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特許7303307自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230627BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/00 X
G08G1/09 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021533666
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2019077076
(87)【国際公開番号】W WO2020118918
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】201811530975.X
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李 文鋭
(72)【発明者】
【氏名】呉 楠
(72)【発明者】
【氏名】彭 瑞
(72)【発明者】
【氏名】畢 青▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】金 宇和
(72)【発明者】
【氏名】李 一鳴
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03232381(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第106853827(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用される自動運転車両隊列の隊列編入方法であって、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含み、
自動運転車両隊列の隊列編入システムにより行われる前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含み、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
前記車両タイプの判定結果、前記最小旋回半径の判定結果及び前記制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することを含む、
ことを特徴とする自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項2】
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信する前に、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された、車両ナンバー、車両タイプ、車両電子タグ、車両運転者情報、車両動力システム情報及び車両センサ情報を含む、車両登録メッセージを受信することと、
前記車両登録メッセージを判定し、判定を通過した車両登録メッセージを記憶し、判定を通過した車両登録メッセージに対応する隊列編入待ち車両を隊列編入許可車両とすることと含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項3】
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信する前に、
いくつかの隊列編入許可車両の車載デバイスからリアルタイムにアップロードされた、位置情報、目的地情報及び所属隊列情報を受信することと、
前記リアルタイムにアップロードされた、位置情報及び目的地情報に基づいて、各隊列編入許可車両のナビゲーション経路情報を決定することと、
前記位置情報、目的地情報、所属隊列情報及びナビゲーション経路情報に基づいて、前記隊列編入待ち車両の車載デバイスに車両提示情報を表示するように、1つの隊列編入待ち車両の車載デバイスに当該隊列編入待ち車両から1つの予め設定された距離範囲内の、各隊列編入許可車両の車両ナンバーと、車両タイプと、位置情報と、目的地情報と、所属隊列情報と、各ナビゲーション経路情報に基づいて決定された隊列編入待ち車両と共同で走行可能な距離情報とを含む、車両提示情報を送信することとをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項4】
前記隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することは、
隊列編入待ち車両の車載デバイスが前記車両提示情報に基づいて選択して生成した、選択した車両提示情報を含む隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
選択した車両提示情報における所属隊列情報が空である場合、選択した車両提示情報に対応する車両が前記現在の末尾車両と決定することと、
選択した車両提示情報における所属隊列情報が空でない場合、前記所属隊列情報に基づいて1つの参加待ち隊列を決定し、当該参加待ち隊列の末尾車両を現在の末尾車両とすることとを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項5】
前記隊列編入申請の要求メッセージは、隊列編入待ち車両の車両電子タグをさらに含み、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することは、
前記隊列編入待ち車両の車両電子タグに基づいて、隊列編入待ち車両の車両登録メッセージを呼び出し、隊列編入待ち車両の、隊列編入待ち車両の車両タイプである第1の車両タイプと、隊列編入待ち車両の車両動力システム情報に基づいて決定された、隊列編入待ち車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む第1の運動学情報と、を取得することと、
前記現在の末尾車両の車両電子タグを取得し、前記現在の末尾車両の車両登録メッセージを呼び出し、前記現在の末尾車両の、現在の末尾車両の車両タイプである第2の車両タイプと、現在の末尾車両の車両動力システム情報に基づいて決定された、現在の末尾車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む第2の運動学情報と、を取得することと、
前記隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとにセンサ及び動作状態の要求メッセージをそれぞれ送信し、隊列編入待ち車両の車載デバイスが隊列編入待ち車両の電子システムから取得した第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスが各車両の電子システムからそれぞれ取得した第2のセンサ及び動作状態情報とを受信することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とは、それぞれの最小感知情報のセンサの作動状態と、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度と、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度とをいずれも含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項6】
前記車両タイプは車両の体積及び重量に応じて複数の車両レベルに分類され、そのうち前記車両レベルが高いほど車両の体積及び重量が大きくなるか、又は前記車両レベルが低いほど車両の体積及び重量が大きくなり、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することは、
前記第1の車両タイプ及び第2の車両タイプに基づいて、第1の車両タイプが属する第1の車両レベルと、第2の車両タイプが属する第2の車両レベルとをそれぞれ取得することと、
前記車両レベルが高いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以下であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
前記車両レベルが低いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以上であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定することとを含み、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することは、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径と、現在の末尾車両の最小旋回半径とを比較し、隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することを含み、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することは、
隊列編入待ち車両の制動準備時間と、現在の末尾車両の制動準備時間とを比較し、隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項7】
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか否か又は冗長作動があるか否か、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であるか否か、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常であるか否かを判定することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項8】
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとに、隊列編入待ち車両の車両ナンバー及び車両タイプなどを含む提示メッセージを送信することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列の隊列編入方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサに実行されると、自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現し、当該方法は自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用され、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された複数の車両における車載デバイスとを含み、
前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含み、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
前記車両タイプの判定結果、前記最小旋回半径の判定結果及び前記制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することを含む、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ装置であって、前記プロセッサに前記コンピュータプログラムが実行されると、自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現し、当該方法は自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用され、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含み、
前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含み、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
前記車両タイプの判定結果、前記最小旋回半径の判定結果及び前記制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することを含む、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項11】
クラウドサーバであって、
前記クラウドサーバはいくつかの車両における車載デバイスと通信接続し、前記クラウドサーバは、自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられ、
前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含み、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
前記車両タイプの判定結果、前記最小旋回半径の判定結果及び前記制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することを含む、
ことを特徴とするクラウドサーバ。
【請求項12】
クラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含む自動運転車両隊列の隊列編入システムであって、前記クラウドサーバは、自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられ、
前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含み、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両の体積及び重量が現在の末尾車両の体積及び重量以下である場合、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
前記車両タイプの判定結果、前記最小旋回半径の判定結果及び前記制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することを含む、
ことを特徴とする自動運転車両隊列の隊列編入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月14日に中国特許庁に出願され、出願番号が201811530975.Xで、出願名称が「自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステム」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込まれる。
【0002】
<技術分野>
本願は車のネットワークの技術領域に関し、特に自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、連携自動運転車両隊列(Platooning、自動運転車両隊列と略称する)とは複数の車両が自動運転技術及びV2V(Vehicle-to-Vehicle、車両の間)車のネットワーク技術のサポートに基づいて、非常に短い車間距離で走行する編隊状態を指す。編隊において、車間距離は一般的な意味での安全走行車間距離より遥かに短く、わずか20メートルかそれ以下であり、非常に短い車間距離では先頭車両の割いた気流が、車の末尾で2台目の車両に直接受け継がれ、低圧の渦流領域を形成することなく、車列全体の走行の過程における空気抵抗の合計値を効果的に低減する。
【0004】
一般的には連携自動運転車両隊列の状態で走行することによって減少される抵抗力によって、約10%の燃費を節約することができる。連携自動運転車両隊列はこれだけ短い間隔を保持することができるその主な理由はV2V通信の低遅延通信の恩恵を受けたからであり、V2Vはエンドツーエンドの100ms内の通信を実現することができる。よって、V2V技術に基づいて、車両の間で情報の相互作用を行うことができ、1つの編隊内の1つのグループの車両は先頭車両に追従し、その操作に伴って自ら操作を行うことができる。例えば先頭車両がアクセルを踏み込み、ブレーキをかけるか又はステアリングするかなどの操作を行うと、後ろの一列の車両はいずれも短時間で同じ操作を行うことができる。
【0005】
連携自動運転車両隊列を構成するために、単独の車両を自動運転車両隊列に加えることを許可する、又は他の車両と自動運転車両隊列を構築するために、現在、自動運転車両隊列の隊列編入方法が早急に必要である。しかしながら、現在の自動運転車両隊列の隊列編入方法は道路側ユニット(Road Side Unit、RSUと略称する)が設けられた領域に限定され、かつ隊列編入に参加している車両に対する認証過程が乏しく、自動運転車両隊列の走行過程に安全リスクをもたらしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステムを提供することによって、道路側ユニットに依存せず、かつ安全認証を行うことができる自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本願は以下の技術案を採用する。
【0008】
一側面では、本願の実施例は、自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用される自動運転車両隊列の隊列編入方法であって、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含み、
前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含む、
自動運転車両隊列の隊列編入方法を提供する。
【0009】
さらに、隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信する前に、
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された、車両ナンバー、車両タイプ、車両電子タグ、車両運転者情報、車両動力システム情報及び車両センサ情報を含む、車両登録メッセージを受信することと、
前記車両登録メッセージを判定し、判定を通過した車両登録メッセージを記憶し、判定を通過した車両登録メッセージに対応する隊列編入待ち車両を隊列編入許可車両とすることと含む。
【0010】
隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信する前に、
いくつかの隊列編入許可車両の車載デバイスからリアルタイムにアップロードされた、位置情報、目的地情報及び所属隊列情報を受信することと、
前記リアルタイムにアップロードされた、位置情報及び目的地情報に基づいて、各隊列編入許可車両のナビゲーション経路情報を決定することと、
前記位置情報、目的地情報、所属隊列情報及びナビゲーション経路情報に基づいて、前記隊列編入待ち車両の車載デバイスに車両提示情報を表示するように、1つの隊列編入待ち車両の車載デバイスに当該隊列編入待ち車両から1つの予め設定された距離範囲内の、各隊列編入許可車両の車両ナンバーと、車両タイプと、位置情報と、目的地情報と、所属隊列情報と、各ナビゲーション経路情報に基づいて決定された隊列編入待ち車両と共同で走行可能な距離情報とを含む、車両提示情報を送信することとをさらに含む。
【0011】
具体的には、前記隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することは、
隊列編入待ち車両の車載デバイスが前記車両提示情報に基づいて選択して生成した、選択した車両提示情報を含む隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
選択した車両提示情報における所属隊列情報が空である場合、選択した車両提示情報に対応する車両が前記現在の末尾車両と決定することと、
選択した車両提示情報における所属隊列情報が空でない場合、前記所属隊列情報に基づいて1つの参加待ち隊列を決定し、当該参加待ち隊列の末尾車両を現在の末尾車両とすることとを含む。
【0012】
さらに、前記隊列編入申請の要求メッセージは、隊列編入待ち車両の車両電子タグをさらに含み、
前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することは、
前記隊列編入待ち車両の車両電子タグに基づいて、隊列編入待ち車両の車両登録メッセージを呼び出し、隊列編入待ち車両の、隊列編入待ち車両の車両タイプである第1の車両タイプと、隊列編入待ち車両の車両動力システム情報に基づいて決定された、隊列編入待ち車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む第1の運動学情報と、を取得することと、
前記現在の末尾車両の車両電子タグを取得し、前記現在の末尾車両の車両登録メッセージを呼び出し、前記現在の末尾車両の、現在の末尾車両の車両タイプである第2の車両タイプと、現在の末尾車両の車両動力システム情報に基づいて決定された、現在の末尾車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む第2の運動学情報と、を取得することと、
前記隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとにセンサ及び動作状態の要求メッセージをそれぞれ送信し、隊列編入待ち車両の車載デバイスが隊列編入待ち車両の電子システムから取得した第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスが各車両の電子システムからそれぞれ取得した第2のセンサ及び動作状態情報とを受信することとを含み、
前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とは、それぞれの最小感知情報のセンサの作動状態と、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度と、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度とをいずれも含む。
【0013】
具体的には、前記車両タイプは車両の体積及び重量に応じて複数の車両レベルに分類され、そのうち前記車両レベルが高いほど車両の体積及び重量が大きくなるか、又は前記車両レベルが低いほど車両の体積及び重量が大きくなり、
前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することは、
前記第1の車両タイプ及び第2の車両タイプに基づいて、第1の車両タイプが属する第1の車両レベルと、第2の車両タイプが属する第2の車両レベルとをそれぞれ取得することと、
前記車両レベルが高いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以下であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
前記車両レベルが低いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以上であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定することと、
隊列編入待ち車両の最小旋回半径と、現在の末尾車両の最小旋回半径とを比較し、隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定することと、
隊列編入待ち車両の制動準備時間と、現在の末尾車両の制動準備時間とを比較し、隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定することと、
車両タイプの判定結果、最小旋回半径の判定結果及び制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成することとを含む。
【0014】
具体的には、前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいて、センサ判定を行い、センサ判定結果を生成することは、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか否か又は冗長作動があるか否か、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であるか否か、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常であるか否かを判定することと、
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成することとを含む。
【0015】
さらに、前記自動運転車両隊列の隊列編入方法は、
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとに、隊列編入待ち車両の車両ナンバー及び車両タイプなどを含む提示メッセージを送信することをさらに含む。
【0016】
他の側面では、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサに実行されると、上述の自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0017】
他の側面では、本願の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ装置を提供し、前記プロセッサに前記プログラムが実行されると、上述の自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現する。
【0018】
また他の側面では、本願の実施例は、クラウドサーバを提供し、前記クラウドサーバはいくつかの車両における車載デバイスと通信接続し、前記クラウドサーバは、上述の自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられる。
【0019】
さらに他の側面では、本願の実施例は、クラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含む自動運転車両隊列の隊列編入システムを提供し、前記クラウドサーバは、上述の自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられる。
【0020】
本願の実施例に係る連携自動運転車両隊列の自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステムは、クラウドサーバと、いくつかの車両における車載デバイスとに基づいて、隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信し、前記隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得し、前記第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成し、前記第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成し、運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信し、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することができる。これから分かるように、本願の実施例は、道路側ユニットの処理や応答に依存する必要がなく、道路側ユニットが設けられていない領域においても、連携自動運転車両隊列の隊列編入を完了できる。また、本願の実施例は、車両運動学及びセンサに基づいて車両が隊列編入の要求を満たすか否かを認証することもでき、隊列編入に参加している車両に対する認証過程が乏しく、自動運転車両隊列の走行過程に安全リスクをもたらすという問題を回避する。
【0021】
本願の他の特徴及び利点は明細書の後方で説明され、かつ、一部は明細書において明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は記述された明細書、特許請求の範囲、及び図面に特に指摘された構成によって実現し取得することができる。
【0022】
以下図面及び実施例によって、本願の技術案をさらに詳細に説明する。
【0023】
図面は本願へのさらなる理解を提供するために用いられ、かつ明細書の一部を構成し、本願の実施例と一緒に本願を説明するために用いられ、本願を限定するものではない。明らかに分かるように、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎなく、当業者にとっては、創造的な労働を行わずに、これらの図面から、他の図面を得ることもできる。図面において以下である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の実施例に係る自動運転車両隊列の隊列編入方法のフローチャート1である。
図2】本願の実施例に係る自動運転車両隊列の隊列編入方法のフローチャート2である。
図3】本願の実施例における隊列編入待ち車両の車載デバイスに車両提示情報を表示するインタフェース模式図である。
図4】本願の実施例に係る自動運転車両隊列の隊列編入システムの構造模式図である。
図5】本願の実施例における隊列編入待ち車両Aが自動運転車両隊列Bに参加するシーンの模式図である。
図6】本願の実施例における各車載デバイスとクラウドサーバとの相互作用の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術案を明確且つ完全に説明するが、明らかなように、説明された実施例は単に本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0026】
当業者が本願をよりよく理解するために、以下にまず本願の実施例に現れた一部の技術用語を以下のように解釈する。
【0027】
V2V:Vehicle-to-Vehicleとは、車対車であり、V2V通信技術は固定式基地局に限定されない通信技術であり、移動中の車両に直接的な一端から他端までの無線通信を提供する。
【0028】
V2X:Vehicle to Xとは、将来のインテリジェント交通輸送システムのキーテクノロジーである。それは車両の間、車両と基地局の間、基地局の間で通信できるようにする。これによりリアルタイムの道路状況、道路情報、歩行者情報等の一連の交通情報を取得し、これにより運転安全性を向上させ、渋滞を減少させ、交通効率を向上させ、車載エンターテインメント情報等を提供する。
【0029】
RSU:Road Side Unitとは、道路側ユニットであり、本願の実施例においては車両とV2X通信を行うことができる道路側ユニット装置を指す。
【0030】
本願の実施例を実現する過程において、出願人は以下を考慮した。現在の自動運転車両隊列の隊列編入方法が道路側ユニット(Road Side Unit、RSUと略称する)が設けられた領域に限定されることが多く、つまり自動運転車両隊列の隊列編入過程を完了するには、一般的にはRSUの処理及び応答が必要であり、これから分かるように、道路側ユニットを欠く領域に対して、自動運転車両隊列の隊列編入を行うことが困難である。かつ、隊列編入に参加している車両に対するレビュープロセスが乏しく、現在、全ての車両が自動運転車両隊列の走行条件を満たすことができず、現在の自動運転車両隊列の走行条件に適合しない車両が隊列に入ることにより、自動運転車両隊列の走行過程への安全リスクを引き起こす。
【0031】
上述の問題を考慮して、図1に示すように、本願の実施例は自動運転車両隊列の隊列編入方法を提供し、自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用され、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含む。クラウドサーバといくつかの車両における車載デバイスは、4G(第4世代の移動通信技術)ネットワークや5G(第5世代の移動通信技術)ネットワークなどによって通信することができる。
【0032】
当該方法は、
ステップ101:隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信することと、
ステップ102:隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得することと、
ステップ103:第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成することと、
ステップ104:第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成することと、
ステップ105:運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することと、
ステップ106:隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することとを含む。
【0033】
当業者が本願をよりよく理解できるようにするため、以下に1つの実施例を挙げる。図2に示すように、本願の実施例は自動運転車両隊列の隊列編入方法を提供し、自動運転車両隊列の隊列編入システムに適用され、当該システムはクラウドサーバと、クラウドサーバに通信接続された、いくつかの車両における車載デバイスとを含む。
【0034】
当該方法は以下のステップを含む。
【0035】
ステップ201:隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された車両登録メッセージを受信する。
【0036】
ここで、車両登録メッセージには、車両ナンバー、車両タイプ、車両電子タグ、車両運転者情報、車両動力システム情報、車両センサ情報などを含むが、これに限られない。
【0037】
ここで、本願の実施例に関する車両タイプは、乗用自動車(例えば自家用車)、タクシー、バン、バス、コンテナトラック、大型トラックなどを含んでもよい。当該車両電子タグとは、公的機関などが発行する電子ライセンスプレートであってもよく、その中には車両の識別情報が記憶されてもよく、当該識別情報は読み取り専用で書き込み不可能であり、各車両は1つの車両電子タグに対応する。車両運転者情報には、氏名、年齢、運転年齢、身分証明書番号及び運転免許証番号などを含んでもよい。車両動力システム情報には、車両の最大加速度、最大減速度、最小旋回半径、制動準備時間などを含んでもよい。車両センサ情報には、センサの種類、各センサの取付位置、各センサ識別番号などを含んでもよい。
【0038】
ステップ202:車両登録メッセージを判定し、判定を通過した車両登録メッセージを記憶し、判定を通過した車両登録メッセージに対応する隊列編入待ち車両を隊列編入許可車両とする。
【0039】
ここで、ステップ201及びステップ202を用いることは、クラウドサーバに登録済みの隊列編入許可車両を形成するよう、各車両を登録するためである。
【0040】
当該ステップ202は、具体的には、予め設けられた車両登録メッセージ判定ルールを用いて、車両ナンバー、車両タイプ、車両電子タグ、車両運転者情報、車両動力システム情報及び車両センサ情報などを判定してもよい。例えば、予め設けられた個体認識データベースを用いて、車両運転者情報を識別する。あるいは、例えば人工レビューの方法を採用して、人工レビューで誤りがないことを確認した後、車両登録メッセージが判定した結果を生成してもよい。あるいは、予め設けられた車両登録メッセージのサンプルを用いて予め設けられたいくつかのニューラルネットワークを学習し、学習したニューラルネットワークを後続の車両登録メッセージの判定過程に適用してもよい。具体的な車両登録メッセージの判定過程と方法はまだ多くあるが、ここではこれ以上説明しない。
【0041】
ステップ203:いくつかの隊列編入許可車両の車載デバイスからリアルタイムにアップロードされた位置情報、目的地情報及び所属隊列情報を受信する。
【0042】
具体的には、当該位置情報は各隊列編入許可車両の現在位置を表す。所属隊列情報には、所属隊列のユニックな番号などを含んでもよく、所属隊列がない場合、「N/A」、「無」などのマークで表してもよい。
【0043】
ステップ204:リアルタイムにアップロードされた位置情報及び目的地情報に基づいて、各隊列編入許可車両のナビゲーション経路情報を決定する。
【0044】
具体的には、この位置情報及び目的地情報に基づいて、各種類のナビゲーション経路アルゴリズムを採用して各隊列編入許可車両のナビゲーション経路情報を得てもよく、具体的なナビゲーション経路アルゴリズムには様々なものがあるが、ここでは説明を省略する。
【0045】
ステップ205:位置情報、目的地情報、所属隊列情報及びナビゲーション経路情報に基づいて、隊列編入待ち車両の車載デバイスに車両提示情報を表示するように、1つの隊列編入待ち車両の車載デバイスに当該隊列編入待ち車両から1つの予め設定された距離範囲内の車両提示情報を送信する。
【0046】
ここで、当該車両提示情報は、各隊列編入許可車両の車両ナンバーと、車両タイプと、位置情報(隊列編入待ち車両との距離に換算可能)と、目的地情報と、所属隊列情報と、各ナビゲーション経路情報に基づいて決定された隊列編入待ち車両と共同で走行可能な距離情報(具体的にはナビゲーション経路情報に基づいて算出することができ、ここでは説明を省略する)とを含んでもよい。当該車両提示情報はヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface、HMIと略称する)によって隊列編入待ち車両の車載デバイスに展示してもよく、例えば図3に示すように、隊列を組む車両の車載装置に車両提示情報を表示してもよい。
【0047】
ステップ206:隊列編入待ち車両の車載デバイスが車両提示情報に基づいて選択して生成した隊列編入申請の要求メッセージを受信する。
【0048】
ここで、当該隊列編入申請の要求メッセージには、選択した車両提示情報及び隊列編入待ち車両の車両電子タグを含む。例えば、上述した図3において、隊列編入申請の要求メッセージを生成するように、線の枠の中の車両提示情報を選択し、これにより当該隊列編入待ち車両が当該線の枠の中の対応するコンテナトラックと隊列編入する必要があることを示す。
【0049】
ステップ206の後、ステップ207又はステップ208を実行する。
【0050】
ステップ207:選択した車両提示情報における所属隊列情報が空である場合、選択した車両提示情報に対応する車両が現在の末尾車両と決定する。
【0051】
所属隊列情報が空であるということは、当該車両が現在いずれの隊列にも属していないことを示す(例えば、図3で所属隊列がN/Aと表示される車両は現在いずれの隊列にも属していない)。隊列への参加は一般的に隊列の末尾から入隊する必要があるため、選択した車両提示情報中の所属隊列情報が空である場合、選択した車両提示情報に対応する車両を現在の末尾車両とすることができ、これにより後で隊列に参加する際に、当該現在の末尾車両の後ろから入隊することを保証することができる。
【0052】
ステップ207の後、続いてステップ209を実行する。
【0053】
ステップ208:選択した車両提示情報における所属隊列情報が空でない場合、所属隊列情報に基づいて1つの参加待ち隊列を決定し、当該参加待ち隊列の末尾車両を現在の末尾車両とする。
【0054】
所属隊列情報が空でないということは、つまり当該車両が現在既に1つの隊列に属していることを意味し(一般的には1つの隊列にしか属することができず、同じ車両が同時に複数の隊列に属している場合を考慮しない)、例えば、図3において属する隊列がA01350と表示される車両は、つまり隊列A01350に属し(A01350は隊列番号を示し、隊列番号は多くの形式があるが、ここではこれのみを例とする)、当該所属隊列情報に基づいて、つまり1つの参加待ち隊列がA01350であると決定する。隊列A01350では、当該乗用車は隊列の末尾車両ではない可能性があるため、クラウドサーバは所属隊列情報に基づいて当該隊列A01350の現在の末尾車両を再決定してもよい。
【0055】
ステップ208の後、続いてステップ209を実行する。
【0056】
ステップ209:隊列編入待ち車両の車両電子タグに基づいて、隊列編入待ち車両の車両登録メッセージを呼び出し、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報を取得する。
【0057】
ここで、第1の車両タイプは、隊列編入待ち車両の車両タイプであり、第1の運動学情報は、隊列編入待ち車両の車両動力システム情報に基づいて決定された隊列編入待ち車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む。ここで、クラウドサーバは、各隊列編入許可車両の車両登録メッセージを予め記憶してもよく、車両電子タグをインデックスとしてもよく、車両登録メッセージの照会に便利である。
【0058】
ステップ210:現在の末尾車両の車両電子タグを取得し、現在の末尾車両の車両登録メッセージを呼び出し、現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報を取得する。
【0059】
ここで、第2の車両タイプは、現在の末尾車両の車両タイプであり、第2の運動学情報は、現在の末尾車両の車両動力システム情報に基づいて決定された現在の末尾車両の最小旋回半径及び制動準備時間を含む。
【0060】
ステップ211:隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとにセンサ及び動作状態の要求メッセージをそれぞれ送信し、隊列編入待ち車両の車載デバイスが隊列編入待ち車両の電子システムから取得した第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスが各車両の電子システムからそれぞれ取得した第2のセンサ及び動作状態情報とを受信する。
【0061】
ここで第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とは、それぞれの最小感知情報のセンサの作動状態と、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度と、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度とをいずれも含む。当該最小感知情報のセンサとは、例えば、カメラ、レーザレーダーなどの自動運転の正常な動作を保証するために少なくとも必要なセンサを指す。測位システムセンサとは、例えば、レーザレーダー、全地球測位システム(GPS、Global Positioning System)センサなどの車両の測位を完成するためのセンサである。当該前方距離感知センサとは、例えば、レーザレーダー、前方カメラなどの車両の前端に取り付けて、車両の走行方向に向かって前方物体の距離を感知するためのセンサである。ここで、各種類のセンサに対しては、モニタリングの方法を採用して各センサの動作状態と精度を得てもよく、具体的にはモニタリングの目的を実現するために多くの方法があり、例えばセンサの周期的なメッセージを検知し、また、例えば多くのセンサが感知された精度を直接出力することもでき、また、例えば多くのセンサが結果だけを出力すると、センサの精度を評価するために別のアルゴリズムが必要になり、動作状態と精度を具体的に取得する方法についてはここでは説明を省略する。
【0062】
ステップ212:第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成する。
【0063】
本願の実施例において、車両タイプは車両の体積及び重量に応じて複数の車両レベルに分類され、そのうち車両レベルが高いほど車両の体積及び重量が大きくなり、又は車両レベルが低いほど車両の体積及び重量が大きくなる。例えば、乗用車とタクシー(小型車両)をレベル1に分類し、バンとバス(中型車両)をレベル2に分類し、コンテナトラックと大型トラック(大型車両)をレベル3に分類してもよく、また、乗用車とタクシー(小型車両)をレベル3に分類し、バンとバス(中型車両)をレベル2に分類し、コンテナトラックと大型トラック(大型車両)をレベル1に分類してもよい。具体的なレベルの分類方法について、ここでは説明を省略する。
【0064】
ここで、当該ステップ212は以下の方法を採用して実現してもよい。具体的には、車両タイプの判定(ステップA1~ステップA3)、最小旋回半径の判定(ステップA4)及び制動準備時間の判定(ステップA5)を行ってもよい。
【0065】
ステップA1:第1の車両タイプ及び第2の車両タイプに基づいて、第1の車両タイプが属する第1の車両レベルと、第2の車両タイプが属する第2の車両レベルとをそれぞれ取得する。
【0066】
ステップA1の後、ステップA2又はステップA3を実行する。
【0067】
ステップA2:車両レベルが高いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以下であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定する。
【0068】
ステップA3:車両レベルが低いほど、車両の体積及び重量が大きい場合、第1の車両レベルが第2の車両レベル以上であると、車両タイプの判定結果が通過であると決定する。
【0069】
上述のステップA2又はステップA3によって、つまり車両の体積及び重量の大きい車両が、車両の体積及び重量の小さい車両の後ろについていくことを許可しないように制限し、例えば大型トラックは乗用車の後ろについていくことができない。
【0070】
ステップA4:隊列編入待ち車両の最小旋回半径と、現在の末尾車両の最小旋回半径とを比較し、隊列編入待ち車両の最小旋回半径が現在の末尾車両の最小旋回半径以下である場合、最小旋回半径の判定結果が通過であると判定する。
【0071】
ステップA5:隊列編入待ち車両の制動準備時間と、現在の末尾車両の制動準備時間とを比較し、隊列編入待ち車両の制動準備時間が現在の末尾車両の制動準備時間以下である場合、制動準備時間の判定結果が通過であると判定する。
【0072】
上述のステップA2~ステップA5の後、ステップA6を実行する。
【0073】
ステップA6:車両タイプの判定結果、最小旋回半径の判定結果及び制動準備時間の判定結果がいずれも通過である場合、運動学判定結果が通過と生成する。
【0074】
車両タイプの判定、最小旋回半径の判定、制動準備時間の判定によって、隊列走行の合理性を確保し、大型車両が小型車両の後についていくなどの危険な状況を回避し、隊列走行の時に、追突などの問題を効果的に回避することができる。
【0075】
ステップ213:第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいて、センサ判定を行い、センサ判定結果を生成する。
【0076】
当該ステップ213は、以下の方法を採用して実現することができる。
【0077】
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか否か、又は冗長作動があるか否か(冗長作動とは、センサが故障した後、冗長に作動するセンサがあり、故障したセンサの代わりに作動を続けることができることを指す)、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常か否か、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常か否かを判定する。具体的な作動状態及び精度の判定ルールは予め設けられてもよく、ここでは説明を省略する。
【0078】
隊列編入待ち車両と隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両とのそれぞれの最小感知情報のセンサの作動状態が正常に作動しているか又は冗長作動があり、それぞれの測位システムセンサの作動状態及び精度が正常であり、それぞれの前方距離感知センサの作動状態及び精度が正常である場合、センサ判定結果が通過と生成する。
【0079】
ステップ214:運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信する。
【0080】
隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信することによって、隊列の先頭車両に当該隊列編入待ち車両の参加を同意するか否かを確認させる。
【0081】
ステップ215:隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとに提示メッセージを送信し、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了する。
【0082】
ここで、この提示メッセージには、隊列編入待ち車両の車両ナンバーと車両タイプなどを含むが、これに限られず、当該提示メッセージによって、隊列内の各車両に新しいメンバーが参加することを提示することができる。具体的には、隊列編入待ち車両が参加待ち隊列の末尾に参加することは、車載デバイスの間のV2V通信によって完成してもよく、ここでは説明を省略する。
【0083】
また、一定時間内に申請同意メッセージを受信しなかった場合、又は申請拒否メッセージを受信した場合は、先頭車両が隊列編入待ち車両の入隊を拒否し、プロセス全体が終了し、隊列編入待ち車両の入隊が失敗したことを表す。隊列編入待ち車両が入隊が成功しなかった場合において、周囲の車両の車両間(V2V)通信情報を受信すると、隊列編入待ち車両の車載デバイスは車両間通信情報を無視する。
【0084】
なお、本願の実施例における車載デバイスの間、車載デバイスとクラウドサーバとの間の通信は、通信の安全性を確保するために、対称暗号化、非対称暗号化、CA(Certificate Authority、電子認証サービス機関)認証などの方法を採用してもよいが、これに限定されるものではない。
【0085】
他の側面において、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、当該プログラムがプロセッサに実行されると、上述の図1図2に対応する自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0086】
他の側面において、本願の実施例はコンピュータ装置をさらに提供し、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムとを含み、プロセッサにプログラムが実行されると、上述の図1図2に対応する自動運転車両隊列の隊列編入方法を実現する。
【0087】
また他の側面において、図4に示すように、本願の実施例は、クラウドサーバ301をさらに提供し、クラウドサーバ301はいくつかの車両における車載デバイス302と通信接続し、クラウドサーバは、上述の図1図2に対応する自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられる。
【0088】
さらに他の側面において、図4に示すように、本願の実施例は、自動運転車両隊列の隊列編入システム30を提供し、クラウドサーバ301と、クラウドサーバ301と通信接続された、いくつかの車両における車載デバイス302とを含み、クラウドサーバ301は、上述の図1図2に対応する自動運転車両隊列の隊列編入方法を実行するために用いられる。
【0089】
当業者に本願の応用環境を理解させるために、図5に示すように、以下隊列編入待ち車両Aが自動運転車両隊列Bに参加しようとすることを例として説明し、当該自動運転車両隊列Bは現在2つの車両があり、それぞれ車両Cと車両Dである。
【0090】
以下、図6に示すように、隊列編入待ち車両Aの車載デバイスと、車両Cの車載デバイス及び車両Dの車載デバイスと、クラウドサーバとの相互作用過程を説明することによって、本願の実施例を説明する。
【0091】
まず、隊列編入待ち車両A、車両C及び車両Dがすでに車両登録によって、隊列編入許可車両になったとする。具体的な車両登録過程は、上述のステップ201~ステップ202を参照する。
【0092】
その後、隊列編入待ち車両Aの車載デバイスと、車両Cの車載デバイス及び車両Dの車載デバイスと、クラウドサーバとの相互作用過程は、図6に示すように、以下のステップを含む。
【0093】
ステップ401:隊列編入待ち車両Aの車載デバイス、車両Cの車載デバイス及び車両Dの車載デバイスは、それぞれの位置情報、目的地情報及び所属隊列情報をリアルタイムにクラウドサーバにアップロードする。
【0094】
ステップ402:クラウドサーバはリアルタイムにアップロードされた位置情報及び目的地情報に基づいて、隊列編入待ち車両A、車両C及び車両Dのナビゲーション経路情報を決定する。
【0095】
ステップ403:クラウドサーバは、位置情報、目的地情報、所属隊列情報及びナビゲーション経路情報に基づいて、隊列編入待ち車両Aの車載デバイスに車両提示情報を表示するように、隊列編入待ち車両Aの車載デバイスに当該隊列編入待ち車両から1つの予め設定された距離範囲内の車両提示情報を送信する。ここでは、車両Cと車両Dの車両提示情報を送信することのみを例とする。
【0096】
ステップ404:隊列編入待ち車両Aの車載デバイスは車両提示情報に基づいて選択して隊列編入申請の要求メッセージを生成し、クラウドサーバに送信する。
【0097】
その後、クラウドサービスは、上述のステップ206~ステップ213のような判定過程を行い、つまり隊列編入待ち車両Aが自動運転車両隊列Bに参加することに適するか否かを判定し、すなわち隊列編入待ち車両A、車両C、車両Dの運動学判定結果及びセンサ判定結果から判定し、具体的な方法はここでは説明を省略する。
【0098】
ステップ405:運動学判定結果及びセンサ判定結果はいずれも通過である場合、クラウドサーバは隊列編入待ち車両Aの参加待ち隊列Bの先頭車両、つまりここの車両Cの車載デバイスに確認要求メッセージを送信する。
【0099】
ステップ406:車両Cの車載デバイスはクラウドサーバに申請同意メッセージを送信し、隊列編入待ち車両Aの申請に同意することを示す。
【0100】
ステップ407:クラウドサーバは隊列編入するAの車載デバイス、車両Cの車載デバイス及び車両Dの車載デバイスに提示メッセージを送信し、隊列編入待ち車両Aの車載デバイスと、車両C及び車両Dの車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両Aは参加待ち隊列の末尾、つまり車両Dの後側に走行して参加し、これにより隊列編入待ち車両Aの隊列への参加を完了する。
【0101】
本願の実施例に係る連携自動運転車両隊列の自動運転車両隊列の隊列編入方法、装置及びシステムは、クラウドサーバと、いくつかの車両における車載デバイスとに基づいて、隊列編入待ち車両の車載デバイスから送信された隊列編入申請の要求メッセージを受信し、隊列編入申請の要求メッセージから、隊列編入待ち車両の第1の車両タイプ及び第1の運動学情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の現在の末尾車両の第2の車両タイプ及び第2の運動学情報と、隊列編入待ち車両の第1のセンサ及び動作状態情報と、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の第2のセンサ及び動作状態情報とを取得し、第1の車両タイプ、第1の運動学情報、第2の車両タイプ及び第2の運動学情報に基づいて車両の運動学判定を行い、運動学判定結果を生成し、第1のセンサ及び動作状態情報と、第2のセンサ及び動作状態情報とに基づいてセンサ判定を行い、センサ判定結果を生成し、運動学判定結果及びセンサ判定結果がいずれも通過である場合、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスに確認要求メッセージを送信し、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の先頭車両の車載デバイスの申請同意メッセージを受信した後、隊列編入待ち車両の車載デバイスと、隊列編入待ち車両の参加待ち隊列の各車両の車載デバイスとを、V2V通信接続を行うように制御し、当該隊列編入待ち車両は参加待ち隊列の末尾に参加し、これにより、隊列編入待ち車両の隊列への参加を完了することができる。これから分かるように、本願の実施例は、道路側ユニットの処理や応答に依存する必要がなく、道路側ユニットが設けられていない領域においても、連携自動運転車両隊列の隊列編入を完了できる。また、本願の実施例は、車両運動学及びセンサに基づいて車両が隊列編入の要求を満たすか否かを認証することもでき、隊列編入に参加している車両に対する認証過程が乏しく、自動運転車両隊列の走行過程に安全リスクをもたらすという問題を回避する。
【0102】
以上、具体的な実施例に結び付けて本出願の基本原理を説明したが、当業者にとっては、本出願の方法及び装置の全部または任意のステップや部品は、算出装置(プロセッサ、記憶媒体などを含む)又は算出装置のネットワークにおいて、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにより実現できると理解可能であり、これは、本出願の明細書を読んだ場合、基本的なプログラミング技術を使用して当業者が実現できるものであることを留意したい。
【0103】
当業者であれは、上述した実施例の方法に含まれる全部又は一部のステップを実現することは、プログラムを介して関連するハードウェアを命令することによって完了されてもよく、前記プログラムは、1つのコンピュータ読取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、このプログラムが実行される場合、方法の実施例のステップの1つ又はそれらの組み合わせを含むことを理解できる。
【0104】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積してもよく、各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積してもよい。前述集積したモジュールは、ハードウェアの形でもソフトウェア機能モジュールの形でも実現できる。前記集積モジュールがソフトウェア機能モジュールの形で実現して独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ読取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0105】
当業者は、本出願の実施例が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいことを理解すべきである。このため、本出願は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせる実施例の形を採用できる。さらに、本出願は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスクストレージと光ストレージなどを含むが、これらに限定されない)において実行されるコンピュータプログラム製品の形を採用できる。
【0106】
本出願は、本出願の実施例の方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品によるフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明したものである。フローチャート及び/又はブロック図の各プロセス及び/又はブロック、ならびにフローチャート及び/又はブロック図のプロセス及び/又はブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム指令によって実現できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令が汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサに提供して1つのマシンを生成し、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサが実行する指令によって、フローチャートの1つ又は複数のプロセス及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するための装置が生成されてもよい。
【0107】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又はプログラム可能なデータ処理デバイスを特定の方式で動作するようにガイドできるコンピュータ読取り可能メモリに記憶されてもよく、これにより当該コンピュータ読取り可能メモリに記憶された指令に指令装置を含む製造品を生成させ、当該指令装置は、フローチャートの一つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する。
【0108】
これらのコンピュータプログラム指令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされてもよく、それによりコンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスで一連の作業ステップを実行させてコンピュータによる処理を生成して、コンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスで実行される指令が、フローチャートの一つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0109】
本出願の上記実施例を説明したが、当業者は基本的な進歩性の概念を知っていれば、これらの実施例に対して他の変更及び修正を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、上述した実施例及び本出願の範囲内に収まる全ての変更及び修正を含むものと解釈されることを意図する。
【0110】
もちろん、当業者は、本出願の精神及び範囲から逸脱せずに本出願に対して様々な変更及び変形を行うことができる。このように、本出願のこれらの変更及び変形が本出願の特許請求の範囲及びそれと均等の技術の範囲内に属すれば、本出願もこれらの変更及び変形を含むことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6