分析機器の部品または要素がハウジングによって覆われていない実施形態を指すことができる。ハウジングは、分析機器へのアクセスを可能にする少なくとも1つの開口部を含むことができる。例えば、ハウジングは、少なくとも1つのフロントドアを備えることができる。フロントドアは、開閉可能とすることができる。フロントドアは、閉状態から開状態に、およびその逆に、可動、スライド可能、または揺動可能のうちの1つ以上であってもよい。例えば、フロントドアは、上方開口部、特にスライドドアであってもよい。
【0025】
本明細書でさらに使用される場合、「表示装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのディスプレイを備える少なくとも1つの電子装置を指すことができる。本明細書でさらに使用される場合、「ディスプレイ」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの画像、少なくとも1つの図、少なくとも1つのヒストグラム、少なくとも1つのテキスト、少なくとも1つの標識などの情報の項目を表示するように構成された任意の形状の装置を指すことができる。表示装置は、少なくとも1つのスクリーンを備える。スクリーンは、任意の形状、好ましくは矩形の形状を有することができる。スクリーンは、ハウジング、特にフロントドアの形状によって画定および/または調整されてもよい。
【0026】
スクリーンは、少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性である。本明細書で使用される場合、「透明」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、特に特定の波長範囲の光を通過させるスクリーンの特性を指すことができる。本明細書で使用される場合、「反射」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、特に特定の波長範囲の光が通過するのを妨げるスクリーンの特性を指すことができる。例えば、スクリーンは、25から50%、好ましくは30から40%の透明度を有することができる。具体的には、スクリーンは、25から50%、好ましくは30から40%の可視スペクトル範囲の透明度を有することができる。可視スペクトル範囲は、500nmから780nmの範囲とすることができる。
【0027】
スクリーンは、スクリーンに表示される暗いコンテンツが透明に見えるように構成されてもよい。特に、スクリーンは、特に分析機器および/または試料などを観察するために、ハウジングの外側からハウジングの内側まで貫通することを可能にすることができる。スクリーンは、スクリーン上に表示される光コンテンツが不透明に見えるように構成されてもよい。
【0028】
スクリーンは、特に部分的にまたは完全にハウジングに一体化される。本明細書で使用される場合、「ハウジングに一体化された」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スクリーンの少なくとも1つの要素がハウジングに一体化されている、特にハウジングの一部であるという事実を指すことができる。スクリーンがハウジングに完全に一体化されている実施形態が可能であってもよい。あるいは、電子機器、コントローラなどのスクリーンの部分は、ハウジングからずれて配置されてもよい。
【0029】
表示装置は、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン上にスクリーン情報を表示するように構成されている。本明細書で使用される場合、「スクリーン情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試料に関する情報、例えば、状態、制御情報、動作情報、コマンドなどの実験室用分析装置に関する情報などの実験室用分析装置に関する任意の情報を指すことができる。スクリーン情報は、少なくとも1つのユーザインターフェースを含むことができ、および/またはユーザインターフェースとして使用されることができる。特に、スクリーン情報は、実験室用分析装置の操作パネルおよび/またはコントローラメニューを含むことができる。しかしながら、他のスクリーン情報が可能であってもよい。例えば、スクリーン情報は、キーボードを含むことができる。スクリーン情報は、少なくとも1つのホログラムを含むことができる。
【0030】
表示装置は、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置および/または少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、特にOLEDフォイルディスプレイを備えてもよい。具体的には、実験室用分析装置、特にIVD分析装置は、ヘッドアップディスプレイ技術を有するハウジングを備えてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ヘッドアップディスプレイ」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、ユーザがそれらの通常の視点から目を離す必要なくデータを提示する任意の透明ディスプレイを指すことができる。スクリーンは、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置の投影スクリーンとして構成されてもよい。ヘッドアップディスプレイ装置は、スクリーン情報を生成して投影スクリーンに提供するように構成された少なくとも1つのイメージングユニットを備えることができる。イメージングユニットは、スクリーン情報を投影スクリーンに投影するように構成された少なくとも1つのプロジェクタ、例えば少なくとも1つのビーマを備えることができる。プロジェクタは、フロントドアに対向する壁など、ハウジングの内部に配置されてもよい。しかしながら、例えばミラーなどの少なくとも1つの反射要素を使用することによって、プロジェクタを配置するための他の位置が可能であってもよい。プロジェクタは、スクリーン情報が、ハウジングの外部から、特にフロントドアの前に配置されたユーザによって視認可能および/または読み取り可能であるように、投影スクリーン上にスクリーン情報を投影するように構成されてもよい。スクリーンは、フロントドアに少なくとも部分的に一体化されてもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「有機発光ダイオード」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、発光性エレクトロルミネセンス層が電流に応答して発光するように構成された有機化合物の膜である発光ダイオード(LED)を指すことができる。OLEDディスプレイは、可視光を発光するように構成されてもよい。具体的には、OLEDディスプレイは、透明OLED(TOLED)ディスプレイであってもよい。OLEDディスプレイは、非アクティブ状態では見えず非透明であってもよい。OLEDディスプレイ、特にそのコンテンツは、アクティブにされた状態で見ることができる。
【0033】
スクリーンは、ヒューマンマシンインターフェースを提供するように構成された少なくとも1つの対話面を含むことができる。本明細書で使用される「対話面」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、タッチおよび/またはジェスチャ認識などによって少なくとも1つのユーザ入力を受信するように構成されたインターフェースを指すことができる。スクリーンは、入力装置として構成されてもよい。具体的には、対話面は、少なくとも1つのタッチスクリーンを備える。タッチスクリーンは、指またはスタイラスによってタッチされてもよい。追加的または代替的に、対話面は、ジェスチャ認識、特にハンドジェスチャ認識用に構成されてもよい。実験室用分析装置は、ジェスチャを記録するように構成された少なくとも1つのカメラを備えてもよい。これは、スクリーンに触れる必要さえなくなることを可能にすることができる。
【0034】
本明細書で使用される「カメラ」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、空間的に分解された1次元、2次元、さらには3次元の光学データまたは情報を記録またはキャプチャするように構成された少なくとも1つの撮像素子を有する装置を指すことができる。カメラは、画素のマトリックスを含む画素化カメラとすることができる。例として、カメラは、画像を記録するように構成された少なくとも1つのCCDチップおよび/または少なくとも1つのCMOSチップなどの、少なくとも1つのカメラチップを備えることができる。
【0035】
スクリーンは、入力を受信し、それを処理のために実験室用分析装置の処理ユニット、特にコントローラに送信するように構成されてもよい。処理ユニットは、受信した入力に基づいて実験室用分析装置を制御および/または動作させるように構成されることができる。具体的には、処理ユニットは、カメラによって記録されたジェスチャを評価することによってジェスチャ認識用に構成されてもよい。処理ユニットは、認識されたジェスチャを、実験室用分析装置を制御および/または動作させるための制御および/または動作コマンドに変換するように構成されてもよい。
【0036】
実験室用分析装置は、実験室用分析装置のプロセスを制御するように構成された少なくとも1つのカメラを備えてもよい。例えば、前記カメラは、管選別装置のグリッパを制御するように構成されてもよい。前記カメラは、ジェスチャ制御を検出するために使用されることができる。カメラは、表示されたキーボードまたはメニューを使用する実験室技師のジェスチャを認識するために使用されることができる。
【0037】
実験室用分析装置は、スクリーン情報を提供するように構成された、および/またはスクリーンを介して取得されたユーザ入力を処理するように構成された少なくとも1つの処理ユニットを備えることができる。本明細書で使用される「処理ユニット」という用語は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって、より好ましくは少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、制御および処理を実行するように適合された任意の装置を指すことができる。したがって、例として、処理ユニットは、1つ以上のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または制御および/または処理を実行するように構成された他の装置などの1つ以上のプログラマブル装置を備えることができる。したがって、例として、少なくとも1つの処理ユニットは、いくつかのコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶された少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。処理ユニットは、指定された動作のうちの1つ以上を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供することができ、および/または指定された動作のうちの1つ以上を実行するために実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供することができる。
【0038】
実験室用分析装置は、少なくとも1つの通信インターフェースを備えることができる。通信インターフェースは、実験室用分析装置に関連付けられたタブレットまたは他のスマート装置などの少なくとも1つの携帯装置にスクリーン情報を表示するように構成されることができる。通信インターフェースは、ハウジングが開いているときに、タブレットまたは実験室用分析装置に関連付けられた別のスマート装置上にスクリーン情報を表示するように構成されてもよい。これは、追加のモニタを取り除くという目標を達成することができる。通信インターフェースは、具体的には、情報を転送または交換するための手段を提供することができる。特に、通信インターフェースは、例えば、ブルートゥース(登録商標)、NFC、誘導結合などのデータ転送接続を提供することができる。例として、通信インターフェースは、ネットワークまたはインターネットポート、USBポート、およびディスクドライブのうちの1つ以上を備える少なくとも1つのポートとすることができるか、またはそれらを備えることができる。
【0039】
例えば、実験室用分析装置は、操作パネルおよび/またはコントローラメニューをIVD分析装置のハウジング、特にフロントドア上および/または内に投影および/または一体化するように構成されてもよい。これは、ヘッドアップディスプレイの形態および/またはOLEDディスプレイを使用することのいずれかによって実現されることができる。スクリーンは、入力装置として使用されてもよく、指またはスタイラスによってタッチされるタッチスクリーンのように機能して、イベントを登録し、処理のためにそれらを処理ユニットに送信してもよい。したがって、外部モニタは、それに置き換えられることができる。
【0040】
本発明は、外部モニタまたはディスプレイに通常表示される情報を表示するためにそれらのカバーまたはハウジングを使用することによって、臨床分析装置のいずれかにおける外部モニタまたはディスプレイの必要性を排除することを可能にすることができる。これは、「ヘッドアップディスプレイ」と同様の技術を使用することによって可能となる。任意に、ハウジングはまた、タッチ検知能力および/またはハンドジェスチャ認識さえも有することができる。
【0041】
さらなる態様では、本発明は、本発明にかかる実験室用分析装置が使用される、実験室用分析装置のハウジング上にスクリーン情報を表示するための方法を開示する。実験室用分析装置は、少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングを備える。本方法は、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン情報を実験室用分析装置の少なくとも1つの表示装置に表示することを含む。医療装置は、少なくとも1つのスクリーンを備える。スクリーンは、少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性であり、スクリーンは、ハウジングに一体化されている。
【0042】
方法は、コンピュータ実装されてもよい。本明細書で使用される「コンピュータ実装」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのプロセッサ、特に処理ユニットを備えるデータ処理手段などのデータ処理手段を使用することによって完全にまたは部分的に実装されるプロセスを指すことができる。したがって、「コンピュータ」という用語は、一般に、少なくとも1つのプロセッサなどの少なくとも1つのデータ処理手段を有する装置または装置の組み合わせもしくはネットワークを指すことができる。コンピュータは、さらに、データ記憶装置、電子インターフェース、またはヒューマンマシンインターフェースのうちの少なくとも1つなどの1つ以上のさらなる構成要素を備えてもよい。
【0043】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読データキャリア」および「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、コンピュータ実行可能命令が記憶されたハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指すことができる。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができるか、またはそれを備えることができる。
【0045】
したがって、具体的には、上述したような方法ステップの1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されることができる。
【0046】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。
【0047】
コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどのコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行することができる、データ構造が記憶されたデータキャリアが本明細書にさらに開示および提案される。
【0048】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態にかかる方法を実行するために、機械可読キャリアに記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配布されることができる。
【0049】
最後に、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行するための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号が本明細書にさらに開示および提案される。
【0050】
本発明のコンピュータ実施態様を参照すると、本明細書に開示される実施形態の1つ以上にかかる方法のうちの1つ以上の方法ステップまたは全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。一般に、これらの方法ステップは、試料の提供および/または実際の測定を実行する特定の態様などの手作業を必要とする方法ステップを通常除いて、任意の方法ステップを含むことができる。
【0051】
具体的には、本明細書では、さらに以下が開示される。
- プロセッサが、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワーク。
- データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造。
- プログラムがコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム。
- コンピュータプログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
- プログラム手段がコンピュータが読み取り可能な記憶媒体上に記憶された、先行する実施形態にかかるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
- データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造がコンピュータまたはコンピュータネットワークのメイン記憶部および/またはワーキング記憶部にロードされた後、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合された、記憶媒体。および、
- コンピュータまたはコンピュータネットワーク上でプログラムコード手段が実行された場合に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶されることができる、または記憶媒体上に記憶される、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【0052】
要約すると、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定されることができる。
【0053】
実施形態1
- 少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
- 少なくとも1つの表示装置であって、表示装置が少なくとも1つのスクリーンを備え、スクリーンが部分的に透明且つ反射性であり、スクリーンがハウジングに一体化され、表示装置が、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン上にスクリーン情報を表示するように構成されている、少なくとも1つの表示装置と、
を備える、実験室用分析装置。
【0054】
実施形態2
表示装置が、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置および/または少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを備える、先行する実施形態に記載の実験室用分析装置。
【0055】
実施形態3
スクリーンが、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置の投影スクリーンであり、ヘッドアップディスプレイ装置が、スクリーン情報を生成して投影スクリーンに提供するように構成された少なくとも1つのイメージングユニットを備える、先行する実施形態に記載の実験室用分析装置。
【0056】
実施形態4
イメージングユニットが、投影スクリーン上にスクリーン情報を投影するように構成された少なくとも1つのプロジェクタを備える、先行する実施形態に記載の実験室用分析装置。
【0057】
実施形態5
プロジェクタが、ハウジングの内部に配置され、プロジェクタが、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン情報を投影スクリーンに投影するように構成されている、先行する実施形態に記載の実験室用分析装置。
【0058】
実施形態6
ハウジングがフロントドアを備え、スクリーンがフロントドアに少なくとも部分的に一体化されている、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0059】
実施形態7
スクリーン情報が、実験室用分析装置の操作パネルおよび/またはコントローラメニューを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0060】
実施形態8
スクリーンが、ヒューマンマシンインターフェースを提供するように構成された少なくとも1つの対話面を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0061】
実施形態9
対話面が少なくとも1つのタッチスクリーンを備える、先行する実施形態に記載の実験室用分析装置。
【0062】
実施形態10
対話面がジェスチャ認識用に構成されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0063】
実施形態11
スクリーン情報を提供するように構成され、および/またはスクリーンを介して取得されたユーザ入力を処理するように構成された少なくとも1つの処理ユニットを備える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0064】
実施形態12
実験室用分析装置が少なくとも1つの通信インターフェースを備え、通信インターフェースが、実験室用分析装置に関連付けられた少なくとも1つの携帯装置上にスクリーン情報を表示するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0065】
実施形態13
実験室用分析装置が、実験室用分析装置のプロセスを制御するように構成された少なくとも1つのカメラを備え、前記カメラが、さらにジェスチャ制御を検出するために使用可能である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置。
【0066】
実施形態14
スクリーン情報を実験室用分析装置のハウジング上に表示するための方法であって、先行する実施形態のいずれか1つに記載の実験室用分析装置が使用され、実験室用分析装置が、少なくとも1つの分析機器を少なくとも部分的に囲むハウジングを備え、方法が、スクリーン情報がハウジングの外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、実験室用分析装置の少なくとも1つの表示装置にスクリーン情報を表示することを含み、表示装置が少なくとも1つのスクリーンを備え、スクリーンが少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性であり、スクリーンがハウジングに一体化されている、方法。
【0067】
実施形態15
方法がコンピュータ実装される、先行する実施形態に記載の方法。
【0068】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されることができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明にかかる実験室用分析装置の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、本発明にかかる実験室用分析装置110の例示的な実施形態を非常に概略的に示している。実験室用分析装置は、実験室内で使用されることができる。実験室は、対応する測定および制御を行う機会を提供するという意味で、自然科学および/または工学の分野で作業するように構成された場所であってもよい。実験室用分析装置110は、少なくとも1つの試料、特に複数の試料を分析するように構成されることができる。分析される試料は、少なくとも1つの試薬を使用して分析のために調製されることができる。特に、実験室用分析装置110は、電気化学的および/または分光学的実験に使用される。実験室用分析装置110は、特にインビトロ診断(IVD)のために、医学または化学実験室の分野において使用されることができる。実験室用分析装置110は、1つ以上の生物学的試料および/または試薬に対して1つ以上の処理ステップおよび/またはワークフローステップを実行するように構成されることができる。処理ステップは、遠心分離、アリコート、試料分析などのうちの1つ以上を含むことができる。実験室用分析装置110は、分析前試料作業セル、分析後試料作業セル、および分析作業セルのうちの1つ以上であってもよく、またはそれらを備えてもよい。
【0071】
具体的には、試料は、血液、血清、血漿、尿、唾液のうちの1つまたは複数などの少なくとも1つの生体検体とすることができるか、またはそれらを含むことができる。追加的または代替的に、試料は、化学物質または化合物および/または試薬とすることができるか、またはそれらを含むことができる。試料は、具体的には、化学的または生物学的化合物の流体物質のアリコートなどの液体試料とすることができる。例えば、液体試料は、少なくとも1つの化学物質および/または生物学的物質を含む、液体物質および/または1つ以上の液体物質を含む溶液などの、少なくとも1つの純粋な液体とすることができるか、またはそれを含むことができる。別の例として、液体試料は、懸濁液、エマルジョン、および/または1つ以上の化学的および/または生物学的物質の分散体などの液体混合物とすることができるか、またはそれらを含むことができる。しかしながら、他の、特に非液体試料が可能である。他の試料タイプは、例えば、組織、均質化された材料などであってもよい。試料は、試料管112によって運ばれてもよい。
【0072】
実験室用分析装置110は、少なくとも1つの分析機器114を備える。分析機器114は、少なくとも1つの試料を分析するように構成された任意の装置とすることができる。例えば、分析機器114は、少なくとも1つの化学分析を行うように構成されてもよい。分析機器114は、試料管112を取り扱うための少なくとも1つのx-y-zゲートウェイ116を備えることができる。分析機器114は、分析中に試料管112のうちの1つを選択し、位置決めし、保持するための少なくとも1つの管グリッパ118を備えることができる。
【0073】
実験室用分析装置110は、ハウジング120を備える。ハウジング116は、分析機器114を少なくとも部分的に囲むように構成されている。ハウジング120は、1つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に囲みおよび/または覆うように、ならびに環境の影響および/または機械的影響および/または湿度などからこれらの1つ以上の構成要素の保護を提供するように構成されている。ハウジング120は、具体的には、プラスチック材料、金属材料または厚紙材料のうちの1つ以上から作製された剛性ハウジングなどの剛性ハウジングであってもよく、または剛性ハウジングを備えてもよい。ハウジング120は、分析機器へのアクセスを可能にする少なくとも1つの開口部122を含むことができる。例えば、ハウジング120は、少なくとも1つのフロントドア124を備えることができる。フロントドア124は、開閉可能とすることができる。フロントドア124は、閉状態から開状態に、およびその逆に、可動、スライド可能、または揺動可能のうちの1つ以上であってもよい。例えば、フロントドア124は、上方開口部、特にスライドドアであってもよい。
【0074】
実験室用分析装置は、少なくとも1つの表示装置126を備える。表示装置126は、少なくとも1つのスクリーン128を備える。スクリーン128は、任意の形状、好ましくは矩形の形状を有することができる。スクリーン128は、ハウジング120、特にフロントドア124の形状によって画定および/または調整されてもよい。
【0075】
スクリーン128は、少なくとも部分的に透明であり、少なくとも部分的に反射性である。例えば、スクリーン128は、25から50%、好ましくは30から40%の透明度を有することができる。具体的には、スクリーンは、25から50%、好ましくは30から40%の可視スペクトル範囲の透明度を有することができる。
【0076】
スクリーン128は、スクリーン128に表示される暗いコンテンツが透明に見えるように構成されてもよい。特に、スクリーン128は、特に分析機器114および/または試料などを観察するために、ハウジング120の外部からハウジング120の内部まで見通すことを可能にすることができる。スクリーン128は、スクリーン128上に表示される光コンテンツが不透明に見えるように構成されてもよい。
【0077】
スクリーン128は、特に部分的にまたは完全にハウジング120に一体化される。表示装置126は、スクリーン情報がハウジング120の外部から視認可能および/または読み取り可能であるように、スクリーン128上にスクリーン情報を表示するように構成されている。スクリーン情報は、試料に関する情報、例えば、状態、制御情報、動作情報、コマンドなどの実験室用分析装置110に関する情報などの実験室用分析装置110に関する任意の情報とすることができ、またはそれを含むことができる。スクリーン情報は、ユーザインターフェースとして使用されることができる。特に、スクリーン情報は、実験室用分析装置110の操作パネルおよび/またはコントローラメニューを含むことができる。しかしながら、他のスクリーン情報が可能であってもよい。例えば、スクリーン情報は、キーボードを含むことができる。スクリーン情報は、少なくとも1つのホログラムを含むことができる。
【0078】
表示装置126は、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置130および/または少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、特にOLEDフォイルディスプレイを備えてもよい。具体的には、実験室用分析装置110、特にIVD分析装置は、ヘッドアップディスプレイ技術を有するハウジング120を備えてもよい。
【0079】
ヘッドアップディスプレイ130は、ユーザが通常の視点から目を離す必要なくデータを提示する透明ディスプレイであってもよく、またはそれを備えてもよい。スクリーン128は、少なくとも1つのヘッドアップディスプレイ装置130の投影スクリーンとして構成されてもよい。ヘッドアップディスプレイ装置130は、スクリーン情報を生成して投影スクリーンに提供するように構成された少なくとも1つのイメージングユニット132を備えることができる。イメージングユニット132は、スクリーン情報を投影スクリーンに投影するように構成された少なくとも1つのプロジェクタ、例えば少なくとも1つのビーマを備えることができる。プロジェクタは、フロントドア124に対向する壁など、ハウジング120の内部に配置されてもよい。しかしながら、例えばミラーなどの少なくとも1つの反射要素を使用することによって、プロジェクタを配置するための他の位置が可能であってもよい。プロジェクタは、スクリーン情報が、ハウジング120の外部から、特にフロントドア124の前に配置されたユーザによって視認可能および/または読み取り可能であるように、投影スクリーン上にスクリーン情報を投影するように構成されてもよい。スクリーン128は、フロントドアに少なくとも部分的に一体化されてもよい。
【0080】
スクリーン128は、ヒューマンマシンインターフェースを提供するように構成された少なくとも1つの対話面134を含むことができる。対話面134は、タッチおよび/またはジェスチャ認識などによって少なくとも1つのユーザ入力を受信するように構成されたインターフェースとすることができる。スクリーン128は、入力装置として構成されてもよい。具体的には、対話面134は、少なくとも1つのタッチスクリーンを備える。タッチスクリーンは、指またはスタイラスによってタッチされてもよい。追加的または代替的に、対話面134は、ジェスチャ認識、特にハンドジェスチャ認識用に構成されてもよい。この目的のために、実験室用分析装置110は、ジェスチャを記録するように構成された少なくとも1つのカメラ136を備えることができる。これは、スクリーンに触れる必要さえなくなることを可能にすることができる。スクリーン128は、入力を受信し、それを処理のために実験室用分析装置110の処理ユニット138、特にコントローラに送信するように構成されてもよい。処理ユニット138は、受信した入力に基づいて実験室用分析装置110を制御および/または動作させるように構成されることができる。具体的には、処理ユニット138は、カメラ136によって記録および/または検出されたジェスチャ、特にジェスチャ制御を評価することによってジェスチャ認識用に構成されてもよい。処理ユニット138は、認識されたジェスチャを、実験室用分析装置110を制御および/または動作させるための制御および/または動作コマンドに変換するように構成されてもよい。さらに、カメラ136は、実験室用分析装置110のプロセスを監視するために、したがって実験室用分析装置110のプロセスを制御するために使用可能である。
【0081】
実験室用分析装置110は、少なくとも1つの通信インターフェース140を備えることができる。通信インターフェース140は、実験室用分析装置110に関連付けられたタブレットまたは他のスマート装置などの少なくとも1つの携帯装置142にスクリーン情報を表示するように構成されることができる。通信インターフェース140は、ハウジングが開いているときに、タブレットまたは実験室用分析装置に関連付けられた別のスマート装置上にスクリーン情報を表示するように構成されてもよい。これは、追加のモニタを取り除くという目標を達成することができる。通信インターフェース140は、具体的には、情報を転送または交換するための手段を提供することができる。特に、通信インターフェース140は、例えば、ブルートゥース、NFC、誘導結合などのデータ転送接続を提供することができる。例として、通信インターフェースは、ネットワークまたはインターネットポート、USBポート、およびディスクドライブのうちの1つ以上を備える少なくとも1つのポートとすることができるか、またはそれらを備えることができる。
【0082】
例えば、実験室用分析装置110は、操作パネルおよび/またはコントローラメニューをIVD分析装置のハウジング120、特にフロントドア124上および/または内に投影および/または一体化するように構成されてもよい。これは、ヘッドアップディスプレイ130の形態および/またはOLEDディスプレイを使用することのいずれかによって実現されることができる。スクリーン128は、入力装置として使用されてもよく、指またはスタイラスによってタッチされるタッチスクリーンのように機能して、イベントを登録し、処理のためにそれらを処理ユニット138に送信してもよい。したがって、外部モニタは、それに置き換えられることができる。
【符号の説明】
【0083】
110 実験室用分析装置
112 試料管
114 分析機器
116 x-y-zゲートウェイ
118 管グリッパ
120 ハウジング
122 開口部
124 フロントドア
126 表示装置
128 スクリーン
130 ヘッドアップディスプレイ装置
132 イメージングユニット
134 対話面
136 カメラ
138 処理ユニット
140 通信インターフェース
142 携帯装置
図1